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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】
(43)【公開日】
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   
   
   
【FI】
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】
(21)【出願番号】
(22)【出願日】
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100169155
【弁理士】
【氏名又は名称】倉橋 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075638
【弁理士】
【氏名又は名称】倉橋 暎
(72)【発明者】
【氏名】滝下 茂樹
【テーマコード(参考)】
【Fターム(参考)】
2H200FA08
2H200FA17
2H200FA18
2H200GA12
2H200GA14
2H200GA16
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2H200GA59
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2H200JC13
2H200JC15
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2H200JC20
2H200LA06
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(57)【要約】
【課題】一次転写部の下流かつ中間転写ベルトの内周面側に配置された電極部材への付着物の付着を軽減する。
【解決手段】画像形成装置は、感光体と、中間転写ベルトと、一次転写部材と、電極部材と、電極部材に感光体の帯電極性と同極性のバイアスを印加する電源と、中間転写ベルトの内面から付着物を除去する内面清掃部材と、中間転写ベルトを駆動する駆動部と、電極部材を、中間転写ベルトの内面に接触する第1の位置と、中間転写ベルトの内面に接触しない第2の位置と、に移動させる接離機構と、駆動部及び接離機構を制御可能な制御部と、を有し、制御部は、中間転写ベルトが停止した状態から中間転写ベルトを回転させる際に、電極部材を上記第2の位置に位置させた状態で中間転写ベルトの回転を開始させるように制御を行う。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項
所定の極性に帯電可能であり、トナー像を担持する感光体と、
複数の張架ローラにより張架され、前記感光体に接触する一次転写部で前記感光体から一次転写されたトナー像を、二次転写部で記録材に二次転写するために搬送する、周回移動可能な中間転写ベルトと、
前記中間転写ベルトの内面に接触して前記一次転写部を形成し、バイアスが印加されて前記一次転写部で前記感光体から前記中間転写ベルトにトナー像を転写させる一次転写部材と、
前記中間転写ベルトの移動方向における前記一次転写部の下流側で前記中間転写ベルトの内面に接触するように設けられた電極部材と、
前記電極部材に前記所定の極性と同極性のバイアスを印加する電源と、
内面清掃部で前記中間転写ベルトの内面に接触し、前記中間転写ベルトの内面から付着物を除去する内面清掃部材と、
前記中間転写ベルトを駆動する駆動部と、
前記電極部材を、前記中間転写ベルトの内面に接触する第1の位置と、前記中間転写ベルトの内面に接触しない第2の位置と、に移動させる接離機構と、
前記駆動部及び前記接離機構を制御可能な制御部と、を有し、
前記制御部は、前記中間転写ベルトが停止した状態から前記中間転写ベルトを回転させる際に、前記電極部材を前記第2の位置に位置させた状態で前記中間転写ベルトの回転を開始させるように制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項
前記制御部は、前記画像形成装置の電源がONされたことに応じて、前記中間転写ベルトが停止した状態から前記中間転写ベルトを回転させる場合、前記電極部材を前記第2の位置に位置させた状態で前記中間転写ベルトの回転を開始させ、前記中間転写ベルトが回転を開始してから前記中間転写ベルトの回転量が所定の回転量に達した後に、前記電極部材を前記第2の位置から前記第1の位置に移動させるように制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項
前記制御部は、画像形成の開始指示が入力されたことに応じて、前記中間転写ベルトが停止した状態から前記中間転写ベルトを回転させる場合、前記電極部材を前記第2の位置に位置させた状態で前記中間転写ベルトの回転を開始させ、前記中間転写ベルトが回転を開始してから前記中間転写ベルトの回転量が所定の回転量に達した後で、前記画像形成が開始される前に、前記電極部材を前記第2の位置から前記第1の位置に移動させるように制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項
前記制御部は、前記中間転写ベルトを回転させて前記内面清掃部材により前記中間転写ベルトの内面を清掃するモードを実行するように制御を行うことが可能であり、
操作者の操作に基づいて前記モードの開始指示を前記制御部に入力する入力部を有し、
前記制御部は、前記モードの開始指示が入力されたことに応じて、前記中間転写ベルトが停止した状態から前記中間転写ベルトを回転させる場合、前記電極部材を前記第2の位置に位置させた状態で前記中間転写ベルトの回転を開始させ、前記中間転写ベルトの回転量が所定の回転量に達した後に、前記電極部材を前記第2の位置に位置させた状態で前記中間転写ベルトの回転を停止せるように制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項
前記所定の回転量は、前記中間転写ベルトが回転を開始してから、前記中間転写ベルトが回転を開始した時に前記内面清掃部にあった前記中間転写ベルトの内面の領域が、前記電極部材に接触可能な位置を通過するまでの回転量であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項
複数の前記感光体と、複数の前記感光体のそれぞれに対応して設けられた複数の前記一次転写部材と、複数の前記感光体のそれぞれに対応して設けられた複数の前記電極部材と、を有し、
前記所定の回転量は、前記中間転写ベルトが回転を開始してから、前記中間転写ベルトが回転を開始した時に前記内面清掃部にあった前記中間転写ベルトの内面の領域が、前記中間転写ベルトの移動方向において最下流に位置する前記電極部材に接触可能な位置を通過するまでの回転量であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項
複数の前記感光体と、複数の前記感光体のそれぞれに対応して設けられた複数の前記一次転写部材と、複数の前記感光体のそれぞれに対応して設けられた複数の前記電極部材と、を有し、
前記所定の回転量は、前記中間転写ベルトが回転を開始してから、前記中間転写ベルトが回転を開始した時に前記内面清掃部にあった前記中間転写ベルトの内面の領域が、前記中間転写ベルトの移動方向において最下流に位置する前記電極部材に接触可能な位置を通過した後に、該最下流に位置する前記電極部材の下流側直近に位置する前記張架ローラに接触する位置を通過するまでの回転量であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項
前記所定の回転量は、前記中間転写ベルトが回転を開始してから前記中間転写ベルトの少なくとも1周であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項
前記制御部は、前記所定の回転量を、環境の湿度に関する情報に基づいて変更することが可能であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項
前記制御部は、前記所定の回転量を、前記中間転写ベルトの累積の使用量に関する情報に基づいて変更することが可能であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項
前記制御部は、前記所定の回転量を、前記一次転写部材の累積の使用量に関する情報に基づいて変更することが可能であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項
前記制御部は、前記電極部材を前記第1の位置に位置させて前記中間転写ベルトを回転させている状態から前記中間転写ベルトの回転を停止させる際に、前記電極部材を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させ、前記電極部材を前記第2の位置に位置させた状態で前記中間転写ベルトを回転させた後に、前記中間転写ベルトの回転を停止させるように制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項
前記制御部は、前記電極部材を前記第1の位置に位置させて前記中間転写ベルトを回転させている状態から前記中間転写ベルトの回転を停止させる際に、前記電極部材を前記第2の位置に位置させてから、前記中間転写ベルトの回転量が所定の回転量に達した後に、前記中間転写ベルトの回転を停止させるように制御を行うことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項
前記所定の回転量は、前記電極部材を前記第2の位置に位置させてから前記中間転写ベルトの少なくとも1周であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項
前記制御部は、前記所定の回転量を、環境の湿度に関する情報に基づいて変更することが可能であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項
前記制御部は、前記所定の回転量を、前記中間転写ベルトの累積の使用量に関する情報に基づいて変更することが可能であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項
前記制御部は、前記所定の回転量を、前記一次転写部材の累積の使用量に関する情報に基づいて変更することが可能であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項
複数の前記感光体と、複数の前記感光体のそれぞれに対応して設けられた複数の前記一次転写部材と、複数の前記感光体のそれぞれに対応して設けられた複数の前記電極部材と、を有し、
前記内面清掃部材は、前記中間転写ベルトの移動方向において、最上流に位置する前記一次転写部材の上流側直近に位置する前記張架ローラよりも下流側、かつ、該最上流に位置する前記一次転写部材よりも上流側に設けられていることを特徴とする請求項1又は12に記載の画像形成装置。
【請求項
前記中間転写ベルトの移動方向におけるクリーニング領域内の単数又は複数のクリーニング部で前記中間転写ベルトの外面から付着物を除去するクリーニング装置を有し、
前記内面清掃部材は、前記中間転写ベルトの移動方向における前記クリーニング領域に対応する前記中間転写ベルトの内面に接触するように設けられていることを特徴とする請求項1又は12に記載の画像形成装置。
【請求項
前記接離機構は、前記一次転写部材を、前記中間転写ベルトの内面に接触する第3の位置と、前記中間転写ベルトの内面に接触しない第4の位置と、に移動させ、前記電極部材を前記第1の位置に位置させる場合は前記一次転写部材を前記第3の位置に位置させ、前記電極部材を前記第2の位置に位置させる場合は前記一次転写部材を前記第4の位置に位置させることを特徴とする請求項1又は12に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、電子写真方式や静電記録方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、あるいはこれらのうち複数の機能を備えた複合機などの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
電子写真方式を用いたカラー複写機、カラープリンタ、カラー複合機などの画像形成装置として、装置本体の小型化、様々な記録材への対応が比較的容易であるといった利点を有することから、中間転写方式を採用した画像形成装置が主流となっている。中間転写方式の画像形成装置は、一般的に、複数の感光ドラムと、中間転写ベルトと、を有して構成される。
このような画像形成装置では、複数の感光ドラム上に形成されたトナー像がそれぞれ一次転写部において順次中間転写ベルト上に静電的に一次転写される。また、中間転写ベルト上に一次転写されたトナー像は、二次転写部において紙などの記録材上に静電的に二次転写される。なお、一次転写部周りの部材の配置などに関して、上流、下流とは、特に別に言及しない場合、中間転写ベルトの搬送方向に関する上流、下流をいうものとする。
中間転写ベルト上のトナーは、一次転写部の下流において、中間転写ベルトと感光ドラムとの間の放電を受けて、帯電量が上昇する傾向がある。そして、中間転写ベルト上のトナーの帯電量が上昇することで、二次転写部においてトナーを記録材に転写することが難しくなることがある。例えば、表面に凹凸のあるエンボス紙などへの均一なトナーの転写が難しくなる。特に、エンボス紙の凹部へのトナー像の転写は、二次転写部において中間転写ベルトとエンボス紙との間にギャップができるため、比較的大きな転写電界が必要となることにより困難となりやすい。
ここで、特許文献1では、一次転写部の下流かつ中間転写ベルトの内周面側に導電性の当接板を設け、この当接板に感光ドラムの帯電極性と同極性のバイアスを印加する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献】特開2003-57963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような一次転写部の下流におけるトナーの帯電量の上昇を抑制するためには、一次転写部の下流における放電を抑制することが有効である。また、この放電を抑制するためには、一次転写部の下流かつ中間転写ベルトの内周面側に導電性の電極部材を配置し、この電極部材に感光ドラムの帯電極性と同極性のバイアスを印加することが有効である。特に、電極部材を中間転写ベルトの内周面に接触させて配置し、この電極部材に感光ドラムの帯電極性と同極性の電圧を印加することが有効である。
しかしながら、上記電極部材を設けた構成では、電極部材が中間転写ベルトの内周面に接触するため、中間転写ベルトの内周面に付着した付着物(異物)を電極部材が掻き取ってしまうことがある。中間転写ベルトの内周面に付着する付着物としては、例えば、一次転写ローラや二次転写内ローラからの染み出し物質に由来するものが例として挙げられる。そして、このような物質が電極材に許容範囲を超えて付着すると、電極部材の上記放電を抑制する能力が低下する可能性がある。
そこで、本発明の目的は、一次転写部の下流かつ中間転写ベルトの内周面側に配置された電極部材への付着物の付着を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、所定の極性に帯電可能であり、トナー像を担持する感光体と、複数の張架ローラにより張架され、前記感光体に接触する一次転写部で前記感光体から一次転写されたトナー像を、二次転写部で記録材に二次転写するために搬送する、周回移動可能な中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトの内面に接触して前記一次転写部を形成し、バイアスが印加されて前記一次転写部で前記感光体から前記中間転写ベルトにトナー像を転写させる一次転写部材と、前記中間転写ベルトの移動方向における前記一次転写部の下流側で前記中間転写ベルトの内面に接触するように設けられた電極部材と、前記電極部材に前記所定の極性と同極性のバイアスを印加する電源と、内面清掃部で前記中間転写ベルトの内面に接触し、前記中間転写ベルトの内面から付着物を除去する内面清掃部材と、前記中間転写ベルトを駆動する駆動部と、前記電極部材を、前記中間転写ベルトの内面に接触する第1の位置と、前記中間転写ベルトの内面に接触しない第2の位置と、に移動させる接離機構と、前記駆動部及び前記接離機構を制御可能な制御部と、を有し、前記制御部は、前記中間転写ベルトが停止した状態から前記中間転写ベルトを回転させる際に、前記電極部材を前記第2の位置に位置させた状態で前記中間転写ベルトの回転を開始させるように制御を行うことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
本発明によれば、一次転写部の下流かつ中間転写ベルトの内周面側に配置された電極部材への付着物の付着を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図】画像形成装置の概略断面図である。
【図】画像形成装置の制御系の概略ブロック図である。
【図】ベルトクリーニング装置の模式的な断面図である。
【図】電位規制部材の断面図及び斜視図である。
【図】電位規制部材の他の例の断面図である。
【図】電位規制部材の他の例の断面図である。
【図】電位規制部材の配置を説明するための断面図である。
【図】電位規制部材の配置を説明するための断面図である。
【図】電位規制部材の配置を説明するための断面図である。
【図】一次転写ローラの支持構成を説明するための模式的な断面図である。
【図】電位規制部材の支持構成を説明するための模式的な断面図である。
【図】スクレーパーユニットの構成及び配置を説明するための概略断面図である。
【図】スクレーパーユニットの構成及び配置を説明するための概略断面図である。
【図】スクレーパーユニットの構成及び配置を説明するための概略断面図である。
【図】比較例における電源ON時の動作を説明するためのフローチャート図である。
【図】実施例における電源ON時の内面清掃動作を説明するためのフローチャート図である。
【図】実施例におけるジョブの実行時の内面清掃動作を説明するためのフローチャート図である。
【図】内面清掃モードの操作画面の模式図である。
【図】内面清掃モードの動作を説明するためのフローチャート図である。
【図】評価実験の結果を示す図である。
【図】評価実験の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
まず、本実施例の画像形成装置の全体的な構成及び動作について説明する。図1は、本実施例の画像形成装置1の概略断面図である。本実施例の画像形成装置1は、電子写真方式を用いてフルカラー画像をシート状の記録材Sに形成することが可能な、中間転写方式を採用したタンデム型のフルカラープリンタである。
画像形成装置1は、プリンタ部(エンジン)2と、制御部3と、記録材Sの給送部4と、記録材Sの排出部5と、を有する。また、画像形成装置1の内部には、機内温度を検知可能な温度センサ71(図2)と、機内湿度を検知可能な湿度センサ72(図2)と、が設けられている。画像形成装置1は、画像形成装置1に設けられるか又は画像形成装置1に接続された原稿読取装置(図示せず)により取得された画像情報(画像信号)に基づいて、記録材Sに画像を形成することができる。また、画像形成装置1は、画像形成装置1に接続されたパーソナルコンピュータ(ホスト機器)、デジタルカメラ、スマートフォンなどの外部機器(図示せず)からの画像情報(画像信号)に基づいて、記録材Sに画像を形成することができる。なお、記録材(転写材、記録媒体、シート)Sは、トナーで画像が形成されるものである。記録材Sの具体例としては、普通紙、厚紙、グロスコート紙、マットコート紙、エンボス紙、あるいは普通紙などの代用品である合成樹脂製のシート(合成紙)やオーバーヘッドプロジェクタ用シート(樹脂フィルム)などがある。ここで、記録材Sを「紙」ということがあるが(「紙」、「エンボス紙」、「高抵抗紙」など)、その場合でも記録材Sは紙以外の材料あるいは紙以外の材料を含む材料で形成されたものを含む。
プリンタ部2は、給送部4から給送された記録材Sに、画像情報に基づいて画像を形成する。プリンタ部2は、画像形成ユニット(画像形成部)10y、10m、10c、10kと、トナーボトル18y、18m、18c、18kと、中間転写ユニット20と、二次転写装置26と、定着装置27と、を有する。画像形成ユニット10y、10m、10c、10kは、それぞれイエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)の各色のトナー像を形成する。なお、各色用に設けられた同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、いずれかの色用の要素であることを示す符号の末尾のy、m、c、kを省略して総括的に説明することがある。また、画像形成装置1は、所望の単色又は4色のうちいくつかの色用の画像形成ユニット10を用いて、例えばブラック単色の画像などの単色画像又はマルチカラー画像を形成することも可能である。
画像形成ユニット10は、像担持体としてのドラム型(円筒形)の感光体(電子写真感光体)である感光ドラム11(11y、11m、11c、11k)を有する。また、画像形成ユニット10は、帯電手段としてのローラ型の帯電部材である帯電ローラ12(12y、12m、12c、12k)を有する。また、画像形成ユニット10は、露光手段としての露光装置13(13y、13m、13c、13k)を有する。また、画像形成ユニット10は、現像手段としての現像装置14(14y、14m、14c、14k)を有する。また、画像形成ユニット10は、除電手段としての前露光装置16(16y、16m、16c、16k)を有する。また、画像形成ユニット10は、感光体クリーニング手段としてのドラムクリーニング装置17(17y、17m、17c、17k)を有する。画像形成ユニット10は、感光ドラム11上にトナー像を形成する。感光ドラム11に形成されたトナー像は、後述する中間転写ベルト6に転写される。
感光ドラム11は、静電像(静電潜像)やトナー像を担持して移動可能(回転可能)である。本実施例では、感光ドラム11は、外径30[mm]の負帯電性の有機感光体(OPC)である。この感光ドラム11は、基体としてのアルミニウム製のシリンダと、その表面に形成された表面層と、を有する。本実施例では、表面層として、基体上に次の順番で塗布されて積層された、下引き層と、光電荷発生層と、電荷輸送層と、の3層を有する。画像形成動作が開始されると、感光ドラム11は、駆動手段としてのドラム駆動部91(図2)の駆動モータから伝達される駆動力によって、所定の周速度(プロセススピード)で、図中矢印R1方向(反時計回り方向)に回転駆動される。
回転する感光ドラム11の表面は、帯電ローラ12によって均一に帯電処理される。本実施例では、帯電ローラ12は、感光ドラム11の表面に接触し、感光ドラム11の回転に伴って従動して回転するゴムローラである。帯電ローラ12には、帯電バイアス印加手段(帯電バイアス印加部)としての帯電電源73(73y、73m、73c、73k)(図2)が接続されている。帯電処理時に、帯電電源73は、帯電ローラ12に、所定の帯電バイアス(帯電電圧)を印加する。
帯電処理された感光ドラム11の表面は、露光装置13によって画像情報に基づいて走査露光され、感光ドラム11上に静電像が形成される。本実施例では、露光装置13は、レーザスキャナである。露光装置13は、制御部3から出力される分解色の画像情報に従ってレーザー光を発し、感光ドラム11の表面(外周面)を走査露光する。
感光ドラム11上に形成された静電像は、現像装置14によってトナーが供給されることで現像(可視化)され、感光ドラム11上にトナー像(トナー画像、現像剤像)が形成される。本実施例では、現像装置14は、現像剤としてトナー(非磁性トナー粒子)とキャリア(磁性キャリア粒子)とを備えた二成分現像剤を用いる二成分現像装置である。現像装置14の現像容器(現像容器本体)14bには、二成分現像剤が収容されており、消費されたトナーに見合う量のトナーがトナーボトル18から補給される。現像装置14は、現像部材(現像剤担持体)としての現像スリーブ14aを有する。現像スリーブ14aの内側には、磁界発生手段(磁界発生部材)としてのローラ状のマグネットであるマグネットローラ(図示せず)が、現像容器14bに対して回転しないように固定して配置されている。現像スリーブ14bは、二成分現像剤を担持して、感光ドラム11と対向する現像領域に搬送する。そして、現像領域において、現像スリーブ14a上の二成分現像剤から感光ドラム11上の静電像の画像部に、トナーが移動して付着する。現像スリーブ14aには、現像バイアス印加手段(現像バイアス印加部)としての現像電源74(74y、74m、74c、74k)(図2)が接続されている。現像時に、現像電源74は、現像スリーブ14aに、所定の現像バイアス(現像電圧)を印加する。本実施例では、一様に帯電処理された後に露光されることで電位の絶対値が低下した感光ドラム11上の露光部(イメージ部)に、感光ドラム11の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーが付着する(反転現像方式)。本実施例では、現像時のトナーの主要な帯電極性であるトナーの正規の帯電極性は負極性である。
4つの感光ドラム11y、11m、11c、11kに対向するように、中間転写ユニット20が配置されている。中間転写ユニット20は、中間転写体としての無端状のベルトで構成された中間転写ベルト6を有する。中間転写ベルト6は、複数の張架ローラとしての駆動ローラ21、テンションローラ22及び二次転写内ローラ23に巻き掛けられて張架されている。中間転写ベルト6は、トナー像を担持して移動可能(回転可能)である。駆動ローラ21は、駆動手段としてのベルト駆動部92(図2)の駆動モータから伝達される駆動力によって回転駆動される。中間転写ベルト6は、駆動ローラ21が回転駆動されることで駆動力が伝達され、感光ドラム11の周速度に対応する所定の周速度で図中矢印R2方向(時計回り方向)に回転(周回移動)する。テンションローラ22は、中間転写ベルト6の張力を一定に制御する。テンションローラ22は、付勢手段としての付勢部材である圧縮コイルバネで構成されたテンションバネ(図示せず)の付勢力によって、中間転写ベルト6を内周面(裏面)側から外周面(表面)側へ押し出すような力が加えられている。この力によって、中間転写ベルト6には、その搬送方向(プロセス進行方向、移動方向)に2~5kgf程度の張力が掛けられている。二次転写内ローラ23は、後述する二次転写外ローラ25と共に、二次転写装置26を構成する。中間転写ベルト6の内周面側には、各感光ドラム11y、11m、11c、11kに対応して、一次転写手段としてのローラ型の一次転写部材である一次転写ローラ15y、15m、15c、15kがそれぞれ配置されている。本実施例では、一次転写ローラ15は、感光ドラム11に対向して配置され、感光ドラム11との間で中間転写ベルト6を挟持する。一次転写ローラ15は、感光ドラム11に向けて押圧され、中間転写ベルト6を介して感光ドラム11に当接して、感光ドラム11と中間転写ベルト6との当接部である一次転写部(一次転写ニップ部)N1を形成する。駆動ローラ21及び二次転写内ローラ23はそれぞれ、芯金と、芯金の周囲に形成された弾性層と、を有し、弾性層の材料にはEPDMゴム(エチレンプロピレンジエンゴム)が使用されている。駆動ローラ21以外の張架ローラ及び各一次転写ローラ15は、中間転写ベルト6の回転に伴って従動回転する。なお、張架ローラの数は、本実施例における数に限定されるものではなく、例えばより多くてもよい。
感光ドラム11上に形成されたトナー像は、一次転写部N1において、一次転写ローラ15の作用によって、回転している中間転写ベルト6上に転写(一次転写)される。例えば、フルカラー画像の形成時には、各感光ドラム11に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が、中間転写ベルト6上に順次重ね合わされるようにして多重転写される。一次転写ローラ15には、一次転写バイアス印加手段(一次転写バイアス印加部)としての一次転写電源75(75y、75m、75c、75k)(図2)が接続されている。一次転写時に、一次転写電源75は、一次転写ローラ15に、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である一次転写バイアス(一次転写電圧)を印加する。これにより、感光ドラム11上の負極性のトナーからなるトナー像が、中間転写ベルト6上に一次転写される。
一次転写電源75には、その出力電圧を検知する電圧検知手段(電圧検知部)としての電圧検知センサ75a(図2)と、その出力電流を検知する電流検知手段(電流検知部)としての電流検知センサ75b(図2)と、が接続されている。本実施例では、例えば1~2[kV]程度の一次転写バイアスが一次転写ローラ15に印加される(「~」はその前後の数値を含む範囲を示す。以下同様。)。また、本実施例では、一次転写時に、一次転写バイアスは定電圧制御される。本実施例では、一次転写電源75y、75m、75c、75kは、各一次転写ローラ15y、15m、15c、15kのそれぞれに対して独立して設けられている。そして、本実施例では、各一次転写ローラ15y、15m、15c、15kに印加する一次転写電圧は、個別に制御することが可能である。
ここで、本実施例では、一次転写ローラ15は、芯金と、芯金の周囲に形成されたイオン導電系発泡ゴム(NBR(ニトリルゴム)+ECOゴム(エピクロロヒドリンゴム))の弾性層と、を有する。一次転写ローラ15の外径は、例えば、15~20[mm]である。また、一次転写ローラ15としては、電気抵抗値が1×10~1×10[Ω](N/N(23℃、50%RH)測定、1[kV]印加)のローラを好適に使用することができる。
また、本実施例では、中間転写ベルト6は、基層と、表層と、が内周面側から外周面側へとこの順番で積層された2層構造を有する無端状のベルトである。基層を構成する材料としては、ポリイミドやポリカーボネートなどの樹脂であり、帯電防止剤としてカーボンブラックを適当量含有させた材料を好適に用いることができる。基層の厚さは、例えば、0.05~0.15[mm]である。また、表層を構成する材料としては、カーボンブラックにより導電性を付与したCRゴム(クロロプレンゴム)などを好適に用いることができる。表層の厚さは、例えば、0.200~0.300[mm]である。本実施例では、中間転写ベルト6の体積抵抗率は、5×10~1×1014[Ω・cm](23℃、50%RH)である。なお、中間転写ベルト6は、本実施例では2層構造であるが、例えば上記の基層に相当する材料の単層構成であってもよい。また、表層を、フッ素樹脂やシリコンを含む厚さ0.002~0.01[mm]程度の樹脂コート層としてもよい。また、中間転写ベルト6は、3層以上の多層構成であってもよい。
中間転写ベルト6の外周面側には、二次転写手段としてのローラ型の二次転写部材である二次転写外ローラ25が配置されている。二次転写部材としての二次転写外ローラ25は、対向部材(対向電極)としての二次転写内ローラ23と共に二次転写装置26を構成する。二次転写外ローラ25は、二次転写内ローラ23に向けて押圧され、中間転写ベルト6を介して二次転写内ローラ23に当接して、中間転写ベルト6と二次転写外ローラ25との当接部である二次転写部(二次転写ニップ部)N2を形成する。中間転写ベルト6上に形成されたトナー像は、二次転写部N2において、二次転写装置26の作用によって、中間転写ベルト6と二次転写外ローラ25とに挟持されて搬送されている記録材S上に転写(二次転写)される。二次転写外ローラ25には、二次転写バイアス印加手段(二次転写バイアス印加部)としての二次転写電源76(図2)が接続されている。二次転写時に、二次転写電源76は、二次転写外ローラ25に、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である二次転写バイアス(二次転写電圧)を印加する。これにより、中間転写ベルト6上の負極性のトナーからなるトナー像が、記録材S上に二次転写される。二次転写電源76には、その出力電圧を検知する電圧検知手段(電圧検知部)としての電圧検知センサ76a(図2)と、その出力電流を検知する電流検知手段(電流検知部)としての電流検知センサ76b(図2)と、が接続されている。また、二次転写内ローラ23の芯金は、接地電位に接続(電気的に接地)されている。本実施例では、例えば1~6.5[kV]程度の二次転写バイアスが二次転写外ローラ25に印加され、15~100[μA]程度の二次転写電流が二次転写部N2に流されることで、中間転写ベルト6上のトナー像が記録材S上に二次転写される。本実施例では、二次転写時に、二次転写バイアスは定電圧制御される。なお、二次転写部材としての二次転写内ローラ23に二次転写電源76からトナーの正規の帯電極性と同極性の直流電圧である二次転写バイアスを印加して、対向部材としての二次転写外ローラ25を接地電位に接続する構成としてもよい。
記録材Sは、中間転写ベルト6に対するトナー像の形成動作と並行して、給送部4から二次転写部N2に向けて搬送される。記録材Sは、給送部4の記録材収容部としてのカセット41に収容されている。カセット41に収容された記録材Sは、給送部4の給送部材としての給送ローラ42などによって1枚ずつ分離されてカセット41から送り出される。この記録材Sは、給送部4の搬送部材としての搬送ローラ43などによって、記録材Sの搬送経路44に設けられた搬送部材としてのレジストローラ(レジストローラ対)19まで搬送される。そして、この記録材Sは、レジストローラ19によって、中間転写ベルト6上のトナー像とタイミングが合わされて、二次転写部N2へと搬送される。
ここで、本実施例では、二次転写外ローラ25は、芯金と、芯金の周囲に形成されたイオン導電系発泡ゴム(NBR+ECOゴム)の弾性層と、を有する。二次転写外ローラ25の外径は、例えば、20~25[mm]である。また、二次転写外ローラ25としては、電気抵抗値が1×10~1×10[Ω](N/N(23℃、50%RH)測定、1[kV]印加)のローラを好適に使用することができる。
トナー像が転写された記録材Sは、定着手段としての定着装置27へと搬送される。定着装置27は、定着ローラ27aと、加圧ローラ27bと、を有する。定着ローラ27aは、加熱手段としてのヒータを内蔵している。加圧ローラ27bは、定着ローラ27aに圧接して定着部(定着ニップ部)を形成する。定着装置27は、未定着のトナー像を担持した記録材Sを、定着ローラ27aと加圧ローラ27bとの間に挟持して搬送することで加熱及び加圧して、トナー像を記録材S上に定着(溶融、固着)させる。なお、定着ローラ27aの温度(定着温度)は、定着温度センサ77(図2)によって検知される。トナー像が定着された記録材Sは、排出部5において、排出ローラ51などによって搬送されて、排出口(図示せず)から画像形成装置1の装置本体1aの外部に設けられた排出トレイ52上へと排出(出力)される。
一次転写後の感光ドラム11の表面は、前露光装置16によって除電される。また、一次転写時に中間転写ベルト6に転写されずに感光ドラム11上に残留したトナー(一次転写残トナー)は、ドラムクリーニング装置17によって感光ドラム11上から除去されて回収される。本実施例では、ドラムクリーニング装置17は、クリーニング部材としてのクリーニングブレードによって、回転する感光ドラム11の表面から一次転写残トナーを掻き取って、回収容器(図示せず)に回収する。クリーニングブレードは、感光ドラム11に対して所定の押圧力で当接する板状の部材である。クリーニングブレードは、その自由端部側の先端が感光ドラム11の回転方向の上流側を向くように、感光ドラム11の回転方向に対してカウンター方向で感光ドラム11の表面に当接する。
また、二次転写時に記録材Sに転写されずに中間転写ベルト6上に残留したトナー(二次転写残トナー)などの付着物は、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置24によって中間転写ベルト6上から除去されて回収される。ベルトクリーニング装置24は、中間転写ベルト6の回転方向において、二次転写部N2よりも下流側かつ一次転写部N1(最上流の一次転写部N1Y)よりも上流側に配置されている。本実施例では、ベルトクリーニング装置24は、中間転写ベルト6上のトナーを静電的に回収する静電クリーニング方式を採用している。ここで、図3(a)、(b)を参照して、ベルトクリーニング装置24について更に説明する。図3(a)、(b)は、それぞれベルトクリーニング装置24の一例の構成を示す模式的な断面図である。
図3(a)に示すベルトクリーニング装置24について説明する。ベルトクリーニング装置24は、中間転写ベルト6の近傍に配置されたハウジング244を有する。ハウジング244の内部には、第1、第2のクリーニング部材としての第1、第2のファーブラシ241a、241b、第1、第2の回収部材としての第1、第2のバイアスローラ242a、242b、第1、第2の掻き取り部材としての第1、第2のブレード243a、243b、トナー搬送部材としての回収トナースクリュー245が設けられている。
第1、第2のファーブラシ241a、241bは、それぞれ中間転写ベルト31に接触するように配置されており、図中矢印R3方向に回転する。中間転写ベルト6を介して第1、第2のファーブラシ241a、241bに対向する位置には、第1、第2のクリーニング対向ローラ61、62が配置されており、第1、第2のファーブラシ241a、241bは、中間転写ベルト6を介して第1、第2のクリーニング対向ローラ61、62に当接する。第1のファーブラシ241aと中間転写ベルト6の外周面(外面)との接触部が第1のクリーニング部CL1であり、第2のファーブラシ241bと中間転写ベルト6の外周面(外面)との接触部が第2のクリーニング部CL2である。中間転写ベルト6の移動方向において、第1のファーブラシ241aは第2のファーブラシ241bよりも上流側に位置する。第1、第2のバイアスローラ242a、242bは、それぞれ第1、第2のファーブラシ241a、241bに接触するように配置されており、図中矢印R4方向に回転する。第1、第2のブレード243a、243bは、それぞれ第1、第2のバイアスローラ242a、242bに当接するように配置されている。
第1、第2のファーブラシ241a、241bは、それぞれ回転することで中間転写ベルト6の表面を摺擦する。また、第1、第2のファーブラシ241a、241bには、第1、第2のバイアスローラ242a、242bを介して所定のクリーニングバイアス(クリーニング電圧)が印加される。例えば、第1のファーブラシ241aにはトナーの正規の帯電極性と同極性である負極性のクリーニングバイアスが印加され、第2のファーブラシ241bにはトナーの正規の帯電極性とは逆極性である正極性のクリーニングバイアスが印加される。第1、第2のクリーニング対向ローラ61、62は接地電位に接続されている。この場合、中間転写ベルト6の表面の正極性のトナーは、第1のファーブラシ241aに電気的に吸着されて第1のファーブラシ241aに移動し、更に第1のバイアスローラ242aに移動した後に、第1のブレード243aにより第1のバイアスローラ242aから掻き落とされる。また、中間転写ベルト6の表面の負極性のトナーは、第2のファーブラシ241bに電気的に吸着されて第2のファーブラシ241bに移動し、更に第2のバイアスローラ242bに移動した後に、第2のブレード243bにより第2のバイアスローラ242aから掻き落とされる。第1、第2のバイアスローラ242a、242bから掻き落とされたトナーは、ハウジング244内に収容される。ハウジング244内に収容されたトナーは、回収トナースクリュー245によって搬送されて、ハウジング244から排出され、画像形成装置1内に配置された回収トナー容器(図示せず)へと搬送されて回収される。
図3(b)に示すベルトクリーニング装置24は、図3(a)に示すベルトクリーニング装置24の構成に加えて、第3のファーブラシ241cと、第3のバイアスローラ242cと、第3のブレード243cと、を有する。第3のファーブラシ241c、第3のバイアスローラ242c、第3のブレード243cの構成及び機能は、例えば、第1のファーブラシ241a、第1のバイアスローラ242a、第1のブレード243aのものと同様である。ただし、第3のファーブラシ241cは、中間転写ベルト6を介して、対向ローラとして機能する駆動ローラ21に当接する。第3のファーブラシ241cと中間転写ベルト6との接触部が第3のクリーニング部CL3である。中間転写ベルト6の移動方向において、第3のファーブラシ241cは第2のファーブラシ241bよりも下流側に位置する。第3のファーブラシ241cには、例えば、トナーの正規の帯電極性と同極性である負極性のクリーニングバイアスが印加される。
なお、各画像形成ユニット10において、例えば、感光ドラム11、帯電ローラ12、現像装置14、前露光装置16及びドラムクリーニング装置17は、一体的に装置本体1aに対して着脱可能なカートリッジ(プロセスカートリッジ)を構成していてよい。また、本実施例では、中間転写ベルト6、中間転写ベルト6の張架ローラ、各一次転写ローラ15、ベルトクリーニング装置24及び後述する各電位規制部材8などによって中間転写ユニット20が構成される。中間転写ユニット20は、一体的に装置本体1aに対して着脱可能とされていてよい。
2.制御構成
図2は、本実施例の画像形成装置1の制御系の概略構成を示すブロック図である。画像形成装置1には、制御手段としての制御部3(制御回路)が設けられている。制御部3は、演算処理手段(演算処理部)としてのCPU31、記憶手段(記憶部)としてのROM32やRAM33、制御部3と外部のデバイスとの間での信号の入出力を行う入出力回路(I/F)(図示せず)などを有して構成される。ROM32は、画像形成装置1の各部を制御するプログラムなどを記憶する。RAM33は、制御に関するデータなどを一時的に記憶する。CPU31は、画像形成装置1の制御全体を司るマイクロプロセッサであり、システムコントローラの主体である。CPU31は、給送部4、プリンタ部2、排出部5などの各部と接続され、これら各部と信号をやり取りすると共に、これら各部の動作を制御する。ROM32には、記録材Sに画像を形成するための画像形成制御シーケンスなどが記憶されている。
制御部3には、例えば、帯電電源73、現像電源74、一次転写電源75、二次転写電源76、後述する電位規制電源80などが接続されており、これらはそれぞれ制御部3からの信号により制御される。なお、図示は省略されているが、本実施例では、帯電電源73、現像電源74、一次転写電源75及び電位規制電源80は、それぞれ各画像形成ユニット10に対して独立して設けられている。また、制御部3には、ドラム駆動部91、ベルト駆動部92などの各種駆動部が接続されており、これらはそれぞれ制御部3からの信号により制御される。また、制御部3には、温度センサ71、湿度センサ72が接続されている。また、制御部3には、一次転写電源75の電圧検知センサ75a及び電流検知センサ75b、二次転写電源76の電圧検知センサ76a及び電流検知センサ76b、定着温度センサ77などが接続されている。各センサの検知結果を示す信号(情報)は、制御部3に入力される。また、制御部3には、後述する接離機構29が接続されており、これは制御部3からの信号により制御される。なお、図示は省略されているが、本実施例では、接離機構29は、各画像形成ユニット10に対して独立して設けられている。
また、制御部3には、操作部70が接続されている。操作部70は、入力手段としての操作ボタン(キー)などで構成された入力部と、表示手段としての液晶パネル(ディスプレイ)などで構成された表示部70aと、を有する。なお、本実施例では、表示部70aは、タッチパネルとして構成されており、入力手段としての機能も有している。ユーザーやサービス担当者などの操作者は、操作部70を操作することで、画像形成装置1にジョブ(後述)を実行させることが可能である。制御部3は、操作部70からの信号を受けて、画像形成装置1の各種デバイスを動作させる。また、画像形成装置1は、操作部70からではなく、例えばパーソナルコンピュータなどの外部機器からの信号に応じてジョブを実行することも可能である。
ここで、画像形成装置1は、1つの開始指示により開始される単数又は複数の記録材Sに画像を形成して出力する一連の動作であるジョブ(プリントジョブ)を実行する。ジョブは、一般に、画像形成工程、前回転工程、複数の記録材Sに画像を形成する場合の紙間工程、及び後回転工程を有する。画像形成工程は、感光ドラム11上や中間転写ベルト6上の記録材Sに転写される画像が形成され得る画像形成領域に関して、静電像の形成、トナー像の形成、トナー像の一次転写、二次転写を行う期間である。画像形成時(画像形成期間)とは、この期間のことをいう。より詳細には、これら静電像の形成、トナー像の形成、トナー像の一次転写、二次転写の各工程を行う位置で、画像形成時のタイミングは異なる。前回転工程は、開始指示が入力されてから記録材Sに転写される画像の形成(露光)が開始されるまでの、画像形成工程の前の準備動作を行う期間である。紙間工程(記録材間工程、画像間工程)は、複数の記録材Sに対する画像形成を連続して行う際(連続プリント、連続画像形成)の記録材Sと記録材Sとの間に対応する期間である。後回転工程は、画像形成工程の後の整理動作(準備動作)を行う期間である。非画像形成時(非画像形成期間)とは、画像形成時以外の期間であって、上記前回転工程、紙間工程、後回転工程、更には画像形成装置1の電源投入時又はスリープ状態からの復帰時の準備動作である前多回転工程などが含まれる。
3.二次転写性の課題
次に、二次転写性の課題について更に説明する。なお、便宜上、電圧や電位の大小(高低)は、特に別に言及しない場合、絶対値で比較した場合の大小(高低)をいうものとする。また、一次転写部N1、感光ドラム11、一次転写ローラ15、後述する電位規制部材8の配置などに関して、上流、下流とは、特に別に言及しない場合、中間転写ベルト6の搬送方向(プロセス進行方向、移動方向)に関する上流、下流をいうものとする。
前述のように、中間転写ベルト6上のトナーは、一次転写部N1の下流において、中間転写ベルト6と感光ドラム11との間の放電を受けて、帯電量が上昇する傾向がある。本発明者らが検討を進めたところ、中間転写ベルト6上のトナーの帯電量が上昇することで、中間転写ベルト6との間の鏡映力が上昇し、二次転写部N2においてトナーを記録材Sに転写することが難しくなることがわかった。例えば、表面に凹凸のあるエンボス紙などへ均一にトナーを転写することは、二次転写部N2において中間転写ベルト6と紙との間にギャップが生じ、比較的大きな二次転写電界が必要なことなどから難しい。そのため、中間転写ベルト6上のトナーの帯電量が上昇すると、表面に凹凸のあるエンボス紙などへのトナーの転写が更に難しくなる。なお、エンボス紙とは、紙の表面に浮き出しや型押しなどの方法を用いて凹凸による模様をつけた紙(ファンシーペーパー)である。また、合成樹脂を主体とする合成紙や樹脂フィルムなどの比較的電気抵抗の高い記録材(高抵抗紙)などについても、上記エンボス紙などと同様に、中間転写ベルト6上のトナーの帯電量が上昇するとトナーの転写が更に難しくなる。
上述のような一次転写部N1の下流におけるトナーの帯電量の上昇を抑制するためには、一次転写部N1の下流における放電を抑制することが有効である。そのためには、一次転写後の感光ドラム11と中間転写ベルト6との間の電位差を小さくすることが有効である。そして、一次転写部N1の下流における放電を抑制するためには、一次転写部N1の下流かつ中間転写ベルト6の内周面側に導電性の電極部材である電位規制部材を配置し、この電位規制部材に感光ドラム11の帯電極性と同極性のバイアスを印加することが有効であることがわかった。特に、電位規制部材8を中間転写ベルト6の内周面に接触させて配置し、この電位規制部材8に感光ドラム11の帯電極性と同極性の電圧を印加することで、より効果的に上記放電を抑制できる。
また、上記放電は、一次転写部N1から下流側に0.3~1.5[mm]程度までの範囲で起こることが多い。これに対して、電位規制部材8に感光ドラム11の帯電極性と同極性の電圧を印加することで、感光ドラム11と電位規制部材8との間の空間に形成される電界の作用により、上記放電を抑制することができるものと考えられる。そして、中間転写ベルト6の搬送方向において、電位規制部材8を中間転写ベルト6に点(線)で接触させる場合よりも、電位規制部材8を中間転写ベルト6に幅を持って面で接触させる場合の方が、上記放電を抑制する効果が大きい。また、電位規制部材8を中間転写ベルト6に面で接触させることにより、中間転写ベルト6と電位規制部材8との接触状態を安定させることができる。これは、中間転写ベルト6と電位規制部材8との間で静電的な吸着力が働くためであると考えられる。
このように、電位規制部材8を中間転写ベルト6に面接触させることがより好ましい。ここで、面接触(面で接触)するとは、詳しくは後述する接触幅(5~50[mm]程度)よりも狭い範囲で中間転写ベルト6の搬送方向と交差する方向に線状にのみ接触する場合は含まないことを意味する。したがって、例えば、詳しくは後述する接触幅において実質的に全領域が連続して密着している場合だけではなく、不織布などのように多数の接触点が上記範囲に実質的に一様に分布していることも含むものである。
4.電位規制部材
次に、本実施例における電位規制部材8の構成について説明する。図1に示すように、本実施例の画像形成装置1は、各一次転写部N1y、N1m、N1c、N1kの下流において、中間転写ベルト6の内周面に接触するようにそれぞれ配置された、電極部材である電位規制部材8y、8m、8c、8kを有する。本実施例では、各一次転写部N1y、N1m、N1c、N1kに対して設けられる電位規制部材8y、8m、8c、8kの構成は、実質的に同一である。
本実施例における電位規制部材8の形状について説明する。図4(a)は、本実施例における電位規制部材8の断面図である(感光ドラム11の回転軸線方向と略直交する断面を示す)。また、図4(b)は、本実施例における電位規制部材8の斜視図である。
本実施例では、電位規制部材8は、中間転写ベルト6の幅方向(搬送方向と略直交する方向、感光ドラム11の回転軸線方向と略平行な方向)に沿って配置される平面状の第1の部分81を有する。また、本実施例では、電位規制部材8は、中間転写ベルト6の幅方向に沿って配置され、第1の部分81の平面と交差(本実施例では略直交)する方向に延びる平面状の第2の部分82を有する。本実施例では、電位規制部材8の第1の部分81における中間転写ベルト6の内周面に接触する接触部である接触面83は平面である。つまり、本実施例では、電位規制部材8の接触面83を構成する第1の部分81は平板である。
ここで、感光ドラム11の回転軸線方向と略直交する断面において、接触面83の上流側の端部を「A(あるいは上流端A)」、接触面83の下流側の端部を「B(あるいは下流端B)」と定義する。本実施例では、接触面83の上流端Aは電位規制部材8の上流側の端部に対応し、接触面83の下流端Bは電位規制部材8の下流側の端部に対応する。上述のように、感光ドラム11と電位規制部材8との間の空間に形成される電界の作用により、より効果的に中間転写ベルト6と感光ドラム11との間の放電を抑制するためには、電位規制部材8を中間転写ベルト6に面接触させることが好ましい。この観点から、線分AB間の長さ、すなわち、接触面83の中間転写ベルト6の搬送方向における長さである「接触幅」は、5[mm]以上であることが好ましい。線分AB間の長さが長いほど、上記放電を抑制する効果が大きくなるが、長くしすぎると部品精度などの影響により、電位規制部材8を中間転写ベルト6に安定して接触させるのが難しくなることが考えられる。線分AB間の長さは、50[mm]以下で十分であることが多く、典型的には30[mm]以下である。つまり、線分AB間の長さは、5~50[mm]程度が好適であり、典型的には5~30[mm]程度である。別の観点から、線分AB間の長さは、感光ドラム11の回転軸線方向と略直交する断面において、隣接する感光ドラム11の軸間距離の半分以下で十分であることが多いといえる。本実施例では、線分AB間の長さが25[mm]の電位規制部材8を使用している。なお、本実施例では、感光ドラム11の回転軸線方向と略直交する断面における感光ドラム11間の軸間距離は100[mm]程度である。
電位規制部材8には、電位規制バイアス印加手段(電位規制バイアス印加部)としての電位規制電源80が接続されている。本実施例では、電位規制部材8の第2の部分82に電位規制電源80が接続されている。画像形成動作中の少なくとも一次転写時に、電位規制部材8には、電位規制電源80により、感光ドラム11の帯電極性と同極性の直流電圧である電位規制バイアス(電位規制電圧)が印加される。一次転写時は、より詳細には、一次転写バイアスが印加されている期間、更に具体的には、中間転写ベルト6上の画像形成領域(トナー像が転写され得る領域)が一次転写部N1を通過している期間である。これによって、一次転写部N1の下流における中間転写ベルト6と感光ドラム11との間の電位差を小さくし、一次転写部N1の下流における中間転写ベルト6と感光ドラム11との間の放電を抑制することができる。本実施例では、電位規制バイアスは負極性の直流電圧である。また、本実施例の構成では、電位規制バイアスは、-500~-5000[V]程度が好適であり、-1000~-3000[V]程度がより好ましい。なお、本実施例では、電位規制バイアスは定電圧制御されるが、電位規制バイアスは定電流制御されてもよい。なお、定電流制御とは、供給対象に供給される電流が目標電流で略一定となるように電源の出力を調整する制御である。また、定電圧制御とは、印加対象に印加される電圧が目標電圧で略一定となるように電源の出力を調整する制御である。
電位規制部材8は、中間転写ベルト6の幅方向に長い部材である。電位規制部材8の接触面83の長手方向(中間転写ベルト6の幅方向に沿う方向)の長さは、中間転写ベルト6の幅方向における最大画像幅よりも長いことが好ましい。なお、最大画像幅は、中間転写ベルト6の幅方向における、画像形成装置1で形成可能な最大の画像の画像形成領域の長さである。本実施例では、電位規制部材8の接触面83の長手方向の長さは、上記最大画像幅よりも長く、かつ、中間転写ベルト6の幅方向における一次転写ローラ15が中間転写ベルト6に接触する幅よりも長い。つまり、本実施例では、上記最大画像幅の範囲、及び中間転写ベルト6の幅方向における一次転写ローラ15が中間転写ベルト6に接触する幅の範囲は、いずれも電位規制部材8の接触面83の長手方向の長さの範囲の内側に収まる。これにより、中間転写ベルト6に転写されるトナー像の中間転写ベルト6の幅方向における長さによらず、上述の放電を抑制することによる中間転写ベルト6上のトナーの帯電量の上昇を抑制する効果を得ることができる。一方、本実施例では、電位規制部材8の長手方向の長さは、中間転写ベルト6の幅よりも短い。つまり、本実施例では、電位規制部材8の長手方向の長さの範囲は、中間転写ベルト6の幅の範囲の内側に収まる。これにより、電位規制部材8の長手方向の端部が中間転写ベルト6の幅方向の端部よりも突出している場合に発生し得る、電位規制部材8と中間転写ベルト6の周囲の部材などとの間の放電を抑制することができる。その結果、上述の中間転写ベルト6と感光ドラム11との間の放電を抑制する効果が小さくなる可能性を低減することができる。
電位規制部材8は、例えば、導電性を有する1つの材料(材質)で構成することができ、電位規制部材8を構成する材料としては、金属、樹脂、布、不織布などを用いることができる。本実施例では、電位規制部材8は、実質的にSUS(ステンレス鋼)などの導電性を有する金属のみで構成されている。より詳細には、本実施例では、電位規制部材8は、SUSなどの金属製の板材(板金)に曲げ加工を施して第1の部分81と第2の部分82とを形成することで構成されている。このように曲げ加工を施すことで、電位規制部材8の強度を増すことができる。本実施例では、電位規制部材8は、第1の部分81及び第2の部分82のいずれも、画像形成装置1の使用状態において実質的に変形しない。ただし、本発明は斯かる態様に限定されるものではなく、電位規制部材8は、2つ以上の材料で構成されていてもよい。
図5は、電位規制部材8の他の例の断面図である(感光ドラム11の回転軸線方向と略直交する断面を示す)。例えば、図5に示すように、図4に示す電位規制部材8と同様の形状を有する基部84と、基部84の表面に設けられた表面層85と、を有する構成とすることができる。中間転写ベルト6に接触する接触面83及び電位規制電源80との接続部を構成する表面層85は、導電性の材料、例えば、金属や導電性の樹脂で構成する。基部84は、導電性の材料で構成してもよいが、非導電性の材料、例えば、非導電性の樹脂などで構成してもよい。基部84と表面層85とは、接着剤による接着、溶着などの任意の固定手段により固定することができる。
また、図6は、電位規制部材8の更に他の例の断面図である(感光ドラム11の回転軸線方向と略直交する断面を示す。)。例えば、図6に示すように、電位規制部材8の中間転写ベルト6に接触する接触面83が、導電性の不織布86で構成されていてもよい。なお、図6では、図5に示す構成の電位規制部材8における接触面83の上に導電性の不織布86が設けられているが、図4に示す構成の電位規制部材8における接触面83の上に導電性の不織布86を設けてもよい。導電性の不織布86は、導電性の接着剤による接着などの任意の固定手段により固定することができる。また、不織布86の代わりに、例えば、次のようなものを用いてもよい。導電性の繊維を用いて構成されたフェルトやパイル織物(カットパイル生地(ベルベット、ブラシ)やループパイル生地(タオル地))、あるいは導電性のゴム材料などを用いて構成されたスポンジ(発泡弾性体)などである。このように、電位規制部材8の中間転写ベルト6に接触する接触面83を可撓性又は弾性を有する材料で構成することで、中間転写ベルト6の内周面と電位規制部材8との摺擦によって中間転写ベルト6の内周面に傷が発生する可能性を低減することができる。
5.電位規制部材の配置
次に、本実施例における電位規制部材8の配置について説明する。図7は、中間転写ベルト6の搬送方向において隣接する2つの一次転写部N1間に設けられた電位規制部材8の配置を説明するための断面図である(感光ドラム11の回転軸線方向と略直交する断面を示す。)。図7には、一例として、シアン、ブラックの各一次転写部N1c、N1kの間に設けられた(すなわち、シアンの一次転写部N1cに対して設けられた)電位規制部材8cが示されている。
感光ドラム11の外径は例えば30[mm]、一次転写ローラ15の外径は例えば18[mm]、中間転写ベルト6の厚さは例えば0.350[mm]とされる。本実施例では、一次転写ローラ15は、感光ドラム11に対して下流側にオフセットされて配置されている。本実施例では、オフセット量X1は3[mm]である。なお、オフセット量X1は、感光ドラム11の回転軸線方向と略直交する断面において、複数の感光ドラム11の中間転写ベルト6に接触する側の共通の接線に沿う方向における、感光ドラム11の回転中心と一次転写ローラ15の回転中心との間の距離である。
ここで、電位規制部材8の配置を説明するために、電位規制部材8を取り外した場合を仮定する。感光ドラム11の回転軸線方向と略直交する断面において、電位規制部材8がない場合の一次転写部N1の下流における中間転写ベルト6の内周面側の張り面が通る直線を直線Lと定義する。なお、より詳細には、この直線Lは、画像形成動作中の状態(中間転写ベルト6が画像形成可能な張架形態とされている状態)の画像形成装置1の構成から実質的に電位規制部材8のみを取り外した状態(ただし、感光ドラム11及び中間転写ベルト6は停止している。)での上記張り面に相当する。また、直線L上において、中間転写ベルト6の内周面が、電位規制部材8の上流側直近の張架部材から離れる箇所を「C(あるいは上流張架部C)」、電位規制部材8の下流側直近の張架部材から離れる箇所を「D(あるいは下流張架部D)」と定義する。なお、図7では模式的に直線Lは略水平に示されているが、一次転写ローラ15の弾性層が変形するなどして一次転写ローラ15の表面が感光ドラム11側に持ち上げられている場合には、直線Lは下流側に行くほど図中下方に下がるように傾斜していてよい。
図7に示すように、本実施例では、電位規制部材8の上流側直近の張架部材は一次転写ローラ15であり、中間転写ベルト6が一次転写ローラ15から離れる箇所の中間転写ベルト6の内周面上の位置が上流張架部Cである。ただし、電位規制部材8の上流側直近の張架部材は、一次転写ローラ15に限定されるものではない。例えば、図8に示すように、一次転写ローラ15が感光ドラム11に対して上流側にオフセットされて配置されている場合は、中間転写ベルト6が感光ドラム11から離れる箇所に対応する箇所の中間転写ベルト6の内周面上の位置が上流張架部Cである。
また、図7に示すように、本実施例では、電位規制部材8の下流側直近の張架部材は、イエロー、マゼンタ、シアンの一次転写部N1y、N1m、N1cに対しては、それぞれの下流側に隣接して配置された感光ドラム11m、11c、11kである。そして、それぞれ中間転写ベルト6が感光ドラム11m、11c、11kから離れる箇所に対応する箇所の中間転写ベルト6の内周面上の位置が下流張架部Dである。ただし、電位規制部材8の下流側直近の張架部材は、感光ドラム11に限定されるものではない。例えば、図8に示すように、一次転写ローラ15が感光ドラム11に対して上流側にオフセットされて配置されている場合は、中間転写ベルト6が一次転写ローラ15から離れる箇所の中間転写ベルト6の内周面上の位置が下流張架部Dである。また、図9に示すように、本実施例では、最下流のブラックの一次転写部N1kに対しては、下流側直近の張架部材は、張架ローラ(本実施例ではテンションローラ)22である。そして、中間転写ベルト6が張架ローラ22から離れる箇所の中間転写ベルト6の内周面上の位置が下流張架部Dである。
さらに、いずれの一次転写部N1についても、電位規制部材8の下流側直近の張架部材として、画像形成動作中に中間転写ベルト6の姿勢を規制するその他の張架ローラが存在する場合は、その張架ローラを基準として直線Lと下流張架部Dとを定義する。また、張架ローラではなく、中間転写ベルト6の内周面を清掃するなどの目的でスクレーパーやブラシが中間転写ベルト6の内周面に当接されている場合も、画像形成動作中に中間転写ベルト6の姿勢を規制していれば、下流直近の張架部材とみなせる。
図7に示すように、電位規制部材8は、一次転写ローラ15に接触せず、かつ、中間転写ベルト6を介して感光ドラム11に当接しないように、一次転写部N1の下流に近接して配置される。このとき、上流端Aが一次転写部N1に近いほど、上述の中間転写ベルト6と感光ドラム11との間の放電を抑制する効果が大きくなる。本実施例(図7)では、電位規制部材8は、一次転写ローラ15から上流端Aまでの距離X2が8[mm]程度となるように、一次転写部N1の下流の位置に配置されている。ここで、距離X2は、感光ドラム11の回転軸線方向と略直交する断面において、複数の感光ドラム11の中間転写ベルト6に接触する側の共通の接線に沿う方向における、一次転写ローラ15の回転中心と上流端Aとの間の距離である。これに限定されるものではないが、上記距離X2は、1~20[mm]程度が好適であり、典型的には1~10[mm]程度である。
そして、本実施例では、画像形成動作中の少なくとも一次転写時に、電位規制部材8は、付勢手段により、中間転写ベルト6の内周面に押し付けられている。このとき、電位規制部材8の中間転写ベルト6の内周面に接触する接触部を、直線Lよりも感光ドラム11側に侵入させるようにする。これにより、画像形成動作中(中間転写ベルト6の走行中)に中間転写ベルト6に波打ちや振動が発生した場合でも、より安定して電位規制部材8を中間転写ベルト6に接触させることができる。本実施例では、電位規制部材8の中間転写ベルト6の内周面に接触する接触部である接触面83の上流端A及び下流端Bを、直線Lに対して0.5[mm]程度感光ドラム11側へ侵入させるように、押圧バネ87の押圧力が設定(調整)されている。このように電位規制部材8の接触面83を直線Lに対して感光ドラム11側へ侵入させることにより、画像形成動作中(中間転写ベルト6の走行中)に中間転写ベルト6に波打ちや振動が発生した場合でも、より安定して電位規制部材8を中間転写ベルト6に面接触させることができる。これに限定されるものではないが、電位規制部材8の接触面83の直線Lに対する侵入量は、0.3~5[mm]程度が好適であり、典型的には0.5~3[mm]程度である。この侵入量は、小さすぎると電位規制部材8を中間転写ベルト6に安定して接触させることが難しくなる可能性があり、大きすぎると中間転写ベルト6の安定した搬送が難しくなる可能性がある。電位規制部材8を中間転写ベルト6の内周面に押し付けるための付勢手段については後述する。
ここで、感光ドラム11の回転軸線方向と略直交する断面において、接触面83の上流端A及び下流端Bを通る直線を直線Mと定義する。このとき、直線Mが直線Lにおける線分CDと交差しないようにすることが好ましい。これにより、電位規制部材8の接触面83が平面である場合に、中間転写ベルト6と電位規制部材8とをより確実に面接触させることができる。直線Mが直線Lにおける線分CDと交差する場合、上流端A側の電位規制部材8の端部又は下流端B側の電位規制部材8の端部のいずれかしか中間転写ベルト6の内周面に接触することができなくなる可能性がある。この場合には、面接触により上述の放電抑制効果を高めることが難しくなる可能性がある。
また、図7において、電位規制部材8は、直線Mと直線Lとがほぼ平行になるように配置されているが、直線Mが直線Lにおける線分CDと交差しない範囲であれば、直線Mを直線Lに対して傾けるようにして電位規制部材8を配置してもよい。例えば、上流端A側の方が下流端B側よりも直線Lに近くなるように直線Mを直線Lに対して傾けることで、上流端A付近で中間転写ベルト6の這いまわしにより中間転写ベルト6に生じる曲率を小さくすることができる。したがって、電位規制部材8との摺擦により中間転写ベルト6の内周面に傷が発生する可能性の低減に対しては有利である。
なお、電位規制部材8の中間転写ベルト6の内周面に接触する接触部は平面であることに限定されるものではない。例えば、電位規制部材8が感光ドラム11の回転軸線方向と略直交する断面が感光ドラム11側に凸の曲線状に湾曲した曲げ板などで構成され、電位規制部材8の中間転写ベルト6の内周面に接触する接触部が感光ドラム11側に凸の曲面であってもよい。このように電位規制部材8の中間転写ベルト6の内周面に接触する接触部(接触面)を曲面形状とすることにより、中間転写ベルト6と摺擦する際のストレスを軽減することができる。ローラ状の電位規制部材8を用いることで、電位規制部材8の中間転写ベルト6の内周面に接触する接触部を曲面としてもよい。
6.一次転写ローラ及び電位規制部材の支持構成
次に、本実施例における一次転写ローラ15の支持構成について説明する。図10は、本実施例における一次転写ローラ15の支持構成を説明するための模式的な断面図である(一次転写ローラ15の回転軸線方向と略直交する断面を示す。)。図10(a)は、一次転写ローラ15が中間転写ベルト6の内周面に接触した状態、図10(b)は、一次転写ローラ15が中間転写ベルト6の内周面から離間した状態を示している。なお、本実施例では、各一次転写ローラ15y、15m、15c、15kの支持構成は、実質的に同一である。
画像形成装置1は、一次転写ローラ15を保持する一次転写保持部材としての一次転写ホルダ151を有する。一次転写ホルダ151は、一次転写ローラ15の回転軸線方向の両端部の回転軸部15aを、中間転写ベルト6の内周面に対して近づく方向及び遠ざかる方向に移動可能(スライド移動可能)かつ回転可能に支持する。一次転写ローラ15の両端部の回転軸部15aと一次転写ホルダ151との間には、付勢手段としての付勢部材である圧縮コイルバネで構成された一次転写バネ152が配置されている。一次転写ローラ15は、一次転写バネ152によって中間転写ベルト6に向かう方向に付勢される。なお、一次転写ローラ15の両端部の回転軸部15aは、ベアリングを介して一次転写ホルダ151に支持され、またベアリングを介して一次転写バネ152によって付勢されてもよい。一次転写ローラ15、一次転写ホルダ151、一次転写バネ152を有して、一次転写ユニット150が構成されている。
また、画像形成装置1は、一次転写ローラ15を中間転写ベルト6の内周面に対して接触及び離間させる接離手段としての接離機構29を有する。そして、本実施例では、一次転写ローラ15は、画像形成装置1のスタンバイ状態では、中間転写ベルト6に接触しないように、接離機構29によって一次転写ユニット150ごと中間転写ベルト6から退避させられる。すなわち、一次転写ローラ15は、接離機構29によって、中間転写ベルト6に接触する接触位置(第3の位置)と、中間転写ベルト6に接触しない退避位置(第4の位置)と、に移動させられる。ここで、画像形成装置1のスタンバイ状態は、画像形成装置1の電源がONされ、所定の動作が行われた後に、画像形成装置1に対するジョブの入力を待機している状態である。スタンバイ状態では、感光ドラム11や中間転写ベルト6などの、画像形成に関する可動部材の動作は停止されている。なお、本実施例では、画像形成装置1の電源OFF状態や、スリープ状態(電源ON状態で制御部3などの一部の要素以外への電力の供給が停止された状態)においても一次転写ローラ15は中間転写ベルト6の内周面から離間させられている。また、ブラック単色モードなどのモノクロモードが設けられている場合に、画像形成が行われない色用の一次転写ローラ15が中間転写ベルト6の内周面から離間させられるようになっていてもよい。
例えば、離接機構29は、一次転写ホルダ151を移動させる移動手段としての移動部材29aと、移動部材29aを駆動する接離駆動部29bと、を有する。移動部材29aは、例えば、エキセントリックギアやカムなどの偏心した回転体で構成される。接離駆動部29bは、駆動源としてのモータ、モータからの駆動力を移動部材29aに伝達する駆動伝達部材などを有して構成される。なお、複数の一次転写部N1間で接離機構29の要素の少なくとも一部(モータなど)が共通化されていてもよい。
一次転写ホルダ151は、中間転写ベルト6の内周面に対して近づく方向及び遠ざかる方向に移動可能(スライド移動可能)に、中間転写ユニット20のフレーム(図示せず)などによって支持されている。接離機構29は、移動部材29aを回転させて、一次転写ホルダ151を中間転写ベルト6の内周面に近づく方向に移動させることで、一次転写ローラ15を中間転写ベルト6に接触させる(図10(a))。接離機構29によって一次転写ホルダ151が中間転写ベルト6の内周面に対して所定の距離の近接位置に配置された状態で、一次転写ローラ15は一次転写バネ152によって中間転写ベルト6に向けて所定の押圧力で押圧される。これにより、中間転写ベルト6が感光ドラム11に向けて押圧される。また、接離機構29は、移動部材29aを回転させて、例えば一次転写ユニット150の自重によって一次転写ホルダ151が中間転写ベルト6の内周面から遠ざかる方向に移動することを許す。接離機構29によって一次転写ホルダ151が中間転写ベルト6の内周面に対して所定の距離の離間位置に配置された状態で、一次転写ローラ15は中間転写ベルト6の内周面から離間する(図10(b))。
なお、一次転写ローラ15の中間転写ベルト6に対する退避方法、加圧方法は、本実施例の方法に限定されるものではない。例えば、バネなどによって一次転写ローラ15を加圧すると共に、解除部材によってその加圧を解除するような構成であってもよい。
次に、本実施例における電位規制部材8の支持構成について説明する。図11は、本実施例における一次転写ローラ15の支持構成を説明するための模式的な断面図である(一次転写ローラ15の回転軸線方向と略直交する断面を示す。)。図11(a)は、電位規制部材8が中間転写ベルト6の内周面に接触した状態、図11(b)は、電位規制部材8が中間転写ベルト6の内周面から離間した状態を示している。なお、本実施例では、各電位規制部材8y、8m、8c、8kの支持構成は、実質的に同一である。
画像形成装置1は、電位規制部材8を保持する電位規制保持部材としての電位規制ホルダ161を有する。一次転写ローラ15と電位規制部材8との間の距離は一定であることが望ましい。そのため、本実施例では、一次転写ローラ15を保持する一次転写ホルダ151と、電位規制部材8を保持する電位規制ホルダ161と、が一体化されている。つまり、本実施例では、画像形成装置1は、第1保持部としての一次転写ホルダ151と、第2保持部としての電位規制ホルダ161と、が一体化されたユニットホルダ153を有する。また、本実施例では、一次転写ユニット150は、一次転写ローラ15、一次転写バネ152、電位規制部材8、ユニットホルダ153(一次転写ホルダ151及び電位規制ホルダ161)を有して構成されているということができる。これにより、電位規制部材8の位置精度を向上させることができる。電位規制部材8は、第1の部分81が電位規制ホルダ161の上面によって支持されている。電位規制部材8は、接着、溶着、締結、スナップフィット(弾発係合)などの任意の固定手段により、電位規制ホルダ161に固定される。
また、本実施例では、電位規制部材8は、接離機構29によって、中間転写ベルト6の内周面に対して接触及び離間させることができるようになっている。つまり、本実施例では、接離機構29は、一次転写ローラ15を中間転写ベルト6の内周面に対して接触及び離間させる接離手段として機能すると共に、電位規制部材8を中間転写ベルト6の内周面に対して接触及び離間させる接離手段としても機能する。そして、本実施例では、電位規制部材8は、画像形成装置1のスタンバイ状態では、中間転写ベルト6に接触しないように、接離機構29によって一次転写ユニット150ごと中間転写ベルト6から退避させられる。すなわち、電位規制部材8は、接離機構29によって、中間転写ベルト6に接触する接触位置(第1の位置)と、中間転写ベルト6に接触しない退避位置(第2の位置)と、に移動させられる。なお、本実施例では、画像形成装置1の電源OFF状態や、スリープ状態においても電位規制部材8は中間転写ベルト6の内周面から離間させられている。また、ブラック単色モードなどのモノクロモードが設けられている場合に、画像形成が行われない色用の電位規制部材8が中間転写ベルト6の内周面から離間させられるようになっていてもよい。
電位規制ホルダ161は、一次転写ホルダ151が接離機構29により移動させられることで、ユニットホルダ153として一次転写ホルダ151と一体的に中間転写ベルト6の内周面に対して近づく方向及び遠ざかる方向に移動させられる。接離機構29は、移動部材29aを回転させて、電位規制ホルダ161(ユニットホルダ153)を中間転写ベルト6の内周面に近づく方向に移動させることで、電位規制部材8を中間転写ベルト6に接触させる(図11(a))。接離機構29によって電位規制ホルダ161が中間転写ベルト6の内周面に対して所定の距離の近接位置に配置された状態で、電位規制部材8は前述のような所定の侵入量で中間転写ベルト6の内周面に接触(面接触)する。また、接離機構29は、移動部材29aを回転させて、例えば一次転写ユニット150の自重によって電位規制ホルダ161(ユニットホルダ153)が中間転写ベルト6の内周面から遠ざかる方向に移動することを許す。接離機構29によって電位規制ホルダ161が中間転写ベルト6の内周面に対して所定の距離の離間位置に配置された状態で、電位規制部材8は中間転写ベルト6の内周面から離間する(図11(b))。
なお、電位規制部材8の中間転写ベルト6に対する退避方法、加圧方法は、本実施例の方法に限定されるものではない。例えば、本実施例のように一次転写ローラ5を保持する部材と電位規制部材8とを一体化することに限定されるものではなく、これらが別々の部材とされていてもよい。一次転写ローラ15と電位規制部材8との位置関係を適正に保つことができればよい。例えば、電位規制部材8を一次転写ホルダ151とは別体の電位規制ホルダ161によって支持することができる。そして、例えば、一次転写ローラ15に対する接離機構とは別個の接離機構により電位規制ホルダ161を移動させるようにすることができる。その別個の接離機構としては、例えば上述の接離機構29と同様の構成のものを用いることができる。
また、電位規制部材8は、例えばその長手方向の両端部において、電位規制部材8と電位規制ホルダ161との間に配置された押圧バネにより、中間転写ベルト6の内周面に向けて押圧されるようにしてもよい。押圧バネは、付勢手段としての付勢部材である圧縮コイルバネで構成することができる。
7.内面清掃部材
次に、中間転写ベルト6の内周面(内面)を清掃するための内面清掃部材について説明する。図12図14は、それぞれ内面清掃部材の構成及び配置の例を説明するための内面清掃部材の近傍の概略断面図である(中間転写ベルト6の張架ローラの回転軸線方向と略直交する断面を示す。)。
まず、図12を参照して、内面清掃部材の構成について説明する。画像形成装置1は、中間転写ベルト6の内面を清掃する目的で、中間転写ベルト6の内面側に配置されたスクレーパーユニット28を有する。スクレーパーユニット28は、中間転写ベルト6の内面を清掃する内面清掃部材としてのスクレーパー28aと、飛散防止部材としてのスクイシート28bと、これらを支持するための支持部材28cと、を有する。
スクレーパー28aは、一般に、シート状、フィルム状、あるいは板状の部材で構成される。スクレーパー28aとしては、PC(ポリカーボネート)、ポリエチレン、ポリエステル、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂製のシート(フィルム)、SUS、真鍮などの金属製の薄板などを好適に使用することができる。本実施例では、スクレーパー28aは、中間転写ベルト6の幅方向に沿って配置される長手方向と、長手方向と略直交する短手方向と、にそれぞれ所定の長さを有し、所定の厚さを有する、平面視略矩形のシート状の部材で構成されている。スクレーパー28aは、その短手方向における一方の端部である自由端部が中間転写ベルト6の移動方向の上流側を向くように、中間転写ベルト6の移動方向に対してカウンター方向で中間転写ベルト6の内面に当接させられている。また、スクレーパー28aは、その短手方向における他方の端部である固定端部が支持部材28cに固定されることで、支持部材28cによって支持されている。スクレーパー28aの長手方向の長さは、中間転写ベルト6の幅と同等とされる。スクレーパー28aは、中間転写ベルト6の移動(回転)に伴って、中間転写ベルト6の内面を摺擦し、中間転写ベルト6の内面に付着した付着物(異物)を掻き取る。スクレーパー28aと中間転写ベルト6との接触部が内面清掃部Hである。スクレーパー28aによって中間転写ベルト6の内面から除去された付着物は、例えば支持部材28c上に蓄積される。中間転写ベルト6の内面に付着する付着物については後述する。
スクレーパー28aは、その短手方向における自由端部が中間転写ベルト6の移動方向の上流側を向くように、その自由端部のエッジが中間転写ベルト6の内面に当接している。そのため、スクレーパー28aが掻き取った付着物が機内に飛散(拡散)することを抑制するために、スクイシート28bが設けられている。スクイシート28bは、シート状あるいはフィルム状の部材で構成される。スクイシート28bとしては、ウレタン、PET、ポリエステルなどの樹脂製のシートやフィルムなどを好適に使用することができる。本実施例では、スクイシート28bとしてウレタンシートを使用した。本実施例では、スクイシート28bは、スクレーパー28aと同様、平面視略矩形のシート状の部材で構成されている。スクイシート28bは、中間転写ベルト6の移動方向においてスクレーパー28aに対して上流側でスクレーパー28aに対向するように設けられている。スクイシート28bは、その短手方向における一方の端部である自由端部が中間転写ベルト6の内面に当接させられている。また、スクレーパー28aは、その短手方向における他方の端部である固定端部が支持部材28cに固定されることで、支持部材28cによって支持されている。スクイシート28bの長手方向の長さは、中間転写ベルト6の幅と同等とされる。
スクレーパー28aとスクイシート28bと支持部材28cとがスクレーパーユニット28として一体的にユニット化されている。そして、本実施例では、スクレーパーユニット28は、中間転写ユニット20の手前(図1図12の紙面手前側)から引き出せるように構成されている。これにより、例えば定期的に、スクレーパー28aによって中間転写ベルト6の内面から掻き取られた付着物を清掃することができるようになっている。
スクレーパー28aは、図12に示すように、中間転写ベルト6の移動方向において、最上流の一次転写部N1(一次転写ローラ15)の上流側直近で中間転写ベルト6の内面に接触するローラと、最上流の一次転写部N1(一次転写ローラ15)と、の間に設置されることが好ましい。なお、図12に示すようなスクレーパー28aの設置位置のことを、単に「最上流の電位規制部材8の上流側直近の位置」ともいう。スクレーパー28aの設置位置は、内面清掃部Hで代表される。これにより、後述する中間転写ベルト6の回転を開始させる際や停止させる際に電位規制部材8が中間転写ベルト6から退避した状態で中間転写ベルト6を回転させる時間をより短くすることができる。つまり、中間転写ベルト6の回転量(移動量)をより少なくすることができる。
また、例えば配置の都合上、スクレーパー28aを最上流の電位規制部材8の上流側直近の位置に配置できない場合も想定し得る。この場合でも、図13に示すように、できるだけ最上流の電位規制部材8の上流側の近い位置に配置することが望ましい。例えば、スクレーパー28aは、中間転写ベルト6の移動方向において、二次転写部N2よりも下流側かつ最上流の一次転写部N1(一次転写ローラ15)よりも上流側に設置されることが望ましいといえる。また、別の観点から、スクレーパー28aは、ベルトクリーニング装置24のクリーニング領域内に設置されることが望ましい場合がある。ベルトクリーニング装置24のクリーニング領域は、中間転写ベルト6の移動方向における最上流のクリーニング部(図13の例では第1のクリーニング部CL1)から最下流のクリーニング部(図13の例では第3のクリーニング部CL3)までの領域である。なお、ベルトクリーニング装置24は、1つのクリーニング部において中間転写ベルト6の外面からトナーなどの付着物を除去するように構成されていてもよい。この場合、クリーニング領域を構成する1つのクリーニング部に中間転写ベルト6を介して対向する位置に、スクレーパー28aを設置してもよい。このように、ベルトクリーニング装置24は、中間転写ベルト6の移動方向におけるクリーニング領域内の単数又は複数のクリーニング部で中間転写ベルト6の外面から付着物を除去する。そして、スクレーパー28aは、中間転写ベルト6の移動方向における上記クリーニング領域に対応する中間転写ベルト6の内面に接触するように設けることができる。これにより、後述するように電位規制部材8や一次転写ローラ15を中間転写ベルト6から退避させた状態で中間転写ベルト6を回転させる際に、中間転写ベルト6の面が比較的安定している位置でスクレーパー28aによる付着物の除去を行うことができる。
また、図14に示すように、中間転写ベルト6の移動方向において最下流の一次転写部N1(電位規制部材8)よりも下流側(かつ二次転写部N2よりも上流側)にしかスクレーパー28aを設置できない場合も想定し得る。図14のような設置位置の場合でも本発明を適用することができる。しかし、この場合、後述する中間転写ベルト6の回転を開始させる際や停止させる際に電位規制部材8が中間転写ベルト6から退避した状態で中間転写ベルト6を回転させる時間を、図12のような設置位置の場合よりも長くすることが望ましい。つまり、中間転写ベルト6の回転量(移動量)を多くすることが望ましい。
本実施例では、図12に示すように、スクレーパーユニット28は、中間転写ベルト6の移動方向において、駆動ローラ21よりも下流側かつ最上流一次転写ローラ15yよりも上流側に設けられている。本実施例では、駆動ローラ21は、中間転写ベルト6の移動方向において、最上流の一次転写ローラ15の上流側直近に位置する張架ローラである。また、スクレーパー28aは、中間転写ベルト6の内面に傷がつくことを抑制するために、材料として例えば難燃性ポリエステルフィルム(三菱化学ダイアラミー)などを用いることが適当であり、厚さは0.1~0.5mm程度が適当である。スクレーパー28aの清掃能力を上げるためには、スクレーパー28aの厚さは厚い方が良いが、厚すぎるとスクレーパー28aがしなりにくくなり、スクレーパー28aの中間転写ベルト6に対する当接圧が高くなりやすくなる。これにより、スクレーパー28aの摩耗が発生しやすくなったり、スクレーパー28aによって中間転写ベルト6の内面を傷つけやすくなったりする可能性がある。本実施例では、スクレーパー28aの厚さを0.1mmとした。
スクレーパー28aの当接角度θは、5~30°程度が推奨される。当接角度θが小さいと、スクレーパー28aの波うちがある場合に当接圧にムラができ、付着物のすり抜けが起こりやすくなって、清掃能力が落ちる可能性がある。当接角度θが大きいと、スクレーパー28aの中間転写ベルト6に当接するエッジの摩耗により、中間転写ベルト6の内面の傷や、スクレーパー28aの清掃能力の低下が起きる可能性がある。本実施例では、当接角度θは25°とした。また、中間転写ベルト6の内面に対するスクレーパー28aのエッジの侵入量Iは、0.5~3.0mm程度が適当であり、スクレーパー28aの剛度、当接角度θなどに応じて選択することができる。本実施例では、侵入量Iは2.0mmとした。ここで、図12に示すように、当接角度θは、中間転写ベルト6の内面と、中間転写ベルト6に当接して変形していないと仮定した場合のスクレーパー28aの仮想面と、のなす角度で代表される。また、侵入量Iは、中間転写ベルト6の内面と、中間転写ベルト6に当接して変形していないと仮定した場合のスクレーパー28aの中間転写ベルト6に当接するエッジの仮想位置と、の間の距離で代表される。ここで、図12図14において、スクレーパー28a、スクイシート28bは、それぞれ中間転写ベルト6と交差するように図示されているが、これは中間転写ベルト6の内面に対して侵入量をもって当接させられていることを模式的に表している。
なお、内面清掃部材は、一般に、シート状、フィルム状、あるいは板状の部材で構成されるが、これに限定されるものではなく、例えば、回転可能なブラシや固定配置されるブラシ、あるいはパッド状の部材などであってもよい。
8.内面清掃動作
8-1.課題
次に、電位規制部材8を中間転写ベルト6の内周面(内面)から離間させた状態で中間転写ベルト6を回転させてスクレーパー28aにより中間転写ベルト6の内面を清掃する動作(ここでは、単に「内面清掃動作」ともいう。)について説明する。
中間転写ベルト6の内面や張架ローラの表面には、付着物(異物)が付着することがある。この付着物としては、例えば、一次転写ローラや二次転写内ローラからの染み出し物質に由来するものが例として挙げられる。例えば、一次転写ローラ15の主な材料であるNBRゴムがオゾンや水分と反応し、二重結合が破壊されると、ゴムや充填剤が脱落することがある。また、駆動ローラ21や二次転写内ローラ23に使用されるEPDMゴムから、通電劣化などによってプロセスオイルが染み出すことがある。これらゴムや充填剤と、プロセスオイルと、が反応して生成した粘着性のゴムかすが、中間転写ベルト6の内面に付着して堆積したり、駆動ローラ21や二次転写内ローラ23の表面に付着して堆積したりすることがある。その場合、中間転写ベルト6の搬送や転写部の電気的特性が不安定化するなどして、画像不良を発生させる原因となることがある。
特に、低湿環境で上述のようなゴムの劣化が進み、高湿環境に移った後に上述のような付着現象が顕著に発生する場合がある。更に、高湿環境で中間転写ベルト6が停止し、各種のローラに接触している場合、ローラに堆積していた付着物が中間転写ベルト6の内面に転移して、中間転写ベルト6の起動時に中間転写ベルト6の内面に付着物が多い状態となることがある。
8-2.内面清掃動作の概要
本実施例の画像形成装置1には、中間転写ベルト6の内面に付着した付着物を中間転写ベルト6の内面から除去するために、スクレーパーユニット28が設けられている。上述のように、スクレーパーユニット28は、中間転写ベルト6の内面に当接するスクレーパー28aによって、中間転写ベルト6の回転に伴って中間転写ベルト6の内面から付着物を掻き取る。しかしながら、中間転写ベルト6の起動直後は、スクレーパー28aとの接触部である内面清掃部Hを通過せずに一次転写部N1や電位規制部材8に向かう中間転写ベルト6の内面の領域がある。そのため、この中間転写ベルト6の内面の領域に対しては、電位規制部材8がスクレーパー28aと同様の役目をしてしまい、電位規制部材8の上流端A側の先端エッジなどが付着物で汚れることがある。そして、このような付着物が電位規制部材8に許容範囲を超えて付着すると、電位規制部材8による中間転写ベルト6と感光ドラム11との間の放電を抑制する効果が低下してしまう可能性がある。
そこで、本実施例では、画像形成装置1は、電源ON時(前多回転工程)やジョブの開始時(前回転工程)に、中間転写ベルト6の回転を開始させる際に、電位規制部材8を中間転写ベルト6の内面から離間させた状態で中間転写ベルト6を回転させる内面清掃動作(以下、「起動時内面清掃動作」ともいう。)を実行する。起動時内面清掃動作は、電位規制部材8が中間転写ベルト6の内面から離間した状態で中間転写ベルト6の回転が開始されることで実行される。
起動時内面清掃動作を行うことにより、中間転写ベルト6の起動直後に中間転写ベルト6の内面の付着物が電位規制部材8に付着することを抑制することができる。これにより、電位規制部材8による中間転写ベルト6と感光ドラム11との間の放電を抑制する効果が低下することを抑制することができる。
起動時内面清掃動作において電位規制部材8を中間転写ベルト6の内面から離間させた状態で中間転写ベルト6を回転させる量(以下、「起動時回転量」ともいう。)について説明する。起動時回転量は、起動時内面清掃動作において少なくとも1回は内面清掃部Hを通過した中間転写ベルト6の内面の領域に対して、電位規制部材8を接触させることができるように設定することが好ましい。つまり、起動時回転量は、各電位規制部材8に関して、中間転写ベルト6が回転を開始してから、中間転写ベルト6が回転を開始した時に内面清掃部Hにあった中間転写ベルト6の内面の領域が、電位規制部材8に接触可能な位置を通過し終えるまで、とすることができる。
各電位規制部材8に関して、上記条件を満たした場合に、中間転写ベルト6の移動方向における最上流の電位規制部材8から最下流の電位規制部材8まで順次中間転写ベルト6に接触させるようにしてもよい。
また、複数の電位規制部材8に関して上記条件を満たした場合に、複数の電位規制部材8を略同時に中間転写ベルト6に接触させるようにしてもよい。この場合、起動時回転量は、中間転写ベルト6が回転を開始してから、中間転写ベルトが回転を開始した時に内面清掃部Hにあった中間転写ベルト6の内面の領域が、中間転写ベルト6の移動方向における最下流の電位規制部材8に接触可能な位置を通過し終えるまで、とすることができる。より確実に中間転写ベルト6の内面の清掃された領域に電位規制部材8を接触させることができるように、次のように設定してもよい。つまり、起動時回転量は、中間転写ベルト6が回転を開始してから、中間転写ベルトが回転を開始した時に内面清掃部Hにあった中間転写ベルト6の内面の領域が、中間転写ベルト6の移動方向における最下流の電位規制部材8に接触可能な位置を通過した後に、該最下流の電位規制部材8の下流側直近の張架ローラが接触する位置を通過し終えるまで(あるいは到達するまで)、とすることができる。更に、電位規制部材8を接触させる前により良好に中間転写ベルト6の内面を清掃するためには、次のように設定することが好ましい。つまり、起動時回転量は、中間転写ベルト6の少なくとも1周分とすることが好ましい。すなわち、起動時回転量は、少なくとも、中間転写ベルト6が回転を開始してから、中間転写ベルト6が回転を開始した時に内面清掃部Hにあった中間転写ベルト6の内面の領域が、次に内面清掃部Hに到達するまで、とすることができる。中間転写ベルト6の内面への付着物の付着のしやすさなどに応じて、起動時回転量を中間転写ベルト6の1周分よりも多くしてもよい。ただし、起動時内面清掃動作にかかる時間が長くなりすぎないように、起動時回転量は、中間転写ベルト6の10周分以下が適当であり、好ましくは5周分以下、より好ましくは3周分以下である。
本実施例では、電源ON時(前多回転工程)やジョブの開始時(前回転工程)の起動時内面清掃動作において、中間転写ベルト6を少なくとも中間転写ベルト6の1周分以上回転させてから、電位規制部材8を中間転写ベルト6の内面に接触させる。その後、前多回転工程や前回転工程における電位調整(例えば一次転写バイアスの調整制御)などの所定の調整制御(調整動作)を行う。
また、画像形成装置1は、前多回転工程の終了時やジョブの終了時(後回転工程)に、中間転写ベルト6の回転を停止する際に、電位規制部材8を中間転写ベルト6の内面から離間させた状態で中間転写ベルト6を回転させる内面清掃動作(以下、「停止時内面清掃動作」ともいう。)を実行してもよい。停止時内面清掃動作は、中間転写ベルト6の回転が停止される前に、電位規制部材8が中間転写ベルト6の内面から離間させられることで実行される。
停止時内面清掃動作を実行することで、中間転写ベルト6の回転中に中間転写ベルト6と電位規制部材8との間に溜まった付着物などを、中間転写ベルト6を停止させる前にスクレーパー28aによって中間転写ベルト6の内面から除去することができる。これにより、上記溜まった付着物などが中間転写ベルト6の停止中に中間転写ベルト6の内面に付着することなどを抑制して、次に中間転写ベルト6を起動する際の中間転写ベルト6の内面の清掃を容易とすることができる。
停止時内面清掃動作において電位規制部材8を中間転写ベルト6の内面から離間させた状態で中間転写ベルト6を回転させる量(以下、「停止時回転量」ともいう。)について説明する。停止時回転量は、停止時内面清掃動作において中間転写ベルト6の内面が全周にわたって少なくとも1回は内面清掃部Hを通過した後に、中間転写ベルト6の回転を停止させることができるように設定することが好ましい。つまり、停止時回転量は、少なくとも、電位規制部材8を中間転写ベルト6の内面から離間させてから、中間転写ベルト6が1周分回転するまで、とすることができる。中間転写ベルト6の内面への付着物の付着のしやすさなどに応じて、停止時回転量を中間転写ベルト6の1周分よりも多くしてもよい。ただし、停止時内面清掃動作にかかる時間が長くなりすぎないように、停止時回転量は、中間転写ベルト6の10周分以下が適当であり、好ましくは5周分以下、より好ましくは3周分以下である。
なお、本実施例では、スクレーパーユニット28が中間転写ユニット20に装着された状態で、スクレーパー28aは実質的に常に中間転写ベルト6の内面に当接している。ただし、これに限定されるものではなく、少なくとも中間転写ベルト6が回転する際に中間転写ベルト6の内面に当接するようになっていればよい。
また、内面清掃動作時には、電位規制部材8を中間転写ベルト6から退避させた状態で、ベルトクリーニング装置24のクリーニング部CL1、CL2、二次転写部N2にクリーニングバイアスを印加することができる。なお、二次転写部N2に印加するクリーニングバイアスは、二次転写時に二次転写部N2に印加される二次転写バイアスとは逆極性のバイアスとすることができる。例えば、二次転写時に二次転写外ローラ25に正極性の二次転写バイアスが印加される場合には、二次転写外ローラ25に負極性のクリーニングバイアスが印加される。これにより、二次転写外ローラ25に付着したトナーを、中間転写ベルト6に移動させ、その後中間転写ベルト6からベルトクリーニング装置24によって回収することができる。一方、内面清掃動作時に、中間転写ベルト6から退避させられた一次転写ローラ15にはバイアスを印加しないようにする。
また、本実施例では、内面清掃動作時に一次転写ローラ15を中間転写ベルト6から退避させたが、本発明は斯かる態様に限定されるものではない。電位規制部材8を一次転写ローラ15とは独立して中間転写ベルト6に接離させることができる場合には、内面清掃動作時に一次転写ローラ15を中間転写ベルト6から退避させなくてもよい。一次転写ローラ15への付着物の付着を抑制するなどの観点から、本実施例のように内面清掃動作時に一次転写ローラ15を中間転写ベルト6から退避させることが好ましい。しかし、電位規制部材8の方が形状的な理由などにより付着物が付着しやすい。そのため、内面清掃動作時に一次転写ローラ15及び電位規制部材8のうち電位規制部材8のみを中間転写ベルト6から退避させることでも相応の効果が得られる。
また、内面清掃動作時に、一次転写ローラ15が中間転写ベルト6から離間することで、中間転写ベルト6が感光ドラム11から離間する場合は、内面清掃動作時に、感光ドラム11は停止させておくことができる。内面清掃動作時に、一次転写ローラ15が中間転写ベルト6から離間しない場合など、中間転写ベルト6が感光ドラム11に接触している場合は、内面清掃動作時に、感光ドラム11を回転させればよい。
8-3.内面清掃動作を行わない場合の電源ON時の動作(比較例)
まず、本実施例のシーケンスとの比較のために、内面清掃動作を行わない場合の電源ON時の動作について説明する。図15は、この場合のシーケンスの概略を示すフローチャート図である。なお、内面清掃動作を行わないが、画像形成装置1の構成は本実施例の画像形成装置1と実質的に同一であるものとする。また、ここでは各一次転写部N1に関する一次転写ローラ15及び電位規制部材8の中間転写ベルト6に対する接離動作は同期して(実質的に同時に)行われるものとする。
Step1:画像形成装置1の電源がONされる。
Step2:制御部3は、一次転写ローラ15と電位規制部材8とを中間転写ベルト6に接触する位置に移動させるように接離機構29を制御する。
Step3:制御部3は、中間転写ベルト6の回転を開始させるようにベルト駆動部92を制御する。
Step4:制御部3は、一次転写バイアスの調整制御、その他の調整制御を実行する。なお、一次転写バイアスの調整制御では、一次転写バイアス、電位規制バイアスの印加が行われる。
Step5:制御部3は、中間転写ベルト6の回転を停止させるようにベルト駆動部92を制御する。
Step6:制御部3は、一次転写ローラ15と電位規制部材8とを中間転写ベルト6に接触しない位置に移動させるように接離機構29を制御する。
Step7:制御部3は、画像形成装置1をスタンバイ状態に移行させる。
8-4.内面清掃動作を行う場合の電源ON時の動作(本実施例)
次に、本実施例における内面清掃動作を行う場合の電源ON時の動作について説明する。図16は、この場合のシーケンスの概略を示すフローチャート図である。なお、ここでは各一次転写部N1に関する一次転写ローラ15及び電位規制部材8の中間転写ベルト6に対する接離動作は同期して(実質的に同時に)行われるものとする。
Step1:画像形成装置1の電源がONされる。
Step2:制御部3は、一次転写ローラ15と電位規制部材8とが中間転写ベルト6に接触しない位置にあるか確認するために、一次転写ローラ15及び電位規制部材8の中間転写ベルト6からの退避動作を実行する。なお、画像形成装置1の電源OFF中に一次転写ローラ15と電位規制部材8とが中間転写ベルト6に接触しない位置にあることが確実である場合や、他の手段により確認される場合などには、このステップの処理は省略してもよい。
Step3:制御部3は、中間転写ベルト6の回転を開始させるようにベルト駆動部92を制御する。
Step4:制御部3は、所定時間にわたり内面清掃動作を実行する(中間転写ベルト6を所定時間にわたり回転させる)ようにベルト駆動部92を制御する。例えば、ここでの所定時間は、中間転写ベルト6が回転を開始してから中間転写ベルト6が1周回転する分の時間とする。
Step5:制御部3は、一次転写ローラ15と電位規制部材8とを中間転写ベルト6に接触する位置に移動させるように接離機構29を制御する。
Step6:制御部3は、中間転写ベルト6の回転が安定した後、一次転写バイアスの調整制御、その他の調整制御を実行する。なお、一次転写バイアスの調整制御では、一次転写バイアス、電位規制バイアスの印加が行われる。
Step7:制御部3は、一次転写ローラ15と電位規制部材8とを中間転写ベルト6に接触しない位置に移動させるように接離機構29を制御する。
Step8:制御部3は、所定時間にわたり内面清掃動作を実行する(中間転写ベルト6を所定時間にわたり回転させる)ようにベルト駆動部92を制御する。例えば、ここでの所定時間は、中間転写ベルト6が回転を開始してから中間転写ベルト6が1周回転する分の時間とする。
Step9:制御部3は、中間転写ベルト6の回転を停止させるようにベルト駆動部92を制御する。
Step10:制御部3は、画像形成装置1をスタンバイ状態に移行させる。
8-5.内面清掃動作を行う場合のジョブの動作(本実施例)
次に、本実施例における内面清掃動作を行う場合のジョブの動作について説明する。図17は、この場合のシーケンスの概略を示すフローチャート図である。なお、ここでは各一次転写部N1に関する一次転写ローラ15及び電位規制部材8の中間転写ベルト6に対する接離動作は同期して(実質的に同時に)行われるものとする。
Step1:制御部3は、ジョブが投入されると、ジョブをスタートさせる。
Step2:制御部3は、中間転写ベルト6の回転を開始させるようにベルト駆動部92を制御する。なお、中間転写ベルト6の回転を開始させる前に、図16におけるStep2と同様に、一次転写ローラ15と電位規制部材8とが中間転写ベルト6に接触しない位置にあるか確認するためのステップを設けてもよい。
Step3:制御部3は、所定時間にわたり内面清掃動作を実行する(中間転写ベルト6を所定時間にわたり回転させる)ようにベルト駆動部92を制御する。例えば、ここでの所定時間は、中間転写ベルト6が回転を開始してから中間転写ベルト6が1周回転する分の時間とする。
Step4:制御部3は、一次転写ローラ15と電位規制部材8とを中間転写ベルト6に接触する位置に移動させるように接離機構29を制御する。
Step5:制御部3は、中間転写ベルト6の回転が安定した後、一次転写バイアスの調整制御などの各種調整制御を実行する。なお、一次転写バイアスの調整制御では、一次転写バイアス、電位規制バイアスの印加が行われる。
Step6:制御部3は、プリント(画像形成)を実行するように画像形成装置1の各部を制御する。
Step7:制御部3は、ジョブの全ての画像のプリントを終了させる。
Step8:制御部3は、後回転工程における制御を実行する。ここでは、後回転工程における制御は特に制限されないが、例えば、累積のプリント枚数が所定値に達した場合に行われる調整制御などが挙げられる。ここで、特に実行する制御がない場合は、Step7に続いて次のStep9に移行してもよい。
Step9:制御部3は、一次転写ローラ15と電位規制部材8とを中間転写ベルト6に接触しない位置に移動させるように接離機構29を制御する。
Step10:制御部3は、所定時間にわたり内面清掃動作を実行する(中間転写ベルト6を所定時間にわたり回転させる)ようにベルト駆動部92を制御する。例えば、ここでの所定時間は、中間転写ベルト6が回転を開始してから中間転写ベルト6が1周回転する分の時間とする。
Step11:制御部3は、中間転写ベルトの回転を停止させるようにベルト駆動部92を制御する。
Step12:制御部3は、画像形成装置1をスタンバイ状態に移行させる。
8-6.内面清掃動作における中間転写ベルトの回転量の調整
環境に応じて、内面清掃動作において電位規制部材8を中間転写ベルト6の内面から離間させた状態で中間転写ベルト6を回転させる量(ここでは、「内面清掃回転量」ともいう。)を変えることができる。特に、高湿環境において画像形成装置1が動作する場合には、低湿環境や常湿環境において画像形成装置1が動作する場合よりも、内面清掃回転量を多くすることが好ましい。前述のように、高湿環境では、低湿環境や常湿環境よりも、中間転写ベルト6の内面への付着物の付着が起きやすいと考えられるからである。ここで、内面清掃回転量として、起動時回転量又は停止時回転量の少なくとも一方を環境に応じて変えることができる。制御部3は、図16のStep4又はStep8の少なくとも一方、図17のStep3又はStep10の少なくとも一方において、次のような処理を行うことができる。例えば、制御部3は、環境の湿度に関する情報として、温度センサ71、湿度センサ72より得られた温湿度に基づいて絶対湿度を計算する。そして、制御部3は、計算された絶対湿度に基づいて、絶対湿度が所定値よりも高い環境である場合は、内面清掃回転量を中間転写ベルト6の1周分よりも多くする(例えば3~5周分)。また、制御部3は、計算された絶対湿度が上記所定値以下の環境である場合は、内面清掃回転量を中間転写ベルト6の少なくとも1周分とする。例えば、上記絶対湿度の所定値(閾値)は16g/m以上とすることができる。なお、例えば複数の絶対湿度の閾値を設定して、環境に応じて3段階以上に内面清掃回転量を変えてもよい。また、環境(絶対湿度)と内面清掃回転量との関係を示すテーブルデータなどを用いて、環境に応じた内面清掃回転量を選択して用いるようにしてもよい。このように、制御部3は、例えば、環境の湿度が第1の湿度である場合よりも、第1の湿度よりも高い第2の湿度の場合の方が、内面清掃回転量が多くなるように制御することができる。
また、中間転写ベルト6の累積の使用量、一次転写ローラ15の累積の使用量などの使用量情報(使用履歴情報)に応じて、内面清掃回転量を変えることができる。中間転写ベルト6、張架ローラ、あるいは一次転写ローラ5などの使用による劣化などよって、中間転写ベルト6の内面への付着物の付着のしやすさが変わることがあるからである。使用量情報としては、中間転写ベルト6、張架ローラ、あるいは一次転写ローラ15の累積の使用量と相関する任意の指標値を用いることができる。この指標値としては、累積のプリント枚数、中間転写ベルト6(あるいは張架ローラや一次転写ローラ5)の回転回数や回転時間などを例示することができる。例えば、中間転写ベルト6の新品時からの累積のプリント枚数が多くなるにつれて内面清掃回転量を多くすることが好ましい場合がある。ここで、内面清掃回転量として、起動時回転量又は停止時回転量の少なくとも一方を中間転写ベルト6などの累積の使用量に応じて変えることができる。制御部3は、図16のStep4又はStep8の少なくとも一方、図17のStep3又はStep10の少なくとも一方において、次のような処理を行うことができる。例えば、制御部3は、中間転写ベルト6の累積の使用量に関する情報として、制御部3に設けられた不揮発性メモリ(図示せず)などの記憶部に逐次更新されて記憶されている中間転写ベルト6の累積のプリント枚数を取得する。そして、制御部3は、取得されたプリント枚数が所定値よりも多い場合は、内面清掃回転量を中間転写ベルト6の1周分よりも多くする(例えば3~5周分)。また、制御部3は、取得されたプリント枚数が上記所定値以下の場合は、内面清掃回転量を中間転写ベルト6の少なくとも1周分とする。なお、例えば複数の使用量情報の閾値を設定して、使用量情報に応じて3段階以上に内面清掃回転量を変えてもよい。また、使用量情報と内面清掃回転量との関係を示すテーブルデータなどを用いて、使用量情報に応じた内面清掃回転量を選択して用いるようにしてもよい。このように、制御部3は、例えば、中間転写ベルト6などの累積の使用量が第1の使用量である場合よりも、第1の使用量よりも多い第2の使用量の場合の方が、内面清掃回転量が多くなるように制御することができる。
8-7.ユーザーモード
また、画像形成装置1は、ユーザーやサービス担当者などの操作者が任意に画像形成装置1に内面清掃動作を実行させられるように構成されていてもよい。例えば、画像形成装置1は、操作部70の表示部70aに、ユーザーモード画面として、内面清掃動作を実行させることが可能な中間転写ベルト内面清掃モードの操作画面を表示させることが可能なように構成される。そして、操作者が、画像形成装置1がスタンバイ状態にあるときに、例えばジョブを実行する前などに、任意にこの操作画面を操作することで内面清掃動作を行えるようにすることができる。図18は、このユーザーモード画面の一例を示す模式図である。操作者は、操作部70における所定の操作により、表示部70aに図18に示すようなユーザーモード画面200を表示するように制御部3に指示を入力することができる。そして、制御部3は、操作者がユーザーモード画面200における開始ボタン201を操作(タッチ)することに応じて、内面清掃動作を実行するように制御を行う。なお、操作部70の入力部から入力することに代えて又は加えて、外部機器から上記同様の指示を制御部3に入力できるようになっていてもよい。この場合、制御部3に外部機器からの情報を入力する入出力回路などが、制御部3に指示を入力する入力部として機能する。
図19は、中間転写ベルト内面清掃モードのシーケンスの概略を示すフローチャート図である。なお、ここでは各一次転写部N1に関する一次転写ローラ15及び電位規制部材8の中間転写ベルト6に対する接離動作は同期して(実質的に同時に)行われるものとする。
Step1:制御部3は、ユーザーモード画面200において中間転写ベルト内面清掃モードの開始が選択されたことを示す情報(信号)を取得する。
Step2:制御部3は、一次転写ローラ15と電位規制部材8とが中間転写ベルト6に接触しない位置にあるかを確認するために、一次転写ローラ15及び電位規制部材8の中間転写ベルト6からの退避動作を実行する。なお、中間転写ベルト6の停止中に一次転写ローラ15と電位規制部材8とが中間転写ベルト6に接触しない位置にあることが確実である場合や、他の手段により確認される場合などには、このステップの処理は省略してもよい。
Step3:制御部3は、中間転写ベルトの回転を開始させるようにベルト駆動部92を制御する。
Step4:制御部3は、所定時間にわたり内面清掃動作を実行する(中間転写ベルト6を所定時間にわたり回転させる)ようにベルト駆動部92を制御する。例えば、ここでの所定時間は、中間転写ベルト6が回転を開始してから中間転写ベルト6が1周回転する分の時間とする。なお、上述のように、この場合の内面清掃回転量を、環境や中間転写ベルト6などの累積の使用量に応じて変えてもよい。また、ユーザーモード画面200において、内面清掃回転量を選択(変更)することができるようになっていてもよい。その場合、中間転写ベルト6の回転量(回転時間)を直接的に選択(指定)することに限らず、清掃効果の「強・弱」、清掃時間の「長・短」などの清掃レベルを選択(指定)することができるようになっていてもよい。また、操作者が任意のタイミングで内面清掃動作を終了させることができるようになっていてもよい。
Step5:制御部3は、中間転写ベルト6の回転を停止させるようにベルト駆動部92を制御する。
Step6:制御部3は、画像形成装置1をスタンバイ状態に移行させる。
9.効果確認
次に、本実施例の効果を検証した結果について説明する。ここでは、電位規制部材8への付着物の付着による電位規制部材8の電気的な特性の変化を、所定の放電電流を得るために必要な放電電圧の上昇によって確認した。また、電位規制部材8への付着物の付着による中間転写ベルト6上のトナーの帯電量の部分的な上昇を抑制する効果の変化を、エンボス紙に対するトナー像の転写性によって確認した。具体的には、次のような実験を行った。
常温低湿(23℃、5%Rh)の環境で普通紙を100K枚通紙し、その後高温高湿(28℃、75%Rh)の環境で普通紙を20K枚通紙した。1日の通紙枚数は20K枚とした。また、通紙モードは、1K枚のジョブごとに中間転写ベルト6が停止し、停止前に後回転が入るように設定した。また、スタンバイ状態から次のジョブを行うようにした。この通紙耐久試験の間、図17のフローが繰り返し実行される。そして、この通紙耐久試験を、電位規制部材8を中間転写ベルト6から退避させて中間転写ベルト6を回転させる内面清掃動作を行った場合(本実施例)と行わなかった場合(比較例)とで行った。図20は、この通紙耐久試験の初期と耐久後とでの、23℃で所定の放電電流を得るために必要な電位規制部材8に対する印加電圧を示している。
図20から、初期の付着物で汚れていない電位規制部材8では、適正な印加電圧は-2000~-3000[V]程度であることがわかる。一方、耐久後の汚れた電位規制部材8では、所定の放電電流を得るために必要な印加電圧が上昇している。これは、電位規制部材8のエッジに付着物が堆積したことによるものであると考えられる。しかし、図20から、本実施例では、比較例よりも、この印加電圧の上昇が抑制されていることがわかる。
また、本実施例と比較例とで、上記通紙耐久試験の初期と耐久後のレザック250g/mのエンボス紙へのマゼンタとシアンの二次色べた画像の転写状態を確認した。画像形成時に電位規制部材8に印加する電圧を変えて、それぞれ転写状態を確認した(画像形成時に各画像形成ユニットに対して設けられた電位規制部材8に印加する電圧は同じとした。)。結果を図21に示す。「○」は、全体的な濃度も出ており、平面部、溝部もトナーが転写されており濃度ムラがない状態を示す。「×」は、転写電流が足りず、全体的に濃度が薄い状態を示す。「△」は、平面部の濃度は出ているが、溝部にトナーが転写されておらず白抜けしている状態を示す。
図21から、本実施例では、耐久後には適正な転写状態を得るための電位規制部材8に対する印加電圧は上昇したが、溝部も転写抜けしていない十分は電圧範囲があることがわかる。なお、電圧が低い領域では、溝部のトナーを転写できないことで、マゼンダが転写できず、シアンが強い色合いになった。また、電圧が高い領域では、溝部でギャップ放電が発生することで、トナーを転写できずに溝部が白抜けた画像になった。また、図21から、比較例では、耐久後には電位規制部材8が付着物によって汚れたことにより、電位規制部材8に対する印加電圧を上げても、十分な放電抑制効果が得られずに、溝部の白抜けを解消することが難しいことがわかる。つまり、本実施例では、耐久後には電位規制部材8に対する印加電圧を適正な値に設定すればエンボス紙の溝部への転写が可能であるが、比較例では、耐久後には溝部の白抜けを解消することは難しい。
このように、本実施例では、画像形成装置1は、所定の極性に帯電可能であり、トナー像を担持する感光体(感光ドラム)11と、複数の張架ローラにより張架され、感光体11に接触する一次転写部N1で感光体11から一次転写されたトナー像を、二次転写部N2で記録材Sに二次転写するために搬送する、周回移動可能な中間転写ベルト6と、中間転写ベルト6の内面に接触して一次転写部N1を形成し、バイアスが印加されて一次転写部N1で感光体11から中間転写ベルト6にトナー像を転写させる一次転写部材(一次転写ローラ)15と、中間転写ベルト6の移動方向における一次転写部N1の下流側で中間転写ベルト6の内面に接触するように設けられた電極部材(電位規制部材)8と、電極部材8に上記所定の極性と同極性のバイアスを印加する電源(電位規制電源)80と、内面清掃部Hで中間転写ベルト6の内面に接触し、中間転写ベルト6の内面から付着物を除去する内面清掃部材(スクレーパー)28aと、中間転写ベルト6を駆動する駆動部(ベルト駆動部)92と、電極部材8を、中間転写ベルト6の内面に接触する第1の位置と、中間転写ベルト6の内面に接触しない第2の位置と、に移動させる接離機構29と、駆動部92及び接離機構29を制御可能な制御部3と、を有する。そして、本実施例では、制御部3は、中間転写ベルト6が停止した状態から中間転写ベルト6を回転させる際に、電極部材8を第2の位置に位置させた状態で中間転写ベルト6の回転を開始させるように制御を行う。
本実施例では、制御部3は、画像形成装置1の電源がONされたことに応じて、中間転写ベルト6が停止した状態から中間転写ベルト6を回転させる場合、電極部材8を上記第2の位置に位置させた状態で中間転写ベルト6の回転を開始させ、中間転写ベルト6が回転を開始してから中間転写ベルト6の回転量が所定の回転量に達した後に、電極部材8を上記第2の位置から上記第1の位置に移動させるように制御を行う。また、本実施例では、制御部3は、画像形成の開始指示が入力されたことに応じて、中間転写ベルト6が停止した状態から中間転写ベルト6を回転させる場合、電極部材8を上記第2の位置に位置させた状態で中間転写ベルト6の回転を開始させ、中間転写ベルト6が回転を開始してから中間転写ベルト6の回転量が所定の回転量に達した後で、画像形成が開始される前に、電極部材8を上記第2の位置から上記第1の位置に移動させるように制御を行う。また、制御部3は、中間転写ベルト3を回転させて内面清掃部材28aにより中間転写ベルト6の内面を清掃するモード(中間転写ベルト内面清掃モード)を実行するように制御を行うことが可能であってよく、画像形成装置1は、操作者の操作に基づいて上記モードの開始指示を制御部3に入力する入力部(操作部)70を有していてよい。この場合、制御部3は、上記モードの開始指示が入力されたことに応じて、中間転写ベルト6が停止した状態から中間転写ベルト6を回転させる場合、電極部材8を上記第2の位置に位置させた状態で中間転写ベルト6の回転を開始させ、中間転写ベルト6の回転量が所定の回転量に達した後に、電極部材8を上記第2の位置に位置させた状態で中間転写ベルト6の回転を停止せるように制御を行う。例えば、上記所定の回転量は、中間転写ベルト6が回転を開始してから、中間転写ベルト6が回転を開始した時に内面清掃部Hにあった中間転写ベルト6の内面の領域が、電極部材8に接触可能な位置を通過するまでの回転量である。また、本実施例では、画像形成装置1は、複数の感光体11と、複数の感光体11のそれぞれに対応して設けられた複数の一次転写部材15と、複数の感光体11のそれぞれに対応して設けられた複数の電極部材8と、を有する。この場合、例えば、上記所定の回転量は、中間転写ベルト6が回転を開始してから、中間転写ベルト6が回転を開始した時に内面清掃部Hにあった中間転写ベルト6の内面の領域が、中間転写ベルト6の移動方向において最下流に位置する電極部材8に接触可能な位置を通過するまでの回転量である。また、例えば、上記所定の回転量は、中間転写ベルト6が回転を開始してから、中間転写ベルト6が回転を開始した時に内面清掃部Hにあった中間転写ベルト6の内面の領域が、中間転写ベルト6の移動方向において最下流に位置する電極部材8に接触可能な位置を通過した後に、該最下流に位置する電極部材8の下流側直近に位置する張架ローラに接触する位置を通過するまでの回転量であってもよい。また、例えば、上記所定の回転量は、中間転写ベルト6が回転を開始してから中間転写ベルト6の少なくとも1周である。また、制御部3は、上記所定の回転量を、環境の湿度に関する情報に基づいて変更することが可能であってよい。また、制御部3は、上記所定の回転量を、中間転写ベルト6の累積の使用量に関する情報に基づいて変更することが可能であってよい。また、制御部3は、上記所定の回転量を、一次転写部材15の累積の使用量に関する情報に基づいて変更することが可能であってよい。
また、本実施例では、制御部3は、電極部材8を上記第1の位置に位置させて中間転写ベルト6を回転させている状態から中間転写ベルト6の回転を停止させる際に、電極部材8を上記第1の位置から上記第2の位置に移動させ、電極部材8を上記第2の位置に位置させた状態で中間転写ベルト6を回転させた後に、中間転写ベルト6の回転を停止させるように制御を行う。また、本実施例では、制御部3は、電極部材8を上記第1の位置に位置させて中間転写ベルト6を回転させている状態から中間転写ベルト6の回転を停止させる際に、電極部材8を上記第2の位置に位置させてから、中間転写ベルト6の回転量が所定の回転量に達した後に、中間転写ベルト6の回転を停止させるように制御を行う。この場合、例えば、上記所定の回転量は、電極部材8を上記第2の位置に位置させてから中間転写ベルト6の少なくとも1周である。また、この場合も、制御部3は、上記所定の回転量を、環境の湿度に関する情報、中間転写ベルトの累積の使用量に関する情報、あるいは一次転写部材15の累積の使用量に関する情報に基づいて変更することが可能であってよい。
また、本実施例では、画像形成装置1は、複数の感光体11と、複数の感光体11のそれぞれに対応して設けられた複数の一次転写部材15と、複数の感光体11のそれぞれに対応して設けられた複数の電極部材8と、を有し、内面清掃部材28aは、中間転写ベルト6の移動方向において、最上流に位置する一次転写部材15の上流側直近に位置する張架ローラよりも下流側、かつ、該最上流に位置する一次転写部材15よりも上流側に設けられている。また、本実施例では、接離機構29は、一次転写部材15を、中間転写ベルト6の内面に接触する第3の位置と、中間転写ベルト6の内面に接触しない第4の位置と、に移動させ、電極部材8を上記第1の位置に位置させる場合は一次転写部材15を上記第3の位置に位置させ、電極部材8を上記第2の位置に位置させる場合は一次転写部材15を上記第4の位置に位置させる。
以上説明したように、本実施例によれば、一次転写部の下流かつ中間転写ベルトの内周面側に配置された電極部材への付着物の付着を軽減することができる。
[その他の実施例]
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
上述の実施例では、中間転写ベルトに接触する接触面が平面である電位規制部材(電極部材)は、板金などで形成された板状の部材であったが、同様の接触面を形成することができれば、例えば断面矩形のブロック状の部材などの他の形態であってもよい。中間転写ベルトに接触する接触面が曲面である電位規制部材(電極部材)についても同様である。また、上述の実施例では、電位規制部材は、第1の部分と第2の部分とを有する構成とされていたが、電位規制部材は、例えば、上述の実施例における第1の部分に相当する平板で構成されていてもよい。
また、上述の実施例では、画像形成装置はフルカラー画像の形成が可能な画像形成装置であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、モノクロ(白黒やモノカラー)の画像のみの形成が可能な画像形成装置であってもよい。
また、上述の実施例では、感光体の所定の帯電極性は負極性であったが、これに限定されるものではなく、感光体の所定の帯電極性は正極性であってもよい。同様に、上述の実施例では、トナーの正規の帯電極性は負極性であったが、トナーの正規の帯電極性は正極性であってもよい。感光体の所定の帯電極性、トナーの正規の帯電極性が正極性である場合における各種印加電圧は、上述の実施例に準じて、上述の実施例とは逆極性とするなど適宜変更すればよい。
また、感光体は、ドラム状のもの(感光ドラム)に限定されるものではなく、無端ベルト状のもの(感光ベルト)などであってもよい。
また、上述の実施例では、一次転写部材は、ローラ状の部材であったが、ブラシ状の部材、シート状の部材、パッド状の部材などであってもよい。
また、上述の実施例では、電位規制電源は、各画像形成ユニットに対して独立して設けられていたが、複数の画像形成ユニット(全てでもよい。)に対して共通化されていてもよい。帯電電源、現像電源、一次転写電源についても同様である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
6 中間転写ベルト
8 電位規制部材(電極部材)
11 感光ドラム(感光体)
15 一次転写ローラ(一次転写部材)
28 スクレーパーユニット
80 電位規制電源
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