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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/91 20110101AFI20220113BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20220113BHJP
【FI】
H01R12/91
H01R12/71
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018222375
(22)【出願日】2018-11-28
(62)【分割の表示】P 2017196774の分割
【原出願日】2017-10-10
(65)【公開番号】P2019071279
(43)【公開日】2019-05-09
【審査請求日】2020-10-09
(73)【特許権者】
【識別番号】390012977
【氏名又は名称】イリソ電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩田 英生
(72)【発明者】
【氏名】大熊 誉仁
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-040206(JP,A)
【文献】特開2017-079214(JP,A)
【文献】特開2002-042975(JP,A)
【文献】特開2007-220327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00-12/91
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板に固定される固定ハウジングと、
前記固定ハウジングに対して相対移動可能に配置され、接続対象物が挿抜される孔を有する可動ハウジングと、
前記固定ハウジングと前記可動ハウジングとの間に架け渡され、前記接続対象物の挿抜方向と直交する端子配列方向に配列された複数の信号端子と、
前記固定ハウジングと前記可動ハウジングとの間に架け渡された電源端子と、を備え、
前記信号端子は、
前記回路基板に固定される第一接続部と、
前記接続対象物と電気的に接触される第一接触部と、
前記第一接続部と前記第一接触部との間に位置する第一弾性部と、を有し、
前記電源端子は、
前記回路基板に固定される第二接続部と、
前記接続対象物と電気的に接触される第二接触部と、
前記第二接続部と前記第二接触部との間に位置する第二弾性部と、を有し、
前記可動ハウジングは、
前記挿抜方向及び前記端子配列方向と直交する方向から前記孔を挟んで対向した一対の側壁部と、
前記端子配列方向から前記孔を挟んで対向し、前記一対の側壁部における前記端子配列方向の端部を繋いだ一対の連結壁部と、を有し、
前記連結壁部における前記端子配列方向の側面は、前記端子配列方向に直交しており、
前記第二接触部は、前記連結壁部における前記端子配列方向の側面に保持されており、 前記第一弾性部及び前記第二弾性部が弾性変形することで前記固定ハウジングに対する前記可動ハウジングの相対移動が許容される、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記第二接触部は、前記接続対象物と電気的に接触されて前記端子配列方向の一方側へ弾性変形し、
前記連結壁部には、前記端子配列方向へ向けて開口し、前記第二接触部の少なくとも一部を収容した収容凹部が形成されている請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記連結壁部には、前記挿抜方向及び前記端子配列方向と直交する方向の外側へ向けて開口し、前記第二弾性部の少なくとも一部を収容したばね収容凹部が形成されている請求項1又は請求項2に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関し、より具体的には、信号端子及び電源端子を有し且つ可動ハウジングが固定ハウジングに対して相対移動可能とされたコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、信号端子及び電源端子を有し、回路基板同士を導通接続する基板間コネクタが記載されている。この基板間コネクタでは、一方の回路基板に取り付けられるソケットと、他方の回路基板に取り付けられるプラグとが互いに嵌合される構成になっており、上記のソケットが、可動式のコネクタとされている。このソケットは、上記一方の回路基板に装着される共通ハウジング(固定ハウジング)と、互いに所定間隔を隔てて隣り合わせて配置された信号端子ブロック及び一対の電源端子ブロック(何れも可動ハウジング)とを備えている。信号端子ブロックは、多数の信号端子を介して共通ハウジングと連結されている。また、一対の電源端子ブロックは、それぞれ一対の電源端子を介して共通ハウジングと連結されている。信号端子及び電源端子には、弾性変形可能なばね部(弾性部)が設けられており、信号端子ブロック及び一対の電源端子ブロックが共通ハウジングに対して相対移動可能とされている。これにより、ソケットとプラグとの嵌合ズレを吸収するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-85944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年の電子機器の小型化に伴い、回路基板に取り付けられるコネクタの小型化が求められている。この点、上記の先行技術のように信号端子と電源端子とを併せ持つコネクタを用いれば、信号端子を持つコネクタと電源端子を持つコネクタとを別々に回路基板に取り付ける場合と比較して、回路基板上でのコネクタの設置スペースを省スペース化することができる。
【0005】
しかしながら、上記の先行技術では、共通ハウジング(固定ハウジング)における端子配列方向の中間部に信号端子ブロック(可動ハウジング)が配置され、共通ハウジングにおける端子配列方向の両端部にそれぞれ電源端子ブロック(別の可動ハウジング)が配置されている。その結果、共通ハウジングが端子配列方向に大型化しており、コネクタの全体構成が端子配列方向に大型化している。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、信号端子及び電源端子を有し且つ可動ハウジングが固定ハウジングに対して相対移動可能とされた構成において、全体構成を端子配列方向に小型化することができるコネクタを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明に係るコネクタは、回路基板に固定される固定ハウジングと、前記固定ハウジングに対して相対移動可能に配置され、接続対象物が挿抜される孔を有する可動ハウジングと、前記固定ハウジングと前記可動ハウジングとの間に架け渡され、前記接続対象物の挿抜方向と直交する端子配列方向に配列された複数の信号端子と、前記固定ハウジングと前記可動ハウジングとの間に架け渡された電源端子と、を備え、前記信号端子は、前記回路基板に固定される第一接続部と、前記接続対象物と電気的に接触される第一接触部と、前記第一接続部と前記第一接触部との間に位置する第一弾性部と、を有し、前記電源端子は、前記回路基板に固定される第二接続部と、前記接続対象物と電気的に接触される第二接触部と、前記第二接続部と前記第二接触部との間に位置する第二弾性部と、を有し、前記可動ハウジングは、前記挿抜方向及び前記端子配列方向と直交する方向から前記孔を挟んで対向した一対の側壁部と、前記端子配列方向から前記孔を挟んで対向し、前記一対の側壁部における前記端子配列方向の端部を繋いだ一対の連結壁部と、を有し、前記連結壁部における前記端子配列方向の側面は、前記端子配列方向に直交しており、前記第二接触部は、前記連結壁部における前記端子配列方向の側面に保持されており、前記第一弾性部及び前記第二弾性部が弾性変形することで前記固定ハウジングに対する前記可動ハウジングの相対移動が許容される。
【0008】
請求項1に記載のコネクタでは、複数の信号端子及び電源端子が固定ハウジングと可動ハウジングとの間に架け渡されており、各信号端子が有する第一弾性部と、電源端子が有す第二弾性部とが弾性変形することで、固定ハウジングに対する可動ハウジングの相対移動が許容される。このコネクタでは、複数の信号端子及び電源端子が、共通の可動ハウジングと固定ハウジングとの間に架け渡されているので、複数の可動ハウジングが端子配列方向に並んで設けられた構成と比較して、端子配列方向における可動ハウジングの配置スペースを小さくすることができる。しかも、このコネクタでは、電源端子の第二接触部が、可動ハウジングの連結壁部における端子配列方向の側面に保持されている。以上のことから、本発明のコネクタでは、全体構成を端子配列方向に小型化することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明に係るコネクタは、請求項1において、前記第二接触部は、前記接続対象物と電気的に接触されて前記端子配列方向の一方側へ弾性変形し、前記連結壁部には、前記端子配列方向へ向けて開口し、前記第二接触部の少なくとも一部を収容した収容凹部が形成されている。
【0010】
請求項2に記載のコネクタによれば、電源端子の第二接触部は、接続対象物と電気的に接触されて端子配列方向の一方側へ弾性変形するので、第二接触部が弾性変形するためのスペースを端子配列方向の他方側に確保する必要が無い。また、可動ハウジングの連結壁部には、端子配列方向へ向けて開口し、第二接触部の少なくとも一部を収容した収容凹部が形成されているため、本コネクタの全体構成を端子配列方向に小型化するに際し、第二接触部の配置スペースを確保し易くなる。
【0011】
請求項3に記載の発明に係るコネクタは、請求項1又は請求項2において、前記連結壁部には、前記挿抜方向及び前記端子配列方向と直交する方向の外側へ向けて開口し、前記第二弾性部の少なくとも一部を収容したばね収容凹部が形成されている。
【0012】
請求項3に記載のコネクタによれば、可動ハウジングの連結壁部には、挿抜方向及び端子配列方向と直交する方向の外側へ向けて開口し、第二弾性部の少なくとも一部を収容したばね収容凹部が形成されているため、本コネクタの全体構成を端子配列方向に小型化するに際し、第二弾性部の配置スペースを確保し易くなる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明に係るコネクタによれば、信号端子及び電源端子を有し且つ可動ハウジングが固定ハウジングに対して相対移動可能とされた構成において、全体構成を端子配列方向に小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係るコネクタを示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るコネクタを、固定ハウジングを透視した状態で示す図1に対応した斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る可動ハウジングの斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る固定ハウジングの斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係るコネクタの平面図である。
図6】本発明の実施形態に係るコネクタの底面図である。
図7】本発明の実施形態に係るコネクタの側面図である。
図8図5のF8-F8線に沿った切断面を示す断面図である。
図9】本発明の実施形態に係る信号端子の斜視図である。
図10】本発明の実施形態に係る電源端子の斜視図である。
図11】本発明の実施形態に係る電源端子の正面図である。
図12】本発明の実施形態に係る電源端子の側面図である。
図13】本発明の実施形態に係る電源端子の底面図である。
図14】電源端子の変形例を示す図10に対応した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図1図14を用いて、本発明の一実施形態に係るコネクタ10について説明する。なお、説明の便宜上、各図中に適宜記す矢印FRをコネクタ10の前方とし、矢印LHをコネクタ10の左方とし、矢印UPをコネクタ10の上方とする。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合、コネクタ10に対する方向を示すものとする。これらの方向は、コネクタ10の使用状態での方向とは無関係である。また、各図においては、図面を見易くする関係から、一部の符号を省略している場合がある。
【0016】
(構成)
図1図8に示されるように、本実施形態に係るコネクタ10は、所謂可動(フローティング)コネクタであり、接続対象物としての相手側コネクタ12(図1以外では図示省略)が挿抜される可動ハウジング14と、図示しない回路基板に固定される固定ハウジング30と、を備えている。固定ハウジング30は、可動ハウジング14に対して相手側コネクタ12の挿抜方向(矢印Z方向)と直交する架渡方向(矢印Y方向)の両側に配置された一対の側壁部30A、30Bを有している。
【0017】
また、このコネクタ10は、可動ハウジング14と一対の側壁部30A、30Bとの間に架渡方向Yに沿って架け渡され、挿抜方向Z及び架渡方向Yと直交する端子配列方向(矢印X方向)に配列された複数の信号端子50と、複数の信号端子50に対して端子配列方向Xの両側に配置され、可動ハウジング14と一対の側壁部30A、30Bとの間に架渡方向Yに沿って架け渡された一対の電源端子70と、を備えている。
【0018】
このコネクタ10は、基板対基板接続用コネクタのプラグ(雄型)を構成しており、レセプタクル(雌型)である相手側コネクタ12は、上記の回路基板とは別の相手側回路基板に固定される構成になっている。相手側コネクタ12には、複数の信号端子50と電気的に接続される図示しない複数の相手側信号端子と、一対の電源端子70と電気的に接続される図示しない一対の相手側電源端子とが設けられている。
【0019】
なお、コネクタ10の接続対象物は、相手側コネクタ12に限らず、バスバーや角ピンであってもよい。また、本実施形態において、上記の挿抜方向Zは、コネクタ10の上下方向と一致しており、上記の架渡方向Yは、コネクタ10の左右方向と一致しており、上記の端子配列方向Xは、コネクタ10の前後方向と一致している。以下の説明では、挿抜方向Zを「上下方向」と称し、架渡方向Yを「左右方向」と称し、端子配列方向Xを「前後方向」と称する場合がある。このコネクタ10は、前後方向及び左右方向に対称な形状に形成されている。
【0020】
(可動ハウジングについて)
図1図3図5図8に示されるように、可動ハウジング14は、上方へ向けて開口した矩形の有底孔16を有して有底の略矩形筒状(略直方体状)に形成されている。この可動ハウジング14は、左右方向に対向した左右一対の側壁部14A、14Bと、左右の側壁部14A、14Bの前後両端部を左右方向に繋いだ前後一対の連結壁部14C、14Dと、左右の側壁部14A、14Bを左右方向に繋ぐと共に前後の連結壁部14C、14Dを前後方向に繋いだ底壁部14E(図8参照)とを一体に備えている。左右の側壁部14A、14Bは、前後方向に延在しており、前後の連結壁部14C、14Dは、左右方向に延在している。底壁部14Eは、可動ハウジング14の略下半部に設けられており、上下方向に厚く形成されている。この可動ハウジング14は、例えば合成樹脂等の絶縁性材料によって製造されたものである。なお、本実施形態に係る可動ハウジング14は、前後方向を長手とする長尺状に形成されているが、可動ハウジング14における前後方向の寸法は、信号端子50の数によって適宜変更される構成になっている。
【0021】
前後の連結壁部14C、14D(可動ハウジング14の前後両端部)の下端部には、前後方向外側(端子配列方向Xの外側)へ向けて突出した前後一対の係合凸部18が形成されている。前後の係合凸部18は、直方体状に形成されている。
【0022】
左右の側壁部14A、14Bにおける有底孔16側の面には、上下方向に延びる複数の信号端子挿入溝20Aが前後方向に等間隔に並んで形成されている。これらの信号端子挿入溝20Aは、有底孔16側及び上方側へ向けて開口している。また、これらの信号端子挿入溝20Aは、底壁部14Eを上下方向に貫通した複数の信号端子挿入孔20Bに連通されている。複数の信号端子挿入孔20Bの下端部は、各側壁部14A、14Bの左右方向両側へ向けて開口した溝状の溝状部20B1とされている。これらの信号端子挿入溝20A及び信号端子挿入孔20Bは、上下方向から見て左右方向を長手とする長尺状に形成されており、信号端子挿入部20を構成している。
【0023】
前後の連結壁部14C、14Dにおける左右方向中央部には、前後方向外側へ向けて開口した収容凹部22がそれぞれ形成されている。前後の収容凹部22は、上下方向に延びており、係合凸部18の基端部に形成された矩形の貫通孔24に連通されている。この貫通孔24は、係合凸部18の基端部を上下方向に貫通している。また、各収容凹部22の下端部は、可動ハウジング14の下面に形成された左右一対の弾性部挿入溝26に連通されている。左右の弾性部挿入溝26は、左右方向に延びており、左右方向両側へ向けて開口している。また、前後の連結壁部14C、14Dの略下半部における左右方向両側には、それぞればね収容凹部28が形成されている。左右一対のばね収容凹部28は、前後方向外側及び左右方向外側へ向けて開口している。
【0024】
(固定ハウジングについて)
図1図2図4図8に示されるように、固定ハウジング30は、上下方向に貫通した矩形の貫通孔32を有して略矩形枠状に形成されている。この固定ハウジング30は、左右方向に対向した左右一対の側壁部30A、30Bと、左右の側壁部30A、30Bの前後方向両端部を左右方向に繋いだ前後一対の連結壁部30C、30Dとを一体に備えている。左右の側壁部30A、30Bは、前後方向に延在しており、前後の連結壁部30C、30Dは、左右方向に延在している。この固定ハウジング30は、例えば合成樹脂等の絶縁性材料によって製造されたものである。なお、本実施形態に係る固定ハウジング30は、前後方向を長手とする長尺状に形成されているが、固定ハウジング30における前後方向の寸法は、信号端子50の数によって適宜変更される構成になっている。
【0025】
固定ハウジング30の貫通孔32の内側には、可動ハウジング14の略下半部が挿入されており、可動ハウジング14の略上半部は、固定ハウジング30の上方側(外側)に配置されている。固定ハウジング30の貫通孔32の内周面と、可動ハウジング14の略下半部の外周面との間には、上下方向から見て略矩形環状の隙間34(図5及び図6以外では符号省略)が形成されている。
【0026】
左右の側壁部30A、30Bの前後方向中間部には、上下方向に貫通した複数の信号端子挿入孔36が前後方向に等間隔に並んで形成されている。また、左右の側壁部30A、30Bの前後方向両端部には、上下方向に貫通した電源端子挿入孔38がそれぞれ形成されている。複数の信号端子挿入孔36の下端部は、各側壁部30A、30Bの左右方向両側へ向けて開口した溝状の溝状部36Aとされている。前後の電源端子挿入孔38は、上下方向から見て前後方向を長手とする長尺状に形成されている。
【0027】
前後の連結壁部30C、30Dの左右方向中間部の下部には、上方側へ凹んだ係合凹部40がそれぞれ形成されている。前後の係合凹部40内には、可動ハウジング14に形成された前後の係合凸部18が配置されている。各係合凸部18の上面は、各係合凹部40の上面に対して接触又は近接して対向している。これらの係合凸部18及び係合凹部40は、可動ハウジング14が固定ハウジング30に対して上方側へ脱落することを防止する抜止として機能する。また、各係合凸部18の左右両側面と、各係合凹部40の左右両側面との間には、固定ハウジング30に対する可動ハウジング14の相対移動を許容するための隙間がそれぞれ形成されている。
【0028】
また、前後の連結壁部30C、30Dの下面には、下方側へ突出した位置決めボス42がそれぞれ形成されている。前側の位置決めボス42は、前側の係合凹部40に対して左側に配置されており、後側の位置決めボス42は、後側の係合凹部40に対して右側に配置されている。これらの位置決めボス42は、回路基板に形成された位置決め孔に嵌入される構成になっている。
【0029】
(信号端子について)
図1図2図5図9に示されるように、複数の信号端子50は、導電性を有する金属板が所定の形状に打ち抜ぬかれて製造されたものであり、左右一対の端子列52A、52Bを構成している。左右の端子列52A、52Bは、それぞれ複数の信号端子50が前後方向に等間隔に並べられた構成になっている。左側の端子列52Aが有する複数の信号端子50と、右側の端子列52Bが有する複数の信号端子50とは、同一の形状に形成されているが、互いに左右方向に反対向きの姿勢で配置されている。左側の端子列52Aが有する複数の信号端子50は、固定ハウジング30の左側の側壁部30Aと、可動ハウジング14との間に左右方向に沿って架け渡されており、右側の端子列52Bが有する複数の信号端子50は、固定ハウジング30の右側の側壁部30Bと、可動ハウジング14との間に左右方向に沿って架け渡されている。なお、図9には、左側の端子列52Aが有する一の信号端子50と、右側の端子列52Bが有する一の信号端子50とが図示されている。
【0030】
各信号端子50は、可動ハウジング14に保持され、相手側コネクタ12に設けられた相手側信号端子と電気的に接触されて左右方向外側へ弾性変形する第一接触部50Aと、第一接触部50Aから左右方向外側へ延出され、弾性変形可能とされた第一弾性部50Bと、第一弾性部50Bにおける第一接触部50Aとは反対側の端部から左右方向外側へ延出されて固定ハウジング30に保持され、回路基板に固定される第一接続部50Cと、を有している。
【0031】
第一接触部50Aは、前後方向を板厚方向とし且つ上下方向を長手方向とする長尺板状に形成されており、可動ハウジング14の信号端子挿入部20に対して下方側から挿入されている。この第一接触部50Aの略下半部は、可動ハウジング14の信号端子挿入孔20B内に挿入(圧入)された第一保持部50A1とされている。この第一保持部50A1には、可動ハウジング14の左右方向中央側へ突出した複数の爪部54が上下方向に並んで形成されている。これら複数の爪部54が信号端子挿入孔20Bの内周面に食い込むことで、第一保持部50A1が可動ハウジング14に保持されている。
【0032】
第一接触部50Aの略上半部は、上下方向に延びるスリット55によって左右方向に分割された左右一対の第一接点弾性部50A2、50A3とされている。これらの第一接点弾性部50A2、50A3は、可動ハウジング14の信号端子挿入溝20A内に挿入されており、左右方向に弾性変形可能とされている。左右方向外側の第一接点弾性部50A2は、左右方向中央側の第一接点弾性部50A3よりも上方側へ延びている。左右の第一接点弾性部50A2、50A3の上端部には、それぞれ可動ハウジング14の有底孔16内へ突出した第一接点部56、58が形成されている。これらの第一接点部56、58は、相手側コネクタ12に設けられた相手側信号端子と接触される。これにより、信号端子50が相手側信号端子と電気的に接続される。この電気的な接続は、第一接点部56、58のうちの一方が損傷した場合でも、第一接点部56、58のうちの他方によって確保される構成になっている。
【0033】
第一接続部50Cは、固定ハウジング30の信号端子挿入孔36に対して下方側から挿入(圧入)された第一圧入部50C1と、第一圧入部50C1の下端から左右方向外側へ延出され、信号端子挿入孔36の溝状部36A内に挿入された第一接続片50C2とを有しており、前後方向視で略L字状に形成されている。第一圧入部50C1の上部には、固定ハウジング30の左右方向中央側へ突出した爪部60が形成されている。この爪部60が信号端子挿入孔36の内周面に引っ掛かることで、第一圧入部50C1が固定ハウジング30に保持されている。第一接続片50C2は、固定ハウジング30よりも左右方向外側へ突出している。この第一接続片50C2は、ハンダ付け等の手段によって回路基板に固定(電気的に接続)される構成になっている。
【0034】
第一弾性部50Bは、信号端子50の左右方向中間部を構成しており、第一接触部50Aの下端から左右方向外側へ一体に延出されている。この第一弾性部50Bにおける第一接触部50Aとは反対側の端部からは、上記の第一接続部50Cが一体に延出されている。この第一弾性部50Bは、左右方向中間部が上方(相手側コネクタ12の抜去方向)へ凸をなして曲がった第一ばね部50B1とされている。この第一ばね部50B1は、前後方向から見て下方側が開放された逆U字状をなしている。
【0035】
(電源端子について)
図1図2図5図8図10図13に示されるように、一対の電源端子70は、導電性を有する金属板が打ち抜かれると共に、折り曲げ加工を施されて製造されたものである。一対の電源端子70は、複数の信号端子50に対して前後方向両側に配置されている。これら一対の電源端子70は、同一の形状に形成されており、互いに前後方向に反対向きの姿勢で配置されている。各電源端子70は、上下方向から見て左右方向を長手とする長尺状に形成されており、一対の側壁部30A、30B間に架け渡されている。各電源端子70の左右方向中間部は、可動ハウジング14における前後方向の端部に保持されている。また、各電源端子70は、可動ハウジング14と一対の側壁部30A、30Bとの間に位置する部位に、それぞれ弾性変形可能な第二弾性部70Bを有している。なお、本実施形態では、各電源端子70における上下方向の寸法が、各電源端子70における左右方向の寸法よりも若干短く設定されているが、これに限るものではない。各電源端子70における上下方向の寸法は、コネクタ10の仕様等に応じて適宜変更可能であり、各電源端子70が、前後方向(端子配列方向X)から見て上下方向(挿抜方向Z)を長手とする長尺状に形成された構成にしてもよい。
【0036】
各電源端子70の左右方向中間部(左右方向中央部)には、第二接触部70Aが設けられている。第二接触部70Aは、相手側コネクタ12に設けられた相手側電源端子と電気的に接触されて複数の信号端子50側へ弾性変形する。また、各電源端子70は、第二接触部70Aから左右方向両側へそれぞれ延出された前記一対の第二弾性部70Bと、左右の第二弾性部70Bにおける第二接触部70Aとは反対側の端部からそれぞれ前後方向外側へ延出された左右一対の第二接続部70Cとを有している。左右の第二接続部70Cは、固定ハウジング30に保持されると共に、回路基板に固定される構成になっている。第二接触部70Aは、本発明における「接触部」に相当し、第二接続部70Cは、本発明における「接続部」に相当する。以下、具体的に説明する。
【0037】
第二接触部70Aは、前後方向を板厚方向とし且つ上下方向を長手方向とする長尺板状に形成されている。この第二接触部70Aは、前後方向に沿った板厚寸法が、左右方向に沿った幅寸法よりも小さく設定されている。この第二接触部70Aの一部(後述する左右の第二接点部71A1、71B1を除く大部分)は、可動ハウジング14の収容凹部22内に収容されている。この第二接触部70Aの下部は、第二保持部70A1とされている。第二保持部70A1は、可動ハウジング14の収容凹部22内の下部に挿入(圧入)されている。この第二保持部70A1には、左右方向両側へ突出した複数の爪部72が上下方向に並んで形成されている。これら複数の爪部72が収容凹部22の左右の側面に食い込むことで、第二保持部70A1が可動ハウジング14に保持されている。
【0038】
第二接触部70Aの上下方向中間部及び上部は、前後方向に弾性変形可能な第二接点弾性部70A2とされている。この第二接点弾性部70A2は、収容凹部22内の上下方向中間部から上部にわたって延在している。この第二接点弾性部70A2は、上方側へ向かうほど左右方向の幅が僅かに減少するように形成されており、収容凹部22の左右の側面に対して非接触状態で配置されている。また、この第二接点弾性部70A2と第二保持部70A1との間には、屈曲部74が形成されており、第二接点弾性部70A2は、上方側へ向かうほど前後方向外側へ向かうように上下方向に対して僅かに傾斜している。これにより、第二接点弾性部70A2と収容凹部22の底面との間には、第二接点弾性部70A2が複数の信号端子50側(可動ハウジング14の前後方向中央側)へ弾性変形するための隙間22A(図8参照)が形成されている。
【0039】
この第二接点弾性部70A2の上部は、上下方向に延びるスリット76によって左右一対の分割部71A、71Bに分割されている。また、左右の分割部71A、71Bの上部には、前後方向外側へ向けて略円弧状に膨出した第二接点部71A1、71B1が設けられている。これらの第二接点部71A1、71B1は、収容凹部22の前後方向外側へ突出しており、相手側コネクタ12に設けられた相手側電源端子と接触される。これにより、電源端子70が相手側電源端子と電気的に接続される。この電気的な接続は、第二接点部71A1、71B1のうちの一方が損傷した場合でも、第二接点部71A1、71B1のうちの他方によって確保される構成になっている。なお、第二接点弾性部70A2の上部がスリット76によって左右の分割部71A、71B(左右の第二接点部71A1、71B1)に分割された構成に限らず、スリット76が省略された構成にしてもよい。
【0040】
左右の第二接続部70Cは、固定ハウジング30の電源端子挿入孔38に対して下方側から挿入(圧入)された第二圧入部70C1と、第二圧入部70C1の下端から左右方向外側へ延出された第二接続片70C2とを有しており、前後方向視で略L字状に形成されている。第二圧入部70C1の上部には、前後方向両側へ突出した複数の爪部78が上下方向に並んで形成されている。これらの爪部78が電源端子挿入孔38の内周面に食い込むことで、第二圧入部70C1が固定ハウジング30に保持されている。左右の第二接続片70C2は、固定ハウジング30よりも左右方向外側へ突出している。これらの第二接続部70C、ハンダ付け等の手段によって回路基板に固定(電気的に接続)される構成になっている。
【0041】
左右の第二弾性部70Bは、第二接触部70Aの第二保持部70A1の下端から左右方向両側へ一体に延出されている。これらの第二弾性部70Bにおける第二接触部70Aとは反対側の端部からは、左右の第二接続部70Cが一体に延出されている。左右の第二弾性部70Bにおける第二接触部70A側の端部は、可動ハウジング14の下面に形成された左右の弾性部挿入溝26内に挿入されている。また、左右の第二弾性部70Bの左右方向中間部は、上方(相手側コネクタ12の抜去方向)へ凸をなして曲がった第二ばね部70B1とされている。これらの第二ばね部70B1は、前後方向から見て下方側が開放された逆U字状をなしている。左右の第二弾性部70Bの一部(第二接触部70A側の略半分の部位)は、可動ハウジング14の左右のばね収容凹部28に収容されている。
【0042】
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0043】
上記構成のコネクタ10では、固定ハウジング30の一対の側壁部30A、30Bと可動ハウジング14との間に、複数の信号端子50及び一対の電源端子70が架け渡されている。複数の信号端子50は、上下方向(挿抜方向Z)及び左右方向(架渡方向Y)と直交する前後方向(端子配列方向X)に配列されており、架渡方向Yの中間部に弾性変形可能な第一弾性部50Bを有している。一対の電源端子70は、複数の信号端子50に対して端子配列方向Xの両側に配置され、一対の側壁部30A、30B間に架け渡されている。これらの電源端子70は、架渡方向Yの中間部が可動ハウジング14における端子配列方向Xの端部に保持されており、一対の側壁部30A、30Bと可動ハウジング14との間に位置する部位にそれぞれ弾性変形可能な第二弾性部70Bを有している。
【0044】
このコネクタ10では、各信号端子50が有する第一弾性部50Bと、各電源端子70が有する一対の第二弾性部70Bとが弾性変形することで、固定ハウジング30に対する可動ハウジング14の相対移動が許容される。これにより、コネクタ10と相手側コネクタ12との嵌合ずれを吸収することができる。
【0045】
しかも、このコネクタ10は、信号端子50と電源端子70とを併せ持っているので、信号端子を持つコネクタと電源端子を持つコネクタとを別々に回路基板に取り付ける場合と比較して、回路基板上でのコネクタ10の設置スペースを省スペース化することができると共に、回路基板へのコネクタ10の組付作業を簡素化することができる。
【0046】
さらに、このコネクタ10では、複数の信号端子50と一対の電源端子70とが、共通の可動ハウジング14と固定ハウジング30との間に架け渡されているので、複数の可動ハウジングが端子配列方向Xに並んで設けられた構成と比較して、端子配列方向Xにおける可動ハウジング14の配置スペースを小さくすることができる。しかも、各電源端子70が、挿抜方向Zから見て架渡方向Yを長手とする長尺状に形成されているので、端子配列方向Xにおける各電源端子70の配置スペースを小さくすることができる。以上のことから、本実施形態に係るコネクタ10では、全体構成を端子配列方向Xに小型化することができる。
【0047】
また、このコネクタ10では、電源端子70の架渡方向の中間部に設けられた第二接触部70Aが、可動ハウジング14における端子配列方向Xの端部に保持されている。この第二接触部70Aは、相手側コネクタ12に設けられた相手側電源端子と電気的に接触されて複数の信号端子50側へ弾性変形するので、第二接触部70Aが弾性変形するためのスペースを複数の信号端子50とは反対側(端子配列方向Xの外側)に確保する必要が無い。また、電源端子70が有する一対の第二弾性部70Bは、第二接触部70Aから架渡方向Yの両側へそれぞれ延出されているので、端子配列方向Xにおける一対の第二弾性部70Bの配置スペースを小さく設定することができる。さらに、電源端子70が有する一対の第二接続部70Cは、一対の第二弾性部70Bにおける第二接触部70Aとは反対側の端部からそれぞれ端子配列方向Xの外側(複数の信号端子50とは反対側)へ延出されている。このように一対の第二接続部70Cの延出方向が設定されているので、一対の第二接続部70Cが、一対の第二弾性部70Bにおける第二接触部70Aとは反対側の端部からそれぞれ複数の信号端子50側へ延出されている構成と比較して、第二接触部70A及び一対の第二弾性部70Bを複数の信号端子50に近づけて配置させることができる。その結果、第二接触部70Aが端子配列方向Xの端部に保持される可動ハウジング14を、端子配列方向Xに小型化することができる。以上のことから、本実施形態によれば、コネクタ10の全体構成を端子配列方向Xに更に小型化することができる。
【0048】
また、このコネクタ10では、電源端子70が有する一対の第二弾性部70Bが、第二接触部70Aから架渡方向Yの両側へそれぞれ延出されている(架渡方向Yの両側へ分岐している)。これにより、例えば、電源端子70の一対の第二弾性部70Bが第二接触部70Aに対する架渡方向Yの一方側で端子配列方向Xに分岐されている構成と比較して、各第二弾性部70Bが弾性変形し易くなる。
【0049】
また、このコネクタ10では、可動ハウジング14における端子配列方向Xの端部には、端子配列方向Xの外側へ向けて開口した収容凹部22が形成されている。この収容凹部22には、電源端子70が有する第二接触部70Aの大部分が収容されている。これにより、本コネクタ10の全体構成を端子配列方向Xに小型化するに際し、第二接触部70Aの配置スペースを確保し易くなる。
【0050】
しかも、このコネクタ10では、可動ハウジング14における端子配列方向Xの端部には、端子配列方向Xの外側及び架渡方向Yの外側へ向けて開口した一対のばね収容凹部28が形成されている。これら一対のばね収容凹部28には、電源端子70が有する一対の第二弾性部70Bの一部が収容されている。これにより、本コネクタ10の全体構成を端子配列方向Xに小型化するに際し、一対の第二弾性部70Bの配置スペースを確保し易くなる。
【0051】
換言すれば、可動ハウジング14の配置スペースとなるデッドスペースに収容凹部22及び一対のばね収容凹部28が形成され、これらの凹部22、28内に第二接触部70A及び一対の第二弾性部70Bの一部が収容されているので、コネクタ10の全体構成を端子配列方向Xに更に小型化し易くなる。
【0052】
また、このコネクタ10では、電源端子70が有する第二接触部70Aは、端子配列方向Xに沿った板厚寸法が架渡方向Yに沿った幅寸法より小さい板状に形成されている。この第二接触部70Aを有する電源端子70には、信号端子50よりも大きな電流が流れるため、断面積を大きく確保することが求められる。この点、本実施形態によれば、第二接触部70Aの断面積を上記の幅寸法によって確保しつつ、端子配列方向Xにおける第二接触部70Aの寸法を小さく設定することができる。したがって、本実施形態によれば、コネクタ10の全体構成を端子配列方向Xに更に小型化し易くなる。
【0053】
さらに、このコネクタ10では、電源端子70が有する一対の第二弾性部70Bは、可動ハウジング14の抜去方向(上方)へ凸をなして曲がった第二ばね部70B1を有している。これにより、端子配列方向Xにおける一対の第二弾性部70Bの寸法を小さく設定しつつ、一対の第二弾性部70Bを弾性変形させ易くなる。
【0054】
<実施形態の補足説明>
上記実施形態では、電源端子70が有する第二接触部70Aの上端部に、左右方向(架渡方向Y)に並んだ一対の第二接点部71A1、71B1が設けられた構成にしたが、これに限るものではない。例えば図14に示される電源端子70’(変形例)のように、第二接触部70A’の上端部に、上下方向(挿抜方向Z)に並んだ一対の第二接点部71C1、71D1が設けられた構成にしてもよい。
【0055】
この電源端子70’では、第二接触部70A’の第二接点弾性部70A1’の構成が、上記実施形態に係る電源端子70と異なっているが、それ以外の構成は、電源端子70と同様とされている。この電源端子70’の第二接点弾性部70A1’には、前後方向(端子配列方向X)から見て略逆U字状のスリット(開口)73が形成されている。これにより、第二接点弾性部70A1’は、前後方向から見て略逆U字状をなす外側分割部71Cと、当該外側分割部71Cの内側に配置された内側分割部71Dとに分割されている。
【0056】
外側分割部71C及び内側分割部71Dの上端部には、前後方向外側へ向けて略円弧状に膨出した第二接点部71C1、71D1が設けられている。これらの第二接点部71C1、71D1は、上下方向(挿抜方向Y)に並んでおり、収容凹部22の前後方向外側へ突出している。これらの第二接点部71C1、71D1が相手側コネクタ12に設けられた相手側電源端子と接触されることで、電源端子70’が相手側電源端子と電気的に接続される。この電気的な接続は、第二接点部71C1、71D1のうちの一方が損傷した場合でも、第二接点部71C1、71D1のうちの他方によって確保される構成になっている。
【0057】
しかも、この電源端子70’では、相手側コネクタ12がコネクタ10に挿入(接続)される際に、上側の第二接点部71C1が下側の第二接点部71D1よりも先に相手側電源端子と摺接する。これにより、例えば相手側電源端子の表面に酸化皮膜が形成されている場合でも、当該酸化皮膜を上記の摺接によって削り取ることができるので、下側の第二接点部71D1と相手側電源端子とを良好に導通させることができる。
【0058】
また、上記実施形態では、電源端子70が有する一対の第二弾性部70Bが、第二接続部70Aから架渡方向Yの両側へ延出された構成にしたが、当該構成に加えて、一対の第二弾性部のそれぞれが更に端子配列方向Xに並ぶ複数の弾性部(ばね部)に分岐した(分割された)構成にしてもよい。換言すれば、本発明に係る電源端子は、第二接触部(接触部)から架渡方向の両側へそれぞれ延出された少なくとも一対の第二弾性部を有するものであればよい。
【0059】
また、上記実施形態では、一対の第二弾性部70Bは、可動ハウジング14の抜去方向へ凸をなして曲がった構成にしたが、これに限らず、一対の第二弾性部の形状は適宜変更可能である。また、上記実施形態では、第二接触部70Aは、端子配列方向Xに沿った板厚寸法が架渡方向Yに沿った幅寸法よりも小さい板状に形成された構成にしたが、これに限らず、第二接触部(電源端子の接触部)の形状は適宜変更可能である。
【0060】
さらに、上記実施形態では、可動ハウジング14における端子配列方向Xの端部に、収容凹部22及び一対のばね収容凹部28が形成された構成にしたが、これに限らず、収容凹部及び一対のばね収容凹部のうちの一方又は両方が省略された構成にしてもよい。
【0061】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。
【符号の説明】
【0062】
10 コネクタ
12 相手側コネクタ(接続対象物)
14 可動ハウジング
14A、14B 側壁部
14C、14D 連結壁部
16 有底孔(孔)
22 収容凹部
28 ばね収容凹部
30 固定ハウジング
50 信号端子
50A 第一接触部
50B 第一弾性部
50C 第一接続部
70 電源端子
70A 第二接触部
70B 第二弾性部
70C 第二接続部
X 端子配列方向
Y 架渡方向(挿抜方向及び端子配列方向と直交する方向)
Z 挿抜方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14