(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007837
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】給電装置、給電システム、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 50/20 20160101AFI20250109BHJP
H02J 50/40 20160101ALI20250109BHJP
H02J 50/90 20160101ALI20250109BHJP
【FI】
H02J50/20
H02J50/40
H02J50/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109490
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三友 敏也
(57)【要約】
【課題】 給電に必要な情報を受電装置から受信することなく、受電装置に給電できる給電装置を実現する。
【解決手段】 実施形態によれば、給電装置は、受信部と、送電部とを備える。前記受信部は、複数の受電装置の内の第1受電装置を指定する第1情報を含む第1制御信号を、制御装置から受信する。前記送電部は、前記第1情報に基づいて、電力供給のための無線送電信号を前記第1受電装置に送信する。前記第1制御信号は、前記第1受電装置に対して、特定の動作を行わせる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の受電装置の内の第1受電装置を指定する第1情報を含む第1制御信号を、制御装置から受信する受信部と、
前記第1情報に基づいて、電力供給のための無線送電信号を前記第1受電装置に送信する送電部と、を備え、
前記第1制御信号は、前記第1受電装置に対して、特定の動作を行わせる信号である、
給電装置。
【請求項2】
前記第1情報は、前記第1受電装置を識別可能な識別符号を含む、
請求項1に記載の給電装置。
【請求項3】
前記送電部は、前記給電装置と前記第1受電装置の位置関係に基づいて、複数のアンテナを用いたビームフォーミング、または1つのアンテナの角度の機械的な制御を行うことにより、前記無線送電信号の指向性を制御する、
請求項1に記載の給電装置。
【請求項4】
前記送電部は、
前記第1情報に基づいて、前記給電装置と前記第1受電装置の相対的な位置関係に関する位置情報を取得し、
前記位置情報に基づいて、前記複数のアンテナを用いたビームフォーミング、または前記1つのアンテナの角度の機械的な制御を行うことにより、前記無線送電信号の指向性を制御する、
請求項3に記載の給電装置。
【請求項5】
前記制御装置を内蔵する、
請求項1に記載の給電装置。
【請求項6】
複数の給電エリアのそれぞれに複数の受電装置が設置される場合、前記複数の給電エリアのそれぞれに対して前記給電装置が設けられる、
請求項1に記載の給電装置。
【請求項7】
前記第1制御信号を再送するタイミングを制御するための信号を前記制御装置に送信する送信部をさらに具備する、
請求項1に記載の給電装置。
【請求項8】
前記無線送電信号の送信を開始した後に、前記第1制御信号を前記第1受電装置に送信する送信部をさらに具備する、
請求項1に記載の給電装置。
【請求項9】
前記受信部は、前記第1制御信号を受信した後に、前記複数の受電装置の内の第2受電装置を指定する第2情報を含む第2制御信号を、前記制御装置から受信し、
前記送電部は、前記受信された第2制御信号に基づいて、前記無線送電信号の送信を終了する、
請求項1に記載の給電装置。
【請求項10】
前記第1制御信号は、前記第1受電装置に対して、前記特定の動作を行わせた後に、前記特定の動作に関する第2情報を含む通信信号を送信させる信号であり、
前記受信部は、前記第1受電装置から前記通信信号を受信し、
前記送電部は、前記受信された通信信号に基づいて、前記無線送電信号の送信を終了する、
請求項1に記載の給電装置。
【請求項11】
制御装置と、給電装置と、複数の受電装置とを含む給電システムであって、
前記制御装置は、前記複数の受電装置の内の第1受電装置を指定する第1情報を含む制御信号を送信し、
前記給電装置は、
前記制御信号を受信し、
前記受信した制御信号に含まれる前記第1情報に基づいて、電力供給のための無線送電信号を前記第1受電装置に送信し、
前記第1受電装置は、
前記無線送電信号を受信し、
前記制御信号を受信し、
前記受信した制御信号に基づいて、特定の動作を行う、
給電システム。
【請求項12】
前記第1受電装置は、
センサを含み、
前記受信した制御信号に基づいて、前記特定の動作を行い、前記センサによって取得された第2情報を含む通信信号を送信する、
請求項11に記載の給電システム。
【請求項13】
前記第1受電装置は、表示部を含み、
前記制御信号は、前記表示部に表示させる内容に関する第3情報をさらに含み、
前記第1受電装置は、前記第3情報に基づく内容を前記表示部に表示させる、
請求項11に記載の給電システム。
【請求項14】
前記第1受電装置は、
入力部を含み、
前記受信した制御信号に基づいて、前記特定の動作を行い、ユーザによる操作に応じて前記入力部によって生成された第2情報を含む通信信号を送信する、
請求項11に記載の給電システム。
【請求項15】
コンピュータにより実行されるプログラムであって、前記プログラムは前記コンピュータに、
複数の受電装置の内の第1受電装置を指定する第1情報を含む第1制御信号を、制御装置から受信する手順と、
前記第1情報に基づいて、電力供給のための無線送電信号を前記第1受電装置に送信する手順とを実行させ、
前記第1制御信号は、前記第1受電装置に対して、特定の動作を行わせる信号である、
プログラム。
【請求項16】
前記第1受電装置はセンシング装置であり、前記特定の動作は設置場所において物理的または化学的な情報を検知する動作である、
請求項1に記載の給電装置。
【請求項17】
前記第1受電装置は表示装置であり、前記特定の動作は情報を表示する、または、点灯する動作である、
請求項1に記載の給電装置。
【請求項18】
前記第1制御信号は、前記第1受電装置に対して、前記特定の動作を行わせた後に、前記特定の動作に関する第2情報を含む通信信号を送信させる信号である、
請求項1に記載の給電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、給電装置、給電システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電磁波(例えば、マイクロ波)を用いて無線で電力を供給する給電装置の開発が進められている。
【0003】
給電装置は、例えば、給電対象の受電装置から、その受電装置の位置を示す情報(位置情報)を取得する。給電装置は、取得された位置情報に基づいて、給電対象の受電装置への指向性を有する電磁波を放射することにより、その受電装置に電力を供給できる。
【0004】
このような場合、受電装置には、位置情報を発信するための通信部が設けられることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、給電に必要な情報を受電装置から受信することなく、受電装置に給電できる給電装置、給電システム、およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、給電装置は、受信部と、送電部とを備える。前記受信部は、複数の受電装置の内の第1受電装置を指定する第1情報を含む第1制御信号を、制御装置から受信する。前記送電部は、前記第1情報に基づいて、電力供給のための無線送電信号を前記第1受電装置に送信する。前記第1制御信号は、前記第1受電装置に対して、特定の動作を行わせる信号である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る給電装置を含む給電システムの構成例を示すブロック図。
【
図2】第1実施形態の給電装置において用いられる給電情報テーブルの一構成例を示す図。
【
図3】第1実施形態の給電装置を含む給電システムにおける制御動作の第1の例を示すシーケンス図。
【
図4】第1実施形態の給電装置を含む給電システムにおける制御動作の第2の例を示すシーケンス図。
【
図5】第1実施形態の給電装置を含む給電システムにおける制御動作の第3の例を示すシーケンス図。
【
図6】第1実施形態の給電装置の構成の第1の例を示すブロック図。
【
図7】第1実施形態の給電装置の構成の第2の例を示すブロック図。
【
図8】第1実施形態の給電装置によって給電される受電装置の構成の第1の例を示すブロック図。
【
図9】第1実施形態の給電装置によって給電される受電装置の構成の第2の例を示すブロック図。
【
図10】第2実施形態に係る給電装置を含む給電システムの構成例を示すブロック図。
【
図11】第3実施形態に係る給電装置を含む給電システムの構成例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
(第1実施形態)
まず
図1を参照して、第1実施形態に係る給電装置を含む給電システムの構成を説明する。給電システム1Aは、例えば、設置場所が固定された機器に無線で電力を供給し、特定の動作を行わせるためのシステムである。設置場所が固定された機器は、例えば、センシング装置、電子棚札、またはピックアップ表示機である。
【0011】
センシング装置は、設置場所において物理的または化学的な情報を検知し、検知された物理量または化学量の情報に基づくデータ(以下、センサデータとも称する)を生成する機器である。
【0012】
電子棚札は、物品が配置された場所(例えば、棚)に設置され、当該物品に関する情報を電子的に表示する表示装置である。物品に関する情報は、例えば、名称、および価格である。
【0013】
ピックアップ表示機は、物品が配置された場所に設置され、作業者に当該物品のピックアップを促すための表示・入力装置である。ピックアップ表示機は、物品のピックアップが必要であるか否かを、例えば、LEDの点灯と消灯で示す。ピックアップ表示機は、例えば、対応する物品のピックアップが必要である場合にLEDが点灯された後、当該物品がピックアップされたことを示す作業者による操作(外部入力)を受け付け、LEDを消灯する。
【0014】
給電システム1Aは、例えば、制御装置11と、給電装置12と、N個の受電装置13とを含む。Nは、2以上の整数である。N個の受電装置13は、第1受電装置13-1、第2受電装置13-2、……、第N受電装置13-Nを含む。以下では、N個の受電装置13の内の特定しない1つの受電装置を指して、受電装置13と称することがある。
【0015】
制御装置11は、給電装置12の動作と、N個の受電装置13のそれぞれの動作とを制御する装置(すなわち、親機)である。制御装置11は、例えば、外部電源から供給される電力により駆動される。具体的には、制御装置11は、給電対象の受電装置13を報知して、その受電装置13の動作と給電装置12の動作とを制御する。制御装置11は、制御信号21を送信することにより、給電装置12と受電装置13とに、給電および動作対象の受電装置13を報知する。制御信号21は、N個の受電装置13の内の1つの受電装置13を指定する情報を含む無線信号である。N個の受電装置13の内の1つ受電装置13を指定する情報は、例えば、その1つの受電装置13に付与された識別符号(以下、受電装置IDとも称する)である。受電装置IDは、対応する受電装置13を一意に識別可能な情報である。また、制御信号21は、指定された受電装置13に対して、例えば、特定の動作を行わせ、通信信号22を送信させる信号である。通信信号22は、特定の動作に関する情報を含む無線信号である。
【0016】
給電装置12は、制御信号21を受信し、制御信号21に基づいて給電対象の受電装置13に送電信号31を送信する装置である。給電装置12は、無線電力伝送装置、送電器とも称される。送電信号31は、給電対象の受電装置13に電力を供給する無線信号である。給電装置12は、例えば、外部電源から供給される電力により駆動される。給電装置12には、給電情報テーブル124Aが格納されている。給電情報テーブル124Aは、N個の受電装置13のそれぞれの位置情報を含むデータである。給電装置12は、制御信号21において指定された受電装置13(すなわち、給電対象の受電装置13)を識別する。給電装置12は、識別された受電装置13の位置情報を給電情報テーブル124Aから取得する。給電装置12は、取得された位置情報に基づいて、給電対象の受電装置13へ高い指向性を有する送電信号31を送信する。給電情報テーブル124Aの具体的な構成については、
図2を参照して後述する。
【0017】
受電装置13は、給電装置12から送信された送電信号31の電力を用いて駆動され、制御装置11から送信された制御信号21に基づいて特定の動作を行う装置である。受電装置13は、前述した設置場所が固定された機器に相当する。受電装置13は、特定の動作において通信信号22を送信し得る。
【0018】
図1では、給電対象の受電装置13が第2受電装置13-2である場合を例示している。この場合、制御装置11は、第2受電装置13-2を指定する情報を含む制御信号21を送信する。
【0019】
給電装置12は、制御装置11から制御信号21を受信して、第2受電装置13-2の位置情報を給電情報テーブル124Aから取得する。そして、給電装置12は、取得された位置情報に基づいて、第2受電装置13-2へ高い指向性を有する送電信号31を送信する。
【0020】
第2受電装置13-2は、第2受電装置13-2へ高い指向性を有する送電信号31を受信する。そして、第2受電装置13-2は、受信した送電信号31の電力で駆動される。また、第2受電装置13-2は、制御装置11から制御信号21を受信して、特定の動作を行う。そして、第2受電装置13-2は、特定の動作に関する情報を含む通信信号22を送信する。
【0021】
以上の構成により、給電装置12は、制御装置11から送信された制御信号21と、給電装置12に格納された給電情報テーブル124Aとを用いて、給電に必要な情報を受電装置13から受信することなく、制御信号21において指定された受電装置13に給電を行うことができる。したがって、制御装置11および給電装置12には、受電装置13の位置を検出するための機能を設ける必要がない。
【0022】
また例えば、受電装置13が位置情報を所有しており、受電装置13が給電装置12に位置情報を送信するならば、受電装置13には、位置情報を送信する通信部を給電装置12による給電前に駆動させるための蓄電池が設けられる必要がある。
【0023】
これに対して、本実施形態の給電装置12は、制御装置11によって送信される制御信号21に基づいて給電対象の受電装置13を識別し、識別された受電装置13の位置情報を給電情報テーブル124Aから取得する。そのため、受電装置13は、位置情報を送信する必要がない。また、受電装置13には、位置情報を送信する通信部を給電装置12による給電前に駆動させるための蓄電池が設けられていなくてもよい。したがって、給電システム1Aでは、受電装置13を小型・低コスト化できる。
【0024】
次いで、給電装置12に格納されている給電情報テーブル124Aについて説明する。
図2は、給電情報テーブル124Aの一構成例を示す。給電情報テーブル124Aは、例えば、複数の受電装置13にそれぞれ対応する複数のエントリを含む。各エントリは、受電装置IDフィールドと、位置情報フィールドとを含む。
【0025】
ある受電装置13に対応するエントリにおいて、受電装置IDフィールドは、その受電装置13に付与された識別符号(受電装置ID)を示す。
【0026】
位置情報フィールドは、その受電装置13に対応する位置情報を示す。位置情報は、例えば、給電装置12が設置されている位置と、受電装置13が設置されている位置との相対的な関係を示す情報である。給電装置12が設置されている位置と、受電装置13が設置されている位置との相対的な関係を示す情報は、例えば、給電装置12および受電装置13の位置を示す座標、あるいは給電装置12から受電装置13への角度(例えば、仰角および回転角)に関する情報である。
【0027】
図2に示す例では、第1受電装置13-1に付与された受電装置ID“1”が、位置情報p1に関連付けられている。第2受電装置13-2に付与された受電装置ID“2”が、位置情報p2に関連付けられている。また、第N受電装置13-Nに付与された受電装置ID“N”が、位置情報pNに関連付けられている。
【0028】
次いで、
図3から
図5を参照して、給電システム1Aにおいて実行される制御動作のいくつかの例を説明する。制御動作は、受電装置13に電力を供給し、その受電装置13に特定の動作を行わせるための動作である。制御動作は、複数の受電装置13の少なくともいずれかを動作させるべき場合に行われる。
【0029】
図3は、給電システム1Aにおいて実行される制御動作の第1の例を示すシーケンス図である。ここでは、動作させるべき受電装置13が第2受電装置13-2であり、第2受電装置13-2に蓄電池が設けられていない場合について例示する。
【0030】
まず、制御装置11は、第2受電装置13-2を示す情報を含む制御信号21を送信し、給電装置12は、この制御信号21を受信する(A101)。なお、第2受電装置13-2は、給電装置12から第2受電装置13-2に電力が供給されておらず、駆動されていないので、制御信号21を受信しない。
【0031】
給電装置12は、受信した制御信号21に基づいて、給電対象の受電装置13として第2受電装置13-2を特定する(A102)。具体的には、給電装置12は、制御信号21に含まれる第2受電装置13-2を示す情報に基づいて、第2受電装置13-2に対応する位置情報を取得する。給電装置12は、例えば、給電情報テーブル124Aから、第2受電装置13-2の受電装置IDに関連付けられた位置情報を取得する。
【0032】
そして、給電装置12は、特定された第2受電装置13-2への送電信号31の送信(すなわち、給電)を開始する(A103)。具体的には、給電装置12は、例えば、取得された第2受電装置13-2の位置情報を用いて、第2受電装置13-2に対する指向性(例えば、最大指向性)を有する送電信号31を送信する。第2受電装置13-2は、送電信号31を受信したことに応じて駆動される。
【0033】
次いで、制御装置11は、第2受電装置13-2から制御信号21に対する応答を受信していないので、制御信号21を再送する(A104)。なお、制御装置11が制御信号21を再送するタイミングは、給電装置12によって制御されてもよい。その場合、給電装置12は、例えば、A101で制御信号21を受信した後、A103で第2受電装置13-2への給電を開始するまで、制御信号21の再送を待機させるための信号(以下、待機信号とも称する)を制御装置11に送信する。あるいは、制御装置11ではなく給電装置12が、制御信号21を第2受電装置13-2に送信してもよい。つまり、給電装置12は、第2受電装置13-2への給電を開始した後に、A101で受信した制御信号21を第2受電装置13-2に送信してもよい。
【0034】
送電信号31で駆動された第2受電装置13-2は、再送された制御信号21を受信し、制御信号21に基づいて特定の動作を行う(A105)。特定の動作は、例えば、予め決められた動作である。あるいは、特定の動作は、制御信号21に含まれる情報によって指定された動作であってもよい。具体的には、特定の動作は、例えば、センシング動作、表示動作、および外部入力(例えば、ユーザによる操作)に基づく情報を生成する動作の少なくともいずれかである。表示動作が行われる場合、制御信号21は、表示される内容に関する情報をさらに含んでいてもよい。第2受電装置13-2は、行った特定の動作に関する情報を含む通信信号22を送信する(A106)。特定の動作に関する情報は、例えば、センシングにより得られたセンサデータ、または外部入力に基づき生成された情報である。
【0035】
制御装置11は、第2受電装置13-2から通信信号22を受信し、通信信号22に含まれる情報を用いた処理を行う(A107)。具体的には、制御装置11は、通信信号22に含まれる情報を用いて、例えば、センサデータを保存する処理、適切な外部入力が得られたことを確認する処理、等を行う。
【0036】
また、給電装置12は、第2受電装置13-2からの通信信号22を受信し、第2受電装置13-2への送電信号31の送信を終了する(A108)。つまり、給電装置12は、制御信号21に対応する通信信号22をトリガとして、送電信号31の送信を終了する。これにより、第2受電装置13-2の駆動が終了する。
【0037】
以上の制御動作により、給電装置12は、給電に必要な情報を第2受電装置13-2から受信することなく、第2受電装置13-2への給電を高いアンテナ利得で行うことができる。給電に必要な情報は、例えば、第2受電装置13-2の位置情報である。
【0038】
もし第2受電装置13-2が位置情報を給電装置12に送信するならば、第2受電装置13-2には、位置情報を送信する通信部を給電装置12による給電前に駆動させるための蓄電池が設けられる必要がある。
【0039】
これに対して、本実施形態の給電装置12は、制御装置11によって送信される制御信号21に基づいて給電対象の第2受電装置13-2を特定し、給電情報テーブル124Aから第2受電装置13-2の位置情報を取得する。そのため、第2受電装置13-2は、位置情報を送信する必要がない。また、第2受電装置13-2には、位置情報を送信する通信部を給電装置12による給電前に駆動させるための蓄電池が設けられていなくてもよい。したがって、給電システム1Aでは、第2受電装置13-2を小型・低コスト化できる。
【0040】
なお、前述した例では、給電および動作対象の受電装置13が第2受電装置13-2である場合について説明したが、給電および動作対象の受電装置13が他の受電装置13(例えば、第1受電装置13-1、または第N受電装置13-N)である場合についても、同様の制御動作が行われる。したがって、他の受電装置13についても同様に、給電装置12は、給電に必要な情報を受電装置13から受信することなく、受電装置13に高いアンテナ利得で給電を行うことができる。さらに、他の受電装置13にも蓄電池が設けられていなくてもよく、小型・低コスト化できる。
【0041】
図4は、給電システム1Aにおいて実行される制御動作の第2の例を示すシーケンス図である。ここでは、第2受電装置13-2を動作させた後に第N受電装置13-Nを動作させる場合について例示する。なお、第2受電装置13-2および第N受電装置13-Nには蓄電池が設けられていないものとする。
【0042】
B101からB107までの動作は、
図3を参照して前述した制御動作のA101からA107までの動作と同様である。つまり、制御装置11、給電装置12、および第2受電装置13-2の間で、第2受電装置13-2に給電し、第2受電装置13-2に特定の動作を行わせるための動作が行われる。なお、
図4に示す例では、第2受電装置13-2を示す情報を含む制御信号21(すなわち、B101およびB104で送信される制御信号21)が、第1制御信号21と称されている。
【0043】
次いで、制御装置11は、第2受電装置13-2に関する動作が完了したので、第N受電装置13-Nを示す情報を含む第2制御信号21を送信し、給電装置12は、この第2制御信号21を受信する(B108)。なお、第N受電装置13-Nは、給電装置12から第N受電装置13-Nに電力が供給されておらず、駆動されていないので、第2制御信号21を受信しない。また、第2受電装置13-2は、第2制御信号21が第N受電装置13-Nを指定しているので、第2制御信号21を受信したとしても無視(破棄)する。
【0044】
給電装置12は、制御装置11から受信した第2制御信号21に基づいて、給電対象の受電装置13として第N受電装置13-Nを特定する(B109)。具体的には、給電装置12は、第2制御信号21に含まれる第N受電装置13-Nを示す情報に基づいて、第N受電装置13-Nに対応する位置情報を取得する。また、給電装置12は、第2制御信号21に基づいて、第2受電装置13-2への送電信号31の送信を終了する(B110)。具体的には、給電装置12は、例えば、第2制御信号21が第2受電装置13-2とは別の第N受電装置13-Nを指定していることに基づいて、第2受電装置13-2への送電信号31の送信を終了する。これにより、第2受電装置13-2の駆動が終了する。
【0045】
そして、給電装置12は、特定された第N受電装置13-Nへの送電信号31の送信を開始する(B111)。具体的には、給電装置12は、例えば、取得された第N受電装置13-Nの位置情報を用いて、第N受電装置13-Nに対する指向性を有する送電信号31を送信する。第N受電装置13-Nは、送電信号31を受信したことに応じて駆動される。以降の動作は、B104からB107までの動作と同様であり、第2受電装置13-2を第N受電装置13-Nに置き換えた動作が行われる。
【0046】
このように、給電装置12は、第2受電装置13-2からの通信信号22ではなく、制御装置11からの第2制御信号21をトリガとして、第2受電装置13-2への給電を終了してもよい。
【0047】
図5は、給電システム1Aにおいて実行される制御動作の第3の例を示すシーケンス図である。ここでは、動作させるべき受電装置13が第2受電装置13-2であり、第2受電装置13-2に蓄電池が設けられている場合について例示する。
【0048】
まず、制御装置11は、第2受電装置13-2を示す情報を含む制御信号21を送信し、給電装置12と第2受電装置13-2とは、この制御信号21を受信する(C101)。第2受電装置13-2は、蓄電池から供給される電力により駆動されているので、制御信号21を受信する。
【0049】
給電装置12は、受信した制御信号21に基づいて、給電対象の受電装置13として第2受電装置13-2を特定する(C102)。そして、給電装置12は、特定された第2受電装置13-2への送電信号31の送信を開始する(C103)。
【0050】
以降のC104からC107までの動作は、
図3を参照して前述した制御動作のA105からA108までの動作と同様である。つまり、
図5に示す例では、C101で第2受電装置13-2が制御信号21を受信しているので、制御装置11は、給電装置12による第2受電装置13-2への給電が開始された後に制御信号21を再送する必要がない。
【0051】
なお、給電装置12は、
図4に示した例と同様に、第2受電装置13-2から送信される通信信号22ではなく、第2受電装置13-2とは別の受電装置13を指定する制御信号21を制御装置11から受信したことに応じて、第2受電装置13-2への給電を終了してもよい。
【0052】
次いで、
図6および
図7を参照して、給電装置12の構成例を具体的に説明する。
【0053】
図6は、給電装置12の構成の第1の例を示す。この第1の例では、給電装置12は、ビームフォーミングによる指向性制御により、送電信号31を受電装置13に送信する。
【0054】
給電装置12は、通信部121、通信用アンテナ122、制御部123、メモリ124、送電部125、および複数の送電用アンテナ(アンテナ素子)126を備える。通信部121、制御部123、メモリ124、および送電部125は、例えば、バス120を介して相互に接続される。メモリ124は、記憶領域であり、例えば、給電情報テーブル124Aを格納する。
【0055】
通信部121は、通信用アンテナ122を介して、通信のための信号を送信および受信可能な回路である。通信部121は、受信部121Rと、送信部121Tとを含む。
【0056】
受信部121Rは、制御装置11および受電装置13によって送信される信号を、通信用アンテナ122を介して受信可能な回路である。制御装置11によって送信される信号は、例えば、制御信号21である。受電装置13によって送信される信号は、例えば、通信信号22である。受信部121Rは、受信した信号を、給電装置12内の各部(例えば、制御部123)に送出し得る。受信部121Rは、例えば、制御部123による指示に応じて信号を受信する。
【0057】
送信部121Tは、通信用アンテナ122を介して、制御装置11および受電装置13に信号を送信可能な回路である。制御装置11に送信される信号は、例えば、待機信号である。受電装置13に送信される信号は、例えば、制御信号21である。送信部121Tは、例えば、制御部123による指示に応じて信号を送信する。
【0058】
制御部123は、給電装置12内の各部の動作を制御する回路である。制御部123は、例えば、プロセッサとして実現される。制御部123は、例えば、通信部121(より詳しくは、受信部121R)から受け取った制御信号21に基づいて、送電部125による給電を制御する。
【0059】
具体的には、制御部123は、制御信号21に基づいて、給電対象の受電装置13を識別する。制御部123は、例えば、制御信号21から受電装置IDを取得することにより、給電対象の受電装置13を識別する。
【0060】
そして、制御部123は、給電情報テーブル124Aから、給電対象の受電装置13に関連付けられた位置情報(すなわち、取得された受電装置IDに関連付けられた位置情報)を取得する。位置情報は、例えば、給電装置12と給電対象の受電装置13との相対的な位置関係を示す。制御部123は、取得された位置情報に基づいて、複数の送電用アンテナ126から放射される電磁波の最大指向性を制御すべき角度(あるいは、方向)を決定する。つまり、制御部123は、取得された位置情報に基づいて、複数の送電用アンテナ126から給電対象の受電装置13へ高い指向性を有する電磁波が放射されるように、電磁波の最大指向性を制御すべき角度を決定する。制御部123は、決定された角度を送電部125に送出する。
【0061】
送電部125は、制御部123から受け取った電磁波の最大指向性を制御すべき角度に基づき、複数の送電用アンテナ126を介して送電信号31を送信する回路である。具体的には、送電部125は、電磁波の最大指向性を制御すべき角度に基づいて、複数の送電用アンテナ126にそれぞれ供給される複数の送電信号31を生成する。送電部125は、電磁波の最大指向性を制御すべき角度に基づいて、例えば、複数の送電信号31のそれぞれの位相θ及び振幅Aを決定し、決定された位相θ・振幅Aの送電信号31を生成する。そして、送電部125は、生成された複数の送電信号31を、複数の送電用アンテナ126にそれぞれ送出する。このように、送電部125は、給電装置12と給電対象の受電装置13の位置関係に基づいて、複数の送電用アンテナ126を用いたビームフォーミングを行うことにより、送電信号31の指向性を制御する。なお、位相θ・振幅Aは、制御部123によって決定(算出)されてもよいし、予め算出された位相θ・振幅Aが給電情報テーブル124Aから取得されてもよい。この場合、送電部125は、角度ではなく、位相θ・振幅Aを制御部123から受け取る。
【0062】
複数の送電用アンテナ126のそれぞれは、送電部125から受け取った送電信号31を放射する。複数の送電用アンテナ126は、給電対象の受電装置13において最大利得となる複数の送電信号31を放射する。
【0063】
給電対象の受電装置13は、受電用アンテナ134を介して複数の送電信号31を受信する。したがって、給電装置12は、制御装置11から受信した制御信号21に基づき、給電対象の受電装置13に対して高いアンテナ利得で電力を供給できる。
【0064】
なお、
図6では、一例として、複数の送電用アンテナ126が3つの送電用アンテナ126-1、126-2、および126-3である場合を示している。この場合、送電部125は、電磁波の最大指向性を制御すべき角度に基づいて、3つの送電信号31-1、31-2、および31-3にそれぞれ対応する位相・振幅θ1・A1、θ2・A2、およびθ3・A3を決定する。送電部125は、決定された位相・振幅θ1・A1、θ2・A2、およびθ3・A3をそれぞれ有する送電信号31-1、31-2、および31-3を生成する。そして、送電部125は、生成された3つの送電信号31-1、31-2、および31-3を、3つの送電用アンテナ126-1、126-2、および126-3にそれぞれ送出する。
【0065】
給電装置12には、2以上の任意の数の送電用アンテナ126が設けられる。なお、通信用アンテナ122と送電用アンテナ126とには、共通のアンテナが用いられてもよい。
【0066】
さらに、制御部123は、送電部125による給電が行われている間に通信部121から受け取った通信信号22に基づいて、送電部125に給電の終了を指示してもよい。あるいは、制御部123は、送電部125による給電が行われている間に通信部121から受け取った新たな制御信号21に基づいて、送電部125に給電の終了を指示してもよい。もしくは他の無線機や人体への影響が発生する際に給電の終了・停止を指示してもよい。この新たな制御信号21は、送電部125によって現在給電が行われている受電装置13とは別の受電装置13が、給電対象として指定された制御信号である。送電部125は、制御部123による給電の終了の指示に応じて、給電(すなわち、送電信号31の送信)を終了する。
【0067】
また、制御部123は、通信部121から制御信号21を受け取った後、送電部125による給電が開始されるまで制御信号21の再送を待機させるための信号(待機信号)の送信を、通信部121(より詳しくは、送信部121T)に指示してもよい。通信部121は、この指示に応じて、待機信号を制御装置11に送信する。あるいは、制御部123は、通信部121から制御信号21を受け取った後、送電部125による給電が開始されたことに応じて、この制御信号21の送信を通信部121に指示してもよい。通信部121は、この指示に応じて、制御信号21を給電対象の受電装置13に送信する。
【0068】
以上の構成により、給電装置12は、制御装置11から受信した制御信号21に基づいて、ビームフォーミングによる送電信号31(すなわち、電磁波)の指向性の制御を行う。これにより、給電装置12は、給電対象の受電装置13に対して高いアンテナ利得で電力を供給できる。
【0069】
図7は、給電装置12の構成の第2の例を示す。この第2の例では、給電装置12は、送電用アンテナ126の機械的な制御により、送電信号31を受電装置13に送信する。
図7に示す給電装置12の構成は、送電部125および送電用アンテナ126の構成を除いて、
図6に示した給電装置12の構成と同様である。以下、
図6に示した給電装置12の構成と異なる部分について主に説明する。
【0070】
図7に示す給電装置12には、例えば、1つの送電用アンテナ126が設けられる。この送電用アンテナ126は、方向(例えば、仰角および回転角)が機械的に制御可能であるように構成される。機械的な制御には、例えば、送電用アンテナ126に接続されたステッピングモータやサーボモータ等が用いられる。
【0071】
送電部125は、制御部123から、送電用アンテナ126から放射される電磁波の最大指向性を制御すべき方向を受け取る。送電部125は、受け取った方向に基づいて、送電用アンテナ126の仰角および回転角を算出する。そして、送電部125は、算出された仰角および回転角に設定されるように、送電用アンテナ126を機械的に制御する。また、送電部125は、送電用アンテナ126に供給される送電信号31を生成し、生成された送電信号31を送電用アンテナ126に送出する。このように、送電部125は、給電装置12と給電対象の受電装置13の位置関係に基づいて、1つの送電用アンテナ126の角度の機械的な制御を行うことにより、送電信号31の指向性を制御する。なお、送電用アンテナ126の仰角および回転角は、制御部123によって決定されてもよいし、予め算出された仰角および回転角が給電情報テーブル124Aから取得されてもよい。この場合、送電部125は、方向ではなく、仰角および回転角を制御部123から受け取る。
【0072】
送電用アンテナ126は、仰角および回転角が機械的に制御された後、送電部125から受け取った送電信号31を放射する。つまり、送電用アンテナ126は、給電対象の受電装置13において最大利得となる送電信号31を放射する。
【0073】
給電対象の受電装置13は、受電用アンテナ134を介して送電信号31を受信する。したがって、給電装置12は、受電装置13に対して、高いアンテナ利得で電力を供給できる。
【0074】
以上の構成により、給電装置12は、制御装置11から受信した制御信号21に基づいて、送電用アンテナ126の機械的な制御による送電信号31の指向性の制御を行う。これにより、給電装置12は、給電対象の受電装置13に対して高いアンテナ利得で電力を供給できる。
【0075】
なお、前述した給電装置12における動作は、回路のようなハードウェアとして実現されてもよいし、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるプログラム(すなわちソフトウェア)として実現されてもよい。例えば、制御部123がメモリ124等に格納されたプログラムを実行することにより、通信部121および送電部125を制御して、前述した給電装置12における動作を実現してもよい。プログラムを実行する制御部123は、例えば、制御装置11からの制御信号21を通信部121に受信させ、制御信号21に含まれる受電装置13を指定する情報に基づいて、その受電装置13への送電信号31を送電部125に送信させる。このように、給電装置12は、プログラムを実行するコンピュータの機能を有していてもよい。
【0076】
次いで、
図8および
図9を参照して、受電装置13の構成例を具体的に説明する。
【0077】
図8は、受電装置13の構成の第1の例を示す。ここでは、受電装置13がセンシング装置として実現される例を示す。
【0078】
受電装置13は、受電部131、受電用アンテナ134、通信部133、通信用アンテナ135、およびセンサ部132を備える。
【0079】
受電部131は、受電用アンテナ134を介して送電信号31を受信し、受信した送電信号31による電力を直流電力に変換し、受電装置13内の各部に供給する回路である。供給された電力により、例えば、通信部133およびセンサ部132が駆動される。
【0080】
通信部133は、通信用アンテナ135を介して、通信のための信号を送信および受信可能な回路である。通信部133は、受信部133Rと、送信部133Tとを含む。
【0081】
受信部133Rは、制御装置11および給電装置12によって送信される信号を、通信用アンテナ135を介して受信可能な回路である。制御装置11および給電装置12によって送信される信号は、例えば、制御信号21である。受信部133Rは、受信した信号を、受電装置13内の各部(例えば、センサ部132)に送出し得る。
【0082】
送信部133Tは、通信用アンテナ135を介して、制御装置11および給電装置12に信号を送信可能な回路である。制御装置11および給電装置12に送信される信号は、例えば、通信信号22である。送信部133Tは、例えば、センサ部132による指示に応じて信号を送信する。
【0083】
センサ部132は、通信部133(より詳しくは、受信部133R)から受け取った制御信号21に基づいて第1の動作を行う。第1の動作は、例えば、センサデータを生成することと、生成または蓄積されたセンサデータの送信を通信部133に指示することの少なくともいずれかを含む動作である。センサ部132は、受電装置13の設置場所において物理的または化学的な情報を検知して、センサデータを生成する。センサ部132は、生成されたセンサデータを、受電装置13内の任意の記憶領域に格納(蓄積)してもよい。センサ部132は、例えば、受電部131から供給された電力により駆動され、通信部133から受け取った制御信号21がこの受電装置13を指定する情報を含む場合に、第1の動作を行う。
【0084】
センサ部132によってセンサデータの送信が通信部133に指示された場合、通信部133(より詳しくは、送信部133T)は、通信用アンテナ135を介して、センサデータを含む通信信号22を送信する。通信用アンテナ135と受電用アンテナ134とには共通のアンテナが用いられてもよい。
【0085】
制御装置11は、受電装置13から送信された通信信号22を受信する。したがって、制御装置11は、制御信号21において指定した受電装置13に第1の動作を行わせ、その受電装置13で生成されたセンサデータを取得できる。
【0086】
なお、給電装置12は、受電装置13から送信された通信信号22を受信してもよい。この場合、給電装置12は、受信した通信信号22に基づいて、その受電装置13に対する給電を終了してもよい。
【0087】
また、受電装置13には、蓄電池136がさらに設けられていてもよい。この場合、通信部133およびセンサ部132は、給電装置12による給電が行われていない間、蓄電池136から供給された電力により駆動され得る。駆動されたセンサ部132は、センサデータを生成して、任意の記憶領域に蓄積してもよい。また、蓄電池136は、給電装置12による給電(すなわち、受電部131から供給される送電信号31の電力)により充電され得る。
【0088】
図9は、受電装置13の構成の第2の例を示す。ここでは、受電装置13が表示・入力装置として実現される例を示す。表示・入力装置は、例えば、ピックアップ表示機である。
図9に示す受電装置13の構成は、センサ部132が表示/入力部137に置き換えられることを除いて、
図8に示した受電装置13の構成と同様である。以下、
図8に示した受電装置13の構成と異なる部分について主に説明する。
【0089】
受電部131は、給電装置12から受信した送電信号31の電力を、例えば、通信部133、および表示/入力部137に供給する。
【0090】
通信部133は、制御装置11から受信した制御信号21を、表示/入力部137に送出する。
【0091】
表示/入力部137は、ユーザに対して情報を表示(通知)する表示部と、外部入力を受け付ける入力部とを含む。表示部は、ディスプレイやLEDのようなユーザに対して視覚的な通知を行うデバイスである。入力部は、ボタンのようなユーザが操作可能なインタフェースを有し、ユーザによる操作に応じて情報を生成するデバイスである。ユーザは、例えば、ピックアップ表示機を使用する作業者である。
【0092】
表示/入力部137は、通信部133から受け取った制御信号21に基づいて第2の動作を行う。第2の動作は、例えば、情報を表示することと、外部入力(ユーザによる操作)に基づき生成された情報の送信を通信部133に指示することの少なくともいずれかを含む動作である。表示/入力部137は、例えば、制御信号21が表示される内容に関する情報を含んでいる場合、その情報に基づく内容を、例えば、ディスプレイの画面に表示する。表示/入力部137は、例えば、受電部131から供給された電力により駆動され、通信部133から受け取った制御信号21がこの受電装置13を指定する情報を含む場合に、第2の動作を行う。
【0093】
例えば、表示/入力部137が、LED、LED制御回路、およびボタンを有する入力情報生成回路からなる場合を想定する。LED制御回路は、LEDの点灯および消灯を制御する。入力情報生成回路は、ユーザによる操作を受け付け、受け付けた操作に基づく情報を生成する。より具体的には、入力情報生成回路は、例えば、ユーザがボタンを押し下げる操作に基づき情報を生成する。
【0094】
この場合、表示/入力部137は、制御信号21を受け取ったことに応じてLEDを点灯させる。表示/入力部137は、LEDが点灯されている間に、ユーザがボタンを押し下げたことに応じて、特定の情報を生成する。特定の情報は、例えば、外部入力に変化があったこと、ユーザがボタンを押し下げたこと、または第2の動作が適切に行われたことを示す。そして、表示/入力部137は、生成された特定の情報の送信を、通信部133に指示する。また、表示/入力部137は、LEDが点灯されている間に、ユーザがボタンを押し下げたことに応じて、LEDを消灯する。
【0095】
表示/入力部137によって特定の情報の送信が通信部133に指示された場合、通信部133は、通信用アンテナ135を介して、特定の情報を含む通信信号22を送信する。
【0096】
制御装置11は、受電装置13から送信された通信信号22を受信する。したがって、制御装置11は、制御信号21において指定した受電装置13に第2の動作を行わせ、その受電装置13で生成された特定の情報を取得できる。制御装置11は、取得された特定の情報に基づいて、例えば、指定された受電装置13で第2の動作が行われたことを確認できる。
【0097】
このように、受電装置13は、給電に必要な情報を制御装置11や給電装置12に送信することなく、給電装置12から給電を受けることができる。よって、受電装置13には、位置情報を送信する通信部を給電装置12による給電前に駆動させるための蓄電池が設けられていなくてもよい。したがって、給電システム1Aでは、受電装置13を小型・低コスト化できる。なお、受電装置13には、表示/入力部137の内、表示に関する構成(表示部)と、入力に関する構成(入力部)のいずれか一方が設けられていてもよい。
【0098】
(第2実施形態)
第1実施形態では、給電システム1Aは、制御装置11、給電装置12、および複数の受電装置13から構成される。これに対して、第2実施形態では、給電システム1Bは、制御装置11Bを含む給電装置12Bと、複数の受電装置13とから構成される。
【0099】
第2実施形態の給電システム1Bの構成は、制御装置11Bが給電装置12B内に設けられることを除いて、第1実施形態の給電システム1Aと同様である。以下、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
【0100】
図10は、第2実施形態に係る給電装置12Aを含む給電システム1Bの構成例を示す。
【0101】
給電装置12Bは、例えば、
図6または
図7を参照して前述した構成と同様の構成を有し、制御装置11Bをさらに含む。
【0102】
制御装置11Bは、例えば、内部バスを介して、給電装置12B内の各部(例えば、制御部123)に接続される。制御装置11Bは、制御信号21を、受電装置13に送信すると共に、内部バスを介して制御部123に送出する。
【0103】
制御部123は、制御装置11Bから制御信号21を受け取る。これにより、制御部123は、受け取った制御信号21を用いて給電対象の受電装置13を識別し、識別された受電装置13に送電信号31を送信できる。
【0104】
制御装置11Bおよび給電装置12Bの他の動作、並びに受電装置13の動作については、第1実施形態において前述した通りである。
【0105】
このように、制御装置11Bは給電装置12Bに内蔵されていてもよい。制御装置11Bが給電装置12Bに内蔵されることにより、給電システム1B全体を小型・低コスト化することができる。
【0106】
(第3実施形態)
第1実施形態では、給電システム1Aは、制御装置11、給電装置12、および複数の受電装置13から構成される。これに対して、第3実施形態では、複数の給電エリアが設けられ、給電エリア毎に給電装置12が設けられる。
【0107】
第3実施形態の給電システム1Cの構成は、給電装置12が給電エリア毎に設けられることを除いて、第1実施形態の給電システム1Aと同様である。以下、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
【0108】
図11は、第3実施形態に係る給電装置12Cおよび給電装置12Dを含む給電システム1Cの構成例を示す。ここでは、給電システム1Cが2つの給電エリア15に対して構成される場合を例示する。2つの給電エリア15は、第1給電エリア15C、および第2給電エリア15Dである。2つの給電エリア15のそれぞれに対して、1つの給電装置12Cまたは12Dが設けられる。なお、給電システム1Cは、3つ以上の給電エリア15に対して構成されてもよい。
【0109】
給電システム1Cは、例えば、第1制御装置11C、第1給電装置12C、M個の受電装置13C、第2制御装置11D、第2給電装置12D、およびN個の受電装置13Dを含む。Mは、2以上の整数である。
【0110】
第1給電エリア15Cには、M個の受電装置13Cが設置されている。M個の受電装置13Cは、受電装置13C-1、13C-2、……、13C-Mを含む。以下では、M個の受電装置13Cの内の特定しない1つの受電装置を指して、受電装置13Cと称することがある。
【0111】
第2給電エリア15Dには、N個の受電装置13Dが設置されている。N個の受電装置13Dは、受電装置13D-1、13D-2、……、13D-Nを含む。以下では、N個の受電装置13Dの内の特定しない1つの受電装置を指して、受電装置13Dと称することがある。
【0112】
第1給電エリア15Cと第2給電エリア15Dとは物理的に異なる範囲である。第1給電エリア15Cに設置される受電装置13Cの数は、第2給電エリア15Dに設置される受電装置13Dの数と等しくても異なっていてもよい。
【0113】
第1制御装置11Cと第1給電装置12Cとは、第1給電エリア15Cに対して設けられる。より詳しくは、第1制御装置11Cと第1給電装置12Cとは、第1給電エリア15C内のM個の受電装置13Cのそれぞれを給電および動作対象とする制御を行うように構成される。
【0114】
第1制御装置11Cは、第1給電装置12Cの動作と、M個の受電装置13Cのそれぞれの動作とを制御する装置である。具体的には、第1制御装置11Cは、給電および動作対象の受電装置13Cを報知して、その受電装置13Cの動作と第1給電装置12Cの動作とを制御する。第1制御装置11Cは、制御信号21Cを送信することにより、第1給電装置12Cと受電装置13Cとに、給電および動作対象の受電装置13Cを報知する。制御信号21Cは、M個の受電装置13Cの1つを指定する情報を含む無線信号である。
【0115】
第1給電装置12Cは、制御信号21Cに基づいて、給電対象の受電装置13Cに送電信号31Cを送信する装置である。送電信号31Cは、給電対象の受電装置13Cに電力を供給する無線信号である。第1給電装置12Cには、給電情報テーブル124Cが格納されている。給電情報テーブル124Cは、M個の受電装置13Cのそれぞれの位置情報を含むデータである。第1給電装置12Cは、制御信号21Cにおいて指定された受電装置13C(すなわち、給電対象の受電装置13C)の位置情報を、給電情報テーブル124Cから取得する。第1給電装置12Cは、取得された位置情報に基づいて、給電対象の受電装置13Cへ高い指向性を有する送電信号31Cを送信する。
【0116】
受電装置13Cは、第1給電装置12Cから送信された送電信号31Cの電力を用いて駆動され、制御信号21Cに基づいて特定の動作を行う装置である。受電装置13Cは、特定の動作において通信信号22Cを送信し得る。通信信号22Cは、特定の動作に関する情報を含む無線信号である。
【0117】
第2制御装置11Dと第2給電装置12Dとは、第2給電エリア15Dに対して設けられる。より詳しくは、第2制御装置11Dと第2給電装置12Dとは、第2給電エリア15D内のN個の受電装置13Dのそれぞれを給電および動作対象とする制御を行うように構成される。
【0118】
第2制御装置11Dは、第2給電装置12Dの動作と、N個の受電装置13Dのそれぞれの動作とを制御する装置である。具体的には、第2制御装置11Dは、給電および動作対象の受電装置13Dを報知して、その受電装置13Dの動作と第2給電装置12Dの動作とを制御する。第2制御装置11Dは、制御信号21Dを送信することにより、第2給電装置12Dと受電装置13Dとに給電および動作対象の受電装置13Dを報知する。制御信号21Dは、N個の受電装置13Dの1つを指定する情報を含む無線信号である。
【0119】
第2給電装置12Dは、制御信号21Dに基づいて、給電対象の受電装置13Dに送電信号31Dを送信する装置である。送電信号31Dは、給電対象の受電装置13Dに電力を供給する無線信号である。第2給電装置12Dには、給電情報テーブル124Dが格納されている。給電情報テーブル124Dは、N個の受電装置13Dのそれぞれの位置情報を含むデータである。第2給電装置12Dは、制御信号21Dにおいて指定された受電装置13D(すなわち、給電対象の受電装置13D)の位置情報を、給電情報テーブル124Dから取得する。第2給電装置12Dは、取得された位置情報に基づいて、給電対象の受電装置13Dへ高い指向性を有する送電信号31Dを送信する。
【0120】
受電装置13Dは、第2給電装置12Dから送信された送電信号31Dの電力を用いて駆動され、制御信号21Dに基づいて特定の動作を行う装置である。受電装置13Dは、特定の動作において通信信号22Dを送信し得る。通信信号22Dは、特定の動作に関する情報を含む無線信号である。
【0121】
なお、第1給電装置12Cは、第2制御装置11Dによって送信された制御信号21Dを受信し得る。第1給電装置12Cは、対応する第1給電エリア15Cとは別の第2給電エリア15D内の受電装置13Dを指定する制御信号21Dを受信した場合、この制御信号21Dに応じた給電を行わない。具体的には、第1給電装置12Cは、例えば、制御信号21Dにおいて指定された受電装置13D(より詳しくは、受電装置ID)が、給電情報テーブル124Cに含まれていないので、この制御信号21Dに応じた給電を行わない。つまり、第1給電装置12Cは、対応する第1給電エリア15C内の受電装置13Cに給電を行い、他の給電エリア15内の受電装置13(ここでは、第2給電エリア15D内の受電装置13D)には給電を行わないように構成される。
【0122】
同様に、第2給電装置12Dは、第1制御装置11Cによって送信された制御信号21Cを受信し得る。第2給電装置12Dは、対応する第2給電エリア15Dとは別の第1給電エリア15C内の受電装置13Cを指定する制御信号21Cを受信した場合、この制御信号21Cに応じた給電を行わない。具体的には、第2給電装置12Dは、例えば、制御信号21Cにおいて指定された受電装置13Cが、給電情報テーブル124Dに含まれていないので、この制御信号21Cに応じた給電を行わない。つまり、第2給電装置12Dは、対応する第2給電エリア15D内の受電装置13Dに給電を行い、他の給電エリア15内の受電装置13(ここでは、第1給電エリア15C内の受電装置13C)には給電を行わないように構成される。
【0123】
図11では、第1給電エリア15Cにおける給電および動作対象の受電装置13Cが第2受電装置13C-2であり、第2給電エリア15Dにおける給電および動作対象の受電装置13Dが第2受電装置13D-2である場合を例示している。この場合、第1制御装置11Cは、第2受電装置13C-2を指定する情報を含む制御信号21Cを送信し、第2制御装置11Dは、第2受電装置13D-2を指定する情報を含む制御信号21Dを送信する。
【0124】
第1給電装置12Cは、第1制御装置11Cから制御信号21Cを受信して、第2受電装置13C-2の位置情報を給電情報テーブル124Cから取得する。そして、第1給電装置12Cは、取得された位置情報に基づいて、第2受電装置13C-2へ高い指向性を有する送電信号31Cを送信する。また、第1給電装置12Cは、第2制御装置11Dから制御信号21Dを受信しても、給電に関する動作を行わない。
【0125】
第2受電装置13C-2は、第2受電装置13C-2へ高い指向性を有する送電信号31Cを受信する。そして、第2受電装置13C-2は、受信した送電信号31Cの電力で駆動される。また、第2受電装置13C-2は、第1制御装置11Cから制御信号21Cを受信して、特定の動作を行う。そして、第2受電装置13C-2は、特定の動作に関する情報を含む通信信号22Cを送信する。
【0126】
第2給電装置12Dは、第2制御装置11Dから制御信号21Dを受信して、第2受電装置13D-2の位置情報を給電情報テーブル124Dから取得する。そして、第2給電装置12Dは、取得された位置情報に基づいて、第2受電装置13D-2へ高い指向性を有する送電信号31Dを送信する。また、第2給電装置12Dは、第1制御装置11Cから制御信号21Cを受信しても、給電に関する動作を行わない。
【0127】
第2受電装置13D-2は、第2受電装置13D-2へ高い指向性を有する送電信号31Dを受信する。そして、第2受電装置13D-2は、受信した送電信号31Dの電力で駆動される。また、第2受電装置13D-2は、第2制御装置11Dから制御信号21Dを受信して、特定の動作を行う。そして、第2受電装置13D-2は、特定の動作に関する情報を含む通信信号22Dを送信する。
【0128】
以上の構成により、第1給電装置12Cは、第1制御装置11Cから送信された制御信号21Cと、第1給電装置12Cに格納された給電情報テーブル124Cとを用いて、給電に必要な情報を受電装置13Cから受信することなく、制御信号21Cで指定された受電装置13Cに高いアンテナ利得で給電できる。また、第2給電装置12Dは、第2制御装置11Dから送信された制御信号21Dと、第2給電装置12Dに格納された給電情報テーブル124Dとを用いて、給電に必要な情報を受電装置13Dから受信することなく、制御信号21Dで指定された受電装置13Dに高いアンテナ利得で給電できる。
【0129】
さらに、給電システム1Cでは、複数の給電エリア15が存在するケースにおいて、給電装置12Cおよび12Dが、受電電力が低くなる他の給電エリア15内の受電装置13への給電を行うことを回避できる。これにより、給電システム1Cでは、想定外の方向に指向性強度が発生することによる他の無線信号への影響も低減できる。
【0130】
なお、給電システム1Cには、2つの制御装置11Cおよび11Dが設けられる代わりに、1つの制御装置11が設けられてもよい。この場合、制御装置11は、第1給電装置12Cの動作、M個の受電装置13Cのそれぞれの動作、第2給電装置12Dの動作、およびN個の受電装置13Dのそれぞれの動作を制御する。制御装置11は、制御信号21Cと制御信号21Dとを送信可能である。
【0131】
具体的には、制御装置11は、給電および動作対象の受電装置13Cを報知して、その受電装置13Cの動作と第1給電装置12Cの動作とを制御する。制御装置11は、制御信号21Cを送信することにより、第1給電装置12Cと受電装置13Cとに、給電および動作対象の受電装置13Cを報知する。
【0132】
また、制御装置11は、給電および動作対象の受電装置13Dを報知して、その受電装置13Dの動作と第2給電装置12Dの動作とを制御する。制御装置11は、制御信号21Dを送信することにより、第2給電装置12Dと受電装置13Dとに、給電および動作対象の受電装置13Dを報知する。
【0133】
給電システム1Cに1つの制御装置11が設けられる場合にも同様に、給電装置12Cおよび12Dが、受電電力が低くなる他の給電エリア15内の受電装置13への給電を行うことを回避できる。
【0134】
以上説明したように、第1乃至第3実施形態によれば、給電に必要な情報を受電装置13から受信することなく、受電装置13に給電できる。給電装置12の受信部121Rは、複数の受電装置13の内の第1受電装置13を指定する第1情報を含む第1制御信号21を、制御装置11から受信する。送電部125は、第1情報に基づいて、電力供給のための無線送電信号31を第1受電装置13に送信する。第1制御信号21は、第1受電装置13に対して、特定の動作を行わせる信号である。
【0135】
これにより、給電装置12は、第1受電装置13から給電に必要な情報(例えば、第1受電装置13の位置情報)を受信することなく、第1受電装置13に給電できる。
【0136】
なお、給電システム1A、1B、および1Cの構成は、大きな信号対雑音比(S/N比)が必要な高速通信向けのビームフォーミングやメカニカル制御が利用されるケースにも適用できる。この場合、特定の受電ターゲット(受電装置)に高電力の信号を送付可能であるため、S/N比を改善する効果において有利である。
【0137】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0138】
前述した実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
<1>
複数の受電装置の内の第1受電装置を指定する第1情報を含む第1制御信号を、制御装置から受信する受信部と、
前記第1情報に基づいて、電力供給のための無線送電信号を前記第1受電装置に送信する送電部と、を備え、
前記第1制御信号は、前記第1受電装置に対して、特定の動作を行わせる信号である、
給電装置。
<2>
前記第1情報は、前記第1受電装置を識別可能な識別符号を含む、
<1>に記載の給電装置。
<3>
前記送電部は、前記給電装置と前記第1受電装置の位置関係に基づいて、複数のアンテナを用いたビームフォーミング、または1つのアンテナの角度の機械的な制御を行うことにより、前記無線送電信号の指向性を制御する、
<1>または<2>に記載の給電装置。
<4>
前記送電部は、
前記第1情報に基づいて、前記給電装置と前記第1受電装置の相対的な位置関係に関する位置情報を取得し、
前記位置情報に基づいて、前記複数のアンテナを用いたビームフォーミング、または前記1つのアンテナの角度の機械的な制御を行うことにより、前記無線送電信号の指向性を制御する、
<3>に記載の給電装置。
<5>
前記制御装置を内蔵する、
<1>乃至<4>のいずれか1つに記載の給電装置。
<6>
複数の給電エリアのそれぞれに複数の受電装置が設置される場合、前記複数の給電エリアのそれぞれに対して前記給電装置が設けられる、
<1>乃至<5>のいずれか1つに記載の給電装置。
<7>
前記第1制御信号を再送するタイミングを制御するための信号を前記制御装置に送信する送信部をさらに具備する、
<1>乃至<6>のいずれか1つに記載の給電装置。
<8>
前記無線送電信号の送信を開始した後に、前記第1制御信号を前記第1受電装置に送信する送信部をさらに具備する、
<1>乃至<6>のいずれか1つに記載の給電装置。
<9>
前記受信部は、前記第1制御信号を受信した後に、前記複数の受電装置の内の第2受電装置を指定する第2情報を含む第2制御信号を、前記制御装置から受信し、
前記送電部は、前記受信された第2制御信号に基づいて、前記無線送電信号の送信を終了する、
<1>乃至<8>のいずれか1つに記載の給電装置。
<10>
前記第1制御信号は、前記第1受電装置に対して、前記特定の動作を行わせた後に、前記特定の動作に関する第2情報を含む通信信号を送信させる信号であり、
前記受信部は、前記第1受電装置から前記通信信号を受信し、
前記送電部は、前記受信された通信信号に基づいて、前記無線送電信号の送信を終了する、
<1>乃至<8>のいずれか1つに記載の給電装置。
<11>
制御装置と、給電装置と、複数の受電装置とを含む給電システムであって、
前記制御装置は、前記複数の受電装置の内の第1受電装置を指定する第1情報を含む制御信号を送信し、
前記給電装置は、
前記制御信号を受信し、
前記受信した制御信号に含まれる前記第1情報に基づいて、電力供給のための無線送電信号を前記第1受電装置に送信し、
前記第1受電装置は、
前記無線送電信号を受信し、
前記制御信号を受信し、
前記受信した制御信号に基づいて、特定の動作を行う、
給電システム。
<12>
前記第1受電装置は、
センサを含み、
前記受信した制御信号に基づいて、前記特定の動作を行い、前記センサによって取得された第2情報を含む通信信号を送信する、
<11>に記載の給電システム。
<13>
前記第1受電装置は、表示部を含み、
前記制御信号は、前記表示部に表示させる内容に関する第3情報をさらに含み、
前記第1受電装置は、前記第3情報に基づく内容を前記表示部に表示させる、
<11>に記載の給電システム。
<14>
前記第1受電装置は、
入力部を含み、
前記受信した制御信号に基づいて、前記特定の動作を行い、ユーザによる操作に応じて前記入力部によって生成された第2情報を含む通信信号を送信する、
<11>に記載の給電システム。
<15>
コンピュータにより実行されるプログラムであって、前記プログラムは前記コンピュータに、
複数の受電装置の内の第1受電装置を指定する第1情報を含む第1制御信号を、制御装置から受信する手順と、
前記第1情報に基づいて、電力供給のための無線送電信号を前記第1受電装置に送信する手順とを実行させ、
前記第1制御信号は、前記第1受電装置に対して、特定の動作を行わせる信号である、
プログラム。
<16>
前記第1受電装置はセンシング装置であり、前記特定の動作は設置場所において物理的または化学的な情報を検知する動作である、
<1>乃至<10>のいずれか1つに記載の給電装置。
<17>
前記第1受電装置は表示装置であり、前記特定の動作は情報を表示する、または、点灯する動作である、
<1>乃至<10>のいずれか1つに記載の給電装置。
<18>
前記第1制御信号は、前記第1受電装置に対して、前記特定の動作を行わせた後に、前記特定の動作に関する第2情報を含む通信信号を送信させる信号である、
<1>乃至<10>のいずれか1つに記載の給電装置。
【符号の説明】
【0139】
1A…給電システム、11…制御装置、12…給電装置、13…受電装置、121…通信部、121R…受信部、121T…送信部、122…通信用アンテナ、123…制御部、124…メモリ、124A…給電情報テーブル、125…送電部、126…送電用アンテナ、131…受電部、134…受電用アンテナ、133…通信部、133R…受信部、133T…送信部、135…通信用アンテナ、132…センサ部、136…蓄電池、137…表示/入力部、21…制御信号、22…通信信号、31…送電信号。