(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-21
(45)【発行日】2022-01-31
(54)【発明の名称】無線通信システムにおいて送信ダイバーシティ技法により送信されたV2X信号のデコーディング方法及び上記方法を利用する端末
(51)【国際特許分類】
H04L 27/26 20060101AFI20220124BHJP
H04L 1/06 20060101ALI20220124BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20220124BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20220124BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20220124BHJP
H04W 4/40 20180101ALI20220124BHJP
【FI】
H04L27/26 410
H04L27/26 114
H04L1/06 180
H04W92/18
H04W72/04 136
H04W16/28 150
H04W4/40
(21)【出願番号】P 2019552149
(86)(22)【出願日】2018-03-21
(86)【国際出願番号】 KR2018003254
(87)【国際公開番号】W WO2018174537
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-01-21
(32)【優先日】2017-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】リ,ソンミン
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ハンビュル
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨンテ
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ヒョクチン
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-522774(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0373735(US,A1)
【文献】Intel Corporation,PSSCH DMRS generation for sidelink V2V communication[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #87 R1-1611919,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_87/Docs/R1-1611919.zip>,2016年11月06日
【文献】Intel Corporation,Proposal to align DMRS cyclic shift for PSCCH and PSSCH (Correction to V2V CR - 36.211)[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #86bis R1-1609453,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_86b/Docs/R1-1609453.zip>,2016年10月01日
【文献】Samsung,Further randomization on DMRS and scrambling code[online],3GPP TSG RAN WG1 #88 R1-1702861,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88/Docs/R1-1702861.zip>,2017年02月07日
【文献】Huawei, HiSilicon,DMRS enhancement of V2V[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #84 R1-160284,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_84/Docs/R1-160284.zip>,2016年02月06日
【文献】Samsung,Further randomization on DMRS and scrambling code[online],3GPP TSG RAN WG1 #86bis R1-1608983,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_86b/Docs/R1-1608983.zip>,2016年10月01日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04L 1/06
H04W 92/18
H04W 72/04
H04W 16/28
H04W 4/40
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-2
3GPP TSG CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて送信ダイバーシティ技法により送信されたV2X(vehicle-to-everything)信号のデコーディング方法であって、
物理サイドリンク制御チャネル(physical sidelink control channel:PSCCH)を介して受信されたサイドリンク制御情報(sidelink control information:SCI)のCRC(cyclic redundancy check)に基づいて第1のアンテナポートに連関した第1のDM-RS(demodulation reference signal)の第1のCS(cyclic shift)値を判断し、
前記SCIの留保されたビット(reserved bit)に基づいて、第2のアンテナポートに連関した第2のDM-RSの第2のCS値を判断し、
前記第1のCS値が適用された第1のDM-RS及び前記第2のCS値が適用された前記第2のDM-RSに基づいて、前記第1のアンテナポート及び前記第2のアンテナポートを介して送信された前記V2X信号をデコーディングすることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記第1のDM-RSは、前記第1のCS値に基づいて決定され、前記第2のDM-RSは、前記第2のCS値に基づいて決定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記SCIの前記留保されたビットは、CSに対するオフセット値を含み、前記第2のCS値は、前記第1のCS値に前記CSに対するオフセット値を適用して決定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のアンテナポートは、既存の端末(legacy UE)及び改善された端末(advanced UE)に共通的に使用されるアンテナポートであり、
前記第2のアンテナポートは、前記改善された端末にのみ使用されるアンテナポートであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記V2X信号は、時間領域において複数のシンボルを含むサブフレームで連続する2個のシンボルから受信されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記サブフレームの最後のシンボルは、前記V2X信号の受信に使用されないことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のCS値及び前記第2のCS値は、各々循環シフト値を示すインデックスであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記V2X信号は、複数のシンボルを含むサブフレームにおいて、参照信号を受信するシンボルを除いたシンボルの中で2個のシンボルの単位で受信されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記サブフレームが14個のシンボルを含む場合、前記2個のシンボルの単位は、2番目のシンボル及び4番目のシンボル、5番目のシンボル及び7番目のシンボル、8番目のシンボル及び10番目のシンボル、11番目のシンボル及び13番目のシンボルを含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記サブフレームが14個のシンボルを含む場合、前記2個のシンボルの単位は、4番目のシンボル及び5番目のシンボル、7番目のシンボル及び8番目のシンボル、10番目のシンボル及び11番目のシンボルを含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記サブフレームが14個のシンボルを含む場合、前記参照信号を受信するシンボルは、3番目のシンボル、6番目のシンボル、9番目のシンボル、及び12番目のシンボルであることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
端末であって、
無線信号を送信及び受信する送受信機(transceiver)と、
前記送受信機と結合して動作するプロセッサとを備えてなり、
前記プロセッサは、
物理サイドリンク制御チャネル(physical sidelink control channel:PSCCH)を介して受信されたサイドリンク制御情報(sidelink control information:SCI)のCRC(cyclic redundancy check)に基づいて第1のアンテナポートに連関した第1のDM-RS(demodulation reference signal)の第1のCS(cyclic shift)値を判断し、
前記SCIの留保されたビット(reserved bit)に基づいて、第2のアンテナポートに連関した第2のDM-RSの第2のCS値を判断し、
前記第1のCS値が適用された第1のDM-RS及び前記第2のCS値が適用された前記第2のDM-RSに基づいて、前記第1のアンテナポート及び前記第2のアンテナポートを介して送信された前記V2X信号をデコーディングすることを特徴とする、端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信に関し、より詳細には、無線通信システムにおいて送信ダイバーシティ技法により送信されたV2X(vehicle-to-everything)信号のデコーディング方法及び上記方法を利用する端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、装置間直接通信をするD2D(Device-to-Device)技術に対する関心が高まっている。特に、D2Dは、公衆安全ネットワーク(public safety network)のための通信技術として注目を受けている。公衆安全ネットワークは、商業的通信ネットワークに比べて高いサービス要求条件(信頼度及び保安性)を有し、特に、セルラー通信のカバレッジが及ぼさないか、利用可能でない場合にも、装置間の直接信号送受信、すなわち、D2D動作も要求している。
【0003】
D2D動作は、近接した機器間の信号送受信であるという点で様々な長所を有することができる。例えば、D2D端末は、高い送信率及び低い遅延を有し、データ通信をすることができる。また、D2D動作は、基地局に集まるトラフィックを分散させることができ、D2D端末が中継機の役割をするならば、基地局のカバレッジを拡張させる役割もすることができる。
【0004】
一方、LTE-A(long term evolution-advanced)では、端末と端末との間のインターフェースをサイドリンク(sidelink)と称し、サイドリンクは、車両に設けられた端末間または車両に設けられた端末と他の端末との間の通信、すなわち、V2X(vehicle-to-everything)にも使用されることができる。
【0005】
一方、既存のV2X通信では、送信ダイバーシティ(transmit diversity)を支援しなかった。送信ダイバーシティには、空間的に分離された2つ以上のアンテナを用いて信号を送信する空間ダイバーシティ(space diversity)、互いに異なる周波数資源を用いて信号を送信する周波数ダイバーシティ、互いに異なる時間資源を用いて信号を送信する時間ダイバーシティなど、様々な方法がある。
【0006】
V2X通信に送信ダイバーシティを支援しない標準規格にしたがって動作する既存の端末と、V2X通信に送信ダイバーシティを支援する新しい標準規格にしたがって動作する改善された端末とが混在できる。このような場合、既存の端末に及ぼす影響を最小化しつつ、改善された端末に送信ダイバーシティを適用したV2X信号を送信したり、前記V2X信号をデコーディングさせることができる方法及び装置が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、送信ダイバーシティ技法によって送信されたV2X信号のデコーディング方法及び上記方法を利用する端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一側面において、無線通信システムにおいて送信ダイバーシティ技法により送信されたV2X信号のデコーディング方法を提供する。上記方法は、物理サイドリンク制御チャネル(physical sidelink control channel:PSCCH)を介して受信されたサイドリンク制御情報(sidelink control information:SCI)のCRC(cyclic redundancy check)に基づいて第1のアンテナポートに連関した第1のDM-RS(demodulation reference signal)の第1のCS(cyclic shift)値を判断し、前記SCIの留保されたビット(reserved bit)に基づいて、第2のアンテナポートに連関した第2のDM-RSの第2のCS値を判断し、前記第1のCS値が適用された第1のDM-RS及び前記第2のCS値が適用された前記第2のDM-RSに基づいて、前記第1のアンテナポート及び前記第2のアンテナポートを介して送信された前記V2X信号をデコーディングすることを特徴とする。
【0009】
前記第1のDM-RSは、前記第1のCS値に基づいて決定され、前記第2のDM-RSは、前記第2のCS値に基づいて決定されることができる。
【0010】
前記SCIの前記留保されたビットは、CSに対するオフセット値を含み、前記第2のCS値は、前記第1のCS値に前記CSに対するオフセット値を適用して決定されることができる。
【0011】
前記第1のアンテナポートは、既存の端末(legacy UE)及び改善された端末(advanced UE)に共通的に使用されるアンテナポートであり、前記第2のアンテナポートは、前記改善された端末にのみ使用されるアンテナポートでありうる。
【0012】
前記V2X信号は、時間領域において複数のシンボルを含むサブフレームで連続する2個のシンボルから受信されることができる。
【0013】
前記サブフレームの最後のシンボルは、前記V2X信号の受信に使用されないことがある。
【0014】
前記第1のCS値及び前記第2のCS値は、各々循環シフト値を示すインデックスでありうる。
【0015】
前記V2X信号は、複数のシンボルを含むサブフレームにおいて、参照信号を受信するシンボルを除いたシンボルの中で2個のシンボルの単位で受信されることができる。
【0016】
前記サブフレームが14個のシンボルを含む場合、前記2個のシンボルの単位は、2番目のシンボル及び4番目のシンボル、5番目のシンボル及び7番目のシンボル、8番目のシンボル及び10番目のシンボル、11番目のシンボル及び13番目のシンボルを含むことができる。
【0017】
前記サブフレームが14個のシンボルを含む場合、前記2個のシンボルの単位は、4番目のシンボル及び5番目のシンボル、7番目のシンボル及び8番目のシンボル、10番目のシンボル及び11番目のシンボルを含むことができる。
【0018】
前記サブフレームが14個のシンボルを含む場合、前記参照信号を受信するシンボルは、3番目のシンボル、6番目のシンボル、9番目のシンボル、及び12番目のシンボルでありうる。
【0019】
他の側面において提供される端末は、無線信号を送信及び受信する送受信機(transceiver)及び前記送受信機と結合して動作するプロセッサを備え、前記プロセッサは、物理サイドリンク制御チャネル(physical sidelink control channel:PSCCH)を介して受信されたサイドリンク制御情報(sidelink control information:SCI)のCRC(cyclic redundancy check)に基づいて第1のアンテナポートに連関した第1のDM-RS(demodulation reference signal)の第1のCS(cyclic shift)値を判断し、前記SCIの留保されたビット(reserved bit)に基づいて、第2のアンテナポートに連関した第2のDM-RSの第2のCS値を判断し、前記第1のCS値が適用された第1のDM-RS及び前記第2のCS値が適用された前記第2のDM-RSに基づいて、前記第1のアンテナポート及び前記第2のアンテナポートを介して送信された前記V2X信号をデコーディングすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、V2X通信に送信ダイバーシティを支援しない標準規格にしたがって動作する既存の端末とV2X通信に送信ダイバーシティを支援する新しい標準規格にしたがって動作する改善された端末とが混在する状況で、前記既存の端末に及ぼす影響を最小化しつつ、前記改善された端末に送信ダイバーシティ技法を利用したV2X信号を送信でき、前記改善された端末は、前記V2X信号をデコーディングできる。特に、前記V2X信号のデコーディングに使用される参照信号を決定するのに使用される循環シフト値を効率的に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】ユーザ平面(user plane)に対する無線プロトコル構造(radio protocol architecture)を示すブロック図である。
【
図3】制御平面(control plane)に対する無線プロトコル構造を示すブロック図である。
【
図6】既存のV2Xメッセージ送受信に使用されるチャネル及びサブフレーム構造を例示する。
【
図7】TXD関連シンボルペアリングの一例を示す。
【
図8】TXD関連シンボルペアリングの他の例を示す。
【
図9】TXD関連シンボルペアリングのさらに他の例を示す。
【
図10】TXD関連シンボルペアリングのさらに他の例を示す。
【
図11】既存のV2X通信においてPSSCHのDM-RSの循環シフト(CS)値及び/又は直交カバーシーケンス(orthogonal cover code:OCC)を判断する方法を例示する。
【
図12】例示#4-1による端末のV2X信号デコーディング方法を例示する。
【
図13】
図12において説明した方法のより具体的な適用例である。
【
図14】本発明の実施形態が実現される装置を示したブロック図である。
【
図15】プロセッサ1100を構成する一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
【0023】
無線通信システムは、例えば、E-UTRAN(Evolved-UMTSTerrestrial Radio Access Network)、またはLTE(Long Term Evolution)/LTE-Aシステムであると称することができる。
【0024】
E-UTRANは、端末(User Equipment、UE)10に制御平面(control plane)とユーザ平面(user plane)を提供する基地局(Base Station、BS)20を含む。端末10は、固定されてもよいし、移動性を有してもよく、MS(Mobile station)、UT(User Terminal)、SS(Subscriber Station)、MT(mobile terminal)、無線機器(Wireless Device)等、他の用語で呼ばれることもある。基地局20は、端末10と通信する固定局(fixed station)を意味し、eNB(evolved-NodeB)、BTS(Base Transceiver System)、アクセスポイント(Access Point)等、他の用語で呼ばれることもある。
【0025】
基地局20は、X2インターフェースを介して互いに連結されることができる。基地局20は、S1インターフェースを介してEPC(Evolved Packet Core)30、より詳しくは、S1-MMEを介してMME(Mobility Management Entity)と連結され、S1-Uを介してS-GW(Serving Gateway)と連結される。
【0026】
EPC30は、MME、S-GW及びP-GW(Packet Data Network-Gateway)で構成される。MMEは、端末の接続情報や端末の能力に対する情報を有しており、このような情報は、端末の移動性管理に主に使われる。S-GWは、E-UTRANを終端点として有するゲートウェイであり、P-GWは、PDNを終端点として有するゲートウェイである。
【0027】
端末とネットワークとの間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)の階層は、通信システムで広く知られた開放型システム間相互接続(Open System Interconnection;OSI)基準モデルの下位3個階層に基づいてL1(第1の階層)、L2(第2の階層)、L3(第3の階層)に区分されることができ、このうち、第1の階層に属する物理階層は、物理チャネル(Physical Channel)を利用した情報転送サービス(Information Transfer Service)を提供し、第3の階層に位置するRRC(Radio Resource Control)階層は、端末とネットワークとの間に無線リソースを制御する役割を遂行する。そのために、RRC階層は、端末と基地局との間のRRCメッセージを交換する。
【0028】
無線通信システムは、TDD(time division duplex)システム、FDD(frequency division duplex)システム、またはTDDとFDDとが共に使用されるシステムでありうる。
【0029】
図2は、ユーザ平面(user plane)に対する無線プロトコル構造(radio protocol architecture)を示したブロック図であり、
図3は、制御平面(controlplane)に対する無線プロトコル構造を示したブロック図である。ユーザ平面は、ユーザデータ送信のためのプロトコルスタック(protocol stack)であり、制御平面は、制御信号送信のためのプロトコルスタックである。
【0030】
図2及び
図3を参照すると、物理階層(PHY(physical) layer)は、物理チャネル(physical channel)を利用して上位階層に情報転送サービス(information transfer service)を提供する。物理階層は、上位階層であるMAC(Medium Access Control)階層とはトランスポートチャネル(transport channel)を介して連結されている。トランスポートチャネルを介してMAC階層と物理階層との間にデータが移動する。トランスポートチャネルは、無線インターフェースを介して、データが、どのように、どのような特徴にトランスポートされるかによって分類される。
【0031】
互いに異なる物理階層間、即ち、送信機と受信機の物理階層間は、物理チャネルを介してデータが移動する。前記物理チャネルは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式に変調されることができ、時間と周波数を無線リソースとして活用する。
【0032】
MAC階層の機能は、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間のマッピング、及び論理チャネルに属するMAC SDU(service data unit)のトランスポートチャネル上に物理チャネルで提供されるトランスポートブロック(transport block)への多重化/逆多重化を含む。MAC階層は、論理チャネルを介してRLC(Radio Link Control)階層にサービスを提供する。
【0033】
RLC階層の機能は、RLC SDUの連結(concatenation)、分割(segmentation)及び再結合(reassembly)を含む。無線ベアラ(Radio Bearer;RB)が要求する多様なQoS(Quality of Service)を保障するために、RLC階層は、透明モード(Transparent Mode、TM)、非確認モード(Unacknowledged Mode、UM)及び確認モード(Acknowledged Mode、AM)の三つの動作モードを提供する。AM RLCは、ARQ(automatic repeat request)を介してエラー訂正を提供する。
【0034】
RRC(Radio Resource Control)階層は、制御平面でのみ定義される。RRC階層は、無線ベアラの設定(configuration)、再設定(re-configuration)及び解除(release)と関連して論理チャネル、トランスポートチャネル及び物理チャネルの制御を担当する。RBは、端末とネットワークとの間のデータ伝達のために、第1の階層(PHY階層)及び第2の階層(MAC階層、RLC階層、PDCP階層)により提供される論理的経路を意味する。
【0035】
ユーザ平面でのPDCP(Packet Data Convergence Protocol)階層の機能は、ユーザデータの伝達、ヘッダ圧縮(header compression)及び暗号化(ciphering)を含む。制御平面でのPDCP(Packet Data Convergence Protocol)階層の機能は、制御平面データの伝達及び暗号化/完全性保護(integrity protection)を含む。
【0036】
RBが設定されるとは、特定サービスを提供するために、無線プロトコル階層及びチャネルの特性を規定し、それぞれの具体的なパラメータ及び動作方法を設定する過程を意味する。また、RBは、SRB(Signaling RB)とDRB(Data RB)の二つに分けられる。SRBは、制御平面でRRCメッセージを送信する通路として使われ、DRBは、ユーザ平面でユーザデータを送信する通路として使われる。
【0037】
端末のRRC階層とE-UTRANのRRC階層との間にRRC接続(RRC Connection)が確立される場合、端末は、RRC接続(RRC connected)状態になり、そうでない場合、RRCアイドル(RRC idle)状態になる。
【0038】
ネットワークから端末にデータを送信するダウンリンクトランスポートチャネルには、システム情報を送信するBCH(Broadcast Channel)と、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信するダウンリンクSCH(Shared Channel)がある。ダウンリンクマルチキャストまたはブロードキャストサービスのトラフィックまたは制御メッセージの場合、ダウンリンクSCHを介して送信されることもでき、または別途のダウンリンクMCH(Multicast Channel)を介して送信されることもできる。一方、端末からネットワークにデータを送信するアップリンクトランスポートチャネルとしては、初期制御メッセージを送信するRACH(Random Access Channel)と、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信するアップリンクSCH(Shared Channel)がある。
【0039】
トランスポートチャネル上位にあり、トランスポートチャネルにマッピングされる論理チャネル(Logical Channel)には、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、MTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
【0040】
物理チャネル(Physical Channel)は、時間領域で複数個のOFDMシンボルと周波数領域で複数個の副搬送波(Sub-carrier)とで構成される。一つのサブフレーム(Sub-frame)は、時間領域で複数のOFDMシンボル(Symbol)で構成される。リソースブロックは、リソース割当単位であり、複数のOFDMシンボルと複数の副搬送波(sub-carrier)とで構成される。また、各サブフレームは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、即ち、L1/L2制御チャネルのために、該当サブフレームの特定OFDMシンボル(例えば、1番目のOFDMシンボル)の特定副搬送波を利用することができる。TTI(Transmission Time Interval)は、サブフレーム送信の単位時間である。
【0041】
RRC状態とは、端末のRRC階層がE-UTRANのRRC階層と論理的連結(logical connection)されているか否かをいい、連結されている場合は、RRC連結状態(RRC_CONNECTED)、連結されていない場合は、RRCアイドル状態(RRC_IDLE)と呼ぶ。RRC連結状態の端末は、RRC連結が存在するので、E-UTRANは、当該端末の存在をセル単位で把握することができ、したがって、端末を効果的に制御できる。それに対し、RRCアイドル状態の端末は、E-UTRANが把握することはできず、セルよりさらに大きい地域単位であるトラッキング領域(Tracking Area)単位でCN(core network)が管理する。すなわち、RRCアイドル状態の端末は、大きい地域単位で存在可否のみ把握され、音声やデータのような通常の移動通信サービスを受けるためには、RRC連結状態に移動しなければならない。
【0042】
ユーザが端末の電源を最初につけたとき、端末は、まず適切なセルを探索した後、当該セルでRRCアイドル状態に留まる。RRCアイドル状態の端末は、RRC連結を結ぶ必要があるとき、初めてRRC連結過程(RRC connection procedure)を介してE-UTRANとRRC連結を確立し、RRC連結状態に遷移する。RRCアイドル状態にあった端末がRRC連結を結む必要がある場合は、種々があるが、例えば、ユーザの通話試みなどの理由で上向きデータ送信が必要であるとか、それとも、E-UTRANから呼び出し(paging)メッセージを受信した場合、これに対する応答メッセージ送信などを挙げることができる。
【0043】
RRC階層の上位に位置するNAS(Non-Access Stratum)階層は、連結管理(Session Management)と移動性管理(Mobility Management)などの機能を果たす。
【0044】
NAS階層で端末の移動性を管理するために、EMM-REGISTERED(EPS Mobility Management-REGISTERED)及びEMM-DEREGISTEREDの2つの状態が定義されており、この2つの状態は、端末とMMEに適用される。初期端末は、EMM-DEREGISTERED状態であり、この端末がネットワークに接続するために、初期連結(Initial Attach)手順を介して当該ネットワークに登録する過程を行う。前記連結(Attach)手順が成功的に行われれば、端末及びMMEは、EMM-REGISTERED状態となる。
【0045】
端末とEPC間シグナリング連結(signaling connection)を管理するために、ECM(EPS Connection Management)-IDLE状態及びECM-CONNECTED状態の2つの状態が定義されており、この2つの状態は、端末及びMMEに適用される。ECM-IDLE状態の端末がE-UTRANとRRC連結を結ぶと、当該端末は、ECM-CONNECTED状態となる。ECM-IDLE状態にあるMMEは、E-UTRANとS1連結(S1 connection)を結ぶと、ECM-CONNECTED状態となる。端末がECM-IDLE状態にあるときには、E-UTRANは、端末の背景(context)情報を有していない。したがって、ECM-IDLE状態の端末は、ネットワークの命令を受ける必要なしにセル選択(cell selection)またはセル再選択(reselection)のような端末基盤の移動性関連手順を行う。それに対し、端末がECM-CONNECTED状態にあるときには、端末の移動性は、ネットワークの命令によって管理される。ECM-IDLE状態で端末の位置がネットワークが知っている位置と異なるようになる場合、端末は、トラッキング領域更新(Tracking Area Update)手順を介してネットワークに端末の当該位置を知らせる。
【0046】
これから、D2D動作について説明する。3GPP LTE-Aでは、D2D動作と関連したサービスを近接性基盤サービス(Proximity based Services:ProSe)と称する。以下、ProSeは、D2D動作と同等な概念であり、ProSeは、D2D動作と混用されることができる。これから、ProSeについて記述する。
【0047】
ProSeには、ProSe直接通信(communication)とProSe直接発見(direct discovery)とがある。ProSe直接通信は、近接した2つ以上の端末間で行われる通信をいう。前記端末は、ユーザ平面のプロトコルを用いて通信を行うことができる。ProSe可能端末(ProSe-enabled UE)は、ProSeの要求条件と関連した手順を支援する端末を意味する。特別な他の言及がなければ、ProSe可能端末は、公用安全端末(public safety UE)と非-公用安全端末(non-public safety UE)とを共に含む。公用安全端末は、公用安全に特化された機能とProSe過程とを共に支援する端末であり、非-公用安全端末は、ProSe過程は支援するが、公用安全に特化された機能は支援しない端末である。
【0048】
ProSe直接発見(ProSe direct discovery)は、ProSe可能端末が隣接した他のProSe可能端末を発見するための過程であり、このとき、前記2個のProSe可能端末の能力だけを使用する。EPC次元のProSe発見(EPC-level ProSe discovery)は、EPCが2個のProSe可能端末の近接可否を判断し、前記2個のProSe可能端末にそれらの近接を知らせる過程を意味する。
【0049】
以下、都合上、ProSe直接通信は、D2D通信、ProSe直接発見は、D2D発見と称することができる。D2D動作に使用されるリンクをLTEではサイドリンク(sidelink)と称する。
【0050】
これから、V2X(vehicle to everything)通信について説明する。V2Xは、車両に設けられた端末と他の端末との間の通信を意味し、前記他の端末が歩行者、車両、インフラストラクチャでありうるし、このとき、順にV2P(vehicle to pedestrian)、V2V(vehicle to vehicle)、V2I(vehicle to infrastructure)などと称することができる。
【0051】
V2X通信は、既存のLTE通信で使用する基地局と端末との間の上向き/下向きリンクでない、D2D動作で定義されたサイドリンク(sidelink)を介してデータ/制御情報を送受信できる。
【0052】
サイドリンクには、次のような物理的チャネルが定義され得る。
【0053】
PSBCH(Physical Sidelink Broadcast CHannel)は、物理サイドリンク放送チャネルである。PSCCH(Physical Sidelink Control CHannel)は、物理サイドリンク制御チャネルである。PSDCH(Physical Sidelink Discovery CHannel)は、物理サイドリンク発見チャネルである。PSSCH(Physical Sidelink Shared CHannel)は、物理サイドリンク共有チャネルである。SLSS(Sidelink Synchronization Signal)は、サイドリンク同期化信号である。SLSSには、PSSS(Primary Sidelink Synchronization Signal)とSSSS(Secondary Sidelink Synchronization Signal)とがありうる。SLSSとPSBCHとは、共に送信されることができる。
【0054】
サイドリンクは、端末対端末間のインターフェースを意味でき、サイドリンクは、PC5インターフェースに対応することができる。
【0055】
【0056】
図4(a)に示すように、V2X通信は、端末(UE)間のインターフェースであるPC5基盤の(端末間の)情報交換動作を支援でき、
図4(b)のように、基地局(eNodeB)と端末(UE)との間のインターフェースであるUu基盤の(端末間の)情報交換動作を支援することもできる。また、
図4(c)のように、PC5及びUuの両方を使用して(端末間の)情報交換動作を支援することもできる。
【0057】
以下では、説明の都合上、3GPP LTE/LTE-Aシステムに基づいて本発明を説明する。しかし、本発明が適用されるシステムの範囲は、3GPP LTE/LTE-Aシステム以外に、他のシステムへも拡張可能である。
【0058】
これから、本発明について説明する。
【0059】
本発明は、予め設定されるか、シグナリングされたV2X資源プール(resource pool)上で、送信ダイバーシティ(TX DIVERSITY:TXD)基盤でV2Xメッセージ送信動作が行われるとき、これを効率的に運営する方法及び前記V2Xメッセージを受信する端末の立場での受信方法に関連する。
【0060】
本発明において「TXD」は、予め設定されるか、シグナリングされた複数個のアンテナポート(ANTENNA PORT:AP)基盤の送信動作、例えば、SFBC(space frequency block coding)、STBC(space time block coding)、AP(/シンボル)別プリコーディング循環(PRECODING CYCLING(/ランダムビームフォーミング(RANDOM BEAMFORMING))等)と解釈されることができる。
【0061】
【0062】
図5に示すように、送信機は、2個のアンテナ(アンテナポート)を用いて信号s
0、s
1を送信する。具体的に、1番目の時間(例えば、第1のシンボル)では、1番目のアンテナ(アンテナポート)を用いてs
0を送信し、2番目のアンテナ(アンテナポート)を用いて-s
1
*を同時に送信することができる。ここで、*は、複素共役(complex conjugate)を示す。受信機は、当該データy
0を受信する。
【0063】
次に、2番目の時間(例えば、第2のシンボル)で、1番目のアンテナ(アンテナポート)を用いてs1を送信し、2番目のアンテナ(アンテナポート)を用いてs0
*を送信する。受信機は、当該データy1を受信する。
【0064】
このような場合、前記y
0とy
1は、s
0、s
1と
図5の式1(61)のような関係にあるようになる。受信機は、チャネル情報h
0、h
1を既に知っているならば、
図5の式2(62)を用いてs
0、s
1を知り出すことができる。
【0065】
一方、複数個のアンテナポートAP基盤のTXD動作が行われる場合、相違したAP間の電力(power)分割は、(A)各APに(常に)均等に行われる方法、(B)予め設定(/シグナリング)された(AP間の)パワー分割割合によって行われる方法のうち、少なくとも1つによることができる。
【0066】
以下、本発明の提案方式は、(A)TXD基盤のV2Xメッセージ送信動作を行う端末(これをTXD_UEと称する)と、そうでない端末(これをLEG_UEと称する)とが、V2X資源プールを共有する場合でも拡張適用が可能である。前記LEG_UEは、例えば、単一のAP(そして/あるいは、TXD_UEに比べて相対的に少ない個数のAP)基盤の送信動作を行う端末でありうる。LEG_UEは、単一AP基盤の送信動作、そして/あるいはセンシング動作を行う既存(LEGACY)の端末(LTE REL-14によって動作する端末)と解釈されることもできる。
【0067】
本発明において「TXD」は、複数個のアンテナポートを用いた送信動作と拡張解釈されることもできる。また、本発明の提案方式等は、相違したアンテナポート個数基盤の送信動作を行う端末が、V2X資源プールを共有する場合にも拡張適用が可能である。
【0068】
本発明において「センシング(sensing)動作」とは、デコーディング成功したPSCCHがスケジューリングするPSSCHにあるDM-RS(demodulation reference signal)シーケンス(sequence)基盤のPSSCH-RSRP測定動作、そして/あるいは、V2X資源プール関連サブチャネル基盤のS-RSSI測定動作などと解釈されることができる。
【0069】
S-RSSI(Sidelink Received Signal Strength Indicator)、S-RSRP(Sidelink Reference Signal Received Power)、CBR(Channel busy ratio)、及びCR(Channel occupancy ratio)について説明する。
【0070】
まず、S-RSSIは、サイドリンクにおける受信信号強度指示子である。S-RSSIは、サブフレームの1番目のスロットのSC-FDMAシンボル#1、2、...、6及び2番目のスロットのSC-FDMAシンボル#0、1、...、5における、設定されたサブチャネルで端末が観測した、SC-FDMAシンボル別の総受信電力の線形平均(linear average)と定義されることができる。
【0071】
S-RSRPは、サイドリンクにおける参照信号受信電力を意味する。S-RSRPには、例えば、PSSCHでRSRPを計算したPSSCH-RSRPがありうる。PSSCH-RSRPは、連関したPSCCHによって指示されたPRB(physical resource block)内で、PSSCHと連関したDM-RS(demodulation reference signal)を運ぶRE(resource element)等の電力寄与(power contribution)等の線形平均と定義されることができる。
【0072】
CBRは、チャネルの遊休率(busy ratio)を表し、サブフレームnで測定されたCBRは、次のように定義されることができる。
【0073】
PSSCHの場合、サブフレーム[n-100、n-1]でセンシングされたものであって 、予め決められるか、設定された閾値を越えることと測定されたS-RSSIを有するサブチャネルの資源プール内における割合を表す。
【0074】
PSCCHの場合、サブフレーム[n-100、n-1]でセンシングされたものであって、連続しない資源ブロックで当該PSSCHとともにPSCCHが送信されるように設定されたプールで、予め決められるか、設定された閾値を越えることと測定されたS-RSSIを有するPSCCHプールの資源等の割合を表す。ここで、PSCCHプールは、周波数領域で2個の連続したPRBペアの大きさの資源で構成されていると仮定する。
【0075】
CRは、チャネル占有率を意味する。サブフレームnで計算されたCRは、サブフレーム[n-a、n-1]で自分の送信のために使用されたサブチャネルの個数と、サブフレーム[n、n+b]で自分の送信のために許容されたサブチャネルの個数との総計をサブフレーム[n-a、n+b]にわたった送信プールで設定された総サブチャネルの個数に割った値と定義されることができる。
【0076】
ここで、aは正の整数であり、bは0または正の整数である。a、bは、端末によって決められ、a+b+1=1000、aは、500以上の関係にあり、n+bは、現在送信に対するグラントの最も最近の送信機会を越えてはならない。CRは、毎(再)送信に対して評価されることができる。
【0077】
図6は、既存のV2Xメッセージ送受信に使用されるチャネル及びサブフレーム構造を例示する。
【0078】
図6に示すように、ノーマルCPにおいて、V2Xメッセージ送受信に使用されるサブフレームで1番目のシンボル(SYMBOL#0)は、(受信端で)「AGC(automatic gain control)」用途として使用(例、パンクチャリング)されることができ、最後のシンボル(SYMBOL#13)は、「送信-受信スイッチング」用途として(送信端で)パンクチャリングされることができる。すなわち、V2X通信では、サブフレームの最初のシンボル及び最後のシンボルには、データ通信の側面で例外的な制限がありうる。
【0079】
本発明では、前記例外的な制限を考慮して、効率的な(TXD関連)シンボルペアリング(symbol pairing)を提案する。すなわち、
図5で説明したように、TXDを適用する場合、2個のシンボルが必要でありうるが、前記2個のシンボルをどんなふうに決定するかを本発明において提案する。下記の方式は、「STBC」(そして/あるいは、「プリコーディング/ビーム循環」)基盤のTXD動作にのみ限定的に適用されることもできる。また、本発明では、ペアリングされたシンボル、ペアリングされていないシンボルで各々どんなふうにV2X信号を送信するかについても提案する。
【0080】
[提案方法]TXD利得を最大化させ、これを効率的に支援(/運営)させるために、下記(一部)の規則が適用され得る。
【0081】
(規則#1)受信端でTXD利得を効果的に得るようにするために、下記の規則にしたがって、シンボルペアリングが設定(/シグナリング)されることができる。ここで、「シンボルペアリング」とは、TXDに関連して、(A)予め設定(/シグナリング)された、同一プリコーディング(ビーム)集合が(順次的(CYCLIC)に)適用されるシンボル(グループ)単位、(B)予め設定(/シグナリング)された個数の、同一AP(集合)基盤の送信が行われるシンボル(グループ)単位、(C)予め設定(/シグナリング)された個数の「ペア変調シンボル(PAIRED MODULATION SYMBOL)」が(繰り返し)送信されるシンボル(グループ)単位のうち、少なくとも1つと解釈されることができる。
【0082】
(例示#1-1)
【0083】
図7は、TXD関連シンボルペアリングの一例を示す。
【0084】
図7に示すように、TXD(例えば、STBC)関連シンボルペアリングがシンボルインデックスの昇順方向に順次的に(単純に)行われることができる。
【0085】
すなわち、シンボル#0/1、シンボル#3/4、シンボル#6/7、シンボル#9/10、シンボル#12/13がシンボルペアリングされ得る。1番目のシンボル(SYMBOL#0)と最後のシンボル(SYMBOL#13)とが順に「AGC」、「パンクチャリング」として一部あるいは全部使用され得ない場合、TXD利得を得ることができる最大シンボルペアリング個数は、「3」(すなわち、シンボル#3/4、シンボル#6/7、シンボル#9/10)であることが分かる。
【0086】
(実施形態#1-1-1)
【0087】
図8は、TXD関連シンボルペアリングの他の例を示す。
【0088】
図8に示すように、TXD(例えば、STBC)関連シンボルペアリングは、「シンボル#1/3」、「シンボル#4/6」、「シンボル#7/9」、「シンボル#10/12」が各々ペアリングされ得る。このとき、TXD利得を得ることができる最大シンボルペアリング個数は、「4」であることが分かる。特に、当該ペアリングされたシンボル間のチャネル状態が同一(/類似)であれば、
図7の場合に比べて、相対的に高いTXD利得を得ることができる。
【0089】
図9は、TXD関連シンボルペアリングのさらに他の例を示す。
【0090】
図9に示すように、「シンボル#3/4」、「シンボル#6/7」、「シンボル#9/10」が各々ペアリングされ得るし、このとき、TXD利得を得ることができる最大シンボルペアリング個数は、「3」であることが分かる。
【0091】
図10は、TXD関連シンボルペアリングのさらに他の例を示す。
【0092】
図10に示すように、「シンボル#0/1」、「シンボル#3/4」、「シンボル#6/7」、「シンボル#9/10」が各々ペアリングされ得る。仮りに、1番目のシンボル(SYMBOL#0)がAGC用途として全部使用されず、TXD関連ペアリングに使用され得るならば、TXD利得を得ることができる(最大)シンボルペアリング個数は、「4」であることが分かる。
【0093】
一方、
図7~
図10において説明したペアリングシンボルの個数(単位)は、端末の速度(例、当該速度は、時間軸の(シンボル間)チャネル変更だけでなく、TXD利得達成にも影響を及ぼすためである)、V2Xプールの混雑度(CONGESTION LEVEL)などのパラメータによって相違して設定(/シグナリング)されることもできる。
【0094】
(実施形態#1-1-2)前述した実施形態#1-1-1のような様々なTXD関連シンボルペアリングが適用される場合、TXD(例えば、STBC)関連シンボルペアリングが適用(/実行)されないシンボル(例えば、
図8のシンボル#0、シンボル#13、
図9のシンボル#0、シンボル#1、シンボル#12、シンボル#13、
図10のシンボル#12、シンボル#13)を以下、「NP_OS」と称する。すなわち、NP_OSは、特定TXD技法関連利得を(一部)得ることができないシンボル、そして/あるいは、(特定)TXD技法が適用されないシンボルなどと解釈されることもできる。
【0095】
このようなNP_OS上には、下記の規則にしたがって、変調シンボル(modulation symbol:MS)マッピング、APインデックス、またはAP個数マッピングが行われる(/仮定)ようにすることができる。
【0096】
一例に、特定NP_OS上の相違したAP(レイヤ)間に、同一変調シンボルが繰り返しマッピングされるようにすることができる。このような方法は、例えば、互いに異なるAP間のチャネル相関度が高い場合に有用でありうる。当該規則が適用される場合、(A)受信端は、(特定)NP_OS上の、相違したAP関連(DM-RS)チャネル推定を組み合わせ(/併合)して、(当該)変調シンボルデコーディングをすることができる。そして/または、(B)相違したNP_OS上にマッピングされる変調シンボルは、互いに異なることができる。
【0097】
他の例に、予め設定(/シグナリング)された、TXD関連ペアリングされたシンボル(インデックス)上の変調シンボルを繰り返しマッピングさせることができる。一例に、
図8の場合、シンボル#0上には、シンボル#1の変調シンボルが繰り返しマッピングされ、シンボル#13上には、シンボル#12の変調シンボルが繰り返しマッピングされることができる。また、
図9の場合、シンボル#0、シンボル#1上には、シンボル#3、シンボル#4の変調シンボルが繰り返しマッピングされ、シンボル#12、シンボル#13上には、シンボル#9、シンボル#10の変調シンボルが繰り返しマッピングされることもできる。
図10の場合、シンボル#12、シンボル#13上には、シンボル#9、シンボル#10の変調シンボルが繰り返しマッピングされることができる。
【0098】
または、予め設定(/シグナリング)された、ペアリングされたNP_OS(インデックス)間に、同一変調シンボルが繰り返しマッピングされるようにすることもできる。この場合、「時間ダイバーシティ(TIME DIVERSITY)」利得を得ることができる。例えば、
図8の場合、シンボル#0/13がペアリングされ、同一変調シンボルが繰り返しマッピングされることができる。
図9の場合、「シンボル#0/13」、「シンボル#1/12」(そして/あるいは、「シンボル#0/12」、「シンボル#1/13」)が各々ペアリングされ、同一変調シンボルが各々繰り返しマッピングされることもできる。また、
図10の場合、「シンボル#12/13」がペアリングされ、同一変調シンボルが(各々)繰り返しマッピングされることもできる。
【0099】
特定NP_OS上の送信は、予め設定(/シグナリング)されたTXD関連ペアリングされたシンボル上のAP(インデックス)個数(例えば、「2」)より(予め設定(/シグナリング)された)相対的に少ないAP個数(例えば、「1」)で行われるようにすることができる。
【0100】
特定NP_OS上で、相対的に少ない個数(APN_X)のAP別送信パワーは、(A)TXD関連ペアリングされたシンボル上の相対的に多くの個数(APN_Y)のAP別送信パワーと同様に適用(/仮定)されることができる。
【0101】
そして/あるいは、(B)特定NP_OS上の、相対的に少ない個数のAP別送信パワーは、「V2Xチャネル(/シグナル)(最大)送信パワー/APN_X」に決定(そして/あるいは、(TXD関連)ペアリングされたシンボル上の(相対的に多くの個数の)AP別送信パワーを「APN_Y/APN_X」割合の分だけ増加)させることができる。
【0102】
特定NP_OS上の送信は、予め設定(/シグナリング)された他のTXD技法(例えば、SFBC、プリコーディング/ビーム循環(例えば、シンボルペアリングが行われる必要のないTXD技法と解釈可能))で行われることもできる。
【0103】
特定NP_OS上では、予め設定(/シグナリング)された(ビット(/MCS)の)変調シンボルがマッピング(/送信)され得る。このような変調シンボルは、仮想CRS(/RS)用途として使用されることもできる。
【0104】
(規則#2)予め設定(/シグナリング)された特定TXD(例えば、プリコーディング(/ビーム)循環)技法は、下記の(一部)規則にしたがって実現させることができる。下記の(一部)方式は、「プリコーディング(/ビーム)循環」基盤のTXD動作にのみ限定的に適用されることもできる。
【0105】
(例示#2-1)TXD_UEをして、DM-RSシーケンス(そして/あるいは、AP(インデックス))は、既存(LTE REL-14)方式によって生成(/送信)し、予め設定(/シグナリング)されたシンボル(グループ)単位(例えば、スロット)別にプリコーディング(/ビーム)(インデックス)を順次変更させることができる。
【0106】
ここで、プリコーディング(/ビーム)循環適用時、複数個のAPに対するDM-RSを循環シフト(cyclic shift:CS)別に分離して送信することができるであろうが、TXD_UEの観点では、「TDM」された当該シンボル(グループ)単位で相違したAPが順次的(/仮想的)にマッピングされること(そして/あるいは、既存(LTE REL-14)端末の観点では、自分が使用する単一AP上でTXD_UEが送信動作を行うこと)と解釈されることもできる。
【0107】
前記規則が適用される場合、TXD_UEとV2X資源プールを共有する既存(LTE REL-14)端末は、TXD_UEが送信するPSSCHを成功的にデコーディング(/受信)し難いが、PSSCH-RSRP測定基盤のセンシング(/資源排除)動作は、TXD_UEを考慮して効果的に行うことができる。
【0108】
(例示#2-2)TXD_UEをして、DM-RSシーケンス(そして/あるいは、AP(インデックス))は、既存(LTE REL-14)方式によって生成(/送信)し、予め設定(/シグナリング)されたシンボル(グループ)単位別にAP(そして/あるいは、プリコーディング(/ビーム)(インデックス))が順次的(/仮想的)に変更されることと見なすようにすることができる。
【0109】
当該規則が適用される場合、TXD_UEの観点で、1番目/3番目のDM-RS(例えば、シンボル#2/8(
図6参照))と2番目/4番目のDM-RS(例えば、シンボル#5/11(
図6参照))が各々AP#X、AP#Yにマッピングされることと見なすことができる。そして/あるいは、1番目/2番目のDM-RS(例えば、シンボル#2/5(
図6参照))と3番目/4番目のDM-RS(例えば、シンボル#8/11(
図6参照))が各々AP#X、AP#Yにマッピングされることと見なすことができる。
【0110】
前記規則は、TXD動作が予め設定(/シグナリング)された閾値以下の速度(例えば、時間軸におけるチャネル変化が相対的に少ない場合)でのみ適用される場合に有用であることもできる。
【0111】
(例示#2-3)TXD_UEをして、予め設定(/シグナリング)されたシンボル(グループ)単位別に相違したAP(そして/あるいは、プリコーディング(/ビーム)(インデックス))を順次的にマッピングさせることができる。当該規則が適用される場合、相違したAP関連DM-RS(シーケンス)は、循環シフト(CYCLIC SHIFT:CS)を異ならせて、4個のDM-RSシンボル上で(
図6参照)同時に送信されることもできる。前記規則が適用される場合、隣接したシンボル間にペアリングが必ず行われる(/適用)必要はないこともある。
【0112】
(規則#3)本発明において、(A)TXD動作は、予め設定(/シグナリング)された閾値以下の速度(そして/あるいは、(特定)速度範囲)、時間/周波数シンクソースタイプ(例えば、周波数(エラー)オフセットが相対的に少ない場合)、予め設定(/シグナリング)された閾値以下(/以上)のCBR測定値でのみ限定的に適用(/許容)されるように設定(/シグナリング)されることができる。例えば、速度が高速の場合、既に時間領域のダイバーシティ(TIME-DOMAIN DIVERSITY)が生じるので、空間ダイバーシティ(SPACE DIVERSITY)はあまり意味がなく、チャネルが早く変わり、STBCのようなTXDの動作が難しいためである。
【0113】
そして/あるいは、(B)予め設定(/シグナリング)された速度(範囲)、時間/周波数シンクソースタイプ、予め設定(/シグナリング)されたCBR測定値(範囲)別にTXD関連ペアリングされるシンボル(グループ)単位(長さ)が相違して(あるいは、独立的に)設定(/シグナリング)されることもできる。
【0114】
前記設定に使用される情報は、「プール特定的(POOL-SPECIFIC)」そして/あるいは「搬送波特定的(CARRIER-SPECIFIC)に設定(/シグナリング)されることもできる。
【0115】
(規則#4)予め設定(/シグナリング)された既存(LTE REL-14)APを含む複数個のAP基盤のTXD送信が行われる場合、(そして/あるいは、既存(LTE REL-14)と異なるAP上でTXD関連送信が(追加的に)行われる場合)、下記の(一部)規則にしたがって、(既存(LTE REL-14)と異なるAP関連)DM-RS CS(インデックス)値そして/あるいはOCC(インデックス)値が設定(/シグナリング)されるようにすることができる。
【0116】
一例に、TXD_UEをして、既存(LTE REL-14)AP上のDM-RS CS(インデックス)値、そして/あるいは、OCC(インデックス)値は、既存の方式によって決定させることができる。
【0117】
PSSCH、PSCCH、PSDCH、PSBCHに連関したDM-RSのシーケンスは、次のように生成されることができる。
【0118】
【0119】
ここで、mは、特殊サブフレーム(special subframe)に対して0、それ以外には、0または1である。n=0、...、Msc
RS-1である。Msc
RSは、参照信号の長さを副搬送波個数で示したものである。δは、0または1である。uは、スロットnsにおけるシーケンスグループ番号であり、vは、基本シーケンス番号である。uは、nID
RS及びfssに基づいて決定されることができる。
【0120】
前記αλは、スロットnsにおける循環シフト(cyclic shift)値であり、次の式のように与えられることができる。
【0121】
【0122】
前記式1、2に出るパラメータ等は、PSSCHに対する参照信号(DM-RS)の場合、次の表のように決定されることができる。
【0123】
【0124】
nID
RSは、シーケンスグループホッピングに関連したIDである。nsは、スロット番号、fssは、シーケンスシフトパターンを示す。nID
SAは、サイドリンクグループ目的ID(sidelink group destination identity)である。
【0125】
ncs、λは、循環シフト値である。サイドリンク送信モード3、4でPSSCH及びPSCCHに対し、DM-RSがマッピングされるシンボルは、1番目のスロットでl=2、5(すなわち、3番目のシンボル及び6番目のシンボル)、2番目のスロットでl=1、4(すなわち、2番目のシンボル及び5番目のシンボル)でありうる。
【0126】
サイドリンク送信モード3、4でPSBCHに対し、DM-RSがマッピングされるシンボルは、1番目のスロットでl=4、6(すなわち、5番目のシンボル及び7番目のシンボル)、2番目のスロットでl=2(すなわち、3番目のシンボル)でありうる。
【0127】
サイドリンク送信モード1、2で、類似ランダムシーケンス生成器(pseudo-random sequence generator)は、nss
PSSCH=0を満足する各スロットの開始で初期化されることができる。nss
PSSCHは、PSSCHに対し、サブフレームプールで現在スロットの番号を示す。サイドリンク送信モード3、4で、類似ランダムシーケンス生成器(pseudo-random sequence generator)は、nss
PSSCHmod2=0を満足する各スロットの開始で初期化されることができる。
【0128】
サイドリンク送信モード3、4でPSCCHに対し、サブフレーム内の全てのDM-RSに適用される循環シフトncs、λは、{0、3、6、9}の中でランダムに選択されることができる。
【0129】
サイドリンク送信モード1、2に対して、m=0、1でありうる。サイドリンク送信モード3、4でPSSCHに対して、m=0、1、2、3でありうるし、PSDCH及びPSBCHに対して、m=0、1、2でありうる。
【0130】
サイドリンク送信モード3、4で、nID
Xは、PSSCHと同じサブフレームで送信されたPSCCH上のCRCの十進法の表現と同様であり、次の式のように与えられることができる。
【0131】
【0132】
前記式において、pは、パリティビット(parity bit)であり、Lは、パリティビット個数である。
【0133】
Msc
PSSCHは、PSSCH送信のためにスケジューリングされた帯域を副搬送波個数で示したものである。
【0134】
前記式1、2に出るパラメータ等は、PSCCHに対する参照信号の場合、次の表のように決定されることができる。
【0135】
【0136】
Msc
PSCCHは、PSCCH送信のための帯域を副搬送波個数で示したものである。
【0137】
前記式1、2に出るパラメータ等は、PSDCH及びPSBCHに対する参照信号の場合、次の表のように決定されることができる。
【0138】
【0139】
Msc
PSDCHは、PSDCH送信のための帯域を副搬送波個数で示したものである。Msc
PSBCHは、PSBCH送信のための帯域を副搬送波個数で示したものである。NID
SLは、物理階層サイドリンク同期化IDである。
【0140】
図11は、既存のV2X通信においてPSSCHのDM-RSの循環シフト(CS)値及び/又は直交カバーシーケンス(orthogonal cover code:OCC)を判断する方法を例示する。
【0141】
図11に示すように、端末は、PSCCH(SCI)を受信する(S10)。
【0142】
端末は、前記PSCCH(SCI)のCRC(cyclic redundancy check)に基づいて、PSSCHのDM-RSのCS値(または、CSインデックス、以下、同様)及び/又はOCC(または、OCCインデックス、以下、同様)を判断(決定)する(S20)。すなわち、V2X送信にTXDを適用しない従来技術では、PSSCHを介して送信されるデータをデコーディングするために使用されるDM-RSのCS値(及び/又は、OCC)を決定するにあたって、PSCCHを介して送信されるSCIのCRCを用いた。
【0143】
それに対し、本発明が適用される将来の無線通信システムでは、V2X送信にTXDを適用でき、この場合、データが複数のアンテナポートを介して送信され得るし、前記複数のアンテナポートの各々に対するDM-RSのCS値(及び/又は、OCC)を(受信端に(当該用途の)シグナリングあるいは予め定義された規則を介して)知らせる必要がある。
【0144】
以下の例示等は、前記必要に対する解決方法等である。
【0145】
(例示#4-1)既存(LTE REL-14)PSCCH上で、当該用途と定義されたフィールド(/ビット)を介して、既存(LTE REL-14)と異なるAP関連DM-RS CS(インデックス)値そして/あるいはOCC(インデックス)値、そして/あるいは、既存(LTE REL-14)AP上のDM-RSに使用されるCS(インデックス)値に対するオフセット値そして/あるいはOCC(インデックス)値に対するオフセット値がシグナリングされ得る。
【0146】
当該フィールド(/ビット)は、既存(LTE REL-14)PSCCH上の(A)「留保されたビット/フィールド(RESERVED BIT(/FIELD))」、(B)(単一送信ブロックに関連した)再送信が行われないとき、「再送信インデックスフィールド」、「初期送信及び再送信の周波数資源割当フィールド(FREQUENCY RESOURCE LOCATION OF INITIAL TRANSMISSION AND RE-TRANSMISSION FIELD)」でありうる。初期送信及び再送信の周波数資源割当フィールドは、初期送信に使用されるサブチャネル個数を同一に指すことができる複数個のコードポイントと定義されることもできる。
【0147】
図12は、例示#4-1による端末のV2X信号デコーディング方法を例示する。前記V2X信号は、第1のアンテナポート及び第2のアンテナポートを介して送信(例、TXD)された信号と仮定する。
【0148】
図12に示すように、端末は、PSCCH(SCI)のCRCに基づいて、第1のアンテナポートに連関した第1のDM-RSの第1のCSインデックス及び/又は第1のOCCインデックスを判断する(S210)。
【0149】
例えば、前記SCIは、1)優先権(PRIORITY):3ビット、2)資源予約周期:4ビット、3)変調及びコーディング技法(MCS):5ビット、4)CRC:16ビット、5)再送信インデックス(RETX_INDEX):1ビット、6)送信開始と再送信との間の時間ギャップ(TGAP_INIRETX):4ビット、7)送信開始と再送信の周波数資源位置(FRA_INRETX):(最大)8ビット、8)留保されたビット(reserved bit):(最大)7ビットを含むことができる。
【0150】
このとき、端末は、第1のアンテナポートに連関した第1のDM-RSの第1のCSインデックス及び/又は第1のOCCインデックスを前記CRCビットに基づいて決定/判断することができる。ここで、前記第1のアンテナポートは、既存の端末(legacy UE)(例、1つのアンテナポートを用いて送信動作を行う端末)及び改善された端末(advanced UE)(例、複数個のアンテナポートを用いて送信動作(例、TXD)を行う端末)に共通的に使用されるアンテナポートでありうる。前記端末は、改善された端末でありうる。
【0151】
端末は、前記SCIの留保されたビット(reserved bit)に基づいて、第2のアンテナポートに連関した第2のDM-RSの第2のCSインデックス値及び/又は第2のOCCインデックス値を判断する(S220)。前記第2のアンテナポートは、前記改善された端末にのみ使用されるアンテナポートでありうる。
【0152】
端末は、前記第1のCSインデックス値及び/又は第1のOCCインデックス値が適用された第1のDM-RS及び前記第2のCSインデックス値及び/又は第2のOCCインデックス値が適用された前記第2のDM-RSに基づいて、前記第1のアンテナポート及び前記第2のアンテナポートを介して送信された前記V2X信号をデコーディングする(S230)。前記V2X信号は、複数のシンボルを含むサブフレームにおいて、時間領域において(参照信号シンボルを除いた)連続する2個のシンボルペアリング単位で(TXD関連)ブロックコーディング、プリコーディングサイクリングなどが適用された信号でありうる。前記サブフレームの1番目のシンボル及び最後のシンボルは、前記連続する2個のシンボルに含まれないことがある。
【0153】
図13は、
図12において説明した方法のより具体的な適用例である。
【0154】
図13に示すように、端末は、PSCCH(SCI)のCRCに基づいて、第1のアンテナポートに連関した第1のDM-RSの第1のCSインデックス値及び/又は第1のOCCインデックス値を判断する(S310)。
【0155】
端末は、SCIの留保されたビット(フィールド)を介して、CSインデックスに対するオフセット値及び/又はOCCインデックスに対するオフセット値を判断/取得する(S320)。例えば、前記CSインデックスに対するオフセット値は、前記第1のCSインデックス値に追加されなければならないオフセット値でありうる。すなわち、前記CSインデックスに対するオフセット値は、前記第2のCSインデックス値と前記第1のCSインデックス値との差分値で与えられることもできる。
【0156】
ここで、第2のアンテナポートに連関した第2のDM-RSの第2のCSインデックス値は、前記CSインデックスに対するオフセット値を前記第1のCSインデックス値に適用して判断/決定されることができる。そして/または、第2のOCCインデックス値は、前記OCCインデックスに対するオフセット値を前記第1のOCCインデックス値に適用して判断/決定されることができる(S330)。
【0157】
(例示#4-2)PSCCH関連CRCビットのうち、予め設定(/シグナリング)されたビット(例えば、既存(LTE REL-14)に使用されない1番目から7番目までのCRCビットのうち一部のビット)を介して、既存(LTE REL-14)と異なるAPと関連したDM-RS CS(インデックス)値そして/あるいはOCC(インデックス)値、そして/あるいは、既存(LTE REL-14)AP上のDM-RSに使用されるCS(インデックス)値に対するオフセット値そして/あるいはOCC(インデックス)値に対するオフセット値が決定(/シグナリング)されるようにすることができる。
【0158】
(例示#4-3)既存の方式によって決定された、既存(LTE REL-14)AP上のDM-RS CS(インデックス)値そして/あるいはOCC(インデックス)値に、予めネットワークから設定(/シグナリング)された、既存(LTE REL-14)と異なるAP別オフセット値を足した後、既存(LTE REL-14)と異なるAP関連DM-RS CS(インデックス)値そして/あるいはOCC(インデックス)値が最終的に(各々)決定(そして/あるいは、予めネットワークから既存(LTE REL-14)と異なるAP別DM-RS CS(インデックス)値そして/あるいはOCC(インデックス)値が(各々)設定(/シグナリング)されるようにすることもできる。
【0159】
上記説明した提案方式に対する一例も本発明の実現方法のうちの1つとして含まれることができるので、一種の提案方式等と見なされ得ることは明らかな事実である。また、上記説明した提案方式等は、独立的に実現されることができるが、一部提案方式等の組み合わせ(あるいは、併合)形態で実現されることもできる。
【0160】
本発明では、説明の都合上、3GPP LTEシステムに基づいて提案方式を説明したが、提案方式が適用されるシステムの範囲は、3GPP LTEシステム以外に、他のシステムへも拡張可能である。一例に、本発明の提案方式等は、D2D通信のためにも拡張適用可能である。ここで、D2D通信は、端末が他の端末と直接無線チャネルを用いて通信することを意味する。端末は、ユーザの端末を意味するが、基地局のようなネットワーク装備が端末間の通信方式によって信号を送受信する場合には、やはり一種の端末と見なされることができる。
【0161】
また、本発明の提案方式等は、モード3のV2X動作(そして/あるいは、モード4のV2X動作)にのみ限定的に適用されることもできる。
【0162】
また、本発明の提案方式等は、特定TXD技法(例えば、STBCあるいはプリコーディング/ビーム循環)基盤のV2Xメッセージ送信時にのみ限定的に適用されることもできる。
【0163】
また、本発明の提案方式等は、予め設定(/シグナリング)された(特定)V2Xチャネル(/シグナル)送信(例えば、PSSCH(そして/あるいは、(連動された)PSCCHそして/あるいはPSBCH))にのみ限定的に適用されることもできる。
【0164】
また、一例に、本発明の提案方式等は、PSSCHと(連動された)PSCCHが周波数領域上で隣接(ADJACENT)(あるいは、離間(NON-ADJACENT))して送信される場合、そして/あるいは、予め設定(/シグナリング)されたMCS(そして/あるいは、コーディングレートそして/あるいはRB)(値(/範囲)基盤の送信が行われる場合にのみ限定的に適用されることもできる。
【0165】
図14は、本発明の実施形態が実現される装置を示したブロック図である。
【0166】
図14に示すように、装置1000は、プロセッサ1100、メモリ1200、及びトランシーバ(transceiver、1300)を備える。プロセッサ1100は、提案された機能、過程、及び/又は方法を実現する。装置1000は、端末または基地局でありうる。トランシーバ1300は、プロセッサ1100と連結されて無線信号を送信及び受信する。メモリ1200は、プロセッサ1100の動作に必要な情報を格納することができ、送受信信号も格納することができる。
【0167】
図15は、プロセッサ1100を構成する一例を示す。
【0168】
図15に示すように、プロセッサ1100は、受信信号でCP(cyclic prefix)を除去するCP除去(CP remove)モジュール、位相を回転させる位相回転(Phase Rotation)モジュール、FFT(Fast Fourier Transform)モジュール、チャネル推定(channel estimation:CE)モジュール、SIMO(single input multiple output)デコーダ、IDFT(inverse discrete Fourier transform)モジュール、LLR(log-likelihood ratio)計算モジュール、デ-スクランブリング(de-scrambling)モジュール、デコーダチェーン(decoder chain)などを含むことができる。
【0169】
プロセッサは、ASIC(application-specific integrated circuit)、他のチップセット、論理回路、及び/又はデータ処理装置を備えることができる。メモリは、ROM(read-only memory)、RAM(random access memory)、フラッシュメモリ、メモリカード、格納媒体、及び/又は他の格納装置を備えることができる。RF部は、無線信号を処理するためのベースバンド回路を備えることができる。実施形態がソフトウェアで実現されるとき、上述した技法は、上述した機能を果たすモジュール(過程、機能等)で実現されることができる。モジュールは、メモリに格納され、プロセッサにより実行されることができる。メモリは、プロセッサの内部または外部にありうるし、よく知られた様々な手段でプロセッサと連結されることができる。