(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2026095846
(43)【公開日】2026-06-12
(54)【発明の名称】デッドマン装置
(51)【国際特許分類】
B60T 7/14 20060101AFI20260605BHJP
B60L 3/02 20060101ALI20260605BHJP
【FI】
B60T7/14
B60L3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024209338
(22)【出願日】2024-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(74)【代理人】
【識別番号】100184022
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 美保
(72)【発明者】
【氏名】高木 雅通
(72)【発明者】
【氏名】小久江 利光
(72)【発明者】
【氏名】上田 宙史
【テーマコード(参考)】
3D246
5H125
【Fターム(参考)】
3D246AA17
3D246GA01
3D246GC16
3D246HA51A
3D246HA52A
3D246HA86A
3D246HA91A
3D246JB12
3D246MA22
5H125AA05
5H125CA11
5H125CD04
5H125DD01
5H125EE41
5H125EE52
5H125FF28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】故障などによりデッドマン装置のスイッチが押し続けられた場合、列車の走行を不可にすることで、デッドマンスイッチの機能が失われた状態における列車の走行継続を防止することができるデッドマン装置を提供する。
【解決手段】デッドマンスイッチのスイッチオン状態またはスイッチオフ状態のいずれかの状態を保持するデッドマンスイッチ状態保持部と、列車の停車を検知した場合、デッドマンスイッチ状態保持部が保持するスイッチ状態をスイッチオフ状態にする停車検知部と、デッドマンスイッチ状態保持部がスイッチオン状態の場合、列車を走行可能にさせ、デッドマンスイッチ状態保持部がスイッチオフ状態の場合、列車を走行不可にさせる接点部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デッドマンスイッチのスイッチオン状態またはスイッチオフ状態のいずれかの状態を保持するデッドマンスイッチ状態保持部と、
列車の停車を検知した場合、前記デッドマンスイッチ状態保持部が保持するスイッチ状態をスイッチオフ状態にする停車検知部と、
前記デッドマンスイッチ状態保持部がスイッチオン状態の場合、列車を走行可能にさせ、前記デッドマンスイッチ状態保持部がスイッチオフ状態の場合、列車を走行不可にさせる接点部と、
を備えるデッドマン装置。
【請求項2】
前記接点部が、主幹制御器と駆動装置を接続する力行指令線に備えられた、
請求項1に記載のデッドマン装置。
【請求項3】
前記接点部が、主幹制御器と駆動装置を接続するブレーキ指令線に備えられた、
請求項1に記載のデッドマン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、デッドマン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デッドマン装置は、列車の運行中に、運転士が急病などで失神状態になったとき、ベルなどで警告を与え、一定時間以上これが確認されないときは非常ブレーキがかかる装置である。
一般的に、デッドマン装置には、主幹制御器(マスターコントローラ、マスコン)に設けられたスイッチやノブを押し続けるものや、足踏みスイッチやペダルを踏み続けるものがある。デッドマン装置は、列車の運転中、運転士がデッドマン装置のスイッチ、ノブまたはペダルを押し続け、または踏み続け、運転士が運転中にスイッチ、ノブまたはペダルを離すと非常ブレーキを出力する、という機能を有する。
【0003】
従来のデッドマン装置として、運転士の最小限の負担増加により車両の走行の安全性の向上を図る適応型デッドマン装置がある。
例えば、特許文献1の適応型デッドマン装置では、覚醒度チェックモード報知装置などを備え、運転士のデッドマンスイッチに対する処置行動に応じて、通常の間欠的チェック時間からその後の間欠的チェック時間をフレキシブルに変化させ、覚醒レベルの低下が疑われる場合(警戒モード)では、より短い間欠的チェック時間でのチェックを行うようにする。
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、故障などによりデッドマン装置のスイッチが押し続けられた場合、非常ブレーキを出力できず、デッドマンスイッチの機能が失われた状態で列車の走行継続が可能になるという課題があった。
【0006】
本開示は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、故障などによりデッドマン装置のスイッチが押し続けられた場合、列車の走行を不可にすることで、デッドマンスイッチの機能が失われた状態における列車の走行継続を防止するデッドマン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るデッドマン装置は、デッドマンスイッチのスイッチオン状態またはスイッチオフ状態のいずれかの状態を保持するデッドマンスイッチ状態保持部と、列車の停車を検知した場合、デッドマンスイッチ状態保持部が保持するスイッチ状態をスイッチオフ状態にする停車検知部と、デッドマンスイッチ状態保持部がスイッチオン状態の場合、列車を走行可能にさせ、デッドマンスイッチ状態保持部がスイッチオフ状態の場合、列車を走行不可にさせる接点部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係るデッドマン装置によれば、故障などによりデッドマン装置のスイッチが押し続けられた場合、列車の走行を不可にすることで、デッドマンスイッチの機能が失われた状態における列車の走行継続を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施の形態1に係るデッドマン装置の構成を示す図である。
【
図2】本開示の実施の形態1に係るデッドマン装置の動作(列車走行時)を示す図である。
【
図3】本開示の実施の形態1に係るデッドマン装置の動作(列車停車時)を示す図である。
【
図4】本開示の実施の形態1に係るデッドマン装置の動作(列車停車後デッドマンスイッチオン操作時)を示す図である。
【
図5】本開示の実施の形態2に係るデッドマン装置の構成を示す図である。
【
図6】本開示の実施の形態2に係るデッドマン装置の動作(列車走行時)を示す図である。
【
図7】本開示の実施の形態2に係るデッドマン装置の動作(列車停車時)を示す図である。
【
図8】本開示の実施の形態2に係るデッドマン装置の動作(列車停車後デッドマンスイッチオン操作時)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を実施するための形態について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本開示の実施の形態1に係るデッドマン装置を示す図である。
【0012】
図1に示すように、列車1は、ブレーキ装置2、駆動装置3およびデッドマン装置4を備える。
【0013】
ブレーキ装置2は、列車1内に配線されたブレーキ指令線を経由して主幹制御器(図示せず)により入力されるブレーキ指令によって、列車1の減速、停車および停車維持を行う。
【0014】
駆動装置3は、列車1内に配線された力行指令線を経由して主幹制御器により入力される力行指令(ノッチ)によって、列車1の加速などを行う。
【0015】
デッドマン装置4は、デッドマンスイッチ5、デッドマンスイッチ状態保持部6、速度検出部7、停車検知部8、デッドマンスイッチ接点部9、接点部10を備える。
【0016】
デッドマンスイッチ5は、列車の運転台に設けられた主幹制御器に設けられたスイッチやノブである。デッドマンスイッチ5は、スイッチやノブを押し続けることでスイッチオン、それ以外の操作でスイッチオフ、のいずれかとなる。運転手は、デッドマンスイッチ5を押し続け、スイッチオンにしながら主幹制御器を操作することで列車を運転する。
デッドマンスイッチ5は、スイッチオン状態またはスイッチオフ状態を、デッドマンスイッチ状態保持部6に出力する。
なお、デッドマンスイッチ5は運転台の足元に設けられた足踏みスイッチやペダルでもよい。
【0017】
デッドマンスイッチ状態保持部6は、デッドマンスイッチ5のスイッチオン状態またはスイッチオフ状態が入力され、スイッチ状態を保持する。
さらに、デッドマンスイッチ状態保持部6は、停車検知部8の停車検知がオンになった場合、保持しているスイッチ状態をリセット、すなわちスイッチオフ状態にする。デッドマンスイッチ状態保持部6は、停車検知部8の停車検知がオフになった場合、保持しているスイッチ状態を、そのまま保持する。
デッドマンスイッチ状態保持部6は、スイッチ状態保持およびスイッチ状態のリセットを行うため、プログラミング言語により記述されたプログラムにより生成されたソフトウェアで構成される。
なお、デッドマンスイッチ状態保持部6は、ラッチリレー回路や、プログラムを搭載したPLC(プログラマブルロジックコントローラ)などのハードウェアで構成されてもよい。
【0018】
速度検出部7は、速度発電機、速度センサ、GPS(Global Positioning System)などにより、列車の速度を検出して、列車速度を停車検知部8に出力する。
【0019】
停車検知部8は、速度検出部7から入力された列車速度が0km/hの場合、列車の停車を検知し、停車検知がオンとなる。停車検知部8は、速度検出部7から入力された列車速度が0km/h以外の場合、停車検知がオフとなる。
なお、列車速度が0km/hに近い値、例えば1km/hや2km/hの場合、列車速度を0km/hと見做してもよい。
さらに、列車の停車を検知方法は、列車の停車を検知できれば任意の手段で良い。例えば、列車が駅に停車して、かつ列車のドアが開いたことで、列車の停車を検知してもよい。
【0020】
デッドマンスイッチ接点部9は、主幹制御器とブレーキ装置2を接続するブレーキ指令線に設けられた接点である。
デッドマンスイッチ5がスイッチオン状態の場合、デッドマンスイッチ接点部9が無加圧となり、主幹制御器とブレーキ装置2を接続するブレーキ指令線が断線する。ブレーキ指令線が断線すると、ブレーキ装置2が非常ブレーキをかける。
デッドマンスイッチ5がスイッチオフ状態の場合、デッドマンスイッチ接点部9が加圧され、主幹制御器とブレーキ装置2が接続する。
【0021】
接点部10は、主幹制御器と駆動装置3を接続する力行指令線に設けられた接点である。
デッドマンスイッチ状態保持部6がスイッチオン状態の場合、接点部10が加圧となり、主幹制御器と駆動装置3が接続する。デッドマンスイッチ状態保持部6がスイッチオフ状態の場合、接点部10が無加圧となり、主幹制御器と駆動装置3を接続する力行指令線が断線する。力行指令線が断線すると、列車1が起動不可となり、走行不可となる。
【0022】
図2、
図3および
図4は、本開示の実施の形態1に係るデッドマン装置の動作を示す図である。
【0023】
図2は、本開示の実施の形態1に係るデッドマン装置の動作(列車走行時)である。
【0024】
図2に示すように、列車1が走行中の場合、デッドマン装置4において運転手は、デッドマンスイッチ5のスイッチやノブを押し続けることで、スイッチオン状態とする。デッドマンスイッチ接点部9は加圧され、主幹制御器とブレーキ装置2はブレーキ指令線により接続される。
【0025】
デッドマンスイッチ状態保持部6は、デッドマンスイッチ5のスイッチオン状態が入力され、スイッチオン状態をスイッチ状態として保持する。その後、例えば運転手がデッドマンスイッチ5のスイッチやノブから手を離すことで、デッドマンスイッチ5がスイッチオフ状態となり、デッドマンスイッチ状態保持部6にデッドマンスイッチ5のスイッチオフ状態が入力されても、デッドマンスイッチ状態保持部6は、スイッチオン状態をスイッチ状態として保持する。
【0026】
列車1が走行中のため、速度検出部7は速度が0km/h以外であることを検出する。停車検知部8は、速度検出部7から入力された列車速度が0km/h以外のため、停車検知がオフとなる。
【0027】
デッドマンスイッチ状態保持部6は、停車検知部8の停車検知がオフになった場合、保持しているスイッチオン状態をスイッチ状態として、そのまま保持する。
デッドマンスイッチ状態保持部6はスイッチオン状態のため、接点部10が加圧となり、主幹制御器と駆動装置3は力行指令線により接続される。
【0028】
図3は、本開示の実施の形態1に係るデッドマン装置の動作(列車停車時)である。
【0029】
図3に示すように、列車1が停車する場合、運転手はデッドマンスイッチ5のスイッチやノブを押し続けながら、主幹制御器をブレーキ位置にするなどの操作を行う。そのため、デッドマンスイッチ5はスイッチオン状態を継続する。デッドマンスイッチ接点部9は加圧され続け、主幹制御器とブレーキ装置2はブレーキ指令線により接続され続ける。
【0030】
列車1が停車するため、速度検出部7は速度0km/hを検出する。停車検知部8は、速度検出部7から入力された列車速度が0km/hのため、停車検知がオンとなる。
【0031】
デッドマンスイッチ状態保持部6は、停車検知部8の停車検知がオンになった場合、スイッチオン状態をリセット(オフに)して、スイッチオフ状態として保持する。
デッドマンスイッチ状態保持部6はスイッチオフ状態のため、接点部10が無加圧となり、主幹制御器と駆動装置3を接続していた力行指令線が断線する。
【0032】
このように、デッドマンスイッチ5はスイッチオン状態が継続しながら、停車検知部8のリセットによりデッドマンスイッチ状態保持部6がスイッチオフ状態となり、力行指令線が断線する。そのため、デッドマンスイッチ5はスイッチオン状態が継続する場合、列車1が起動不可となり、列車1が走行不可となる。
【0033】
図4は、本開示の実施の形態1に係るデッドマン装置の動作(列車停車後デッドマンスイッチオン操作時)である。
【0034】
列車1が停車後、運転手は、デッドマンスイッチ5のスイッチやノブの押下を一旦止め、再び押し続ける。この時、
図4のように、デッドマンスイッチ5は、スイッチオン状態、スイッチオフ状態、スイッチオン状態の順にスイッチ状態が遷移する。
【0035】
列車1が停車時スイッチオフ状態となったデッドマンスイッチ状態保持部6は、デッドマンスイッチ5がスイッチオフ状態からスイッチオン状態に遷移する時、スイッチオフ状態からスイッチオン状態になる。
デッドマンスイッチ状態保持部6はスイッチオン状態のため、接点部10が加圧となり、力行指令線により主幹制御器と駆動装置3が接続する。
【0036】
このように、デッドマンスイッチ5のスイッチやノブが運転手により再び押し続けられることにより、デッドマンスイッチ状態保持部6がスイッチオフ状態からスイッチオン状態となり、力行指令線により主幹制御器と駆動装置3が接続する。そのため、列車1の起動が可能となり、列車1が走行可能となる。
【0037】
上述したとおり、本開示に係るデッドマン装置4は、デッドマンスイッチ5のスイッチオン状態またはスイッチオフ状態のいずれかの状態を保持するデッドマンスイッチ状態保持部6と、列車1の停車を検知した場合、デッドマンスイッチ状態保持部6が保持するスイッチ状態をスイッチオフ状態にする停車検知部8と、デッドマンスイッチ状態保持部6がスイッチオン状態の場合、列車1を走行可能にさせ、デッドマンスイッチ状態保持部6がスイッチオフ状態の場合、列車を走行不可にさせる接点部10と、を備える。
【0038】
このように、本実施の形態に係るデッドマン装置4は、故障などによりデッドマン装置4のスイッチが押し続けられた場合、列車1の走行を不可にすることで、デッドマンスイッチ5の機能が失われた状態における列車1の走行継続を防止することができる。
【0039】
実施の形態2.
実施の形態2のデッドマン装置について
図5、
図6、
図7および
図8を用いて説明する。なお、実施の形態2の説明において実施の形態1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0040】
図5は、本開示の実施の形態2に係るデッドマン装置を示す図である。
【0041】
図5に示すように、実施の形態2では、実施の形態1における、主幹制御器と駆動装置3を接続する力行指令線に設けられた接点部10の代わりに、主幹制御器とブレーキ装置2を接続するブレーキ指令線に設けられたブレーキ指令線接点部11を備える。
【0042】
デッドマンスイッチ状態保持部6がスイッチオン状態の場合、ブレーキ指令線接点部11が加圧となり、主幹制御器とブレーキ装置2が接続する。デッドマンスイッチ状態保持部6がスイッチオフ状態の場合、ブレーキ指令線接点部11が無加圧となり、主幹制御器とブレーキ装置2を接続するブレーキ指令線が断線する。ブレーキ指令線が断線すると、ブレーキ装置2が非常ブレーキをかけ、列車1は走行不可となる。
【0043】
図6、
図7および
図8は、本開示の実施の形態2に係るデッドマン装置の動作を示す図である。
【0044】
図6は、本開示の実施の形態2に係るデッドマン装置の動作(列車走行時)である。
【0045】
図6に示すように、列車1が走行中の場合、デッドマン装置4において運転手は、デッドマンスイッチ5のスイッチやノブを押し続けることで、スイッチオン状態とする。デッドマンスイッチ接点部9は加圧され、主幹制御器とブレーキ装置2はブレーキ指令線により接続される。
【0046】
デッドマンスイッチ状態保持部6は、デッドマンスイッチ5のスイッチオン状態が入力され、スイッチオン状態をスイッチ状態として保持する。
【0047】
列車1が走行中のため、速度検出部7は速度が0km/h以外であることを検出する。停車検知部8は、速度検出部7から入力された列車速度が0km/h以外のため、停車検知がオフとなる。
【0048】
デッドマンスイッチ状態保持部6は、停車検知部8の停車検知がオフになった場合、保持しているスイッチオン状態をスイッチ状態として、そのまま保持する。
デッドマンスイッチ状態保持部6はスイッチオン状態のため、ブレーキ指令線接点部11が加圧となり、主幹制御器とブレーキ装置2はブレーキ指令線により接続される。
【0049】
図7は、本開示の実施の形態2に係るデッドマン装置の動作(列車停車時)である。
【0050】
図7に示すように、列車1が停車する場合、運転手はデッドマンスイッチ5のスイッチやノブを押し続けながら、主幹制御器をブレーキ位置にするなどの操作を行う。そのため、デッドマンスイッチ5はスイッチオン状態を継続する。デッドマンスイッチ接点部9は加圧され続け、主幹制御器とブレーキ装置2はブレーキ指令線により接続され続ける。
【0051】
列車1が停車するため、速度検出部7は速度0km/hを検出する。停車検知部8は、速度検出部7から入力された列車速度が0km/hのため、停車検知がオンとなる。
【0052】
デッドマンスイッチ状態保持部6は、停車検知部8の停車検知がオンになった場合、スイッチオン状態をリセット(オフに)して、スイッチオフ状態として保持する。
デッドマンスイッチ状態保持部6はスイッチオフ状態のため、ブレーキ指令線接点部11が無加圧となり、主幹制御器とブレーキ装置2を接続していたブレーキ指令線が断線する。
【0053】
このように、デッドマンスイッチ5はスイッチオン状態が継続しながら、停車検知部8のリセットによりデッドマンスイッチ状態保持部6がスイッチオフ状態となり、ブレーキ指令線が断線する。そのため、デッドマンスイッチ5はスイッチオン状態が継続する場合、ブレーキ指令線の断線により非常ブレーキがかかり、列車1が走行不可となる。
【0054】
図8は、本開示の実施の形態2に係るデッドマン装置の動作(列車停車後デッドマンスイッチオン操作時)である。
【0055】
列車1が停車後、運転手は、デッドマンスイッチ5のスイッチやノブの押下を一旦止め、再び押し続ける。この時、
図8のように、デッドマンスイッチ5は、スイッチオン状態、スイッチオフ状態、スイッチオン状態の順にスイッチ状態が遷移する。
【0056】
列車1が停車時スイッチオフ状態となったデッドマンスイッチ状態保持部6は、デッドマンスイッチ5がスイッチオフ状態からスイッチオン状態に遷移する時、スイッチオフ状態からスイッチオン状態になる。
デッドマンスイッチ状態保持部6はスイッチオン状態のため、ブレーキ指令線接点部11が加圧となり、ブレーキ指令線により主幹制御器とブレーキ装置2が接続する。
【0057】
このように、デッドマンスイッチ5のスイッチやノブが運転手により再び押し続けられることにより、デッドマンスイッチ状態保持部6がスイッチオフ状態からスイッチオン状態となり、ブレーキ指令線により主幹制御器とブレーキ装置2が接続する。そのため、列車1の非常ブレーキが解除され、列車1が走行可能となる。
【0058】
上述したとおり、本開示に係るデッドマン装置4は、デッドマンスイッチ5のスイッチオン状態またはスイッチオフ状態のいずれかの状態を保持するデッドマンスイッチ状態保持部6と、列車1の停車を検知した場合、デッドマンスイッチ状態保持部6が保持するスイッチ状態をスイッチオフ状態にする停車検知部8と、デッドマンスイッチ状態保持部6がスイッチオン状態の場合、列車1を走行可能にさせ、デッドマンスイッチ状態保持部6がスイッチオフ状態の場合、列車を走行不可にさせるブレーキ指令線接点部11と、を備える。
【0059】
このように、本実施の形態に係るデッドマン装置4は、故障などによりデッドマン装置4のスイッチが押し続けられた場合、列車1の走行を不可にすることで、デッドマンスイッチ5の機能が失われた状態における列車1の走行継続を防止することができる。
【0060】
さらに、各実施の形態を、適宜、組み合わせたり、変形や省略したりすることも、実施の形態で示された技術的思想の範囲に含まれる。
【0061】
例えば、実施の形態1および実施の形態2において、デッドマン装置4は、主幹制御器とは別体であるが、主幹制御器がデッドマン装置4を備えてもよい。また、列車の保安装置がデッドマン装置4を備えてもよい。あるいは、デッドマンスイッチ5を主幹制御器、デッドマンスイッチ状態保持部6を列車保安装置に備えるなど、複数の装置でデッドマン装置を構成してもよい。
【0062】
さらに、列車統合管理装置(TCMS)や自動列車運転装置(ATO)がデッドマン装置4を備えてよい。列車統合管理装置(TCMS)や自動列車運転装置(ATO)がデッドマン装置4を備える場合、デッドマン装置4は非常ブレーキでなく、常用ブレーキで列車1のブレーキをかけてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 列車、2 ブレーキ装置、3 駆動装置、4 デッドマン装置、5 デッドマンスイッチ、6 デッドマンスイッチ状態保持部、7 速度検出部、8 停車検知部、9 デッドマンスイッチ接点部、10 接点部、11 ブレーキ指令線接点部