(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007533
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】入場管理システムおよび入場管理制御装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20240101AFI20250109BHJP
【FI】
G06Q50/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108990
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和田 健太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC29
5L050CC29
(57)【要約】
【課題】入場者の不正な入場の防止と検査スループットの向上との両立を図ることができる入場管理システムを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、入場管理システムは、手荷物判定装置と、入場管理装置と、を具備する。手荷物判定装置は、第1認識部と、第1判定部と、を備える。第1認識部は、入場者の識別情報を取得する。第1判定部は、入場者の手荷物に所定物が含まれているか否かを判定する。入場管理装置は、第1センサと、第2認識部と、第2判定部と、処理部と、を備える。第1センサは、手荷物のサイズを含む情報を検知する。第2認識部は、入場者の識別情報を取得する。第2判定部は、第1センサによって検知された情報に基づき、手荷物が所定サイズ以上か否かを判定する。処理部は、第1判定部の第1判定結果と、第2判定部の第2判定結果と、に基づき、入場者の入場可否を判定し、入場可または不可を示す情報を出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入場者の識別情報を取得する第1認識部と、前記入場者の手荷物に所定物が含まれているか否かを判定する第1判定部と、を備える手荷物判定装置と、
前記第1認識部によって取得された第1識別情報と、前記第1判定部の第1判定結果と、を対応づけて記憶する記憶装置と、
前記手荷物のサイズを含む情報を検知する第1センサと、前記入場者の識別情報を取得する第2認識部と、前記第1センサによって検知された情報に基づき、前記手荷物が所定サイズ以上か否かを判定する第2判定部と、前記第2認識部によって取得された第2識別情報に対応する前記第1識別情報と対応づけられている前記第1判定結果を前記記憶装置から取得する処理部と、を備える入場管理装置と、
を具備し、
前記処理部は、前記第1判定結果と、前記第2判定部の第2判定結果と、に基づき、前記入場者の入場可否を判定し、入場可または入場不可を示す情報を出力する、
入場管理システム。
【請求項2】
前記処理部は、前記第1判定結果を取得できなかった場合、
前記手荷物が前記所定サイズ未満であることを前記第2判定結果が示し、かつ、前記第2識別情報が入場資格を有する旨の属性を付与されている場合、入場可を示す情報を出力する、
請求項1に記載の入場管理システム。
【請求項3】
前記手荷物のサイズを含む情報を検知する第2センサと、前記第2センサによって検知された情報に基づき、前記手荷物が所定サイズ以上か否かを判定する第3判定部と、を備える通行部をさらに具備し、
前記第3判定部による判定は、前記第1判定部による判定より先に実施される、
請求項1に記載の入場管理システム。
【請求項4】
前記通行部は、表示装置をさらに備え、
前記処理部は、前記第3判定部による第3判定結果に基づき、前記入場者に対して提示すべき手荷物検査に関する情報を決定して前記表示装置に表示する、
請求項3に記載の入場管理システム。
【請求項5】
前記入場者が前記所定物を所持しているか否かを判定するボディ判定装置をさらに具備し、
前記処理部は、前記第1判定結果を取得できなかった場合、前記入場者に対して前記ボディ判定装置による判定を実施することを決定する、
請求項1に記載の入場管理システム。
【請求項6】
前記処理部は、前記第2識別情報が入場資格を有する旨の属性を付与されている情報であり、かつ、前記ボディ判定装置によって前記入場者が前記所定物を所持していないと判定された場合、入場可を示す情報を出力する、
請求項5に記載の入場管理システム。
【請求項7】
前記処理部が出力する情報が入力されるゲート装置をさらに具備し、
前記ゲート装置は、入場可を示す情報が入力された場合に開き、入場不可を示す情報が入場された場合に閉じる、
請求項6に記載の入場管理システム。
【請求項8】
前記ボディ判定装置は、表示装置を備え、
前記表示装置は、前記処理部が出力する情報に基づき、前記入場者の入場可否に関する情報を表示する、
請求項7に記載の入場管理システム。
【請求項9】
前記手荷物判定装置は、
前記手荷物の情報を取得する第3センサと、
前記第3センサによって取得された情報と、前記第1判定結果とに基づき、前記入場者が所持する前記所定サイズ以上の手荷物に対して前記第1判定部による判定が実施されているか否かを判定する第4判定部と、をさらに備え、
前記記憶装置は、前記識別情報と、前記第4判定部による第4判定結果とを対応づけて記憶し、
前記処理部は、前記第1判定結果と、前記第2判定結果と、前記第4判定結果とに基づき、前記入場者の入場可否を判定し、入場可または入力不可を示す情報を出力する、
請求項1に記載の入場管理システム。
【請求項10】
前記処理部は、前記入場者が所持する前記所定サイズ以上の手荷物に対して前記第1判定部による判定が実施されていないと前記第4判定部によって判定された場合、入場不可を示す情報を出力する、
請求項9に記載の入場管理システム。
【請求項11】
前記手荷物判定装置は、前記手荷物の情報を取得する第4センサをさらに備え、
前記記憶装置は、前記第1識別情報と、前記第4センサによって取得された前記手荷物の情報とを対応づけて記憶し、
前記入場管理装置は、前記第1センサによって検知された情報に基づき、前記入場者が所持する手荷物が前記第2識別情報に対応する前記第1識別情報と前記記憶装置において前記手荷物の情報が対応づけられている手荷物であるか否かを判定する第5判定部をさらに備え、
前記処理部は、前記第1判定結果と、前記第2判定結果と、前記第5判定部による第5判定結果とに基づき、前記入場者の入場可否を判定し、入場可または入場不可を示す情報を出力する、
請求項1に記載の入場管理システム。
【請求項12】
前記処理部は、前記手荷物が前記所定サイズ以上であると前記第2判定部によって判定され、かつ、前記所定サイズ以上の手荷物が前記第2識別情報に対応する前記第1識別情報と前記記憶装置において前記手荷物の情報が対応づけられている手荷物ではないと前記第5判定部によって判定された場合、入場不可を示す情報を出力する、
請求項11に記載の入場管理システム。
【請求項13】
前記手荷物判定装置は、前記所定サイズ以上かつ前記第1判定部で判定済みの手荷物を識別するためのタグを発行するタグ発行部をさらに備え、
前記記憶装置は、前記第1識別情報と前記タグの情報とを対応づけて記憶し、
前記入場管理装置は、
前記タグから情報を取得する第5センサと、
前記第1センサによって検知された情報と、前記第5センサによって取得された前記タグの情報とに基づき、前記入場者が所持する前記所定サイズ以上の荷物が、前記第2識別情報に対応する前記第1識別情報と前記記憶装置において前記タグの情報が対応づけられているタグを備えているか否かを判定する第6判定部をさらに備え、
前記処理部は、前記第1判定結果と、前記第2判定結果と、前記第6判定部の第6判定結果とに基づき、前記入場者の入場可否を判定し、入場可または入場不可を示す情報を出力する、
請求項1に記載の入場管理システム。
【請求項14】
前記処理部は、前記入場者が所持する前記所定サイズ以上の手荷物が、前記第2識別情報に対応する前記第1識別情報と前記記憶装置において前記タグの情報が対応づけられているタグを備えていないと前記第6判定部によって判定された場合、入場不可を示す情報を出力する、
請求項13に記載の入場管理システム。
【請求項15】
入場者の識別情報と、前記入場者の手荷物に所定物が含まれているか否かの第1判定結果と、を手荷物判定装置から受信し、
前記手荷物判定装置から受信した第1識別情報と、前記第1判定結果と、を対応づけて記憶装置に記憶させ、
前記入場者の識別情報と、前記手荷物が所定サイズ以上か否かの第2判定結果と、を入場管理装置から受信し、
前記入場管理装置から受信した第2識別情報に対応する前記第1識別情報と対応づけられている前記第1判定結果を前記記憶装置から取得し、前記第1判定結果と、前記第2判定結果とに基づき、前記入場者の入場可否を判定し、入場可または入場不可を示す情報を前記入場管理装置へ送信する、
入場管理制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、入場管理システムおよび入場管理制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
公共交通機関、イベント会場、官公庁等では入場者の手荷物検査が実施されている。検査スループット向上のため、複数人が同時に手荷物検査の準備を実施できるスマートレーンによる検査システムが知られている。1つの検査レーンに複数人が手荷物検査の準備を行うスペースを設け、検査準備が完了した人から順次、検査レーンに荷物を載せて手荷物検査を実施する。手荷物検査に合格した入場者は入場が可能であり、不合格であった入場者に対しては適宜追加検査が行われる。このような構成とすることにより、検査システム入場者当たりに要する係員の人数が削減できるため、省人化につながる。
【0003】
ここで、入場者自身に手荷物検査を実施させると、検査を適切に実施せず不正に入場されるおそれがある。入場者の不正な入場を防ぐ方法として、書店等の小売店において盗難防止を支援する防犯支援システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、カメラで撮影された人物が盗難対象となる物体を所持しているか否かを判定し、盗難対象となる物体を所持する人物を監視員に知らせることで商品の盗難を防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
手荷物の有無に基づいて入場者に対する手荷物検査の要否を判定する入場管理システムを構成すると、例えば、携帯電話、財布、飲食物、筆記具等の小さい手荷物まで手荷物検査を義務づけることとなり、入場者の増加によって検査スループットが低下するおそれがある。また、検査後に第三者から未検査の手荷物や危険物を受け取る、第三者からIDを受け取る、などにより、危険物や持ち込み禁止品を持ち込まれるおそれがある。
【0006】
本発明の1つの実施形態は、入場者の不正な入場の防止と検査スループットの向上との両立を図ることができる入場管理システムおよび入場管理制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、入場管理システムは、手荷物判定装置と、記憶装置と、入場管理装置と、を具備する。手荷物判定装置は、第1認識部と、第1判定部と、を備える。第1認識部は、入場者の識別情報を取得する。第1判定部は、入場者の手荷物に所定物が含まれているか否かを判定する。記憶装置は、第1認識部によって取得された第1識別情報と、第1判定部の第1判定結果と、を対応づけて記憶する。入場管理装置は、第1センサと、第2認識部と、第2判定部と、処理部と、を備える。第1センサは、手荷物のサイズを含む情報を検知する。第2認識部は、入場者の識別情報を取得する。第2判定部は、第1センサによって検知された情報に基づき、手荷物が所定サイズ以上か否かを判定する。処理部は、第2認識部によって取得された第2識別情報に対応する第1識別情報と対応づけられている第1判定結果を記憶装置から取得する。処理部は、第1判定結果と、第2判定部の第2判定結果と、に基づき、入場者の入場可否を判定し、入場可または不可を示す情報を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る入場管理システムの概略的な構成を示す図。
【
図2】第1実施形態に係る入場管理システムを適用する検査システムの一例を概略的に示す平面図。
【
図3A】第1実施形態に係る表示装置の第1の例の概略的な平面図。
【
図3B】第1実施形態に係る表示装置の第2の例の概略的な平面図。
【
図3C】第1実施形態に係る表示装置の第3の例の概略的な平面図。
【
図3D】第1実施形態に係る表示装置の第4の例の概略的な平面図。
【
図3E】第1実施形態に係る表示装置の第5の例の概略的な平面図。
【
図3F】第1実施形態に係る表示装置の第6の例の概略的な平面図。
【
図3G】第1実施形態に係る表示装置の第7の例の概略的な平面図。
【
図3H】第1実施形態に係る表示装置の第8の例の概略的な平面図。
【
図4A】第1実施形態に係る手荷物判定装置の第1の例を示す概略的な平面図。
【
図4B】第1実施形態に係る手荷物判定装置の第2の例を示す概略的な平面図。
【
図5】第1実施形態に係る手荷物判定装置による第1ID所持者が所持する手荷物に所定物が含まれるか判定する第1判定ルーチンのフローチャート。
【
図6】第1実施形態に係る入場管理装置による第2ID所持者の入場可否を判定する入場可否判定ルーチンのフローチャート。
【
図7】第1実施形態に係る入場管理装置12による第2ID所持者が所持する手荷物が所定サイズ以上か否かを判定する第2判定サブルーチンのフローチャート。
【
図8】第1実施形態に係る入場管理装置12による第2ID所持者が所持する手荷物に所定物が含まれるか否かを判定する所定物判定サブルーチンのフローチャート。
【
図9】第2実施形態に係る入場管理システムを適用する検査システムを概略的に示す平面図。
【
図10A】第2実施形態に係る表示装置の第1の例の概略的な平面図。
【
図10B】第2実施形態に係る表示装置の第2の例の概略的な平面図。
【
図10C】第2実施形態に係る表示装置の第3の例の概略的な平面図。
【
図10D】第2実施形態に係る表示装置の第4の例の概略的な平面図。
【
図10E】第2実施形態に係る表示装置の第5の例の概略的な平面図。
【
図10F】第2実施形態に係る表示装置の第6の例の概略的な平面図。
【
図11】第2実施形態に係る通行部による通行部の通行者が所持する手荷物のサイズを判定する通行部での荷物サイズ判定ルーチンのフローチャート。
【
図12】第3実施形態に係る入場管理システムを適用する検査システムを概略的に示す平面図。
【
図13】第3実施形態に係るボディ判定装置と第1判定部との概略的な平面図。
【
図14】第3実施形態に係る検査システムにおける第1判定ルーチンのフローチャート。
【
図15A】第3実施形態に係る検査システムにおいて入場管理装置による第2ID所持者の入場可否を判定する入場可否判定ルーチンの1つ目のフローチャート。
【
図15B】第3実施形態に係る検査システムにおいて入場管理装置による第2ID所持者の入場可否を判定する入場可否判定ルーチンの2つ目のフローチャート。
【
図16】第3実施形態に係る第2入場部が備えるボディ判定装置の利用者が所定物を携行しているか否か判定する第2入場部での所定物の携行判定ルーチンのフローチャート。
【
図17】第3実施形態に係る第2入場部が備えるゲート装置の開閉部を開閉するゲート開閉ルーチンのフローチャート。
【
図18】第4実施形態に係る入場管理システムの概略的な構成を示す図。
【
図19】第4実施形態に係る入場管理システムを適用する検査システムを概略的に示す平面図。
【
図20A】第4実施形態に係る表示装置の第1の例の概略的な平面図。
【
図20B】第4実施形態に係る表示装置の第2の例の概略的な平面図。
【
図21A】第4実施形態に係る入場管理システムにおける第1判定ルーチンの1つ目のフローチャート。
【
図21B】第4実施形態に係る入場管理システムにおける第1判定ルーチンの2つ目のフローチャート。
【
図22】第4実施形態に係る入場管理システムにおける第4判定ルーチンのフローチャート。
【
図23A】第4実施形態に係る入場管理システムにおける入場可否判定ルーチンの1つ目のフローチャート。
【
図23B】第4実施形態に係る入場管理システムにおける入場可否判定ルーチンの2つ目のフローチャート。
【
図24】第5実施形態に係る入場管理システムの概略的な構成を示す図。
【
図25】第5実施形態に係る入場管理システムを適用する検査システムを概略的に示す平面図。
【
図26】第5実施形態に係る入場管理システムにおける第1判定ルーチンのフローチャート。
【
図27A】第5実施形態に係る入場管理システムにおける入場可否判定ルーチンの1つ目のフローチャート。
【
図27B】第5実施形態に係る入場管理システムにおける入場可否判定ルーチンの2つ目のフローチャート。
【
図28】第6実施形態に係る入場管理システムの概略的な構成を示す図。
【
図29】第6実施形態に係る入場管理システムを適用する検査システムを概略的に示す平面図。
【
図30】第6実施形態に係る入場管理システムのタグ発行部が発行するタグの一例を概略的に示す平面図。
【
図31】第6実施形態に係る入場管理システムにおける第1判定ルーチンのフローチャート。
【
図32A】第6実施形態に係る入場管理システム10eにおける入場可否判定ルーチンの1つ目のフローチャート。
【
図32B】第6実施形態に係る入場管理システム10eにおける入場可否判定ルーチンの2つ目のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、X軸とY軸とZ軸とは互いに直交する軸を表し、+X軸方向、+Y軸方向、+Z軸方向はそれぞれX軸、Y軸、Z軸に平行な正側の方向を表す。-X軸方向、-Y軸方向、-Z軸方向はそれぞれX軸、Y軸、Z軸に平行な負側の方向を表す。単にX軸方向、Y軸方向、Z軸方向と言うときは、それぞれX軸、Y軸、Z軸に沿って+と-との両方向を含む。
【0010】
前述したように、手荷物の有無に基づいて入場者に対する手荷物検査の要否を判定する入場管理システムを構成すると、例えば、携帯電話、財布、飲食物、筆記具等の小さい手荷物まで手荷物検査を義務づけることとなり、入場者の増加によって検査スループットが低下するおそれがある。また、検査後に第三者から未検査の手荷物や危険物を受け取る、第三者からIDを受け取る、などにより、危険物や持ち込み禁止品を持ち込まれるおそれがある。
【0011】
例えば爆発物等であれば、その危険度は爆発物のサイズに概ね比例する。また、薬物等の禁制品、貴金属や宝飾品等の密輸においては、その被害額は持ち込まれる密輸品のサイズに概ね比例する。したがって、検査対象や検査目的によっては、所定サイズ未満の手荷物について検査不要としてもよい。入場者が所持する手荷物のサイズに応じて必要な検査を判定する入場管理システムを構成すれば、例えばサイズが大きい荷物を所持する入場者には荷物検査を義務づけ、サイズが小さい荷物のみ所持する入場者は検査を実施せずとも入場可能とすることで、検査スループットの向上が可能となる。
【0012】
また、検査可能な上限サイズが異なる手荷物検査装置が複数あるとき、手荷物のサイズに応じて何れを使用すべきかを判定し、利用者に表示することで検査効率の向上が可能となる。また、手荷物検査装置で検査可能なサイズを超えている荷物を判定して所持者に目視検査を受けるように案内する等、手荷物のサイズに応じた適切な検査プロセスの判定や表示等によっても検査効率の向上が可能となる。
【0013】
また、サイズが小さい手荷物のみ所持する入場者に対しても、例えば高スループットなウォークスルー型のボディ検査を義務づけるように検査システムを構成すれば、検査スループットを低下させることなく入場者の所持品の検査漏れを防ぐことが可能となる。また、入場者が所持する所定サイズ以上の手荷物の個数を荷物検査後も適宜取得することで、荷物検査後に第三者から未検査の手荷物や危険物を受け取ったことを検知することも可能となる。
【0014】
以上を踏まえて、本実施形態は、入場者の不正な入場の防止と検査スループットの向上との両立を図ることができる入場管理システムを提示する。
【0015】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について説明する。
【0016】
図1は、第1実施形態に係る入場管理システム10の概略的な構成を示す図である。
【0017】
入場管理システム10は、例えば、手荷物判定装置11と、入場管理装置12と、記憶装置1001と、を備える。
【0018】
記憶装置1001は、例えば半導体メモリ等の主記憶装置やHDD(hard disk drive)やSDD(solid state drive)等の補助記憶装置であってもよい。また、インターネットを介してアクセス可能なクラウドストレージであってもよい。記憶装置は、入場管理システム10を用いた、
図2を参照して後述する検査システム300の内部に設置されていてもよく、検査システム300の外部に設置されたサーバーやクラウドストレージであってもよい。記憶装置1001は、有線または無線を介して外部から入力された情報を記憶し、また、記憶した情報を外部に出力する機能を有する。また、記憶した情報を互いに紐づけて整理したデータベースを構築する機能を有していてもよい。第1実施形態においては、記憶装置1001は、検査システム300の外部に設置されたサーバーとする。
【0019】
手荷物判定装置11は、その製造者や管理者等が定めた所定物が手荷物に含まれているかを判定する。所定物は、例えば、爆発物、薬物、銃火器、刃物、貴金属等であってよい。所定物は、固体に限らず液体や気体であってもよい。また、所定物を収容可能な容器等を所定物に含めてもよい。
【0020】
手荷物判定装置11は、例えば、処理部1101と、第1ID認識部1102と、第1判定部1103と、表示装置1104と、を備える。
【0021】
処理部1101は、例えばIC(Integrated circuit)等の電子回路である。あるいは、処理部1101は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)、マイクロコントローラ等の集積回路である。あるいは、処理部1101は、CPUやGPUを内蔵したサーバー等のコンピュータであってもよい。処理部1101は、例えば第1ID認識部1102や第1判定部1103や表示装置1104から入力された情報を処理し、また、処理した情報を記憶装置1001や第1判定部1103や表示装置1104へ出力する。
【0022】
処理部1101は、第1判定部1103に内蔵されるハードウェアであってもよく、第1判定部1103の外部に設置され、有線または無線を介して第1ID認識部1102や第1判定部1103や表示装置1104や記憶装置1001と接続されるハードウェアであってもよい。例えば、処理部1101は、インターネットを介して処理情報を入出力可能なサーバーであってもよい。
【0023】
1つの処理部1101が、複数の第1ID認識部1102や複数の第1判定部1103や複数の表示装置1104からの情報を入力可能に構成されていてもよい。また、1つの処理部1101が、複数の第1判定部1103や複数の表示装置1104へ情報を出力可能に構成されていてもよい。
【0024】
第1ID認識部1102は、例えば手荷物判定装置11の利用者が所持するID情報を取得するセンサを備える。第1ID認識部1102は、例えば磁気式のチケットを認識する磁気センサを有していてもよく、ICチケットや一次元バーコード、二次元バーコード等を認識する光学センサを有していてもよい。あるいは、第1ID認識部1102は、生体情報を認識するセンサを有していてもよい。例えば、第1ID認識部1102が備える光学センサにより、手荷物判定装置11の利用者の顔、指紋、網膜等の画像を取得し、処理部1101が当該取得された生体情報と予め記憶装置1001に記憶した生体情報とを照合することで生体認証を行ってもよい。また、第1ID認識部1102で取得した生体情報を第1IDとして利用してもよい。また、第1ID認識部1102は、第1ID認識部1102が備えるセンサを制御するための電子回路や取得した情報を処理するための電子回路を含んでもよい。
【0025】
第1判定部1103は、例えば、X線、テラ波、ミリ波等の電磁波を手荷物に照射して撮像し、手荷物に所定物が含まれるか否かを判定する検査装置を含む。あるいは、第1判定部1103は、電磁誘導により手荷物に所定物が含まれるか否かを判定する金属探知機を含んでいてもよい。あるいは、第1判定部1103は、液体の透過光スペクトルがその種類によって異なることを利用した液体検査装置を含んでいてもよい。あるいは、第1判定部1103は、気流等で手荷物に付着している微粒子を飛ばし、微粒子から薬物や爆発物等を探知するトレース探知装置を含んでいてもよい。
【0026】
表示装置1104は、例えば入力された情報を表示するディスプレイを有していてもよい。また、表示装置1104は、入力された情報を音声で伝達するスピーカーを有していてもよい。表示装置1104は、例えば手荷物判定装置11の利用者に対して手荷物判定装置11の使用方法や第1判定部1103による第1判定結果を表示する。
【0027】
また、表示装置1104は、例えばタッチセンサを有したタッチパネルであってもよい。この場合、手荷物判定装置11の利用者は、表示装置1104に指先や入力用のスタイラスペンで触れることにより手荷物判定装置11を操作できる。
【0028】
表示装置1104は、例えば
図3Aに示す表示内容11041と表示内容11043とのように、手荷物判定装置11の利用者に対して、第1ID認識部1102でのID認証を促すメッセージを表示してもよい。また、表示装置1104は、
図3Bのように、第1ID認識部1102でのID認証が完了したことを表示してもよい。このとき、表示装置1104は、表示内容11042のように、第1ID認識部1102で認識したIDに対応する情報を表示してもよい。表示内容11042は、例えば第1ID認識部1102で認識したIDと予め紐づけられた氏名、年齢、性別などであってよい。また、例えば、映画館やコンサート会場などの入場者、あるいは、鉄道やバスの乗客を検査する場合であれば、表示内容11042は、IDと予め紐づけられた座席や入場可能時刻、鉄道やバスの行先等であってもよい。表示内容11042は、文章に限らず、例えば第1IDと紐づけられた第1ID所持者の顔写真等の画像でも良い。また、
図3Cのように、表示装置1104は、例えばカメラ11046を備えていてもよい。第1ID認識部1102が顔認証に基づいてIDを認識するとき、表示装置1104がカメラ11046を備え、表示内容11044にカメラ11046で撮影した手荷物判定装置11の利用者P1の画像を表示してもよい。表示装置1104は、第1ID認識部1102による顔認証の精度を上げるために、利用者P1に対して、表示内容11045a、11045b、11045c、11045dで構成される枠内にP1の顔を収めるように指示してもよい。また、
図3Dのように、表示装置1104は、ID認証が完了した旨を利用者P1に対して表示してもよい。また、
図3Eのように、表示装置1104は、手荷物判定装置11に利用者の手荷物を設置するように指示してもよい。また、表示装置1104がタッチセンサを有したタッチパネルであるとき、
図3Fのように、手荷物判定の開始、中断、終了等、利用者が手荷物判定装置11を表示装置1104で操作できるように入場管理システム10を構成してもよい。また、
図3Gや
図3Hのように、表示装置1104は、手荷物判定が終了した利用者に対して、終了後の行動を指示してもよい。例えば、表示装置1104は、手荷物判定で手荷物に所定物が含まれないと判定された入場者には入場部へ進むように促し、手荷物に所定物が含まれると判定された入場者には再検査エリアへ進むように促してもよい。
【0029】
手荷物判定装置11は、例えば
図4Aに示すように、コンベヤ1105と開閉扉1106と手荷物置き場1107とを備えていてもよい。
【0030】
手荷物判定装置11は、コンベヤ1105に手荷物を載せて第1判定部1103へ搬送することで、手荷物に所定物が含まれるか判定してもよい。手荷物判定装置11の利用者は、コンベヤ1105の-Y軸側に手荷物を載せる。コンベヤ1105は、利用者から見て+Y軸側に位置する第1判定部1103へ手荷物を搬送する。第1判定部による判定が終了した手荷物は、-Y軸方向へ搬送され、利用者は第1判定部による判定が終了した手荷物を回収する。
【0031】
また、例えば第1判定部1103がX線検査装置を含むとき、X線が第1判定部1103から外部に放射されると周囲の人物が被曝するおそれがある。開閉扉1106が、例えば鉛など放射線を遮蔽可能な材質を含んでいれば、第1判定部の判定処理中は開閉扉1106を閉じることで周囲の人物の被曝を防ぐことが可能となる。また、手荷物判定装置11が手荷物置き場1107を備えていれば、手荷物判定装置11の利用者は手荷物置き場1107に手荷物を置くことで、複数の手荷物を検査する際の準備や手荷物判定装置11の操作が容易となる。
【0032】
また、手荷物判定装置11は、例えば
図4Bに示すように、第1コンベヤ1105aと第2コンベヤ1105bとを備えていてもよい。手荷物判定装置11の利用者は、まず、第1コンベヤ1105aの-Y軸側に手荷物を載せる。当該手荷物は、コンベヤ1105aによって、利用者から見て+Y軸方向に位置する第1判定部1103へ搬送され、手荷物に所定物が含まれるか判定される。第1判定部による判定が終了した手荷物は、第2コンベヤ1105bによって、+X軸から見て135°反時計回り方向の軸に沿って搬送された後、-Y軸方向に搬送され、手荷物置き場1108へ搬送される。
図4Aの構成では、第1判定部1103で判定が終了した手荷物は、手荷物判定装置11の利用者が手荷物置き場1107に移動させる必要があるが、
図4Bの構成では、複数の手荷物が第1判定部1103で連続的に判定され、判定が終了した手荷物は、順次、手荷物置き場1108まで搬送され、手荷物判定後にまとめて受け取ることができる。このようにすることで、利用者が第1判定部による判定が完了した手荷物を手荷物置き場1107へ移動させる必要なく、複数の手荷物を第1判定部で判定させることが可能となり、検査スループットの向上が可能となる。
【0033】
入場管理装置12は、例えば、処理部1201と、第2ID認識部1202と、第1センサ1203と、第2判定部1204と、表示装置1205と、を備える。
【0034】
処理部1201は、例えばIC(Integrated circuit)等の電子回路である。あるいは、処理部1201は、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)、マイクロコントローラ等の集積回路である。あるいは、処理部1201は、CPUやGPUを内蔵したサーバー等のコンピュータであってもよい。処理部1201は、例えば第2ID認識部1202や第2判定部1204や表示装置1205から入力された情報を処理し、また、処理した情報を記憶装置1001や第2判定部1204や表示装置1205へ出力する。
【0035】
処理部1201は、第2判定部1204に内蔵されるハードウェアであってもよく、第2判定部1204の外部に設置され、有線または無線を介して第2ID認識部1202や第1センサ1203や第2判定部1204や表示装置1205や記憶装置1001と接続されるハードウェアであってもよい。例えば、処理部1201は、インターネットを介して処理情報を入出力可能なサーバーであってもよい。
【0036】
1つの処理部1201が、複数の第2ID認識部1202や複数の第1センサ1203や複数の第2判定部1204や複数の表示装置1205からの情報を入力可能に構成されていてもよい。また、1つの処理部1201が、複数の第1センサ1203や複数の第2判定部1204や複数の表示装置1205へ情報を出力可能に構成されていてもよい。
【0037】
第2ID認識部1202は、第1ID認識部1102と同様であってよい。すなわち、第2IDは第1IDと同じであり、第2ID認識部1202は第1ID認識部1102と同じ情報を取得してもよい。第2ID認識部1202は、例えば入場管理装置12の利用者が所持するID情報を取得するセンサを備える。また、第2ID認識部1202で取得した生体情報を第2IDとして利用してもよい。また、第2ID認識部1202は、第2ID認識部1202が備えるセンサを制御するための電子回路や取得した情報を処理するための電子回路を含んでもよい。
【0038】
第1センサ1203は、例えば可視光や赤外線を撮像するカメラであってもよい。あるいは、第1センサ1203は、LiDAR(Light Detection And Ranging)のように、対象にレーザー光を照射し、反射光の情報を基に対象の形状や対象とセンサ間の距離を取得するセンサであってもよい。あるいは、第1センサ1203は、ToF(Time of flight)センサと呼称される、対象物に照射した照射光が反射して戻ってくるまでの時間から対象物の深度情報を取得するセンサであってもよい。あるいは、第1センサ1203は、対象物の3次元的な形状を計測する3Dセンサであってもよい。
【0039】
入場管理装置12は、第1センサ1203を複数備えていてもよい。例えば、入場者の進行方向から見て前後に、入場者をセンシングする第1センサが1つずつあってもよく、天井等に設置した第1センサで入場者を上方からセンシングしてもよい。このように第1センサを複数配置することで、入場者が所持する荷物が入場者に隠れて検出できなくなる可能性を低減できる。また、第1センサ1203は、カメラとLiDAR、カメラと3Dセンサ等、互いに異なる複数種類のセンサを組み合わせて構成されていてもよい。
【0040】
第2判定部1204は、第1センサ1203が取得した情報に基づいて、入場者が所定サイズ以上の手荷物を持っているか判定する。第2判定部1204は、例えばCPU、GPU、FPGA、マイクロコントローラ等の集積回路である。あるいは、第2判定部1204は、CPUやGPU等を内蔵したサーバー等のコンピュータであってもよい。第2判定部1204は、前記したCPU等の集積回路で実行されるプログラムを含む。なお、所定サイズは、外部からの入力等により変更可能であってもよい。
【0041】
第2判定部1204は、入場管理システム10の製造者や管理者等が定めた所定サイズ以上の手荷物を入場者が所持しているか否かを判定する。手荷物の所定サイズは、例えば、その3次元的な体積、または、手荷物の見込みの面積、手荷物の外形のうち最長の辺の長さで定義する。また、手荷物の所定サイズは、前記した複数の定義を適宜組み合わせて設定してもよい。所定サイズを見込みの面積または3次元的な体積として定義すると、例えば刀や銃火器等の棒状の物体を所定サイズ以上の手荷物として検出できないおそれがある。また、例えば第1センサがカメラであるとき、カメラの配置によっては2次元的な手荷物の画像から手荷物の3次元的な体積を判定することが難しい。このような場合は、第1センサで撮像した画像における手荷物の見込みの面積、または、手荷物の外形のうち最長の辺の長さで手荷物のサイズを判定することが好ましい。
【0042】
第1センサ1203がカメラで構成されるとき、例えば第1センサの撮像範囲に位置とサイズが既知の指標を設置し、第1センサが撮像した画像に基づいて入場者が所持する手荷物と指標のサイズを比較することにより、入場者が所持する手荷物のサイズを判別可能である。あるいは、例えばサイズが既知の手荷物を所持する人物の画像からなる学習データを用意し、機械学習技術によって人物が所持する手荷物サイズを推定する人工知能を生成して第2判定部1204に組み込んでもよい。このようにすることで、第2判定部1204は、第1センサ1203が撮像した画像から入場者が所持する手荷物のサイズを判定可能となる。
【0043】
また、第1センサ1203が複数のカメラで構成されていれば、手荷物を複数方向から撮像して、その3次元的なサイズを判定することが容易となる。第1センサ1203は、例えば、ステレオカメラや3Dカメラと呼称される、2つのカメラを平行に配列し、カメラ間の視差を利用して撮影対象の3次元画像を取得可能なカメラを用いてもよい。
【0044】
あるいは、例えば第1センサ1203が人物の前後に設置したカメラと人物の上下に設置したカメラとで構成されていれば、複数のカメラで撮影した画像を処理部1201で処理することにより手荷物の3次元画像が撮影可能である。このように複数のカメラを離間して配置すると、入場者の手荷物が入場者の身体に隠れて検出できなくなる可能性を低減できる。LiDARセンサやToFセンサも同様に離間して複数配置することで、入場者の手荷物が入場者の身体に隠れて検出できなくなる可能性を低減できる。
【0045】
例えばLiDARセンサやToFセンサを用いると、対象の3次元的な形状が取得できるため、入場者が所持する荷物のサイズが判定可能である。例えば第1センサ1203がカメラとLiDARセンサで構成されるとき、第2判定部1204は、カメラで取得した入場者の画像から入場者が所持する手荷物を判別し、LiDARセンサで取得した3次元形状情報と組み合わせることで当該手荷物のサイズが判定可能となる。
【0046】
表示装置1205は、例えば入力された情報を表示するディスプレイを有していてもよい。また、表示装置1205は、入力された情報を音声で伝達するスピーカーを有していてもよい。また、表示装置1205は、例えばタッチセンサを有したタッチパネルであってもよい。この場合、入場管理装置12の利用者は、表示装置1205に指先や入力用のスタイラスペンで触れることにより入場管理装置12を操作できる。
【0047】
表示装置1205は、例えば検査システムの管理者や検査担当者に対して、入場者のID情報や当該IDと紐づけられた第1判定結果や第2判定結果を表示する。表示装置1205を用いることで、検査担当者は第1判定部で手荷物が所定物を含むと判定された入場者を特定し、声掛けや追跡、監視カメラを用いた監視等が容易となる。また、第2判定部で所定サイズ以上の荷物を所持していると判定された入場者を特定し、声掛けや手荷物判定装置11への案内等が容易となる。
【0048】
図2は、検査システム300の一例を概略的に示す平面図である。
【0049】
検査システム300は、例えば、手荷物判定装置11a、12a、13aと、第1入場部304と、第2入場部301a、301b、301cと、待機エリア303と、再検査エリア305と、再検査エリアの入口306と、を備える。
【0050】
入場部301aは、例えば、第2ID認識部1202aと、第1センサ1203aと、を備える。同様に、入場部301bは、例えば、第2ID認識部1202bと、第1センサ1203bと、を備える。また、入場部301cは、例えば、第2ID認識部1202cと、第1センサ1203cと、を備える。
【0051】
手荷物判定装置11aは、例えば、第1ID認識部1102aと、第1判定部1103aと、を備える。同様に、手荷物判定装置11bは、例えば、第1ID認識部1102bと、第1判定部1103bとを備える。また、手荷物判定装置11cは、例えば、第1ID認識部1102cと、第1判定部1103cと、を備える。
【0052】
検査システム300において、検査システム300の利用者は、第1入場部304を+X軸方向に進行し、検査システム300の内部に入る。検査システム300において、第2入場部301cは、第2入場部301aや第2入場部301bと比べて、第1入場部304に近い位置にある。所定サイズ以上の荷物を持たない利用者は、第2入場部301cから入場すれば、入場にかかる移動距離を短縮可能である。所定サイズ以上の荷物を持たない利用者が、第2入場部301aまたは第2入場部301bのいずれかを+X軸方向に進行して入場してもよい。
【0053】
検査システム300の利用者は、待機エリア303で、手荷物判定装置11a、11b、11cのいずれかを用いた手荷物判定の順番待ちをしてもよい。利用者は、手荷物判定装置11a、11b、11cのいずれかで、所持する手荷物が所定物を含むか判定する。手荷物判定が終了した利用者は、第2入場部301a、301b、301cのいずれかを+X軸方向に進行して入場する。
【0054】
例えば第2入場部301aを通過して入場するとき、検査システム300の利用者は、第2ID認識部1202aで自身のIDを認識させる。第2ID認識部1202aがIDを認識できないとき、処理部1201は入場不可の情報を出力する。第2ID認識部1202aで利用者のIDを認識できた場合、認識した第2IDを基に、処理部1201は、記憶装置1001から、第2IDに対応する第1IDと紐づけられた第1判定結果を取得する。第1判定結果が取得できたとき、処理部1201は、当該第1判定結果に基づいて第2ID所持者の入場可否情報を出力する。第1判定結果が取得できなかったとき、処理部1201は、第1センサ1203aが取得した情報に基づき、第2判定部1204が判定した第2判定結果を取得し、当該第2判定結果に基づいて第2ID所持者の入場可否情報を出力する。入場不可の情報を出力された第2ID所持者は、手荷物判定装置11a、11b、11cのうちいずれか、または、再検査エリア305で再検査を受検する。再検査で合格した第2ID所持者の情報は記憶装置1001に記憶され、処理部1201は、当該第2ID所持者が第2入場部301a、301b、301cのいずれかを通過した際に、入場可の情報を出力する。
【0055】
ここでは、第2ID所持者が第2入場部301aを通過する際の入場管理システム10の動作について説明したが、第2ID所持者が第2入場部301bまたは第2入場部301cを通過して入場するときも同様である。
【0056】
図2の構成において、入場管理システム10は、検査システム300が有する第2入場部301a、301b、301cを通過する第2ID所持者の入場可否を判定し、当該第2ID所持者の入場可否情報を出力する。
【0057】
図5に示すフローチャートを参照して、手荷物判定装置11による手荷物が所定物を含むか判定する第1判定ルーチンについて説明する。
【0058】
第1ID認識部1102は、第1ID所持者が所持する第1IDの情報を取得する(S101)。
【0059】
処理部1101は、当該第1IDの情報を取得できるか判定する(S102)。第1ID情報が取得できなかった場合(S102:NO)、処理部1101は、第1判定ルーチンを終了する。
【0060】
第1IDの情報を取得できた場合(S102:YES)、処理部1101は、当該第1IDが入場資格を有しているか判定する(S103)。IDが入場資格を有するとは、IDが入場資格を有する旨の属性を付与されていることである。第1IDが入場資格を有していない場合(S103:NO)、処理部1101は、第1判定ルーチンを終了する。
【0061】
第1IDが入場資格を有している場合(S103:YES)、処理部1101は、手荷物判定ループを開始する(S104)。当該第1ID所持者は、手荷物を手荷物判定装置11に設置する(S105)。第1判定部1103は、手荷物判定装置11に設置された手荷物が所定物を含むか判定する(S106)。処理部1101は、第1判定部1103による第1判定結果と第1IDとを紐づけ、記憶装置1001に記憶させる(S107)。
【0062】
処理部1101は、第1ID所持者が手荷物判定ループを終了させたか否かを判定する(S108)。第1ID所持者が手荷物判定ループを終了させていない場合(S108:NO)は、処理部1101は、手荷物判定ループを繰り返す(S109)。手荷物判定ループが終了した場合(S108:YES)、処理部1101は、第1判定ルーチンを終了する。
【0063】
続いて、
図6に示すフローチャートを参照して、入場管理装置12が、検査システム300における第2入場部301aの通行者の入場可否を判定する入場可否判定ルーチンについて説明する。第2入場部301b、301cでの入場可否判定ルーチンも、第2入場部301aでの入場可否判定ルーチンと同様である。
【0064】
第2ID認識部1202aは、第2入場部301aの通行者が所持する第2ID情報を取得する(S110)。処理部1201は、第2ID認識部1202aが当該第2ID情報を取得できたか否かを判定する(S111)。当該第2ID情報を取得できなかったと判定した場合(S111:NO)、処理部1201は、入場不可の情報を出力し(S112)、入場可否判定ルーチンを終了する。当該第2ID情報を取得できた場合(S111:YES)、処理部1201は、当該第2IDが入場資格を有しているか判定する(S113)。当該第2IDが入場資格を有していない場合(S113:NO)、処理部1201は、入場不可の情報を出力し(S114)、入場可否判定ルーチンを終了する。
【0065】
当該第2IDが入場資格を有している場合(S113:YES)、処理部1201は、記憶装置1001から、当該第2IDに対応する第1IDと紐づけられた第1判定結果を取得する(S115)。当該第1判定結果が取得できなかった場合(S116:NO)、処理部1201は、第2ID所持者が所持する手荷物が所定サイズ以上か否かを判定する第2判定サブルーチンを実行し(S117)、入場可否判定処理を終了する。当該第1判定結果が取得できた場合(S116:NO)、処理部1201は、第2ID所持者が所持する手荷物に所定物が含まれているか否かを判定する第2ID所持者の手荷物の所定物判定サブルーチンを実行し(S118)、入場可否判定処理を終了する。
【0066】
次に、
図7に示すフローチャートを参照して、入場管理装置12が、第2ID所持者が所持する手荷物が所定サイズ以上か否かを判定する第2判定サブルーチンについて説明する。
【0067】
処理部1201は、第1センサ1203がセンシングした情報を取得する(SR101)。第2判定部1204は、取得した第1センサ情報を基に、第2ID所持者が所持するすべての手荷物が所定サイズ未満か否かを判定する(SR102)。第2ID所持者が所持するす手荷物のうち、少なくとも1つが所定サイズ以上であれば(SR103:NO)、処理部1201は、入場不可の情報を出力し(SR104)、第2判定サブルーチンを終了する。第2ID所持者が所持する全ての手荷物が所定サイズ未満であれば(SR103:YES)、処理部1201は、入場可の情報を出力し(SR105)、第2判定サブルーチンを終了する。
【0068】
次に、
図8に示すフローチャートを参照して、入場管理装置12が、第2ID所持者が所持する手荷物に所定物が含まれるか否かを判定する所定物判定サブルーチンについて説明する。
【0069】
処理部1201は、記憶装置1001から取得した第1判定結果に基づいて、第2ID所持者が所持する少なくとも1つの所定サイズ以上の手荷物が所定物を含んでいるか判定する(SR106)。第2ID所持者が所持する少なくとも1つの所定サイズ以上の手荷物が所定物を含んでいる場合(SR106:YES)、処理部1201は、入場不可の情報を出力し(SR107)、第2ID所持者の手荷物の所定物判定サブルーチンを終了する。第2ID所持者が所持するすべての所定サイズ以上の手荷物が所定物を含んでいない場合(SR106:NO)、処理部1201は、入場可の情報を出力し(SR108)、第2ID所持者の手荷物の所定物判定サブルーチンを終了する。
【0070】
以上のように、第1実施形態に係る入場管理システム10によれば、検査システム300の利用者のうち、例えば、携帯電話、財布、飲食物、筆記具等の所定サイズ未満の手荷物のみ所持する利用者は、手荷物判定装置11での手荷物判定が不要となる。第1実施形態に係る入場管理システム10を使用しない検査システムと比べて手荷物判定装置11の利用者が減るので、検査スループットが向上可能となる。また、第1実施形態に係る入場管理システム10によれば、入場管理装置12が検査システム300の利用者の手荷物のサイズを判定し、入場可否情報を出力する。このとき、入場者が所持する手荷物のサイズは必ずしも検査員が確認する必要がないので省人化が可能となる。
【0071】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態の構成のうち、第1実施形態の構成と同様の構成についての説明は、前述の第1実施形態の説明を援用することで省略又は簡略する。
【0072】
図9は、第2実施形態に係る入場管理システム10aを適用する検査システム300aを概略的に示す平面図である。
【0073】
第2実施形態に係る検査システム300aの第1入場部304は、通行部13aと通行部13bとを備える。第1通行部13aと第2通行部13bとは、
図1に示す通行部13に相当する。通行部13は、例えば、処理部1301と、第2センサ1302と、第3判定部1303と、表示装置1304と、を備える。
【0074】
通行部13aは、例えば、第2センサ1302aと、表示装置1304aと、を備える。同様に、通行部13bは、例えば、第2センサ1302bと、表示装置1304bとを備える。
【0075】
処理部1301は、例えばIC(Integrated circuit)等の電子回路である。あるいは、処理部1301は、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)、マイクロコントローラ等の集積回路である。あるいは、処理部1301は、CPUやGPUを内蔵したサーバー等のコンピュータであってもよい。処理部1301は、例えば第2センサ1302や第3判定部1303や表示装置1304から入力された情報を処理し、また、処理した情報を記憶装置1001や第2センサ1302や第3判定部1303や表示装置1304へ出力する。
【0076】
処理部1301は、第3判定部1303に内蔵されるハードウェアであってもよく、第3判定部1303の外部に設置され、有線または無線を介して第2センサ1302や第3判定部1303や表示装置1304や記憶装置1001と接続されるハードウェアであってもよい。例えば、処理部1301は、インターネットを介して処理情報を入出力可能なサーバーであってもよい。1つの処理部1301が、複数の第2センサ1302や複数の第3判定部1303や複数の表示装置1304からの情報を入力可能に構成されていてもよい。また、1つの処理部1301が、複数の第2センサ1302や複数の第3判定部1303や複数の表示装置1304へ情報を出力可能に構成されていてもよい。
【0077】
第2センサ1302は、第1センサ1203と同様であってよい。第2センサ1302は、例えば、可視光や赤外線を撮像するカメラ、LiDAR、ToFセンサ、3Dセンサ等で構成される。第2センサ1302は、第1センサ1203と同様に、複数の同一種類のセンサから構成されていてもよく、カメラとLiDAR、カメラと3Dセンサ等、互いに異なる複数種類のセンサを組み合わせて構成されていてもよい。
【0078】
検査システム300aにおいて、検査システム300aの利用者は、第1入場部304のうち通行部13aまたは通行部13bを+X軸方向に進行し、検査システム300aの内部に入る。このとき、第3判定部1303による判定が実行される。第3判定部1303は、例えば、CPU、GPU、FPGA、マイクロコントローラ等の集積回路である。あるいは、第3判定部1303は、CPUやGPUを内蔵したサーバー等のコンピュータであってもよい。第3判定部1303は、前記したCPU等の集積回路で実行されるプログラムを含む。
【0079】
第2実施形態においては、第3判定部1303による判定は、第1判定部1103による判定よりも前に実施される。
【0080】
第3判定部1303は、第2センサ1302が取得した情報に基づいて、通行部13の通行者が所定サイズ以上の手荷物を持っているか判定する。第3判定部1303による判定は、第2センサ1302で取得した情報に基づいて係員が判定してもよく、あるいは、第3判定部1303は、通行部13の処理部1301で動作するプログラムであってもよい。
【0081】
ここで、手荷物の所定サイズとして、例えば互いに異なる第1所定サイズと第2所定サイズと第3所定サイズとを定義してもよい。以下では、第3所定サイズは第2所定サイズよりも大きく、第2所定サイズは第1所定サイズよりも大きいとする。
【0082】
第3判定部1303は、通行部13の通行者が所持する手荷物が第1所定サイズ未満か否かと、手荷物が第1所定サイズ以上かつ第2所定サイズ未満か否かと、手荷物が第2所定サイズ以上かつ第3所定サイズ未満か否かと、の3つの条件について判定を実施する。
【0083】
例えば、検査システム300aは、第1所定サイズ未満の手荷物のみ所持する人物の手荷物検査は不要に構成されているとする。ここで、第1所定サイズは第1実施形態における所定サイズと同様である。検査システム300aが備える手荷物判定装置11のうち、手荷物判定装置11aa、11abは、第2所定サイズ未満の手荷物が所定物を含むか判定可能であり、手荷物判定装置11acは、第3所定サイズ未満の手荷物が所定物を含むか判定可能であるとする。
【0084】
このとき、通行部13が、通行部13の通行者が第1所定サイズ未満の手荷物のみ所持するときは第2入場部301aと301bと301cのうちいずれかから入場するように通行者に案内し、通行部13の通行者が第1所定サイズ以上かつ第2所定サイズ未満の手荷物を所持するときは手荷物判定装置11aa、11abのうちいずれかを使用して手荷物判定を実施するように通行者に案内し、第2所定サイズ以上かつ第3所定サイズ未満の手荷物を所持するときは手荷物判定装置11acを使用して手荷物判定を実施するように通行者に案内し、第3所定サイズ以上の手荷物を所持するときは係員の目視等による手荷物判定を実施するように通行者に案内するように構成されていれば、通行部13の通行者は、自身が手荷物判定を実施すべきか否か、通行部13の通過後に行うべき手荷物判定のプロセス等を予め知ることができる。
【0085】
表示装置1304は、例えば処理部1301から入力された情報を表示するディスプレイを有していてもよい。また、表示装置1304は、入力された情報を音声で伝達するスピーカーを有していてもよい。また、表示装置1304は、例えばタッチセンサを有したタッチパネルであってもよい。
【0086】
表示装置1304は、例えば
図10Aに示す表示内容13041と表示内容13042とや、
図10Bに示す表示内容13041と表示内容13042と表示内容13043とのように、通行部13の通行者に対して、通行部13の通行可否を表示してもよい。表示方法は、文章のみならず、記号やピクトグラム等を図示してもよい。
【0087】
また、
図10Cや
図10Dのように、通行部13の通行者に対して、第3判定部1303による第3判定結果に基づく情報を表示してもよい。このようにすることで、通行部13の通行者は、自身が手荷物判定装置11を使用する必要があるか否かを予め知ることができる。所定サイズ未満の手荷物のみ所持する通行者は、手荷物判定装置11を使用するために待機エリア303で待機する必要がないことを予め知ることで、第2入場部301a、301b、301cのいずれかからスムーズに入場可能となる。
【0088】
また、
図10Eや
図10Fのように、通行部13の通過後に行うべき手荷物判定のプロセスを通行部13の通行者に表示してもよい。通行部13の通行者は、自身が行うべき手荷物判定のプロセスを予め知ることでスムーズな移動が可能となる。
【0089】
また、表示装置1304は、第3判定部1303による第3判定結果に基づく情報を、通行部13の通行者のみならず係員に対して表示してもよい。このようにすることで、係員は通行部13の通行者に対し、第3判定結果に応じて移動経路や受検すべき検査を適切に案内することが可能となる。
【0090】
図11に示すフローチャートを参照して、通行部13が、通行部13を通過する人物が所持する手荷物のサイズを判定する、通行部での第3判定ルーチンについて説明する。
【0091】
処理部1301は、第2センサを介して通行部13の通行者が所持する手荷物の情報を取得する(S201)。第3判定部1303は、通行部13の通行者が所持する手荷物のサイズを判定する(S202)。
【0092】
第3判定部1303は、当該通行者が所持するすべての手荷物が第1所定サイズ未満であるか否かを判定する(S203)。すべての手荷物が第1所定サイズ未満であるとき(S203:YES)、処理部1301は、荷物検査不要の情報を出力し(S204)、通行部での第3判定ルーチンを終了する。
【0093】
当該通行者が所持する手荷物のうち少なくとも一つの手荷物が第1所定サイズ以上であるとき(S203:NO)、処理部1301は、手荷物検査必要の情報を出力する(S205)。第3判定部1303は、通行部13の通行者が所持するすべての手荷物が第2所定サイズ未満であるか否かを判定する(S206)。すべての手荷物が第2所定サイズ未満であるとき(S206:YES)、処理部1301は、小型手荷物セルフ検査可の情報を出力し(S207)、通行部での第3判定ルーチンを終了する。少なくとも一つの手荷物が第2所定サイズ以上であるとき(S206:NO)、第3判定部1303は、すべての手荷物が第3所定サイズ未満か否かを判定する(S208)。すべての手荷物が第3所定サイズ未満であるとき(S208:YES)、処理部1301は、大型手荷物セルフ検査可の情報を出力し(S209)、通行部での第3判定ルーチンを終了する。少なくとも一つの手荷物が第3所定サイズ以上であるとき(S208:YES)、処理部1301は、手荷物セルフ検査不可の情報を出力し(S210)、通行部での第3判定ルーチンを終了する。
【0094】
この通行部での第3判定ルーチンにより、検査システム300aは、その利用者が所持する手荷物のサイズに応じた検査方法を選択可能に構成される。
【0095】
以上のように、第2実施形態に係る入場管理システム10aによれば、入場管理システム10aを適用した検査システム300aにおいて、検査システム300aの利用者が手荷物判定装置11による手荷物判定を実施する前に、利用者が所持する手荷物のサイズを第3判定部1303で判定可能となる。
【0096】
また、表示装置1304を用いて通行部13の通行者に対して第3判定部1303による第3判定結果を表示することにより、通行部13の通行者は、手荷物判定の実施前に手荷物判定が必要か否か、通行部13の通過後に実施すべき手荷物判定のプロセスを予め知ることができる。また、表示装置1304が係員に対して第3判定部1303による第3判定結果を表示することにより、係員は通行部13の通行者に対する案内が容易となる。
【0097】
このように入場管理システム10aを構成することで、検査システム300aの利用者は、自身が実施すべき手荷物判定のプロセスや移動経路を予め知ることで効率的な行動が可能となる。また、検査システム300aは、入場管理システム10aの適用により、利用者自身が適切な行動を選択するように促すことで、検査スループットの向上が可能となる。また、入場者は、表示装置1304によって自身が検査システム300aで実施すべき手荷物判定のプロセスや移動経路を知ることができるので、係員が入場者に手荷物判定のプロセスや移動経路を案内する必要がなくなり省人化可能となる。また、通行部での第3判定ルーチンにより、検査システム300aは、その利用者が所持する手荷物のサイズに応じた検査方法を選択可能に構成される。
【0098】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態の構成のうち、第1実施形態の構成と同様の構成についての説明は、前述の第1実施形態の説明を援用することで省略又は簡略する。
【0099】
図12は、第3実施形態に係る入場管理システム10bを適用する検査システム300bを概略的に示す平面図である。
【0100】
検査システム300bは、例えば、手荷物判定装置11ba、11bb、11bcと、第1入場部304と、第2入場部301a、301b、301cと、待機エリア303と、再検査エリア305と、再検査エリアの入口306と、ボディ判定装置の所定物携行判定部1402a1、1402a2、1402b1、1402b2、1402c1、1402c2、1402d1、1402d2と、ゲート装置の開閉部1504a1、1504a2、1504b1、1504b2、1504c1、1504c2と、ゲート装置の表示装置1505a、1505b、1505cと、を備える。
【0101】
入場部301aは、例えば、第2ID認識部1202aと、第1センサ1203aと、ゲート装置の開閉部1504a1、1504a2と、表示装置1505aと、を備える。同様に、入場部301bは、例えば、第2ID認識部1202bと、第1センサ1203bと、ゲート装置の開閉部1504b1、1504b2と、表示装置1505bと、を備える。
【0102】
入場部301cは、例えば、第2ID認識部1202cと、第1センサ1203cと、ゲート装置の開閉部1504c1、1504c2と、表示装置1505cと、ボディ判定装置の所定物携行判定部1402d1、1402d2と、を備える。
【0103】
手荷物判定装置11baは、例えば、第1ID認識部1102aと、第1判定部1103aと、ボディ判定装置の所定物携行判定部1402a1、1402a2と、を備える。同様に、手荷物判定装置11bbは、例えば、第1ID認識部1102bと、第1判定部1103bと、ボディ判定装置の所定物携行判定部1402b1、1402b2と、を備える。また、手荷物判定装置11bcは、例えば、第1ID認識部1102cと、第1判定部1103cと、ボディ判定装置の所定物携行判定部1402c1、1402c2と、を備える。
【0104】
ボディ判定装置14は、例えば、処理部1401と、所定物携行判定部1402と、表示装置1403と、を備える。
【0105】
処理部1401は、例えばIC(Integrated circuit)等の電子回路である。あるいは、処理部1401は、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)、マイクロコントローラ等の集積回路である。あるいは、処理部1401は、CPUやGPUを内蔵したサーバー等のコンピュータであってもよい。処理部1401は、例えば所定物携行判定部1402や表示装置1403から入力された情報を処理し、また、処理した情報を記憶装置1001や所定物携行判定部1402や表示装置1403へ出力する。
【0106】
処理部1401は、ボディ判定装置14に内蔵されるハードウェアであってもよく、ボディ判定装置14の外部に設置され、有線または無線を介して所定物携行判定部1402や表示装置1403や記憶装置1001と接続されるハードウェアであってもよい。例えば、処理部1401は、インターネットを介して処理情報を入出力可能なサーバーであってもよい。1つの処理部1401が、複数の所定物携行判定部1402や複数の表示装置1403からの情報を入力可能に構成されていてもよい。また、1つの処理部1401が、複数の所定物携行判定部1402や複数の表示装置1403へ情報を出力可能に構成されていてもよい。
【0107】
所定物携行判定部1402は、例えば、X線、テラ波、ミリ波等の電磁波をボディ判定装置14の検査対象者に照射して撮像し、ボディ判定装置14の検査対象者が所定物を所持しているか否かを判定する検査装置を含む。あるいは、所定物携行判定部1402は、電磁誘導によりボディ判定装置14の検査対象者が所定物を所持しているか否かを判定する金属探知機を含んでいてもよい。あるいは、所定物携行判定部1402は、気流等でボディ判定装置14の検査対象者に付着している微粒子を飛ばし、微粒子から薬物や爆発物等を探知するトレース探知装置を含んでいてもよい。
【0108】
表示装置1403は、例えば処理部1401から入力された情報を表示するディスプレイを有していてもよい。また、表示装置1403は、入力された情報を音声で伝達するスピーカーを有していてもよい。また、表示装置1403は、例えばタッチセンサを有したタッチパネルであってもよい。
【0109】
ゲート装置15は、例えば、処理部1501と、接近検知部1502と、開閉制御部1503と、開閉部1504と、表示装置1505と、を備える。
【0110】
処理部1501は、例えば処理部1101と同様であってよい。処理部1501は、例えば接近検知部1502や開閉制御部1503や表示装置1505から入力された情報を処理し、また、処理した情報を記憶装置1001や接近検知部1502や開閉制御部1503や表示装置1505へ出力する。
【0111】
また、処理部1501は、記憶装置1001を介して第2ID認識部1202が取得した第2ID情報を取得してもよい。
図12のように、第2入場部それぞれが第2ID認識部とゲート装置の開閉部とを備えているとき、ゲート装置の処理部1501は、第2ID認識部が取得した第2ID情報に基づいて、当該第2IDに対応する第1IDと紐づけられた第1判定結果やボディ判定結果を取得し、取得した結果に基づいてゲートの開閉処理を実行できる。
【0112】
接近検知部1502は、例えばカメラや赤外線センサであり、入場者がゲート装置15に接近したことを検知する。接近検知部1502は、入場者がゲート装置15へ接近しているか否かに関する情報を処理部1501に出力する。また、接近検知部1502は、入場者がゲート装置15に接近したことのみならず、ゲート装置15を通過したか否かを検知してもよい。
【0113】
開閉制御部1503は、例えばCPUやマイクロコントローラであり、開閉部1504の開閉動作を制御する。処理部1501は、接近検知部1502の出力情報を基に開閉制御部1503を制御することで、入場者がゲート装置15に接近した際にはゲートの開閉部1504を閉じ、入場者がゲート装置15に接近していない際はゲートの開閉部1504を開くといった制御が可能である。
【0114】
開閉部1504は、ゲート装置15の通行者がゲート装置15を不正に通過することを防ぐための機構である。開閉部の構造は、ターンスタイル型、リトラクタブル型、フラップドア型などであってよい。
【0115】
表示装置1505は、例えば処理部1501から入力された情報を表示するディスプレイを有していてもよい。また、表示装置1505は、入力された情報を音声で伝達するスピーカーを有していてもよい。また、表示装置1505は、例えばタッチセンサを有したタッチパネルであってもよい。表示装置1505は、例えば入場者に対してゲート装置15の通行可否に関する情報を表示する。
【0116】
第3実施形態に係る検査システム300bは、第2入場部を3つ備える。3つの第2入場部のうち、第2入場部301cのみボディ判定装置の所定物携行判定部1402d1と所定物携行判定部1402d2とを備える。検査システム300bは、検査システム300bの利用者のうち、少なくとも一つの手荷物が所定サイズ以上の利用者は、手荷物判定装置11ba、11bb、11bcのうちいずれかで手荷物に所定物が含まれるか否かの判定を実施した後、第2入場部を通行可能に構成される。また、手荷物判定装置11baの利用者は、ボディ判定装置の所定物携行判定部1402a1、1402a2によって所定物を携行しているか否かの判定が実施される。また、手荷物判定装置11bbの利用者は、ボディ判定装置の所定物携行判定部1402b1、1402b2によって所定物を携行しているか否かの判定が実施される。また、手荷物判定装置11bcの利用者は、ボディ判定装置の所定物携行判定部1402c1、1402c2によって所定物を携行しているか否かの判定が実施される。
【0117】
すべての手荷物が所定サイズ未満の利用者は、手荷物判定装置11ba、11bb、11bcを利用することなく、第2入場部301cを通過することが可能である。すべての手荷物が所定サイズ未満の利用者は、第2入場部301cが備えるボディ判定装置の所定物携行判定部1402d1、1402d2によって所定物を携行しているか否かの判定が実施される。すべての手荷物が所定サイズ未満の利用者が、第2入場部301a、301bのいずれかを通過すると、すべての手荷物が所定サイズ未満の利用者に対して所定物を携行しているか否かの判定が実施されない。検査システム300bでは、手荷物判定装置11ba、11bb、11bcのすべてがボディ判定装置の所定物携行判定部を備えているため、手荷物判定装置11ba、11bb、11bcにおいて手荷物に所定物を携行しているか否かの第1判定を実施した利用者に対しては、ボディ判定装置による判定も実施される。したがって、第2入場部301a、301bのいずれかの通行者が有する第2IDに対応する第1IDと紐づけられた第1判定結果が得られないとき、すなわち手荷物判定装置11ba、11bb、11bcにおいて手荷物に所定物を携行しているか否かの判定を実施していない場合、ゲート装置15が備える処理部1501は当該通行者について入場不可の情報を出力する。このようにすることで、検査システム300bの利用者全員に対して、所持する手荷物のサイズによらず、ボディ判定装置14による所定物を携行しているか否かの判定が実施可能となる。
【0118】
図14に示すフローチャートを参照して、入場管理システム10bにおける第1判定ルーチンについて説明する。第3実施形態に係る第1判定ルーチンでは、第1実施形態に係る第1判定ルーチンと異なり、手荷物判定装置による第1ID所持者の手荷物に所定物が含まれるかの判定と、ボディ判定装置による第1ID所持者が所定物を携行しているかの判定と、の2つの判定処理が行われる。
【0119】
第1ID認識部1102は、第1ID所持者が所持する第1IDの情報を取得する(S101b)。
【0120】
処理部1101は、当該第1IDの情報を取得できるか判定する(S102b)。第1ID情報が取得できなかった場合(S102b:NO)、処理部1101は、第1判定ルーチンを終了する。
【0121】
当該第1IDの情報を取得できた場合(S102b:YES)、処理部1101は、当該第1IDが入場資格を有しているか判定する(S103b)。第1IDが入場資格を有していない場合(S103b:NO)、処理部1101は第1判定ルーチンを終了する。
【0122】
第1IDが入場資格を有している場合(S103b:YES)、処理部1101は、手荷物判定ループを開始する(S104b)。当該第1ID所持者は、手荷物を手荷物判定装置11に設置する(S105b)。所定物携行判定部1402は、当該第1ID所持者が所定物を携行しているか判定する(S106b)。ボディ判定装置の処理部1401は、当該第1IDとボディ判定結果を紐づけて記憶装置1001に記憶させる(107b)。
【0123】
第1判定部1103は、手荷物判定装置11に設置された手荷物が所定物を含むか判定する(S108b)。処理部1101は、第1判定部1103による第1判定結果と第1IDとを紐づけ、記憶装置1001に記憶させる(S109b)。
【0124】
処理部1101は、第1ID所持者が手荷物判定ループを終了させたか否かを判定する(S110b)。第1ID所持者が手荷物判定ループを終了させていない場合(S110b:NO)は、処理部1101は、手荷物判定ループを繰り返す(S111b)。手荷物判定ループが終了した場合(S110b:YES)、処理部1101は、第1判定ルーチンを終了する。
【0125】
図15A、
図15Bに示すフローチャートを参照して、第3実施形態に係る検査システム300bにおける第2入場部301aの通行者の入場可否を判定する入場可否判定ルーチンについて説明する。第2入場部301b、301cでの入場可否判定ルーチンも、第2入場部301aでの入場可否判定ルーチンと同様である。
【0126】
入場管理装置12の第2ID認識部1202aは、第2入場部301aの通行者が所持するID情報を取得する(S301)。処理部1201は、ID情報を取得できたか否かを判定する(S302)。当該ID情報を取得できなかった場合(S302:NO)、処理部1201は、入場不可の情報を出力し(S303)、入場可否判定ルーチンを終了する。
【0127】
第2ID認識部1202aが第2ID情報を取得できたと判定した場合(S302:YES)、処理部1201は、当該第2IDが入場資格を有しているか否かを判定する(S304)。当該第2IDが入場資格を有していないと判定した場合(S304:NO)、処理部1201は、入場不可の情報を出力し(S305)、入場可否判定ルーチンを終了する。
【0128】
当該第2IDが入場資格を有している場合、処理部1201は、記憶装置1001から、当該第2IDに対応する第1IDと紐づけられた第1判定結果を取得する(S306)。処理部1201は、当該第1判定結果を取得できたか判定する(S307)。当該第1判定結果が取得できた場合(S307:YES)、処理部1201は、記憶装置1001から、第2IDと紐づけられたボディ判定結果を取得する(S311)。処理部1201は、当該ボディ判定結果に基づいて、当該第2ID所持者が所定物を携行しているか判定する(S312)。当該第2ID所持者が所定物を携行している場合(S312:NO)、処理部1201は、入場不可の情報を出力し(S313)、入場可否判定ルーチンを終了する。当該第2ID所持者が所定物を携行していない場合(S312:YES)、処理部1201は、
図8に示す第2ID所持者の手荷物の所定物判定サブルーチンを実行し(S314)、入場可否判定ルーチンを終了する。
【0129】
第1判定結果を取得できなかった場合(S312:NO)、第2判定部1204は、処理部1201を介して第1センサ1203aから第1センサ情報を取得する(S308)。第2判定部1204は、取得した当該第1センサ情報に基づいて、第2入場部301aの通行者が所持するすべての手荷物が所定サイズ未満か判定する(S309)。処理部1201は第2判定部1204の判定結果に基づき、少なくとも一つの手荷物が所定サイズ以上である場合(S309:NO)は入場不可の情報を出力し(S310)、入場可否判定ルーチンを終了する。
【0130】
すべての手荷物が所定サイズ未満であるとき(S309:YES)、処理部1201は、第2ID所持者が通行している通行部はボディ判定装置を備えているか判定する(S315)。第2入場部301a、301bはボディ判定装置を備えていないので(S315:NO)、当該第2ID所持者が301aまたは301bを通行している場合、処理部1201は入場不可の情報を出力し(S316)、入場可否判定ルーチンを終了する。第2入場部301cはボディ判定装置を備えているので(S315:YES)、当該第2ID所持者が301cを通行している場合、処理部1201は、
図16に示す第2入場部での所定物の携行判定サブルーチンを実行し(S317)、入場可否判定ルーチンを終了する。
【0131】
ここで、ステップS308からステップS310は、
図7の第2判定サブルーチンに相当する。
【0132】
次に、
図16に示すフローチャートを参照して、第2入場部301cが備えるボディ判定装置の利用者が所定物を携行しているか否かを判定する、第2入場部での所定物の携行判定サブルーチンについて説明する。
【0133】
第2入場部301cが備える所定物携行判定部1402d1、1042d2は、第2入場部301cを通行する第2ID所持者が所定物を携行しているか否かを判定する(SR301)。処理部1401は、所定物携行判定部1402d1、1042d2のボディ判定結果に基づき、当該第2ID所持者が所定物を携行しているか否かを判定する(SR302)。当該第2ID所持者が所定物を携行している場合(SR302:YES)、処理部1401は、入場不可の情報を出力する(SR303)。当該第2ID所持者が所定物を携行していない場合(SR302:NO)、処理部1401は、入場可の情報を出力する(SR304)。処理部1401は、当該第2ID所持者が所持する第2IDに対応する第1IDとボディ判定結果とを紐づけて記憶装置1001に記憶し(SR305)、第2入場部での所定物の携行判定サブルーチンを終了する。
【0134】
次に、
図17に示すフローチャートを用いて、第2入場部が備えるゲートの開閉処理ルーチンについて説明する。
【0135】
接近検知部1502は、通行者がゲート装置に接近することを断続的に検知する(S320)。人物の接近を検知したら、処理部1501は、開閉制御部1503を介してゲートの開閉部1504を閉じる(S321)。その後、
図15A、
図15Bに示す入場可否判定ルーチンを実行する(S322)。処理部1501は、記憶装置1001を介して当該入場可否判定ルーチンで出力された第2ID所持者の入場可否情報を取得する(S323)。処理部1501は、取得した当該入場可否情報を表示装置1505で表示する(S324)。処理部1501は、取得した当該入場可否情報が入場可であるか否かを判定する(S325)。当該入場可否情報が入場可ではない場合(S325:NO)、処理部1501は、ゲート開閉処理ルーチンを終了する。当該入場可否情報が入場可である場合(S325:YES)、処理部1501は、開閉制御部1503を介して開閉部1504を開く(S326)。処理部1501は、第2ID所持者通過検知ループを開始する(S327)。処理部1501は、接近検知部1502が取得した情報に基づいて第2ID所持者がゲート装置15を通過したか否かを判定する(S328)。当該第2ID所持者がゲート装置15を通過していない場合(S328:NO)、処理部1501は、第2ID所持者通過検知ループを継続する。当該第2ID所持者がゲート装置15を通過した場合(S328:YES)、処理部1501は、第2ID所持者通過検知ループを終了する(S329)。処理部1501は、開閉制御部1503を介してゲートの開閉部1504を閉じ(S330)、ゲート開閉処理を終了する。
【0136】
以上のように、第3実施形態に係る入場管理システム10bによれば、入場管理システム10bを適用した検査システム300bにおいて、手荷物判定装置による判定とウォークスルー型のボディ判定装置による判定とを組み合わせることで、検査スループットを低下させることなく、所定サイズ未満の手荷物のみ所持する人物が衣服に隠した所定物を検出できる。
【0137】
また、
図13のように手荷物判定装置とボディ判定装置とを一体化することで、手荷物判定装置の利用者に対して必ずボディ検査を実施できるので、検査漏れを防ぐことができる。また、手荷物判定装置の利用者に対しては、入場部でのボディ検査が不要となり検査スループットが向上する。また、第2入場部にボディ判定装置を設けることで、手荷物判定装置を利用しないすべての手荷物が所定サイズ未満の入場者に対しても、ボディ判定装置による判定が実施できる。
【0138】
また、入場部にゲート装置を設けることで、入場不可と判定された入場者の不正入場を防ぐ効果が得られる。
【0139】
また、ゲート装置に表示装置を設けることで、入場者は自身の入場可否情報を知ることができる。また、入場者は、表示装置により入場後の移動経路や入場不可であった場合に取るべき行動を知ることができるので、係員が入場者を案内する必要がなくなり、省人化可能となる。
【0140】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態の構成のうち、第1実施形態の構成と同様の構成についての説明は、前述の第1実施形態の説明を援用することで省略又は簡略する。
【0141】
図18は、第4実施形態に係る入場管理システム10cの概略的な構成を示す図である。
図18に示す第4実施形態に係る入場管理システム10cでは、第1実施形態に係る入場管理システム10と同一の構成要素は一部省略している。また、
図19は、第4実施形態に係る入場管理システム10cを適用する検査システム300cを概略的に示す平面図である。
【0142】
図18に示すように、第4実施形態に係る入場管理システム10cが備える手荷物判定装置11cは、例えば、第3センサ1110と、第4判定部1111と、を備える。
【0143】
第3センサ1110は、第1センサ1203と同様であってよい。第3センサ1110は、例えば、可視光や赤外線を撮像するカメラ、LiDAR、ToFセンサ、3Dセンサ等で構成される。第3センサ1110は、第1センサ1203と同様に、複数の同一種類のセンサから構成されていてもよく、カメラとLiDAR、カメラと3Dセンサ等、互いに異なる複数種類のセンサを組み合わせて構成されていてもよい。
【0144】
第3センサ1110は、例えば、手荷物判定装置11cの利用者の前方、後方、上方に設置され、手荷物判定装置11cの利用者が所持する手荷物の情報を取得してもよい。また、第3センサ1110は、第1判定部1103の内部に設置され、第1判定部で判定される手荷物の情報を取得してもよい。第3センサ1110は、手荷物判定装置11cの利用者が所持する手荷物を撮像する。第3センサ1110は、処理部1101に撮像した画像を出力し、また、処理部1101によって制御される。
【0145】
第4判定部1111は、例えば第2判定部1204と同一であってよい。第4判定部1111は、第3センサ1110が取得した情報に基づいて、入場者が所持する所定サイズ以上の手荷物をすべて手荷物判定装置11cが備える第1判定部1103で判定したかを判定する。第4判定部1111は、例えば、CPU、GPU、FPGA、マイクロコントローラ等の集積回路である。あるいは、第4判定部1111は、CPUやGPU等を内蔵したサーバー等のコンピュータであってもよい。第4判定部1111は、前記したCPU等の集積回路で実行されるプログラムを含む。
【0146】
第4判定部1111は、例えば、第3センサ1110が取得した手荷物の情報に基づいて、手荷物判定装置11cを利用する第1ID所持者が所持する所定サイズ以上の手荷物の個数を判定する。また、第4判定部1111は、第1判定部1103の出力情報に基づき、所定サイズ以上の手荷物が第1判定部で判定されたか否かを判定する。第4判定部1111は、手荷物判定装置11cを利用する第1ID所持者が所持する個々の所定サイズ以上の手荷物について、第1判定部1103で判定処理を実施したか否かを判定する。少なくとも一つの所定サイズ以上の手荷物について第4判定結果が得られないとき、すなわち少なくとも一つの所定サイズ以上の手荷物が第1判定部1103で判定されていないとき、第4判定部1111は、後述する第2入場部における入場可否判定ルーチンで入場不可の情報を出力する。
【0147】
処理部1101は、第3センサ1110と第4判定部1111とから得た情報に基づいて、例えば
図20Aや
図20Bのように第1判定部1103で判定されていない所定サイズ以上の手荷物を表示装置1104で表示してもよい。
【0148】
表示装置1104は、例えば
図20Aに示す表示内容11041と表示内容11043とのように、手荷物判定装置11の利用者に対して、手荷物の検査を促すメッセージを表示してもよい。また、表示装置1104は、表示内容11044のように、第1ID所持者の画像、または、人物と手荷物のシルエット等を用いて未検査の手荷物を表示してもよい。また、表示内容11045のように、枠で囲む、または、矢印で示す等の表示手段を用いて未検査の手荷物を強調表示してもよい。
【0149】
また、表示装置1104は、
図20Bに示す表示内容11044aと表示内容11044bとのように、未検査の手荷物を複数表示してもよい。例えば、手荷物判定装置11cが、
図4Bに示すように手荷物置き場1108を備えるとき、表示内容11044aは、第1ID所持者が身に着けている、または、触れている未検査の手荷物を表示し、表示内容11044bは、手荷物置き場1108に置かれている未検査の手荷物を表示してもよい。また、表示内容11045aと11045bとのように、複数の未検査の手荷物を強調表示してもよい。
【0150】
このようにすることで、検査システム300cの利用者が所定サイズ以上の手荷物に所定物が含まれるか否かの判定を、すべての手荷物について漏れなく実施することが可能となる。
【0151】
図21A、
図21Bに示すフローチャートを参照して、第4実施形態に係る入場管理システム10cにおける第1判定ルーチンについて説明する。第4実施形態における第1判定ルーチンは、第1実施形態における第1判定ルーチンと異なり、手荷物判定装置11cによる第1ID所持者の手荷物に所定物が含まれるかの判定と、第1ID所持者が所持する全ての所定サイズ以上の手荷物が第1判定部によって判定されたかを判定する第4判定とが同時に行われる。
【0152】
第1ID認識部1102は、第1ID所持者が所持する第1IDの情報を取得する(S401)。
【0153】
処理部1101は、当該第1IDの情報を取得できたか判定する(S402)。第1ID情報が取得できなかった場合(S402:NO)、処理部1101は、第1判定ルーチンを終了する。
【0154】
当該第1IDの情報を取得できた場合(S402:YES)、処理部1101は、当該第1IDが入場資格を有しているか判定する(S403)。第1IDが入場資格を有していない場合(S403:NO)、処理部1101は、第1判定ルーチンを終了する。
【0155】
第1IDが入場資格を有している場合(S403:YES)、処理部1101は、手荷物判定ループを開始する(S404)。処理部1101は、第1ID所持者が判定ループを中断したか判定する(S405)。判定ループが中断された場合(S405:YES)、処理部1101は、手荷物判定ループを終了し(S413)、第1判定ルーチンを終了する。手荷物判定ループが中断されていない場合(S405:NO)、当該第1ID所持者は、手荷物を手荷物判定装置11に設置する(S406)。第1判定部1103は、当該手荷物が所定物を含むか否かを判定する(S407)。処理部1101は、第1判定結果と第1IDとを紐づけて記憶装置1001に記憶させる(S408)。処理部1101は、
図22に示す第4判定サブルーチンを実行する(S409)。処理部1101は、第4判定結果に基づいて、第1ID所持者のすべての所定サイズ以上の手荷物が第1判定部1103で判定されたか否かを判定する(S410)。すべての所定サイズ以上の手荷物が第1判定部1103で判定されている場合(S410:YES)、処理部1101は、手荷物判定ループを終了し(S411)、第1判定ルーチンを終了する。少なくとも一つの所定サイズ以上の手荷物が第1判定部1103で判定されていない場合(S410:NO)、処理部1101は、手荷物判定ループを繰り返す。
【0156】
続いて、
図22に示すフローチャートを参照して、第4実施形態に係る入場管理システム10cにおける第4判定ルーチンについて説明する。
【0157】
処理部1101は、第3センサ1110が取得した第1ID所持者の所定サイズ以上の手荷物の情報を取得する(SR401)。第4判定部1111は、第3センサ1110が取得した情報に基づいて、第1ID所持者の当該手荷物が第1判定部1103で判定されたか否かを判定する(SR402)。処理部1101は、第1IDと当該手荷物の情報と第4判定結果とを紐づけて記憶装置1001に記憶させ(SR403)、第4判定サブルーチンを終了する。
【0158】
次に、
図23A、
図23Bに示すフローチャートを参照して、第4実施形態に係る入場管理システム10cにおける入場可否判定ルーチンについて説明する。
【0159】
第4実施形態に係る入場可否判定ルーチンのうち、ステップS420からステップS427は、
図6に示す第1実施形態に係る入場可否判定ルーチンのステップS110からステップS117に相当するので省略する。
【0160】
第2IDに対応する第1IDと紐づけられた第1判定結果が取得できた場合(S426:YES)、処理部1201は、記憶装置1001から、第2IDに対応する第1IDと紐づけられた第4判定結果を取得する(S428)。処理部1201は、当該第4判定結果に基づいて、第2ID所持者が所持するすべての所定サイズ以上の手荷物が第1判定部1103で判定済みか判定する(S429)。少なくとも一つの所定サイズ以上の手荷物が第1判定部1103で判定されていない場合(S429:NO)、処理部1201は、入場不可の情報を出力し(S430)、入場可否判定ルーチンを終了する。すべての所定サイズ以上の手荷物が第1判定部1103で判定済みである場合(S429:YES)、処理部1201は、
図8に示す第2ID所持者の手荷物の所定物判定サブルーチンを実行し(S431)、入場可否判定ルーチンを終了する。
【0161】
以上のように、第4実施形態に係る入場管理システム10cによれば、入場管理システム10cを適用した検査システム300cにおいて、検査システム300cの利用者が所定サイズ以上の手荷物に所定物が含まれるか否かの判定を、すべての手荷物について漏れなく実施することが可能となる。表示装置1104で判定未実施の所定サイズ以上の手荷物を表示することで、判定の実施を促すことが可能となる。
【0162】
また、少なくとも一つの手荷物について第4判定結果が得られない入場者は入場不可とすることで、所定物が含まれるか未判定かつ所定サイズ以上の手荷物を入場者に持ち込まれることを防ぐことが可能となる。
【0163】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態の構成のうち、第1実施形態の構成と同様の構成についての説明は、前述の第1実施形態の説明を援用することで省略又は簡略する。
【0164】
図24は、第5実施形態に係る入場管理システム10dの概略的な構成を示す図である。
図24においては、第1実施形態に係る入場管理システム10と同一の構成要素は一部省略している。
【0165】
第5実施形態に係る入場管理システム10dが備える手荷物判定装置11dは、例えば第4センサ1120を備える。第4センサ1120は、第1センサ1203と同様であってよい。第4センサ1120は、例えば、可視光や赤外線を撮像するカメラ、LiDAR、ToFセンサ、3Dセンサ等で構成される。第4センサ1120は、第1センサ1203と同様に、複数の同一種類のセンサから構成されていてもよく、カメラとLiDAR、カメラと3Dセンサ等、互いに異なる複数種類のセンサを組み合わせて構成されていてもよい。
【0166】
第4センサ1120は、例えば、手荷物判定装置11dの利用者の前方、後方、上方に設置され、手荷物判定装置11dの利用者が所持する手荷物の情報を取得してもよい。また、第4センサ1120は、第1判定部1103の内部に設置され、第1判定部で判定される手荷物の情報を取得してもよい。第4センサ1120は、手荷物判定装置11dの利用者が所持する手荷物を撮像する。第4センサ1120は、処理部1101に撮像した画像を出力し、また、処理部1101によって制御される。
【0167】
手荷物判定装置11dの処理部1101は、第4センサ1120が取得した第1ID所持者が所持する所定サイズ以上の手荷物の情報と第1IDとを紐づけて記憶装置1001に記憶させる。
【0168】
第5実施形態に係る入場管理装置12dは、例えば第5判定部1220を備える。第5判定部1220は、例えば第2判定部1204と同一であってよい。第5判定部1220は、例えば、CPU、GPU、FPGA、マイクロコントローラ等の集積回路である。あるいは、第5判定部1220は、CPUやGPU等を内蔵したサーバー等のコンピュータであってもよい。第5判定部1220は、前記したCPU等の集積回路で実行されるプログラムを含む。
【0169】
第5判定部1220は、第4センサ1120が取得した情報に基づいて、第2ID所持者が所持するすべての所定サイズ以上の手荷物が手荷物判定装置11eで判定済みの手荷物であるか否かを判定する。具体的には、第5判定部1220は、第2ID所持者が所持するすべての所定サイズ以上の手荷物が第2IDに対応する第1IDと紐づけられて記憶装置1001に記憶されているかを判定する。例えば、第2ID所持者が所持する所定サイズ以上の手荷物のうち少なくとも一つが第2IDに対応する第1IDと紐づけられて記憶装置1001に記憶されていない、すなわち手荷物判定装置11dの利用時に所持していなかった所定サイズ以上の手荷物を所持しているとする。このとき、処理部1201は、入場不可の情報を出力する。一方で、所定サイズ未満の手荷物については第5判定部で判定しないので、手荷物判定装置11dでの判定後に、第2ID所持者が例えば飲食物などを購入していたとしても、手荷物判定装置11dで再判定を行うことなく入場できるため、検査システム300dの検査スループットの向上が可能となる。また、第2ID所持者が手荷物判定装置11dでの判定後に第三者から所定サイズ以上かつ手荷物判定装置11dで未判定の手荷物を受け取り不正入場することを防ぐことが可能となる。
【0170】
図25は、第5実施形態に係る入場管理システム10dを適用する検査システム300dを概略的に示す平面図である。
【0171】
図25に示す第5の実施形態に係る検査システム300dにおいて、手荷物判定装置11daは第4センサ1120aを、手荷物判定装置11dbは第4センサ1120bを、手荷物判定装置11dcは第4センサ1120cをそれぞれ備える。
【0172】
図26に示すフローチャートを参照して、第5実施形態に係る入場管理システム10dにおける第1判定ルーチンについて説明する。
【0173】
第1ID認識部1102は、第1ID所持者が所持する第1IDの情報を取得する(S501)。
【0174】
処理部1101は、当該第1IDの情報を取得できたか判定する(S502)。第1ID情報が取得できなかった場合(S502:NO)、処理部1101は、第1判定ルーチンを終了する。
【0175】
当該第1IDの情報を取得できた場合(S502:YES)、処理部1101は、当該第1IDが入場資格を有しているか判定する(S503)。第1IDが入場資格を有していない場合(S503:NO)、処理部1101は、第1判定ルーチンを終了する。
【0176】
第1IDが入場資格を有している場合(S503:YES)、処理部1101は、手荷物判定ループを開始する(S504)。第1ID所持者は、手荷物判定を当該第1ID所持者は手荷物を手荷物判定装置11に設置する(S505)。第4センサ1120は、第1ID所持者が所持する当該手荷物の情報を取得する(S506)。処理部1101は、第1IDと第4センサ1120が取得した当該手荷物の情報とを紐づけて記憶装置1001に記憶させる(S507)。第1判定部1103は、当該手荷物が所定物を含むか否かを判定する(S508)。処理部1101は、第1判定結果と第1IDとを紐づけて記憶装置1001に記憶させる(S509)。処理部1101は、第1ID所持者が手荷物判定ループを終了したか否かを判定する(S510)。第1ID所持者が手荷物判定ループを終了した場合(S510:YES)、処理部1101は、手荷物判定ループを終了し(S511)、第1判定ルーチンを終了する。第1ID所持者が手荷物判定ループを終了していない場合(S510:NO)、処理部1101は、手荷物判定ループを繰り返す。
【0177】
続いて、
図27A、
図27Bに示すフローチャートを参照して、第5実施形態に係る入場管理システム10dにおける入場可否判定ルーチンについて説明する。
【0178】
第5実施形態に係る入場可否判定ルーチンのうち、ステップS520からステップS527は、
図6に示す第1実施形態に係る入場可否判定ルーチンのステップS110からステップS117に相当するので省略する。
【0179】
第2IDに対応する第1IDと紐づけられた第1判定結果が取得できた場合(S526:YES)、処理部1201は、第1センサ1203を介して第2ID所持者が所持する手荷物の情報を取得する(S528)。処理部1201は、記憶装置1001から第2IDに対応する第1IDと紐づけられた手荷物の情報を取得する(S529)。第5判定部1220は、第2ID所持者が所持するすべての所定サイズ以上の手荷物が、第2IDに対応する第1IDと紐づけられているか判定する(S530)。少なくとも一つの当該所定サイズ以上の手荷物が第2IDに対応する第1IDと紐づけられていない場合(S530:NO)、処理部1201は、入場不可の情報を出力し(S531)、入場可否判定ルーチンを終了する。すべての当該所定サイズ以上の手荷物が第2IDに対応する第1IDと紐づけられている場合(S530:YES)、処理部1201は、
図8に示す第2ID所持者の手荷物の所定物判定サブルーチンを実行し(S532)、入場可否判定ルーチンを終了する。
【0180】
以上のように、第5実施形態に係る入場管理システム10dによれば、入場管理システム10dを適用した検査システム300dにおいて、少なくとも一つの所定サイズ以上の手荷物が第2IDに対応する第1IDと紐づけられて記憶装置1001に記憶されていない、すなわち手荷物判定装置11dの利用時に所持していなかった所定サイズ以上の手荷物を所持している入場者は入場不可とすることで、手荷物判定装置11dでの判定後に第三者から手荷物を受け取り不正入場することを防ぐことが可能となる。一方で、所定サイズ未満の手荷物については第5判定部で判定しないので、手荷物判定装置11dでの判定後に、第2ID所持者が例えば飲食物などを購入していたとしても、手荷物判定装置11dで再判定を行うことなく入場できるため、検査システム300dの検査スループットの向上が可能となる。
【0181】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。
【0182】
第6実施形態の構成のうち、第1実施形態の構成と同様の構成についての説明は、前述の第1実施形態の説明を援用することで省略又は簡略する。
【0183】
図28は、第6実施形態に係る入場管理システム10eの概略的な構成を示す図である。また、
図29は、第6実施形態に係る入場管理システム10eを適用する検査システム300dを概略的に示す平面図である。
図28においては、第1実施形態に係る入場管理システム10と同一の構成要素は一部省略している。
【0184】
第6実施形態に係る入場管理システム10eが備える手荷物判定装置11eは、例えばタグ発行部16eを備える。
【0185】
図29に示す第6実施形態に係る検査システム300eにおいて、手荷物判定装置11eaはタグ発行部16eaを、手荷物判定装置11ebはタグ発行部16ebを、手荷物判定装置11ecはタグ発行部16ecをそれぞれ備える。
【0186】
タグ発行部16eは、例えば、処理部1601と、タグ印刷部1602と、タグ保管部1603と、タグ受領部1604と、を備える。
【0187】
処理部1601は、手荷物判定装置11eの処理部1101からの情報を受信し、また、処理部1101へ情報を送信する。処理部1601は、例えば、処理部1101を介して記憶装置1001の記憶情報を読み書きしたり、第1ID認識部1102が取得した第1ID情報を取得したりしてもよい。処理部1601は、取得した第1ID情報をタグに書き込む。また、処理部1601は、タグ発行部16eが発行するタグと第1IDとを紐づけて処理部1101に送信する。また、処理部1601は、タグの発行処理を制御する。
【0188】
タグ印刷部1602は、処理部1601によって制御されてタグを印刷する。タグ保管部1603は、タグ印刷部1602で印刷するためのタグを保管する機能を有する。タグ受領部1604は、手荷物判定装置11eの利用者がタグ印刷部1602で印刷されたタグを送出し、前記利用者がタグを受け取れるように構成される。
【0189】
タグ印刷部1602は、タグ保管部1603からタグを取得し、印刷したタグをタグ受領部1604へ送出する。タグ印刷部1602は、タグにインクを用いて情報を印刷してもよく、また、タグがRFID(Radio Frequency Identification)タグであるときは、RFIDタグが備えるICの情報を読み書きしてもよい。
【0190】
図30に、タグ発行部16eが発行するタグ1610の一例を示す。タグ1610は、例えば、第1ID所持者の情報16101と、タグID16102と、を備える。
【0191】
第1ID所持者の情報16101は、例えば、
図3Aに示す表示内容11042と同じであってよい。第1ID所持者の情報16101は、例えば、第1IDと予め紐づけられた氏名、年齢、性別などであってよい。また、例えば映画館やコンサート会場などの入場者、あるいは鉄道やバスの乗客を検査する場合であれば、第1ID所持者の情報16101は、IDと予め紐づけられた座席や入場可能時刻、鉄道やバスの行先等であってもよい。第1ID所持者の情報16101は、文章に限らず、例えば第1IDと紐づけられた第1ID所持者の顔写真等の画像でもよい。
【0192】
タグID16102は、タグ発行部16eが発行するタグに付与される一意な識別用符号である。タグ発行部16eが複数のタグ1610を発行するとき、それぞれのタグには異なるIDが付与され、ID16102に基づいてタグを識別する。ID16102はタグ1610に印刷して表示してもよく、IC16103に電子的に記録されてもよい。ID16102は、文字列として表示されてもよく、1次元または2次元コード等の識別子として表示してもよい。
【0193】
タグ1610は、例えば、IC16103、アンテナ16104を備えてもよい。この場合、タグ1610は、電磁的手段によってIC16103の記録情報を読み書き可能なRFIDタグとして動作する。タグ1610がRFIDタグであれば、第5センサ1230は、第2ID所持者が所持するタグを非接触に読み取ることが可能となる。
【0194】
図29に示す第6実施形態に係る検査システム300eにおいて、第2入場部301aは第5センサ1230aを、第2入場部301bは第5センサ1230bを、第2入場部301cは第5センサ1230cをそれぞれ備える。第5センサ1230aは、第2入場部301aの通行者が所持するタグの情報を取得する。第5センサ1230b、1230cも同様である。
【0195】
第6判定部1231は、例えば、CPU、GPU、FPGA、マイクロコントローラ等の集積回路である。あるいは、第6判定部1231は、CPUやGPUを内蔵したサーバー等のコンピュータであってもよい。第6判定部1231は、前記したCPU等の集積回路で実行されるプログラムを含む。
【0196】
第6判定部1231は、第1センサ1203と第5センサ1230とが取得した情報に基づいて、第2ID所持者が所持するすべての所定サイズ以上の手荷物が手荷物判定装置11eで判定済みの手荷物であるか否かを判定する。具体的には、第6判定部1231は、第5センサ1230が取得した第2ID所持者が所持するタグの情報と、第1センサ1203が取得した情報とに基づいて、第2判定部1204が判定した所定サイズ以上の手荷物の個数が一致するか否かを判定する。また、第6判定部1231は、第5センサ1230が取得した第2ID所持者が所持するタグの情報と、手荷物判定装置11eにおいて当該第2IDに対応する第1IDと紐づけられて記憶されたタグの情報とが一致するか否かを判定する。
【0197】
第2ID所持者が所持するタグの個数と、当該第2IDに対応する第1IDと紐づけられて記憶されたタグの個数とが一致しないと第6判定部1231が判定した場合、処理部1201は、当該第2ID所持者について入場不可の情報を出力する。また、第2ID所持者が所持するタグの個数と、当該第2IDに対応する第1IDと紐づけられて記憶されたタグの個数とが一致する場合であっても、手荷物判定装置11eにおいて当該第2IDに対応する第1IDと紐づけられて記憶されたタグ情報と一致しない場合、処理部1201は、当該第2ID所持者について入場不可の情報を出力する。このようにすることで、第2ID所持者が手荷物判定装置の利用後に所定物が含まれるか未判定の手荷物を受け取り不正入場することを防ぐことができる。
【0198】
図31に示すフローチャートを参照して、第6実施形態に係る入場管理システム10eにおける第1判定ルーチンについて説明する。
【0199】
第1ID認識部1102は、第1ID所持者が所持する第1IDの情報を取得する(S601)。
【0200】
処理部1101は、当該第1IDの情報を取得できたか判定する(S602)。第1ID情報が取得できなかった場合(S602:NO)、処理部1101は、第1判定ルーチンを終了する。
【0201】
当該第1IDの情報を取得できた場合(S602:YES)、処理部1101は、当該第1IDが入場資格を有しているか判定する(S603)。第1IDが入場資格を有していない場合(S603:NO)、処理部1101は、第1判定ルーチンを終了する。
【0202】
第1IDが入場資格を有している場合(S603:YES)、処理部1101は、手荷物判定ループを開始する(S604)。第1ID所持者は、手荷物判定を当該第1ID所持者は手荷物を手荷物判定装置11に設置する(S605)。処理部1101は、第1判定部で当該手荷物が所定物を含むか否かを判定する(S606)。処理部1101は、第1IDと第1判定結果とを紐づけて記憶装置1001に記憶する(S607)。タグ発行部16eは、当該手荷物に対応するタグを発行する(S608)。処理部1601は、当該タグと第1IDとを紐づけて、処理部1101を介して記憶装置1001に記憶させる(S609)。処理部1101は、第1ID所持者が手荷物判定ループを終了したかを判定する(S610)。処理部1101は、第1ID所持者が手荷物判定ループを終了したと判定した場合(S610:YES)、手荷物判定ループを終了し(S611)、第1判定ルーチンを終了する。処理部1101は、第1ID所持者が手荷物判定ループを終了していないと判定した場合(S610:NO)、手荷物判定ループを繰り返す。
【0203】
続いて、
図32A、
図32Bに示すフローチャートを参照して、第6実施形態に係る入場管理システム10eにおける入場可否判定ルーチンについて説明する。
【0204】
第6実施形態に係る入場可否判定ルーチンのうち、ステップS620からステップS627は、
図6に示す第1実施形態に係る入場可否判定ルーチンのステップS110からステップS117に相当するので省略する。
【0205】
第2IDに対応する第1IDと紐づけられた第1判定結果が取得できた場合(S626:YES)、処理部1201は、第1センサ1203を介して第2ID所持者が所持する手荷物の情報を取得する(S628)。第5センサ1230は、第2ID所持者が所持するタグの情報を取得する(S629)。第6判定部1231は、第1センサ情報と第5センサ情報とに基づいて、第2ID所持者が所持するすべての所定サイズ以上の手荷物の個数と、第2IDが所持するタグの個数とが一致するか判定する(S630)。第2ID所持者が所持するすべての所定サイズ以上の手荷物の個数と、第2IDが所持するタグの個数とが一致しない場合(S631:NO)、処理部1201は、入場不可の情報を出力し(S632)、入場可否判定ルーチンを終了する。
【0206】
第6判定部1231は、第2ID所持者が所持するすべての所定サイズ以上の手荷物の個数と、第2IDが所持するタグの個数とが一致する場合(S631:NO)、第6判定部1231は、第5センサで取得したタグの情報と、第2IDに対応する第1IDと紐づけられたタグの情報とが一致するか判定する(S633)。処理部1201は、第5センサ1230が取得したタグの情報と、第2IDに対応する第1IDと紐づけられたタグの情報とが少なくとも1つ一致しないと第6判定部1231が判定したとき(S634:NO)、入場不可の情報を出力し(S635)、入場可否判定ルーチンを終了する。処理部1201は、第5センサ1230が取得したタグの情報と、第2IDに対応する第1IDと紐づけられたタグの情報とがすべて一致すると第6判定部1231が判定したとき(S634:YES)、
図8Aに示す第2ID所持者の手荷物の所定物判定サブルーチンを実行する(S636)。
【0207】
以上のように、第6実施形態に係る入場管理システム10eによれば、手荷物判定装置11eにおいて所定サイズ以上の手荷物に対応するタグを発行することで、第2ID所持者が手荷物判定装置の利用後に所定物が含まれるか未判定の手荷物を受け取り不正入場することを防ぐことができる。
【0208】
以上の各実施形態の説明では、手荷物判定装置11、入場管理装置12、通行部13、ボディ判定装置14、ゲート装置15のそれぞれが、各々が備える処理部1101、1201、1301、1401、1501で各種情報処理を実行する例を示したが、入場管理システム10は、手荷物判定装置11、入場管理装置12、通行部13、ボディ判定装置14、ゲート装置15の各装置とネットワークを介して接続されるサーバーが、各装置から情報を受信し、各種情報処理を一元的に実行する構成としてもよい。
【0209】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0210】
10、10a、10b、10c、10d、10e…入場管理システム、11、11a、11aa、11ab、11ac、11b、11ba、11bb、11bc、11c、11d、11da、11db、11dc、11e、11ea、11eb、11ec…手荷物判定装置、12、12d…入場管理装置、13、13a、13b…通行部、14…ボディ判定装置、15…ゲート装置、16e、16ea、16eb、16ec…タグ発行部、300、300a、300b、300c、300d、300e…検査システム、301a、301b、301c…第2入場部、303…待機エリア、304…第1入場部、305…再検査エリア、1001…記憶装置、1101…処理部、1102、1102a、1102b、1102c…第1ID認識部、1103、1103a、1103b、1103c…第1判定部、1104…表示装置、1105、1105a、1105b…コンベヤ、1106…開閉扉、1107…手荷物置き場、1108…荷物置き場、1110…第3センサ、1111…第4判定部、1120、1120a、1120b、1120c…第4センサ、1201…処理部、1202、1202a、1202b、1202c…第2ID認識部、1203、1203a、1203b、1203c…第1センサ、1204…第2判定部、1205…表示装置、1220…第5判定部、1230、1230a、1230b、1230c…第5センサ、1231…第6判定部、1301…処理部、1302、1302a、1302b…第2センサ、1303…第3判定部、1304、1304a、1304b…表示装置、1401…処理部、1402、1402a1、1402b1、1402c1、1402d1、1402d2…所定物携行判定部、1403…表示装置、1501…処理部、1502…接近検知部、1503…開閉制御部、1504、1504a1、1504b1、1504c1…開閉部、1505、1505a、1505b、1505c…表示装置、1601…処理部、1602…タグ印刷部、1603…タグ保管部、1604…タグ受領部、1610…タグ、11041、11042、11043、11044、11044a、11044b、11045、11045a…表示内容、11046…カメラ、13041、13042、13043…表示内容、16101…第1ID所持者の情報、16102…タグID、16103…IC、16104…アンテナ、P1…利用者。