(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025099357
(43)【公開日】2025-07-03
(54)【発明の名称】シート剥離装置およびシート剥離方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20250626BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023215964
(22)【出願日】2023-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(74)【代理人】
【識別番号】100184712
【弁理士】
【氏名又は名称】扇原 梢伸
(74)【代理人】
【識別番号】100192223
【弁理士】
【氏名又は名称】加久田 典子
(72)【発明者】
【氏名】丸山 政徳
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA10
5F131AA14
5F131AA23
5F131BA53
5F131EC37
5F131EC64
5F131EC66
5F131EC72
5F131EC73
5F131EC76
(57)【要約】
【課題】シート剥離不良が発生することを防止することができるシート剥離装置およびシート剥離方法を提供すること。
【解決手段】被着体WKの外周面WKEに貼付された接着シートASに剥離用部材PSを取り付ける取付手段10と、接着シートASに取り付けられた剥離用部材PSに張力を付与し、接着シートASを所定の剥離進行方向PDに沿って被着体WKから剥離する剥離手段20とを備え、接着シートASは、剥離進行方向PDに交差する方向に位置する被着体WKの一方の面WK1および他方の面WK2にも折り曲げられて貼付されており、取付手段10で接着シートASに剥離用シートPSを取り付ける前の段階で、当該剥離用シートPSの姿勢が接着シートASの折り曲げ姿勢に対応した姿勢となるように当該剥離用シートPSの姿勢を調整する姿勢調整手段30を更に備え、取付手段10は、姿勢調整手段30で姿勢が調整された剥離用シートPSを、接着シートASの折り曲げ姿勢に対応するように取り付ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体の外周面に貼付された接着シートに剥離用部材を取り付ける取付手段と、
前記接着シートに取り付けられた前記剥離用部材に張力を付与し、前記接着シートを所定の剥離進行方向に沿って前記被着体から剥離する剥離手段とを備え、
前記接着シートは、前記剥離進行方向に交差する方向に位置する前記被着体の一方の面および他方の面に貼付されており、
前記取付手段で前記接着シートに前記剥離用部材を取り付ける前の段階で、当該剥離用部材の姿勢が前記接着シートの折り曲げ姿勢に対応した姿勢となるように当該剥離用部材の姿勢を調整する姿勢調整手段を更に備え、
前記取付手段は、前記姿勢調整手段で姿勢が調整された前記剥離用部材を、前記接着シートの折り曲げ姿勢に対応するように取り付けることを特徴とするシート剥離装置。
【請求項2】
前記剥離用部材は、所定のエネルギーが付与されることで接着力が向上するものとされ、
前記取付手段は、前記剥離用部材に前記所定のエネルギーを付与するエネルギー付与手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のシート剥離装置。
【請求項3】
被着体の外周面に貼付された接着シートに剥離用部材を取り付ける取付工程と、
前記接着シートに取り付けられた前記剥離用部材に張力を付与し、前記接着シートを所定の剥離進行方向に沿って前記被着体から剥離する剥離工程とを実施し、
前記接着シートは、前記剥離進行方向に交差する方向に位置する前記被着体の一方の面および他方の面にも折り曲げられて貼付されており、
前記取付工程で前記接着シートに前記剥離用部材を取り付ける前の段階で、当該剥離用部材の姿勢が前記接着シートの折り曲げ姿勢に対応した姿勢となるように当該剥離用部材の姿勢を調整する姿勢調整工程を更に実施し、
前記取付工程では、前記姿勢調整工程で姿勢が調整された前記剥離用部材を、前記接着シートの折り曲げ姿勢に対応するように取り付けることを特徴とするシート剥離方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート剥離装置およびシート剥離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被着体から接着シートを剥離するシート剥離装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-277864号公報
【特許文献2】特開2016-152317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたシート剥離装置10(シート剥離装置)では、剥離の対象となる接着シートS(接着シート)が、例えば、特許文献2の第2フィルム22(接着シート)ように、半導体ウエハ30(被着体)の外周部32(外周面)のみならず、中央部31(他の面)にも折り曲げられて貼付されていた場合、押圧ヘッド34(押圧手段)のみで接着シートを回り込むように剥離用シートPS(剥離用部材)を取り付けようとすると、剥離用部材の姿勢が安定せず、接着シートに対する剥離用部材の接着が不安定となり、被着体から接着シートを剥離する際に、剥離用部材が接着シートから剥がれてしまうシート剥離不良を発生する。
【0005】
本発明の目的は、シート剥離不良が発生することを防止することができるシート剥離装置およびシート剥離方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、取付手段で接着シートに剥離用部材を取り付ける前の段階で、当該剥離用部材の姿勢が接着シートの折り曲げ姿勢に対応した姿勢となるように当該剥離用部材の姿勢を調整するので、剥離用部材の姿勢が安定し、シート剥離不良が発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(A)~(I)は、本発明の一実施形態に係るシート剥離装置の説明図および同装置の動作説明図。(J)~(L)は、変形例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な矢印VD方向から観た場合を基準とし、図を指定することなく方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸の矢印方向で「後」がその逆方向とする。
【0010】
本発明のシート剥離方法を実施するシート剥離装置EAは、被着体WKの外周面WKEに貼付された接着シートASに剥離用部材としての剥離用シートPSを取り付ける取付工程を実施する取付手段10と、接着シートASに取り付けられた剥離用シートPSに張力を付与し、接着シートASを所定の剥離進行方向PD(
図1(I)参照)に沿って被着体WKから剥離する剥離工程を実施する剥離手段20と、取付手段10で接着シートASに剥離用シートPSを取り付ける前の段階で、当該剥離用シートPSの姿勢が接着シートASの折り曲げ姿勢に対応した姿勢となるように当該剥離用シートPSの姿勢を調整する姿勢調整手段30とを備えている。
本実施形態では、被着体WKは、被着体中心WKCを中心とする円形形状のものが採用されている。
また、接着シートASは、
図1(D)に示すように、剥離進行方向PDに交差する方向に位置する被着体WKの一方の面WK1および他方の面WK2にも折り曲げられて貼付されている。
【0011】
取付手段10は、当該取付手段10を構成する各部材を直接的または間接的に支持する支持部材11と、帯状の剥離用シートPSを支持する支持ローラ12と、剥離用シートPSを案内するガイドローラ13と、ガイドブロック14Aに摺動可能なスライド軸14Bに支持され、付勢手段としてのコイルばね14Cによってガイドブロック14Aから離間する方向に付勢されているシート支持台14と、駆動器機としての直動モータ15の出力軸15Aに支持された駆動機器としてのリニアモータ16と、リニアモータ16の第1スライダ16Aに支持され、一方の面WK1に貼付されている接着シートAS部分に剥離用シートPSを取り付ける第1取付部材16Bと、リニアモータ16の第2スライダ16C(
図1(E)参照)に支持され、他方の面WK2に貼付されている接着シートAS部分に剥離用シートPSを取り付ける第2取付部材16Dと、第1取付部材16Bおよび第2取付部材16Dの両方に設けられ、外周面WKEに貼付されている接着シートAS部分に剥離用接着シートPSを取り付ける第3取付部材16E(
図1(E)参照)と、駆動機器としての直動モータ17Aの出力軸17Bに支持された切断手段としてのカッター刃17と、駆動機器としてのリニアモータ18Aのスライダ18Bに支持された受け部材18Cと、受け部材18Cに支持された駆動機器としての回動モータ18Dと、回動モータ18Dの出力軸18Eに取り付けられた押さえ部材18と、第1、第2取付部材16B、16Dそれぞれの内部に設けられ、剥離用シートPSに熱を付与するエネルギー付与工程を実施するエネルギー付与手段としてのコイルヒータ19(
図1(E)参照)とを備え、姿勢調整手段30で姿勢が調整された剥離用シートPSを、接着シートASの折り曲げ姿勢に対応するように取り付けるようになっている。
なお、本実施形態の剥離用シートPSは、所定のエネルギーとしての熱が付与されることで接着力が向上する感熱接着性の接着シートが採用されている。
【0012】
剥離手段20は、駆動機器としてのリニアモータ21と、リニアモータ21のスライダ21Aに支持された駆動機器としての回動モータ22と、回動モータ22の出力軸22Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な支持面23Aを有する支持テーブル23と、カメラや投影機等の撮像手段や、光学センサや超音波センサ等の各種センサ等で構成され、接着シートASの剥離開始端縁AS1を検出可能な端縁検出器機24とを備えている。
なお、本実施形態の支持テーブル23は、回動モータ22によってテーブル中心23Cを中心に回転する構成となっている。
【0013】
姿勢調整手段30は、駆動器機としてのリニアモータ31と、そのスライダ31Aに揺動自在に支持された2体のローラアーム32Aそれぞれに回転自在に支持された押圧部材としての挟み込みローラ32と、挟み込みローラ32を相互に接近させる方向に付勢する付勢手段としてのコイルスプリング33(
図1(D)参照)とを備えている。
【0014】
以上のシート剥離装置EAの動作を説明する。
先ず、
図1(A)中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート剥離装置EAに対し、当該シート剥離装置EAの使用者(以下、単に「使用者」という)が、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。次いで、使用者または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、外周面WKEに接着シートASが貼付された被着体WKを、
図1(A)に示すように、被着体中心WKCがテーブル中心23Cと重なるように、支持テーブル23上に載置する。すると、剥離手段20が図示しない減圧手段を駆動し、支持面23Aでの吸着保持を開始する。
【0015】
その後、剥離手段20が回動モータ22および端縁検出器機24を駆動し、被着体WKを矢印RD方向に回転させて、端縁検出器機24で接着シートASの剥離開始端縁AS1を検出し、当該剥離開始端縁AS1の回転方向後方部を第1、第2取付部材16B、16Dの前方に配置した状態で回動モータ22の駆動を停止する(
図1(C)参照)。次に、取付手段10がリニアモータ18Aを駆動し、
図1(B)に示すように、受け部材18Cをシート支持台14に押し当ててシート支持台14を右方へ移動させ、剥離用シートPSの先端部を受け部材18C上に位置させる。そして、取付手段10が回動モータ18Dを駆動し、
図1(B)中二点鎖線で示すように、押さえ部材18と受け部材18Cとで剥離用シートPSの先端部を把持した後、リニアモータ18Aを駆動し、
図1(C)に示すように、受け部材18Cを初期位置に復帰させて剥離用シートPSを所定長さ引き出す。
【0016】
次いで、姿勢調整手段30がリニアモータ31を駆動し、
図1(C)および
図1(D)中二点鎖線で示すように、挟み込みローラ32を前進させ、被着体WKの外周面WKEに貼付された接着シートASの折り曲げ姿勢に対応するように、剥離用シートPSを折り曲げて当該剥離用シートPSの姿勢を調整する。その後、取付手段10がリニアモータ16を駆動し、スライダ16A、16Cを上下方向に移動させ、
図1(E)に示すように、各第3取付部材16Eで剥離用シートPSを外周面WKEに押圧できるように、第1取付部材16Bと第2取付部材16Dとの間隔を所定の間隔にする。次に、取付手段10が直動モータ15を駆動し、
図1(F)に示すように、外周面WKEに貼付された接着シートAS部分に、各第3取付部材16Eで剥離用シートPSを押圧した後、リニアモータ16を駆動し、
図1(G)、(H)に示すように、一方の面WK1および他方の面WK2に貼付された接着シートAS部分に、第1、第2取付部材16B、16Dで剥離用シートPSを押圧する。
【0017】
そして、取付手段10がコイルヒータ19を駆動し、第1、第2取付部材16B、16Dおよび各第3取付部材16Eを介して剥離用シートPSを加熱して当該剥離用シートPSを接着シートASに取り付けた後、コイルヒータ19の駆動を停止する。次いで、取付手段10が直動モータ17Aを駆動し、
図1(H)中二点鎖線で示すように、カッター刃17を下降させて剥離用シートPSを切断した後、取付手段10および姿勢調整手段30が直動モータ15、17Aおよびリニアモータ16、31を駆動し、挟み込みローラ32、第1、第2取付部材16B、16Dおよびカッター刃17を初期位置に復帰させる。
【0018】
その後、剥離手段20がリニアモータ21および回動モータ22を駆動し、
図1(I)に示すように、被着体WKを矢印RD方向に回転させつつ、当該被着体WKを前方へ移動させる。これにより、剥離用シートPSを介して接着シートASに張力が付与され、当該接着シートASが被着体WKから剥離されていく。次に、接着シートAS全体が被着体WKから剥離されると、剥離手段20がリニアモータ21および回動モータ22の駆動を停止した後、使用者または図示しない搬送手段が接着シートASを保持する。そして、取付手段10が回動モータ18Dを駆動し、押さえ部材18を初期位置に復帰させると、使用者または図示しない搬送手段が、保持した接着シートASを図示しない廃棄位置に搬送する。次いで、剥離手段20が図示しない減圧手段の駆動を停止し、支持面23Aでの吸着保持を解除すると、使用者または図示しない搬送手段が被着体WKを次工程に搬送した後、剥離手段20がリニアモータ21および回動モータ22を駆動し、支持テーブル23を初期位置に復帰させ、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0019】
以上のような実施形態によれば、取付手段10で接着シートASに剥離用シートPSを取り付ける前の段階で、当該剥離用シートPSの姿勢が接着シートASの折り曲げ姿勢に対応した姿勢となるように当該剥離用シートPSの姿勢を調整するので、剥離用シートPSの姿勢が安定し、シート剥離不良が発生することを防止することができる。
【0020】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、剥離手段は、接着シートに取り付けられた剥離用部材に張力を付与し、接着シートを所定の剥離進行方向に沿って被着体から剥離可能なものであればどんなものでもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0021】
取付手段10は、被着体WKから接着シートASを剥離した後、剥離用シートPSを切断してもよいし、被着体WKに剥離用シートPSを取り付ける前に当該剥離用シートPSを切断してもよいし、剥離用シートPSを切断しなくてもよいし、切断手段17がなくてもよいし、枚葉の剥離用シートPSが採用されてもよいし、受け部材18C、回動モータ18Dおよび押さえ部材18に代えてまたは併用して、チャックモータやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で剥離用シートPSを保持する構成を採用してもよいし、剥離開始端縁AS1の回転方向前方部に剥離用シートPSを取り付けてもよく、当該剥離開始端縁AS1をどこにするのかによって、剥離用シートPSを取り付ける位置を決定し、剥離手段20が被着体WKを回転させる方向を決定することができるし、剥離用部材として、例えば、感圧接着性の接着シート、感熱接着性の接着シート、接着テープ、粘着シート、粘着テープ等が採用されてもよいし、剥離用部材として、金属、樹脂、ゴム等が採用され、それらを溶着や接着剤等によって接着シートASに取り付けてもよいし、接着シートASの剥離進行方向PDに直交する幅を越えるように、当該接着シートASに剥離用シートPSを取り付けてもよいし、接着シートASの剥離進行方向PDに直交する幅を越えないように、当該接着シートASに剥離用シートPSを取り付けてもよいし、第1、第2、第3取付部材16B、16D、16Eのうち少なくとも1つを、例えば、エアの吹き付けやローラ等の押圧部材に代え、姿勢調整手段30で姿勢が調整された剥離用シートPSを、接着シートASの折り曲げ姿勢に対応するように取り付けてもよい。
第1取付部材16Bは、ローラ形状のものや板状部材等どのようなものが採用されてもよいし、第2取付部材16Dと同形状のものでもよいし、
図1(J)に示すように、第2取付部材16Dと異なる形状のものでもよいし、
図1(J)に示すように、第2取付部材16Dに支持された駆動器機16Fの出力軸16Gに支持され、第2取付部材16Dに対して離間接近してもよいし、
図1(K)に示すように、第2取付部材16Dに対して離間接近しない構成でもよい。
第2取付部材16Dは、ローラ形状のものや板状部材等どのようなものが採用されてもよいし、第1取付部材16Bと同形状のものでもよいし、
図1(J)に示すように、第1取付部材16Bと異なる形状のものでもよいし、第1取付部材16Bに支持された図示しない駆動器機の出力軸に支持され、第1取付部材16Bに対して離間接近してもよいし、
図1(K)に示すように、第1取付部材16Bに対して離間接近しない構成でもよい。
第3取付部材16Eは、第1取付部材16Bのみに設けられていてもよいし、第2取付部材16Dのみに設けられていてもよいし、第1取付部材16Bや第2取付部材16Dに対して分離可能に設けられていてもよいし、第1取付部材16Bを構成する素材と同じ素材のもので構成されたり、異なる素材のもので構成されたりしてもよいし、第2取付部材16Dを構成する素材と同じ素材のもので構成されたり、異なる素材のもので構成されたりしてもよいし、
図1(L)に示すように、直動モータ15の出力軸15Aに支持されることで、駆動器機16Hの出力軸16Jに支持された第1取付部材16Bや、駆動器機16Kの出力軸16Lに支持された第2取付部材16Dに対して独立した構成であってもよい。
エネルギー付与手段は、所定のエネルギーとして、紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等の電磁波を付与するものや、熱湯や熱風等の加熱媒体を付与するものや、冷水や冷風等の冷却媒体を付与するもの等どのようなものでもよく、剥離用部材の特性、特質、性質、材質、組成および構成等を考慮して当該剥離用部材の接着力を向上させることができるものであればどのようなエネルギーを付与するものであってもよいし、前記実施形態で示した位置以外の場所に設けられていてもよく、剥離用部材に所定のエネルギーを付与可能な位置であれば、どこに設けられていてもよいし、本発明のシート剥離装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0022】
剥離手段20は、支持面23Aでの吸着保持ができない支持テーブル23が採用されてもよいし、チャックモータやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被着体WKを保持してもよいし、被着体WKを支持テーブル23とで挟み込んで保持する上押さえ部材があってよいし、端縁検出器機24を無くし、例えば、剥離開始端縁AS1が所定の位置となるように、接着シートASが貼付された被着体WKを支持テーブル23上に載置するようにしてもよい。
剥離手段20は、実施形態では、取付手段10を静止させた状態で、被着体WKを取付手段10から離間するように移動させるとともに、当該被着体WKを被着体中心WKCを中心にして自転させることで、当該被着体WKから接着シートASを剥離したが、取付手段10を被着体WKから離間するように移動させながら、被着体WKも取付手段10から離間するように移動させるとともに、当該被着体WKを被着体中心WKCを中心にして自転させることで、当該被着体WKから接着シートASを剥離してもよいし、取付手段10を被着体WK周りに公転させながら、被着体WKを取付手段10から離間するように移動させるとともに、当該被着体WKを被着体中心WKCを中心にして自転させることで、当該被着体WKから接着シートASを剥離してもよいし、取付手段10を被着体WKから離間するように移動させるとともに、当該取付手段10を被着体WK周りに公転させながら、被着体WKも取付手段10から離間するように移動させ、さらに、当該被着体WKを被着体中心WKCを中心にして自転させることで、当該被着体WKから接着シートASを剥離してもよいし、被着体WKを静止させた状態で、取付手段10を被着体WKから離間するように移動させるとともに、当該取付手段10を被着体WK周りに公転させることで、当該被着体WKから接着シートASを剥離してもよいし、被着体WKを取付手段10から離間するように移動させながら、取付手段10を被着体WKから離間するように移動させるとともに、当該取付手段10を被着体WK周りに公転させることで、当該被着体WKから接着シートASを剥離してもよいし、被着体WKを被着体中心WKCを中心にして自転させながら、取付手段10を被着体WKから離間するように移動させるとともに、当該取付手段10を被着体WK周りに公転させることで、当該被着体WKから接着シートASを剥離してもよいし、リニアモータ21、回動モータ22および支持テーブル23に代えてまたは併用して、多関節ロボット等の駆動機器や他の装置等を採用し、取付手段10の被着体WKからの離間や取付手段10の被着体WK周りの公転を行わせたり、被着体WKの取付手段10からの離間や被着体WKの被着体中心WKCを中心とした自転を行わせたりして、被着体WKから接着シートASを剥離してもよいし、駆動器機によって回転可能な出力軸や巻取り軸に、剥離用部材や接着シートASを巻き付けて被着体から接着シートASを剥離してもよい。
【0023】
姿勢調整手段30は、直動モータ31や挟み込みローラ3に代えてまたは併用して、板状部材、回行ベルト、エアの吹付け、チャックシリンダやチャックモータ等を採用し、剥離用シートPSの姿勢が接着シートASの折り曲げ姿勢に対応した姿勢となるように当該剥離用シートPSの姿勢を調整するようにしてもよいし、挟み込みローラ32の材質が、ゴムや樹脂等の弾性変形が可能なもので構成されていたり、金属や硝子等の弾性変形が不能なもので構成されていたりしてもよいし、剥離用シートPSを接着シートASに接触させずに、剥離用シートPSの姿勢が接着シートASの折り曲げ姿勢に対応した姿勢となるように当該剥離用シートPSの姿勢を調整してもよい。
【0024】
接着シートASは、外周面WKEの周回方向における一方の端縁部と他方の端縁部とが重なるようにして被着体WKに貼付されていたり、一方の端縁と他方の端縁とが接触するようにして被着体WKに貼付されていたり、一方の端縁と他方の端縁とが離間するようにして被着体WKに貼付されていたりしてもよいし、平面形状が一直線形状、湾曲形状、屈折形状等、どのような形状でもよいし、所定の第2エネルギーによって接着力が低下するものでもよく、このような接着シートASは、例えば、所定の第2エネルギーとして、紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等の電磁波や、熱湯や熱風等の加熱媒体や、冷水や冷風等の冷却媒体等どのようなエネルギーによって接着力が低下するものでもよく、この場合、シート剥離装置EAは、接着シートASに所定の第2エネルギーを付与する第2エネルギー付与手段として、例えば、電磁波を付与するものや、加熱媒体を付与するものや、冷却媒体を付与するもの等どのようなものが採用されてもよく、接着シートASの特性、特質、性質、材質、組成および構成等を考慮して当該接着シートASの接着力を低下させることができるものであればどのような第2エネルギーを付与するものであってもよい。
被着体WKの外周面WKEに貼付されている接着シートASの表面形状は、当該被着体WKの外周面WKEの形状と同じ形状でもよいし、異なる形状でもよい。
接着シートASが回り込むように貼付されている被着体WKの一方の面WK1および他方の面WK2は、当該被着体WKの外周面WKEに隣接した面であってもよいし、当該被着体WKの外周面WKEとの間に他の面が存在することで、当該被着体WKの外周面WKEに隣接していない面であってもよい。
【0025】
剥離用部材は、所定のエネルギーとして、紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等の電磁波や、熱湯や熱風等の加熱媒体や、冷水や冷風等の冷却媒体等、どのようなエネルギーが付与されることで接着力が向上するものでもよいし、所定のエネルギーによって接着力が向上しないものでもよいし、剥離進行方向PDに直交する幅が、接着シートASの剥離進行方向PDに直交する幅と同じでもよいし、短くてもよいし、長くてもよい。
【0026】
次工程は、めっき工程、洗浄工程、エッチング工程、浸漬工程、切断工程、酸化膜形成工程、窒化工程、研削工程、サンドブラスト工程、研磨工程、塗装工程、積層工程、シート接着工程、表面処理工程、穴あけ工程、曲げ工程、検査工程、検証工程、照射工程等、どのような工程でもよい。
【0027】
本発明における接着シートAS、剥離用部材および被着体WKの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートAS、剥離用部材および被着体WKは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、接着シートASや剥離用部材は、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の接着シートASや剥離用部材が採用された場合は、当該接着シートASや剥離用部材を加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このような接着シートASや剥離用部材は、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層とが積層された2層のもの、基材と接着剤層との間に1または複数の中間層が積層された3層または3層以上のもの、基材の上面に1または複数のカバー層が積層された3層または3層以上のもの、基材、中間層またはカバー層が剥離可能に設けられたもの、接着剤層のみからなる単層の両面接着シート、1または複数の中間層の両最外面に接着剤層が積層された両面接着シート等、どのようなものでもよい。さらに、被着体WKとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASは、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
【0028】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた所謂多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等が単体で採用されてもよいし、それら電動機器やアクチュエータ等が直接的又は間接的に組み合わされたものが採用されてもよいし、それら電動機器やアクチュエータ等の出力部に対するトルク制御や速度制御等が可能なものや不能なものが採用されてもよい。
【0029】
前記実施形態において、何らかの物体(以下「物体A」という)および当該物体Aに対して移動する物体(以下「物体B」という)すなわち、相対移動する物体Aおよび物体Bは、移動することのない物体Aに対して物体Bが移動してもよいし、移動することのない物体Bに対して物体Aが移動してもよいし、物体Aおよび物体Bの両方が移動してもよいく、移動によって達成される結果が同じであれば、物体Aおよび物体Bの何れが移動してもよいし、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラ、押圧ヘッド、第1取付部材16B、第2取付部材16D、挟み込みローラ32等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ブラシ状部材の他、大気やガス等の気体の吹き付けによるものを採用してもよいし、押圧するものをゴム、樹脂、スポンジ等の変形可能な部材で構成してもよいし、金属や硝子等の変形しない部材で構成してもよいし、剥離板や剥離ローラ等の剥離手段や剥離部材といった被剥離物を剥離するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、板状部材、丸棒、ローラ等の部材を採用してもよいし、剥離するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、チャックモータやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよいし、付勢手段が採用されている場合、ばね、ゴム、樹脂または駆動機器等で構成してもよい。
【符号の説明】
【0030】
EA…シート剥離装置
10…取付手段
19…コイルヒータ(エネルギー付与手段)
20…剥離手段
30…姿勢調整手段
AS…接着シート
PD…剥離進行方向
PS…剥離用シート(剥離用部材)
WK…被着体
WK1…一方の面
WK2…他方の面
WKE…外周面