(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】無線通信端末、アクセスポイント、無線通信システム、無線通信方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 48/20 20090101AFI20220217BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20220217BHJP
H04W 12/06 20210101ALI20220217BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20220217BHJP
【FI】
H04W48/20
H04W76/10
H04W12/06
H04W84/12
(21)【出願番号】P 2020529992
(86)(22)【出願日】2019-04-03
(86)【国際出願番号】 JP2019014848
(87)【国際公開番号】W WO2020012735
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-01-06
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2018/026311
(32)【優先日】2018-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100207789
【氏名又は名称】石田 良平
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 和行
(72)【発明者】
【氏名】高橋 哲之
(72)【発明者】
【氏名】豊田 潔
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0265928(US,A1)
【文献】特開2014-060503(JP,A)
【文献】特開2011-234205(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御回路、無線通信機、およびメモリを有する無線通信端末であって、
前記制御回路が前記無線通信機を使用してセットアップ処理をアクセスポイントと実行したとき、前記メモリは、前記アクセスポイントから受信された認証情報を記憶し、
前記制御回路は、前記無線通信機を使用してスキャンを実行することにより、1つ以上のアクセスポイントを検出し、
前記制御回路は、第1のAPが前記1つ以上のアクセスポイントに含まれるか否かを判断し、前記第1のAPは、前記セットアップ処理を前記無線通信端末と過去に実行したアクセスポイントであって、かつ、前記無線通信機が最後に無線で接続したアクセスポイントであり、
前記制御回路は、第2のAPが前記1つ以上のアクセスポイントに含まれるか否かを判断し、前記第2のAPは、前記セットアップ処理を前記無線通信端末と実行できる状態にあるアクセスポイントであり、
前記無線通信機が、前記1つ以上のアクセスポイントのいずれとも無線で接続していないとき、前記制御回路は、選択処理を実行することにより、第1のモードと第2のモードとのいずれか1つを選択し、前記第1のモードは、前記セットアップ処理が実行されない動作モードであり、前記第2のモードは、前記セットアップ処理が実行される動作モードであり、
前記制御回路が前記選択処理において前記第1のモードを選択し、かつ前記1つ以上のアクセスポイントに前記第1のAPが含まれない場合、前記制御回路は、前記無線通信機を前記1つ以上のアクセスポイントのいずれとも無線で接続させず、
前記制御回路が前記選択処理において前記第1のモードを選択し、かつ前記1つ以上のアクセスポイントに前記第1のAPが含まれる場合、前記制御回路は、前記セットアップ処理を実行せずに、前記メモリに記憶された前記第1のAPの前記認証情報に基づいて、前記無線通信機に、前記第1のAPと無線で接続させ、かつ前記メモリに記憶された前記第1のAPの前記認証情報に基づいて前記第1のAPと認証処理を実行し、
前記制御回路が前記選択処理において前記第2のモードを選択した場合、前記制御回路は、前記第2のモードが選択された後にユーザが新たな操作を実行したか否かに係わらず、かつ、前記認証情報が前記メモリに記憶されているか否かに係わらず、前記無線通信機に、セットアップ情報を第2のAPへ送信させ、かつ前記無線通信機に、前記第2のAPと前記セットアップ処理を開始させ、前記セットアップ情報は、前記制御回路が前記セットアップ処理を実行できることを示し、
前記セットアップ処理が実行された後、前記制御回路は、前記無線通信機に、前記セットアップ処理を実行した前記第2のAPと無線で接続させ、かつ前記無線通信機が前記セットアップ処理において前記第2のAPから受信した認証情報に基づいて、前記セットアップ処理を実行した前記第2のAPと前記認証処理を実行する
無線通信端末。
【請求項2】
前記無線通信機が前記スキャンの実行によって前記1つ以上のアクセスポイントの少なくとも1つから受信した情報に前記セットアップ情報が含まれていない場合、前記制御回路は、前記選択処理において前記第1のモードを選択する
請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項3】
前記無線通信機が前記スキャンの実行によって前記1つ以上のアクセスポイントの少なくとも1つから受信した情報に前記セットアップ情報が含まれている場合、前記制御回路は、前記選択処理において前記第2のモードを選択する
請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項4】
報知器をさらに有し、
前記無線通信機が前記スキャンの実行によって、前記セットアップ情報を含まない情報を前記1つ以上のアクセスポイントの少なくとも1つから受信し、かつ前記無線通信機が前記スキャンの実行によって、前記セットアップ情報を前記1つ以上のアクセスポイントの少なくとも1つから受信した場合、前記制御回路は、前記選択処理において、前記第1のモードと前記第2のモードとのいずれも選択せずに、前記報知器を使用することにより、エラーの発生をユーザに報知する
請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項5】
前記第1のモードと前記第2のモードとのいずれか1つを選択する操作を受け付ける操作器をさらに有し、
前記操作器が、前記第1のモードを選択する操作を受け付けた場合、前記制御回路は、前記選択処理において前記第1のモードを選択し、
前記操作器が、前記第2のモードを選択する操作を受け付けた場合、前記制御回路は、前記選択処理において前記第2のモードを選択する
請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項6】
前記セットアップ処理が実行される度に、前記制御回路は、前記第2のAPから受信された前記認証情報で、前記メモリに記憶された前記認証情報を更新する
請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項7】
前記無線通信機が前記スキャンの実行によって前記セットアップ情報を前記1つ以上のアクセスポイントのいずれか1つのみから受信した場合、前記制御回路は、前記選択処理において前記第1のモードを選択し、
前記無線通信機が前記スキャンの実行によって前記セットアップ情報を前記1つ以上のアクセスポイントの少なくとも2つから受信した場合、前記制御回路は、前記選択処理において前記第2のモードを選択する
請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項8】
前記第1のモードと前記第2のモードと第3のモードとのいずれか1つを選択する操作を受け付ける操作器をさらに有し、前記第3のモードは、前記セットアップ情報の受信状況に基づいて前記第1のモードと前記第2のモードとのいずれか1つを選択する動作モードであり、
前記操作器が、前記第1のモードを選択する操作を受け付けた場合、前記制御回路は、前記選択処理において前記第1のモードを選択し、
前記操作器が、前記第2のモードを選択する操作を受け付けた場合、前記制御回路は、前記選択処理において前記第2のモードを選択し、
前記操作器が、前記第3のモードを選択する操作を受け付け、かつ前記無線通信機が前記スキャンの実行によって前記セットアップ情報を前記1つ以上のアクセスポイントのいずれか1つのみから受信した場合、前記制御回路は、前記選択処理において前記第1のモードを選択し、
前記操作器が、前記第3のモードを選択する操作を受け付け、かつ前記無線通信機が前記スキャンの実行によって前記セットアップ情報を前記1つ以上のアクセスポイントの少なくとも2つから受信した場合、前記制御回路は、前記選択処理において前記第2のモードを選択する
請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項9】
前記認証情報は、共通鍵を生成するために使用される情報であり、前記共通鍵はデータ通信の暗号化に使用される
請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項10】
前記認証情報は、パスフレーズおよびPSK(Pre Shared Key)の少なくとも1つを含む
請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項11】
無線通信端末と無線で通信を実行するアクセスポイントであって、
第1の制御回路および第1の無線通信機を有し、
前記無線通信端末は、第2の制御回路、第2の無線通信機、およびメモリを有し、
前記第2の制御回路が前記第2の無線通信機を使用してセットアップ処理を前記アクセスポイントと実行したとき、前記メモリは、前記アクセスポイントから受信された認証情報を記憶し、
前記第2の制御回路は、前記第2の無線通信機を使用してスキャンを実行することにより、1つ以上のアクセスポイントを検出し、
前記第2の制御回路は、第1のAPが前記1つ以上のアクセスポイントに含まれるか否かを判断し、前記第1のAPは、前記セットアップ処理を前記無線通信端末と過去に実行したアクセスポイントであって、かつ、前記第2の無線通信機が最後に無線で接続したアクセスポイントであり、
前記第2の制御回路は、第2のAPが前記1つ以上のアクセスポイントに含まれるか否かを判断し、前記第2のAPは、前記セットアップ処理を前記無線通信端末と実行できる状態にあるアクセスポイントであり、
前記第2の無線通信機が、前記1つ以上のアクセスポイントのいずれとも無線で接続していないとき、前記第2の制御回路は、選択処理を実行することにより、第1のモードと第2のモードとのいずれか1つを選択し、前記第1のモードは、前記セットアップ処理が実行されない動作モードであり、前記第2のモードは、前記セットアップ処理が実行される動作モードであり、
前記第2の制御回路が前記選択処理において前記第1のモードを選択し、かつ前記1つ以上のアクセスポイントに前記第1のAPが含まれない場合、前記第2の制御回路は、前記第2の無線通信機を前記1つ以上のアクセスポイントのいずれとも無線で接続させず、
前記第2の制御回路が前記選択処理において前記第1のモードを選択し、かつ前記1つ以上のアクセスポイントに前記第1のAPが含まれる場合、前記第2の制御回路は、前記セットアップ処理を実行せずに、前記メモリに記憶された前記第1のAPの前記認証情報に基づいて、前記第2の無線通信機に、前記第1のAPと無線で接続させ、かつ前記メモリに記憶された前記第1のAPの前記認証情報に基づいて前記第1のAPと認証処理を実行し、
前記第2の制御回路が前記選択処理において前記第2のモードを選択した場合、前記第2の制御回路は、前記第2のモードが選択された後にユーザが新たな操作を実行したか否かに係わらず、かつ、前記認証情報が前記メモリに記憶されているか否かに係わらず、前記第2の無線通信機に、セットアップ情報を第2のAPへ送信させ、かつ前記第2の無線通信機に、前記第2のAPと前記セットアップ処理を開始させ、前記セットアップ情報は、前記第2の制御回路が前記セットアップ処理を実行できることを示し、
前記セットアップ処理が実行された後、前記第2の制御回路は、前記第2の無線通信機に、前記セットアップ処理を実行した前記第2のAPと無線で接続させ、かつ前記第2の無線通信機が前記セットアップ処理において前記第2のAPから受信した認証情報に基づいて、前記セットアップ処理を実行した前記第2のAPと前記認証処理を実行し、
前記第1の制御回路は、前記認証情報を生成し、
前記第1の無線通信機が前記セットアップ情報を前記無線通信端末から受信しない場合、前記第1の制御回路は、前記セットアップ処理を実行せずに、前記第1の無線通信機に、前記無線通信端末と無線で接続させ、かつ生成された前記認証情報に基づいて前記無線通信端末と前記認証処理を実行し、
前記第1の無線通信機が前記セットアップ情報を前記無線通信端末から受信した場合、前記第1の制御回路は、前記第1の無線通信機に、前記無線通信端末と前記セットアップ処理を開始させ、
前記第1の制御回路は、前記セットアップ処理において、前記第1の無線通信機に、生成された前記認証情報を前記無線通信端末へ送信させ、
前記セットアップ処理が実行された後、前記第1の制御回路は、前記第1の無線通信機に、前記セットアップ処理を実行した前記無線通信端末と無線で接続させ、かつ前記セットアップ処理において前記無線通信端末へ送信された前記認証情報に基づいて、前記セットアップ処理を実行した前記無線通信端末と前記認証処理を実行し、
前記第1の制御回路は、前記セットアップ処理を実行する毎に、既に生成された前記認証情報と異なる前記認証情報を生成する
アクセスポイント。
【請求項12】
アクセスポイントおよび無線通信端末を有する無線通信システムであって、
前記アクセスポイントは、第1の無線通信機および第1の制御回路を有し、
前記無線通信端末は、第2の制御回路、第2の無線通信機、およびメモリを有し、
前記第2の制御回路が前記第2の無線通信機を使用してセットアップ処理を前記アクセスポイントと実行したとき、前記メモリは、前記アクセスポイントから受信された認証情報を記憶し、
前記第2の制御回路は、前記第2の無線通信機を使用してスキャンを実行することにより、1つ以上のアクセスポイントを検出し、
前記第2の制御回路は、第1のAPが前記1つ以上のアクセスポイントに含まれるか否かを判断し、前記第1のAPは、前記セットアップ処理を前記無線通信端末と過去に実行したアクセスポイントであって、かつ、前記第2の無線通信機が最後に無線で接続したアクセスポイントであり、
前記第2の制御回路は、第2のAPが前記1つ以上のアクセスポイントに含まれるか否かを判断し、前記第2のAPは、前記セットアップ処理を前記無線通信端末と実行できる状態にあるアクセスポイントであり、
前記第2の無線通信機が、前記1つ以上のアクセスポイントのいずれとも無線で接続していないとき、前記第2の制御回路は、選択処理を実行することにより、第1のモードと第2のモードとのいずれか1つを選択し、前記第1のモードは、前記セットアップ処理が実行されない動作モードであり、前記第2のモードは、前記セットアップ処理が実行される動作モードであり、
前記第2の制御回路が前記選択処理において前記第1のモードを選択し、かつ前記1つ以上のアクセスポイントに前記第1のAPが含まれない場合、前記第2の制御回路は、前記第2の無線通信機を前記1つ以上のアクセスポイントのいずれとも無線で接続させず、
前記第2の制御回路が前記選択処理において前記第1のモードを選択し、かつ前記1つ以上のアクセスポイントに前記第1のAPが含まれる場合、前記第2の制御回路は、前記セットアップ処理を実行せずに、前記メモリに記憶された前記第1のAPの前記認証情報に基づいて、前記第2の無線通信機に、前記第1のAPと無線で接続させ、かつ前記メモリに記憶された前記第1のAPの前記認証情報に基づいて前記第1のAPと認証処理を実行し、
前記第2の制御回路が前記選択処理において前記第2のモードを選択した場合、前記第2の制御回路は、前記第2のモードが選択された後にユーザが新たな操作を実行したか否かに係わらず、かつ、前記認証情報が前記メモリに記憶されているか否かに係わらず、前記第2の無線通信機に、セットアップ情報を第2のAPへ送信させ、かつ前記第2の無線通信機に、前記第2のAPと前記セットアップ処理を開始させ、前記セットアップ情報は、前記第2の制御回路が前記セットアップ処理を実行できることを示し、
前記セットアップ処理が実行された後、前記第2の制御回路は、前記第2の無線通信機に、前記セットアップ処理を実行した前記第2のAPと無線で接続させ、かつ前記第2の無線通信機が前記セットアップ処理において前記第2のAPから受信した認証情報に基づいて、前記セットアップ処理を実行した前記第2のAPと前記認証処理を実行し、
前記第1の制御回路は、前記認証情報を生成し、
前記第1の無線通信機が前記セットアップ情報を前記無線通信端末から受信しない場合、前記第1の制御回路は、前記セットアップ処理を実行せずに、前記第1の無線通信機に、前記無線通信端末と無線で接続させ、かつ生成された前記認証情報に基づいて前記無線通信端末と前記認証処理を実行し、
前記第1の無線通信機が前記セットアップ情報を前記無線通信端末から受信した場合、前記第1の制御回路は、前記第1の無線通信機に、前記無線通信端末と前記セットアップ処理を開始させ、
前記第1の制御回路は、前記セットアップ処理において、前記第1の無線通信機に、生成された前記認証情報を前記無線通信端末へ送信させ、
前記セットアップ処理が実行された後、前記第1の制御回路は、前記第1の無線通信機に、前記セットアップ処理を実行した前記無線通信端末と無線で接続させ、かつ前記セットアップ処理において前記無線通信端末へ送信された前記認証情報に基づいて、前記セットアップ処理を実行した前記無線通信端末と前記認証処理を実行し、
前記第1の制御回路は、前記セットアップ処理を実行する毎に、既に生成された前記認証情報と異なる前記認証情報を生成する
無線通信システム。
【請求項13】
第1のステップ、第2のステップ、第3のステップ、第4のステップ、第5のステップ、第6のステップ、および第7のステップを有する無線通信端末の無線通信方法であって、
前記無線通信端末は、制御回路、無線通信機、およびメモリを有し、
前記制御回路が前記無線通信機を使用してセットアップ処理をアクセスポイントと実行したとき、前記メモリは、前記アクセスポイントから受信された認証情報を記憶し、
前記制御回路は、前記第1のステップにおいて、前記無線通信機を使用してスキャンを実行することにより、1つ以上のアクセスポイントを検出し、
前記制御回路は、前記第2のステップにおいて、第1のAPが前記1つ以上のアクセスポイントに含まれるか否かを判断し、前記第1のAPは、前記セットアップ処理を前記無線通信端末と過去に実行したアクセスポイントであって、かつ、前記無線通信機が最後に無線で接続したアクセスポイントであり、
前記制御回路は、前記第3のステップにおいて、第2のAPが前記1つ以上のアクセスポイントに含まれるか否かを判断し、前記第2のAPは、前記セットアップ処理を前記無線通信端末と実行できる状態にあるアクセスポイントであり、
前記無線通信機が、前記1つ以上のアクセスポイントのいずれとも無線で接続していないとき、前記制御回路は、前記第4のステップにおいて、選択処理を実行することにより、第1のモードと第2のモードとのいずれか1つを選択し、前記第1のモードは、前記セットアップ処理が実行されない動作モードであり、前記第2のモードは、前記セットアップ処理が実行される動作モードであり、
前記制御回路が前記選択処理において前記第1のモードを選択し、かつ前記1つ以上のアクセスポイントに前記第1のAPが含まれない場合、前記制御回路は、前記無線通信機を前記1つ以上のアクセスポイントのいずれとも無線で接続させず、
前記制御回路が前記選択処理において前記第1のモードを選択し、かつ前記1つ以上のアクセスポイントに前記第1のAPが含まれる場合、前記制御回路は、前記セットアップ処理を実行せずに、前記第5のステップにおいて、前記メモリに記憶された前記第1のAPの前記認証情報に基づいて、前記無線通信機に、前記第1のAPと無線で接続させ、かつ前記メモリに記憶された前記第1のAPの前記認証情報に基づいて前記第1のAPと認証処理を実行し、
前記制御回路が前記選択処理において前記第2のモードを選択した場合、前記制御回路は、前記第2のモードが選択された後にユーザが新たな操作を実行したか否かに係わらず、かつ、前記認証情報が前記メモリに記憶されているか否かに係わらず、前記第6のステップにおいて、前記無線通信機に、セットアップ情報を第2のAPへ送信させ、かつ前記無線通信機に、前記第2のAPと前記セットアップ処理を開始させ、前記セットアップ情報は、前記制御回路が前記セットアップ処理を実行できることを示し、
前記セットアップ処理が実行された後、前記制御回路は、前記第7のステップにおいて、前記無線通信機に、前記セットアップ処理を実行した前記第2のAPと無線で接続させ、かつ前記無線通信機が前記セットアップ処理において前記第2のAPから受信した認証情報に基づいて、前記セットアップ処理を実行した前記第2のAPと前記認証処理を実行する
無線通信端末。
【請求項14】
第1のステップ、第2のステップ、第3のステップ、第4のステップ、第5のステップ、第6のステップ、および第7のステップを無線通信端末の制御回路に実行させるためのプログラムであって、
前記制御回路が前記無線通信端末の無線通信機を使用してセットアップ処理をアクセスポイントと実行したとき、前記無線通信端末のメモリは、前記アクセスポイントから受信された認証情報を記憶し、
前記制御回路は、前記第1のステップにおいて、前記無線通信機を使用してスキャンを実行することにより、1つ以上のアクセスポイントを検出し、
前記制御回路は、前記第2のステップにおいて、第1のAPが前記1つ以上のアクセスポイントに含まれるか否かを判断し、前記第1のAPは、前記セットアップ処理を前記無線通信端末と過去に実行したアクセスポイントであって、かつ、前記無線通信機が最後に無線で接続したアクセスポイントであり、
前記制御回路は、前記第3のステップにおいて、第2のAPが前記1つ以上のアクセスポイントに含まれるか否かを判断し、前記第2のAPは、前記セットアップ処理を前記無線通信端末と実行できる状態にあるアクセスポイントであり、
前記無線通信機が、前記1つ以上のアクセスポイントのいずれとも無線で接続していないとき、前記制御回路は、前記第4のステップにおいて、選択処理を実行することにより、第1のモードと第2のモードとのいずれか1つを選択し、前記第1のモードは、前記セットアップ処理が実行されない動作モードであり、前記第2のモードは、前記セットアップ処理が実行される動作モードであり、
前記制御回路が前記選択処理において前記第1のモードを選択し、かつ前記1つ以上のアクセスポイントに前記第1のAPが含まれない場合、前記制御回路は、前記無線通信機を前記1つ以上のアクセスポイントのいずれとも無線で接続させず、
前記制御回路が前記選択処理において前記第1のモードを選択し、かつ前記1つ以上のアクセスポイントに前記第1のAPが含まれる場合、前記制御回路は、前記セットアップ処理を実行せずに、前記第5のステップにおいて、前記メモリに記憶された前記第1のAPの前記認証情報に基づいて、前記無線通信機に、前記第1のAPと無線で接続させ、かつ前記メモリに記憶された前記第1のAPの前記認証情報に基づいて前記第1のAPと認証処理を実行し、
前記制御回路が前記選択処理において前記第2のモードを選択した場合、前記制御回路は、前記第2のモードが選択された後にユーザが新たな操作を実行したか否かに係わらず、かつ、前記認証情報が前記メモリに記憶されているか否かに係わらず、前記第6のステップにおいて、前記無線通信機に、セットアップ情報を第2のAPへ送信させ、かつ前記無線通信機に、前記第2のAPと前記セットアップ処理を開始させ、前記セットアップ情報は、前記制御回路が前記セットアップ処理を実行できることを示し、
前記セットアップ処理が実行された後、前記制御回路は、前記第7のステップにおいて、前記無線通信機に、前記セットアップ処理を実行した前記第2のAPと無線で接続させ、かつ前記無線通信機が前記セットアップ処理において前記第2のAPから受信した認証情報に基づいて、前記セットアップ処理を実行した前記第2のAPと前記認証処理を実行する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信端末、アクセスポイント、無線通信システム、無線通信方法、およびプログラムに関する。
本願は、2018年7月12日に出願された国際特許出願PCT/JP2018/026311に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線LAN(Local Area Network)のステーション機能を有する通信端末がアクセスポイントによって提供されるネットワーク(インフラストラクチャネットワーク)に参加するためには、通信端末において様々な情報(ネットワーク設定情報)を設定する必要がある。以下では、アクセスポイントはAPと略記される。例えば、ネットワーク設定情報は、ネットワーク識別子(SSID(Service Set Identifier))、認証方式の情報、および暗号化方式の情報である。あるいは、ネットワーク設定情報は、パスフレーズまたはPSK(Pre Shared Key)である。パスフレーズまたはPSKは、暗号化において共通鍵の基となる。ネットワーク情報が設定されるとき、通信端末上およびAP上で様々な設定情報の入力が必要である。この設定情報の入力は複雑であるため、特に無線LAN技術に不慣れなユーザが設定を行うのは困難である。
【0003】
この問題に対処するために、無線LANの業界において標準的な仕組みとしてWi-Fi Protected Setup(TM)が定義されている。以下では、これはWPSと略記される。WPSでは、通信端末は、セットアップ処理を実行することにより、インフラストラクチャネットワークに参加する。セットアップ処理において、APが通信端末を認証するための認証方式が特定される。セットアップ処理において、APと、その認証方式により認証された通信端末との間の無線通信で使用される暗号化方式が特定される。
【0004】
WPSではいくつかの設定方式が規定されている。APが、ネットワークへの参加を希望する通信端末を受け入れる機能を有する場合と、AP以外の他の端末がその機能を有する場合とがある。以下では、APがその機能を有する場合を例に、WPSの各設定方式について説明する。
【0005】
PBC(Push-button Configuration)方式では、参加を希望するネットワークに参加していない通信端末と、そのネットワークを構築したAPとの各々に設けられたボタンをユーザが押す。あるいは、GUI(グラフィカルユーザインタフェース)機能により画面上に現れたボタンをユーザが押す。ボタンが押されたとき、通信端末およびAPは、WPSで定義された固定値を暗号鍵のシードとして使用することにより、セットアップ処理を実行する。
【0006】
PIN(Personal Identification Number)方式では、参加を希望するネットワークに参加していない通信端末において、任意の値を持つPINコードが生成され、かつそのPINコードが表示される。PINコードがセットアップ処理における暗号鍵のシードとしてAPに入力され、かつセットアップ処理が実行される。例えばAPのネットワーク内の他の端末がAPへ接続し、かつブラウザを使用してユーザがその端末に入力したPINコードがその端末からAPへ送信されてもよい。
【0007】
NFC(Near Field Communication)方式では、通信端末とAPとが互いに近づけられ、かつ近距離無線により情報が通信端末およびAPの間で渡される。あるいは、トークンカードが通信端末およびAPに近づけられ、かつトークンカードを経由して通信端末およびAPの間で情報が渡される。これらの方法により、上記のPINコードと同様のシード情報が各端末に入力され、あるいはネットワーク設定情報が各端末に入力される。
【0008】
セットアップ処理により、APは、APが保有するネットワーク設定情報を安全に通信端末に渡すことができる。WPSに基づくネットワーク設定情報の受け渡しが終了した後、通信端末は、渡されたネットワーク設定情報に基づいてネットワーク設定情報を設定できる。パスフレーズまたはPSK等の入力という面倒な作業をユーザが行う必要はない。通信端末は、必要に応じてAPと認証処理を実行し、かつ暗号化されたデータの通信をAPと実行することができる。
【0009】
PCあるいはスマートフォンのような一般的な通信端末が、過去にその通信端末との接続および認証に成功したことがあるAPと接続し、かつそのAPと認証を再度実行する場合がある。近年、APとの接続および認証を自動的に実行するための自動接続が可能になっている。通信端末は、過去の接続および認証において使用されたネットワーク設定情報を記憶する。通信端末は、記憶されたネットワーク設定情報を使用することにより、APと接続し、かつ認証を実行する。自動接続において、ユーザによるネットワーク設定情報の入力あるいはWPSに基づくネットワーク設定情報の入力は必要ない。自動接続のオンとオフとをユーザが設定できる場合が多い。
【0010】
自動接続はこのように便利な機能ではあるが、自動接続が必ずしも有用とは限らない。場合によっては、自動接続のオンとオフとをユーザが切り替える必要がある。ユーザによるネットワーク設定情報の入力あるいはWPSに基づくネットワーク設定情報の入力が必要な場合もある。
【0011】
例えば、以下の場合について説明する。装置群Aは1つ以上の通信端末を含み、各通信端末は、自身が備えるカメラで撮影された映像を配信する。装置群Bは1つ以上のAPを含み、各APは、装置群Aから配信された映像を受信する。1つの通信端末から1つのAPのみに映像が配信される。例えば、装置群Aは1つのみの装置A1を含み、装置群Bは2つの装置B1および装置B2を含む。
【0012】
装置A1が装置B1と接続し、かつ装置B1と認証を実行したことがある場合、装置A1は装置B1のネットワーク設定情報を記憶している。装置B1と装置B2との両方がAPとして動作している。装置A1の自動接続は有効な状態である。装置A1は、記憶されたネットワーク設定情報を使用して装置B1と接続し、かつ装置B1と認証を実行する。装置A1が装置B2と接続しないため、ユーザが装置A1から装置B2への映像の配信を開始させたいとしても装置A1は映像を装置B2へ配信することができない。これは、ユーザの意図に反した状態である。そのため、装置A1が、自動接続を実行せずに装置B2と接続し、かつ装置B2と認証を実行することが望ましい。
【0013】
一方、装置群Aが1つの装置A3のみを含み、かつ装置群Bが1つの装置B3のみを含む場合について説明する。装置A3から装置B3への映像の配信を行うために、ユーザが装置B3のネットワーク設定情報を装置A3に毎回入力するのは不便である。WPSに基づいてネットワーク設定情報が取得される場合、ユーザがネットワーク設定情報を入力する必要はない。しかし、映像の配信が行われる度にWPSに基づいてネットワーク設定情報が取得されるのは不便である。この場合、ユーザが装置B3のネットワーク設定情報を装置A3に入力し、あるいは装置A3がWPSに基づいて装置B3のネットワーク設定情報を取得する。接続および認証に成功した後、装置A3は、その接続および認証に使用されたネットワーク設定情報を記憶する。その後、装置A3は自動接続を実行することが望ましい。
【0014】
特許文献1に開示された技術では、装置がAPと新規に接続する場合、ユーザ操作またはWPSに基づいてネットワーク設定情報が入力され、装置はAPと接続し、かつそのAPと認証を実行する。装置が、過去にその装置と接続したことがあるAPと接続する場合、その装置は、記憶されたネットワーク設定情報に基づいてAPと接続し、かつそのAPと認証を実行する。接続および認証に成功した場合、その装置は上位層において接続処理を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
装置が、記憶されたネットワーク設定情報に基づいて接続および認証を実行している間に、接続先を変更する指示がGUI上で入力される場合がある。あるいは、そのネットワーク設定情報に基づくネットワークが存在しないため、接続および認証に失敗する場合がある。特許文献1に開示された技術では、これらの場合、ユーザ操作またはWPSに基づいてネットワーク設定情報が入力され、その装置はAPと接続し、かつそのAPと認証を実行する。
【0017】
装置群Aおよび装置群Bの両方が1つのみの装置を含む場合、最初にWPSに基づいてネットワーク設定情報が入力される。その後、装置群Aの装置は自動接続を実行できる。しかし、WPSに基づいてネットワーク設定情報を入力するためには、ユーザは接続方法としてWPSを選択し、WPSの方式を選択し、さらにWPSの各方式の開始の指示を入力する必要がある。また、装置群Bが複数の装置を含む場合、記憶されたネットワーク設定情報に基づいて接続および認証が実行されている間に、ユーザは接続先を変更する指示をGUI上で入力する必要がある。その後、ユーザは接続方法としてWPSを選択し、WPSの方式を選択し、さらにWPSの各方式の開始の指示を入力する必要がある。そのため、ユーザにとって操作の負担が大きい。
【0018】
PCあるいはスマートフォンのような一般的な通信端末では、自動接続がオンであり、かつ通信端末が過去に接続したことがあるAPが見つからない場合、ユーザがAPを選択し、かつ通信端末はWPSに基づいてそのAPと接続できる。一般的な通信端末では、自動接続がオフである場合に、ユーザがAPを選択し、かつ通信端末はWPSに基づいてそのAPと接続できる。しかしながら、装置群Bが複数の装置を含み、かつ通信端末が装置群Bのいずれか1つの装置のネットワーク設定情報を有している場合、ユーザは自動接続をオフにし、APを選択し、かつWPS開始のトリガを入力する必要がある。ユーザが操作を繰り返す必要があるため、ユーザにとって操作の負担が大きい。
【0019】
本発明は、接続および認証に係わるユーザの操作の負担を減らすことができる無線通信端末、アクセスポイント、無線通信システム、無線通信方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の第1の態様によれば、無線通信端末は、制御回路、無線通信機、およびメモリを有する。前記制御回路が前記無線通信機を使用してセットアップ処理をアクセスポイントと実行したとき、前記メモリは、前記アクセスポイントから受信された認証情報を記憶する。前記制御回路は、前記無線通信機を使用してスキャンを実行することにより、1つ以上のアクセスポイントを検出する。前記制御回路は、第1のAPが前記1つ以上のアクセスポイントに含まれるか否かを判断する。前記第1のAPは、前記セットアップ処理を前記無線通信端末と過去に実行したアクセスポイントであって、かつ、前記無線通信機が最後に無線で接続したアクセスポイントである。前記制御回路は、第2のAPが前記1つ以上のアクセスポイントに含まれるか否かを判断する。前記第2のAPは、前記セットアップ処理を前記無線通信端末と実行できる状態にあるアクセスポイントである。前記無線通信機が、前記1つ以上のアクセスポイントのいずれとも無線で接続していないとき、前記制御回路は、選択処理を実行することにより、第1のモードと第2のモードとのいずれか1つを選択する。前記第1のモードは、前記セットアップ処理が実行されない動作モードである。前記第2のモードは、前記セットアップ処理が実行される動作モードである。前記制御回路が前記選択処理において前記第1のモードを選択し、かつ前記1つ以上のアクセスポイントに前記第1のAPが含まれない場合、前記制御回路は、前記無線通信機を前記1つ以上のアクセスポイントのいずれとも無線で接続させない。前記制御回路が前記選択処理において前記第1のモードを選択し、かつ前記1つ以上のアクセスポイントに前記第1のAPが含まれる場合、前記制御回路は、前記セットアップ処理を実行せずに、前記メモリに記憶された前記第1のAPの前記認証情報に基づいて、前記無線通信機に、前記第1のAPと無線で接続させ、かつ前記メモリに記憶された前記第1のAPの前記認証情報に基づいて前記第1のAPと認証処理を実行する。前記制御回路が前記選択処理において前記第2のモードを選択した場合、前記制御回路は、前記第2のモードが選択された後にユーザが新たな操作を実行したか否かに係わらず、かつ、前記認証情報が前記メモリに記憶されているか否かに係わらず、前記無線通信機に、セットアップ情報を第2のAPへ送信させ、かつ前記無線通信機に、前記第2のAPと前記セットアップ処理を開始させる。前記セットアップ情報は、前記制御回路が前記セットアップ処理を実行できることを示す。前記セットアップ処理が実行された後、前記制御回路は、前記無線通信機に、前記セットアップ処理を実行した前記第2のAPと無線で接続させ、かつ前記無線通信機が前記セットアップ処理において前記第2のAPから受信した認証情報に基づいて、前記セットアップ処理を実行した前記第2のAPと前記認証処理を実行する。
【0021】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様において、前記無線通信機が前記スキャンの実行によって前記1つ以上のアクセスポイントの少なくとも1つから受信した情報に前記セットアップ情報が含まれていない場合、前記制御回路は、前記選択処理において前記第1のモードを選択してもよい。
【0022】
本発明の第3の態様によれば、第1の態様において、前記無線通信機が前記スキャンの実行によって前記1つ以上のアクセスポイントの少なくとも1つから受信した情報に前記セットアップ情報が含まれている場合、前記制御回路は、前記選択処理において前記第2のモードを選択してもよい。
【0023】
本発明の第4の態様によれば、第1の態様において、前記無線通信端末は、報知器をさらに有してもよい。前記無線通信機が前記スキャンの実行によって、前記セットアップ情報を含まない情報を前記1つ以上のアクセスポイントの少なくとも1つから受信し、かつ前記無線通信機が前記スキャンの実行によって、前記セットアップ情報を前記1つ以上のアクセスポイントの少なくとも1つから受信した場合、前記制御回路は、前記選択処理において、前記第1のモードと前記第2のモードとのいずれも選択せずに、前記報知器を使用することにより、エラーの発生をユーザに報知してもよい。
【0024】
本発明の第5の態様によれば、第1の態様において、前記無線通信端末は、前記第1のモードと前記第2のモードとのいずれか1つを選択する操作を受け付ける操作器をさらに有してもよい。前記操作器が、前記第1のモードを選択する操作を受け付けた場合、前記制御回路は、前記選択処理において前記第1のモードを選択してもよい。前記操作器が、前記第2のモードを選択する操作を受け付けた場合、前記制御回路は、前記選択処理において前記第2のモードを選択してもよい。
【0025】
本発明の第6の態様によれば、第1の態様において、前記セットアップ処理が実行される度に、前記制御回路は、前記第2のAPから受信された前記認証情報で、前記メモリに記憶された前記認証情報を更新してもよい。
【0026】
本発明の第7の態様によれば、第1の態様において、前記無線通信機が前記スキャンの実行によって前記セットアップ情報を前記1つ以上のアクセスポイントのいずれか1つのみから受信した場合、前記制御回路は、前記選択処理において前記第1のモードを選択してもよい。前記無線通信機が前記スキャンの実行によって前記セットアップ情報を前記1つ以上のアクセスポイントの少なくとも2つから受信した場合、前記制御回路は、前記選択処理において前記第2のモードを選択してもよい。
【0027】
本発明の第8の態様によれば、第1の態様において、前記無線通信端末は、前記第1のモードと前記第2のモードと第3のモードとのいずれか1つを選択する操作を受け付ける操作器をさらに有してもよい。前記第3のモードは、前記セットアップ情報の受信状況に基づいて前記第1のモードと前記第2のモードとのいずれか1つを選択する動作モードである。前記操作器が、前記第1のモードを選択する操作を受け付けた場合、前記制御回路は、前記選択処理において前記第1のモードを選択してもよい。前記操作器が、前記第2のモードを選択する操作を受け付けた場合、前記制御回路は、前記選択処理において前記第2のモードを選択してもよい。前記操作器が、前記第3のモードを選択する操作を受け付け、かつ前記無線通信機が前記スキャンの実行によって前記セットアップ情報を前記1つ以上のアクセスポイントのいずれか1つのみから受信した場合、前記制御回路は、前記選択処理において前記第1のモードを選択してもよい。前記操作器が、前記第3のモードを選択する操作を受け付け、かつ前記無線通信機が前記スキャンの実行によって前記セットアップ情報を前記1つ以上のアクセスポイントの少なくとも2つから受信した場合、前記制御回路は、前記選択処理において前記第2のモードを選択してもよい。
【0028】
本発明の第9の態様によれば、第1の態様において、前記認証情報は、共通鍵を生成するために使用される情報であり、前記共通鍵はデータ通信の暗号化に使用されてもよい。
【0029】
本発明の第10の態様によれば、第1の態様において、前記認証情報は、パスフレーズおよびPSK(Pre Shared Key)の少なくとも1つを含んでもよい。
【0030】
本発明の第11の態様によれば、アクセスポイントは、無線通信端末と無線で通信を実行する。前記アクセスポイントは、第1の制御回路および第1の無線通信機を有する。前記無線通信端末は、第2の制御回路、第2の無線通信機、およびメモリを有する。前記第2の制御回路が前記第2の無線通信機を使用してセットアップ処理を前記アクセスポイントと実行したとき、前記メモリは、前記アクセスポイントから受信された認証情報を記憶する。前記第2の制御回路は、前記第2の無線通信機を使用してスキャンを実行することにより、1つ以上のアクセスポイントを検出する。前記第2の制御回路は、第1のAPが前記1つ以上のアクセスポイントに含まれるか否かを判断する。前記第1のAPは、前記セットアップ処理を前記無線通信端末と過去に実行したアクセスポイントであって、かつ、前記第2の無線通信機が最後に無線で接続したアクセスポイントである。前記第2の制御回路は、第2のAPが前記1つ以上のアクセスポイントに含まれるか否かを判断する。前記第2のAPは、前記セットアップ処理を前記無線通信端末と実行できる状態にあるアクセスポイントである。前記第2の無線通信機が、前記1つ以上のアクセスポイントのいずれとも無線で接続していないとき、前記第2の制御回路は、選択処理を実行することにより、第1のモードと第2のモードとのいずれか1つを選択する。前記第1のモードは、前記セットアップ処理が実行されない動作モードである。前記第2のモードは、前記セットアップ処理が実行される動作モードである。前記第2の制御回路が前記選択処理において前記第1のモードを選択し、かつ前記1つ以上のアクセスポイントに前記第1のAPが含まれない場合、前記第2の制御回路は、前記第2の無線通信機を前記1つ以上のアクセスポイントのいずれとも無線で接続させない。前記第2の制御回路が前記選択処理において前記第1のモードを選択し、かつ前記1つ以上のアクセスポイントに前記第1のAPが含まれる場合、前記第2の制御回路は、前記セットアップ処理を実行せずに、前記メモリに記憶された前記第1のAPの前記認証情報に基づいて、前記第2の無線通信機に、前記第1のAPと無線で接続させ、かつ前記メモリに記憶された前記第1のAPの前記認証情報に基づいて前記第1のAPと認証処理を実行する。前記第2の制御回路が前記選択処理において前記第2のモードを選択した場合、前記第2の制御回路は、前記第2のモードが選択された後にユーザが新たな操作を実行したか否かに係わらず、かつ、前記認証情報が前記メモリに記憶されているか否かに係わらず、前記第2の無線通信機に、セットアップ情報を第2のAPへ送信させ、かつ前記第2の無線通信機に、前記第2のAPと前記セットアップ処理を開始させる。前記セットアップ情報は、前記第2の制御回路が前記セットアップ処理を実行できることを示す。前記セットアップ処理が実行された後、前記第2の制御回路は、前記第2の無線通信機に、前記セットアップ処理を実行した前記第2のAPと無線で接続させ、かつ前記第2の無線通信機が前記セットアップ処理において前記第2のAPから受信した認証情報に基づいて、前記セットアップ処理を実行した前記第2のAPと前記認証処理を実行する。前記第1の制御回路は、前記認証情報を生成する。前記第1の無線通信機が前記セットアップ情報を前記無線通信端末から受信しない場合、前記第1の制御回路は、前記セットアップ処理を実行せずに、前記第1の無線通信機に、前記無線通信端末と無線で接続させ、かつ生成された前記認証情報に基づいて前記無線通信端末と前記認証処理を実行する。前記第1の無線通信機が前記セットアップ情報を前記無線通信端末から受信した場合、前記第1の制御回路は、前記第1の無線通信機に、前記無線通信端末と前記セットアップ処理を開始させる。前記第1の制御回路は、前記セットアップ処理において、前記第1の無線通信機に、生成された前記認証情報を前記無線通信端末へ送信させる。前記セットアップ処理が実行された後、前記第1の制御回路は、前記第1の無線通信機に、前記セットアップ処理を実行した前記無線通信端末と無線で接続させ、かつ前記セットアップ処理において前記無線通信端末へ送信された前記認証情報に基づいて、前記セットアップ処理を実行した前記無線通信端末と前記認証処理を実行する。前記第1の制御回路は、前記セットアップ処理を実行する毎に、既に生成された前記認証情報と異なる前記認証情報を生成する。
【0031】
本発明の第12の態様によれば、無線通信システムは、アクセスポイントおよび無線通信端末を有する。前記アクセスポイントは、第1の制御回路および第1の無線通信機を有する。前記無線通信端末は、第2の制御回路、第2の無線通信機、およびメモリを有する。前記第2の制御回路が前記第2の無線通信機を使用してセットアップ処理を前記アクセスポイントと実行したとき、前記メモリは、前記アクセスポイントから受信された認証情報を記憶する。前記第2の制御回路は、前記第2の無線通信機を使用してスキャンを実行することにより、1つ以上のアクセスポイントを検出する。前記第2の制御回路は、第1のAPが前記1つ以上のアクセスポイントに含まれるか否かを判断する。前記第1のAPは、前記セットアップ処理を前記無線通信端末と過去に実行したアクセスポイントであって、かつ、前記第2の無線通信機が最後に無線で接続したアクセスポイントである。前記第2の制御回路は、第2のAPが前記1つ以上のアクセスポイントに含まれるか否かを判断する。前記第2のAPは、前記セットアップ処理を前記無線通信端末と実行できる状態にあるアクセスポイントである。前記第2の無線通信機が、前記1つ以上のアクセスポイントのいずれとも無線で接続していないとき、前記第2の制御回路は、選択処理を実行することにより、第1のモードと第2のモードとのいずれか1つを選択する。前記第1のモードは、前記セットアップ処理が実行されない動作モードである。前記第2のモードは、前記セットアップ処理が実行される動作モードである。前記第2の制御回路が前記選択処理において前記第1のモードを選択し、かつ前記1つ以上のアクセスポイントに前記第1のAPが含まれない場合、前記第2の制御回路は、前記第2の無線通信機を前記1つ以上のアクセスポイントのいずれとも無線で接続させない。前記第2の制御回路が前記選択処理において前記第1のモードを選択し、かつ前記1つ以上のアクセスポイントに前記第1のAPが含まれる場合、前記第2の制御回路は、前記セットアップ処理を実行せずに、前記メモリに記憶された前記第1のAPの前記認証情報に基づいて、前記第2の無線通信機に、前記第1のAPと無線で接続させ、かつ前記メモリに記憶された前記第1のAPの前記認証情報に基づいて前記第1のAPと認証処理を実行する。前記第2の制御回路が前記選択処理において前記第2のモードを選択した場合、前記第2の制御回路は、前記第2のモードが選択された後にユーザが新たな操作を実行したか否かに係わらず、かつ、前記認証情報が前記メモリに記憶されているか否かに係わらず、前記第2の無線通信機に、セットアップ情報を第2のAPへ送信させ、かつ前記第2の無線通信機に、前記第2のAPと前記セットアップ処理を開始させる。前記セットアップ情報は、前記第2の制御回路が前記セットアップ処理を実行できることを示す。前記セットアップ処理が実行された後、前記第2の制御回路は、前記第2の無線通信機に、前記セットアップ処理を実行した前記第2のAPと無線で接続させ、かつ前記第2の無線通信機が前記セットアップ処理において前記第2のAPから受信した認証情報に基づいて、前記セットアップ処理を実行した前記第2のAPと前記認証処理を実行する。前記第1の制御回路は、前記認証情報を生成する。前記第1の無線通信機が前記セットアップ情報を前記無線通信端末から受信しない場合、前記第1の制御回路は、前記セットアップ処理を実行せずに、前記第1の無線通信機に、前記無線通信端末と無線で接続させ、かつ生成された前記認証情報に基づいて前記無線通信端末と前記認証処理を実行する。前記第1の無線通信機が前記セットアップ情報を前記無線通信端末から受信した場合、前記第1の制御回路は、前記第1の無線通信機に、前記無線通信端末と前記セットアップ処理を開始させる。前記第1の制御回路は、前記セットアップ処理において、前記第1の無線通信機に、生成された前記認証情報を前記無線通信端末へ送信させる。前記セットアップ処理が実行された後、前記第1の制御回路は、前記第1の無線通信機に、前記セットアップ処理を実行した前記無線通信端末と無線で接続させ、かつ前記セットアップ処理において前記無線通信端末へ送信された前記認証情報に基づいて、前記セットアップ処理を実行した前記無線通信端末と前記認証処理を実行する。前記第1の制御回路は、前記セットアップ処理を実行する毎に、既に生成された前記認証情報と異なる前記認証情報を生成する。
【0032】
本発明の第13の態様によれば、第1のステップ、第2のステップ、第3のステップ、第4のステップ、第5のステップ、第6のステップ、および第7のステップを有する無線通信端末の無線通信方法が提供される。前記無線通信端末は、制御回路、無線通信機、およびメモリを有する。前記制御回路が前記無線通信機を使用してセットアップ処理をアクセスポイントと実行したとき、前記メモリは、前記アクセスポイントから受信された認証情報を記憶する。前記制御回路は、前記第1のステップにおいて、前記無線通信機を使用してスキャンを実行することにより、1つ以上のアクセスポイントを検出する。前記制御回路は、前記第2のステップにおいて、第1のAPが前記1つ以上のアクセスポイントに含まれるか否かを判断する。前記第1のAPは、前記セットアップ処理を前記無線通信端末と過去に実行したアクセスポイントであって、かつ、前記無線通信機が最後に無線で接続したアクセスポイントである。前記制御回路は、前記第3のステップにおいて、第2のAPが前記1つ以上のアクセスポイントに含まれるか否かを判断する。前記第2のAPは、前記セットアップ処理を前記無線通信端末と実行できる状態にあるアクセスポイントである。前記無線通信機が、前記1つ以上のアクセスポイントのいずれとも無線で接続していないとき、前記制御回路は、前記第4のステップにおいて、選択処理を実行することにより、第1のモードと第2のモードとのいずれか1つを選択する。前記第1のモードは、前記セットアップ処理が実行されない動作モードである。前記第2のモードは、前記セットアップ処理が実行される動作モードである。前記制御回路が前記選択処理において前記第1のモードを選択し、かつ前記1つ以上のアクセスポイントに前記第1のAPが含まれない場合、前記制御回路は、前記無線通信機を前記1つ以上のアクセスポイントのいずれとも無線で接続させない。前記制御回路が前記選択処理において前記第1のモードを選択し、かつ前記1つ以上のアクセスポイントに前記第1のAPが含まれる場合、前記制御回路は、前記セットアップ処理を実行せずに、前記第5のステップにおいて、前記メモリに記憶された前記第1のAPの前記認証情報に基づいて、前記無線通信機に、前記第1のAPと無線で接続させ、かつ前記メモリに記憶された前記第1のAPの前記認証情報に基づいて前記第1のAPと認証処理を実行する。前記制御回路が前記選択処理において前記第2のモードを選択した場合、前記制御回路は、前記第2のモードが選択された後にユーザが新たな操作を実行したか否かに係わらず、かつ、前記認証情報が前記メモリに記憶されているか否かに係わらず、前記第6のステップにおいて、前記無線通信機に、セットアップ情報を第2のAPへ送信させ、かつ前記無線通信機に、前記第2のAPと前記セットアップ処理を開始させる。前記セットアップ情報は、前記制御回路が前記セットアップ処理を実行できることを示す。前記セットアップ処理が実行された後、前記制御回路は、前記第7のステップにおいて、前記無線通信機に、前記セットアップ処理を実行した前記第2のAPと無線で接続させ、かつ前記無線通信機が前記セットアップ処理において前記第2のAPから受信した認証情報に基づいて、前記セットアップ処理を実行した前記第2のAPと前記認証処理を実行する。
【0033】
本発明の第14の態様によれば、第1のステップ、第2のステップ、第3のステップ、第4のステップ、第5のステップ、第6のステップ、および第7のステップを無線通信端末の制御回路に実行させるためのプログラムが提供される。前記無線通信端末は、制御回路、無線通信機、およびメモリを有する。前記制御回路が前記無線通信機を使用してセットアップ処理をアクセスポイントと実行したとき、前記メモリは、前記アクセスポイントから受信された認証情報を記憶する。前記制御回路は、前記第1のステップにおいて、前記無線通信機を使用してスキャンを実行することにより、1つ以上のアクセスポイントを検出する。前記制御回路は、前記第2のステップにおいて、第1のAPが前記1つ以上のアクセスポイントに含まれるか否かを判断する。前記第1のAPは、前記セットアップ処理を前記無線通信端末と過去に実行したアクセスポイントであって、かつ、前記無線通信機が最後に無線で接続したアクセスポイントである。前記制御回路は、前記第3のステップにおいて、第2のAPが前記1つ以上のアクセスポイントに含まれるか否かを判断する。前記第2のAPは、前記セットアップ処理を前記無線通信端末と実行できる状態にあるアクセスポイントである。前記無線通信機が、前記1つ以上のアクセスポイントのいずれとも無線で接続していないとき、前記制御回路は、前記第4のステップにおいて、選択処理を実行することにより、第1のモードと第2のモードとのいずれか1つを選択する。前記第1のモードは、前記セットアップ処理が実行されない動作モードである。前記第2のモードは、前記セットアップ処理が実行される動作モードである。前記制御回路が前記選択処理において前記第1のモードを選択し、かつ前記1つ以上のアクセスポイントに前記第1のAPが含まれない場合、前記制御回路は、前記無線通信機を前記1つ以上のアクセスポイントのいずれとも無線で接続させない。前記制御回路が前記選択処理において前記第1のモードを選択し、かつ前記1つ以上のアクセスポイントに前記第1のAPが含まれる場合、前記制御回路は、前記セットアップ処理を実行せずに、前記第5のステップにおいて、前記メモリに記憶された前記第1のAPの前記認証情報に基づいて、前記無線通信機に、前記第1のAPと無線で接続させ、かつ前記メモリに記憶された前記第1のAPの前記認証情報に基づいて前記第1のAPと認証処理を実行する。前記制御回路が前記選択処理において前記第2のモードを選択した場合、前記制御回路は、前記第2のモードが選択された後にユーザが新たな操作を実行したか否かに係わらず、かつ、前記認証情報が前記メモリに記憶されているか否かに係わらず、前記第6のステップにおいて、前記無線通信機に、セットアップ情報を第2のAPへ送信させ、かつ前記無線通信機に、前記第2のAPと前記セットアップ処理を開始させる。前記セットアップ情報は、前記制御回路が前記セットアップ処理を実行できることを示す。前記セットアップ処理が実行された後、前記制御回路は、前記第7のステップにおいて、前記無線通信機に、前記セットアップ処理を実行した前記第2のAPと無線で接続させ、かつ前記無線通信機が前記セットアップ処理において前記第2のAPから受信した認証情報に基づいて、前記セットアップ処理を実行した前記第2のAPと前記認証処理を実行する。
【発明の効果】
【0034】
上記の各態様によれば、無線通信端末、アクセスポイント、無線通信システム、無線通信方法、およびプログラムは、接続および認証に係わるユーザの操作の負担を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の第1の実施形態の通信端末の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態の通信端末の動作の手順を示すフローチャートである。
【
図3】本発明の第1の実施形態における各端末の動作の手順を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態における各端末の動作の手順を示す図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態における各端末の動作の手順を示す図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態の通信端末の構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態の通信端末の動作の手順を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の第2の実施形態における各端末の動作の手順を示す図である。
【
図9】本発明の第3の実施形態の通信端末の構成を示すブロック図である。
【
図10】本発明の第3の実施形態の通信端末の動作の手順を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の第3の実施形態における各端末の動作の手順を示す図である。
【
図12】本発明の第3の実施形態における各端末の動作の手順を示す図である。
【
図13】本発明の第3の実施形態における各端末の動作の手順を示す図である。
【
図14】本発明の第3の実施形態における各端末の動作の手順を示す図である。
【
図15】本発明の第3の実施形態における各端末の動作の手順を示す図である。
【
図16】本発明の第4の実施形態のアクセスポイントの構成を示すブロック図である。
【
図17】本発明の第4の実施形態のアクセスポイントの動作の手順を示すフローチャートである。
【
図18】本発明の第4の実施形態における各端末の動作の手順を示す図である。
【
図19】本発明の第4の実施形態における各端末の動作の手順を示す図である。
【
図20】本発明の第4の実施形態における各端末の動作の手順を示す図である。
【
図21】本発明の第5の実施形態の通信端末の動作の手順を示すフローチャートである。
【
図22】本発明の第5の実施形態の通信端末の動作の手順を示すフローチャートである。
【
図23】本発明の第5の実施形態における各端末の動作の手順を示す図である。
【
図24】本発明の第5の実施形態における各端末の動作の手順を示す図である。
【
図25】本発明の第5の実施形態における各端末の動作の手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。
【0037】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の通信端末101の構成を示す。通信端末101は、無線通信端末である。
図1に示す通信端末101は、制御回路111(第2の制御回路)、通信機121、およびメモリ131を有する。通信機121は、無線通信機(第2の無線通信機)である。
【0038】
通信端末101の概略構成について説明する。制御回路111が通信機121を使用してセットアップ処理をAP(アクセスポイント)と実行したとき、メモリ131は、APから受信された認証情報(WPS認証情報)を記憶する。制御回路111は、通信機121を使用してスキャンを実行することにより、1つ以上のAPを検出する。制御回路111は、第1のAPが、スキャンにより検出された1つ以上のAPに含まれるか否かを判断する。第1のAPは、セットアップ処理を通信端末101と過去に実行したAPであって、かつ、通信機121が最後に無線で接続したAPである。制御回路111は、第2のAPが、スキャンにより検出された1つ以上のAPに含まれるか否かを判断する。第2のAPは、セットアップ処理を通信端末101と実行できる状態にあるAPである。
【0039】
通信機121が、スキャンにより検出された1つ以上のAPのいずれとも無線で接続していないとき、制御回路111は、選択処理を実行することにより、第1のモードと第2のモードとのいずれか1つを選択する。第1のモードは、セットアップ処理が実行されない動作モードである。第2のモードは、セットアップ処理が実行される動作モードである。制御回路111が選択処理において第1のモードを選択し、かつスキャンにより検出された1つ以上のAPに第1のAPが含まれない場合、制御回路111は、通信機121をスキャンにより検出された1つ以上のAPのいずれとも無線で接続させない。制御回路111が選択処理において第1のモードを選択し、かつスキャンにより検出された1つ以上のAPに第1のAPが含まれる場合、制御回路111は、セットアップ処理を実行せずに、メモリ131に記憶された第1のAPの認証情報に基づいて、通信機121に、第1のAPと無線で接続させ、かつメモリ131に記憶された第1のAPの認証情報に基づいて第1のAPと認証処理を実行する。
【0040】
制御回路111が選択処理において第2のモードを選択した場合、制御回路111は、第2のモードが選択された後にユーザが新たな操作を実行したか否かに係わらず、かつ、認証情報がメモリ131に記憶されているか否かに係わらず、通信機121に、セットアップ情報を第2のAPへ送信させ、かつ通信機121に、第2のAPとセットアップ処理を開始させる。セットアップ情報は、制御回路111がセットアップ処理を実行できることを示す。セットアップ処理が実行された後、制御回路111は、通信機121に、セットアップ処理を実行した第2のAPと無線で接続させ、かつ通信機121がセットアップ処理において第2のAPから受信した認証情報に基づいて、セットアップ処理を実行した第2のAPと認証処理を実行する。
【0041】
通信端末101の詳細な構成について説明する。例えば、制御回路111(コントローラ)は、プロセッサである。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、およびGPU(Graphics Processing Unit)の少なくとも1つである。通信端末101は、1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。制御回路111は、専用IC、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、およびFPGA(Field-Programmable Gate Array)の少なくとも1つであってもよい。
【0042】
制御回路111が、プログラムを読み込み、かつ読み込まれたプログラムを実行してもよい。プログラムは、制御回路111の動作を規定する命令を含む。つまり、制御回路111の機能はソフトウェアにより実現されてもよい。そのプログラムは、例えばフラッシュメモリのような「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」により提供されてもよい。そのプログラムは、そのプログラムを保持するコンピュータから、伝送媒体を経由して、あるいは伝送媒体中の伝送波により通信端末101に伝送されてもよい。プログラムを伝送する「伝送媒体」は、情報を伝送する機能を有する媒体である。情報を伝送する機能を有する媒体は、インターネット等のネットワーク(通信網)および電話回線等の通信回線(通信線)を含む。上述したプログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上述したプログラムは、差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。コンピュータに既に記録されているプログラムと差分プログラムとの組合せが、前述した機能を実現してもよい。
【0043】
通信機121は、無線モジュールである。例えば、通信機121は、IEEE802.11に従って通信を実行する。通信機121は、ベースバンド回路122、RF回路123、およびアンテナ124を有する。
【0044】
ベースバンド回路122は、制御回路111からの指示に従いデジタル信号処理を行い、かつデジタル信号をD/A変換によりアナログ信号に変換する。ベースバンド回路122によって生成されたアナログ信号はRF回路123に出力される。また、ベースバンド回路122は、RF回路123から出力されたアナログ信号をA/D変換によりデジタル信号に変換し、かつデジタル信号を処理する。制御回路111は、ベースバンド回路122によってデジタル信号に対して行われる処理のうち、MAC(Media Access Control)層の処理の一部を制御する。MAC層は、データリンク層に含まれる。
【0045】
RF回路123は、ベースバンド回路122から出力されたアナログ信号を搬送波の周波数帯のアナログ信号に変調する。RF回路123によって変調されたアナログ信号は、アンテナ124に出力される。また、RF回路123は、アンテナ124から出力された搬送波の周波数帯のアナログ信号を復調する。RF回路123によって復調されたアナログ信号は、ベースバンド回路122に出力される。アンテナ124は、RF回路123から出力されたアナログ信号を電波に変換し、かつ電波を外部端末に送信する。また、アンテナ124は、外部端末から送信された電波を受信し、かつ受信された電波をアナログ信号に変換する。アンテナ124によって処理されたアナログ信号は、RF回路123に出力される。
【0046】
図1に示す例では、アンテナ124は、通信機121内に配置されている。アンテナ124は、通信機121外に配置されてもよい。
【0047】
制御回路111は、通信機121外に配置され、かつ通信端末101の全体の動作を制御する。制御回路111は、ベースバンド回路122およびメモリ131を制御する。通信端末101が、
図1に示されていない表示部または操作部などを有する場合、制御回路111は、表示部または操作部などを制御する。通信機121内に配置された制御回路が制御回路111の代わりにベースバンド回路122を制御してもよい。その場合、制御回路111は通信機121内の制御回路を制御する。
【0048】
制御回路111は、通信機121を使用することにより、接続要求などの情報をAPに送信する。具体的には、制御回路111は、情報がAPに送信されるように通信機121を制御する。つまり、制御回路111は、APに対する情報を通信機121に送信させる。これによって、通信機121は、情報をAPに送信する。制御回路111は、通信機121を使用することにより、WPS認証情報などの情報をAPから受信する。具体的には、制御回路111は、情報がAPから受信されるように通信機121を制御する。つまり、制御回路111は、APからの情報を通信機121に受信させる。これによって、通信機121は、情報をAPから受信する。
【0049】
メモリ131は、揮発性または不揮発性の記憶媒体である。例えば、メモリ131は、RAM(Random Access Memory)、DRAM(DynamicRandom Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、およびフラッシュメモリの少なくとも1つである。
【0050】
例えば、第1の実施形態において、APはモードスイッチを有する。モードスイッチは、APの動作モードを切り替えるためのスイッチである。APは、モードスイッチの状態に基づいて、APの状態を決定する。APまたは通信端末101がセットアップ処理を実行できる状態は、WPSサポートと定義される。APまたは通信端末101がセットアップ処理を行わずに自動接続を実行できる状態は、WPS非サポートと定義される。
【0051】
通信端末101は、APから送信された情報に基づいて、第1のモードと第2のモードとのいずれか1つを選択する。つまり、通信端末101は、セットアップ処理を実行せずに自動接続を実行するか、セットアップ処理を実行するかを決定する。APの状態がWPSサポートである場合、APは、APがWPSをサポートしていることを示す情報を通信端末101へ送信する。APがWPSをサポートしていることを示す情報が受信されない場合、通信端末101は、第1のモードを選択し、かつ自動接続を実行する。APがWPSをサポートしていることを示す情報が受信された場合、通信端末101は、第2のモードを選択し、かつセットアップ処理を実行する。
【0052】
通信端末101の動作を説明する。
図2は、通信端末101の動作の手順を示す。例えば、通信端末101の電源がオンになったとき、あるいは通信機121がスリープ状態から通常状態に復帰したとき、
図2に示す動作が実行される。
図2に示す動作が開始されたとき、通信端末101は、APに接続していない状態にある。
【0053】
(ステップS101)
制御回路111は、通信機121を使用してスキャンを実行する。例えば、制御回路111は、パッシブスキャンを実行する。制御回路111は、パッシブスキャンにおいてBeaconをAPから受信する。あるいは、制御回路111は、アクティブスキャンを実行する。制御回路111は、アクティブスキャンにおいて、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報(WSC IE)を含むProbe Requestをブロードキャストで送信する。例えば、スキャンは所定時間、実行される。このWSC IEは、セットアップ情報である。
【0054】
(ステップS102)
ステップS101の後、制御回路111は、スキャンによりAPを発見したか否かを判断する。
【0055】
ステップS102において、APを発見しなかったと制御回路111が判断した場合、ステップS101における処理が実行される。つまり、APが発見されるまで、制御回路111はスキャンを繰り返し実行する。
【0056】
(ステップS105)
ステップS102において、APを発見したと制御回路111が判断した場合、制御回路111は、WPS非サポートにあるAPを発見したか否かを判断する。WSC IEを含まないBeaconまたはWSC IEを含まないProbe ResponseがAPから受信された場合、制御回路111は、WPS非サポートにあるAPを発見したと判断する。WSC IEは、APがWPSをサポートしていることを示す。つまり、WSC IEは、APがWPSに基づいてセットアップ処理を実行できることを示す。Probe Responseは、アクティブスキャンが実行されたときにAPから送信されるスキャン応答である。
【0057】
(ステップS108)
ステップS105において、WPS非サポートにあるAPを発見しなかったと制御回路111が判断した場合、制御回路111は、WPSサポートにあるAPを発見したか否かを判断する。制御回路111は、ステップS108における処理を実行することにより、第2のAPがスキャンにより検出された1つ以上のAPに含まれるか否かを判断する。APから受信されたBeaconまたはProbe ResponseがWSC IEを含む場合、制御回路111は、WPSサポートにあるAPを発見したと判断する。ステップS108において、制御回路111がWPSサポートにあるAPを発見しなかったと判断した場合、ステップS101における処理が実行される。
【0058】
(ステップS1051)
ステップS105において、制御回路111がWPS非サポートにあるAPを発見したと判断した場合、制御回路111は第1のモードを選択する。制御回路111は、選択された第1のモードを示す情報をメモリ131に記憶する。第1のモードが選択された状態が継続している場合、制御回路111は、ステップS1051における処理を実行する必要はない。
【0059】
(ステップS106)
ステップS1051の後、制御回路111は、スキャンにより発見されたAPが通信端末101と最後に接続および認証を実行したAPと同じであるか否かを判断する。制御回路111は、ステップS106における処理を実行することにより、第1のAPがスキャンにより検出された1つ以上のAPに含まれるか否かを判断する。
【0060】
例えば、メモリ131は、複数のWPS認証情報を記憶する。通信端末101と最後に接続および認証を実行したAPから受信されたWPS認証情報にのみフラグが付いている。以下の第1の条件および第2の条件が満たされる場合、スキャンにより発見されたAPは、通信端末101と最後に接続および認証を実行したAPと同じである。第1の条件は、スキャンにより発見されたAPのネットワーク識別子と、フラグが付いているWPS認証情報のネットワーク識別子とが同じであることである。第2の条件は、スキャンにより発見されたAPのMACアドレスと、フラグが付いているWPS認証情報のMACアドレスとが同じであることである。
【0061】
通信端末101と最後に接続および認証を実行したAPのネットワーク識別子とそのAPのMACアドレスとが別途メモリ131に記憶されてもよい。そのネットワーク識別子とそのMACアドレスとは、WPS認証情報とは区別される。以下の第3の条件および第4の条件が満たされる場合、スキャンにより発見されたAPは、通信端末101と最後に接続および認証を実行したAPと同じである。第3の条件は、スキャンにより発見されたAPのネットワーク識別子と、別途メモリ131に記憶されたネットワーク識別子とが同じであることである。第4の条件は、スキャンにより発見されたAPのMACアドレスと、別途メモリ131に記憶されたMACアドレスとが同じであることである。
【0062】
メモリ131は、1つのWPS認証情報のみを記憶してもよい。以下の第5の条件および第6の条件が満たされる場合、スキャンにより発見されたAPは、通信端末101と最後に接続および認証を実行したAPと同じである。第5の条件は、スキャンにより発見されたAPのネットワーク識別子と、メモリ131に記憶されたWPS認証情報のネットワーク識別子とが同じであることである。第6の条件は、スキャンにより発見されたAPのMACアドレスと、メモリ131に記憶されたWPS認証情報のMACアドレスとが同じであることである。
【0063】
WPS認証情報はネットワーク設定情報である。WPS認証情報は、共通鍵を生成するために使用される情報である。共通鍵はデータ通信の暗号化に使用される。WPS認証情報は、パスフレーズおよびPSK(Pre Shared Key)の少なくとも1つを含む。WPS認証情報は、パスフレーズおよびPSKのいずれか1つのみを含んでもよい。WPS認証情報は、パスフレーズおよびPSKを含んでもよい。WPS認証情報は、パスフレーズおよびPSKの少なくとも1つに加えて、ネットワーク識別子およびAPのMACアドレスを含む。WPS認証情報は、その他の情報をさらに含むことも可能である。WPS認証情報は、共通鍵を生成するために通信端末101とAPとが実行する認証処理において使用される。共通鍵は、通信端末101とAPとの間における暗号化されたデータの通信に使用される。
【0064】
通信端末101は、表示部を有してもよい。スキャンにより発見されたAPが通信端末101と最後に接続および認証を実行したAPと同じでない場合、制御回路111は、WPSをサポートしている状態にAPを設定することを促す情報を表示部に表示させてもよい。
【0065】
ステップS106において、スキャンにより発見されたAPが通信端末101と最後に接続および認証を実行したAPと同じではないと制御回路111が判断した場合、ステップS101における処理が実行される。この場合、通信端末101と最後に接続および認証を実行したAPはスキャンにより検出されていない。制御回路111は、通信機121をスキャンにより発見された1つ以上のAPのいずれとも無線で接続させない。つまり、制御回路111は、スキャンにより発見された1つ以上のAPのいずれとも通信接続を実行しない。
【0066】
(ステップS107)
ステップS106において、スキャンにより発見されたAPが通信端末101と最後に接続および認証を実行したAPと同じであると制御回路111が判断した場合、制御回路111は、そのAPと通信接続および認証処理を実行する。そのAPの状態は、WPS非サポートにある。制御回路111は、通信接続において、メモリ131に記憶されたWPS認証情報のネットワーク識別子とそのWPS認証情報のMACアドレスとを使用することにより、通信機121に、そのAPと無線で接続させる。接続が完了した後、制御回路111は、メモリ131に記憶されたWPS認証情報のパスフレーズまたはそのWPS認証情報のPSKを使用することにより、例えばWPA2-PSKに基づいてそのAPと認証処理を実行する。
【0067】
制御回路111は、ステップS107の通信接続において、通信機121に、接続要求(Association Request)をAPへ送信させる。この接続要求は、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報(WSC IE)を含まない。制御回路111は、通信機121に、APから送信された接続応答(Association Response)を受信させる。接続応答が、成功を示す情報を含む場合、接続が完了する。ステップS107の通信接続に使用されるネットワーク識別子およびMACアドレスは、ステップS101におけるスキャンにより取得されてもよい。あるいは、ステップS106において、第3の条件および第4の条件が満たされた場合、メモリ131に記憶されたAPのネットワーク識別子とそのAPのMACアドレスとが使用されてもよい。
【0068】
ステップS107においてセットアップ処理は実行されない。通信機121は、ステップS107において、第1のAPと無線で接続する。制御回路111は、ステップS107において、第1のAPと認証処理を実行する。制御回路111は、ステップS107の認証処理において、通信機121に、認証に必要な情報を第1のAPへ送信させる。制御回路111は、ステップS107の認証処理において、通信機121に、認証に必要な情報を第1のAPから受信させる。
【0069】
(ステップS115)
ステップS107の後、制御回路111は、通信機121に、APと無線でデータ通信を実行させる。
【0070】
(ステップS1081)
ステップS108において、制御回路111がWPSサポートにあるAPを発見したと判断した場合、制御回路111は第2のモードを選択する。制御回路111は、選択された第2のモードを示す情報をメモリ131に記憶する。第2のモードが選択された状態が継続している場合、制御回路111は、ステップS1081における処理を実行する必要はない。
【0071】
図2に示す動作では、通信機121がスキャンの実行によって1つ以上のAPの少なくとも1つから受信した情報にWSC IE(セットアップ情報)が含まれていない場合、制御回路111は、選択処理において第1のモードを選択する(ステップS1051)。
図2に示す動作では、通信機121がスキャンの実行によって1つ以上のAPの少なくとも1つから受信した情報にWSC IEが含まれている場合、制御回路111は、選択処理において第2のモードを選択する(ステップS1081)。
【0072】
(ステップS109)
ステップS1081の後、制御回路111は、セットアップ処理を実行できる状態にあるAPを発見したか否かを判断する。セットアップ処理を実行できる状態にあるAPとは、通信端末101に対してセットアップ処理を実行できる状態になったAPである。WPSの方式に基づくトリガが発生したとき、APは、セットアップ処理を実行できる状態になる。例えば、PBC方式では、ボタンが押されたとき、APは、セットアップ処理を実行できる状態になる。NFC方式では、近距離無線通信によって通信端末101とAPとが通信できるとき、APは、セットアップ処理を実行できる状態になる。あるいは、NFC方式では、トークンカードを経由して通信端末101とAPとがタッチされたとき、APは、セットアップ処理を実行できる状態になる。PIN方式では、PINコードをAPに入力できる状態になったとき、APは、セットアップ処理を実行できる状態になる。
【0073】
APがセットアップ処理を実行できる状態になったとき、APから送信されるBeaconのWSC IEおよびProbe ResponseのWSC IEにおいて、Selected Registrarに1がセットされる。このSelected Registrarは、WPS認証情報を送信する装置がセットアップ処理を実行できるか否かを示す。通信端末101は、BeaconのWSC IEにセットされた値またはProbe ResponseのWSC IEにセットされた値に基づいて、APがセットアップ処理を実行できるか否かを判断することができる。ステップS109において、セットアップ処理を実行できる状態にあるAPを発見しなかったと制御回路111が判断した場合、ステップS101における処理が実行される。
【0074】
(ステップS110)
ステップS109において、セットアップ処理を実行できる状態にあるAPを発見したと制御回路111が判断した場合、制御回路111は、ステップS109において発見されたAPと通信接続を実行する。制御回路111は、通信接続において、通信機121に、ステップS109において発見されたAPへ接続要求を送信させ、かつそのAPと無線で接続させる。この接続要求は、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報(WSC IE)を含む。
【0075】
ステップS108においてWPSサポートにある複数のAPが発見され、かつ1つのAPのみがセットアップ処理を実行できる場合、通信端末101は、そのAPと接続する。複数のAPがセットアップ処理を実行でき、かつAPが扱うWPSの方式がPBCである場合、制御回路111は、WPSの仕様に従ってエラーを発生させ、かつ処理を終了する。これは、
図2に示されていない。APが扱うWPSの方式は、後述するDevice Password IDによって示される。
【0076】
制御回路111は、ステップS110の通信接続において、通信機121に、接続要求(Association Request)をAPへ送信させる。この接続要求は、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報(WSC IE)を含む。制御回路111は、通信機121に、APから送信された接続応答(Association Response)を受信させる。接続応答が、成功を示す情報を含む場合、接続が完了する。ステップS110の通信接続に使用されるネットワーク識別子およびMACアドレスは、ステップS101におけるスキャンにより取得される。
【0077】
ステップS110よりも後のステップにおける処理の対象となるAPは、ステップS110において通信端末101と接続を完了したAPである。ステップS109において、セットアップ処理を実行できる状態にあるAPが発見された後、ユーザが通信端末101のUI上でWPSの方式を選択する操作は必要ない。WPSの方式がPBCである場合には、ステップS109において、セットアップ処理を実行できる状態にあるAPが発見された後、ユーザが通信端末101のボタンを押す必要はない。
【0078】
(ステップS111)
ステップS110の後、制御回路111は、APとセットアップ処理を実行する。セットアップ処理を行うためのWPSの方式は、常に1つの方式に固定されてもよい。ステップS111よりも前にWPSの方式が設定され、かつ制御回路111は、ステップS111においてその方式に基づいてセットアップ処理を実行してもよい。制御回路111は、Device Password IDの値に基づく方式を選択し、かつ選択された方式に基づいてセットアップ処理を実行してもよい。Device Password IDは、APから受信されるBeaconまたはAPから受信されるProbe Responseに含まれるWSC IE内の値である。
【0079】
例えば、APから受信されたDevice Password IDがPBCを示す場合、制御回路111は、PBCに基づいてセットアップ処理を実行する。APから受信されたDevice Password IDがPINを示す場合、制御回路111は、PINに基づいてセットアップ処理を実行し、かつ表示部にPINコードを表示させる。APから受信されたDevice Password IDがNFCを示す場合、制御回路111は、NFCに基づいてセットアップ処理を実行し、かつ表示部へのメッセージの表示などによりユーザにタッチを促す。
【0080】
セットアップ処理が正常に終了した場合、WPS認証情報がAPから通信端末101へ送信される。制御回路111は、通信機121に、WPS認証情報を第2のAPから受信させる。
【0081】
(ステップS112)
ステップS111の後、制御回路111は、APから受信されたWPS認証情報をメモリ131に記憶する。したがって、セットアップ処理が実行された後、制御回路111は、第2のAPから受信された認証情報をメモリ131に記憶する。メモリ131は、複数のAPのWPS認証情報を記憶してもよい。制御回路111は、APから受信されたWPS認証情報をメモリ131に記憶するとき、メモリ131に既に記憶された他のWPS認証情報を削除しなくてもよい。
【0082】
(ステップS113)
ステップS112の後、制御回路111は、ステップS110において接続したAPとの接続を切断する。APが切断のための処理を開始したことを契機として接続が切断されてもよい。セットアップ処理が終了した後に所定時間が経過してもAPが接続を切断しない場合、通信端末101が接続を切断してもよい。切断は、DeauthenticationまたはDisassociationの送信により実行される。
【0083】
(ステップS114)
ステップS113の後、制御回路111は、APと通信接続および認証処理を実行する。制御回路111は、通信接続において、ステップS112においてメモリ131に記憶されたWPS認証情報のネットワーク識別子とそのWPS認証情報のMACアドレスとを使用することにより、通信機121に、APと無線で接続させる。接続が完了した後、制御回路111は、ステップS112においてメモリ131に記憶されたWPS認証情報のパスフレーズまたはそのWPS認証情報のPSKを使用することにより、例えばWPA2-PSKに基づいてそのAPと認証処理を実行する。
【0084】
制御回路111は、ステップS114の通信接続において、通信機121に、接続要求(Association Request)をAPへ送信させる。この接続要求は、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報(WSC IE)を含まない。制御回路111は、通信機121に、APから送信された接続応答(Association Response)を受信させる。接続応答が、成功を示す情報を含む場合、接続が完了する。ステップS114の通信接続に使用されるネットワーク識別子およびMACアドレスは、ステップS113の後に実行されるスキャンにより取得されてもよい。そのスキャンは、
図2に示されていない。ステップS114の後、ステップS115における処理が実行される。
【0085】
ステップS1081において第2のモードが選択された後にユーザが新たな操作を実行したか否かに係わらず、通信端末101は、ステップS110において、第2のAPと無線で接続する。WPS認証情報がメモリ131に記憶されているか否かに係わらず、通信端末101は、ステップS110において、第2のAPと無線で接続する。制御回路111は、ステップS114の認証処理において、通信機121に、認証に必要な情報を第2のAPへ送信させる。制御回路111は、ステップS114の認証処理において、通信機121に、認証に必要な情報を第2のAPから受信させる。
【0086】
通信端末101は、セットアップ処理を実行するために、ステップS110においてAPと接続する。ステップS110において送信される接続要求は、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報(WSC IE)を含む。そのため、通信端末101およびAPは、ステップS111においてセットアップ処理のための通信を実行する。セットアップ処理の通信における暗号化の状態は、ステップS114およびステップS115の通信における暗号化の状態と異なる。IEEE802.11の仕様では、ステップS110において確立された通信接続が継続する場合、セットアップ処理により取得されたパスフレーズまたはPSKを使用する暗号化は実行されない。認証処理およびデータ通信を実行するために、ステップS113において接続が切断され、かつステップS114において通信端末101はAPと再度接続する。ステップS114において送信される接続要求は、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報(WSC IE)を含まない。そのため、通信端末101およびAPは、ステップS114において認証処理のための通信を実行し、かつステップS115においてデータ通信を実行する。
【0087】
セットアップ処理が実行される度に、制御回路111は、第2のAPから受信されたWPS認証情報で、メモリ131に記憶されたWPS認証情報を更新してもよい。例えば、メモリ131は、1つのAPのみのWPS認証情報を記憶する。ステップS112において、制御回路111は、メモリ131に記憶されたWPS認証情報を削除し、かつステップS111の処理により取得されたWPS認証情報をメモリ131に記憶する。これにより、メモリ131に記憶されたWPS認証情報は、新しいWPS認証情報で更新される。
【0088】
ステップS106における処理と、ステップS107における処理との間に、ステップS1051における処理が実行されてもよい。ステップS109における処理と、ステップS110における処理との間に、ステップS1081における処理が実行されてもよい。
【0089】
通信端末およびAPが記憶するパスフレーズまたはPSKが互いに異なることなどの理由により認証処理に失敗する場合がある。その場合、ステップS115におけるデータ通信が実行されずに処理が終了してもよい。あるいは、ステップS115におけるデータ通信が実行されずにステップS101における処理が実行されてもよい。認証処理に失敗し、かつステップS101における処理が実行される場合、認証処理が再度試みられ、かつ認証処理に再度失敗する。認証処理の失敗が繰り返される場合、認証処理が所定の回数だけ失敗したことを契機として処理が終了してもよい。
【0090】
ステップS102において、APを発見したと制御回路111が判断した場合、ステップS108における処理が実行されてもよい。そのステップS108において、制御回路111がWPSサポートにあるAPを発見しなかったと判断した場合、ステップS105における処理が実行されてもよい。
【0091】
第1の実施形態における各端末の動作の例を説明する。
図3から
図5は、無線通信システム10に含まれる各端末の動作の手順を示す。無線通信システム10は、通信端末101と、2つのAP(AP201およびAP202)とを含む。2つのAPは、最初にWPS非サポートで動作を開始した後、WPSサポートになる。
【0092】
図3は、通信端末101およびAP201が初めてデータ通信を実行する場合において通信端末101およびAP201の各々の動作を示す。AP201は、ユーザの操作に基づいて、セットアップ処理を実行できない状態(WPS非サポート)に設定されている。
【0093】
通信端末101は、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS101)。Probe Requestは、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。通信端末101は、AP201から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201を発見する(ステップS102)。AP201から送信されたスキャン応答は、AP201がWPSをサポートしていることを示す情報を含まないため、通信端末101は、WPS非サポートにあるAPを発見する(ステップS105)。
【0094】
通信端末101は、第1のモードを選択する(ステップS1051)。発見されたAP201は、通信端末101と最後に接続および認証を行ったAPではない(ステップS106)。そのため、通信接続は実行されない。
【0095】
ユーザは、AP201を、セットアップ処理を実行できる状態(WPSサポート)に設定する。
【0096】
通信端末101は、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS101)。Probe Requestは、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。通信端末101は、AP201から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201を発見する(ステップS102)。AP201から送信されたスキャン応答は、AP201がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。APがWPSをサポートしていることを示す情報を含まないスキャン応答は受信されないため、通信端末101は、WPS非サポートにあるAPを発見しない(ステップS105)。APがWPSをサポートしていることを示す情報を含むスキャン応答が受信されたため、通信端末101は、WPSサポートにあるAPを発見する(ステップS108)。
【0097】
通信端末101は、第2のモードを選択する(ステップS1081)。この時点では、AP201において、プッシュボタンの押下あるいはPINコードの入力等は行われていない。そのため、AP201は、WPSの方式に基づく動作を開始しておらず、かつセットアップ処理を実行できない(ステップS109)。
【0098】
その後、AP201において、ユーザによりボタンが押され、かつAP201はPBC方式でセットアップ処理を実行できる状態となる。通信端末101は、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS101)。Probe Requestは、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。通信端末101は、AP201から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201を発見する(ステップS102)。AP201から送信されたスキャン応答は、AP201がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。そのため、通信端末101は、WPSサポートにあるAPを発見する(ステップS105およびステップS108)。
【0099】
通信端末101は、第2のモードを選択する(ステップS1081)。AP201は、セットアップ処理を実行できる(ステップS109)。通信端末101は、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報を含む接続要求をAP201へ送信する。通信端末101は、接続応答をAP201から受信することにより、接続を完了する(ステップS110)。
【0100】
通信端末101およびAP201は、PBC方式に基づいてセットアップ処理を実行する。セットアップ処理において、WPS認証情報がAP201から通信端末101へ送信される(ステップS111)。通信端末101はAP201のWPS認証情報をメモリ131に記憶する(ステップS112)。AP201は通信端末101との接続を切断する(ステップS113)。
【0101】
通信端末101は、メモリ131に記憶されたWPS認証情報のネットワーク識別子と、メモリ131に記憶されたWPS認証情報のMACアドレスとに基づいて、接続要求をAP201へ送信する。その接続要求は、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報を含まない。通信端末101は、接続応答をAP201から受信することにより、接続を完了する。通信端末101は、WPS認証情報のパスフレーズまたはWPS認証情報のPSKを使用することにより、WPA2-PSKに基づいてAP201と認証処理を実行する(ステップS114)。認証が完了した後、通信端末101およびAP201は、データ通信を実行する(ステップS115)。
【0102】
図4は、通信端末101と、WPS非サポートにある2つのAPとの各々の動作を示す。例えば、
図4は、
図3において通信端末101およびAP201がデータ通信を完了した後の各端末の動作を示す。通信端末101およびAP201の少なくとも1つにおいて電源が切られた後、通信端末101およびAP201がデータ通信を実行するために電源が入れられる。このとき、AP201は、ユーザの操作に基づいて、セットアップ処理を実行できない状態(WPS非サポート)に設定されている。AP202の電源も入っており、AP202は、ユーザの操作に基づいて、セットアップ処理を実行できない状態(WPS非サポート)に設定されている。
【0103】
通信端末101は、
図4に示す動作を実行する前に、
図3に示す動作により、AP201と接続および認証を実行している。通信端末101は、AP201のWPS認証情報をメモリ131に記憶している。
【0104】
通信端末101は、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS101)。Probe Requestは、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。通信端末101は、AP201およびAP202の各々から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201およびAP202を発見する(ステップS102)。AP201およびAP202の各々から送信されたスキャン応答は、APがWPSをサポートしていることを示す情報を含まないため、通信端末101は、WPS非サポートにあるAPを発見する(ステップS105)。
【0105】
通信端末101は、第1のモードを選択する(ステップS1051)。AP201は、通信端末101と最後に接続および認証を行ったAPであり、かつWPS非サポートにあるAPはAP201を含む(ステップS106)。そのため、通信端末101は、メモリ131に記憶されたWPS認証情報のネットワーク識別子と、メモリ131に記憶されたWPS認証情報のMACアドレスとに基づいて、接続要求をAP201へ送信する。その接続要求は、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報を含まない。通信端末101は、接続応答をAP201から受信することにより、接続を完了する。通信端末101は、WPS認証情報のパスフレーズまたはWPS認証情報のPSKを使用することにより、WPA2-PSKに基づいてAP201と認証処理を実行する(ステップS107)。認証が完了した後、通信端末101およびAP201は、データ通信を実行する(ステップS115)。
【0106】
図5は、通信端末101と、WPSサポートにある2つのAPとの各々の動作を示す。例えば、
図5は、
図4において通信端末101およびAP201がデータ通信を完了した後の各端末の動作を示す。通信端末101およびAP201の少なくとも1つにおいて電源が切られた後、通信端末101およびAP202がデータ通信を実行するために電源が入れられる。このとき、AP202は、ユーザの操作に基づいて、セットアップ処理を実行できる状態(WPSサポート)に設定されている。AP201の電源も入っており、AP201は、ユーザの操作に基づいて、セットアップ処理を実行できる状態(WPSサポート)に設定されている。
【0107】
通信端末101は、
図5に示す動作を実行する前に、
図4に示す動作により、AP201と接続および認証を実行している。通信端末101は、AP201のWPS認証情報をメモリ131に記憶している。
【0108】
AP202において、ユーザによりボタンが押され、かつAP202はPBC方式でセットアップ処理を実行できる状態となる。通信端末101は、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS101)。Probe Requestは、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。通信端末101は、AP201およびAP202の各々から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201およびAP202を発見する(ステップS102)。AP201から送信されたスキャン応答は、AP201がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。AP202から送信されたスキャン応答は、AP202がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。そのため、通信端末101は、WPSサポートにあるAPを発見する(ステップS105およびステップS108)。
【0109】
通信端末101は、第2のモードを選択する(ステップS1081)。AP202のみがセットアップ処理を実行できる(ステップS109)。通信端末101は、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報を含む接続要求をAP202へ送信する。通信端末101は、接続応答をAP202から受信することにより、接続を完了する(ステップS110)。
【0110】
通信端末101およびAP202は、PBC方式に基づいてセットアップ処理を実行する。セットアップ処理において、WPS認証情報がAP202から通信端末101へ送信される(ステップS111)。通信端末101はAP202のWPS認証情報をメモリ131に記憶する(ステップS112)。AP202は通信端末101との接続を切断する(ステップS113)。
【0111】
通信端末101は、メモリ131に記憶されたWPS認証情報のネットワーク識別子と、メモリ131に記憶されたWPS認証情報のMACアドレスとに基づいて、接続要求をAP202へ送信する。その接続要求は、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報を含まない。通信端末101は、接続応答をAP202から受信することにより、接続を完了する。通信端末101は、WPS認証情報のパスフレーズまたはWPS認証情報のPSKを使用することにより、WPA2-PSKに基づいてAP202と認証処理を実行する(ステップS114)。認証が完了した後、通信端末101およびAP202は、データ通信を実行する(ステップS115)。
【0112】
図5に示す動作では、通信端末101と最後に接続および認証を実行したAP201が存在する。AP201がWPSサポートにあるため、通信端末101はAP201と自動接続を実行しない。
【0113】
本発明の各態様の無線通信方法は、第1のステップ、第2のステップ、第3のステップ、第4のステップ、第5のステップ、第6のステップ、および第7のステップを有する。制御回路111は、第1のステップ(ステップS101)において、通信機121を使用してスキャンを実行することにより、1つ以上のAPを検出する。制御回路111は、第2のステップ(ステップS106)において、第1のAPが、スキャンにより検出された1つ以上のAPに含まれるか否かを判断する。制御回路111は、第3のステップ(ステップS108)において、第2のAPが、スキャンにより検出された1つ以上のAPに含まれるか否かを判断する。通信機121が、スキャンにより検出された1つ以上のAPのいずれとも無線で接続していないとき、制御回路111は、第4のステップ(ステップS1051およびステップS1081)において、選択処理を実行することにより、第1のモードと第2のモードとのいずれか1つを選択する。
【0114】
制御回路111が選択処理において第1のモードを選択し、かつスキャンにより検出された1つ以上のAPに第1のAPが含まれない場合、制御回路111は通信機121を、スキャンにより検出された1つ以上のAPのいずれとも無線で接続させない。制御回路111が選択処理において第1のモードを選択し、かつスキャンにより検出された1つ以上のAPに第1のAPが含まれる場合、制御回路111は、セットアップ処理を実行せずに、第5のステップ(ステップS107)において、メモリ131に記憶された第1のAPの認証情報に基づいて、通信機121に、第1のAPと無線で接続させ、メモリ131に記憶された第1のAPの認証情報に基づいて第1のAPと認証処理を実行する。
【0115】
制御回路111が選択処理において第2のモードを選択した場合、制御回路111は、第2のモードが選択された後にユーザが新たな操作を実行したか否かに係わらず、かつ、認証情報がメモリ131に記憶されているか否かに係わらず、第6のステップ(ステップS110およびステップS111)において、通信機121に、セットアップ情報(WSC IE)を第2のAPへ送信させ、かつ通信機121に、第2のAPとセットアップ処理を開始させる。セットアップ処理が実行された後、制御回路111は、第7のステップ(ステップS114)において、通信機121に、セットアップ処理を実行した第2のAPと無線で接続させ、かつ通信機121がセットアップ処理において第2のAPから受信した認証情報に基づいて、セットアップ処理を実行した第2のAPと認証処理を実行する。
【0116】
本発明の各態様の無線通信方法は、上記の第1から第7のステップに対応する処理以外の処理を有していなくてもよい。
【0117】
1つのみのAPが存在する場合と、2つ以上のAPが存在する場合とのいずれにおいても、第1のモードを選択した通信端末101は、メモリ131に記憶されたWPS認証情報を使用することにより、自動接続と同様の手順でAPと接続し、かつそのAPと認証を実行する。また、上記のいずれの場合においても、第2のモードを選択した通信端末101は、WPS認証情報がメモリ131に記憶されているか否かに係わらず、自動接続を行わずにセットアップ処理を実行する。第2のモードを選択した通信端末101は、セットアップ処理において取得されたWPS認証情報に基づいてAPと接続し、かつそのAPと認証を実行する。
【0118】
第1のモードまたは第2のモードを選択した通信端末101において、ユーザが行う操作の一部が省略される。例えば、ユーザは、自動接続のオンとオフとの切り替え、接続方法(WPS)の選択、WPSの方式の選択、およびPBC方式の開始の指示に関する操作を行う必要がない。そのため、接続および認証に係わるユーザの操作の負担を減らすことができる。ユーザは、PBC方式の開始の指示に関する操作をAP上で行う必要はあるが、その操作を通信端末101上で行う必要はない。
【0119】
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態の通信端末101aの構成を示す。
図1に示す部分と同じ部分の説明を省略する。
【0120】
通信端末101aは、
図1に示す構成に加えて、報知器141を有する。通信機121がスキャンの実行によって、セットアップ情報(WSC IE)を含まない情報を1つ以上のAPの少なくとも1つから受信し、かつ通信機121がスキャンの実行によって、セットアップ情報を1つ以上のAPの少なくとも1つから受信した場合、制御回路111は、選択処理において、第1のモードと第2のモードとのいずれも選択せずに、報知器141を使用することにより、エラーの発生をユーザに報知する。
【0121】
報知器141は、エラーが発生したことをユーザに報知できる部材でありさえすればよい。例えば、報知器141は、文字、図、表、またはパターン等を表示できる部材(液晶ディスプレイなど)であってもよい。その場合、報知器141は、エラーを示す文字、図、表、またはパターン等を表示することによりエラーを報知する。報知器141は、特定の色の光を点灯させる、または光を点滅させることができる光源を有する部材(LEDなど)であってもよい。その場合、報知器141は、特定の色の光を点灯させる、または所定のパターンで光を点滅させることによりエラーを報知する。報知器141は、音を発生できる部材(スピーカなど)であってもよい。その場合、報知器141は、音を発生することによりエラーを報知する。WPSサポートにあるAPと、WPS非サポートにあるAPとの両方が発見された場合、報知器141はエラーを報知する。
【0122】
通信端末101aの動作を説明する。
図7は、通信端末101aの動作の手順を示す。
図2に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0123】
(ステップS103)
ステップS102において、APを発見したと制御回路111が判断した場合、制御回路111は、WPSサポートにあるAPと、WPS非サポートにあるAPとの両方を発見したか否かを判断する。WSC IEを含まないBeaconまたはWSC IEを含まないProbe ResponseがAPから受信された場合、制御回路111は、WPS非サポートにあるAPを発見したと判断する。APから受信されたBeaconまたはProbe ResponseがWSC IEを含む場合、制御回路111は、WPSサポートにあるAPを発見したと判断する。ステップS103において、WPSサポートにあるAPと、WPS非サポートにあるAPとの少なくとも1つを発見しなかったと制御回路111が判断した場合、ステップS105における処理が実行される。
【0124】
(ステップS104)
ステップS103において、WPSサポートにあるAPと、WPS非サポートにあるAPとの両方を発見したと制御回路111が判断した場合、制御回路111は、報知器141を使用することにより、エラーをユーザに報知する。この場合、第1のモードおよび第2のモードは選択されない。ステップS104の後、ステップS101における処理が実行される。
【0125】
ステップS104の後、処理が終了してもよい。WPSサポートにあるAPと、WPS非サポートにあるAPとの両方が所定の回数発見された場合に処理が終了してもよい。
【0126】
第2の実施形態における各端末の動作の例を説明する。
図8は、無線通信システム10aに含まれる各端末の動作の手順を示す。無線通信システム10aは、通信端末101aと、2つのAP(AP201およびAP202)とを含む。
図8は、通信端末101aと、WPSサポートにあるAP201と、WPS非サポートにあるAP202との各々の動作を示す。AP201は、ユーザの操作に基づいて、セットアップ処理を実行できる状態(WPSサポート)に設定されている。AP202は、ユーザの操作に基づいて、セットアップ処理を実行できない状態(WPS非サポート)に設定されている。
【0127】
通信端末101aは、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS101)。Probe Requestは、通信端末101aがWPSをサポートしていることを示す情報を含む。通信端末101aは、AP201およびAP202の各々から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201およびAP202を発見する(ステップS102)。AP201から送信されたスキャン応答は、AP201がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。AP202から送信されたスキャン応答は、AP202がWPSをサポートしていることを示す情報を含まない。そのため、通信端末101aは、WPSサポートにあるAPと、WPS非サポートにあるAPとの両方を発見する(ステップS103)。
【0128】
通信端末101aは、エラーをユーザに報知する(ステップS104)。その後、通信端末101aは、ブロードキャストによりアクティブスキャンを実行する。この動作は
図8に示されていない。
【0129】
WPSサポートにあるAPと、WPS非サポートにあるAPとの両方が発見された場合、自動接続は実行されず、かつセットアップ処理は実行されない。そのため、通信端末101aが間違ったAPと接続しにくくなる。例えば、通信端末101aがWPS非サポートにあるAPと自動接続を実行したいにもかかわらず、WPSサポートにあるAPとセットアップ処理を実行することが回避される。あるいは、通信端末101aがWPSサポートにあるAPとセットアップ処理を実行したいにもかかわらず、WPS非サポートにあるAPと自動接続することが回避される。したがって、接続をやり直すための余分な操作を省くことができる。そのため、接続および認証に係わるユーザの操作の負担を減らすことができる。
【0130】
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態の通信端末101bの構成を示す。
図1に示す部分と同じ部分の説明を省略する。
【0131】
通信端末101bは、
図1に示す構成に加えて、操作器151を有する。操作器151は、第1のモードと第2のモードとのいずれか1つを選択する操作を受け付ける。操作器151が、第1のモードを選択する操作を受け付けた場合、制御回路111は、選択処理において第1のモードを選択する。操作器151が、第2のモードを選択する操作を受け付けた場合、制御回路111は、選択処理において第2のモードを選択する。
【0132】
操作器151は、ユーザインターフェースである。操作器151は、ユーザが動作モードを選択するための部材である。操作器151は、択一的な選択が可能な部材である。ユーザが操作器151を操作することにより2つのモードのうちの1つを選択した場合、その他のモードが自動的に非選択状態となる。操作器151は、択一的な選択を機械的に実現するモードスイッチであってもよい。例えば、操作器151は、トグルスイッチ、スライドスイッチ、あるいはロータリースイッチであってもよい。操作器151は、メニューにおける所定の項目を択一的に選択する指示を入力するための部材であってもよい。例えば、メニューは、
図9に示されない表示部上に表示される。あるいは、メニューは、
図9に示されないスピーカから音声で出力される。例えば、操作器151は、キーボード、マウス、あるいはタッチパネルであってもよい。操作器151は、音声入力による指示のためのマイクであってもよい。操作器151は、視線による指示のための映像入力機器(カメラなど)であってもよい。
【0133】
第1のモードが選択された状態で、通信端末101bがWPSサポートにあるAPを発見した場合であっても、通信端末101bは、そのAPがセットアップ処理を実行できる状態になることを待たず、かつそのAPとセットアップ処理を実行しない。第2のモードが選択された状態で、通信端末101bが、通信端末101bと最後に接続および認証を実行したAPと同じAPを発見した場合であっても、通信端末101bはそのAPと接続せず、かつそのAPと認証処理を実行しない。
【0134】
通信端末101bの動作を説明する。
図10は、通信端末101bの動作の手順を示す。
図2に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0135】
(ステップS121)
制御回路111は、操作器151の状態を確認することにより、通信端末101bに設定された動作モードを取得する。操作器151により通信端末101bの動作モードが設定される場合、制御回路111は、通信端末101bに設定された動作モードを検出する。
【0136】
(ステップS122)
ステップS121の後、制御回路111は、ステップS121において取得された動作モードが第2のモードであるか否かを判断する。動作モードが第2のモードである場合、制御回路111は第2のモードを選択する。動作モードが第2のモードでない場合、制御回路111は第1のモードを選択する。
【0137】
ステップS122において、動作モードが第2のモードであると制御回路111が判断した場合、ステップS101における処理が実行される。ステップS101の後、ステップS108における処理が実行される。ステップS108において、制御回路111がWPSサポートにあるAPを発見したと判断した場合、ステップS109における処理が実行される。
【0138】
(ステップS123)
ステップS122において、動作モードが第1のモードであると制御回路111が判断した場合、制御回路111は、通信機121を使用してスキャンを実行する。例えば、制御回路111は、パッシブスキャンを実行する。制御回路111は、パッシブスキャンにおいてBeaconをAPから受信する。あるいは、制御回路111は、アクティブスキャンを実行する。制御回路111は、アクティブスキャンにおいて、通信端末101bがWPSをサポートしていることを示す情報(WSC IE)を含まないProbe Requestをブロードキャストで送信する。例えば、スキャンは所定時間、実行される。
【0139】
ステップS123の後、ステップS102における処理が実行される。ステップS102において、APを発見しなかったと制御回路111が判断した場合、ステップS123における処理が実行される。ステップS102において、APを発見したと制御回路111が判断した場合、ステップS106における処理が実行される。ステップS106において、スキャンにより発見されたAPが通信端末101bと最後に接続および認証を実行したAPと同じではないと制御回路111が判断した場合、ステップS123における処理が実行される。
【0140】
(ステップS1071)
ステップS106において、スキャンにより発見されたAPが通信端末101bと最後に接続および認証を実行したAPと同じであると制御回路111が判断した場合、制御回路111は、そのAPと通信接続および認証処理を実行する。そのAPの状態は、WPSサポートであるか非サポートであるかは問わない。制御回路111は、通信接続において、メモリ131に記憶されたWPS認証情報のネットワーク識別子とそのWPS認証情報のMACアドレスとを使用することにより、通信機121に、そのAPと無線で接続させる。接続が完了した後、制御回路111は、メモリ131に記憶されたWPS認証情報のパスフレーズまたはそのWPS認証情報のPSKを使用することにより、例えばWPA2-PSKに基づいてそのAPと認証処理を実行する。ステップS1071の後、ステップS115における処理が実行される。
【0141】
ステップS102において、APを発見しなかったと制御回路111が判断した場合、ステップS121における処理が実行されてもよい。ステップS106において、スキャンにより発見されたAPが通信端末101bと最後に接続および認証を実行したAPと同じではないと制御回路111が判断した場合、ステップS121における処理が実行されてもよい。ステップS106において、スキャンにより発見されたAPが通信端末101bと最後に接続および認証を実行したAPと同じではないと制御回路111が判断した場合、制御回路111は、動作モードを第2のモードに設定することをユーザに促す情報を表示部に表示させてもよい。
【0142】
ステップS108において、制御回路111がWPSサポートにあるAPを発見しなかったと判断した場合、ステップS121における処理が実行されてもよい。ステップS109において、セットアップ処理を実行できる状態にあるAPを発見しなかったと制御回路111が判断した場合、ステップS121における処理が実行されてもよい。
【0143】
第3の実施形態における各端末の動作の例を説明する。
図11から
図15は、無線通信システム10bに含まれる各端末の動作の手順を示す。無線通信システム10bは、通信端末101bと、2つのAP(AP201およびAP202)とを含む。
図3から
図5に示す動作と異なる点を説明する。
【0144】
図11は、第2のモードが動作モードとして設定された通信端末101bと、WPSサポートにあるAP201との各々の動作を示す。AP201は、最初にWPS非サポートで動作を開始した後、WPSサポートになる。AP201は、ユーザの操作に基づいて、セットアップ処理を実行できない状態(WPS非サポート)に設定されている。
【0145】
通信端末101bは動作モードを取得する(ステップS121)。動作モードが第2のモードであるため、通信端末101bは第2のモードを選択する(ステップS122)。
【0146】
通信端末101bは、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS101)。Probe Requestは、通信端末101bがWPSをサポートしていることを示す情報を含む。通信端末101bは、AP201から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201を発見する。AP201から送信されたスキャン応答は、AP201がWPSをサポートしていることを示す情報を含まないため、通信端末101bは、WPSサポートにあるAPを発見することができない(ステップS108)。そのため、通信端末101bはセットアップ処理を実行しない。
【0147】
ユーザは、AP201を、セットアップ処理を実行できる状態(WPSサポート)に設定する。
【0148】
通信端末101bは、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS101)。Probe Requestは、通信端末101bがWPSをサポートしていることを示す情報を含む。通信端末101bは、AP201から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201を発見する。AP201から送信されたスキャン応答は、AP201がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。APがWPSをサポートしていることを示す情報を含むスキャン応答が受信されたため、通信端末101bは、WPSサポートにあるAPを発見する(ステップS108)。
【0149】
この時点では、AP201において、プッシュボタンの押下あるいはPINコードの入力等は行われていない。そのため、AP201は、WPSの方式に基づく動作を開始しておらず、かつセットアップ処理を実行できない(ステップS109)。
【0150】
その後、AP201において、ユーザによりボタンが押され、かつAP201はPBC方式でセットアップ処理を実行できる状態となる。通信端末101bは、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS101)。Probe Requestは、通信端末101bがWPSをサポートしていることを示す情報を含む。通信端末101bは、AP201から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201を発見する。AP201から送信されたスキャン応答は、AP201がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。そのため、通信端末101bは、WPSサポートにあるAPを発見する(ステップS108)。AP201は、セットアップ処理を実行できる(ステップS109)。その後、
図3に示す処理と同様の処理が実行される。
【0151】
図12は、第1のモードが動作モードとして設定された通信端末101bと、WPS非サポートにある2つのAPとの各々の動作を示す。例えば、
図12は、
図11において通信端末101bおよびAP201がデータ通信を完了した後の各端末の動作を示す。AP201およびAP202は、ユーザの操作に基づいて、セットアップ処理を実行できない状態(WPS非サポート)に設定されている。
【0152】
通信端末101bは、
図12に示す動作を実行する前に、
図11に示す動作を実行することにより、AP201と接続および認証を既に実行している。通信端末101bは、AP201のWPS認証情報をメモリ131に記憶している。通信端末101bは動作モードを取得する(ステップS121)。動作モードが第1のモードであるため、通信端末101bは第1のモードを選択する(ステップS122)。
【0153】
通信端末101bは、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS123)。Probe Requestは、通信端末101bがWPSをサポートしていることを示す情報を含まない。通信端末101bは、AP201およびAP202の各々から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201およびAP202を発見する(ステップS102)。AP201は、通信端末101bと最後に接続および認証を行ったAPであり、かつ発見されたAPはAP201を含む(ステップS106)。そのため、通信端末101bは、メモリ131に記憶されたWPS認証情報のネットワーク識別子と、メモリ131に記憶されたWPS認証情報のMACアドレスとに基づいて、接続要求をAP201へ送信する。その接続要求は、通信端末101bがWPSをサポートしていることを示す情報を含まない。通信端末101bは、接続応答をAP201から受信することにより、接続を完了する。通信端末101bは、WPS認証情報のパスフレーズまたはWPS認証情報のPSKを使用することにより、WPA2-PSKに基づいてAP201と認証処理を実行する(ステップS1071)。その後、
図4に示す処理と同様の処理が実行される。
【0154】
図13は、第2のモードが動作モードとして設定された通信端末101bと、WPSサポートにある2つのAPとの各々の動作を示す。例えば、
図13は、
図12において通信端末101bおよびAP201がデータ通信を完了した後の各端末の動作を示す。AP201およびAP202は、ユーザの操作に基づいて、セットアップ処理を実行できる状態(WPSサポート)に設定されている。
【0155】
通信端末101bは、
図13に示す動作を実行する前に、
図12に示す動作により、AP201と接続および認証を実行している。通信端末101bは、AP201のWPS認証情報をメモリ131に記憶している。
【0156】
AP202において、ユーザによりボタンが押され、かつAP202はPBC方式でセットアップ処理を実行できる状態となる。通信端末101bは動作モードを取得する(ステップS121)。動作モードが第2のモードであるため、通信端末101bは第2のモードを選択する(ステップS122)。
【0157】
通信端末101bは、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS101)。Probe Requestは、通信端末101bがWPSをサポートしていることを示す情報を含む。通信端末101bは、AP201およびAP202から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201およびAP202を発見する。AP201から送信されたスキャン応答は、AP201がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。AP202から送信されたスキャン応答は、AP202がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。そのため、通信端末101bは、WPSサポートにあるAPを発見する(ステップS108)。AP202は、セットアップ処理を実行できる(ステップS109)。その後、
図5に示す処理と同様の処理が実行される。
【0158】
図14は、第1のモードが動作モードとして設定された通信端末101bと、WPSサポートにあるAP202と、WPS非サポートにあるAP201との各々の動作を示す。例えば、
図14は、
図13において通信端末101bおよびAP202がデータ通信を完了した後の各端末の動作を示す。通信端末101bにおいて電源が切られた後、通信端末101bおよびAP202がデータ通信を実行するために通信端末101bのモードスイッチが第1のモードに設定される。その後、通信端末101bの電源が入れられる。このとき、AP202は、ユーザの操作に基づいて、セットアップ処理を実行できる状態(WPSサポート)に設定されている。AP201の電源も入っており、AP201は、ユーザの操作に基づいて、セットアップ処理を実行できない状態(WPS非サポート)に設定されている。
【0159】
通信端末101bは、
図14に示す動作を実行する前に、
図13に示す動作により、AP202と接続および認証を実行している。通信端末101bは、AP202のWPS認証情報をメモリ131に記憶している。
【0160】
通信端末101bは動作モードを取得する(ステップS121)。動作モードが第1のモードであるため、通信端末101bは第1のモードを選択する(ステップS122)。
【0161】
通信端末101bは、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS123)。Probe Requestは、通信端末101bがWPSをサポートしていることを示す情報を含まない。通信端末101bは、AP201およびAP202から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201およびAP202を発見する(ステップS102)。AP202は、通信端末101bと最後に接続および認証を行ったAPであり、かつ発見されたAPはAP202を含む(ステップS106)。
【0162】
そのため、通信端末101bは、メモリ131に記憶されたWPS認証情報のネットワーク識別子と、メモリ131に記憶されたWPS認証情報のMACアドレスとに基づいて、接続要求をAP202へ送信する。その接続要求は、通信端末101bがWPSをサポートしていることを示す情報を含まない。通信端末101bは、接続応答をAP202から受信することにより、接続を完了する。通信端末101bは、WPS認証情報のパスフレーズまたはWPS認証情報のPSKを使用することにより、WPA2-PSKに基づいてAP202と認証処理を実行する(ステップS1071)。認証が完了した後、通信端末101bおよびAP202は、データ通信を実行する(ステップS115)。
【0163】
スキャンにより検出されたAP202はWPSサポートにある。しかし、通信端末101bは、AP202がセットアップ処理を実行できる状態になることを待たず、かつAP202とセットアップ処理を実行しない。
【0164】
図15は、第2のモードが動作モードとして設定された通信端末101bと、WPSサポートにあるAP201と、WPS非サポートにあるAP202との各々の動作を示す。例えば、
図15は、
図14において通信端末101bおよびAP202がデータ通信を完了した後の各端末の動作を示す。通信端末101bにおいて電源が切られた後、通信端末101bおよびAP201がデータ通信を実行するために通信端末101bのモードスイッチが第2のモードに設定される。その後、通信端末101bの電源が入れられる。このとき、AP201は、ユーザの操作に基づいて、セットアップ処理を実行できる状態(WPSサポート)に設定されている。AP202は、ユーザの操作に基づいて、セットアップ処理を実行できない状態(WPS非サポート)に設定されている。
【0165】
通信端末101bは、
図15に示す動作を実行する前に、
図14に示す動作により、AP202と接続および認証を実行している。通信端末101bは、AP202のWPS認証情報をメモリ131に記憶している。
【0166】
通信端末101bは動作モードを取得する(ステップS121)。動作モードが第2のモードであるため、通信端末101bは第2のモードを選択する(ステップS122)。
【0167】
通信端末101bは、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS101)。Probe Requestは、通信端末101bがWPSをサポートしていることを示す情報を含む。通信端末101bは、AP201およびAP202から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201およびAP202を発見する。AP201から送信されたスキャン応答は、AP201がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。AP202から送信されたスキャン応答は、AP202がWPSをサポートしていることを示す情報を含まない。APがWPSをサポートしていることを示す情報を含むスキャン応答が受信されたため、通信端末101bは、WPSサポートにあるAPを発見する(ステップS108)。
【0168】
この時点では、AP201において、プッシュボタンの押下あるいはPINコードの入力等は行われていない。そのため、AP201は、WPSの方式に基づく動作を開始しておらず、かつセットアップ処理を実行できない(ステップS109)。
【0169】
その後、AP201において、ユーザによりボタンが押され、かつAP201はPBC方式でセットアップ処理を実行できる状態となる。通信端末101bは、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS101)。Probe Requestは、通信端末101bがWPSをサポートしていることを示す情報を含む。通信端末101bは、AP201およびAP202から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201およびAP202を発見する。AP201から送信されたスキャン応答は、AP201がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。AP202から送信されたスキャン応答は、AP202がWPSをサポートしていることを示す情報を含まない。APがWPSをサポートしていることを示す情報を含むスキャン応答が受信されたため、通信端末101bは、WPSサポートにあるAPを発見する(ステップS108)。AP201は、セットアップ処理を実行できる(ステップS109)。
【0170】
通信端末101bは、通信端末101bがWPSをサポートしていることを示す情報を含む接続要求をAP201へ送信する。通信端末101bは、接続応答をAP201から受信することにより、接続を完了する(ステップS110)。
【0171】
通信端末101bおよびAP201は、PBC方式に基づいてセットアップ処理を実行する。セットアップ処理において、WPS認証情報がAP201から通信端末101bへ送信される(ステップS111)。通信端末101bはAP201のWPS認証情報をメモリ131に記憶する(ステップS112)。AP201は通信端末101bとの接続を切断する(ステップS113)。
【0172】
通信端末101bは、メモリ131に記憶されたWPS認証情報のネットワーク識別子と、メモリ131に記憶されたWPS認証情報のMACアドレスとに基づいて、接続要求をAP201へ送信する。その接続要求は、通信端末101bがWPSをサポートしていることを示す情報を含まない。通信端末101bは、接続応答をAP201から受信することにより、接続を完了する。通信端末101bは、WPS認証情報のパスフレーズまたはWPS認証情報のPSKを使用することにより、WPA2-PSKに基づいてAP201と認証処理を実行する(ステップS114)。認証が完了した後、通信端末101bおよびAP201は、データ通信を実行する(ステップS115)。
【0173】
AP202は、通信端末101bと最後に接続および認証を実行したAPである。しかし、通信端末101bはAP202と接続せず、かつAP202と認証処理を実行しない。
【0174】
1つのみのAPが存在する場合と、2つ以上のAPが存在する場合とのいずれにおいても、第1のモードが設定された通信端末101bは、メモリ131に記憶されたWPS認証情報を使用することにより、自動接続と同様の手順でAPと接続し、かつそのAPと認証を実行する。また、上記のいずれの場合においても、第2のモードが設定された通信端末101bは、WPS認証情報がメモリ131に記憶されているか否かに係わらず、自動接続を行わずにセットアップ処理を実行する。第2のモードが設定された通信端末101bは、セットアップ処理において取得されたWPS認証情報に基づいてAPと接続し、かつそのAPと認証を実行する。
【0175】
第1のモードまたは第2のモードが設定された通信端末101bにおいて、ユーザが行う操作の一部が省略される。例えば、ユーザは、自動接続のオンとオフとの切り替え、接続方法(WPS)の選択、WPSの方式の選択、およびPBC方式の開始の指示に関する操作を行う必要がない。これらの操作は、第1のモードまたは第2のモードを設定する操作に置き換わる。そのため、接続および認証に係わるユーザの操作の負担を減らすことができる。
【0176】
(第4の実施形態)
APは、セットアップ処理においてWPS認証情報を通信端末へ送信する。第1から第3の実施形態において、WPS認証情報が生成されるタイミングは任意である。そのため、APは、セットアップ処理を行う前に既に記憶していたWPS認証情報を通信端末へ送信することができる。つまり、APがWPS認証情報を生成した後、APがWPS認証情報を明示的に変更しない限り、APはセットアップ処理の度に同じWPS認証情報を通信端末へ送信する。
【0177】
本発明の第4の実施形態において、APは、セットアップ処理を実行する度に、WPS認証情報の一部を変更する。具体的には、APは、ネットワーク識別子とパスフレーズ(またはPSK)とのいずれか1つまたは両方を変更する。つまり、APは、セットアップ処理を実行する度に、新しいWPS認証情報を生成する。APは、セットアップ処理を行い、かつ一部が変更されたWPS認証情報を通信端末へ送信する。APは、一部が変更されたWPS認証情報に基づいてネットワークを構築し、そのネットワークを経由して通信端末と接続し、かつ通信端末と認証を実行する。
【0178】
図16は、本発明の第4の実施形態のAP(アクセスポイント)201の構成を示す。
図16に示すAP201は、制御回路211(第1の制御回路)および通信機221を有する。通信機221は、無線通信機(第1の無線通信機)である。
【0179】
AP201の概略構成について説明する。AP201は、第1の実施形態の通信端末101と無線で通信を実行する。制御回路211は、認証情報(WPS認証情報)を生成する。通信機221がセットアップ情報を通信端末101から受信しない場合、制御回路211は、セットアップ処理を実行せずに、通信機221に、通信端末101と無線で接続させ、かつ生成された認証情報に基づいて通信端末101と認証処理を実行する。セットアップ情報は、通信端末101の制御回路111がセットアップ処理を実行できることを示す。通信機221がセットアップ情報を通信端末101から受信した場合、制御回路211は、通信機221に、通信端末101とセットアップ処理を開始させる。制御回路211は、セットアップ処理において、通信機221に、生成された認証情報を通信端末101へ送信させる。セットアップ処理が実行された後、制御回路211は、通信機221に、セットアップ処理を実行した通信端末101と無線で接続させ、かつセットアップ処理において通信端末101へ送信された認証情報に基づいて、セットアップ処理を実行した通信端末101と認証処理を実行する。制御回路211は、セットアップ処理を実行する毎に、既に生成された認証情報と異なる認証情報を生成する。
【0180】
AP201の詳細な構成について説明する。制御回路211(コントローラ)は、プロセッサである。AP201は、1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。制御回路211は、専用IC、ASIC、およびFPGAの少なくとも1つであってもよい。
【0181】
制御回路211が、プログラムを読み込み、かつ読み込まれたプログラムを実行してもよい。プログラムは、制御回路211の動作を規定する命令を含む。つまり、制御回路211の機能はソフトウェアにより実現されてもよい。そのプログラムは、制御回路111の機能を実現するプログラムと同様に実現される。
【0182】
通信機221は、無線モジュールである。例えば、通信機221は、IEEE802.11に従って通信を実行する。通信機221は、ベースバンド回路222、RF回路223、およびアンテナ224を有する。
【0183】
ベースバンド回路222は、通信機121のベースバンド回路122と同様である。RF回路223は、通信機121のRF回路123と同様である。アンテナ224は、通信機121のアンテナ124と同様である。
【0184】
図16に示す例では、アンテナ224は、通信機221内に配置されている。アンテナ224は、通信機221外に配置されてもよい。
【0185】
制御回路211は、通信機221外に配置され、かつAP201の全体の動作を制御する。制御回路211は、ベースバンド回路222を制御する。AP201が、
図16に示されていない表示部または操作部などを有する場合、制御回路211は、表示部または操作部などを制御する。通信機221内に配置された制御回路が制御回路211の代わりにベースバンド回路222を制御してもよい。その場合、制御回路211は通信機221内の制御回路を制御する。
【0186】
制御回路211は、通信機221を使用することにより、WPS認証情報などの情報を通信端末101に送信する。具体的には、制御回路211は、情報が通信端末101に送信されるように通信機221を制御する。つまり、制御回路211は、通信端末101に対する情報を通信機221に送信させる。これによって、通信機221は、情報を通信端末101に送信する。制御回路211は、通信機221を使用することにより、接続要求などの情報を通信端末101から受信する。具体的には、制御回路211は、情報が通信端末101から受信されるように通信機221を制御する。つまり、制御回路211は、通信端末101からの情報を通信機221に受信させる。これによって、通信機221は、情報を通信端末101から受信する。
【0187】
AP201の動作を説明する。
図17は、AP201の動作の手順を示す。
【0188】
(ステップS201)
制御回路211は、
図16に示されていないメモリにWPS認証情報が記憶されているか否かを判断する。ステップS201において、WPS認証情報がメモリに記憶されていると制御回路211が判断した場合、ステップS203における処理が実行される。
【0189】
(ステップS202)
ステップS201において、WPS認証情報がメモリに記憶されていないと制御回路211が判断した場合、制御回路211は、WPS認証情報を生成する。
【0190】
(ステップS203)
ステップS202の後、制御回路211は、AP201がWPSをサポートしているか否かを判断する。例えば、AP201の出荷時に、AP201の状態がWPSサポートまたはWPS非サポートに設定される。あるいは、ユーザがAP201の状態をWPSサポートまたはWPS非サポートに設定してもよい。ステップS203において、AP201がWPSをサポートしていないと制御回路211が判断した場合、ステップS205における処理が実行される。
【0191】
(ステップS204)
ステップS203において、AP201がWPSをサポートしていると制御回路211が判断した場合、制御回路211は、AP201がWPSをサポートしていることを示す情報の送信設定を実行する。この送信設定が実行された後、AP201が通信端末101へ送信する所定の情報にはWSC IEが含まれる。所定の情報は、Beacon、Probe Response、およびAssociation Responseである。WSC IEは、AP201がWPSをサポートしていることを示す。
【0192】
制御回路211は、通信機221に、Beaconを所定の周期で送信させる。通信機221がProbe Requestを通信端末101から受信した場合、制御回路211は、通信機221に、Probe Responseを通信端末101へ送信させる。通信機221がAssociation Requestを通信端末101から受信した場合、制御回路211は、通信機221に、Association Responseを通信端末101へ送信させる。
【0193】
(ステップS205)
ステップS204の後、制御回路211は、WPS認証情報に基づいてネットワークを構築する。このとき、制御回路211は、ステップS201においてメモリに記憶されているWPS認証情報あるいはステップS202において生成されたWPS認証情報を使用する。制御回路211は、AP201を通信できる状態にする。制御回路211は、WPS認証情報に含まれるネットワーク識別子と、WPS認証情報に含まれるパスフレーズまたはPSKとを適用し、かつ通信端末101からの接続を受け入れる。制御回路211は、通信端末101を認証できる状態になる。以上の過程を経て、制御回路211は、ネットワークを構築する。
【0194】
(ステップS206)
ステップS205の後、制御回路211は、通信機221の状態を監視し、かつ接続要求(Association Request)が通信端末101から受信されたか否かを判断する。ステップS206において接続要求が受信されていないと制御回路211が判断した場合、ステップS206における判断が継続する。
【0195】
(ステップS207)
ステップS206において接続要求が受信されたと制御回路211が判断した場合、制御回路211は、接続要求がWSC IEを含むか否かを判断する。WSC IEは、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す。ステップS207において、接続要求がWSC IEを含まないと制御回路211が判断した場合、ステップS219における処理が実行される。
【0196】
(ステップS208)
ステップS207において、接続要求がWSC IEを含むと制御回路211が判断した場合、制御回路211は、AP201がWPSをサポートしているか否かを判断する。ステップS208における判断は、ステップS203における判断と同様である。ステップS208において、AP201がWPSをサポートしていないと制御回路211が判断した場合、ステップS206における処理が実行される。
【0197】
(ステップS209)
ステップS208において、AP201がWPSをサポートしていると制御回路211が判断した場合、制御回路211は、通信機221に、通信端末101と接続させる。通信機221が通信端末101と接続できた場合、制御回路211は、通信機221に、接続応答(Association Response)を通信端末101へ送信させる。この接続応答は、成功を示す情報を含む。
【0198】
(ステップS210)
ステップS209の後、制御回路211は、ネットワーク識別子とパスフレーズ(またはPSK)とのいずれか1つまたは両方を変更する。制御回路211は、ネットワーク識別子のみを変更してもよい。あるいは、制御回路211は、パスフレーズ(またはPSK)のみを変更してもよい。あるいは、制御回路211は、ネットワーク識別子とパスフレーズ(またはPSK)との両方を変更してもよい。これにより、制御回路211は、新しいWPS認証情報を生成する。
【0199】
メモリに記憶されているWPS認証情報がステップS205において使用された場合、制御回路211は、そのWPS認証情報と異なるWPS認証情報を生成する。ステップS202において生成されたWPS認証情報がステップS205において使用された場合、制御回路211は、そのWPS認証情報と異なるWPS認証情報を生成する。制御回路211は、過去にAP201において生成されたWPS認証情報のいずれとも異なるWPS認証情報を生成してもよい。制御回路211は、変更されたWPS認証情報をメモリに記憶してもよい。
【0200】
(ステップS211)
ステップS210の後、制御回路211は、通信端末101によるセットアップ処理の開始に応じて通信端末101とセットアップ処理を開始する。
【0201】
(ステップS212)
ステップS211の後、制御回路211は、
図16に示されていない操作部がWPSのトリガを受け付けたか否かを判断する。セットアップ処理において、AP201および通信端末101は、多数のメッセージの通信を実行する。セットアップ処理において所定のメッセージが送信されるまでにWPSのトリガが操作部に入力される。例えば、PBC方式のトリガは、操作部のボタンを押す行為(プッシュボタン)あるいはUI上のメニューでプッシュボタンを選択する行為である。PIN方式のトリガは、操作部の操作によりPINコードを入力する行為である。NFC方式のトリガは、AP201をトークンカードあるいは通信端末101と接触させる行為である。
【0202】
WPSのトリガが入力された時点で、AP201は、セットアップ処理を実行できる状態となる。WPSのトリガが入力された後、AP201が通信端末101へ送信する所定の情報には、AP201がセットアップ処理を実行できることを示す情報が含まれる。つまり、BeaconのWSC IEおよびProbe ResponseのWSC IEにおいて、Selected Registrarに1がセットされる。
【0203】
ステップS212において、操作部がWPSのトリガを受け付けていないと制御回路211が判断した場合、ステップS212における判断が継続する。ステップS212における判断と並行して、セットアップ処理が継続する。ステップS212において、操作部がWPSのトリガを受け付けていないと制御回路211が判断した場合、セットアップ処理がエラーにより終了し、かつステップS211における処理が実行されてもよい。
【0204】
(ステップS213)
ステップS212において、操作部がWPSのトリガを受け付けたと制御回路211が判断した場合、制御回路211は、ステップS211において開始されたセットアップ処理を継続する。セットアップ処理が開始されてからステップS212における判断が実行されるまで、AP201および通信端末101は、一部のメッセージの通信を実行する。ステップS213においてAP201および通信端末101は、残りのメッセージの通信を実行する。セットアップ処理が正常に終了した場合、WPS認証情報がAP201から通信端末101へ送信される。制御回路211は、通信機221に、WPS認証情報を通信端末101へ送信させる。
【0205】
(ステップS214)
ステップS213の後、制御回路211は、ステップS209において接続した通信端末101との接続を切断する。例えば、制御回路211は、通信機221に、DeauthenticationまたはDisassociationを通信端末101へ送信させる。通信機221がDeauthenticationまたはDisassociationを通信端末101へ送信する前に通信機221がDeauthenticationまたはDisassociationを通信端末101から受信した場合、接続が切断する。この場合、通信機221はDeauthenticationまたはDisassociationを通信端末101へ送信しなくてもよい。あるいは、通信機221はDeauthenticationまたはDisassociationを通信端末101へ送信してもよい。
【0206】
(ステップS215)
ステップS214の後、制御回路211は、ステップS205において構築されたネットワークを終了する。ネットワークが終了した後、AP201は通信を実行できない。ネットワークが終了した後、AP201は、通信端末101から接続を受け入れることができず、かつ通信端末101を認証することができない。
【0207】
(ステップS216)
ステップS215の後、制御回路211は、ステップS210において変更されたWPS認証情報に基づいてネットワークを構築する。ステップS216における処理は、ステップS205における処理と同様である。
【0208】
(ステップS217)
ステップS216の後、制御回路211は、通信機221の状態を監視し、かつ接続要求(Association Request)が通信端末101から受信されたか否かを判断する。ステップS217において接続要求が受信されていないと制御回路211が判断した場合、ステップS217における判断が継続する。
【0209】
(ステップS218)
ステップS217において接続要求が受信されたと制御回路211が判断した場合、制御回路211は、接続要求がWSC IEを含むか否かを判断する。WSC IEは、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す。ステップS218において、接続要求がWSC IEを含むと制御回路211が判断した場合、ステップS217における処理が実行される。
【0210】
(ステップS219)
ステップS218において、接続要求がWSC IEを含まないと制御回路211が判断した場合、制御回路211は、通信機221に、通信端末101と接続させる。ステップS219における処理は、ステップS209における処理と同様である。
【0211】
(ステップS220)
ステップS219の後、制御回路211は、ステップS210において変更されたWPS認証情報のパスフレーズまたはそのWPS認証情報のPSKを使用することにより、例えばWPA2-PSKに基づいて通信端末101と認証処理を実行する。
【0212】
(ステップS221)
ステップS220の後、制御回路211は、通信機221に、通信端末101と無線でデータ通信を実行させる。
【0213】
ステップS208において、AP201がWPSをサポートしていると制御回路211が判断してからステップS213においてWPS認証情報が通信端末101へ送信されるまでの任意のタイミングでWPS認証情報が変更されてもよい。ステップS202においてWPS認証情報が生成された場合、ステップS210における処理は実行されなくてもよい。
【0214】
通信端末101およびAP201が記憶するパスフレーズまたはPSKが互いに異なることなどの理由により認証処理に失敗する場合がある。その場合、ステップS221におけるデータ通信が実行されずに処理が終了してもよい。あるいは、ステップS221におけるデータ通信が実行されずにステップS206における処理が実行されてもよい。認証処理に失敗し、かつステップS206における処理が実行される場合、認証処理が再度試みられ、かつ認証処理に再度失敗する。認証処理の失敗が繰り返される場合、認証処理が所定の回数だけ失敗したことを契機として処理が終了してもよい。
【0215】
AP201の電源がオフになる、あるいは通信機221の電源がオフになる場合、制御回路211は、ステップS216において構築されたネットワークを終了する。これは、
図17に示されていない。ステップS221におけるデータ通信が終了した後、制御回路211はネットワークを終了してもよい。あるいは、ステップS221におけるデータ通信が終了した後、制御回路211はネットワークを終了しなくてもよい。
【0216】
上記の説明では、AP201は通信端末101と通信を実行する。AP201は、
図6に示す通信端末101aまたは
図9に示す通信端末101bと通信を実行してもよい。
【0217】
第4の実施形態における各端末の動作の例を説明する。
図18から
図20は、無線通信システム10cに含まれる各端末の動作の手順を示す。無線通信システム10cは、2つの通信端末(通信端末101および通信端末102)と、AP201とを含む。
【0218】
図18は、通信端末101と、WPSサポートにあるAP201との各々の動作を示す。
図18は、通信端末101およびAP201が初めてデータ通信を実行する場合において通信端末101およびAP201の各々の動作を示す。AP201は、通信端末101および通信端末102のいずれともデータ通信を実行したことがなく、かつWPS認証情報を保持していない。AP201は、ユーザの操作に基づいて、セットアップ処理を実行できる状態(WPSサポート)に設定されている。通信端末101は、第1の実施形態における動作を実行する。
【0219】
AP201は、WPS認証情報を保持していない(ステップS201)。そのため、AP201は、WPS認証情報を生成する(ステップS202)。
図18に示す例では、WPS認証情報に含まれるネットワーク識別子はAAAAであり、かつWPS認証情報に含まれるパスフレーズはBBBBである。AP201は、WPSをサポートしている(ステップS203)。そのため、AP201が送信する情報は、AP201がWPSをサポートすることを示す情報を含む(ステップS204)。AP201は、ネットワーク識別子AAAAおよびパスフレーズBBBBを使用してネットワークを構築する(ステップS205)。
【0220】
通信端末101は、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS101)。Probe Requestは、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。通信端末101は、AP201から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201を発見する(ステップS102)。AP201から送信されたスキャン応答は、AP201がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。APがWPSをサポートしていることを示す情報を含まないスキャン応答は受信されないため、通信端末101は、WPS非サポートにあるAPを発見しない(ステップS105)。APがWPSをサポートしていることを示す情報を含むスキャン応答が受信されたため、通信端末101は、WPSサポートにあるAPを発見する(ステップS108)。
【0221】
通信端末101は、第2のモードを選択する(ステップS1081)。この時点では、AP201において、プッシュボタンの押下あるいはPINコードの入力等は行われていない。そのため、AP201は、WPSの方式に基づく動作を開始しておらず、かつセットアップ処理を実行できない(ステップS109)。
【0222】
その後、AP201において、ユーザによりボタンが押され、かつAP201はPBC方式でセットアップ処理を実行できる状態となる。そのため、AP201が送信する情報は、AP201がセットアップ処理を実行できることを示す情報を含む。
【0223】
通信端末101は、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS101)。Probe Requestは、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。通信端末101は、AP201から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201を発見する(ステップS102)。AP201から送信されたスキャン応答は、AP201がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。そのため、通信端末101は、WPSサポートにあるAPを発見する(ステップS105およびステップS108)。
【0224】
通信端末101は、第2のモードを選択する(ステップS1081)。AP201は、セットアップ処理を実行できる(ステップS109)。通信端末101は、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報を含む接続要求をAP201へ送信する。
【0225】
AP201は、通信端末101から送信された接続要求を受信する(ステップS206)。接続要求は、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報を含む(ステップS207)。AP201は、WPSサポートにある(ステップS208)。そのため、AP201は、接続応答を通信端末101へ送信する(ステップS209)。
【0226】
AP201は、WPS認証情報におけるネットワーク識別子をCCCCに変更し、かつWPS認証情報におけるパスフレーズをDDDDに変更する(ステップS210)。AP201は、通信端末101とセットアップ処理を開始する(ステップS211)。AP201においてボタンが既に押されているため、AP201はWPSのトリガを受け付けている(ステップS212)。
【0227】
AP201は、PBC方式に基づいて通信端末101とセットアップ処理を実行する。セットアップ処理において、AP201はWPS認証情報を通信端末101へ送信する(ステップS213)。AP201は通信端末101との接続を切断する(ステップS214)。AP201はネットワークを終了する(ステップS215)。
【0228】
通信端末101は、接続応答をAP201から受信することにより、接続を完了する(ステップS110)。通信端末101は、PBC方式に基づいてAP201とセットアップ処理を実行する。セットアップ処理において、通信端末101はWPS認証情報をAP201から受信する(ステップS111)。通信端末101はAP201のWPS認証情報をメモリ131に記憶する(ステップS112)。AP201は通信端末101との接続を切断する(ステップS113)。
【0229】
AP201は、変更されたネットワーク識別子CCCCおよび変更されたパスフレーズDDDDを使用してネットワークを構築する(ステップS216)。
【0230】
通信端末101は、メモリ131に記憶されたWPS認証情報のネットワーク識別子と、メモリ131に記憶されたWPS認証情報のMACアドレスとに基づいて、接続要求をAP201へ送信する。その接続要求は、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報を含まない(ステップS114)。
【0231】
AP201は、接続要求を受信する(ステップS217)。接続要求は、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報を含まない(ステップS218)。そのため、AP201は、接続応答を通信端末101へ送信する(ステップS219)。AP201は、WPS認証情報のパスフレーズDDDDを使用することにより、WPA2-PSKに基づいて通信端末101と認証処理を実行する(ステップS220)。認証が完了した後、AP201は、データ通信を通信端末101と実行する(ステップS221)。
【0232】
通信端末101は、接続応答をAP201から受信することにより、接続を完了する。通信端末101は、WPS認証情報のパスフレーズDDDDを使用することにより、WPA2-PSKに基づいてAP201と認証処理を実行する(ステップS114)。認証が完了した後、通信端末101は、データ通信をAP201と実行する(ステップS115)。
【0233】
図19は、通信端末102と、WPSサポートにあるAP201との各々の動作を示す。
図19は、AP201がデータ通信を通信端末101と実行した後、AP201が初めてデータ通信を通信端末102と実行する場合における通信端末102およびAP201の各々の動作を示す。AP201は、
図18に示す動作の結果として、ネットワーク識別子CCCCとパスフレーズDDDDとを含むWPS認証情報を記憶している。このとき、AP201は、ユーザの操作に基づいて、セットアップ処理を実行できる状態(WPSサポート)に設定されている。通信端末102は、第1の実施形態における動作を実行する。
【0234】
AP201は、WPS認証情報を保持している(ステップS201)。そのため、AP201は、WPS認証情報を生成しない。
【0235】
その後の動作は、
図18に示す動作と同様である。
図18に示す動作におけるネットワーク識別子AAAAは、
図19に示す動作におけるネットワーク識別子CCCCに置き換わる。
図18に示す動作におけるネットワーク識別子CCCCは、
図19に示す動作におけるネットワーク識別子EEEEに置き換わる。
図18に示す動作におけるパスフレーズBBBBは、
図19に示す動作におけるパスフレーズDDDDに置き換わる。
図18に示す動作におけるパスフレーズDDDDは、
図19に示す動作におけるパスフレーズFFFFに置き換わる。
図18における通信端末101の動作は
図19における通信端末102の動作に置き換わる。
【0236】
図20は、2つの通信端末と、WPS非サポートにあるAP201との各々の動作を示す。
図20は、AP201がデータ通信を通信端末102と実行した後、AP201がデータ通信を通信端末102と再度実行する場合において通信端末101、通信端末102、およびAP201の各々の動作を示す。AP201は、
図19に示す動作の結果として、ネットワーク識別子EEEEとパスフレーズFFFFとを含むWPS認証情報を記憶している。通信端末101は、
図18に示す動作の結果として、ネットワーク識別子CCCCとパスフレーズDDDDとを含むWPS認証情報を記憶している。このとき、AP201は、ユーザの操作に基づいて、セットアップ処理を実行できない状態(WPS非サポート)に設定されている。通信端末101および通信端末102は、第1の実施形態における動作を実行する。
【0237】
AP201は、WPS認証情報を保持している(ステップS201)。そのため、AP201は、WPS認証情報を生成しない。AP201は、WPSをサポートしていない(ステップS203)。そのため、AP201が送信する情報は、AP201がWPSをサポートすることを示す情報を含まない。AP201は、
図19に示す動作において、ネットワーク識別子EEEEおよびパスフレーズFFFFを使用してネットワークを構築している。そのネットワークは、
図20において継続している。
【0238】
通信端末101は、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS101)。Probe Requestは、通信端末101がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。通信端末101は、AP201から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201を発見する(ステップS102)。AP201から送信されたスキャン応答は、AP201がWPSをサポートしていることを示す情報を含まないため、通信端末101は、WPS非サポートにあるAPを発見する(ステップS105)。
【0239】
通信端末101は、第1のモードを選択する(ステップS1051)。発見されたAP201は、通信端末101と最後に接続および認証を行ったAPである。しかし、AP201の現在のネットワーク識別子EEEEは、通信端末101がAP201と接続および認証を最後に実行したときのAP201のネットワーク識別子CCCCと異なる。あるいは、AP201の現在のネットワーク識別子EEEEは、通信端末101が記憶しているWPS認証情報のネットワーク識別子CCCCと異なる(ステップS106)。そのため、通信接続は実行されない。
【0240】
その後、通信端末101はアクティブスキャンを繰り返す。通信端末101は、AP201と接続せず、かつAP201と認証処理を実行しない。
【0241】
通信端末102は、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS101)。Probe Requestは、通信端末102がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。通信端末102は、AP201から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201を発見する(ステップS102)。AP201から送信されたスキャン応答は、AP201がWPSをサポートしていることを示す情報を含まないため、通信端末102は、WPS非サポートにあるAPを発見する(ステップS105)。
【0242】
通信端末102は、第1のモードを選択する(ステップS1051)。AP201は、通信端末102と最後に接続および認証を行ったAPである。AP201の現在のネットワーク識別子EEEEは、通信端末102がAP201と接続および認証を最後に実行したときのAP201のネットワーク識別子EEEEと同じである。あるいは、AP201の現在のネットワーク識別子EEEEは、通信端末102が記憶しているWPS認証情報のネットワーク識別子EEEEと同じである(ステップS106)。そのため、通信端末102は、メモリ131に記憶されたWPS認証情報のネットワーク識別子と、メモリ131に記憶されたWPS認証情報のMACアドレスとに基づいて、接続要求をAP201へ送信する。その接続要求は、通信端末102がWPSをサポートしていることを示す情報を含まない。
【0243】
AP201は、通信端末102から送信された接続要求を受信する(ステップS206)。接続要求は、通信端末102がWPSをサポートしていることを示す情報を含まない(ステップS207)。そのため、AP201は、接続応答を通信端末101へ送信する(ステップS219)。AP201は、WPS認証情報のパスフレーズFFFFを使用することにより、WPA2-PSKに基づいて通信端末102と認証処理を実行する(ステップS220)。認証が完了した後、AP201は、データ通信を通信端末102と実行する(ステップS221)。
【0244】
通信端末102は、接続応答をAP201から受信することにより、接続を完了する。通信端末102は、WPS認証情報のパスフレーズFFFFを使用することにより、WPA2-PSKに基づいてAP201と認証処理を実行する(ステップS107)。認証が完了した後、通信端末102は、データ通信をAP201と実行する(ステップS115)。
【0245】
図18から
図20に示す動作においてAP201は、WPS認証情報を変更することによりネットワーク識別子を変更する。そのため、
図20に示す動作において、通信端末101はAP201と接続せず、かつAP201と認証処理を実行しない。しかし、AP201が、WPS認証情報を変更するためにネットワーク識別子ではなくパスフレーズまたはPSKのみを変更した場合、ステップS219における接続処理、およびステップS107における通信接続は成功する。しかし、AP201が保持するパスフレーズまたはPSKと、通信端末101が保持するパスフレーズまたはPSKとが異なる。そのため、ステップS220の認証処理およびステップS107の認証処理において認証が成功しない。その結果、AP201および通信端末101の間でステップS115およびステップS221におけるデータ通信は実行されない。
【0246】
通信端末101および通信端末102は、
図7または
図10に示す動作を実行してもよい。
【0247】
AP201が実行する無線通信方法は、第1のステップ、第2のステップ、第3のステップ、第4のステップ、第5のステップ、および第6のステップを有する。制御回路211は、第1のステップ(ステップS202およびステップS210)においてWPS認証情報を生成する。通信機221がセットアップ情報を通信端末101から受信しない場合、制御回路211は、セットアップ処理を実行せずに、第2のステップ(ステップS219)において、通信機221に、通信端末101と無線で接続させる。その場合、制御回路211は、第3のステップ(ステップS220)において、生成された認証情報に基づいて通信端末101と認証処理を実行する。
【0248】
通信機221がセットアップ情報を通信端末101から受信した場合、制御回路211は、第4のステップ(ステップS213)において、通信機221に、通信端末101とセットアップ処理を開始させる。制御回路211は、セットアップ処理において、通信機221に、生成された認証情報を通信端末101へ送信させる。セットアップ処理が実行された後、制御回路211は、第5のステップ(ステップS219)において、通信機221に、セットアップ処理を実行した通信端末101と無線で接続させる。制御回路211は、第6のステップ(ステップS220)において、セットアップ処理において通信端末101へ送信された認証情報に基づいて、セットアップ処理を実行した通信端末101と認証処理を実行する。制御回路211は、セットアップ処理を実行する毎に、既に生成された認証情報と異なる認証情報を生成する。
【0249】
AP201が実行する無線通信方法は、上記の第1から第6のステップに対応する処理以外の処理を有していなくてもよい。
【0250】
1つのみのAPが存在する場合と、2つ以上のAPが存在する場合とのいずれにおいても、第1のモードを選択した複数の通信端末は、1つのAP201と接続する場合に、互いに異なるWPS認証情報を記憶している。AP201と最後にセットアップ処理を実行した通信端末のみが、AP201の最新のWPS認証情報と同じWPS認証情報を記憶している。AP201と最後にセットアップ処理およびデータ通信を実行した通信端末がAP201と自動接続およびデータ通信を試みる場合、AP201が、意図せず他の通信端末と自動接続を実行することが回避される。ユーザは、意図しない自動接続によりAP201と接続した他の通信端末をAP201と切断させるための操作を行う必要はない。そのため、接続および認証に係わるユーザの操作の負担を減らすことができる。
【0251】
(第5の実施形態)
図9に示す通信端末101bを使用して、本発明の第5の実施形態を説明する。操作器151は、第1のモードと第2のモードと第3のモードとのいずれか1つを選択する操作を受け付ける。第3のモードは、セットアップ情報の受信状況に基づいて第1のモードと第2のモードとのいずれか1つを選択する動作モードである。操作器151が、第1のモードを選択する操作を受け付けた場合、制御回路111は、選択処理において第1のモードを選択する。操作器151が、第2のモードを選択する操作を受け付けた場合、制御回路111は、選択処理において第2のモードを選択する。操作器151が、第3のモードを選択する操作を受け付け、かつ通信機121がスキャンの実行によってセットアップ情報をスキャンにより検出された1つ以上のAPのいずれか1つのみから受信した場合、制御回路111は、選択処理において第1のモードを選択する。操作器151が、第3のモードを選択する操作を受け付け、かつ通信機121がスキャンの実行によってセットアップ情報をスキャンにより検出された1つ以上のAPの少なくとも2つから受信した場合、制御回路111は、選択処理において第2のモードを選択する。
【0252】
操作器151の状態が第1のモードに設定されている場合、通信端末101bは、第1のモードを選択する。通信端末101bは、セットアップ処理を実行せずにAPと自動接続を実行する。操作器151の状態が第2のモードに設定されている場合、通信端末101bは、第2のモードを選択する。通信端末101bは、APとセットアップ処理を実行する。操作器151の状態が第3のモードに設定されている場合、通信端末101bは、第3のモードを選択する。通信端末101bは、WPSサポートにあるAPの数に基づいて第1のモードと第2のモードとのいずれか1つを選択する。
【0253】
通信端末101bの動作を説明する。
図21および
図22は、通信端末101bの動作の手順を示す。
図2または
図10に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0254】
(ステップS131)
ステップS122において、動作モードが第2のモードではないと制御回路111が判断した場合、制御回路111は、動作モードが第1のモードであるか否かを判断する。動作モードが第1のモードである場合、制御回路111は第1のモードを選択する。動作モードが第1のモードでない場合、制御回路111は第3のモードを選択する。ステップS131において、動作モードが第1のモードであると制御回路111が判断した場合、ステップS123における処理が実行される。
【0255】
(ステップS132)
ステップS131において、動作モードが第1のモードではないと制御回路111が判断した場合、制御回路111は、通信機121を使用してスキャンを実行する。ステップS132における処理は、ステップS101における処理と同様である。
【0256】
(ステップS133)
ステップS132の後、制御回路111は、WPSサポートにあるAPを発見したか否かを判断する。ステップS133における処理は、ステップS108における処理と同様である。ステップS133において、WPSサポートにあるAPを発見しないと制御回路111が判断した場合、ステップS132における処理が実行される。
【0257】
(ステップS134)
ステップS133において、WPSサポートにあるAPを発見したと制御回路111が判断した場合、制御回路111は、WPSサポートにあるAPが1つのみであるか否かを判断する。ステップS134において、WPSサポートにあるAPが1つのみであると制御回路111が判断した場合、ステップS106における処理が実行される。この場合、制御回路111は第1のモードを選択する。ステップS134において、WPSサポートにあるAPが1つのみでないと制御回路111が判断した場合、ステップS109における処理が実行される。つまり、WPSサポートにあるAPが2つ以上であると制御回路111が判断した場合、ステップS109における処理が実行される。この場合、制御回路111は第2のモードを選択する。
【0258】
(ステップS135)
ステップS106において、スキャンにより発見されたAPが通信端末101bと最後に接続および認証を実行したAPと同じではないと制御回路111が判断した場合、制御回路111は、ステップS121において取得された動作モードが第1のモード以外のモードであるか否かを判断する。ステップS135における処理が実行されるときに操作器151の状態は、第1のモードまたは第3のモードに設定されている。
【0259】
ステップS135において、動作モードが第1のモードであると制御回路111が判断した場合、ステップS123における処理が実行される。この場合、制御回路111は第1のモードを選択する。ステップS135において、動作モードが第3のモードであると制御回路111が判断した場合、ステップS132における処理が実行される。この場合、制御回路111は第3のモードを選択する。
【0260】
(ステップS136)
ステップS109において、セットアップ処理を実行できる状態にあるAPを発見しなかったと制御回路111が判断した場合、制御回路111は、ステップS121において取得された動作モードが第2のモード以外のモードであるか否かを判断する。ステップS136における処理が実行されるときに操作器151の状態は、第2のモードまたは第3のモードに設定されている。
【0261】
ステップS136において、動作モードが第2のモードであると制御回路111が判断した場合、ステップS101における処理が実行される。この場合、制御回路111は第2のモードを選択する。ステップS136において、動作モードが第3のモードであると制御回路111が判断した場合、ステップS132における処理が実行される。この場合、制御回路111は第3のモードを選択する。
【0262】
例えば、ステップS121において取得された動作モードが第3のモードであり、かつステップS132における最初のスキャンにより、WPSサポートにある1つのみのAPが発見される。そのAPが、通信端末101bと最後に接続および認証を実行したAPではないため、通信端末101bはそのAPと接続できない。その後に実行されたスキャンにより、例えばWPSサポートにある2つ以上のAPが発見される。このような場合に通信端末101bは、第2のモードを選択し、かつセットアップ処理を実行する必要がある。
【0263】
例えば、ステップS121において取得された動作モードが第3のモードであり、かつステップS132における最初のスキャンにより、WPSサポートにある2つのAPが発見される。しかし、そのAPは、セットアップ処理を実行できる状態にない。その後に実行されたスキャンにより、例えばWPSサポートにある1つのみのAPが発見される。このような場合に通信端末101bは、第1のモードを選択し、かつ自動接続を実行する必要がある。
【0264】
したがって、ステップS121において取得された動作モードが第3のモードである場合、スキャンが実行される度に、制御回路111はスキャンの結果に基づいて第1のモードと第2のモードとのいずれか1つを選択する必要がある。
【0265】
ステップS135において、動作モードが第1のモードであると制御回路111が判断した場合、ステップS121における処理が実行されてもよい。ステップS136において、動作モードが第2のモードであると制御回路111が判断した場合、ステップS121における処理が実行されてもよい。
【0266】
ステップS133において、WPSサポートにあるAPを発見しないと制御回路111が判断した場合、ステップS121における処理が実行されてもよい。ステップS135において、動作モードが第3のモードであると制御回路111が判断した場合、ステップS121における処理が実行されてもよい。ステップS136において、動作モードが第3のモードであると制御回路111が判断した場合、ステップS121における処理が実行されてもよい。
【0267】
第5の実施形態における各端末の動作の例を説明する。
図23から
図25は、無線通信システム10bに含まれる各端末の動作の手順を示す。無線通信システム10bは、通信端末101bと、2つのAP(AP201およびAP202)とを含む。
図11および
図12に示す動作と異なる点を説明する。
【0268】
図23は、第2のモードが動作モードとして設定された通信端末101bと、WPSサポートにあるAP201との各々の動作を示す。AP201は、ユーザの操作に基づいて、セットアップ処理を実行できる状態(WPSサポート)に設定されている。通信端末101bにおいて、操作器151の状態は第2のモードに設定されている。
【0269】
通信端末101bは動作モードを取得する(ステップS121)。動作モードが第2のモードであるため、通信端末101bは第2のモードを選択する(ステップS122)。
【0270】
通信端末101bは、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS101)。Probe Requestは、通信端末101bがWPSをサポートしていることを示す情報を含む。通信端末101bは、AP201から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201を発見する。AP201から送信されたスキャン応答は、AP201がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。APがWPSをサポートしていることを示す情報を含むスキャン応答が受信されたため、通信端末101bは、WPSサポートにあるAPを発見する(ステップS108)。
【0271】
この時点では、AP201において、プッシュボタンの押下あるいはPINコードの入力等は行われていない。そのため、AP201は、WPSの方式に基づく動作を開始しておらず、かつセットアップ処理を実行できない(ステップS109)。
【0272】
その後、AP201において、ユーザによりボタンが押され、かつAP201はPBC方式でセットアップ処理を実行できる状態となる。ステップS121において取得された動作モードは第2のモードである(ステップS136)。通信端末101bは、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS101)。Probe Requestは、通信端末101bがWPSをサポートしていることを示す情報を含む。通信端末101bは、AP201から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201を発見する。AP201から送信されたスキャン応答は、AP201がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。そのため、通信端末101bは、WPSサポートにあるAPを発見する(ステップS108)。AP201は、セットアップ処理を実行できる(ステップS109)。その後、
図11に示す処理と同様の処理が実行される。
【0273】
図24は、第3のモードが動作モードとして設定された通信端末101bと、WPSサポートにある2つのAPとの各々の動作を示す。AP201およびAP202は、ユーザの操作に基づいて、セットアップ処理を実行できる状態(WPSサポート)に設定されている。通信端末101bにおいて、操作器151の状態は第3のモードに設定されている。
【0274】
通信端末101bは、
図24に示す動作を実行する前に、
図23に示す動作により、AP201と接続および認証を実行している。通信端末101bは、AP201のWPS認証情報をメモリ131に記憶している。
【0275】
通信端末101bは動作モードを取得する(ステップS121)。動作モードが第3のモードであるため、通信端末101bは第3のモードを選択する(ステップS122およびステップS131)。
【0276】
通信端末101bは、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS132)。Probe Requestは、通信端末101bがWPSをサポートしていることを示す情報を含む。通信端末101bは、AP201およびAP202から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201およびAP202を発見する。AP201から送信されたスキャン応答は、AP201がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。AP202から送信されたスキャン応答は、AP202がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。そのため、通信端末101bは、WPSサポートにあるAPを発見する(ステップS133)。WPSサポートにあるAPは、2つのAP201およびAP202のみである(ステップS134)。
【0277】
この時点では、AP201およびAP202において、プッシュボタンの押下あるいはPINコードの入力等は行われていない。そのため、AP201およびAP202は、WPSの方式に基づく動作を開始しておらず、かつセットアップ処理を実行できない(ステップS109)。その後、AP202において電源が切られる。ステップS121において取得された動作モードは第3のモードであるため、通信端末101bは第3のモードを選択する(ステップS136)。通信端末101bは、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS132)。Probe Requestは、通信端末101bがWPSをサポートしていることを示す情報を含む。通信端末101bは、AP201から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201を発見する。AP201から送信されたスキャン応答は、AP201がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。そのため、通信端末101bは、WPSサポートにあるAPを発見する(ステップS133)。WPSサポートにあるAPは、1つのAP201のみである(ステップS134)。AP201は、通信端末101bと最後に接続および認証を行ったAPであり、かつWPSサポートにあるAPはAP201を含む(ステップS106)。その後、
図12に示す処理と同様の処理が実行される。
【0278】
図25は、第3のモードが動作モードとして設定された通信端末101bと、WPSサポートにある2つのAPとの各々の動作を示す。WPSサポートにあるAPは1つから2つに増える。
図24に示す動作が実行された後、AP201の電源が切られる。AP202は、ユーザの操作に基づいて、セットアップ処理を実行できる状態(WPSサポート)に設定されている。通信端末101bにおいて、操作器151の状態は第3のモードに設定されている。
【0279】
通信端末101bは、
図25に示す動作を実行する前に、
図24に示す動作により、AP201と接続および認証を実行している。通信端末101bは、AP201のWPS認証情報をメモリ131に記憶している。
【0280】
通信端末101bは動作モードを取得する(ステップS121)。動作モードが第3のモードであるため、通信端末101bは第3のモードを選択する(ステップS122およびステップS131)。
【0281】
通信端末101bは、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS132)。Probe Requestは、通信端末101bがWPSをサポートしていることを示す情報を含む。通信端末101bは、AP202から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP202を発見する。AP202から送信されたスキャン応答は、AP202がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。そのため、通信端末101bは、WPSサポートにあるAPを発見する(ステップS133)。WPSサポートにあるAPは、1つのAP202のみである(ステップS134)。AP202は、通信端末101bと最後に接続および認証を行ったAPではない(ステップS106)。そのため、通信接続は実行されない。
【0282】
AP201の電源が入れられる。このとき、AP201は、ユーザの操作に基づいて、セットアップ処理を実行できる状態(WPSサポート)に設定されている。その後、AP202において、ユーザによりボタンが押され、かつAP202はPBC方式でセットアップ処理を実行できる状態となる。
【0283】
ステップS121において取得された動作モードが第3のモードであるため、通信端末101bは第3のモードを選択する(ステップS135)。通信端末101bは、Probe Requestをブロードキャストで送信することにより、アクティブスキャンを実行する(ステップS132)。Probe Requestは、通信端末101bがWPSをサポートしていることを示す情報を含む。通信端末101bは、AP201およびAP202から送信されたスキャン応答を受信することにより、AP201およびAP202を発見する。AP201から送信されたスキャン応答は、AP201がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。AP202から送信されたスキャン応答は、AP202がWPSをサポートしていることを示す情報を含む。そのため、通信端末101bは、WPSサポートにあるAPを発見する(ステップS133)。WPSサポートにあるAPは、2つのAP201およびAP202である(ステップS134)。AP202は、セットアップ処理を実行できる(ステップS109)。その後、
図23に示す通信端末101bおよびAP201における処理と同様の処理が通信端末101bおよびAP202において実行される。
【0284】
1つのみのAPが存在する場合と、2つ以上のAPが存在する場合とのいずれにおいても、第1のモードを選択した通信端末101bは、メモリ131に記憶されたWPS認証情報を使用することにより、自動接続と同様の手順でAPと接続し、かつそのAPと認証を実行する。また、上記のいずれの場合においても、第2のモードを選択した通信端末101bは、WPS認証情報がメモリ131に記憶されているか否かに係わらず、自動接続を行わずにセットアップ処理を実行する。第2のモードを選択した通信端末101bは、セットアップ処理において取得されたWPS認証情報に基づいてAPと接続し、かつそのAPと認証を実行する。
【0285】
また、上記のいずれの場合においても、第3のモードを選択した通信端末101bは、WPSサポートにあるAPの数に基づいて第1のモードと第2のモードとのいずれか1つを選択する。WPSサポートにあるAPが1つのみである場合、通信端末101bは第1のモードを選択する。WPSサポートにあるAPが2つ以上である場合、通信端末101bは第2のモードを選択する。ユーザは、通信端末101bの動作モードを第3のモードに設定することにより、通信端末101bの動作モードを切り替えるための操作の負担を減らすことができる。そのため、接続および認証に係わるユーザの操作の負担を減らすことができる。
【0286】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態およびその変形例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
【産業上の利用可能性】
【0287】
本発明の各実施形態によれば、無線通信端末、アクセスポイント、無線通信システム、無線通信方法、およびプログラムは、接続および認証に係わるユーザの操作の負担を減らすことができる。
【符号の説明】
【0288】
10,10a,10b,10c 無線通信システム
101,101a,101b,102 通信端末
111,211 制御回路
121,221 通信機
122,222 ベースバンド回路
123,223 RF回路
124,224 アンテナ
131 メモリ
141 報知器
151 操作器
201,202 アクセスポイント