(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-13
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】二重入力ポンプおよびシステム
(51)【国際特許分類】
F04C 2/18 20060101AFI20220118BHJP
F04C 2/12 20060101ALI20220118BHJP
F04C 14/22 20060101ALI20220118BHJP
F04C 11/00 20060101ALI20220118BHJP
F04C 14/02 20060101ALI20220118BHJP
F04C 15/00 20060101ALI20220118BHJP
F16D 41/06 20060101ALI20220118BHJP
F16D 41/066 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
F04C2/18 311F
F04C2/12 Z
F04C14/22 A
F04C11/00 D
F04C14/02
F04C15/00 J
F16D41/06 D
F16D41/066
(21)【出願番号】P 2019512291
(86)(22)【出願日】2017-08-30
(86)【国際出願番号】 IB2017055227
(87)【国際公開番号】W WO2018042354
(87)【国際公開日】2018-03-08
【審査請求日】2020-08-13
(32)【優先日】2016-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515188420
【氏名又は名称】スタックポール インターナショナル エンジニアード プロダクツ,リミテッド.
【氏名又は名称原語表記】STACKPOLE INTERNATIONAL ENGINEERED PRODUCTS, LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】アンジェイ,コワルスキー
(72)【発明者】
【氏名】リチャード,ミュゼラー
【審査官】大屋 静男
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-174055(JP,A)
【文献】特公昭51-018082(JP,B2)
【文献】特開2005-030517(JP,A)
【文献】特開2013-234635(JP,A)
【文献】特開平09-133084(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0237388(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0058895(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 2/08-2/28
F04C 11/00-15/06
F16D 41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速機または内燃エンジン動力源と電気モータ動力源とに連結するための二重入力流体ポンプシステムであって、
筐体、前記筐体に回転可能に備え付けられた回転可能ポンピング要素、入口、出口、および、前記回転可能ポンピング要素をポンピング方向において回転させて流体を前記入口から前記筐体を通じて前記出口へとポンピングするために、前記変速機または前記内燃エンジン動力源を前記回転可能ポンピング要素に連結するための第1の入力シャフトを備える第1のポンプと、
筐体、前記筐体に回転可能に備え付けられた少なくとも第1および第2の相互に噛み合わされた外接歯車、入口、出口、および、前記歯車を対向回転によるポンピング方向において回転させて流体を前記入口から前記筐体を通じて前記出口へとポンピングするために、前記電気モータ動力源を前記第2の外接歯車に連結するための第2の入力シャフトを備える外接歯車ポンプである第2のポンプと、
前記第1のポンプの前記回転可能ポンピング要素と前記第2のポンプの前記第1の外接歯車との間の接続シャフトであって、前記変速機または前記内燃エンジン動力源によって回転させられるとき、前記第1のポンプの前記回転可能ポンピング要素の前記ポンピング方向において回転させられる接続シャフトと
を備え、
前記第2のポンプの前記外接歯車の各々は一方向クラッチ軸受を備え、
前記第2のポンプの前記第1の外接歯車の前記一方向クラッチ軸受は、前記接続シャフトを受け入れ、(a)前記接続シャフトの回転を、前記ポンピング方向における回転のために前記第2のポンプの前記第1の外接歯車へと伝達し、(b)前記ポンピング方向における前記第2のポンプの前記第1の外接歯車の回転が前記接続シャフトへと伝達されるのを防止するように構成され、
前記第2のポンプの前記第2の外接歯車の前記一方向クラッチ軸受は、前記第2の入力シャフトを受け入れ、(a)前記第2のポンプの前記第2の入力シャフトの回転を、前記ポンピング方向における回転のために前記第2のポンプの前記第2の外接歯車へと伝達し、(b)前記ポンピング方向における前記第2のポンプの前記第2の外接歯車の回転が前記第2のポンプの前記第2の入力シャフトへと伝達されるのを防止するように構成され、 前記一方向クラッチ軸受は、(a)前記変速機または前記内燃エンジン動力源が、前記第1のポンプの前記第1の入力シャフトを介して前記第1のポンプを動作させ、前記第1のポンプの前記回転可能ポンピング要素と前記第2のポンプの前記第1の外接歯車との間の前記接続シャフトを介して前記第2のポンプを動作させるエンジン専用モードと、(b)前記電気モータ動力源だけが前記第2のポンプを動作させるモータ専用モードと、(c)前記変速機または前記内燃エンジン動力源が、前記第1の入力シャフトを介して前記第1のポンプを動作させ、前記電気モータ動力源が、前記接続シャフトより大きい速さでそのポンピング方向において回転する前記第1の外接歯車で前記第2のポンプを動作させる組み合わせモードとを含む少なくとも3つのモードで前記ポンプシステムを動作させることができる、二重入力流体ポンプシステム。
【請求項2】
前記第1のポンプは、流体を前記入口から前記筐体を通じて前記出口へとポンピングするための対向回転によるポンピング方向における回転のために前記筐体に回転可能に備え付けられた第1および第2の相互に噛み合わされた外接歯車を備える外接歯車ポンプであり、前記第1のポンプの前記回転可能ポンピング要素は前記第1のポンプの前記第1の外接歯車である、請求項1に記載のポンプシステム。
【請求項3】
前記接続シャフトと前記第1のポンプの前記第1の入力シャフトとは、前記第1のポンプの前記回転可能ポンピング要素と前記第2のポンプの前記第1の外接歯車とを通じて延びる共通のシャフトの各々の区域である、請求項1に記載のポンプシステム。
【請求項4】
前記一方向クラッチ軸受は、(d)前記第2のポンプの前記出口からの流体が前記第1のポンプの前記入口へと方向付けられる入口昇圧モードで前記ポンプシステムを動作せることができる、請求項1に記載のポンプシステム。
【請求項5】
前記第1のポンプと前記第2のポンプとの間における前記接続シャフトに設けられた電子的に制御されるクラッチ軸受をさらに備え、前記電子的に制御されるクラッチ軸受は、(e)前記接続シャフトが前記第2のポンプの前記第1の外接歯車を前記ポンピング方向において回転させることが防止される非接続モードで前記ポンプシステムを動作せることができる、請求項4に記載のポンプシステム。
【請求項6】
前記第1のポンプと前記第2のポンプとの間における前記接続シャフトに設けられた電子的に制御されるクラッチ軸受をさらに備え、前記電子的に制御されるクラッチ軸受は、(e)前記接続シャフトが前記第2のポンプの前記第1の外接歯車を前記ポンピング方向において回転させることが防止される非接続モードで前記ポンプシステムを動作せることができる、請求項1に記載のポンプシステム。
【請求項7】
前記第1のポンプの前記回転可能ポンピング要素は、流体を前記入口から前記筐体を通じて前記出口へとポンピングするための対向回転によるポンピング方向における回転のために、前記筐体における外側ロータに回転可能に備え付けられた内側ロータを有するジロータユニットを備え、前記第1のポンプの前記回転可能ポンピング要素は前記内側ロータである、請求項1に記載のポンプシステム。
【請求項8】
前記第1のポンプの前記回転可能ポンピング要素は、流体を前記入口から前記筐体を通じて前記出口へとポンピングするためのポンピング方向における回転のために、前記筐体内における外側リング歯車に回転可能に備え付けられた内接歯車を少なくとも備える、請求項1に記載のポンプシステム。
【請求項9】
前記第1のポンプは可変羽根ポンプであり、前記回転可能ポンピング要素はロータを備え、前記可変羽根ポンプは、前記出口を通じた前記ポンプの送出量を調節するために、前記筐体内で第1のスライド位置と第2のスライド位置との間で変位可能な制御スライド部と、前記制御スライド部を前記第1のスライド位置に向けて付勢する弾性構造と、前記制御スライド部を前記第2の位置に向けて移動させるために、加圧された潤滑油を受け入れるための、前記筐体と前記制御スライド部との間の制御室とを備え、
前記ロータは、前記制御スライド部内での前記制御スライド部に対する回転のために構成され、前記少なくとも1つの羽根は、その回転の間における前記制御スライド部の内面との係合のために構成される、請求項1に記載のポンプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、本明細書において参照によりその全体において本明細書により組み込まれている2016年9月2日に出願された米国仮特許出願第62/383,160号への優先権を主張する。
【0002】
本開示は、概して、二重入力を有するポンプに関し、詳細には、異なるモードで動作するための歯車と関連する一方向クラッチ軸受を有するポンプおよびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
ポンプは、例えば、流体または潤滑油(オイルなど)を車両システムへとポンピングするために、多くの用途で使用されている。一部の知られているポンプは、内燃エンジンまたは電気モータのいずれかによって駆動され得る。このようなポンプは、これらの駆動部のうちの1つに接続するために、ポンプの外部にあるクラッチを使用することが知られている。例えば、米国特許第5,474,428号および米国特許第5,799,744号はこのような概念を示しており、これら特許の両方が本明細書においてそれらの全体で組み込まれている。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様は、変速機または内燃エンジン動力源および電気モータ動力源に連結するための二重入力流体ポンプシステムを提供する。ポンプシステムは第1のポンプと第2のポンプとを備える。第1のポンプは、筐体と、筐体に回転可能に備え付けられた回転可能ポンピング要素と、入口と、出口と、回転可能ポンピング要素をポンピング方向において回転させて流体を入口から筐体を通じて出口へとポンピングするために、変速機または内燃エンジン動力源を回転可能ポンピング要素に連結するための入力シャフトとを有する。第2のポンプは、筐体と、筐体に回転可能に備え付けられた少なくとも第1および第2の相互に噛み合わされた外接歯車と、入口と、出口と、歯車を対向回転によるポンピング方向において回転させて流体を入口から筐体を通じて出口へとポンピングするために、電気モータ動力源を第2の外接歯車に連結するための入力シャフトとを有する外接歯車ポンプである。接続シャフトが、第1のポンプの回転可能ポンピング要素と第2のポンプの第1の外接歯車との間に設けられる。接続シャフトは、変速機または内燃エンジン動力源によって回転させられるとき、第1のポンプの回転可能ポンピング要素のポンピング方向において回転させられる。第2のポンプの外接歯車の各々は一方向クラッチ軸受を備える。第2のポンプの第1の外接歯車の一方向クラッチ軸受は、接続シャフトを受け入れ、(a)接続シャフトの回転を、ポンピング方向における回転のために第2のポンプの第1の外接歯車へと伝達し、(b)ポンピング方向における第2のポンプの第1の外接歯車の回転が接続シャフトへと伝達されるのを防止するように構成される。第2のポンプの第2の外接歯車の一方向クラッチ軸受は、入力シャフトを受け入れ、(a)第2のポンプの入力シャフトの回転を、ポンピング方向における回転のために第2のポンプの第2の外接歯車へと伝達し、(b)ポンピング方向における第2のポンプの第2の外接歯車の回転が第2のポンプの入力シャフトへと伝達されるのを防止するように構成される。さらに、一方向クラッチは、(a)変速機またはエンジンが、第1のポンプの入力シャフトを介して第1のポンプを動作させ、第1のポンプの回転可能ポンピング要素と第2のポンプの第1の外接歯車との間の接続シャフトを介して第2のポンプを動作させるエンジン専用モードと、(b)モータだけが第2のポンプを動作させるモータ専用モードと、(c)変速機またはエンジンが、入力シャフトを介して第1のポンプを動作させ、モータが、接続シャフトより大きい速さでそのポンピング方向において回転する第1の外接歯車で第2のポンプを動作させる組み合わせモードとを含む少なくとも3つのモードでポンプシステムを動作させることができる。
【0005】
別の態様は、変速機または内燃エンジン動力源と電気モータ動力源とに連結するための二重入力流体ポンプを提供する。ポンプは、筐体と、筐体に回転可能に備え付けられた少なくとも第1および第2の相互に噛み合わされた外接歯車と、入口と、出口と、流体を入口から筐体を通じて出口へとポンピングするために、歯車を対向回転によるポンピング方向おいて回転させるための、変速機または内燃エンジン動力源を第1の外接歯車へと連結するための第1の入力シャフトと、流体を入口から筐体を通じて出口へとポンピングするために、歯車を対向回転によるポンピング方向おいて同じく回転させるための、電気モータ動力源を第2の外接歯車へと連結するための第2の入力シャフトとを備える。第2のポンプの外接歯車の各々は一方向クラッチ軸受を備える。第1の外接歯車の一方向クラッチ軸受は、第1の入力シャフトを受け入れ、(a)第1の入力シャフトの回転を、ポンピング方向における回転のために第1の外接歯車へと伝達し、(b)ポンピング方向における第1の外接歯車の回転が第1の入力シャフトへと伝達されるのを防止するように構成される。第2の外接歯車の一方向クラッチ軸受は、第2の入力シャフトを受け入れ、(a)第2の入力シャフトの回転を、ポンピング方向における回転のために第2の外接歯車へと伝達し、(b)ポンピング方向における第2の外接歯車の回転が第2の入力シャフトへと伝達されるのを防止するように構成され、さらに、一方向クラッチは、(a)変速機またはエンジンが、第1の入力シャフトを介してポンプを動作させるエンジン専用モードと、(b)モータが第2の入力シャフトを介してポンプを動作させるモータ専用モードと、(c)第1の入力シャフトが変速機またはエンジンによって回転させられるときより大きい速さでモータが第2の入力シャフトを介してポンプを動作させる増速モードとを含む少なくとも3つのモードでポンプを動作させることができる。
【0006】
本開示の他の態様、特徴、および利点は、以下の詳細な記載、添付の図面、および添付の請求項から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の一実施形態による二重入力流体ポンプシステムの概略図である。
【0008】
【
図2】実施形態による第1のモード動作する
図1のシステムの概略図である。
【0009】
【
図3】実施形態による第2のモード動作する
図1のシステムの概略図である。
【0010】
【
図4】実施形態による第3のモード動作する
図1のシステムの概略図である。
【0011】
【
図5】実施形態による第4のモード動作する
図1のシステムの概略図である。
【0012】
【
図6】実施形態による第5のモード動作する
図1のシステムの概略図である。
【0013】
【
図7】従来のポンプの流れおよび抑えられた過剰な流れに対する、本明細書で開示されているポンプシステムの流れの要求を示すグラフである。
【0014】
【
図8A】本開示の別の実施形態による二重入力流体ポンプシステムの概略図である。
【0015】
【
図8B】本開示の実施形態による、
図8Aのシステムにおいて使用され得るジロータ式ポンプおよび筐体における歯車の概略図である。
【0016】
【
図9】本開示のなおも別の実施形態による二重入力流体ポンプの概略図である。
【0017】
【
図10】本開示の実施形態における歯車で使用され得る一方向針状ころ軸受の例を示す図である。
【0018】
【0019】
【
図12】実施形態による、
図11に関して参照されるような一方向針状軸受についての寸法の例を示す図である。
【0020】
【
図13A】様々な動作モードの最中における例示の両方の回転の方向を示す、シャフトを伴う
図10の軸受の概略的な部分断面図である。
【0021】
【
図13B】様々な動作モードの最中における例示の両方の回転の方向を示す、シャフトを伴う
図10の軸受の概略的な部分断面図である。
【0022】
【
図14A】様々な動作モードの最中における例示の両方の回転の方向を示す、シャフトを伴う
図10の軸受の概略的な部分断面図である。
【0023】
【
図14B】様々な動作モードの最中における例示の両方の回転の方向を示す、シャフトを伴う
図10の軸受の概略的な部分断面図である。
【0024】
【
図15】本開示のなおも別の実施形態による、
図8Aのシステムにおいて使用され得るクレセント内接歯車ポンプおよび筐体における歯車の概略図である。
【0025】
【
図16】本開示のなおも別の実施形態による、
図8Aのシステムにおいて使用され得る可変羽根ポンプおよび筐体における部品の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書で詳述しているように、開示されているシステムは、異なるモードでの流体の量の送出のために、駆動ポンプへの2つの入力(または、「二重入力」)を利用することに関する。ポンプ送出の量を調節する能力は、エンジンと電気モータまたは始動-停止システムとの両方を利用するハイブリッド車両など、特定の用途において有益であり得る。開示されているシステムは、エンジンの代わりに自動変速機を利用することもできる。当業者によって理解されるように、本開示を通じて使用されている「ポンプ送出量(pump displacement)」または「送出量(displacement)」は、ポンプが特定の時間の期間の間に移動させることができる流体または液体(潤滑油)の体積、つまり、流量に言及している。
【0027】
図1は、実施形態による二重入力流体ポンプシステム100(または組立体)の概略図を示している。ポンプシステム100は第1のポンプ10と第2のポンプ40とを備えている。ポンプシステム100は、動力源20と電気モータ動力源34との両方に連結されている。一実施形態では、動力源20は内燃エンジン(ICE:Internal Combustion Engine)である。例えば、
図1において概略的に描写されているように、第1のポンプ10は、内燃エンジン動力源20によって直接的に駆動されるように構成され、第2のポンプ40は、電気モータ動力源34によって直接的に駆動されるように構成される。一部の場合では、内燃エンジン(ICE)動力源20は、内燃発生器(ICG:Internal Combustion Generator)と言及されてもよい。
【0028】
本開示の目的のために、および、簡潔性および説明の目的だけのために、動力源20は内燃エンジン(ICEまたはICG)として図示および記載されている。しかしながら、代替の実施形態では、動力源20は自動変速機であり得る。一実施形態では、変速機は内燃エンジンによって駆動でき、内燃エンジンは、一部の場合では、ポンプシステム100を駆動する。したがって、内燃エンジンは、第1のポンプ10を直接的または間接的に(例えば、変速機を介して)駆動するために、ポンプシステム100に直接的または間接的に連結され得ることが理解されるべきである。内燃エンジン動力源20は、内燃エンジンの動力出力部への直接的な接続部、または、ベルト、チェーン、歯車システム、もしくは他の介在する構成部品などを介する間接的な接続部であり得る。同様に、電気モータ動力源34は、電気モータの動力出力部への直接的な接続部であり得るか、または、同じく/代替で間接的な接続部であり得る。また、変速機、エンジン、および/またはモータは、ポンプシステムからのオイルの排出流れを受け入れるシステムのうちの1つで各々あり得る。
【0029】
両方のポンプ10および40は、後でより詳細に記載されているそれらのそれぞれのポンプ筐体の内側に回転可能ポンピング要素を備える。一実施形態では、両方のポンプ10および40は、外接歯車が回転可能ポンピング要素として提供されている外接歯車ポンプである。別の実施形態では、ポンプ10および40の少なくとも一方は、回転可能ポンピング要素として作用するジロータユニットを有するジロータ式ポンプ(例えば、
図8Aを参照されたく、後で記載されている)である。さらに別の実施形態では、ポンプ10および40の少なくとも一方は内接歯車ポンプ(同じく後で記載されている)である。一実施形態では、両方のポンプ10および40が内接歯車ポンプである。なおもさらに別の実施形態では、可変羽根ポンプ(例えば、容積式ポンプ)がポンプ10および/またはポンプ40として使用されてもよい。実施形態では、第1のポンプ10はジロータ式ポンプとでき、第2のポンプ40は外接歯車ポンプとできる。別の実施形態では、第1のポンプ10は可変羽根ポンプとでき、第2のポンプ40は外接歯車ポンプとできる。実施形態では、第1のポンプ10はジロータ式ポンプとでき、第2のポンプ40は内接歯車ポンプとできる。別の実施形態では、第1のポンプ10は可変羽根ポンプとでき、第2のポンプ40は内接歯車ポンプとできる。さらに別の実施形態では、ポンプ10および40の一方は内接歯車ポンプとでき、他方は外接歯車ポンプとできる。ここに記したポンプの組み合わせおよび種類は、単なる例示であり、限定となるように意図されていない。
【0030】
図1に示した例示の実施形態では、ポンプ10は、筐体11内に回転可能に備え付けられた相互に噛み合わされた外接駆動歯車14および外接被駆動歯車16を有する。ポンプ筐体11は入口13と出口15とを有する。入口13は、流体を受け入れる、または、ポンピングされるべき潤滑油(典型的には、自動車の背景におけるオイル)を供給源(例えば、オイル溜め)から筐体11へと投入し、出口15は、加圧された流体または潤滑油を筐体11から指定されたシステムへと吐出または送達するために使用される。歯車14、16の回転および噛み合いは、流体をポンプ10の出口15へと移動および送出する。入力シャフト12が駆動歯車14に接続されており、内燃エンジン(ICE)動力源20を駆動歯車14に連結している。ICE源20はシャフト12を回転させるように構成され、シャフト12はさらに駆動歯車14を回転させて、被駆動歯車16を回転させる。歯車14、16は、流体を入口13から筐体11を通じて出口15へとポンピングするために、対向回転によるポンピング方向で回転させられる。被駆動歯車16は、摩擦を低減させることでその回転(例えば、シャフトの周りでの回転)を支援する軸受18を備えている。
【0031】
ポンプ40は、第2の筐体38内で回転可能に備え付けられた相互に噛み合わされた外接歯車26および28も有する。ポンプ筐体38は入口39と出口41とを有する。入口39は、流体を受け入れる、または、供給源(例えば、オイル溜め)から、ポンピングされるべき潤滑油を筐体38へと投入し、出口41は、加圧された流体または潤滑油を筐体38から指定されたシステムへと吐出または送達するために使用される。実施形態では、ポンプ10の入口13および出口15は、ポンプ40の入口39および出口41から独立していてもよく、つまり、入口および出口は、ポンプ10および40への送り込み、および/または、ポンプ10および40からの送り込みが共通の供給源と関連付けられていない点において、流体的に独立していてもよい。別の実施形態では、ポンプ10の入口13および出口15は、ポンプ40の入口39および出口41とは別であるが、流体的に独立していない可能性があり、つまり、入口および/または出口は共通の回路供給源またはオイル溜めを有し得る。例えば、流体または潤滑油を入口13および入口39へと別々に方向付ける共通の供給源の入口は、通路および入口フィルタ接続部の複雑性を低減させることができる。一実施形態では、入口39は、供給源またはオイル溜めから流体または潤滑油を受け入れる。他の実施形態では、入口39は、ポンプ10の出口15から投入流体または潤滑油を受け入れる。
【0032】
実施形態では、ポンプシステム100と関連する2つの圧力回路がある場合、別々の出口が必要であり得る。例えば、一方の出口は高圧クラッチ作動回路を支援するために使用され、一方、他方の出口は低圧潤滑油および冷却回路を支援するために使用され得る。一実施形態では、ポンプ40の出口41(または、出口回路)は、ポンプ10と関連する入口回路を昇圧するために使用され得る。代替で、出口回路は別であってもよい。
図5を参照して以下においてより詳細に記載されている一実施形態では、ポンプ40の出口41は、ポンプ10の入口13を昇圧するために使用され得る。
【0033】
ポンプの入口および出口の構成は(互いから独立または別々であるとして)、実装の制約およびシステムの設計に依存する可能性がある。したがって、ポンプ10、40の入口および出口の構成および接続は、本明細書において限定となるように意図されていない。
【0034】
ポンプ40の歯車26、28の回転および噛み合いは、流体をポンプ40の出口41へと移動および送出する。接続シャフト22が、第1のポンプ10の駆動歯車14と第2のポンプ40の歯車28との間に設けられ、そのため、駆動歯車14の回転はシャフト22も回転させ、したがって歯車28を駆動するために使用できる。接続シャフト22は、(ICE源20によって回転させられるときの)外接駆動歯車14の同じポンピング方向において回転させられる。第2のポンプ40は、歯車26に接続されると共に電気モータ動力源(M)34を歯車26に連結する入力シャフト36も有する。一部のモードでは、モータ源34はシャフト36を回転させるように構成され、シャフト36はさらに歯車26を回転させて、歯車28を回転させる。歯車26、28は、流体を入口39から筐体38を通じて出口41へとポンピングするために、対向回転によるポンピング方向で回転させられる。
【0035】
ポンプの各々における歯車の歯の数が限定となるように意図されていないことは、留意されている。歯車14、16および/または26、28の歯の数は、例えば、騒音の問題または空間の制約に適用するために調節されてもよい。一実施形態では、各々のポンプにおける歯車は、1:1の比、つまり、歯車14および16は同じ数の歯を有し、歯車26および28は同じ数の歯を有する。歯車14および16は、実施形態では、歯車26、28と同じ数の歯を有してもよい。一実施形態では、歯車14、16(同じ数の歯を有する)は、歯車26、28(同じ数の歯を有する)と比べて異なる数の歯を有する。別の実施形態では、歯車14、16および/または26、28は、ポンプの各々において異なる数の歯を備え得る。
【0036】
実施形態によれば、第1のポンプ10の歯車14と第2のポンプ40の歯車28とを接続するための接続シャフト22と、入力シャフト12とは、共通のシャフトの各々の区域である。別の実施形態では、シャフト12と22とは、別々の異なる構成部品であり得る。
【0037】
一実施形態では、モータ入力シャフト36(または、他の接続シャフト)は歯車26と16との間に設けられる。しかしながら、歯車26および16は共にこのシャフトによって回転可能になっているのではない。むしろ、第1のポンプ10における被駆動歯車16の軸受18は、被駆動歯車16をこのようなシャフトの周りで(または、このようなシャフトに対して)両方の回転方向において自由に回転させることができ、そのため、このシャフトは、システムにおける歯車の組み立てのための案内器および/または安定器として作用するだけである。
【0038】
第2のポンプ40の外接歯車26、28の各々は一方向クラッチ軸受を備える。歯車26は第1の一方向クラッチ軸受24を備え、歯車28は第2の一方向クラッチ軸受30を備える。一方向クラッチ軸受30は、駆動歯車14に接続される接続シャフト22を受け入れる。一方向クラッチ軸受30は、(a)第2のポンプ40の外接歯車28の接続シャフト22の回転を、ポンピング方向(第1のポンプ10の歯車14と同じ回転ポンピング方向)における回転のために第2のポンプ40の外接歯車28へと伝達することと、(b)ポンピング方向における外接歯車28の回転が接続シャフト22へと伝達されるのを防止する(それによって、モータ34の回転を防止する)こととの両方を行うように構成されている。つまり、一方向クラッチ軸受30は、そのポンピング方向において回転を接続シャフト22から外接歯車28へと伝達するが、外接歯車28の回転をシャフト22へと戻すように伝達しない。外接歯車26の一方向クラッチ軸受24は、モータ源34の入力シャフト36を受け入れる。軸受24は軸受30と同じように機能するが、反対の様態で配置されている。したがって、軸受24は、(a)モータ入力シャフト36の回転を、ポンピング方向における回転のために第2のポンプ40の外接歯車26へと伝達することと、(b)ポンピング方向における外接歯車26の回転が第2のポンプ40の入力シャフト36へと伝達されるのを防止することとの両方を行うように構成されている。
【0039】
さらに、一方向クラッチ軸受24および30は、例えば、(1)エンジン専用モード、(2)モータ専用モード、(3)組み合わせモード、(4)入口昇圧モード(任意選択)、および(5)非接続モード(任意選択)といった異なるモードでポンプシステム100を可及的に動作させることができる。すべてのこれらのモードの使用が必要とは限らず、その記載は限定と解釈されるべきではない。
【0040】
図2~
図6は、各々のモード(1)、(2)、(3)、(4)、および(5)に関連する特徴を示している。システムのエンジン専用モードでは、
図2に描写しているように、ICE源20はポンプ10と40との両方を駆動するための一次駆動部として作用する。例えば、高い速度においての駆動サイクルにおける損失を低減するために、エンジン専用モードを使用してシステム100からの全体のポンプ送出量を低減すること、つまり、ポンプを駆動するときの動力損失を低減することが、望ましい可能性がある。電気駆動モータ源34はオフであり、運転していない。ICE源20は、歯車14を回転させる(したがって、軸受18において自由に回転する歯車16を駆動する)ために第1のポンプ10の入力シャフト12を回転させ、歯車14と28との間の接続シャフト22を回転させることを介して、具体的には、一方向軸受30がシャフト22の回転を歯車28へと伝達することで、第2のポンプ40を動作させる。したがって、歯車14および28は、同じポンピング方向において一緒に同じ速さで回転し、歯車16および26は、それぞれの相互に噛み合わされた歯車歯によって反対のポンピング方向で駆動される。一方向軸受24は、電気モータ動力源34に対して逆の駆動をすることなく、被駆動歯車26をそのポンピング方向においてシャフト36上で自由に回転させる。両方のポンプ10、40からの送出量は、ICE源20の駆動速度に比例する。
【0041】
図3は、システム100を動作させるモータ専用モードを概略的に示している。モータ専用モードは、例えば、ハイブリッド用途において、および/または、始動-停止構成の間(例えば、始動および停止の間に回路における流体を準備するために)、有用であり得る。このモードでは、電気モータ源34だけが、入力シャフト36を回転させ、それによって歯車26および28を回転させることで、第2のポンプ40を駆動する。具体的には、モータ動力源34は、一方向軸受24を通じてその回転を伝達するシャフト36を介して歯車26をそのポンピング方向において回転させる。歯車28は、相互に噛み合わされた歯によってその反対のポンピング方向において回転させられ、一方向軸受30はその回転を自由に行わせることができ、回転を接続シャフト22へと伝達することはない。ICE源20はオフであり(運転していない)、第1のポンプ10は作動しておらず、停止位置で保持される。モータ源34は、流体を筐体38の出口41から排出するためにある速度で駆動される。第1のポンプ10からの送出はなく、第2のポンプ40からの送出量は、モータ源34の駆動速度に比例する。
【0042】
図4は、組み合わせモード(例えば、組み合わされたエンジンおよびモータのモード)において実施されるときのシステム100を概略的に示している。後で記載によって理解されるように、組み合わせモードは、電気モータ源34および第2のポンプ40による要求に応じた増加を利用することで、ポンプシステム100からのより大きい送出量を可能にする。電気モータ源34は、流れを増加させて圧力を上昇させるために、素早い反応および動的な応答に向けてポンプ速度に連続的に同期させられ得る。このような組み合わせモードは、例えば、クラッチ切り替えの前および/もしくは最中といった、クラッチもしくは通路の素早い充填のために、または、エンジンのための可変バルブタイミング移相器への素早い応答として、望ましい可能性がある。組み合わせモードは、ポンプ10のみからの送出量が不十分となる、流体または潤滑油のより高い温度の流れおよび圧力が望まれる場合において、使用できる。
【0043】
組み合わせモードでは、ICE源20は、エンジン専用モードと同じ様態において、入力シャフト12を介して第1のポンプ10を駆動し、駆動歯車14は、入力シャフト12を使用してポンピング方向において回転させられ、さらに、歯車14と相互に噛み合うことを介して歯車16をさらに回転させる。第1のポンプ10の被駆動歯車16は、その軸受18において自由に回転する。しかしながら、第2のポンプ40を動作させるために接続シャフト22を使用する代わりに、電気モータ源34は、モータ入力シャフト36と歯車26および28とを駆動するために使用される。具体的には、電気モータ源34は、ICE源20より大きい速さで第2のポンプ40を駆動する。これは、ポンプシステム100からの全体の送出量の増加(つまり、両方のポンプ10および40からの流体の増加した送出量)を可能にする。具体的には、モータ源34は速度超過となり、歯車26の一方向クラッチ軸受24と係合し、それによって歯車26をそのポンピング方向において駆動し、これはさらに、相互に噛み合うことを介して歯車28をその反対のポンピング方向において駆動する。歯車28を伴う一方向クラッチ軸受30の使用は、モータ源34に(歯車24を駆動することを介して)歯車28を、その反対のポンピング方向において、接続シャフト22の回転と比較してより大きい速さで回転させる。具体的には、軸受30が歯車28をその反対のポンピング方向において接続シャフト22の周りで回転させることができるため(接続シャフト22が回転させられているとしても)、一方向クラッチ軸受30は、ICE源入力からの妨害なく、第2のポンプ40に流体をポンピングして送出させることができる。第1のポンプ10からの送出量はICE源20の速度に比例し、一方、第2のポンプ40からの送出量はモータ速度に比例する(速度超過)。
【0044】
図5において概略的に示されているシステム100の入口昇圧モードにおいて、ポンプ10、40は組み合わせモードと同じ様態で動作させられる。また、第2のポンプ40の出口41からの出口流れ43の少なくとも一部は、ポンプ10への流体の流れを昇圧または増加させるために、経路45を介して第1のポンプ10の入口13へと方向付けられる。例えばより大きいエンジンのrpmにおいて(例えば、3500~4000rpm)第2のポンプ40を作動させることで、排出流れの圧力は増加させられ、この加圧された流れは第1のポンプ10へと方向付けられる。ポンプ10への投入流体を昇圧することで、流体の投入流量を向上させ、キャビテーションおよび空気混入の潜在的に厳しい影響を排除することを支援する(若干増加させられた入口圧力が、ポンプにおけるキャビテーション効果を低減または解決するために決定されているので)。
【0045】
図6は、非接続モードを実施することに関して、システム100の追加の実施形態を概略的に示している。具体的には、
図6は、互いにポンプを動作可能に接続する、第1のポンプ10と第2のポンプ40との間の接続シャフト12に設けられた追加の接続装置80を示している。接続装置80は、例えば、電子的に制御された双方向クラッチ軸受であり得る。一実施形態では、接続装置80は、第2のポンプ40からの第1のポンプ10の少なくとも一時的な連結解除または接続解除を可能にする。これは、例えば必要でない場合に、ポンプシステム100からの全体のポンプ能力を低減させる。ICE源20がポンプ10を駆動し続ける一方で、ポンプ40はポンプ10から接続解除されるが、第2のポンプ40は、任意の望ましい瞬間または必要な瞬間に、接続装置80を介して再接続され得る(例えば、ECU/制御装置からの命令を介して)。概して、システム100からの排出流れは、ポンプ10、40が接続されて両方で動作するときにより多くなる。アイドリング位置における流れおよび圧力は、第1のポンプ10および第2のポンプ40によって一体に実行される。しかしながら、特定の場合には、アイドリングの間のある時など、例えばICE源20または変速機といった指定されたシステムは、組み合わされた排出流れの全部を必要とするとは限らない。第1のポンプ10からの送出量は、ポンプ10および40が接続解除されている時間期間の間、指定されたシステムへと送るだけの十分な流れおよび能力を提供する。例えば、高くされた速度では、過剰な流れになってしまう。したがって、接続装置80を介して第2のポンプ40を第1のポンプ10から一時的に接続解除し、第2のポンプ40からの流れを周期的だけかまたはほとんどゼロにすることで、この非接続モードは、過剰な流れを回避でき、システム100によって使用されるエネルギーを低減する。さらに、非接続モードは、PWMシステムなど、ポンプシステム100と関連する他のシステムまたはセンサからの警報に基づいて実施されてもよい。
【0046】
第2のポンプ40が必要とされて第1のポンプ10に再接続されるときにすぐに準備できるように、PWM弁/システムが、いくらかの流れおよび圧力をその回路に加えるために使用されてもよい。
【0047】
また、別の実施形態によれば、第2のポンプ40が第1のポンプ10から接続解除されるにも拘らず(シャフト12における接続装置80を接続解除することで)、モータ34は、第2のポンプ40を駆動するために使用されてもよい。したがって、第2のポンプ40は第1のポンプ10とは異なる速度で駆動され得る。なお、このような場合であっても、システム100からのポンプ能力は低減される。
【0048】
図7における流れ図は、従来のタンデム/組み合わされたポンプ流れについてのエンジンrpmに対する流量の例と、システムによる流れの要求とを示している。エンジン速度が増加していくときにシステム流れ要求は比較的一定のままであるが(例えば、おおよそ20l/分またはその近くで)、
図7は、従来のポンプ流れが典型的には速度と共に急激に増加することを示している。典型的には、過剰な排出流れの一部(つまり、要求に対する流れの差)は、オイル溜めまたはタンクへと再び方向付けられ得るが、この大量の排出流れは潜在的に無駄な流れになる。したがって、要求に対する流れにおける差を補うために、および、過剰または無駄な流れを節約または低減するために、流体の排出流れおよび圧力(例えば、より小さい流れおよび/または圧力)が、上記の非接続モード(第2のポンプ40が運転しているかまたは運転していなくても、第2のポンプ40は第1のポンプ10からなおも結合解除されている)を実施することで、時間の期間にわたって変更され得る。
図7における矢印によって表されているように、例えば、ポンプ10、40が連結解除されているとき(例えば、第1のポンプ10について9ccの排出で、第2のポンプ40について3ccの排出)と比較して、両方のポンプ10、40が排出のために接続されているとき(例えば、12ccである)の潜在的な無駄な流れにおける差は、低減される。
【0049】
任意選択で、1つまたは複数の速度制御された弁(図示せず)が、ICE源20、モータ34、およびポンプの動作と、本明細書に記載されている言及したモードとを制御するために、システム100に設けられてもよい。
【0050】
したがって、先に記載したモードによって理解されるように、開示されたポンプシステム100は、全体のポンプ送出量を調節するために、ポンプシステム100内の高圧の回路とより低圧の回路との両方を実施することを助ける。また、本明細書で開示されているような歯車内での一方向クラッチ軸受の使用は、よりコンパクトな実装を提供する(クラッチが典型的にはポンプの外側に設けられている公知のシステムと比較して)。この実装は、ポンプシステム100をより小さい空間に置くことができる一方で、システムを二重入力によってなおも駆動させることができる。
【0051】
先に言及したように、実施形態では、ポンプシステムにおけるポンプ10、40のうちの少なくとも1つはジロータ式ポンプであり得る。
図8Aは、第2のポンプ40と共に、ジロータ式ユニットをその回転可能ポンピング要素として含む第1のポンプ10Aを有する二重入力流体ポンプシステム100Aを示している。システム100のように、ポンプシステム100Aは、内燃エンジン動力源20と電気モータ動力源34との両方に連結されている。
図1において概略的に描写しているように、第2のポンプ40は、先に記載したのと同様の様態で、電気モータ動力源34によって直接的に駆動されるように構成され、一方、ジロータポンプ10Aは、内燃エンジン動力源20によって直接的に駆動されるように構成されている。ポンプシステム100Aにおける第2のポンプ40の部品がポンプシステム100を参照して先に記載されているものと同じであるため(例えば、歯車26、28は、一方向クラッチ軸受24および30と共に筐体38に設けられている)、このような特徴部を記すために同じ符号が
図8Aでは使用されており、そのためここでは説明を繰り返さない。
【0052】
第1のポンプ10Aは、筐体17に設けられたジロータユニット66を備えている。ポンプ筐体17は入口13Aと出口15Aとを有する。入口13Aは、流体を受け入れる、または、供給源(例えば、オイル溜め)から、ポンピングされるべき潤滑油を筐体17へと投入し、出口15Aは、加圧された流体または潤滑油を筐体17から指定されたシステムへと吐出または送達するために使用される。ジロータユニット66は第1のポンプ10Aのための駆動源として作用する。ジロータユニット66は、既存のユニットであり得る、または、空間の制約のために設計され得る。当業者によって理解されるように、ジロータユニット66は、内側ロータ70と外側ロータ72とを含む容積式ユニットであり、その例が
図8Bに概略的に示されている。内側ロータ70はN個の歯を有し、外側ロータ72はN+1個の歯を有し、Nは3以上の数字として定められている。内側ロータ70は、その歯が外側ロータ72の歯へと入るように移動させられるように、外側ロータ72に対して回転させられる駆動歯車である。実施形態によれば、入力シャフト12はジロータユニット66の内側ロータ70に接続され、それによって内燃エンジン(ICE)動力源20を第1のポンプ10Aの駆動源に連結している。ICE源20は、外側ロータ72に対して内側ロータ70をさらに回転させる(例えば、時計回り方向において)シャフト12を回転させるように構成されている。流体は、歯車/ロータの歯の間を進み、吐出される前に歯同士の間で加圧される。
【0053】
別の実施形態では、先に記したように、ポンプ10および40の少なくとも一方が内接歯車ポンプである。例えば、
図15は、ポンプ10および/または40のために使用され得る筐体内におけるクレセント内接歯車(CIG:Crescent Internal Gear)ポンプの部品の例を示しており、クレセント形歯車および平歯車が、リング歯車の内側または内部に設けられ、外側リング歯車の中の周囲で動くように構成されている(つまり、クレセント歯車および平歯車は、
図8Bに示したジロータポンプの内側ロータと同様のやり方で移動する)。例として、
図8Aの第1のポンプ10Aは、回転可能ポンピング要素としてのクレセントポンプユニットを、内燃エンジン動力源20と電気モータ動力源34との両方に連結される第2のポンプ40と共に備え得る。概して、クレセントポンプは、先に記載したジロータポンプと同様の手法で駆動でき、例えば、内部平歯車は、入口から筐体を通じて出口へと流体をポンピングするためにポンピング方向における回転のために外側リング歯車に回転可能に搭載でき、つまり、ICE源20を使用し、平歯車およびクレセント形歯車を、その歯がリング歯車の歯へと移動させられ、排出される前に歯車/ロータの歯同士間で流体を加圧するように、リング歯車に対して回転および移動させる。したがって、さらなる詳細はここでは繰り返さない。
【0054】
代替で、先に言及したように、ポンプシステム100におけるポンプ10、40の少なくとも一方が、本明細書における実施形態による可変羽根式ポンプであってもよい。
図16は、可変羽根ポンプの部品の一部の一例の描写を示している。当業者によって概して理解されるように、可変羽根ポンプが、筐体と、潤滑油を供給源から筐体へと投入するための入口と、加圧された潤滑油を筐体からシステムへと送達するための出口とを備え得る。出口を通るポンプの送出量を調節するために、筐体内で第1のスライド位置(例えば、最大のポンプ送出量のための位置)と第2のスライド位置(例えば、低減された送出量および/または最小のポンプ送出量のための位置)との間において変位可能である制御スライド部も、このようなポンプに設けられる。例えば、弾性構造またはバネが制御スライド部を第1のスライド位置に向けて付勢できる。1つまたは複数の羽根を伴うロータが筐体に搭載されており、制御スライド部内で制御スライド部に対する回転のために構成されている。羽根は、その回転の間における、制御スライド部の内面との係合のために構成されている。1つまたは複数の制御室が、制御スライド部を第2の位置に向けて移動または変位させるように加圧された潤滑油を受け入れるために、筐体と制御スライド部との間に設けられ得る。各々が本明細書によって参照により全体で組み込まれている米国特許第9,109,597号および米国特許第9,534,519号は、二重投入流体システム100の一部としてのポンプ(例えば、第1のポンプ10)として使用され得る羽根ポンプの例を提供している。例として、
図8Aの第1のポンプ10Aは、第2のポンプ40と共に、回転可能ポンピング要素として作用する可変羽根ポンプユニットであり得る。システム100またはシステム100Aのように、第2のポンプ40は、先に記載したのと同様の様態で、電気モータ動力源34によって直接的に駆動されるように構成され、一方、可変羽根ポンプ10Aは、内燃エンジン動力源20によって直接的に駆動されるように構成されている。実施形態によれば、入力シャフト12はポンプのロータを駆動するために接続でき、それによって内燃エンジン(ICE)動力源20を第1のポンプ10Aの駆動源に連結している。ICE源20はシャフト12を回転させるように構成され、シャフト12は、制御スライド部の受け入れ空間においてロータをさらに回転させ、羽根をスライド部の内面との係合へと移動させる。このような羽根ポンプの動作は広く知られており、したがってさらに説明はしない。しかしながら、このような可変羽根ポンプの動作の間、第1のポンプ10Aからの可変または調節可能な排出流れが、例えば、筐体内の制御スライド部の位置に基づいて、関連するシステムに提供されてもよいことは、理解されている。
【0055】
ポンプシステム100Aは、
図2~
図6を参照して前述したものなど、複数のモードで動作するようにも設計されており、それによって、ポンプ送出全体を調節するために高圧の回路とより低圧の回路との両方を実施する。簡潔性の目的だけのために、モードの各々がここで再び記載されない。しかしながら、実施形態によれば、ポンプシステム100Aは、例えば、前述したような(1)エンジン専用モード、(2)モータ専用モード、(3)組み合わせモード、(4)入口昇圧モード(任意選択)、および(5)非接続モード(任意選択)といった異なるモードで動作させることができることが理解されるべきである。
【0056】
ここでも、ポンプ40の歯車内での一方向クラッチ軸受の使用は、よりコンパクトな実装を提供する(クラッチが典型的にはポンプの外側に設けられている公知のシステムと比較して)。さらに、第1のポンプ10Aの一部としてのジロータ式ユニット66の実装および収容は、外接歯車より小さくでき、したがってシステム100Aは、さらにより小さい空間に置くことができる一方で、システムを二重入力によってなおも駆動させることができる。
【0057】
一実施形態では、第1のポンプ10の送出量は、第2のポンプ40の送出量に対して3:1の割合で駆動される。例えば、第1のポンプ10は9cc(1回転当たり)まで駆動でき、第2のポンプ40は3cc(1回転当たり)で駆動できる。しかしながら、この割合は、流体が排出されるシステムに基づいて変更されてもよい。
【0058】
一実施形態では、一方向クラッチ軸受24、30は、
図10において示したものなど、一方向針状ころ軸受42シェル式である。針状ころ軸受42は、楔48内に搭載されたよりいくつかの小さい円筒ころ46を有する筐体44(および/または保持器)を備え、クラッチを形成している。クラッチのころ46は、
図10と
図11における断面図とに示しているように、軸受が搭載されるシャフトの軸の周りでその軸と平行に位置決めされる。
図12は、例えば、一部の実施形態においてシステム100の歯車26、28と共に利用され得る異なる大きさの針状ころ軸受に関する例示の寸法を示している(寸法指示は
図11に記されている)。当然ながら、このような数および寸法は例示であり、限定となるように意図されていないことは、留意されるべきである。
【0059】
図13A~
図13Bおよび
図14A~
図14Bは、シャフト(例えば、接続シャフト22またはモータ入力シャフト36)を伴う
図10の一方向針軸受42の部分的な概略の断面図であり、異なる動作モードの間の軸受42およびシャフトの回転の動作および方向を示している。
図13Aおよび
図13Bは、シャフトと係合されている一方向針軸受42の例を示している。筐体に搭載されたクラッチ軸受とシャフトとの相対回転によって発生させられる、クラッチの内側に搭載されたばねの力は、ローラ46を楔48の面に接触させ、その面に係合させる。クラッチが係合させられるとき、係合方向は、シャフトまたは筐体が駆動されるかどうかに依存して反対である。例えば、
図13Aは、シャフトと係合させられ、シャフトが動力源(例えば、ICE源20またはモータ源34)によって駆動させられるときに、例えば
図13Aに示したような時計回り方向といったシャフトの駆動方向において駆動させられる軸受(延いては、軸受と関連する歯車)の例を示している。
図13Bは、シャフトと係合させられて駆動を引き起こし(例えば、シャフトと関連する歯車が駆動させられるため)、そのため、例えば
図13Bに示したような反時計回りにおいて、シャフトを駆動する軸受の例を示している。
【0060】
図14Aおよび
図14Bは、一方向針軸受42のクラッチがオーバーランさせられる(延いては、シャフトの相互回転から係合解除させられる)ときの例を示している。筐体に搭載させられたクラッチおよびシャフトの相対回転(例えば、反対の)のある場合、ローラ46は楔48の面から離れて自由に動作し、シャフトの移動をオーバーランする。クラッチがオーバーランされるとき、軸受の筐体およびクラッチは、例えば
図14Aに示したような時計回り方向といった一方向においてオーバーランでき、一方、シャフトは実質的に不動のままとなる、または、反対の方向(例えば、反時計回り方向)においてオーバーランさせられる。同様に、
図14Bに示したように、代替では、軸受のクラッチは、シャフトが反対方向(例えば、反時計回り方向)においてオーバーランさせられるときに軸受が実質的に不動のままとなるようにオーバーランさせられ得る。
【0061】
図1の概略図は、第1のポンプ10と第2のポンプ40とを概して(それぞれ)別々の筐体11および38を有するとして描写しているが、これは、限定となるように意図されていない。実施形態によれば、筐体11および38は、接続された筐体(例えば、筐体同士を通じて流体連通がある)の形態で、または、単一の筐体として提供され得る。一実施形態では、全般的な(例えば、外側の)筐体がポンプ10および40を収容する。筐体11、38は、任意の材料から形成でき、アルミダイカスト、粉末金属形成、鍛造、または任意の他の望ましい製造技術から作られ得る。
【0062】
図9は、本開示の別の実施形態による二重入力流体ポンプ50を示している。ポンプ50は、内燃エンジン動力源20と電気モータ動力源34との両方に連結されている。ポンプ50は、その筐体52の内側に歯車54、56を備える単一の外接歯車ポンプである。歯車54、56は相互に噛み合わされ、筐体52内に搭載されている。ポンプ筐体52は入口58と出口60とを有する。入口58は、流体を受け入れる、または、ポンピングされるべき潤滑油(典型的には、自動車の背景におけるオイル)を供給源(例えば、オイル溜め)から筐体52へと投入し、出口60は、加圧された流体または潤滑油を筐体52から指定されたシステムへと吐出または送達するために使用される。対向回転によるポンピング方向における歯車54、56の回転および噛み合いは、流体をポンプの出口60へと移動および送出する。
【0063】
図9において描写されているように、歯車56は、内燃エンジン源20によって駆動されるように構成され、歯車54は、電気モータ源34によって駆動されるように構成される。入力シャフト12が歯車56に接続されており、内燃エンジン(ICE)動力源20を歯車56に連結している。一部のモードでは、ICE源20は、シャフト12を回転させる(例えば、
図9に示しているような反時計回りで)ように構成され、シャフト12は歯車56をさらに回転させて駆動する。入力シャフト36も歯車54に接続され、電気モータ動力源(M)34を歯車54に連結する。一部のモードでは、モータ源34はシャフト36を回転させるように構成され、シャフト36はさらに歯車54を回転させる。歯車54、56は、流体を入口58から筐体52を通じて出口60へとポンピングするために、対向回転によるポンピング方向で回転させられる。
【0064】
ポンプ50の外接歯車54、56の各々は一方向クラッチ軸受を備える。歯車54は第1の一方向クラッチ軸受62を備え、歯車56は第2の一方向クラッチ軸受64を備える。一方向クラッチ軸受62は、駆動歯車54に接続されるモータ入力シャフト36を受け入れる。一方向クラッチ軸受62は、(a)入力シャフト36の回転を、ポンピング方向における回転のために歯車54へと伝達することと、(b)ポンピング方向における歯車54の回転が入力シャフト36へと伝達されるのを防止することとの両方を行うように構成されている。歯車56の一方向クラッチ軸受64は、ICE源20の入力シャフト12を受け入れる。一方向クラッチ軸受64は、(a)入力シャフト12の回転を、ポンピング方向における回転のために歯車56へと伝達することと、(b)ポンピング方向における歯車56の回転が入力シャフト12へと伝達されるのを防止することとの両方を行うように構成されている。したがって、軸受64は軸受62と同じように機能するが、反対の様態で配置されている。
【0065】
さらに、一方向クラッチ軸受62および64は、例えば、(1)エンジン専用モード、(2)モータ専用モード、および(3)増速モードといった異なるモードでポンプ50を動作させることができる。ポンプのエンジン専用モードでは、ICE源20は一次駆動部として作用して、入力シャフト12を介してポンプ50を動作させる。電気駆動モータ源34はオフであり、運転していない。ICE源20は、入力シャフト12を回転させて、一方向クラッチ軸受64を介して歯車56をそのポンピング方向において回転させ、歯車56は、相互に噛み合うことで歯車54をその反対のポンピング方向において駆動させる。一方向軸受22は、電気モータ動力源34に対して逆の駆動をすることなく、歯車54をそのポンピング方向においてシャフト36上で自由に回転させる。ポンプ50からの送出量は、ICE源20の駆動速度に比例する。
【0066】
ポンプのモータ専用モードでは、モータ源34は一次駆動部として作用して、入力シャフト36を介してポンプ50を動作させる。電気モータ源34は、入力シャフト36を回転させて、一方向クラッチ軸受62を介して歯車54をそのポンピング方向において回転させ、歯車54は、相互に噛み合うことで歯車56をその反対のポンピング方向において駆動させる。ICE源20はオフである(運転していない)。モータ源34は、流体を筐体38の出口41から排出するためにある速度で駆動される。一方向軸受64は、ICE動力源20に対して逆の駆動をすることなく、歯車56をそのポンピング方向においてシャフト12上で自由に回転させる。ポンプ50からの送出量は、モータ源34の駆動速度に比例する。
【0067】
ポンプの増速モードでは、モータ源34は、入力シャフト12がエンジン/ICE源20によって回転させられるときより大きい速さで入力シャフト36を介してポンプ50を動作させる。増速モードは、電気モータ源34による要求に応じた増加を利用することで、ポンプ50からのより大きい送出量を可能にする。電気モータ源34は、流れを増加させて圧力を上昇させるために、素早い反応に向けてポンプ速度に連続的に同期させられ得る。具体的には、増速モードでは、ICE源20は、歯車56を駆動するために入力シャフト12をポンピング方向において回転させる。しかしながら、電気モータ源34は、モータ入力シャフト36および歯車54をそのポンピング方向において駆動するためにも使用され、歯車56をそのポンピング方向においてシャフト12の回転速さより大きい速さで駆動する速さでそのように行う。歯車56を伴う一方向クラッチ軸受64の使用は、そうでない場合に入力シャフト12およびICE源20によって回転させられるより大きい速さでモータ駆動される歯車54によって、歯車56をそのポンピング方向において回転させる。ポンプ50からの送出量は、どちらが歯車を最も早く駆動するかに拘らず、モータ速度またはエンジン速度に比例する。
【0068】
一実施形態では、一方向クラッチ軸受62、64は、
図10において示し、
図13A~
図14Bを参照して先に記載したものなど、一方向針状ころ軸受シェル式である。
【0069】
したがって、本明細書で開示されているような歯車内および単一のポンプ50内での一方向クラッチ軸受の使用は、よりコンパクトな実装を提供する(クラッチが典型的にはポンプの外側に設けられている公知のシステムと比較して)。この実装は、ポンプ50をより小さい空間に置くことができる一方で、ポンプ50を二重入力によってなおも駆動させることができる。
【0070】
出口15、41からの排出流れが方向付けられる指定されたシステムは、限定となるように意図されていない。例えば、そのシステムは、エンジン、モータ、変速機、または他の装置(そのうちの一部は、本記載を通じて記され得る)であり得る。
【0071】
また、本開示を通じて具体的に記されていないが、1つまたは複数の制御装置、センサ、または弁を含むいくつかのシステムがシステム100と共に使用され得ることは、当業者には理解されるべきである。制御装置は、本明細書で記載したクラッチ軸受と、例えば、ICE源20と、モータ34とに電気的に信号を送り制御するように設計され得る。追加のシール、ソレノイド、および/または他の装置がシステムで使用されてもよい。
【0072】
図示されていないが、筐体におけるカバーと協働するためにシャフトまたはシールを包囲するための環の形態でのシールなど、任意の数のシールが、筐体11、38、および/または52と関連付けられてもよい。
【0073】
本開示の原理が、前述した例示の実施形態のセットにおいてはっきりとさせられたが、様々な変形が、本開示の実施において使用された構造、配置、釣り合い、要素、材料、および構成部品に行われ得ることは、当業者には明らかである。
【0074】
したがって、本開示の特徴が十分に効果的に遂行されていることが見て取れる。しかしながら、前述の好ましい具体的な実施形態が、本開示の機能的および構造的な原理を示す目的のために図示および記載されており、このような原理から逸脱することなく変化させられることは、はっきりと理解されるものである。そのため、本開示は、以下の請求項の精神および範囲の内において網羅されるすべての変更を含んでいる。