(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-22
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】エレベータの荷重検出装置及びエレベータ
(51)【国際特許分類】
B66B 5/14 20060101AFI20220111BHJP
【FI】
B66B5/14 A
(21)【出願番号】P 2020159676
(22)【出願日】2020-09-24
【審査請求日】2020-09-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新井 晋治
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-037552(JP,A)
【文献】国際公開第2018/105110(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/00-7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
かごロープの端部に接続され、前記本体部に対して上下方向に可動なロッド部と、
第1端部が前記本体部に対して固定され、第2端部が前記本体部に対して可動な検出ロープと、
前記ロッド部に接続され、前記検出ロープを支持するために前記検出ロープが掛けられる第1の支持部と、を備え、
前記支持部は、前記検出ロープが外れることを防止する外れ防止構造を備え、
前記支持部は、前記検出ロープが内部を通過するように、環状に形成され、
前記検出ロープは、前記支持部の内周面に掛けられ、
前記支持部は、内部を閉空間とすることによって、前記外れ防止構造を構成する、エレベータの荷重検出装置。
【請求項2】
前記検出ロープの前記第2端部の変位量を検出する検出部をさらに備える、請求項1に記載のエレベータの荷重検出装置。
【請求項3】
前記支持部の内周面は、前記検出ロープに接する接触面を備え、
前記接触面は、断面が円弧状となるように、形成され、
前記接触面の曲率は、前記検出ロープの外周面の曲率よりも、小さい、請求項
1又は2に記載のエレベータの荷重検出装置。
【請求項4】
前記第1の支持部よりも上方に配置され、前記検出ロープを支持するために前記検出ロープが掛けられる第2の支持部をさらに備え、
前記第2の支持部は、前記検出ロープが前記第1及び第2の支持部間を上下方向に沿って延びるように、配置される、請求項1~3の何れか1項に記載のエレベータの荷重検出装置。
【請求項5】
かごと、
釣合錘と、
前記かごと前記釣合錘とに接続されるかごロープと、
請求項1~4の何れか1項に記載の荷重検出装置と、を備える、エレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、エレベータの荷重検出装置及びエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、エレベータの荷重検出装置は、本体部と、かごロープの端部に接続され、本体部に対して上下方向に可動なロッド部と、第1端部が本体部に対して固定され、第2端部が本体部に対して可動な検出ロープとを備えている(例えば、特許文献1)。そして、検出ロープの第2端部の変位量に基づいて、かごの内部の荷重が検出される。
【0003】
特許文献1に係る荷重検出装置は、検出ロープを支持するために、検出ロープが巻き掛けられる複数の回転ローラを備えている。ところで、検出ロープが回転ローラから外れた場合には、かごの内部の荷重を正確に検出することができなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、検出ロープが支持部から外れることを防止しつつ、検出ロープを支持部で支持することができるエレベータの荷重検出装置及びエレベータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
エレベータの荷重検出装置は、本体部と、かごロープの端部に接続され、前記本体部に対して上下方向に可動なロッド部と、第1端部が前記本体部に対して固定され、第2端部が前記本体部に対して可動な検出ロープと、前記ロッド部に接続され、前記検出ロープを支持するために前記検出ロープが掛けられる第1の支持部と、を備え、前記支持部は、前記検出ロープが外れることを防止する外れ防止構造を備える。
【0007】
また、エレベータの荷重検出装置においては、前記支持部は、前記検出ロープが内部を通過するように、環状に形成され、前記検出ロープは、前記支持部の内周面に掛けられ、前記支持部は、内部を閉空間とすることによって、前記外れ防止構造を構成する、という構成でもよい。
【0008】
また、エレベータの荷重検出装置においては、前記支持部の内周面は、前記検出ロープに接する接触面を備え、前記接触面は、断面が円弧状となるように、形成され、前記接触面の曲率は、前記検出ロープの外周面の曲率よりも、小さい、という構成でもよい。
【0009】
また、エレベータの荷重検出装置は、前記第1の支持部よりも上方に配置され、前記検出ロープを支持するために前記検出ロープが掛けられる第2の支持部をさらに備え、前記第2の支持部は、前記検出ロープが前記第1及び第2の支持部間を上下方向に沿って延びるように、配置される、という構成でもよい。
【0010】
また、エレベータは、かごと、釣合錘と、前記かごと前記釣合錘とに接続されるかごロープと、前記の荷重検出装置と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るエレベータの概要図である。
【
図2】
図2は、同実施形態に係る荷重検出装置の全体図である。
【
図3】
図3は、同実施形態に係る荷重検出装置の要部図であって、一部が縦断面を示す図である。
【
図5】
図5は、他の実施形態に係る荷重検出装置の全体図である。
【
図6】
図6は、さらに他の実施形態に係る荷重検出装置の要部図である。
【
図7】
図7は、さらに他の実施形態に係る荷重検出装置の要部図である。
【
図8】
図8は、
図7のVIII-VIII線拡大断面図である。
【
図9】
図9は、さらに他の実施形態に係る荷重検出装置の要部図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、エレベータ及び荷重検出装置における一実施形態について、
図1~
図4を参照しながら説明する。なお、各図(
図5~
図10も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0013】
図1に示すように、エレベータ10は、ユーザが乗るためのかご11と、かご11に接続される複数(
図1においては、1つのみ図示している)のかごロープ12と、複数のかごロープ12に接続される釣合錘13とを備えている。そして、エレベータ10は、かご11の内部の荷重を検出するために荷重検出装置1を備えている。
【0014】
例えば、本実施形態のように、かごロープ12の端部12a,12bは、それぞれ昇降路X1の上部(天井)に支持され、かごロープ12は、かご11のかごシーブ11a及び釣合錘13の錘シーブ13aにそれぞれ巻き掛けられている、という構成でもよい。そして、荷重検出装置1は、例えば、本実施形態のように、昇降路X1に固定され、かごロープ12の端部12aに接続されていてもよい。
【0015】
なお、例えば、かごロープ12の第1端部12aは、かご11に支持され、かごロープ12の第2端部12bは、釣合錘13に支持されている、という構成でもよい。そして、荷重検出装置1は、例えば、かご11に固定され、かごロープ12の第1端部12aに接続されていてもよい。
【0016】
エレベータ10は、複数のかごロープ12が巻き掛けられる綱車14aを有する巻上機14と、かご11を案内するかごレール15と、釣合錘13を案内する錘レール16と、エレベータ10の各部を制御する制御部17とを備えている。巻上機14は、かごロープ12が巻き掛けられる綱車14aと、綱車14aを回転させる駆動源(図示及び採番していない)とを備えている。
【0017】
なお、本実施形態に係るエレベータ10は、巻上機14を昇降路X1の内部に配置する、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、エレベータ10は、巻上機14を、昇降路X1の上部に設けられる機械室の内部に配置する、という構成でもよい。
【0018】
エレベータ10は、かご11の走行速度を検出する調速機18を備えており、かご11は、かごレール15を挟むことによってかご11を停止させる停止装置11bと、調速機18の動作を停止装置11bへ伝達する伝達部11cとを備えている。調速機18は、かご11に接続される無端環状のガバナロープ18aを備えている。そして、かご11の速度が設定速度を超えた場合に、ガバナロープ18aの走行が停止されることによって、停止装置11bは、起動する。
【0019】
図2に示すように、荷重検出装置1は、昇降路X1に対して固定される本体部2と、かごロープ12の第1端部12aに接続され、本体部2に対して上下方向D3に可動なロッド部3とを備えている。そして、荷重検出装置1は、例えば、本実施形態のように、ロッド部3に力を加える加力部4を備えていてもよい。
【0020】
荷重検出装置1は、第1端部5aが本体部2に対して固定され且つ第2端部5bが本体部2に対して可動な検出ロープ5と、検出ロープ5を支持するために、検出ロープ5が掛けられる複数の支持部6,7とを備えている。そして、荷重検出装置1は、例えば、本実施形態のように、検出ロープ5に張力を付与する張力付与部8と、検出ロープ5の第2端部5bの変位量を検出する検出部9とを備えていてもよい。
【0021】
本体部2は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、下枠2aと、下枠2aよりも上方に配置される上枠2bと、下枠2aと上枠2bとを接続する縦枠2cとを備えていてもよい。ロッド部3は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、複数(
図2においては、四つ)備えられており、第1横方向D1に並べられている、という構成でもよい。なお、例えば、ロッド部3は、第1横方向D1だけでなく、第2横方向D2にも並べられていてもよい。
【0022】
加力部4は、特に限定されないが、例えば、本実施形のように、上下方向D3に弾性変形する弾性体4aとしてもよい。そして、ロッド部3は、例えば、本実施形態のように、本体部2の下枠2aに挿通されるように、上下方向D3へ延びるロッド本体3aと、本体部2の下枠2aとの間で弾性体4aを挟むように弾性体4aを保持する保持部3bとを備えていてもよい。
【0023】
これにより、弾性体4aが、かごロープ12の荷重に応じた量を、上下方向D3に弾性変形するため、ロッド部3は、かごロープ12の荷重に応じた距離を、上下方向D3に移動する。なお、複数の弾性体4aは、例えば、本実施形態のように、同じ構成(例えば、同じばね係数、同じ長さ)の弦巻バネとしてもよく、また、例えば、ゴムとしてもよい。
【0024】
支持部6,7は、複数の第1支持部6と、第1支持部6よりも上方に配置される複数の第2支持部7とを備えている。そして、例えば、本実施形態のように、ロッド部3は、ロッド本体3aに第1支持部6を接続する第1接続部3cを備えており、本体部2は、上枠2bに第2支持部7を接続する第2接続部2dを備えている、という構成でもよい。当該構成によれば、第1支持部6は、ロッド部3に接続され、第2支持部7は、本体部2に接続されている。
【0025】
張力付与部8は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、検出ロープ5の第2端部5bに固定される錘8aと、錘8aを上下方向D3へ案内する案内部8bとを備えていてもよい。なお、当該構成においては、張力付与部8は、例えば、検出ロープ5と各支持部6,7との間に働く摩擦力の合計よりも十分に大きい張力を、検出ロープ5に付与している。
【0026】
また、検出部9は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、検出ロープ5の第2端部5bの変位量を検出するために、錘8aとの距離を測定する距離センサ9aを備えていてもよい。そして、例えば、制御部17(
図1参照)は、検出部9の検出に基づいて、かご11の内部の荷重を演算してもよい。
【0027】
ところで、第1支持部6及び第2支持部7は、所定の位置に配置されているため、検出ロープ5は、第1支持部6及び第2支持部7間を上下方向D3に沿って延びている。即ち、検出ロープ5のうち、第1支持部6及び第2支持部7間の部分は、上下方向D3に沿って延びている。
【0028】
これにより、ロッド部3が上下方向D3に移動する第1距離S1と、検出ロープ5の第2端部5bが移動する第2距離S2との間に、相対比の誤差が生じることを抑制することができる。例えば、本実施形態においては、当該第1距離S1に対する第2距離S2の相対比は、200%であり、各ロッド部3の位置に関わらず、当該相対比は、一定となる。したがって、例えば、かご11の内部の荷重を適切に検出することができる。
【0029】
なお、支持部6,7は、例えば、本実施形態のように、本体部2に対して、上下方向D3を中心として回転不能に構成されていてもよい。当該構成によれば、例えば、検出ロープ5が捻じれることを抑制することができるため、例えば、検出ロープ5の劣化を抑制することができたり、また、例えば、検出ロープ5の捻じれによる計測誤差が生じることを防止できたりする。
【0030】
例えば、第1支持部6は、ロッド本体3aに対して、上下方向D3を中心として回転不能に固定され、ロッド本体3aは、本体部2の下枠2aに対して、上下方向D3を中心として回転不能に接続されている(例えば、ロッド本体3aが周方向で下枠2aに引っ掛かる構造、また、例えば、各ロッド本体3aに第1横方向D1に貫通する孔が設けられ、当該孔にワイヤや針金等を挿入する構造)、という構成でもよい。また、例えば、第2支持部7は、本体部2の上枠2bに対して、上下方向D3を中心として回転不能に固定されていてもよい。
【0031】
図3及び
図4に示すように、支持部6,7は、検出ロープ5が内部を通過するように、環状に形成されている。当該構成によれば、支持部6,7の内部が閉空間となるため、支持部6,7は、検出ロープ5が外れることを防止する外れ防止構造を構成している。
【0032】
これにより、検出ロープ5が支持部6,7から外れることを防止しつつ、検出ロープ5を支持部6,7で支持することができる。したがって、かご11の内部の荷重を正確に検出することができる。なお、
図3においては、第1支持部6と左側の第2支持部7は、縦断面を図示している。
【0033】
また、検出ロープ5は、支持部6,7の内周面に掛けられるため、支持部6,7の内周面は、検出ロープ5に接する接触面6a,7aを備えている。そして、接触面6a,7aの断面形状は、円弧状であり、接触面6a,7aの曲率は、検出ロープ5の外周面5cの曲率よりも、小さくなっている。
【0034】
これにより、検出ロープ5のうち、支持部6,7に掛けられる部分を、緩やかに屈曲させることができる。したがって、例えば、検出ロープ5が曲げられる際に、検出ロープ5に与える疲労を軽減することができるため、例えば、検出ロープ5が劣化することを抑制することができる。
【0035】
特に限定されないが、第1及び第2支持部6,7は、例えば、本実施形態のように、同じ構成(例えば、同じ形状、同じ材質)としてもよい。また、第1及び第2支持部6,7は、特に限定されないが、例えば、金属(例えば、鉄鋼、ステンレス鋼)で形成されていてもよい。
【0036】
また、検出ロープ5は、特に限定されないが、例えば、金属(例えば、鉄鋼、ステンレス鋼)で形成されていてもよい。なお、検出ロープ5は、例えば、支持部6,7との間に発生する摩擦力を小さくするために、外周に滑り易い材質(例えば、モリブデン、グリス等)を塗布されていてもよい。
【0037】
以上より、本実施形態に係るエレベータ10は、かご11と、釣合錘13と、前記かご11と前記釣合錘13とに接続されるかごロープ12と、前記の荷重検出装置1と、を備える。
【0038】
そして、本実施形態のように、エレベータ10の荷重検出装置1は、本体部2と、かごロープ12の端部12aに接続され、前記本体部2に対して上下方向D3に可動なロッド部3と、第1端部5aが前記本体部2に対して固定され、第2端部5bが前記本体部2に対して可動な検出ロープ5と、前記ロッド部3に接続され、前記検出ロープ5を支持するために前記検出ロープ5が掛けられる第1の支持部6と、を備え、前記支持部6は、前記検出ロープ5が外れることを防止する外れ防止構造を備える、という構成が好ましい。
【0039】
斯かる構成によれば、検出ロープ5は、支持部6に掛けられており、支持部6の外れ防止構造によって、前記検出ロープ5が支持部6から外れることを防止している。これにより、検出ロープ5が支持部6から外れることを防止しつつ、検出ロープ5を支持部6で支持することができる。
【0040】
また、本実施形態のように、エレベータ10の荷重検出装置1においては、前記支持部6は、前記検出ロープ5が内部を通過するように、環状に形成され、前記検出ロープ5は、前記支持部6の内周面に掛けられ、前記支持部6は、内部を閉空間とすることによって、前記外れ防止構造を構成する、という構成が好ましい。
【0041】
斯かる構成によれば、支持部6が環状に形成されており、検出ロープ5が支持部6の内部を通過して支持部6の内周面に掛けられている。これにより、検出ロープ5を支持部6で支持することができる。そして、支持部6が内部を閉空間とすることによって、外れ防止構造が構成されているため、検出ロープ5が支持部6から外れることを防止することができる。
【0042】
また、本実施形態のように、エレベータ10の荷重検出装置1においては、前記支持部6の内周面は、前記検出ロープ5に接する接触面6aを備え、前記接触面6aは、断面が円弧状となるように、形成され、前記接触面6aの曲率は、前記検出ロープ5の外周面5cの曲率よりも、小さい、という構成が好ましい。
【0043】
斯かる構成によれば、接触面6aの断面は、円弧状に形成されており、接触面6aの曲率は、検出ロープ5の外周面5cの曲率よりも小さくなっている。これにより、検出ロープ5のうち、支持部6に掛けられる部分を、緩やかに屈曲させることができる。
【0044】
また、本実施形態のように、エレベータ10の荷重検出装置1は、前記第1の支持部6よりも上方に配置され、前記検出ロープ5を支持するために前記検出ロープ5が掛けられる第2の支持部7をさらに備え、前記第2の支持部7は、前記検出ロープ5が前記第1及び第2の支持部6,7間を上下方向D3に沿って延びるように、配置される、という構成が好ましい。
【0045】
斯かる構成によれば、検出ロープ5が第1及び第2の支持部6,7に支持されることによって、検出ロープ5は、第1及び第2の支持部6,7間を上下方向D3に沿って延びる。これにより、ロッド部3が上下方向D3に移動する距離S1と、検出ロープ5の第2端部5bが移動する距離S2との間に、相対比の誤差が生じることを抑制することができる。
【0046】
なお、エレベータ10及び荷重検出装置1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、エレベータ10及び荷重検出装置1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0047】
(1)上記実施形態に係る荷重検出装置1においては、検出ロープ5が第1支持部6及び第2支持部7間を上下方向D3に沿って延びるように、第1及び第2支持部6,7が配置されている、という構成である。しかしながら、荷重検出装置1は、斯かる構成に限られない。
【0048】
例えば、
図5に示すように、検出ロープ5が第1支持部6及び第2支持部7間を上下方向D3に対して傾斜して延びるように、第1及び第2支持部6,7が配置されている、という構成でもよい。
図5に係る構成によれば、第2支持部7の個数を少なくすることができる。
【0049】
なお、
図5に係る構成においては、各ロッド部3の位置によっては、ロッド部3が上下方向D3に移動する距離S1と、検出ロープ5の第2端部5bが移動する距離S2との間に、相対比の誤差が生じる場合がある。これにより、例えば、制御部17は、検出部9の検出と当該誤差とに基づいて、かご11の内部の荷重を演算してもよい。
【0050】
(2)また、上記実施形態に係る荷重検出装置1においては、支持部6,7は、円環状に形成されており、また、支持部6,7は、一つの部材で構成されている、という構成である。しかしながら、荷重検出装置1は、斯かる構成に限られない。
【0051】
(2-1)支持部6,7は、例えば、多角形の環状に形成されている、という構成でもよく、また、支持部6,7は、例えば、
図6及び
図7に示すように、一部を円弧状とした環状に形成されている、という構成でもよい。
【0052】
(2-2)支持部6,7は、例えば、
図6に示すように、複数の部材で構成されている、という構成でもよい。
図6に係る支持部7は、一部が開放された環状(例えば、U字状)に形成される第1部材7bと、本体部2の上枠2bと一体形成されている第2部材7cとを備えている。そして、第1部材7bが第2部材7cに固定されることによって、支持部7は、内部を閉空間とするように、環状に形成される。
【0053】
(3)また、上記実施形態に係る荷重検出装置1においては、検出ロープ5は、支持部6,7の接触面6a,7a上をスライドする、という構成である。しかしながら、荷重検出装置1は、斯かる構成に限られない。
【0054】
例えば、支持部6,7は、
図7及び
図8に示すように、外周面に検出ロープ5が掛けられる筒状の回転部6bと、回転部6bの内部に挿入されることによって回転部6bを回転可能に支持し、内部が閉空間となるように環状に形成される環状部6cとを備える、という構成でもよい。斯かる構成によれば、検出ロープ5が支持部6に対して走行したときに、回転部6bが回転するため、検出ロープ5及び支持部6間に発生する摩擦力が大きくなることを抑制することができる。
【0055】
(4)また、上記実施形態に係る荷重検出装置1においては、支持部6,7は、内部を閉空間とするように、環状に形成されている、という構成である。しかしながら、荷重検出装置1は、斯かる構成に限られない。
【0056】
例えば、支持部6,7は、
図9及び
図10に示すように、外周面に検出ロープ5が掛けられる回転ローラ6dと、回転ローラ6dを回転可能に支持する軸部6eと、検出ロープ5を回転ローラ6dの外周面との間に配置することによって、検出ロープ5が回転ローラ6dから外れることを防止する外れ防止構造6fとを備える、という構成でもよい。なお、
図9及び
図10に係る支持部6においては、外れ防止構造6fは、回転ローラ6dとの間の隙間を検出ロープ5の外径よりも小さくなるように、配置されている。
【0057】
(5)また、上記実施形態に係る荷重検出装置1は、ロッド部3を複数備えており、第1支持部6及び第2支持部7を備えている、という構成である。しかしながら、荷重検出装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、荷重検出装置1は、ロッド部3を一つ備えており、これにより、第1支持部6のみを備え、第2支持部7を備えていない、という構成でもよい。
【0058】
(6)また、上記実施形態に係る荷重検出装置1においては、支持部6,7の接触面6a,7aの曲率は、検出ロープ5の外周面5cの曲率よりも、小さい、という構成である。しかしながら、荷重検出装置1は、斯かる構成に限られない。支持部6,7の接触面6a,7aの曲率は、例えば、検出ロープ5の外周面5cの曲率よりも、大きい、という構成でもよく、また、例えば、検出ロープ5の外周面5cの曲率と、同じ、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0059】
1…荷重検出装置、2…本体部、2a…下枠、2b…上枠、2c…縦枠、2d…第2接続部、3…ロッド部、3a…ロッド本体、3b…保持部、3c…第1接続部、4…加力部、4a…弾性体、5…検出ロープ、5a…第1端部、5b…第2端部、5c…外周面、6…第1支持部、6a…接触面、6b…回転部、6c…環状部、6d…回転ローラ、6e…軸部、6f…外れ防止構造、7…第2支持部、7a…接触面、7b…第1部材、7c…第2部材、8…張力付与部、8a…錘、8b…案内部、9…検出部、9a…距離センサ、10…エレベータ、11…かご、11a…かごシーブ、11b…停止装置、11c…伝達部、12…かごロープ、12a…第1端部、12b…第2端部、13…釣合錘、13a…錘シーブ、14…巻上機、14a…綱車、15…かごレール、16…錘レール、17…制御部、18…調速機、18a…ガバナロープ、X1…昇降路
【要約】
【課題】 検出ロープが支持部から外れることを防止しつつ、検出ロープを支持部で支持することができるエレベータの荷重検出装置を提供する。
【解決手段】 エレベータの荷重検出装置は、本体部と、かごロープの端部に接続され、本体部に対して上下方向に可動なロッド部と、第1端部が本体部に対して固定され、第2端部が本体部に対して可動な検出ロープと、ロッド部に接続され、検出ロープを支持するために検出ロープが掛けられる第1の支持部と、を備え、支持部は、検出ロープが外れることを防止する外れ防止構造を備える。
【選択図】
図2