(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2026092815
(43)【公開日】2026-06-08
(54)【発明の名称】半導体装置及び電力変換装置
(51)【国際特許分類】
H10D 30/01 20250101AFI20260601BHJP
H10D 30/66 20250101ALI20260601BHJP
H10D 62/10 20250101ALI20260601BHJP
H10D 12/00 20250101ALI20260601BHJP
H10D 8/60 20250101ALI20260601BHJP
【FI】
H01L29/78 658J
H01L29/78 652T
H01L29/78 652N
H01L29/78 652P
H01L29/06 301G
H01L29/06 301V
H01L29/78 658A
H01L29/78 658F
H01L29/78 655A
H01L29/86 301D
H01L29/86 301E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024205946
(22)【出願日】2024-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大場 公貴
(72)【発明者】
【氏名】橘 弘樹
(57)【要約】
【課題】HBT耐量を向上させた半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、炭化珪素基板と、フィールド酸化膜と、絶縁膜と、配線層とを備える。炭化珪素基板は、第1主面と、第1主面の反対面である第2主面とを有する。第2主面は、平面視において、セル領域と、セル領域と第2主面の外周縁との間に位置している外周領域とを有する。炭化珪素基板は、炭化珪素基板内において、外周領域に位置している第2主面に形成されている終端構造及びチャネルストッパを有する。チャネルストッパは、平面視において終端構造よりも外側に位置している。炭化珪素基板の導電型及びチャネルストッパの導電型は、第1導電型である。終端構造は、第1導電型とは反対の第2導電型を有する。フィールド酸化膜は、平面視において終端構造に重なり、かつ平面視において少なくとも部分的にチャネルストッパに重なるように外周領域に位置している第2主面上に形成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化珪素基板と、
フィールド酸化膜と、
絶縁膜と、
配線層とを備え、
前記炭化珪素基板は、第1主面と、前記第1主面の反対面である第2主面とを有し、
前記第2主面は、平面視において、セル領域と、前記セル領域と前記第2主面の外周縁との間に位置している外周領域とを有し、
前記炭化珪素基板は、前記炭化珪素基板内において、前記外周領域に位置している前記第2主面に形成されている終端構造及びチャネルストッパを有し、
前記チャネルストッパは、平面視において前記終端構造よりも外側に位置しており、
前記炭化珪素基板の導電型及び前記チャネルストッパの導電型は、第1導電型を有し、
前記終端構造は、前記第1導電型とは反対の第2導電型であり、
前記フィールド酸化膜は、平面視において前記終端構造に重なり、かつ平面視において少なくとも部分的に前記チャネルストッパに重なるように前記外周領域に位置している前記第2主面上に形成されており、
前記絶縁膜は、前記フィールド酸化膜を覆うように前記第2主面上に形成されており、
前記配線層は、平面視において前記終端構造よりも内側に位置するように前記絶縁膜上に形成されている、半導体装置。
【請求項2】
前記絶縁膜の外周縁は、平面視において、前記第2主面の外周縁よりも内側に位置している、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記絶縁膜は、ホウ素及びリンを含まない材料で形成されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記絶縁膜は、積層されている複数の層を有し、
前記絶縁膜は、平面視において前記第2主面の外周縁に達するように延びており、
前記複数の層のうちの最上層は、ホウ素及びリンを含まない材料で形成されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
保護膜をさらに備え、
前記保護膜は、平面視において前記保護膜の外周縁が前記絶縁膜の段差と重ならないように前記絶縁膜上に形成されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記絶縁膜は、積層されている複数の層を有し、
前記フィールド酸化膜は、前記複数の層のいずれよりも厚く、
前記フィールド酸化膜は、平面視において前記第2主面の外周縁に達するように延びている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記フィールド酸化膜は、前記チャネルストッパを覆うように前記第2主面上に形成されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
保護膜をさらに備え、
前記保護膜は、前記絶縁膜上に形成されており、
平面視において、前記保護膜の外周縁の角部は、複数の面を有し、
前記複数の面のうちの互いに隣り合う2つの間の角度は、90°よりも大きい、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
保護膜をさらに備え、
前記保護膜は、前記絶縁膜上に形成されており、
平面視において、前記保護膜の外周縁の角部は、円弧状である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の前記半導体装置を有し、かつ入力される電力を変換して出力する主変換回路と、
前記半導体装置を駆動する駆動信号を前記半導体装置に出力する駆動回路と、
前記駆動回路を制御する制御信号を前記駆動回路に出力する制御回路とを備える、電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置及び電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2023-85505号公報(特許文献1)には、半導体装置が記載されている。特許文献1に記載の半導体装置は、アルミニウムで形成され、かつアクティブセルの耐圧を確保する終端構造よりも平面視において外側に位置している額縁配線を有している。また、特許文献1に記載の半導体装置では、絶縁膜が平面視における炭化珪素基板の外周縁まで達しておらず、パッシベーション膜が炭化珪素基板に接触している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の半導体装置では、信頼性、より具体的には額縁配線に含まれているアルミニウム及び炭化珪素基板に含まれている炭化珪素から発生する炭化珪素生成物に起因したHBT(Thermal Humidity Bias)耐量の低下が懸念される。本開示は、HBT耐量を向上させた半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の半導体装置は、炭化珪素基板と、フィールド酸化膜と、絶縁膜と、配線層とを備える。炭化珪素基板は、第1主面と、第1主面の反対面である第2主面とを有する。第2主面は、平面視において、セル領域と、セル領域と第2主面の外周縁との間に位置している外周領域とを有する。炭化珪素基板は、炭化珪素基板内において、外周領域に位置している第2主面に形成されている終端構造及びチャネルストッパを有する。チャネルストッパは、平面視において終端構造よりも外側に位置している。炭化珪素基板の導電型及びチャネルストッパの導電型は、第1導電型である。終端構造は、第1導電型とは反対の第2導電型を有する。フィールド酸化膜は、平面視において終端構造に重なり、かつ平面視において少なくとも部分的にチャネルストッパに重なるように外周領域に位置している第2主面上に形成されている。絶縁膜は、フィールド酸化膜を覆うように第2主面上に形成されている。配線層は、平面視において終端構造よりも内側に位置するように絶縁膜上に形成されている。
【発明の効果】
【0006】
本開示の半導体装置によると、HBT耐量が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】
図1中のIII-IIIにおける断面図である。
【
図5A】不純物拡散領域形成工程S2を説明する第1断面図である。
【
図5B】不純物拡散領域形成工程S2を説明する第2断面図である。
【
図6】フィールド酸化膜形成工程S3を説明する断面図である。
【
図7】ゲート絶縁膜形成工程S4を説明する断面図である。
【
図8A】ゲート電極形成工程S5を説明する第1断面図である。
【
図8B】ゲート電極形成工程S5を説明する第2断面図である。
【
図9A】絶縁膜形成工程S6を説明する第1断面図である。
【
図9B】絶縁膜形成工程S6を説明する第2断面図である。
【
図10A】配線層形成工程S7を説明する第1断面図である。
【
図10B】配線層形成工程S7を説明する第2断面図である。
【
図11】パッシベーション膜形成工程S8を説明する断面図である。
【
図12A】不純物拡散領域形成工程S9を説明する第1断面図である。
【
図12B】不純物拡散領域形成工程S9を説明する第2断面図である。
【
図13A】ドレイン電極形成工程S10を説明する第1断面図である。
【
図13B】ドレイン電極形成工程S10を説明する第2断面図である。
【
図16】変形例1に係る半導体装置100の断面図である。
【
図17A】変形例2に係る半導体装置100の断面図である。
【
図17B】変形例3に係る半導体装置100の断面図である。
【
図18】変形例4に係る半導体装置100の断面図である。
【
図19】変形例5に係る半導体装置100の断面図である。
【
図20】変形例6に係る半導体装置100の拡大平面図である。
【
図21】変形例7に係る半導体装置100の拡大平面図である。
【
図22】実施の形態2に係る電力変換装置を適用した電力変換システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面では、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さない。
【0009】
実施の形態1.
実施の形態1に係る半導体装置を説明する。実施の形態1に係る半導体装置を、半導体装置100とする。
【0010】
(半導体装置100の構成)
以下に、半導体装置100の構成を説明する。
【0011】
図1は、半導体装置100の平面図である。
図2は、
図1中のII-IIにおける断面図である。
図3は、
図1中のIII-IIIにおける断面図である。
図1から
図3に示されているように、半導体装置100は、炭化珪素基板10と、フィールド酸化膜20と、ゲート絶縁膜30と、ゲート電極40と、絶縁膜50と、配線層60と、パッシベーション膜70と、保護膜80と、ドレイン電極90とを有している。
【0012】
炭化珪素基板10は、単結晶の炭化珪素で形成されている。炭化珪素基板10は、主面10aと、主面10bとを有している。主面10a及び主面10bは、炭化珪素基板10の厚さ方向における端面をなしている。主面10bは、主面10aの反対面である。主面10bは、平面視において、セル領域10baと、外周領域10bbとを有している。外周領域10bbは、セル領域10baと主面10bの外周縁との間に位置している領域である。
【0013】
炭化珪素基板10は、下地層11と、エピタキシャル層12と、バッファ層13とを有している。下地層11の下面は、主面10aをなしている。エピタキシャル層12の上面は、主面10bをなしている。エピタキシャル層12は、バッファ層13を介在させて、下地層11上に形成されている。下地層11の導電型、エピタキシャル層12の導電型及びバッファ層13の導電型は、第1導電型である。第1導電型は、例えばn型である。
【0014】
炭化珪素基板10は、ドレイン領域14と、ソース領域15と、ボディ領域16とを有している。ドレイン領域14は、炭化珪素基板10(下地層11)内において、主面10aに形成されている。ソース領域15は、炭化珪素基板10(エピタキシャル層12)内において、セル領域10baに位置している主面10bに形成されている。ボディ領域16は、炭化珪素基板10(エピタキシャル層12)内において、ソース領域15を取り囲むようにセル領域10baに位置している主面10bに形成されている。ドレイン領域14の導電型及びソース領域15の導電型は、第1導電型である。ボディ領域16の導電型は、第2導電型である。第2導電型は、例えばp型である。
【0015】
炭化珪素基板10は、バックゲート領域17をさらに有している。バックゲート領域17は、炭化珪素基板10(エピタキシャル層12)内において、セル領域10baに位置している主面10bに形成されている。バックゲート領域17は、平面視において、セル領域10baの外周縁部に位置している。バックゲート領域17は、ボディ領域16に取り囲まれている。バックゲート領域17の導電型は、第2導電型である。
【0016】
炭化珪素基板10は、複数のガードリング18と、チャネルストッパ19をさらに有している。ガードリング18は、炭化珪素基板10(エピタキシャル層12)内において、外周領域10bbに位置している主面10bに形成されている。複数のガードリング18は、平面視において、外周領域10bbの内周縁から外周領域10bbの外周縁(主面10bの外周縁)に向かう方向に沿って、間隔を空けて並んでいる。ガードリング18は、平面視において、環状に形成されている。ガードリング18の導電型は、第2導電型である。複数のガードリング18は、半導体装置100の絶縁耐圧を保持するための終端構造をなしている。チャネルストッパ19は、炭化珪素基板10(エピタキシャル層12)内において、外周領域10bbに位置している主面10bに形成されている。チャネルストッパ19は、平面視において、上記の終端構造(複数のガードリング18)よりも外側に位置している。チャネルストッパ19の導電型は、第1導電型である。チャネルストッパ19は、平面視において、環状に形成されている。
【0017】
フィールド酸化膜20は、例えば、ホウ素及びリンを含まないシリコン酸化物で形成されている。フィールド酸化膜20は、主面10b上に形成されている。フィールド酸化膜20の内周縁及び外周縁は、それぞれセル領域10ba上及び外周領域10bb上に位置している。すなわち、フィールド酸化膜20は、セル領域10baと外周領域10bbとの境界を横切っている。フィールド酸化膜20は、平面視において、上記の終端構造(複数のガードリング18)と重なっている。フィールド酸化膜20は、平面視において、チャネルストッパ19と部分的に重なっている。なお、フィールド酸化膜20には、開口部20aが形成されている。開口部20aは、フィールド酸化膜20を貫通している。開口部20aは、平面視において、バックゲート領域17に重なっている。
【0018】
ゲート絶縁膜30は、例えばシリコン酸化物で形成されている。ゲート絶縁膜30は、隣り合う2つのソース領域15の間に位置している主面10b上に形成されている。ゲート電極40は、例えば多結晶のシリコンで形成されている。ゲート電極40は、ゲート絶縁膜30上に形成されている。なお、ゲート電極40は、フィールド酸化膜20上にも形成されている。ドレイン領域14及びソース領域15は、それぞれ縦型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)のドレイン領域及びソース領域をなしている。ボディ領域16は、縦型MOSFETのボディ領域をなしている。エピタキシャル層12は、縦型MOSFETのドリフト領域をなしている。
【0019】
絶縁膜50は、フィールド酸化膜20、ゲート絶縁膜30及びゲート電極40を覆うように、主面10b上に形成されている。絶縁膜50は、平面視において主面10bの外周縁まで延びており、フィールド酸化膜20に覆われていないチャネルストッパ19の残部を覆っている。絶縁膜50は、複数の層を有していてもよい。
図1から
図3に示されている例では、絶縁膜50は、第1層51と、第1層51上に形成されている第2層52とを有している。第1層51は、例えばBPSG(Boron Phosphorous Silicate Glass)で形成されている。第2層52は、例えば、ホウ素及びリンを含まないシリコン酸化物で形成されている。このことを別の観点から言えば、絶縁膜50が有する複数の層のうちの最上層は、ホウ素及びリンを含まない材料で形成されている。
【0020】
絶縁膜50には、コンタクトホール50a、コンタクトホール50b及びコンタクトホール50cが形成されている。コンタクトホール50a、コンタクトホール50b及びコンタクトホール50cは、絶縁膜50を貫通している。コンタクトホール50aは、平面視において、ソース領域15に重なっている。コンタクトホール50aからは、ソース領域15が露出している。コンタクトホール50bは、平面視において開口部20a及びバックゲート領域17に重なっている。コンタクトホール50bからは、バックゲート領域17が露出している。コンタクトホール50cは、平面視において、フィールド酸化膜20上に位置しているゲート電極40と重なっている。コンタクトホール50bからは、フィールド酸化膜20上に位置しているゲート電極40が露出している。
【0021】
配線層60は、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金で形成されている。配線層60は、セル領域10ba上に位置している絶縁膜50上に形成されている。このことを別の観点から言えば、配線層60は、平面視において外周領域10bbよりも内側に形成されている部分を有しない。配線層60は、ゲート配線61と、ソース電極62と、ゲートパッド63とを有している。ゲート配線61は、平面視においてセル領域10baの外周縁部上に位置している。ソース電極62は、平面視においてゲート配線61に取り囲まれている。ゲートパッド63は、平面視においてゲート配線61及びソース電極62に取り囲まれており、ゲート配線61に接続されている。
【0022】
図示されていないが、配線層60と絶縁膜50との間、配線層60と炭化珪素基板10(ソース領域15、バックゲート領域17)との間及び配線層60とゲート電極40との間には、バリアメタルが形成されている。バリアメタルは、例えば窒化チタン膜、チタン膜又はこれらの積層膜である。
【0023】
ゲート配線61は、コンタクトホール50c内にも形成されている。これにより、ゲート配線61はゲート電極40に電気的に接続されている。ソース電極62は、コンタクトホール50a内及びコンタクトホール50b内にも形成されている。これにより、ソース電極62は、ソース領域15及びバックゲート領域17に電気的に接続されている。
【0024】
パッシベーション膜70は、例えばシリコン窒化物で形成されている。パッシベーション膜70は、配線層60を覆うように絶縁膜50上に形成されている。平面視において、パッシベーション膜70の外周縁は、主面10bの外周縁から離れている。すなわち、外周縁部に位置している絶縁膜50は、パッシベーション膜70から露出している。パッシベーション膜70には、ソース電極62を露出させる開口部及びゲートパッド63を露出させる開口部が形成されている。
【0025】
保護膜80は、例えばポリイミドで形成されている。保護膜80は、配線層60を覆うように、パッシベーション膜70を介在させて絶縁膜50上に形成されている。平面視において、保護膜80の外周縁は、パッシベーション膜70の外周縁よりも内側に位置している。保護膜80は、絶縁膜50の段差と重なっていない。保護膜80には、ソース電極62を露出させる開口部及びゲートパッド63を露出させる開口部が形成されている。ドレイン電極90は、例えばチタン、窒化チタンで形成されている。ドレイン電極90は、主面10a上に形成されている。ドレイン電極90は、ドレイン領域14に電気的に接続されている。
【0026】
(半導体装置100の製造方法)
以下に、半導体装置100の製造方法を説明する。
【0027】
図4は、半導体装置100の製造工程図である。
図4に示されているように、半導体装置100の製造方法は、準備工程S1と、不純物拡散領域形成工程S2と、フィールド酸化膜形成工程S3と、ゲート絶縁膜形成工程S4と、ゲート電極形成工程S5と、絶縁膜形成工程S6と、配線層形成工程S7と、パッシベーション膜形成工程S8と、不純物拡散領域形成工程S9と、ドレイン電極形成工程S10と、保護膜形成工程S11と、個片化工程S12とを有している。
【0028】
準備工程S1では、炭化珪素基板10が準備される。
図5Aは、不純物拡散領域形成工程S2を説明する第1断面図である。
図5Bは、不純物拡散領域形成工程S2を説明する第2断面図である。
図5A及び
図5Bに示されているように、不純物拡散領域形成工程S2では、例えば主面10b側からイオン注入が行われることにより、ソース領域15、ボディ領域16、バックゲート領域17、ガードリング18及びチャネルストッパ19が形成される。
【0029】
図6は、フィールド酸化膜形成工程S3を説明する断面図である。
図6に示されているように、フィールド酸化膜形成工程S3では、フィールド酸化膜20が形成される。フィールド酸化膜形成工程S3では、第1に、例えばTEOS(Tetra EthOxy Silane)-CVD(Chemical Vapor Deposition)法が行われることにより、主面10b上にフィールド酸化膜20の構成材料が成膜される。第2に、フィールド酸化膜20の構成材料の上に、レジストパターンが形成される。なお、レジストパターンは、フォトレジストを塗布するとともに、フォトレジストをフォトリソグラフィ法でパターンニングすることにより形成される。第3に、レジストパターンの開口部を通してフィールド酸化膜20の構成材料に対するドライエッチングが行われることにより、フィールド酸化膜20の構成材料がパターンニングされ、フィールド酸化膜20が形成される。
【0030】
図7は、ゲート絶縁膜形成工程S4を説明する断面図である。
図7に示されているように、例えば主面10bに対して熱酸化が行われることにより、ゲート絶縁膜30が形成される。
図8Aは、ゲート電極形成工程S5を説明する第1断面図である。
図8Bは、ゲート電極形成工程S5を説明する第2断面図である。
図8A及び
図8Bに示されているように、ゲート電極形成工程S5では、ゲート電極40が形成される。ゲート電極形成工程S5では、第1に、例えばCVD法が行われることにより、フィールド酸化膜20上及びゲート絶縁膜30上にゲート電極40の構成材料が形成される。第2に、ゲート電極40の構成材料の上に、レジストパターンが形成される。第3に、レジストパターンの開口部を通してゲート電極40の構成材料に対するドライエッチングが行われることにより、ゲート電極40の構成材料がパターンニングされ、ゲート電極40が形成される。
【0031】
図9Aは、絶縁膜形成工程S6を説明する第1断面図である。
図9Bは、絶縁膜形成工程S6を説明する第2断面図である。
図9A及び
図9Bに示されているように、絶縁膜形成工程S6では、絶縁膜50が形成される。絶縁膜形成工程S6では、第1に、例えばCVD法により、第1層51が形成される。第2に、熱処理が行われることにより、第1層51の構成材料(BPSG)がフローされ、第1層51が平坦化される。第3に、例えばTEOS-CVD法により、第2層52が形成される。
【0032】
図10Aは、配線層形成工程S7を説明する第1断面図である。
図10Bは、配線層形成工程S7を説明する第2断面図である。
図10A及び
図10Bに示されているように、配線層形成工程S7では、配線層60が形成される。配線層形成工程S7では、第1に、絶縁膜50上にレジストパターンが形成される、第2に、レジストパターンの開口部を通して絶縁膜50に対するドライエッチングが形成されることにより、コンタクトホール50a、コンタクトホール50b及びコンタクトホール50cが形成される。
【0033】
第3に、例えばスパッタリング法により、絶縁膜50上、コンタクトホール50aの内壁面上、コンタクトホール50bの内壁面上、コンタクトホール50cの内壁面上、コンタクトホール50aから露出しているソース領域15上、コンタクトホール50bから露出しているバックゲート領域17上及びコンタクトホール50cから露出しているゲート電極40上に、バリアメタルが形成される。第3に、例えばスパッタリング法により、バリアメタル上に配線層60の構成材料が形成される。第4に、配線層60の構成材料の上にレジストパターンが形成される。第5に、レジストパターンの開口部を通して配線層60の構成材料に対するドライエッチングが行われることにより、配線層60の構成材料及びバリアメタルがパターンニングされ、配線層60が形成される。
【0034】
図11は、パッシベーション膜形成工程S8を説明する断面図である。
図11に示されているように、パッシベーション膜形成工程S8では、パッシベーション膜70が形成される。パッシベーション膜形成工程S8では、第1に、例えばCVD法により、パッシベーション膜70の構成材料が形成される。第2に、パッシベーション膜70の構成材料の上に、レジストパターンが形成される。第3に、レジストパターンの開口部を通してパッシベーション膜70の構成材料に対するドライエッチングが行われることにより、パッシベーション膜70の構成材料がパターンニングされ、パッシベーション膜70が形成される。
【0035】
図12Aは、不純物拡散領域形成工程S9を説明する第1断面図である。
図12Bは、不純物拡散領域形成工程S9を説明する第2断面図である。
図12A及び
図12Bに示されているように、不純物拡散領域形成工程S9では、例えば主面10a側からイオン注入が行われることにより、ドレイン領域14が形成される。
図13Aは、ドレイン電極形成工程S10を説明する第1断面図である。
図13Bは、ドレイン電極形成工程S10を説明する第2断面図である。
図13A及び
図13Bに示されているように、例えばスパッタリング法により、主面10a上にドレイン電極90が形成される。保護膜形成工程S11では、保護膜80の構成材料をパッシベーション膜70上に塗布するとともに保護膜80の構成材料を硬化させることにより、保護膜80が形成される。個片化工程S12では、ダイシングラインに沿って炭化珪素基板10及び絶縁膜50が切断されることにより、保護膜形成工程S11までの工程を経たウェハが複数の半導体装置100に個片化される。以上により、
図1から
図3に示されている構造の半導体装置100が得られる。
【0036】
(半導体装置100の効果)
以下に、半導体装置100の効果を、比較例に係る半導体装置と対比して説明する。比較例に係る半導体装置を、半導体装置100Aとする。
【0037】
図14は、半導体装置100Aの断面図である。なお、
図14には、
図1中のII-IIに対応する位置における断面が示されている。
図14に示されているように、半導体装置100Aでは、絶縁膜50の外周縁が、平面視において主面10bの外周縁から離れている。すなわち、半導体装置100Aでは、主面10bの外周縁部が、絶縁膜50から露出している。半導体装置100Aでは、配線層60が、平面視において終端構造(複数のガードリング18)よりも外側に位置している部分を有している。より具体的には、半導体装置100Aでは、配線層60が額縁配線64をさらに有している。額縁配線64は、絶縁膜50から露出している主面10bの外周縁部上と絶縁膜50の外周縁部上に跨がって形成されている。
【0038】
半導体装置100Aでは、額縁配線64が水分と反応して腐食されやすい。特に、半導体装置100Aでは炭化珪素基板10が用いられているため、半導体装置100Aの外周縁部に電界が加わりやすく、当該電界により額縁配線64の腐食が進行しやすい。その結果、炭化珪素基板10に含まれている炭化珪素及び配線層60(額縁配線64)に含まれているアルミニウムから炭化珪素生成物が発生してしまうことがあり、当該生成物に起因してTHB耐量が低下してしまうことがある。なお、炭化珪素生成物とは、炭化珪素由来の腐食生成物又は炭化珪素が腐食して生成された珪素酸化物である。
【0039】
他方で、半導体装置100では、配線層60が平面視において終端構造よりも内側に位置しており、額縁配線64を有していない。そのため、半導体装置100の外周縁部に強い電界が加わっても配線層60の腐食の進行や炭化珪素生成物の生成が生じ難く、半導体装置100のTHB耐量が確保される。
【0040】
図15は、THB耐量試験の結果を示す表である。THB耐量試験には、サンプル1及びサンプル2が準備された。サンプル1及びサンプル2は、それぞれ半導体装置100及び半導体装置100Aに対応している。すなわち、サンプル2は額縁配線64を有している一方で、サンプル1は額縁配線64を有していない。なお、サンプル1及びサンプル2は、ともにパッシベーション膜70を有している。
図15に示されているように、サンプル2では10個中6個に絶縁破壊が生じていた一方で、サンプル1では10個中2個のみに絶縁破壊が生じていた。このことから、配線層60が平面視において終端構造(複数のガードリング18)よりも外側に配置されている部分を有していない(額縁配線64を有していない)ことによりTHB耐量が改善されることが分かった。
【0041】
半導体装置100では、絶縁膜50が主面10bの外周縁に達するように形成されている。そのため、半導体装置100がモールド樹脂により封止される際、モールド樹脂が炭化珪素基板10ではなく絶縁膜50と接触する。そのため、半導体装置100によると、モールド樹脂と半導体装置100との間の密着性を高めることができる。
【0042】
ホウ素やリンを含む材料は、吸湿性が高い。しかしながら、半導体装置100では、第2層52(絶縁膜50が有する複数の層のうちの最上層)がホウ素及びリンを含まない材料で形成されている。そのため、半導体装置100によると、絶縁膜50が水分を吸収しにくくなり、耐湿性、防水性能及びモールド樹脂との密着性が向上するとともに、炭化珪素基板10の腐食を抑制できる。
【0043】
(変形例1)
図16は、変形例1に係る半導体装置100の断面図である。なお、
図16には、
図1中のII-IIに対応する位置における断面が示されている。平面視における炭化珪素基板10の外周縁部は、ダイシングライン(個片化工程S12参照)の一部をなす。絶縁膜50は、ダイシングラインに位置する主面10bを覆っていなくてもよい。このことを別の観点から言えば、絶縁膜50の外周縁は、主面10bの外周縁よりも内側に位置していてもよい。ダイシングラインに位置する主面10b上にも絶縁膜50が形成されている場合、ダイシングの際に絶縁膜50に亀裂が進展することがある。そのため、ダイシングラインに位置する主面10bを絶縁膜50で覆わないことにより、上記のような絶縁膜50への亀裂の進展を抑制することができ、ひいては絶縁膜50の防水性能を維持することができる。
【0044】
(変形例2及び変形例3)
図17Aは、変形例2に係る半導体装置100の断面図である。なお、
図17Aには、
図1中のII-IIに対応する位置における断面が示されている。
図17Aに示されているように、保護膜80の外周縁は、平面視において、パッシベーション膜70の外周縁よりも外側にあってもよい。この場合、保護膜80の外周縁を絶縁膜50の段差と重ならないようにすることにより、保護膜80と絶縁膜50との間の密着性が改善される。
【0045】
図17Bは、変形例3に係る半導体装置100の断面図である。なお、
図17Bには、
図1中のII-IIに対応する位置における断面が示されている。
図17Bに示されているように絶縁膜50は1つの層で構成されており、当該1つの層はホウ素及びリンを含まない材料(シリコン酸化物)で形成されていてもよい。
【0046】
(変形例4)
図18は、変形例4に係る半導体装置100の断面図である。なお、
図18には、
図1中のII-IIに対応する位置における断面が示されている。
図18に示されているように、フィールド酸化膜20は、平面視において、フィールド酸化膜20の外周縁が主面10bの外周縁に達するように延びていてもよい。フィールド酸化膜20は、絶縁膜50が有する複数の層のいずれよりも厚くてもよい。この場合、最も厚いフィールド酸化膜20が主面10bの外周縁に達しているため、半導体装置100の動作時に強い電界が加わる位置において水分が炭化珪素基板10に接触し難くなる。また、この場合、腐食が発生したとしても最も厚いフィールド酸化膜20の先端において腐食が停滞するため、アクティブセルへの腐食の進行を抑制できる。
【0047】
また、フィールド酸化膜20が主面10bの外周縁に達するように延びている結果、外周領域10bb上において、絶縁膜50及びパッシベーション膜70が段差なく平坦に形成されることになる。そのため、この場合には、保護膜80の密着性やモールド樹脂の密着性を高めることができる。
【0048】
(変形例5)
図19は、変形例5に係る半導体装置100の断面図である。なお、
図19には、
図1中のII-IIに対応する位置における断面が示されている。
図19に示されているように、チャネルストッパ19は、平面視において主面10bの外周縁に達するように形成されていなくてもよい。すなわち、チャネルストッパ19は、フィールド酸化膜20により覆われていてもよい。この場合、モールド樹脂とチャネルストッパ19との界面が存在しない。その結果、モールド樹脂とチャネルストッパ19との間の界面において電子の授受が発生せず、当該界面における化学反応に起因したモールド樹脂の剥離を抑制できる。
【0049】
(変形例6及び変形例7)
図20は、変形例6に係る半導体装置100の拡大平面図である。なお、
図20には、
図1中のXX-XXに対応する位置における拡大平面図が示されている。
図20に示されているように、平面視において、保護膜80の外周縁の角部は、複数の面を有していてもよい。保護膜80の外周縁の角部をなす複数の面のうちの隣り合う2つは、90°よりも大きい角度をなしている。
図20に示されている例では、保護膜80の外周縁の角部は、面80aと、面80bと、面80cとを有している。面80cは、一方端において面80aに連なっており、他方端において面80bに連なっている。面80aと面80cとがなす角度及び面80bと面80cとがなす角度は、90°よりも大きい。
【0050】
図21は、変形例7に係る半導体装置100の拡大平面図である。なお、
図21には、
図1中のXに対応する位置における拡大平面図が示されている。
図21に示されているように、平面視において、保護膜80の外周縁の角部は、円弧状であってもよい。保護膜80の外周縁の角部には、モールド樹脂からの熱応力に起因してクラックが発生することがある。これらの場合、保護膜80の角部に面取りを行う又は保護膜80の角部を円弧状にすることにより保護膜80の角部への応力集中が緩和され、上記のクラックの発生、ひいては耐水性が向上する。
【0051】
(変形例8)
上記においては半導体装置100に半導体素子として縦型MOSFETが形成されている場合を例として説明したが、半導体装置100には、縦型MOSFET以外のパワー半導体素子、例えばショットキーバリアダイオード、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等が形成されていてもよい。
【0052】
実施の形態2.
本実施の形態は、上述した実施の形態1に係る半導体装置を電力変換装置に適用したものである。本開示は特定の電力変換装置に限定されるものではないが、以下、実施の形態2として、三相のインバータに本開示を適用した場合について説明する。
【0053】
図22は、実施の形態2に係る電力変換装置を適用した電力変換システムの構成を示すブロック図である。
【0054】
図22に示されている電力変換システムは、電力変換装置200、電源300及び負荷310から構成されている。電源300は、電力変換装置200に直流電力を供給する直流電源である。電源300は種々のもので構成することが可能であり、例えば直流系統、太陽電池、蓄電池で構成することができるし、交流系統に接続された整流回路やAC/DCコンバータで構成することとしてもよい。また、電源300を、直流系統から出力される直流電力を所定の電力に変換するDC/DCコンバータによって構成することとしてもよい。
【0055】
電力変換装置200は、電源300と負荷310の間に接続された三相のインバータであり、電源300から供給された直流電力を交流電力に変換し、負荷310に交流電力を供給する。電力変換装置200は、
図22に示されているように、直流電力を交流電力に変換して出力する主変換回路201と、主変換回路201を制御する制御信号を主変換回路201に出力する制御回路203とを備えている。
【0056】
負荷310は、電力変換装置200から供給された交流電力によって駆動される三相の電動機である。なお、負荷310は特定の用途に限られるものではなく、各種電気機器に搭載された電動機であり、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車、鉄道車両、エレベーター又は空調機器向けの電動機として用いられる。
【0057】
以下、電力変換装置200の詳細を説明する。主変換回路201は、スイッチング素子と還流ダイオードを備えており(図示せず)、スイッチング素子がスイッチングすることによって、電源300から供給される直流電力を交流電力に変換し、負荷310に供給する。主変換回路201の具体的な回路構成は種々のものがあるが、実施の形態1に係る主変換回路201は2レベルの三相フルブリッジ回路であり、6つのスイッチング素子とそれぞれのスイッチング素子に逆並列された6つの還流ダイオードから構成することができる。主変換回路201の各スイッチング素子および各還流ダイオードの少なくともいずれかは、上述した実施の形態1のいずれかの半導体装置に相当する半導体装置202が有するスイッチング素子又は還流ダイオードである。6つのスイッチング素子は2つのスイッチング素子ごとに直列接続され上下アームを構成し、各上下アームはフルブリッジ回路の各相(U相、V相、W相)を構成する。そして、各上下アームの出力端子、すなわち主変換回路201の3つの出力端子は、負荷310に接続される。
【0058】
また、主変換回路201は、各スイッチング素子を駆動する駆動回路(図示なし)を備えているが、駆動回路は半導体装置202に内蔵されていてもよいし、半導体装置202とは別に駆動回路を備える構成であってもよい。駆動回路は、主変換回路201のスイッチング素子を駆動する駆動信号を生成し、主変換回路201のスイッチング素子の制御電極に供給する。具体的には、後述する制御回路203からの制御信号に従い、スイッチング素子をオン状態にする駆動信号とスイッチング素子をオフ状態にする駆動信号とを各スイッチング素子の制御電極に出力する。スイッチング素子をオン状態に維持する場合、駆動信号はスイッチング素子の閾値電圧以上の電圧信号(オン信号)であり、スイッチング素子をオフ状態に維持する場合、駆動信号はスイッチング素子の閾値電圧以下の電圧信号(オフ信号)となる。
【0059】
制御回路203は、負荷310に所望の電力が供給されるよう主変換回路201のスイッチング素子を制御する。具体的には、負荷310に供給すべき電力に基づいて主変換回路201の各スイッチング素子がオン状態となるべき時間(オン時間)を算出する。例えば、出力すべき電圧に応じてスイッチング素子のオン時間を変調するPWM制御によって主変換回路201を制御することができる。そして、各時点においてオン状態となるべきスイッチング素子にはオン信号が出力され、オフ状態となるべきスイッチング素子にはオフ信号が出力されるよう、主変換回路201が備える駆動回路に制御指令(制御信号)を出力する。駆動回路は、この制御信号に従い、各スイッチング素子の制御電極にオン信号又はオフ信号を駆動信号として出力する。
【0060】
実施の形態2に係る電力変換装置では、主変換回路201を構成する半導体装置202として実施の形態1に係る半導体装置(半導体装置100)を適用するため、半導体装置202のHBT耐量を確保することができる。
【0061】
実施の形態1では、2レベルの三相インバータに本開示を適用する例を説明したが、本開示は、これに限られるものではなく、種々の電力変換装置に適用することができる。実施の形態1では、2レベルの電力変換装置としたが3レベルやマルチレベルの電力変換装置であっても構わないし、単相負荷に電力を供給する場合には単相のインバータに本開示を適用しても構わない。また、直流負荷等に電力を供給する場合にはDC/DCコンバータやAC/DCコンバータに本開示を適用することも可能である。
【0062】
また、本開示を適用した電力変換装置は、上述した負荷が電動機の場合に限定されるものではなく、例えば、放電加工機やレーザー加工機、又は誘導加熱調理器や非接触給電システムの電源装置として用いることもでき、さらには太陽光発電システムや蓄電システム等のパワーコンディショナーとして用いることも可能である。
【0063】
[付記]
本開示の諸態様を、付記としてまとめて記載する。
【0064】
<付記1>
炭化珪素基板と、
フィールド酸化膜と、
絶縁膜と、
配線層とを備え、
前記炭化珪素基板は、第1主面と、前記第1主面の反対面である第2主面とを有し、
前記第2主面は、平面視において、セル領域と、前記セル領域と前記第2主面の外周縁との間に位置している外周領域とを有し、
前記炭化珪素基板は、前記炭化珪素基板内において、前記外周領域に位置している前記第2主面に形成されている終端構造及びチャネルストッパを有し、
前記チャネルストッパは、平面視において前記終端構造よりも外側に位置しており、
前記炭化珪素基板の導電型及び前記チャネルストッパの導電型は、第1導電型であり、
前記終端構造は、前記第1導電型とは反対の第2導電型を有し、
前記フィールド酸化膜は、平面視において前記終端構造に重なり、かつ平面視において少なくとも部分的に前記チャネルストッパに重なるように前記外周領域に位置している前記第2主面上に形成されており、
前記絶縁膜は、前記フィールド酸化膜を覆うように前記第2主面上に形成されており、
前記配線層は、平面視において前記終端構造よりも内側に位置するように前記絶縁膜上に形成されている、半導体装置。
【0065】
<付記2>
前記絶縁膜の外周縁は、平面視において、前記第2主面の外周縁よりも内側に位置している、付記1に記載の半導体装置。
【0066】
<付記3>
前記絶縁膜は、ホウ素及びリンを含まない材料で形成されている、付記1又は付記2に記載の半導体装置。
【0067】
<付記4>
前記絶縁膜は、積層されている複数の層を有し、
前記絶縁膜は、平面視において前記第2主面の外周縁に達するように延びており、
前記複数の層のうちの最上層は、ホウ素及びリンを含まない材料で形成されている、付記1又は付記2に記載の半導体装置。
【0068】
<付記5>
保護膜をさらに備え、
前記保護膜は、平面視において前記保護膜の外周縁が前記絶縁膜の段差と重ならないように前記絶縁膜上に形成されている、付記1から付記4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【0069】
<付記6>
前記絶縁膜は、積層されている複数の層を有し、
前記フィールド酸化膜は、前記複数の層のいずれよりも厚く、
前記フィールド酸化膜は、平面視において前記第2主面の外周縁に達するように延びている、付記1に記載の半導体装置。
【0070】
<付記7>
前記フィールド酸化膜は、前記チャネルストッパを覆うように前記第2主面上に形成されている、付記1に記載の半導体装置。
【0071】
<付記8>
保護膜をさらに備え、
前記保護膜は、前記絶縁膜上に形成されており、
平面視において、前記保護膜の外周縁の角部は、複数の面を有し、
前記複数の面のうちの互いに隣り合う2つの間の角度は、90°よりも大きい、付記1から付記7のいずれか1項に記載の半導体装置。
【0072】
<付記9>
保護膜をさらに備え、
前記保護膜は、前記絶縁膜上に形成されており、
平面視において、前記保護膜の外周縁の角部は、円弧状である、付記1から付記7のいずれか1項に記載の半導体装置。
【0073】
<付記10>
付記1から付記9のいずれか1項に記載の前記半導体装置を有し、かつ入力される電力を変換して出力する主変換回路と、
前記半導体装置を駆動する駆動信号を前記半導体装置に出力する駆動回路と、
前記駆動回路を制御する制御信号を前記駆動回路に出力する制御回路とを備える、電力変換装置。
【0074】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この出願の範囲は上記の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0075】
10 炭化珪素基板、10a,10b 主面、10ba セル領域、10bb 外周領域、11 下地層、12 エピタキシャル層、13 バッファ層、14 ドレイン領域、15 ソース領域、16 ボディ領域、17 バックゲート領域、18 ガードリング、19 チャネルストッパ、20 フィールド酸化膜、20a 開口部、30 ゲート絶縁膜、40 ゲート電極、50 絶縁膜、50a,50b,50c コンタクトホール、51 第1層、52 第2層、60 配線層、61 ゲート配線、62 ソース電極、63 ゲートパッド、64 額縁配線、70 パッシベーション膜、80 保護膜、80a,80b,80c 面、90 ドレイン電極、100,100A,202 半導体装置、200 電力変換装置、201 主変換回路、203 制御回路、300 電源、310 負荷、S1 準備工程、S2 不純物拡散領域形成工程、S3 フィールド酸化膜形成工程、S4 ゲート絶縁膜形成工程、S5 ゲート電極形成工程、S6 絶縁膜形成工程、S7 配線層形成工程、S8 パッシベーション膜形成工程、S9 不純物拡散領域形成工程、S10 ドレイン電極形成工程、S11 保護膜形成工程、S12 個片化工程。