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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】自動物流システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20220112BHJP
【FI】
B65G1/04 555A
B65G1/04 561
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017066073
(22)【出願日】2017-03-29
(65)【公開番号】P2018167950
(43)【公開日】2018-11-01
【審査請求日】2020-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000110011
【氏名又は名称】トーヨーカネツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】清野 智昭
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-178486(JP,A)
【文献】特開昭62-222901(JP,A)
【文献】特開2001-048323(JP,A)
【文献】特開2014-162584(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00-1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入庫された物品を保管する第1の在庫保管機構と、
前記在庫保管機構内の物品を品目毎に搬送容器に選別して投入することで個片化する仕分け機構と、
前記個片化された物品が投入された前記搬送容器を一時的に格納する搬送容器格納機構と、
出庫指示が出されると、前記搬送容器内の前記出庫指示が出された物品が投入された前記搬送容器が、前記出庫指示に基づいて、出荷容器に自動的に集約される物品自動送出機構と
を備えたことを特徴とする自動物流システム。
【請求項2】
前記搬送容器に収納された物品だけが前記出荷容器に移載されることで空となった前記搬送容器が前記仕分け機構に戻されることを特徴とする請求項1記載の自動物流システム。
【請求項3】
前記搬送容器格納機構は、碁盤目状に配列した格納棚が直列または並列に配置され並列配置された一対の格納棚間の各段に設けられた、水平に走行可能で、水平方向の物品移載機構を有する台車によって水平方向の物品移送が行われ、前記格納棚に隣接するように設けられた昇降機によって垂直方向の物品移送が行われる立体自動倉庫、或いは、碁盤目状に配列した格納棚が並列に配置された一対の格納棚間に物品移載機構を有するスタッカクレーンによって水平方向及び垂直方向の物品移送が行われる立体自動倉庫、であることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の自動物流システム。
【請求項4】
入荷した物品の入庫機構が前記在庫保管機構と接続され、
前記在庫保管機構と、前記仕分け機構と、前記搬送容器格納機構と、前記物品自動送出機構とが、それぞれ運搬機構で接続され、
前記出荷容器の出庫機構が、前記物品自動送出機構と接続されたことを特徴とする請求項に記載の物流システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流センターで物品を一時的に保管し、送付先に出荷するまでの一連の工程の自動化・省力化物流システムに関する。なお、本明細書において、物品とは、物品そのものだけでなく、物品を収納した容器や個々の物品を束ねたもの等、物流において取り扱う上での最小単位をいうものとする。
【背景技術】
【0002】
物流における合理化は、生産・販売面のそれに比較すると立ち遅れていたが、物流の量的拡大は言うまでもなく、特にインターネットの普及による個人向け宅配ビジネスの拡大に見られる必要な時に必要な物品を手にしたいという質的拡大が、産業界だけでなく一般消費者でも強くなり、急速な物流合理化、すなわち、物流革命が要求され、推進されるようになってきた。
【0003】
従来、パレット上に物品を載せた荷姿の標準化とフォークリフトによる荷役の機械化が可能なパレチゼーションや標準化された容器(コンテナ)を利用して形や大きさの異なる物品を輸送するコンテナリゼーション等に代表される、個々の物品を一つにまとめた荷姿とし、最終目的地点まで荷姿を崩すことなく輸送し、収納するユニット・ロード・システムが、物流合理化の最も効果的な手法であるとして追及されてきたが、これだけでは、近年の物流の量的及び質的拡大に対応することが困難になってきた。
【0004】
すなわち、このようなユニット・ロード・システムが物流合理化を達成するためには、物流の主要機能である、輸送、保管、荷役、包装が相互に有機的に結びつけられる必要がある。更に、物流の質的拡大を考慮すると、これらに紐付けられた情報に従って、入庫されてきた物品を正確かつ迅速に仕分けして出庫するように倉庫内を合理化することが不可欠である。
【0005】
このような観点に基づけば、近年、デジタルピッキングシステムや種々の立体自動倉庫システムが開発され、倉庫内の合理化が急速に進歩してきた。特に、コンピュータを用いて集約された膨大な物品情報等に基づいて、種々の制御システムが、物品等を整理、保管すると共に、仕分けできる立体自動倉庫が注目されている。
【0006】
例えば、特許文献1には、格子状に組まれた支柱と梁で構成された棚板のない空間に隙間なく物品収納容器が積み上げられ、最上面の梁を縦横に走行可能で、垂直方向の物品移載機能を有する台車によって、水平方向及び垂直方向の物品移送が行われる立体自動倉庫システムが開示されている。また、特許文献2には、碁盤目状に配列した格納棚が直列または並列に配置され、並列配置された一対の格納棚間の各段に設けられた、水平に走行可能で、水平方向の物品移載機能を有する台車によって水平方向の物品移送が行われ、格納棚に隣接するように設けられた昇降機によって垂直方向の物品移送が行われる立体自動倉庫システムが開示されている。
【0007】
しかし、上記いずれの立体自動倉庫システムにおいても、倉庫内への物品の保管及び移送に関する自動化・省力化は進んでいるものの、入庫及び出庫における物品の仕分けについては、十分合理化されているとは言えない。確かに、物品の自動仕分け機構として、人を介さず短時間で、品種別や宛先別等に応じた物品の仕分けを正確に行うことができる各種ソーターを挙げることができるが、基本的には搬送機構に付帯するものであるため、順送りされる物品の大量の仕分けには適しているが、仕分けできる物品の種類、数量、大きさ、及び、仕分け先の数等が制限される。また、注文から出荷までの時間制御が困難であるため、出荷状況に適応した注文に基づく仕分け指示を行うことができず、物品を仮置きするスペースが必要であり、自動化・省力化されているが、物流の質的拡大に対する合理的な機構であるとは言えない。
【0008】
また、立体自動倉庫内に物品を個別に仕分け格納する、物品の個片化という概念が認められない。従って、従来の立体自動倉庫に保管された物品から、注文に応じて出荷先毎に物品を集約するためには、数多くの人手を介して行われており、物品の個片化と集約化が完全に自動化されていない。
【0009】
このような物品の個片化という課題に対して、特許文献3では、次のような仕分けシステムが提案されている。まず、注文に従って、保管庫から順送りされる仕分けされていない大量の物品から、特定の数量の特定の物品が特定の搬送容器に個別に仕分け格納され、すなわち、搬送容器に個片化される。次いで、この個片化された物品を含む搬送容器が搬送機構により自動的に送出され、格納棚に一時的に保管される。そして、注文の指示に従ってその格納棚から出荷される。
【0010】
このシステムは、確かに、各種ソーターを用い、順送りされる大量の物品を仕分けする場合の上記問題を解決し、立体自動倉庫内に物品を個別に仕分け格納する、物品の個片化という概念が認められるが、出荷工程において、いわゆる、人を介したデジタルピッキングが行われている。従って、このシステムによっても、物品の集約化において完全な自動化がなされておらず、未だ入庫から出庫までに必要とされる各システムを統合し、入庫されてきた物品を正確かつ迅速に仕分けして出庫することができる倉庫内の合理化・自動化を十分に達成しているとは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】国際公開1998/049075号公報
【文献】特開2011-178549号公報
【文献】特表2010-531796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述した物流の量的拡大及び質的拡大に対して、物品の入庫から出庫まで自動化・省力化された物流システムを提供することを目的とする。特に、本発明は、碁盤目状に配列した格納棚が直列または並列に配置され、並列配置された一対の格納棚間の各段に設けられた、水平に走行可能で物品移載機能を有する台車によって水平方向の物品移送が行われ、格納棚に隣接するように設けられた昇降機によって垂直方向の物品移送が行われる立体自動倉庫を活用した、物品の入庫から出庫まで自動化・省力化された物流システムの構築を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、入庫された物品を保管庫に保管し、注文に応じてその保管庫から取り出された物品を品目毎に個別に搬送容器に選別して投入し、物品を個片化した後、その搬送容器を保管庫に一時的に格納し、出庫指示が出されると、出庫指示が出された物品が個片化されて格納されている搬送容器を出庫すると共に、出荷先毎に物品を集約する出荷容器が搬送され、搬送容器から出荷容器に自動的に投入されることによって、入庫から出庫までの物流が、自動化・省力化できることを見出し本発明の完成に至った。
【0014】
本発明は、在庫されている物品から立体自動倉庫内に物品を個別に仕分け格納するという物品の個片化と注文に応じた物品の集約という物流システムを自動化したものである。すなわち、本発明は、物品の在庫保管機構と、在庫保管庫機構の物品を、品目毎に搬送容器に選別して投入する仕分け機構と、搬送容器を一時的に格納する搬送容器格納機構と、搬送容器を出庫する物品自動送出機構とを備えたことを特徴とする物流システムである。ここで、搬送容器に物品を収納するのは、物品の数量及び形状に係わらず、物流システムの物流機構を統一し、自動化・省力化を容易にすることを主たる目的としている。
【0015】
更に、本発明は、上記物品自動送出機構が、搬送容器に収納された物品を出荷容器に自動的に投入可能であることを特徴とする物流システムである。このように、搬送容器に収納された物品だけを出荷容器に移載することによって、空となった搬送容器が仕分け機構に戻すことができ、搬送容器及び出荷容器を効率的に使用することができるようになる。
【0016】
物品の在庫保管機構及び品目毎に選別された物品が個片化されている搬送容器を一時的に格納する搬送容器格納機構は、碁盤目状に配列した格納棚が直列または並列に配置され、並列配置された一対の格納棚間の各段に設けられた、水平に走行可能で、水平方向の、例えば、伸縮アームのような物品移載機構を有する台車によって水平方向の物品移送が行われ、格納棚に隣接するように設けられた昇降機によって垂直方向の物品移送が行われる立体自動倉庫や、碁盤目状に配列した格納棚が並列に配置された一対の格納棚間に、例えば、伸縮アームのような物品移載機構を有するスタッカクレーンによって、水平方向及び垂直方向の物品移送が行われる立体自動倉庫が用いられるが、各種コンベヤと連結できる立体自動倉庫であれば、特に限定されるものではない。
【0017】
搬送容器に物品を個片化するための仕分け機構は、特に限定されないが、各種ソーターやロボットによる自動仕分けシステム用いて行うことができるが、手動仕分けシステムを用いても行うことができる。
【0018】
搬送容器を自動的に出庫する物品自動送出機構は、各種ソーター、コンベヤバケットを傾ける各種傾動・旋回装置、方向変換機構を有するコンベヤ、ロボット等を組合わせて構築することができる。ここで、方向変換機構を有するコンベヤとは、物品の分岐及び合流する機能を発現できる各種機構を備えた装置であり、コンベヤに昇降式及び/又は回転式のローラやベルト等の方向変換させる機能部品を備えた装置、コンベヤ自体が回転する機能部品を備えた装置、コンベヤの側面に物品等の方向変換させる機能部品を備えた装置等、搬送装置で分岐搬送可能な一般的な装置を全て含み、特に、直角に分岐可能な搬送装置が好ましく、例えば、コンベヤに昇降式ローラやベルトの方向変換機能部品を備えているものを挙げることができる。
【0019】
具体的な一実施形態としては、本発明の物品自動送出機構には、少なくとも、物品自動移載装置があればよい。しかし、次に示す目的のため、物品識別供給装置を備えていることが好ましく、更に、物品投入装置を備えていることがより更に好ましい。
【0020】
まず、本発明の物品自動送出機構に少なくとも必要な物品自動移載装置は、搬送容器に収納された物品を出荷容器に自動的に投入可能であるとするために、搬送容器を傾斜又は旋回させて物品だけを出荷容器に移載する傾動装置又は旋回装置から構成される。
【0021】
しかし、傾斜又は旋回させて物品を出荷容器に直接移載すると、物品に損傷を与えるという物流上の問題が発生する可能性が高くなるため、上述した傾動装置又は旋回装置に、物品に与える損傷を低減するためのシューター機構を付随させることが好ましい。
【0022】
次いで、本発明の物品自動送出機構には、物品が出荷容器の適正な位置に投入されず、出荷容器に収納される物品の種類や数量が制限され、出荷容器の搬送安定性が損なわれるという問題を解決するため、物品識別供給装置が備えられていることが好ましく、物品投入装置が備えられていることがより更に好ましい。
【0023】
物品識別供給装置は、物品自動移載装置の近傍に置かれる、例えば、コンベヤ等の搬送機構であって、物品の大きさや重量を検出可能なセンサーが設けられており、このセンサーの指示に従って、集荷容器の適正な位置に移載されるような、前後左右に駆動するガイド機構が設けられている。従って、搬送容器内の個別化された物品が、物品自動移載装置により物品識別供給装置に移載され、そこから直接出荷容器、或いは、物品投入装置を介して出荷容器に投入される。
【0024】
しかし、物品識別供給装置から出荷容器への物品の直接投入により、物品が損傷を受けることが考えられるため、物品投入装置を備えることがより更に好ましい。物品投入装置は、物品識別供給装置の後に配備され、物品識別供給装置から物品投入装置の適切な位置に移載された物品が、損傷を受けることなく出荷容器に移載されるように、物品が載置される底が開閉可能な昇降式バケット、リフターの昇降式アーム、及び、ロボットのようなハンドリング等を用いることができる。
【0025】
なお、物品投入装置を備えている場合、必ずしも物品識別供給装置を必要としない。物品自動移載装置から物品投入装置を介して、出荷容器に物品を投入することができる。
【0026】
このように、本発明の物流システムは、在庫保管機構と、仕分け機構と、搬送容器格納機構と、物品自動送出機構とを備えているが、物品の運搬を自動化・省力化するため、これらが、それぞれ、運搬機構で接続されており、更に、入荷した物品の入庫機構と在庫保管機構とが接続され、出荷容器の出庫機構が物品自動送出機構と接続されていることが好ましい。特に、このような入庫機構、運搬機構、及び、出庫機構は、各種コンベヤであることがより好ましい。なお、運搬機構は、フォークリフトや走行式ロボット等の既存の運搬機構を用いることもできる。
【0027】
そして、以上の各機構から構成される物流システムにおいて、物品は、次のように流れる。
【0028】
注文されうる物品は、在庫として在庫保管機構に予め保管されており、注文に応じて、在庫保管庫機構の物品を取り出し、仕分け機構に移送される。この仕分け機構では、注文された物品が、必要数量だけ、品目毎に個別に搬送容器に選別して投入される。
【0029】
次いで、この搬送容器は、搬送容器格納機構へと移送され、出庫指示が出るまで一時的に格納される。しかし、この搬送容器格納機構は、順送りされる物品の大量の仕分けに付随する問題、すなわち、仕分けできる物品の種類、数量、大きさ、及び、仕分け先の数等が制限されること、及び、注文から出荷までの時間制御が困難であるため、出荷状況に適応した注文に基づく仕分け指示を行うことができず、物品を仮置きするスペースが必要であることを解決する有効な手段である。また、出庫後の検品作業、梱包作業、及び、出荷便の状況に応じた物流の制御も可能なる。
【0030】
出庫指示が出ると、搬送容器格納機構から注文された物品が収納された搬送容器が取り出され、物品自動送出機構で注文された物品が収納された搬送容器が出庫機構に送出される。好ましい形態として、物品自動送出機構が、物品自動移載装置と、物品識別供給装置と、物品投入装置とから構成される場合、物品自動移載装置から物品識別供給装置及び物品投入装置を経て、搬送容器に収納された物品だけが出荷容器に投入され、その後、出荷容器が出庫機構に送出される。
【0031】
このような物流システムは、公知の技術を用いて、コンピュータで集約された、入荷、入庫、出荷、出庫、及び、在庫等の膨大な物品情報を集約する中央情報システムに基づいて制御され、機能する。例えば、中央情報システムには、データ管理コンピュータ及びデータ制御コンピュータ等が連動するように備えられ、データ管理コンピュータが、在庫管理部、入庫管理部、出庫管理部を備えて、これらを管理し、データ制御コンピュータは、コンベヤ制御部、入庫制御部、仕分け制御部、出庫制御部等を備え、これらの制御システムが、公知のアルゴリズムによって作成されるプログラミングによって、運搬機構、移載機構、表示機構等のラインを機能的に連動するように制御する。例えば、コンベヤ制御部は運搬機構、自動投入機構、移載機構等を、入庫制御部は入庫機構、在庫保管機構を、仕分け制御部は注文に応じた自動仕分け機構や手動仕分けにおける表示機構等を、出庫制御部は出庫機構や搬送容器格納機構を制御する。
【発明の効果】
【0032】
本発明の物流システムにより、物品の入庫、入庫された物品の保管、保管された物品の仕分け、及び、仕分けされた物品の出庫等、これらに係わる運搬・移載・保管等の全ての機能及び機構が一元管理され、自動化・省力化することができるので、物流の量的拡大及び質的拡大に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の物流システムの一実施形態に係る物品の全体的な流れを描いた概念図である。
図2】本発明の物流システムの一実施形態に係る物品自動送出機構を構成する装置及び物品の流れを示す概念図である。
図3】本発明の物流システムの一実施形態に係る在庫保管機構を示す斜視図である。
図4】本発明の物流システムの一実施形態に係る搬送容器保管機構以降の搬送容器格納機構及び物品自動送出機構を示す平面図である。
図5】本発明の物流システムの一実施形態に係る情報システムの概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明を、一実施形態を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した技術思想に基づいて実現可能な実施形態は数々あり、本発明は、この技術思想によってのみ限定されるものである。
【0035】
図1は、本発明の物流システムの一実施形態に係る物品の全体的な流れを描いた概念図である。例えば、この図が、製品販売業者から委託された物品配送センターを示すものとする。物品配送センターでは、製品販売業者の物品情報に基づいて、種々の物品を入荷し、入庫機構を介して在庫保管機構に搬送し、それらの物品が仕分けされて容器に収納された状態で在庫として保管する。顧客からの注文が入ると、在庫保管機構から、注文された物品が収納された容器を取り出して、運搬機構を介して仕分け機構に搬送される。そこで、特定の搬送容器に、特定の品目毎に特定の数量が選別されて投入される。このように注文された物品が投入された搬送容器は、運搬機構を介して搬送容器格納機構に搬送され、一時的に格納される。
【0036】
この格納された搬送容器は、出庫指示が出されると、運搬機構を介して物品自動送出機構に搬送され、図2に示したように、搬送容器に収納されている注文された物品が、物品自動移載装置から物品識別供給装置及び物品投入装置をへて、出庫するための出荷容器に自動的に投入される。そして、この出荷容器は、出庫機構を介して出荷される。図2には記載されていないが、出庫されてきた物品の検品及び梱包が行われ、顧客の下に出荷にされる。
【0037】
図3には、製品販売業者の物品情報に基づいて、種々の物品を入荷し、入庫機構を介して在庫保管機構に搬送し、それらの物品が仕分けされて容器に収納された状態で在庫として保管する在庫保管機構である立体自動倉庫が示されている。これは、碁盤目状に配列した在庫格納棚1が並列に配置され、並列配置された一対の格納棚1間の各段に設けられた、水平に走行可能で、水平方向の、例えば、伸縮アームのような物品移載機構を有する走行台車2によって水平方向の物品移送が行われ、在庫格納棚1に隣接するように設けられた物品載置搬送台4を備えた昇降機3によって垂直方向の物品移送が行われ、そして、水平方向及び垂直方向の自在な物品移送を介在する仮置き搬送台5によって走行台車2と物品載置搬送台4との物品の移載が行われるものである。
【0038】
図4(a)には、図1及び2の一実施形態を具現化することができる、搬送容器保管機構以降の物流システムの一例を示した。
【0039】
搬送容器保管機構としては、図3に示した立体自動倉庫と同じ構成で、搬送容器格納棚10に搬送容器が格納されていること以外に本質的な違いはない。この搬送容器格納棚10には、運搬機構である搬送容器運搬コンベヤ(1)9によって、注文に応じて(図示されていない)仕分け機構で仕分けされた物品を収納した搬送容器8が搬送され、仕分けされて一時的に保管される。
【0040】
出庫指示に従って、搬送容器格納棚1に保管されていた搬送容器8は、搬送容器運搬コンベヤ(2)11、分岐・合流コンベヤ12を経て、物品自動送出機構13に搬送される。
【0041】
この物品自動送出機構13は、図4(b)に示したように、物品自動移載装置13-1、物品識別供給装置13-2、及び、物品投入装置13-3から構成され、出荷容器送入コンベヤ15から供給される出荷容器14の適正な位置に、損傷を与えることなく物品が投入される。
【0042】
物品が投入された出荷容器14は、分岐・合流コンベヤ12を経て、出荷容器送出コンベヤ16から出庫される。その後、図示されていないが、検品作業及び梱包作業を経て、顧客の下に注文された物品が輸送される。
【0043】
以上のような一連の動作は、図5のように、中央情報システムの下に、データ管理コンピュータ及びデータ制御コンピュータ等が連動するように備えられる。そして、データ管理コンピュータが、在庫管理部、入庫管理部、出庫管理部を備えて、これらを管理する。一方、データ制御コンピュータは、コンベヤ制御部、入庫制御部、仕分け制御部、出庫制御部を備え、これらの制御システムが、公知のアルゴリズムによって作成されるプログラミングによって、運搬機構、移載機構、表示機構等のラインを機能的に連動するように制御する。コンベヤ制御部は運搬機構、自動投入機構、移載機構等を、入庫制御部は入庫機構、在庫保管機構を、仕分け制御部は注文に応じた自動仕分け機構や手動仕分けにおける表示機構等を、出庫制御部は出庫機構や搬送容器格納機構を制御する。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、物品の入庫、入庫された物品の保管、保管された物品の仕分け、及び、仕分けされた物品の出庫等、これらに係わる運搬・移載・保管等の全ての機能及び機構が一元管理され、自動化・省力化することができるので、あらゆる物流システムに適用できる。
【符号の説明】
【0045】
1 在庫格納棚
2 走行台車
3 昇降機
4 昇降機に備えられた物品載置搬送台
5 物品仮置き搬送台
6 入出庫コンベヤ
7 在庫
8 搬送容器
9 搬送容器運搬コンベヤ(1)
10 搬送容器格納棚
11 搬送容器運搬コンベヤ(2)
12 分岐・合流コンベヤ
13 物品自動送出機構
13-1 物品自動移載装置
13-2 物品識別供給コンベヤ
13-3 物品投入装置
14 出荷容器
15 出荷容器送入コンベヤ
16 出荷容器送出コンベヤ
図1
図2
図3
図4
図5