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2026-127402画像合成装置、画像合成方法、及びコンピュータプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】
(43)【公開日】
(54)【発明の名称】画像合成装置、画像合成方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   
   
   
【FI】
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】
(21)【出願番号】
(22)【出願日】
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】阿部 学
【テーマコード(参考)】
【Fターム(参考)】
5C122FA09
5C122FH18
5C122GG10
5C122GG28
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】
複数のターゲット距離範囲の画像を用いて、鮮明な合成画像を生成可能な画像合成装置を提供すること。
【解決手段】
画像合成装置において、複数のターゲット距離範囲に対応する画像を夫々取得する光電変換部と、前記ターゲット距離範囲に対応する前記画像の画素毎に被写体の距離値を生成する距離値取得部と、前記距離値と前記ターゲット距離範囲を比較し、前記距離値が前記ターゲット距離範囲に含まれる前記画素の輝度値を用い、前記距離値が前記ターゲット距離範囲に含まれない前記画素の輝度値を用いずに画像合成を行う画像合成部と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図12

【特許請求の範囲】
【請求項
複数のターゲット距離範囲に対応する画像を夫々取得する光電変換部と、
前記ターゲット距離範囲に対応する前記画像の画素毎に被写体の距離値を生成する距離値取得部と、
前記距離値と前記ターゲット距離範囲を比較し、前記距離値が前記ターゲット距離範囲に含まれる前記画素の輝度値を用い、前記距離値が前記ターゲット距離範囲に含まれない前記画素の輝度値を用いずに画像合成を行う画像合成部と、
を有することを特徴とする画像合成装置。
【請求項
複数の前記ターゲット距離範囲で撮像された複数の前記画像において、前記距離値が1つも取得できない前記画素については、複数の前記画像における前記画素の前記輝度値の平均値を使用して前記画像合成を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像合成装置。
【請求項
複数の前記ターゲット距離範囲で撮像された複数の前記画像において、前記距離値が1つも取得できない前記画素については、複数の前記画像における前記画素の輝度値のうち最も高い輝度値を使用して前記画像合成を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像合成装置。
【請求項
前記ターゲット距離範囲に含まれる前記距離値が複数ある前記画素については、前記距離値が前記ターゲット距離範囲に含まれる前記画素の前記輝度値の平均値を用いて前記画像合成を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像合成装置。
【請求項
前記距離値は、測距誤差を加えた距離値範囲であることを特徴とする請求項1に記載の画像合成装置。
【請求項
前記ターゲット距離範囲に含まれる前記距離値範囲が複数ある画素については、前記ターゲット距離範囲に含まれる前記距離値範囲の割合に応じて、前記輝度値を加算することを特徴とする請求項5に記載の画像合成装置。
【請求項
前記ターゲット距離範囲に含まれる前記距離値が複数ある画素については、最も小さい前記距離値の前記画素の前記輝度値を用いて前記画像合成を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像合成装置。
【請求項
パルス光を発光する発光部と、
前記ターゲット距離範囲にある被写体からの反射光を前記光電変換部が露光するように前記発光部の発光タイミングと前記光電変換部の露光タイミングを制御する制御部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像合成装置。
【請求項
複数のターゲット距離範囲に対応する画像を夫々取得する撮像ステップと、
前記ターゲット距離範囲に対応する前記画像の画素毎に被写体の距離値を取得する距離値取得ステップと、
前記距離値と前記ターゲット距離範囲を比較し、前記距離値が前記ターゲット距離範囲に含まれる前記画素の輝度値を用い、前記距離値が前記ターゲット距離範囲に含まれない前記画素の輝度値を用いずに画像合成を行う画像合成ステップと、
を有することを特徴とする画像合成方法。
【請求項
請求項1~8のいずれか1項に記載の画像合成装置の各部をコンピュータにより制御するためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は画像合成装置、画像合成方法、及びコンピュータプログラム等に関するものである。
【背景技術】
レンジゲートカメラと呼ばれるカメラを用いた撮像方法がある。これはカメラ前方の、撮像したい距離範囲をターゲット距離範囲として、そのターゲット距離範囲内の被写体のみを撮像する撮像方法である。
方法としてカメラ前方に所定の周期でパルス光を発光し、ターゲット距離範囲からの反射光を撮像できるタイミングでカメラ内部のイメージセンサを露光する。撮像範囲をターゲット距離範囲に限定して撮像することで、ターゲット距離範囲にある被写体のみを鮮明に撮像することが可能となる技術である(以下、本技術をレンジゲート制御と呼ぶ)。
このレンジゲート制御により例えば悪天候であっても所定の距離範囲にある被写体を鮮明に撮像することができる。しかし、レンジゲート制御により得られる画像であるレンジゲート画像においては、同じレンジゲート画像内の画像でもターゲット距離範囲の範囲外の領域に関しては不鮮明な画像となる。
そのため、カメラ前方における近距離から遠距離までの鮮明な画像を取得する場合は、複数のターゲット距離範囲における複数のレンジゲート画像が必要となる。1つの画像として取得する場合はこれらのレンジゲート画像を合成する必要があるが、鮮明な1つの合成画像を取得するには夫々のレンジゲート画像の鮮明な領域だけを合成する必要がある。
画像を合成する技術として、特許文献1では、被写体までの距離情報を元に画像を合成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献】特開2016-076785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許文献に開示された従来技術では、距離情報を元に被写体を認識し、連続で取得した複数画像における同じ被写体の移動量を補正している。このため、複数のレンジゲート画像における、異なる被写体の鮮明な画像領域を選んで合成することは難しい。
そこで本発明の目的の1つは、複数のターゲット距離範囲の画像を用いて、鮮明な合成画像を生成可能な画像合成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の1側面の画像合成装置は、
複数のターゲット距離範囲に対応する画像を夫々取得する光電変換部と、
前記ターゲット距離範囲に対応する前記画像の画素毎に被写体の距離値を生成する距離値取得部と、
前記距離値と前記ターゲット距離範囲を比較し、前記距離値が前記ターゲット距離範囲に含まれる前記画素の輝度値を用い、前記距離値が前記ターゲット距離範囲に含まれない前記画素の輝度値を用いずに画像合成を行う画像合成部と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
本発明によれば、複数のターゲット距離範囲の画像を用いて、鮮明な合成画像を生成可能な画像合成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図】本発明の実施形態の撮像素子の構成例を示す図である。
【図】センサ基板11の構成例を示す模式図である。
【図】回路基板21の構成例を示す図である。
【図】画素部101の光電変換部102と、光電変換部102に対応した信号処理回路103の等価回路例を示した図である。
【図】APD201の動作と出力信号の関係を模式的に示した図である。
【図】(A)は光電変換部102の構成例を示す模式図、(B)は図6(A)のA-A断面の例を示す図である。
【図】(A)は光電変換部102に入射する光を示した図、(B)~(D)は視差量とデフォーカス量の関係について示した図である。
【図】IR発光器500、カメラ600及び移動体700の構成例を示す機能ブロック図である。
【図】IR発光器500からの放射光とその反射光の進行とカメラ600の露光タイミングの関係の例を示した図である。
【図】1フレーム時間あたりのレンジゲート輝度情報画像を得るための制御動作を説明したタイミングチャートである。
【図】(A)はレンジゲート制御によらない撮像方法により得られる画像の例を示した図、(B)はターゲット距離範囲を近距離としたレンジゲート輝度情報画像の例を示した図である。(C)はターゲット距離範囲を中距離としたレンジゲート輝度情報画像の例を示した図、(D)はターゲット距離範囲を遠距離としたレンジゲート輝度情報画像の例を示した図である。(E)は、本実施形態において図11(B)~(D)の各レンジゲート輝度情報画像を合成した画像の例を示した図である。
【図】3つのレンジゲート輝度情報画像を取得し、その合成画像であるレンジゲート輝度情報合成画像を生成する画像合成方法の例を説明する図である
【図】距離情報を得られない画素(u,v)を含む場合における合成方法の例を説明する図である。
【図】画素(u,v)において全てのレンジゲート輝度情報画像における輝度値PDn(u,v)で距離情報を得ることができなかった場合の合成方法の例を説明する図である。
【図】レンジゲート輝度情報合成画像を生成する方法の処理例を説明するフローチャートである。
【図図14Aの続きの処理例を説明するフローチャートである。
【図】ステップS106において、得られた距離値HDn(u,v)⊂ターゲット距離範囲Dnを満たす距離値HDn(u,v)が複数存在する場合の合成方法の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。尚、各図において、同一の部材又は要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
図1は、本発明の実施形態の撮像素子の構成例を示す図である。尚、本実施形態では、撮像素子部100が、センサ基板11と、回路基板21の2枚の基板が積層され且つ電気的に接続された、いわゆる積層構造となっている例を説明する。
しかしセンサ基板に含まれる構成と回路基板に含まれる構成が共通の半導体層に配された、所謂、非積層構造であっても良い。センサ基板11は、画素領域12を含む。回路基板21は、画素領域12で検出された信号を処理する回路領域22を含む。
図2はセンサ基板11の構成例を示す模式図であり、センサ基板11の上面図を示している。センサ基板11における画素領域12は、複数行及び列方向に渡って二次元状に複数の画素部101が配置されている。
画素部101は、アバランシェフォトダイオード(以下、APD)を含む光電変換部102を備えており、光電変換部102は、入射した光を光電変換して電気信号として出力する。尚、画素領域12を成す画素アレイの行数及び列数は、特に限定されるものではない。
図3は、回路基板21の構成例を示す図である。回路基板21は、図2の各光電変換部102で光電変換された電荷を処理する信号処理回路103、読み出し回路112、制御パルス生成部115、水平走査回路111、垂直信号線113、垂直走査回路110、出力回路114を有している。
垂直走査回路110は、制御パルス生成部115から供給された制御パルスを受け、行方向に配列された複数の画素に、行毎に順次的に制御パルスを供給する。垂直走査回路110にはシフトレジスタやアドレスデコーダといった論理回路が用いられる。
各画素の光電変換部102から出力された信号は、各信号処理回路103で処理される。信号処理回路103は、カウンタやメモリなどが設けられており、メモリにはデジタル値が保持される。水平走査回路111は、デジタル信号が保持された各画素のメモリから信号を読みだすために、各列を順次選択する制御パルスを信号処理回路103に入力する。
垂直信号線113には、垂直走査回路110により選択された行の画素の信号処理回路103から信号が出力される。垂直信号線113に出力された信号は、読み出し回路112、出力回路114を介して、撮像素子部100の外部に出力される。読み出し回路112には垂直信号線113に接続された、複数のバッファが内蔵されている。
図2及び図3に示すように、平面視で画素領域12に重なる領域に、複数の信号処理回路103が配される。そして、平面視で、センサ基板11の端と画素領域12の端との間に重なるように、垂直走査回路110、水平走査回路111、読み出し回路112、出力回路114、制御パルス生成部115が配される。
即ち、センサ基板11は、画素領域12と画素領域12の周りに配された非画素領域とを有する。そして、平面視で非画素領域に重なる領域に、垂直走査回路110、水平走査回路111、読み出し回路112、出力回路114、制御パルス生成部115が配される。
尚、垂直信号線113の配置、読み出し回路112、出力回路114の配置は、図3に示した例に限定されない。例えば、垂直信号線113が行方向に延びて配置され、読み出し回路112が、垂直信号線113が延びる先に配置されても良い。
又、信号処理回路103は、必ずしもすべての光電変換部102に1つずつ設けられる必要はなく、複数の光電変換部102に対して1つの信号処理回路が共有され、順次信号処理を行う構成となっていても良い。
図4は、画素部101の光電変換部102と、光電変換部102に対応した信号処理回路103の等価回路例を示した図である。
光電変換部102に含まれるAPD201は、光電変換により入射光に応じた電荷対を生成する。APD201の2つのノードのうちの一方のノードは、駆動電圧VL(第1電圧)が供給される電源線と接続されている。又、APD201の2つのノードのうちの他方のノードは、クエンチ素子202を介して、電圧VLよりも高い駆動電圧VH(第2電圧)が供給される電源線と接続可能となっている。
図4では、APD201の一方のノードはアノードであり、APDの他方のノードはカソードである。APD201のアノードとカソードには、APD201がアバランシェ増倍動作をするような逆バイアス電圧が供給される。このような電圧を供給した状態とすることで、入射光によって生じた電荷がアバランシェ増倍を起こし、アバランシェ電流が発生する。
尚、逆バイアスの電圧が供給される場合において、アノード及びカソードの電圧差が降伏電圧より大きい電圧差で動作させるガイガーモードと、アノード及びカソードの電圧差が降伏電圧近傍、もしくはそれ以下の電圧差で動作させるリニアモードがある。
ガイガーモードで動作させるAPDをSPADと呼ぶ。SPADの場合、例えば、電圧VL(第1電圧)は-30V、電圧VH(第2電圧)は1Vである。
信号処理回路103は、クエンチ素子202、波形整形部210、カウンタ回路211、選択回路212を有する。クエンチ素子202は、駆動電圧VHが供給される電源線とAPD201のアノード及びカソードのうちの一方のノードに接続される。
クエンチ素子202は、アバランシェ増倍による信号増倍時に負荷回路(クエンチ回路)として機能し、APD201に供給する電圧を抑制して、アバランシェ増倍を抑制する働きを持つ(クエンチ動作)。又、クエンチ素子202は、クエンチ動作で電圧降下した分の電流を流すことにより、APD201に供給する電圧を駆動電圧VHへと戻す働きを持つ(リチャージ動作)。
波形整形部210は、光子の検出時に得られるAPD201のカソードの電圧変化を整形して、パルス信号を出力する。波形整形部210としては、例えば、インバータ回路が用いられる。図4では、波形整形部210としてインバータを1つ用いた例を示したが、複数のインバータを直列接続した回路を用いても良いし、波形整形効果があるその他の回路を用いても良い。
カウンタ回路211は、波形整形部210から出力されたパルスの数をカウントし、カウント値を保持するとともに、カウント値を選択回路212に供給する。又、駆動線213を介して制御パルスRESが供給されたとき、カウンタ回路211に保持された信号がリセットされる。ここでカウンタ回路211は、蓄積期間の開始時と終了時のカウント値の差分に基づいて信号を生成している。
選択回路212には、図3の垂直走査回路110から、図4の駆動線214(図3では不図示)を介して制御パルスSELが供給され、カウンタ回路211と垂直信号線113との電気的な接続、非接続を切り替える。選択回路212には、例えば、信号を出力するためのバッファ回路などを含む。
図5は、APD201の動作と出力信号の関係を模式的に示した図である。波形整形部210の入力側をnodeA、出力側をnodeBとしている。時刻taから時刻tbの間において、APD201には、VH-VLの電位差が印加されている。
時刻taにおいて光子がAPD201に入射すると、APD201でアバランシェ増倍が生じ、クエンチ素子202にアバランシェ増倍電流が流れ、nodeAの電圧は降下する。
電圧降下量が更に大きくなり、APD201に印加される電位差が小さくなると、時刻tbのようにAPD201のアバランシェ増倍が停止し、nodeAの電圧レベルはある一定値以下には降下しなくなる。
その後、時刻tbから時刻tcの間において、nodeAには電圧VLから電圧降下分を補う電流が流れ、時刻tcにおいてnodeAは元の電位レベルに静定する。このとき、nodeAにおいて出力波形がある閾値を下回った部分は、波形整形部210で波形整形され、nodeBでパルス信号として出力される。
尚、本実施形態においては、カメラ600は被写体の距離情報を、撮像面位相差方式により画素部101毎に取得可能となっている。以下、撮像面位相差方式による画素部101毎の距離情報取得について説明する。
尚、本実施形態においては撮像面位相差方式により画素部101毎に被写体の距離情報を得ているが、撮像面位相差方式に限定されるない。画素毎の距離情報を取得可能であれば、例えば基線長離れた複数のカメラ(ステレオカメラ)等を用いて測距を行うようにしても良い。
図6(A)は光電変換部102の構成例を示す模式図、図6(B)は図6(A)のA-A断面の例を示す図である。図6(A)に示すように、本実施形態では各画素部101における光電変換部102は、第1の光電変換部102a、第2の光電変換部102bの2つの光電変換部を持つ。
尚、第1の光電変換部102a、第2の光電変換部102bは夫々別々のAPD201を有する。又、夫々のAPD201に対して別々の信号処理回路103を有する。
図6(B)に示すように、画素部101は、光電変換部102の上面(入光側)に導光部1001が配置されている。導光部1001は画素部101へ入射した光束を光電変換部102へ効率よく導くためのマイクロレンズ部1001a、所定の波長帯域の光を通過させる不図示のフィルタを有する導光部材である。
光電変換部102は、導光部1001を介して入射した光を光電変換して電気信号として出力する。尚、本実施形態においては、前述のフィルタにより、IR(赤外)光のみが透過する構成としている。
図7(A)は、光電変換部102に入射する光を示した図である。マイクロレンズ部1001aは、後述の結像光学系601の射出瞳300と光電変換部102とが光学的に共役関係になるように配置されている。
その結果、射出瞳300に内包される部分瞳領域である第1の瞳領域300aを通過した光束は第1の光電変換部102aに入射する。同様に部分瞳領域である第2の瞳領域300bを通過した光束は第2の光電変換部102bに入射する。
各画素部101における第1の光電変換部102aは、受光した光束を光電変換して信号を出力する。撮像素子部100に含まれる複数の第1の光電変換部102aから出力された信号から、第1の画像信号が生成される。第1の画像信号は、第1の瞳領域300aを主に通過した光束が撮像素子部100上に形成する像の強度分布を示す。
各画素部101における第2の光電変換部102bは、受光した光束を光電変換して信号を出力する。撮像素子部100に含まれる複数の第2の光電変換部102bから出力された信号から、第2の画像信号が生成される。第2の画像信号は第2の瞳領域300bを主に通過した光束が撮像素子部100上に形成する像の強度分布を示す。
第1の画像信号と第2の画像信号間の相対的な位置ズレ量(以下、視差量と呼ぶ)は、デフォーカス量に応じた量となる。視差量とデフォーカス量の関係について、図7(B)~(D)を用いて説明する。
図7(B)~(D)は、視差量とデフォーカス量の関係について示した図である。図中においては、第1の瞳領域300aを通過した光束である第1の光束310a、第2の瞳領域300bを通過した光束である第2の光束310bを示している。
図7(B)は合焦時の状態を示しており、第1の光束310aと第2の光束310bが光電変換部102で収束している。この時、第1の光束310aにより形成される第1の画像信号と第2の光束310bにより形成される第2の画像信号間の視差量は0となる。
図7(C)は、像側でw軸の負方向にデフォーカスした状態を示している。この時、第1の光束310aにより形成される第1の画像信号と第2の光束310bにより形成される第2の画像信号間の視差量は0とはならず、負の値を有する。
図7(D)は像側でw軸の正方向にデフォーカスした状態を示している。この時、第1の光束310aにより形成される第1の画像信号と第2の光束310bにより形成される第2の画像信号間の視差量は0とはならず、正の値を有する。
図7(C)と図7(D)の比較から、デフォーカス量の正負に応じて、視差が生じる方向が入れ替わることが分かる。又、幾何関係から、デフォーカス量に応じた視差量が生じることが分かる。
従って、第1の画像信号と第2の画像信号との間の視差量を、領域ベースのマッチング手法により検出し、視差量を所定の変換係数を介してデフォーカス量に変換することができる。
具体的には、第1の画像信号に対応する第1の輝度画像を生成し、生成された第1の輝度画像内に注目点を設定し、注目点を中心とする照合領域を設定する。次に第2の画像信号に対応する第2の輝度画像を生成し、生成された第2の輝度画像内に参照点を設定し、参照点を中心とする参照領域を設定する。
参照点を順次移動させながら照合領域内に含まれる第1の輝度画像と、参照領域内に含まれる第2の輝度画像間の相関度を算出し、最も相関が高い参照点を対応点とする。注目点と対応点間の相対的な位置のズレ量を、注目点における視差量とする。
注目点を順次移動させながら視差量を算出することで、複数の画素位置における視差量を算出することができる。画素ごとに視差値を示す値が特定され、視差分布を示すデータを生成する。
更に、後述する結像光学系601の結像公式(式1)を用いることで、像側のデフォーカス量を、被写体までの距離に変換することができる。ここで、図2における特定の画素部101を、座標を用いて画素(u,v)、結像光学系601の焦点距離をf、像側主点から撮像素子部100までの距離をIppとする。
この場合、以下の式1の結像公式を用いて、画素(u,v)におけるデフォーカス量であるデフォーカス量ΔL(u,v)を、画素(u,v)における被写体までの距離情報である距離値H(u,v)に変換することができる。
【数
尚、ここまでの説明では、焦点距離fと像側主点から撮像素子部100までの距離Ippは画角に寄らず一定値としているが、これに限らない。結像光学系601の結像倍率が画角ごとに大きく変化する場合には、焦点距離fや像側主点から撮像素子部100までの距離Ippの少なくとも1つを画角ごとに変わる値としても良い。
以上のように、本実施形態においては、画素(u,v)毎に、被写体までの距離情報である距離値H(u,v)を算出することが可能となっている。
尚、ここでの撮像面位相差方式は2つの光電変換部を持っているが、これに限らず少なくとも2つの光電変換部を持っていれば良い。例えばクワッドピクセル構造で撮像面位相差方式を実現しても良い。
次に、本実施形態におけるIR発光器500、カメラ600及び移動体700等からなるシステムについて説明する。尚、本実施形態において、カメラ600等は画像合成装置として機能している。
図8は本実施形態に係るIR発光器500、カメラ600及び移動体700の構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態の撮像装置(カメラ600、IR発光器500)は移動体700に搭載されており、結像光学系601と撮像素子部100のセットからなるカメラユニットは例えば移動体の前方、後方、側方の少なくとも1方向を撮影するように配置されている。
尚、カメラユニットを移動体700に複数配置しても良い。又、IR発光器500も移動体700に対して複数のカメラユニットと同数だけ配置し、各カメラユニットの光軸方向の被写体に対して夫々IR光を照射できるように配置しても良い。
尚、本実施形態では移動体700は例えば自動車の例を用いて説明するが、移動体は航空機、電車、船舶、ドローン、AGV、ロボットなど、移動可能なものであれば、どのようなものであっても良い。
尚、図8に示される機能ブロックの一部は、IR発光器500、カメラ600及び移動体700に夫々含まれる不図示のコンピュータに、不図示の記憶媒体としてのメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行させることによって実現されている。
しかし、それらの一部又は全部をハードウェアで実現するようにしても構わない。ハードウェアとしては、専用回路(ASIC)やプロセッサ(リコンフィギュラブルプロセッサ、DSP)などを用いることができる。
又、図8に示される夫々の機能ブロックは、同じ筐体に内蔵されていなくても良く、互いに信号路を介して接続された別々の装置により構成しても良い。
カメラ600は、図1図7で説明した撮像素子部100、結像光学系601、画像処理部603、カメラ制御部605、記憶部606、通信部607等を有する。画像処理部603には、輝度情報画像生成部650、距離情報生成部651、輝度情報画像合成部652が含まれる。
結像光学系601は、被写体の像(光学像)を撮像素子部100上に形成することができ、撮像素子部100から所定距離離れた位置に射出瞳を有する。撮像素子部100は、光学像を光電変換するための図1図5で説明したアバランシェフォトダイオードで構成されている。撮像素子部100から第1の画像信号、第2の画像信号を、画像処理部603内の輝度情報画像生成部650と距離情報生成部651に出力する。
輝度情報画像生成部650では、撮像素子部100から出力された画素(u,v)毎の第1の画像信号と第2の画像信号を合算し、画素(u,v)における輝度情報である輝度値P(u,v)を算出する。
そして画素領域12における全ての画素(u,v)の輝度値P(u,v)に基づき、被写体の画像である輝度情報画像を作成する。輝度情報画像は、輝度情報画像合成部652と、移動体700のECU(Electric Control Unit)701に送られる。
一方、距離情報生成部651では、撮像素子部100から出力された第1の画像信号と第2の画像信号に基づき、前述の式1により画素(u,v)における距離情報である距離値H(u,v)を算出する。尚、距離情報生成部651は、ターゲット距離範囲に対応する前記画像の画素毎に被写体の距離値を生成する距離値取得部として機能している。
画素(u,v)における輝度値P(u,v)と距離値H(u,v)は同一の画像信号から生成されるため、輝度値P(u,v)と距離値H(u,v)は時間的に同期している。即ち、生成された輝度情報画像における各画素(u,v)においては、輝度値P(u,v)と距離値H(u,v)を同時に持つことになる。
距離情報生成部651で生成された距離情報は、輝度情報画像合成部652とECU701に送られる。輝度情報画像合成部652は画像合成部として機能しており、入力された輝度情報画像と距離情報に基づき輝度情報合成画像を生成し、ECU701へ送る。この輝度情報合成画像生成に関しては後述する。
尚、これらの画像処理部603で生成される輝度情報画像や輝度情報合成画像においては、撮像素子部100で取得された像信号に対して、各種の画像処理を行い、最終的な輝度情報画像や輝度情報合成画像が生成される。尚、上記の画像処理は、例えば黒レベル補正や、ガンマカーブ調整、ノイズリダクション、デジタルゲイン調整、デモザイク処理、データ圧縮等の少なくとも1つを含む。
カメラ制御部605はコンピュータとしてのCPU及びコンピュータプログラムを記憶したメモリを内蔵しており、メモリに記憶されたコンピュータプログラムをCPUが実行することによりカメラ600の各部の制御を行う。
尚、カメラ制御部605は制御手段として機能しており、例えば撮像素子部100へ基準信号を出力することで、その基準信号に基づき撮像素子部100の露光期間の長さや露光のタイミング等を制御する。これらの制御は、後述するレンジゲート制御により撮像するレンジゲート画像のターゲット距離範囲に基づいて制御される。
尚、以下の説明における露光とは光電変換部102における電荷蓄積、光電変換、又は撮像の開始から終了までの動作を意味する。尚、本実施形態では、電荷蓄積、光電変換、撮像は同じ意味で用いると共に、電荷蓄積、光電変換、撮像の動作は、例えばAPD201で光電変換された信号をカウンタ211回路でカウントする動作を含む。
又、カメラ制御部605はIR発光器500に対しても通信部607を介して前述の基準信号と同一の信号を送信する。このように撮像素子部100へ送信した同一の基準信号をIR発光器500にも送信する。そして、IR発光器500がその基準信号に基づき発光制御を行うことで、撮像素子部100内部の露光タイミングとIR発光器500による発光タイミングを同期化させることができる。
尚、カメラ制御部605は、ターゲット距離範囲にある被写体からの反射光を光電変換部102が露光するように発光部の発光タイミングと光電変換部102の露光タイミングを制御する制御部として機能している。
記憶部606は、例えば、メモリカード、ハードディスク等の記録媒体を含み、画像信号を記憶、読出すことができる。
通信部607は無線や有線のインターフェースを備え、生成した画像信号をカメラ600の外部に出力すると共に外部からの各種信号を受信する。又、本実施形態において通信部607はIR発光器500の通信部503と接続されており、前述の基準信号の送信やカメラ制御部605からの制御命令をIR発光器500へ送信する役割も有する。
IR発光器500はIR発光部501、発光制御部502、通信部503を有する。IR発光部501は、カメラユニットと共に例えば移動体700の前方に配置され、レンズと、近赤外線LEDによる発光部で構成される。発光部は発光制御部502から出力されるパルス信号に応じて所定の発光時間のパルス光を出力する。
発光制御部502は、通信部503を経由してカメラ600のカメラ制御部605が送信した基準信号を受信し、その基準信号を基準として、所定のタイミングでパルス信号を生成し、IR発光部501へ出力する。
ここで、発光制御部502は基準信号に基づき、パルスを出力するまでの期間や、パルス出力幅、パルス非出力幅、またパルス出力から次のパルス出力までの繰り返し周期や繰り返し回数等を設定可能である。
カメラ制御部605が通信部607、通信部503を介して発光制御部502に対して所定の値を設定することで、基準信号を基準とした所定のタイミングでパルス信号がIR発光部501へ出力され、IR発光器500の発光期間が制御される。このように発光制御部502は撮像素子部100へ入力された基準信号と同一の信号を基準として発光制御される。
通信部503は、カメラ600の通信部607と通信し、カメラ制御部605から発光制御部502への設定情報や基準信号を受信し、発光制御部502へ送信する。
ECU701はコンピュータとしてのCPU及びコンピュータプログラムを記憶したメモリを内蔵しており、メモリに記憶されたコンピュータプログラムをCPUが実行することにより移動体700の各部の制御を行う。
ECU701の出力は車両制御部702と表示部703に供給される。車両制御部702は、ECU701の出力に基づき移動体としての車両の駆動、停止、方向制御等を行う移動制御手段として機能している。又、表示部703は表示手段として機能しており、例えば液晶デバイスや有機EL等の表示素子を含み、移動体700に搭載されている。
表示部703は、ECU701の出力に基づき例えばGUIを用いて移動体700の運転者に対して、撮像素子部100により取得した画像や、画像認識部604による認識結果、及び車両の走行状態等に関する各種情報を表示する。
尚、図8における画像処理部603等は移動体700に搭載されていなくても良く、例えば移動体700とは別に設けられた、移動体700をリモートコントロールするため、或いは移動体の走行をモニターするための外部端末等に設けても良い。
図9は本実施形態における、IR発光器500からの放射光とその反射光の進行とカメラ600の露光タイミングの関係の例を示した図である。図9に基づき、前述のターゲット距離範囲に応じて発光タイミングと露光タイミングを同期させた制御(レンジゲート制御)を行うことによって、ターゲット距離範囲を撮像した画像である、レンジゲート輝度情報画像を取得する方法について説明する。
尚、このようにレンジゲート制御によってレンジゲート輝度情報画像を取得するカメラをレンジゲートカメラと呼ぶ。図9は横軸に距離を、縦軸に時間を示している。
先ず、横軸について説明する。移動体700の位置を0とし、距離x1から距離x2までの間に霧810が存在し、距離x3には車両820が存在している。尚、図9においては、レンジゲート制御にて、距離Dの位置を始点とし、そこからレンジ幅Rの範囲でのレンジゲート輝度情報画像を取得している。この場合、レンジ幅Rが撮像したいターゲット距離範囲となる。このとき、車両820は、レンジ幅R内に存在している。
次に縦軸ついて説明する。時間0をIR発光器500での発光開始タイミングとし、時間tfを発光終了タイミングとする。この時、発光期間はtfとなる。又、距離Dの位置を始点とし、そこからレンジ幅Rの範囲でのレンジゲート輝度情報画像を取得する場合の、光電変換部102における露光開始時間を時間t1、露光終了時間を時間t2とする。
時間t1とは、時間0にIR発光器500より放射した放射光が距離Dから反射光としてカメラ600に戻ってきたタイミングである。又、時間t2は時間tfにIR発光器500より放射した放射光が距離Dからレンジ幅R分だけ進んだ箇所から反射光としてカメラ600に戻ってきたタイミングである。
更に、霧810による最初の反射光がカメラ600に戻ってくるタイミングを時間t3とし、霧810による最後の反射光がカメラ600に戻ってくるタイミングを時間t4とする。
レンジゲート制御において、霧810の反射光がカメラ600に到達する時間t3から時間t4の期間は、光電変換部102における露光を行わない。そして、距離Dからレンジ幅R分の反射光が届く時間t1から時間t2の期間のみ光電変換部102において露光を行うことにより霧810を除去しつつ、車両820の画像を明瞭に取得することができる。
ここで、距離xに存在する対象物からの反射光がカメラ600に戻ってくるまでの時間に関して説明する。時間0に発光開始した放射光が、距離xに存在している対象物に当たり、反射光として光電変換部102に戻ってくるタイミングを時間trとする。この時、反射光の戻ってくるタイミング時間trと撮像対象物との距離xの関係は以下の式2のようになる。
時間tr=2x/光速度c(約3×10^8m/s)・・・(式2)
図9に示すように、距離Dからレンジ幅Rを撮像範囲としたとき、レンジの始点の露光タイミング時間t1は、上記式2の距離xに、距離Dを代入することで、以下の式3で求めることができる。
時間t1=2D/光速度c・・・(式3)
又、レンジ幅Rの終点の露光タイミング時間t2は上記式2の距離xに、距離D+レンジ幅Rを代入し、時間tfを足すことで以下の式4で求めることができる。
時間t2=tf+2(D+R)/光速度c・・・(式4)
このように撮像したい距離x(ターゲット距離範囲)に応じて、発光から露光までの時間trを制御することで、カメラとターゲット距離範囲の間に霧などがあってもターゲット距離範囲にある被写体を明瞭に撮像できるレンジゲート制御を実現できる。
図10は、1フレーム時間あたりのレンジゲート輝度情報画像を得るための制御動作を説明したタイミングチャートである。本実施形態では、レンジゲート輝度情報画像は、IR発光器500による発光と同期させて光電変換部102における露光動作を行うことによって前述のIR画像を生成し、このIR画像に基づいて取得する。尚、本実施形態において、光電変換部102は、複数のターゲット距離範囲に対応する画像を夫々取得する。
図10において「垂直同期信号」は撮像のフレーム周期を示し、Lowパルスから次のLowパルスの間の期間が1フレーム時間である。
「IR光発光制御」はIR発光器500での発光タイミングを示し、「露光制御」はカメラ600の露光の開始と終了のタイミングを示す。「カウンタ値」は各画素のカウンタ回路211の光子のカウント数の増減の状態を示す。
「RES信号」は、駆動線213を介してカウンタ回路211に供給される制御パルスであって、パルスによって保持されていたカウント値がリセットされる。
先ず、レンジゲート輝度情報画像を得るためのレンジゲート制御について説明する。本制御において、IR光の発光期間は発光制御部502によってパルス状に発光するように制御され、光子数のカウント動作(露光動作)は特定のレンジからのIR光の反射光のみに対して行われる。
前述のように、発光開始から終了までの発光期間をtf、発光開始から光子数カウント開始までの時間をt1、発光開始から光子数カウント終了までの時間をt2とする。又、t1は発光開始してから特定のレンジに光が到達し、反射した光がカメラ600までに戻ってくる期間を示す。
t1からt2までの時間が特定のレンジの反射光の光子数をカウントしている期間となり、露光が開始し終了するまでの露光期間である。露光期間内の光子数に応じてカウンタ値が増加する。
レンジゲート制御を正しく行うためには所定のターゲット距離範囲に合わせて発光開始と終了、露光開始と終了のタイミングを同期させることが必要である。そのため、本実施形態ではカメラ制御部605が露光制御部及び発光制御部502へ同一の基準信号を送信することで同期させている。
タイミングチャート上のIR光発光制御で示したような、発光開始してから次の発光開始までの期間がレンジゲート動作サイクルとなる。そして、1つのレンジゲート動作サイクルでカウントしたカウンタ値は保持されたまま、次のレンジゲート動作サイクルでカウンタ値は加算される。
尚、発光から次の発光までの期間は、反射光が十分に減衰し、カメラ600に戻ってこなくなるまでの時間を基準として設定される。
図10に示すように、1フレーム時間内でレンジゲート動作サイクルは設定された回数、繰り返し実施される。そして、1フレーム時間内で最後に加算されたカウンタ値の情報はカウンタ回路211から選択回路212に送られ、その後にカウンタ値はRES信号によってリセットされる。
このようなレンジゲート制御において、露光期間はIR発光器500による発光と同期しているため、狙ったレンジに対して霧といった悪天候下であっても明瞭なIR画像を得ることが可能となる。
前述のようにレンジゲート制御に基づいて得られたレンジゲート輝度情報画像は、ターゲット距離範囲からの反射光を露光する制御となっているため、その制御上ターゲット距離範囲の前方領域、後方領域の画像は鮮明には得られない。
図11(A)はレンジゲート制御によらない撮像方法により得られる画像の例を示した図である。霧などの悪天候の状況において、カメラ600から近距離にある歩行者2001、中距離にある車両2002、遠距離にある建物2003が写っているが、霧のため不鮮明な画像となっている。
図11(B)はターゲット距離範囲を近距離範囲としたレンジゲート輝度情報画像の例を示した図、図11(C)は、ターゲット距離範囲を中距離範囲としたレンジゲート輝度情報画像の例を示した図である。又、図11(D)はターゲット距離範囲を遠距離範囲としたレンジゲート輝度情報画像の例を示した図である。
図11(B)に示すように、近距離範囲をターゲット距離範囲とした画像では、近距離に存在する歩行者2001は鮮明であるが中距離、遠方の領域においては不鮮明である。図11(C)に示すように、中距離範囲をターゲット距離範囲とした画像では、中距離に存在する車両2002は鮮明であるが、近距離、遠距離の領域においては不鮮明である。
図11(D)に示すように、遠距離範囲をターゲット距離範囲とした画像では、遠距離に存在する建物2003は鮮明であるが、近距離、中距離の領域においては不鮮明である。
レンジゲート制御では、ターゲット距離範囲の前方領域、後方領域からの反射光は露光しない制御であるため、その領域における輝度値が得られない。又、外光やIR発光器500から照射される放射光による意図しない反射光、霧などによる乱反射等の影響もあるため、ターゲット距離範囲を除いた領域においては、不鮮明な画像となる。
従って、本実施形態では、図11(A)のような悪天候の状況における、近距離から遠距離までを鮮明な1つの画像として得るために、近距離範囲から遠距離範囲までをターゲット距離範囲とした複数のレンジゲート輝度情報画像を合成する。
但し前述のようにレンジゲート輝度情報画像は画像内におけるターゲット距離範囲の領域外は不鮮明な画像となっているため、近距離範囲から遠距離範囲までのレンジゲート輝度情報画像をそのまま加算合成すると、全体として不鮮明な画像となる。
図11(E)は、本実施形態において、図11(B)~(D)の各レンジゲート輝度情報画像を合成した画像の例を示した図である。図11(E)に示すように、画像領域全体が鮮明となる合成画像となっている。
このように、本実施形態における合成方法では、複数のレンジゲート輝度情報画像における各ターゲット距離範囲の鮮明な画像領域に基づき合成画像を生成することで、鮮明なレンジゲート輝度情報合成画像を生成することが可能となる。
以下、本実施形態における、輝度情報画像合成部652による、レンジゲート輝度情報画像の合成方法を説明する。
図12は、3つのレンジゲート輝度情報画像を取得し、その合成画像であるレンジゲート輝度情報合成画像を生成する画像合成方法の例を説明する図である。
図12では、3つの異なるターゲット距離範囲であるターゲット距離範囲D1、ターゲット距離範囲D2、ターゲット距離範囲D3において、レンジゲート制御に基づいて輝度情報画像生成部650で3つのレンジゲート輝度情報画像を取得する。
そして、上記の3つのレンジゲート輝度情報画像に基づき、レンジゲート輝度情報画像PD1、レンジゲート輝度情報画像PD2、レンジゲート輝度情報画像PD3を生成し、それらの合成画像であるレンジゲート輝度情報合成画像PDtを生成する。
図12においては、例えば、ターゲット距離範囲D1を0-100[m]、ターゲット距離範囲D2を100-200[m]、ターゲット距離範囲D3を200-300[m]として設定している。
ここで、レンジゲート輝度情報画像PD1、レンジゲート輝度情報画像PD2、レンジゲート輝度情報画像PD3における画素(u,v)の輝度値P(u,v)を、夫々輝度値PD1(u,v)、輝度値PD2(u,v)、輝度値PD3(u,v)とする。
夫々の輝度値PD1(u,v)、輝度値PD2(u,v)、輝度値PD3(u,v)は、輝度情報画像生成部650により出力される輝度情報である。これらの輝度値PD1(u,v)、輝度値PD2(u,v)、輝度値PD3(u,v)には、夫々距離値HD1(u,v)、距離値HD2(u,v)、距離値HD3(u,v)が対応している。
距離値HD1(u,v)、距離値HD2(u,v)、距離値HD3(u,v)は距離情報生成部651により出力された距離情報である。つまり、ターゲット距離範囲D1で得られたレンジゲート輝度情報画像PD1の画素(u,v)においては、輝度値PD1(u,v)と距離値HD1(u,v)が対応している。
同様に、ターゲット距離範囲D2で得られたレンジゲート輝度情報画像PD2の画素(u,v)においては、輝度値PD2(u,v)と距離値HD2(u,v)が対応している。同様にターゲット距離範囲D3で得られたレンジゲート輝度情報画像PD3の画素(u,v)においては、輝度値PD3(u,v)と距離値HD3(u,v)が対応している。
図12においては、距離情報生成部651において得られた距離値HD1(u,v)は、250[m]、同様に得られた距離値HD2(u,v)は250[m]、同様に得られた距離値HD3(u,v)は250[m]とする。
この時、画素(u,v)において、ターゲット距離範囲Dn毎に得られた夫々の距離情報である距離値HDn(u,v)が、対応するターゲット距離範囲Dnに含まれているか否かを判定する。
すると、ターゲット距離範囲D3(=200-300[m])における距離値HD3(u,v)(=250[m])のみが、対応するターゲット距離範囲D3(=200-300[m])に含まれていることが分かる。
従って、このとき、本実施形態では輝度情報画像合成部652において、レンジゲート輝度情報合成画像PDtにおける画素(u,v)の合成輝度値PDt(u,v)として、輝度値PD3(u,v)の値を設定する。
即ち、輝度情報画像合成部652において、夫々のターゲット距離範囲Dnとそのターゲット距離範囲Dnにおいて得られた距離値HDn(u,v)を比較する。そして、ターゲット距離範囲Dnの範囲に含まれる距離値HDn(u,v)と、距離値HDn(u,v)に対応する輝度値PDnを、レンジゲート輝度情報合成画像PDtにおける各座標の合成輝度値PDt(u,v)として設定する。
設定された合成輝度値PDt(u,v)に基づきレンジゲート輝度情報合成画像PDtが生成される。このように本実施形態では、レンジゲート輝度情報合成画像PDtの生成において、ターゲット距離範囲Dnに距離値HDn(u,v)が含まれている画素の輝度値P(u,v)を設定値として使用する。
即ち、距離値とターゲット距離範囲を比較し、距離値がターゲット距離範囲に含まれる画素の輝度値を用い、距離値がターゲット距離範囲に含まれない画素の輝度値を用いずに画像合成を行う。それにより、ターゲット距離範囲外からの意図しない反射光を排除することが可能となる。
ここでターゲット距離範囲Dnにおける画素(u,v)おいて、得られた距離情報である距離値HDn(u,v)が、ターゲット距離範囲Dnに含まれる場合を、距離値HDn(u,v)⊂ターゲット距離範囲Dnと表現する。又、含まれない場合を距離値HDn(u,v)NOT ⊂ターゲット距離範囲Dnと表現して、以下説明することとする。
ところで前述のように、距離情報生成部651においては、第1の輝度画像と第2の輝度画像に夫々設定した参照点と注目点から相関度を算出し、更には視差量を算出している。
レンジゲート輝度情報画像においては、レンジゲート制御によるターゲット距離範囲外の反射光の露光を制限しているため、ターゲット距離範囲外の領域においては輝度値を得られない領域や、相関度が算出しにくい輝度値となる領域が存在する。このため、視差量算出が難しくなり、距離情報を得られない画素(u,v)も発生してくる。
同様に、明瞭な参照点や注目点を得られず、相関度の算出、更には視差量の算出が難しい被写体もあるため(例えば快晴の空や同色の道路等)、この場合も距離情報を得られない画素(u,v)が発生してくる。
以下、このような距離情報を得られない画素(u,v)における合成方法を説明する。図13A図13Bは、ターゲット距離範囲D1、D2、D3において、レンジゲート制御に基づいて得られたレンジゲート輝度情報画像PD1、PD2、PD3から、レンジゲート輝度情報合成画像PDtを生成する方法を示している。
尚、各ターゲット距離範囲の設定値も図12同様に、ターゲット距離範囲D1を0-100[m]、ターゲット距離範囲D2を100-200[m]、ターゲット距離範囲D3を200-300[m]としている。尚、図13における各符号は図12と同一であるため、説明は省略する。
図13Aは、距離情報を得られない画素(u,v)を含む場合における合成方法の例を説明する図である。図13(A)において、レンジゲート制御により得られた距離情報である距離値HD1(u,v)は50[m]であり、距離値HD2(u,v)と距離値HD3(u,v)については距離情報が得られていない。
つまり、距離値HD1(u,v)⊂ターゲット距離範囲D1であり、距離値HD2(u,v)と距離値HD3(u,v)に関しては距離情報が得られていない。このような場合、本実施形態においてはレンジゲート輝度情報合成画像PDtにおける合成輝度値PDt(u,v)には、輝度値PD1(u,v)を設定する。
即ち距離情報を得られていない画素(u,v)に対応する輝度値PDn(u,v)は排除し、距離値HDn(u,v)⊂ターゲット距離範囲Dnを満たす距離値HDn(u,v)に対応する輝度値PDn(u,v)を設定値とする。
このため、画素(u,v)において、レンジゲート制御による露光(電荷蓄積時間又は光電変換時間)の制限により適切な輝度値や距離情報を得られていない領域の輝度値は排除する。そのうえで、ターゲット距離範囲として設定した領域の輝度値を合成輝度値PDt(u,v)として設定することが可能となる。
図13(B)は、画素(u,v)において全てのレンジゲート輝度情報画像における輝度値PDn(u,v)で距離情報を得ることができなかった場合の合成方法の例を説明する図である。図13(B)においては、図13(A)に対し距離値HD1(u,v)においても距離情報が得られていないことのみが異なり、その他の設定や構成は図13(A)と同じである。
図13(B)では、距離値HD1(u,v)、距離値HD2(u,v)、距離値HD3(u,v)全てにおいて距離情報を得られていない。このような場合、本実施形態においてはレンジゲート輝度情報合成画像PDtにおける合成輝度値PDt(u,v)は、輝度値PD1(u,v)、輝度値PD2(u,v)、輝度値PD3(u,v)の平均値を設定する。
即ち、画素(u,v)において、全てのレンジゲート輝度情報画像における距離値HDn(u,v)を取得できない場合は、レンジゲート輝度情報合成画像PDtにおいて、各レンジゲート輝度情報画像PDnの輝度値PDn(u,v)の平均値を設定する。
このため、前述の視差量の算出が難しい被写体に関しても、合成輝度値PDt(u,v)において、得られている輝度値を設定値として使用することができる。
尚、画素(u,v)において、全てのレンジゲート輝度情報画像における距離値HDn(u,v)を取得できない場合、輝度値PDn(u,v)の平均値を用いる代わりに、最も高い輝度値PDn(u,v)を合成輝度値PDt(u,v)として設定しても良い。
即ち、ターゲット距離範囲で撮像された複数の画像において、距離値が1つも取得できない画素については、複数の画像における画素の輝度値のうち最も高い輝度値を使用して画像合成を行っても良い。
これは、各レンジゲート輝度情報画像において、例えば輝度値PD1(u,v)はレンジゲート制御による露光(電荷蓄積時間又は光電変換時間)の制限により適切な距離情報を得られていない領域の輝度値である。従って、距離情報と輝度値を得られず、輝度値PD2(u,v)においては視差量の算出が難しいため被写体の距離情報は得られていないが輝度値は得られている。
このような場合は、得られている輝度値を設定値とすることで、適切なレンジゲート輝度情報合成画像PDtを生成することが可能となる。
図14Aは、本実施形態におけるレンジゲート輝度情報合成画像を生成する方法の例を説明するフローチャートであり、図14Bは、図14Aの続きの処理例を説明するフローチャートである。尚、図14A図14Bの処理フローは例えばフレーム周期単位で周期的に実行される。
尚、カメラ制御部605内のコンピュータとしてのCPU等がメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって図14A図14Bのフローチャートの各ステップの動作が順次行われる。
図14Aにおいて、レンジゲート輝度情報合成画像の生成が開始されると、ステップS101において、カメラ制御部605ではK個のターゲット距離範囲Dn(nは1~Kの整数)の設定を行うと共に、n=1をセットする。
次いでステップS102において、ターゲット距離範囲Dnにおいてレンジゲート制御を実施する。即ち、レンジゲート制御により露光(電荷蓄積、光電変換、又は撮像)動作を行い、ターゲット距離範囲Dnにおける各画素(u,v)の輝度値PDn(u,v)、距離値HDn(u,v)を取得する。尚、ステップS102ではn=n+1とする。
ここでステップS102は、複数のターゲット距離範囲に対応する画像を夫々取得する撮像ステップとして機能すると共に、ターゲット距離範囲に対応する画像の画素毎に被写体の距離値を取得する距離値取得ステップとしている。
ステップS103において、n=Kか否かを判定する。そしてステップS103でNoと判定された場合にはステップS102に戻り、ステップS102の動作を所定回数(K回)繰り返す。ステップS103でYesと判定された場合にはステップS104に進み、ステップS104においてu=1、v=1とし、図14BのステップS105へ進む。
ステップS105では、輝度情報画像合成部652において、K個の距離値HDn(u,v)のうち、1つでも距離情報を取得できたか否かを判定する。ステップS105でYesと判定された場合、即ち、1つでも距離情報を取得できていればステップS106へ進み、1つも取得できていなければステップS108へ進む。
ステップS106において、輝度情報画像合成部652において、ターゲット距離範囲Dnと得られた距離値HDn(u,v)を比較する。そして、距離値HDn(u,v)⊂ターゲット距離範囲Dnを満たす距離値HDn(u,v)と、対応する輝度値PDn(u,v)を、輝度情報合成画像PDにおける合成輝度値PDt(u,v)の設定値として設定し、ステップS107へ進む。
一方、ステップS108では、K個の輝度値PDn(u,v)の平均値を、輝度情報合成画像PDにおける合成輝度値PDt(u,v)として設定し、ステップS107へ進む。即ち、複数のターゲット距離範囲で撮像された複数の画像において、距離値が1つも取得できない画素については、複数の画像における画素の輝度値の平均値を使用して後述のように画像合成を行う。
ステップS107において、変数u=u+1とし、ステップS109へ進む。ステップS109において画素(u,v)においてu=eか否か判定する。ステップS109でYesと判定されればステップS110へ進む。ステップS109においてNoと判定された場合、即ちu=eでなければステップS105へ戻る。
ステップS110においてu=1、v=v+1とし、ステップS111へ進む。ステップS111でv=eか否かを判定し、Yesと判定されればステップS112へ進み、v=eでなければステップS104へ戻る。
ステップS112において、ステップS105~ステップS111で各座標について設定された、合成輝度値PDt(u,v)に基づき輝度情報合成画像PDを生成する。
ここでステップS106~ステップS112は、距離値とターゲット距離範囲を比較し、距離値がターゲット距離範囲に含まれる画素の輝度値を用いて画像合成を行う画像合成ステップとして機能している。又、画像合成ステップでは、距離値がターゲット距離範囲に含まれない画素の輝度値を用いずに画像合成を行っている。
図15は、ステップS106において、得られた距離値HDn(u,v)⊂ターゲット距離範囲Dnを満たす距離値HDn(u,v)が複数存在する場合の合成方法の例を説明する図である。
図15図12と同様、ターゲット距離範囲D1~D3において、レンジゲート制御に基づいて得られたレンジゲート輝度情報画像PD1~PD3から、その合成画像であるレンジゲート輝度情報合成画像PDtを生成する方法を示している。
図15において、各ターゲット距離範囲の設定値も図12同様、ターゲット距離範囲D1を0-100[m]、ターゲット距離範囲D2を100-200[m]、ターゲット距離範囲D3を200-300[m]としている。図15における各符号については図12と同一であるため、説明は省略する。
図15においては、レンジゲート制御により得られた距離情報である距離値HD1(u,v)は99[m]、同様に得られた距離値HD2(u,v)は101[m]、同様に得られた距離値HD3(u,v)は101[m]とする。
つまり、距離値HD1(u,v)⊂ターゲット距離範囲D1であり、距離値HD2(u,v)⊂ターゲット距離範囲D2、距離値HD3(u,v)NOT ⊂ターゲット距離範囲D3である。これは、例えばターゲット距離範囲D1とターゲット距離範囲D2の境界部に被写体があり、ターゲット距離範囲D1とターゲット距離範囲D2共に距離値HDn(u,v)⊂ターゲット距離範囲Dnを満たすような場合である。
このような場合には、カメラ600による撮像面位相差方式の距離値に対する測距誤差による影響が考えられる。そこで本実施形態においては、測距誤差を含めた輝度情報合成画像の生成を行う。
即ち、本実施形態では、測距誤差を考慮した上で想定される距離値の範囲を誤差考慮測距値範囲とする。例えば本実施形態におけるカメラ600による撮像面位相差方式の測距精度が±10[%]とする。
この場合、距離値が100[m]であれば誤差考慮測距値範囲は90-110[m]となる。即ち、距離値は、測距誤差を加えた距離値範囲とする。このとき、レンジゲート制御により得られた距離値HDn(u,v)の誤差考慮測距値範囲は夫々、距離値HD1(u,v)は99[m]に対して89.1-108.9[m]となる。又、距離値HD2(u,v)は101[m]に対して90.9-111.1[m]、距離値HD3(u,v)も101[m]に対して90.9-111.1[m]となる。
ターゲット距離範囲Dnとの比較を距離値HDn(u,v)の誤差考慮測距値範囲で行うと、距離値HD1(u,v)(の誤差考慮測距値範囲)⊂ターゲット距離範囲D1となる。又、距離値HD2(u,v)(の誤差考慮測距値範囲)⊂ターゲット距離範囲D2、距離値HD3(u,v)(の誤差考慮測距値範囲)NOT ⊂ターゲット距離範囲D3となる。
従って、ターゲット距離範囲D1とターゲット距離範囲D2における距離値HDn(u,v)の2つが、距離値HDn(u,v)⊂ターゲット距離範囲Dnを満足することになる。
本実施形態においてはこのような場合、レンジゲート輝度情報合成画像PDtにおける輝度値P(u,v)は、距離値HDn(u,v)⊂ターゲット距離範囲Dnを満足した距離値に対応する輝度値の平均値を使用する。
即ち、距離値HD1(u,v)と距離値HD2(u,v)に対応する輝度値PD1(u,v)と輝度値PD2(u,v)の平均値を使用する。つまり、ターゲット距離範囲に含まれる距離値が複数ある画素については、距離値がターゲット距離範囲に含まれる画素の輝度値の平均値を用いて画像合成を行う。
このように本実施形態においては、得られた距離値HDn(u,v)に対し、測距誤差を含めた誤差考慮測距値範囲においてターゲット距離範囲Dnと比較する。又、誤差考慮測距値範囲がターゲット距離範囲Dnと重なる領域がある場合は、距離値HDn(u,v)⊂ターゲット距離範囲Dnとなり、対応する輝度値P(u,v)をレンジゲート輝度情報合成画像PDtにおける合成輝度値PDt(u,v)とする。
又、複数の距離値HDn(u,v)⊂ターゲット距離範囲Dnを満足する距離値HDn(u,v)が存在する場合は、距離値HDn(u,v)⊂ターゲット距離範囲Dnを満足する距離値HDn(u,v)と対応する輝度値P(u,v)の平均値を使用する。
尚、本実施形態においては、測距誤差を含めた上で複数の距離値HDn(u,v)⊂ターゲット距離範囲Dnを満足する距離値HDn(u,v)が存在する場合は、その満足する距離値HDn(u,v)と対応する輝度値P(u,v)の平均値を用いている。しかし平均値に限定されない。
例えばターゲット距離範囲Dnと重なる誤差考慮測距値範囲の割合に合わせて、その対応する輝度値P(u,v)を加算する割合を変化させることで重み付け加算をして平均しても良い。即ち、ターゲット距離範囲に含まれる距離値範囲が複数ある画素については、ターゲット距離範囲に含まれる距離値範囲の割合に応じて、輝度値を加算しても良い。
或いは、得られた複数の距離値HDn(u,v)において、最も小さい距離値HDn(u,v)に対応する輝度値PDn(u,v)を設定値として使用しても良い。即ち、ターゲット距離範囲に含まれる距離値が複数ある画素については、最も小さい距離値の画素の輝度値を用いて画像合成を行っても良い。これは、被写体の距離が短いほど誤差考慮測距値範囲が小さくなるためである。
又、上記実施形態においては、撮像素子部100において、IR光のみを光電変換し撮像する構成としているが、これに限定されない。例えば可視光を撮像できる撮像素子部を用いて、可視光を用いてレンジゲート制御を行う場合にも、本実施形態のような合成が可能である。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形や上記実施形態の組み合わせが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。又、上述の実施形態の一部を適宜組み合わせても良い。
又、本発明は、例えば少なくとも1つのCPU等のプロセッサやメモリや回路(例えば、ASIC)を用いて上記実施形態の機能を実現するものを含む。又、プロセッサを複数用いて分散処理させるようにしても良い。
尚、上記実施形態における制御の一部又は全部を実現するために、上述した実施形態の機能を実現するコンピュータプログラムをネットワーク又は各種記憶媒体を介して測距カメラシステム等に供給するようにしてもよい。
そしてその測距カメラシステム等におけるコンピュータ(又はCPUやMPU等)がそのプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。その場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することとなる。尚、本発明は、以下の組み合わせを含む。
(構成1)複数のターゲット距離範囲に対応する画像を夫々取得する光電変換部と、前記ターゲット距離範囲に対応する前記画像の画素毎に被写体の距離値を生成する距離値取得部と、前記距離値と前記ターゲット距離範囲を比較し、前記距離値が前記ターゲット距離範囲に含まれる前記画素の輝度値を用い、前記距離値が前記ターゲット距離範囲に含まれない前記画素の輝度値を用いずに画像合成を行う画像合成部と、を有することを特徴とする画像合成装置。
(構成2)複数の前記ターゲット距離範囲で撮像された複数の前記画像において、前記距離値が1つも取得できない前記画素については、複数の前記画像における前記画素の前記輝度値の平均値を使用して前記画像合成を行うことを特徴とする構成1に記載の画像合成装置。
(構成3)複数の前記ターゲット距離範囲で撮像された複数の前記画像において、前記距離値が1つも取得できない前記画素については、複数の前記画像における前記画素の輝度値のうち最も高い輝度値を使用して前記画像合成を行うことを特徴とする構成1に記載の画像合成装置。
(構成4)前記ターゲット距離範囲に含まれる前記距離値が複数ある前記画素については、前記距離値が前記ターゲット距離範囲に含まれる前記画素の前記輝度値の平均値を用いて前記画像合成を行うことを特徴とする構成1~3のいずれか1つに記載の画像合成装置。
(構成5)前記距離値は、測距誤差を加えた距離値範囲であることを特徴とする構成1~4のいずれか1つに記載の画像合成装置。
(構成6)前記ターゲット距離範囲に含まれる前記距離値範囲が複数ある画素については、前記ターゲット距離範囲に含まれる前記距離値範囲の割合に応じて、前記輝度値を加算することを特徴とする構成5に記載の画像合成装置。
(構成7)前記ターゲット距離範囲に含まれる前記距離値が複数ある画素については、最も小さい前記距離値の前記画素の前記輝度値を用いて前記画像合成を行うことを特徴とする構成1~6のいずれか1つに記載の画像合成装置。
(構成8)パルス光を発光する発光部と、前記ターゲット距離範囲にある被写体からの反射光を前記光電変換部が露光するように前記発光部の発光タイミングと前記光電変換部の露光タイミングを制御する制御部と、を備えることを特徴とする構成1~7のいずれか1つに記載の画像合成装置。
(方法)複数のターゲット距離範囲に対応する画像を夫々取得する撮像ステップと、前記ターゲット距離範囲に対応する前記画像の画素毎に被写体の距離値を取得する距離値取得ステップと、前記距離値と前記ターゲット距離範囲を比較し、前記距離値が前記ターゲット距離範囲に含まれる前記画素の輝度値を用い、前記距離値が前記ターゲット距離範囲に含まれない前記画素の輝度値を用いずに画像合成を行う画像合成ステップと、を有することを特徴とする画像合成方法。
(プログラム)構成1~8のいずれか1項に記載の画像合成装置の各部をコンピュータにより制御するためのコンピュータプログラム。
【符号の説明】
11:センサ基板
12:画素領域
21:回路基板
22:回路領域
100:撮像素子部
101:画素部
102:光電変換部
102a:第1の光電変換部
102b:第2の光電変換部
103:信号処理回路
110:垂直走査回路
111:水平走査回路
112:読み出し回路
113:垂直信号線
114:出力回路
115:制御パルス生成部
201:APD
202:クエンチ素子
210:波形整形部
211:カウンタ回路
212:選択回路
213:駆動線
214:駆動線
300:射出瞳
300a:第1の瞳領域
300b:第2の瞳領域
310a:第1の光束
310b:第2の光束
500:IR発光器
501:IR発光部
502:発光制御部
503:通信部
600:カメラ
601:結像光学系
603:画像処理部
604:画像認識部
605:カメラ制御部
606:記憶部
607:通信部
650:輝度情報画像生成部
651:距離情報生成部
652:輝度情報画像合成部
700:移動体
701:ECU
702:車両制御部
703:表示部
810:霧
820:車両
830:歩行者
900:可視光発光器
901:可視光発光部
1001:導光部
1001a:マイクロレンズ部
1200:分割領域
2001:歩行者
2002:車両
2003:建物

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