(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】超高周波信号伝送用小型同軸ケーブルコネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/75 20110101AFI20220106BHJP
H01R 13/6581 20110101ALI20220106BHJP
【FI】
H01R12/75
H01R13/6581
(21)【出願番号】P 2020101581
(22)【出願日】2020-06-11
【審査請求日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】10-2019-0071043
(32)【優先日】2019-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0145209
(32)【優先日】2019-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519373545
【氏名又は名称】センサービュー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SENSORVIEW INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】705‐1HO, 705HO, A DONG, 240, PANGYOYEOK‐RO, BUNDANG‐GU, SEONGNAM‐SI, GYEONGGI‐DO 13493, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】ビョン ナム キム
(72)【発明者】
【氏名】キョン イル カン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ミン パク
(72)【発明者】
【氏名】サン ウ ハン
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0228952(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0187087(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/75
H01R 13/6581
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超高周波信号を伝達す
る複数の超高周波同軸ケーブル信号線と印刷回路基板(PCB)とを連結する超高周波信号伝送用小型同軸ケーブルコネクタにおいて、
同軸ケーブルの外皮、外部導体及び誘電体が剥がれて、所定長さの内部導体が露出され、前記露出された内部導体の端子は、前記PCBに形成された回路信号線端子パッドと電気的に接触す
る複数の同軸ケーブルと、
前
記複数の露出された内部導体を収容し、前記露出された同軸ケーブル内部導体端部を固定させ、保護し、前
記複数の同軸ケーブル内部導体を通じて発生する電磁波を遮蔽する遮蔽缶
(shielding can)を含む雄
(male)コネクタと、
前記印刷回路基板(PCB)に設けられ、前記遮蔽缶を収容して、前記雄コネクタと締結され、前記遮蔽缶及び前記印刷回路基板の接地と電気的に連結されるコネクタソケットと、を含み、
前記雄コネクタと前記コネクタソケットとが締結されれば、前記雄コネクタの超高周波同軸ケーブル信号線端子は、
信号線端子を収容する収容部材を経ずに、前記印刷回路基板に形成されている回路信号線端子パッドと直接接触して連結
され、
前記遮蔽缶は、前記内部導体で前記印刷回路基板に形成された信号線端子パッドと接触される部分を除いた残りの部分を全体として遮蔽することを特徴とする超高周波信号伝送用小型同軸ケーブルコネクタ。
【請求項2】
前記遮蔽缶は、前記同軸ケーブルの外部導体と連結され、
前記コネクタソケットは、前記遮蔽缶を収容し、前記遮蔽缶と前記印刷回路基板の接地と電気的に連結されて、前記複数の同軸ケーブルの露出された内部導体
は、電気的遮蔽がなされることを特徴とする請求項
1に記載の超高周波信号伝送用小型同軸ケーブルコネクタ。
【請求項3】
前記コネクタソケットは、
前記雄コネクタと締結される締結部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の超高周波信号伝送用小型同軸ケーブルコネクタ。
【請求項4】
前記コネクタソケットは、
前記印刷回路基板(PCB)の表面に実装
(surface mounted)されるSMT(surface mount technology)方式、またはPCBを貫通するSIP
(single in-line package)、DIP
(dual-in line package)、QIP(quad in-line package)方式(PCB貫通方式)で装着されることを特徴とする請求項1に記載の超高周波信号伝送用小型同軸ケーブルコネクタ。
【請求項5】
前記コネクタソケットは、
前記印刷回路基板(PCB)の表面に実装されるSMT方式、またはPCBを貫通するSIP、DIP、QIP方式(PCB貫通方式)が混用されて装着されることを特徴とする請求項1に記載の超高周波信号伝送用小型同軸ケーブルコネクタ。
【請求項6】
超高周波信号を伝達する単数または複数の超高周波同軸ケーブル信号線と印刷回路基板(PCB)とを連結する超高周波信号伝送用小型同軸ケーブルコネクタにおいて、
同軸ケーブルの外皮、外部導体及び誘電体が剥がれて、所定長さの内部導体が露出され、前記露出された内部導体の端子は、前記PCBに形成された回路信号線端子パッドと電気的に接触する単数または複数の同軸ケーブルと、
前記単数または複数の露出された内部導体を収容し、前記露出された同軸ケーブル内部導体端部を固定させ、保護し、前記単数または複数の同軸ケーブル内部導体を通じて発生する電磁波を遮蔽する遮蔽缶を含む雄コネクタと、
前記印刷回路基板(PCB)に設けられ、前記遮蔽缶を収容して、前記雄コネクタと締結され、前記遮蔽缶及び前記印刷回路基板の接地と電気的に連結されるコネクタソケットと、を含み、
前記雄コネクタと前記コネクタソケットとが締結されれば、前記雄コネクタの超高周波同軸ケーブル信号線端子は、前記印刷回路基板に形成されている回路信号線端子パッドと直接接触して連結され、
前記コネクタソケットは、
直方体状を有し、前記雄コネクタが前記コネクタソケットの一側面に挿入される時、前記コネクタソケットの底面と挿入される面は開放されており、前記コネクタソケットの上面一部が開放されている形状からなり、前記雄コネクタが前記コネクタソケットに挿入される時、前記雄コネクタは、前記印刷回路基板の底面と平行に挿入されるか、斜めに挿入されることを特徴とす
る超高周波信号伝送用小型同軸ケーブルコネクタ。
【請求項7】
超高周波信号を伝達する単数または複数の超高周波同軸ケーブル信号線と印刷回路基板(PCB)とを連結する超高周波信号伝送用小型同軸ケーブルコネクタにおいて、
同軸ケーブルの外皮、外部導体及び誘電体が剥がれて、所定長さの内部導体が露出され、前記露出された内部導体の端子は、前記PCBに形成された回路信号線端子パッドと電気的に接触する単数または複数の同軸ケーブルと、
前記単数または複数の露出された内部導体を収容し、前記露出された同軸ケーブル内部導体端部を固定させ、保護し、前記単数または複数の同軸ケーブル内部導体を通じて発生する電磁波を遮蔽する遮蔽缶を含む雄コネクタと、
前記印刷回路基板(PCB)に設けられ、前記遮蔽缶を収容して、前記雄コネクタと締結され、前記遮蔽缶及び前記印刷回路基板の接地と電気的に連結されるコネクタソケットと、を含み、
前記雄コネクタと前記コネクタソケットとが締結されれば、前記雄コネクタの超高周波同軸ケーブル信号線端子は、前記印刷回路基板に形成されている回路信号線端子パッドと直接接触して連結され、
前記コネクタソケットは、
直方体状を有し、前記雄コネクタが前記コネクタソケットの一側面に挿入される時、前記コネクタソケットの底面と左側面は開放されており、前記コネクタソケットの上面は、垂直、鋭角または鈍角で開閉可能な蓋で形成され、
前記雄コネクタが前記コネクタソケットに挿入される時、前記雄コネクタは、前記印刷回路基板の上面と平行に挿入されるか、前記印刷回路基板の上面と鋭角または鈍角を成し、斜めに挿入されるか、垂直下降しながら挿入されるか、前記蓋が閉まる方向に挿入されることを特徴とす
る超高周波信号伝送用小型同軸ケーブルコネクタ。
【請求項8】
前記コネクタソケットは、
前記印刷回路基板(PCB)と一体に形成されることを特徴とする請求項1に記載の超高周波信号伝送用小型同軸ケーブルコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超高周波信号用コネクタに係り、特に、マルチコネクタでの雄(male)信号線が印刷回路基板の信号線と直接連結される超高周波信号伝送用小型同軸ケーブルコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来のPCB単一またはマルチコネクタの断面図を示したものである。従来のPCB単一またはマルチコネクタは、ケーブル(cable)、ワイヤ(wire)のような電気信号を伝達する電気信号線114の端子が雄コネクタハウジング112によって覆われてなされる雄コネクタ110がPCB160上に設けられた(mounted)雌(female)コネクタ(または、ソケット)150に挿入されて連結される。この際、雌コネクタ150の雌コネクタハウジング152には、雄コネクタの端子やピン(pin)が収容される収容部材154が設けられている。前記収容部材154を通じて漏れ電流及びノイズが発生し、これにより、信号損失があり、コネクタの小型化にも限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、前述した従来の単一コネクタまたはマルチコネクタの問題点と限界とを解決するために案出されたものであって、雌コネクタには、雄コネクタハウジングのみ収容するハウジングソケットがPCBに設けられており、前記ハウジングソケットには、雄コネクタの端子を収容する端子収容部材がなしに雄コネクタ端子が印刷回路基板の端子パッド(terminal pad)に直接接触することにより、信号損失を最小化し、コネクタの高さを大幅に低くして小型化を成し、単一またはマルチ同軸ケーブルを連結することができる超高周波信号伝送用小型同軸ケーブルコネクタを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記技術的課題を果たすための本発明による超高周波信号伝送用同軸ケーブルコネクタは、超高周波信号を伝達する単数または複数の超高周波同軸ケーブル信号線と印刷回路基板(PCB)とを連結する超高周波信号伝送用小型同軸ケーブルコネクタにおいて、同軸ケーブルの外皮、外部導体及び誘電体が剥がれて、所定長さの内部導体が露出され、前記露出された内部導体の端子は、前記PCBに形成された回路信号線端子パッドと電気的に接触する単数または複数の同軸ケーブル;及び前記単数または複数の露出された内部導体を収容し、前記露出された同軸ケーブル内部導体端部を固定させ、保護し、前記単数または複数の同軸ケーブル内部導体を通じて発生する電磁波を遮蔽する遮蔽缶(shielding can)を含む雄コネクタ;及び前記印刷回路基板(PCB)に設けられ、前記遮蔽缶を収容して、前記雄コネクタと締結され、前記遮蔽缶及び前記印刷回路基板の接地と電気的に連結されるコネクタソケット;を含み、前記雄コネクタと前記コネクタソケットとが締結されれば、前記雄コネクタの超高周波同軸ケーブル信号線端子は、前記印刷回路基板に形成されている回路信号線端子パッドと直接接触して連結される。
【0005】
前記雄コネクタは、前記単数または複数の同軸ケーブル信号線を印刷回路基板の信号線端子パッドと接触させ、一端は、超高周波同軸ケーブル信号線と連結され、他端は、前記PCBに形成された回路信号線端子パッドと連結されるアダプタをさらに含み、前記雄コネクタのアダプタを通じて前記超高周波信号線は、前記印刷回路基板に形成されている回路信号線端子パッドと連結されることを特徴とする。
【0006】
前記遮蔽缶は、複数の同軸ケーブルの内部導体とそれぞれ対応して連結された複数のアダプタが収容されるアダプタ収容部を備え、前記アダプタ収容部は、前記複数のアダプタを収容するが、アダプタ別に遮蔽される形状からなり、前記複数の同軸ケーブルの露出された内部導体とアダプタのそれぞれは、電気的遮蔽がなされることを特徴とする。前記コネクタソケットは、前記雄コネクタと締結される締結部をさらに備えることができる。前記コネクタソケットは、前記印刷回路基板(PCB)の表面に実装(surface mounted)されるSMT(surface mount technology)方式、またはPCBを貫通するSIP(single in-line package)、DIP(dual-in line package)、QIP(quad inline package)方式(PCB貫通方式)で装着される。
【0007】
前記コネクタソケットは、前記印刷回路基板(PCB)の表面に実装されるSMT方式、またはPCBを貫通するSIP、DIP、QIP方式(PCB貫通方式)が混用されて装着される。前記コネクタソケットは、直方体状を有し、前記雄コネクタが前記コネクタソケットの左側面に挿入される時、前記コネクタソケットの底面と左側面は開放されており、前記コネクタソケットの上面一部が開放されている形状からなり、前記雄コネクタが前記コネクタソケットに挿入される時、前記雄コネクタは、前記印刷回路基板の底面と平行に挿入されるか、斜めに挿入される。前記コネクタソケットは、直方体状を有し、前記雄コネクタが前記コネクタソケットに挿入される時、前記コネクタソケットが印刷回路基板と結合される面と前記雄コネクタが挿入される面は開放されており、前記コネクタソケットの上面は垂直に開閉可能な蓋で形成され、前記雄コネクタが前記コネクタソケットに挿入される時、前記雄コネクタは、前記印刷回路基板の上面と平行に挿入されるか、前記印刷回路基板の上面と鋭角または鈍角を成し、斜めに挿入されるか、垂直下降しながら挿入されるか、前記蓋が閉まる方向に挿入される。
【発明の効果】
【0008】
本発明による超高周波信号伝送用同軸ケーブルコネクタによれば、コネクタソケットに雄コネクタの同軸ケーブル信号線端子を収容する収容部材を無くし、雄コネクタの信号線端子が印刷回路基板の回路信号端子パッドに直接接触するか、雄コネクタの同軸ケーブル信号線端子がPCBの回路信号端子パッドとの接触を容易にするアダプタを追加することにより、漏れ電流とノイズとを最小化して、信号損失を減らし、単一またはマルチ同軸ケーブルコネクタの締結高さと広さとを最小化して小型化をなしうる。
【0009】
そして、雄コネクタに連結された同軸ケーブルの遮蔽(shielding)層である外部導体と前記同軸ケーブルの信号線である内部導体とを連結し、PCBに実装されて接地と連結されたコネクタソケットが、前記雄コネクタの遮蔽缶を収容して接続させ、電気的に連結された時、電気的遮蔽機能を有することにより、PCB回路信号端子パッドと直接接触された雄コネクタ信号端子の信号損失を減らしうる。
【0010】
また、コネクタソケットに雄コネクタの信号線端子を収容する収容部材を無くすことにより、コネクタソケットを単純化して、製造コストを節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】従来のPCBマルチコネクタを側断面図で示した図面である。
【
図2】本発明による超高周波信号伝送用同軸ケーブルコネクタの一例であって、雄コネクタとPCBに実装されたコネクタソケットとが締結される前の状態を示した図面である。
【
図3】本発明による超高周波信号伝送用同軸ケーブルコネクタの一例であって、雄コネクタとPCBに実装されたコネクタソケットとが締結された後の状態を示した図面である。
【
図4】本発明による超高周波信号伝送用同軸ケーブルコネクタの雄コネクタとコネクタソケットとを底面から見た底面斜視図である。
【
図5】本発明による超高周波信号伝送用同軸ケーブルコネクタのコネクタソケットの一例の分離斜視図である。
【
図6A】コネクタソケット225が印刷回路基板(PCB)215に装着される多様な形態を示している。
【
図6B】コネクタソケット225が印刷回路基板(PCB)215に装着される多様な形態を示している。
【
図6C】コネクタソケット225が印刷回路基板(PCB)215に装着される多様な形態を示している。
【
図7】本発明による超高周波信号伝送用同軸ケーブルコネクタの雄コネクタを構成するエレメントの一例を示した図面である。
【
図8】本発明による超高周波信号伝送用同軸ケーブルコネクタの雄コネクタに連結される複数の同軸ケーブルの一例を示した図面である。
【
図9】
図2に示された雄コネクタのVII-VII線に沿って見た断面図である。
【
図10】
図2に示された雄コネクタのVIII-VIII線に沿って見た断面図である。
【
図11】本発明による超高周波信号伝送用同軸ケーブルコネクタの雄コネクタを組み立てる過程を示している。
【
図12A】直方体状からなるコネクタソケット225の蓋の多様な実施形態であって、コネクタソケットの上面一部が開放された上面一部開放部254を有する形状からなるコネクタソケット225を示している。
【
図12B】直方体状からなるコネクタソケット225の蓋の多様な実施形態であって、コネクタソケットの上面が垂直に開閉される蓋で形成されるコネクタソケット225を示している。
【
図13】雄コネクタ20がPCB215上に装着された
図6Aに示されたコネクタソケット225に挿入される時のVI-VI線に沿って見た断面図を示した図面である。
【
図14】雄コネクタ20がPCB215上に装着された
図12Aに示されたコネクタソケット225に挿入される時のVII-VII線に沿って見た断面図を示した図面である。
【
図15A】コネクタソケット225の上面蓋262が閉状態で雄コネクタ20が
図12Bに示されたコネクタソケット225に挿入される時のVIII-VIII線に沿って見た断面図である。
【
図15B】コネクタソケット225の上面蓋262が垂直、鋭角または鈍角で開状態で雄コネクタ20が
図12Bに示されたコネクタソケット225に挿入される時のVIII-VIII線に沿って見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。本明細書に記載された実施形態と図面とに示された構成は、本発明の望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想をいずれも代弁するものではないので、本出願時点において、これらを代替しうる多様な均等物と変形例とがあるということを理解しなければならない。
【0013】
本発明による超高周波信号伝送用同軸ケーブルコネクタは、超高周波信号を伝達する単数または複数の同軸ケーブル信号線と印刷回路基板(PCB)とを連結するPCBコネクタであって、雄コネクタ及びコネクタソケットを含んでなる。雄コネクタは、単数または複数の同軸ケーブル及び遮蔽缶を含んでなる。
【0014】
前記単数または複数の同軸ケーブルは、同軸ケーブルの外皮、外部導体及び誘電体が剥がれて、所定長さの内部導体が露出され、前記露出された内部導体の端子は、前記PCBに形成された回路信号線端子パッドと電気的に接触する。前記遮蔽缶は、前記単数または複数の露出された同軸ケーブル内部導体を収容し、前記露出された同軸ケーブル内部導体端部を固定させ、保護し、前記単数または複数の同軸ケーブル内部導体を通じて発生する電磁波を遮蔽する。
【0015】
前記コネクタソケットは、前記印刷回路基板(PCB)に設けられ、前記遮蔽缶を収容して、前記雄コネクタと締結され、前記遮蔽缶及び前記印刷回路基板の接地と電気的に連結される。前記雄コネクタと前記コネクタソケットとが締結されれば、前記雄コネクタの超高周波同軸ケーブル信号線端子は、前記印刷回路基板に形成されている回路信号線端子パッドと直接接触して連結される。
【0016】
前記雄コネクタは、アダプタをさらに含みうる。前記アダプタは、前記単数または複数の同軸ケーブル信号線を印刷回路基板の信号線端子パッドと接触させ、一端は、超高周波同軸ケーブル信号線と連結され、他端は、前記PCBに形成された回路信号線端子パッドと連結される。この際、前記雄コネクタのアダプタを通じて前記超高周波信号線は、前記印刷回路基板に形成されている回路信号線端子パッドと接触することで連結される。前記遮蔽缶は、アダプタ収容部を備えることができる。アダプタ収容部は、複数の同軸ケーブルの内部導体とそれぞれ対応して連結された複数のアダプタを収容し、アダプタ別に遮蔽される形状からなる。アダプタ収容部の形状によって遮蔽缶に前記複数の同軸ケーブルの露出された内部導体とアダプタとが収容されれば、前記露出された内部導体と前記アダプタのそれぞれは、個別的に電気的遮蔽がなされる。
【0017】
図2は、本発明による超高周波信号伝送用同軸ケーブルコネクタの一例であって、雄コネクタ20とPCB215に実装されたコネクタソケット225とが締結される前の状態を示したものである。
図3は、本発明による超高周波信号伝送用同軸ケーブルコネクタの一例であって、雄コネクタ20とPCB215に実装されたコネクタソケット225とが締結された後の状態を示したものである。
図2と
図3とを参照すれば、同軸ケーブル240と連結された雄コネクタの遮蔽缶270、280、290が、PCB125に実装されたコネクタソケット225に挿入されて締結される。この際、PCBとケーブル240の連結は、雄コネクタ20の底面に形成されたケーブル端子とPCB215に形成された回路信号線端子パッドと直接接触される。
【0018】
図4は、本発明による超高周波信号伝送用同軸ケーブルコネクタの雄コネクタ20とコネクタソケット225とを底面から見た底面斜視図である。
図5は、本発明による超高周波信号伝送用同軸ケーブルコネクタとPCB215に装着されたコネクタソケット225との一例の分離斜視図である。
図4と
図5とを参照すれば、雄コネクタ20の底面にケーブルの信号線端子255が形成されている。コネクタソケット225は、雄コネクタ20と締結される締結部222を備えることができる。
【0019】
雄コネクタ20がコネクタソケット225と締結されれば、雄コネクタ20の底面に形成されたケーブルの信号線端子255は、ケーブル信号線端子255が収容される収容部材を経ずに、PCB215に形成されている回路信号端子パッド214と直接接触して連結される。この際、PCB215に設けられているコネクタソケット225は、雄コネクタ20の遮蔽缶270、280、290を収容することにより、雄コネクタ20と締結され、遮蔽缶270、280、290とコネクタソケット225とPCB215の接地が電気的に連結されて、同軸ケーブルの露出された内部導体とアダプタを遮蔽することにより、漏れ電流とノイズとを最小化して、信号損失を減らしうる。そして、
図4に示したように、PCB125に装着されるコネクタソケット225には、ケーブル信号線端子255が収容される収容部材を無くすことにより、コネクタソケット225を単純化し、また、雌コネクタ20との締結高さと広さとを最小にすることで小型化される。本発明による超高周波信号伝送用同軸ケーブルコネクタは、テーブルPC、ラップトップPC、5Gスマートフォン、家電(TV、冷蔵庫、洗濯機などの家電製品)など小型化が要求される多様な電子装置に適用することができる。
【0020】
図6A、
図6B及び
図6Cは、コネクタソケット225が印刷回路基板(PCB)215に装着される多様な形態を示している。コネクタソケット225は、印刷回路基板(PCB)215の表面に実装されるか、PCB基板215を貫通(through hole)するPCB貫通方式で装着される。
図6Aは、前記印刷回路基板(PCB)の表面に実装されるSMT方式でPCB215に装着されるコネクタソケット225を示しており、実装部材232を通じて印刷回路基板(PCB)の表面に実装される。
【0021】
図6Bは、前記PCB貫通方式でPCB215に装着されるコネクタソケット225を示しており、貫通部材242を通じて印刷回路基板(PCB)を貫通して装着される。前記PCB貫通方式は、SIP、DIP、QIP方式などを含む。
図6Cは、SMT方式とPCB貫通方式両方とも使われてPCB215に装着されるコネクタソケット225を示しており、実装部材232と貫通部材242とを通じて印刷回路基板215に装着される。
【0022】
そして、コネクタソケット225は、PCB215に装着される別個の部品ではないPCB215と一体に形成されうる。
【0023】
図7は、本発明による超高周波信号伝送用同軸ケーブルコネクタの雄コネクタ20に連結される同軸ケーブル30を示したものである。
図7を参照すれば、同軸ケーブル30は、信号線として使われる内部導体210、内部導体210の電磁波を遮蔽(shield)し、アルミニウム、銅などで作られる外部導体230、内部導体210と外部導体230とを絶縁させ、分離する誘電体220、外部導体230を保護する外皮(ジャケット)からなる。内部導体は、DCからマイクロ波、ミリ波まで使用可能であり、約50GHz以上の高周波信号も伝送可能である。
【0024】
図8は、本発明による超高周波信号伝送用同軸ケーブルコネクタの雄コネクタ20を構成するエレメントの一例を示したものであって、本発明による超高周波信号伝送用同軸ケーブルコネクタの雄コネクタ20は、同軸ケーブル30、遮蔽缶270、280、290を含み、アダプタ部40をさらに含みうる。同軸ケーブル30は、外皮240、外部導体230及び誘電体220が一部ストリップ(strip)されている。同軸ケーブル30の外部導体230は、遮蔽缶270、280、290と連結される。遮蔽缶270、280、290は、同軸ケーブル30を収容、保護、及び固定させ、同軸ケーブルの内部導体210から発生する電磁波を印刷回路基板と結合された時、電気的な遮蔽機能を有する。遮蔽缶270、280、290は、下部遮蔽部材270、上部遮蔽部材280、前面遮蔽部材290のそれぞれが結合されて構成されるが、下部遮蔽部材270、上部遮蔽部材280、前面遮蔽部材290のうち少なくとも2つが一体に形成された単一遮蔽部材で構成されても良い。
【0025】
アダプタ部40は、複数のアダプタからなり、アダプタ42は、同軸ケーブル30の内部導体210がPCB215に形成された回路信号線端子パッド214との連結を容易にしながら、遮蔽缶270、280、290によって遮蔽が容易になる形状からなり、導体部250と誘電体部260とからなる。導体部250の一端は、PCB215の信号線端子パッド214と接触されて連結され、他端は、同軸ケーブル30の内部導体である信号線210が収容されて連結される。アダプタ42にケーブルの信号線である内部導体が収容されて連結されれば、前記導体部250の端部が、
図4のケーブル信号線端子255になって、PCB215の信号線端子パッド214と接触されて連結される。誘電体部260は、導体部250が遮蔽缶に収容される時、導体部250と遮蔽缶270、280、290とを電気的に分離させる役割を果たす。
【0026】
遮蔽缶270、280、290の内部は、単数または複数の同軸ケーブルの内部導体210とそれぞれ対応して連結されたアダプタ42が収容される円筒状からなるアダプタ収容部272を備え、アダプタ収容部272は、アダプタ42が収容され、下部遮蔽缶270、上部遮蔽缶280及び前面遮蔽缶290が結合されれば、各アダプタは互いに分離され、遮蔽される遮蔽壁(wall)が形成される。
【0027】
図9は、
図2に示された本発明による雄コネクタのVII-VII線に沿って見た断面図であり、
図10は、
図2に示された雄コネクタのVII-VII線に沿って見た断面図である。
図9及び
図10を参照すれば、同軸ケーブル210、220、230、240とアダプタ250、260が遮蔽缶270、280、290によって収容、保護、及び遮蔽され、雄コネクタ20がPCB215に実装されたコネクタソケット225に挿入されて締結される。特に、
図10は、下部遮蔽缶270、上部遮蔽缶280及び前面遮蔽缶290が結合されれば、各アダプタは互いに分離され、遮蔽される遮蔽壁(shielding wall)275が形成されることを示している。
【0028】
図11は、本発明による超高周波信号伝送用同軸ケーブルコネクタの雄コネクタを組み立てる過程を示している。
図11を参照すれば、ストリップされていない同軸ケーブル60をストリップした後、ストリップされた同軸ケーブル30をアダプタ部40と連結し、アダプタ部40と連結された同軸ケーブル50を下部遮蔽缶270に載置して上部遮蔽缶280と前面遮蔽缶290とを結合する。
【0029】
一方、本発明によるPCBマルチコネクタは、信号線として同軸ケーブルが使われる時、信号線の電磁波の遮蔽を極大化することができる。具体的に、雄コネクタ20の遮蔽缶270、280、290は、同軸ケーブル30の外部導体230と連結される。導体からなるコネクタソケット225は、PCB215の接地端子と連結される。これにより、下部遮蔽缶270とPCB215の接地(Ground)端子が電気的に連結され、電磁波を遮蔽する機能を行う。
【0030】
雄コネクタ20がPCB215に実装されたコネクタソケット225に挿入されて締結されれば、同軸ケーブル30の外部導体230と連結された雄コネクタ20の遮蔽缶270、280、290は、PCB215の接地と連結されたコネクタソケット225と接触によって連結されることにより、PCB215の端子パッド214と直接接触する雄コネクタの信号線端子の遮蔽を極大化することができる。
【0031】
一方、コネクタソケット225は、直方体状からなりうる。本発明のコネクタソケット225は、直方体だけではなく、正六面体、半円筒、多面体など多様な形状からなり、本発明は、コネクタソケット225の形状によって制限されるものではない。
【0032】
図12A及び
図12Bは、直方体状からなるコネクタソケット225の蓋の多様な実施形態を示している。
図12Aは、コネクタソケットの上面一部が開放された上面一部開放部254を有する形状からなるコネクタソケット225を示している。この際、コネクタソケット225は、雄コネクタ20がコネクタソケット225の左側面に挿入されるとする時、前記コネクタソケットが印刷回路基板と締結される面と前記コネクタが挿入される面は、開放されている形状からなり、右側面256は、一部が開放(図示せず)されてもよい。そして、
図12Aは、SMT方式の実装部材232を図示しているが、PCB貫通方式の貫通部材(図示せず)やSMT方式とPCB貫通方式との混用で形成されうる。
【0033】
図12Bは、コネクタソケットの上面が垂直、鋭角または鈍角で開閉される蓋で形成されるコネクタソケット225を示している。
図12Bを参照すれば、雄コネクタ20がコネクタソケット225の左側面に挿入されるとする時、前記コネクタソケットの上面262は、垂直、鋭角または鈍角で開閉可能な蓋262で形成され、前記コネクタソケットが印刷回路基板と結合される底面と前記コネクタが挿入される面は、開放されている形状からなり、右側面は、一部が開放された右側面開放部258が形成されうる。そして、
図12Bは、SMT方式の実装部材232を図示しているが、PCB貫通方式の貫通部材(図示せず)やSMT方式とPCB貫通方式との混用で形成されうる。
【0034】
図13は、雄コネクタ20がPCB215上に装着された
図6Aに示されたコネクタソケット225に挿入される時のVI-VI線に沿って見た断面図を示したものである。
図13を参照すれば、雄コネクタ20は、PCB215の上面と平行に挿入される。
図14は、雄コネクタ20がPCB215上に装着された
図12Aに示されたコネクタソケット225に挿入される時のVII-VII線に沿って見た断面図を示したものである。
図14を参照すれば、雄コネクタ20は、PCB215の上面と平行に挿入されるか、コネクタソケット225の上面の一部254が開放されているので、雄コネクタ20-1がPCB215の上面と鋭角244または鈍角を成し、斜めに挿入される。
【0035】
図15A及び
図15Bは、雄コネクタ20がPCB215上に装着された
図12Bに示されたコネクタソケット225に挿入される時のVIII-VIII線に沿って見た断面図を示したものである。
図15Aは、コネクタソケット225の上面蓋262が閉状態で雄コネクタ20が
図12Bに示されたコネクタソケット225に挿入される時のVIII-VIII線に沿って見た断面図である。
図15Aを参照すれば、雄コネクタ20は、コネクタソケット225の上面蓋262が閉まっているので、PCB215の上面と平行にコネクタソケット225に挿入される。
【0036】
図15Bは、コネクタソケット225の上面蓋262が垂直、鋭角または鈍角で開状態で雄コネクタ20が
図12Bに示されたコネクタソケット225に挿入される時のVIII-VIII線に沿って見た断面図である。
図15Bを参照すれば、雄コネクタ20は、PCB215の上面と平行にコネクタソケット225に挿入され、雄コネクタ20-1がPCB215の上面と鋭角または鈍角を成し、斜めに挿入され、コネクタソケット225の上面蓋262が垂直、鋭角または鈍角で開かれているので、雄コネクタ20-2が垂直、鋭角または鈍角で下降しながら、PCB215に挿入され、雄コネクタ20-3が蓋262が閉まる方向にPCB215に挿入されてもよい。
【0037】
前述したように、雄コネクタ20の上面の形態によって雄コネクタ20は多様な方式でPCB215に装着されるが、このような装着方式は、本発明による超高周波信号伝送用小型同軸ケーブルコネクタの設置空間の制約を克服し、超高周波信号伝送用小型同軸ケーブルコネクタの形態によって締結方式を多様化しうる。
【0038】
本発明は、図面に示された実施形態を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されねばならない。
【符号の説明】
【0039】
110:雄コネクタ
112:雄コネクタハウジング
114:電気信号線
150:雌コネクタ
152:雌コネクタハウジング
154:端子(ピン)収容部材
20、20-1、20-2、20-3:雄コネクタ
210:内部導体(信号線)
214:PCB端子パッド
215:印刷回路基板(PCB)
220:誘電体
222:締結部
225:コネクタソケット
230:外部導体(遮蔽)
232:実装部材
240:外皮(ジャケット)
242:貫通部材
244:雄コネクタ挿入鋭角
250:アダプタ導体部
254:上面一部開放部
255:ケーブルの信号線端子
256:コネクタソケット右側面
258:コネクタソケット右側面開放部
260:アダプタ誘電体部
262:コネクタソケット蓋
270:下部遮蔽缶
272:アダプタ収容部
280:上部遮蔽缶
290:前面遮蔽缶
30:同軸ケーブル
40:アダプタ部
42:アダプタ
50:アダプタ連結された同軸ケーブル
60:ストリップされていない同軸ケーブル