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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-09
(45)【発行日】2022-02-18
(54)【発明の名称】内視鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/018 20060101AFI20220210BHJP
   A61B 8/12 20060101ALI20220210BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20220210BHJP
   A61B 1/00 20060101ALN20220210BHJP
【FI】
A61B1/018 514
A61B8/12
G02B23/24 A
A61B1/00 530
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018018463
(22)【出願日】2018-02-05
(65)【公開番号】P2019134891
(43)【公開日】2019-08-15
【審査請求日】2021-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平岡 仁
【審査官】山口 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-153420(JP,A)
【文献】特開2017-79877(JP,A)
【文献】国際公開第2017/179293(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/12486(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/018
A61B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処置具を挿通可能な内視鏡において、
前記内視鏡の先端に配設され、前記処置具が突出する開口部が形成されている先端硬質部と、
前記開口部内に位置し、前記処置具に当接して前記処置具が突出する方向を変化させる処置具起上台と、
一端が前記処置具起上台に固定されており、前記処置具起上台と一体的に回転可能な回転軸と、
前記回転軸に固定されており、操作部に対する操作に応じて前記回転軸を回転させるアーム部と、
前記回転軸の軸方向において、前記アーム部より前記処置具起上台側に位置し、前記回転軸を回転可能に支持する第1の軸穴が形成されている第1軸受け部、及び前記第1軸受け部と一体に、前記軸方向において、前記アーム部に対して前記第1軸受け部と反対側に位置し、前記回転軸を回転可能に支持する前記第1の軸穴と同軸な第2の軸穴が形成されている第2軸受け部を有し、前記先端硬質部とは別体に形成されているハウジングと、
前記回転軸の外周と前記第1の軸穴の内周との間に位置し、前記回転軸と前記第1の軸穴との間を水密に保つシール部材と、
を備えることを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記回転軸は、前記アーム部にスプリングピン又はピンネジにより固定されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記アーム部には、前記軸方向に直交する方向に延在する平面部を有する貫通孔が形成されており、
前記回転軸の外周には、前記軸方向に直交する方向に延在する平面部が形成されており、
前記貫通孔の前記平面部と前記回転軸の前記平面部とが対向した状態で、前記貫通孔と前記回転軸とが嵌合していることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記先端硬質部と前記第1軸受け部との間には、前記先端硬質部と前記ハウジングとの間を水密に保つハウジングシールが位置することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記回転軸の外周には、前記シール部材が嵌合する嵌合溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記処置具起上台の回転軸と、前記アーム部の回転軸と、前記第1の軸穴及び前記第2の軸穴の軸心とが同一直線上にあることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記先端硬質部に取り外し可能に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項8】
超音波振動子を備えることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項9】
前記アーム部の前記貫通孔の外周には、前記軸方向に突出した段差部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡。
【請求項10】
前記回転軸は、前記第1の軸穴に支持されている位置における径が、前記第2の軸穴に支持されている位置における径より大きいことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項11】
前記処置具起上台と前記回転軸との間に配置されており、前記処置具起上台と前記回転軸との間を水密に保つ鉗子台シールを備えることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項12】
前記ハウジングには、前記軸方向に沿って、該ハウジングを前記先端硬質部に固定するネジ穴が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被検体内に挿入される挿入部の先端から鉗子等の処置具が突出可能な内視鏡が知られている(例えば、特許文献1参照)。この内視鏡では、挿入部の基端側に設けられている操作部を操作することにより、挿入部内に延設された操作ワイヤが移動し、回転軸が回転して起上台が起上する。従来の内視鏡では、ワイヤが接続される位置と起上台との間に位置するハウジングの軸穴で回転軸を支持していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-131578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
その結果、起上台を起上させる回転軸が傾き、水密が確保できなくなる、又は回転不良が生じる場合があった。
【0005】
従来の構成では、回転軸が傾くことがある。回転軸が傾くと、水密が確保できなくなる、又は回転不良が生じる場合がある。このため、回転軸が傾くのを防止する技術が求められていた。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、起上台を起上させる回転軸が傾くことを防止した内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る内視鏡は、処置具を挿通可能な内視鏡において、前記内視鏡の先端に配設され、前記処置具が突出する開口部が形成されている先端硬質部と、前記開口部内に位置し、前記処置具に当接して前記処置具が突出する方向を変化させる処置具起上台と、一端が前記処置具起上台に固定されており、前記処置具起上台と一体的に回転可能な回転軸と、前記回転軸に固定されており、操作部に対する操作に応じて前記回転軸を回転させるアーム部と、前記回転軸の軸方向において、前記アーム部より前記処置具起上台側に位置し、前記回転軸を回転可能に支持する第1の軸穴が形成されている第1軸受け部、及び前記軸方向において、前記アーム部に対して前記第1軸受け部と反対側に位置し、前記回転軸を回転可能に支持する前記第1の軸穴と同軸な第2の軸穴が形成されている第2軸受け部を有するハウジングと、前記回転軸の外周と前記第1の軸穴の内周との間に位置し、前記回転軸と前記第1の軸穴との間を水密に保つシール部材と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様に係る内視鏡は、前記回転軸は、前記アーム部にスプリングピン又はピンネジにより固定されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様に係る内視鏡は、前記アーム部には、前記軸方向に直交する方向に延在する平面部を有する貫通孔が形成されており、前記回転軸の外周には、前記軸方向に直交する方向に延在する平面部が形成されており、前記貫通孔の前記平面部と前記回転軸の前記平面部とが対向した状態で、前記貫通孔と前記回転軸とが嵌合していることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様に係る内視鏡は、前記先端硬質部と前記第1軸受け部との間には、前記先端硬質部と前記ハウジングとの間を水密に保つハウジングシールが位置することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様に係る内視鏡は、前記回転軸の外周には、前記シール部材が嵌合する嵌合溝が形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様に係る内視鏡は、前記処置具起上台の回転軸と、前記アーム部の回転軸と、前記第1の軸穴及び前記第2の軸穴の軸心とが同一直線上にあることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一態様に係る内視鏡は、前記ハウジングは、前記先端硬質部に取り外し可能に固定されていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の一態様に係る内視鏡は、超音波振動子を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、起上台を起上させる回転軸が傾くことを防止した内視鏡を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る内視鏡の構成を示す模式図である。
図2図2は、図1に示す内視鏡の先端部の模式的な部分断面図である。
図3図3は、図2に示す鉗子起上台の側面図である。
図4図4は、図2に示す回転軸の斜視図である。
図5図5は、図2に示すアーム部の斜視図である。
図6図6は、図2に示すハウジングの斜視図である。
図7図7は、内視鏡の組み立て方法を説明するための図である。
図8図8は、内視鏡の組み立て方法を説明するための図である。
図9図9は、内視鏡の組み立て方法を説明するための図である。
図10図10は、内視鏡の組み立て方法を説明するための図である。
図11図11は、内視鏡の組み立て方法を説明するための図である。
図12図12は、内視鏡の組み立て方法を説明するための図である。
図13図13は、内視鏡の組み立て方法を説明するための図である。
図14図14は、実施の形態の変形例1に係る内視鏡の先端部の一部の構成を表す図である。
図15図15は、実施の形態の変形例2に係る内視鏡の先端部の一部の構成を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図面を参照して本発明に係る内視鏡の実施の形態を説明する。なお、これらの実施の形態により本発明が限定されるものではない。以下の実施の形態においては、本発明は、処置具起上台を備える内視鏡一般に適用することができる。
【0018】
また、図面の記載において、同一又は対応する要素には適宜同一の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0019】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る内視鏡の構成を示す模式図である。内視鏡1は、先端に撮像部が配設され、被検体内に挿入される挿入部2と、この挿入部2の基端側に連設された操作部3と、この操作部3の側部から延出するユニバーサルコード4と、ユニバーサルコード4に連設され、内視鏡1を制御する観察装置及び内視鏡1に照明光を供給するための光源装置等と接続されるコネクタ部5と、を備える。なお、本明細書において、図1に示すように、内視鏡1の長手方向であって挿入部2を挿入する方向を「挿入方向」とし、挿入方向の先端側(図1の上方)を「先端側」、基端側(図1の下方)を「基端側」とする。
【0020】
挿入部2は、先端側から順に、先端部2aと、操作部3の操作に応じて湾曲自在に構成された湾曲部2bと、可撓性を有する可撓管部2cと、を有する。可撓管部2cの基端は、操作部3の先端側に連設されている。先端部2aの先端には、超音波振動子2aaが配置されている。ただし、内視鏡1は、超音波振動子を有しない内視鏡であってもよい。
【0021】
操作部3には、処置具である鉗子針等を被検体内へと挿入するための鉗子挿入口3aが設けられている。挿入部2の内部には鉗子挿通路が設けられており、鉗子挿入口3aは、鉗子挿通路の挿入口になっている。すなわち、内視鏡1は、処置具を挿通可能な内視鏡である。また、操作部3は、後述する回転軸を回転させる操作を受け付ける。
【0022】
図2は、図1に示す内視鏡の先端部の模式的な部分断面図である。図2は、挿入方向に直交する断面を表す。図2に示すように、内視鏡1の先端部2aは、内視鏡1の先端に配設され、開口部11aが形成されている先端硬質部11と、開口部11a内に位置し、鉗子に当接して鉗子が突出する方向を変化させる鉗子起上台12(処置具起上台)と、一端が鉗子起上台12に固定されており、軸Aを中心に鉗子起上台12と一体的に回転可能な回転軸13と、回転軸13に固定されており、操作部3に対する操作に応じて回転軸13を回転させるアーム部14と、回転軸13を回転可能に支持するハウジング15と、回転軸13とハウジング15との間を水密に保つシール部材としての回転軸シール17と、先端硬質部11とハウジング15との間を水密に保つハウジングシール18と、鉗子起上台12と回転軸13との間を水密に保つ鉗子台シール19と、回転軸13をアーム部14に固定するスプリングピン20と、を備える。
【0023】
先端硬質部11は、例えば樹脂からなる。
【0024】
図3は、図2に示す鉗子起上台の側面図である。図3に示すように、鉗子起上台12の側面には、回転軸13と嵌合する軸穴12aが形成されている。軸穴12aには、回転軸13の軸方向(軸A)に直交する方向に延在する平面部12aaが形成されている。また、鉗子起上台12には、軸穴12aに連通するネジ穴12bが形成されている。図2に戻り、回転軸13の外周には、回転軸シール17が嵌合する嵌合溝13fが形成されている。鉗子起上台12は、例えば金属、合金、又はセラミックなどの硬質な材料からなる。
【0025】
図4は、図2に示す回転軸の斜視図である。図4に示すように、回転軸13には、回転軸13の軸方向(軸A)に直交する方向に延在しており、軸穴12aの平面部12aaと対向する平面部13aが形成されている。また、平面部13aには、ネジ穴12bに螺合されたネジの先端が位置する溝13bが形成されている。回転軸13の外周であって、鉗子起上台12と反対側には、軸方向(軸A)に直交する方向に延在する平面部13cが形成されている。平面部13cの内側には、スプリングピン20が挿入されるピン穴13dが形成されている。回転軸13の内部には、鉗子起上台12と回転軸13との間の水密性を確認するための貫通孔13eが形成されている。具体的には、鉗子起上台12と鉗子台シール19とが当接している部分を液体に浸した状態で、貫通孔13eの鉗子起上台12と反対側から気体を導入した場合に、気体が漏れるか否かで鉗子起上台12と回転軸13との間の水密性を確認することができる。回転軸13は、例えば金属又は合金からなる。また、回転軸13の表面には、摺動性がよいコーティングが施されていることが好ましい。具体的には、回転軸13の表面には、DLC(Diamond‐Like Carbon)、フッ素、メッキ等のコーティングが施されている。なお、内視鏡1では、回転軸シール17に対して、回転軸13が摺動するが、回転軸シール17に対して、ハウジング15が摺動する場合には、ハウジング15の表面にこれらのコーティングを施すことが好ましい。
【0026】
図5は、図2に示すアーム部の斜視図である。図5に示すように、アーム部14には、回転軸13が挿通される貫通孔14aが形成されている。貫通孔14aは、軸方向(軸A)に直交する方向に延在しており、回転軸13の平面部13cと対向する平面部14aaを有する。そして、組み立てられた内視鏡1では、貫通孔14aの平面部14aaと回転軸13の平面部13cとが対向した状態で、貫通孔14aと回転軸13とが嵌合している。また、アーム部14には、スプリングピン20が挿入されるピン穴14bが形成されている。そして、貫通孔14aと回転軸13とが嵌合し、ピン穴13d及びピン穴14bにスプリングピン20を挿入することにより、回転軸13とアーム部14とが一体的に回転可能とされている。また、アーム部14には、鉗子操作ワイヤ16の先端に形成された円柱状のワイヤ先端部と係合するワイヤ係合部14cが形成されている。さらに、アーム部14には、ワイヤ先端部をワイヤ係合部14cに挿入するためのスリット14dが、ワイヤ係合部14cにつながるように形成されている。このスリット14dは、ワイヤ16が最も基端側に位置する状態(鉗子起上台12が起上した状態)において、図5の上方からワイヤ先端部を挿入可能な位置に形成されている。その結果、ワイヤ16を介してアーム部14に力が加えられた場合に、力を受ける部分の面積が大きいため、アーム部14が変形することが防止されている。また、アーム部14の両側面の貫通孔14aの外周には、段差部14eが形成されている(図2及び図5参照)。段差部14eが形成されていることにより、アーム部14がハウジング15に対して、軸方向(軸A)に位置ずれすることが防止されている。その結果、鉗子起上台12が軸方向(軸A)に移動することが防止され、鉗子起上台12を正確に真上に起上させることができるため、鉗子起上台12が先端硬質部11の壁面に接触することが防止されているとともに、先端硬質部11の壁面と鉗子起上台12とのクリアランスを一定に保ち、洗浄性を確保することができる。また、段差部14eが形成されていることにより、アーム部14とハウジング15とが接する面積が小さくなり、アーム部14とハウジング15との摩擦抵抗を低減することができる。アーム部14は、例えば金属又は合金からなる。
【0027】
図6は、図2に示すハウジングの斜視図である。図6に示すように、ハウジング15は、回転軸13の軸方向(軸A)において、アーム部14より鉗子起上台12側に位置する第1軸受け部15aと、軸方向(軸A)において、アーム部14に対して第1軸受け部15aと反対側に位置する第2軸受け部15bと、を有する。ハウジング15は、例えば金属又は合金からなり、第1軸受け部15aと第2軸受け部15bとが、一体的に形成されている。第1軸受け部15aには、回転軸13を回転可能に支持する第1の軸穴15aaが形成されている。第2軸受け部15bには、回転軸13を回転可能に支持する第1の軸穴15aaと同軸な第2の軸穴15baが形成されている。また、第2軸受け部15bには、ハウジング15を先端硬質部11に固定する際に用いられるネジ穴15bb及びネジ穴15bcが形成されている。
【0028】
図2に戻り、鉗子操作ワイヤ16は、基端側に延設されており、操作部3に対する操作に応じて挿入方向に移動し、アーム部14及び回転軸13を介して、鉗子起上台12を回転させる。
【0029】
回転軸シール17は、回転軸13の外周に位置する嵌合溝13fと第1軸受け部15aの第1の軸穴15aaの内周との間に配置されている。回転軸シール17は、ゴム又はシリコーン等の弾性を有する材料からなる。
【0030】
ハウジングシール18は、第1軸受け部15aに形成された溝15abと先端硬質部11との間に配置されている。ハウジングシール18は、ゴム又はシリコーン等の弾性を有する材料からなる。
【0031】
鉗子台シール19は、回転軸13の外周に形成された溝13gと鉗子起上台12との間に配置されている。鉗子台シール19は、ゴム又はシリコーン等の弾性を有する材料からなる。
【0032】
次に、内視鏡1の組み立て方法を説明する。図7図13は、内視鏡の組み立て方法を説明するための図である。はじめに、図7に示すように、ハウジング15の第1軸受け部15aと第2軸受け部15bとの間にアーム部14を配置する。そして、アーム部14の平面部14aaと回転軸13の平面部13cとが対向するように、回転軸13を第1軸受け部15aの第1の軸穴15aaを介してアーム部14の貫通孔14a及び第2軸受け部15bの第2の軸穴15baに嵌合する。その後、アーム部14のピン穴14b及び回転軸13のピン穴13dにスプリングピン20を挿入する。その結果、図8に示す処置具起上ユニットが組み立てられる。この状態では、鉗子起上台12の回転軸と、回転軸13の回転軸と、第1の軸穴15aa及び第2の軸穴15baの軸心とが同一直線上にあるため、調心する必要がない。
【0033】
続いて、図9に示すように、先端硬質部11の開口部11bにベース21を嵌入する。ベース21は、金属又は合金からなり、図8に示す処置具起上ユニットを取り付ける下地である。そして、先端硬質部11のピン穴11cを介して、ベース21のピン穴21aにピン22を挿入する。また、ベース21は、先端硬質部11に接着剤等によって接着されている。ベース21には、ネジ穴21b及びネジ穴21cが形成されている。
【0034】
その後、図10に示すように、先端硬質部11の開口部11aに鉗子起上台12を配置した状態で、図8に示す処置具起上ユニットを先端硬質部11の開口部11bに挿入する。このとき、先端硬質部11の貫通孔11dに第1軸受け部15aの第1の軸穴15aaの外周が嵌合する。また、回転軸13は、鉗子起上台12の軸穴12aに挿入される。そして、第2軸受け部15bのネジ穴15bcを介してベース21のネジ穴21bにネジ25を螺合する。なお、アーム部14のワイヤ係合部14cには、スリット14dを介して鉗子操作ワイヤ16のワイヤ先端部16aが組み付けられている。
【0035】
図11は、回転軸13の回転軸である軸Aに沿った断面図である。図11に示すように、先端硬質部11の貫通孔11dに回転軸13が挿入された状態で、鉗子起上台12のネジ穴12bにネジ23を螺合する。その結果、鉗子起上台12と回転軸13とが固定される。さらに、鉗子起上台12の溝12cを、接着剤を塗布したネジ隠し部材24により封止する。
【0036】
最後に、図12に示すように、先端硬質部11の段差部11eを覆うようにカバー26を接着剤等により接着するとともに、ネジ27を穴26a、ネジ穴15bbを介してネジ穴21cに螺合する。その結果、回転軸シール17よりカバー26側の空間は水密に保たれる。さらに、その上からフタ28を接着剤により接着する。その結果、図13に示す内視鏡1の先端部が組み立てられる。
【0037】
以上説明したように、実施の形態によれば、回転軸13の両側を第1の軸穴15aa及び第2の軸穴15baがそれぞれ支持しているため、鉗子起上台12を回転させる回転軸13が傾くことが防止されている。その結果、鉗子起上台12を起上させる操作を繰り返し行っても、水密が保たれた状態を維持することができるとともに、回転不良が生じることも防止されている。
【0038】
なお、特許文献1のように、回転軸の鉗子起上台側だけで回転軸を保持する場合、回転軸を保持する部分の厚みに対して、回転軸とハウジングとのクリアランスの分だけ、回転軸が傾く可能性がある。一方、内視鏡1では、第1の軸穴15aaの鉗子起上台12側に端面から第2の軸穴15baの鉗子起上台12と反対側の端面までの距離に対して、回転軸13とハウジング15とのクリアランスの分だけ、回転軸13が傾く可能性がある。すなわち、内視鏡1では、回転軸13とハウジング15とのクリアランスにより生じる傾きを、第1の軸穴15aaの鉗子起上台12側に端面から第2の軸穴15baの鉗子起上台12と反対側の端面までの距離で受けており、回転軸13が傾く量が小さい。その結果、水密が保たれた状態を維持し、かつ回転不良が生じることを防止する効果が高い。
【0039】
(変形例1)
図14は、実施の形態の変形例1に係る内視鏡の先端部の一部の構成を表す図である。図14に示すように、回転軸13Aには、ネジ穴13Adが形成され、アーム部14Aには、ネジ穴14Abが形成されている。そして、ネジ穴13Ad及びネジ穴14Abにピンネジ20Aを螺合する。このように、スプリングピンに変えてネジを用いてもよい。なお、ピンネジ20Aの長手方向の中央部には、鉗子起上台と回転軸13Aとの間の水密性を確認するための凹部が形成されている。この凹部が形成されていることにより、回転軸13Aの内部に形成されている貫通孔の鉗子起上台と反対側から導入した気体が鉗子起上台側へ移動可能となる。
【0040】
(変形例2)
図15は、実施の形態の変形例2に係る内視鏡の先端部の一部の構成を表す図である。図15に示すように、アーム部14Bの貫通孔14Baに回転軸13Bを圧入する。このように、アーム部と回転軸との固定方法は特に限定されない。同様に、回転軸と鉗子起上台との固定方法も特に限定されない。
【0041】
なお、上述した実施の形態では、先端硬質部11が、樹脂からなる構成を説明したが、先端硬質部11が、金属又は合金からなる構成であってもよい。先端硬質部11が金属又は合金からなる場合、ベース21を設けず、ハウジング15を直接先端硬質部11にネジ等により固定してもよい。
【0042】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、以上のように表し、かつ記述した特定の詳細及び代表的な実施の形態に限定されるものではない。従って、添付のクレーム及びその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 内視鏡
2 挿入部
2a 先端部
2aa 超音波振動子
2b 湾曲部
2c 可撓管部
3 操作部
3a 鉗子挿入口
4 ユニバーサルコード
5 コネクタ部
11 先端硬質部
11a、11b 開口部
11c、13d、14b、21a ピン穴
11d、13e、14a、14Ba 貫通孔
11e、14e 段差部
12 鉗子起上台
12a 軸穴
12aa、13a、13c、14aa 平面部
12b、13Ad、14Ab、15bb、15bc、21b、21c ネジ穴
12c、13b、13g、15ab 溝
13、13A、13B 回転軸
13f 嵌合溝
14、14A、14B アーム部
14c ワイヤ係合部
14d スリット
15 ハウジング
15a 第1軸受け部
15aa 第1の軸穴
15b 第2軸受け部
15ba 第2の軸穴
16 鉗子操作ワイヤ
16a ワイヤ先端部
17 回転軸シール
18 ハウジングシール
19 鉗子台シール
20 スプリングピン
20A ピンネジ
21 ベース
22 ピン
23、25、27 ネジ
24 ネジ隠し部材
26 カバー
26a 穴
28 フタ
図1
図2
図3
図4
図5
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図9
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