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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】薬品供給方法および薬品供給設備
(51)【国際特許分類】
   F22B 37/56 20060101AFI20220208BHJP
【FI】
F22B37/56 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018045156
(22)【出願日】2018-03-13
(65)【公開番号】P2019158230
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2020-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】河田 英憲
【審査官】古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-324003(JP,A)
【文献】特開2013-202599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B 37/52,37/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬品タンクと、
前記薬品タンク内の薬品が所定量に達したことを検知して検知信号を出力する検知手段と、
前記薬品タンクに接続された供給ラインに設けられ、制御空気によって前記供給ラインを開閉するとともに、前記開閉時に応答信号を出力する空気式自動弁と、
前記空気式自動弁に前記制御空気を供給する電磁弁と、
前記検知信号に応じて前記空気式自動弁および前記電磁弁を制御するとともに、前記空気式自動弁から前記応答信号が出力されない場合に警報を発する制御手段と、
を備えた薬品供給設備で、前記供給ラインから前記薬品タンクに前記薬品を供給して調製する薬品供給方法であって、
前記検知手段から前記検知信号が出力された場合に、前記電磁弁により前記空気式自動弁に前記制御空気を供給し、前記空気式自動弁を開いて前記薬品タンクに前記薬品を供給する第1の調製手順と、
前記空気式自動弁がシートリークして、前記空気式自動弁の上流側または下流側に設けられた供給手動弁が閉じられた場合に、前記電磁弁の上流側に設けられた制御空気供給手動弁を閉じて、前記電磁弁が開いても前記空気式自動弁が動作しないようにし、前記制御手段が前記応答信号を確認できずに発した警報を、前記薬品タンクに前記薬品の供給を開始するタイミングとして利用して、前記供給手動弁と前記制御空気供給手動弁とを開く第2の調製手順と、
を備えることを特徴とする薬品供給方法。
【請求項2】
前記空気式自動弁と前記電磁弁とを備える複数の前記供給ラインが設けられた前記薬品供給設備において、
複数の前記供給ラインのうち、前記空気式自動弁がシートリークしていない供給ラインについては、前記第1の調製手順を利用し、前記空気式自動弁がシートリークしている供給ラインについては、前記第2の調製手順を利用する、
ことを特徴とする請求項1に記載の薬品供給方法。
【請求項3】
前記薬品タンクは、発電プラントのボイラの給水に注入される薬品を貯留し、前記供給ラインの1つは、給水の水質を調整する薬品を供給し、別の前記供給ラインの1つは、前記薬品を希釈する希釈水を供給する、
ことを特徴とする請求項2に記載の薬品供給方法。
【請求項4】
薬品タンクと、
前記薬品タンク内で薬品が所定量に達したことを検知して検知信号を出力する検知手段と、
前記薬品タンクに接続された供給ラインに設けられ、制御空気によって前記供給ラインを開閉するとともに、前記開閉時に応答信号を出力する空気式自動弁と、
前記空気式自動弁に制御空気を供給する電磁弁と、
前記検知信号に応じて、前記空気式自動弁と前記電磁弁とを制御するとともに、前記空気式自動弁から前記応答信号が出力されない場合に警報を発する制御手段と、
を備え、前記供給ラインから前記薬品タンクに前記薬品を供給して調製する薬品供給設備であって、
前記空気式自動弁の上流側または下流側に供給自動弁を設け、
前記電磁弁の上流側に制御空気供給自動弁を設け、
前記制御手段は、
前記空気式自動弁がシートリークしていない場合には、前記供給自動弁と前記制御空気供給自動弁とを開き、前記検知手段から前記検知信号が出力された場合に、前記電磁弁により前記空気式自動弁に前記制御空気を供給し、前記空気式自動弁を開いて前記薬品タンクに前記薬品を供給する第1の調製手順を利用し、
前記空気式自動弁がシートリークしている場合には、前記供給自動弁と前記制御空気供給自動弁とを閉じ、前記空気式自動弁からの応答信号を確認できずに警報を発するタイミングで、前記供給自動弁と前記制御空気供給自動弁とを開く第2の調製手順を利用する、
ことを特徴とする薬品供給設備。
【請求項5】
前記空気式自動弁と前記電磁弁とを備える複数の前記供給ラインが設けられた前記薬品供給設備であって、
複数の前記供給ラインのうち、前記空気式自動弁がシートリークしていない供給ラインについては、前記第1の調製手順を利用し、前記空気式自動弁がシートリークしている供給ラインについては、前記第2の調製手順を利用する、
ことを特徴とする請求項4に記載の薬品供給設備。
【請求項6】
前記薬品タンクは、発電プラントのボイラの給水に注入される薬品を貯留し、前記供給ラインの1つは、給水の水質を調整する薬品を供給し、別の前記供給ラインの1つは、前記薬品を希釈する希釈水を供給する、
ことを特徴とする請求項5に記載の薬品供給設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、薬品タンク内の薬品が所定量に達したことを検知して薬品の供給を開始する薬品供給方法および薬品供給設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発電設備ではボイラを安全で効率よく運転するために、ボイラの給水の水質管理が行われている。水質管理が十分でないと、ボイラへの配管等が腐食する原因になったり、運転効率が落ちる原因になったりする。例えば、特許文献1に記載されている火力発電プラントでは、ボイラの給水にヒドラジンやアンモニアなどの薬品を注入してpH濃度を調整している。
【0003】
ボイラに注入される薬品は、事前に薬品供給設備で所定濃度となるように調製される。この薬品供給設備には、薬品タンクと、薬品タンク内の薬品が所定量に達したことを検知して検知信号を出力するレベルスイッチ(検知手段)と、薬品タンクに接続された供給ラインに設けられ、制御空気によって供給ラインを開閉するとともに、開閉時に応答信号を出力する空気式自動弁と、空気式自動弁に制御空気を供給する電磁弁と、検知信号に応じて空気式自動弁および電磁弁を制御するとともに、空気式自動弁から応答信号が出力されない場合に警報を発する薬品制御装置(制御手段)と、を備えている。
【0004】
また、薬品供給設備は、複数の供給ラインを備えており、その供給ラインの1つからは、給水の水質を調整するヒドロジンやアンモニアなどの薬品を供給し、別の供給ラインの1つからは、薬品を希釈するための希釈水を供給して、薬品タンク内で薬品の濃度を調整している。
【0005】
このような供給ラインで空気式自動弁が用いられるのは、電気の使用による薬品の引火、爆発を防ぐためである。また、空気式自動弁の応答性を高めるために、空気式自動弁へ制御空気を供給する制御空気供給ラインに制御空気を常に供給しておき、電磁弁で制御空気の供給、停止を切り換えるようにしている。
【0006】
このような薬品供給設備において、薬品制御装置は、レベルスイッチから薬品タンク内の貯留量が低レベルになったことを表す検知信号が出力された場合に、希釈水の供給ラインの電磁弁を開いて空気式自動弁に制御空気を供給する。空気式自動弁は、制御空気によって開いて薬品タンクに希釈水を供給する。また、薬品制御装置は、レベルスイッチから薬品タンク内の希釈水の貯留量が低レベルよりも高い希釈水検知レベルになったことを表す検知信号が出力された場合に、希釈水の供給ラインの電磁弁を閉じ、空気式自動弁を閉じて薬品の供給を停止する。
【0007】
また、薬品制御装置は、薬品の供給ラインの電磁弁を開いて空気式自動弁に制御空気を供給する。空気式自動弁は、制御空気によって開いて薬品タンクに薬液を供給する。そして、薬品制御装置は、レベルスイッチから薬品タンク内の薬液の貯留量が希釈水検知レベルよりも高い薬品検知レベルになったことを表す検知信号が出力された場合に、薬品の供給ラインの電磁弁を閉じ、空気式自動弁を閉じて薬品の供給を停止する。
【0008】
上述した薬品供給設備において、空気式自動弁のシートリーク(漏れ)により、空気式自動弁を閉じたあとも長時間に渡って希釈水や薬品が薬品タンクに少しずつ供給され、薬品タンク内の貯留量(タンクレベル)が、上述した薬品検知レベルよりも高い、高レベルに過上昇するトラブルが発生することがあった。
【0009】
空気式自動弁のシートリークが発生すると、次のような問題が生じる。1つ目の問題では、希釈水の供給ラインで空気式自動弁がシートリークすると、薬品タンク内の薬品濃度が低くなってしまい、ボイラの給水を適切に水質調整することができなくなる。2つ目の問題では、薬品の供給ラインの空気式自動弁がシートリークすると、薬品タンク内の薬品濃度が高くなってしまい、ボイラに悪影響を及ぼすことがある。
【0010】
3つ目の問題は、タンクレベルの上昇により、薬品タンクから薬品が漏れてしまうことがある。薬品タンクから薬品が漏れてしまうと、公共機関への通報が必要となり、状況によっては発電プラントのユニット稼働に制約が生じる恐れがある。
【0011】
このような問題を回避するために、従来、空気式自動弁のシートリークが発生した場合には、その空気式自動弁の上流側または下流側に設けられた手動の薬品供給弁を閉じて、空気式自動弁が自動で動作しないようにしている。そして、作業員が薬品タンクのレベル計を見て希釈水や薬品の張り込み量(供給量)を監視し、所定の張り込みタイミングになったときに、薬品供給弁を手動で開いて希釈水または薬品を薬品タンクに供給し、所定量の張り込みが完了した場合には、薬品供給弁を手動で閉じるという運用を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開2004-147374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、薬品タンクのサイズによるが、希釈水や薬品の張り込みには時間がかかる。また、火力発電プラントの稼働状況によっては、頻繁に薬品の調製が必要となるので、作業員による監視時間がさらに長くなってしまう。このような人手による監視作業は、他の作業が行えなくなるなどの作業性低下だけでなく、監視ミスの発生も誘発してしまう。
【0014】
そこでこの発明は、空気式自動弁のシートリーク時に人手による監視負担を小さく、または不要にすることが可能な薬品供給方法および薬品供給設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、薬品タンクと、前記薬品タンク内の薬品が所定量に達したことを検知して検知信号を出力する検知手段と、前記薬品タンクに接続された供給ラインに設けられ、制御空気によって前記供給ラインを開閉するとともに、前記開閉時に応答信号を出力する空気式自動弁と、前記空気式自動弁に前記制御空気を供給する電磁弁と、前記検知信号に応じて前記空気式自動弁および前記電磁弁を制御するとともに、前記空気式自動弁から前記応答信号が出力されない場合に警報を発する制御手段と、を備えた薬品供給設備で、前記供給ラインから前記薬品タンクに前記薬品を供給して調製する薬品供給方法であって、前記検知手段から前記検知信号が出力された場合に、前記電磁弁により前記空気式自動弁に前記制御空気を供給し、前記空気式自動弁を開いて前記薬品タンクに前記薬品を供給する第1の調製手順と、前記空気式自動弁がシートリークして、前記空気式自動弁の上流側または下流側に設けられた供給手動弁が閉じられた場合に、前記電磁弁の上流側に設けられた制御空気供給手動弁を閉じて、前記電磁弁が開いても前記空気式自動弁が動作しないようにし、前記制御手段が前記応答信号を確認できずに発した警報を、前記薬品タンクに前記薬品の供給を開始するタイミングとして利用して、前記供給手動弁と前記制御空気供給手動弁とを開く第2の調製手順と、を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項1の発明によれば、空気式自動弁がシートリークしていない通常時には、検知手段から検知信号が出力された場合に、電磁弁により空気式自動弁に制御空気を供給し、空気式自動弁を開いて薬品タンクに薬品を供給する、という第1の調製手順を利用する。これに対し、空気式自動弁がシートリークしている場合には、薬品の漏れを防ぐために、空気式自動弁の上流側または下流側に設けられた供給手動弁が閉じられている。このような場合には、電磁弁の上流側に設けられた制御空気供給手動弁を閉じて、電磁弁が開いても空気式自動弁が動作しないようにしておく。そして、制御手段が応答信号を確認できずに発した警報を、薬品タンクに薬品の供給を開始するタイミングとして利用して、薬品供給弁と制御空気供給弁とを手動で開くようにした第2の調製手順を利用する。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の薬品供給方法であって、前記空気式自動弁と前記電磁弁とを備える複数の前記供給ラインが設けられた前記薬品供給設備において、複数の前記供給ラインのうち、前記空気式自動弁がシートリークしていない供給ラインについては、前記第1の調製手順を利用し、前記空気式自動弁がシートリークしている供給ラインについては、前記第2の調製手順を利用する、ことを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の薬品供給方法であって、前記薬品タンクは、発電プラントのボイラの給水に注入される薬品を貯留し、前記供給ラインの1つは、給水の水質を調整する薬品を供給し、別の前記供給ラインの1つは、前記薬品を希釈する希釈水を供給する、ことを特徴とする。
【0019】
請求項4の発明は、薬品タンクと、前記薬品タンク内で薬品が所定量に達したことを検知して検知信号を出力する検知手段と、前記薬品タンクに接続された供給ラインに設けられ、制御空気によって前記供給ラインを開閉するとともに、前記開閉時に応答信号を出力する空気式自動弁と、前記空気式自動弁に制御空気を供給する電磁弁と、前記検知信号に応じて、前記空気式自動弁と前記電磁弁とを制御するとともに、前記空気式自動弁から前記応答信号が出力されない場合に警報を発する制御手段と、を備え、前記供給ラインから前記薬品タンクに前記薬品を供給して調製する薬品供給設備であって、前記空気式自動弁の上流側または下流側に供給自動弁を設け、前記電磁弁の上流側に制御空気供給自動弁を設け、前記制御手段は、前記空気式自動弁がシートリークしていない場合には、前記供給自動弁と前記制御空気供給自動弁とを開き、前記検知手段から前記検知信号が出力された場合に、前記電磁弁により前記空気式自動弁に前記制御空気を供給し、前記空気式自動弁を開いて前記薬品タンクに前記薬品を供給する第1の調製手順を利用し、前記空気式自動弁がシートリークしている場合には、前記供給自動弁と前記制御空気供給自動弁とを閉じ、前記空気式自動弁からの応答信号を確認できずに警報を発するタイミングで、前記供給自動弁と前記制御空気供給自動弁とを開く第2の調製手順を利用する、ことを特徴とする。
【0020】
請求項4の発明によれば、供給ラインの空気式自動弁の上流側または下流側に供給自動弁を設け、電磁弁の上流側に制御空気供給自動弁を設けている。制御手段は、空気式自動弁がシートリークしていない場合には、供給自動弁と制御空気供給自動弁とを予め開いておく。そして、検知手段から前記検知信号が出力された場合に、電磁弁により空気式自動弁に制御空気を供給し、空気式自動弁を開いて薬品タンクに薬品を供給する第1の手順を利用する。これに対し、空気式自動弁がシートリークしている場合には、供給自動弁と制御空気供給自動弁とを閉じ、空気式自動弁からの応答信号を確認できずに警報を発するタイミングで、供給自動弁と制御空気自動弁とを開く第2の手順を利用する。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の薬品供給設備であって、前記空気式自動弁と前記電磁弁とを備える複数の前記供給ラインが設けられた前記薬品供給設備であって、複数の前記供給ラインのうち、前記空気式自動弁がシートリークしていない供給ラインについては、前記第1の調製手順を利用し、前記空気式自動弁がシートリークしている供給ラインについては、前記第2の調製手順を利用する、ことを特徴とする。
【0022】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の薬品供給設備であって、前記薬品タンクは、発電プラントのボイラの給水に注入される薬品を貯留し、前記供給ラインの1つは、給水の水質を調整する薬品を供給し、別の前記供給ラインの1つは、前記薬品を希釈する希釈水を供給する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の発明によれば、空気式自動弁がシートリークしていない通常時には、検知手段から検知信号が出力された場合に、電磁弁により空気式自動弁に制御空気を供給し、空気式自動弁を開いて薬品タンクに薬品を供給する、という第1の調製手順を利用することができるので、自動で薬品の調製を行うことができる。
【0024】
また、空気式自動弁がシートリークしている場合には、薬品の漏れを防ぐために、空気式自動弁の上流側または下流側に設けられた供給手動弁が閉じられているので、自動で薬品を調製することはできない。しかしながら、本発明の第2の調製手順によれば、電磁弁の上流側に設けられた制御空気供給手動弁を閉じて、電磁弁が開いても空気式自動弁が動作しないようにしておくことで、制御手段から応答信号を確認できない場合の警報を発生させることができる。これにより、薬品タンクに薬品の供給を開始するタイミングとして警報を利用することができるので、人手による薬品の張り込みタイミングの監視負担を軽減することが可能である。
【0025】
さらに、人手による監視負担が低下することから、作業性低下だけでなく、監視ミスの発生も防ぐことができるので、薬品タンクからの薬品のオーバーフローを未然に防ぐことが可能である。
【0026】
さらにまた、薬品供給設備の構成を変更することなく、空気式自動弁の上流側または下流側に設けられた供給手動弁と、電磁弁の上流側に設けられた制御空気供給手動弁との運用を変更するだけで、空気式自動弁がシートリークしていない場合に対応した第1の調製手順と、空気式自動弁がシートリークしている場合に対応した第2の調製手順とを切り換えて利用することができる。したがって、非常に簡単に従来の薬品供給設備に適用することが可能である。
【0027】
請求項4の発明によれば、請求項1と同様に、第1の調製手順と第2の調製手順とを切り換えて薬品の調製を行うことができるので、同様の効果を得ることができる。また、空気式自動弁の上流側または下流側に供給自動弁を設け、電磁弁の上流側に制御空気供給自動弁を設けることで、空気式自動弁にシートリークが発生している場合でも、制御手段から警報が発せられタイミングを利用して、自動で薬品の張り込みを行うことが可能になる。したがって、シートリークが発生した場合に、薬品を薬品タンクに張り込むタイミングを監視する必要がなくなる。
【0028】
請求項2、5の発明によれば、薬品供給設備が複数の供給ラインを備えている場合には、空気式自動弁がシートリークしていない供給ラインについては、第1の調製手順を利用し、空気式自動弁がシートリークしている供給ラインについては、第2の調製手順を利用する、というように、第1の調製手順と第2の調製手順とを組み合わせて利用することができるので、空気式自動弁のシートリークに柔軟に対応することが可能である。
【0029】
請求項3、6の発明によれば、薬品の消費量が比較的大量な発電プラントに対応することができるので、人手による薬品の張り込みタイミングの監視負担を軽減して、作業性低下を防ぎ、監視ミスの発生を防ぐという効果も大きなものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】この発明の実施の形態に係る薬品供給設備を利用した火力発電プラントの概略構成図である。
図2】この発明の実施の形態1に係る薬品供給設備の概略構成図である。
図3図2の薬品供給設備において薬品を自動で調製する第1の調製手順を示すフローチャートである。
図4図3に示す第1の調製手順で希釈水の供給を行う手順を示すフローチャートである。
図5図4に示す希釈水の供給手順を示す説明図である。
図6図2の薬品供給設備で薬品を自動で調製する第2の調製手順を示すフローチャートである。
図7図6に示す第2の調製手順で希釈水の供給を行う手順を示すフローチャートである。
図8図6に示す希釈水の供給手順を示す説明図である。
図9図8に示す希釈水の供給手順の続きを示す説明図である。
図10】この発明の実施の形態1に係る薬品供給設備の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0032】
(実施の形態1)
図1~9は、この発明の実施の形態を示し、図1は、この実施の形態に係る薬品供給設備を備えた火力発電プラントを示す概略構成図である。この火力発電プラント1は、石炭や石油を燃焼して発電タービンを駆動するための蒸気を発生するボイラ2と、ボイラ2に給水を行う給水タンク3と、給水の水質調整用の薬品を調製する薬品供給設備4と、を備えている。給水タンク3は、給水ライン31によってボイラ2に接続されており、給水ライン31には、給水タンク3からボイラ2に給水を行うポンプ32が設けられている。また、薬品供給設備4は、薬品注入ライン41によって給水ライン31に接続されており、薬品注入ライン41には、薬品供給設備4から給水ライン31に薬品を注入するポンプ42が設けられている。
【0033】
薬品供給設備4は、希釈水や薬品の供給制御に利用している空気式自動弁がシートリーク(漏れ)していないときに用いられる薬品の調製手順1と、シートリークしている場合に用いられる調製手順2とを切り換えて利用できるようにしたものである。
【0034】
図2は、薬品供給設備4を示す概略構成図である。薬品供給設備4は、薬品タンク5と、薬品タンク5に設けられたレベルスイッチ(検知手段)6と、薬品タンク5に接続された複数の供給ライン7、8、9と、レベルスイッチ6の検知結果に応じて供給ライン7~9を統括的に制御する薬品制御装置(制御手段)10と、薬品制御装置10の設定、操作に関する画面や、警報などの画面を表示するモニタ11と、を備える。
【0035】
薬品タンク5は、給水ライン31に注入される薬品の調製および貯留を行うタンクである。薬品タンク5には、タンク内に貯留されている希釈水などの貯留量を計測して、タンク外から確認することができるレベル計51が設けられている。
【0036】
レベルスイッチ6は、薬品タンク5内に供給された希釈水および薬品の水位が所定量に達したことを検知して検知信号を出力するセンサスイッチである。レベルスイッチ6には、下方から順に、低レベル検知点P1、希釈水検知点P2、薬品検知点P3および高レベル検知点P4のように、複数の検知点が設定されている。
【0037】
低レベル検知点P1は、薬品タンク5内の薬品の貯留量が少なくなり、薬品の調製が必要となる水位を表す検知点である。希釈水検知点P2は、低レベル検知点P1の位置まで貯留されている薬品に希釈水を供給する際に、希釈水の供給完了水位を示す検知点である。同様に、薬品検知点P3は、希釈水検知点P2の位置まで貯留されている希釈水に薬品を供給する際に、薬品の供給完了水位を示す検知点である。高レベル検知点P4は、薬品タンク5内に薬品を安全に貯留可能な水位を示す検知点である。
【0038】
薬品供給設備4には、複数の供給ラインとして、希釈水を供給する供給ライン(以下、希釈水供給ラインという)7、薬品の薬品供給ライン(以下、薬品の供給ラインという)8と、ガスの供給ライン(以下、ガス供給ラインという)9が設けられている。
【0039】
希釈水供給ライン7には、空気式自動弁71と、空気式自動弁71の前後(上流側および下流側)に配された供給手動弁72とが設けられ、希釈水供給元73に接続されている。空気式自動弁71は、圧縮された制御空気によって開閉される自動弁である。空気式自動弁71は、開閉時に応答信号を薬品制御装置10に向けて出力する機能を備えている。供給手動弁72は、空気式自動弁71のシートリーク(漏れ)や故障時に、希釈水供給ライン7を閉じるために設けられており、希釈水供給ライン7の元栓バルブとして機能する。
【0040】
希釈水供給元73は、詳しくは図示しないが、希釈水を貯留したタンクと、このタンクから希釈水供給ライン7へ希釈水を供給するポンプなどから構成されている。
【0041】
空気式自動弁71には、制御空気供給ライン711が接続されている。制御空気供給ライン711には、空気式自動弁71への制御空気の供給および供給停止を切り換える電磁弁712と、電磁弁712の上流側に配された制御空気供給手動弁713aと、エアコンプレッサ12とが接続されている。制御空気供給手動弁713は、制御空気供給ライン711を手動で閉じる元栓バルブとして機能する。
【0042】
薬品供給ライン8には、空気式自動弁81と、空気式自動弁81の前後(上流側および下流側)に配された供給手動弁82とが設けられ、薬品供給元83に接続されている。空気式自動弁81および供給手動弁82は、上述した希釈水供給ライン7の空気式自動弁71および供給手動弁72と同様の構成、機能を有するものであるため、詳しい説明は省略する。
【0043】
薬品供給元83は、詳しくは図示しないが薬品(例えば、ヒドラジン等)を貯留したタンクと、このタンクから薬品供給ライン8へ薬品を供給するポンプなどから構成されている。
【0044】
空気式自動弁81には、電磁弁812と、制御空気供給手動弁813とが設けられた制御空気供給ライン811が接続されている。制御空気供給ライン811は、エアコンプレッサ12に接続されている。この制御空気供給ライン811、電磁弁812および制御空気供給手動弁813は、上述した希釈水供給ライン7の制御空気供給ライン711、電磁弁712および制御空気供給手動弁713と同様の構成、機能を有するものであるため、詳しい説明は省略する。
【0045】
ガス供給ライン9には、空気式自動弁91と、空気式自動弁91の前後(上流側および下流側)に配された供給手動弁92とが設けられ、ガス供給元93に接続されている。空気式自動弁91および供給手動弁92は、上述した希釈水供給ライン7の空気式自動弁71および供給手動弁72と同様の構成、機能を有するものであるため、詳しい説明は省略する。ガス供給元93は、詳しくは図示しないがガス(例えば、アンモニアガス等)を貯留したタンクなどから構成されている。
【0046】
空気式自動弁91には、電磁弁912と、制御空気供給手動弁913とが設けられた制御空気供給ライン911が接続されている。制御空気供給ライン911は、エアコンプレッサ12に接続されている。この制御空気供給ライン911、電磁弁912および制御空気供給手動弁913は、上述した希釈水供給ライン7の制御空気供給ライン711、電磁弁712および制御空気供給手動弁713と同様の構成、機能を有するものであるため、詳しい説明は省略する。
【0047】
薬品制御装置10は、CPUや制御プログラムを記憶したメモリ、各種弁との通信を行う通信インターフェースなどを備えたコンピュータである。薬品制御装置10は、レベルスイッチ6の検知信号に応じて、空気式自動弁71、81、92と、電磁弁712、812、912とを制御する。また、薬品制御装置10は、予め設定された所定の事態が発生した場合には、モニタ11などを利用して警報を発する。例えば、レベルスイッチ6の高レベル検知点P4で薬品が検知された場合には、薬品タンク5からオーバーフローによる薬品漏れを防ぐために、高レベル警報を発生する。また、空気式自動弁71、81、92から応答信号が出力されない場合にも警報を発生する。
【0048】
次に、上述した薬品供給設備4で、空気式自動弁71、81、91の何れにもシートリークが発生していない場合における薬品の調製手順1について説明する。図3のフローチャートに示すように、薬品制御装置10は、レベルスイッチ6の低レベル検知点P1で薬品の水位が検知されると(ステップS1)、希釈水の供給(ステップS2)、薬品の供給(ステップS3)、ガスの供給(ステップS4)という手順で新たな薬品の調製を行う。
【0049】
図4のフローチャートは、例えば、希釈水の供給(ステップS2)の具体的な手順を示し、薬品制御装置10は、図5(A)に示すように、希釈水供給ライン7の電磁弁712を開放する(ステップS21)。すると、同図(B)に示すように、空気式自動弁71が制御空気によって開放するので、希釈水供給元73から薬品タンク5に希釈水が供給される。
【0050】
図4に示すように、レベルスイッチ6の希釈水検知点P2で水位が検知されると(ステップS22)、薬品制御装置10は、図5(C)に示すように、希釈水供給ライン7の電磁弁712を閉じる(ステップS23)。すると、図2に示すように、空気式自動弁71が制御空気によって閉じるので、希釈水の供給が停止される。
【0051】
なお、薬品の供給(ステップS3)も、上述した希釈水の供給(ステップS2)と同様の手順で行われるので、詳しい説明は省略する。また、ガスの供給(ステップS4)は、レベルスイッチ6の検知を利用せずに、供給時間や供給量等に基づいて供給停止を行う以外は、上述した希釈水の供給(ステップS2)と同様の手順で行われるので、詳しい説明は省略する。
【0052】
このように、手順1では、薬品制御装置10の制御により、自動で薬品を調製することができる。これに対し、空気式自動弁71、81、91の何れかにシートリークが発生すると、シートリークが発生した供給ラインの供給手動弁72、82、92のいずれかが手動で閉じられるため、自動で薬品の調製を行うことができなくなる。そのため、従来の運用では、人手による希釈水等の張り込みタイミングの監視が必要であった。
【0053】
次に、上述した薬品供給設備4で、空気式自動弁71、81、91の何れかにシートリークが発生している場合における薬品の調製手順2について、図6、7のフローチャートに従って説明する。例えば、希釈水供給ライン7の空気式自動弁71がシートリークしている場合、図8(A)に示すように、希釈水の漏れを防ぐために供給手動弁72が予め閉じられている(ステップS1a)。また、この調製手順2では、制御空気供給手動弁713も供給手動弁72と一緒に予め閉じられる(ステップS2a)。
【0054】
薬品制御装置10は、調製手順1と同様に、レベルスイッチ6の低レベル検知点P1で薬品の水位が検知されると(ステップS3a)、希釈水の供給(ステップS4a)、薬品の供給(ステップS5a)、ガスの供給(ステップS6a)という手順で新たな薬品の調製を行う。
【0055】
図7のフローチャートは、調製手順2における希釈水の供給(ステップS4a)の具体的な手順を示し、薬品制御装置10は、図8(B)に示すように、希釈水供給ライン7の電磁弁712を開放する(ステップS41a)。しかしながら、制御空気供給手動弁713が予め手動で閉じられているため、空気式自動弁71には制御空気が供給されず、空気式自動弁61は動作しない。すると、空気式自動弁71から薬品制御装置10に応答信号が送信されないので、薬品制御装置10はモニタ11などを利用して、空気式自動弁71の不動警報を発生する(ステップS42a)。
【0056】
薬品供給設備4の作業員は、この空気式自動弁71の不動警報を、希釈水の張り込みタイミングを知らせるタイミングとして利用して、図8(C)に示すように、供給手動弁72と、制御空気供給手動弁713とを開放する(ステップS43a、S44a)。これにより、図9(A)に示すように、空気式自動弁71が制御空気によって開放するので、希釈水供給元73から薬品タンク5に希釈水が供給される。
【0057】
その後、レベルスイッチ6の希釈水検知点P2で水位が検知されると(ステップS45a)、薬品制御装置10は、図9(B)に示すように、希釈水供給ライン7の電磁弁712を閉じる(ステップS46a)。すると、図2に示すように、空気式自動弁71が制御空気によって閉じるので、希釈水の供給が停止される。
【0058】
その後、希釈水の漏れを防止するとともに、次の薬品の調製のために、図9(C)に示すように、供給手動弁72と、制御空気供給手動弁713とが閉じられる(ステップS47a、S48a)。
【0059】
なお、薬品の供給(ステップS5a)も、上述した希釈水の供給(ステップS4a)と同様の手順で行われるので、詳しい説明は省略する。また、ガスの供給(ステップS6a)は、レベルスイッチ6の検知を利用せずに、供給時間や供給量等に基づいて供給停止を行う以外は、上述した希釈水の供給(ステップS4a)と同様の手順で行われるので、詳しい説明は省略する。
【0060】
以上で説明したように、この実施の形態に係る薬品供給方法および薬品供給設備4によれば、空気式自動弁71、81、91がシートリークしていない通常時には、レベルスイッチ6から検知信号が出力された場合に、電磁弁712、812、912により空気式自動弁71、81、91に制御空気を供給し、空気式自動弁71、81、91を開いて薬品タンク5に薬品を供給する、という第1の調製手順を利用することができるので、自動で薬品の調製を行うことができる。
【0061】
また、空気式自動弁71、81、91がシートリークしている場合には、薬品の漏れを防ぐために、空気式自動弁71、81、91の上流側または下流側に設けられた供給手動弁72、82、92が閉じられているので、自動で薬品を調製することはできない。しかしながら、本発明の第2の調製手順によれば、電磁弁712、812、912の上流側に設けられた制御空気供給手動弁713、813、913を閉じて、電磁弁712、812、912が開いても空気式自動弁71、81、91が動作しないようにしておくことで、薬品制御装置10から応答信号を確認できない場合の警報を発生させることができる。これにより、薬品タンク5に薬品の供給を開始するタイミングとして警報を利用することができるので、人手による薬品の張り込みタイミングの監視負担を軽減することが可能である。
【0062】
さらに、人手による監視負担が低下することから、作業性低下だけでなく、監視ミスの発生も防ぐことができるので、薬品タンクからの薬品のオーバーフローを未然に防ぐことが可能である。
【0063】
さらにまた、薬品供給設備4の構成を変更することなく、空気式自動弁71、81、91の上流側または下流側に設けられた供給手動弁72、82、92と、電磁弁712、812、912の上流側に設けられた制御空気供給手動弁713、813、913との運用を変更するだけで、空気式自動弁71、81、91がシートリークしていない場合に対応した第1の調製手順と、空気式自動弁71、81、91がシートリークしている場合に対応した第2の調製手順とを切り換えて利用することができる。したがって、非常に簡単に従来の薬品供給設備4に適用することが可能である。
【0064】
また、薬品供給設備4が複数の供給ラインを備えている場合には、空気式自動弁71、81、91がシートリークしていない供給ラインについては、第1の調製手順を利用し、空気式自動弁71、81、91がシートリークしている供給ラインについては、第2の調製手順を利用する、というように、第1の調製手順と第2の調製手順とを組み合わせて利用することができるので、空気式自動弁のシートリークに柔軟に対応することが可能である。
【0065】
さらに、薬品の消費量が比較的大量な発電プラント1に対応することができるので、人手による薬品の張り込みタイミングの監視負担を軽減して、作業性低下を防ぎ、監視ミスの発生を防ぐという効果も大きなものとなる。
【0066】
(実施の形態2)
図10は、この実施の形態に薬品供給設備4Aの概略図である。この実施の形態では、空気式自動弁71、81、91の上流側および下流側に配置した供給手動弁72、82、92の代わりに、制御空気で動作する供給自動弁72A、82A、92Aを用いている点、電磁弁712、812、912の上流側に配置した制御空気供給手動弁713、813、913の代わりに、ソレノイドで駆動する制御空気供給自動弁713A、813A、913A用いている点で異なり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付することでその説明を省略する。
【0067】
図10に示すように、薬品供給設備4Aでは、空気式自動弁71、81、91の上流側および下流側に、制御空気で動作する供給自動弁72A、82A、92Aを設けている。なお、これらの供給自動弁72A、82A、92Aに制御空気を供給する制御空気供給ラインは、図面の煩雑化を防ぐために図示していないが、空気式自動弁71、81、91とは別に動作させる必要性から、空気式自動弁71、81、91とは異なる制御空気供給ラインが接続されている。
【0068】
この薬品供給設備4Aでは、空気式自動弁71、81、91がシートリークしていない場合には、実施の形態1と同様の第1の調製手順で薬品の調製が行われる。また、空気式自動弁71、81、91がシートリークしている場合には、実施の形態1と同様の第2の調製手順で薬品の調製が行われる。しかしながら、供給自動弁72A、82A、92Aと、制御空気供給自動弁713A、813Aおよび913Aに自動弁を用いていることから、これらの弁を開放する際に手動操作は必要なく、薬品制御装置10から空気式自動弁71、81、91の不動警報を発するタイミングで自動的に開放される。
【0069】
したがって、この実施の形態に係る薬品供給方法および薬品供給設備4Aによれば、実施の形態1と同様に、第1の調製手順と第2の調製手順とを切り換えて薬品の調製を行うことができるので、同様の効果を得ることができる。また、空気式自動弁71、81、91の上流側または下流側に供給自動弁72A、82A、92Aを設け、電磁弁712、812、913の上流側に制御空気供給自動弁713A、813A、913を設けることで、空気式自動弁71、81、91にシートリークが発生している場合でも、薬品制御装置10から警報が発せられタイミングを利用して、自動で薬品の張り込みを行うことが可能になる。したがって、シートリークが発生した場合に、薬品を薬品タンクに張り込むタイミングを監視する必要がなくなる。
【0070】
以上、この発明の各実施の形態を説明したが、具体的な構成は各実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、火力発電プラントの薬品供給方法および薬品供給設備について説明したが、小型ボイラや、他のプラントへの適用も可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 火力発電プラント
2 ボイラ
3 給水タンク
4、4A 薬品供給設備
5 薬品タンク
6 レベルスイッチ(検知手段)
7 希釈水供給ライン
8 薬品供給ライン(供給ライン)
9 ガス供給ライン(供給ライン)
10 薬品制御装置(制御手段)
11 モニタ
12 エアコンプレッサ
71、81、91 空気式自動弁
711、811、911 制御空気供給ライン
712、812、912 電磁弁
713、813、913 制御空気供給手動弁
713a、813a、913a 制御空気供給自動弁
72、82、92 供給手動弁
72a、82a、92a 供給自動弁
73 希釈水供給元
83 薬品供給元
93 ガス水供給元
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10