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特開2025-93874ガスタービン排気ディフューザ、ストラットアセンブリ並びにガスタービン排気ディフューザのストラット用のトレーリング部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025093874
(43)【公開日】2025-06-24
(54)【発明の名称】ガスタービン排気ディフューザ、ストラットアセンブリ並びにガスタービン排気ディフューザのストラット用のトレーリング部材
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/00 20060101AFI20250617BHJP
   F01D 25/30 20060101ALI20250617BHJP
【FI】
F02C7/00 B
F01D25/30 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024199583
(22)【出願日】2024-11-15
(31)【優先権主張番号】P.446955
(32)【優先日】2023-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PL
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャミオコウスキ、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ズレダ、ロバート ヤセック
(72)【発明者】
【氏名】コベック、ピーター エドワード
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ガスタービン排気ディフューザ、ストラットアセンブリ、及びガスタービン排気ディフューザのストラット用のトレーリング部材を提供する。
【解決手段】ガスタービン排気ディフューザのストラット2用のトレーリング部材4は、上流側41と、上流側41から下流方向に沿って間隔を空けた下流端42と、上流側から下流端に延在する2つの側壁43,44とを備えている。2つの側壁間の距離は、上流側から下流側の端まで一方向に沿って減少する。トレーリング部材の長手方向範囲は、上流側41に沿って、第1の長手方向端と第2の長手方向端との間に延在している。各側壁43,44の第1の縁部431,441は、第1の長手方向端に近接して配置されている。応力除去スロットは、2つの側壁43,44の第1及び第2の側壁の少なくとも一方に設けられ、各々の側壁の第1の縁部431,441で開口する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービン排気ディフューザ(1)のストラット(2)用のトレーリング部材(4)であって、当該トレーリング部材が、上流側(41)と、上流側(41)から下流方向に沿って離間した下流端(42)と、上流側から下流端まで延在する2つの側壁(43,44)とを備えており、2つの側壁間の距離が上流側から下流端へ向かう方向に沿って減少して、トレーリング部材(4)の断面が上流側(41)から下流端(42)に向かって先細になっており、トレーリング部材の長手方向範囲が、トレーリング部材の上流側に沿ってトレーリング部材の第1の長手方向端とトレーリング部材の第2の長手方向端の間に延在しており、各側壁の第1の縁部(431,441)がトレーリング部材(4)の第1の長手方向端に近接して配置されており、応力除去スロット(47,48)が2つの側壁(43,44)の第1及び第2の側壁の少なくとも一方に設けられていてその側壁の第1の縁部(431,441)で開口している、トレーリング部材。
【請求項2】
前記応力除去スロット(47,48)が、第1及び第2の側壁(43,44)の少なくとも一方に設けられていてその側壁の第1の縁部で開口しており、その側壁の第1の縁部における開口端を始点としたときに丸い応力除去穴(471,481)を終端とする、請求項1に記載のトレーリング部材。
【請求項3】
当該トレーリング部材が、第1の側壁と第2の側壁の間のカバープレート(49)をトレーリング部材の第1の長手方向端に隣接して備えており、カバープレート(49)が、第1及び第2の側壁の少なくとも一方に設けられた1以上の応力除去スロット(47,48)を横断して延在しており、追加の応力除去スロット(491,492)がカバープレートに設けられていて第1及び第2の側壁の少なくとも一方の応力除去スロット(47,48)に隣接したカバープレートの縁部で開口している、請求項1又は請求項2に記載のトレーリング部材。
【請求項4】
トレーリング部材の第1の長手方向端に隣接して第1の側壁と第2の側壁の間に設けられたカバープレート(49)に、U字形切欠部(495)がカバープレートの上流端に近接して設けられている、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のトレーリング部材。
【請求項5】
カバープレート(49)が第1及び第2の側壁(43,44)に溶接接続されており、カバープレートの上流端縁に隣接した距離に沿って溶接シームが省かれている、請求項3又は請求項4に記載のトレーリング部材。
【請求項6】
第1及び第2の側壁(43,44)の各々の第1の縁部(431,441)が、各々の側壁の面に対する側面図で観たときに凸状に形成されている、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のトレーリング部材。
【請求項7】
第1及び第2の側壁(43,44)の各々の第1の縁部(431,441)が凸状角部を含んでおり、1つの応力除去スロット(47,48)が凸状角部で開口している、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のトレーリング部材。
【請求項8】
各側壁(43,44)の第1の縁部(431,441)がトレーリング部材の上流側に隣接して窪んでいて凹部(46)を画成している、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のトレーリング部材。
【請求項9】
前記凹部(46)が凹状角部を含んでいて、応力除去スロット(47,48)が凹状角部で開口している、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のトレーリング部材。
【請求項10】
トレーリング部材の上流側(41)とトレーリング部材の下流端(42)との間の距離が、トレーリング部材の第1の長手方向端からトレーリング部材の第2の長手方向端まで減少する、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のトレーリング部材。
【請求項11】
トレーリング部材(4)の第2の長手方向端の近傍に追加の応力除去スロット(45)が設けられていて、トレーリング部材の下流端で開口している、請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のトレーリング部材。
【請求項12】
ストラット本体(3)と請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載のトレーリング部材(4)とを備えるストラットアセンブリ(2)であって、ストラット本体が、長手方向に第1の長手方向端と第2の長手方向端の間に延在しており、ストラット本体(3)が上流端(31)及び下流側(32)を有しており、トレーリング部材(4)が、ストラット本体(3)の下流側(32)に取り付けられて長手方向にストラット本体の下流側(32)に沿って延在して、ストラットアセンブリ(2)のトレーリングセクションを形成しており、トレーリング部材(4)の上流側(41)がストラット本体(3)の下流側(32)に隣接して設けられ、トレーリング部材(4)の第1の長手方向端がストラット本体(3)の第1の長手方向端に近接して配置され、トレーリング部材(4)の第2の長手方向端がストラット本体(3)の第2の長手方向端に近接して配置されている、ストラットアセンブリ。
【請求項13】
トレーリング部材(4)が、トレーリング部材の第1の長手方向端からトレーリング部材の第2の長手方向端までの方向にトレーリング部材の上流側(41)に沿って測定したときに、ストラット本体の下流側(32)に沿って測定してストラット本体(3)の第2の長手方向端の手前で終端をもつ、請求項11に記載のストラットアセンブリ。
【請求項14】
内側バレル(12)と外側バレル(11)とを備えていて、それらの間に流路を画成するガスタービン排気ディフューザ(1)であって、ガスタービン排気ディフューザが、内側バレルと外側バレルとの間に延在する請求項12又は請求項13に記載の1以上のストラットアセンブリを備えており、ストラット本体(3)の第1の長手方向端が外側バレル(11)に取り付けられ、ストラット本体(3)の第2の長手方向端が内側バレル(12)に取り付けられており、フローシールド(5)が外側バレル(11)に設けられかつ取り付けられており、フローシールド(5)が、トレーリング部材(4)の下流端(42)を含むトレーリング部材の下流部分の外周の一部に沿ってトレーリング部材の第1の長手方向端に隣接して延在しており、フローシールドの上流縁が、ターボエンジンディフューザの下流方向にストラット本体(3)の下流側(42)から離間している、ガスタービン排気ディフューザ。
【請求項15】
トレーリング部材の下流端を含むトレーリング部材の第1の長手方向端の下流セクションに沿ってトレーリング部材(4)と外側バレル(11)との間に隙間(111)が設けられており、トレーリング部材の上流セクションの少なくとも一部に沿って第1及び第2の側壁(43,44)が外側バレルに溶接接続されている、請求項14に記載のガスタービン排気ディフューザ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、特許請求の範囲に記載されたガスタービン排気ディフューザのストラットのトレーリング部材に関する。本開示は、さらに、トレーリング部材を含むストラットアセンブリ並びにストラットアセンブリを含むガスタービン排気ディフューザに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービン排気ディフューザでは、外側ディフューザバレル内で内側ディフューザバレルがストラットによって懸架されている。内側バレルは、例えば、ガスタービンロータの後方ベアリングを含んでいることがある。こうして形成された環状流路を排気ガスが流れるが、排気ガスは500℃を大幅に超える温度に達することがあり、ガスタービンの出力が変化すると、その温度は比較的急速な変化に付されることがある。
【0003】
ある種のガスタービンでは、ストラットは実際には、上流のストラット本体と下流のトレーリング部材とを含むストラットアセンブリであることがある。空力形状を達成するため、トレーリング部材は後縁を形成し、後縁部材と呼ばれることもある。ストラット本体は、内側及び外側ディフューザバレルに(例えば最も一般的には溶接接続によって)取り付けられるが、特定の公知のディフューザでは、トレーリング部材の半径方向外端は外側ディフューザバレルに固定されない。フローシールドが外側ディフューザバレルに設けられ、取り付けられる。このフローシールドは、基本的にはトレーリング部材の下流端を含めてトレーリング部材の下流部分の外周の一部の周りに延在する板金のスカートであり、ストラット本体とトレーリング部材の間の継ぎ目と少なくとも本質的に同一平面(公知の実施形態では上流側)で終端する。フローシールドは、トレーリング部材の半径方向外端と外側ディフューザバレルの間の隙間への高温燃焼ガスの取込みを低減し、トレーリング部材の半径方向外端の振動の振幅を抑制する。ただし、ストラット本体及びフローシールドが外側バレルに取り付けられている箇所の近傍で、例えば幾つかの溶接シームの交差部、幾つかの部品の相互接続部、経時的な温度勾配、ガスタービンエンジンの排気ディフューザで通例起こる振動惹起機械的交互応力など、複合的要因によって亀裂が観察されることがある。そのため、頻繁な検査及びメンテナンスが必要とされる。ストラット設計及び/又はストラット-バレル接続部における解決策又は少なくとも改善が望まれている。
【発明の概要】
【0004】
本開示の目的は、冒頭に記載したタイプの装置を提案することである。さらに具体的な態様では、技術的改善を提供する。本願で提案する技術のさらに具体的な態様では、限定されるものではないが、上述の問題を始めとして、当技術分野の課題を軽減又は回避する。
【0005】
これは、請求項1に記載の技術によって達成される。
【0006】
具体的には、本開示は、ガスタービン排気ディフューザのストラット用のトレーリング部材であって、当該トレーリング部材が、上流側と、上流側から下流方向に沿って離間した下流端と、上流側から下流端まで延在する2つの側壁とを備えており、2つの側壁間の距離が上流側から下流端へ向かう方向に沿って減少して、トレーリング部材の断面が上流側から下流端に向かって先細になっており、トレーリング部材の長手方向範囲が、トレーリング部材の上流側に沿ってトレーリング部材の第1の長手方向端とトレーリング部材の第2の長手方向端の間に延在しており、各側壁の第1の縁部がトレーリング部材の第1の長手方向端に近接して配置されており、応力除去スロットが2つの側壁の第1及び第2の側壁の少なくとも一方に設けられていてその側壁の第1の縁部で開口している、トレーリング部材に関する。
【0007】
また、上記トレーリング部材を有するガスタービン排気ディフューザのストラット並びに上記ストラットを有するガスタービン排気ディフューザも提供する。
【0008】
本開示技術のその他の効果及び利点は、明示されているか否かにかかわらず、以下の開示内容に照らして明らかとなろう。
【0009】
ガスタービン排気ディフューザのストラット用のトレーリング部材について開示する。トレーリング部材は、上流側(さらに具体的な実施形態では上流面)から下流方向に沿って下流端まで延在している。多くの実施形態では、下流端は後縁を形成し得る。したがって、多くの実施形態では、トレーリング部材は後縁部材と呼ぶこともできる。これらの多くの実施形態では、トレーリング部材はストラットアセンブリの後縁を提供し得る。2つの側壁は上流側から下流端まで延在しており、2つの側壁間の距離は上流側から下流端まに向かう方向に沿って減少して、トレーリング部材の断面が上流側から下流端に向かって先細になっている。さらに具体的には、様々な実施形態では、2つの側壁はトレーリング部材の後縁で交わる。
【0010】
トレーリング部材の長手方向範囲は、トレーリング部材の上流側に沿って、トレーリング部材の第1の長手方向端とトレーリング部材の第2の長手方向端の間に延在している。さらに具体的には、トレーリング部材は、第1の長手方向端が外側(すなわち半径方向外側)ディフューザバレルに近接又は隣接し、かつ第2の長手方向端が内側(すなわち半径方向内側)ディフューザバレルに近接又は隣接するストラットアセンブリの一部として排気ディフューザに取り付けるためのものである。したがって、トレーリング部材の第1の長手方向端は、トレーリング部材の半径方向外側の長手方向端と呼ぶことができ、トレーリング部材の第2の長手方向端は、トレーリング部材の半径方向内側の長手方向端と呼ぶことができる。各側壁の第1の(態様では半径方向外側の)縁部は、トレーリング部材の第1の長手方向端に近接して配置されている。
【0011】
さらに具体的には、各側壁の第1の縁部は、トレーリング部材の第1の長手方向端に配置されるか或いはトレーリング部材の第1の長手方向端を画成する。応力除去スロットが第1及び第2の側壁の少なくとも一方に設けられ、各々の側壁の第1の縁部で開口している。さらに具体的な実施形態では、応力除去スロット又は1以上の応力除去スロットが、第1及び第2の側壁の両方に設けられ、それぞれの側壁の第1の縁部で開口する。使用に際して、応力除去スロットは、外側バレルに近接又は隣接した第1の長手方向端でトレーリング部材がある程度変形できるようにして、応力を軽減し、亀裂の防止に役立つ。
【0012】
本開示におおいて、不定冠詞の使用は単数を意味するものではなく、その部材又は特徴が複数存在することを除外するものではなく、「1以上」又は「1又は複数の」という意味に解釈すべきである。
【0013】
さらに具体的な実施形態では、1以上の応力除去スロットが、第1及び第2の側壁の少なくとも一方に設けられていてその側壁の第1の縁部で開口しており、その側壁の第1の縁部における開口端を始点としたときに丸い応力除去穴を終端とする。したがって、応力除去スロットの端でのノッチング及び付随する応力集中が回避される。
【0014】
複数の実施形態では、トレーリング部材は、第1の側壁と第2の側壁の間のカバープレートをトレーリング部材の第1の長手方向端に隣接して備えており、カバープレートは、第1及び第2の側壁の少なくとも一方に設けられた1以上の応力除去スロットを横断して延在しており、カバープレートに応力除去スロットが設けられていて、第1及び第2の側壁の少なくとも一方の1以上の応力除去スロットに隣接したカバープレートの縁部で開口している。こうして、カバープレートは、それぞれの側壁の応力除去スロットによって可能となる第1及び/又は第2の側壁の変形を妨げない。無論、カバープレートの応力除去スロットは、カバープレートの縁部の開口端を始点としたときに丸い応力除去穴を終端とすることができる。
【0015】
さらに、トレーリング部材の第1の長手方向端に隣接して第1の側壁と第2の側壁の間に設けられたカバープレートに、U字形切欠部をカバープレートの上流端に近接して設けてもよい。
【0016】
カバープレートを第1及び第2の側壁に溶接接続してもよい。カバープレートの上流縁部に隣接する距離に沿って、溶接シームを省いてもよい。すると、カバープレートと第1及び第2の側壁の各々との間に隙間ができる。こうして、溶接シームが省かれた領域では、側壁とカバープレートとの間で移動できるようになり、熱膨張差などによる応力集中が回避される。
【0017】
第1及び第2の側壁の各々の第1の縁部は、各々の側壁の面に対する側面図で観たときに凸状に形成し得る。さらに具体的には、第1の縁部は、側面図でキンクを含んでいてもよく、さらに具体的には、側面図でキンクを終端とする1以上の直線状縁部セグメントを含んでいてもよい。他の実施形態では、キンクを、側面図で、2つの直線状縁部セグメントの間に設けてもよい。この設計は、トレーリング部材の第1の長手方向端を外側バレルに特異的に適応できるようにし、トレーリング部材の第1の長手方向端と外側バレルとの間の隙間の構成及び寸法に好適に適合させることができる。トレーリング部材の第1の長手方向端と外側バレルとの間の隙間の存在及び幅は、トレーリング部材の上流側からトレーリング部材の下流端まで進むにつれて変化させることができ、機械的応力形成を低減する必要性に好適に適合させることができる。
【0018】
さらに、実施形態では、第1及び第2の側壁の各々は凸状角部を含んでおり、1以上の応力除去スロットの1つが凸状角部で開口するようにしてもよい。この実施形態は、(トレーリング部材の上流端に近接した)上流の第1及び第2の側壁の部分を外側バレルに接続(特に溶接接続)する場合に、第1及び第2の側壁のさらに上流側とさらに下流側のセクションとの間で発生しかねない応力を軽減するために、特に有用である。
【0019】
さらに、各側壁の第1の縁部がトレーリング部材の上流側に隣接して窪んでいて凹部を有するようにしてもよい。これは、トレーリング部材をディフューザに設置するときに、トレーリング部材の最も上流の半径方向外側の角部が窓となって、ストラット本体をディフューザの外側バレルに取り付ける溶接シームに干渉しないことを意味する。さらに、このように設けられた窓は、溶接シーム及び接続部全体の簡単な光学検査による検査を容易にする。
【0020】
さらに具体的な実施形態では、凹部は凹状角部を含んでいてもよく、応力除去スロットは凹状角部で開口している。
【0021】
トレーリング部材の上流側とトレーリング部材の下流端との間の距離が、トレーリング部材の第1の長手方向端からトレーリング部材の第2の長手方向端まで、特に直線的に減少するようにしてもよい。すなわち、トレーリング部材の上流-下流方向のトレーリング部材の範囲は、トレーリング部材の第1の長手方向端からトレーリング部材の第2の長手方向端まで減少し、さらに具体的な実施形態では、トレーリング部材はくさび形であってもよい。トレーリング部材を所期の通り(すなわち、ディフューザの内部でストラットアセンブリの下流部材として)使用すると、トレーリング部材の第1の長手方向端は外側バレルに近接又は隣接して(すなわち半径方向外側に)位置し、トレーリング部材の第2の長手方向端は内側バレルに近接又は接して(すなわち半径方向内側に)位置し、上流-下流方向のストラットアセンブリの長さは、半径方向外側の位置よりも半径方向内側の位置で小さくなる。これによって空力的な利点が得られることがある。
【0022】
応力除去スロットは、トレーリング部材の第2の(すなわち、所期の通り半径方向内側に使用したとき)長手方向端に近接して設けられてもよい。応力除去スロットは、トレーリング部材の下流端で開口する。
【0023】
本明細書に記載されている各応力除去スロットは、開口端を始点としたときに丸い応力除去穴を終端とする。上述の通り、各々の応力除去スロットの端部での不都合な応力集中をこうして回避することができる。
【0024】
別の態様では、ストラットアセンブリについて開示する。ストラットアセンブリは、ストラット本体と、上述のタイプのトレーリング部材とを備える。ストラット本体は、長手方向に第1の長手方向端と第2の長手方向端の間に延在している。ストラット本体は、上流側と下流側を有する。トレーリング部材は、ストラット本体の下流側に取り付けられて長手方向にストラット本体の下流側に沿って延在して、ストラットアセンブリのトレーリングセクションを形成する。トレーリング部材の上流側は、ストラット本体の下流側に隣接して配置される。トレーリング部材の第1の長手方向端は、ストラット本体の第1の長手方向端に隣接して配置され、トレーリング部材の第2の長手方向端は、ストラット本体の第2の長手方向端に近接して配置される。このようにして、ストラット本体の第1の長手方向端は、ディフューザに設置したときに半径方向外側に配置されるように計画或いは又は適合及び構成され、第2の長手方向端は半径方向内側に配置されるように計画される。ストラット本体の上流端は、特にストラットアセンブリの空力形状の前縁をなすように、ストラット本体の断面図で凸状に丸い形状であってもよく、トレーリング部材はストラットアセンブリの後縁をなす。
【0025】
この点に関して、トレーリング部材の第1(すなわち所期の使用状態では半径方向外側)の長手方向端はストラット本体の第1の長手方向端に近接して配置され、トレーリング部材は、トレーリング部材の第1の長手方向端からトレーリング部材の第2の長手方向端までの方向にトレーリング部材の上流側に沿って測定したときに、ストラット本体の下流側に沿って測定してストラット本体の第2の長手方向端の手前に終端をもつ。上述の通り、トレーリング部材の第1の長手方向端及びストラット本体の第1の長手方向端は、ディフューザの外側バレルに隣接して外側バレルから半径方向内側に延在するように設けられ、トレーリング部材の第2の長手方向端及びストラット本体の第2の長手方向端は、ディフューザの内側バレルに隣接して内側バレルから半径方向外側に延在するように設けられる。ストラットアセンブリの半径方向内側セクションに沿って、ストラット本体の下流端はトレーリング部材でカバーされていないので、空力に悪影響を与えかねない。利点としては、ストラット本体、トレーリング部材及びディフューザの内側バレルの干渉による熱応力に起因する構造的健全性への悪影響が回避される。ストラット本体の下流端がトレーリング部材でカバーされていないストラットアセンブリのセクションは比較的小さく、このセクションは半径方向内側の領域にあるので、空力的欠陥によって影響されるのは全質量流量の比較的小さな部分であり、潜在的な機械的応力の増幅をなくすことによる利得が空力的悪影響を上回る可能性がある。
【0026】
さらに別の態様では、ターボエンジンのディフューザ(例えば、限定されるものではないが、ガスタービン排気ディフューザ)について開示するが、これは、内側バレルと外側バレルとを備えていて、それらの間に流路を画成しており、さらに、内側バレルと外側バレルとの間に延在する上述のタイプの1以上のストラットアセンブリを備える。ストラット本体の第1の長手方向端は外側バレルに取り付けられ(特に溶接接続され)ており、ストラット本体の第2の長手方向端は内側バレルに取り付けられ(特に溶接接続され)る。さらに、フローシールドが外側バレルに設けられ取り付けられ(特に溶接接続され)ている。フローシールドは、トレーリング部材の下流端の周りに延在しているものを含めて、トレーリング部材の下流部分の外周の一部に沿ってトレーリング部材の下流端の第1の長手方向端に隣接して延在している。フローシールドの上流縁部は、ストラット本体の下流側からディフューザの下流方向に離間している。フローシールドは、一方では、トレーリング部材の半径方向外側に設けられた長手方向端との間へのガス(例えば燃焼ガス)の過剰な取込みを抑制しつつ、他方では、トレーリング部材の過度の機械的振動を抑制する役割を果たす。
【0027】
実施形態では、トレーリング部材の下流端を含むトレーリング部材の第1の長手方向端の下流セクションに沿ってトレーリング部材と外側バレルとの間に隙間を設けてもよく、トレーリング部材の第1及び第2の側壁は、トレーリング部材の上流セクションの少なくとも一部に沿って外側バレルに溶接接続されている。第1及び第2の側壁の少なくとも一方に設けられた応力除去スロットは、溶接シームの下流端に隣接又は接する非溶接部の各々の側壁の縁部で開口していてもよい。
【0028】
本明細書において「近接」という用語は、特に部材の端又は側に関して用いる場合、部材の一方の端又は側が、他の端又は側よりも特定の第2の部材又は部材の目印に近いことを表す。特に、第2の部材又は部材の目印に近接していると記載された部材又は部材の目印は、さらに具体的な実施形態では、第2の部材又は部材の目印に直接隣接しているか或いは接触していてもよい。
【0029】
以上で開示した特徴及び実施形態は互いに組合せてもよい。本開示範囲及び特許請求の範囲に記載された技術的範囲内でその他の実施形態を想到することができ、それらは本開示に照らして当業者には自明であろう。
【0030】
以下、添付の図面に示す所定の例示的な実施形態によって、本開示技術についてさらに具体的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】ターボ機械の排気ディフューザの内部に設置した、本願で開示する技術の第1の例示的な実施形態に係るトレーリング部材を含むストラットアセンブリの側面図。
図2図1のストラットアセンブリの側面斜視図。
図3図1及び図2に示すトレーリング部材の第1又は半径方向外側端部の詳細をフローシールドと共に示す斜視図。
図4】ターボ機械の排気ディフューザの内部に設置した、本願で開示する技術の第2の例示的な実施形態に係るトレーリング部材を含むストラットアセンブリの側面図。
図5図4のトレーリング部材の第1又は半径方向外側端の詳細を示す斜視図。
図6図4のストラットアセンブリのフローシールドを省略した側面図。
【0032】
なお、図面は概略図であり、理解及び図解を容易にするため、説明に不要な詳細が除かれていることもある。また、図面に記載されているのは所定の例示的な実施形態であり、図面に記載されていない実施形態であっても本願の開示範囲及び/又は特許請求の範囲に記載された技術的範囲に属することがある。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、ターボエンジンのディフューザ(例えばガスタービンエンジンの排気セクションのディフューザ1)内の例示的なストラットアセンブリ2を示す。ディフューザ1は、一般に、外側バレル11と内側バレル12との間の環状部(アニュラス)として定義される。内側バレル12は、例えばガスタービンエンジンの後方ベアリングその他の部品を収容することができる。図に示すストラットアセンブリ2のような、周方向に配置されかつ半径方向に延在する複数のストラットアセンブリは、外側バレル11と内側バレル12との間に構造的な支持をもたらす。燃焼ガスの流れは、図1の矢印で示すようにディフューザ1を流れる。ディフューザ1は、膨張タービンからのガスを減速して静圧を取り戻す役割を果たし、効率に有益な影響を与える。したがって、ストラットアセンブリ2のようなストラットアセンブリは、ディフューザ1を通るガスの流れに対して過度の抵抗をもたらさないことが望ましい。
【0034】
ストラットアセンブリ2は、ストラット本体3とトレーリング部材4を備える。ストラット本体3は冷却してもよく、例えば冷却空気の流れをストラット本体3を通して供給してもよい。冷却剤の流れは、ストラット本体3を介して長手方向に導いてもよく、これはディフューザ1に関しては半径方向の流れに対応する。
【0035】
ストラット本体3は、図に示す例示的な実施形態では、上流セクション3aと下流セクション3bとの2つのセクションを含む。ただし、これは、本願発明とは関連しない。図に示す構成では、ストラット本体3の第1(半径方向外側)の長手方向端が外側バレル11に溶接接続され、ストラット本体3の第2(半径方向内側)の長手方向端が内側バレル12に溶接接続される。ストラット本体3はこうして外側バレル11と内側バレル12の間に構造的支持をもたらす。
【0036】
ストラット本体3の上流側31は、ストラット本体3の断面図で丸みを帯びており、空力的にストラットアセンブリ2の前縁21を形成する。トレーリング部材4の上流側41はストラット本体3の下流側32に取り付けられて一緒にストラットアセンブリ2を形成する。トレーリング部材4の下流端42はストラットアセンブリ2の後縁22をなす。したがって、ストラットアセンブリ2の断面形状は略液滴形状である。また、図1の側面図に示すように、トレーリング部材4は略くさび形である。したがって、トレーリング部材4の上流-下流範囲は半径方向外側に向かって増加する。
【0037】
フローシールド5は、半径方向外側バレル11に取り付けられており、第1の、トレーリング部材4の半径方向外端に隣接するトレーリング部材4の下流部分の外周の一部に沿って延在している。この流シールド5は、トレーリング部材4の半径方向外端の下流部の接続部付近に近接して延在するスカートである。以下で明らかになるように、フローシールド5の1つの機能は、外側バレル11とトレーリング部材4の下流セクションとの間に存在する隙間への燃焼ガスの過剰な取込みを避けることであり得る。別の態様では、フローシールド5の機能は、トレーリング部材4の半径方向外端の片持ち梁下流部分の振動を減衰させることであってもよい。
【0038】
図2は、ディフューザ1から分離したストラットアセンブリ2のさらに詳細を示す。トレーリング部材4は、2つの側壁43,44を備えており、側壁43,44は、トレーリング部材4の下流端42で合流して一緒に後縁22を形成している。側壁43及び44は、ある実施形態では、例えば、板金の1つのモノリシック部材の断面であってもよいが、他の実施形態では、例えば後縁42に沿って、互いに結合した別個の部材であってもよい。この図では、側壁44は縁部441しかみえないが、側壁44の形状及び位置は当業者には明らかであろう。第1の側壁43の第1の縁部431と第2の側壁44の第1の縁部441は、トレーリング部材4の第1の長手方向端に近接して配置或いは第1の長手方向端を形成しており、トレーリング部材4の半径方向外側の長手方向端として設けられる。
【0039】
カバープレート49は、第1の側壁43と第2の側壁44との間にトレーリング部材4の第1の長手方向端に隣接して或いは側壁43,44の第1の縁部431,441の間に各々設けられている。カバープレート49はトレーリング部材4を閉塞するが、これはトレーリング部材4の第1及び第2の側壁43,44及び上流端壁、トレーリング部材4の第1の長手方向端41で画成される中空部材であってもよい。さらに明らかな通り、トレーリング部材4の第1の長手方向端41は、トレーリング部材4の上流側41に隣接する及び/又はストラット本体3の下流側32に隣接する凹部46で窪んでいる。応力除去スロット45は、ストラット本体3、トレーリング部材4及び内側バレル12の交差によって生じかねない応力集中に対処するために、トレーリング部材4の反対側の第2の長手方向端に近接して設けられている。
【0040】
図3は、フローシールド5と共にトレーリング部材4の第1の長手方向端の詳細を示す。トレーリング部材4の第1の側壁43の第1の縁部431は、上流セクション431a及び下流セクション431bを含む。上流-下流方向に沿って見ると、第1の側壁43の第1の縁部431の下流セクション431bは、側壁43の第1の縁部431の上流セクション431aに対して半径方向内側にすなわちトレーリング部材4の第2の長手方向端に向かって角度が付けられている。同様に、トレーリング部材4の第2の側壁44の第1の縁部441は、上流セクション441a及び下流セクション441bを含む。上流?下流方向に沿って見ると、第2の側壁44の第1の縁部441の下流セクション441bは、第2の側壁44の第1の縁部441の上流セクション441aに対して、半径方向内側にすなわちトレーリング部材4の第2の長手方向端441に向かって角度が付けられている。したがって、第1及び第2の側壁43,44の各々の第1の縁部431,441は、各々の側壁の側面図で観て、凸状に形成されている。別の態様では、トレーリング部材4の第1の長手方向端は、側面図で側壁43,44のいずれかで凸状に形成されているといえる。
【0041】
カバープレート49も、2つのセクション49a及び49bを含んでおり、下流セクション49bは、上流?下流方向に沿って見た場合、カバープレート49の上流セクション49aに対してトレーリング部材4の半径方向内側又は第2の長手方向端に向かって角度が付けられている。この形状により、トレーリング部材4の第1の長手方向端と外側バレル11との間のギャップを、トレーリング部材4の第1の長手方向端の上流セクションにおいて、トレーリング部材4の第1の長手方向端の下流セクションよりも小さく構成することができる。
【0042】
フローシールド5は、図1にみられるように、フローシールド5の上流縁部がストラット本体3の下流側から排気ディフューザ1の下流方向に離間するように構成してもよい。こうすると、フローシールド5を外側バレル11に取り付ける溶接シームと、ストラット本体3を外側バレル11に取り付ける溶接シームとが交差しない。
【0043】
トレーリング部材4の第1の長手方向端には、トレーリング部材4の上流側41に隣接する凹部46がさらに設けられている。この凹部は、側壁43,44の第1の縁部431,441がトレーリング部材4の上流側41で窪んでいることで形成される。側壁43及び44の各々の第1の縁部431,441の凹部は、各々凹状角部を含む。側壁43,44の応力除去スロット47,48は、それぞれの凹状角部で開口している。各応力除去スロット47,48は、各側壁43,44の第1の縁部431,441の開口端を始点としたときに丸い応力除去穴を終端とし、本図では応力除去スロット47の応力除去穴471だけが視認される。応力除去穴(例えば471)は、各々の応力除去スロット(例えば、47)の端部でのノッチ効果を回避するサイズ及び形状とされる。
【0044】
カバープレート49は、側壁43,44の応力除去スロット47,48を横切って延在している。カバープレート49は、側壁43,44の各々に隣接する各応力除去スロット47,48に隣接するカバープレート49の端部に開口する応力除去スロット491,492を備えている。図から明らかな通り、カバープレート49の応力除去スロット491,492も、丸い応力除去穴(符号なし)を終端としている。トレーリング部材4の上流端41がトレーリング部材4の下流セクションから窪んでいるため、側壁43,44の上流縁部をストラット本体3の下流側に接合する溶接シーム(図1図2)は、ストラット本体3を外側バレル11に取り付ける溶接シームと交差しない。また、カバープレート49は、応力除去スロット47,48,491,492の下流側の断面において、各々側壁43,44の内側に溶接接続され、溶接シームを省略しつつ、トレーリング部材4の上流端にはカバープレート49と側壁43,44の内面との間に隙間ができる。トレーリング部材4が所期の通り設置された場合に、隣接するストラット本体3のカバープレート49と側壁43,44との間に応力が加わらないようにする。トレーリング部材4の第1の長手方向端に設けられた応力除去スロット47,48,491,492は、交差する溶接シームの回避とともに、機械的応力を低減し、ひいては亀裂のリスクを低減する。また、凹部46は、ストラット本体3、トレーリング部材4及び外側バレル11との間の接続部の光学検査を容易にする。
【0045】
図3に示すように、フローシールド5は、フローシールド5の自由端部で開く応力除去スロット51も設けられている。応力除去スロット51は、基本的にアンカー形状であり、丸い応力除去穴で終端する。
【0046】
図4は、ディフューザ1内に設置されたストラットアセンブリ2を示しており、これはトレーリング部材4の異なる実施形態を組み込んでいる。基本的には、図1に示す構成と同様に、トレーリング部材4の上流側41とストラット本体3の下流側32とが接合される。これにより、トレーリング部材4は、ストラットアセンブリ2のトレーリングセクションを形成する。図1図3に関して概説した実施形態と同様に、フローシールド5は、外側バレル11に取り付けられ、トレーリング部材4の下流部分の外周の一部に沿って延在しており、トレーリング部材4の半径方向外側の端部に隣接する。トレーリング部材4は、トレーリング部材4の第1(半径方向外側)の長手方向端からトレーリング部材4の第2(半径方向内側)の長手方向端、ストラット本体3の第2の長手方向端の手前端部、トレーリング部材4の第2の長手方向端と内側バレル12との間に隙間121が設けられるような方向にある。
【0047】
本実施形態では、トレーリング部材4の第2の長手方向端はストラット本体3の下流側32から自在に片持ち梁であるため、ストラット本体3と同様に内側バレル12に固定されるのではなく、トレーリング部材4の第2の長手方向端は、図1図3の実施形態に比べて、トレーリング部材4の第2の長手方向端に隣接する応力が低く、トレーリング部材4の第2の長手方向端に隣接する応力除去スロット45が省かれる。短所としては、隣接する内側バレル12が空気力学を損なうおそれがある。しかし、外側バレル11の直径と内側バレル12の直径との比率に依存すると、総質量流量の影響を受ける割合は、空力的短所を無視できるほど十分小さい。
【0048】
図5は、図4のトレーリング部材4の第1の長手方向端、すなわち、トレーリング部材4の半径方向外側の長手方向端として各々設けられるように適合され、構成され、又は所要される長手方向端の詳細を示す。視認性を高めるために、フローシールド5は図示していない。第1の縁部431及び441は、上流セクション431a及び441a並びに下流セクション431b及び441bを含む。上流-下流方向に沿って見ると、下流セクション431b及び441bは、各々の上流セクション431a及び441aに対して、トレーリング部材4の第2の長手方向端に向かって角度が付けられている。したがって、第1及び第2の側壁43,44の各々の第1の縁部431,441は、各々の側壁の側面図で凸状に形成されている。別の態様では、トレーリング部材4の第1の長手方向端は、側面図で側壁43,44のいずれかに凸状に形成されているといえる。
【0049】
図に示す実施形態では、応力除去スロット47及び48は、上流セクション431a及び441a及び各々の下流セクション431b及び441bが出会う側壁43,44の第1の縁部431及び441の角部で開口している。応力除去スロット47,48は、トレーリング部材4の長手方向範囲に対して、又はトレーリング部材4が所期の通り設置された場合の半径方向に傾斜又は角度が付けられている。応力除去スロット47及び48は、各縁部で開口を形成するときに、側壁43及び44の第1の縁部431及び441の上流セクション431a及び441aの下側に延在する。傾斜は、トレーリング部材4がディフューザ1の内側に設置されている場合に、応力を特に効率的に緩和する。応力除去スロット47及び48は、各々丸い応力除去穴471及び481で終端する。カバープレート49の上流縁部は、トレーリング部材4の上流端41から離間して位置し、トレーリング部材4の第1の長手方向端が隣接する上流側41に開口するように位置している。また、カバープレート49の上流縁部にはU字形切欠部495が設けられている。切欠部495は、所望であれば、U字型以外の形状を有してもよい。
【0050】
図6は、フローシールド5がない状態の図4の構成を示す。第1の上流セクションであるトレーリング部材4の半径方向外端部は、外側バレル11に溶接接続されている。図5を参照して、側壁43,44の第1の縁部431,441の上流セクション431a、441aは、外側バレル11に溶接接続されている。一方、外側バレル11とトレーリング部材4の第1の長手方向端の下流セクションとの間には隙間111が設けられている。図5を参照すると、側壁43,44の第1の縁部431,441の下流セクション431b、441bとバレル11との間には、隙間111が設けられている。図4を参照すると、ギャップ111は通常、フローシールド5によって覆われている。図5及び図6の結合図から容易に結論付けることができるように、応力除去スロット47及び48は、側壁43及び44の第1の縁部431及び441の溶接セクション431及び441の溶接セクションと非溶接セクションとの間に延在している。応力除去スロット47及び48は、各々の第1の縁部431及び441に隣接する側壁43及び44にある程度の柔軟性を提供し、過度の応力を誘発することなくある程度の変形に対応する。
【0051】
本開示技術について、例示的な実施形態を参照して説明してきたが、これらは特許請求の範囲に記載された技術的範囲を限定するものではない。特許請求の範囲は、本願に明示的に記載又は開示されていない実施形態も包含しており、本開示の教示内容を実施するための例示的な形態に記載された実施形態から逸脱した実施形態も、特許請求の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0052】
1 ガスタービン排気ディフューザ
2 ストラットアセンブリ
3 ストラット本体
4 トレーリング部材
11 外側バレル
12 内側バレル
31 ストラット本体の上流端
32 ストラット本体の下流側
41 トレーリング部材の上流側
42 トレーリング部材の下流端
43 第1の側壁
44 第2の側壁
47 応力除去スロット
48 応力除去スロット
49 カバープレート
431 第1の側壁の第1の縁部
441 第2の側壁の第1の縁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】