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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】高強度複合素材の製造装置
(51)【国際特許分類】
   B22F 3/14 20060101AFI20220118BHJP
   C22C 1/05 20060101ALI20220118BHJP
   B30B 11/02 20060101ALI20220118BHJP
   B22F 3/035 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
B22F3/14 B
C22C1/05 C
B30B11/02 A
B22F3/035 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020147470
(22)【出願日】2020-09-02
(65)【公開番号】P2021110031
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2020-09-02
(31)【優先権主張番号】10-2019-0179280
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520337802
【氏名又は名称】ウォンジン アルミニウム
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】キム、ウ ジョン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ファ ジョン
【審査官】岡田 隆介
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第1228856(EP,A2)
【文献】特開平10-259403(JP,A)
【文献】特開2003-152145(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 3/14
B22F 3/035
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つ以上のパウダー混合物の焼結空間を提供する金型と、
前記金型をヒーティングさせるためのヒーティングブロックと、
前記ヒーティングブロックによる金型加熱が行われる間に、前記パウダー混合物を加圧させるためのものであって、中心部を加圧させる第1加圧ロッドと、内側に前記第1加圧ロッドが相対移動可能に設けられ、前記金型の内面と中心部との間の環状空間部を加圧させる第2加圧ロッドと、を含む加圧ユニットと、
前記金型内で前記加圧ユニットによるパウダー混合物の圧密及びヒーティングブロックによる加熱によって焼結が行われた後、その焼結されたパウダー混合物を冷却させるための冷却ブロックと、を含んでなり、
前記ヒーティングブロックは、前記加圧ユニットと同軸上に配され、その加圧ユニットが通過される貫通孔が形成されており、前記金型に載置されるベース部と、前記ベース部の貫通孔を取り囲んで円周方向に沿って複数個配列されるヒーター棒を備えるヒーティング部と、を含んでなり、前記金型が設けられたステージに相対移動可能に設けられ、
前記金型は、前記パウダー混合物の焼結空間を取り囲んで前記ヒーター棒と対応する位置に形成され、そのヒーター棒が挿入される複数の熱処理孔を含んでなることを特徴とする高強度複合素材の製造装置。
【請求項2】
前記冷却ブロックは、前記ヒーティングブロックによる金型の加熱が完了することにより、前記ヒーター棒の熱処理孔に対する挿入状態が解除された場合に、その熱処理孔に挿入される窒素投入用ノズルをさらに含んでなり、前記金型が設けられたステージに相対移動可能に設けられることを特徴とする請求項1に記載の高強度複合素材の製造装置。
【請求項3】
前記ヒーティングブロックは、前記金型が設けられたステージに昇降自在に設けられ、前記ベース部の貫通孔は、前記冷却ブロックの昇降動作時に、その冷却ブロックと干渉を起こさないようにする複数の干渉防止孔を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の高強度複合素材の製造装置。
【請求項4】
前記冷却ブロックは、前記ヒーティングブロックと同軸上で昇降するように、前記金型が設けられたステージに昇降自在に設けられ、前記ヒーティングブロックによる金型の加熱が完了することにより、前記ヒーター棒の熱処理孔に対する挿入状態が解除された場合に、前記干渉防止孔を通過した以後、前記熱処理孔に挿入される窒素投入用ノズルをさらに含んでなることを特徴とする請求項3に記載の高強度複合素材の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高強度複合素材の製造装置に係り、より詳細には、2つ以上のパウダー素材を均一に混合及び焼結させることにより、強度に優れながらも、均一な物性を有する複合素材の製造を可能にし、ヒーティングと冷却とを迅速に行わせて、焼結された複合素材を円滑に吐出させるように、構造が改善された高強度複合素材の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
1990年代以後に、世界的に環境汚染とエネルギー枯渇とに対する恐れが深刻に台頭しながら軽量金属に対する関心が高くなり、これにより、Al-SiC複合素材が本格的に研究され始めた。
【0003】
2000年代以後には、日本Sumitomo Electric社を中心として過共晶Al-Si合金粉末の一部表面をAIN層に窒化させる方式を通じて高い耐磨耗性の部品を製造し、これは、過共晶Al-Si合金の複合化が始まったことを意味する。
【0004】
一方、大韓民国のAl-SiC複合素材の製造技術は、先進国に比べて大きく劣っている状態であり、韓国機械研究所と現代自動車とで主にガス噴霧工程を利用した合金組成の改善及びSiCとの粉末混合関連技術についての研究を進行しつつある。
【0005】
Al合金基複合材料は、緑色素材産業に符合する軽量素材への関心が増大しつつある状態であり、炭化ケイ素(SiC)粒子が分散されたアルミニウム複合材料は、金属基地に強化粒子を微細分散させて、単一金属としては得にくい、高い比強度、比剛性、耐摩耗及び疲労特性が得られるなど優れた特性を有しているところ、自動車、宇宙航空及び軍需用品などに使われる。
【0006】
このような複合材料は、2つ以上の素材が混合されているために、均一な物性を有するように成形することが重要であるが、一般的な焼結工程による製造によれば、金型に熱を加えながらプレスで圧密させる過程によって焼結が行われるように構成され、金型内に収容された2つ以上のパウダー混合物を均一に混ぜるための装置が設けられず、均一な物性を有する混合物を期待しにくくて、焼結によって完成された成形物を金型から吐出させる場合、膨張している成形物が金型内壁に密着されており、容易に吐き出されないという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】大韓民国登録特許公報登録番号第10-1635792号
【文献】大韓民国登録特許公報登録番号第10-1936524号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記問題点を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は、2つ以上のパウダー素材を均一に混合及び焼結させることにより、強度に優れながらも、均一な物性を有する複合素材の製造を可能にする高強度複合素材の製造装置を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、焼結による複合素材形成以後、冷却を迅速に行わせて、焼結された複合素材を円滑に吐出させる高強度複合素材の製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を果たすための本発明による高強度複合素材の製造装置は、少なくとも2つ以上のパウダー混合物の焼結空間を提供する金型;前記金型をヒーティングさせるためのヒーティングブロック;前記ヒーティングブロックによる金型加熱が行われる間に、前記パウダー混合物を加圧させるためのものであって、中心部を加圧させる第1加圧ロッドと、内側に前記第1加圧ロッドが相対移動可能に設けられ、前記金型の内面と中心部との間の環状空間部を加圧させる第2加圧ロッドと、を含む加圧ユニット;及び前記金型内で前記加圧ユニットによるパウダー混合物の圧密及びヒーティングブロックによる加熱によって焼結が行われた後、その焼結されたパウダー混合物を冷却させるための冷却ブロック;を含んでなることを特徴とする。
【0011】
前記ヒーティングブロックは、前記加圧ユニットと同軸上に配され、その加圧ユニットが通過される貫通孔が形成されており、前記金型に載置されるベース部と、前記ベース部の貫通孔を取り囲んで円周方向に沿って複数個配列されるヒーター棒を備えるヒーティング部と、を含んでなり、前記金型が設けられたステージに相対移動可能に設けられることが望ましい。
【0012】
前記金型は、前記パウダー混合物の焼結空間を取り囲んで前記ヒーター棒と対応する位置に形成され、そのヒーター棒が挿入される複数の熱処理孔を含んでなることが望ましい。
【0013】
前記冷却ブロックは、前記ヒーティングブロックによる金型の加熱が完了することにより、前記ヒーター棒の熱処理孔に対する挿入状態が解除された場合に、その熱処理孔に挿入される窒素投入用ノズルをさらに含んでなり、前記金型が設けられたステージに相対移動可能に設けられることが望ましい。
【0014】
前記ヒーティングブロックは、前記加圧ユニットと同軸上に配され、その加圧ユニットが通過される貫通孔が形成されており、前記金型に載置されるベース部と、前記ベース部の貫通孔を取り囲んで円周方向に沿って複数個配列されるヒーター棒を備えるヒーティング部と、を含んでなり、前記金型が設けられたステージに昇降自在に設けられ、前記ベース部の貫通孔は、前記冷却ブロックの昇降動作時に、その冷却ブロックと干渉を起こさないようにする複数の干渉防止孔を含んでなり、前記金型は、前記パウダー混合物の焼結空間を取り囲んで前記ヒーター棒と対応する位置に形成され、そのヒーター棒が挿入される複数の熱処理孔を含んでなりうる。
【0015】
前記冷却ブロックは、前記ヒーティングブロックと同軸上で昇降するように、前記金型が設けられたステージに昇降自在に設けられ、前記ヒーティングブロックによる金型の加熱が完了することにより、前記ヒーター棒の熱処理孔に対する挿入状態が解除された場合に、前記干渉防止孔を通過した以後、前記熱処理孔に挿入される窒素投入用ノズルをさらに含んでなることも可能である。
【発明の効果】
【0016】
前述したような構成を有する本発明による高強度複合素材の製造装置は、複数のパウダー素材を金型内で混合させるが、そのパウダー混合物の中心部と残りの部分とを第1加圧ロッドと第2加圧ロッドとによって交互に圧密させることにより、2つ以上の素材を相対的に均一に圧密させ、例えば、Al-SiCのように高強度アルミニウム複合素材を焼結によって形成させようとする場合に、優れた強度を有しながらも、均一な物性を有する複合素材の製造を可能にし、ヒーティングブロックを金型内に結合させた状態で焼結が行われるようにし、そのヒーティングブロックを金型から分離後、冷却ブロックを金型に結合させて冷却工程が行われるように構成されることにより、相対的に冷却工程が迅速に行われることによって、金型内で成形された複合素材を迅速かつ容易に吐出させるようにし、複合素材吐出のために金型の構造を複雑に構成しなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態による高強度複合素材の製造装置の分離斜視図である。
図2】本発明の一実施形態の構成を分離して示した断面図である。
図3】本発明の一実施形態の加圧ユニットによる加圧工程を説明する図面である。
図4】本発明の一実施形態の冷却ブロックによる冷却工程を説明する図面である。
図5】本発明の他の実施形態による高強度複合素材の製造装置の分離斜視図である。
図6図5のVI部分結合された状態での平面図である。
図7】本発明の他の実施形態の構成を分離して示した断面図である。
図8】本発明の他の実施形態の加圧ユニットによる加圧工程を説明する図面である。
図9】本発明の他の実施形態の冷却ブロックによる冷却工程を説明する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明で本発明に係わる理解を明確にするために、本発明の特徴に対する公知の技術についての説明は省略する。以下の実施形態は、本発明の理解を助けるための詳細な説明であり、本発明の権利範囲を制限するものではないことは当然である。したがって、本発明と同じ機能を行う均等な発明も、本発明の権利範囲に属するものである。
【0019】
そして、以下の説明で同じ識別記号は、同じ構成を意味し、不要な重複的な説明及び公知の技術についての説明は省略する。また、前記発明の背景となる技術に対する記載内容と重複する以下の本発明の各実施形態に関する説明も省略する。
【0020】
以下、本発明の一実施形態による高強度複合素材の製造装置を添付図面を参照して詳しく説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による高強度複合素材の製造装置の分離斜視図であり、図2は、本発明の一実施形態の構成を分離して示した断面図であり、図3は、本発明の一実施形態の加圧ユニットによる加圧工程を説明する図面であり、図4は、本発明の一実施形態の冷却ブロックによる冷却工程を説明する図面である。
【0022】
図1及び図2によく示したように、本発明の一実施形態による高強度複合素材の製造装置は、金型10とヒーティングブロック20、30と冷却ブロック40とを含んでなる。
【0023】
前記金型10は、少なくとも2つ以上のパウダー素材が収容され、前記30による圧密過程によって混合されたパウダー混合物の焼結空間12を提供する。
【0024】
前記ヒーティングブロック20は、前記金型10をヒーティングさせるためのものであって、図3のように、前記金型10に結合された状態で熱を発生させて、金型10内で混合されたパウダー混合物を焼結させる。
【0025】
前記30は、前記ヒーティングブロック20による金型10加熱が行われる間に、前記パウダー混合物を圧密及び均一に混合させるためのものであって、図3の(a)及び図3の(b)のように、交互に前記パウダー混合物を圧密させる第1加圧ロッド31と第2加圧ロッド32とを含んでなる。
【0026】
前記第1加圧ロッド31は、前記金型10内の収容されたパウダー混合物の中心部を加圧させるためのものであって、その中心部と同軸上に配され、前記第2加圧ロッド32は、前記パウダー混合物の、前記金型10の内面と中心部との間の環状空間部に対応する部分を加圧させるためのものであって、内側に前記第1加圧ロッド31が相対移動可能に設けられる。
【0027】
前記冷却ブロック40は、図3のように、前記金型10内で前記ヒーティングブロック30によるパウダー混合物の圧密及びヒーティングブロック20による加熱によって焼結が行われた後、図4のように、前記金型10に結合されて、その焼結されたパウダー混合物を冷却させる役割を果たす。
【0028】
このような構成を有する本発明の一実施形態による高強度複合素材の製造装置は、複数のパウダー素材を金型10内で混合させるが、そのパウダー混合物の中心部と残りの部分とを第1加圧ロッド31と第2加圧ロッド32とによって交互に圧密させることにより、2つ以上の素材を相対的に均一に圧密させ、例えば、Al-SiCのように高強度アルミニウム複合素材を焼結によって形成させようとする場合に、優れた強度を有しながらも、均一な物性を有する複合素材の製造を可能にする長所を期待させうる。
【0029】
また、本実施形態は、ヒーティングブロック20を金型10内に結合させた状態で焼結が行われるようにし、そのヒーティングブロック20を金型10から分離後、冷却ブロック40を金型10に結合させて、冷却工程が行われるように構成されることにより、相対的に冷却工程が迅速に行われることによって、金型10内で成形された複合素材を迅速かつ容易に吐出させるようにし、複合素材吐出のために金型10の構造を複雑に構成しなくてもよい長所を導出する。
【0030】
一方、本実施形態に採用されたヒーティングブロック20は、前記30と同軸上に配されるベース部22と、そのベース部22に連結されたヒーティング部24と、を含んでなり、図4によく示したように、前記金型10が設けられたステージ(S)に相対移動及び昇降自在に設けられる。
【0031】
前記ベース部22は、図1及び図2によく示したように、前記30が通過される貫通孔22aが形成されており、図3のように、金型10を加熱させる加熱工程遂行時に、その金型10に載置される。
【0032】
前記ヒーティング部24は、図1によく示したように、前記ベース部22の貫通孔22aを取り囲んで円周方向に沿って複数個配列されるヒーター棒24aを備え、前記金型10は、前記パウダー混合物の焼結空間12を取り囲んで前記ヒーター棒24aと対応する位置に形成され、そのヒーター棒24aが挿入される複数の熱処理孔14を含んでなる。
【0033】
このような構成を有する本実施形態は、金型10とヒーティングブロック20との結合及び分離を円滑に行わせ、金型10に直接的なヒーティングを可能にして、焼結成形の効率性を向上させる効果を有する。
【0034】
前記冷却ブロックは、前記金型10が設けられたステージ(S)に相対移動及び昇降自在に設けられて、図4によく示したように、前記ヒーティングブロック20による加熱工程と交互に冷却工程とを迅速に行わせる。
【0035】
このような冷却ブロックは、前記ヒーティングブロック20による金型10の加熱が完了することにより、前記ヒーター棒24aの熱処理孔14に対する挿入状態が解除された場合に、その熱処理孔14に挿入される窒素投入用ノズル42を含んでなって、前記金型10を窒素冷却方式で迅速に冷却させる。
【0036】
このような構成を有する本実施形態は、金型10と冷却ブロック40との結合及び分離を円滑に行わせ、金型10に直接的に冷却させて、焼結された複合素材を円滑に吐出させる効果を有する。
【0037】
前記ヒーティングブロック20と冷却ブロック40との昇降及びスライディングのための構成は、多様な構造として具現することができるということはいうまでもないが、図2に概略的に示したように、昇降動作は、モータ(M)と移送スクリュー(T)とを通じて具現することができ、摺動は、ステージ(S)のレールに沿って相対移動する設置ジグ(S1;ヒーティングブロックまたは冷却ブロックが設けられるジグ)を通じて具現することができる。
【0038】
以下、図5ないし図9を参照して、本発明の他の実施形態による高強度複合素材の製造装置を詳しく説明する。
【0039】
図5は、本発明の他の実施形態による高強度複合素材の製造装置の分離斜視図であり、図6は、図5のVI部分結合された状態での平面図であり、図7は、本発明の他の実施形態の構成を分離して示した断面図であり、図8は、本発明の他の実施形態の加圧ユニットによる加圧工程を説明する図面であり、図9は、本発明の他の実施形態の冷却ブロックによる冷却工程を説明する図面である。
【0040】
本実施形態は、図5及び図7によく示したように、前述した実施形態と同様に、金型50とヒーティングブロック60と冷却ブロック80と加圧ユニット70とを含んでなるが、ヒーティングブロック60と冷却ブロック80との構造及び金型50の熱処理孔54の個数において差がある。
【0041】
本実施形態に採用されたヒーティングブロック60は、前述したベース部62とヒーティング部64とを含んでなり、前述した実施形態とは異なって、ベース部62に形成された貫通孔621に干渉防止孔621aが含まれている構造を有する。
【0042】
すなわち、前記ベース部62は、加圧ユニット70と同軸上に配され、その加圧ユニット70が通過される貫通孔621が形成されており、前記金型50に載置される部分であり、前記ヒーティング部64は、前記ベース部62の貫通孔621を取り囲んで円周方向に沿って複数個配列されるヒーター棒64aを含んでなる。
【0043】
ここで、前記ベース部62に形成された貫通孔621は、図8及び図9のように、前記冷却ブロック80及びヒーティングブロック60の昇降動作時に、その冷却ブロック80及びヒーティングブロック60と干渉を起こさないようにする複数の干渉防止孔621aを含んでなる。
【0044】
本実施形態は、前述した実施形態に採用されたヒーティングブロック60と冷却ブロック80との相互干渉を防止するために、スライディングだけではなく、昇降動作が行われるように構成されたものとは異なって、前記ヒーティングブロック60の貫通孔621を通じて加圧ユニット70がヒーティングブロック60と干渉されずに動作するように構成されることは言うまでもなく、図6によく示したように、その貫通孔621に形成された干渉防止孔621aを通じて冷却ブロック80がヒーティングブロック60と干渉されずに動作するように構成されることにより、製品を簡素に構成可能にして、製造コスト削減を可能にする。
【0045】
本実施形態に採用された金型50は、前述した実施形態と同様に、ヒーティングブロック60のヒーター棒64aが挿入される複数の熱処理孔54を含んでなるが、前述した実施形態とは異なって、熱処理孔54の一部には、ヒーティングブロック60のヒーター棒64aが挿入され、残りの部分には、冷却ブロック80の窒素投入用ノズル82が挿入される。
【0046】
すなわち、本実施形態に採用された冷却ブロック80は、前記ヒーティングブロック60と同軸上で昇降するように、前記金型50が設けられたステージに昇降自在に設けられ、窒素冷却方式による急速冷却を可能にする窒素投入用ノズル82を含んでなる。
【0047】
前記窒素投入用ノズル82は、図9によく示したように、前記ヒーティングブロック60による金型50の加熱が完了することにより、前記ヒーター棒64aの熱処理孔54に対する挿入状態が解除された場合に、前記干渉防止孔621aを通過した以後、前記熱処理孔54に挿入される。
【0048】
このような構成を有する本実施形態は、加圧ユニット70とヒーティングブロック60と冷却ブロック80とが干渉されずに上下に昇降するように構成されることにより、図8の(a)及び図8の(b)のように、ヒーティングブロック60による金型50加熱が行われる間に、第1加圧ロッド71と第2加圧ロッド72とを交互にパウダー混合物を圧密させて、均一な物性を有する高強度複合素材の成形を可能にし、このような加圧工程以後、図9のように、ヒーティングブロック60を上昇させて金型50から分離させ、冷却ブロック80を下降させて、金型50に結合させた状態で迅速に焼結されたパウダー混合物を冷却させて、金型50から吐出させる。
【0049】
以上、本発明の多様な実施形態について説明したが、本実施形態及び本明細書に添付された図面は、本発明に含まれる技術的思想の一部を明確に示しているものに過ぎず、本発明の明細書及び図面に含まれた技術的思想の範囲内で当業者が容易に類推することができる変形例と具体的な実施形態は、いずれも本発明の権利範囲に含まれることが自明である。
【符号の説明】
【0050】
10:金型
12:焼結空間
14:熱処理孔
20:ヒーティングブロック
22:ベース部
22a:貫通孔
24:ヒーティング部
24a:ヒーター棒
30:加圧ユニット
31:第1加圧ロッド
32:第2加圧ロッド
40:冷却ブロック
42:窒素投入用ノズル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9