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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】横型風力発電装置
(51)【国際特許分類】
   F03D 3/06 20060101AFI20220112BHJP
【FI】
F03D3/06 C
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019164188
(22)【出願日】2019-09-10
(65)【公開番号】P2021042689
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2020-03-05
【審判番号】
【審判請求日】2021-07-02
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504398421
【氏名又は名称】有限会社ヤマシタシステム造作
(74)【代理人】
【識別番号】100119220
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 武彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139103
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 卓志
(74)【代理人】
【識別番号】100139114
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 貞嗣
(72)【発明者】
【氏名】山下 眞人
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】田合 弘幸
【審判官】柿崎 拓
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-180308(JP,A)
【文献】特開2015-72009(JP,A)
【文献】特開2019-120231(JP,A)
【文献】登録実用新案第371756(JP,Z2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D1/00-80/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接地面に固定され回転及び停止可能なロータリーテーブルと、
ロータリーテーブル上に固定される支持手段と、
支持手段に軸受けを介して回転自在に軸支される水平軸と、
水平軸に固定され外周に複数の回転羽根の下部を挿入する溝を形成し、水平軸の両端部近傍及び中間部に配置される円盤状の回転羽根支持部材と、
断面円弧状で一定間隔毎に補強板が配置され下部が回転羽根支持部材に形成された溝に挿入され、補強板と回転羽根支持部材との間を固定ボルトで着脱可能に固定される複数の回転羽根と、
水平軸の両端部近傍及び中間部に配置される円盤状の回転羽根支持部材の水平軸近傍に固定した部材から斜め上方の複数の回転羽根間を連結する補強棒と、
水平軸の回転が伝達されるギヤボックスと、
ギヤボックスの出力が伝達される発電装置と、
発電装置で発電された電力が供給される手段と、
水平軸の両端部近傍に固定した回転羽根支持部材の外側に水平軸に固定され内部に一定量の水が充填された水密円筒部材と、
を備えることを特徴とする横型風力発電装置。
【請求項2】
回転羽根を固定した水平軸の側方に通気ダクトを設置し、通気ダクトの排気口近傍に回転羽根の排気側に連通する開口を形成して、回転羽根の排気側の排気の一部を通気ダクトの排気口に吸引することで回転羽根の回転効率を増加するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の横型風力発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高効率に風力をエネルギーに変換することが可能な横型風力発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電装置としては、大きな3枚の羽根を巨大なタワー上に回転自在に配置したダウンウィンドロータ型風力発電装置が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-181498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のダウンウィンドロータ型風力発電装置は巨大なタワーを建設する必要があり、3枚の回転羽根の回転により騒音と振動が発生するため、人家から離れた場所にしか設置できず、高所でのメンテナンス作業が困難であるという問題を有している。
【0005】
本発明は、従来技術の持つ問題を解決する、騒音発生が少なく,風の方向の変化にも対応可能でメンテナンス作業が困難であるという問題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の横型風力発電装置は、前記課題を解決するために、接地面に固定され回転及び停止可能なロータリーテーブルと、
ロータリーテーブル上に固定される支持手段と、
支持手段に軸受けを介して回転自在に軸支される水平軸と、
水平軸に固定され外周に複数の回転羽根の下部を挿入する溝を形成し、水平軸の両端部近傍及び中間部に配置される円盤状の回転羽根支持部材と、
断面円弧状で一定間隔毎に補強板が配置され下部が回転羽根支持部材に形成された溝に挿入され、補強板と回転羽根支持部材との間を固定ボルトで着脱可能に固定される複数の回転羽根と、水平軸の両端部近傍及び中間部に配置される円盤状の回転羽根支持部材の水平軸近傍に固定した部材から斜め上方の複数の回転羽根間を連結する補強棒と、水平軸の回転が伝達されるギヤボックスと、ギヤボックスの出力が伝達される発電装置と、発電装置で発電された電力が供給される手段と、水平軸の両端部近傍に固定した回転羽根支持部材の外側に水平軸に固定され内部に一定量の水が充填された水密円筒部材と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本癌発明の横型風力発電装置は、回転羽根を固定した水平軸の側方に通気ダクトを設置し、通気ダクトの排気口近傍に回転羽根の排気側に連通する開口を形成して、回転羽根の排気側の排気の一部を通気ダクトの排気口に吸引することで回転羽根の回転効率を増加するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
接地面に固定され回転及び停止可能なロータリーテーブルと、ロータリーテーブル上に固定される支持手段と、支持手段に軸受けを介して回転自在に軸支される水平軸と、水平軸に固定され外周に複数の回転羽根の下部を挿入する溝を形成し、水平軸の両端部近傍及び中間部に配置される円盤状の回転羽根支持部材と、断面円弧状で一定間隔毎に補強板が配置され下部が回転羽根支持部材に形成された溝に挿入され固定ボルトで着脱自在に固定される複数の回転羽根と、水平軸の両端部近傍及び中間部に配置される円盤状の回転羽根支持部材の水平軸近傍に固定した部材から斜め上方の複数の回転羽根間を連結する補強棒と、水平軸の回転が伝達されるギヤボックスと、ギヤボックスの出力が伝達される発電装置と、発電装置で発電された電力が供給される手段と、水平軸の両端部近傍に固定した回転羽根支持部材の外側に水平軸に固定され内部に一定量の水が充填された水密円筒部材と、を備えることで、組み立てが簡単で、海岸やビルの屋上等のあらゆる場所に設置が可能で騒音発生が少なくメンテナンスが容易で高効率の発電が可能で、風向きの変化に対応可能で、回転羽根による水平軸の回転で水密円筒部部材内の水が遠心力で移動し、その慣性力により水平回転軸に大きな回転力を加え発電効率を上昇させることが可能になる。
回転羽根を固定した水平軸の側方に通気ダクトを設置し、通気ダクトの排気口近傍に回転羽根の排気側に連通する開口を形成して、回転羽根の排気側の排気の一部を空気ダクトの排気口に吸引することで、回転羽根の回転効率を増加させ発電効率を増加することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態を示す図である。
図2】本発明の実施形態を示す図である。
図3】(a)(b)本発明の実施形態を示す図である。
図4】(a)(b)本発明の実施形態を示す図である。
図5】本発明の実施形態を示す図である。
図6】(a)(b)本発明の実施形態を示す図である。
図7】本発明の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態を図により説明する。図1は、本発明の横型風力発電装置の概略図である。
【0014】
本発明の横型風力発電装置1は、設置面2に固定されるベースプレート3を有する。接地面2が地表の場合、ベースプレート3は、杭4等の手段で固定され、接地面2がビルの屋上等のコンクリート面の場合は重量のある物体で固定する。
【0015】
ベースプレート3に垂直軸を軸として回転するロータリーテーブル5を回転及び停止可能に配置する。ロータリーテーブル5上に支持板6が固定される。支持板6に先端に軸受7を固定した支柱8が立設される。ベースプレート3、ロータリーテーブル5、支持板6、軸受7、支柱8が支持手段を構成する。ロータリーテーブル5は横型風力発電装置1を風向きの変化に対応可能にする
【0016】
支柱8の先端に固定した軸受7に水平軸9が回転自在に軸支される。水平軸9は、高強度で耐久性があり防蝕性のステンレス等の金属で形成する。水平軸9の両端部近傍と中間部に回転羽根支持部材10を固定する。図2に示されるように、回転羽根支持部材10は、円板状で外周に複数の回転羽根挿入溝10aが形成される。回転羽根支持部材10は、耐久性があり軽量で防蝕性のアルミ又はアルミ合金で形成する。
【0017】
回転羽根11は、断面が円弧状で一定間隔毎に補強板11aが配置される。回転羽根11は、軽量で高強度の樹脂等で形成される。
【0018】
図4(a)(b)に示すように、回転羽根11の円弧状部の下部を回転羽根支持部材10に形成した回転羽根挿入溝10aに挿入し、回転羽根11の補強板11aと回転羽根支持部材10間を固定ボルト12で着脱可能に固定する。
【0019】
水平軸9と回転羽根支持部材10とが接する位置に補強スリーブ13を固定する。補強スリーブ13は、水平軸9と同様に高強度で耐久性があり防蝕性のステンレス等の金属で形成する。補強スリーブ13に一端を固定した補強棒14が斜め上方の回転羽根11と連結される。補強棒14は炭素繊維で補強された樹脂で形成される、補強スリーブ13と回転羽根11を補強棒14で連結することにより回転羽根11の耐久性が向上する。図5は、複数の回転羽根11と補強スリーブ13間を補強棒14で連結した状態を示す。
【0020】
回転羽根11が風を受けて回転すると回転力が回転羽根支持部材10を介して水平軸9に伝達される。水平軸9の回転力はギヤボックス15を介して発電機16を駆動する。発電機16で発生した電力は充電器17又は送電線に送られる。
【0021】
水平軸9の両端部近傍の回転羽根支持部材の外側に水密円筒部材18を水平軸9に固定して配置する。水密円筒部材18内には一定量の水19が充填されている。一定量の水19が充填された水密円筒部材18は、水平軸9の回転初期段階ではその重量が回転の負荷になるが回転力が一定以上に達すると水密円筒部材17内の水18が遠心力により外側に押し付けられその慣性力により水平軸9の回転力を向上させ、発電効率を上昇させる。
【0022】
図7は、本発明の他の実施形態を示す。この実施形態では、回転羽根11を固定した水平軸9の側方に通気ダクト20を配置する。通気ダクト20の排気口20aの近傍に回転羽根11の回転による排気側と連通する開口20bを形成する。通気ダクト20と回転羽根11の回転による排気側を開口20bで連通することで、回転羽根11の排気側の排気の一部が開口20bを介して通気ダクトの排気口20aに吸引し、回転羽根の回転効率を増加させ発電効率を増加することが可能となる。
【0023】
以上のように本発明の横型風力発電装置によれば、組み立てが簡単で、海岸やビルの屋上等のあらゆる場所に設置が可能で騒音発生が少なくメンテナンスが容易で高効率の発電が可能な風力発電装置を提供することが可能となり、風向きの変化に対応することが可能になる。
【符号の説明】
【0024】
1:横型風力発電装置、2:接地面、3:ベースプレート、4:固定杭、5:ロータリーテーブル、6:支持板、7:支柱、8:軸受、9:水平軸、10:回転羽根支持部材、10a::回転羽根挿入溝、11:回転羽根、11a:補強板、12:固定ボルト、13:補強スリーブ、 14:補強棒、15:ギヤボックス、16:発電機、17:充電器、18:水密円筒部材、19:水、20:通気ダクト、20a:排気口、20b:開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7