(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】
(43)【公開日】
(54)【発明の名称】磁気共鳴イメージング装置
(51)【国際特許分類】
【FI】
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】
(21)【出願番号】
(22)【出願日】
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大武 史康
【テーマコード(参考)】
【Fターム(参考)】
4C096AB12
4C096AB47
4C096AD18
4C096CC40
4C096EB01
4C096EB07
(57)【要約】
【課題】撮像処理中の被検体の苦痛を少なくすること。
【解決手段】実施形態の磁気共鳴イメージング装置は、MR画像撮像部と、被検体固定具と、制御部と、を持つ。MR画像撮像部は、被検体を搭載する寝台を備え、前記被検体のMR画像を撮像する。被検体固定具は、前記被検体を前記MR画像撮像部に対して相対的に固定する寝台に固定する。制御部は、MR画像撮像部によるMR画像の撮像処理の進行に応じて、前記被検体固定具による前記被検体の固定及び解放を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項】
被検体を搭載する寝台を備え、前記被検体のMR画像を撮像するMR画像撮像部と、
前記被検体を前記MR画像撮像部に対して相対的に固定する寝台に固定する被検体固定具と、
前記MR画像撮像部による前記MR画像の撮像処理の進行に応じて、前記被検体固定具による前記被検体の固定及び解放を制御する制御部と、を備える、
磁気共鳴イメージング装置。
【請求項】
前記被検体固定具は、真空引きにより収縮して前記被検体を固定する真空固定具を含み、
前記真空固定具に対する真空引きを行う真空ポンプをさらに備え、
前記制御部は、真空ポンプを制御する、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項】
前記被検体固定具は複数のエレメントを含み、
前記制御部は、複数のエレメントごとに前記被検体の固定及び解放を制御する、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項】
ベルト式固定具を巻き取る巻き取り機を備え、
前記被検体固定具は、前記巻き取り機により巻き取られることにより前記被検体を固定する前記ベルト式固定具と、を含み、
前記制御部は、巻き取り機を制御する、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項】
前記被検体の体温を計測する温度センサと、
前記被検体を冷却する冷却具をさらに備え、
前記制御部は、前記温度センサの計測結果に基づいて、前記冷却具による前記被検体の冷却状態を制御する、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項】
前記冷却具は、前記被検体固定具と前記被検体との間に配置され、冷却エアが流入可能な送風部を含み、
前記制御部は、前記送風部に対して前記冷却エアを供給する送風ファンを制御する、
請求項5に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項】
前記被検体固定具により前記被検体に付与される圧力を計測する圧力センサをさらに備え、
前記制御部は、前記圧力センサの結果に基づいて、前記被検体に対する固定強さを制御する、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項】
前記MR画像撮像部は、核磁気共鳴信号を検出するRFコイルを備え、
前記被検体固定具は、前記RFコイルに設けられる、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項】
前記制御部は、前記撮像処理を開始する際に、前記被検体を固定する、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項】
前記制御部は、前記撮像処理を終了する際に、前記被検体を固定から解放する、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、磁気共鳴イメージング装置に関する。
【背景技術】
【】
磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging、以下、MRI)装置により検査中に患者などの被検体が動くと、撮像処理中におけるスキャンや核磁気共鳴信号の送受信がうまくいかず、画質の低下を招くなどの不具合が生じることがある。このような不具合を避けるために、例えば、被検体固定具を用いて被検体を寝台に固定して撮像処理中に被検体が動かないようにする。
【】
しかし、被検体を寝台に長時間固定すると、被検体に精神的肉体的な苦痛を強いることになる。このような被検体の苦痛を軽減するために、被検体固定具による固定を緩めると、撮像処理中の被検体やRFコイルが動いてしま画質の低下を招いたり、さらには再撮影となったりすることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題は、撮像処理中の被検体の苦痛を少なくすることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【】
実施形態の磁気共鳴イメージング装置は、MR画像撮像部と、被検体固定具と、制御部と、を持つ。MR画像撮像部は、被検体を搭載する寝台を備え、前記被検体のMR画像を撮像する。被検体固定具は、前記被検体を前記MR画像撮像部に対して相対的に固定する寝台に固定する。制御部は、MR画像撮像部によるMR画像の撮像処理の進行に応じて、前記被検体固定具による前記被検体の固定及び解放を制御する。
【図面の簡単な説明】
【】
【図】第1の実施形態のMRI装置1の全体構成を示すブロック図。
【図】MRI装置1における固定具100を制御する構成の一例を説明する。
【図】固定具100の一例の断面図。
【図】MRI装置1の処理の一例を示すフローチャート。
【図】第2の実施形態のMRI装置における固定具200を制御する構成の一例を説明する図。
【図】第3の実施形態のMRI装置における固定具300の断面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【】
以下、図面を参照しながら、実施形態の磁気共鳴イメージング装置について説明する。
【】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態のMRI装置1の全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、MRI装置1は、ガントリ21と、寝台32と、天板34と、固定具100と、固定駆動部110と、を備える。寝台32は、被検体を搭載する。ガントリ21(ガントリ21内の装置類を含む)、寝台32、天板34、及び後述する制御側の構成のうち、少なくともこれらを制御する構成は、被検体のMR画像を撮像するMR画像撮像部の一例である。
【】
天板34は、寝台32に支持されるように、寝台32上で移動可能に配置される。また、MRI装置1は、例えば円筒状に形成されるガントリ21内において、静磁場磁石22と、シムコイル24と、傾斜磁場コイル26と、送信用RFコイル28と、受信用RFコイルと、RFコイル装置30とを有する。ガントリ21は、図中に太線の枠で示す部分に対応する。
【】
天板34上には被検体Pが載置される。静磁場磁石22及びシムコイル24は、例えば円筒状であり、シムコイル24は、静磁場磁石22の内側において静磁場磁石22と軸を同じにして配置されている。ここでは一例として、装置座標系の互いに直交するX軸、Y軸、Z軸を以下のように定義する。
【】
まず、静磁場磁石22及びシムコイル24は、それらの軸方向が鉛直方向に直交するように配置されているものとし、静磁場磁石22及びシムコイル24の軸方向をZ軸方向とする。また、鉛直方向をY軸方向とし、天板34は、その載置用の面の法線方向がY軸方向となるように配置されているものとする。
【】
MRI装置1は、その制御側として、静磁場電源40と、シムコイル電源42と、傾斜磁場電源44と、RF送信器46と、RF受信器48と、天板駆動装置50と、システム制御部52と、システムバス54と、画像再構成部56と、画像データベース58と、画像処理部60と、入力装置62と、表示装置64と、記憶装置66とを有する。天板駆動装置50は寝台32内に設けられている。
【】
RFコイル装置30は、被検体の近傍に配置される。RFコイル装置30の設置位置は、被検体の撮像部位に応じた適宜の位置に設定される。RFコイル装置のコネクタは、天板34の接続ポート36に接続される。接続ポート36を介して、MRI装置1内の配線により、RFコイル装置30の識別情報等がシステム制御部52に入力される。
【】
静磁場磁石22は、静磁場電源40から供給される電流により撮像空間に静磁場を形成する。上記撮像空間とは、例えば、被検体Pが置かれて、静磁場が印加されるガントリ21内の空間を意味する。静磁場磁石22は、超伝導コイルで構成される場合が多く、励磁の際に静磁場電源40に接続されて電流が供給されるが、一旦励磁された後は非接続状態とされるのが一般的である。静磁場電源40を設けずに、静磁場磁石22を永久磁石で構成してもよい。
【】
シムコイル24は、シムコイル電源42に接続され、シムコイル電源42から供給される電流により静磁場を均一化する。傾斜磁場コイル26は、例えば、静磁場磁石22の内側で筒状に形成されている。傾斜磁場コイル26は、傾斜磁場電源44から供給される電流により、X軸方向の傾斜磁場Gx、Y軸方向の傾斜磁場Gy、Z軸方向の傾斜磁場Gzを撮像領域にそれぞれ形成する。即ち、装置座標系の3軸方向の傾斜磁場Gx、Gy、Gzを合成し、論理軸としてのスライス選択方向傾斜磁場Gss、位相エンコード方向傾斜磁場Gpe、及び、読み出し方向(周波数エンコード方向)傾斜磁場Groの各方向を任意に設定できる。
【】
RF送信器46は、システム制御部52から入力される制御情報に基づいて、核磁気共鳴を起こすためのラーモア周波数のRFパルス(RF電流パルス)を生成し、これを送信用RFコイル28に送信する。送信用RFコイル28は、RF送信器46からRFパルスを受けて、このRFパルスを被検体Pに送信する。送信用RFコイル28には、ガントリ21に内蔵されていると共にRFパルスの送信も受信も兼用する全身用コイルが含まれる(図示せず)。
【】
天板34の内部には、受信用RFコイル29が配置されている。受信用RFコイル29は、被検体P内の原子核スピンがRFパルスによって励起されることで発生した核磁気共鳴信号(以下、MR信号)を検出し、検出されたMR信号をRF受信器48に送信する。RF受信器48は、検出したMR信号に所定の信号処理を施すことで、デジタル化されたMR信号の複素データ(以下、MR信号の生データ)を生成する。RF受信器48は、MR信号の生データを画像再構成部56に入力する。
【】
システム制御部52は、撮像動作及び撮像後の画像表示において、システムバス54等の配線を介してMRI装置1全体のシステム制御を行う。そのために、システム制御部52は、傾斜磁場電源44、RF送信器46及びRF受信器48の駆動に必要な制御情報を記憶する。ここでの制御情報とは、例えば、傾斜磁場電源44に印加するパルス電流の強度や印加時間、印加タイミング等の動作制御情報を記述したシーケンス情報である。
【】
システム制御部52は、例えば、ハードウェアプロセッサが記憶装置(記憶回路)に記憶されたプログラムを実行することにより、各種の機能を実現するものである。ハードウェアプロセッサとは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit; ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device; SPLD)または複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device; CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array; FPGA))などの回路(circuitry)を意味する。記憶装置66にプログラムを記憶させる代わりに、ハードウェアプロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、ハードウェアプロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。ハードウェアプロセッサは、単一の回路として構成されるものに限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのハードウェアプロセッサとして構成され、各機能を実現するようにしてもよい。また、複数の構成要素を1つのハードウェアプロセッサに統合して各機能を実現するようにしてもよい。
【】
システム制御部52は、記憶した所定のシーケンスに従って傾斜磁場電源44、RF送信器46及びRF受信器48を駆動させることで、傾斜磁場Gx、Gy、Gz及びRFパルスを発生させる。システム制御部52は、天板駆動装置50を制御することで天板34をZ軸方向に移動させ、ガントリ21内部の撮像空間に対して天板34を出し入れさせる。システム制御部52は、このように天板34の位置を制御することで、天板34上の被検体Pの撮像部位を撮像空間内の磁場中心に位置させる。
【】
システム制御部52は、撮像条件設定部としても機能する。システム制御部52は、操作者が入力装置62に対して入力した被検体Pの情報や一部の撮像条件に基づいて、本スキャンの撮像条件を設定する。そのために、システム制御部52は、撮像条件の設定画面情報を表示装置64に表示させる。入力装置62は、撮像条件や画像処理条件を設定する機能を操作者に提供する。
【】
なお、本明細書において入力装置62はマウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力装置62の例に含まれる。
【】
撮像条件とは、例えば、どの種類のパルスシーケンスにより、どのような条件でRFパルス等を送信して、どのような条件で被検体PからMR信号を収集するかを意味する。撮像条件の例としては、撮像空間内での位置的情報としての撮像領域、撮像部位、パラレルイメージングなどのパルスシーケンスの種類、使用するRFコイル装置30の種類、スライス数、スライス間の間隔等が挙げられる。
【】
撮像部位とは、例えば、頭部、胸部、腹部などの被検体Pのどの部分を撮像領域として画像化するかを意味する。「本スキャン」は、プロトン密度強調画像などの、目的とする診断画像の撮像のためのスキャンであって、位置決め画像用のMR信号収集のスキャンや、較正用スキャンを含まないものとする。スキャンとは、MR信号の収集動作を指し、画像再構成を含まないものとする。較正用スキャンとは例えば、本スキャンの撮像条件の内の未確定のものや、本スキャン後の画像再構成時に用いる条件やデータなどを決定するために、本スキャンとは別に行われるスキャンを指す。
【】
画像再構成部56は、位相エンコードステップ数及び周波数エンコードステップ数に基づいて、RF受信器48から入力されるMR信号の生データを例えばマトリクスデータに変換し、これをk空間データとして保存する。k空間とは、周波数空間(フーリエ空間)の意味である。画像再構成部56は、k空間データに2次元フーリエ変換などを含む画像再構成処理を施すことで、被検体Pの画像データを生成する。画像再構成部56は、生成した画像データを画像データベース58に保存する。
【】
画像処理部60は、画像データベース58から画像データを取り込み、これに所定の画像処理を施し、画像処理後の画像データを表示用画像データとして記憶装置66に記憶させる。記憶装置66は、上記の表示用画像データに対し、その表示用画像データの生成に用いた撮像条件や被検体Pの情報(被検体情報)等を付帯情報として付属させて記憶する。
【】
表示装置64は、システム制御部52の制御に従って、本スキャンの撮像条件の設定用画面や、撮像により生成された画像データが示す画像などを表示する。以下、上記MRI装置1によって、頭部を撮像領域に含むイメージングを行う場合の動作の流れについて説明する。
【】
RFコイル装置30が、天板34上で被検体Pの適宜の位置に装着される。この後、天板駆動装置50は、撮像部位である頭部がガントリ21内の磁場中心に位置するように、被検体Pが載せられた天板34を移動させる。そして、静磁場電源40により励磁された静磁場磁石22によって撮像空間に静磁場が形成される。また、シムコイル電源42からシムコイル24に電流が供給されて、撮像空間に形成された静磁場が均一化される。
【】
そして、入力装置62からシステム制御部52に撮像開始指示が入力されると、システム制御部52は、本スキャンの撮像条件により規定されるパルスシーケンスに従って、傾斜磁場電源44、RF送信器46及びRF受信器48を駆動させることで、撮像領域に傾斜磁場を形成させると共に、送信用RFコイル28からRFパルスを発生させる。
【】
このため、被検体Pの内部の核磁気共鳴により生じたMR信号が、RFコイル装置30や、受信用RFコイル29により受信され、RF受信器48により検出される。RF受信器48は、検出したMR信号に所定の信号処理を施すことで、MR信号の生データを生成する。RF受信器48は、MR信号の生データを画像再構成部56に入力する。
【】
画像再構成部56は、位相エンコードステップ数及び周波数エンコードステップ数に基づいて、MR信号の生データを例えばマトリクスデータに変換し、これをk空間データとして保存する。このようにして本スキャンによりMR信号が収集され、k空間データとして保存される。画像再構成部56は、k空間データにフーリエ変換を含む画像再構成処理を施すことで被検体Pの画像データを再構成し、これを画像データベース58に保存する。
【】
画像処理部60は、再構成された画像データを画像データベース58から取得し、これに所定の画像処理を施すことで表示用画像データを生成し、この表示用画像データを記憶装置66に保存する。システム制御部52は、表示用画像データが示す画像を表示装置64に表示させる。
【】
図2は、MRI装置1における固定具100を制御する構成の一例を説明する図である。被検体Pは、MRI装置1におけるスキャンを含む撮像処理中、固定具100により、ガントリ21を含むMR画像撮像部に対して相対的に、寝台32の天板34に固定される。固定具100は、被検体固定具の一例である。
図3は、固定具100の一例の断面図である。固定具100は、例えば、真空固定具102と冷却具104とを備える。固定駆動部110は、真空ポンプ112及び送風ファン114を備える。
【】
真空固定具102は、真空ポンプ112に接続されている。真空ポンプ112は、真空固定具102に対する真空引きを行う。真空固定具102は、真空ポンプ112により真空引きにより収縮して被検体Pを固定し、真空引きの解除により被検体Pを固定から解放する。真空ポンプ112は、真空固定具102を真空引きすることにより、真空固定具102を収縮させて真空固定具102により天板34に被検体Pを固定させる。真空ポンプ112は、真空固定具102に対する真空引きを解除することにより、天板34に固定された被検体Pを解放させる。
【】
冷却具104は、固定具100と被検体Pとの間に配置される。冷却具104は、例えば、冷却エアが流入可能な送風部を含む。冷却具104は、送風ファン114に接続されている。送風ファン114は、冷却具104に対して冷却エアを供給したり、供給を停止したりする。固定具100は、RFコイル装置30に設けられていてもよい。例えば、RFコイル装置30が被検体Pに装着されるボディコイルやアームコイルなどである場合に、RFコイル装置30におけるコイル部分と被検体Pとの間に位置する部分に固定具100が設けられていてよい。
【】
送風ファン114が、冷却具104に冷却エアを供給することにより、冷却具104には、冷却エアが循環する。冷却具104は、循環する冷却エアにより、天板34に固定された被検体Pを冷却する。送風ファン114は、冷却具104への冷却エアの供給を停止させることにより、被検体Pに対する冷却を終了させる。
【】
システム制御部52は、MR画像撮像部によるMR画像の撮像処理の進行に応じて、固定具100による被検体Pの固定及び解放を制御する。システム制御部52は、入力装置62により送信される開始指示信号に基づいて、MRI装置1による撮像処理を開始する。システム制御部52は、MRI装置1による撮像処理を開始する際に、撮像開始信号をRF送信器46及びRF受信器48に送信するとともに、固定駆動部110における真空ポンプ112を制御し、真空固定具102による被検体Pの固定及び解放を制御する。システム制御部52は、制御部の一例である。
【】
固定具100の内部には、体温計106及び圧力センサ108が設けられている。体温計106は、MRI装置1による撮像処理中の被検体Pの体温を計測する。体温計106は、計測結果として得られる被検体の体温をシステム制御部52に送信する。システム制御部52は、体温計106により送信された体温に基づいて、冷却具104による被検体Pの冷却状態を制御する。
【】
システム制御部52は、例えば、体温計106により送信された被検体の体温に基づいて、固定駆動部110における送風ファン114に対して、冷却具104に冷却エアを供給させたり、供給を停止させたりすることにより、冷却具104による被検体Pの冷却状態を制御する。体温計は、温度センサの一例である。
【】
圧力センサ108は、
図3にも示すように、固定具100と被検体Pの間に配置されている。圧力センサ108は、真空引きされた固定具100により固定される被検体Pに付与される圧力を計測する。圧力センサ108は、計測した圧力を計測結果としてシステム制御部52に送信する。
【】
システム制御部52は、圧力センサ108により送信された計測結果としての圧力に基づいて、真空固定具102に対する真空引きの強さを調節して、被検体Pに対する固定強さを制御する。システム制御部52は、例えば、圧力センサ108により計測された圧力が所定の閾値を超える場合に、真空引きの強さを弱めたり、真空引きを解除したりする。
【】
続いて、MRI装置1における処理について説明する。
図4は、MRI装置1における処理の一例を示すフローチャートである。
図4では、MRI装置1により被検体の撮像処理の手順を説明する。MRI装置1では、まず、検査の対象となる被検体Pに固定具100を装着し(ステップS101)、被検体Pを寝台32の天板34に搭載する。この段階で被検体Pに装着された固定具100において、真空固定具102には、真空ポンプ112による真空引きは開始されておらず、固定具100による被検体の固定は行われていない状態となっている。
【】
続いて、例えば、MRI装置1を操作する技師が入力装置62を操作することにより送信される開始指示信号をシステム制御部52が受信すると、寝台32がガントリ21内に挿入され、撮像位置に配置されてMRI装置1による撮像処理が開始される(ステップS103)。寝台32が撮像位置に配置され、または撮像位置に配置するための移動により撮像処理が開始されると、システム制御部52は、真空ポンプ112をONにし、真空ポンプ112により真空固定具102を真空引きして、真空固定具102により被検体Pを寝台32の天板34に固定する(ステップS105)。撮像処理は、寝台32がガントリ21内に挿入される前から開始されてもよい。
【】
被検体Pを寝台32の天板34に固定したら、ガントリ21を含むMR画像撮像部による被検体Pのスキャンなどの撮像処理を行う。被検体Pの撮像処理を行っている間、体温計106は、被検体Pの体温を計測してシステム制御部52に送信する。システム制御部52は、被検体Pの体温が高温であるか否かを判定する(ステップS107)。
【】
システム制御部52は、例えば、被検体Pの体温が高温であると判定する閾値を参照し、被検体Pの体温が閾値を超える場合に被検体Pが高温であると判定する。被検体Pが高温であると判定した場合、システム制御部52は、送風ファン114がOFFとなっているときには送風ファン114をONにして(ステップS109)、冷却具104に冷却エアを供給して被検体Pを冷却する。送風ファン114がONとなっているときにはその状態を維持する。
【】
被検体Pが高温でないと判定した場合、システム制御部52は、送風ファン114がONとなっているときには送風ファン114をOFFにし(ステップS111)、送風ファン114がOFFとなっているときはその状態を維持する。続いて、システム制御部52は、圧力センサ108により送信される圧力が所定の閾値を超えるか否かを判定する(ステップS113)。
【】
圧力センサ108により送信される圧力が所定の閾値を超えると判定した場合、システム制御部52は、真空ポンプ112による真空引きの強さを弱めて(ステップS115)、被検体Pを固定する力を小さくする。圧力センサ108により送信される圧力が所定の閾値を超えていないと判定した場合、システム制御部52は、ステップS115の処理をスキップする。
【】
続いて、システム制御部52は、撮像処理が終了したか否かを判定する(ステップS117)。撮像処理が終了していないと判定した場合、システム制御部52は、処理をステップS107に戻す。撮像処理が終了したと判定した場合、システム制御部52は、真空ポンプ112をOFFにして、真空固定具102に対する真空引きを解除して(ステップS119)、被検体Pを固定から解放する。
【】
このときに、システム制御部52は、送風ファン114がONとなっている場合には、送風ファン114をOFFにする。続いて、ガントリ21から寝台32が排出され、被検体Pに装着された固定具100を被検体Pから取り外す(ステップS121)。こうして、MRI装置1は、
図4に示す処理を終了する。
【】
第1の実施形態のMRI装置1は、真空ポンプ112により真空引きをすることにより被検体Pを天板34に固定する固定具100を備える。このため、システム制御部52により真空ポンプ112を作動させて固定具100の真空固定具102を真空引きすることで被検体Pを天板34に固定することができるので、例えば、MRI装置1による撮像処理の途中の必要なタイミングで被検体Pを天板34に固定することができる。したがって、その他のタイミングでは被検体Pを固定することなく解放した状態としておいたとしても、被検体Pが動いてしまうことによる不具合を抑制できる。よって、撮像処理中の被検体の苦痛を少なくすることができる。
【】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態のMRI装置は、第1の実施形態と比較して、固定具の態様が主に異なる。以下、第1の実施形態との相違点を中心として、第2の実施形態のMRI装置について説明する。
図5は、第2の実施形態のMRI装置における固定具200を制御する構成の一例を説明する図である。
【】
第2の実施形態のMRI装置において、固定具200は、複数のエレメント固定具、例えば第1エレメント固定具200A、第2エレメント固定具200B、及び第3エレメント固定具200Cを備える。第1エレメント固定具200Aは、被検体Pの胸部周りに配置され、第2エレメント固定具200Bは、被検体Pの胴部周りに配置され、第3エレメント固定具200Cは、被検体Pの胸部周りに配置される。第1エレメント固定具200A、第2エレメント固定具200B、及び第3エレメント固定具200Cは、エレメントの一例である。
【】
第1エレメント固定具200A~第3エレメント固定具200Cは、いずれも第1の実施形態の固定具100と同様の真空固定具及び冷却具を備える。第1エレメント固定具200A~第3エレメント固定具200Cのそれぞれにおける真空固定具には、真空ポンプ112が接続される。第1エレメント固定具200A~第3エレメント固定具200Cのそれぞれの冷却具には、送風ファン114が接続される。
【】
システム制御部52は、第1エレメント固定具200A~第3エレメント固定具200Cのそれぞれの真空固定具を、真空ポンプ112により個別に真空引きさせたり、真空引きを解除させたりする制御が可能である。システム制御部52は、第1エレメント固定具200A~第3エレメント固定具200Cのそれぞれの冷却具に冷却エアを個別に供給する制御が可能である。その他の点は、第1の実施形態と構成等が共通する。
【】
第2の実施形態のMRI装置において、システム制御部52は、真空ポンプ112を制御して、第1エレメント固定具200A~第3エレメント固定具200Cのそれぞれの真空固定具を真空引きすることにより、被検体Pの適宜の位置を固定する。例えば、第1エレメント固定具200Aの真空固定具を真空引きすることにより、真空固定具により被検体Pの胸部を固定する。
【】
第2の実施形態のMRI装置は、第1の実施形態のMRI装置と同様の作用効果を奏する。また、第2の実施形態のMRI装置では、被検体Pの体形や撮像部位などにより、被検体Pの適宜の位置を固定することが適切なる。ここで、第1エレメント固定具200A~第3エレメント固定具200Cのそれぞれの真空固定具が独立して真空引き可能であることで、被検体Pの適切な位置を寝台32の天板34に固定することができる。
【】
さらに、システム制御部52は、送風ファン114を制御して、第1エレメント固定具200A~第3エレメント固定具200Cのそれぞれの冷却具に冷却エアを供給することにより、被検体Pの適宜の位置を冷却する。例えば、第1エレメント固定具200Aの冷却具に冷却エアを供給することにより、被検体Pの胸部を冷却することができる。このため、被検体Pを冷却する際に適切な位置を冷却することができる。
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(第3の実施形態)
続いて、第3の実施形態について説明する。
図6は、第3の実施形態のMRI装置における固定具300の断面の一例を示す図である。固定具300は、第1の実施形態の真空固定具102に代えて、ベルト式固定具302を備える。ベルト式固定具302の一端には、巻き取り機116が接続される。システム制御部52は、第1の実施形態の真空ポンプ112に代えて巻き取り機116を制御可能である。ベルト式固定具302と被検体Pの間には、第1の実施形態と同様の冷却具104が設けられる。その他の点は、第1の実施形態と構成等が共通する。
【】
第3の実施形態のMRI装置において、システム制御部52は、巻き取り機116を制御してベルト式固定具302を引っ張ることにより、ベルト式固定具302により被検体Pを寝台32の天板34に固定する。ベルト式固定具302と被検体Pとの間には、冷却具が配置される。
【】
第3の実施形態のMRI装置は、第1の実施形態のMRI装置と同様の作用効果を奏する。また、第3の実施形態のMRI装置では、巻き取り機116を巻き取ることにより、ベルト式固定具302により被検体Pを天板34に固定する。巻き取り機116によりベルト式固定具302を巻き取ることでき被検体Pを天板34に固定できるので、被検体Pを迅速に天板34に固定することができる。
【】
さらに、システム制御部52は、送風ファン114を制御して、冷却具に冷却エアを供給する。冷却具は、ベルト式固定具302と被検体Pの間に配置されているので、冷却具に冷却エアを供給することにより、被検体Pを適切に冷却することができる。
【】
上記第1の実施形態において、固定具100と被検体Pの間に、固定具100により被検体Pに付与される圧力を計測する圧力センサを配置し、システム制御部52は、圧力センサの結果に基づいて、真空固定具102に対する真空引きの強さを調節して、被検体Pに対する固定強さを制御してもよい。例えば、圧力センサにより計測された圧力が所定の閾値を超える場合に、真空引きの強さを弱めたり、真空引きを解除したりしてもよい。
【】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、磁気共鳴イメージング装置は、被検体を搭載する寝台を備え、前記被検体のMR画像を撮像するMR画像撮像部と、前記被検体を前記MR画像撮像部に対して相対的に固定する寝台に固定する被検体固定具と、MR画像撮像部によるMR画像の撮像処理の進行に応じて、前記被検体固定具による前記被検体の固定及び解放を制御する制御部と、を持つことにより、撮像処理中の被検体の苦痛を少なくすることができる。
【】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【】
1 MRI装置
21 ガントリ
22 静磁場磁石
24 シムコイル
26 傾斜磁場コイル
28 送信用RFコイル
29 受信用RFコイル
30 RFコイル装置
32 寝台
34 天板
36 接続ポート
40 静磁場電源
42 シムコイル電源
44 傾斜磁場電源
46 RF送信器
48 RF受信器
50 天板駆動装置
52 システム制御部
54 システムバス
56 画像再構成部
58 画像データベース
60 画像処理部
62 入力装置
64 表示装置
66 記憶装置
100 固定具
102 真空固定具
104 冷却具
106 体温計
108 圧力センサ
110 固定駆動部
112 真空ポンプ
114 送風ファン
116 巻き取り機
200 固定具
200A 第1エレメント固定具
200B 第2エレメント固定具
200C 第3エレメント固定具
300 固定具
302 ベルト式固定具
P 被検体
【図】
【図】
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【図】
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