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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-17
(45)【発行日】2022-02-28
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 11/60 20060101AFI20220218BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20220218BHJP
   H04N 1/62 20060101ALI20220218BHJP
   G06F 3/04845 20220101ALI20220218BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20220218BHJP
   G09G 5/06 20060101ALI20220218BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20220218BHJP
【FI】
G06T11/60 100E
G06T1/00 510
H04N1/62
G06F3/0484 150
G06F3/14 340B
G09G5/06
G09G5/02 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018198577
(22)【出願日】2018-10-22
(62)【分割の表示】P 2018137245の分割
【原出願日】2017-10-24
(65)【公開番号】P2019079533
(43)【公開日】2019-05-23
【審査請求日】2020-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】517373332
【氏名又は名称】特定非営利活動法人メディア・ユニバーサル・デザイン協会
(74)【代理人】
【識別番号】110002103
【氏名又は名称】特許業務法人にじいろ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小粥 将直
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-331164(JP,A)
【文献】特開2009-259083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 11/60
G06T 1/00
H04N 1/62
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/0489
G06F 3/14
G09G 5/06
G09G 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ作成ソフトウェアにプラグインされてユーザインタフェースとしてのカラーパレットを提供するためのプログラムにおいて、
前記カラーパレットを構成する複数のカラーパーツで提供される複数の色のうちユーザにより指定された指定色に対して、健常者が識別性を備える色群を特定する第1色群特定手段と、
前記指定色に対して、色覚障害者と高齢者との少なくとも一方が識別性を備える色群を特定する第2色群特定手段と、
前記健常者が識別性を備える色群と、前記色覚障害者と前記高齢者との少なくとも一方が識別性を備える色群とを統合する統合手段と、
前記カラーパレットを構成する前記カラーパーツ各々の表示態様を前記統合された色群と他の色群とで相違させる手段とをコンピュータに実現させるためのプログラムであって、
前記ユーザにより色の指定が繰り返されるとき、前記色の指定の繰り返しにともなって前記統合手段により前記健常者と、前記色覚障害者と前記高齢者との少なくとも一方とがともに識別性を備える色群が順次絞り込まれるように、前記第1色群特定手段は前記統合手段により直前に統合された色群を対象として前記健常者が識別性を備える色群を特定し、前記第2色群特定手段は前記統合手段により直前に統合された色群を対象として前記色覚障害者と前記高齢者との少なくとも一方が識別性を備える色群を特定する、プログラム。
【請求項2】
コンテンツ作成ソフトウェアにプラグインされてユーザインタフェースとしてのカラーパレットを提供するためのプログラムにおいて、
前記カラーパレットを構成する複数のカラーパーツで提供される複数の色のうちユーザにより指定された指定色に対して、色覚障害者と高齢者との少なくとも一方が識別性を備える色群を特定する色群特定手段と、
前記カラーパレットを構成する前記カラーパーツ各々の表示態様を前記特定された色群と他の色群とで相違させる手段とをコンピュータに実現させるためのプログラムであって、
前記ユーザにより色の指定が繰り返されるとき、前記色の指定の繰り返しにともなって前記色覚障害者と前記高齢者との少なくとも一方が識別性を備える色群が順次絞り込まれるように、前記色群特定手段は直前に特定された色群を対象として前記色覚障害者と前記高齢者との少なくとも一方が識別性を備える色群を特定する、プログラム。
【請求項3】
コンテンツ作成処理を実行する情報処理装置において、
前記コンテンツ作成処理で適用されるユーザインタフェースとしてのカラーパレットを構成する複数のカラーパーツで提供される複数の色のうちユーザにより指定された指定色に対して、健常者が識別性を備える色群を特定する第1色群特定部と、
前記指定色に対して、色覚障害者と高齢者との少なくとも一方が識別性を備える色群を特定する第2色群特定部と、
前記健常者が識別性を備える色群と、前記色覚障害者と前記高齢者との少なくとも一方が識別性を備える色群とを統合する統合処理部と
前記カラーパレットを構成する前記カラーパーツ各々の表示態様を前記統合された色群と他の色群とで相違させる表示制御部とを具備し、
前記ユーザにより色の指定が繰り返されるとき、前記色の指定の繰り返しにともなって前記統合処理部により前記健常者と、前記色覚障害者と前記高齢者との少なくとも一方とがともに識別性を備える色群が順次絞り込まれるように、前記第1色群特定部は前記統合処理部により直前に統合された色群を対象として前記健常者が識別性を備える色群を特定し、前記第2色群特定部は前記統合処理部により直前に統合された色群を対象として前記色覚障害者と前記高齢者との少なくとも一方が識別性を備える色群を特定する、情報処理装置。
【請求項4】
コンテンツ作成処理を実行する情報処理装置において、
前記コンテンツ作成処理で適用されるユーザインタフェースとしてのカラーパレットを構成する複数のカラーパーツで提供される複数の色のうちユーザにより指定された指定色に対して、色覚障害者と高齢者との少なくとも一方が識別性を備える色群を特定する色群特定部と、
前記カラーパレットを構成する前記カラーパーツ各々の表示態様を前記特定された色群と他の色群とで相違させる表示制御部とを具備し、
前記ユーザにより色の指定が繰り返されるとき、前記色の指定の繰り返しにともなって前記色覚障害者と前記高齢者との少なくとも一方が識別性を備える色群が順次絞り込まれるように、前記色群特定部は直前に特定された色群を対象として前記色覚障害者と前記高齢者との少なくとも一方が識別性を備える色群を特定する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ドキュメント、図案、画像等のコンテンツを作成するコンテンツ作成ソフトウェアにプラグインされてユーザインタフェースとしてのカラーパレットを提供するためのプログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ドキュメント、図案、画像等のコンテンツは多色で表現される事が一般的である。多色によりその視認性や直感性の向上、さらに情報量の増加が期待され得る。これらコンテンツは健常者、色覚障害者、高齢者にとっても視認しやすく、情報劣化無く提供される事が重要である。そのため健常者用に作成されたコンテンツの色を色覚障害者が識別可能な色に修正する様々な手法が考えられている(特許文献1)。またコンテンツの配色を決定するときに色覚障害者が識別可能な色だけを選択可能にする手法も開発されている(特許文献2)。
【0003】
しかし、これら手法であっても同じコンテンツを健常者と色覚障害者との間で実際に視認する色が相違して意思疎通が平滑に進まない事態や、色覚障害者には識別容易であっても逆に健常者や高齢者が識別困難である事態が生じることもあった。
【0004】
また特許文献3には明度を固定して彩度を変化させた健常者用のカラーチャートとそのカラーチャートを色覚障害者用に変換したカラーチャート、彩度を固定して明度を変化させた健常者用のカラーチャートとそのカラーチャートを色覚障害者用に変換したカラーチャートを用いて配色をデザインする方法が開示されている。
【0005】
しかし、この方法では4種類のカラーチャートを辿りながら1色ずつ決めていく必要があり、非常な手間を必要としていた。また果たして色覚異常者が識別しやすく、健常者に違和感を与えない配色になっているか否かはそれを使用するユーザの技量次第であることも否めない。またこの方法では2色間で対比することに留まり、3色以上の配色をデザインすることは実際上不可能であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-293832号公報
【文献】特開2001-331164号公報
【文献】特開2007-240508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
目的は、識別可能な色の選択を支援するプログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態に係るコンテンツ作成ソフトウェアにプラグインされてユーザインタフェースとしてのカラーパレットを提供するためのプログラムは、カラーパレットを構成する複数のカラーパーツで提供される複数の色のうちユーザにより指定された指定色に対して、健常者が識別性を備える色群を特定する第1色群特定手段と、指定色に対して、色覚障害者と高齢者との少なくとも一方が識別性を備える色群を特定する第2色群特定手段と、健常者が識別性を備える色群と、色覚障害者と高齢者との少なくとも一方が識別性を備える色群とを統合する統合手段と、カラーパレットを構成するカラーパーツ各々の表示態様を統合された色群と他の色群とで相違させる手段とをコンピュータに実現させる。ユーザにより色の指定が繰り返されるとき、色の指定の繰り返しにともなって前記統合手段により健常者と、色覚障害者と高齢者との少なくとも一方とがともに識別性を備える色群が順次絞り込まれるように、第1色群特定手段は統合手段により直前に統合された色群を対象として健常者が識別性を備える色群を特定し、第2色群特定手段は統合手段により直前に統合された色群を対象として色覚障害者と高齢者との少なくとも一方が識別性を備える色群を特定する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は本実施形態に係る情報処理装置の構成を示す図である。
図2図2は本実施形態に係るカラーパレット提供プログラムの機能構成図である。
図3図3図2のカラーパレット提供プログラムにより提供されるカラーパレットの一例を示す図である。
図4図4図1の記憶装置に記憶されるL*a*b*テーブルを例示する図である。
図5図5図2のカラーパレット提供プログラムの処理手順を示すフローチャートである。
図6図6図2のカラーパレット提供プログラムにより提供されるカラーパレットの表示遷移を示す図である。
図7図7図5の総合判定処理結果及び統合処理結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わるカラーパレット提供プログラム及び情報処理装置を説明する。カラーパレット提供プログラムは、ドキュメント、図案、画像等のコンテンツを作成するコンテンツ作成ソフトウェアにプラグインされてユーザインタフェースとして機能する。
【0011】
なお、本実施形態では色をL*a*b*色空間で扱う。周知の通り、見た目の濃さを明度指数L*値で表し、色相と彩度をクロマティクネス指数と呼ばれるa*値、b*値で表している。明度差ΔLは、2色間のL*値の差として与えられる。2色間の色差はL*値、a*値、b*値を用いて二つの色の知覚的な差を定量化したものであり、様々な指数が用いられており、例えば最も簡易な指数としてΔE76は、L*a*b*色空間上での2色点間の距離として与えられる。例えば2色間の色差ΔE00は、計算に基づく色差がL*a*b*色空間上での人の目の色識別域に近似するように計算式を定義したものである。この計算式は周知であるのでここではその説明は省略する。本実施形態では色差として様々な指数のいずれの指数を採用してもかまわない。
【0012】
図1は本実施形態に係る情報処理装置10の構成を示すブロック図である。情報処理装置10は文書(ドキュメント)、図表(グラフ)、図案(イラスト)、画像等のコンテンツを作成するためのコンテンツ作成処理を実行するためにコンピュータにより実現されるもので、プロセッサ11、RAM13、ROM15、入力コントローラ17、入力デバイス19、ビデオコントローラ21、ディスプレイ23、I/Oコントローラ25及び記憶装置27を有する。プロセッサ11は例えばCPU(Central Processing Unit)、及びGPU(Graphics Processing Unit)により構成され、RAM15に記憶された各種プログラムを実行して様々な処理機能を実現する。RAM202は、プロセッサ11の主メモリ、ワークエリア等として機能する。プロセッサ11は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM15あるいは記憶装置27からRAM13にロードして、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現する。ROM15あるいは記憶装置27は、プロセッサ11により実行されるBIOS(Basic Input Output System)、オペレーティングシステムプログラム(OS)、各種アプリケーションプログラムなどの各種機能を実現するために必要な各種プログラム、各種プログラムで処理される各種ファイル、各種データ等が記憶される。各種アプリケーションプログラムには、コンテンツ作成処理プログラム、さらに本実施形態に係る、コンテンツ作成処理プログラムにプラグインされてユーザインタフェースとしてのカラーパレットを提供するカラーパレット提供プログラムが含まれる。カラーパレットは、複数のカラーコードがそれぞれ対応付けされる複数のカラーパーツで構成され、いずれかのカラーパーツがユーザにより指定されたときそのカラーパーツに対応するカラーコードがコンテンツ作成処理プログラムに受け渡され、そのコンテンツの指定領域の色が指定される。
【0013】
入力コントローラ17でキーボード(KB)、マウスやタッチパネル等のポインティングデバイス等の入力デバイス19からの入力を制御する。ビデオコントローラ21は、プロセッサ11の制御のもとで、LCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイ23の表示を制御する。I/Oコントローラ25は、記憶装置27へのアクセスを制御する。記憶装置27には例えば画像や文章等のコンテンツ要素データ、編集途中のコンテンツファイル等が記憶される。記憶装置27に記憶されたファイルやデータは、コンテンツ作成プログラムの実行に伴って、必要に応じて読み出されてRAM13に記憶される。その他、ネットワークを介して外部の情報処理端末との通信を制御する通信コントローラ等が情報処理装置10に装備される。
【0014】
図2には本実施形態に係るカラーパレット提供プログラム200の機能構成を示している。上述したようにカラーパレット提供プログラム200は、コンテンツ作成処理プログラム100にプラグインされて、図3に例示するように、コンテンツ作成処理プログラム100で作成・編集されるコンテンツ31と共に表示され、コンテンツ31の各範囲、各領域の色指定操作を支援するためにユーザインタフェースとしてのカラーパレット33を提供する。カラーパレット33は例えば144色に対応する144個のヘキサゴン形状等のカラーパーツ35が組み合わされて構成される。カラーパレット33には操作ボタン群37が併設される。カラーパレット提供プログラム200は、図4(a)に例示する健常者用L*a*b*テーブル201とともに、2種類の図4(b)に例示する1型2色覚(P型)障害者用L*a*b*テーブル203、図4(c)に例示する2型2色覚(D型)障害者用L*a*b*テーブル205を装備し、さらに図4(d)に例示する高齢者用L*a*b*テーブル207を備えている。これらテーブル201、203、205、207はROM15又は記憶装置27に保管されている。
【0015】
健常者用L*a*b*テーブル201では、カラーパレット33を構成する複数、例えば144個のカラーパーツ35で提供される複数、例えば144色各々に対して、健常者が知覚するL*値、a*値、b*値の組み合わせが対応付けられている。同様に1型2色覚(P型)障害者用L*a*b*テーブル203では、144色各々に対して、1型2色覚(P型)障害者が知覚するL*値、a*値、b*値の組み合わせが対応付けられ、2型2色覚(D型)障害者用L*a*b*テーブル205では、144色各々に対して、2型2色覚(D型)障害者が知覚するL*値、a*値、b*値の組み合わせが対応付けられる。高齢者用L*a*b*テーブル207では、144色各々に対して、高齢者が知覚するL*値、a*値、b*値の組み合わせが対応付けられている。
【0016】
色差計算手段209は、ユーザにより入力デバイス19を介してカラーパレット33上の任意のカラーパーツ35が指定されたとき、その指定色(基準色)に対して健常者が知覚する他の143色各々の色差を健常者用L*a*b*テーブル201上のL*値、a*値及びb*値により計算する。色差としては、ΔE76とΔE00とのいずれか一方又は両方が計算される。
【0017】
同様に、色差計算手段209は、指定色に対して1型2色覚(P型)障害者が知覚する他の143色各々の色差を1型2色覚(P型)障害者用L*a*b*テーブル203上のL*値、a*値及びb*値により計算する。また色差計算手段209は、指定色に対して2型2色覚(D型)障害者が知覚する他の143色各々の色差を2型2色覚(D型)障害者用L*a*b*テーブル205上のL*値、a*値及びb*値により計算する。さらに色差計算手段209は、指定色に対して高齢者が知覚する他の143色各々の色差を高齢者用L*a*b*テーブル207上のL*値、a*値及びb*値により計算する。このように色差計算手段209は、指定色(基準色)に対する他の143色各々の色差を、健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者、高齢者ごとに別々に計算する。
【0018】
明度差計算手段211は、ユーザにより入力デバイス19を介してカラーパレット33上の任意のカラーパーツ35が指定されたとき、その指定色(基準色)に対して健常者が知覚する他の143色各々の明度差を健常者用L*a*b*テーブル201上のL*値により計算する。同様に、明度差計算手段211は、指定色に対して1型2色覚(P型)障害者が知覚する他の143色各々の明度差を1型2色覚(P型)障害者用L*a*b*テーブル203上のL*値により計算する。また明度差計算手段211は、指定色に対して2型2色覚(D型)障害者が知覚する他の143色各々の明度差を2型2色覚(D型)障害者用L*a*b*テーブル205上のL*値により計算する。さらに明度差計算手段211は、指定色に対して高齢者が知覚する他の143色各々の明度差を高齢者用L*a*b*テーブル207上のL*値により計算する。このように明度差計算手段211は、指定色(基準色)に対する他の143色各々の明度差を、健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者、高齢者ごとに別々に計算する。
【0019】
なお、カラーパレット33上の全色に対して、各色を基準として他の全ての色各々の色差及び明度差を予め計算しておき、144色各々に対する他の143色の色差と明度差とを対応付けた健常者用色差・明度差テーブル、1型2色覚(P型)色覚障害者用色差・明度差テーブル、2型2色覚(D型)色覚障害者用色差・明度差テーブル、高齢者用テーブル色差・明度差をROM15又は記憶装置27に記憶させておき、これらテーブルから指定色に対する他の色の色差、明度差を読み出すようにしてもよい。
【0020】
色差識別性判定手段213は、色差計算手段209で健常者用L*a*b*テーブル201を用いて計算された指定色に対する色差を健常者用に既定された閾値に比較し、その比較結果に従って、指定色に対する他の色の色差を健常者が識別可能であるか否かその識別性を他の143色各々に対して判定する。指定色に対する色差が閾値に達しているときはその色が指定色に対して色差識別性有りと判定し、指定色に対する色差が閾値未満であるときはその色は指定色に対して色差識別性無しであると判定する。なお、色差としてΔE76とΔE00とのいずれか一方が設定されているときは、いずれか一方と閾値との比較結果に従って色差識別性が判定され、色差としてΔE76とΔE00との両方が設定されているときは、ΔE76とΔE00との両方が閾値に達しているときに色差識別性有りと判定される。この色差に関する閾値は健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者、高齢者に対してそれぞれ個別に予め設定されている。また閾値は任意に変更され得る。
【0021】
同様に、色差識別性判定手段213は、色差計算手段209で1型2色覚(P型)障害者用L*a*b*テーブル203を用いて計算された指定色に対する色差を1型2色覚(P型)障害者用に既定された閾値に比較し、その比較結果に従って、指定色に対する他の色の色差を1型2色覚(P型)障害者が識別可能であるか否かその色差識別性を他の143色各々に対して判定する。色差識別性判定手段213は、色差計算手段209で2型2色覚(D型)障害者用L*a*b*テーブル205を用いて計算された指定色に対する色差を2型2色覚(D型)障害者用に既定された閾値に比較し、その比較結果に従って、指定色に対する他の色の色差を2型2色覚(D型)障害者が識別可能であるか否かその色差識別性を他の143色各々に対して判定する。色差識別性判定手段213は、色差計算手段209で高齢者用L*a*b*テーブル207を用いて計算された指定色に対する色差を高齢者用に既定された閾値に比較し、その比較結果に従って、指定色に対する他の色の色差を高齢者が識別可能であるか否かその色差識別性を他の143色各々に対して判定する。このように色差識別性判定手段213は、指定色に対する他の色各々の色差を識別可能であるか否かに関する色差識別性を、健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者、高齢者ごとに判定する。
【0022】
明度差識別性判定手段215は、明度差計算手段211で健常者用L*a*b*テーブル201を用いて計算された指定色に対する明度差を健常者用に既定された閾値に比較し、その比較結果に従って、指定色に対する他の色の明度差を健常者が識別可能であるか否かその明度差識別性を他の143色各々に対して判定する。指定色に対する明度差が閾値に達しているときは明度差識別性有りと判定し、指定色に対する明度差が閾値未満であるときは明度差識別性無しであると判定する。同様に、明度差識別性判定手段215は、明度差計算手段211で1型2色覚(P型)障害者用L*a*b*テーブル203を用いて計算された指定色に対する明度差を1型2色覚(P型)障害者用に既定された閾値に比較し、その比較結果に従って、指定色に対する他の色の明度差を1型2色覚(P型)障害者が識別可能であるか否かその明度差識別性を他の143色各々に対して判定する。明度差識別性判定手段215は、明度差計算手段211で2型2色覚(D型)障害者用L*a*b*テーブル205を用いて計算された指定色に対する明度差を2型2色覚(D型)障害者用に既定された閾値に比較し、その比較結果に従って、指定色に対する他の色の色差を2型2色覚(D型)障害者が識別可能であるか否かその明度差識別性を他の143色各々に対して判定する。明度差識別性判定手段215は、明度差計算手段211で高齢者用L*a*b*テーブル207を用いて計算された指定色に対する明度差を高齢者用に既定された閾値に比較し、その比較結果に従って、指定色に対する他の色の明度差を高齢者が識別可能であるか否かその明度差識別性を他の143色各々に対して判定する。このように明度差識別性判定手段215は、指定色に対する他の色各々の明度差を識別可能であるか否かその識別性を、健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者、高齢者ごとに判定する。
【0023】
総合判定手段217は、色差識別性判定手段213が健常者に関して判定した「指定色に対する他の色の色差識別性」に関する判定結果と、明度差識別性判定手段215が健常者に関して判定した「指定色に対する他の色の明度差識別性」に関する判定結果とを総合判定し、健常者が指定色に対して色差識別性と明度差識別性とを共に備えている色群を特定する。同様に、総合判定手段217は、色差識別性判定手段213が1型2色覚(P型)障害者に関して判定した「指定色に対する他の色の色差識別性」に関する判定結果と、明度差識別性判定手段215が1型2色覚(P型)障害者に関して判定した「指定色に対する他の色の明度差識別性」に関する判定結果とを総合判定し、1型2色覚(P型)障害者が指定色に対して色差識別性と明度差識別性とを共に備えている色群を特定する。また総合判定手段217は、色差識別性判定手段213が2型2色覚(D型)障害者に関して判定した「指定色に対する他の色の色差識別性」に関する判定結果と、明度差識別性判定手段215が2型2色覚(D型)障害者に関して判定した「指定色に対する他の色の明度差識別性」に関する判定結果とを総合判定し、2型2色覚(D型)障害者が指定色に対して色差識別性と明度差識別性とを共に備えている色群を特定する。さらに総合判定手段217は、色差識別性判定手段213が高齢者に関して判定した「指定色に対する他の色の色差識別性」に関する判定結果と、明度差識別性判定手段215が高齢者に関して判定した「指定色に対する他の色の明度差識別性」に関する判定結果とを総合判定し、高齢者が指定色に対して色差識別性と明度差識別性とを共に備えている色群を特定する。このように総合判定手段217は、指定色に対して色差識別性と明度差識別性とを共に備えている色群を健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者、高齢者ごとに特定する。
【0024】
判定統合手段219は、総合判定手段217が総合判定により特定した健常者が色差識別性と明度差識別性とを備える色群と、1型2色覚(P型)障害者が色差識別性と明度差識別性とを備える色群と、2型2色覚(D型)障害者が色差識別性と明度差識別性とを備える色群と、高齢者が色差識別性と明度差識別性とを備える色群とを論理積により統合して、健常者だけでなく1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者、さらに高齢者の全ての種別の者が指定色に対して色差識別性と明度差識別性とを共に備える色群を最終的に特定する。
【0025】
統合処理結果保持手段221は、判定統合手段219の統合処理結果、つまり健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者、高齢者のいずれもが共通して色差識別性と明度差識別性とを備える色群(ユニバーサル色群という)に関するデータを保持する。ユニバーサル色群のデータを保持することにより、3色以上の複数の色を順番に指定してく際に、色差識別性及び明度差識別性の判定処理の対象を、直前の統合処理結果としてのユニバーサル色群に限定する事ができる。それにより3色目以降の候補色を、それ以前に指定した2以上の全ての色に対して、健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者、高齢者のいずれもが共通して色差及び明度差識別性を備える色群に累積的に絞り込む事が可能となる。健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者、高齢者のいずれもが共通して色差及び明度差識別性を備える3色以上の複数の色を指定する事ができる。
【0026】
カラーパレット表示手段223は、カラーパレット33の表示データを発生する。カラーパレット33は例えば144色に対応する144個のヘキサゴン形状等のカラーパーツ35が集積されて構成される。カラーパレット33には操作ボタン群37が併設される。カラーパレット表示手段223は、初期的には、全てのカラーパーツ35をユーザ指定可能なアクティブ態様で表示する。2色目以降の色を指定する際には、判定統合手段219の統合処理結果に従って、ユニバーサル色群のカラーパーツはそのままユーザ指定可能なアクティブ態様で表示し、ユニバーサル色群以外のカラーパーツはユーザ指定不可な非アクティブ態様に切り替える。カラーコード発生手段225はカラーパレット33上のカラーパーツ35で指定された色のカラーコードをコンテンツ作成プログラムに受け渡す。
【0027】
図5に本実施形態に係るカラーパレット提供プログラムによる処理手順を示し、図6にそのカラーパレットの表示遷移を示し、図7に総合判定処理結果及び統合処理結果の一例を示している。ドキュメント、図案、画像等のコンテンツを作成するコンテンツ作成プログラムが起動されたとき、カラーパレット表示手段223によりカラーパレット33が図6(a)に示すように初期的に表示される(工程S101)。初期的なカラーパレット33では、全てのカラーパーツ35がそれら色をユーザが指定可能なアクティブ態様で表示される。図6(b)に示すようにユーザがマウスを操作してポインタ41を任意の色のカラーパーツ35上に移動し、その位置でクリック操作をしたとき、そのカラーパーツ35の表示態様はカラーパレット表示手段223により選択状態を表す態様に変化される。
【0028】
続いて操作ボタン群37の「指定」ボタンのクリックされたとき(工程S102;Yes)、色差計算手段209により、指定色(基準色)に対する他の143色各々の色差が、健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者、高齢者ごとに別々に計算される(工程S103)。色差としては典型的にはΔE76とΔE00とのいずれか一方が予め選択されているが、色差としてΔE76とΔE00との両方が設定されていてもよい。
【0029】
色差計算手段209により計算された他の143色各々の色差は色差識別性判定手段213により閾値処理に供される。それにより指定色に対して他の143色各々の色差を健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者、高齢者各々が識別可能であるか否かその識別性が判定される(工程S104)。色差が閾値に達しているとき、その色差は健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者又は高齢者が識別可能であると判定し(図7で〇印)、色差が閾値未満であるとき、その色差は健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者又は高齢者が識別不能であると判定する(図7で×印)。なお、色差としてΔE76とΔE00とのいずれか一方が設定されているときは、いずれか一方と閾値との比較結果に従って識別性が判定され、色差としてΔE76とΔE00との両方が設定されているときは、ΔE76とΔE00との両方が閾値に達しているときに色差識別性有りと判定される。
【0030】
また明度差計算手段211により、指定色(基準色)に対する他の143色各々の明度差が、健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者、高齢者ごとに別々に計算される(工程S105)。具体的にはその指定色(基準色)に対して健常者が知覚する他の143色各々の明度差が健常者用L*a*b*テーブル201上のL*値により計算される。同様に指定色に対して1型2色覚(P型)障害者が知覚する他の143色各々の明度差が1型2色覚(P型)障害者用L*a*b*テーブル203上のL*値により計算され、指定色に対して2型2色覚(D型)障害者が知覚する他の143色各々の明度差が2型2色覚(D型)障害者用L*a*b*テーブル205上のL*値により計算され、さらに指定色に対して高齢者が知覚する他の143色各々の明度差が高齢者用L*a*b*テーブル207上のL*値により計算される。
【0031】
明度差計算手段211により計算された他の143色各々の明度差は明度差識別性判定手段215により閾値処理に供される。それにより指定色に対して他の143色各々の明度差を健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者、高齢者が個々に識別可能であるか否かその識別性が判定される(工程S106)。明度差が閾値に達しているとき、その明度差は健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者又は高齢者が識別可能であると判定し、明度差が閾値未満であるとき、その明度差は健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者又は高齢者が識別不能であると判定する。
【0032】
図7(a)に例示するように色差識別性判定処理と明度差識別性判定処理とが完了した後、総合判定手段217により、健常者に関する色差識別性の判定結果と、健常者に関する明度差識別性の判定結果とに基づいて、健常者が指定色に対して色差識別性と明度差識別性とを共に備えているか否かが、指定色以外の他の色について個々に判定される(工程107)。同様に、図7(b)、図7(c)、図7(d)に例示するように1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者、高齢者に各々ついても指定色に対して色差識別性と明度差識別性とを共に備えているか否かが、指定色以外の他の色について個々に判定される。総合判定処理により、指定色に対して色差識別性と明度差識別性とを共に備えている色群が健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者、高齢者ごとに特定される。
【0033】
次に、図7(d)に例示するように、判定統合手段219により、総合判定手段217による健常者に関する総合判定結果と、1型2色覚(P型)障害者に関する総合判定結果と、2型2色覚(D型)障害者に関する総合判定結果と、高齢者に関する総合判定結果とが統合される(工程S108)。つまり健常者が指定色に対して色差識別性と明度差識別性とを共に備えている色群と、1型2色覚(P型)障害者が指定色に対して色差識別性と明度差識別性とを共に備えている色群と、2型2色覚(D型)障害者が指定色に対して色差識別性と明度差識別性とを共に備えている色群と、高齢者が指定色に対して色差識別性と明度差識別性とを共に備えている色群との間で論理積結果が抽出される。それにより健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者、高齢者が共通して指定色に対して色差識別性と明度差識別性とを共に備えている色群(ユニバーサル色群)が特定される。この統合処理結果は保持される(工程S109)。
【0034】
この統合処理結果に従って、図6(c)に示すように、カラーパレット表示手段223によりユニバーサル色群のカラーパーツ35はそのままユーザ指定可能なアクティブ態様で表示され、ユニバーサル色群以外のカラーパーツ35はユーザ指定不可な非アクティブ態様に切り替えられる(工程S110)。
【0035】
ユニバーサル色群以外のカラーパーツ35は非アクティブ態様で表示されるので、ユーザはどの色が指定可能であり、どの色が指定できないのかを直感的に認識する事ができる。例えば指定したい色が決まっていて、その色のカラーパーツが非アクティブ態様で表示されていれば、その色が指定できないことを理解できる。その場合、最初に指定した色を取り消して、最初の色から指定操作を再開することを即時に判断できる。
【0036】
次の色は、アクティブ態様で表示されたカラーパーツ35から選択され得る。ユーザは指定色に対して健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者、高齢者のいずれもが色差及び明度差共に識別可能である色群を、次の指定色の候補として認識する事ができる。この時点で次の指定色の候補が想定外であるとき、操作ボタン群37の「解除」ボタンをクリックすることにより、工程S102における色の指定は解除される。操作ボタン群37の「終了」ボタンをクリックすることにより(工程S111;Yes)、当該カラーパレット提供プログラムは終了し、カラーパレットは非表示になる。操作ボタン群37の「終了」ボタンをクリックしないとき(工程S111;No)、次の計算・判定処理(S103―S108)の対象を直前の工程S108による統合処理結果(ユニバーサル色群)に絞り込むとともに(工程S112)、工程S102にリターンし、アクティブ態様で表示されたカラーパーツ35から次の色の指定を待機する。
【0037】
図6(d)、図6(e)に示すように、次の色が選択され、指定されたとき、直前の工程S108による統合処理結果(ユニバーサル色群)に絞り込んで、次の指定色に対する色差、明度差が計算され(S103、S105)、色差識別性と明度差識別性とが個別に判定され(S104,S106)、色差識別性の判定結果と明度差識別性の判定結果とに基づいて健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者、高齢者ごとに次の指定色に対する識別性が総合判定され(S107)、それら総合判定結果が統合され、それにより健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者、高齢者のいずれもが次の指定色に対して色差を識別可能であり、且つ次の指定色に対して明度差を識別可能である色群(ユニバーサル色群)が特定される。
【0038】
次の指定色に対する総合的な識別性を備えるユニバーサル色群と最初の指定色に対する総合的な識別性を備えるユニバーサル色群との両方の色群のカラーパーツ35がアクティブ態様で表示され、それら以外の色のカラーパーツ35が非アクティブ態様で表示される。見た目上は、最初の指定色に対する総合的な識別性を備えるユニバーサル色群以外の識別性を備えていない色のカラーパーツ35が非アクティブ態様でそのまま維持され、次の指定色に対する総合的な識別性を備えるユニバーサル色群以外の識別性を備えていないの色のカラーパーツ35がアクティブ態様から非アクティブ態様に切り替わる。3色目の色が指定されたとき、3色目の指定色に対する総合的な識別性を備えるユニバーサル色群以外の色のカラーパーツ35の非アクティブ態様がさらに加わる(図6(f))。
【0039】
このように本実施形態によれば、カラーパレット上である色を指定したとき、その指定色に対して色覚障害者だけでなく、健常者、さらに高齢者もが色差識別性と明度差識別性とを総合的に備える色群(ユニバーサル色群)を特定して、次に指定可能な色候補としてそのカラーパーツをアクティブ態様で表示し、指定不能な色のカラーパーツを非アクティブ態様で表示するので、ユーザは表示態様に従って色を指定することにより、健常者、色覚障害者、高齢者のいずれもが共通して色差、明度差の両観点から明瞭に識別可能な色を容易に指定することができる。さらに3色以上を順次指定するとき、それ以前に指定した全ての色に対して識別性を備えた色のカラーパーツがアクティブ態様され、指定可能な色が順次絞り込まれるので、3色以上の指定操作の負担が格段に軽減され得る。
【0040】
なお上述では健常者、1型2色覚(P型)障害者、2型2色覚(D型)障害者、高齢者を対象としたが、色覚障害者としてはこれら2分類に限定することは無く、3色覚障害者を対象に加えてもよいし、いずれか1分類の色覚障害者だけを対象としてもよい。さらにコンテンツの種類に応じては、健常者と高齢者だけを対象として識別性を判定するようにしてもよい。
【0041】
また上述の説明では、2色目以降の色を指定する際には、統合処理結果に従って、ユニバーサル色群のカラーパーツはそのままユーザ指定可能なアクティブ態様で表示し、ユニバーサル色群以外のカラーパーツはユーザ指定不可な非アクティブ態様に切り替えて表示するものであるが、ユニバーサル色群のカラーパーツだけを表示させ、ユニバーサル色群以外のカラーパーツはユーザ指定不可なように表示させないようにしてもよい。例えば選択候補が数百色、さらに1000色を越えるような膨大な数に及ぶ場合、ユーザ指定不可な色のパラーパーツは非アクティブ態様に切り替えて表示するよりも、表示対象から除外し、ユーザ指定可能な色のパラーパーツだけを表示させることが利便性が高いかもしれない。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0043】
200…カラーパレット提供プログラム、100…コンテンツ作成処理プログラム、
201…健常者用L*a*b*テーブル、203…1型2色覚(P型)障害者用L*a*b*テーブル、205…2型2色覚(D型)障害者用L*a*b*テーブル、207…高齢者用L*a*b*テーブル、209…色差計算手段、211…明度差計算手段、213…色差識別性判定手段、215…明度差識別性判定手段、217…総合判定手段、219…判定統合手段、221…統合処理結果保持手段、223…カラーパレット表示手段、225…カラーコード発生手段。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7