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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2026115640
(43)【公開日】2026-07-09
(54)【発明の名称】電解コンデンサ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01G 9/08 20060101AFI20260702BHJP
   H01G 9/145 20060101ALI20260702BHJP
   H01G 9/00 20060101ALI20260702BHJP
【FI】
H01G9/08 F
H01G9/145
H01G9/00 290K
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024232474
(22)【出願日】2024-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 隆一
(72)【発明者】
【氏名】西村 泰洋
(57)【要約】
【課題】ドライアップ抑制性を向上させることができる電解コンデンサを提供する。
【解決手段】電解コンデンサ1は、陽極部11A及び陰極部11Bを含むコンデンサ素子10と、コンデンサ素子10を収容するケース20とを備える。ケース20は、開口211を有する筐体21と、筐体21の開口211を塞ぐ封口体22とを有する。封口体22は、板状であり、陽極端子部31Aと陰極端子部31Bとからなる端子部31と、端子部31を囲うフレーム部32と、端子部31とフレーム部32との間を埋める封止部33とを含む。コンデンサ素子10の陽極部11Aは、陽極端子部31Aに接合される。コンデンサ素子10の陰極部11Bは、陰極端子部31Bに接合される。筐体21の内面の少なくとも一部が、内壁層23で覆われている。内壁層23が、保液材料で構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極部及び陰極部を含むコンデンサ素子と、
前記コンデンサ素子を収容するケースとを備え、
前記ケースは、開口を有する筐体と、前記筐体の前記開口を塞ぐ封口体とを有し、
前記封口体は、板状であり、陽極端子部と陰極端子部とからなる端子部と、前記端子部を囲うフレーム部と、前記端子部と前記フレーム部との間を埋める封止部とを含み、
前記コンデンサ素子の前記陽極部は、前記陽極端子部に接合され、
前記コンデンサ素子の前記陰極部は、前記陰極端子部に接合され、
前記筐体の内面の少なくとも一部が、内壁層で覆われており、
前記内壁層が、保液材料で構成されている、電解コンデンサ。
【請求項2】
前記保液材料が、絶縁性を有する、請求項1に記載の電解コンデンサ。
【請求項3】
前記内壁層を構成する前記保液材料の部分は、シート形状を有し、
前記保液材料の前記部分の単位面積当たりの重量が15g/m以上1000g/m以下であり、
前記保液材料の前記部分の厚みが20μm以上5000μm以下である、請求項1又は2に記載の電解コンデンサ。
【請求項4】
前記保液材料が、不織布及びニードルフェルトからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1又は2に記載の電解コンデンサ。
【請求項5】
前記開口近傍において前記筐体の内面は、前記内壁層で覆われておらず、
前記内壁層が、前記筐体の前記開口に向く段差形成面を有している、請求項1又は2に記載の電解コンデンサ。
【請求項6】
前記封口体の少なくとも一部が、前記段差形成面に当接している、請求項5に記載の電解コンデンサ。
【請求項7】
前記ケース内に収容される液状成分をさらに備え、
前記液状成分は、前記内壁層の少なくとも一部に含浸されている、請求項1又は2に記載の電解コンデンサ。
【請求項8】
前記コンデンサ素子は、前記陽極部を含む陽極箔と、前記陰極部を含む陰極箔と、前記陽極箔と前記陰極箔との間に配置されるセパレータ及び導電性高分子とを含み、
前記陽極箔と前記陰極箔と前記セパレータとは、巻回されている、請求項1又は2に記載の電解コンデンサ。
【請求項9】
前記コンデンサ素子は、前記陽極部を含む陽極箔と、前記陰極部を含む陰極箔と、前記陽極箔と前記陰極箔との間に配置されるセパレータ及び導電性高分子とを含み、
前記陽極箔と前記陰極箔と前記セパレータとは、前記筐体の底面から前記開口へ向かう方向において積層されている、請求項1又は2に記載の電解コンデンサ。
【請求項10】
陽極部及び陰極部を含むコンデンサ素子と、開口を有し、内面の少なくとも一部が内壁層で覆われた筐体と、陽極端子部と陰極端子部とからなる端子部と、前記端子部を囲うフレーム部と、前記端子部と前記フレーム部との間を埋める封止部とを含む封口体とを準備する工程と、
前記封口体の前記陽極端子部と前記コンデンサ素子の前記陽極部とを接合し、前記封口体の前記陰極端子部と前記コンデンサ素子の前記陰極部とを接合する工程と、
前記封口体の少なくとも一部が前記内壁層の段差形成面に当接するように、前記封口体を配置することにより、前記コンデンサ素子が接合された前記封口体で前記筐体の前記開口に嵌め込む工程と、
前記封口体の外周部分と前記筐体の内面とをレーザー溶接することにより前記開口を封止する工程とを備える、電解コンデンサの製造方法。
【請求項11】
前記内壁層が、保液材料で構成されている、請求項10に記載の電解コンデンサの製造方法。
【請求項12】
前記開口を封止する工程の前に、電解液を、前記内壁層を構成する前記保液材料の少なくとも一部に含浸させる工程をさらに備える、請求項11に記載の電解コンデンサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電解コンデンサ及び電解コンデンサの製造方法に関し、詳しくは、コンデンサ素子を備える電解コンデンサ及びこの電解コンデンサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、金属板と、前記金属板の少なくとも一方の表面に形成されたエチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂からなる樹脂層とを有することを特徴とする電子部品用ケース材料が開示されている。この電子部品用ケース材料によれば、多様化する要求事項に対応できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-96409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電解コンデンサは、ケース内に電解液等の液状成分を含む場合、この液状成分がケース外に徐々に蒸散して消失し、ドライアップが起こり、機器寿命が短くなりうるという不都合がある。この不都合に対し、特許文献1の技術では、十分に対応することはできないと考えられる。このように、電解コンデンサには、電解液等の液状成分の外部への蒸散を低減することができ、ドライアップ抑制性を向上させることが求められている。
【0005】
本開示は、ドライアップ抑制性を向上させることができる電解コンデンサ及び電解コンデンサの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る電解コンデンサは、陽極部及び陰極部を含むコンデンサ素子と、前記コンデンサ素子を収容するケースとを備える。前記ケースは、開口を有する筐体と、前記筐体の前記開口を塞ぐ封口体とを有する。前記封口体は、板状であり、陽極端子部と陰極端子部とからなる端子部と、前記端子部を囲うフレーム部と、前記端子部と前記フレーム部との間を埋める封止部とを含む。前記コンデンサ素子の前記陽極部は、前記陽極端子部に接合される。前記コンデンサ素子の前記陰極部は、前記陰極端子部に接合される。前記筐体の内面の少なくとも一部が、内壁層で覆われている。前記内壁層が、保液材料で構成されている。
【0007】
本開示の一態様に係る電解コンデンサの製造方法は、準備工程と、接合工程と、嵌合工程と、封止工程とを備える。前記準備工程では、陽極部及び陰極部を含むコンデンサ素子と、開口を有し、内面の少なくとも一部が内壁層で覆われた筐体と、陽極端子部と陰極端子部とからなる端子部と、前記端子部を囲うフレーム部と、前記端子部と前記フレーム部との間を埋める封止部とを含む封口体とを準備する。前記接合工程では、前記封口体の前記陽極端子部と前記コンデンサ素子の前記陽極部とを接合し、前記封口体の前記陰極端子部と前記コンデンサ素子の前記陰極部とを接合する。前記嵌合工程では、前記封口体の少なくとも一部が前記内壁層の段差形成面に当接するように、前記封口体を配置することにより、前記コンデンサ素子が接合された前記封口体で前記筐体の前記開口に嵌め込む。前記封止工程では、前記封口体の外周部分と前記筐体の内面とをレーザー溶接することにより前記開口を封止する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、電解コンデンサのドライアップ抑制性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の実施形態に係る電解コンデンサの概略的斜視図である。
図2図2は、本開示の実施形態に係る電解コンデンサの図1のX-X線に沿う概略的断面図である。
図3図3は、本開示の実施形態に係る電解コンデンサの概略的分解図である。
図4図4は、本開示の実施形態に係る電解コンデンサの筐体及び封口体の一部分を示す概略的斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
(1)概要
以下、実施形態に係る電解コンデンサについて、図面を用いて説明する。但し、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0011】
本実施形態の電解コンデンサ1は、図1図3に示すように、コンデンサ素子10と、ケース20とを備える。ケース20は、開口211を有する筐体21と、筐体21の開口211を塞ぐ封口体22とを有する。筐体21の内面の少なくとも一部は、内壁層23で覆われている。内壁層23は、保液材料(以下、保液材料(R)ともいう)で構成されている。
【0012】
本実施形態の電解コンデンサ1は、筐体21と封口体22とを有するケース20において、筐体21の内面の少なくとも一部が内壁層23で覆われており、この内壁層23が保液材料(R)で構成されている。この保液材料(R)が、電解コンデンサ1内の電解液等の液状成分を保持することができるので、この液状成分がケース20の外部へ蒸散することを低減することができ、その結果、ドライアップ抑制性を向上させることができると考えられる。本実施形態の電解コンデンサ1は、ドライアップ抑制性が向上しているので、長寿命化を図ることができる。
【0013】
(2)詳細
以下、本実施形態に係る電解コンデンサ1の構成について、より詳細に説明する。本実施形態では、代表例として、電解コンデンサ1が、電解質として、導電性高分子等の固体電解質と、電解液等の液状成分との両方を備えているハイブリッド型の電解コンデンサ1であるとして説明する。
【0014】
図2に示す電解コンデンサ1は、コンデンサ素子10と、ケース20とを備えている。
【0015】
[コンデンサ素子]
コンデンサ素子10は、図3に示すように、ケース20内に収容されている。コンデンサ素子10は、陽極部11A及び陰極部11Bを含んでおり、例えば、陽極部11Aを含む陽極箔と、陰極部11Bを含む陰極箔とを含み、また、陽極箔と陰極箔との間に、セパレータが配置されると共に、固体電解質としての導電性高分子が配置される。導電性高分子としては、例えばポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリアニリン等が挙げられる。セパレータの材料は、例えばセルロース、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ビニロン等が挙げられる。セパレータは、陽極箔と陰極箔との間に、各シートを挟んで形成してもよく、陽極箔と陰極箔との間に長尺のシートをつづら折りして形成してもよい。セパレータは、導電性高分子等の電解質を含浸により含むことができる。
【0016】
陽極箔は、例えばアルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁作用金属を含む金属箔と、この金属箔の表面に形成された誘電体層とを含む。陰極箔は、例えばアルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁作用金属を含む金属箔である。
【0017】
図2及び図3の電解コンデンサ1は、コンデンサ素子10として、積層型のコンデンサ素子10を備えている。積層型のコンデンサ素子10は、図2及び図3に示すように、例えば陽極箔と陰極箔とセパレータとが、筐体21の底面から開口211へ向かう方向において積層されているものである。
【0018】
コンデンサ素子10の陽極部11Aは、後述する端子部31のうちの陽極端子部31Aに接合されている。また、コンデンサ素子10の陰極部11Bは、陰極端子部31Bに接合されている。「接合」とは、2つの部材をつぎ合わすことを意味する。接合方法としては、例えばレーザー溶接、超音波溶接、抵抗溶接等を用いることができる。これらの接合方法により、陽極端子部31Aと陽極部11Aとを電気的及び機械的に接続させることができ、陰極端子部31Bと陰極部11Bとを電気的及び機械的に接続させることができる。
【0019】
[ケース]
ケース20は、コンデンサ素子10及び液状成分(図示せず)を収容する。ケース20は、図1図3に示すように、筐体21と、封口体22とを有している。筐体21の少なくとも一部は、図2及び図3に示すように、内壁層23で覆われている。
【0020】
(筐体)
筐体21は、開口211を有する部材であり、筐体21の形状は、通常、中空の立方体又は直方体の1つの面が開口している有底角筒形状等である。
【0021】
筐体21の材料としては、通常、金属であり、例えばアルミニウム、ステンレス鋼、銅、鉄、真鍮、これらの合金等を用いることができる。
【0022】
(封口体)
封口体22は、筐体21の開口211を塞ぐ部材である。封口体22は、端子部31と、フレーム部32と、封止部33とを含んでいる。
【0023】
(端子部)
端子部31は、陽極端子部31Aと陰極端子部31Bとからなり、その表面の一部がケース20の外側に表出していることにより、集電体となる部材であり、この集電体は、電解コンデンサ1を実装する基板などに、半田等を用いて接合される。端子部31の材料としては、通常、金属であり、例えばアルミニウム、ステンレス鋼、銅、鉄、真鍮、これらの合金等を用いることができる。
【0024】
端子部31A、31Bは、実装する基板との接続平面を含む形状であることが好ましく、例えば単純平板形状、L字板形状等である。
【0025】
図2に示すように、端子部31A、31Bは、通常、封口体22から、筐体21内部に向かって突出している。陽極端子部31Aはコンデンサ素子10の陽極部11Aに接合され、陽極部11Aを介して陽極箔と電気的に接続されている。また、陰極端子部31Bはコンデンサ素子10の陰極部11Bに接合され、陰極部11Bを介して陰極箔と電気的に接続されている。
【0026】
端子部31の実装面には、半田接続性を向上させるため、粗面化や凹み部を規則的に形成する加工により凹凸を設けることが好ましい。この凹凸の形成には、陽極箔及び陰極箔との接合の際に起こる変形を利用することもできる。
【0027】
(フレーム部)
フレーム部32は、端子部31を囲う部材である。つまり、図1に示すように、フレーム部32は、端子部31の周囲に封止部33を介して配置され、通常、封口体22の外周縁の全周にわたって配置されている。
【0028】
フレーム部32の材料は、特に限定されないが、例えば、金属であり、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、鉄、真鍮、これらの合金等を用いることができる。
【0029】
フレーム部32の内側面の少なくとも一部が、封止部33によって覆われていることが好ましい。このようにすることで、コンデンサ素子10の陽極部11A及び陰極部11Bが、フレーム部32を介して筐体21と接触して短絡が発生することを抑制することができる。
【0030】
(封止部)
封止部33は、端子部31とフレーム部32との間を埋めている部材である。つまり、図1に示すように、封止部33は、陽極端子部31Aと陰極端子部31Bとの間、陽極端子部31Aとフレーム部32との間、及び陰極端子部31Bとフレーム部32との間に、隙間が無いように形成されている。フレーム部32と封止部33との間、及び端子部31と封止部33との間の密着性が高くなるように、封止部33は形成されている。
【0031】
封止部33の材料としては、特に限定されないが、射出成形することが可能な観点からは、例えば、熱可塑性樹脂が用いられる。これらの中でも、ポリブチレンテレフタレート(PBT)や、ポリフェニレンサルファイド(PPS)を用いることが好ましい。これらの樹脂は、気体透過性が特に低いため、電解コンデンサ1のドライアップ抑制性を、より向上させることができる。
【0032】
封止部33の形状は、特に限定されず、厚さ略均一の平板形状でも、平板形状以外の形状でもよい。また、図4に示すように、フレーム部32の下には封止部33が存在せず、フレーム部32が、後述する内壁層23の上端面である段差形成面231に当接してもよい。
【0033】
封口体22において、端子部31の封止部33と接触する面及びフレーム部32の封止部33と接触する面が、表面処理面であることが好ましい。つまり、封口体22の作製の際に、端子部31の外側面、及びフレーム部32の内周側面を表面処理することが好ましい。これにより、端子部31と封止部33との密着性及びフレーム部32と封止部33との密着性がより高くなり、その結果、電解コンデンサ1のドライアップ抑制性をより向上させることができる。
【0034】
表面処理としては、例えば化学表面処理、粗面化処理、又はその両方を行うこと等が挙げられる。化学表面処理の方法としては、例えばアジピン酸アンモニウム溶液等の化成液に浸漬した後、熱処理する方法や、化成液に浸漬した後、電圧を印加する方法等が挙げられ、これにより、化成皮膜を形成する。また、粗面化処理は、エッチング処理により行うことができ、このエッチング処理は、例えば直流電解法や交流電解法により行うことができる。
【0035】
(内壁層)
内壁層23は、筐体21の内面の少なくとも一部を覆う層である。内壁層が「筐体の内面の少なくとも一部を覆う」とは、筐体21の内側から視たとき、筐体の内面の少なくとも一部と内壁層とが重なっていることを意味する。内壁層23は、筐体21の内面の少なくとも一部に、接していてもよく、接していなくてもよい。
【0036】
内壁層23は、保液材料で構成されている。「保液材料」とは、保液能を有する材料をいい、液体に対して物理的又は化学的かつ可逆的な吸収及び放出を行うことにより、液体を保持することができる材料を意味する。
【0037】
保液材料(R)は、内壁層23の一部を構成していてもよく、内壁層23の全部を構成していてもよい。
【0038】
保液材料(R)としては、例えば、セルロース、ガラスクロス、アラミド繊維等の織布;不織布、ニードルフェルト等の繊維不規則集合体、スポンジ等の多孔体などが挙げられる。これらの中で、保液能の観点から、繊維不規則集合体及び多孔体が好ましく、繊維不規則集合体がより好ましく、不織布及びニードルフェルトがさらに好ましい。保液材料(R)として上記のものを用いることにより、電解コンデンサ1のドライアップ抑制性をより向上させることができる。
【0039】
保液材料(R)は、絶縁性を有することが好ましい。保液材料(R)として絶縁性を有するものを用いることにより、コンデンサ素子10の陽極部11A及び陰極部11Bと筐体21との間で起こる短絡の発生を抑制することができる。
【0040】
内壁層23を構成する保液材料(R)の部分は、シート形状を有することが好ましい。つまり、内壁層23は、シート形状を有する保液材料(R)を用いて形成することが好ましい。
【0041】
内壁層23を構成するシート形状を有する保液材料(R)の部分の単位面積当たりの重量は、15g/m以上であることが好ましく、25g/m以上であることがより好ましい。上記重量は、1000g/m以下であることが好ましく、600g/m以下であることがより好ましい。特に、保液材料(R)がニードルフェルトの場合には、内壁層23を構成するシート形状を有する保液材料(R)の部分の単位面積当たりの重量は、50g/m以上1000g/m以下であることが好ましく、50g/m以上600g/m以下であることがより好ましい。また、保液材料(R)が不織布等のニードルフェルト以外の場合には、内壁層23を構成するシート形状を有する保液材料(R)の部分の単位面積当たりの重量は、15g/m以上300g/m以下であることが好ましく、30g/m以上150g/m以下であることがより好ましい。なお、上記の保液材料(R)の部分の単位面積当たりの重量は、電解液等の液状成分を保持していない状態での値である。また、単位面積当たりの重量(坪量)は、JIS P 8124:2011「紙及び板紙-坪量の測定方法」に準拠して、シート形状を有する試験片における片面の面積(m)と、試験片の重量(g)とを測定し、重量を面積で除することにより求めることができる(単位:g/m)。
【0042】
内壁層23を構成するシート形状を有する保液材料(R)の部分の厚みは、20μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましい。上記厚みは、5000μm以下であることが好ましく、3000μm以下であることがより好ましい。特に、保液材料(R)がニードルフェルトの場合には、内壁層23を構成するシート形状を有する保液材料(R)の部分の厚みは、1000μm以上5000μm以下であることが好ましく、1000μm以上3000μm以下であることがより好ましい。また、保液材料(R)が不織布等のニードルフェルト以外の場合には、内壁層23を構成するシート形状を有する保液材料(R)の部分の厚みは、20μm以上1000μm以下であることが好ましく、50μm以上500μm以下であることがより好ましい。保液材料(R)の部分の厚みは、保液材料(R)の断面において、光学顕微鏡等を用いることにより測定することができる。保液材料(R)の部分の厚みは、複数点(例えば任意の10点)における測定値の算術平均値を意味する。
【0043】
シート形状を有する内壁層23の単位面積当たりの重量、及び厚みを上記範囲とすることで、内壁層23の保液能を適度に高めることができ、それにより、電解コンデンサ1のドライアップ抑制性をより向上させることができる。
【0044】
内壁層23は、筐体21の内面に保液材料(R)のシート等を貼り付けることにより形成することができる。また、内壁層23は、保液材料(R)を用いて作製した容器を、筐体21の内側に配置して形成してもよい。
【0045】
内壁層23は、筐体21の内面の全面積のうち、少なくとも底面側の半分以上を覆っていることが好ましく、少なくとも底面側の80%以上を覆っていることがより好ましい。内壁層23は、筐体21の内面の全面積を覆っていてもよい。
【0046】
また、筐体21の内面は、筐体21の開口211近傍において、内壁層23で覆われていないようにすることもできる。つまり、内壁層23の高さを、筐体21の高さよりも低くすることができる。この場合、図2に示すように、内壁層23は、筐体21の開口211に向く側の端面である段差形成面231を有している。この段差形成面231は、筐体21の内面において、筐体21の開口211の面と、内壁層23の上側端面との間に段差を生じさせる。段差形成面231は、通常、水平方向の平らな面である。
【0047】
このように、内壁層23の上側に段差形成面231を設けたことで、電解コンデンサ1の製造の際に、内壁層23の段差形成面231の上に、封口体22を配置することにより、例えば、封口体22の外周にあるフレーム部32等の封口体22の少なくとも一部が、段差形成面231に当接するようにすることができる。このように、筐体21及び封口体22に対して、迅速かつ確実に位置決めをすることができる。これにより、筐体21の開口211近傍における側面部と封口体22とを密着させ、突き合わされた境目を溶接等により接合することが容易となる。その結果、電解コンデンサ1におけるケース20の溶接品質が向上し、また、筐体21と封口体22との間の隙間等がより低減されるので、電解コンデンサ1のドライアップ抑制性をより向上させることができる。また、これにより、従来の電解コンデンサのように、量産化が難しい切削加工等により筐体21に段差を設けることを要さないため、電解コンデンサ1の量産化が可能になる。
【0048】
また、図4に示すように、内壁層23の段差形成面231から筐体21の開口211までの距離をDとし、段差形成面231に当接する封口体22の外周部分であるフレーム部32の板厚をdとしたとき、距離Dは板厚d以上(D≧d)であることが好ましい。この場合、筐体21の側面部と封口体22の一部とを溶接等により接合することがより容易になる。なお、距離Dと板厚dとの差は小さい方が好ましく、具体的には、板厚dは、距離Dの90%以上であることが好ましい。また、D=dであることがより好ましい。この場合、封口体22を、筐体21の開口211に篏合させたときに、封口体22の上面と、筐体21の開口211とが面一になり、信頼性高く、封口体22を筐体21に溶接等により接合することが可能になる。
【0049】
封口体22は、筐体21の開口211に接合され、開口211が封口されていることが好ましい。このように、封口体22を筐体21に接合して開口211を封口することにより、筐体21と封口体22との間の隙間をより低減することができ、その結果、電解コンデンサ1のドライアップ抑制性をより向上させることができる。この接合は、溶接により行うことが、ドライアップ抑制性をさらに向上させる観点から好ましい。
【0050】
封口体22は、端子部31とフレーム部32とに対して、封止部33を射出成形(インサート成形)することにより形成したものであることが好ましい。このように、封口体22として、インサート成形物を用いることにより、端子部31と封止部33及びフレーム部32と封止部33との間の密着性をより高めることができ、その結果、電解コンデンサ1のドライアップ抑制性をより向上させることができる。
【0051】
(液状成分)
液状成分は、内壁層23の少なくとも一部に含浸されている。内壁層に「含浸されている」とは、液状成分が、保液材料(R)に保持されていることを含む。これにより、液状成分は、ケース20内に収容されている。
【0052】
液状成分としては、例えば電解液等が挙げられる。
【0053】
電解液には、例えば有機溶媒等が用いられる。有機溶媒としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール;スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホン化合物;γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン等のラクトン化合物;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート等のカーボネート化合物;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等の多価アルコールのジエーテル化合物;メタノール、エタノール、プロパノール等の1価アルコールなどが挙げられる。
【0054】
電解液は、溶質を含んでもよい。溶質としては、例えば有機酸、無機酸、有機酸と無機酸との複合酸化合物等の酸成分;アミン、4級アンモニウム塩等の塩基成分;酸及び塩基からなる塩、ニトロ化合物、フェノール化合物等が挙げられる。
【0055】
(変形例)
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、本実施形態の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0056】
上記実施形態では、図2に示すように、内壁層23が、筐体21の底面にも設けられているとしたが、これに限定されるものではなく、電解コンデンサ1は、内壁層23が、筐体21の底面には設けられていないものとすることができる。
【0057】
上記実施形態では、図2に示すように、内壁層23は、封口体22の下面側には設けられていないとしたが、これに限定されるものではなく、電解コンデンサ1は、封口体22の下面側に、内壁層23が設けられているものとすることができる。
【0058】
上記実施形態では、電解コンデンサ1は、電解質として、固体電解質と液状成分との両方を備えるハイブリッド型の電解コンデンサ1であるとしたが、これに限定されるものではなく、電解コンデンサ1は、固体電解質又は液状成分の一方のみを備えるものとすることができる。
【0059】
上記実施形態では、筐体21の形状は、図3に示すように、有底角筒形状であったが、これに限定されるものではなく、電解コンデンサ1を実装する場所等に応じて、例えば有底円筒形状等の他の形状とすることができる。
【0060】
上記実施形態では、図2及び図3に示すように、コンデンサ素子10として、積層型のコンデンサ素子10を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば巻回型等の他の型のコンデンサ素子10を用いることもできる。巻回型のコンデンサ素子10は、陽極箔と、陰極箔と、セパレータ及び導電性高分子とを含み、陽極箔と陰極箔とセパレータとが巻回されているものである。巻回軸の方向は、例えば、筐体21の底面から開口211に向かう方向と交差する方向である。
【0061】
<電解コンデンサの製造方法>
本実施形態の電解コンデンサ1は、例えば準備工程と、接合工程と、嵌合工程と、封止工程とを備える製造方法により、簡便かつ確実に製造することができる。内部に電解液を有する電解コンデンサ1を製造する場合、この製造方法は、封止工程の前に、含浸工程を備えてもよい。以下、各工程について説明する。
【0062】
[準備工程]
本工程では、コンデンサ素子10と、開口211を有し、内面の少なくとも一部が内壁層23で覆われた筐体21と、封口体22とを準備する。コンデンサ素子10は、陽極部11A及び陰極部11Bを含む。封口体22は、端子部31とフレーム部32と封止部33とを含む。端子部31は陽極端子部31Aと陰極端子部31Bとからなり、フレーム部32は端子部31を囲み、封止部33は端子部31とフレーム部32との間を埋める。コンデンサ素子10は、積層型及び巻回型のいずれであっても用いることができる。
【0063】
内壁層23は、保液材料(R)で構成されていることが好ましい。内壁層23として、保液材料(R)で構成されているものを用いることにより、製造される電解コンデンサ1のドライアップ抑制性を向上させることができる。
【0064】
保液材料(R)で構成されている内壁層23で覆われた筐体21は、筐体21の内面に保液材料(R)のシート等を貼り付けることにより形成することができる。このような内壁層23は、保液材料(R)を用いて作製した容器を、筐体21の内側に配置して形成してもよい。
【0065】
また、封口体22は、端子部31とフレーム部32とに対して封止部33を形成する樹脂を射出成形することにより形成することが好ましい。つまり、金型に端子部31とフレーム部32とを配置し、封止部33を形成する樹脂を射出して、インサート成形を行うことが好ましい。
【0066】
上述の射出成形を行う場合、その前に、端子部31及びフレーム部32における封止部33と接触する面に、化学表面処理及び粗面化処理の少なくとも一方を施すことが好ましい。上述した方法により、端子部31及びフレーム部32において、射出成形により封止部33と接触する面に、予めこのような化学表面処理及び粗面化処理等を行うことにより、端子部31と封止部33との間及びフレーム部32と封止部33との間の密着性をより高めることができ、その結果、製造される電解コンデンサ1のドライアップ抑制性をより向上させることができる。
【0067】
[接合工程]
本工程では、封口体22の陽極端子部31Aとコンデンサ素子10の陽極部11Aとを接合し、封口体22の陰極端子部31Bとコンデンサ素子10の陰極部11Bとを接合する。
【0068】
接合方法としては、例えばレーザー溶接、超音波溶接、抵抗溶接等が挙げられる。
【0069】
接合は、レーザー溶接により行うことが好ましい。レーザー溶接によれば、一括溶接を行うこともできる。まず、陽極端子部31A及び陰極端子部31Bの上に、複数組(例えば30組)の陽極箔、セパレータ及び陰極箔を重ねる。次に、最も上に位置する陽極箔及び陰極箔に、レーザーを照射することにより、一括して溶接を行うことができる。このような方法により、陽極端子部31Aと陽極部11Aとの接合、及び陰極端子部31Bと陰極部11Bとの接合を簡便に行うことができる。また、同時に、複数の陽極箔の陽極部11A同士、複数の陰極箔の陰極部11B同士を接合することができる。溶接では接続界面抵抗が無くなるため、これにより、従来の加締め接続する方法に比べて、端子部31の低抵抗化に寄与することができる。また、製造タクトタイムを短縮することができる。
【0070】
[嵌合工程]
本工程では、封口体22の少なくとも一部が内壁層23の段差形成面231に当接するように、封口体22を配置することにより、コンデンサ素子10が接合された封口体22で筐体21の開口211に嵌め込む。
【0071】
本工程では、このような構成とすることにより、迅速かつ確実に、筐体21に対して、封口体22の位置決めを行うことができ、配置させることができる。
【0072】
[含浸工程]
本工程では、電解液を、内壁層23を構成する保液材料(R)の少なくとも一部に含浸させる。本工程は、保液材料(R)で構成された内壁層23で内面が覆われた筐体21の中に、電解液を導入することにより行ってもよい。具体的には、電解液は、内壁層23の保液材料(R)等に含浸される。なお、含浸工程は、嵌合工程の前に行ってもよい。この場合、保液材料(R)で構成された内壁層23を電解液に浸漬すること等により、電解液を内壁層23の保液材料(R)に含浸させる。
【0073】
[封止工程]
本工程では、封口体22の外周部分と筐体21の内面とをレーザー溶接することにより開口211を封止する。
【0074】
本工程は、封口体22の外周部分であるフレーム部32の金属と、筐体21の内面である開口211近傍の金属とをレーザー溶接することにより行う。
【0075】
以上のようにして、ドライアップ抑制性に優れる電解コンデンサ1を、簡便かつ確実に製造することができる。
【0076】
(まとめ)
上記実施形態及び変形例から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。以下では、実施形態との対応関係を明示するためだけに、符号を括弧付きで付している。
【0077】
第1の態様の電解コンデンサ(1)は、陽極部(11A)及び陰極部(11B)を含むコンデンサ素子(10)と、コンデンサ素子(10)を収容するケース(20)とを備える。ケース(20)は、開口(211)を有する筐体(21)と、筐体(21)の開口(211)を塞ぐ封口体(22)とを有する。封口体(22)は、板状であり、陽極端子部(31A)と陰極端子部(31B)とからなる端子部(31)と、端子部(31)を囲うフレーム部(32)と、端子部(31)とフレーム部(32)との間を埋める封止部(33)とを含む。コンデンサ素子(10)の陽極部(11A)は、陽極端子部(31A)に接合される。コンデンサ素子(10)の陰極部(11B)は、陰極端子部(31B)に接合される。筐体(21)の内面の少なくとも一部が、内壁層(23)で覆われている。内壁層(23)が、保液材料(R)で構成されている。
【0078】
第1の態様によれば、電解コンデンサ(1)は、ドライアップ抑制性を向上させることができる。
【0079】
第2の態様の電解コンデンサ(1)では、第1の態様において、保液材料(R)が、絶縁性を有する。
【0080】
第2の態様によれば、電解コンデンサ(1)は、コンデンサ素子(10)の陽極部(11A)及び陰極部(11B)が、フレーム部(32)を介して筐体(21)と接触して短絡が発生することを抑制することができる。
【0081】
第3の態様の電解コンデンサ(1)では、第1又は第2の態様において、内壁層(23)を構成する保液材料(R)の部分は、シート形状を有する。保液材料(R)の部分の単位面積当たりの重量が15g/m以上1000g/m以下である。保液材料(R)の部分の厚みが20μm以上5000μm以下である。
【0082】
第3の態様によれば、電解コンデンサ(1)は、保液材料(R)の保液能を適度に高めることにより、ドライアップ抑制性をより向上させることができる。
【0083】
第4の態様の電解コンデンサ(1)では、第1から第3のいずれか一の態様において、保液材料(R)が、不織布及びニードルフェルトからなる群より選択される少なくとも一種を含む。
【0084】
第4の態様によれば、電解コンデンサ(1)は、保液材料(R)として特定の材料を用いることにより、ドライアップ抑制性をより向上させることができる。
【0085】
第5の態様の電解コンデンサ(1)では、第1から第4のいずれか一の態様において、開口(211)近傍において筐体(21)の内面は、内壁層(23)で覆われておらず、内壁層(23)が、筐体(21)の開口(211)に向く段差形成面(231)を有している。
【0086】
第5の態様によれば、電解コンデンサ(1)の製造の際に、筐体(21)に対して封口体(22)を、迅速かつ確実に位置決めし、配置させることができる。
【0087】
第6の態様の電解コンデンサ(1)では、第5の態様において、封口体(22)の少なくとも一部が、段差形成面(231)に当接している。
【0088】
第6の態様によれば、電解コンデンサ(1)は、ケース(20)における溶接品質が向上することにより、ドライアップ抑制性をより向上させることができる。
【0089】
第7の態様の電解コンデンサ(1)では、第1から第6のいずれか一の態様において、ケース(20)内に収容される液状成分をさらに備える。上記液状成分は、内壁層(23)の少なくとも一部に含浸されている。
【0090】
第7の態様によれば、電解コンデンサ(1)は、ドライアップ抑制性をより向上させることができる。
【0091】
第8の態様の電解コンデンサ(1)では、第1から第7のいずれか一の態様において、コンデンサ素子(10)は、陽極部(11A)を含む陽極箔と、陰極部(11B)を含む陰極箔と、上記陽極箔と上記陰極箔との間に配置されるセパレータ及び導電性高分子とを含む。上記陽極箔と上記陰極箔と上記セパレータとは、巻回されている。
【0092】
第8の態様によれば、電解コンデンサ(1)は、コンデンサ素子(10)が巻回型の場合でも、ドライアップ抑制性を向上させることができる。
【0093】
第9の態様の電解コンデンサ(1)では、第1から第7のいずれか一の態様において、コンデンサ素子(10)は、陽極部(11A)を含む陽極箔と、陰極部(11B)を含む陰極箔と、上記陽極箔と上記陰極箔との間に配置されるセパレータ及び導電性高分子とを含む。上記陽極箔と上記陰極箔と上記セパレータとは、筐体(21)の底面から開口(211)へ向かう方向において積層されている。
【0094】
第9の態様によれば、電解コンデンサ(1)は、コンデンサ素子(10)が積層型の場合でも、ドライアップ抑制性を向上させることができる。
【0095】
第10の態様の電解コンデンサ(1)の製造方法は、準備工程と、接合工程と、嵌合工程と、封止工程とを備える。準備工程では、陽極部(11A)及び陰極部(11B)を含むコンデンサ素子(10)と、開口(211)を有し、内面の少なくとも一部が内壁層(23)で覆われた筐体(21)と、陽極端子部(31A)と陰極端子部(31B)とからなる端子部(31)と、端子部(31)を囲うフレーム部(32)と、端子部(31)とフレーム部(32)との間を埋める封止部(33)とを含む封口体(22)とを準備する。接合工程では、封口体(22)の陽極端子部(31A)とコンデンサ素子(10)の陽極部(11A)とを接合し、封口体(22)の陰極端子部(31B)とコンデンサ素子(10)の陰極部(11B)とを接合する。嵌合工程では、封口体(22)の少なくとも一部が内壁層(23)の段差形成面(231)に当接するように、封口体(22)を配置することにより、コンデンサ素子(10)が接合された封口体(22)で筐体(21)の開口(211)に嵌め込む。封止工程では、封口体(22)の外周部分と筐体(21)の内面とをレーザー溶接することにより開口(211)を封止する。
【0096】
第10の態様によれば、電解コンデンサ(1)を、簡便かつ確実に製造することができる。
【0097】
第11の態様の電解コンデンサ(1)の製造方法では、第10の態様において、内壁層(23)が、保液材料(R)で構成されている。
【0098】
第11の態様によれば、ドライアップ抑制性が向上した電解コンデンサ(1)を、簡便かつ確実に製造することができる。
【0099】
第12の態様の電解コンデンサ(1)の製造方法では、第11の態様において、含浸工程をさらに備える。含浸工程では、封止工程の前に、電解液を、内壁層(23)を構成する保液材料(R)の少なくとも一部に含浸させる。
【0100】
第12の態様によれば、ドライアップ抑制性がより向上した電解コンデンサ(1)を、簡便かつ確実に製造することができる。
【符号の説明】
【0101】
1 電解コンデンサ
10 コンデンサ素子
11A 陽極部
11B 陰極部
20 ケース
21 筐体
22 封口体
23 内壁層
31 端子部
31A 陽極端子部
31B 陰極端子部
32 フレーム部
33 封止部
図1
図2
図3
図4