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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-25
(45)【発行日】2022-02-02
(54)【発明の名称】流体状物質のディスペンサ装置
(51)【国際特許分類】
   B05B 11/00 20060101AFI20220126BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20220126BHJP
【FI】
B05B11/00 101E
B65D83/00 K
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017215030
(22)【出願日】2017-11-07
(65)【公開番号】P2018111093
(43)【公開日】2018-07-19
【審査請求日】2020-10-20
(31)【優先権主張番号】102016000115319
(32)【優先日】2016-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】517389687
【氏名又は名称】ラムソン ソチエタ ペル アチオーニ
(74)【代理人】
【識別番号】100082887
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 利春
(74)【代理人】
【識別番号】100090918
【弁理士】
【氏名又は名称】泉名 謙治
(74)【代理人】
【識別番号】100181331
【弁理士】
【氏名又は名称】金 鎭文
(74)【代理人】
【識別番号】100183597
【弁理士】
【氏名又は名称】比企野 健
(74)【代理人】
【識別番号】100161997
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 大一郎
(72)【発明者】
【氏名】マッテオ モレッティ
【審査官】河内 浩志
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-021763(JP,U)
【文献】特開2008-055333(JP,A)
【文献】特開2011-088663(JP,A)
【文献】特開2009-056375(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0224652(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/00- 3/18
7/00- 9/08
11/00-11/06
B65D83/00
83/08-83/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体状物質のディスペンサ装置(1)であって、ポンプ又は弁の中空の軸部と密封状態で連結するように構成された穴(3)と供給開口(4)とを有する供給ボタン(2)を備え、供給開口(4)は、供給ボタン(2)を十分に押し下げると弾性部材(6)に抗して移動することにより供給開口を開放するシャッタ(5)と連携し、シャッタ(5)は、供給ボタン(2)に取り付けられる機械的開放部材(7)と協働する少なくとも1個の突出部(5A)を有し、機械的開放部材(7)は、前記流体状物質の通路を有しておらず、供給ボタンへの第1の固定部分(8)と、使用中、軸部が延び出す固定部と接触するようになった第2の部分(9)とを有し、第1の固定部分(8)と第2の部分(9)は、第1の固定部分(8)に対して第2の部分が少なくとも軸方向に移動できるようにする構成になった少なくとも1個の弾性変形可能な部分(10)によって、相互に連結されており、作動レバー(11)、第2の部分(9)から延び、且つ、第2の部分(9)が固定部に接触して弾性変形可能な部分が変形すると、前記突出部(5A)と協働してシャッタを開くことを特徴とするディスペンサ装置。
【請求項2】
第1の固定部分(8)が、前記穴(3)が形成された供給ボタンの突出部分(12)に嵌合されている請求項1に記載のディスペンサ装置。
【請求項3】
供給ボタン(2)が、開放部材(7)全体が収容される空間(14)を構成するスカート(13)を備えている請求項1に記載のディスペンサ装置。
【請求項4】
開放部材(7)と供給ボタン(2)のうちの一方が、角度整合突起部(15A)を備え、供給ボタン(2)と開口部材(7)のうちのもう一方が、前記角度整合突起部(15A)を収容する受け座(15B)を備えている請求項1に記載のディスペンサ装置。
【請求項5】
弾性変形可能な部分(10)が、第1の固定部分(8)と一体になった少なくとも2個の可撓性の翼状部材(10A、10B)を備え、及び/又は前記作動レバーが、第2の部分(9)と一体になっている請求項1に記載のディスペンサ装置。
【請求項6】
作動レバー(11)が、突出部(5A)のキノコ形の端部(5B)と係合するようになっているフォーク状部分を備えている請求項1に記載のディスペンサ装置。
【請求項7】
作動レバー(11)が、前記突出部(5A)と協働するカム面(18)を備えている請求項1に記載のディスペンサ装置。
【請求項8】
シャッタ(5)が、2個の部品、すなわち、軟質プラスチックからなり、供給開口(4)を閉じるようになっている先端(20A)と、供給ボタン(2)と一体の円筒状表面(31)に封止状態で接するようになっているピストン(20B)とを備えた第1の部品(20)と、第1の部品(20)よりも硬質の材料からなり、突出部(5A)を備え、弾性部材(6)に取り付けられた第2の部品(21)から構成されている請求項1に記載のディスペンサ装置。
【請求項9】
円筒状表面(31)が、供給ボタン(2)に取り外せないように取り付けられたインサート(30A、30B)に形成され、前記供給開口(4)が、インサート(30A)或いはインサート(30B)に直接形成されている及び/又は供給ボタン(2)に取り付けられた噴霧パッド(32)に形成されている請求項8に記載のディスペンサ装置。
【請求項10】
第2の部分(9)が、供給ボタン(2)の面(31)と協働して第2の部分(9)と供給ボタン(2)との間の軸線方向の整合を所定の許容範囲内で維持するようになっている少なくとも1個の案内面(40)を備えている請求項1に記載のディスペンサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体状物質のディスペンサ装置に関する。
特に、本発明は、噴霧/供給しなければならない乳剤又は液体などの流体状物質のディスペンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、ポンプ又は弁を備えた容器(加圧容器の場合)に取り付けられる種々のディスペンサ装置が知られている。
【0003】
公知の弁又はポンプは、供給ボタンが取り付けられる中空の軸部を備えている。ある種の供給ボタンは、シャッタによって閉じられる供給開口を有している。供給ボタンを作動させると、軸部の空洞内を流れる流体状物質は、シャッタと供給開口との間に配置されたチャンバに到達する。チャンバ内の圧力の上昇が、(通常、ばねの力に抗して取り付けられる)シャッタを動かして供給開口を開き、これが、流体状物質を送り出せるようにしている。
【0004】
公知のシステムには、始動における問題がある。実際、ポンプ(又は弁)の最初の作動において、軸部に閉じこめられ、軸部に来る流体状物質の圧力によって押される空気は、前記チャンバに向かって流れ、チャンバにおいて圧縮されてチャンバが流体状物質によって適正に満たされるのを妨げるクッションを形成する。
【0005】
実際、空気の密度は、シャッタを十分に移動させ、供給開口を通じて流体状物質を送り出すことを可能にするのに十分ではない。
【0006】
したがって、公知の装置には、ガス抜きを要するポンプ(又は弁)の最初の作動の際に、供給開口の手前のチャンバ内に存在する空気を抜くことができるようにする小さな(ガス抜き)孔がある。
【0007】
このシステムは有効であるが、ポンプを何度も作動させていると、供給する流体状物質は、特に流体状物質がさらっとした乳剤又はスプレイ製品の場合のようにあまり濃厚でない場合、始動工程用に設けられた(1個又は複数個の)ガス抜き孔からしたたり落ち、ディスペンサや容器を「汚す」ことになり、製品の損失をもたらす。
【0008】
これは、特に高級製品の場合には、容認することができない。
【0009】
さらに、ほんのわずかではあるが、もはや使用することができなくなり、製品の無駄となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、先行技術の欠点を克服する流体状物質のディスペンサ装置を提供することである。
【0011】
本発明のさらに別の目的は、最初の作動においてシステムの始動を容易にすることができるが、供給する流体状物質の無駄及び/又は滲み出しをなくす又は最小限にするディスペンサ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これらの目的及び他の目的は、添付の特許請求の範囲の技術的教示による流体状物質のディスペンサ装置によって達成される。
【0013】
本発明のさらに別の特徴及び利点は、添付図面において例示として、したがって、限定する意図ではなく示されている、本発明のディスペンサ装置の好ましいが非限定的な実施の形態の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】ポンプ(部分的にのみ示す)に取り付けられた時の、本発明のディスペンサ装置の簡略化した軸線方向断面図である。
図2図1のディスペンサ装置の構成部材の斜視図である。
図3図2の構成部材の正面図である。
図4図3の線IV-IVに沿う断面図である。
図5図1のディスペンサ装置の一部分の拡大した長手方向断面図である。
図6】本発明の実施の変更形態の一部分の拡大した長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
前記図面を参照すると、全体を参照符号1で示す流体状物質のディスペンサ装置が示されている。
【0016】
本明細書において、流体状物質の語は、濃厚な乳剤若しくはさらっとした乳剤又は噴霧する液体、例えば脱臭剤、又は何等かの他のタイプのスプレイ物質を意味する。例示として、流体状物質には、日焼け止めクリーム、日焼け止め乳液、ヘアスプレイ物質、発泡製品などがある。
【0017】
ディスペンサ装置1は、ポンプ51(又は従来型の弁)の中空の軸部50に封止状態で取り付けられる構成になった穴3を備えた供給ボタン2を備えている。
【0018】
ポンプ又は弁は、流体状物質を軸部の空洞内に受け入れられるようにして、流体状物質を供給ボタンへと搬送する。したがって、ポンプ又は弁は、ポンプ又は弁が取り付けられた容器から取り込んだ流体状物質による、軸部の空洞の加圧システムの一部である。
【0019】
もちろん、ポンプは、任意の公知のタイプのもの、例えばエアレス容器に取り付けることのできるタイプのものでよい。一方、弁は、公知の加圧容器に取り付けることができる。
【0020】
供給ボタンは、シャッタ5と連携する供給開口4を有していてもよい。
【0021】
図面から分かるように、シャッタ5は、供給ボタン2と一体の円筒状表面31と封止状態で接するようになっているピストン20Bを備えていてもよい。円筒状表面31は、供給ボタン内に直接形成してもよいが、図1の円筒状表面のように、供給開口4も形成されたインサート30Aに接して形成されるのが好ましい。
【0022】
説明したような解決手段の装着は、インサート/シャッタ/ばねの集合体(図5参照)を予め組み立て、この集合体を供給ボタン2に適切に設けられた受け座に容易に挿入して、受け座内で、集合体を例えば少なくとも1個の歯60(この場合には環状タイプのもの)によってスナップロックできるので、特に容易である。前記の図5から明瞭に分かるように、ばね6は、シャッタ5に適切に設けられた表面に、締まり嵌めされている。さらに、インサート30Aは、環状の突起35を有しており、この突起は、嵌合がなされると、シャッタをインサート内に保持する。
【0023】
図面から分かるように、シャッタは、2個の互いに連結された部品からなっていてもよい。具体的には、シャッタは、軟質プラスチック(ポリエチレン:PE、低密度ポリエチレン:LDPE、ゴム:GOMMA、熱可塑性ポリウレタン:TPU、熱可塑性エラストマ:TPE、シリコーン:SILICONEなどがある)からなる第1の部品20を備えていてもよく、第1の部品は、供給開口4を封止可能に閉じるようになっている先端20Aと前記ピストン20Bを備えている。ピストン20Bは、円筒状表面31に対する封止をもたらす先端20A側の第1のリップ36と、実質的にシャッタの案内部として作用し、円筒状表面31に対する封止をもたらさない第2のリップ37を有していてもよい。シャッタ5の第2の部品21は、第1の部品20の材料よりも硬質の材料からなっていてもよい。例えば、このような材料には、ポリプロピレン:PP、ポリオキシメチレン(ポリアセタール):POM、ポリブチレンテレフタレート:PBT、ポリエチレンテレフタレート:PET、ポリエチレンテレフタレート共重合体:PETG、などがある。
【0024】
シャッタの第1及び第2の部品は、図5に見られるように、締まり嵌め又は噛み合わせによって、簡単に互いに固定することができる。
【0025】
シャッタ5が、2個の部品からなる(後に組み合わせる)ことは、特に好ましいことである。第1の部品20に、異なる長さの第2の部品を組み合わせることができる(どの供給ボタンに関しても常に当てはまる)ので、シャッタ5を、いろいろな供給ボタンに、したがって、いろいろな構成のディスペンサ装置1に適合させることができるからである。
【0026】
供給ボタン2は、直前に説明したような供給開口4/シャッタ5集合体(乳剤に用いるのに適している)を備えていてもよく、噴霧する液体に用いるのに適した図6に示す集合体を備えていてもよい。
【0027】
同図では、既に説明した部材と機能的に類似した部材を示すのに、既に用いたのと同じ参照符号が用いられている。
【0028】
図から分かるように、第2の供給開口/シャッタ集合体は、手前に噴霧パッド32が嵌合されたインサート30Bを有しており、噴霧パッドには、第2の供給開口/シャッタ集合体全体を供給ボタンの本体に固定させる環状固定歯60が形成され、噴霧パッドには、供給開口4Aも設けられている。
【0029】
図1の説明に戻ると、供給ボタン2を十分に押し下げると、シャッタは、ばね6(又は他の弾性部材)に抗して移動し、供給開口4を開放することが容易に分かる。
【0030】
既に部分的に説明したシャッタ5は、少なくとも1個の突出部5Aを有し、この突出部は、使用の際に、供給ボタン2に取り付けられた機械的に作動する開放部材7と協働する。
【0031】
具体的には、突出部5Aは、供給ボタン2の本体の壁に設けられた穴71を突き抜けて片持ち梁のように突出している。
【0032】
開放部材7は、図2図4に最も良く示されており、供給ボタン2に関して独立の部材を構成している。
【0033】
開放部材7は、供給する流体状物質の通路を有しておらず、ディスペンサ装置の使用前又は使用中に、供給する流体状物質と接触する部分を全く有していない。
【0034】
開放部材7は、供給ボタンへの第1の固定部分8と、軸部50が突出する固定部73と少なくとも一部が使用中に接するようになった第2の部分9とを有している。
【0035】
固定部73は、ポンプ51(又は弁)の一部、ポンプ自体の固定ナットの一部、ポンプが取り付けられる容器の一部、又は任意の他の部分であって、これに対して軸部50が可動な部分でよい。
【0036】
特に図2から分かるように、第1の固定部分8と第2の部分9とは、少なくとも1個の弾性変形可能な部分10によって相互に連結されている。
【0037】
弾性変形可能な部分10は、少なくとも、第1の固定部分に対して第2の部分9が(図1及び図4の軸線Aに沿って)軸線方向に移動できるようにする構成になっている。実際、弾性変形可能な部分は、休止状態においては、第1の固定部分に対する第2の部分の相互位置(軸線方向の距離D1)を回復するばねとして作用する。
【0038】
ここで説明している実施の形態によれば、弾性変形可能な部分10は、3個の湾曲した翼状部材10A、10B、10Cを備えており、これらの翼状部材は、第1の固定部分と第2の部分9との間に配置された「カップ形」ばねとして作用する。湾曲した翼状部材は、例えばプラスチック材料の成形により、第1の固定部分及び第2の部分と一体に形成されているのが好ましい。
【0039】
弾性変形可能な部分の構成は、上記と異なっていてもよいことが、銘記さるべきである。例えば、2個だけの翼状部材でも、3個を越える翼状部材でも、又はレバー若しくは板ばねシステムでもよい。
【0040】
作動レバー11が、第2の部分9から延びており(一体になっているのが好ましい)、作動レバーは、シャッタの突出部5Aと垂直に係合し、シャッタの突出部5Aと協働して供給開口4を強制的に機械的に開放させる。
【0041】
供給ボタンを、軸部50が取り付けられる弾性手段(図示せず)に抗して十分に押し下げると(矢印P)、強制的な開放が生じる。
【0042】
この配置では、第2の部分9は、(ポンプ、弁、リングナットなどの)固定部73と接触し、少なくとも、翼状部材10A、10B、10Cの弾性変形に抗して、第1の固定部分8に対する第2の部分9の軸線方向の移動が生じる。
【0043】
第2の部分9は、供給ボタン2の面13Aと協働して所定の許容範囲内で第2の部分9と供給ボタン2との間の軸線方向の整合を維持するようになっている案内面40を備えているのが好ましい。(所定の許容範囲内での)軸線方向の整合は、ポンプ本体の対応する面81と接触せずに若干のゆとりをもって係合するように、口径を定めた第2の部分9の面80によっても得られる。
【0044】
供給ボタンを実質的に十分に押し下げると、作動レバー11がシャッタの方に移動し(矢印F)、シャッタと協働して供給開口4に対してシャッタを引っ込める。
【0045】
先に述べた事項から、本発明によれば、シャッタの開放は、供給ボタンが供給ボタンの行程の終点に近い位置まで押し下げられた時にのみ生じる(シャッタの開放は、従来のシステムのように、供給ボタンが行程の始点において最小限の押圧を受けると直ぐに生じることがない)ことが分かる。したがって、このように構成された本発明のシステムは、(従来のシステムと異なり、)クリーム状の製品(乳剤)及び噴霧する製品(スプレイされる物質)の両方に用いることができる。
【0046】
作動レバー11は、突出部5Aのキノコ形の端5Bと係合するようになっているフォーク状の又はU字形の部分(図3において明瞭に認められる)を有しているのが好ましい。こうした構成は、開放部材7の取り付けを、非常に容易にしている。
【0047】
作動レバー11と突出部5Aとの間の相互作用によって一層容易に得られるシャッタの最小限の動きでも、供給開口4とシャッタとの間に閉じこめられた空気を放出するのに十分であることに留意されるべきである。
【0048】
さらに、作動レバー11は、突出部に対して作動レバー11が矢印F(すなわち、シャッタの軸線に対して実質的に垂直)の方向へ移動することにより、前記突出部5Aと協働して突出部を供給開口4に対して停止させるカム面18(図4参照)を有していてもよい。
【0049】
カム面18がある場合には、カム面の高さD2(D1よりも小さい)及びカム面の輪郭は、供給ボタン2が行程の終点に到達した時にのみ、シャッタの開放を行う構成になっていることが好ましい。
【0050】
図面から分かるように、第1の固定部分は、供給ボタン2の、軸部50用の穴3が形成された突出部分12(円筒状であるのが好ましい)に外側から嵌合している(そこで締まり嵌めによって固定されている)のが好ましい。
【0051】
さらに、供給ボタン2は、内側に開口部材7を全体的に収容することのできる空間14を構成するスカート13を備えていてもよい。このことは、製品の美観及び異物がディスペンサ装置1の操作性を妨げるのを防止することの両方にとって大きな利点である。
【0052】
ディスペンサ装置の取り付け作業は、供給ボタンの本体と、シャッタ及びばねが予め内に装着されたインサート30A(又は30B)とを連結させることにより行われる。その後、供給ボタン2の本体と角度が整合した状態で、開放部材7が所定位置に配置される。これは作動レバー11とシャッタの突出部5Aとの間の心合わせを容易にする。
【0053】
こうした角度の整合は、開放部材の第1の固定部分8の受け座15B(心合わせに適するようフレア形になったもの)に挿入される供給ボタンの突起部15Aによって行うことができる。
【0054】
もちろん、突起部を第1の固定部分に設け、受け座を供給ボタン2の本体に設けてもよい。
【0055】
上述の本発明によるディスペンサ装置は、供給ボタン2を十分に押し下げることによる最初の作動において(又は複数回の始動中)、シャッタ5の機械的な後退を行い、その結果、供給開口自体の手前に閉じこめられた空気のクッション作用を、供給開口4を通じて放出することができる。
【0056】
このようにして、ディスペンサ装置を効果的に始動させ、供給する流体状物質でチャンバ70を満たすことができる。
【0057】
始動後の作動においては、チャンバ70内の流体状物質の圧力が十分でシャッタが後退することができれば、もはや、十分に押された供給ボタンを操作する必要、したがってシャッタを機械的に開放する必要がない。
【0058】
本発明の種々の実施の形態を説明してきたが、本発明の概念を利用することにより、他の実施の形態も案出することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6