(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2026091998
(43)【公開日】2026-06-04
(54)【発明の名称】蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/35 20210101AFI20260528BHJP
H01M 50/202 20210101ALI20260528BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20260528BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20260528BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20260528BHJP
H01M 50/503 20210101ALI20260528BHJP
H01M 50/367 20210101ALI20260528BHJP
H01M 50/545 20210101ALI20260528BHJP
H01M 50/56 20210101ALI20260528BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20260528BHJP
H01G 11/14 20130101ALI20260528BHJP
H01G 11/10 20130101ALI20260528BHJP
H01G 11/74 20130101ALI20260528BHJP
【FI】
H01M50/35 201
H01M50/202 501C
H01M50/213
H01M50/342 101
H01M50/291
H01M50/503
H01M50/367
H01M50/545
H01M50/56
H01G11/78
H01G11/14
H01G11/10
H01G11/74
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2026049995
(22)【出願日】2026-03-25
(62)【分割の表示】P 2023551615の分割
【原出願日】2022-09-28
(31)【優先権主張番号】P 2021160926
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平野 達也
(72)【発明者】
【氏名】高崎 裕史
(57)【要約】
【課題】優れた信頼性を備えた蓄電モジュールを提供する。
【解決手段】少なくとも一つの円筒形の蓄電装置20と、蓄電装置20を保持する上ホルダ30と、上ホルダ30の上側に設けられる絶縁板80と、を備え、蓄電装置20の上端部には、排気弁15が設けられ、上ホルダ30には、排気弁15を露出させる開口部32が形成され、絶縁板80は、平板状の本体部81と、本体部81に形成されると共に開口部32と連通する開口部82と、開口部82の一部を塞ぐ蓋部83と、蓋部83と本体部81とを接続する接続部84と、を有し、本体部81には、絶縁板80と上ホルダ30とを固定する固定部85が設けられる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの円筒形の蓄電装置と、前記蓄電装置を保持するホルダと、前記ホルダの一側に設けられる絶縁板と、を備え、
前記蓄電装置の一側の端部には、排気弁が設けられ、
前記ホルダには、前記排気弁を露出させる第1開口部が形成され、
前記絶縁板は、平板状の本体部と、前記本体部に形成されると共に前記第1開口部と連通する第2開口部と、前記第2開口部の一部を塞ぐ蓋部と、前記蓋部と前記本体部とを接続する接続部と、を有し、
前記本体部には、前記絶縁板と前記ホルダとを固定する固定部が設けられ、
前記固定部は、前記接続部が延びる方向において、前記接続部と重なっている、
蓄電モジュール。
【請求項2】
少なくとも一つの円筒形の蓄電装置と、前記蓄電装置を保持するホルダと、前記ホルダの一側に設けられる絶縁板と、を備え、
前記蓄電装置の一側の端部には、排気弁が設けられ、
前記ホルダには、前記排気弁を露出させる第1開口部が形成され、
前記絶縁板は、平板状の本体部と、前記本体部に形成されると共に前記第1開口部と連通する第2開口部と、前記第2開口部の一部を塞ぐ蓋部と、前記蓋部と前記本体部とを接続する接続部と、を有し、
前記本体部には、前記絶縁板と前記ホルダとを固定する固定部が設けられ、
前記接続部は、短冊状に形成された、
蓄電モジュール。
【請求項3】
少なくとも一つの円筒形の蓄電装置と、前記蓄電装置を保持するホルダと、前記ホルダの一側に設けられる絶縁板と、を備え、
前記蓄電装置の一側の端部には、排気弁が設けられ、
前記ホルダには、前記排気弁を露出させる第1開口部が形成され、
前記絶縁板は、平板状の本体部と、前記本体部に形成されると共に前記第1開口部と連通する第2開口部と、前記第2開口部の一部を塞ぐ蓋部と、前記蓋部と前記本体部とを接続する接続部と、を有し、
前記本体部には、前記絶縁板と前記ホルダとを固定する固定部が設けられ、
前記絶縁板は、一つの前記蓋部に対し複数の前記接続部を有する、
蓄電モジュール。
【請求項4】
少なくとも一つの円筒形の蓄電装置と、前記蓄電装置を保持するホルダと、前記ホルダの一側に設けられる絶縁板と、を備え、
前記蓄電装置の一側の端部には、排気弁が設けられ、
前記ホルダには、前記排気弁を露出させる第1開口部が形成され、
前記絶縁板は、平板状の本体部と、前記本体部に形成されると共に前記第1開口部と連通する第2開口部と、前記第2開口部の一部を塞ぐ蓋部と、前記蓋部と前記本体部とを接続する接続部と、を有し、
前記本体部には、前記絶縁板と前記ホルダとを固定する固定部が設けられ、
複数の前記蓄電装置を備え、
互いに隣接する複数の前記接続部に対し一つの前記固定部が設けられる、
蓄電モジュール。
【請求項5】
少なくとも一つの円筒形の蓄電装置と、前記蓄電装置を保持するホルダと、前記ホルダの一側に設けられる絶縁板と、を備え、
前記蓄電装置の一側の端部には、排気弁が設けられ、
前記ホルダには、前記排気弁を露出させる第1開口部が形成され、
前記絶縁板は、平板状の本体部と、前記本体部に形成されると共に前記第1開口部と連通する第2開口部と、前記第2開口部の一部を塞ぐ蓋部と、前記蓋部と前記本体部とを接続する接続部と、を有し、
前記本体部には、前記絶縁板と前記ホルダとを固定する固定部が設けられ、
前記蓋部は、円形状、三角形状又は矩形状に形成される、
蓄電モジュール。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の蓄電モジュールであって、
少なくとも一つの前記蓄電装置は、第1の電極および第2の電極を含む電極群と、前記電極群を収容する外装缶と、この外装缶の開口をガスケットとともに塞ぐ封口体とを備え、前記第1の電極は前記封口体と電気的に接続し、前記第2の電極は、前記外装缶と電気的に接続した、
蓄電モジュール。
【請求項7】
請求項6に記載の蓄電モジュールであって、
前記排気弁は、前記封口体に設けられた、
蓄電モジュール。
【請求項8】
請求項6に記載の蓄電モジュールであって、
前記ホルダと前記絶縁板との間には、複数の前記蓄電装置を電気的に接続する集電部材をさらに備え、
前記集電部材は、基部と、前記基部に形成され、前記第1開口部及び前記第2開口部と重なる第3開口部と、前記第3開口部の内縁から延出し、前記封口体又は前記外装缶と電気的に接続するリード部とを有する、
蓄電モジュール。
【請求項9】
請求項1から5のうちいずれか一項に記載の蓄電モジュールであって、
前記蓄電装置、前記ホルダ及び前記絶縁板を収容する筐体と、前記筐体内の一側にて前記絶縁板によって区画され、前記筐体の外部と連通する排気ダクトと、をさらに備える、
蓄電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電モジュールは、少なくとも一つの円筒形の蓄電装置と、蓄電装置の異常時に蓄電装置内から放出されたガスを蓄電モジュールの外部に逃がすための排気ダクトとを有している。
【0003】
特許文献1に開示される蓄電モジュールには、排気ダクトを区画する平板(以下、絶縁板)が蓄電装置の上側を保持するホルダの上側に設けられている。絶縁板には、排気ダクトに向かってのみ開放する開放弁が形成されている。これにより、蓄電装置の異常時に蓄電装置内から放出されたガスの圧力によって開放弁が開放され、当該ガスが排気ダクトに流入して蓄電モジュールの外部へ排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1における蓄電モジュールにより信頼性において改善できる。しかし、蓄電モジュールは信頼性が更に改善されることが求められている。
【0006】
本開示の目的は、優れた信頼性を備えた蓄電モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様である蓄電モジュールは、少なくとも一つの円筒形の蓄電装置と、蓄電装置を保持するホルダと、ホルダの一側に設けられる絶縁板と、を備え、蓄電装置の一側の端部には、排気弁が設けられ、ホルダには、排気弁を露出させる第1開口部が形成され、絶縁板は、平板状の本体部と、前記本体部に形成されると共にホルダ開口部と連通する第2開口部と、絶縁板開口部の一部を塞ぐ蓋部と、蓋部と本体部とを接続する接続部と、を有し、本体部には、絶縁板とホルダとを固定する固定部が設けられる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、蓄電モジュールの信頼性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係わる蓄電モジュールを示す側断面図である。
【
図5】他の実施形態に係る絶縁板を示す平面図である。
【
図6】他の実施形態に係る絶縁板を示す平面図である。
【
図7】他の実施形態に係る絶縁板を示す平面図である。
【
図8】他の実施形態に係る絶縁板を示す平面図である。
【
図9】他の実施形態に係る絶縁板を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本開示の実施形態を説明する。以下で説明する形状、材料及び個数は例示であって、蓄電モジュールの仕様に応じて適宜変更することができる。
【0011】
「蓄電モジュール」
図1及び
図2を用いて、実施形態に係る蓄電モジュール10について説明する。
【0012】
蓄電モジュール10は、主として動力用の電源として使用される。蓄電モジュール10は、例えば、電気自動車、電動工具、電動アシスト自転車、電動バイク、電動車椅子、電動三輪車、電動カート等のモータで駆動される機器の電源として使用される。ただし、蓄電モジュール10の用途は限定されることなく、例えば、クリーナー、無線機、照明装置、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の屋内外で使用される種々の電気機器の電源として使用されてもよい。
【0013】
図1では、蓄電モジュール10は、複数の円筒形の蓄電装置20と、複数の蓄電装置20の上端側をそれぞれ保持するホルダとしての上ホルダ30と、蓄電装置20の第1の端子(正極端子)及び第2の端子(負極端子)から集電する集電部材40と、複数の蓄電装置20の下端側をそれぞれ保持する下ホルダ50とを備える。
【0014】
また、蓄電モジュール10は、蓄電装置20、上ホルダ30、集電部材40及び下ホルダ50を収容する筐体としてのケース60と、ケース60の内部の上側にてケース60の外部と連通する排気ダクト70と、排気ダクト70の下側を区画すると共に排気ダクト70と蓄電装置20とを絶縁する絶縁板80とをさらに備える。
【0015】
「蓄電装置」
蓄電装置20は、円筒形のリチウムイオン二次電池が用いられる。蓄電装置20は、リチウムイオン二次電池に限定されることなく、ニッケル水素電池、キャパシタ等であってもよい。
【0016】
図2では、蓄電装置20は、詳細は後述するが、上端部において第1の端子としての正極端子及び第2の端子としての負極端子が配置されている。より具体的には、正極端子が後述する封口体26の頂面に構成される。また、負極端子が後述する外装缶25の加締められた開口端部(以下、肩部25C)に構成される。
【0017】
複数の蓄電装置20は、蓄電モジュール10内で安全性を考慮した上で最密に充填され、隣り合う蓄電装置20同士がほぼ近接して配列されてもよい。蓄電装置20では、例えば、平面視において、1つの蓄電装置20の周囲を6つの蓄電装置20が囲むように配列されている(以下、千鳥配置)。
【0018】
蓄電装置20は、例えば帯状の正極21と帯状の負極22とが帯状のセパレータ23を介した状態で巻回された電極群24と、電極群24を電解液と共に収容した円筒状の外装缶25と、外装缶25の開口を絶縁した状態で封止する封口体26と、正極21と封口体26とを電気的に接続する箔状の正極タブ27と、負極22と外装缶25とを電気的に接続する負極タブ(図示なし)とを有する。封口体26の外周と外装缶25の開口の内周面との間には、絶縁性のガスケット28が配置されている。
【0019】
外装缶25の外周面には、開口側に環状の溝部25Aが形成されている。この溝部25Aは、対応する外装缶25の内周面において環状の凸部25Bが形成される。ガスケット28及び封口体26は、外装缶25内において、この環状の凸部25B上に配置される。さらに、外装缶25の肩部25Cが、内周側にガスケット28を配置した状態で外装缶25の内側に向かって倒れるように加締められている。加締められた肩部25Cと凸部25Bとにより封口体26がガスケット28を介して上下方向に挟まれることにより、外装缶25の開口は封止される。なお、排気弁15は外装缶25の底部に形成されていてもよい。この場合、外装缶25の底部側を支持する下ホルダ50に開口部が形成され、絶縁板が下ホルダ50の外底面上に配置される。
【0020】
封口体26には、電流遮断機構(CID)や、外装缶25内が所定の圧力以上に達した場合に破裂する排気弁15(図示なし)を設けてもよい。また、電極群24と凸部25Bとの間に電極群24と外装缶25とを絶縁するための絶縁部材29を設けてもよい。絶縁部材29が設けられる場合は、正極タブ27は絶縁部材29に形成した貫通孔を通って延びてもよい。さらに、電極群24と外装缶25の底部との間に電極群24と外装缶25とを絶縁するための絶縁部材を設けてもよい。負極タブは、絶縁部材に形成した貫通孔を通っても、絶縁部材を迂回して延びてもよい。
【0021】
蓄電装置20では、上述したように正極端子が封口体26の頂面に構成され、後述する集電部材40の正極リード41が接合される。また、蓄電装置20では、上述したように負極端子が外装缶25の加締められた肩部25Cに構成され、後述する集電部材40の負極リード(図示なし)が蓄電装置20の径方向外側から外装缶25の肩部25Cに接合される。
【0022】
「上ホルダ」
上ホルダ30は、複数の蓄電装置20の上端側を保持する部材である。上ホルダ30は、熱可塑性樹脂によって形成されている。熱可塑性樹脂としては、汎用プラスチックとエンジニアリングプラスチックとに大別され、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ABS等が用いられる。
【0023】
図2では、上ホルダ30の底面には、それぞれの蓄電装置20の上端側が収容される複数の収容部31が形成されている。収容部31に蓄電装置20の上端側が嵌合することによって、蓄電装置20の上端側が上ホルダ30に保持される。
【0024】
収容部31の天井部には、円状に開口された開口部32(第1開口部)が形成されている。開口部32によれば、蓄電装置20の封口体26の頂面が上ホルダ30の上面から露出する。そのため、開口部32を介して封口体26の頂面と正極リード41と接合させることができる。また、蓄電装置20の異常時には蓄電装置20の排気弁15から放出された高温ガス又は高温で導電性の噴出物を上ホルダ30の上方に逃がすことができる。なお、開口部32の形状は円形に限定されない。楕円形、長円形や矩形で多角形であってもよい。
【0025】
「集電部材」
図2では、集電部材40は、板状の金属材料(金属箔)から形成され、上ホルダ30の頂面に設けられる。集電部材40は、基部と基部に形成された開口部(第3の開口部)と、この開口部の内周縁から延出し、蓄電装置20の正極端子に接続される正極リード41と、蓄電装置20の負極端子に接続される負極リード(図示なし)とが形成される。なお、集電部材40は開口部をもたなくてもよい。集電部材40の外縁から正極リード41又は負極リードが延び出ていてもよい。集電部材40は、蓄電装置20の正極端子と接続する集電部材と負極端子と接続する集電部材とが、上ホルダ30の頂面上に配置されてもよく、一方の端子に接続する集電板が下ホルダ50の外底面上に設けられていてもよい。この時、下ホルダ50にも各蓄電装置20の収容部から蓄電装置20を露出させる開口部があってもよい。この下ホルダ50の開口部から一方の電極のリードを挿入してもよい。
【0026】
「下ホルダ」
図1では、下ホルダ50は、複数の蓄電装置20の下端側を保持する部材である。下ホルダ50は、熱可塑性樹脂によって形成されている。熱可塑性樹脂としては、汎用プラスチックとエンジニアリングプラスチックとに大別され、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ABS等が用いられる。
【0027】
「ケース」
図1及び
図2では、ケース60は、蓄電装置20、上ホルダ30、集電部材40及び下ホルダ50を収容する。ケース60内の上方には後述する排気ダクト70が区画されている。
【0028】
「排気ダクト」
図1及び
図2では、排気ダクト70は、蓄電装置20の異常時に蓄電装置20内のガスをケース60の外部に排出する。排気ダクト70は、後述する絶縁板80と、絶縁板80よりも上方に位置するケース60とから形成されるダクトである。排気ダクト70は、ケース60の外部と連通する排気口71を有する。なお、本開示の蓄電モジュール10において、ケース60又は排気ダクト70は必須ではない。
【0029】
「絶縁板」
図2乃至
図4を用いて絶縁板80について詳細に説明する。
【0030】
絶縁板80は、排気ダクト70を区画すると共に排気ダクト70と蓄電装置20とを絶縁する。絶縁板80は、マイカ、ガラスエポキシ、難燃ファイバーによって形成されている。
【0031】
絶縁板80は、平板状の本体部81と、本体部81に形成されると共に開口部32と連通する開口部82と、開口部82の一部を塞ぐ蓋部83と、蓋部83と本体部81とを接続する接続部84とを有している。また、本体部81の接続部84の近傍には、絶縁板80と上ホルダ30とを固定する固定部85が設けられる。
【0032】
本体部81は、平面視が長方形の平板状であって、集電部材40の頂面に当接している。本体部81によれば、排気ダクト70を区画すると共に排気ダクト70と蓄電装置20とを絶縁することができる。また、本体部81は、詳細は後述するが、後述する固定部85において固定具90によって上ホルダ30に固定されている。
【0033】
開口部82は、本体部81に形成されると共に上ホルダ30の開口部32及び集電部材40の開口部と連通する円形状に形成される。開口部82は、平面視における開口部32の配置、換言すれば蓄電装置20の配置に合わせて千鳥配置されている。なお、開口部82の形状は円形状に限定されない。楕円形状、長円形状や矩形状等の多角形状であってもよい。開口部32の形状に沿った形状であることが好ましい。
【0034】
開口部82によれば、蓄電装置20の封口体26の頂面が絶縁板80の上面から露出する。そのため、蓄電装置20の異常時に蓄電装置20内から高温ガス又は導電性の噴出物(以下、排出物とも呼ぶ)が放出された場合には、これら排出物を絶縁板80の上方に逃がすことができる。
【0035】
蓋部83は、上述したように開口部82の一部を塞いでいる。本例では、蓋部83は、円形状に形成されている。蓋部83が開口部82の径よりも小さい径として形成され、蓋部83の縁部と開口部82の縁部との間には所定の隙間が形成されている。
【0036】
蓋部83によれば、蓄電装置20の異常時に蓄電装置20内から放出されたガスの圧力によって開き、蓄電装置20内から放出された排出物を絶縁板80の上方に逃がすことができる。一方で、他の蓄電装置20の異常時には、排気ダクト70内の異常な蓄電装置20内から放出された排出物が開口部82から通常状態の蓄電装置20に流れ込むことを防止することができる。
【0037】
接続部84は、蓋部83と本体部81とを接続している。接続部84は、例えば短冊状に形成され、蓋部83の縁部と開口部82の縁部とを接続している。なお、接続部84は短冊状でなくてもよい。本例では、一つの蓋部83に対し一つの接続部84が形成される。接続部84によれば、蓄電装置20の異常時に蓄電装置20内から放出されたガスの圧力によって蓋部83が開く際に破断又は塑性変形し、蓋部83が開いた状態を維持することができる。
【0038】
固定部85は、本体部81において絶縁板80と上ホルダ30とを固定する。固定部85は、本体部81において、接続部84の本体部側の端部を境界として、蓋部83が設けられている側と反対側に設けられていてもよい。固定部85は、接続部84が延びる方向において接続部84と重なっていればより確実に絶縁板80を固定できる。なお、接続部84が複数の方向に延びている場合は、上記接続部84が延びる方向は本体部側端部により近い接続部84が延びている方向である。本例では、一つの接続部84に対し一つの固定部85が設けられる。固定部85では、後述する固定具90によって絶縁板80と上ホルダ30とが固定される。
【0039】
固定部85によれば、蓄電装置20の異常時に蓄電装置20内から放出されたガスの圧力によって絶縁板80が上ホルダ30から浮き上がることを抑制することができる。また、蓄電装置20の異常時に蓄電装置20内から放出されたガスの圧力によって、蓋部83及び接続部84が浮き上がる際に接続部84を介して本体部81を上方に引っ張るため、接続部84の近傍に固定部85を設けることによって、より効果的に絶縁板80が上ホルダ30から浮き上がることを防止することができる。
【0040】
固定具90は、固定部85において絶縁板80と上ホルダ30とを固定する。本例では、固定具90は、樹脂リベットが好適に用いられるが、これに限定されない。ネジによる締結固定、接着剤又はテープによる貼着固定、熱可塑性樹脂による溶着固定、樹脂部材のスナップフィットによるはめ込み固定であってもよい。
【0041】
蓄電装置20の異常時に蓄電装置20内からガスが放出されると、開口部82からガスが噴き出し、ガスの圧力によって蓋部83が持ち上げられ、蓋部83が持ち上げられることによって接続部84が破断又は塑性変形する。このとき、本体部81は、固定部85によって上ホルダ30に固定されているため、本体部81が上ホルダ30から浮き上がることはない。
【0042】
同時に、蓄電装置20内から放出された高温ガス又は高温で導電性を有する噴出物が排気ダクト70に排出され、排気口71からケース60の外部へ排出される。このとき、他の蓄電装置20の上方の開口部82が蓋部83によって塞がれているため、排気ダクト70内の高温ガス又は上記噴出物が開口部82から蓄電装置20に流れ込むことを抑制できる。
【0043】
絶縁板80によれば、蓄電装置20の異常時に蓄電装置20内から放出されたガスの圧力によって絶縁板80が上ホルダ30から浮き上がることを抑制することができる。これにより、絶縁板80の下に蓄電装置20内から放出された高温ガス又は高温で導電性を有する噴出物が潜り込み、他の蓄電装置20が類焼することがない。
【0044】
「絶縁板の変形例」
図5乃至
図9を用いて絶縁板80の変形例について説明する。以下では、上述した実施形態と同等の要素には同一の符号を付して説明する。
【0045】
図5では、絶縁板80において、複数の接続部84に対し一つの固定部85が設けられる。具体的には、2つの接続部84の先に1つの固定部85が設けられる場合もあり、3つの接続部84の先に1つの固定部85が設けられる場合もある。このような構成により絶縁板80において固定部85を共用することで必要となる固定部85が減り、絶縁板80や蓄電モジュール10として小型化が期待できる。
【0046】
図6では、絶縁板80において、蓋部83に対し複数の接続部84が形成される。具体的には、1つの蓋部83に対し2つの接続部84が形成されるが、1つの蓋部83に対し3つの接続部84が形成されてもよい。このように一つの蓋部83に対して複数の接続部84が形成される場合、異常な蓄電装置20が排出物を放出するとき、複数の接続部84の一部が高温ガスの圧力で破断させる、又は絶縁板80の材料によっては蓋部83又は接続部84がのびることで排気ダクト70へ排出物が放出されてもよい。この構成により、異常な蓄電装置20がいない場合や、異常な蓄電装置20が発生した場合でも、通常状態にある蓄電装置20を蓋部83でより確実に保護することができる。
【0047】
図7では、絶縁板80において、蓋部83が三角形状に形成され、開口部82の一部を塞いでいる。
【0048】
図8では、絶縁板80において、蓋部83が矩形状に形成され、開口部82の一部を塞いでいる。
【0049】
図9では、複数の蓄電装置20は、平面視において蓄電装置20がそれぞれ整列状態で配列されている(以下、整列配置)。絶縁板80において、開口部82は、平面視における開口部32の配置、換言すれば蓄電装置20の配置に合わせて整列配置されている。
【0050】
なお、本発明は上述した実施形態及びその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項の範囲内において種々の変更や改良が可能であることは勿論である。
【0051】
なお、本実施形態では、複数の蓄電装置20において、それぞれの蓄電装置20の排気弁15が同じ方向を向いて配列している例で説明したが、本開示の蓄電モジュール10はこの構成に限定されない。例えば複数の蓄電装置20のうち、一部の蓄電装置20が上ホルダ側に排気弁15が向き、残りの蓄電装置20の排気弁15は下ホルダ側に向いていてもよい。この場合、蓄電モジュール10において、絶縁板は上ホルダ、下ホルダの両側にそれぞれ配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0052】
10 蓄電モジュール、15 排気弁、20 蓄電装置、21 正極(第1の電極)、22 負極(第2の電極)、23 セパレータ、24 電極群、25 外装缶、25A 溝部、25B 凸部、25C 肩部、26 封口体、27 正極タブ、28 ガスケット、29 絶縁部材、30 上ホルダ、31 収容部、32 開口部(第1開口部)、40 集電部材、41 正極リード、50 下ホルダ、60 ケース、70 排気ダクト、71 排気口、80 絶縁板、81 本体部、82 板開口部(第2開口部)、83 蓋部、84 接続部、85 固定部、90 固定具