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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】監視方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/06 20060101AFI20220112BHJP
【FI】
B25J19/06
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2017226307
(22)【出願日】2017-11-24
(65)【公開番号】P2019093503
(43)【公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 雅也
(72)【発明者】
【氏名】岡田 拓之
(72)【発明者】
【氏名】中矢 敦史
【審査官】稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-170471(JP,A)
【文献】特開平07-282090(JP,A)
【文献】特開2013-066987(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駆動部を有し、且つ所定の工程動作を行うロボットを監視するための監視方法であって、
前記複数の駆動部のうちの少なくとも1つが監視対象として設定され、
監視対象として設定された駆動部のそれぞれに、その動作に関する少なくとも1種の監視パラメータが予め設定され、
前記所定の工程動作は時間軸上で順次なされる複数の工程部分を含み、前記複数の工程部分それぞれにおいて監視対象として設定された少なくとも1つの駆動部が動作し、
前記所定の工程動作を1回以上行い、前記複数の工程部分それぞれにおいて、動作する監視対象として設定された全ての駆動部に関し、設定されている全ての監視パラメータを検出する準備運転工程と、
前記準備運転工程において検出された全ての監視パラメータそれぞれに対して所定の負荷評価方法に基づき負荷度合いを導出し、前記負荷度合いが大きいものから順に前記検出された全ての工程部分をランク付けするランク付け工程と、
主に、前記ランク付け工程において上位にランク付けされた工程部分を、その監視パラメータが検出された前記工程部分における駆動部について監視する通常運転工程と、を備えることを特徴とする、監視方法。
【請求項2】
前記駆動部は、前記ロボットが有する少なくとも1つの関節軸それぞれに設けられるモータである、請求項1に記載の監視方法。
【請求項3】
前記通常運転工程で、前記ランク付け工程において上位にランク付けされた工程部分のみを、その監視パラメータが検出された前記工程部分における駆動部について監視する、請求項1又は2に記載の監視方法。
【請求項4】
前記監視パラメータとして前記駆動部の動作に関する位置偏差、速度偏差、加速度偏差、及び電流値のうちの少なくも1種が設定されている、請求項1乃至3のいずれかに記載の監視方法。
【請求項5】
前記監視パラメータは、各駆動部それぞれにつき複数設定されている、請求項1乃至4のいずれかに記載の監視方法。
【請求項6】
前記複数の工程部分は、それぞれ、前記所定の工程動作を前記ロボットが行う作業単位又は動作単位ごとに区切ることで構成されている、請求項1乃至5のいずれかに記載の監視方法。
【請求項7】
前記ランク付け工程の完了時にその旨を報知する、請求項1乃至6のいずれかに記載の監視方法。
【請求項8】
前記通常運転工程において監視している駆動部の負荷度合いが所定の閾値を超えた場合に警報を発する、請求項1乃至7のいずれかに記載の監視方法。
【請求項9】
前記ロボットは、前記所定の工程動作を製造現場で行う搬送用ロボットである、請求項1乃至8のいずれかに記載の監視方法。
【請求項10】
前記製造現場は半導体製造現場であり、前記ロボットは半導体ウェハを搬送するための搬送用ロボットである、請求項9に記載の監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の駆動部を有し、且つ所定の工程動作を行うロボットを監視するための監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の駆動部(例えば、複数の関節軸それぞれに設けられるモータなど)を有し、且つ所定の工程動作を行うロボットを監視するための監視方法が知られている。このような監視方法が、例えば、特許文献1に記載された異常判定装置で行われている。
【0003】
特許文献1の異常判定装置は、各検出部によって検出されたそれぞれの電流値を演算した演算値と、動作パターンごとに関連付けて予め設定された演算値の許容範囲とに基づいて、ロボット装置に異常な外力が加えられているか否かを判定する。また、各検出部によって検出されたそれぞれの電流値を合計した電流値と、取得部によって取得された動作電流の合計値の許容範囲とに基づいて、ロボット装置の動作が異常であるか否かを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-66987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1では、複数の検出部によって検出された電流値それぞれを演算して演算値を取得し、当該複数の演算値と動作パターンごとに予め設定された演算値の許容範囲とを比較などして異常の有無を判定している。したがって、特許文献1の異常判定装置は、取り扱うデータ量が大きくなってしまうという問題があった。これにより、例えば、処理速度が遅くなり、演算処理などの信頼性が低下し、また、高価な装置が必要になる等の問題が生じていた。
【0006】
そこで、本発明は、従来よりも取り扱うデータ量を少なくすることで種々の問題を解消し得るロボットを監視するための監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明に係る監視システムは、複数の駆動部を有し、且つ所定の工程動作を行うロボットを監視するための監視方法であって、前記複数の駆動部のうちの少なくとも1つが監視対象として設定され、監視対象として設定された駆動部のそれぞれに、その動作に関する少なくとも1種の監視パラメータが予め設定され、前記所定の工程動作は時間軸上で順次なされる複数の工程部分を含み、前記複数の工程部分それぞれにおいて監視対象として設定された少なくとも1つの駆動部が動作し、前記所定の工程動作を1回以上行い、前記複数の工程部分それぞれにおいて、動作する監視対象として設定された全ての駆動部に関し、設定されている全ての監視パラメータを検出する準備運転工程と、前記準備運転工程において検出された全ての監視パラメータそれぞれに対して所定の負荷評価方法に基づき負荷度合いを導出し、前記負荷度合いが大きいものから順に前記検出された全ての工程部分をランク付けするランク付け工程と、主に、前記ランク付け工程において上位にランク付けされた工程部分を、その監視パラメータが検出された前記工程部分における駆動部について監視する通常運転工程と、を備えることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、主に、ランク付け工程において上位にランク付けされた工程部分を、その監視パラメータが検出された前記工程部分における駆動部について監視する。その結果、従来よりも取り扱うデータ量を少なくすることで種々の問題を解消し得るロボットを監視するための監視方法を提供することができる。
【0009】
前記駆動部は、前記ロボットが有する少なくとも1つの関節軸それぞれに設けられるモータであってもよい。
【0010】
上記構成によれば、ロボットが有する少なくとも1つの関節軸それぞれに設けられるモータの監視を行う際に、取り扱うデータ量を少なくすることができる。
【0011】
前記通常運転工程で、前記ランク付け工程において上位にランク付けされた工程部分のみを、その監視パラメータが検出された前記工程部分における駆動部について監視してもよい。
【0012】
上記構成によれば、取り扱うデータ量を一層少なくすることが可能となる。その結果、上記本発明が奏する効果を顕著にすることが可能となる。
【0013】
例えば、前記監視パラメータとして前記駆動部の動作に関する位置偏差、速度偏差、加速度偏差、及び電流値のうちの少なくも1種が設定されてもよい。
【0014】
前記監視パラメータは、各駆動部それぞれにつき複数設定されていてもよい。
【0015】
上記構成によれば、各駆動部を複数の監視パラメータによって多面的に監視することができるため、監視の精度を向上させることができる。
【0016】
前記複数の工程部分は、それぞれ、前記所定の工程動作を前記ロボットが行う作業単位又は動作単位ごとに区切ることで構成されていてもよい。
【0017】
上記構成によれば、ロボットが行うどの作業又は動作でロボットのどの部分に掛かる負荷度合いが大きいかをランク付けすることが可能となる。
【0018】
前記ランク付け工程の完了時にその旨を報知してもよい。
【0019】
上記構成によれば、ランク付け工程の完了時にユーザーがその旨を認知することが可能となる。
【0020】
前記通常運転工程において監視している駆動部の負荷度合いが所定の閾値を超えた場合に警報を発してもよい。
【0021】
上記構成によれば、駆動部の負荷度合いが所定の閾値を超えた場合にユーザーがその旨を認知することが可能となる。
【0022】
前記ロボットは、前記所定の工程動作を製造現場で行う搬送用ロボットであってもよい。
【0023】
上記構成によれば、所定の工程動作を製造現場で行う搬送用ロボットを監視することが可能となる。
【0024】
前記製造現場は半導体製造現場であり、前記ロボットは半導体ウェハを搬送するための搬送用ロボットであってもよい。
【0025】
上記構成によれば、所定の工程動作を半導体製造現場で行う半導体ウェハを搬送するための搬送用ロボットを監視することが可能となる。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、従来よりも取り扱うデータ量を少なくすることで種々の問題を解消し得るロボットを監視するための監視方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態に係る監視方法が実行されるロボットシステムを示す概略図である。
図2】本発明の実施形態に係る監視方法のフローチャートである。
図3】本発明の実施形態に係る監視方法のランク付け工程で取得される位置偏差ランキングの一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る監視方法のランク付け工程で取得される速度偏差ランキングの一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る監視方法のランク付け工程で取得される加速度偏差ランキングの一例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る監視方法のランク付け工程で取得される電流値ランキングの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、以下では、全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。図1は、本実施形態に係る監視方法が実行されるロボットシステムを示す概略図である。
【0029】
(ロボットシステム10)
本実施形態に係る監視方法は、半導体製造現場であるクリーンルーム内で所定の工程作業を行うロボット20を監視するために、当該ロボット20を備えるロボットシステム10において実行される。
【0030】
図1に示すように、ロボットシステム10は、ロボット20と、半導体ウェハWを収容するための収容部50と、半導体ウェハWの角度合わせを行うためのプリアライナ70と、半導体ウェハWに処理を施すための処理装置90と、を備える。収容部50は、ロボット20及びプリアライナ70が配置される空間を介して処理装置90から離れて配置されている。
【0031】
(ロボット20)
本実施形態に係るロボット20は、半導体製造現場であるクリーンルーム内において半導体ウェハWを搬送するための搬送用ロボットである。また、ロボット20は、いわゆる水平多関節型の3軸ロボットであり、3つの関節軸(第1関節軸AX1、第2関節軸AX2、及び第3関節軸AX3)を備える。ロボット20は、基台22と、基台22の上面に設けられる上下方向に伸縮可能な昇降軸(図示せず)と、当該昇降軸の上端部に取り付けられるロボットアーム30と、ロボットアーム30の先端部に取り付けられるエンドエフェクタ38と、ロボットアーム30及びエンドエフェクタ38を制御するロボット制御部40と、を備える。
【0032】
基台22の上面に設けられる昇降軸は、図示しないエアシリンダなどで伸縮可能に構成されている。
【0033】
ロボットアーム30は、水平方向に延びる長尺状の部材で構成されている第1アーム32a、第2アーム32b及び手首部32cを含む。第1アーム32aは、その長手方向の一端部が図示しないモータ(駆動部)で駆動する第1関節軸AX1を介して昇降軸の上端部に取り付けられている。これにより、第1アーム32aは鉛直方向に延びる軸線回りに回動可能な状態で昇降軸に取り付けられている。第2アーム32bは、その長手方向の一端部が図示しないモータ(同前)で駆動する第2関節軸AX2を介して第1アーム32aの他端部に取り付けられている。これにより、第2アーム32bは鉛直方向に延びる軸線回りに回動可能な状態で第1アーム32aに取り付けられている。手首部32cは、その長手方向の一端部が図示しないモータ(同前)で駆動する第3関節軸AX3を介して第2アーム32bの他端部に取り付けられている。これにより、手首部32cは鉛直方向に延びる軸線回りに回動可能な状態で第2アーム32bに取り付けられている。
【0034】
エンドエフェクタ38は、その先端側が2股に分かれており、平面視においてY字状に構成されている。エンドエフェクタ38の基端部は、手首部32cの先端側に固定されている。
【0035】
ロボット制御部40の具体的な構成は特に限定されないが、例えば、公知のプロセッサ(CPU等)が記憶部(メモリ)に格納されるプログラムに従って動作することにより実現される構成であってもよい。なお、本実施形態に係る監視方法は、当該ロボット制御部40がロボット20を制御することでロボットシステム10において実行される。
【0036】
(収容部50)
収容部50は、互いに隣接して配置された第1収容部52、第2収容部54、第3収容部56及び第4収容部58から構成され、第1収容部52、第2収容部54、第3収容部56及び第4収容部58それぞれに予め半導体ウェハWが収容されてある。第1収容部52、第2収容部54、第3収容部56及び第4収容部58は、それぞれ、その前面全域に開口が形成された中空の直方体形状であり、当該開口からそれぞれの内部にエンドエフェクタ38が挿入される。第1収容部52、第2収容部54、第3収容部56及び第4収容部58は、それぞれ、複数枚の半導体ウェハWを所定の間隔を空けて上下方向に積層した状態で収容することが可能である。
【0037】
(プリアライナ70)
プリアライナ70は、プリアライナ本体72と、半導体ウェハWが載置されるターンテーブル74と、ターンテーブル74を回転させるための図示しない駆動源と、当該駆動源により回転している状態の半導体ウェハWの外縁部分を検出する光学センサ76と、光学センサ76で検出した情報などを処理する図示しない処理部と、を備える。プリアライナ70は、上記構成により、半導体ウェハWの外周に形成された切欠(notch)又は直線部(orientation flat)の周方向における位置を合わせることで、半導体ウェハWの角度合わせを行う。
【0038】
(処理装置90)
処理装置90は、プリアライナ70で角度合わせされた半導体ウェハWを受け入れ、当該半導体ウェハWに処理を施す。処理装置90は、処理を施すための処理室91を有し、処理室91を形成する外壁には、未処理の半導体ウェハWを処理室91に挿入するための挿入口92と、処理室91で処理を施された半導体ウェハWを取り出すための取出口94と、が穿設される。
【0039】
(所定の工程動作)
ここで、上記したロボットシステム10でロボット20が行う所定の工程動作について詳細に説明する。当該所定の工程動作は、時間軸上で順次なされる複数の工程部分を含む。本実施形態では、当該複数の工程部分が、それぞれ、所定の工程動作をロボット20が行う動作単位ごとに区切ることで構成されている。
【0040】
例えば、本実施形態に係る所定の工程動作は、ロボット20を所定のホーム姿勢としたときを初期状態として、次の1~44番目の工程部分を含む。
【0041】
初期状態から第1収容部52に収容された半導体ウェハW1を保持可能な姿勢とするまでの1番目の工程部分と、当該1番目の工程部分を行った後から第1収容部52に収容された半導体ウェハW1を保持するまでの2番目の工程部分と、を備える。
【0042】
また、所定の工程動作は、当該2番目の工程部分を行った後から半導体ウェハW1を搬送してプリアライナ70のターンテーブル74に当該半導体ウェハW1を載置可能な姿勢とするまでの3番目の工程部分と、当該3番目の工程部分を行った後からターンテーブル74に半導体ウェハW1を載置するまでの4番目の工程部分と、当該4番目の工程部分を行った後からターンテーブル74に載置された角度合わせ済みの半導体ウェハW1を再び保持するまでの5番目の工程部分と、をさらに備える。
【0043】
そして、所定の工程動作は、当該5番目の工程部分を行った後から半導体ウェハW1を搬送して挿入口92を通って処理室91内で当該半導体ウェハW1を載置可能な姿勢とするまでの6番目の工程部分と、当該6番目の工程部分を行った後から処理室91内に半導体ウェハW1を載置するまでの7番目の工程部分と、当該7番目の工程部分を行った後から処理室91内で処理を施された半導体ウェハW1を取出口94を通って保持可能な姿勢とするまでの8番目の工程部分と、当該8番目の工程部分を行った後から処理室91内に載置された処理済みの半導体ウェハW1を再び保持するまでの9番目の工程部分と、をさらに備える。
【0044】
また、所定の工程動作は、当該9番目の工程部分を行った後から処理済みの半導体ウェハW1を搬送して第1収容部52に当該半導体ウェハW1を載置可能な姿勢とするまでの10番目の工程部分と、当該10番目の工程部分を行った後から当該半導体ウェハW1を第1収容部52に載置して再び収容するまでの11番目の工程部分と、をさらに備える。
【0045】
そして、所定の工程動作は、当該11番目の工程部分を行った後から第2収容部54に収容された半導体ウェハW2を保持可能な姿勢とするまでの12番目の工程部分と、当該12番目の工程部分を行った後から上記2~11番目の工程部分と同様の動作を第2収容部54に収容された半導体ウェハW2に対して行う13~22番目の工程部分と、当該22番目の工程部分を行った後から上記12~22番目の工程部分と同様の動作を第3収容部56に収容された半導体ウェハW3、及び第4収容部58に収容された半導体ウェハW4に対して順次行う23~44番目の工程部分と、をさらに備える。
【0046】
(監視パラメータ)
第1~第3関節軸AX1~AX3それぞれに設けられるモータ(複数の駆動部)のうちの少なくとも1つが監視対象として設定され、監視対象として設定されたモータのそれぞれに、その動作に関する少なくとも1種の監視パラメータが予め設定される。本実施形態では、監視パラメータとして、モータの動作に関する位置偏差、速度偏差、加速度偏差、及び電流値が設定されている。そして、上記した1~44番目の工程部分(複数の工程部分)それぞれにおいて監視対象として設定された少なくとも1つのモータが動作する。
【0047】
(監視方法)
上記したロボットシステム10において実行される本実施形態に係る監視方法の一例について説明する。図2は、本実施形態に係る監視方法のフローチャートである。
【0048】
図2に示すように、本実施形態に係る監視方法は、準備運転工程S1と、当該準備運転工程S1を行った後で行われるランク付け工程S2と、当該ランク付け工程S2を行った後で行われる通常運転工程S3と、を備える。
【0049】
(準備運転工程S1)
準備運転工程S1では、上記所定の工程動作を1回以上行い、上記1~44番目の工程部分それぞれにおいて、動作する監視対象として設定された全てのモータに関し、設定されている全ての監視パラメータ(本実施形態では、モータの動作に関する位置偏差、速度偏差、加速度偏差、及び電流値)を検出する。
【0050】
例えば、1番目の工程部分において第1関節軸AX1、及び第2関節軸AX2における各モータが動作し、第3関節軸AX3におけるモータが動作しない場合、第1関節軸AX1、及び第2関節軸AX2におけるモータに関し、設定されている全ての監視パラメータを検出する。
【0051】
当該検出は、モータがサーボモータとして構成されることでモータ自らによって行われてもよいし、モータとは別個に位置センサ、速度センサ、加速度センサ及び電流計などを設けることでそれによって行われてもよい。なお、動作しない第3関節軸AX3に関し、設定されている監視パラメータは検出しなくてもよい。
【0052】
なお、ここでは全てのモータ(第1関節軸AX1、第2関節軸AX2及び第3関節軸AX3)が監視対象である場合を説明しているが、例えば明らかに負荷度合いが小さい関節軸が存在する場合、その関節軸におけるモータを監視対象から除外してもよい。
【0053】
なお、所定の工程を1回以上行うとき、例えば、1回のみ行うことで準備運転工程S1を短い時間で完了させてもよいし、2回以上を行って検出された監視パラメータを平均化することで精度を向上させてもよい。また、所定の工程を1回以上行うとき、例えば、1日若しくは1カ月などの期間で規定して行ってもよい。
【0054】
(ランク付け工程S2)
ランク付け工程S2では、上記準備運転工程S1において検出された全ての監視パラメータそれぞれに対して所定の負荷評価方法に基づき負荷度合いを導出し、当該負荷度合いが大きいものから順に検出された全ての工程部分をランク付けする。ここでいう負荷評価方法は、例えば、検出された位置偏差、速度偏差、及び加速度偏差それぞれが予め定められた許容限度に対してどの程度の割合まで達したか、又は電流値について予め定められた基準値超過の許容限度に対してどの程度まで達したかなどを算出して負荷度合いを導出するものであってもよい(例えば、許容限度100%に対して90%まで達したなど)。なお、負荷度合いが大きい場合、通常、モータに流れる電流値が大きくなるため、上記負荷評価方法などによって負荷度合いを導出することが可能となる。
【0055】
図3~6は、本発明の実施形態に係る監視方法のランク付け工程で取得されるランク付け結果の一例を示す図である。図3~6に示すように、本実施形態では監視パラメータ(位置偏差、速度偏差、加速度偏差及び電流値)それぞれで関節軸におけるモータ(AX1、AX2及びAX3)ごとにランク付けが行われる。なお、図3~6では、それぞれ、3位までランク付けされているが、この場合に限定されず、メモリ容量に応じて2位までランク付けされてもよいし、又は4位以上までランク付けされてもよい。
【0056】
図3は、本発明の実施形態に係る監視方法のランク付け工程で取得される位置偏差ランキングの一例を示す図である。ここで、位置偏差ランキングとは、準備運転工程S1において検出された全ての位置偏差に対して上記所定の負荷評価方法に基づき負荷度合いを導出し、当該負荷度合いが大きいものから順にランク付けした結果である。
【0057】
図3に示すように、本実施形態の位置偏差ランキングでは、第1関節軸AX1のモータにおいて、80%の負荷度合いであった10番目の工程部分が1位にランク付けされ、75%の負荷度合いであった25番目の工程部分が2位にランク付けされ、71%の負荷度合いであった42番目の工程部分が3位にランク付けされている。また、第2関節軸AX2のモータにおいて、90%の負荷度合いであった3番目の工程部分が1位にランク付けされ、85%の負荷度合いであった12番目の工程部分が2位にランク付けされ、82%の負荷度合いであった10番目の工程部分が3位にランク付けされている。さらに、第3関節軸AX3のモータにおいて、77%の負荷度合いであった5番目の工程部分が1位にランク付けされ、63%の負荷度合いであった2番目の工程部分が2位にランク付けされ、60%の負荷度合いであった38番目の工程部分が3位にランク付けされている。
【0058】
図4は、本発明の実施形態に係る監視方法のランク付け工程で取得される速度偏差ランキングの一例を示す図である。なお、速度偏差ランキングの意味するところは、準備運転工程S1において検出された全ての速度偏差に対して行われることを除いて、上記位置偏差ランキングと同様であるため、ここではその説明を繰り返さない。
【0059】
図4に示すように、本実施形態の速度偏差ランキングでは、第1関節軸AX1のモータにおいて、75%の負荷度合いであった41番目の工程部分が1位にランク付けされ、74%の負荷度合いであった4番目の工程部分が2位にランク付けされ、73%の負荷度合いであった26番目の工程部分が3位にランク付けされている。また、第2関節軸AX2のモータにおいて、68%の負荷度合いであった22番目の工程部分が1位にランク付けされ、63%の負荷度合いであった2番目の工程部分が2位にランク付けされ、59%の負荷度合いであった41番目の工程部分が3位にランク付けされている。さらに、第3関節軸AX3のモータにおいて、78%の負荷度合いであった8番目の工程部分が1位にランク付けされ、72%の負荷度合いであった18番目の工程部分が2位にランク付けされ、68%の負荷度合いであった38番目の工程部分が3位にランク付けされている。
【0060】
図5は、本発明の実施形態に係る監視方法のランク付け工程で取得される加速度偏差ランキングの一例を示す図である。なお、加速度偏差ランキングの意味するところは、準備運転工程S1において検出された全ての加速度偏差に対して行われることを除いて、上記した位置偏差及び速度偏差ランキングと同様であるため、ここではその説明を繰り返さない。
【0061】
図5に示すように、本実施形態の速度偏差ランキングでは、第1関節軸AX1のモータにおいて、97%の負荷度合いであった7番目の工程部分が1位にランク付けされ、95%の負荷度合いであった11番目の工程部分が2位にランク付けされ、88%の負荷度合いであった32番目の工程部分が3位にランク付けされている。また、第2関節軸AX2のモータにおいて、91%の負荷度合いであった20番目の工程部分が1位にランク付けされ、88%の負荷度合いであった22番目の工程部分が2位にランク付けされ、79%の負荷度合いであった13番目の工程部分が3位にランク付けされている。さらに、第3関節軸AX3のモータにおいて、90%の負荷度合いであった21番目の工程部分が1位にランク付けされ、89%の負荷度合いであった17番目の工程部分が2位にランク付けされ、84%の負荷度合いであった5番目の工程部分が3位にランク付けされている。
【0062】
図6は、本発明の実施形態に係る監視方法のランク付け工程で取得される電流値ランキングの一例を示す図である。なお、電流値ランキングの意味するところは、準備運転工程S1において検出された全ての電流値に対して行われることを除いて、上記した位置偏差、速度偏差、及び加速度偏差ランキングと同様であるため、ここではその説明を繰り返さない。
【0063】
図6に示すように、本実施形態の電流値ランキングでは、第1関節軸AX1のモータにおいて、97%の負荷度合いであった7番目の工程部分が1位にランク付けされ、95%の負荷度合いであった11番目の工程部分が2位にランク付けされ、89%の負荷度合いであった29番目の工程部分が3位にランク付けされている。また、第2関節軸AX2のモータにおいて、91%の負荷度合いであった20番目の工程部分が1位にランク付けされ、81%の負荷度合いであった22番目の工程部分が2位にランク付けされ、79%の負荷度合いであった30番目の工程部分が3位にランク付けされている。さらに、第3関節軸AX3のモータにおいて、90%の負荷度合いであった21番目の工程部分が1位にランク付けされ、79%の負荷度合いであった17番目の工程部分が2位にランク付けされ、77%の負荷度合いであった43番目の工程部分が3位にランク付けされている。
【0064】
なお、ランク付け工程S2の完了時にその旨を報知してもよい。当該報知の態様は特に限定されず、例えば、ディスプレイで文字又は画像出力されてもよいし、スピーカで音声出力されてもよいし、或いはLED等の光源から光出力されてもよい。
【0065】
(通常運転工程S3)
通常運転工程S3では、主に、ランク付け工程S2において上位にランク付けされた工程部分を、その監視パラメータが検出された工程部分におけるモータ(駆動部)について監視する。なお、本実施形態では、通常運転工程S3で、ランク付け工程S2において上位にランク付けされた監視パラメータのみを、その監視パラメータが検出された工程部分におけるモータ(駆動部)について監視する。
【0066】
なお、本実施形態では3位までにランク付けされた工程部分を上位とするが、これに限定されず、1位にランク付けされた工程部分のみを上位としてもよいし、2位まで、3位まで、若しくは4位までにランク付けされた工程部分を上位としてもよいし、又は6位以降にランク付けされた工程部分を上位としてもよい。
【0067】
なお、通常運転工程S3において監視しているモータの負荷度合いが所定の閾値を超えた場合に警報を発してもよい。当該警報の態様は特に限定されず、上記ランク付け工程S2の完了時にその旨を報知する場合と同様に、例えば、ディスプレイで文字又は画像出力されてもよいし、スピーカで音声出力されてもよいし、或いはLED等の光源から光出力されてもよい。
【0068】
(効果)
本実施形態に係る監視方法は、主に、ランク付け工程S2において上位(ここでは図3~6それぞれに示す3位まで)にランク付けされた工程部分を、その監視パラメータが検出された工程部分におけるモータ(駆動部)について監視する。
【0069】
ここで、例えば、上記1~44番目の工程部分では、第1収容部52から第2収容部54まで半導体ウェハW1を搬送するなど、収容部50内での半導体ウェハWの搬送を行う作業は含まれていないが、このような作業を含んだ様々な作業を行うことができるようにロボット20は設計されている。すなわち、設計段階ではロボット20が具体的にどのように運用されるかまでは考慮されておらず、実際に運用されてみないと各関節軸におけるモータにどの程度の負荷度合いが掛かるのかを予測することは困難である。
【0070】
そこで、本実施形態に係る監視方法は、準備運転工程S1において所定の工程動作を1回以上行い検出された監視パラメータに基づいて関節軸(又はモータ(駆動部))に掛かる負荷度合いを把握する。そして、上記したように、主に、ランク付け工程S2において上位にランク付けされた工程部分を、その監視パラメータが検出された工程部分におけるモータについて監視する。
【0071】
すなわち、本実施形態に係る監視方法は、主に、上位にランク付けされた負荷度合いが大きい工程部分を、当該工程部分については異常発生の可能性が高いとして、その監視パラメータが検出された工程部分におけるモータについて監視を行う。一方で、上位にランク付けされず負荷度合いが小さい工程部分を、当該工程部分については異常が生じ難いとみなして、その監視パラメータが検出された工程部分におけるモータについて監視を行わない。その結果、従来よりも取り扱うデータ量を少なくすることで種々の問題を解消し得るロボットを監視するための監視方法を提供することができる。
【0072】
本実施形態では、駆動部は、ロボット20が有する第1関節軸AX1、第2関節軸AX2及び第3関節軸AX3それぞれに設けられるモータである。これにより、ロボット20が有する第1関節軸AX1、第2関節軸AX2及び第3関節軸AX3それぞれに設けられるモータの監視を行う際に、取り扱うデータ量を少なくすることができる。
【0073】
本実施形態では、通常運転工程S3で、ランク付け工程S2において上位にランク付けされた工程部分みを、その監視パラメータが検出された工程部分におけるモータ(駆動部)について監視する。これにより、取り扱うデータ量を一層少なくすることが可能となる。その結果、上記本発明が奏する効果を顕著にすることが可能となる。
【0074】
本実施形態では、監視パラメータとしてモータ(駆動部)の動作に関する位置偏差、速度偏差、加速度偏差、及び電流値が設定されている。これにより、各モータを複数の監視パラメータによって多面的に監視することができるため、監視の精度を向上させることができる。
【0075】
本実施形態では、1~44番目の工程部分(複数の工程部分)は、それぞれ、所定の工程動作をロボット20が行う動作単位ごとに区切ることで構成されている。これにより、ロボット20が行うどの動作でどの関節軸(又はモータ(駆動部))に掛かる負荷度合いが大きいかをランク付けすることが可能となる。
【0076】
本実施形態では、ランク付け工程S2の完了時にその旨を報知してもよい。これにより、ランク付け工程S2の完了時にユーザーがその旨を認知することが可能となる。したがって、例えば、通常運転工程S3を開始する前に上位にランク付けされた工程部分、その監視パラメータが検出された工程部分におけるモータに保全作業を行うなどの対応を施すことが可能となる。
【0077】
本実施形態では、通常運転工程S3において監視しているモータ(駆動部)の負荷度合いが所定の閾値を超えた場合に警報を発してもよい。これにより、モータの負荷度合いが所定の閾値を超えた場合にユーザーがその旨を認知することが可能となる。したがって、異常が生じた監視パラメータが検出された工程部分におけるモータに保全作業を行うことが可能となる。
【0078】
本実施形態では、ロボット20は、所定の工程動作を半導体製造現場で行う半導体ウェハWを搬送するための搬送用ロボットである。これにより、所定の工程動作を半導体製造現場で行う半導体ウェハを搬送するための搬送用ロボットを監視することが可能となる。
【0079】
(変形例)
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。したがって、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【0080】
上記実施形態では、1~44番目の工程部分(複数の工程部分)は、それぞれ、所定の工程動作をロボット20が行う動作単位ごとに区切ることで構成されている場合について説明したが、これに限定されない。すなわち、上記実施形態では、所定の工程動作は、例えば、初期状態から第1収容部52に収容された半導体ウェハW1を保持可能な姿勢とするまでの1番目の工程部分と、当該1番目の工程部分の後から第1収容部52に収容された半導体ウェハW1を保持するまでの2番目の工程部分と、を含むというように動作単位で詳細に区切られる場合について説明したが、これに限定されない。
【0081】
すなわち、所定の工程動作は、例えば、初期状態から第1収容部52に収容された半導体ウェハW1をプリアライナ70まで搬送し、プリアライナ70で角度合わせされた半導体ウェハW1を挿入口92から挿入して処理室91内まで搬送し、処理済みの半導体ウェハW1を取出口94から取り出して第1収容部52まで搬送して再び収容するまでの作業単位ごとに区切ることで構成されてもよい。
【0082】
上記実施形態では、監視パラメータとしてモータ(駆動部)の動作に関する位置偏差、速度偏差、加速度偏差、及び電流値が設定されている場合について説明したが、これに限定されない。例えば、監視パラメータとしてモータに関する位置偏差、速度偏差、加速度偏差、及び電流値のうちの少なくも1種が設定されていてもよいし、他の種類の監視パラメータが設定されていてもよい。なお、監視パラメータが1種のみ設定される場合、ランク付け工程S2でランク付けを行うためにロボット20が2つ以上の関節軸を備える必要がある。
【0083】
上記実施形態では、ロボット20は、第1関節軸AX1、第2関節軸AX2、及び第3関節軸AX3の3つの関節軸を備える場合について説明したが、これに限定されない。すなわち、ロボット20は、1つ若しくは2つの関節軸を備えてもよいし、又は4つ以上の関節軸(すなわち、少なくとも1つの関節軸)を備えてもよい。そして、これら全ての関節軸それぞれに設けられるモータ(駆動部)を対象として本発明に係る監視方法が行われてもよい。なお、ロボット20が1つの関節軸のみ備える場合、ランク付け工程S2でランク付けを行うために2種以上の監視パラメータを設定する必要がある。
【0084】
上記実施形態では、監視方法がロボット制御部40において実行される場合について説明したが、これに限定されない。すなわち、監視方法は、ロボット制御部40とは別個で上位に設けられる監視用制御部に含まれてもよい。なお、ランク付け工程S2の完了時にその旨を報知する場合、及び通常運転工程S3において監視しているモータの負荷度合いが所定の閾値を超えた場合に警報を発する場合、それをロボット制御部40から出力指令を出すことで行ってもよいし、或いは上記監視用制御部から出力指令を出すことで行ってもよい。
【0085】
上記実施形態では、ロボット20は、所定の工程動作を半導体製造現場で行う搬送用ロボットである場合について説明したが、これに限定されない。すなわち、ロボット20は、所定の工程動作を例えば食品製造現場や自動車製造現場などで行う他の搬送用ロボットであってもよい。このような場合、ロボット20は、例えば、半導体ウェハWの代わりに任意の食品又は自動車の部品などを搬送してもよい。また、ロボット20は、搬送用以外で用いられる他のロボットであってもよい。このような場合、ロボット20は、例えば、溶接を行う溶接用ロボットなどであってもよい。
【0086】
上記実施形態では、駆動部が第1関節軸AX1、第2関節軸AX2及び第3関節軸AX3それぞれに設けられるモータとして構成される場合について説明したが、これに限定されない。例えば、駆動部は、エンドエフェクタ38に設けられる保持機構(吸引及び把持など)や、ロボット制御部40によって制御される周辺機器などのいわゆる外部軸におけるモータとして構成されてもよい。また、例えば、駆動部がモータではなく油圧シリンダなどとして構成されてもよい。
【符号の説明】
【0087】
10 ロボットシステム
20 ロボット
30 ロボットアーム
32a 第1アーム部
32b 第2アーム部
32c 手首部
38 エンドエフェクタ
40 ロボット制御部
50 収容部
52 第1収容部
54 第2収容部
56 第3収容部
70 プリアライナ
72 プリアライナ本体
74 ターンテーブル
76 光学センサ
90 処理装置
91 処理室
92 挿入口
94 取出口
AX 関節軸
S1 準備運転工程
S2 ランク付け工程
S3 通常運転工程
W 半導体ウェハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6