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  • 特許-防水構造を備える電源接続装置 図1
  • 特許-防水構造を備える電源接続装置 図2
  • 特許-防水構造を備える電源接続装置 図3
  • 特許-防水構造を備える電源接続装置 図4
  • 特許-防水構造を備える電源接続装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-13
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】防水構造を備える電源接続装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20220203BHJP
   H01R 13/44 20060101ALI20220203BHJP
   H01R 31/06 20060101ALN20220203BHJP
【FI】
H01R13/52 301H
H01R13/44 Z
H01R31/06 A
【請求項の数】 5
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019072651
(22)【出願日】2019-04-05
(65)【公開番号】P2020102434
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2019-05-17
(31)【優先権主張番号】107146496
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】512158114
【氏名又は名称】飛宏科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】PHIHONG TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100185694
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 隆志
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】陳星光
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-152201(JP,A)
【文献】特開2014-150029(JP,A)
【文献】国際公開第2016/071218(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0366877(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0212357(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0244194(US,A1)
【文献】中国実用新案第207782001(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/40-13/533
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
防水構造を備える電源接続装置であって、
接続ポートハウジングを有する接続ポートと第1ゴムワッシャが設けられた電源モジュール、
接続ケーブルハウジングを有する接続ケーブル、及び
前記接続ケーブルハウジングの先端に設けられるコネクタ、を含み、
前記接続ポートハウジングは接続ケーブルハウジングのコネクタが挿入される空間が内側に形成され、前記空間内には、前記コネクタが挿入されると、前記コネクタと接続されるピンが設けられており、
前記接続ケーブルハウジングの先端表面に第2ゴムワッシャが設けられており、前記電源モジュールと前記接続ケーブルが電気的に連接する際に、前記第2ゴムワッシャと前記第1ゴムワッシャが互いに押圧及び噛合することで前記電源接続装置が固定され、
前記固定された電源接続装置を水平面に載置したときに、前記接続ポートハウジング内を通り、前記水平面に対して直交かつ前記コネクタの挿入方向に対して平行な断面において、前記コネクタの挿入方向に対し垂直な方向が縦方向として定義され、前記コネクタの挿入方向が横方向として定義され、
前記接続ポートハウジングは、前記断面において、前記接続ポートハウジングの内側の前記空間内から前記縦方向の外側に向かって互いに逆向きに延伸する2つの細長い空間からなる縦棒を複数有し、前記複数の縦棒が第1縦棒と第2縦棒を含み、前記第1縦棒の長さが前記第2縦棒よりも大きく、前記第1ゴムワッシャは、少なくとも前記第1縦棒の外周を覆っており、かつ前記第2ゴムワッシャとともに、前記第1縦棒及び前記第2縦棒の外周を覆うように配置され、
前記第1縦棒と前記第2縦棒は前記コネクタの挿入方向に対し垂直であり、前記第2ゴムワッシャと前記第1ゴムワッシャが互いに押圧及び噛合する過程で、前記縦方向の押圧によって空気を前記電源接続装置から排出し、接続の密封性を向上するとの目的を達成する電源接続装置。
【請求項2】
前記コネクタは、前記断面において、前記接続ケーブルハウジングの先端面から、前記横方向に向かって突出するように設けられた細長い形状からなる横棒を複数含み、前記複数の横棒は、設置方向が前記第1縦棒及び前記第2縦棒に対し垂直であり、前記複数の横棒は、n個の第1横棒、及び、第2横棒を含み、前記接続ケーブルハウジングの先端面において、前記第1横棒は前記第2横棒よりも外周側に設けられ、前記第1横棒が前記第2横棒を囲むように配置されており、前記第1横棒を覆うように前記第2ゴムワッシャが設けられており、前記コネクタと前記電源モジュールの連接過程において、前記第2横棒が、前記接続ポートハウジングの内側の空間内に挿入され前記ピンが接続され、前記第1縦棒及び前記第2縦棒とともに前記横方向及び前記縦方向の押圧力を形成し、前記電源接続装置が防水基準IPX4~IPX8に達するよう接続の密封性を向上させる請求項1に記載の防水構造を備える電源接続装置。
【請求項3】
前記第2横棒の長さはn個の前記第1横棒よりも長くなっており、n≧2である、請求項2に記載の防水構造を備える電源接続装置。
【請求項4】
前記接続ケーブルハウジングの後端は後端ゴムカバーを含み、前記後端ゴムカバーは円柱状をなしており、且つ、基端の半径が先端よりも小さく、半径が連続して段階的に変化するか、或いは、2つ又は複数の異なる円柱形状が積層されてなる請求項1に記載の防水構造を備える電源接続装置。
【請求項5】
前記第2横棒の先端面に、前記ピンが挿入される2つの孔が設けられており、前記第2横棒は先端側から見た時に「∞」形状を有する構造をなしており、「∞」状の構造によって、前記コネクタの左右両端と前記電源モジュールの連接過程における圧力の大きさを均等にできる請求項4に記載の防水構造を備える電源接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は防水構造を備える電源接続装置に関し、より詳細には、電源を接続する接続箇所にゴム材料を有し、当該接続箇所の密封性を複数の縦棒及び横棒構造により強化することで、水気の浸み込みを防止して意図しないリスクを低下させるとの目的を達成するものである。
【背景技術】
【0002】
人類社会に電力が普及して以降、我々の生活には各種機能の電気機器が導入されるようになった。電気機器には、電気エネルギーや電気信号の伝送、或いは交流及び直流の変圧や整流といった機能を有する電源接続装置が取り付けられている。例えば、現在市場で一般的なノートパソコンの電源接続装置には整流機能が遍く備わっている。また、携帯型スマート機器の電源接続装置は、信号及び電気エネルギーの伝送、整流機能等を兼ね備えている。
【0003】
図1を参照して、従来技術では、一般的な電源接続装置(100)の構成として、通常はプリント回路(1011)又は電子部品を内部に含む電源モジュール(101)を有しており、電気エネルギーや電気信号を伝送する接続ケーブル(103)が、電源モジュール(101)の外部に設けられた接続ポート(1013)における対応する各種オス、メスコネクタを介して接続される。しかし、上述した従来の電源接続装置(100)の構成では、電源モジュール(101)の外部に設けられた接続ポート(1013)に防水又は防塵構造が備わっておらず、往々にして水気や浮遊微粒子が接続ポート(1013)の電極に浸み込んだり蓄積したりしやすい。そのため、装置が次第に老朽化するに伴って電極が腐食し、故障や短絡が生じる結果、装置全体の電圧が瞬間的に上昇する。これにより、電気エネルギーを供給する電気機器が損傷することで寿命が短縮し、ひいては火災や漏電が招来される。
【0004】
そこで、現在、市場には防水構造を備える電源接続装置を打ち出すメーカーも現れており、例えば、特許文献1は、防水構造を備える電源コネクタを開示している。当該電源コネクタのコネクタハウジングの構造は、接続ポートのインターフェース表面に装設されるゴムワッシャを含むとともに、電線をコネクタの内部と外部に挿設可能とすべくハウジングの先端に設けられる複数の凹溝を備える。接続の過程では、一定レベルの防水性能を備えるよう、接続ポートと接続ケーブルを当該ゴムワッシャの変形によって互いにしっかりと噛合させる。しかし、現在のところ、このような防水構造には依然として改良の余地が残されている。まず、ゴムワッシャについて、現在市販されている製品の多くは、接続ポートにおけるインターフェースの平面のうち電極付近の位置にのみゴムワッシャが敷設され、接続ポートにおけるインターフェースの表面全体に完全に敷設されるわけではない。そのため、依然として水気が接続ポートと接続ケーブルとの隙間に浸み込む恐れがあり、全面的な防水機能は達し得ない。また、接続ポートと接続ケーブルの表面構造は、接続過程で内部の残留空気を均等に外部へ押し出す構成とはなっていないか、そのような構成のものは少数である。そのため、接続ポートと接続ケーブルとの隙間に少量の空気が存在したままとなって、電源接続装置全体の密封性が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】欧州特許出願公開第1059698号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、上記より、現在の市場では、密封性を改善して電源接続装置への水気の浸み込みを阻止するとの目的を達成すべく、電源接続装置の防水構造を改良することが依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の従来技術における欠点に鑑みて、本発明は、接続ポートと第1ゴムワッシャが設けられ、接続ポートが第1縦棒と第2縦棒をそれぞれ備え、且つ、当該第1縦棒の長さが当該第2縦棒よりも大きい電源モジュールと、接続ケーブルハウジングを有する接続ケーブルと、接続ケーブルハウジングの先端に設けられるコネクタと、を含み、接続ケーブルハウジングの先端表面に第2ゴムワッシャが設けられており、電源モジュールと接続ケーブルが電気的に連接する際に、第2ゴムワッシャと第1ゴムワッシャが互いに押圧及び噛合することで電源接続装置が固定され、前記の第1縦棒と第2縦棒はコネクタの設置方向に対し垂直であり、縦方向の押圧によって空気を電源接続装置から排出し、接続の密封性を向上させる防水構造を備える電源接続装置を提供する。
【0008】
本発明の内容によれば、前記コネクタは第1横棒と第2横棒を含み、コネクタと電源モジュールの連接過程において、前記第1縦棒及び第2縦棒とともに横方向及び縦方向の押圧力経路をそれぞれ形成する。これにより、コネクタと接続ポートとの隙間における空気の緩やかな排出を促すことで、接続の密封性を更に向上させる。
【0009】
上記について、接続ケーブルのコネクタを正面から見ると、複数の第1横棒と第2横棒の配列により「∞」状構造が形成される。当該「∞」状構造は、電源モジュールとの連接過程における受力面積が従来の「O」状構造よりも大きくなるため、コネクタの左右両端における圧力が均等となる。よって、密封性が改善されるとともに、電源接続装置において、コネクタの左右両端の圧力が一致しないために、コネクタの高圧側の一端は密封性が向上するが、低圧側の一端には隙間が生じ、環境中の空気や水気、浮遊微粒子が電源接続装置の内部に進入して正常な運転に支障をきたす恐れがなくなる。
【0010】
また、接続ケーブルハウジングの後端には後端ゴムカバーが設けられており、接続ケーブルと接続ケーブルハウジングとの隙間を封止している。これにより、接続ケーブルハウジングの外部と内部が隔離されるため、外部環境における空気や水気、浮遊微粒子が接続ケーブルハウジングの内部に進入するとの事態が阻止される。
【0011】
本発明の内容によれば、第2ゴムワッシャ及び第1ゴムワッシャには、ポリウレタン(Polyurethane,PU)、ブチルゴム(Butyl Rubber,IIR)、ハイパロンゴム(Hypalon Polyethlene Rubber,CSM)、天然ゴム(Natural Rubber,NR)、ポリアクリル酸ゴム(Polyacrylate Rubber,ACM)、ネオプレンゴム(Neoprene Rubber,CR)等を使用してもよいし、これら材料の組み合わせとしてもよいが、上記に限らない。
【発明の効果】
【0012】
本発明で提供する防水構造によれば、防水等級が防水基準IPX4~IPX8(International Protection Marking)を満たすことが可能である。
【0013】
以上は、本発明の目的、技術手段及び達成可能な効果を説明するためのものであるが、当業者であれば、以下の実施例の記載とこれらに伴う図面、及び特許請求の範囲から本発明をより明確に理解可能である。
【0014】
以下で述べる本発明の詳細な記載及び実施例の図面は本発明をよりしっかりと理解するためのものであるが、これらは本発明の応用を理解するための参考にすぎず、本発明を特定の実施例に限るとの主旨ではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、従来の電源接続装置の構成を説明するものである。
図2図2は、本発明の防水構造を備える電源接続装置の構成を示す。
図3図3は、電源モジュールと電源コードの連接後に如何にして密封性を向上させるかの細部構造を説明している。
図4】接続ケーブルの組み立て過程を説明している。
図5図5は、接続ケーブルを正面から見た場合にコネクタが「∞」状構造をなすことを示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
好ましい実施例及び観点から本発明について詳細に述べる。以下の記載は、読者がこれら実施例の実行方式をしっかりと理解できるよう、本発明における特定の実施の詳細を提示するものである。ただし、当業者は、これら詳細事項を備えない条件であっても本発明を実行可能であると解釈すべきである。このほか、本発明はその他の具体的実施例によっても運用及び実施可能である。本明細書で詳述する各詳細事項はニーズの違いに応じて応用すればよく、且つ、本発明の精神を逸脱しなければ各種の補足又は変更が可能である。また、好ましい実施例及び観点から本発明について述べるが、このような記載は本発明の構造を解釈するためのものであって、本発明の特許請求の範囲を制限するものではなく、説明するためのものにすぎない。なお、以下の記載で使用する用語は、本発明の特定の実施例における詳細な記載とともに使用される場合であっても、最も広義且つ合理的に解釈される。
【0017】
本発明は、まずは、ゴムワッシャのような部分について、従来の電源接続装置の防水構造を改良することを目的とする。本発明のゴムワッシャは、インサート成形方式によって、接続ポート及びコネクタにおけるインターフェースの平面に、電極付近の位置も含めて完全に敷設されるため、水気や浮遊微粒子が接続ケーブルハウジングの内部に進入する恐れが除去される。また、電源モジュールと接続ケーブルの連接過程において、内部の残留空気をできる限り均等に外部へ押し出す構成とすることで、コネクタ両端の圧力が均一化するため、低圧の隙間から水気が浸み込む恐れが低下する。なお、詳細な構造及び実施形態については以下で詳述する。最後に、本発明では、前記複数の第1縦棒、第2縦棒、第1横棒、第2横棒について、応用上の必要性に基づいて適切な数量を選択可能である。また、これらはそれぞれ「縦棒」及び「横棒」と総称される。なお、これらもまた同様に説明のためのものにすぎず、本発明の権利範囲を制限するものではない。
【0018】
図2及び図3を参照して、本発明は、防水構造を備える電源接続装置(200)を提供する。当該装置は、接続ポート(2013)と第1ゴムワッシャ(2011)が設けられ、接続ポート(2013)が第1縦棒(2015)と第2縦棒(2017)をそれぞれ備え、且つ、第1縦棒(2015)の長さが第2縦棒(2017)よりも大きい電源モジュール(201)と、接続ケーブルハウジング(2033)を有する接続ケーブル(203)を含む。また、コネクタ(2031)が接続ケーブルハウジング(2033)の先端に設けられ、接続ケーブルハウジング(2033)の先端表面に第2ゴムワッシャ(2037)が設けられている。電源モジュール(201)と接続ケーブル(203)が電気的に連接する際には、第2ゴムワッシャ(2037)と第1ゴムワッシャ(2011)が互いに押圧及び噛合することで電源接続装置が固定される。前記第1縦棒(2015)と第2縦棒(2017)はコネクタ(2031)の設置方向に対し垂直であり、縦方向の押圧によって空気を電源接続装置から排出し、接続の密封性を向上させる。
【0019】
前記接続ケーブルハウジング(2033)の外形は箱型構造をなしており、先端と基端に接続ケーブル(203)の配線材料を挿設するための貫通孔が設けられている。先端の貫通孔には横棒が組み合わされて「∞」状構造をなしている。また、後端は、接続ケーブル(203)の配線材料を徐々に収束することで接続ケーブル(203)に対する接続ケーブルハウジング(2033)の密封性が向上するよう、2つ又は複数の半径の異なる円柱形状が積層されてなる。
【0020】
図3を参照して、本発明の一実施例において、前記第1縦棒(2015)は第2縦棒(2017)の左側に位置している。当該第1縦棒(2015)の長さを第2縦棒(2017)よりも大きくしているのは、コネクタ(2031)を電源モジュール(201)に挿入する際に、左側に位置する第1縦棒(2015)が第2縦棒(2017)よりも大きな押圧力を付与できるようにするためである。これにより、第1ゴムワッシャと第2ゴムワッシャが互いに噛合及び押圧される過程で残留空気が右側へと押し出され、電源接続装置(200)の外部に排出されるため、電源接続装置(200)の密封性が向上する。よって、環境中の水気や浮遊微粒子の電源接続装置(200)に対する浸み込みを防止するとの目的が達成される。
【0021】
上述した本発明の好ましい実施例では、コネクタ(2031)の中央の長さがコネクタ(2031)の周縁よりも長くなるよう、第2横棒(2039)の長さを第1横棒(2038)よりも長くしている。且つ、横棒同士は互いに平行である。本発明の観点において、このような構造は、コネクタ(2031)が電源モジュール(201)に挿入される際に、第2横棒(2039)を中央に位置させることで、周縁の第1横棒(2038)よりも残留空気に対する押圧力を大きくし、連接過程で空気を確実に電源接続装置(200)から排出することを目的としている。このように、上記の縦棒と横棒によって二方向の押圧力経路をそれぞれ形成し、コネクタ(2031)と電源モジュール(201)との隙間の空気が確実に排出されるよう促すことで、接続の密封性を更に向上させている。
【0022】
図5を参照して、接続ケーブル(203)のコネクタ(2031)を正面から見ると、複数の第1横棒(2038)と第2横棒(2039)が配列されて「∞」状構造をなしている。これにより、接続ポート(2013)におけるコネクタ(2031)の受力面積をできる限り拡大し、コネクタ(2031)の左右両端における圧力が均等となるようにしている。また、第2ゴムワッシャ(2037)は、コネクタ(2031)の内側及びこれと平行な表面に全体的に敷設されている。また、本発明の観点では、伝送する電気エネルギーや電気信号が大量となる場合に(例えば、高速充電を強調する大電流充電器や、ハイスループットのデータストリームを強調する伝送器の場合)、電源接続装置(200)がコネクタ(2031)又は接続ポート(2013)に複数のピン(multiple-pin)を要するときは、応用上の必要性に応じて相応数の縦棒及び横棒を補充すればよい。これにより、電源接続装置(200)に複数の「∞」状構造を有するコネクタ(2031)を形成し、電源接続装置(200)の接続ポート(2013)の圧力を同一に維持することで、密封性を効果的に向上させられる。本発明で提供する防水構造では、比較的経済的なコストでIPX4以上の要求を満たすことができる。即ち、国際保護等級(International Protection Marking,IP)の認証基準に基づき、本発明が提供する電源接続装置(200)は、80~100kPaの水圧、10L/minの水流量、連続5分間の散水を受けても損傷することがない。また、応用上の必要性に応じて防水基準をIPX8のレベルまで向上させられる。本発明の実施例において、密封性は低真空(Rough Vacuum)から中真空(Medium Vacuum)の範囲、即ち10~750Torrの間となる。
【0023】
接続ケーブル(203)の組み立て過程を説明する図4A図4Cを参照する。接続ケーブルハウジング(2033)は、製造時にインサート成形方式を採用する。第2ゴムワッシャ(2037)は製造時に予め金型内に配置されるため、金型を開いて接続ケーブルハウジング(2033)を取り出せば、第2ゴムワッシャ(2037)は自身の弾性によって第1横棒(2038)と第2横棒(2039)の構造に完全に適合可能となる。また、接続ケーブルハウジング(2033)の体積が縮小するとともに、製造精度を向上させられ、防水密封性も自ずと改善可能となる。これにより従来の防水構造ではゴムワッシャを接着剤は真空接着により装置の表面に直接貼り付けることから、防水効果が芳しくないとの欠点が改善される。また、本発明の他の実施例において、第1ゴムワッシャ(2011)と接続ポート(2013)の製造にインサート成形を採用してもよいが、これに限らない。
【0024】
図4A図4Cを参照して、本発明の内容に基づき、電源接続装置(200)の組み立てにあたっては、接続ケーブル(203)の配線材料をコネクタ(2031)の先端から後端に向かう方向に接続ケーブルハウジング(2033)へと挿入し、配線材料を接続ケーブルハウジング(2033)にしっかりと固定した後、接続ケーブル(203)の後端に後端ゴムカバー(2035)を取り付ける。当該後端ゴムカバー(2035)は、接続ケーブル(203)に隙間ができて水気が浸み込まないよう、接続ケーブルハウジング(2033)と配線材料を固定する。当該後端ゴムカバー(2035)は接続ケーブルハウジング(2033)の基端に位置し、接続ケーブルハウジング(2033)の基端に適合した構造となるよう、円柱状の外形をなしている。且つ、接続ケーブル(203)の配線材料を収束すべく、後端ゴムカバー(2035)の基端の半径は先端よりも小さくなっている。当該後端ゴムカバー(2035)は、半径を連続して段階的に変化させてもよいし、2つ又は複数の異なる円柱形状を積層してもよい。
【0025】
本発明の内容に基づき、第2ゴムワッシャ(2037)及び第1ゴムワッシャ(2011)には、ポリウレタン(Polyurethane,PU)、ブチルゴム(Butyl Rubber,IIR)、ハイパロンゴム(Hypalon Polyethlene Rubber,CSM)、天然ゴム(Natural Rubber,NR)、ポリアクリル酸ゴム(Polyacrylate Rubber,ACM)、ネオプレンゴム(Neoprene Rubber,CR)等を使用してもよいし、これら材料の組み合わせとしてもよいが、上記に限らない。本発明の好ましい実施例では、有効挿抜可能回数が増加するよう、引っ張り力、耐摩耗性、密封性等の要素を考慮して、ポリウレタン(Polyurethane,PU)をゴムワッシャの材料として使用する。また、本発明の好ましい実施例では、応用上の防水基準の必要性に応じて(IPX4~IPX8)、有効挿抜回数を9000~15000回としている。
【符号の説明】
【0026】
100 電源接続装置
101 電源モジュール
1011 プリント回路
1013 接続ポート
103 接続ケーブル
200 電源接続装置
201 電源モジュール
2011 第1ゴムワッシャ
2013 接続ポート
2015 第1縦棒
2017 第2縦棒
203 接続ケーブル
2031 コネクタ
2033 接続ケーブルハウジング
2035 後端ゴムカバー
2037 第2ゴムワッシャ
2038 第1横棒
2039 第2横棒
図1
図2
図3
図4
図5