(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-28
(45)【発行日】2022-02-07
(54)【発明の名称】太陽電池パネルの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 31/048 20140101AFI20220131BHJP
H01L 31/05 20140101ALI20220131BHJP
【FI】
H01L31/04 560
H01L31/04 570
(21)【出願番号】P 2019200028
(22)【出願日】2019-11-01
【審査請求日】2019-11-01
(31)【優先権主張番号】10-2018-0134024
(32)【優先日】2018-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】キム チュソク
(72)【発明者】
【氏名】ムン セヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク サンファン
(72)【発明者】
【氏名】イ チョンハ
【審査官】原 俊文
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-107194(JP,A)
【文献】特開2009-246208(JP,A)
【文献】国際公開第2014/030225(WO,A1)
【文献】特開2006-019440(JP,A)
【文献】特開2018-093167(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0090412(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104966743(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02-31/078
H01L 31/18-31/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ガラス基板と、
第2ガラス基板と、
前記第1ガラス基板と前記第2ガラス基板との間に配置される複数の太陽電池及び前記複数の太陽電池を一方向に接続する複数の配線材から構成された太陽電池ストリングと、
前記太陽電池ストリングに接続されて外部に延長されるバスリボンを含むバスリボン部と、
前記第1ガラス基板と前記太陽電池ストリングとの間に配置された第1メインシール材と、
前記第2ガラス基板と前記太陽電池ストリングとの間に配置された第2メインシール材と、
を含む積層構造体を形成する段階と、
前記積層構造体に熱と圧力を加えてラミネートする段階と、
を含み、
前記積層構造体を形成する段階において、前記第1ガラス基板と前記第2ガラス基板との間で前記バスリボン部に対応する部分に追加シール部材をさらに位置させ、
前記バスリボン部は、前記太陽電池ストリングの一部と重畳して位置し、
前記太陽電池ストリングと前記バスリボン部との間に、これらの間を絶縁させる絶縁部材が備えられ、
前記太陽電池ストリングにおいて、前記絶縁部材と反対側の面に前記追加シール部材を位置させる、太陽電池パネルの製造方法。
【請求項2】
前記第1メインシール材または前記第2メインシール材の厚さに対する前記追加シール部材の厚さの割合は、0.4倍乃至1.5倍である、請求項1に記載の太陽電池パネルの製造方法。
【請求項3】
前記追加シール部材の厚さは、前記第1メインシール材または前記第2メインシール材の厚さと同じか、それより大きいか、それより小さい、請求項1に記載の太陽電池パネルの製造方法。
【請求項4】
前記追加シール部材の厚さは、250~600μmである、請求項1に記載の太陽電池パネルの製造方法。
【請求項5】
前記追加シール部材は、前記第1メインシール材及び前記第2メインシール材の内、少なくとも一つと比較して、前記バスリボン部に対応する積層部分の厚さを増加させる、または、前記第1メインシール材及び前記第2メインシール材の内、少なくとも一つより高い密度を有する、請求項1に記載の太陽電池パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本研究は、産業通商資源部(MOTIE)と韓国エネルギー技術評価院(KETEP)の支援を受けて行われた研究課題(課題固有番号:20163010012430)である。
【0002】
本発明は、太陽電池パネル及びその製造方法に関し、さらに詳細には、構造及び工程を改善した太陽電池パネル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
複数の太陽電池がリボン、インターコネクタ等により接続され、シール材とカバー部材によって保護された太陽電池パネルの形態で製造される。これにより、所望する出力を有することができ、外部環境に長期間露出されても、安全に保護することができる。
【0004】
このように、様々な部材を含む太陽電池パネルは、熱と圧力を加えるラミネーション工程によって一体化されるが、ラミネーション工程中に加えられる圧力によって荷重を大きく受ける部分は、他の部分とは異なる特性を有することができる。これにより、太陽電池パネルを長期間使用する場合に、荷重を大きく受ける部分で所望しない問題が発生することがあった。このような問題は、太陽電池パネルの両側の外面を構成するカバー部材がガラス基板で構成されて、ラミネーション工程で相対的に大きな圧力が加えられる場合に、さらに大きく発生することができる。
【0005】
例えば、太陽電池パネルの両側の外面を形成するカバー部材がそれぞれガラス基板で構成される場合には、ラミネーション工程時にカバー部材の重量によって、太陽電池パネルの端部でシール材の厚さが薄くなることができる。特に、外部との接続のために、バスリボンが外部に延長された部分でシール材の厚さが薄くなることができる。このような太陽電池パネルに温度を繰り返して変化させる温度サイクル試験(thermal cycle test)を実行すると、バスリボンが位置する部分で太陽電池が破損することができる。このような問題は、太陽電池を接続するリボン、インターコネクタなどの厚さが幅に比べて相対的に大きい場合に深刻に発生することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、簡単な構造で、長期信頼性を向上することができる太陽電池パネル及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
特に、本発明の目的は、前面カバー部材と後面カバー部材がガラス基板で構成され、幅に比べて厚さが相対的に大きいか円形形状又はラウンドになった形状を有する配線材を使用する場合に発生することができる太陽電池の損傷などを防止することができる太陽電池パネル及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施の形態に係る太陽電池パネルは、複数の太陽電池及び前記複数の太陽電池を一方向に接続する複数の配線材を含む太陽電池ストリングと、前記太陽電池ストリングに接続されて外部に延長されるバスリボンを含むバスリボン部と、前記太陽電池ストリングの一面側に位置する第1シール材、及び、前記太陽電池ストリングの他面側に位置する第2シール材を含み、前記太陽電池ストリングを包みこむシール材と、前記第1シール材の上で前記太陽電池ストリングの前記一面上に位置する第1カバー部材と、前記第2シール材の上で前記太陽電池ストリングの前記他面上に位置する第2カバー部材と、を含む。前記第1または第2シール材の内、少なくとも一つは、前記バスリボン部に対応する部分で他の部分より厚い厚さを有する、または、他の部分より高い密度を有する追加シール部分を含むことができる。
【0009】
前記バスリボン部は、前記太陽電池の少なくとも一部と重畳するように位置し、前記太陽電池ストリングと前記バスリボン部との間に、これらの間を絶縁する絶縁部材が備えられることができる。前記第1シール材及び前記第2シール材の内、前記絶縁部材と反対に位置するシール材は、前記追加シール部分を有することができる。
【0010】
前記追加シール部分は、少なくとも前記太陽電池パネルにおいて、前記バスリボン部が位置した部分を全体的に含むように位置し、前記太陽電池パネルで部分的に形成されることができる。
【0011】
前記バスリボン部の幅に対する前記追加シール部分の幅の比率は、1~1.5であり、前記バスリボン部の長さに対する前記追加シール部分の長さの比率は、1~1.5で有り得る。
【0012】
前記追加シール部分は、前記太陽電池パネルの端と離隔して位置することができる。
【0013】
前記配線材の第1幅は、250μm乃至500μmである、または、前記配線材は、円形またはラウンドになった部分を含むことができる。
【0014】
前記第1カバー部材及び前記第2カバー部材は、それぞれガラス基板を含むことができる。
【0015】
前記配線材の幅または直径に対して、前記太陽電池の一側に位置した前記シール材の厚さが2倍以下で有り得る。
【0016】
前記追加シール部分は、前記第1シール材と、前記第2シール材の少なくとも一つと、他の物質で形成されることができる。
【0017】
本発明の実施の形態に係る太陽電池パネルの製造方法は、第1カバー部材と、第1メインシール材と、複数の太陽電池及び前記複数の太陽電池を一方向に接続する複数の配線材を含む太陽電池ストリングと、前記太陽電池ストリングに接続されて外部に延長されるバスリボンを含むバスリボン部と、第2メインシール材と、第2カバー部材とを積層して積層構造体を形成する段階と、前記積層構造体に熱と圧力を加えてラミネートする段階と、を含む。前記積層構造体を形成する段階において、前記第1カバー部材と前記第2カバー部材との間で前記バスリボン部に対応する部分に追加シール部材をさらに位置させる。
【0018】
前記バスリボン部は、前記太陽電池の少なくとも一部と重畳するように位置し、前記太陽電池ストリングと前記バスリボン部との間に、これらの間を絶縁する絶縁部材が備えられることができる。前記太陽電池ストリングにおいて、前記絶縁部材と反対面側に、前記追加シール部材を配置させることができる。
【0019】
前記第1メインシール材または前記第2メインシール材の厚さに対する前記追加シール部材の厚さの割合は、0.4倍乃至1.5倍で有り得る。
【0020】
前記追加シール部材の厚さは、前記第1メインシール材または前記第2メインシール材の厚さと同じか、それより大きいか、それより小さいことができる。
【0021】
前記追加シール部材の厚さは、250~600μmで有り得る。
【0022】
前記追加シール部分は、前記第1シール材と、前記第2シール材の少なくとも一つと、他の物質で形成されることができる。
【0023】
前記追加シール部材は、前記第1カバー部材及び前記第2カバー部材の内、少なくとも一つと比較して、前記バスリボン部に対応する積層部分の厚さを増加させる、または、第1カバー部材及び前記第2カバー部材の内、少なくとも一つより高い密度を有することができる。
【0024】
本発明の他の実施形態に係る太陽電池パネルは、複数の太陽電池及び前記複数の太陽電池を一方向に接続する複数の配線材を含む太陽電池ストリングと、前記太陽電池ストリングに接続されて、太陽電池パネルの周辺から外部に延長されるバスリボンを含むバスリボン部と、前記太陽電池ストリングを包むシール材と、を含み、前記バスリボン部に対応する前記太陽電池パネルの一部において、前記シール材は、他の部分よりさらに厚い、または、前記バスリボン部に対応しない前記シーリング部材よりさらに高い密度を有することができる。
【0025】
前記シール材は、前記太陽電池ストリングの一面側に位置する第1シール材及び前記太陽電池ストリングの他面側に位置する第2シール材を含み、前記第1シール材または前記第2シール材の内、いずれか1つに配置される追加シール部分を含むことができる。
【0026】
前記太陽電池パネルは、前記第1シール材の上で前記太陽電池ストリングの前記一面上に位置する第1カバー部材と、前記第シール材の上で前記太陽電池ストリングの前記他面上に位置する第2カバー部材と、をさらに含むことができる。
【0027】
前記バスリボン部は、少なくとも前記太陽電池ストリングの一部と重畳するように位置し、前記第1シール材及び前記第2シール材の前記絶縁部材と反対に位置するシール材は、前記追加シール部分を有することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の実施の形態に係ると、追加シール部材を使用する単純な構造によって、バスリボン部が位置する太陽電池パネルの端で発生することができる太陽電池の損傷などを効果的に防止することができる。これにより、太陽電池パネルを単純な工程によって製造しながらも、太陽電池パネルの長期信頼性を向上させることができる。このとき、追加シール部材をバスリボン部に対応して部分的に備えるので、コストを効果的に低減することができる。このような効果は、シール材の厚さが一定水準以下である、または、配線材が幅に比べて大きな厚さを有したり、円形またはラウンドになった形状を有したり、第1及び第2カバー部材がそれぞれガラス基板を備える構造で、特に顕著である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る太陽電池パネルを示す斜視図である。
【
図2】
図1のII-II線に沿って切断して見た断面図である。
【
図3】
図1に示した太陽電池パネルに含まれる太陽電池とそれに接続された配線材を示す部分断面図である。
【
図4】
図1に示した太陽電池パネルに含まれ配線材によって接続される隣接した二つの太陽電池の概略を示す斜視図である。
【
図5】
図1に示した太陽電池パネルに含まれる太陽電池の前面平面図である。
【
図6】
図1に含まれる太陽電池パネルの概略を示した後面平面図である。
【
図7】
図1に示した太陽電池パネルの一部を拡大して示した太陽電池パネルの部分断面図である。
【
図8】本発明の一変形例に係る太陽電池パネルの一部を拡大して示した太陽電池パネルの部分断面図である。
【
図9】本発明の他の変形例に係る太陽電池パネルの概略を示した後面平面図である。
【
図10】本発明の他の変形例に係る太陽電池パネルの概略を示した後面平面図である。
【
図11A】本発明の実施の形態に係る太陽電池パネルの製造方法の概略を示す図である。
【
図11B】本発明の実施の形態に係る太陽電池パネルの製造方法の概略を示す図である。
【
図11C】本発明の実施の形態に係る太陽電池パネルの製造方法の概略を示す図である。
【
図12】本発明の実施の形態に応じて、追加シール部分または追加シール部材を備えるシール材を備えた太陽電池パネルを撮影した写真である。
【
図13】追加シール部分または追加シール部材を備えないシール材を備えた比較例に係る太陽電池パネルを撮影した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下においては、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、このような実施の形態に限定されるものではなく、様々な形態に変形することができることはもちろんである。
【0031】
図では、本発明を明確かつ簡略に説明するために説明と関係ない部分の図示を省略し、明細書全体を通じて同一または極めて類似の部分に対しては、同一の図面参照符号を用いる。そして、図面においては、説明をさらに明確にするために厚さ、広さなどを拡大または縮小して示したところ、本発明の厚さ、広さなどは図面に示されたところに限定されない。
【0032】
そして、明細書全体においてある部分が他の部分を“含む”とするとき、特に反対の記載がない限り、他の部分を排除するものではなく、他の部分をさらに含むことができる。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上に”あるとする時、これは他の部分の“真上に”ある場合だけでなく、その中間に他の部分が位置する場合も含む。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“真上に”あるとするときは、中間に他の部分が位置しないことを意味する。
【0033】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係る太陽電池及びこれを含む太陽電池パネルを詳細に説明する。以下で「第1」、「第2」、「第3」などの表現は、互いの間の区別をするために用いたものに過ぎず、本発明がこれに限定されるものではない。
【0034】
図1は、本発明の一実施の形態に係る太陽電池パネルを示す斜視図であり、
図2は、
図1のII-II線に沿って切断して見た断面図である。参照で、
図1においては理解のために、バスリボン145とこれの接続構造の概略を示し、
図2においては、バスリボン145とこれの接続構造の図示を省略した。バスリボン145とこれの接続構造の具体的な構造は、
図6及び
図7に示し、後の
図6及び
図7を参照した説明でバスリボン145とこれの接続構造を詳細に説明する。
【0035】
図1及び
図2を参照すると、本実施の形態に係る太陽電池パネル100は、複数の太陽電池150と、複数の太陽電池150を電気的に接続する配線材(または、線、インターコネクタなど)142を含む。そして、太陽電池パネル100は、複数の太陽電池150と、これを接続する配線材(またはインターコネクタ)142を囲んで密封するシール材130と、シール材130の上で太陽電池150の前面に位置する第1カバー部材110と、シール材130の上で太陽電池150の後面に位置する第2カバー部材120を含む。これをさらに詳細に説明する。
【0036】
まず、太陽電池150は、太陽電池を電気エネルギーに変換する光電変換部と、光電変換部に電気的に接続されて電流を収集して伝達する電極を含むことができる。そして、複数本の太陽電池150は、配線材142によって電気的に直列、並列または直並列に接続することができる。具体的に、配線材142は、複数本の太陽電池150の内、隣接した二つの太陽電池150を電気的に接続する。
【0037】
そして、バスリボン145が配線材142によって接続されて1つの列を形成する太陽電池150(つまり、太陽電池ストリング)の配線材142の両端を交互に接続する。バスリボン145は、太陽電池ストリングの端部で、これと交差する方向に配置されることができる。このようなバスリボン145は、互いに隣接する太陽電池ストリングを接続するか、太陽電池ストリングを電流の逆流を防止するジャンクションボックス(図示せず)に接続することができる。バスリボン145の物質、形状、リンク構造などは多様に変形することができ、本発明がこれに限定されるものではない。
【0038】
シール材130は、配線材142によって接続された太陽電池150の前面に位置する第1シール材131と、太陽電池150の後面に位置する第2シール材132を含むことができる。第1シール材131と第2シール材132は、水分と酸素の流入を防止し、太陽電池パネル100の各要素を化学的に結合する。第1及び第2シール材(131、132)は、透光性と接着性を有する絶縁物質で構成されることができる。一例として、第1シール材131と第2シール材132で、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、ポリビニルブチラール、ケイ素樹脂、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂などが使用されることができる。第1及び第2シール材(131、132)を用いたラミネート工程などによって第2カバー部材120、第2シール材132、太陽電池150、第1シール材131、第1カバー部材110が一体化されて、太陽電池パネル100を構成することができる。
【0039】
第1カバー部材110は、第1シール材131上に位置して太陽電池パネル100の前面を構成し、第2カバー部材120は、第2シール材132上に位置して、太陽電池パネル100の後面を構成する。第1カバー部材110及び第2カバー部材120は、それぞれ、外部の衝撃、湿気、紫外線などから太陽電池150を保護することができる絶縁物質で構成されることができる。そして、第1カバー部材110は、光が透過することができる透光性物質で構成され、第2カバー部材120は、透光性物質、非透光性物質、または反射物質などで構成されるシートで構成されることができる。一例として、第1カバー部材110を、ガラス基板などで構成することができ、第2カバー部材120がTPT(Tedlar / PET / Tedlar)タイプを有したり、またはベースフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))の少なくとも一面に形成されたポリフッ化ビニリデン(poly vinylidene fluoride、PVDF)樹脂層を含むことができる。
【0040】
しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、第1及び第2シール材(131、132)、第1カバー部材110、または第2カバー部材120が、前述した説明以外の様々な物質を含むことができ、様々な形態を有することができる。例えば、第1カバー部材110または第2カバー部材120が、様々な形態(例えば、基板、フィルム、シートなど)または物質を有することができる。
【0041】
図3を参照して、本発明の実施の形態に係る太陽電池150と、これに接続される配線材142をさらに詳細に説明する。
図3は、
図1に示した太陽電池パネル100に含まれる太陽電池150と、これに接続された配線材142を示した部分断面図である。簡略な図示のために
図3においては、電極(42、44)の概略を示した。
【0042】
図3を参照すると、太陽電池150は、半導体基板160と、半導体基板160に、または半導体基板160上に形成される導電型領域(20、30)と、導電型領域(20、30)に接続される電極(42、44)を含む。導電型領域(20、30)は、第1導電型を有する第1導電型領域20及び第2導電型を有する第2導電型領域30を含むことができる。電極(42、44)は、第1導電型領域20に接続される第1電極42及び第2導電型領域30に接続される第2電極44を含むことができる。その他、第1及び第2パッシベーション膜(22、32)、反射防止膜24などをさらに含むことができる。
【0043】
半導体基板160は、単一半導体物質(一例として、第4族元素)を含む結晶質半導体(例えば、単結晶または多結晶半導体、一例として、単結晶または多結晶シリコン)で構成されることができる。それにより、結晶性が高くて欠陥の少ない半導体基板160に基づくので、太陽電池150が、優れた電気的特性を有することがある。
【0044】
半導体基板160の前面及び/または後面はテクスチャリング(texturing)されて凹凸を有することがある。凹凸は、一例として、外面が半導体基板160の111面で構成され、不規則な大きさを有するピラミッド形状を有することができる。これによって、相対的に大きな表面粗さを有すれば光の反射率を下げることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0045】
本実施の形態において、半導体基板160は、第1または第2導電型ドーパントが第1または第2導電型領域(20、30)より低いドーピング濃度でドーピングされて、第1または第2導電型を有するベース領域10を含む。一例として、本実施の形態において、ベース領域10は、第2導電型を有することができる。
【0046】
一例として、第1導電型領域20は、ベース領域10とpn接合を形成するエミッタ領域を構成することができる。第2導電型領域30は、後面電界(back surface field)を形成して再結合を防止する後面電界領域を構成することができる。ここで、第1及び第2導電型領域(20、30)は、半導体基板160の前面と後面でそれぞれ全体的に形成されることができる。これにより、第1及び第2導電型領域(20、30)を十分な面積で、別のパターニングなしに形成することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0047】
本実施の形態において、半導体基板160を構成するベース領域10と導電型領域(20、30)が、半導体基板160の結晶構造を有しながら導電型、ドーピング濃度などが互いに異なる領域であることを例示した。つまり、導電型領域(20、30)が、半導体基板160の一部を構成するドーピング領域であることを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、第1導電型領域20及び第2導電型領域30の内、少なくとも1つが、半導体基板160上に、別の層で構成される非晶質、微結晶または多結晶半導体層などで構成することもできる。そのほかにも様々な変形が可能である。
【0048】
第1導電型領域20に含まれる第1導電型ドーパントがn型またはp型のドーパントで有り、ベース領域10及び第2導電型領域30に含まれる第2導電型ドーパントがp型またはn型のドーパントで有り得る。p型のドーパントとしては、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などの第3族元素を使用することができ、n型のドーパントとしては、りん(P)、砒素(As)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)などの第5族元素を使用することができる。ベース領域10の第2導電型ドーパントと第2導電型領域30の第2導電型ドーパントは、互いに同一の物質であることもあり、互いに異なる物質でも有り得る。
【0049】
一例として、第1導電型領域20がp型を、ベース領域10及び第2導電型領域30がn型を有することができる。それにより、電子より移動速度が遅い正孔が半導体基板160の後面でない、前面に移動して、変換効率を向上することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、逆の場合も可能である。
【0050】
半導体基板160の表面上には導電型領域(20、30)の欠陥を不動化させる第1及び第2パッシベーション膜(22、32)、光の反射を防止する反射防止膜24などの絶縁膜が形成されることができる。このような絶縁膜は、別途ドーパントを含まないアンドープ(undoped)絶縁膜で構成されることができる。第1及び第2パッシベーション膜(22、32)と反射防止膜24は、第1または第2電極(42、44)に対応する部分(さらに正確には、第1または第2開口部が形成された部分)を除外して、実質的に半導体基板160の前面と後面に全体的に形成されることができる。
【0051】
例えば、第1または第2パッシベーション膜(22、32)、または反射防止膜24は、シリコン窒化膜、水素を含むシリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリコン酸化窒化膜、アルミニウム酸化膜、MgF2、ZnS、TiO2及びCeO2からなる群から選択されたいずれか1つの単一膜または2つ以上の膜を組み合わせた多層膜構造を有することができる。一例として、第1または第2パッシベーション膜(22、32)は、第1または第2導電型領域(20、30)がn型を有する場合には、固定正電荷を有するシリコン酸化膜、シリコン窒化膜などを含むことができ、p型を有する場合には、固定負電荷を有するアルミニウム酸化膜などを含むことができる。一例として、反射防止膜24は、シリコン窒化物を含むことができる。他にも絶縁膜の物質、積層構造などは多様に変形が可能である。
【0052】
第1電極42は、第1開口部を介して第1導電型領域20に電気的に接続され、第2電極44は、第2開口部を介して第2導電型領域30に電気的に接続される。第1及び第2電極(42、44)は、様々な物質(一例として、金属物質)で構成され、様々な形状を有するように形成することができる。第1及び第2電極(42、44)の形状については、後で再度説明する。
【0053】
このように本実施の形態においては、太陽電池150の第1及び第2電極(42、44)が一定のパターンを有し、太陽電池150が半導体基板160の前面と後面に光が入射することができる両面受光型構造を有する。これにより、太陽電池150で使用される光量を増加させて、太陽電池150の効率向上に寄与することができる。
【0054】
しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第2電極44が半導体基板160の後面側で全体的に形成される構造を有することも可能である。また、第1及び第2導電型領域(20、30)、ならびに、第1及び第2電極(42、44)が、半導体基板160の一面(一例として、後面)側に共に位置することも可能であり、第1及び第2導電型領域(20、30)の内、少なくとも1つが、半導体基板160の両面に渡って形成されることも可能である。つまり、前述した太陽電池150は、一例として提示したものに過ぎず、本発明がこれに限定されるものではない。
【0055】
前述した太陽電池150は、第1電極42または第2電極44の上に位置(一例として、接触)する配線材142によって隣接した太陽電池150と電気的に接続されるが、これについては
図1~
図3と共に
図4を参照して、さらに詳細に説明する。
【0056】
図4は、
図1に示した太陽電池パネル100に含まれ配線材142によって接続される隣接した二つの太陽電池(151、152)の概略を示す斜視図である。
図4において隣接した二つの太陽電池(151、152)は、半導体基板160と電極(42、44)を中心に概略のみ示した。
【0057】
図4に示すように、配線材142は第1太陽電池151の前面に位置した第1電極42と、第1太陽電池151の一側(図の左側下部)に位置する第2太陽電池152の後面に位置した第2電極44を接続する。そして、他の配線材142が、第1太陽電池151の後面に位置した第2電極44と、第1太陽電池151の他の一側(図の右側上部)に位置する他の太陽電池の前面に位置した第1電極42を接続する。そしてさらに他の配線材142が、第2太陽電池152の前面に位置した第1電極42と、第2太陽電池152の一側(図の左側下部)に位置するさらに他の太陽電池の後面に位置した第2電極44を接続する。これにより、複数の太陽電池150が配線材142によって互いに1つの列をなすように接続することができる。以下で配線材142の説明は、互いに隣接した二つの太陽電池150を接続するすべての配線材142にそれぞれ適用することができる。
【0058】
このとき、各太陽電池150の一面で、複数の配線材142は、一方向(図面のx軸方向、第1フィンガーライン(
図5の参照符号42a、以下同じ)と交差する方向、または第1バスバー(
図5の参照符号42b、以下同じ)の延長方向)に沿って長く延長されて位置して隣接した太陽電池150の電気的接続特性を向上することができる。
【0059】
本実施の形態においては、配線材142が、既に使用された相対的に広い幅(例えば、1mmを超える)を有するリボンより小さい幅を有するワイヤで構成されることができる。一例として、配線材142の最大幅が1mm以下(一例として、500μm以下、さらに、具体的には、250~500μm)で有り得る。ここで、配線材142の最大幅は、配線材142の中心を通る幅の中で最も大きな幅を意味することができる。配線材142が、前述した最大幅を有するとき、配線材142の抵抗を低く維持し、光損失を最小化しながらも太陽電池150に円滑に取り付けることができる。
【0060】
そして、各太陽電池150の一面に基づいて、既存のリボンの数(例えば、2個~5個)より多くの数の配線材142を使用することができる。それにより、小さな幅によって配線材142による光損失及び材料コストを最小化しながら、多くの数の配線材142によって、キャリアの移動距離を短縮することができる。このように光の損失を減らしながらも、キャリアの移動距離を減らして太陽電池150の効率及び太陽電池パネル100の出力を向上させることができ、配線材142による材料コストを減らし太陽電池パネル100の生産性を向上することができる。
【0061】
このように小さな幅を有する配線材142の数を多く使用する場合に、太陽電池150に配線材142を付着する工程が複雑になることを防止するために、本実施の形態において配線材142は、コア層142aとその表面に形成されるはんだ層142bを一緒に備えた構造を有することがある。それにより、複数の配線材142を太陽電池150にのせておいた状態で熱と圧力を加える工程によって、多くの数の配線材142を効果的に付着することができる。
【0062】
このような配線材142またはこれに含まれて配線材142の大部分を占めるコア層142aは、ラウンドになった部分を含むことができる。つまり、配線材142またはコア層142aの断面は、少なくとも一部が円形、または円形の一部、楕円形、または楕円形の一部、または曲線からなる部分を含むことができる。
【0063】
このような形状を有すると、はんだ層142bをコア層142aの表面上に全体的に位置した構造で配線材142を形成して、はんだ物質を別々に塗布する工程などを省略し、太陽電池150の上に直接配線材142を位置させて配線材142を取り付けることができる。これにより、配線材142の付着工程を単純化することができる。また、配線材142のラウンドになった部分で反射または乱反射が誘導されて配線材142に反射された光が太陽電池150に再入射し、再利用されることができる。これによれば、太陽電池150に入射される光量が増加するので、太陽電池150の効率及び太陽電池パネル100の出力を向上させることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって配線材142を構成するワイヤが四角形などの多角形の形状を有することができ、その他の様々な形状を有することができる。
【0064】
このとき、配線材142は、太陽電池150の一面に基づいて6個乃至33個(例えば、8個乃至33個、一例として、10個乃至33個、特に、10個乃至15個)で有り得るものであり、互いに均一な間隔を置いて位置することができる。各太陽電池150において複数の配線材142は、第1フィンガーライン42aの延長方向に見たときに対称な形状を有することができる。これにより、配線材142を十分な数だけ備えながら、キャリアの移動距離を最小化することができる。
【0065】
本実施の形態において配線材142は、金属からなるコア層142aと、コア層142aの表面上に形成され、はんだ物質を含み電極(42、44)とはんだ付けを可能にするはんだ層142bを含むことができる。つまり、はんだ層142bは、一種の接着層のような役割をすることができる。一例として、コア層142aは、Ni、Cu、Ag、Alなどを主な物質(一例として、50wt%以上含まれる物質、さらに具体的に90wt%以上含まれる物質)として含むことができる。はんだ層142bは、Pb、Sn、SnIn、SnBi、SnPb、SnPbAg、SnCuAg、SnCuなどのはんだ物質を主な物質として含むことができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、コア層142aとはんだ層142bが、様々な物質を含むことができる。
【0066】
一方、テビン工程によって配線材142を太陽電池150に付着するようになると、
図3に示すように、太陽電池150に取り付けられまたは接続された配線材142の部分なのではんだ層142bの形状が変化することになる。
【0067】
さらに具体的に、配線材142は、はんだ層142bによって少なくともパッド部(422、442)に取り付けられる。このとき、各配線材142のはんだ層142bは、他の配線材142またははんだ層142bと、個別に位置することになる。テビン工程によって、配線材142が太陽電池150に付着するとき、テビン工程中で各はんだ層142bが第1または第2電極(42、44)(さらに具体的に、パッド部(422、442))の方向に全体的に流れて、各パッド部(422、442)に隣接した部分またはパッド部(422、442)とコア層142aとの間に位置する部分ではんだ層142bの幅がパッド部(422、442)を向けながら徐々に大きくなることができる。一例として、はんだ層142bにおいてパッド部(422、442)に隣接した部分は、コア層142aの幅または直径と同じか、それより大きな幅を有することができる。このとき、はんだ層142bの幅は、パッド部(422、442)の幅と同じか、それより小さいことができる。
【0068】
さらに具体的に、はんだ層142bは、コア層142aの上部からコア層142bの形状に応じて、太陽電池150の外部の方向に突出した形状を有するのに対し、コア層142aの下部またはパッド部(422、442)に隣接した部分には、太陽電池150の外部に対して凹の形状を有する部分を含む。これにより、はんだ層142bの側面においては、曲率が変わる変曲点が位置することになる。はんだ層142bのこのような形状から、配線材142が、別の層、フィルムなどに挿入されたり覆われたりしていない状態で、はんだ層142bによってそれぞれ個別に取り付けられて固定されたことが分かる。別の層、フィルムなどの使用なしではんだ層142bによって配線材142を固定して、単純な構造と工程によって太陽電池150と配線材142を接続することができる。特に、本実施の形態のように、狭い幅とラウンドになった形状を有する配線材142を、別の層、フィルム(一例として、樹脂と伝導性物質を含む伝導性接着フィルム)などを使用せずに取り付けることができ、配線材142の工程コストと時間を最小化することができる。
【0069】
一方、テビン工程の後である場合にも、熱が加わらないか、または相対的に少ない熱が加えられた隣接した太陽電池150の間(つまり、太陽電池150の外部)に位置する配線材142の部分は、
図4に示すように、はんだ層142bが均一な厚さを有する形状を有することができる。
【0070】
本実施の形態に係ると、ワイヤの形態の配線材142を使用して乱反射等により光損失を最小化することができ、配線材142の数を増やし配線材142のピッチを減らして、キャリアの移動経路を減らすことができる。そして配線材142の幅または直径を減らし材料コストを大幅に削減することができる。これにより、太陽電池150の効率及び太陽電池パネル100の出力を向上することができる。
【0071】
図1~
図4と共に
図5を参照して、本発明の実施の形態に係る配線材142が取り付けられる太陽電池150の電極(42、44)の一例を詳細に説明する。以下では、
図5を参照して、第1電極42に基づいて詳細に説明し、第2電極44に対しては、第1電極42と同一又は類似の部分と、第1電極42と、他の部分を説明する。
【0072】
図5は、本実施の形態に係る太陽電池パネル100に含まれている太陽電池150の前面平面図である。
【0073】
図1~
図5を参照すると、本実施の形態において、第1電極42は、第1方向(図面のy軸方向)に延長され、互いに平行に位置する複数の第1フィンガーライン42aと、第1フィンガーライン42aと交差(一例として、直交)する第2方向(図のx軸方向)に形成され、配線材142が接続または取り付けられる第1バスバー42bを含む。図においては、両側の端付近で複数の第1フィンガーライン42aの端部を全体的に接続する枠線42cがさらに形成されたことを例示した。枠線42cは、第1フィンガーライン42aと同一又は類似の幅を有し、第1フィンガーライン42aと同一の物質で構成されることができる。しかし、枠線42cを備えないことも可能である。
【0074】
このとき、本実施の形態において、太陽電池150(または半導体基板160)は、電極領域EAとエッジ領域PAで区画されることができる。ここで、電極領域EAは、互いに平行に形成される第1フィンガーライン42aが均一なピッチで配置される領域で有り得る。電極領域EAは、配線材142によって区画される複数の電極領域EAを含むことができる。そしてエッジ領域PAは、隣接する二つの電極領域EAの間に位置し、複数の第1パッド部422(特に、第1外側パッド424)の外側で半導体基板160または太陽電池150の端に隣接して位置する領域で有り得る。このとき、エッジ領域PAは、電極領域EAの第1フィンガーライン42aの密度より低い密度で電極部42dが位置する領域であるか、電極部42dが位置しない領域で有り得る。図においでは、互いに両側に位置する電極部42dが同じ形状を有することを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、その他の様々な変形が可能である。
【0075】
本実施の形態において、複数の第1フィンガーライン42aの少なくとも一部が第1導電型領域20に直接接触する接触部分を含み、光電変換によって生成されたキャリアを第1導電型領域20から収集する役割をする。一例として、複数の第1フィンガーライン42aは、互いに平行に延長されて、互いに一定のピッチを有するように離隔されることができる。
【0076】
本実施の形態において、第1バスバー42bは、第1方向と交差する第2方向(図のx軸方向)に位置する複数の第1パッド部422を含み、配線材142が接続される方向に沿って相対的に狭い幅を有しながら長く続く第1ライン部421をさらに含むことができる。第1パッド部422によって配線材142との付着力を向上し、接触抵抗を減らすことができ、第1ライン部421によって光損失を最小化することができる。そして、第1ライン部421は、一部の第1フィンガーライン42aが断線する場合、キャリアが迂回することができる経路を提供することができる。第1ライン部421には、配線材142が取り付けられることもあり、第1ライン部421に配線材142が取り付けられない状態で配線材142が第1ライン部421の上に置かれた状態で有り得ることもある。
【0077】
さらに具体的に、複数の第1パッド部422は、第2方向で半導体基板160の端に隣接して位置する第1外側パッド424と、第1外側パッド424より内側に位置する第1内側パッド426を含む。ここで、第1外側パッド424は、複数の第1パッド部422の内、第2方向に見るとき、両側の端のそれぞれに最も近く位置する二つのパッドを意味し、第1内側パッド426は、二つの第1外側パッド424の間に位置するパッドを意味することができる。ここで、外側/内側の基準は、複数の第1パッド部422だけに基づいたものなので、図面とは異なり、第1ライン部421が、第1外側パッド424の外側に位置することもできる。
【0078】
第1方向での第1パッド部422の幅は、第1方向での第1ライン部421の幅及び第2方向での第1フィンガーライン42aの幅よりそれぞれ大きいことができる。第1方向での第1パッド部422の長さは、第1方向での第1ライン部421及び第2方向からの第1フィンガーライン42aの幅よりそれぞれ大きいことができる。第1ライン部421の幅は、配線材142の幅と同じか、それより小さいことができ、第1パッド部422の幅は、配線材142の幅と同じか、それより大きいことができる。このように、第1パッド部422が十分な幅を有すると、配線材142との付着力を向上させ、接触抵抗を低減することができる。そして配線材142の幅は、第1フィンガーライン42aのピッチより小さいことができ、第1フィンガーライン42aの幅より大きいことができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0079】
このとき、各第1バスバー42bから複数の第1内側パッド426が一定の間隔を置いて配置されることができる。一例として、各第1バスバー42bから第1内側パッド426が6個~40個(一例として、12個乃至24個)配置されることができる。
【0080】
ここで、第1内側パッド426は、複数の第1フィンガーライン42aごとに1つずつ位置することができ、一例として、第1内側パッド426のピッチは、第1フィンガーライン42aのピッチの2倍~20倍(一例として、3倍を超え、10倍以下)で有り得る。しかし、第1内側パッド426の個数、配置などは多様に変形することができる。また、
図5においては、第1内側パッド426が同じ間隔で離隔されたことを例示したが、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、大きな力が作用する部分で、第1内側パッド426の個数、密度などを大きくすることができる。
【0081】
本実施の形態においては、第1電極42の第1バスバー42bの両端部に位置した第1外側パッド424が、第1内側パッド426より大きい面積(一例として、長さ)を有することができる。このとき、配線材142の幅(または直径)に関連して決定される第1外側パッド424の幅を互いに異なるようにしても、配線材142の接触面積とは大きな関連がない。したがって、第1方向で第1外側パッド424及び第1内側パッド426の幅を互いに実質的に同じようにして、第2方向で第1外側パッド424の長さを第1内側パッド426の長さよりも大きくすることができる。ここで、実質的に同じとは、5%よりも小さい誤差を有することを意味することができ、面積または長さがさらに大きいとは、5%以上(例えば、10%以上、一例として、20%以上)大きい面積または長さを有することを意味することができる。
【0082】
第1外側パッド424は、半導体基板160の両側端付近に位置して、太陽電池150の内部で配線材142が実質的に付着される最後の部分である。これにより、第1外側パッド424の外側端に基づいて配線材142の付着可否が異なるので、第1内側パッド426より、第1外側パッド424からの熱ストレスが大きく発生することができる。これを考慮して、本実施の形態においては、第1内側パッド426より、第1外側パッド424の面積を大きくすることができる。これにより、第1外側パッド424で配線材142との付着面積を増加させて配線材142の付着特性を優秀に維持することができる。これにより、太陽電池パネル100の不良を減らし、信頼性と生産性を向上することができる。それと相対的に配線材142の付着特性の低下の問題が相対的に少ない第1内側パッド426の面積を相対的に小さくして、第1電極42の面積を低減することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1外側パッド424が、第1内側パッド426と同じか、それより小さな面積(一例として、長さ)を有することもできる。その他の様々な変形が可能である。
【0083】
これと類似して、第2電極44は、第1パッド部422、第1ライン部421、または第1バスバー42bに対応する第2パッド部442、第2ライン部、または第2バスバーを含み、第1電極42の第1フィンガーライン42aに対応する第2フィンガーラインをさらに含むことができる。このとき、第1電極42の第1フィンガーライン42a、第1パッド部422及び第1ライン部421の幅、ピッチ、厚さ等は、第2電極44の第2フィンガーライン、第2パッド部442及び第2ライン部の幅、ピッチ、厚さなどと同じであることもあり、互いに異なることがある。第1バスバー42bと第2バスバーは互いに同じ位置に形成されて、互いに同じ数で形成することができる。また、第2電極44が第1電極42の枠線42c及び/または電極部42dに対応する枠線及び/または電極部をさらに含むことができる。他の記載がなければ、第2電極44には、第1電極42の内容がそのまま適用されることができ、第1電極42と関連した第1絶縁膜(半導体基板160の前面に形成された第1パッシベーション膜22、反射防止膜24など)の内容を、第2電極44と関連して、第2絶縁膜(半導体基板160の後面に形成された第2パッシベーション膜32)にそのまま適用することができる。
【0084】
一例として、本実施の形態において、第1または第2電極(42、44)の第1または第2フィンガーライン44aは、絶縁膜を貫通して第1または第2導電型領域(20、30)に接触して形成されることができる。第1または第2電極(42、44)の第1または第2バスバー42bは、絶縁膜を貫通して第1または第2導電型領域(20、30)に接触して形成されることもあり、絶縁膜の上で第1または第2導電型領域(20、30)と離隔して形成されることもできる。このとき、断面で見るとき、第1電極42及び第2電極44で第1及び第2フィンガーライン44a及び/または第1及び第2バスバー42bの構造が互いに同じであることもあり、互いに異なることもある。
【0085】
本実施の形態に係る太陽電池パネル100は、ラミネーション工程時にシール材130の厚さが他の部分より薄くなることができるエッジ部分、特に、バスリボン145を備えるバスリボン部で発生することができる太陽電池100の損傷を防止する構造を有することができる。これを
図1~
図5と共に
図6及び
図7を参照して、さらに詳細に説明する。
【0086】
図6は、
図1に含まれる太陽電池パネルの概略を示した後面平面図である。
図7は、
図1に示した太陽電池パネルの一部を拡大して示した太陽電池パネルの部分断面図である。簡略な図示と明確な理解のために、
図6においては隣接した二つの太陽電池150を接続する配線材142は、太陽電池150の外部に位置した部分だけを示し、絶縁部材190の図示を省略した。実際に隣接した二つの太陽電池150は、
図4に示すように、接続され、太陽電池ストリングSSとバスリボン部145との間には、絶縁部材190が位置することができる。
【0087】
図6及び
図7を参照すると、本実施の形態においては、太陽電池ストリングSSに接続されて外部に延長されるバスリボン145を含むバスリボン部(BSP)が、太陽電池パネル100の一側(一例として、上部側)に位置する。ここで、バスリボン部(BSP)は、太陽電池ストリングSSに接続されて太陽電池パネル100の外部に延長される複数のリボン145に対応する領域を意味することができる。一例として、バスリボン部(BSP)のバスリボン145は、太陽電池パネル100の後面の外部に延長されて、太陽電池パネル100の後面側に装着(さらに具体的に、太陽電池パネル100の一側、一例として、上部側に隣接するように装着)される端子箱(配線箱またはジャンクションボックス)200などに接続することができる。
【0088】
各バスリボン145は、一つまたは隣接した二つの太陽電池ストリングSSと交差する方向に延長され、その太陽電池ストリングSSの一側端部に位置した太陽電池150に接続された配線材142が接続されるメイン接続部分MPと、メイン接続部分MPを端子箱200に隣接した位置まで延長する延長部分EPを含むことができる。
【0089】
このとき、各バスリボン145の延長部分EPは、バスリボン145またはバスリボン部(BSP)の面積を最小化することができる形状を有することができる。一例として、両側の外側に位置する第1バスリボン145aの延長部分EPは、メイン接続部分MPの内側端部から下方側に折り曲げた後に端子箱200の方向に第1方向に沿って長く延長され、再び折り曲げられて第2方向に沿って延長されて端子箱200に接続することができる。それにより、内側に位置した第2バスリボン145bのメイン接続部MPと所望しないよう、重畳したり、短絡されることが防止される安定的な構造を有しながら、バスリボン部(BSP)の面積を最小化することができる。内側から端子箱200に隣接して位置した第2バスリボン145bの延長部分EPは、端子箱200に隣接した端部から折り曲げられて第1バスリボン145aの延長部分EPより内側から第2方向に沿って延長されて端子箱200に接続することができる。それにより、第1バスリボン145aの延長部分EPと所望しないように、重畳したり、短絡されることが防止される安定的な構造を有しながら、バスリボン部(BSP)の面積を最小化することができる。
【0090】
このとき、本実施の形態においては、バスリボン部(BSP)(一例として、第1及び第2バスリボン(145a、145b)の延長部分EP)が、太陽電池150の後面から太陽電池パネル100の一側(一例として、上部側)に位置する太陽電池150の少なくとも一部(一例として、一側端部に位置する太陽電池150の一部)と、重畳して位置することができる。それにより、バスリボン部(BSP)が前面から認識される面積を最小化しながら、太陽電池パネル100で光電変換に関与しない面積を最小化することができる。このとき、太陽電池150を含む太陽電池ストリングSS(とバスリボン部(BSP))の間に、所望しない電気的接続を防止するために絶縁部材190が位置することができる。
【0091】
このような絶縁部材190は、各上部側に位置した太陽電池150に対応するように形成されることもあり、複数の太陽電池ストリングSSにわたって位置するように第2方向(図のy軸方向)に長く続く形状を有することができる。絶縁部材190は、知られた様々な絶縁物質(一例として、樹脂)を含むことができ、フィルム、シートなどの様々な形で形成されることができる。一例として、絶縁部材190は、絶縁部分190aと、少なくともこれの一面に形成される接着層190bを含むことができる。絶縁部分190aには、様々な絶縁物質を使用することができる。接着層190bには、知られている様々な物質を使用することができるが、一例として、第1シール材131または第2シール材132と同一の物質を使用することができる。それにより、第1シール材132または第2シール材132と同一または類似の特性を有して安定性を向上することができる。
【0092】
本実施の形態においては、バスリボン部(BSP)に対応する部分で、第1及び第2シール材(131、132)の内、少なくとも1つが、追加シール部分(ASP)を備えることができる。このような追加シール部分(ASP)は、ラミネーション工程中、部分的に位置する追加シール部材(
図11Aの参照符号134、以下同じ)を追加で使用したことによって形成することができる。これについては後で
図11A~11Cを参照して、太陽電池パネル100の製造方法で詳細に説明する。追加シール部材134は、全体的に形成される第1及び/または第2メインシール材(
図11Aの参照符号131a、132a、以下同じ)と同一の物質で構成されることもあり、これと異なる物質で備えられることができる。追加シール部材134が、第1及び/または第2メインシール材(131a、132a)と異なる物質である場合には、ラミネート工程の後の第1及び/または第2シール材(131、132)が全体的に形成された部分と異なる物質を有することにより、容易に判別することができる。
【0093】
本実施の形態において、追加シール部分(ASP)は、
図7に示すように、第1及び/または第2シール材(131、132)で、他の部分より厚い厚さを有する部分で有り得る。ここで、第1シール材131の厚さとは、太陽電池150と第1カバー部材110との間の距離を意味することができ、第2シール材132の厚さとは、太陽電池150と第2カバー部材120との間の距離を意味することができる。ラミネート工程中にバスリボン部(BSP)に対応する部分に追加シール部材134を位置させると、その部分でのバスリボン部(BSP)が位置した部分の厚さが他の部分より厚くなることができる。それにより、他の部分より厚い厚さを有する部分を追加シール部分(ASP)または追加シール部材134が位置した部分として判別することができる。一例として、第1及び/または第2シール材(131、132)の厚さを測定して第1及び/第2シール材(131、132)の厚さが他の部分より大きい部分(一例として、5%以上の差を有するように大きい部分)を備えると、追加シール部材134または追加シール部分(ASP)が備えられたと判断されることができ、追加シール部材134または追加シール部分(ASP)の位置、大きさなどは、他の部分より大きな厚さを有する部分の位置及び大きさから判断することができる。
【0094】
しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、追加シール部材134によって、その部分で、第1及び第2シール材(131、132)の厚さが一緒に変化することもできる。また、
図8に示すように、ラミネート工程で追加シール部材134が備える場合にも、当該部分で厚さは変化されず、当該部分で密度が他の部分より高くなることがあるが、このように他の部分より高い密度を有する部分を追加シール部分(ASP)または追加シール部材134が位置した部分として判別することができる。一例として、第1及び/または第2シール材(131、132)の密度を測定して第1及び/第2シール材(131、132)の密度が他の部分より大きい部分(一例として、5%以上の差を有するように大きい部分)を備えると、追加シール部材134または追加シール部分(ASP)が備えられたと判断されることができ、追加シール部材134または追加シール部分(ASP)の位置、大きさなどは、他の部分より大きな密度を有する部分の位置、大きさから判断されることができる。
【0095】
また、他の例として、追加シール部材134に対応する部分に厚さが他の部分より厚く、密度がさらに高い追加シール部分(ASP)が位置することもできる。また異なる例として、追加シール部材134を別途備える場合にも、厚さまたは密度が変化する別の追加シール部分(ASP)が形成されず、第1及び/または第2シール材(131、132)が同じ厚さを有することができる。これは、バスリボン部(BSP)が位置した部分は、圧力などが多く作用する部分であるため、シール材(131、132)の厚さが他の部分より薄くなることができる部分なので、追加シール部材134を備えても、第1及び/または第2シール材(131、132)の厚さを補強するように配置され、第1及び/または第2シール材(131、132)の厚さ及び/または密度を増加させないこともあるからである。その他の様々な変形が可能である。
【0096】
図6~
図8を参照すると、本実施の形態において、第1及び第2シール材(131、132)の内、絶縁部材190と反対側に配置されるシール材(一例として、第1シール材131)がバスリボン部(BSP)に対応する部分で他の部分より厚い厚さまたは大きな密度を有する追加シール部分(ASP)を備えることができる。そして追加シール部分(ASP)は、太陽電池パネル100からバスリボン部(BSP)が位置した部分を全体的に含むように位置するが、太陽電池パネル100に基づいて見ると、バスリボン部(BSP)に対応する部分で部分的に位置することができる。
【0097】
本実施の形態において追加シール部分(ASP)または追加シール部材134がバスリボン部(BSP)の全幅と全長を覆う一字形状又は方形形状を有することができる。ここで、バスリボン部(BSP)の全幅と全長とは、バスリボン部(BSP)で最も外側に位置する両側の端部との間の幅と長さを意味することができる。例えば、バスリボン部(BSP)の全幅の追加シール部分(ASP)の幅の比率が1~1.5(一例として、1~1.2、さらに具体的に1~1.1)で有り、バスリボン部(BSP)の全体の長さの追加シール部分(ASP)の長さの比率が1~1.5(一例として、1~1.2、さらに具体的に1~1.1)で有り得る。このような形状及び数値範囲によって追加シール部材134の形状を簡素化しながらも、追加シール部材134の量を低減してコストを削減することができる。
【0098】
しかし、本発明がこれに限定されるものではない。一例として、
図9に示すように、追加シール部分(ASP)または追加シール部材134がバスリボン部(BSP)の形状と類似した外郭形状を有することができる。すなわち、第1及び第2方向のそれぞれで見るときに追加シール部分(ASP)または追加シール部材134が、各部分でのバスリボン部(BSP)の両側の端部との間の長さに対応するように形成されることができる。これにより、第1及び第2方向のそれぞれで見るとき、追加シール部分(ASP)または追加シール部材134が、各部分で両側の端部の間の長さの追加シール部分(ASP)の長さの比率が1~1.5(一例として、1~1.2、さらに具体的に1~1.1)で有り得る。このような形状及び数値範囲によって追加シール部材134の量をさらに低減してコストを削減することができる。また他の例として、
図10に示すように、追加シール部分(ASP)または追加シール部材143がバスリボン部(BSP)を構成する各バスリボン145に対応するように分離されて形成される複数の部分を含むことができる。すなわち、
図9の実施の形態においては、幅方向の一点で見るときに、複数のバスリボン145が備えられる部分で複数のバスリボン145と、それらの間のスペースをすべて満たすように追加シール部分(ASP)または追加シール部材134が位置する反面、この例または他の例では、幅方向の一点で見るとき、複数のバスリボン145が備えられる部分で複数のバスリボン145を覆うが複数のバスリボン145との間を覆わない部分を備えるように追加シール部分(ASP)または追加シール部材143が位置することができる。その他の様々な変形が可能である。
【0099】
本実施の形態において、追加シール部分(ASP)は、平面に見るときに、太陽電池パネル100の端と離隔されて位置し、追加シール部分(ASP)を形成するための追加シール部材143の量を減らし、安定性を向上することができる。
【0100】
参照で、外部に延長されていないバスリボン145が位置する部分(つまり、下端部)は、太陽電池ストリングSSの厚さの変化が大きくないので、この分では、追加シール部分(ASP)または追加シール部材143が位置しないことがある。これにより、追加シール部分(ASP)または追加シール部材143の量を減らし、構造を単純化することができる。
【0101】
前述したように、バスリボン部(BSP)が位置する部分は他の部分よりシール材130の厚さが薄くなることができる部分であるが、本実施の形態においては、この部分にシール材130の厚さを増加させたり、シール材130を補強することができる追加シール部材143が位置した状態でラミネート工程を実行して、この部分に追加シール部分(ASP)が位置する。これにより、太陽電池パネル100に、温度を繰り返して変化させる温度サイクル試験を実行しても、バスリボン部(BSP)が位置する部分で、太陽電池150に亀裂が発生したり、これによってはんだ付けによるグリッドインターイラプション(grid interruption caused by soldering、GICS)が発生して太陽電池150の出力が低下することを防止することができる。これにより、太陽電池パネル100の端部からの太陽電池150が損傷するのを防止することができる。このような効果は、特に、本実施の形態のように配線材142が円形形状またはラウンドになった部分を含むか、幅(一例として、1mm以下)に比べて相対的に大きい厚さ(幅と実質的に同じ厚さ、一例として、1mm以下)を有するか、第1及び第2カバー部材(110、120)がそれぞれガラス基板を備える構造で、特に顕著である。
【0102】
特に、本実施の形態においては、第1及び第2カバー部材(110、120)がそれぞれガラス基板を含み、第1配線材1421の幅または直径に対して太陽電池150の一側に位置したシール材130(すなわち、第1または第2シール材(131、132))の厚さが2倍以下で有り得る。ここで、太陽電池150の一側に位置したシール材130の厚さとは、太陽電池150と、第1または第2カバー部材(110、120)との間の距離として最も薄い厚さを意味することができる。第1及び第2カバー部材(110、120)がそれぞれガラス基板を使用すれば、ガラス基板の優れた耐久性、絶縁性、透光性等により、太陽電池パネル100の様々な特性を向上させることができ、両面受光構造によって出力を向上することができる。そして、前述した厚さの第1または第2シール材(131、132)を使用すれば、工程のコストを削減することができ、太陽電池パネル100の重量を減らすことができる。一方、第1または第2シール材(131、132)は、一定の厚さ以上にすることが難しく、厚さを増やすためには1つのシール材(131、132)を複数の層に備えなければならないので、工程のコストが大幅に増加することができ、これにより、太陽電池パネル100の重量も大幅に増加することができる。そこで、本実施の形態においては、第1または第2シール材(131、132)を一定の厚さ以下に形成してシール材130を構成する層の数または厚さを減らすことができる。この場合に、バスリボン部(BSP)で発生することができる太陽電池150の損傷などは追加シール部材134または追加シール部分(ASP)によって効果的に防止することができる。
【0103】
以下においては、
図11A~11Cを参照して、本実施の形態に係る太陽電池パネル100の製造方法を詳細に説明する。
【0104】
図11A乃至
図11Cは、本発明の実施の形態に係る太陽電池パネル100の製造方法の概略を示す図である。明確な理解と説明のために、
図11A~
図11Cには、バスリボン部(BSP)を領域にのみ示し、具体的なバスリボン145などの図示を省略した。そして、
図11A及び
図11Bには、明確な理解のために積層構造体100aを構成する部材を互いに離隔して示したが、実際には互いに接触した状態で位置することができる。
【0105】
まず、
図11Aに示したように、積層工程においては、ラミネート装置の作業台300上に第1カバー部材110、全体的に形成され、均一な厚さを有する第1メインシール材131a、太陽電池ストリングSS、及び、これに接続されたバスリボン部(BSP)、全体的に形成され、均一な厚さを有する第2メインシール131bと、第2カバー部材120を積層した積層構造体100aを積層する。このとき、第1カバー部材110と第2カバー部材120との間でバスリボン部(BSP)に対応する部分に追加シール部材143をさらに位置させることができる。図においては、第1カバー部材110が作業台300の方向に位置したことを例示したが、その逆も可能である。
【0106】
このとき、追加シール部材143は、太陽電池ストリングSSで太陽電池ストリングSSとバスリボン部(BSP)の間(つまり、太陽電池ストリングSSの後面側)に位置する絶縁部材190と反対面側に位置することができる。一例として、追加シール部材143が太陽電池ストリングSSと、第1カバー部材110の間に位置することができる。図においては、追加シール部材143が第1メインシール材130aと、第1カバー部材110の間に位置して、その部分でシール材130の厚さが薄くなることを効果的に防止することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、追加シール部材SSが、第1メインシール材130aと太陽電池ストリングSSとの間に位置することもできる。または、追加シール部材143が、第1メインシール材130aと第1カバー部材110との間、及び、第1メインシール材130aと太陽電池ストリングSSとの間にそれぞれ位置することもできる。他の例として、追加シール部材143が太陽電池ストリングSSと第2カバー部材120との間に位置することができる。この場合に、追加シール部材143は、第2メインシール130bと第2カバー部材120との間及び/または第2メインシール130bと、太陽電池ストリングSSにそれぞれ位置することもできる。また他の例として、追加シール部材143が太陽電池ストリングSSと第2カバー部材120との間、及び太陽電池ストリングSSと第2カバー部材120との間にそれぞれ位置することもできる。
【0107】
ここで、第1または第2メインシール材(130a、130b)の厚さの追加シール部材134の厚さの割合が0.4倍乃至1.5倍で有り得る。または追加シール部材134の厚さが250~600μmで有り得る。このような範囲内で追加シール部材134による効果を実現しながら、コストを低減することができ、構造的安定性を向上することができる。
【0108】
一例として、追加シール部材134の厚さが第1または第2メインシール材(130a、130b)の厚さと同じであることができる。それにより、第1または第2メインシール材(130a、130b)を所望のサイズに切断して追加シール部材134で使用することができ、量産性を向上することができる。または、追加シール部材134の厚さが第1または第2メインシール材(130a、130b)の厚さより大きいことができる。それにより、追加シール部材134による効果を最大化して、長期信頼性を向上することができる。または、追加シール部材134の厚さが第1または第2メインシール材(130a、130b)の厚さより小さいことができる。それにより、追加シール部材134の厚さを減らして、追加シール部材134によるコストを削減することができる。
【0109】
図11A及び
図11Bにおいては、追加シール部材134が、第1または第2メインシール材(130a、130b)と別個の構造を有し、この上に置かれたり、付着されることを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、追加シール部材134と、第1または第2メインシール材(130a、130b)が一体化された単一のボディを有することができ、そのほかに様々な変形が可能である。
【0110】
本実施の形態において追加シール部材134は、第1または第2メインシール材(130a、130b)と同一の物質で構成されることもあり、互いに異なる物質で構成されることもある。追加シール部材134と、第1または第2メインシール材(130a、130b)が互いに異なる物質を含む場合には、追加シール部材134の緩衝作用を最大化することができる物質で構成されることができる。たとえば、追加シール部材134が、第1または第2メインシール材(130a、130b)より低い硬度と高い弾性を有し緩衝作用を最大化することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0111】
続いて、
図11Bに示すように、ラミネート工程においては、積層構造体100aに熱と圧力を加えて、第1カバー部材110、追加シール部材134、第1メインシール材131a、太陽電池ストリングSS及びこれに接続されたバスリボン部(BSP)、全体的に形成され、均一な厚さを有する第2メインシール131b、第2カバー部材120を積層した積層構造体100aを積層する。つまり、ラミネート工程の高い温度で追加シール部材134、第1メインシール材131a、第2メインシール材132aが溶融した後に硬化して、圧力によって圧着される第1カバー部材110と第2カバー部材120の間のスペースをシール材130が完全に満たしながら、太陽電池150を密封することができる。これにより、シール材130によって、第1カバー部材110と第2カバー部材120の間のスペースが完全に満たされることができる。これにより、バスリボン部(BSP)を含む部分で
図11Cに示すような構造を有する太陽電池パネル100が製造される。
【0112】
本実施の形態によれば、追加シール部材143を使用する単純な構造によって、バスリボン部(BSP)が位置する太陽電池パネル100の端付近(一例として、上部端付近)で発生することができる太陽電池150の損傷などを効果的に防止することができる。これにより、太陽電池パネル100を単純な工程によって製造しながらも、太陽電池パネル100の長期信頼性を向上することができる。このとき、追加シール部材143をバスリボン部(BSP)に対応して部分的に備えるので、コストを効果的に低減することができる。このような効果は、シール材130の厚さが一定水準以下である、または、配線材142が幅に比べて大きな厚さを有したり、円形またはラウンドになった形状を有したり、第1及び第2カバー部材(110、120)がそれぞれガラス基板を備える構造で、特に顕著である。
【0113】
図12に、本発明の実施の形態のように追加シール部分または追加シール部材を備えるシール材を含む太陽電池パネルを撮影した写真を添付しており、
図13に、本発明とは異なり、追加シール部分または追加シール部材を備えないシール材を含む比較例による太陽電池パネルを撮影した写真を添付した。
図12及び
図13に示した太陽電池パネルは、同じ条件で同じ時間だけ温度サイクル試験を行った後の写真であり、実施の形態及び比較例においては、追加シール部分または追加シール部材を備えたかどうかだけを除き、他の条件がすべて同じであった。
【0114】
図12に示すように、本発明の実施の形態に係る太陽電池パネルにおいては、バスリボン部が位置する上端側の部分で太陽電池の割れ現象が発生しなかったが、
図13に示すように、比較例による太陽電池パネルでは、バスリボン部が位置する太陽電池の上端側の部分で太陽電池の割れ現象が発生したことを知ることができる。このことから、追加シール部分または追加シール部材を備えることによりラミネート工程、温度サイクル試験などで太陽電池の割れ現象を防止することができることを知ることができる。
【0115】
前述したところに従った特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施の形態に含まれ、必ずしも一つの実施の形態にのみに限定されるものではない。さらに、各実施の形態で例示された特徴、構造、効果などは、実施の形態が属する分野の通常の知識を有する者によって他の実施の形態に対しても組み合わせ、または変形して実施可能である。したがって、このような組み合わせと変形に係る内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。