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2026-65786制御装置、電子装置、画像処理装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2026065786
(43)【公開日】2026-04-16
(54)【発明の名称】制御装置、電子装置、画像処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20260409BHJP
【FI】
H04N1/00 E
H04N1/00 885
H04N1/00 002Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024174724
(22)【出願日】2024-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】中尾 竹寿
(57)【要約】
【課題】様々な電子装置における中央処理装置の冷却部の動作音を極力低減できるようにする。
【解決手段】中央処理装置11と、中央処理装置11を冷却し、動作時には動作音のする冷却部16と、中央処理装置11の温度を検出する温度センサ15と、温度センサ15の検出で中央処理装置11の温度が第1温度以上となると冷却部16を駆動する冷却制御部と、中央処理装置11により、機械的な動作を伴う処理を行う第1ジョブと、機械的な動作を伴わない処理を行う第2ジョブとを行うジョブ処理部と、を備え、ジョブ処理部は、温度センサ15の検出温度が第2温度以上となると第2ジョブを通常の第2ジョブの処理より中央処理装置11の負荷が軽くなるような抑制処理に変更する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央処理装置と、
前記中央処理装置を冷却し、動作時には動作音のする冷却部と、
前記中央処理装置の温度を検出する温度センサと、
前記温度センサの検出で前記中央処理装置の温度が第1温度以上となると前記冷却部を駆動する冷却制御部と、
前記中央処理装置により、機械的な動作を伴う処理を行う第1ジョブと、機械的な動作を伴わない処理を行う第2ジョブとを行うジョブ処理部と、を備え、
前記ジョブ処理部は、前記温度センサの検出温度が第2温度以上となると前記第2ジョブを通常の第2ジョブの処理より前記中央処理装置の負荷が軽くなるような抑制処理に変更する、制御装置。
【請求項2】
前記ジョブ処理部は、前記第1ジョブを実行せず、前記第2ジョブを実行しているときだけ、前記温度センサの検出温度が前記第2温度以上となると前記第2ジョブを通常の第2ジョブの処理より前記中央処理装置の負荷が軽くなるような前記抑制処理に変更する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第1温度よりも前記第2温度の方が低い、請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記ジョブ処理部は、前記抑制処理として、前記第2ジョブの処理にウエイトを入れて前記中央処理装置の動作率を、前記温度センサの検出温度が前記第2温度以上となる前よりも低減する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記ジョブ処理部は、前記抑制処理として、前記中央処理装置の実行するマルチコア処理のコア数を、前記温度センサの検出温度が前記第2温度以上となる前よりも低減する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記ジョブ処理部は、前記抑制処理として、前記中央処理装置の実行するマルチジョブのジョブ数を、前記温度センサの検出温度が前記第2温度以上となる前よりも低減する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記ジョブ処理部は、前記抑制処理として、前記中央処理装置の実行するウイルススキャンの処理を、前記温度センサの検出温度が前記第2温度以上となったときに停止し、当該検出温度が前記第2温度未満となったときは再開する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
前記ジョブ処理部は、前記抑制処理として、ダウンロードしたプログラムの伸長処理を、前記温度センサの検出温度が前記第2温度以上となったときに停止し、当該検出温度が前記第2温度未満となったときは再開する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項9】
前記ジョブ処理部は、前記抑制処理として、受信したFAXデータを伸長し、所定の圧縮規格でデータを再圧縮して所定のストレージに記憶する処理を、前記温度センサの検出温度が前記第2温度以上となったときに停止して、伸長及び再圧縮せずにそのまま前記ストレージに記憶して、当該温度が前記第2温度未満となったときに、伸長及び再圧縮を再開して当該処理後の前記FAXデータを前記ストレージに記憶する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項10】
前記ジョブ処理部は、前記抑制処理として、ダウンロードした画像データの画像フォーマットを所定のフォーマットに変換して所定のストレージに記憶する処理を実行するうち、前記所定のフォーマットへの変換の処理を、前記温度センサの検出温度が前記第2温度以上となったときに中止し、当該検出温度が前記第2温度未満となったときは再開する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項11】
前記ジョブ処理部は、前記抑制処理として、画像形成用のデータを所定のフォーマットの画像形成用のデータに変換する際に、前記所定のフォーマットへの変換の処理を、前記温度センサの検出温度が前記第2温度以上となったときに停止し、当該検出温度が前記第2温度未満となったときは再開する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項12】
請求項1に記載の制御装置と、
前記第1ジョブの処理の対象となる第1処理対象部と、
前記第2ジョブの処理の対象となる第2処理対象部と、を備え、
前記第1処理対象部と前記第2処理対象部とにより、所定の動作を行う、電子装置。
【請求項13】
請求項1に記載の制御装置と、
前記第1ジョブの処理の対象となる第1処理対象部と、
前記第2ジョブの処理の対象となる第2処理対象部と、を備え、
前記第1処理対象部と前記第2処理対象部とにより、画像データを扱う処理を行う、画像処理装置。
【請求項14】
請求項1乃至請求項11の何れかの一項に記載の制御装置の前記ジョブ処理部の処理をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、電子装置、画像処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の技術は、情報処理装置のスリープモード中のCPUへの割り込み処理依頼を検知する。そして、情報処理装置は、一定時間あたりの割り込み処理依頼の回数を計数する。そして、情報処理装置は、閾値と比較して割り込み処理依頼の回数が閾値を超えた場合に次のように処理する。すなわち、情報処理装置は、スリープモード中のCPUの冷却の有無又は冷却強度の少なくとも一方を切り換える。
特許文献2の技術は、CPUが省エネ状態に移行後でも、その冷却用のファンに電力を供給する。しかも、省エネ状態でも当該ファンへの通電を制御する信号を遅延回路で所定時間保持する。これにより、CPUが省エネに移行後も冷却用のファンの回転を維持しCPU等を冷却し劣化や熱暴走の障害を防ぐ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-227849号公報
【特許文献2】特開2014-134826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
中央処理装置(CPU)を備えた様々な電子装置では、機械の動作音のするものがある。また、中央処理装置には、冷却ファン等の冷却部を設け、中央処理装置を冷却することが通例である。
このような電子装置では、機械の動作音がしている最中には、その音の発生は耳障りであったとしても如何ともしがたいことも多い。しかし、機械の動作音がしていないときにも中央処理装置が動作していて、冷却ファン等の冷却部がその冷却のために動作しているときがある。このときは、機械の動作音がしていないにもかかわらず、冷却ファン等の動作音がして耳障りである。
【0005】
これに対して、特許文献1,2の技術は、冷却ファンを制御することによって当該冷却ファンの節電を図ることを意図している。つまり、冷却ファンの動作音を抑制することを意図してはいない。
そこで、本発明は、様々な電子装置における中央処理装置の冷却部の動作音を極力低減できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)中央処理装置と、前記中央処理装置を冷却し、動作時には動作音のする冷却部と、前記中央処理装置の温度を検出する温度センサと、前記温度センサの検出で前記中央処理装置の温度が第1温度以上となると前記冷却部を駆動して前記中央処理装置を冷却する冷却制御部と、前記中央処理装置により、機械的な動作を伴う処理を行う第1ジョブと、機械的な動作を伴わない処理を行う第2ジョブとを行うジョブ処理部と、を備え、前記ジョブ処理部は、前記温度センサの検出温度が前記第2温度以上となると前記第2ジョブを通常の第2ジョブの処理より前記中央処理装置の負荷が軽くなるような抑制処理に変更する、制御装置。
【0007】
(2)前記ジョブ処理部は、前記第1ジョブを実行せず、前記第2ジョブを実行しているときだけ、前記温度センサの検出温度が第2温度以上となると前記第2ジョブを通常の第2ジョブの処理より前記中央処理装置の負荷が軽くなるような前記抑制処理に変更する、(1)に記載の制御装置。
【0008】
(3)前記第1温度よりも前記第2温度の方が低い、(1)に記載の制御装置。
【0009】
(4)前記ジョブ処理部は、前記抑制処理として、前記第2ジョブの処理にウエイトを入れて前記中央処理装置の動作率を、前記温度センサの検出温度が前記第2温度以上となる前よりも低減する、(1)に記載の制御装置。
【0010】
(5)前記ジョブ処理部は、前記抑制処理として、前記中央処理装置の実行するマルチコア処理のコア数を、前記温度センサの検出温度が前記第2温度以上となる前よりも低減する、(1)に記載の制御装置。
【0011】
(6)前記ジョブ処理部は、前記抑制処理として、前記中央処理装置の実行するマルチジョブのジョブ数を、前記温度センサの検出温度が前記第2温度以上となる前よりも低減する、(1)に記載の制御装置。
【0012】
(7)前記ジョブ処理部は、前記抑制処理として、前記中央処理装置の実行するウイルススキャンの処理を、前記温度センサの検出温度が前記第2温度以上となったときに停止し、当該検出温度が前記第2温度未満となったときは再開する、(1)に記載の制御装置。
【0013】
(8)前記ジョブ処理部は、前記抑制処理として、ダウンロードしたプログラムの伸長処理を、前記温度センサの検出温度が前記第2温度以上となったときに停止し、当該検出温度が前記第2温度未満となったときは再開する、(1)に記載の制御装置。
【0014】
(9)前記ジョブ処理部は、前記抑制処理として、受信したFAXデータを伸長し、所定の圧縮規格でデータを再圧縮して所定の保存先に記憶する処理を、前記温度センサの検出温度が前記第2温度以上となったときに停止して、伸長及び再圧縮せずにそのまま前記保存先に記憶して、当該温度が前記第2温度未満となったときに、伸長及び再圧縮を再開して当該処理後の前記FAXデータを前記保存先に記憶する、(1)に記載の制御装置。
【0015】
(10)前記ジョブ処理部は、前記抑制処理として、ダウンロードした画像データの画像フォーマットを所定のフォーマットに変換して所定のストレージに記憶する処理を実行するうち、前記所定のフォーマットへの変換の処理を、前記温度センサの検出温度が前記第2温度以上となったときに中止し、当該検出温度が前記第2温度未満となったときは再開する、(1)に記載の制御装置。
【0016】
(11)前記ジョブ処理部は、前記抑制処理として、画像形成用のデータを所定のフォーマットの画像形成用のデータに変換する際に、前記所定のフォーマットへの変換の処理を、前記温度センサの検出温度が前記第2温度以上となったときに停止し、当該検出温度が前記第2温度未満となったときは再開する、(1)に記載の制御装置。
【0017】
(12)(1)に記載の制御装置と、前記第1ジョブの処理の対象となる第1処理対象部と、前記第2ジョブの処理の対象となる第2処理対象部と、を備え、前記第1処理対象部と前記第2処理対象部とにより、所定の動作を行う、電子装置。
【0018】
(13)(1)に記載の制御装置と、前記第1ジョブの処理の対象となる第1処理対象部と、前記第2ジョブの処理の対象となる第2処理対象部と、を備え、前記第1処理対象部と前記第2処理対象部とにより、画像データを扱う処理を行う、画像処理装置。
【0019】
(14)(1)乃至(11)の何れかの一項に記載の制御装置の前記ジョブ処理部の処理をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、様々な電子装置における中央処理装置の冷却部の動作音を極力低減できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る画像処理装置の概略のシステム構成について説明するブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る制御装置のシステム構成について説明するブロック図である。
図3】制御装置が実行する機能について説明するブロック図である。
図4】制御装置が実行する処理のメインフローチャートである。
図5】ステップS8のサブルーチンの一つを説明するフローチャートである。
図6】ステップS8のサブルーチンの一つを説明するフローチャートである。
図7】ステップS8のサブルーチンの一つを説明するフローチャートである。
図8】ステップS8のサブルーチンの一つを説明するフローチャートである。
図9】ステップS8のサブルーチンの一つを説明するフローチャートである。
図10】ステップS8のサブルーチンの一つを説明するフローチャートである。
図11】ステップS8のサブルーチンの一つを説明するフローチャートである。
図12】ステップS8のサブルーチンの一つを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態である画像処理装置のシステム構成のブロック図である。画像処理装置は、本発明の電子装置の一種である。本発明の電子装置とは、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)を備え、中央処理装置の制御により、機械的な動作を伴う処理も、機械的な動作を伴わない処理も行うような、所定の処理を行う装置である。具体的には、様々な家庭用電化機器や、様々な産業機器等である。本発明の電子装置の中には、画像データを扱った各種の処理を行う画像処理装置も含まれる。
【0023】
図1の画像処理装置1は、用紙その他の画像形成媒体に対して画像形成を行う処理等を実行する、いわゆる複合機と呼ばれるような画像形成装置の例である。この装置の画像形成方式としては、電子写真方式、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、直接感熱記録方式、溶融型熱転写方式等、様々な方式を適用することができる。
【0024】
図1に示すように、画像処理装置1は、画像処理装置1を制御する制御装置2を備えている。図2は、制御装置の概略構成を示すブロック図である。制御装置2は、各種演算を行い、画像処理装置1を集中的に制御する中央処理装置11を備えている。制御装置2は、中央処理装置11の作業エリアとなる主記憶装置12を備えている。また、制御装置2は、中央処理装置11が実行する様々なプログラム13や様々な固定データを記憶している補助記憶装置14を備えている。なお、補助記憶装置14は、後記するストレージ6が兼用していてもよい。また、制御装置2は、中央処理装置11の温度を検出する温度センサ15と、中央処理装置11を冷却する冷却部16とを備えている。冷却部16は、ファン等、動作中に動作音を発する冷却装置である。また、冷却部16は中央処理装置11を冷却する。この場合の冷却対象となる中央処理装置11とは、中央処理装置11そのものだけを対象とするとは限らない。例えば、制御装置2が、制御のためにASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を用いているときは、当該ASIC等も含む。すなわち、制御装置2の中で中央処理装置11の他にも制御処理に関わり、発熱を伴う回路部分は、温度センサ15の温度検出の対象となる。また、同様の回路部分は、冷却部16の冷却の対象となる。以下では、そのような広い回路部分の意味で「中央処理装置11」と呼ぶことにする。
【0025】
図1を参照して、画像処理装置1の概略のシステム構成について説明する。画像処理装置1は、制御装置2と、画像形成部3と、画像読取部4と、画像処理部5と、を備えている。画像処理装置1は、また、ストレージ6と、通信インターフェイス(I/F)7と、操作パネル8とを備えている。これらは互いに接続されている。画像形成部3~操作パネル8は、制御装置2の制御を受けて動作する。画像形成部3は、用紙等の画像形成媒体に画像形成する装置である。その画像形成方式については前記した通りである。画像読取部4は、媒体の表面上の画像を読み取る装置である。画像読取部4で読み取った画像データに基づいて画像形成部3が画像形成を行えば、画像処理装置1は、複写機として機能する。画像読取部4で読み取った画像データを画像処理装置1と接続されたコンピュータ等に出力すれば、画像処理装置1は、スキャナとして機能する。画像処理部5は、所定の画像データに対して所定の画像処理を行う。ストレージ6は、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disc Drive)等の記憶装置であり、画像データ等を記憶する。通信I/F7は、インターネット、LAN(Local Area Network)、電話回線、コンピュータ等と通信を行う通信制御装置である。通信I/F7を介して外部からFAXデータ等の画像データを受信し、当該画像データに基づいて画像形成部3すれば、画像処理装置1は、ファクシミリ等として機能する。操作パネル8は、例えばタッチパネル等で構成される入力装置兼表示装置である。操作パネル8は、様々なメッセージをユーザに対して表示し、また、様々な操作をユーザから受付ける。
【0026】
図1のような装置構成例では、画像形成部3、画像読取部4等が主として、動作処理中に機械的な作動音を発する。よって、画像形成部3、画像読取部4等が主として、第1処理対象部となる。また、画像処理部5、通信I/F7等が主として、動作処理中に機械的な作動音を発しないので、第2処理対象部となる。
【0027】
次に、制御装置が実行する処理について説明する。図3は、制御装置が実行する機能について説明するブロック図である。制御装置2の処理は、プログラム13に基づいて実行される。このプログラム13に基づいて、制御装置2は、節電制御部21、冷却制御部22、ジョブ処理部23の各機能を実行する。
【0028】
節電制御部21は、画像処理装置1の消費電力を通常通りとする通常状態(第1状態)と、当該消費電力を第1状態より制限する節電状態(第2状態)との切り替えを行う。通常状態(第1状態)は、画像形成部3の定着装置(図示せず)の温度を高温に維持し、操作パネル8が点灯している状態であり、つまり、画像処理装置1ですぐにジョブが実行できる状態である。節電状態(第2状態)は、画像形成部3の定着装置(図示せず)がオフの状態又は低温の状態で、操作パネル8が消灯している状態であり、つまり、画像処理装置1で省電力を実現している状態である。通常状態(第1状態)と節電状態(第2状態)との切り替えは、具体的には次のように行う。所定時間の間、ユーザにより、操作パネル8の操作、画像読取部4への画像読取媒体のセット、プリントジョブの実行等がなされないと画像処理装置1は節電状態(第2状態)に移行する。逆に、節電状態(第2状態)において、操作パネル8の操作、プリントジョブの実行(後記のステップ3)等がなされると、画像処理装置1は通常状態(第1状態)に移行する。
【0029】
冷却制御部22、ジョブ処理部23の機能として行われる具体的な処理内容は、以下にフローチャートを参照しつつ説明する。
図4は、制御装置が実行する処理のメインフローチャートである。まず、上述のように、所定時間の間、ユーザによる操作パネル8の操作がなされないなど、節電状態に移行する条件が満たされた場合に図4のフローチャートの処理が開始される。節電状態に移行する条件が満たされたため、節電制御部21は、前記第2状態に移行する(ステップS1)。また、中央処理装置11の検出温度が第1温度未満であるときは、冷却制御部22は、冷却部16による中央処理装置11の冷却を停止又は制限(ファンなら回転数の低減)する。逆に、中央処理装置の検出温度が第1温度以上であるときは、冷却制御部22は、冷却部16による中央処理装置11の冷却を実行する。この第1温度に基づく冷却部16による冷却の実行、停止の切り替えは、図4のフローチャートチャートの実行と並行して、前記第1状態、第2状態にかかわらず実行される。
【0030】
次に、ジョブ処理部23は、機械的な動作を伴う処理を行う第1ジョブを中央処理装置11が受け付けたか否かを判断する(ステップS2)。第1ジョブを受け付けたときは(ステップS2のYes)、節電制御部21は、前記の第1状態に移行する(ステップS3)。そして、ジョブ処理部23は、通常の処理で第1ジョブを実行する(ステップS4)。この場合、機械的な動作を伴う処理を行う第1ジョブを実行する場合であり、画像処理装置1からは機械音がする。そのため、冷却部16が動作して、その動作音がしても、第1ジョブによる機械音の中なのであまり問題となりえない。
【0031】
ジョブ処理部23が、第1ジョブを中央処理装置11が受け付けていないと判断したときは(ステップS2のNo)、ステップS5に移行する。ステップS5で、ジョブ処理部23は、機械的な動作を伴わない第2ジョブを中央処理装置11が受け付けたか否かを判断する(ステップS5)。第2ジョブを中央処理装置11が受け付けていないときは(ステップSのNo)、ジョブ処理部23は、処理をステップS2に戻す。
【0032】
第2ジョブを中央処理装置11が受け付けているときは(ステップS5のYes)、ジョブ処理部23は、中央処理装置11の温度センサ15による検出温度が予め設定されている第2温度未満か否かを判断する(ステップS6)。第2温度は、前記の第1温度よりも低く設定されている温度である。中央処理装置11の温度が第2温度未満のときは(ステップS6のYes)、ジョブ処理部23は、通常の処理で第2ジョブを実行する(ステップS7)。中央処理装置11の温度が第2温度未満のときは(ステップS6のYes)、ジョブ処理部23は、ステップS8に移行する。ステップS8では、ジョブ処理部23は、抑制制御で第2ジョブを実行する。この抑制制御とは、その実行前よりも中央処理装置11の負荷が軽くなり、当該中央処理装置11の温度上昇を抑制することができる制御である。その抑制制御は複数種類あり、その詳細については後記する。
【0033】
ステップS7,S8の後、第2ジョブが終了すれば(ステップS9のYes)、一連の処理を終了する。当該処理が終了していなければ(ステップS9のNo)、ステップS6に戻る。
【0034】
次に、ステップS8のサブルーチンとなる抑制制御について複数例説明する。下記の各処理は、並列的に処理が進行する場合もあるし、別時間帯に別々に処理化進行する場合もある。下記の処理の中で、画像処理といえるものは、画像処理部5により実行される。
【0035】
図5は、ステップS8のサブルーチンの一つを説明するフローチャートである。ジョブ処理部23は、第2ジョブ処理を行ってから(ステップS11)、中央処理装置11にウェイトを入れる(ステップS12)。すなわち、一連の第2ジョブ処理が終わったら、例えば100ms程度のウェイトを入れる。これにより、本来は、5ms~10ms程度で終わる処理が100ms程度になる。これにより、中央処理装置11の動作率を、温度センサ15の検出温度が第2温度以上となる前よりも低減する。これにより、中央処理装置11の温度上昇を抑制する。
【0036】
図6は、ステップS8のサブルーチンの一つを説明するフローチャートである。ジョブ処理部23は、中央処理装置11でマルチ処理するコア数を、ステップS8以前よりも削減して第2ジョブ処理を行う(ステップS16)。例えば、中央処理装置11でマルチ処理するコア数が4であったときに、これを2に減らす。すると、中央処理装置11の処理速度は半減し、中央処理装置11の温度上昇を抑制できる。
【0037】
図7は、ステップS8のサブルーチンの一つを説明するフローチャートである。ジョブ処理部23は、中央処理装置11の実行するマルチジョブのジョブ数を制限して、第2ジョブ処理を行う(ステップS21)。これにより、温度センサ15の検出温度が第2温度以上となる前よりもマルチジョブのジョブ数を低減する。これにより、中央処理装置11の温度上昇が抑制される。なお、図5図7の処理は、画像処理装置1の動作中は、中央処理装置11において、だいたい常に実施されている処理である。
【0038】
図8は、ステップS8のサブルーチンの一つを説明するフローチャートである。画像処理装置1は、インターネットに接続されている。そのため、通信I/F7が、電子メール、画像データ、その他のデータをインターネットから受信し、ストレージ6に記憶する。その際に、これらのデータがウイルスに感染していると、画像処理装置1はウイルスに感染する。そこで、所定の時期に中央処理装置11は、ウイルススキャンの処理を実行している。図8の処理では、当該ウイルススキャンの処理が実行中であったときに、ジョブ処理部23は、これを中断する(ステップS26)。これにより、温度センサ15の検出温度が第2温度以上となったときにウイルススキャンの処理を停止する。そして、当該検出温度が第2温度未満となったときは当該ウイルススキャンの処理を再開する。これにより、中央処理装置11は、ウイルススキャンにリソースを割かれないので、温度上昇が抑制される。
【0039】
図9は、ステップS8のサブルーチンの一つを説明するフローチャートである。画像処理装置1は、ファームウェア等のプログラムをダウンロードすることがある。ジョブ処理部23は、通信I/F7を介してダウンロードしたプログラムの伸長処理を中止する(ステップS35)。そして、ジョブ処理部23は、当該プログラムをストレージ6等に格納する(ステップS36)。そして、その後、温度センサ15の検出温度が第2温度未満となったときは前記の中止した伸長処理を再開する。これにより、中央処理装置11は、プログラムの伸長処理にリソースを割かれないので、温度上昇が抑制される。
【0040】
図10は、ステップS8のサブルーチンの一つを説明するフローチャートである。画像処理装置1はFAX機能を有しているので、FAXデータを受信できる。通常は、FAXデータを受信すると、中央処理装置11は、即時に、そのデータを伸長し、所定の圧縮規格でデータを再圧縮する。そして、中央処理装置11は、その際圧縮したデータをストレージ6等に記憶する。しかし、ジョブ処理部23は、受信したFAXデータを伸長し、所定の圧縮規格でデータを再圧縮する処理(フォーマット変換)を中止する(ステップS31)。そして、ジョブ処理部23は、当該処理を行わないまま、当該FAXデータをストレージ6に記憶する(ステップS32)。ジョブ処理部23は、係る処理を、温度センサ15の検出温度が第2温度以上となったときに行う。そして、その後、当該温度が第2温度未満となったときに、ジョブ処理部23は、前記の伸長及び前記の再圧縮の処理を再開する。そして、ジョブ処理部23は、当該処理後のFAXデータをストレージ6に記憶する。これにより、中央処理装置11は、FAXデータの伸長、再圧縮処理にリソースを割かれないので、温度上昇が抑制される。
【0041】
図11は、ステップS8のサブルーチンの一つを説明するフローチャートである。画像処理装置1は、インターネット等から画像データをダウンロードして、ストレージ6等に記憶する場合がある。ジョブ処理部23は、このダウンロードした画像データの画像フォーマットを、所定の画像フォーマットに変換する処理を、温度センサ15の検出温度が第2温度以上となったときに中止する(ステップS41)。そして、ジョブ処理部23は、その受信した画像データをそのままストレージ6等に保存する(ステップS42)。ジョブ処理部23は、前記の検出温度が第2温度未満となったときは、前記の画像フォーマットの変換処理を再開する。これにより、中央処理装置11は、画像フォーマットの変換処理にリソースを割かれないので、温度上昇が抑制される。
【0042】
図12は、ステップS8のサブルーチンの一つを説明するフローチャートである。画像処理装置1は、外部のコンピュータ等から受信したプリントデータ(画像形成用のデータ)のフォーマット変換を行う。そして、画像処理装置1は、その変換後のプリントデータに基づいて画像形成部3で画像形成を行う。ジョブ処理部23は、温度センサ15の検出温度が第2温度以上となったときには、プリントデータ(画像形成用のデータ)のフォーマット変換を中止する(ステップS46)。そして、ジョブ処理部23は、当該プリントデータをストレージ6等に保存する(ステップS47)。ジョブ処理部23は、前記の検出温度が第2温度未満となったときは、前記のフォーマット変換処理を再開する。
【0043】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
以上説明した画像処理装置1によれば、中央処理装置11の温度が第2温度以上となると、次のような処理を行う。すなわち、ジョブ処理部23は、機械的な動作を伴わない処理を行う第2ジョブを、抑制処理により行う。抑制処理は、通常の第2ジョブの処理より中央処理装置11の負荷が軽くなるような処理である。そのため、画像処理装置1で機械音を伴わない第2ジョブの処理中は、中央処理装置11の温度上昇も抑制されるので中央処理装置11の温度が第1温度以上となる可能性が低減し、冷却部16の動作音もしない又は抑制される。したがって、画像処理装置1のような電子装置における中央処理装置11の冷却部16の動作音を極力低減できるようにすることができる。
【0044】
また、画像処理装置1が、このような抑制処理を行うのは、第1ジョブを実行せず、第2ジョブを実行しているときだけである。すなわち、機械的な動作音を伴う第1ジョブの実行中に冷却部16の動きを抑制しても、周囲の静穏化にはあまり貢献しない。しかし、このような第1ジョブを実行せず、機械的な動作音を伴わない第2ジョブを実行しているときに冷却部16の動作音を抑制できる。よって、この場合は、周囲の静穏化に充分貢献することができる。
【0045】
さらに、第1温度よりも第2温度の方が低い。そのため、中央処理装置11が第2温度以上となったときは、前記のとおり中央処理装置11の温度上昇を抑制する。これにより、中央処理装置11が第1温度になって冷却部16が動作開始してしまう可能性を抑制することができる。
【0046】
前記の抑制処理としては、図5図12をそれぞれ参照して例示した処理が考えられる。これらの処理を実行することにより、前記のとおり、画像処理装置1のような電子装置における中央処理装置11の冷却部16の動作音を極力低減できるようにすることができる。なお、この抑制処理としては、これらに例示する処理以外にも、中央処理装置11の処理負荷を低減できる様々な処理が含まれる。
以上説明した本実施形態は、あくまでも本発明の一例を説明したものにすぎない。すなわち、本発明の範囲で様々な変形例として本発明を実施することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 画像処理装置(電子装置)
2 制御装置
3 画像形成部(第1処理対象部)
4 画像読取部(第1処理対象部)
5 画像処理部(第2処理対象部)
7 通信インターフェイス(I/F)(第2処理対象部)
11 中央処理装置
15 温度センサ
16 冷却部
22 冷却制御部
23 ジョブ処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12