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特許7026051排水チャネルを有する舗装エレメント、及び、それを組み込む舗装システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】排水チャネルを有する舗装エレメント、及び、それを組み込む舗装システム
(51)【国際特許分類】
   E01C 5/00 20060101AFI20220217BHJP
【FI】
E01C5/00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018544382
(86)(22)【出願日】2016-11-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-11-22
(86)【国際出願番号】 CA2016051345
(87)【国際公開番号】W WO2017083977
(87)【国際公開日】2017-05-26
【審査請求日】2019-11-15
(31)【優先権主張番号】62/256,471
(32)【優先日】2015-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/382,758
(32)【優先日】2016-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518170468
【氏名又は名称】エフ.ヴォン ラングスドルフ ライセンシング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴォン ラングスドルフ,ハラルド
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ,ウィリアム
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-031441(JP,U)
【文献】特開2008-115603(JP,A)
【文献】実開平06-043005(JP,U)
【文献】実開平06-008402(JP,U)
【文献】特開平09-111853(JP,A)
【文献】特開2002-256505(JP,A)
【文献】実開昭50-100332(JP,U)
【文献】米国特許第05645369(US,A)
【文献】米国特許第05342142(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と、下面と、側壁とを含む舗装エレメントであって、前記舗装エレメントは、前記上面はその縁部に沿う面取り面を含むとともに、前記上面と前記下面との間に延在する一つ以上の排水チャネルをさらに含み、
前記排水チャネルのそれぞれは、前記舗装エレメントの前記上面に設けられた第1の開口部と、前記舗装エレメントの前記下面に設けられた第2の開口部とを含み、かつ前記側壁の中に形成されており、
前記第1の開口部は、前記舗装エレメントの前記上面に形成され、側面側及び前記上面側から見て、前記下面側に向かって凹み、前記下面側に向かってその幅が狭くなるように形成された傾斜面が形成された凹形部分を含むとともに、前記第1の開口部の上端は前記面取り面に連なっ形成されており、
前記第2の開口部は、前記第1の開口部の前記凹形部分のから舗装エレメントの前記下面まで延在する溝状部分からなるを含み、前記導は、前記第1の開口部の上端よりも小さな開口部を有しており、
少なくとも一つ以上の前記排水チャネルは、前記舗装エレメントの外周に設けられる、舗装エレメント。
【請求項2】
前記排水チャネルは、部分的なチャネルであり、前記部分的なチャネルは、複数の前記舗装エレメントが使用されて前記複数の舗装エレメントが一つの舗装を形成するように一緒に位置決めされているときに、隣接する他の舗装エレメントの部分的なチャネルと協働し、完全なチャネルを形成するように構成されている、請求項1に記載の舗装エレメント。
【請求項3】
前記排水チャネルの前記凹形部分のそれぞれは、前記舗装エレメントの少なくとも一つの軸線に関して対称的になっている、請求項1又は2に記載の舗装エレメント。
【請求項4】
前記排水チャネルの前記凹形部分のそれぞれは、前記舗装エレメントの少なくとも一つの軸線に関して非対称的になっている、請求項1又は2に記載の舗装エレメント。
【請求項5】
前記凹形部分は、側面側から見て、形状が丸形、卵形、細長い形、又は楕円形になっている、請求項1から4のいずれか一項に記載の舗装エレメント。
【請求項6】
前記凹形部分のそれぞれは、前記舗装エレメントの前記上面の平面に対して所定の角度で配向されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の舗装エレメント。
【請求項7】
上面と、下面と、側壁とを含む舗装エレメントであって、前記舗装エレメントは、前記上面はその縁部に沿う面取り面を含むとともに、前記上面と前記下面との間で前記エレメントを通って延在する複数の排水チャネルをさらに含み、
前記排水チャネルのそれぞれは、前記舗装エレメントの前記上面に設けられた第1の開口部と、前記舗装エレメントの前記下面に設けられた第2の開口部とを含み、かつ前記側壁の中に形成されており、
前記第1の開口部は、前記舗装エレメントの前記上面に形成され、側面側及び前記上面側から見て、前記下面側に向かって凹み、前記下面側に向かってその幅が狭くなるように形成された傾斜面が形成され、前記第2の開口部は、前記舗装エレメントの前記下面に設けられており、前記第1の開口部は、前記傾斜面が平面的な部分を含み、
前記第2の開口部は、前記第1の開口部の下から舗装エレメントの前記下面まで延在して形成され溝状部分からなるを含み、前記導は、前記第1の開口部の上端よりも小さな開口部を有しており、
少なくとも一つ以上の前記排水チャネルは、前記舗装エレメントの外周に設けられる、舗装エレメント。
【請求項8】
記排水チャネルは、部分的なチャネルであり複数の記部分的なチャネルは、前記複数の舗装エレメントが使用されて前記複数の舗装エレメントが一つの舗装を形成するように一緒に位置決めされているときに、隣接する他の舗装エレメントの部分的なチャネルと協働し、完全なチャネルを形成するように構成されている、請求項7に記載の舗装エレメント。
【請求項9】
前記排水チャネルの前記平面的な部分のそれぞれは、前記舗装エレメントの少なくとも一つの軸線に関して対称的になっている、請求項7又は8に記載の舗装エレメント。
【請求項10】
前記排水チャネルの前記平面的な部分のそれぞれは、前記舗装エレメントの少なくとも一つの軸線に関して非対称的になっている、請求項7又は8に記載の舗装エレメント。
【請求項11】
前記平面的な部分のそれぞれは、前記舗装エレメントの前記上面の平面に対して所定の角度で配向されている、請求項7から10のいずれか一項に記載の舗装エレメント。
【請求項12】
前記一つ以上の排水チャネルは、前記舗装エレメントの一つ以上の角部に設けられている、請求項1に記載の舗装エレメント。
【請求項13】
前記側壁に設けられた複数のスペーサーリブ又はニブをさらに含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の舗装エレメント。
【請求項14】
前記排水チャネルのうちの少なくとも一つは、前記チャネルを通過する液体を濾過するように構成された濾過材を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の舗装エレメント。
【請求項15】
前記濾過材は、前記排水チャネルから除去可能である、請求項14に記載の舗装エレメント。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の複数の舗装エレメントを含む舗装システムであって、前記舗装エレメントのそれぞれは、互いに隣接して配置されるように構成されている、舗装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、概して、舗装面の上の液体の排水及び濾過を提供するための舗装エレメント及び舗装システムに関する。とりわけ、以下は、舗装面から使用済みの濾過材を除去することを促進させるように適合されている舗装エレメント及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
舗装面を生成させる際に使用するためのさまざまなタイプの舗装敷石又は舗装エレメントが、当技術分野で知られている。とりわけ、その中に形成された排水キャビティー又は孔部を有する舗装面を生成させるための舗装敷石が知られている。一般的に、そのような排水キャビティーは、それを通るそのような液体の通過を可能にすることによって、舗装面の上に液体(たとえば、水)が溜まることを防止するために設けられている。
【0003】
また、排水キャビティーを通して排水される液体の濾過を提供するいくつかの試みが行われてきた。濾過は、たとえば、排水キャビティーの中に濾過材を設けることによって提供され、排水キャビティーを通して排水される液体が濾過材によって濾過されるようになっている。このように、排水液体の中に存在し得る油、微粒子、及び他の化学物質などのさまざまな汚染物質は、濾過材によって保持される。排水液体の濾過は、一般的に、舗装面の下の地下水及び土壌、並びに、排水液体が排出され得る任意の受け入れ水に到達する汚染物質の量を低減させる目的のために望ましい。
【0004】
たとえば、バース(Barth)らの米国特許第5,342,142号には、複数の凹部を有する角張った舗装敷石が記載されている。凹部は、舗装敷石が敷設されたときに、互いに補完される隣接した敷石の凹部によって完全な凹部が形成されるように構成されている。完全な凹部は、舗装面から下の層に水が排出されることを可能にする。バース(Barth)には、完全な凹部が、砂、細かい砂利、又は、細かいチップなどのような、適切な充填材料によって充填され得ることが記載されており、また、時間の経過とともに形成し得る任意の「充填材料プラグ」が、たとえば、道路清掃自動車を使用して掃き出され得るということが記載されている。しかし、舗装敷石を敷設することによって形成される完全な凹部は、掃き出すこと以外の手段によって凹部のクリーニングを容易にするように構成されているとは記載されていない。そのうえ、充填材料は、一般的に、凹部から容易に除去できないということが分かっている。その理由は、そのような材料を除去しようとすると、下記にさらに説明されているように、場合によっては、充填材料が凹部内により深く押し込まれる可能性があるからである。
【0005】
別の例では、バース(Barth)らの米国特許第4,834,575号には、同様に構成されている舗装敷石を互いに隣接して置くことによって舗装面を形成する舗装敷石について記載されている。そこでは、水を排出するために、隣接する舗装敷石の間に生成される自由空間が存在している。一つの態様では、舗装敷石は、下向きに傾斜する面取りした上側面を有する突出部を含むものとして記載されており、近隣の舗装敷石が互いに隣接して置かれているときに、敷石の対応する突出部が互いに向かい合い、それらの間に自由空間を生成させるようになっている。細かい粒状の砂利などのような透水性の充填材料によって、自由空間は充填され得るということが説明されているが、舗装敷石は、具体的には、充填材料が汚染されると、又は、そうでなければ、充填材料が汚染物質を蓄積すると、そのような充填材料が容易に除去されることを可能にするように構成されてはいない。
【0006】
ウェリング ジュニア(Welling, Jr.)による米国特許第4,997,308号は、四つの角度付きの角部及び中央孔部を有する舗装敷石を説明している。舗装敷石の上面の縁部は、面取りしているものとして記載されている。中央孔部は、他の目的の中で舗装敷石の取り扱いを容易にする目的で設けられるものとして記載されている。しかし、中央孔部は、濾過材として作用する任意の材料によって充填されるように構成されるものとして説明されてはいない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
排水キャビティー及び/又は濾過材を組み込んだ舗装システムでは、浸透能力の維持、すなわち、システムによって捕獲され処理される水の容量を維持するという課題がある。浸透性舗装設備の計画、設計、構築、及び/又は管理のいずれにせよ、表面浸透能力を提供及び維持することが基本的に重要である。しかしながら、諸研究では、たとえば、重金属、栄養物、堆積物、及び有機物質などの有機的微粒子及び化学的微粒子による濾過材の目詰まりに起因して、そのような舗装システムが経年劣化するにつれて浸透能力が低減することが一貫して示されている。そのうえ、諸研究では、そのようなシステムを備えた従来の街路清掃機を使用すると、浸透能力の回復が制限されることが示されている。舗装システムの浸透能力がクリーニング方法によって実質的に回復できない場合には、システムがもはや効果的に水を捕獲及び処理することができなくなるまで、浸透能力が低下することは避けられない。
【0008】
したがって、当技術分野で公知の欠点の少なくとも一つに対処する舗装エレメント及びシステムの必要性が依然として存在している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一つの態様では、効率的な方法でクリーニングされるように構成された複数の排水チャネルを含む舗装エレメントが提供される。
【0010】
一つの態様では、上面と、下面と、側壁とを含む舗装エレメントであって、舗装エレメントは、上面と下面との間でエレメントを貫通して延在する複数の排水チャネルをさらに含み、これらの排水チャネルは、舗装エレメントの上面に設けられている第1の開口部と、いくつかの態様では、舗装エレメントの下面に設けられている第2の開口部とを含み、第1の開口部は、舗装エレメントの上面に形成された、凹形又は頂点が下にくる三角形部分を含む、舗装エレメントが提供される。頂点が下にくる三角形の形状は、本明細書で「凹形」と称される。
【0011】
一つの態様では、舗装エレメントの排水チャネルは、その周囲及び/又は内部に設けられている。周囲に設けられる場合、排水チャネルは、舗装エレメントの側壁に形成された部分的な排水チャネルであり、部分的なチャネルを備えた二つ以上の舗装エレメントが舗装を形成するように互いに隣接して配置されたときに、完全なチャネルが形成される。
【0012】
別の態様では、本明細書に記載の複数の舗装敷石を含む舗装システムが提供される。そのような舗装エレメントによって形成された舗装は、複数の排水チャネルを含み、各排水チャネルは、上面に凹形の開口部を含む。
【0013】
一つの態様では、舗装エレメントのそれぞれは、その周囲に設けられている、すなわち、舗装エレメントの側壁の中へ形成されている、部分的な排水チャネルを有しており、それによって、舗装エレメントが表面の上に置かれているときに、隣接する部分的な排水チャネルが、完全な排水チャネルを形成するように組み合わせられる。
【0014】
本発明の特徴は、以下の詳細な説明においてより明らかになり、以下の詳細では、添付の図面が参照されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一つの態様による舗装エレメントの斜視図。
図2図1の舗装エレメントの平面図。
図3図1の舗装エレメントの端面図。
図4】一つの態様による、排水キャビティーを形成する二つの舗装エレメントを図示する平面図。
図5A】一つの態様による、排水キャビティーから濾過材を除去するプロセスを図示する概略図で。
図5B】斜面付きの上部縁部を備えた舗装敷石によって形成された排水キャビティーに適用されている、図5Aのプロセスを図示する概略図。
図6】排水キャビティーから濾過材を除去するための別のプロセスを図示する概略図。
図7】別の態様による舗装エレメントの斜視図。
図8図7の舗装エレメントの平面図。
図9A】さらなる別の態様による舗装エレメントの端面図。
図9B図9Aの舗装エレメントの平面図。
図10図9Aの舗装エレメントによって形成された排水キャビティーから濾過材を除去するプロセスを図示する概略図。
図11】一つの態様による非対称の排水キャビティーから濾過材を除去するプロセスを図示する概略図。
図12】排水キャビティーの内側に位置決めされているインサートを図示する端面図。
図13図12の排水キャビティーの内側に位置決めされているインサートの平面図。
図14】さらなる別の態様による舗装エレメントの平面図。
図15】排水キャビティーを形成するように、対応する舗装エレメントに隣接して位置決めされている、図14の舗装エレメントを図示する平面図。
図16図15の中に形成されている排水キャビティーの内側に位置決めされているインサートを図示する平面図。
図17】さらなる別の態様による、実質的に長方形の舗装エレメントの平面図。
図18】さらなる別の態様による、実質的に正方形の舗装エレメントの平面図。
図19】さらなる別の態様による舗装エレメントの一部分を図示する平面図。
図20図19の舗装エレメントの一部分の端面図。
図21】さらなる別の態様による舗装エレメントを図示する平面図。
図22】別の態様による舗装エレメントを図示する平面図。
図23A】さらなる別の態様による舗装エレメントの斜視図。
図23B図23Aの舗装エレメントの端面図。
図24】さらなる別の態様による舗装エレメントの端面図。
図25】さらなる別の態様による舗装エレメントの端面図。
図26A】さらなる別の態様による舗装エレメントの斜視図。
図26B図26Aの舗装エレメントの端面図。
図27】さらなる別の態様による舗装エレメントの端面図。
図28A】さらなる別の態様による舗装エレメントの平面図。
図28B図28Aの舗装エレメントの斜視図。
図29】別の態様による舗装エレメントの平面図。
図30図29に示されている舗装エレメントの側面斜視図。
図31】別の態様による舗装エレメントの平面図。
図32図31に示されている舗装エレメントの側面斜視図。
図33】別の態様による舗装エレメントの平面図。
図34図33に示されている舗装エレメントの側面斜視図。
図35】別の態様による舗装エレメントの平面図。
図36図35に示されている舗装エレメントの側面斜視図。
図37図29及び図31に示されている舗装エレメントの配置の平面図。
図38】舗装エレメントの別の態様の正面図。
図39図38の舗装エレメントの平面図。
図40】舗装エレメントの別の態様の平面図。
図41】舗装エレメントの別の態様の側面図。
図42図41の舗装エレメントの正面図。
図43図41の舗装エレメントの平面図。
図44】舗装エレメントの別の態様の平面図。
図45】舗装エレメントの別の態様の正面斜視図。
図46図45の舗装エレメントの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書で使用されているように、「実質的に凹形」又は「概して凹形」という用語は、キャビティーの一部分が、一般的に凹部の中の低い位置から離れるように広がる湾曲した表面又は真っ直ぐな表面によって形成されていることを意味するということが理解される。以下にさらに説明するように、「凹形」又は「凹形部分」という用語は、添付図面に示されるような「キュプール(cupule)」を意味するということが理解される。
【0017】
「部分的なキャビティー」という用語は、対応する部分的なキャビティーに隣接して配置され、協働して排水キャビティーを形成するように適合されたキャビティーを意味すると理解される。たとえば、対応する部分的なキャビティーは、部分的なキャビティーの鏡面対称の(mirrored)プロファイルを有することができる。それとは対照的に、「完全なキャビティー」という用語は、完全に排水キャビティーを独立して形成するように適合されたキャビティーを意味すると理解される。
【0018】
「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含まれる(comprised)」、又は、「含む(comprising)」という用語が、本明細書の中で使用され得る。本明細書で使用されているように(説明及び/又は請求項を含む)、これらの用語は、述べられている特徴、整数、ステップ、又はコンポーネントの存在を特定するものとして解釈されるものであるが、一つ以上の他の特徴、整数、ステップ、コンポーネント、又は、それらのグループの存在を除外するものとして解釈されるべきではないことは当業者には明らかである。
【0019】
「舗装エレメント」という用語は、舗装を形成するために他の舗装エレメントと組み合わせて使用される舗装敷石又は舗装ブロックなどを意味すると理解される。これは、駐車場、私道、車道、歩道、又は、当業者に知られている他の任意のそのような表面を含み得る。「舗装エレメント」及び「舗装敷石」という用語は、本明細書において相互交換可能に使用することができる。
【0020】
「上側」及び「下側」という用語は、本明細書において、舗装を形成するように表面の上に敷設されているときの舗装エレメントの方向として使用される。したがって、舗装面を形成するように使用しているときに、舗装エレメントの下面は、地面又は他の支持表面(典型的には、当技術分野において知られるように、粒状材料の一つ以上の層)の上に置かれる。上面は、地面から離れる方に向く。
【0021】
一つの態様では、舗装エレメントが提供される。舗装エレメントは、一般的に、上面及び下面を含み、また、複数の完全な及び/又は部分的な排水チャネルを備えて形成されている。完全な又は部分的な排水チャネルは、概して凹面又はキュプール形状の上側部分と、そして、一つの態様では、下側部分、又はチャネル、又は液体が舗装エレメントを通過するのを可能にするために、キュプールから舗装エレメントを貫通して延在し、舗装エレメントの下面に開口する導管とを含む。
【0022】
図1は、一つの態様による、上面113及び下面115を有する舗装ブロック100を図示している。また、舗装ブロック100は、その中に形成された部分的なキャビティー130を有するものとして図示されている。部分的なキャビティー130は、上面113に形成された上側オリフィス又は開口部141と、下面115に形成された下側オリフィス又は開口部143との間に延在する、部分的なキャビティーであるものとして図示されている。部分的なキャビティー130は、上面113の近位に配置された上側部分の概して凹形又はキュプール部分132及び下側部分、又は導管若しくはチャネル134を含み、チャネル134は、概してキュプール132のベースから舗装ブロックを貫通して延在しており、それによって、下面115の近位に配置された下側オリフィス又は開口部143まで延在するチャネルを形成している。図示されているように、上側部分又はキュプール部分132は、湾曲した表面100によって図示されているように、概して凹形の形状を有している。本明細書でさらに議論されているように、キュプール132又は導管134の形状は、添付の図によって限定されることを意図していないということが理解されるであろう。図に示される形状は、本発明の舗装エレメントの特徴の一般的な性質を図示することのみを意図している。
【0023】
図1に示す例では、上部オリフィス141及び底部オリフィス143は、両方とも形状が半円形である。これは、舗装エレメント100の平面図及び端面図をそれぞれ示す図2及び図3にさらに図示されている。
【0024】
図4は、一つの態様による排水キャビティー160を形成するために互いに隣接して配置された二つの同一の舗装エレメント100、100'を図示している。図4に示されているように、第1の舗装エレメント100は、第2の舗装エレメント100'に隣接して置かれており、第1の舗装エレメント100の部分的なキャビティー130、及び、対応する第2の舗装エレメント100'の部分的なキャビティー130'が、排水キャビティー160を協働的に形成するようになっている。理解されるように、二つの半円形の部分的なキャビティー130、130'を一緒に接合することによって形成された排水キャビティー160の上部オリフィス及び底部オリフィスは、図4に図示されるように、実質的に円形の形状である。さらに、部分的なキャビティー130、130'のそれぞれは、チャネルによって画定された上側凹部及び下側部分を含むので、排水キャビティー160は、「ボウル形状の」又は「カップ形状の」上側部分(「キュプール」又は「凹面」とも称される)及びチューブ状の底部部分(「導管」とも称される)を含むことが理解される。上述の方法で複数の舗装エレメントを敷設することによって、複数の排水キャビティーを有する舗装面を形成することができる。
【0025】
別の態様では、舗装システムが提供される。舗装システムは、互いに隣接して配置された本明細書に記載の複数の舗装エレメントを含む。それぞれの舗装エレメントは、上面及び下面を含み、また、舗装エレメントの中に形成された完全な又は部分的なキャビティーを含む。完全な又は部分的なキャビティーは、上側キュプール及び下側チャネルをさらに含み、下側チャネルは、舗装エレメントを通る液体の通過を可能にするために下面に至るまで延在している。そのようなシステムでは、複数の舗装エレメントが、互いに隣接して配置されており、完全な又は部分的なキャビティーによって形成された複数の排水キャビティーを有する舗装面を提供する。
【0026】
排水キャビティーは、排水キャビティーを通して排水される液体(たとえば、水)が濾過されるように濾過材が充填されてもよい。例えば、濾材は、砂利、砂、および処理または未処理の様々な凝集体を含むことができる。そのような濾過材の存在は、一般的に、微粒子を含む汚染物質の量及び種々の混入物が、舗装された表面の下の土壌又は他の舗装に到達するのを低減させる。その理由は、これらの汚染物質及び混入物が、濾過材によって保持される残留物を作り出すように濾過されるからである。濾過プロセスの結果、濾過される液体(すなわち、濾液)は、元の液体よりも「清潔」であり、したがって、舗装面の下の土壌若しくは地面に排出することができ、又は、収集装置などに排出することができる。
【0027】
排水キャビティーの中に配設されている濾過材は、時間の経過とともに、残余分(たとえば、汚染物質及び混入物)の蓄積に起因して、消耗されるか又は覆われる(encrusted)。濾過材を補充するために、クリーニング装置を使用して、使用済みの濾過材を除去し、新しい又は再生した濾過材を排水キャビティーに再充填することができる。
【0028】
一つの態様によれば、クリーニング装置は、加圧流体の流れを排水キャビティー内に導くことによって、濾過材及び任意の残留物を除去するように構成されている。具体的には、クリーニング装置は、加圧流体(たとえば、水及び/又は空気)の流れを、舗装面の充填された排水キャビティーに向けて方向付けするように構成されており、同時に、放出された濾過材を吸い取ることが可能である。
【0029】
排水キャビティーの中に配設されている使用済みの濾過材を、流体ジェットを使用して除去することができる一つの可能性のあるメカニズムについて、図5Aを参照して説明する。図5Aでは、ジェット310から排出される加圧流体(たとえば、水及び/又は空気)が、排水キャビティー360の前縁部371の近位に配設されている覆われた濾過材(図示せず)の表面の上に入射するように、位置決め及び配向されるものとして、ジェット310が図示されている。覆われた濾過材は、その表面に当たる加圧流体によって破壊される。ジェットが継続的に適用されると、加圧流体は、排水キャビティー360の上側凹形部分又はキュプール362を画定している湾曲した表面によって偏向され、その結果、任意の同伴空気及び使用済みの濾過材とともに、排水キャビティー360のキュプール362から押し出される。流体がジェット310から排出される全体的な方向及び軌跡が、矢印311によって示されている。排水キャビティー360の上側凹形部分又はキュプール362からの濾過材の除去は、使用済みの濾過材を運ぶ流体を上向きに偏向させる排水キャビティー360の上側部分362の後縁部373を画定する表面の湾曲によってさらに促進させられる。排水キャビティー360に向けて方向付けされている流体の圧力は、使用済みの濾過材及び任意の残留物を運搬する、後縁部362から出て行く流体の流れが、それが排水キャビティー360から放出されて電気掃除機によって回収されるときに、舗装面から垂直方向に上昇させられる程度に制御されるように調節される。
【0030】
排水キャビティー360から排出された使用済みの濾過材は、ホッパー(図示せず)によって回収してもよい。理解されるように、ホッパーは、クリーニング装置に設けられてもよい。ホッパーは、後縁部373から排水キャビティー360を出る任意の使用済みの濾過材が、ホッパーによって自動的に回収されるようにジェット310に対して配置してもよい。一つの態様では、クリーニング装置は、使用済みの濾過材の除去及び回収を促進させるためのバキュームをさらに含むことが可能である。そのようなバキュームは、たとえば、ジェットに隣接した位置に配置してもよい。
【0031】
排水キャビティー360の上側部分362を画定する壁部の湾曲は、一般的に、加圧流体の衝撃、加圧流体の膨張によって同伴された空気、加圧流体、及び、結果として生じる乱流に起因して、使用済みの覆われた濾過材の膨化(bulking)を促進させるように構成されている。さらに、排水キャビティー360のプロファイル、とりわけ、凹形上側部分又はキュプール362を画定する壁部の湾曲は、たとえば、クリーニング装置が駆動されている水平方向の速度、ジェットの圧力、流体がジェットによって放出されている角度、並びに、濾過材及び蓄積された破片及び汚染物質の物理的特性などのような、複数の異なる要因によって修正され得る。
【0032】
図5Aに図示されているメカニズムでは、排水キャビティー360の形状は、排水キャビティーの導管364の中に配設されている任意の濾過材が除去される可能性を低減することができる。これは、導管364の中に配設されている濾過材を実質的に乱すことなく排水キャビティー360のキュプール362の中に含有されている重度に汚染された濾過材だけが除去されることを可能にする。
【0033】
比較目的のために、図5Bは、斜面付きの上部縁部を有する二つの隣接する舗装エレメント382、382'によって形成された排水キャビティー380を図示している。斜面付きの上部縁部を有する同様の舗装エレメントは、一般的に、たとえば、米国特許第5,342,142号及び米国特許第4,834,575号に説明されているように、当技術分野で知られている。図示されているように、斜面付きの縁部384、384'は、実質的に直線状であり、隣接する舗装エレメント382、382'によって形成される排水キャビティー380が漏斗形状になっている。そのような「漏斗形状の」排水キャビティーを有する舗装表面では、排水キャビティーの上側部分が、細かい破片の蓄積によって「詰まる」ことがあり、排水キャビティーを通る流体の通過を妨げることが観察されている。図5Bを参照すると、ジェット390及びバキューム(図示せず)の組み合わせを使用して、蓄積されたデブリを除去することによって、排水キャビティーのクリーニングを試みたときに、ジェット390から放出された加圧流体が、少なくともいくつかのケースにおいて、蓄積されたデブリを排水キャビティー380のさらに深くに移動させるということが分かった。したがって、そのような「漏斗形状の」排水キャビティーの中に配設されている材料は、このようなクリーニング方法及び装置を使用して効果的に除去することができないということが分かった。
【0034】
図6は、排水キャビティー内に配設された使用済みの濾過材を除去することができる別の可能性のあるメカニズムを図示している。具体的には、図6では、ブラシ320を使用して、排水キャビティー360の上側部分362から使用済みの濾過材(図示せず)を除去する。ブラシ320は、たとえば、ブラシを回転させ、必要に応じて、水、強制空気、又は真空を適用するように構成された他の機械に取り付けられた回転ブラシであってもよい。矢印322は、回転ブラシが時計回りの方向に操作されたときに使用済みの濾過材が排出される一般的な方向を示している。
【0035】
使用済みの濾過材が排水キャビティーから除去されると、排水キャビティーに新しい濾過材を再充填することができる。あるいは、排水キャビティーから除去された使用済みの濾過材は、クリーニング装置によって回収され、再生されてもよい。たとえば、使用済みの濾過材は、たとえば、加熱すること、フィルタリングすること、消毒剤及び/若しくは酵素を使用すること、又は、使用済みの濾過材によって保持されている任意の油及び炭化水素をすくい取ることなど、さまざまな公知の化学的な、生物学的な、及び物理的な処理プロセスを用いて再生され得る。次いで、再生された濾過材は、排水キャビティーを再充填するために使用され得る。このようにして、濾過材は、廃棄物を低減させるためにリサイクルされ得る。使用済みの濾過材を除去するステップ、使用済みの濾過材を再生させるステップ、及び、次いで、新しい及び/又は再生された濾過材によって排水キャビティーを再充填するステップは、単一パスで(すなわち、クリーニング装置が排水キャビティーの上を2回以上移動することを必要とすることなく)クリーニング装置を使用して実施することができる。
【0036】
図7は、別の態様による舗装エレメント200を図示している。図7に示されているように、舗装エレメント200は、上面213と、下面215と、舗装エレメント200の中に形成されている部分的なキャビティー230とを含む。部分的なキャビティー230は、実質的に凹形の表面によって画定されたキュプール232と、舗装エレメントを通って延在し、排水開口部として機能する導管234とを含む。図7に示されているように、上面213の上に形成されているキャビティー230の上部オリフィス241は、おおよそ楕円形の又は長円形のオリフィスであるとして図示されており、下面215の上に形成されているキャビティー230の底部オリフィス243は、形状が半円形であるとして図示されている。開口部の形状は、舗装エレメント200の平面図である図8にさらに図示されている。
【0037】
図9Aは、さらなる別の態様による舗装エレメント400の端面図を図示している。図9Aに示されているように、舗装エレメント400は、上面413と、下面415と、上面413と下面415との間に延在する部分的なキャビティー430とを含む。部分的なキャビティー430は、実質的に凹形のキュプール432と、導管434とを含む。上面413に形成された上側オリフィスと、下面415に形成された下側オリフィスの両方が半円形であるとして図示されている。オリフィスの形状は、舗装エレメント400の平面図である図9Bにさらに図示されている。図9A及び図9Bに示されているように、キュプール432は、凹形セグメント及び凸形セグメントの両方を有する湾曲面によって画定されるものとして図示されている。しかし、そのような表面によって形成されているキャビティーの部分は、依然として、キュプール状であると考えられることが分かる。
【0038】
図10は、図9A及び図9Bの舗装敷石400によって形成された排水キャビティーから使用済みの濾過材を除去するための可能性のあるメカニズムを図示している。図10では、ジェット460は、排水キャビティーに向けて流体流461を噴出するために使用されるものとして図示されている。ジェット460から噴出された流体は、排水キャビティー内に配置されている任意の使用済みの濾過材を矢印470で示す軌跡で排出させる。
【0039】
図11は、さらなる別の態様による舗装エレメント550の正面図を図示している。図11では、舗装エレメント550は、上面533と、下面535と、上面533と下面535との間に延在する部分的なキャビティー560とを含むものとして図示されている。部分的なキャビティー560は、凹形の上側部分又はキュプール562及び導管564を含む。
【0040】
図11に図示されているように、上側部分562は、舗装エレメントの高さを通って延在する軸線に対して非対称になっている。このように、舗装エレメントが舗装を形成するために敷設されているときに、舗装面に形成される排水キャビティー(濾過材によって充填されていてもよい)は、方向性のある様式でクリーニングされるように構成されている。具体的には、図11に図示されているように、ジェット510から噴出された流体は、前縁部571の近位にある被覆された又は使用済みの濾過材の表面に衝突し、使用済みの濾過材が矢印512によって示される一般的な方向に排出させることができる。ジェット510から噴出される流体の一般的な方向は、矢印511で示されている。そのような非対称的な排水キャビティーの使用は、少なくともいくつかのケースにおいて、使用済みの濾過材の除去及び回収を容易にすることができる。
【0041】
図12に図示す態様では、インサート610は、排水キャビティーの下側部分に配設されている。排水キャビティーのキュプール620は、濾過材によって充填されていてもよい。具体的には、図12に示されているように、インサート610は、排水キャビティーの導管の中に位置付けされている。インサート610が設置されると、インサート610の存在により、濾過材が排水キャビティーの下側部分に到達するのを阻止するように、キュプール620に濾過材が充填される。インサート610は、一般的に、透水性であり、インサート610の存在が、排水キャビティーを通る流体のフローを実質的に妨げないようになっているということが認識されよう。図13は、排水キャビティーの内側に配設されているインサート610の上面図を図示している。一つの態様では、インサートは、隣接する舗装エレメントの相対的な移動を防止するためのインターロック機構を提供する。
【0042】
単一のキャビティーがその中に形成されている舗装エレメントのさまざまな態様について上記に説明したが、舗装エレメントに設けられるキャビティーの数及び形状などのさまざまなパラメーターを変化し得るということが理解できる。
【0043】
図14は、複数の略卵形の部分的なキャビティー710a~fが舗装エレメント700の縁部に設けられている舗装エレメント700の態様を図示している。具体的には、舗装エレメント700は、短い縁部715、716に形成された二つの部分的なキャビティー710a、710dと、長い縁部725、726に形成された四つの部分的なキャビティー710b、710c、710f、710eを有するものとして図示されている。図14に示されているように、キャビティー710a~fのそれぞれは、以前に上記に説明されている図7及び図8に図示されているキャビティーと同一である。
【0044】
複数のキャビティーを有する舗装エレメントは、対応する舗装エレメントに隣接して配置されて、一つ以上の排水キャビティーを生成することができる。図15は、舗装エレメント700が別の同一の舗装エレメント700'に隣接して配置されており、排水口760が、隣接する舗装エレメント700、700'の部分的なキャビティー710、710'によって協働して形成されるようになっている態様を図示している。理解されるように、複数の排水キャビティーを有する舗装面は、追加的な舗装エレメントを互いに隣接して置くことによって形成され得る。また、そのような様式で形成された排水キャビティーは、異なる軸線に沿って配向されることが理解されよう。具体的には、図15において、略卵形の排水キャビティーの少なくともいくつかの長手方向軸線は、他の排水キャビティーの長手方向軸線に対して垂直に配向されている。排水キャビティーの長手方向軸線は、参考のために、矢印771、773を使用して示されている。
【0045】
図16に図示されているさらなる態様では、インサート780は、近隣の舗装エレメント700、700'によって形成される排水キャビティー760内に配設される。先に説明したように、インサート780の存在は、濾過材が排水キャビティーの下側部分に到達するのを阻止する。排水キャビティー760の長手方向軸線は、矢印775を使用して示されている。
【0046】
図17は、複数の部分的なキャビティー810a~fがそこに形成される舗装エレメント800の別の態様を図示している。図17において、対応する舗装エレメントを互いに隣接して置くことによって排水キャビティーが形成されるときに、すべての排水キャビティーの長手方向軸線が、矢印830によって示されている単一の配向に配向されるように、部分的なキャビティー810a~fのすべてが形成されている。理解されるように、排水キャビティーの均一な配向は、いくつかのケースでは、舗装面のクリーニングを容易にすることができる。
【0047】
図18は、舗装エレメント900のさらなる別の態様を図示している。図18では、舗装エレメント900は、実質的に正方形であり、また、舗装エレメント900の縁部には複数の略卵形の部分的なキャビティー910a~hが設けられている。図示されているように、キャビティー910a~hを対応するキャビティーと接合することによって生成される排水キャビティーの長手方向軸線が単一の配向に配向されるように、キャビティー910a~hは形成されている。
【0048】
図19は、さらなる別の態様による舗装エレメント1000の一部分を図示しており、そこでは、二つの部分的なキャビティー1010a、1010bが、舗装エレメント1000の縁部のうちの少なくとも一つに形成されている。両方の部分的なキャビティー1010a、1010bは、舗装エレメント1000の上面及び底面に半円形の開口部を形成するものとして図示されている。舗装エレメント1000の端面図が、図20に図示されている。
【0049】
図21は、さらなる別の態様による舗装エレメント1100を図示している。図21では、舗装エレメント1100は、エレメント1100の縁部に形成された複数の部分的なキャビティー1110a~fを有している。部分的なキャビティー1110a~fは、部分的なキャビティーが対応する部分的なキャビティーと接合されたときに、「雨滴」形状の排水キャビティーが形成されるように形成されている。
【0050】
図21及び以前の図に図示されているように、本舗装ブロックのキュプールは、対称的な(たとえば、円形形状の)ものであるか又は非対称的な(たとえば、雨滴形状の)ものであるかのいずれかであり、任意の形状のものであることが可能である。隣接するブロックが置かれると、部分的な開口部が組み合わさり、舗装表面上に最終的な排水キャビティー形状を形成することがわかる。
【0051】
図22は、別の随意的な態様を図示しており、そこでは、図18に示されているブロックなどのような舗装ブロック1200に、1210に示すように複数のインターロックリブ又はニブ(nib)が設けられている。そのようなリブ又はニブは、隣接する敷石が互いに対してスライドすることを防止する役割を果たしており、当技術分野でよく知られている。周知のように、リブの場合、そのようなリブは、一般的に、舗装エレメント(すなわち、ブロック又は敷石)の上面から底面まで延びている。いくつかの場合において、リブは、舗装エレメントの厚さ全体に亘って延びる必要はない。
【0052】
図23Aは、さらなる別の態様による舗装エレメント1300を図示しており、そこでは、部分的なキャビティー1330が、舗装エレメント1300の縁部のうちの少なくとも一つに形成されている。部分的なキャビティーは、上面1313に形成された上側オリフィス又は開口部1341と、下側オリフィス又は開口部1343との間に延在する。これまでに例示した実施形態とは対照的に、上側オリフィス又は開口部1341は、平面視で長方形形状を有している。したがって、部分的なキャビティー1330が、対応する部分的なキャビティーと接合されると、平面視略長方形の排水キャビティーの開口部が観察され得る。図23Aの実施形態の側面図が、図23Bに図示されている。部分的なキャビティー1330は、上側部分1332及び下側部分又は導管又はチャネル1334を含み、上側部分1332は、側方から見たときに概して凹形の断面を有しており、下側部分又は導管又はチャネル1334は、上側部分1332のベースから舗装ブロックを通って延在しており、それによって、図示されているように、下面1315に位置する下側オリフィス又は開口部1343まで延在する。上側部分1332が上面1313から下向きに傾斜する角度は、より深い又はより浅い上側キャビティー部分を形成するように増加又は減少されてもよい。そのような角度調節の例示的な実施形態を、図24及び図25に示す。
【0053】
図24は、別の態様による舗装エレメント1400を図示しており、そこでは、部分的なキャビティー1430が、舗装エレメント1400の縁部のうちの少なくとも一つに形成されている。部分的なキャビティー1430は、上側部分1432及び下側部分又は導管又はチャネル1434を含み、上側部分1432は、側方から見たときに概して凹形の断面を有しており、下側部分又は導管又はチャネル1434は、上側部分1432の基部から舗装ブロックを貫通して延在しており、それによって、図示されているように、下面1415に位置する下側オリフィス又は開口部1443まで延びている。上側部分1432が上面1413から下向きに傾斜する角度は、図23の対応する角度よりも小さくなっており、その結果、図23の中の上側部分1332に対してより浅い上側部分1432が得られる。
【0054】
図25は、別の態様による舗装エレメント1500を図示しており、そこでは、部分的なキャビティー1530が、舗装エレメント1500の縁部のうちの少なくとも一つに形成されている。部分的なキャビティー1530は、上側部分1532及び下側部分又は導管又はチャネル1534を含み、上側部分1532は、側方から見たときに概して凹形の断面を有しており、下側部分又は導管又はチャネル1534は、上側部分1532の基部から舗装ブロックを貫通して延在しており、それによって、図示されているように、下面1515に位置する下側オリフィス又は開口部1543まで延在している。上側部分1532が上面1513から下向きに傾斜する角度は、図23及び図24の中の対応する角度よりも小さくなっており、結果として、それぞれ、図23及び図24の上側部分1332及び1432に対してより浅い上側部分1532となる。
【0055】
本明細書で説明されている舗装エレメントのクリーニングの観点から、さまざまな機器が使用されることができ、そのうちのいくつかが、上記に説明されてきた。機器のクリーニング効率を計算する際に、クリーニング率が使用され得る。そのような率は、本明細書では「S」として示されており、それは、クリーニング装置によって捕獲及び除去された物質又は濾過材の量を濾過材の元の量に関連付けし、濾過材の浸透能力の完全な回復は、手段S=1を意味している。「実質的な回復」という用語は、Sの値が1.0に近いか又は等しいということを意味するように理解され得る。図23図24図25図26、及び図27に示されているキャビティーの幾何学形状は、たとえば、従来の街路清掃機器、又は、現在説明されている舗装エレメントのために設計されている特殊機器によって、濾過材によって捕獲される微粒子の除去を促進させることが可能であり、したがって、濾過材の浸透能力の実質的な回復を可能にする。濾過材の浸透能力の実質的な回復を可能にすることによって、舗装システムは、そのような幾何学形状を有していない舗装システムよりも、長い期間にわたって、汚染物質及び他の汚染物質を除去するのに効果的であり続けることが可能である。
【0056】
図26Aは、さらなる別の態様による舗装エレメント1600を図示しており、そこでは、部分的なキャビティー1630が、舗装エレメント1600の縁部のうちの少なくとも一つに形成されている。部分的なキャビティーが、上面1613に形成されている上側オリフィス又は開口部1641と、下側オリフィス又は開口部1643との間に延在している。上述の舗装エレメントと同様に、上側オリフィス1641は、平面図から見たときに、形状が概して長方形になっている。部分的なキャビティー1630は、上側部分1632及び下側部分1634を含み、上側部分1632は、上面1613の近位に位置しており、下側部分1634は、一般的に、キュプール1632の基部から舗装ブロックを通って延在しており、それによって、下面1615の近位に位置している下側オリフィス又は開口部1643まで延在するチャネルを形成している。この特定の実施形態では、部分的なキャビティーの上側部分1632は、実質的に平面的な部分1631a及び1631bを含み、上側部分1632が、任意の視点から見たときに、本質的には凹形でないようになっている。舗装エレメント1600の上部表面1613に対する実質的に平面的な部分1631a及び1631bの角度は、より深い又はより浅い上側キャビティー部分をそれぞれ形成するように増加又は減少してもよい。さらに、部分的なキャビティー1630の下側部分1643は、形状が管状又は長方形であってもよい。図26Aは、長方形形状の下側部分1643が存在する実施形態を図示している。部分的なキャビティー1630が、対応する部分的なキャビティーと接合されるときに、平面視で長方形形状の排水キャビティーの開口部が、上面1613に観察される。図26に示されている幾何学形状は、従来の再生空気式の街路清掃機器によって、濾過材によって捕獲される残留物の除去を容易にし、したがって、濾過材の浸透能力の実質的な回復を助けることができる。図26Aの実施形態の立面図が、図26Bに図示されている。
【0057】
図27は、さらなる別の態様による舗装エレメント1700を図示しており、そこでは、部分的なキャビティー1730が、舗装エレメント1700の縁部のうちの少なくとも一つに形成されている。上記のように、舗装敷石1700は、上面1713及び下面1715を含む。この実施形態では、部分的なキャビティー1730は、一つの上側部分1732と、壁部1735によって分離されている二つの下側部分1734a及び1734bを含むことができる。さらに下記に議論されているように、他の態様では、図27の敷石の中に三つ以上の下側部分が設けられてもよい。部分的なキャビティー1730の下側部分1734a及び1734bは、管状又は長方形の形状でもよい。この実施形態によれば、部分的なキャビティー1730が、対応する部分的なキャビティーと接合されるときに、結果として生じる排水キャビティーは、一つの完全な上側部分と、二つの完全な管状の又は長方形の底部部分とを含む。図27に示されている幾何学形状は、従来の再生空気式の街路清掃機器によって、濾過材によって捕獲される残留物の除去を容易にし、したがって、濾過材の浸透能力の実質的な回復を支援することが可能である。
【0058】
図28Aは、さらなる別の態様による舗装エレメント1800を図示しており、そこでは、舗装エレメント1800は、二つの外側側部1810、二つの内側側部1812、及び、二つの面側部1814を有するように設計されており、舗装エレメント1800は、米国特許第5,342,142号に教示されている舗装エレメントと同様に、上部から見たときに全体的な「L」字形状の輪郭を有するようになっている。複数の部分的なキャビティー1830Aが存在しており、そのそれぞれが、上側開口部1841Aと下側開口部1843Aとの間に延在しており、開口部1843Aの一つのセットが、円周の4分の1の形状を有することを特徴としている。また、複数の部分的なキャビティー1830Bが存在しており、そのそれぞれが、上側開口部1841Bと下側開口部1843Bとの間に延在しており、下側開口部1843Bは、半円形の形状を有することを特徴としている。最後に、上側開口部1841Cと下側開口部1843Cとの間に延在する少なくとも一つの部分的なキャビティー1830Cが存在しており、下側開口部1843Cは、円周の4分の3の形状を有することを特徴としている。図28Bは、舗装エレメント1800の斜視図を示しており、また、キュプール部分1832C及び導管又はチャネル部分1834Cを含む部分的なキャビティー1830Cを図示しており、キュプール部分1832Cは、実質的に凹形になっており、上部表面1813の上側開口部1841Cが、対応する下側開口部1843Cよりも大きい直径を有するようになっている。同様に、部分的なキャビティー1832A及び1832Bは、実質的に凹形のキュプール部分及び導管又はチャネル部分をそれぞれ含み、上側開口部1841A及び1841Bが、それぞれ、対応する下側開口部1843A及び1843Bよりも大きい直径を有するようになっている。この実施形態によれば、複数の舗装エレメント1800を含む舗装システムは、舗装を形成するように配置されており、舗装エレメント1800の上のそれぞれの部分的なキャビティー1830A、1830B、及び1830Cが、それぞれ、隣接する舗装エレメント1800の上の対応する部分的なキャビティー1830C、1830B、及び1830Aと接合されるようになっている。より具体的には、任意の部分的なキャビティー1843A、1843B、又は1843Cに対応する部分的なキャビティーは、結果として生じる導管開口部を完全な円形にすることができるものである。
【0059】
本舗装敷石のさらなる態様が、図29から図36に図示されている。図29から図32は、この態様による「L」字形状の敷石を図示しており、また、図33から図36は、この実施形態による敷石の長方形バージョンを図示している。示されているように、敷石は、敷石の側部の上に形成された複数の第1の部分的なキャビティー1930aと、敷石の一つ以上の端部の中へ切り込まれたスロットとして形成された第2の部分的なキャビティー1930bとを含む。部分的なキャビティー1930aは、それらが設けられている敷石の側部と本質的に平行に形成されており、また、上側の凹形部分1932a及び下側部分1934aによって画定されている。部分的なキャビティー1930bは、それらが設けられている敷石の側部と本質的に平行に形成されており、また、上側の凹形部分1932b及び下側部分1934bによって画定されている。敷石が舗装を形成するように表面に敷設された場合に、隣接する第1の部分的なキャビティー1930aは、完全なキャビティーを形成するように組み合わせられ、また、隣接するか又は当接する第2の部分的なキャビティー1930bは、完全なキャビティーを形成するように組み合わせられる。そのような舗装の例が、図37に図示されている。理解されるように、図37は、図29及び図31の敷石を使用する舗装を図示しているが、図33及び図35の敷石も、同様の様式で配置され得る。いくつかのケースでは、「L」字形状の敷石は、長方形形状の敷石と組み合わせられ得る。
【0060】
図38及び図39は、主題の舗装敷石2000の別の実施形態を図示しており、そこでは、部分的なキャビティー2030が、図27に示されているのと同様の様式で形成されている。しかし、図38及び図39の例では、部分的なキャビティーは、より細長い上側部分2032を含み、より細長い上側部分2032は、部分的なキャビティーが形成されている舗装敷石の側部の長さの大部分に沿って延在することが可能である。図38及び図39に示されているバージョンでは、部分的なキャビティー2030は、長方形形状の舗装敷石2000の短い側部の上に形成されている。そのような部分的なキャビティーは、長方形の舗装敷石の短い側部及び/又は長い側部の一方又は両方を含む、舗装敷石2000の一つ以上の側部の上に形成され得るということが理解されよう。また、図38及び図39に示されているような部分的なキャビティーも、本明細書の「L」字形状の敷石などのような、任意の形状の舗装敷石の中に設けられ得るということが理解されよう。
【0061】
部分的なキャビティー2030は、上側凸形部分2032及び複数の下側部分2034を含む。図38及び図39に示されているバージョンでは、三つの下側部分2034が示されているが、任意の数のそのような部分が設けられ得るということが理解できる。
【0062】
図40は、舗装敷石2100のバージョンを図示しており、それは、図38及び図39に示されているものと同様であるが、ここで、部分的なキャビティー2130は、長方形形状の敷石の長い側部に設けられている。上記のように、部分的なキャビティーは、上側の凹形又はキュプール部分2132と、一つ以上の下側部分2134とを含む。
【0063】
図41から図43は、舗装敷石2200の別のバージョンを図示しており、それは、図38及び図39に示されているものと同様であるが、舗装敷石2200の側部の長さに沿って完全に延在する上側の凹形部分2232を有する部分的なキャビティーの例を示している。
【0064】
図44は、舗装敷石2300の別の態様を図示しており、そこでは、部分的なキャビティーの凹形部分2332は、(また、図41から図43に示されているように)舗装敷石の側部の全長に沿って延在しているが、単一の細長い下側部分2334が設けられている。
【0065】
図45及び図46は、舗装敷石2400の別の態様を図示しており、そこでは、部分的なキャビティーが、敷石の角部のうちの一つ又は複数に形成されている。示されているように、及び、上記に説明されているように、それぞれの部分的なキャビティーは、上側部分2432及び下側部分2434を備えて形成されている。このバージョンでは、それぞれの敷石は、完全なキャビティーの4分の1の部分を含み、それによって、四つの敷石は、舗装の中に配置されているときに、完全なキャビティーを形成するように組み合わされることが理解されよう。
【0066】
別の態様では、舗装システムが提供される。舗装システムは、複数の舗装エレメントを含み、複数の舗装エレメントは、本明細書で説明されているように、互いに隣接して位置決めされている。そのような舗装を形成する際に、舗装エレメントは、公知の様式で互いに隣接して配置されるが、それによって、それぞれの開口部が、そのように形成される舗装の上に上述の排水開口部を形成するように一緒に配置される。
【0067】
本明細書で議論されているキュプールは、面取りした縁部とは独自に区別可能であり、面取りした縁部は、当技術分野でよく知られており、舗装エレメントにおいて一般的に見出され得るということは述べるに値する。舗装ブロックの90度の縁部は、舗装システムの中の弱点になり、二つの隣接するブロックがそのようなシステムの中で一緒に押し付けられるときに、荷重が二つのブロックの境界に集中し、それは、上側縁部の上に力を働かせ、一般的に、ブロックの角部のピッチング(孔食)を結果として生じさせる。この問題に対処するために、二つの隣接するブロックが出会う接合部において対称的な傾斜表面を含む面取りした縁部は、舗装エレメントの中の角部のそのようなピッチングを防止することを助けるために設計及び開発された。対照的に、本明細書で議論されているキュプールのさまざまな設計は、角部のピッチングを防止したいという願望によって行われてはいない。キュプールは、舗装システムのクリーニングを促進させるように、及び、システムの浸透能力を実質的に回復させることを支援するように設計されている。さらに、キュプールは、舗装エレメントの任意の縁部及び/又は内部部分に設けられる。したがって、舗装エレメントの中の面取りした縁部から結果として生じる形状は、本明細書で議論されているキュプール形状の少なくともいくつかに部分的に似ている可能性があるが、二つの間に明確な区別が存在していることは明白である。
【0068】
一つ以上の部分的なキャビティーが舗装エレメントの縁部に形成されている、舗装エレメントのさまざまな態様が本明細書で説明されてきたが、キャビティーは、舗装エレメントの他の部分に形成されてもよい。たとえば、完全なキャビティーは、舗装エレメントの中心などのような、エレメントの内部部分に(すなわち、縁部から離れた位置に)形成されてもよい。完全なキャビティーを有する舗装エレメントが、舗装面を形成するように、互いに隣接して置かれているときに、エレメントのそれぞれの中に形成された完全なキャビティーは、それを通る液体の通過を可能にするための排水キャビティーとして作用する。
【0069】
理解されるように、舗装エレメントの形状及び相対的寸法は変化し得る。たとえば、舗装エレメントは、正方形、長方形、六角形、又は多辺形であることが可能である。また、部分的な又は完全なキャビティーの形状も変化し得る。たとえば、部分的な又は完全なキャビティーは、実質的に円形、長円形、卵形、又は、液体がそれを通過して濾過されることを可能にする任意の他の形状であることが可能である。また、複数の部分的な又は完全な排水キャビティーが設けられている態様では、それぞれの部分的な又は完全なキャビティーが、互いに同一となるように形状決め及び/又は構成されてもよく、又は、異なっていてもよいということが理解される。
【0070】
上記に議論されているように、本明細書で説明されている排水開口部の構造は、舗装エレメントの上面に、凹形若しくはキュプール形状の開口部、又は、平面的な若しくは三角柱状のプリズムのような開口部を含み、また、キュプールから舗装エレメントの下面を通って延在する概して円筒形状の又は長方形の導管を含み、導管は、キュプール部分よりも小さい直径を有している。上記に議論されているように、舗装エレメントの上面の開口部の構造は、排水チャネルをクリーニングするときに利点を提供する。また理解されるように、(キュプール開口部と同じ直径を有する導管とは対照的に)より幅の狭い導管部分を有することは、より強固な材料が舗装エレメントの中に提供されることを可能にする。理解され得るように、これは、舗装エレメントがより大きい強度又は完全性を有することを可能にする。さらに、舗装エレメントの外周又は側部に設けられた排水開口部に関して、追加の舗装エレメント材料は、表面に配置されたときに隣接する舗装エレメント間のより大きい接触面積を可能にする。接触面積は、隣接する舗装エレメントの間に
直接又はそれらの間に設けられた充填剤材料を介してもよい。いずれの場合でも、追加される接触面積は、舗装を形成するために敷設されたときに、より大きい摩擦、ひいては、エレメントの移動に対してより大きい抵抗を結果として生じさせる。さらに、より幅の狭い導管部分から生じる表面積の増加は、より多のスペーサーニブ又はリブを舗装エレメントに設けることを可能にし、それによって、隣接する舗装エレメント間の相対的移動の可能性をさらに低減させる。
【0071】
本明細書では、凹形又はキュプール形状の開口部の下方の導管部分は、その長さに沿って一定の直径を有する、形状が円筒形状の又は長方形であるものとして説明されてきた。しかし、そのような導管は、舗装エレメントの側部に設けられている排水チャネルに関して、円錐形状、又は部分的な円錐形状を有することも可能であるということが認識されよう。したがって、舗装エレメントには、舗装エレメントの上面又は下面のいずれかに向けて増加する直径を有する、テーパーが付けられた導管が設けられ得る。理想的には、生産機器に適応するために、導管は、上向きにテーパーを付けられ、上側直径が下側直径よりも大きくなっている。
【0072】
本明細書で説明されてきたキャビティー又は部分的なキャビティーは、任意の形状の舗装敷石の中へ組み込まれ又は形成され得るということが理解されよう。本明細書は、図示目的のために、長方形又は「L」字形状の敷石を説明してきた。キャビティー構成のいずれもが、説明されている敷石の中へ組み込まれ得るが、それらは、また、任意の形状の舗装敷石の中へ、また、その側部のいずれかの中へ組み込まれ得る。
【0073】
本発明は、特定の態様を参照して説明されてきたが、そのさまざまな修正例が当業者に明らかであろう。本明細書で提供されている任意の例は、単に本発明を図示する目的のために含まれており、決して本発明を限定することは意図されていない。本明細書で提供されている任意の図面は、単にさまざまな本発明の態様を図示する目的のためのものであり、実寸で描かれることは意図されておらず、又は、決して本発明を限定することは意図されていない。本明細書に添付されている特許請求の範囲は、上記の説明に述べられている好適な態様によって限定されるべきではなく、全体として本明細書と一貫する最も広い解釈が与えられるべきである。本明細書に記載されているすべての先行技術の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
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