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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】製函装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/30 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
B65B43/30 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2017157940
(22)【出願日】2017-08-18
(65)【公開番号】P2019034770
(43)【公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】横田 祐嗣
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-007108(JP,A)
【文献】特開2004-250099(JP,A)
【文献】特開2004-238040(JP,A)
【文献】特開2014-061908(JP,A)
【文献】特開2006-193185(JP,A)
【文献】米国特許第04348853(US,A)
【文献】特開平06-199319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/00-43/62
B31B 50/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
梱包箱へ加工される複数の箱シートを直立方向に延びるように保持する箱シート保持部であって、前記箱シートは、リング状に連結された4つのシート面と、前記シート面から延びる上フラップと下フラップと、を有し、前記箱シート保持部において前記箱シートは、前記上フラップが前記シート面の上端から上方に延びるとともに前記下フラップが前記シート面の下端から下方に延びるように載置される、箱シート保持部と、
前記箱シート保持部から1枚の前記箱シートを取り出す取出部と、
前記箱シートを開函する開函部と、
を備え、
前記箱シートの前記直立方向の寸法は第1寸法であり、
前記取出部は、前記箱シートを、前記第1寸法より短い第2寸法だけ直立上方向に移動させ
前記開函部は、前記取出部が前記箱シートを前記第2寸法だけ前記直立方向に移動させた状態で、開函動作を開始し、
開くときに箱シートは、残りの開かれていない箱シートに鉛直方向に関して部分的に重なっている、
製函装置。
【請求項2】
前記直立方向は鉛直方向から0°以上かつ30°以下だけ傾斜した方向である、
請求項1に記載の製函装置。
【請求項3】
前記取出部は、前記箱シートを下方から上方へ持ち上げる、
請求項1または請求項2に記載の製函装置。
【請求項4】
前記箱シート保持部は、前記箱シートの面を支持する支持部材を有し、
前記支持部材は前記箱シートにおける下辺から前記第2寸法未満の箇所を支持する、
請求項1から3のいずれか1つに記載の製函装置。
【請求項5】
前記箱シートは、フラップを有し、
前記箱シート保持部において前記箱シートは、前記フラップが上側と下側に配置されるように載置される、
請求項1から4のいずれか1つに記載の製函装置。
【請求項6】
前記取出部によって移動させられる前記箱シートの面を空気吸引によって把持する複数の吸着具、
をさらに備え、
前記複数の吸着具の少なくとも一部が移動することによって、前記箱シートが開かれる、
請求項1から5のいずれか1つに記載の製函装置。
【請求項7】
前記複数の吸着具は、
前記箱シートの第1面を把持する第1吸着具と、
前記箱シートの前記第1面とは反対の第2面を把持する第2吸着具と、
を有する、
請求項6に記載の製函装置。
【請求項8】
まだ開かれていない状態の前記箱シートを前記複数の吸着具が把持するとき、前記箱シートは鉛直方向に沿う姿勢をとる、
請求項6または請求項7に記載の製函装置。
【請求項9】
前記吸着具に把持された前記箱シートの上辺と、前記箱シート保持部に保持された前記箱シートの下辺との高低差は、前記箱シートの前記第1寸法の2倍未満である、
請求項6から8のいずれか1つに記載の製函装置。
【請求項10】
前記取出部が前記箱シートを支持し、かつ前記吸着具が前記箱シートを把持するときに、前記取出部によって前記直立方向に沿うように支持された部分と、前記吸着具によって鉛直方向に沿うように把持された部分とに挟まれた折り目において、前記箱シートは折れ曲がる、
請求項6から9のいずれか1つに記載の製函装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製函装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開平6-199319号公報)に記載される製函装置は、専用の段ボールシートを折り曲げて、梱包箱を作る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
製函装置はかさばることが多い。とりわけ、製函装置は大きな高さを占める傾向にあり、そのために輸送用コンテナに入らないものも多い。
【0004】
本発明の課題は、製函装置において高さ寸法を小さくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る製函装置は、箱シート保持部と、取出部と、を備える。箱シート保持部は、梱包箱へ加工される複数の箱シートを直立方向に延びるように保持する。取出部は、箱シート保持部から1枚の箱シートを取り出す。箱シートの直立方向の寸法は第1寸法である。取出部は、箱シートを、第1寸法より短い第2寸法だけ直立方向に移動させる。
【0006】
この構成によれば、取出部によって取り出される1枚の箱シートは、第1寸法と第2寸法の差分だけ残りの箱シートと部分的に重なっている。この状態で箱シートは開かれて、梱包箱へと加工される。したがって、箱シートは開かれるときに残りの箱シートから鉛直方向に離間しないので、製函装置の高さ寸法を小さくできる。
【0007】
本発明の第2観点に係る製函装置は、第1観点に係る製函装置において、直立方向が、鉛直方向から0°以上かつ30°以下だけ傾斜した方向である。
【0008】
この構成によれば、箱シートは鉛直方向から0°以上かつ30°以下の小さな傾斜を有するように箱シート保持部に載置される。したがって、箱シートの群は、小さな力によって支持部材から支持されるので、梱包箱に組み立てられるべき1枚の箱シートを取り出しやすい。
【0009】
本発明の第3観点に係る製函装置は、第1観点または第2観点に係る製函装置において、取出部が、箱シートを下方から上方へ持ち上げる。
【0010】
この構成によれば、取出部は持ち上げることによって1枚の箱シートのみを残りの箱シートから取り出す。したがって、取出部の構造が簡単である。
【0011】
本発明の第4観点に係る製函装置は、第1観点から第3観点のいずれか1つに係る製函装置において、箱シート保持部が、箱シートの面を支持する支持部材を有する。支持部材は箱シートにおける下辺から第2寸法未満の箇所を支持する。
【0012】
この構成によれば、箱シート保持部の支持部材は、箱シートの下辺から第2寸法未満の箇所を支持する。したがって、第2寸法を越える空間において箱シートは自由に開くことができるので、製函装置の高さ寸法を小さくできる。
【0013】
本発明の第5観点に係る製函装置は、第1観点から第4観点のいずれか1つに係る製函装置において、箱シートが、フラップを有する。箱シート保持部において箱シートは、フラップが上側と下側に配置されるように載置される。
【0014】
この構成によれば、フラップが上下に配置されるように箱シートが載置される。多くの場合、箱シートにおけるフラップ離間方向は短辺の延長方向と同じである。したがって、箱シートの短辺は上下方向に延びるので、製函装置の高さ寸法を小さくすることができる。
【0015】
本発明の第6観点に係る製函装置は、第1観点から第5観点のいずれか1つに係る製函装置において、取出部によって移動させられる箱シートの面を空気吸引によって把持する複数の吸着具、をさらに備える。複数の吸着具の少なくとも一部が移動することによって、箱シートが開かれる。
【0016】
この構成によれば、吸着具の一部が移動することによって箱シートが開かれる。したがって、箱シートは梱包箱へ加工される。
【0017】
本発明の第7観点に係る製函装置は、第6観点に係る製函装置において、複数の吸着具が、箱シートの第1面を把持する第1吸着具と、箱シートの第1面とは反対の第2面を把持する第2吸着具と、を有する。
【0018】
この構成によれば、第1吸着具と第2吸着具はそれぞれ箱シートの反対側の面を把持する。したがって、箱シートを確実に開きやすい。
【0019】
本発明の第8観点に係る製函装置は、第6観点または第7観点に係る製函装置において、まだ開かれていない状態の箱シートを複数の吸着具が把持するとき、箱シートは鉛直方向に沿う姿勢をとる。
【0020】
この構成によれば、吸着具に把持されるとき箱シートは鉛直方向に沿う姿勢をとる。したがって、組み立てられるべき梱包箱の底辺が水平になるので、梱包箱を扱いやすい。
【0021】
本発明の第9観点に係る製函装置は、第6観点から第8観点のいずれか1つに係る製函装置において、吸着具に把持された箱シートの上辺と、箱シート保持部に保持された箱シートの下辺との高低差が、箱シートの第1寸法の2倍未満である。
【0022】
この構成によれば、吸着具に把持された箱シートと、箱シート保持部に保持された箱シートは高さ方向において離間しない。したがって、製函装置の高さ寸法を小さくできる。
【0023】
本発明の第10観点に係る製函装置は、第6観点から第9観点のいずれか1つに係る製函装置において、取出部が箱シートを支持し、かつ吸着具が箱シートを把持するときに、取出部によって直立方向に沿うように支持された部分と、吸着具によって鉛直方向に沿うように把持された部分とに挟まれた折り目において、箱シートは折れ曲がる。
【0024】
この構成によれば、箱シートの姿勢変更において、箱シートの折り目が利用される。したがって、箱シートの損傷が抑制される。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る製函装置は、高さ寸法が小さい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係る製函装置90が扱う箱シートSを示す模式図である。
図2】本発明の一実施形態に係る製函装置90を模式的に示す側面図である。
図3】箱シート保持部10の概略図である。
図4】箱シート保持部10の概略図である。
図5】製函動作の一工程を示す側面図である。
図6】製函動作の一工程を示す側面図である。
図7】製函動作の一工程を示す側面図である。
図8】製函動作の一工程を示す側面図である。
図9】製函動作を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の一実施形態に係る製函装置90について図面を用いて説明する。
【0028】
(1)箱シート
図1は、製函装置90が扱う箱シートSを示す。箱シートSは段ボールからなる。箱シートは、リング状に連結された4つの壁部Wと、壁部Wより延びる上フラップFUおよび下フラップFLを有する。上フラップFUは梱包箱の蓋となる。下フラップFLは梱包箱の底となる。隣接する壁部Wの境界、壁部Wと上フラップFUの境界、および壁部Wと下フラップFLの境界には、折り目Cが形成されている。折り目Cにおいて箱シートSは折り曲がりやすい。箱シートSの上辺EUおよび下辺ELの距離は、第1寸法H1である。
【0029】
(2)構成
図2は、製函装置90を示す。製函装置90は、箱シートSを折り曲げて、上フラップFUが開いた状態の梱包箱Bを作るものである。製函装置90は、箱シート保持部10、取出部20、開函部30、下フラップ折り曲げ機構40、テープ貼付機構50を有する。
【0030】
(2-1)箱シート保持部10
箱シート保持部10は、一群の箱シートSが載置される部分である。箱シート保持部10は、支持部材11と、シート押し機構12を有する。支持部材11は、箱シートSを支持するものであり、平板状である。支持部材11は、鉛直方向に対して0°以上かつ30以下の傾斜を有する直立した方向(以下、「直立方向UR」という)に延びている。シート押し機構12は、箱シートSを適切な力で押す。支持部材11は、箱シートSの重さおよびシート押し機構の力に耐えることができる。箱シートSは、直立方向URに延びるように箱シート保持部10に保持される。
【0031】
(2-2)取出部20
取出部20は、箱シート保持部10に載置された一群の箱シートSの中から、最も支持部材11に近い1枚を取り出す。取出部20は、往復部材21と、折り曲げ補助部材22と、図示しないモータを有する。往復部材21は、直立方向URに往復することができる。往復部材21の下端には、1枚の箱シートSを持ち上げるための小さなフック部21cが設けられている。モータは、往復部材21を上昇または下降させる。折り曲げ補助部材22の機能については後述する。
【0032】
(2-3)開函部30
開函部30は、箱シートSを開く。開函部30は、第1吸着具31a、第2吸着具31b、アーム32(図9)、真空ポンプ(図示せず)を有する。第1吸着具31aおよび第2吸着具31bは、箱シートSに密着できるように、可撓性のある柔軟な素材からなる。第1吸着具31aは、シート押し機構12の側に設けられる。第2吸着具31bは、往復部材21の側に設けられる。取出部20が取り出した箱シートSに対して両側に少なくとも1つの第1吸着具31aおよび第2吸着具31bがそれぞれ設けられている。第1吸着具31aおよび第2吸着具31bは真空ポンプと連結されており、空気吸引によって箱シートSの面を把持する。アーム32は、少なくとも第2吸着具31bを移動させることによって箱シートSを開く。
【0033】
(2-4)下フラップ折り曲げ機構40
下フラップ折り曲げ機構40は、開かれた箱シートSの下フラップFLを折り曲げて、梱包箱Bの底を作る。
【0034】
(2-5)テープ貼付機構50
テープ貼付機構50は、折り曲げられた下フラップFLに粘着テープを貼付することにより、梱包箱Bを補強する。
【0035】
(3)詳細構成
図3は、一群の箱シートSを保持する箱シート保持部10を示す。箱シートSの直立方向URの寸法は第1寸法H1である。2枚の支持部材11は箱シートSの幅方向の両端部に設けられている。支持部材11の直立方向URの寸法は第3寸法H3である。第3寸法H3は第1寸法H1よりも小さい。2枚の支持部材11の間に、往復部材21が設けられている。この構造により、支持部材11と往復部材21は干渉しない。往復部材21の下端に設けられたフック部21cは、1枚の箱シートSのみを持ち上げられるサイズを有する。往復部材21は、直立方向URに延びる2本の柱材21aと、2本の柱材を接続する1本の梁材21bを有する。この構造により、往復部材21には、柱材21aと梁材21bによって囲まれ、上方に開放する空間Uが形成されている。折り曲げ補助部材22は、箱シートSの上辺EUよりも高く設けられている。
【0036】
図4は、取出部20によって1枚の箱シートSが取り出されたときの箱シート保持部10の様子を示す。折り曲げ補助部材22は、箱シートSの壁部Wと下フラップFLの境界を規定する折り目Cまたはその付近に接触する。開函部30の第1吸着具31aおよび第2吸着具31bは、箱シートSの両側から箱シートに接近する。このとき、第2吸着具31bは前述の上方に開放する空間Uにおいて箱シートSと接触する。
【0037】
(4)動作
製函装置90が箱シートSから梱包箱Bを作る工程は次の通りである。まず、図5に示すように、箱シート保持部10に載置された箱シートSのうち1枚を、取出部20の往復部材21が直立方向URに第2寸法H2だけ持ち上げる。第2寸法H2は、第1寸法H1より小さい。折り曲げ補助部材22は、持ち上げられた箱シートSにおいて、壁部Wと下フラップFLの境界を規定する折り目Cまたはその近傍に接触する。支持部材11は、直立方向URに第3寸法H3にわたり延びる。第3寸法H3は、第2寸法H2より小さい。持ち上げられた箱シートSは、直立方向URに延びる第4寸法H4にわたり、箱シート保持部10に保持された一群の箱シートSと重なる。第4寸法H4は、第1寸法H1と第2寸法H2との差分である。
【0038】
次に、図6に示すように、開函部30の第1吸着具31aおよび第2吸着具31bが箱シートSを挟みこんで把持する。第2吸着具31bは、空間Uを通り抜けて箱シートSに接触する。このとき、折り曲げ補助部材22が箱シートSの折り目Cを支持するので、箱シートSは折り目Cにて折れ曲がる。箱シートSの上側の部分は、第1吸着具31aおよび第2吸着具31bによって把持され、鉛直方向に延びる。箱シートSの下側の部分は、往復部材21と折り曲げ補助部材22に支持され、実質的に直立方向URに延びる。箱シートSの下側の部分は、箱シート保持部10に載置された残りの箱シートSの上側の部分と重なっている。第1吸着具31aおよび第2吸着具31bに把持された箱シートSの上辺EUと、箱シート保持部10に保持された一群の箱シートSの下辺ELとの高低差は、箱シートSの第1寸法H1の2倍未満である。
【0039】
次に、図7に示すように、取出部20の往復部材21が下降する。このとき、往復部材21の支持から開放された箱シートSは、全体が鉛直方向に延びる。第2吸着具31bは、上方に開放する空間Uにおいて箱シートSを把持するので、往復部材21の下降の際に往復部材21と第2吸着具31bが干渉することはない。
【0040】
次に図8に示すように、第2吸着具31bが移動することによって箱シートSが開かれる。図9は箱シートSが開かれる工程の平面図である。第1吸着具31aは、箱シートの第1面を把持する。第2吸着具31bは、第1面とは反対の第2面を把持する。第1吸着具31aは、梱包箱Bの短辺となる壁部Wを把持する。第2吸着具31bは、梱包箱Bの長辺となる壁部Wを把持する。アーム32は、第2吸着具31bを移動させることによって箱シートSを開く。
【0041】
(5)特徴
(5-1)
取出部20によって取り出される1枚の箱シートSは、第1寸法H1と第2寸法H2の差分である第4寸法H4だけ残りの箱シートSと部分的に重なっている。この状態で箱シートSは開かれて、梱包箱Bへと加工される。したがって、箱シートSは開かれるときに残りの箱シートSから鉛直方向に離間しないので、製函装置90の高さ寸法を小さくできる。
【0042】
(5-2)
箱シートSは鉛直方向から0°以上かつ30°以下の小さな傾斜を有するように箱シート保持部10に載置される。したがって、箱シートSの群は、小さな力によって支持部材11から支持されるので、梱包箱Bに組み立てられるべき1枚の箱シートSを取り出しやすい。
【0043】
(5-3)
取出部20は持ち上げることによって1枚の箱シートSのみを残りの箱シートSから取り出す。したがって、取出部の構造が簡単である。
【0044】
(5-4)
箱シート保持部10の支持部材11は、箱シートSの下辺ELから第3寸法H3にわたる箇所を支持する。第3寸法H3は、第2寸法H2未満である。したがって、第2寸法H2以上の空間において箱シートは自由に開くことができるので、製函装置の高さ寸法を小さくできる。
【0045】
(5-5)
上フラップFUおよび下フラップFLが上下に配置されるように箱シートSが載置される。多くの場合、箱シートSにおけるフラップ離間方向は短辺の延長方向と同じである。したがって、箱シートSの短辺は上下方向に延びるので、製函装置90の高さ寸法を小さくすることができる。
【0046】
(5-6)
第2吸着具31bが移動することによって箱シートSが開かれる。したがって、箱シートSは梱包箱Bへ加工される。
【0047】
(5-7)
第1吸着具31aと第2吸着具31bはそれぞれ箱シートSの反対側の面を把持する。したがって、箱シートSを確実に開きやすい。
【0048】
(5-8)
第1吸着具31aおよび第2吸着具31bに把持されるとき箱シートSは鉛直方向に沿う姿勢をとる。したがって、組み立てられるべき梱包箱Bの底辺が水平になるので、梱包箱Bを扱いやすい。
【0049】
(5-9)
第1吸着具31aおよび第2吸着具31bに把持された箱シートSと、箱シート保持部10に保持された箱シートSは高さ方向において離間しない。したがって、製函装置90の高さ寸法を小さくできる。
【0050】
(5-10)
箱シートSの姿勢変更において、箱シートの折り目Cが利用される。したがって、箱シートSの損傷が抑制される。
【0051】
(6)変形例
(6-1)
往復部材21の構造は、2つの柱材21aと1つの梁材21bからなるものに限られない。上方に開放する空間Uを持つものであれば、他の構造を採用してもよい。
【0052】
(6-2)
支持部材11の構造は、平板状に限られない。安定的に一群の箱シートSを支持できるものであれば、棒状部材または格子状部材などの他の構造を採用してもよい。
【符号の説明】
【0053】
10 :箱シート保持部
11 :支持部材
12 :シート押し機構
20 :取出部
21 :往復部材
21a :柱材
21b :梁材
21c :フック部
22 :折り曲げ補助部材
30 :開函部
31a :第1吸着具
31b :第2吸着具
32 :アーム
40 :下フラップ折り曲げ機構
50 :テープ貼付機構
90 :製函装置
B :梱包箱
C :折り目
EL :下辺
EU :上辺
FL :下フラップ
FU :上フラップ
H1 :第1寸法
H2 :第2寸法
H3 :第3寸法
H4 :第4寸法
S :箱シート
U :空間
UR :直立方向
W :壁部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0054】
【文献】特開平6-199319号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9