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  • 特許-接客システム装置 図1
  • 特許-接客システム装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】接客システム装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220105BHJP
【FI】
G06Q30/02 480
G06Q30/02 470
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021023986
(22)【出願日】2021-02-18
【審査請求日】2021-02-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521072515
【氏名又は名称】森 力
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】森 力
【審査官】石川 正二
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-230236(JP,A)
【文献】特開2007-133461(JP,A)
【文献】特開2019-040242(JP,A)
【文献】特開2006-235685(JP,A)
【文献】特開2014-203251(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0207615(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが実店舗内で商品を購入する際に用いられる接客システム装置であって、
表示部を有する携帯端末と、
前記ユーザが所望の商品に関する入力情報を入力するための入力部と、
前記入力部により入力された前記入力情報に基づいて、前記ユーザが前記実店舗内で前記所望の商品を見つけるための案内を前記表示部に表示させる商品案内部と、
購買データ、商品データ、マーケットデータ、トレンドデータ、天候気温データ及び実店舗を運営する組織が所有する独自データを蓄積しつつ学習を行う学習部と、
を備え
前記商品案内部は、前記所望の商品の素材や原産地を含む情報であり前記実店舗の店員が前記ユーザに伝えるような詳細な商品情報を前記表示部に表示させ、
かつ、
前記購買データ、前記商品データ、前記マーケットデータ、前記トレンドデータ、前記天候気温データ及び前記独自データに基づいて、前記ユーザの前記所望の商品となり得る商品を提案することを特徴とする接客システム装置。
【請求項2】
請求項1に記載の接客システム装置において、
前記商品案内部は、前記実店舗内において前記所望の商品が設けられた場所を前記表示部に表示させることを特徴とする接客システム装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の接客システム装置において、
前記ユーザが前記実店舗内で働く店員を呼び出すための店員呼出部を備えることを特徴とする接客システム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接客システム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、百貨店、ホームセンター、ドラッグストアなどの専門店や、ショッピングモールなどの実店舗で被服などが販売されているが、従業員の接客の悪さや、消費者・顧客(ユーザ)にあった商品が見つからないといった問題に対するクレームが課題となっている。
【0003】
本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、コンピュータネットワークを利用して消費を誘発して販売を促進させる販売促進情報を消費者に提供する販売促進システムであって、消費者の行動に伴う複数の場面毎に対応した形態で前記販売促進情報を当該消費者に提供する複数場面毎情報提供手段と、消費者の行動データに基づいて人工知能が機械学習を行い、その学習結果を前記複数の場面での前記販売促進情報の提供に反映させる機械学習手段と、を備え、前記機械学習手段は、前記複数の場面で前記販売促進情報が提供された後の消費者の行動に基づいて機械学習を行う、販売促進システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-28899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実店舗において、接客の内容の約90%近くが、顧客(ユーザ)がもともと望んでいる商品の案内のみに終わっており、実店舗の従業員からの顧客(ユーザ)に合った商品の提案が無い場合がほとんどであり、顧客満足度を高めることができない。
【0006】
本発明の目的は、顧客満足度を高めることを可能とする接客システム装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る接客システム装置は、ユーザが実店舗内で商品を購入する際に用いられる接客システム装置であって、表示部を有する携帯端末と、前記ユーザが所望の商品に関する入力情報を入力するための入力部と、前記入力部により入力された前記入力情報に基づいて、前記ユーザが前記実店舗内で前記所望の商品を見つけるための案内を前記表示部に表示させる商品案内部と、購買データ、商品データ、マーケットデータ、トレンドデータ、天候気温データ及び実店舗を運営する組織が所有する独自データを蓄積しつつ学習を行う学習部と、を備え、前記商品案内部は、前記所望の商品の素材や原産地を含む情報であり前記実店舗の店員が前記ユーザに伝えるような詳細な商品情報を前記表示部に表示させ、かつ、前記購買データ、前記商品データ、前記マーケットデータ、前記トレンドデータ、前記天候気温データ及び前記独自データに基づいて、前記ユーザの前記所望の商品となり得る商品を提案することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る接客システム装置において、前記商品案内部は、前記実店舗内において前記所望の商品が設けられた場所を前記表示部に表示させることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る接客システム装置において、前記ユーザが前記実店舗内で働く店員を呼び出すための店員呼出部を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、顧客満足度を高めることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る実施形態の接客システム装置を示す図である。
図2】本発明に係る実施形態において、ユーザの属性を処理する流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0016】
図1は、本発明に係る実施形態の接客システム装置10を示す図である。図2は、本発明に係る実施形態において、ユーザの属性を処理する流れを示す図である。
【0017】
接客システム装置10は、ユーザが実店舗内で商品を購入する際に用いられる。接客システム装置10は、入力部12と、商品案内部14と、店員呼出部16と、学習部20と、記憶部22とを備え、これらは、ネットワーク2を介して、ユーザの携帯端末4に接続されている。
【0018】
ネットワーク2は、インターネットなどを含む通信インフラである。ユーザは、実店舗を利用する顧客である。ユーザの携帯端末4は、スマートフォンやタブレット端末など液晶画面などの表示部を有する端末である。
【0019】
入力部12は、ユーザが所望の商品に関する入力情報を入力する機能を有する。ユーザが、もともと望んでいる商品が存在する場合には、商品に関する情報(例えば、ブランド名、商品名、型番など)を入力する。入力手段としては、文字による入力であっても音声による入力であってもよい。
【0020】
また、実店舗において商品が置かれている場所を表示させることを希望することを入力することも出来る。
【0021】
商品案内部14は、入力部12により入力された入力情報に基づいて、ユーザが実店舗内で所望の商品を見つけるための案内を携帯端末4の表示部に表示させる機能を有する。
【0022】
商品案内部14は、実店舗内において所望の商品が設けられた場所を携帯端末4の表示部に表示させる機能を有する。
【0023】
具体的には、入力部12の機能を用いて、ユーザが所望の商品について、商品の位置を知ることを希望した場合には、商品案内部14は、実店舗内における当該所望の商品が置かれた位置を携帯端末4の表示部に表示する。
【0024】
商品案内部14は、所望の商品に関する詳細な商品情報を携帯端末4の表示部に表示させる機能を有する。
【0025】
具体的には、ユーザが実店舗内で発売されている商品の中から気になる商品がある場合に、当該商品を選択することにより、当該商品についての詳細な情報(素材、原産地、価格、売れ行きなど)に関する情報を携帯端末4の表示部に表示する。
【0026】
商品案内部14は、購買データ、商品データ、マーケットデータ、トレンドデータ、天候気温データ及び実店舗を運営する組織が所有する独自データの少なくとも1つのデータに基づいて、ユーザの所望の商品となり得る商品を提案する機能を有する。
【0027】
購買データは、ユーザが購入した商品などを蓄積されることにより形成されるデータであり、分析を行うことで、ユーザの趣向にあった商品を提案することが出来る。
【0028】
商品データは、商品を製造する企業などから提供される商品の機能や特性に関するデータであり、このデータを用いて、どのような層の顧客にヒットするのかなどを分析し、どのような形で提案(時期、提案方法)した方がよいのかといった点について分析し提案することが出来る。
【0029】
マーケットデータ及びトレンドデータは、世の中のトレンドが蓄積されていくことにより形成されるデータであり、分析することで顧客の問題解決につながる商品を提案することが出来る。
【0030】
天候気温データは、天気、気温、湿度などの天候情報が蓄積されることにより形成されるデータであり、分析を行うことで季節に最適な商品を提案することが出来る。
【0031】
独自データは、実店舗を運営する組織が蓄積することにより形成されるデータであり、分析を行うことで、その顧客属性に合った商品を提案することが出来る。
【0032】
購買データ、商品データ、マーケットデータ、トレンドデータ、天候気温データ及び独自データ以外にも、例えば、商品案内部14は、接客データや販促データに基づいて、商品を提案することも出来る。
【0033】
商品案内部14は、例えば、ユーザが商品の購入に至った動機や過程などといった接客データから、その人の属性を分析し、そのユーザの問題解決につながるような提案をする機能を有する。また、商品案内部14は、OSP(アウトストアプロモーション)、ISP(インストアプロモーション)の効果を測定して得られた販促データに基づいて、それぞれの効果のある販促を提案する機能を有する。
【0034】
店員呼出部16は、ユーザが実店舗内で働く店員を呼び出す機能を有する。商品案内部14の機能により、所望の商品の場所や商品の詳細な情報が携帯端末4の表示部に表示されるため、ユーザは、店員がいなくても商品に関する知識を習得し購入することができるが、もっと深い知識やアドバイスを聞きたい場合には、店員呼出部16を操作することで実店舗内にいる店員を呼び出すことが出来る。
【0035】
学習部20は、購買データ、商品データ、マーケットデータ、トレンドデータ、天候気温データ及び独自データを蓄積しつつ学習を行う機能を有する。学習部20は、人工知能(Artificial Intelligence)を用いて実現することが出来る。
【0036】
学習部20が学習するイメージとしては、図2に示す通りである。ここで、なぜ購入に結びついているのか(ヒットする)、なぜそのような説明をもとめたのか(説明をもとめる)、なぜヒットしなかったのか(ヒットしない)、どのような商品、サービスを要求しているのか(代替品要求)などの蓄積を繰り返すことにより、ユーザの特性、思考、趣向を学習する。
【0037】
学習部20は、ユーザ(お客様)の要望、企業提案などの接客言語データに基づいて個人特性や属性を把握し、購買履歴データやその他(マーケット、トレンド、天候データ)に接客言語データを組み合わせてユーザの特性をより正確に把握する。また、全てのユーザのデータから顧客属性セグメントや、その属性からの趣向を分析し、企業の営業、商品、販売促進戦略に連動させることが出来る。
【0038】
記憶部22は、購買データ、商品データ、マーケットデータ、トレンドデータ、天候気温データ及び独自データなどを蓄積する機能を有する。
【0039】
接客システム装置10において、記憶部22以外の各機能は、ハードウェア構成、ソフトウェア構成の何れによっても実現することが可能である。例えば、ソフトウェアによって実現する場合、これらの機能は、実際にはCPUあるいはMPU、RAM、ROMなどを備えて構成されたサーバ装置上において、RAMやROM、ハードディスク等の記録媒体に記憶されたアプリケーションプログラム(接客アプリ)が動作することによって実現することができる。
【0040】
続いて、上記構成の接客システム装置10の作用について説明する。従来、百貨店、ホームセンター、ドラッグストアなどの専門店や、ショッピングモールなどの実店舗において店員による接客が行われている。しかしながら、接客の内容の約90%近くは、ユーザがもともと望んでいる商品の案内などの売場案内のみであり、定員の接客に対するクレームが比較的多いという課題がある。
【0041】
また、実店舗の人材が不足しており、各担当者は自分の担当業務に専念できないという課題もある。このような課題に対し、本発明の実施形態に係る接客システム装置10は顕著な効果を発揮する。
【0042】
ユーザは、百貨店、ホームセンター、ドラッグストアなどの専門店や、ショッピングモールなどの実店舗において、携帯端末4を用いてアプリケーションプログラム(接客アプリ)を実行する。ユーザが入力部12などを用いて入力した情報に基づき、商品案内部14の機能により、ユーザが実店舗内で所望の商品を見つけるための案内が携帯端末4の表示部に表示される。
【0043】
これにより、実店舗において、ユーザは、逐一店員に聞く必要がないため、「余計なものを売りつけられるのでは?」といった心配をすることなく買い物を楽しむことができる。また、商品案内部14による案内だけではどうしても分からない場合だけ店員呼出部16を使って店員を呼ぶことも出来る。
【0044】
また、商品案内部14の機能により、ユーザにとって最適な商品を提案することができるため、ユーザにとって良質なサービスを受けることができ、気持ちよく買い物をすることができるという利点がある。また、商品案内部14の機能により、買い忘れを防止することができるという効果を奏する。
【0045】
実店舗を運営する組織側の利点として、店員の接客サービスのレベルに左右されずに高品質の接客サービスを提供することができる。また、店員による売場案内の工数を削減することができ、店員は本来の担当業務に専念することができる。これにより、経営資源を効率的に配分することができるため、大幅なコストダウンをすることが出来る。
【0046】
また、ユーザにとって最適な商品を提案することができるため、買い忘れを防ぎつつ買い上げてもらう商品数を増やすことができるとともに、顧客情報も把握することができる。
【0047】
さらに、商品案内部14の機能を用いて、ユーザの実店舗の入店時や来店時におもてなしの心のある挨拶の文字などを表示部に表示する、又は、音声を出力することで、顧客満足度を高めることができ、リピート率をアップさせることが出来る。
【0048】
学習部20の機能や上記のような一連の機能によって、購買データ、商品データ、マーケットデータ、トレンドデータ、天候気温データ及び独自データを蓄積しつつ学習を行うため、ワントゥーワンマーケティング(One to Oneマーケティング)につなげることも出来る。
【0049】
また、商品案内部14の機能を用いて、実店舗における商品の案内だけでなく、メールマガジンやアプリケーションソフトウェアのプッシュ通知等を行うことで、顧客の囲い込みなどを行うことも出来る。
【0050】
接客システム装置10によれば、個々のユーザの満足度の向上と、従業員がその満足度を超える(期待以上)接客ができるようになることで、その産業の需要創造につながる。また、そのデータを蓄積し学習していくことで、問題解決(ソリューション)につながり、いずれは、イノベーションにつながり、世の中を明るくすることにも繋がる。なぜなら学習部20が莫大なビッグデータから分析、提案していくシステム装置に頼ることで、人間本来の独自性、感性にパワーを費やせるからである。
【0051】
接客システム装置10は、実店舗における課題から発明されたものであるが、顧客との関係を深め、知り尽くすことが、グッドライフにつながることからECビジネスにも活用でき、さらには実店舗とECビジネスとの融合が図れることが期待される。
【0052】
上記接客システム装置10は、ユーザにとって適した商品を提案するシステムであるものとして説明したが、提案する対象はサービス(有料含む)であってもよい。サービスは、様々なものが存在するが、例えば、配送、家具、収納組み立てサービス、修理等、衣食住に関連するサービスなどがある。
【符号の説明】
【0053】
2 ネットワーク、4 携帯端末、10 接客システム装置、12 入力部、14 商品案内部、16 店員呼出部、20 学習部、22 記憶部。
【要約】      (修正有)
【課題】顧客満足度を高めることを可能とする接客システム装置を提供する接客システム装置を提供する。
【解決手段】ユーザが実店舗内で商品を購入する際に用いられる接客システム装置10であって、入力部12に、ユーザより所望の商品に関する入力情報を入力されると、商品案内部14は、入力部12により入力された入力情報に基づいて、ユーザが実店舗内で所望の商品を見つけるための案内情報を携帯端末4の表示部に表示させる。
【選択図】図1
図1
図2