(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】電動工具
(51)【国際特許分類】
B25D 17/18 20060101AFI20220105BHJP
B25F 5/00 20060101ALI20220105BHJP
B25D 16/00 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
B25D17/18
B25F5/00 H
B25D16/00
B25F5/00 C
(21)【出願番号】P 2017106528
(22)【出願日】2017-05-30
【審査請求日】2020-02-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野田 真司
(72)【発明者】
【氏名】飯田 斉
(72)【発明者】
【氏名】辻 英暉
(72)【発明者】
【氏名】古澤 正規
【審査官】小川 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-029962(JP,A)
【文献】特開平07-235784(JP,A)
【文献】特開平08-070256(JP,A)
【文献】特開2015-150663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25D 17/18
B25F 5/00
B25D 16/00
B24B 55/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータにより打撃動作および/または回転動作するように駆動される先端工具と、
前記モータの駆動に外部機器を連動運転させるための通信アダプタと、を備え、
前記モータは、側面視において、その駆動軸の軸心が前記先端工具の軸心に対して交差するように配置されており、
前記通信アダプタは、前記モータの下方位置に配置されており、
前記通信アダプタは、前記モータの駆動および/または前記打撃動作による振動から防 振される側に配置されて
おり、
前記防振は、前記モータを有する本体ハウジングと、前記通信アダプタを有するバッテリ装着部の間に介装された弾性を有する吸収部材によって行われており、
前記吸収部材は、前記モータの軸線の少なくとも上下の位置に配置されている電動工具。
【請求項2】
請求項1に記載の電動工具であって、
前記上下の位置における下側の前記吸収部材と、前記通信アダプタは、前後方向において隣り合うように配置されている電動工具。
【請求項3】
請求項1~2のいずれかに記載の電動工具であって、
前記バッテリ装着部にコントローラを備え、
前記コントローラと、前記通信アダプタは、前後方向において隣り合うように配置されている電動工具。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の電動工具であって、
電源としてのバッテリパックを備え、
前記通信アダプタは、前記バッテリパックの上方位置に配置されている電動工具。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の電動工具であって、
前記外部機器の停止は、前記モータの停止より所定の時間後に行われる電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電動工具に関し、詳しくは、モータにより回転動作および/または打撃動作するように駆動される先端工具と、モータの駆動に外部機器を連動運転させるための通信アダプタとを備えた電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリートやレンガ等の石こう材の穴開け作業やハツリ作業等を行う場合、例えば、ハンマーやハンマードリル等の電動工具が使用されている。このような電動工具を使用すると粉塵や切削屑が発生するため、予め、この電動工具のビット近傍(例えば、ハンマービットやドリルビットを覆う集塵カップ)と集塵機等の外部機器とをホースで接続しておき、この外部機器を作動させながらこれら穴開け作業やハツリ作業等を行っている(特許文献1参照)。このようにホースで接続しておくと、発生した粉塵や切削屑等を電動工具のビット近傍から直に吸引できるため、この発生した粉塵や切削屑等が作業場に飛び散ることを抑制できる。そのため、作業場の作業環境が悪化することを防止できる。すなわち、作業場の環境改善を図ることができる。ここで、下記特許文献1には、電動工具の運転・停止に連動させて集塵機を運転・停止させる技術が開示されている。この技術によれば、作業者が電動工具の運転・停止と集塵機の運転・停止とを個別にスイッチ操作する必要がない。したがって、このスイッチ操作に伴う作業性の低下を招くことなく作業場の環境改善を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、電動工具と集塵機とをケーブルを介して電気的に接続させておく必要がある。そのため、穴開け作業やハツリ作業等を行うとき(電動工具を使用するとき)、このケーブルが邪魔になって煩わしいという問題が発生していた。この問題を解決するために、電動工具と集塵機とを無線通信を介して電気的に接続させることが考えられた。しかしながら、この考えでは、電動工具と外部機器とにそれぞれ通信アダプタ(例えば、通信機器)を配置する必要があった。そのため、電動工具が、ハンマーやハンマードリル等、小さいものである場合、通信アダプタを配置する位置が限られてしまうことがあった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、電動工具が小さいものであっても、最適な位置に通信アダプタを配置できることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題は、以下の各発明により解決される。第1の発明は、モータと、モータにより打撃動作および/または回転動作するように駆動される先端工具と、モータの駆動に外部機器を連動運転させるための通信アダプタとを備えた電動工具である。モータは、電動工具の側面視において、その駆動軸の軸心が前記先端工具の軸心に対して交差するように配置されている。通信アダプタは、モータの下方位置に配置されている。
【0007】
第1の発明によれば、電動工具が小さいものであっても、最適な位置に通信アダプタを配置できる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明に記載の電動工具であって、電源としてのバッテリパックを備えている。通信アダプタは、バッテリパックの上方位置に配置されている。
【0009】
第2の発明によれば、通信アダプタとバッテリパックとを電気的に接続するケーブルを短くできる。
【0010】
第3の発明は、モータと、モータにより打撃動作および/または回転動作するように駆動される先端工具と、先端工具に対して平行に配置された中間軸上に設けられた運動変換機構と、モータの駆動に外部機器を連動運転させるための通信アダプタとを備えた電動工具である。通信アダプタは、運動変換機構によって変換されたモータの駆動力によって先端工具を打撃する打撃機構の後方位置に配置されている。
【0011】
第3の発明によれば、電動工具が小さいものであっても、最適な位置に通信アダプタを配置できる。
【0012】
第4の発明は、第3の発明に記載の電動工具であって、先端工具を駆動させるモータを備えている。通信アダプタは、モータの上方位置に配置されている。
【0013】
第4の発明によれば、電動工具が小さいものであっても、より最適な位置に通信アダプタを配置できる。
【0014】
第5の発明は、モータと、モータにより打撃動作および/または回転動作するように駆動される先端工具と、モータの駆動に外部機器を連動運転させるための通信アダプタと、を備えた電動工具である。モータは、電動工具の側面視において、その駆動軸の軸心が前記先端工具の軸心に対して平行に配置されている。通信アダプタは、モータの後方位置に配置されている。
【0015】
第5の発明によれば、電動工具が小さいものであっても、最適な位置に通信アダプタを配置できる。
【0016】
第6の発明は、第5の発明に記載の電動工具であって、モータを駆動させるトリガを有するハンドグリップを備えている。通信アダプタは、ハンドグリップの上方位置に配置されている。
【0017】
第6の発明によれば、電動工具が小さいものであっても、より最適な位置に通信アダプタを配置できる。
【0018】
第7の発明は、モータと、モータにより打撃動作および/または回転動作するように駆動される先端工具と、モータの駆動に外部機器を連動運転させるための通信アダプタとを備えた電動工具である。通信アダプタは、モータの駆動および/または打撃動作による振動から防振される側に配置されている電動工具。
【0019】
第7の発明によれば、モータの駆動によって生じる振動に伴う悪影響を防止できる。
【0020】
第8の発明は、モータと、モータにより打撃動作および/または回転動作するように駆動される先端工具と、モータの駆動に外部機器を連動運転させるための通信アダプタとを備えた電動工具である。外部機器は、粉塵や切削屑を吸引可能な駆動源を有する集塵アタッチメントである。この集塵アタッチメントは、電動工具自身に対して着脱可能となっている。
【0021】
第8の発明によれば、別途に集塵機を設けることなく、着脱可能な集塵アタッチメントを装着することで粉塵や切削屑を吸引できる。
【0022】
第9の発明は、第1の発明~第8の発明のいずれかに記載の電動工具であって、外部機器の停止は、モータの停止より所定の時間後に行われる。
【0023】
第9の発明によれば、例えば、集塵カップと集塵機とを接続しているホース内に集塵した粉塵や切削屑が残ることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】実施例1に係るハンマードリルの側面図である。
【
図2】
図1において、振動を吸収した状態を示す図である。
【
図3】
図1において、集塵カップを装着した状態の縦断面図である。
【
図4】実施例2に係るハンマードリルの縦断面図である。
【
図5】
図4のハンマードリルに装着可能な集塵アタッチメントの縦断面図である。
【
図6】
図4のハンマードリルに集塵アタッチメントを装着した状態の縦断面図である。
【
図7】実施例3に係るハンマードリルの縦断面図であり、集塵アタッチメントを装着した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。
(実施例1)
まず、本発明の実施例1を、
図1~3を用いて説明する。なお、以下の説明にあたって、『電動工具』、『先端工具』の例として、『ハンマードリル1』、『ドリルビット80』を説明することとする。また、以下の説明にあたって、上、下、前、後、左、右とは、上述した図に記載した、上、下、前、後、左、右の方向、すなわち、ハンマードリル1を基準にしたときの上、下、前、後、左、右の方向を示している。これらのことは、後述する実施例2~3においても同様である。
【0026】
このハンマードリル1は、
図1に示されるように、主として、その外郭を成している本体ハウジング10と、その下方でモータ(ブラシレスモータ)32を内部に組み付けたモータハウジング30と、握り部42を有するように本体ハウジング10の後方に組み付けられたハンドグリップ40と、2個のバッテリパック70を装着可能にモータハウジング30とハンドグリップ40とを跨ぐように組み付けられたバッテリ装着部50とから構成されている。このモータ32は、後述するコントローラ60と電気的に接続されている。
【0027】
この本体ハウジング10の内部には、モータ32の回転力を直線力に変換する運動変換機構12と、後述するドリルビット80を打撃する打撃機構14と、後述するドリルビット80を回転させる動力伝達機構16とが組み付けられている(
図3参照)。このモータハウジング30の内部には、モータ32が組み付けられている。このモータ32は、ハンマードリル1の側面視において、その駆動軸(出力軸)34の軸心が後述するドリルビット80の軸心に対して交差するようにモータハウジング30の内部に組み付けられている。
【0028】
なお、これら運動変換機構12、打撃機構14、動力伝達機構16およびモータハウジング30(モータ32)は、本体ハウジング10とバッテリ装着部50とを跨ぐように3本の圧縮ばね18(上側に2本、下側に1本の計3本の圧縮ばね18)を介した弾性的な組み付けとなっている。
図1は、ハンマードリル1が動作する前の初期状態である。この初期状態において、この3本の圧縮ばね18は僅かに圧縮された状態で組み付けられている。一方、
図2は、ハンマードリル1が動作した後の動作状態である。この動作状態において、この3本の圧縮ばね18は大きく圧縮された状態となり、振動を吸収した状態となっている。このハンドグリップ40には、作業者が引き操作をすると、内部のスイッチ46がONするトリガ44が組み付けられている。
【0029】
このバッテリ装着部50の前後には、下方に向かって張り出した張出部52、54が形成されている。また、このバッテリ装着部50の下面50cには、前後の張出部52、54に挟まれるように電源となる2個のバッテリパック70が前後に並ぶように装着可能となっている。なお、このバッテリ装着部50に2個のバッテリパック70を装着すると、後述するコントローラ60と2個のバッテリパック70とが電気的に接続されることとなる。したがって、ハンマードリル1に電源が供給されることとなる。
【0030】
また、この装着した2個のバッテリパック70のうち、前側のバッテリパック70は、モータ32の直下に位置するようにバッテリ装着部50に装着されている。また、この装着した2個のバッテリパック70のうち、前側のバッテリパック70は、その前側が前側の張出部52によって覆われた格好となっている。これとは逆に、装着した2個のバッテリパック70のうち、後側のバッテリパック70は、その後側が後側の張出部54によって覆われた格好となっている。なお、これら張出部52、54の各下面52a、54aは、2個のバッテリパック70の各下面70aより僅かに下方に位置するように設定されている。そのため、ハンマードリル1を落としてしまっても、これら張出部52、54が2個のバッテリパック70を保護することとなる。したがって、この2個のバッテリパック70の損傷を抑制できる。
【0031】
また、ここで言うバッテリパック70の装着とは、バッテリ装着部50に対してバッテリパック70を取り付けたり、取り外したりできる組み付けのことである。この取り付けは、バッテリ装着部50の下面50cの左側から右側に向けてのバッテリパック70のスライドと、このスライドさせたバッテリパック70に対するロック機構(図示しない)によるロックとによって行われている。
【0032】
また、この取り外しは、ロック機構によってロックさせたバッテリパック70に対するアンロック(ロックの解除)と、このアンロックさせたバッテリパック70の右側から左側に向けてのスライドとによって行われている。なお、このバッテリパック70は、出力電圧がDC18Vのリチウムイオンから成る充電可能なバッテリ(図示しない)を内部に備えたものとなっている。そして、これら2個のバッテリパック70は、電気的に直列に接続された状態となっている。そのため、ハンマードリル1の電源の電圧を2倍(例えば、DC18V×2=DC36V)にできる。したがって、電源の電圧が高いハンマードリル1に対応できる。もちろん、電源の電圧が低いハンマードリル1のときには、これら2個のバッテリパック70を電気的に並列に接続し、ハンマードリル1の電源の容量を2倍にすることで、長時間の作業に対応できるようししても良い。
【0033】
また、このバッテリ装着部50の内部には、コントローラ60が組み付けられている。このコントローラ60は、モータ32の各コイルに対応するFETや、コンデンサ、マイコン、LED等を搭載した回路基板(いずれも図示しない)を収容したアルミ製のケースから構成されている。また、このコントローラ60は、CPU、メモリを含むマイクロコンピュータ(いずれも図示しない)を備えている。このメモリには、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリが含まれている。
【0034】
また、このメモリには、ハンマードリル1の各種機能を実現するための各種プログラムやデータが記憶されている。このハンマードリル1が有する各種機能は、CPUがメモリに記憶されている各種プログラムを実行することにより実現される。なお、このコントローラ60により実現される各種機能は、ソフトウェア処理に限るものでなく、その一部または全部の機能を、論理回路やアナログ回路等を組み合わせてハードウェアを用いて実現してもよい。
【0035】
また、バッテリ装着部50には、コントローラ60に対して電気的に接続されたコネクタ62が設けられている。詳しくは、
図3から明らかなように、このコネクタ62は、モータ32の下方位置に、且つ、前側のバッテリパック70の上方位置に、且つ、コントローラ60の前方位置に配置されている。このコネクタ62には、バッテリ装着部50の右側面に形成されているアダプタ挿込口50aを介して通信アダプタ64が装着可能(抜き差し可能)となっている。
【0036】
このようにコネクタ62に通信アダプタ64を装着できるため、この通信アダプタ64は、モータ32の下方位置に、且つ、前側のバッテリパック70の上方位置に、且つ、コントローラ60の前方位置に配置されていることとなる。このように配置されていると、通信アダプタ64は、モータ32に対して2本の圧縮ばね18を介した配置となっている。すなわち、通信アダプタ64は、モータ32の駆動から防振される側に配置されることとなる。
【0037】
なお、このコネクタ62に通信アダプタ64を装着すると、コントローラ60と通信アダプタ64とが電気的に接続されることとなる。また、このバッテリ装着部50には、アダプタ挿込口50aを覆うキャップ50bが備えられている。そのため、このコネクタ62に装着した通信アダプタ64を粉塵や水滴から保護できる。ハンマードリル1は、このように構成されている。
【0038】
次に、上述したハンマードリル1の動作を説明する。まず、作業者(図示しない)は、ハンドグリップ40の握り部42を握った状態でトリガ44を引く操作を行う。すると、このトリガ44を引く操作がスイッチ46を介して電気的な信号(トリガ44のON信号)に変換されてコントローラ60に出力される。そして、このコントローラ60に入力されたトリガ44のON信号によってモータ32の駆動軸34が回転する。これにより、このモータ32の駆動軸34の回転力が運動変換機構12を介してシリンダ20内をピストン20bが前後に往復運動する直線力に変換されることとなる。
【0039】
そして、この変換された直線力が、打撃機構14を介してドリルビット80に伝達されることとなる。すなわち、シリンダ20内の空気室20aの圧力変動(空気ばねの作用)を介してシリンダ20内をストライカ22も前後に往復運動するため、この往復運動したストライカ22がインパクトボルト24への衝突(打撃)を繰り返すこととなる。そのため、この繰り返しの衝突がインパクトボルト24を介して打撃力としてドリルビット80に伝達されることとなる。この記載が、特許請求の範囲に記載の「打撃動作」に相当する。
【0040】
これと同時に、このモータ32の駆動軸34の回転力が動力伝達機構16を介してツールホルダ26を回転させる回転力に変換されることとなる。そのため、この回転力がそのままドリルビット80に伝達されることとなる。この記載が、特許請求の範囲に記載の「回転動作」に相当する。したがって、ドリルビット80が打撃に加えて回転もすることとなるため、石こう材の穴開け作業の効率を高めることができる。
【0041】
このように動作するハンマードリル1には、集塵カップ90が装着可能となっている(
図3参照)。この集塵カップ90は、主として、本体ハウジング10の前端に組み付けられた操作スリーブ82に挿し込まれる第1の筒部92と、この第1の筒部92の前端(先端)に連通しておりドリルビット80の周囲を覆う第2の筒部94とから構成されている。
【0042】
この第2の筒部94は、伸縮自在な蛇腹状の樹脂部材から構成されている。そのため、ドリルビット80における材(図示しない)の穴開け深さの進行にともない第2の筒部94の長さを短くできる。したがって、ハンマードリル1の作業中において、常に、第2の筒部94によってドリルビット80の周囲を覆うことができる。また、この第1の筒部92の前端側には、後側に向けて下り傾斜する第3の筒部96が形成されている。集塵カップ90は、このように構成されている。
【0043】
なお、この第3の筒部96の開口96aには、据え置き型の集塵機(図示しない)のホース98が挿し込み可能となっている。そのため、この開口96aに集塵機のホース98を挿し込んで集塵機を運転すると、ハンマードリル1による作業によって排出された粉塵や切削屑をホース98を介して吸引できる。この集塵機が、特許請求の範囲に記載の「外部機器」に相当する。また、この集塵機の内部には、ハンマードリル1と同様に、コントローラに対して電気的に接続されたコネクタが設けられている。
【0044】
このコネクタには、集塵機の側面に形成されているアダプタ挿込口を介して通信アダプタ(いずれも図示しない)が装着可能(抜き差し可能)となっている。そのため、このコネクタに通信アダプタを装着すると、ハンマードリル1と同様に、コントローラと通信アダプタとが電気的に接続されることとなる。なお、ハンマードリル1の通信アダプタ64と集塵機の通信アダプタとは、無線通信を介して電気的に接続可能となっている。そのため、ハンマードリル1のコントローラ60と集塵機のコントローラとの間で各種の信号(例えば、モータ32の駆動に基づいた連動運転指令、モータ32の停止に基づいた連動停止指令)を送受信可能となっている。
【0045】
なお、集塵機の通信アダプタは、ハンマードリル1の通信アダプタ64から連動運転指令を受信すると、この受信した連動運転指令を集塵機のコントローラへ出力する。これにより、集塵機のコントローラはモータを駆動させることとなる。一方、集塵機の通信アダプタは、ハンマードリル1の通信アダプタ64から連動停止指令を受信すると、この受信した連動停止指令を集塵機のコントローラへ出力する。これにより、集塵機のコントローラはモータを停止させることとなる。このようにして、ハンマードリル1と集塵機との連動運転が実現される。
【0046】
なお、集塵機のコントローラは、通信アダプタから連動停止指令が入力されると、どのタイミングでモータを停止させるかについては適宜決めてもよい。例えば、連動停止指令が入力されたら直ぐに停止させてもよい。また、例えば、連動停止指令が入力された後、所定の時間後に停止させてもよい。つまり、ハンマードリル1のモータ32が停止した後も集塵機のモータは所定の時間は継続して駆動させるようにしてもよい。
【0047】
また、上述したようにハンマードリル1と集塵機とを連動させるためには、予め、ハンマードリル1の通信アダプタ64と集塵機の通信アダプタとが互いに一対一で無線通信可能な状態にしておくこと、すなわち、両通信アダプタ64をペアリングさせることが必要である。このペアリングを行うために、ハンマードリル1の通信アダプタ64にはアダプタスイッチ(図示しない)が設けられ、集塵機の通信アダプタにもアダプタスイッチが設けられている。
【0048】
ペアリングは、具体的には、次のように行う。まず、集塵機の通信アダプタのアダプタスイッチを作業者がONすることにより、この通信アダプタをペアリングスタンバイ状態にする。その後、ハンマードリル1の通信アダプタ64のアダプタスイッチを作業者がONすることで、両通信アダプタ64間でペアリングのための所定のデータ通信が行われ、その結果、両通信アダプタ64のペアリングが完了する。
【0049】
このペアリングが完了すると、以降、両通信アダプタ64間で一対一のデータ通信が可能となり、上述したようにハンマードリル1の通信アダプタ64から連動指令(連動運転指令や連動停止指令)が無線送信されてそれが集塵機の通信アダプタで受信されると、その連動指令に基づいて集塵機が連動運転や連動停止されるようになる。なお、各通信アダプタ64の機能は、ペアリング及び連動指令の送受信に限定されるものでなく、他の各種情報の送受信も可能である。
【0050】
本発明の実施例1に係るハンマードリル1は、上述したように構成されている。この構成によれば、モータ32は、ハンマードリル1の側面視において、その駆動軸(出力軸)34の軸心が後述するドリルビット80の軸心に対して交差するようにモータハウジング30の内部に組み付けられている。また、通信アダプタ64は、モータ32の下方位置に配置されている。そのため、電動工具が、ハンマードリル1等、小さいものであっても、最適な位置に通信アダプタ64を配置できる。
【0051】
また、この構成によれば、ハンマードリル1は、電源としてのバッテリパック70を備えている。そして、通信アダプタ64は、バッテリパック70の上方位置に配置されている。そのため、通信アダプタ64とバッテリパック70とを電気的に接続するケーブルを短くできる。
【0052】
また、この構成によれば、通信アダプタ64は、モータ32の駆動から防振される側に配置されている。そのため、モータ32の駆動によって生じる振動に伴う悪影響を防止できる。
【0053】
また、この構成によれば、集塵機は、連動停止指令が入力された後、所定の時間後に停止させている。そのため、集塵カップ90と集塵機とを接続しているホース98内に集塵した粉塵や切削屑が残ることを防止できる。
【0054】
(実施例2)
次に、本発明の実施例2を、
図4~6を用いて説明する。この実施例2のハンマードリル101は、既に説明した実施例1のハンマードリル1と比較すると、運動変換機構112がスワッシュ式のもので実施した形態である。なお、以下の説明にあたって、実施例1で説明した部材と同一な構成の部材には、図面において同一符号を付すことで、重複する説明は省略することとする。このことは、後述する実施例3においても同様である。
【0055】
このハンマードリル101も、
図4に示されるように、主として、その外郭を成している本体ハウジング110と、その下方でモータ(ブラシレスモータ)132を内部に組み付けたモータハウジング130と、握り部142を有するように本体ハウジング110の後方に組み付けられたハンドグリップ140と、2個のバッテリパック70を装着可能にモータハウジング130とハンドグリップ140とを跨ぐように組み付けられたバッテリ装着部150とから構成されている。
【0056】
この本体ハウジング110の内部には、後述するドリルビット180に対して平行に配置されモータ132の回転力によって回転する中間軸136上に設けられた運動変換機構112と、後述するドリルビット180を打撃する打撃機構114と、後述するドリルビット180を回転させる動力伝達機構116とが組み付けられている(
図4参照)。また、このモータハウジング130の内部には、モータ132が組み付けられている。このモータ132は、ハンマードリル101の側面視において、その駆動軸(出力軸)134の軸心が後述するドリルビット180の軸心に対して交差するようにモータハウジング130の内部に組み付けられている。
【0057】
ここで言う、交差とは、両軸が平行ではないことであり、実施例2においては、この
図4からも明らかなように、モータ132の下方がモータ132の上方より前方位置となるようにモータ132が傾斜した状態である。これにより、モータ132をハンマードリル101の前寄りに配置できるため、コントローラ60および2個のバッテリパック70もハンマードリル101の前寄りに配置できる。そのため、ハンマードリル101の重心が後寄りになることを防止できる。したがって、ハンマードリル101の操作性を良好にできる。もちろん、モータ132の組み付けが上述した傾斜に限定されることなく、モータ132の駆動軸134の軸心がドリルビット180の軸心に対して直交するようにモータ132が組み付けられていても構わない。
【0058】
なお、これら運動変換機構112、打撃機構114、動力伝達機構116およびモータハウジング130(モータ132)は、本体ハウジング110とバッテリ装着部150とを跨ぐように圧縮ばね118を介した弾性的な組み付けとなっている。また、この本体ハウジング110には、コントローラ60に対して電気的に接続されたコネクタ62が設けられている。詳しくは、
図4から明らかなように、このコネクタ62は、運動変換機構112によって変換されたモータ132の駆動力によってドリルビット180を打撃する打撃機構114の後方位置に、且つ、モータ132の上方位置に配置されている。このコネクタ62には、本体ハウジング110の右側面に形成されているアダプタ挿込口110aを介して通信アダプタ64が装着可能(抜き差し可能)となっている。
【0059】
このようにコネクタ62に通信アダプタ64を装着できるため、この通信アダプタ64は、打撃機構114の後方位置に、且つ、モータ32の上方位置に配置されていることとなる。
【0060】
なお、このコネクタ62に通信アダプタ64を装着すると、コントローラ60と通信アダプタ64とが電気的に接続されることとなる。また、この本体ハウジング110には、アダプタ挿込口110aを覆うキャップ(図示しない)が備えられている。そのため、このコネクタ62に装着した通信アダプタ64を粉塵や水滴から保護できる。また、このハンドグリップ140には、作業者が引き操作をすると、内部のスイッチ146がONするトリガ144が組み付けられている。
【0061】
また、このバッテリ装着部150の下面150cには、電源となる2個のバッテリパック70が前後に並ぶように装着可能となっている。なお、このバッテリ装着部150に2個のバッテリパック70を装着すると、コントローラ60と2個のバッテリパック70とが電気的に接続されることとなる。したがって、ハンマードリル101に電源が供給されることとなる。
【0062】
また、この装着した2個のバッテリパック70のうち、前側のバッテリパック70は、モータ132より後方に位置するようにバッテリ装着部150に装着されている。また、この装着した2個のバッテリパック70のうち、前側のバッテリパック70は、その前側がモータハウジング130によって覆われた格好となっている。そのため、ハンマードリル101を落としてしまっても、このモータハウジング130が前側のバッテリパック70を保護することとなる。したがって、この前側のバッテリパック70の損傷を抑制できる。また、このバッテリ装着部150の内部には、コントローラ60が組み付けられている。ハンマードリル101は、このように構成されている。
【0063】
次に、上述したハンマードリル101の動作を説明する。まず、作業者(図示しない)は、ハンドグリップ140の握り部142を握った状態でトリガ144を引く操作を行う。すると、このトリガ144を引く操作がスイッチ146を介して電気的な信号(トリガ144のON信号)に変換されてコントローラ60に出力される。そして、このコントローラ60に入力されたトリガ144のON信号によってモータ132の駆動軸134が回転する。
【0064】
これにより、このモータ132の駆動軸134の回転力がギヤ134aを介して中間軸136の回転力として伝達されることとなる。そのため、ボススリーブ136aを介してスワッシュベアリング138が揺動するため、連結アーム138aに枢着されているピストンシリンダ138bを前後に往復運動させることとなる。すなわち、このモータ132の駆動軸134の回転力が運動変換機構112を介して連結アーム138aの先端が前後に往復運動する直線力に変換されることとなる。
【0065】
そして、この変換された直線力が、打撃機構114を介してドリルビット180に伝達されることとなる。すなわち、ピストンシリンダ138b内の空気室120aの圧力変動(空気ばねの作用)を介してピストンシリンダ138b内をストライカ122も前後に往復運動するため、この往復運動したストライカ122がインパクトボルト124への衝突(打撃)を繰り返すこととなる。そのため、この繰り返しの衝突がインパクトボルト124を介して打撃力としてドリルビット180に伝達されることとなる。この記載が、特許請求の範囲に記載の「打撃動作」に相当する。
【0066】
これと同時に、このモータ132の駆動軸134の回転力が動力伝達機構116を介してツールホルダ126を回転させる回転力に変換されることとなる。そのため、この回転力がそのままドリルビット180に伝達されることとなる。この記載が、特許請求の範囲に記載の「回転動作」に相当する。したがって、ドリルビット180が打撃に加えて回転もすることとなるため、上述した石こう材の穴開け作業の効率を高めることができる。
【0067】
このように動作するハンマードリル101には、集塵アタッチメント190が装着可能となっている(
図4~6参照)。この集塵アタッチメント190は、ハンマードリル101に対して取り付けたり取り外したりできる公知のものであり、集塵ファン192aを有するモータ192bが内部に組み付けられた本体ハウジング192と、本体ハウジング192に連結されドリルビット180の先端が挿し込まれる開口194cを有する略L字状の筒部194とから構成されている。この集塵アタッチメント190のモータ192bを駆動させると、ハンマードリル101による作業によって排出された粉塵や切削屑を筒部194を介して吸引できる。
【0068】
そして、吸引された粉塵や切削屑は、本体ハウジング192の集塵ボックス192cに回収されることとなる。この集塵アタッチメント190が、特許請求の範囲に記載の「外部機器」に相当する。なお、この筒部194は、伸縮自在な蛇腹状の樹脂部材を備えたものとなっている。また、この筒部194の外側には、2個の筒体194a、194bが設けられており、一方側の筒体194aが他方側の筒体194bに挿し込まれた状態となっている。そのため、ドリルビット180における材(図示しない)の穴開け深さの進行にともない集塵アタッチメント190の長さを短くできる。したがって、ハンマードリル101の作業中において、常に、集塵アタッチメント190(筒部194a)によってドリルビット180の周囲を覆うことができる。
【0069】
また、この本体ハウジング192の内部には、実施例1で説明した集塵機と同様に、コントローラ(図示しない)に対して電気的に接続されたコネクタ192dが設けられている。このコネクタ192dには、本体ハウジング192の側面に形成されているアダプタ挿込口192eを介して通信アダプタ192fが装着可能(抜き差し可能)となっている。この通信アダプタ192fは、実施例1で説明した集塵機の通信アダプタと同じものである。
【0070】
そのため、この実施例2においても実施例1と同様に、ハンマードリル101と集塵アタッチメント190との連動運転を実現できる。なお、この集塵アタッチメント190をハンマードリル101に装着すると、この集塵アタッチメント190の電源入力端子192gがバッテリパック70と電気的に接続されたハンマードリル101の電源出力端子130aに接続することとなる。そのため、この集塵アタッチメント190のコントローラやモータ192bや通信アダプタ192fに電源を供給できる。集塵アタッチメント190は、このように構成されている。
【0071】
本発明の実施例2に係るハンマードリル101は、上述したように構成されている。この構成によれば、通信アダプタ64は、打撃機構114の後方位置に配置されている。そのため、電動工具が、ハンマードリル101等、小さいものであっても、最適な位置に通信アダプタ64を配置できる。
【0072】
また、この構成によれば、ハンマードリル101には、ドリルビット180を駆動させるモータ132を備えている。そして、通信アダプタ64は、モータ132の上方位置に配置されている。そのため、電動工具が、ハンマードリル101等、小さいものであっても、より最適な位置に通信アダプタ64を配置できる。
【0073】
また、この構成によれば、ハンマードリル101には、粉塵や切削屑を吸引可能な集塵アタッチメント190が装着されている。そのため、実施例1で説明したように、別途に集塵機を設けることなく、粉塵や切削屑を吸引できる。
【0074】
(実施例3)
次に、本発明の実施例3を、
図7を用いて説明する。この実施例3のハンマードリル201は、既に説明した実施例2のハンマードリル101と比較すると、モータ232の軸方向を横向きに配置した形態である。
【0075】
このハンマードリル201も、
図7に示されるように、主として、その外郭を成している本体ハウジング210と、握り部242を有するように本体ハウジング210の後方に組み付けられたハンドグリップ240とから構成されている。
【0076】
この本体ハウジング210の内部には、後述するドリルビット280に対して平行に配置されモータ232の回転力によって回転する中間軸236上に設けられた運動変換機構212と、後述するドリルビット280を打撃する打撃機構214と、後述するドリルビット280を回転させる動力伝達機構216とが組み付けられている(
図7参照)。また、この本体ハウジング210内部には、モータ(ブラシレスモータ)232が組み付けられている。このモータ232は、ハンマードリル201の側面視において、その駆動軸(出力軸)234の軸心が後述するドリルビット280の軸心に対して平行となるように本体ハウジング210の内部の後方に組み付けられている。
【0077】
また、この本体ハウジング210には、コントローラ(図示しない)に対して電気的に接続されたコネクタ62が設けられている。詳しくは、
図7から明らかなように、このコネクタ62は、モータ232の後方位置に、且つ、ハンドグリップ240の上方位置に配置されている。このコネクタ62には、本体ハウジング210の右側面に形成されているアダプタ挿込口210aを介して通信アダプタ64が装着可能(抜き差し可能)となっている。このようにコネクタ62に通信アダプタ64を装着できるため、この通信アダプタ64は、モータ232の後方位置に、且つ、ハンドグリップ240の上方位置に配置されていることとなる。
【0078】
なお、このコネクタ62に通信アダプタ64を装着すると、コントローラ(図示しない)と通信アダプタ64とが電気的に接続されることとなる。また、この本体ハウジング210には、アダプタ挿込口210aを覆うキャップ(図示しない)が備えられている。そのため、このコネクタ62に装着した通信アダプタ64を粉塵や水滴から保護できる。また、この本体ハウジング210の内部には、コントローラ(図示しない)が組み付けられている。また、このハンドグリップ240には、作業者が引き操作をすると、内部のスイッチ(図示しない)がONするトリガ244が組み付けられている。なお、このハンマードリル201には、コンセント等(図示しない)の商用電源(AC100V)から電源が供給されることとなっている。ハンマードリル201は、このように構成されている。
【0079】
次に、上述したハンマードリル201の動作を説明する。まず、作業者(図示しない)は、ハンドグリップ240の握り部242を握った状態でトリガ244を引く操作を行う。すると、このトリガ244を引く操作がスイッチを介して電気的な信号(トリガ244のON信号)に変換されてコントローラ(図示しない)に出力される。そして、このコントローラ(図示しない)に入力されたトリガ244のON信号によってモータ232の駆動軸234が回転する。
【0080】
これにより、このモータ232の駆動軸234の回転力がギヤ234aを介して中間軸236の回転力として伝達されることとなる。そのため、ボススリーブ236aを介してスワッシュベアリング238が揺動するため、連結アーム238aに枢着されているピストンシリンダ238bを圧縮ばね238cの付勢に抗して前後に往復運動させることとなる。すなわち、このモータ232の駆動軸234の回転力が運動変換機構212を介して連結アーム238aの先端が前後に往復運動する直線力に変換されることとなる。
【0081】
そして、この変換された直線力が、打撃機構214を介してドリルビット280に伝達されることとなる。すなわち、ピストンシリンダ238b内の空気室220aの圧力変動(空気ばねの作用)を介してピストンシリンダ238b内をストライカ222も前後に往復運動するため、この往復運動したストライカ222がインパクトボルト224への衝突(打撃)を繰り返すこととなる。そのため、この繰り返しの衝突がインパクトボルト224を介して打撃力としてドリルビット280に伝達されることとなる。この記載が、特許請求の範囲に記載の「打撃動作」に相当する。したがって、ドリルビット280を介してコンクリートやレンガ等の石こう材の穴開け作業を行うことができる。
【0082】
これと同時に、このモータ232の駆動軸234の回転力が動力伝達機構216を介してツールホルダ226を回転させる回転力に変換されることとなる。そのため、この回転力がそのままドリルビット280に伝達されることとなる。この記載が、特許請求の範囲に記載の「回転動作」に相当する。したがって、ドリルビット280が回転もすることとなるため、上述した石こう材の穴開け作業の効率を高めることができる。
【0083】
このように動作するハンマードリル201には、実施例2のハンマードリル101と同様に、集塵アタッチメント190が装着可能となっている。そのため、この実施例3においても実施例2と同様に、この集塵アタッチメント190のモータ192bを駆動させると、ハンマードリル201による作業によって排出された粉塵や切削屑を筒部194を介して吸引できる。また、この実施例3においても実施例2と同様に、ハンマードリル201と集塵アタッチメント190との連動運転を実現できる。
【0084】
本発明の実施例3に係るハンマードリル201は、上述したように構成されている。この構成によれば、通信アダプタ64は、モータ232の後方位置に配置されている。そのため、電動工具が、ハンマードリル201等、小さいものであっても、最適な位置に通信アダプタ64を配置できる。
【0085】
また、この構成によれば、通信アダプタ64は、ハンドグリップ240の上方位置に配置されている。そのため、電動工具が、ハンマードリル201等、小さいものであっても、より最適な位置に通信アダプタ64を配置できる。
【0086】
上述した内容は、あくまでも本発明の一実施の形態に関するものであって、本発明が上記内容に限定されることを意味するものではない。
【0087】
各実施例では、外部機器が集塵機、集塵アタッチメント190である形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、外部機器が、水を噴射したり、光を発したり、音を発したり可能な各種の機器であっても構わない。その場合、ハンマードリル1、101、201に連動して、外部機器から水が噴射されたり、光が発せられたり、音が発せされることとなる。
【0088】
また、各実施例では、電動工具の例として、ハンマードリル1、101、201を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、電動工具の例として、ハンマーであっても構わない。その場合、先端工具であるドリルビット80、180、280をハンマービッドに取り換え、打撃動作のみ実施することとなる。
【0089】
また、実施例1では、集塵機が1台の形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、集塵機が2台の形態であっても構わない。その場合、例えば、ハンマードリル1による作業によって排出された粉塵や切削屑を受ける集塵BOXを設けておき、この集塵BOXと2台の集塵機とをそれぞれホース98を介して接続する。すると、集塵機が1台の時と同様に、ハンマードリル1の動作に連動して2台の集塵機が動作することとなる。このように2台の集塵機が動作すると、粉塵や切削屑の集塵力を高めることができる。
【符号の説明】
【0090】
1 ハンマードリル(実施例1)
10 本体ハウジング
12 運動変換機構
14 打撃機構
16 動力伝達機構
18 圧縮ばね
20 シリンダ
20a 空気室
20b ピストン
22 ストライカ
24 インパクトボルト
26 ツールホルダ
30 モータハウジング
32 モータ
34 駆動軸
40 ハンドグリップ
42 握り部
44 トリガ
46 スイッチ
50 バッテリ装着部
50a アダプタ挿込口
50b キャップ
50c 下面
52 張出部
52a 下面
54 ガイド
54a 下面
60 コントローラ
62 コネクタ
64 通信アダプタ
70 バッテリパック
70a 下面
80 ドリルビット
82 操作スリーブ
90 集塵カップ
92 第1の筒部
94 第2の筒部
96 第3の筒部
96a 開口
98 ホース
101 ハンマードリル(実施例2)
110 本体ハウジング
110a アダプタ挿込口
112 運動変換機構
114 打撃機構
116 動力伝達機構
118 圧縮ばね
120 シリンダ
120a 空気室
122 ストライカ
124 インパクトボルト
126 ツールホルダ
130 モータハウジング
130a 電源出力端子
132 モータ
134 駆動軸
134a ギヤ
136 中間軸
136a ボススリーブ
138 スワッシュベアリング
138a 連結アーム
138b ピストンシリンダ
140 ハンドグリップ
142 握り部
144 トリガ
146 スイッチ
150 バッテリ装着部
150c 下面
180 ドリルビット
190 集塵アタッチメント
192 本体ハウジング
192a 集塵ファン
192b モータ
192c 集塵ボックス
192d コネクタ
192e アダプタ挿込口
192f 通信アダプタ
192g 電源入力端子
194 筒部
194a 筒体
194b 筒体
194c 開口
201 ハンマードリル(実施例3)
210 本体ハウジング
210a アダプタ挿込口
212 運動変換機構
214 打撃機構
216 動力伝達機構
220a 空気室
222 ストライカ
224 インパクトボルト
226 ツールホルダ
232 モータ
234 駆動軸
234a ギヤ
236 中間軸
236a ボススリーブ
238 スワッシュベアリング
238a 連結アーム
238b ピストンシリンダ
238c 圧縮ばね
240 ハンドグリップ
242 握り部
244 トリガ