(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009965
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】コネクタハウジング組立体、コネクタ、およびコネクタ組立体
(51)【国際特許分類】
H01R 13/631 20060101AFI20250109BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20250109BHJP
H01R 13/73 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H01R13/631
H01R13/52 301H
H01R13/73 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024102773
(22)【出願日】2024-06-26
(31)【優先権主張番号】202310799030.2
(32)【優先日】2023-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110004347
【氏名又は名称】弁理士法人大場国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イー ヂァン
(72)【発明者】
【氏名】シィアオ ニッチ ヂォウ
(72)【発明者】
【氏名】イーチェン ヤン
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
【Fターム(参考)】
5E021FA09
5E021HA05
5E087LL04
5E087LL13
5E087MM09
5E087MM15
5E087RR12
5E087RR36
(57)【要約】 (修正有)
【課題】大きなずれがある嵌合状態に適しており、本発明の浮動構造は単純かつ製造が容易なコネクタハウジング組立体、コネクタ、およびコネクタ組立体を開示する。
【解決手段】コネクタハウジング組立体は、取付孔(11)を有して形成されているフランジ部(10)を含むハウジングと、取付孔(11)を通過し、フランジ部(10)を取付パネル(2)に連結するために使用される連結部材と、フランジ部(10)と取付パネル(2)との間の封止を実現するためにフランジ部(10)に設けられている封止リングと、を備え、封止リングはフランジ部(10)と取付パネル(2)との間で軸線方向に圧迫され、フランジ部(10)を含むハウジングは取付パネル(2)に対して軸線方向および径方向に浮動できる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付孔(11)を有して形成されているフランジ部(10)を含むハウジング(1)と、
前記取付孔(11)を通過し、前記フランジ部(10)を取付パネル(2)に連結するために使用される連結部材(3)と、
前記フランジ部(10)と前記取付パネル(2)との間の封止を実現するために前記フランジ部(10)に設けられている封止リング(5)と、を備え、
前記フランジ部(10)が前記取付パネル(2)と連結しているとき、前記封止リング(5)は前記フランジ部(10)と前記取付パネル(2)との間で軸線方向に圧迫され、前記フランジ部(10)は前記連結部材(3)に対して軸線方向および径方向に移動でき、従って前記ハウジング(1)は前記取付パネル(2)に対して軸線方向および径方向に浮動できる、
コネクタハウジング組立体。
【請求項2】
前記フランジ部(10)は前記取付パネル(2)に対向する底面(10c)を有し、前記封止リング(5)は、前記ハウジング(1)を前記取付パネル(2)において浮動可能に支持するために、前記フランジ部(10)の前記底面(10c)から所定の高さまで突出する、請求項1に記載のコネクタハウジング組立体。
【請求項3】
前記フランジ部(10)が前記取付パネル(2)と連結しているとき、前記ハウジング(1)が前記取付パネル(2)に対して軸線方向に浮動できるように、前記フランジ部(10)の底面(10c)と前記取付パネル(2)の上面との間に所定の間隙が存在する、請求項1に記載のコネクタハウジング組立体。
【請求項4】
前記連結部材(3)は、
前記連結部材(3)の一端に位置し、ナット(4)とのねじ連結に適している連結部(31)と、
前記連結部材(3)を操作するために前記連結部材(3)の他端に位置する操作部(34)と、
前記連結部(31)と前記操作部(34)との間に位置する軸部(33)と、を備え、
前記軸部(33)は前記取付孔(11)に設けられ、前記軸部(33)の直径が前記取付孔(11)の内径より小さく、従って前記フランジ部(10)は前記連結部材(3)に対して径方向に移動できる、請求項1に記載のコネクタハウジング組立体。
【請求項5】
前記連結部材(3)は、
前記軸部(33)の外周面に形成された、前記連結部(31)に隣接するフランジ(32)をさらに備え、
前記フランジ(32)は、前記連結部材(3)を前記取付パネル(2)に配置するために、前記取付パネル(2)の上面で支持されるように適合されている、請求項4に記載のコネクタハウジング組立体。
【請求項6】
前記フランジ(32)の直径が、前記フランジ(32)が前記取付孔(11)を通過できるように、前記取付孔(11)の前記内径より小さく、
前記操作部(34)の直径が、前記操作部(34)が前記取付孔(11)を通過するのを防ぐために、前記取付孔(11)の前記内径より大きい、請求項5に記載のコネクタハウジング組立体。
【請求項7】
前記軸部(33)は前記フランジ(32)の底面から前記操作部(34)の底面まで延在し、前記軸部(33)の軸線方向長さが前記フランジ部(10)の厚さより長く、そのため、前記フランジ部(10)が前記連結部材(3)に対して軸線方向に移動可能である、請求項5に記載のコネクタハウジング組立体。
【請求項8】
前記取付孔(11)の中心線が前記連結部材(3)の中心線と一致するように前記取付孔(11)の前記中心線を位置させるために、前記軸部(33)と前記取付孔(11)との間の間隙に位置するばね部材(6)をさらに備える、請求項5に記載のコネクタハウジング組立体。
【請求項9】
前記ばね部材(6)は、
前記軸部(33)に外嵌され、その上端および下端がそれぞれ前記操作部(34)および前記フランジ(32)に接する、円筒形本体(61)と、
前記円筒形本体(61)の前記下端と連結しており、前記取付孔(11)の内側と当接する弾性部分(62)と、を備える、請求項8に記載のコネクタハウジング組立体。
【請求項10】
前記ばね部材(6)の前記弾性部分(62)は上方に開口するラッパ形状である、請求項9に記載のコネクタハウジング組立体。
【請求項11】
複数の取付孔(11)が前記フランジ部(10)に形成されており、前記コネクタハウジング組立体は、前記複数の取付孔(11)にそれぞれ配置されている複数の連結部材(3)および複数のばね部材(6)を備え、
段差(11a)が前記取付孔(11)の前記内側に形成されており、前記弾性部分(62)の上端が、前記フランジ部(10)を確実に前記連結部材(3)の軸線方向に垂直な水平配向にするために、前記段差(11a)の支持面に接する、請求項9に記載のコネクタハウジング組立体。
【請求項12】
封止リング設置溝(12)が前記フランジ部(10)の底面に形成されており、前記封止リング(5)は前記封止リング設置溝(12)に設置されている、請求項1に記載のコネクタハウジング組立体。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の前記コネクタハウジング組立体と、
前記ハウジング(1)に設置されている端子と、を備える、コネクタ。
【請求項14】
請求項13に記載の前記コネクタと、
前記コネクタの前記ハウジング(1)が浮動可能に設置される取付パネル(2)と、を備える、コネクタ組立体。
【請求項15】
前記コネクタ(3)を前記取付パネル(2)に締結するために前記コネクタの前記連結部材(3)と螺合するナット(4)をさらに備える、請求項14に記載のコネクタ組立体。
【請求項16】
嵌合孔(21)が前記取付パネル(2)に形成されており、前記ナット(4)の一端(41)が前記嵌合孔(21)に設置されており、
前記嵌合孔(21)および前記ナット(4)の一端(41)の断面領域が、前記ナット(4)が前記取付パネル(2)に対して回転するのを防ぐために、正多角形を形成する、請求項15に記載のコネクタ組立体。
【請求項17】
複数の位置決め凹部(10a)が、前記ハウジング(1)の前記フランジ部(10)の縁部に形成されており、前記ハウジング(1)を位置決めするために前記複数の位置決め凹部(10a)とそれぞれ整合する複数の位置決め突出部(2a)が、前記取付パネル(2)に形成されている、請求項14に記載のコネクタ組立体。
【請求項18】
挿入孔(10b)が前記ハウジング(1)の前記フランジ部(10)に形成されており、ピン(2b)が前記取付パネル(2)に形成されており、前記ピン(2b)は、前記挿入孔(10b)と協働し前記ハウジング(1)を正確な配向で確実に前記取付パネル(2)に設置するために使用される、請求項14に記載のコネクタ組立体。
【請求項19】
前記ハウジング(1)の内部空洞と連通するための開口部(201)が前記取付パネル(2)に形成されており、前記コネクタの前記封止リング(5)は前記開口部(201)を取り囲む、請求項14に記載のコネクタ組立体。
【請求項20】
相手側コネクタをさらに備え、前記相手側コネクタの一部分が前記取付パネル(2)の前記開口部(201)を通じて前記コネクタの前記ハウジング(1)に挿入され、前記コネクタと嵌合する、請求項19に記載のコネクタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2023年6月30日に中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第CN202310799030.2号の利益を主張するものであり、その全体の開示内容が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、コネクタハウジング組立体、コネクタハウジング組立体を備えるコネクタ、およびコネクタを備えるコネクタ組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
先行技術において、コネクタの封止構造は、ハウジングのフランジ部と取付パネルとの間に位置する。ハウジングのフランジ部はボルトによって取付パネルに係止され、その結果、封止リングがハウジングのフランジ部と取付パネルとの間で圧迫されることによって封止の役割を担う。この種類のコネクタは、コネクタ端子のわずかな浮動に依存してわずかなずれがある嵌合を実現する。コネクタハウジングは固定されるため、嵌合の必要がある2つのコネクタの間のずれが大きい場合、その2つのコネクタを嵌合することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述の欠点の少なくとも1つの側面を克服または緩和するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、コネクタハウジング組立体が提供される。コネクタハウジング組立体は、取付孔を有して形成されているフランジ部を含むハウジングと、取付孔を通過し、フランジ部を取付パネルに連結するために使用される連結部材と、フランジ部と取付パネルとの間の封止を実現するためにフランジ部に設けられている封止リングと、を備える。フランジ部が取付パネルと連結しているとき、封止リングはフランジ部と取付パネルとの間で軸線方向に圧迫され、フランジ部は連結部材に対して軸線方向および径方向に移動でき、従ってハウジングは取付パネルに対して軸線方向および径方向に浮動できる。
【0006】
本発明の例示的実施形態によれば、フランジ部は取付パネルに対向する底面を有し、封止リングは、ハウジングを取付パネルにおいて浮動可能に支持するために、フランジ部の底面から所定の高さまで突出する。
【0007】
本発明の他の例示的実施形態によれば、フランジ部が取付パネルと連結しているとき、ハウジングが取付パネルに対して軸線方向に浮動できるように、フランジ部の底面と取付パネルの上面との間に所定の間隙が存在する。
【0008】
本発明の他の例示的実施形態によれば、連結部材は、連結部材の一端に位置しナットとのねじ連結に適している連結部と、連結部材を操作するために連結部材の他端に位置する操作部と、連結部と操作部との間に位置する軸部と、を備える。軸部は取付孔に設けられ、軸部の直径は取付孔の内径より小さく、従ってフランジ部は連結部材に対して径方向に移動できる。
【0009】
本発明の他の例示的実施形態によれば、連結部材は、軸部の外周面に形成された、連結部に隣接するフランジをさらに備え、フランジは、連結部材を取付パネルに配置するために、取付パネルの上面で支持されるように適合されている。
【0010】
本発明の他の例示的実施形態によれば、フランジの直径は、フランジが取付孔を通過できるように、取付孔の内径より小さく、操作部の直径は、操作部が取付孔を通過するのを防ぐために、取付孔の内径より大きい。
【0011】
本発明の他の例示的実施形態によれば、軸部はフランジの底面から操作部の底面まで延在し、軸部の軸線方向長さがフランジ部の厚さより長く、そのため、フランジ部が連結部材に対して軸線方向に移動可能である。
【0012】
本発明の他の例示的実施形態によれば、コネクタハウジング組立体は、取付孔の中心線が連結部材の中心線と一致するように取付孔の中心線を位置させるために、軸部と取付孔との間の間隙に位置するばね部材をさらに備える。
【0013】
本発明の他の例示的実施形態によれば、ばね部材は、軸部に外嵌されその上端および下端がそれぞれ操作部およびフランジに接する円筒形本体と、円筒形本体の下端と連結しており取付孔の内側と当接する弾性部分と、を備える。
【0014】
本発明の他の例示的実施形態によれば、ばね部材の弾性部分は上方に開口するラッパ形状である。
【0015】
本発明の他の例示的実施形態によれば、複数の取付孔がフランジ部に形成されており、コネクタハウジング組立体は、複数の取付孔にそれぞれ配置されている複数の連結部材および複数のばね部材を備え、段差が取付孔の内側に形成されており、弾性部分の上端が、フランジ部を確実に連結部材の軸線方向に垂直な水平配向にするために、段差の支持面に接する。
【0016】
本発明の他の例示的実施形態によれば、封止リング設置溝がフランジ部の底面に形成されており、封止リングは封止リング設置溝に設置されている。
【0017】
本発明の他の態様によれば、コネクタが提供される。コネクタは、上述のコネクタハウジング組立体と、そのハウジングに設置されている端子とを備える。
【0018】
本発明の他の態様によれば、コネクタ組立体が提供される。コネクタ組立体は、上述のコネクタと、そのコネクタのハウジングが浮動可能に設置される取付パネルとを備える。
【0019】
本発明の他の例示的実施形態によれば、コネクタ組立体は、コネクタを取付パネルに締結するためにコネクタの連結部材と螺合するナットをさらに備える。
【0020】
本発明の例示的実施形態によれば、嵌合孔が取付パネルに形成されており、ナットの一端が嵌合孔に設置されており、嵌合孔およびナットの一端の断面領域(cross-sectional area)が、ナットが取付パネルに対して回転するのを防ぐために、正多角形を形成する。
【0021】
本発明の他の例示的実施形態によれば、複数の位置決め凹部がハウジングのフランジ部の縁部に形成されており、ハウジングを位置決めするために複数の位置決め凹部とそれぞれ整合する複数の位置決め突出部が、取付パネルに形成されている。
【0022】
本発明の他の例示的実施形態によれば、挿入孔がハウジングのフランジ部に形成されており、ピンが取付パネルに形成されており、ピンは、挿入孔と協働しハウジングを正確な配向で確実に取付パネルに設置するために使用される。
【0023】
本発明の他の例示的実施形態によれば、ハウジングの内部空洞(inner cavity)と連通するための開口部が取付パネルに形成されており、コネクタの封止リングは開口部を取り囲む。
【0024】
本発明の他の例示的実施形態によれば、コネクタ組立体は、相手側コネクタをさらに備え、相手側コネクタの一部分が取付パネルの開口部を通じてコネクタのハウジングに挿入され、コネクタと嵌合する。
【0025】
本発明の前述の例示的実施形態において、コネクタのハウジングは取付パネルに対して浮動することができる。従って、本発明は大きなずれがある嵌合に適しており、本発明の浮動構造は単純かつ製造が容易である。
【0026】
本発明の上記および他の特徴は、添付の図面を参照してその例示的実施形態を詳細に説明することによって、さらに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の例示的実施形態によるコネクタ組立体の例示的斜視図である。
【
図2】本発明の例示的実施形態によるコネクタ組立体の例示的分解図である。
【
図3】本発明の例示的実施形態によるコネクタハウジング組立体の、底部から見た場合の例示的斜視図である。
【
図4】本発明の例示的実施形態によるコネクタハウジング組立体の例示的分解図である。
【
図5】連結部材がナットと連結している、本発明の例示的実施形態によるコネクタ組立体の断面図である。
【
図6】
図5に示されたコネクタ組立体の部分的に拡大された断面図である。
【
図7】1つの連結部材がまだナットと連結していない、本発明の例示的実施形態によるコネクタ組立体の断面図である。
【
図8】
図7に示されたコネクタ組立体の部分的に拡大された断面図である。
【
図9】封止リングを示す、本発明の例示的実施形態によるコネクタ組立体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示の例示的実施形態が、添付の図面を参照して以下に詳細に説明され、同一の参照符号は同一の要素を意味する。但し、本開示は多数の異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これら実施形態は、本開示が完全で完成したものとなり、本開示の概念を当業者に完全に伝達するように、提供される。
【0029】
以下の詳細な説明においては、説明の都合上、開示される実施形態の完全な理解をもたらすために多数の具体的詳細が記載される。しかし、1つまたは複数の実施形態はこれら具体的詳細がなくとも実施できることが明らかになるであろう。他の例において、よく知られている構造体およびデバイスは、図面を簡略化するために概略的に示されている。
【0030】
本発明の一般的概念によれば、コネクタハウジング組立体が提供される。コネクタハウジング組立体は、取付孔を有して形成されているフランジ部を含むハウジングと、取付孔を通過し、フランジ部を取付パネルに連結するために使用される連結部材と、フランジ部と取付パネルとの間の封止を実現するためにフランジ部に設けられている封止リングと、を備える。フランジ部が取付パネルと連結しているとき、封止リングはフランジ部と取付パネルとの間で軸線方向に圧迫され、フランジ部は連結部材に対して軸線方向および径方向に移動でき、従ってハウジングは取付パネルに対して軸線方向および径方向に浮動できる。
【0031】
本発明の他の一般的概念によれば、コネクタが提供される。コネクタは、上述のコネクタハウジング組立体と、そのハウジングに設置されている端子とを備える。
【0032】
本発明の他の一般的概念によれば、コネクタ組立体が提供される。コネクタ組立体は、上述のコネクタと、そのコネクタのハウジングが浮動可能に設置される取付パネルとを備える。
【0033】
図1は、本発明の例示的実施形態によるコネクタ組立体の例示的斜視図を示す。
図2は、本発明の例示的実施形態によるコネクタ組立体の例示的分解図を示す。
図3は、本発明の例示的実施形態によるコネクタハウジング組立体の、底から見た場合の例示的斜視図を示す。
図4は、本発明の例示的実施形態によるコネクタハウジング組立体の例示的分解図を示す。
【0034】
図1~
図4に示されるように、本発明の例示的実施形態において、コネクタハウジング組立体が開示される。コネクタハウジング組立体は、ハウジング1と、連結部材3と、封止リング5とを主に含む。ハウジング1は、取付孔11を有して形成されているフランジ部10を含む。連結部材3は、フランジ部10の取付孔11を通過し、フランジ部10を取付パネル2と連結する。封止リング5は、フランジ部10と取付パネル2との間の封止を実現するために、フランジ部10に配置されている。
【0035】
図5は、連結部材3がナット4と連結している、本発明の例示的実施形態によるコネクタ組立体の断面図を示す。
図6は、
図5に示されるコネクタ組立体の部分的に拡大された断面図を示す。
図7は、1つの連結部材3がまだナット4と連結していない、本発明の例示的実施形態によるコネクタ組立体の断面図を示す。
図8は、
図7に示されるコネクタ組立体の部分的に拡大された断面図を示す。
図9は、封止リング5が示されている、本発明の例示的実施形態によるコネクタ組立体の断面図を示す。
【0036】
図1~
図9に示されるように、例示される実施形態において、ハウジング1のフランジ部10が連結部材3によって取付パネル2と連結しているとき、封止リング5はフランジ部10と取付パネル2との間で軸線方向に圧迫され、フランジ部10は連結部材3に対して軸線方向および径方向に移動でき、従ってハウジング1は取付パネル2に対して軸線方向および径方向に浮動できる。
【0037】
図1~
図9に示されるように、例示される実施形態において、フランジ部10は取付パネル2に対向する底面10cを有する。封止リング5は、ハウジング1を取付パネル2において浮遊させるために、フランジ部10の底面10cから所定の高さまで突出する。
【0038】
図1~
図9に示されるように、例示される実施形態において、フランジ部10が取付パネル2と連結しているとき、ハウジング1が取付パネル2に対して軸線方向に浮動できるように、フランジ部10の底面10cと取付パネル2の上面との間に所定の間隙が存在する。
【0039】
図1~
図9に示されるように、例示される実施形態において、ハウジング1が取付パネル2に対して軸線方向に浮動する場合、封止リング5は連結部材3の軸線方向に沿って弾性変形する。ハウジング1が取付パネル2に対して径方向に浮動する場合、封止リング5は、取付パネル2の上面で連結部材3の径方向に沿って摺動し、それによってハウジング1の径方向浮動を実現する。
【0040】
図1~
図9に示されるように、例示される実施形態において、連結部材3は、連結部31と、操作部34と、軸部33とを主に備える。連結部31は、連結部材3の一端に位置し、ナット4とのねじ連結に適している。操作部34は、連結部材3の他端に位置し、例えば連結部材3を回転させそれをナット4と螺合するなど、連結部材3を操作するために使用される。軸部33は、連結部31と操作部34との間に位置する。軸部33はフランジ部10の取付孔11に位置され、軸部33の直径は取付孔11の内径より小さい。従って、軸部33と取付孔11との間に径方向間隙が存在することにより、フランジ部10は連結部材3に対して径方向に移動できるようになり、それによってハウジング1は取付パネル2に対して径方向に浮動できるようになる。
【0041】
図1~
図9に示されるように、例示される実施形態において、連結部材3は、軸部33の外周面に形成された、連結部31に隣接するフランジ32をさらに含む。フランジ32は、連結部材3を取付パネル2に配置するために、取付パネル2の上面で支持されるように適合されている。
【0042】
図1~
図9に示されるように、例示される実施形態において、連結部材3のフランジ32の直径は、フランジ32が取付孔11を通過できるように、取付孔11の内径より小さい。連結部材3の操作部34の直径は、操作部34が取付孔11を通過するのを防ぐために、取付孔11の内径より大きい。
【0043】
図1~
図9に示されるように、例示される実施形態において、連結部材3の軸部33はフランジ32の底面から操作部34の底面まで延在し、軸部33の軸線方向長さがフランジ部10の厚さより長く、そのため、フランジ部10が連結部材3に対して軸線方向に移動可能である。
【0044】
図1~
図9に示されるように、例示される実施形態において、コネクタハウジング組立体はばね部材6をさらに備える。ばね部材6は、取付孔11の中心線が連結部材3の中心線と一致するように取付孔11の中心線を位置させるために軸部33と取付孔11との間の間隙に位置する。例示される実施形態において、連結部材3がナット4と連結しているとき、連結部材3は固定され動かない。このとき、ばね部材6は、取付孔11の中心線を連結部材3の中心線と整列させるために、ハウジング1を押す。
【0045】
図1~
図9に示されるように、例示される実施形態において、ばね部材6は、円筒形本体61と、弾性部分62とを備える。円筒形本体61は軸部33に取り付けられ、その上端および下端がそれぞれ操作部34およびフランジ32に押し付けられる。弾性部分62は、円筒形本体61の下端と連結しており、取付孔11の内側と当接する。
【0046】
図1~
図9に示されるように、例示される実施形態において、ばね部材6の弾性部分62は上方に開口するラッパ形状である。但し、本発明はこれに限定されず、弾性部分62は他の適した形状もまた有してもよい。
【0047】
図1~
図9に示されるように、例示される実施形態において、複数の取付孔11がフランジ部10に形成されており、例えば1つの取付孔11がフランジ部10の四隅部のそれぞれに形成されている。コネクタハウジング組立体は、複数の取付孔11にそれぞれ配置されている複数の連結部材3および複数のばね部材6を含む。段差11aが取付孔11の内側に形成されている。ばね部材6の弾性部分62の上端が、フランジ部10を確実に連結部材3の軸線方向に垂直な水平配向にするために、段差11aの支持面に接する。これにより、コネクタのハウジング1が相手側コネクタとの嵌合中に傾くことを防止できる。
【0048】
図1~
図9に示されるように、例示される実施形態において、封止リング設置溝12がフランジ部10の底面に形成されており、封止リング5は封止リング設置溝12に設置されており、封止リング5はフランジ部10の底面10cから所定の高さだけ突出する。
【0049】
図1~
図9に示されるように、本発明の他の例示的実施形態においては、コネクタも開示される。コネクタは、前述のコネクタハウジング組立体と、端子(図示せず)とを主に含む。端子はハウジング1に設置されている。
【0050】
図1~
図9に示されるように、本発明の他の例示的実施形態において、例示される実施形態ではコネクタ組立体も開示される。コネクタ組立体は、前述のコネクタと、取付パネル2とを主に含む。先述の通り、コネクタのハウジング1は取付パネル2に浮動可能に設置される。
【0051】
図1~
図9に示されるように、例示される実施形態において、コネクタ組立体は、連結部材3を取付パネル2に締結するためにコネクタの連結部材3と螺合するナット4をさらに備える。
【0052】
図1~
図9に示されるように、例示される実施形態において、嵌合孔21が取付パネル2に形成されている。ナット4の一端41が嵌合孔21に設置されている。取付パネル2の嵌合孔21およびナット4の一端41の断面が、ナット4が取付パネル2に対して回転するのを防ぐために、正多角形を形成する。
【0053】
図1~
図9に示されるように、例示される実施形態において、複数の位置決め凹部10aがハウジング1のフランジ部10の縁部に形成されている。ハウジング1を位置決めするために複数の位置決め凹部10aと整合する複数の位置決め突出部2aが取付パネル2に形成されている。
【0054】
図1~
図9に示されるように、例示される実施形態において、挿入孔10bがハウジング1のフランジ部10に形成されており、ピン2bが取付パネル2に形成されている。ピン2bは、挿入孔10bに嵌合しハウジング1を正確な配向で確実に取付パネル2に設置するために使用される。例示される実施形態において、ハウジング1が誤った配向で設置される際、ハウジング1の挿入孔10bは取付パネル2のピン2bと整列せず、結果的にハウジング1は取付パネル2に設置できない。
【0055】
図1~
図9に示されるように、例示される実施形態において、ハウジング1の内部空洞と連通するための開口部201が取付パネル2に形成されており、コネクタの封止リング5は開口部201を取り囲む。
【0056】
図9に示されるように、例示される実施形態において、封止リング5はフランジ部10を取付パネル2において浮遊させ、そのため、フランジ部10が軸線方向に浮動可能である。すなわち、封止リング5を軸線方向に圧迫することによって、フランジ部10と取付パネル2との間の間隙が変化してもよい。
【0057】
図6および
図8に示されるように、例示される実施形態において、フランジ部10の取付孔11の直径は連結部材3の軸部33の直径より大きく、結果として連結部材3の軸部33とフランジ部10の取付孔11との間に径方向間隙が生じることで、フランジ部10は径方向に移動できるようになる。
【0058】
引き続き
図6および
図8を参照すると、例示される実施形態において、ばね部材6は、軸部33と取付孔11との間の間隙に設けられている。ばね部材6の弾性部分62は、フランジ部10を径方向に支持するために使用され、そのため、フランジ部10が径方向に浮動可能である。
【0059】
図1~
図9に示されるように、例示される実施形態において、コネクタ組立体は相手側コネクタ(図示せず)をさらに含み、相手側コネクタの一部分が取付パネル2の開口部201を通じてコネクタのハウジング1に挿入されコネクタと嵌合する。
【0060】
上記の実施形態は例示が意図され制限的ではないことが、当業者にとって理解されよう。例えば、当業者によって上記の実施形態に多数の修正が行われてもよく、様々な実施形態に記載される様々な特徴が、構成上または原理上相反することなく、互いに自由に組み合わせられてもよい。
【0061】
いくつかの例示的実施形態が示され説明されてきたが、本開示の原理および趣旨から逸脱することなく様々な変更または修正がこれらの実施形態に行われてもよく、本開示の範囲は特許請求の範囲およびそれらの均等物で定義されることが、当業者によって理解されよう。
【0062】
本明細書で使用するように、単数形で記載され、単語「a(1つの)」または「an(1つの)」に続く要素は、そのような除外が明示的に述べられていない限り、複数の前記要素またはステップを除外するものではないと理解されるべきである。さらに、本発明の「一実施形態」への参照は、記載された特徴を同様に組み込む追加の実施形態の存在を除外すると解釈されることを意図しない。また、異なることが明示的に述べられていない限り、特定の特性を有する1つの要素または複数の要素を「備える(comprising)」かまたは「有する(having)」実施形態は、その特性を有さないそのような追加的要素を含んでもよい。
【外国語明細書】