IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フジテック株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-マンコンベヤ 図1
  • 特許-マンコンベヤ 図2
  • 特許-マンコンベヤ 図3
  • 特許-マンコンベヤ 図4
  • 特許-マンコンベヤ 図5
  • 特許-マンコンベヤ 図6
  • 特許-マンコンベヤ 図7
  • 特許-マンコンベヤ 図8
  • 特許-マンコンベヤ 図9
  • 特許-マンコンベヤ 図10
  • 特許-マンコンベヤ 図11
  • 特許-マンコンベヤ 図12
  • 特許-マンコンベヤ 図13
  • 特許-マンコンベヤ 図14
  • 特許-マンコンベヤ 図15
  • 特許-マンコンベヤ 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】マンコンベヤ
(51)【国際特許分類】
   B66B 23/00 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
B66B23/00 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019042422
(22)【出願日】2019-03-08
(65)【公開番号】P2020142916
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2020-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉村 裕規
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-043476(JP,U)
【文献】特開2011-219228(JP,A)
【文献】特開2017-180721(JP,A)
【文献】特開平10-029600(JP,A)
【文献】実開昭57-011179(JP,U)
【文献】特開2017-190229(JP,A)
【文献】実開昭61-105380(JP,U)
【文献】特許第5893107(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 21/00-31/02
F16B 23/00-43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
躯体に設置される構造体と、
乗降部の床を構成するために、前記構造体の上に着脱可能に設置される複数の床プレート体と、を備え、
前記複数の床プレート体は、最も端部に配置される第1床プレート体と、前記第1床プレート体の隣に配置される第2床プレート体と、前記第2床プレート体の隣に配置される第3床プレート体と、を含み、
前記第1床プレート体は、平板状に形成される第1プレート部と、前記第1プレート部を構造体に固定する第1固定部と、を備え、
前記第1固定部は、前記第1プレート部が前記構造体に固定される状態と固定を解除される状態とを切り替えるために、前記第1プレート部の上方側から操作可能な操作部を備え、
前記第3床プレート体は、平板状に形成される第3プレート部と、操作され、前記第3プレート部を前記構造体に固定する第2固定部と、を備え、
前記第2固定部の全体は、前記第3プレート部よりも下方に配置され、
前記第2床プレート体は、平板状に形成される第2プレート部を備え
前記第2床プレート体は、前記第1プレート部の下面に引っ掛かるように、前記第2プレート部から突出する第1突出部と、前記第3プレート部の下面に引っ掛かるように、前記第2プレート部から突出する第2突出部と、を備えることによって、前記構造体に対して固定され
前記第1固定部は、前記第1プレート部よりも下方に配置される雄ネジである第1ネジ部を備え、
前記構造体は、前記躯体に設置される構造本体部と、前記第1ネジ部と螺合する雌ネジである第2ネジ部と、前記第2ネジ部が前記構造本体部に対して横方向に移動することを許容し且つ上下方向に移動することを規制するように、前記第2ネジ部を保持する保持部と、を備え、
前記第1プレート部は、前記固定部に挿入される雌ネジ部を備え、
前記雌ネジ部の内径は、前記第1ネジ部の外径よりも大きく、
前記操作部は、前記プレート部を止めるために、前記雌ネジ部の内径よりも大きい外幅を有する、マンコンベヤ。
【請求項2】
前記第1突出部は、前記第1プレート部の下面に接するように、配置され、
前記第1床プレート体は、前記第2プレート部の下面に接するように、前記第1プレート部から突出する第3突出部を備える、請求項1に記載のマンコンベヤ。
【請求項3】
前記第1床プレート体は、前記構造体に対する前記第1プレート部の上下方向の位置を変更できる位置調整部を備える、請求項1又は2に記載のマンコンベヤ。
【請求項4】
前記第1床プレート体は、前記第1プレート部の下面に連結される複数の補強部を備え、
前記複数の補強部は、前記第1プレート部の長手方向に沿って延び、前記第1プレート部の短手方向に並べられ、
第1固定部は、前記補強部間に配置される、請求項1~の何れか1項に記載のマンコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、マンコンベヤは、躯体に設置される構造体と、乗降部の床を構成するために、構造体の上に設置される複数の床プレート体とを備えている(例えば、特許文献1)。そして、複数の床プレート体は、例えば、風などの力によって構造体から外れないように、構造体に固定されている。
【0003】
特許文献1に係るマンコンベヤにおいては、最も端部に配置される第1床プレート体は、平板状に形成されるプレート部と、プレート部を構造体に固定する固定部とを備えている。また、その隣に配置される第2床プレート体は、平板状に形成されるプレート部と、構造体に引っ掛かるように、プレート部から突出する突出部とを備えている。
【0004】
ところで、第2床プレート体を構造体の上に設置するためには、構造体に設けられた凹部に、突出部を入れる必要があるため、第2床プレート体を構造体の上に載せる位置が制限される。また、例えば、ある程度の重さ(例えば、15~25kg)を有する第2床プレート体を構造体の上でスライドさせる必要もある。そこで、特許文献1に係るマンコンベヤとは異なった、床プレート体が構造体から外れることを抑制できるマンコンベヤが要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-190229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、課題は、床プレート体が構造体から外れることを抑制できるマンコンベヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
マンコンベヤは、躯体に設置される構造体と、乗降部の床を構成するために、前記構造体の上に設置される複数の床プレート体と、を備え、前記複数の床プレート体は、最も端部に配置される第1床プレート体と、前記第1床プレート体の隣に配置される第2床プレート体と、を含み、前記第1床プレート体は、平板状に形成される第1プレート部と、前記第1プレート部を構造体に固定する固定部と、を備え、前記固定部は、前記第1プレート部が前記構造体に固定される状態と固定を解除される状態とを切り替えるために、前記第1プレート部の上方側から操作可能な操作部を備え、前記第2床プレート体は、平板状に形成される第2プレート部と、前記第1プレート部の下面に引っ掛かるように、前記第2プレート部から突出する突出部と、を備える。
【0008】
また、マンコンベヤにおいては、前記突出部は、前記第1プレート部の下面に接するように、配置され、前記第1床プレート体は、前記第2プレート部の下面に接するように、前記第1プレート部から突出する突出部を備える、という構成でもよい。
【0009】
また、マンコンベヤにおいては、前記固定部は、前記第1プレート部よりも下方に配置される第1ネジ部を備え、前記構造体は、前記躯体に設置される構造本体部と、前記第1ネジ部と螺合する第2ネジ部と、前記第2ネジ部が前記構造本体部に対して横方向に移動することを許容し且つ上下方向に移動することを規制するように、前記第2ネジ部を保持する保持部と、を備える、という構成でもよい。
【0010】
また、マンコンベヤにおいては、前記第1ネジ部は、雄ネジであって、前記第1プレート部は、前記第1ネジ部と螺合する雌ネジ部を備える、という構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に係るマンコンベヤの概要図である。
図2図2は、同実施形態に係るマンコンベヤの乗降部の平面図である。
図3図3は、同実施形態に係る床プレート体の平面図である。
図4図4は、図2のIV-IV線の要部拡大断面図である。
図5図5は、図4のV-V線の要部断面図である。
図6図6は、図2のVI-VI線の要部拡大断面図である
図7図7は、図6のVII-VII線の要部拡大断面図である。
図8図8は、図6のVIII-VIII線の要部拡大断面図である。
図9図9は、同実施形態に係る第1床プレート体の固定方法を説明する要部拡大断面図である。
図10図10は、同実施形態に係る第1床プレート体の固定方法を説明する要部拡大断面図である。
図11図11は、同実施形態に係る第1床プレート体の要部断面図である。
図12図12は、他の実施形態に係る第1床プレート体の固定方法を説明する要部拡大断面図である。
図13図13は、さらに他の実施形態に係る第1床プレート体の固定方法を説明する要部拡大断面図である。
図14図14は、同実施形態に係る第1床プレート体の固定方法を説明する要部拡大断面図である。
図15図15は、さらに他の実施形態に係る第1床プレート体の固定方法を説明する要部拡大断面図である。
図16図16は、同実施形態に係る第1床プレート体の固定方法を説明する要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、マンコンベヤにおける一実施形態について、図1図11を参照しながら説明する。なお、各図(図12図16も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係るマンコンベヤ1は、躯体(例えば、梁)に設置される構造体2と、人を搬送する搬送部11と、搬送部11を第1方向D1で挟むように配置される一対の欄干部12,12(図1においては、一つのみを図示している)とを備えている。また、マンコンベヤ1は、搬送部11及び欄干部12を駆動させる駆動部13を備えている。
【0014】
図1において、第1方向D1は、水平方向と平行な方向であって、幅方向D1といい、第2方向D2は、水平方向と平行な方向で且つ幅方向D1と直交する方向であって、前後方向D2という。第3方向D3は、鉛直方向と平行な方向であって、上下方向D3という。
【0015】
また、本実施形態に係るマンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が階段状になるエスカレータであるが、斯かる構成に限られない。例えば、マンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が平面状となる移動歩道(動く歩道)であってもよい。
【0016】
搬送部11は、駆動部13に駆動されることによって無端回転する環状の走行部11aと、走行部11aに対して回転可能に接続され、人が乗る踏面を有する複数のステップ11bとを備えている。走行部11aは、幅方向D1に離れて一対設けられている(図1においては、一つのみ図示している)。そして、複数のステップ11bは、一対の走行部11a,11aの間に配置され、それぞれの走行部11aに対して回転可能に接続されている。
【0017】
欄干部12は、駆動部13に駆動されることによって無端回転する環状の手摺ベルト12aと、手摺ベルト12aを支持するベルト支持部12bとを備えている。また、欄干部12は、ベルト支持部12bの下部を覆うカバー部12cを備えている。
【0018】
駆動部13は、ステップ11bが反転するように、走行部11aが巻き掛けられる一対の回転部(例えば、スプロケット)13a,13aと、回転部13aを回転させる駆動源(例えば、モータ)13bとを備えている。なお、回転部13aは、構造体2に回転可能に接続されている。
【0019】
構造体2は、各構成11~13を支持している。また、構造体2は、前後方向D2のそれぞれの端部に、機械室2a,2aを備えている。具体的には、構造体2は、マンコンベヤ1の各乗降部1aの下方に、機械室2a,2aを備えている。なお、マンコンベヤ1は、各乗降部1aの床を構成する乗降床部14を備えている。乗降床部14は、各機械室2a,2aを上方から覆うように、構造体2の上に設置されている。
【0020】
乗降床部14は、乗降部1aの床を構成するために、図2に示すように、構造体2の上に設置される複数の床プレート体3~5を備えている。なお、床プレート体3~5の個数は、複数であれば特に限定されないが、本実施形態においては、三つとしている。また、乗降床部14は、前後方向D2の内側の端部に配置されるコムプレート体6を備えている。
【0021】
コムプレート体6は、平板状に形成されるコムプレート部6aと、コムプレート部6aの端部に固定される複数の櫛板部6bとを備えている。櫛板部6bは、ステップ11b(図1参照)の踏面の凹凸と、非接触状態で噛み合う櫛歯を備えている。そして、コムプレート体6は、構造体2に固定されている。
【0022】
複数の床プレート体3~5は、前後方向D2の外側の最も端部に配置される第1床プレート体3と、第1床プレート体3の隣に配置される第2床プレート体4と、第2床プレート体4の隣に配置される第3床プレート体5とを備えている。第2床プレート体4は、第1床プレート体3と第3床プレート体5との間に配置され、第3床プレート体5は、第2床プレート体4とコムプレート体6との間に配置されている。
【0023】
なお、床プレート体3~5は、欄干部12が設置されている状態において、構造体2に対して着脱可能である一方で、コムプレート体6は、欄干部12が設置されている状態において、構造体2に対して着脱不能である。したがって、マンコンベヤ1を保守及び点検する際に、床プレート体3~5は、構造体2から取り外され、コムプレート体6は、構造体2から取り外されない。
【0024】
図2及び図3に示すように、第1床プレート体3は、平板状に形成される第1プレート部3aと、第1プレート部3aを補強するために、第1プレート部3aの下面に連結される長尺な補強部3b,3cとを備えている。また、第1床プレート体3は、第1プレート部3aから突出する突出部3dを備えている。
【0025】
第2床プレート体4は、平板状に形成される第2プレート部4aと、第2プレート部4aを補強するために、第2プレート部4aの下面に連結される長尺な補強部4b,4cとを備えている。また、第2床プレート体4は、第2プレート部4aから突出する突出部4d,4eを備えている。
【0026】
第3床プレート体5は、平板状に形成される第3プレート部5aと、第3プレート部5aを補強するために、第3プレート部5aの下面に連結される長尺な補強部5b,5cとを備えている。また、第3床プレート体5は、第3プレート部5aから突出する突出部5dを備えている。
【0027】
各床プレート体3~5においては、第1補強部3b,4b,5bは、幅方向D1に沿って延びており、第2補強部3c,4c,5cは、前後方向D2に沿って延びている。各補強部3b,3c,4b,4c,5b,5cの個数は、特に限定されないが、本実施形態においては、第1補強部3b,4b,5bは、前後方向D2に並列するように、三つ備えられており、第2補強部3c,4c,5cは、プレート部3a,4a,5aの幅方向D1の各端部に位置するように、二つ備えられている。
【0028】
各床プレート体3~5が構造体2に設置されている際に、第1床プレート体3の突出部3dは、第2プレート部4aの下面に接しており、第2床プレート体4の第1突出部4dは、第1プレート部3aの下面に接している。また、各床プレート体3~5が構造体2に設置されている際に、第2床プレート体4の第2突出部4eは、第3プレート部5aの下面に接しており、第3床プレート体5の突出部5dは、第2プレート部4aの下面に接している。
【0029】
これにより、各プレート部3a,4a,5aが、突出部3d,4d,4e,5dに下方から支持されているため、各プレート部3a,4a,5aは、互いに支持し合っている。したがって、各床プレート体3~5に人が載った際に、各プレート部3a,4a,5aが撓むことを抑制することができる。
【0030】
なお、突出部3d,4d,4e,5dの個数は、特に限定されない。また、突出部3d,4d,4e,5dの形状は、特に限定されないが、本実施形態においては、突出部3d,4d,4e,5dは、板状に形成されている。具体的には、板部材の基端部が各プレート部3a,4a,5aの下面に連結されることによって、当該板部材の先端部が、突出部3d,4d,4e,5dを構成している。
【0031】
ところで、第1床プレート体3は、第1プレート部3aを構造体2に固定する固定部3eを備えており、第3床プレート体5は、第3プレート部5aを構造体2に固定する固定部5eを備えている。したがって、第1床プレート体3と第3床プレート体5とは、それぞれ固定部3e,5eによって、構造体2に固定されている。そして、第2床プレート体4の突出部4d,4eが第1プレート部3aと第3プレート部5aに引っ掛かることによって、第2床プレート体4は、構造体2に対して固定されている。
【0032】
したがって、各床プレート体3~5を構造体2から取り外す場合には、固定部3eによる第1プレート部3aと構造体2との固定を解除した後、第1床プレート体3、第2床プレート体4の順に、構造体2から取り外す。その後、固定部5eによる第3プレート部5aと構造体2との固定を解除した後、第3床プレート体5を構造体2から取り外す。
【0033】
反対に、各床プレート体3~5を構造体2に取り付ける場合には、第3床プレート体5を構造体2の上に載せた後、固定部5eによって第3プレート部5aと構造体2とを固定する。その後、第2床プレート体4、第1床プレート体3の順に、構造体2の上に載せた後、固定部3eによって第1プレート部3aと構造体2とを固定する。したがって、第1床プレート体3の固定部3eは、第1プレート部3aの上方側から操作される。
【0034】
ここで、第3床プレート体5の固定部5eの構成について、図4及び図5を参照しながら説明する。
【0035】
図4及び図5に示すように、構造体2は、躯体に設置される構造本体部2bを備えている。構造本体部2bは、例えば、トラス構造又はケタ構造を構成する上枠部2cと、上枠部2cに連結される連結部2dと、連結部2dに連結され、固定部5eに固定される被固定部2eとを備えている。なお、上枠部2c及び連結部2d、並びに、連結部2d及び被固定部2eは、図示していない締結手段(ボルト及びナット)又は溶接によって、それぞれ互いに固定されている。
【0036】
第3床プレート体5の固定部5eの構成は、特に限定されないが、本実施形態においては、締結手段(ボルト5f及びナット5g)としている。具体的には、第3床プレート体5の第1補強部5bの開口と構造体2の被固定部2eの開口に、ボルト5fが挿通されて、第3床プレート体5の第1補強部5bと構造体2の被固定部2eとが、ボルト5f及びナット5gによって、締結されている。
【0037】
次に、第1床プレート体3の固定部3eの構成について、図6図8を参照しながら説明する。
【0038】
図6図8に示すように、固定部3eは、第1プレート部3aが構造体2に固定される状態と固定を解除される状態とを切り替えるために操作される操作部3fと、第1プレート部3aよりも下方に配置される第1ネジ部3gとを備えている。そして、第1ネジ部3gは、雄ネジであって、第1プレート部3aは、第1ネジ部3gと螺合する雌ネジ部3hを備えている。本実施形態においては、固定部3eは、ボルトである。
【0039】
操作部3fは、、第1プレート部3aの上方側から操作可能なように、第1プレート部3aよりも上方に位置している。これにより、操作部3fは、第1プレート部3aから上方に露出している。また、第1ネジ部3g及び雌ネジ部3hは、第1補強部3b,3b間に配置されている。
【0040】
また、第1床プレート体3は、構造体2に対する第1プレート部3aの上下方向D3の位置を変更可能な位置変更部3iを備えている。なお、第2床プレート体4及び第3床プレート体5も、同様に、構造体2に対するプレート部4a,5aの上下方向D3の位置を変更可能な位置変更部を備えている。
【0041】
位置変更部3iの構成は、特に限定されないが、本実施形態においては、位置変更部3iは、補強部3b,3cに固定されるナット3jと、ナット3jと螺合し、構造体2の上に載るボルト3kとを備えている。そして、補強部3b,3cから下方に突出するボルト3kの長さが変更することによって、構造体2に対する第1プレート部3aの上下方向D3の位置が変更される。
【0042】
構造体2は、固定部3eに固定される被固定部2fと、被固定部2fを保持する保持部2gとを備えている。なお、被固定部2fは、固定部3eの第1ネジ部3gと螺合する第2ネジ部2hを備えている。本実施形態においては、第2ネジ部2hは、雌ネジである。また、被固定部2fは、第1ネジ部3gを第2ネジ部2hに向けて案内するために、第2ネジ部2hの上端に連接される案内部2iを備えている。案内部2iは、上方に向けて開口が広がるテーパ状に形成されている。
【0043】
保持部2gは、連結部2dに連結されて被固定部2fを支持する支持部2jと、支持部2jとの間に被固定部2fを挟む挟み部2kと、支持部2jと挟み部2kとを締結するボルト2m及びナット2nとを備えている。なお、連結部2d及び支持部2jは、図示していない締結手段(ボルト及びナット)又は溶接によって、互いに固定されている。そして、被固定部2fは、ボルト2mに挿通される挿通孔2pを備えており、挿通孔2pの内径は、ボルト2mのネジ外径よりも大きくなっている。
【0044】
これにより、被固定部2fは、支持部2j及び挟み部2kの間を横方向D1,D2にスライドすることができる一方で、支持部2j及び挟み部2kに接することによって、上下方向D3で止められている。したがって、保持部2gは、被固定部2fが構造本体部2bに対して横方向D1,D2に移動することを許容し且つ上下方向D3に移動することを規制するように、被固定部2fを保持している。なお、挿通孔2pがボルト2mに接することによって、被固定部2fは、横方向D1,D2に所定距離を超えてスライドすることを規制されている。
【0045】
ここで、第1床プレート体3の固定方法について、図9及び図10を参照しながら説明する。
【0046】
図9に示すように、第1床プレート体3を構造体2の上に載せた後、第1プレート部3aの下方側から操作できない状態となる。しかしながら、固定部3eの操作部3fが、第1プレート部3aよりも上方に位置し、操作部3fが、第1プレート部3aから上方に露出しているため、第1プレート部3aの上方側から操作部3fを操作することができる。
【0047】
そして、操作部3fを操作することによって、固定部3eの第1ネジ部3gを、第1プレート部3aの雌ネジ部3hと螺合させる。これにより、第1ネジ部3gが向かう方向が規制されるため、第1ネジ部3gが被固定部2fの第2ネジ部2hから外れた位置に向かうことを抑制することができる。
【0048】
ところで、構造体2に対する第1プレート体3の位置によっては、第1ネジ部3gは、被固定部2fの案内部2iに当たることになる。斯かる状態から、第1ネジ部3gが下方に進むと、図10に示すように、被固定部2fが横方向D1,D2(図10において、左側)に移動し、第1ネジ部3gが案内部2iに案内される。そして、固定部3eの第1ネジ部3gが、被固定部2fの第2ネジ部2hと螺合する。これにより、第1床プレート体3が固定部3eによって構造体2に固定される。
【0049】
また、第1床プレート体3が固定部3eによって構造体2に固定された際に、保持部2gは、被固定部2fが構造本体部2bに対して上下方向D3に移動することを規制している。これにより、第1プレート部3aが構造本体部2bから上方に離れることを規制することができる。したがって、第1床プレート体3が安定して構造体2に固定される。
【0050】
なお、図11に示すように、第1プレート部3aの雌ネジ部3hは、着脱具X1の雄ネジ部X1aと螺合可能である。これにより、固定部3eを第1プレート部3aから取り外し、着脱具X1を第1プレート部3aに取り付けることで、着脱具X1を用いて、第1床プレート体3を構造体2から容易に取り外すことができる。
【0051】
また、上方側の乗降部1aの床プレート体3,4について、説明したが、上記構成は、下方側の乗降部1aの床プレート体3,4にも、備えられている、という構成でもよい。即ち、一対の乗降部1aの床プレート体3,4のうち、少なくとも一方が、上記構成を備えている、という構成であればよい。
【0052】
以上より、本実施形態に係るマンコンベヤ1は、躯体に設置される構造体2と、乗降部1aの床を構成するために、前記構造体2の上に設置される複数の床プレート体3~5と、を備え、前記複数の床プレート体3~5は、最も端部に配置される第1床プレート体3と、前記第1床プレート体3の隣に配置される第2床プレート体4と、を含み、前記第1床プレート体3は、平板状に形成される第1プレート部3aと、前記第1プレート部3aを構造体2に固定する固定部3eと、を備え、前記固定部3eは、前記第1プレート部3aが前記構造体2に固定される状態と固定を解除される状態とを切り替えるために、前記第1プレート部3aの上方側から操作可能な操作部3fを備え、前記第2床プレート体4は、平板状に形成される第2プレート部4aと、前記第1プレート部3aの下面に引っ掛かるように、前記第2プレート部4aから突出する突出部4dと、を備える。
【0053】
斯かる構成によれば、第1プレート部3aは、固定部3eによって、構造体2に固定されている。そして、突出部4dが第2プレート部4aから突出しているため、突出部4dは、第1プレート部3aの下面に引っ掛かる。これにより、第2プレート部4aは、第1プレート部3aと協働して、構造体2に固定されている。したがって、床プレート体3,4が構造体2から外れることを抑制できる。
【0054】
また、本実施形態に係るマンコンベヤ1においては、前記突出部4dは、前記第1プレート部3aの下面に接するように、配置され、前記第1床プレート体3は、前記第2プレート部4aの下面に接するように、前記第1プレート部3aから突出する突出部3dを備える、という構成である。
【0055】
斯かる構成によれば、第1床プレート体3の突出部3dは、第2プレート部4aの下面に接しており、第2床プレート体4の突出部4dは、第1プレート部3aの下面に接している。これにより、各プレート部3a,4aは、それぞれ突出部4d,3dに下方から支持されている。したがって、床プレート体3,4に人が載った際に、プレート部3a,4aが撓むことを抑制することができる。
【0056】
また、本実施形態に係るマンコンベヤ1においては、前記固定部3eは、前記第1プレート部3aよりも下方に配置される第1ネジ部3gを備え、前記構造体2は、前記躯体に設置される構造本体部2bと、前記第1ネジ部3gと螺合する第2ネジ部2hと、前記第2ネジ部2hが前記構造本体部2bに対して横方向D1,D2に移動することを許容し且つ上下方向D3に移動することを規制するように、前記第2ネジ部2hを保持する保持部2gと、を備える、という構成である。
【0057】
斯かる構成によれば、保持部2gは、第2ネジ部2hが構造本体部2bに対して横方向D1,D2に移動することを許容する。これにより、第1プレート部3aが構造体2に設置される際に、構造本体部2bに対する第1プレート部3aの位置が変化しても、第2ネジ部2hが構造本体部2bに対して横方向D1,D2に移動することによって、第1ネジ部3gが第2ネジ部2hと螺合できる。
【0058】
また、保持部2gは、第2ネジ部2hが構造本体部2bに対して上下方向D3に移動することを規制する。これにより、第1ネジ部3gが第2ネジ部2hと螺合することによって、第1プレート部3aが構造本体部2bに固定された際に、第1プレート部3aが構造本体部2bから上方に離れることを規制することができる。
【0059】
また、本実施形態に係るマンコンベヤ1においては、前記第1ネジ部3gは、雄ネジであって、前記第1プレート部3aは、前記第1ネジ部3gと螺合する雌ネジ部3hを備える、という構成である。
【0060】
斯かる構成によれば、第1ネジ部3gは、雌ネジ部3hと螺合しつつ、第2ネジ部2hと螺合することになる。これにより、第1ネジ部3gが雌ネジ部3hと螺合することによって、第1ネジ部3gが向かう方向が規制される。したがって、第1ネジ部3gが第2ネジ部2hから外れた位置に向かうことを抑制することができる。
【0061】
なお、マンコンベヤ1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、マンコンベヤ1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0062】
(1)上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、第1プレート部3aは、第1ネジ部3gと螺合する雌ネジ部3hを備えている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、図12に示すように、第1プレート部3aは、第1ネジ部3gの外径よりも大きい内径を有する雌ネジ部3h(又は、貫通孔)を備えている、という構成でもよい。
【0063】
図12に係る構成によれば、第1ネジ部3gが第2ネジ部2hと螺合することによって、被固定部2fは、保持部2gの挟み部2kと加圧して接することになる。これにより、第1プレート部3aが構造本体部2bに固定された際に、第1プレート部3aが構造本体部2bから上方に離れることを確実に規制することができる。
【0064】
(2)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、保持部2gは、支持部2jと挟み部2kとを、ボルト2m及びナット2nで締結する、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0065】
例えば、図13及び図14に示すように、保持部2gは、支持部2jと挟み部2kとを、被固定部2fの外側に配置される接続部2qで接続する、という構成でもよい。斯かる構成によれば、保持部2gは、第2ネジ部2h(被固定部2f)が構造本体部2bに対して横方向D1,D2に移動することを許容し且つ上下方向D3に移動することを規制するように、第2ネジ部2h(被固定部2f)を保持している。
【0066】
(3)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、支持部2jと挟み部2kとが被固定部2fを上下方向D3で挟むことによって、保持部2gは、被固定部2fを保持する、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0067】
例えば、図15及び図16に示すように、挟み部2kが、被固定部2fと連結され、被固定部2fと挟み部2kとが支持部2jを上下方向D3に挟むことによって、保持部2gは、被固定部2fを保持する、という構成でもよい。斯かる構成によれば、保持部2gは、第2ネジ部2h(被固定部2f)が構造本体部2bに対して横方向D1,D2に移動することを許容し且つ上下方向D3に移動することを規制するように、第2ネジ部2h(被固定部2f)を保持している。
【0068】
(4)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、第1床プレート体3は、第1プレート部3aから突出する突出部3dを備えている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成が好ましいものの、斯かる構成に限られない。例えば、第1床プレート体3は、第1プレート部3aから突出する突出部3dを備えていない、という構成でもよい。
【0069】
(5)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、各床プレート体3,4が構造体2に設置されている際に、第2床プレート体4の突出部4dは、第1プレート部3aの下面に接するように、配置されている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成が好ましいものの、斯かる構成に限られない。例えば、各床プレート体3,4が構造体2に設置されている際に、第2床プレート体4の突出部4dは、第1プレート部3aの下面から離れるように、配置されている、という構成でもよい。
【0070】
(6)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、第1床プレート体3の固定部3eの第1ネジ部3gは、雄ネジであって、構造体2の被固定部2fの第2ネジ部2hは、雌ネジである、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、第1床プレート体3の固定部3eの第1ネジ部3gは、雌ネジであって、構造体2の被固定部2fの第2ネジ部2hは、雄ネジである、という構成でもよい。
【0071】
(7)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、第1床プレート体3の固定部3eは、第1ネジ部3gを備えている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成が好ましいものの、斯かる構成に限られない。
【0072】
例えば、第1床プレート体3の固定部3eは、上記特許文献1(特開2017-190229号公報)のように、回転することによって、構造体2(例えば、上枠部2c又は連結部2d)に上下方向D3で引っ掛かる状態と構造体2から離れる状態とを切り替える、という構成でもよい。しかしながら、斯かる構成においては、固定部3eを回転し易くするために、固定部3eと構造体2との間に、ある程度の隙間を設ける必要がある。
【0073】
したがって、上記実施形態及び図13図16に係る構成のように、第1床プレート体3が構造体2に固定される際に、第1プレート部3aが構造本体部2bに対して上下方向D3に移動することを確実に規制するために、第1床プレート体3の固定部3eは、第1ネジ部3gを備えている、という構成が好ましい。さらに、斯かる構成によれば、位置変更部3iによって構造体2に対する第1プレート部3aの位置が変化しても、第1プレート部3aが構造本体部2bに対して上下方向D3に移動することを規制することができる。
【0074】
(8)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、第3床プレート体5は、固定部5eを備えている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、第3床プレート体5は、第2プレート部4aに引っ掛かる突出部5dだけでなく、コムプレート部6aの下面に引っ掛かるように、第3プレート部5aから突出する突出部も備える、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…マンコンベヤ、1a…乗降部、2…構造体、2a…機械室、2b…構造本体部、2c…上枠部、2d…連結部、2e…被固定部、2f…被固定部、2g…保持部、2h…第2ネジ部、2i…案内部、2j…支持部、2k…挟み部、2m…ボルト、2n…ナット、2p…挿通孔、2q…接続部、3…第1床プレート体、3a…第1プレート部、3b…第1補強部、3c…第2補強部、3d…突出部、3e…固定部、3f…操作部、3g…第1ネジ部、3h…雌ネジ部、3i…位置変更部、3j…ナット、3k…ボルト、4…第2床プレート体、4a…第2プレート部、4b…第1補強部、4c…第2補強部、4d…第1突出部、4e…第2突出部、5…第3床プレート体、5a…第3プレート部、5b…第1補強部、5c…第2補強部、5d…突出部、5e…固定部、5f…ボルト、5g…ナット、6…コムプレート体、6a…コムプレート部、6b…櫛板部、11…搬送部、11a…走行部、11b…ステップ、12…欄干部、12a…手摺ベルト、12b…ベルト支持部、12c…カバー部、13…駆動部、13a…回転部、13b…駆動源、14…乗降床部、D1…幅方向(横方向)、D2…前後方向(横方向)、D3…上下方向、X1…着脱具、X1a…雄ネジ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16