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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-18
(45)【発行日】2022-03-01
(54)【発明の名称】アンテナ取付装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/12 20060101AFI20220221BHJP
【FI】
H01Q1/12 D
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019205072
(22)【出願日】2019-10-25
(65)【公開番号】P2020156072
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2020-01-29
(31)【優先権主張番号】P 2019071649
(32)【優先日】2019-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】516014823
【氏名又は名称】株式会社ESC
(72)【発明者】
【氏名】大橋 伸雄
(72)【発明者】
【氏名】檜垣 健二
(72)【発明者】
【氏名】洪 ジミン
(72)【発明者】
【氏名】高田 尚
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-181566(JP,A)
【文献】特開平11-127017(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/265224(US,A1)
【文献】特開2018-164177(JP,A)
【文献】実開昭52-005020(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子状構造物を有するオフィスビルのシステム天井に配置するアンテナ装置と、オフィスに配置した無線通信可能なセンサーと、コンピュータと、で構成される無線ネットワークシステムにおける前記アンテナ装置をシステム天井に取付け支持するアンテナ取付装置において、
前記アンテナ取付装置は、前記アンテナ装置を第一直線方向にスライド可能に支持するアンテナ取付架台と、
前記アンテナ取付架台を前記システム天井に、前記第一直線方向と直交とする第二直線方向にスライド自在に取付けるスライド取付手段と、を備えており、
前記アンテナ取付架台は、アンテナ装置を前記第一直線方向にスライド可能に支持する本体部と、前記本体部の前記第一直線方向の両端部に連設され、前記第一直線方向に直交する側面を有する側面部並びに前記側面と直交する折返し面を有する折返し部とを有しており、
前記スライド取付手段は、前記側面部、折返し部及びシステム天井に固定するための固定金具によって構成されていること、
を特徴とするアンテナ取付装置。
【請求項9】
格子状構造物を有するオフィスビルのシステム天井に配置するアンテナ装置と、オフィスに配置した無線通信可能なセンサーと、コンピュータと、で構成される無線ネットワークシステムにおける前記アンテナ装置をシステム天井に取付け支持するアンテナ取付装置において、
前記アンテナ取付装置は、前記アンテナ装置を支持し、長手方向を有するアンテナ取付架台と、
前記アンテナ取付架台を前記システム天井に、前記長手方向と直交とする方向にスライド自在に取付けるスライド取付手段と、を備えており、
前記アンテナ取付架台は、アンテナ装置を支持し、長手方向を有する本体部と、前記本体部の長手方向両端部に連設され、前記長手方向に直交する側面を有する側面部並びに前記側面と直交する折返し面を有する折返し部とを有しており、
前記スライド取付手段は、前記側面部、折返し部及びシステム天井に固定するための固定金具によって構成されている、
ことを特徴とするアンテナ取付装置。
【請求項14】
アンテナ取付架台の本体部は、前記長手方向に伸縮可能であることを特徴とする請求項記載のアンテナ取付装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスビルのシステム天井に配置するアンテナ装置とオフィスに配置する無線通信可能なセンサーとコンピュータ(以降、PC)等で構成される無線ネットワークシステムにおいて、アンテナ装置の電波放射パターンに影響することなく、設置位置をスライドすることにより無線通信可能範囲内にセンサーとPCを収納することが出来るアンテナ取付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高度化する情報化社会でのオフィスビル内では、センサー、PC及びアンテナ装置によるデータ通信の無線ネットワークシステムの構築要求が高まっている。こうしたオフィスビルで無線ネットワークシステムを実際に構築する工事現場では、対象のセンサーやPC等がアンテナの通信可能範囲内に収納され且つ、他の通信領域に電波障害を与えないように、アンテナ装置の位置を正確に短時間で設定することの可能なアンテナ取付け装置の要求か高まっている。
【0003】
この分野における従来のアンテナ取付装置は、[図15]に示すように、天井内のコンクリートなどから吊り下げられたアンテナ取付吊りボルト41と、2本以上の振れ止め吊りボルト42とを有し、これら3本以上のボルトの先端(下端)に振れ止め金具43を有している。さらに、この振れ止め金具43の下側に取付平板44を有し、さらにその下端にアンテナ取付金物45を有している。アンテナ装置46は、アンテナ取付金物45に取付けられている。このアンテナ装置46の電波放射パターンの垂直方向(上下方向)の向きを変えたい場合、すなわち、例えば斜めにしたい場合は、アンテナ取付金物45のアンテナ取付吊りボルト41や取付平板44に対する角度を変える。この状態でたとえばアンテナ装置46の向き(水平方向における向き)を変更したい場合は、取付平板44をアンテナ取付吊りボルト41を中心軸にして回転させる。この2軸の回転によって、対象のセンサー及びPC等をアンテナ装置の通信可能範囲内に収納している。
【0004】
また、特許文献の場合、放送衛星に対し、アンテナを取付ける建築物の壁面がいかなる方向に向いている場合にも、整合性を良くするために、水平方向及び垂直方向の2軸に回動可能な衛星放送受信用平面アンテナ取付装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【文献】特開昭63-174405
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献の場合、水平方向及び垂直方向の2軸に回動可能な衛星放送受信用平面アンテナ取付装置であって、オフィスの天井では取り扱いの観点、及び対象の無線通信可能なセンサーとPCをアンテナ装置の通信可能領域内に適切に収納する観点から問題がある。
【0006】
図15]に示す従来のアンテナ取付装置は、主に次の第1から第2の問題がある。
第1に、オフィスに配置している対象の無線通信可能なセンサーとPCをアンテナ装置の通信可能範囲内に適切に収納する為に、アンテナ取付金物及び取付平板を取付ているボルトを各々緩め、アンテナ装置の電波放射パターンの方向を2軸を使って調整しなければならない。このため調整が難しく時間が掛かり、複数人数の作業員と長時間が必要であるという問題がある。第2に、アンテナ装置の通信可能範囲を広げるために、電波放射パターンの方向を変える際に、わずかな角度の変更で、放射領域が大きく変更されてしまう。この結果、隣接する無線センサーネットワークに電波障害を発生させるという問題が生じやすい。[図16]にこの問題の状況を示している。
【0007】
本発明は、従来のアンテナ取付装置が有する上記問題点を解決することを目的とする。即ち、本発明のアンテナ取付装置は、隣接する無線センサーネットワークに電波障害が発生しにくく、容易で短時間に、オフィスに配置している対象の無線通信可能なセンサー、PCなどをアンテナ装置の通信可能範囲内に適切に収納することを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載のアンテナ取付装置は、格子状構造物を有するオフィスビルのシステム天井に配置するアンテナ装置と、オフィスに配置した無線通信可能なセンサーと、コンピュータと、で構成される無線ネットワークシステムにおける前記アンテナ装置をシステム天井に取付け支持するアンテナ取付装置であって、
前記アンテナ装置を第一直線方向にスライド可能に支持するアンテナ取付架台と、
前記アンテナ取付架台を前記システム天井に、前記第一直線方向と直交とする第二直線方向にスライド自在に取付けるスライド取付手段と、を備えており、
更に、前記アンテナ取付架台が、アンテナ装置を前記第一直線方向にスライド可能に支持する本体部と、前記本体部の前記第一直線方向の両端部に連設され、前記第一直線方向に直交する側面を有する側面部並びに前記側面と直交する折返し面を有する折返し部とを有しており、
前記スライド取付手段が、前記側面部、折返し部及びシステム天井に固定するための固定金具によって構成されていること、
を特徴とする。
【0010】
請求項に記載のアンテナ取付装置は、更に、前記本体部に、アンテナ装置を緊締するための孔が第一直線方向に延びる長穴として形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項に記載のアンテナ取付装置は、更に、前記本体部に、アンテナ装置から天井側に突出する同軸コネクタが貫通する孔が第一直線方向に延びる長孔として形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項に記載のアンテナ取付装置は、更に、アンテナ取付架台の両側面部間の外幅が、格子状構造物の内幅よりわずかに小さいことを特徴とする。
【0013】
請求項に記載のアンテナ取付装置は、更に、前記固定金具が、アンテナ架台に固定される固定片と、格子状構造物に弾性的に係止する係止片とを有することを特徴とする。
【0014】
請求項のアンテナ取付装置は、前記固定片が、格子状構造物の上部をまたぐことができるように外側に延びて係止片に連設されていることを特徴とする。
【0015】
請求項のアンテナ取付装置は、更に、前記固定金具及び前記アンテナ取付架台に、相互に緊締するための孔がそれぞれ形成され、前記孔の少なくとも一方は、前記第一直線方向に長孔となっていることを特徴とする。
【0016】
請求項記載のアンテナ取付装置は、更に、アンテナ取付架台の本体部が、前記第一直線方向に伸縮可能であることを特徴とする。
【0017】
請求項記載のアンテナ取付装置は、格子状構造物を有するオフィスビルのシステム天井に配置するアンテナ装置と、オフィスに配置した無線通信可能なセンサーと、コンピュータと、で構成される無線ネットワークシステムにおける前記アンテナ装置をシステム天井に取付け支持するアンテナ取付装置であって、
前記アンテナ装置を支持し、長手方向を有するアンテナ取付架台と、
前記アンテナ取付架台を前記システム天井に、前記長手方向と直交とする方向にスライド自在に取付けるスライド取付手段と、を備えており、
更に、前記アンテナ取付架台が、アンテナ装置を支持し、長手方向を有する本体部と、前記本体部の長手方向両端部に連設され、前記長手方向に直交する側面を有する側面部並びに前記側面と直交する折返し面を有する折返し部とを有しており、
前記スライド取付手段が、前記側面部、折返し部及びシステム天井に固定するための固定金具によって構成されている、
ことを特徴とする。
【0019】
請求項10のアンテナ取付装置は、更に、アンテナ取付架台の両側面部間の外幅は、格子状構造物の内幅よりわずかに小さいことを特徴とする。
【0020】
請求項11に記載のアンテナ取付装置は、更に、前記固定金具が、アンテナ取付架台に固定される固定片と、格子状構造物に弾性的に係止する係止片とを有し、固定片と係止片が一体的に形成されていることを特徴とする
【0021】
請求項12に記載のアンテナ取付装置は、更に、前記固定片が、格子状構造物の上部をまたぐことができるように外側に延びて係止片に連設されていることを特徴とする。
【0022】
請求項13に記載のアンテナ取付装置は、更に、前記固定金具及び前記アンテナ取付架台に、緊締用の孔がそれぞれ形成され、前記孔の少なくとも一方は、前記長手方向に長孔となっていることを特徴とする。
【0023】
請求項14記載のアンテナ取付装置は、更に、アンテナ取付架台の本体部が、前記長手方向に伸縮可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に記載のアンテナ取付装置によれば、電波の放射方向と放射範囲を2軸の角度調整ではなく、アンテナ取付装置自体をシステム天井の水平面に対して長手方向(第一線方向)と垂直な方向、すなわち、第二直線方向にスライドさせるとともに、アンテナ装置を、アンテナ取付装置の長手方向にスライドさせて位置調整するようにできるので、放射方向(放射の向き)を変えずに通信可能領域の調整を短時間で容易にできる。すなわち、アンテナ装置は、前記アンテナ取付装置によって、位置調整のために前後左右に移動するのみで、前記アンテナ装置の電波放射パターンの方向を2軸の角度変更によって変えていない為、隣接する他の無線ネットワークシステムに電波障害を与えにくく、工事現場での正確な作業が短時間で達成できる。
更に、請求項1記載のアンテナ取付装置によれば、スライド取付手段が、本体部の長手方向の側面部、折返し部及びシステム天井に固定するための固定金具によって構成されているため、大掛かりな構成を必要とせずに、安価で製造容易な構成とすることができる。
【0026】
請求項に記載のアンテナ取付装置によれば、アンテナ装置を緊締するための孔が第一直線方向に延びる長孔として形成されているために、この長孔の長さの分だけ、アンテナ装置を長手方向にスライドさせて取り付けることができる。しかも長孔を使った緊締手段なので、安価で簡単な構造で達成できる。
【0027】
請求項に記載のアンテナ取付装置によれば、本体部に、アンテナ装置から天井側に突出する同軸コネクタが貫通する孔が第一直線方向に延びる長孔として形成されているために、アンテナ装置を第一直線方向にスライドさせるに当たって、同軸コネクタが邪魔にならない。
【0028】
請求項に記載のアンテナ取付装置によれば、アンテナ取付架台の両側面部間の外幅が、格子状構造物の内幅よりわずかに小さいので、アンテナ取付架台を、無理なく容易にシステム天井の格子状構造物の内幅に収めることができる。
【0029】
請求項に記載のアンテナ取付装置によれば、前記固定金具が、アンテナ架台に固定される固定片と、格子状構造物に弾性的に係止する係止片とを有しているので、簡単な構造で、アンテナ取付装置をシステム天井に固定でき、しかも弾性的に係止しているので、がたつくことを防止できる。
【0030】
請求項載のアンテナ取付装置によれば、例えばアンテナ取付装置の重量を支えている天井板が落下した場合にも、固定金具が格子状構造物の上側をまたぐことができるように外側に延びているため、固定金具がアンテナ取付装置の重量を支えることができる。
【0031】
請求項記載のアンテナ取付装置によれば、前記固定金具及び前記アンテナ取付架台に、相互に緊締するための孔がそれぞれ形成され、前記孔の少なくとも一方が、前記第一直線方向に長孔となっているので、システム天井の格子状構造物の水平方向の厚みあるいは幅が多少変わっても、長孔の長さの分だけ取付位置を変更できる。すなわち、厚みまたは幅の違う格子状構造物に対応できる。
【0032】
請求項記載のアンテナ取付装置によれば、アンテナ取付架台の本体部が、前記第一直線方向に伸縮可能であるので、システム天井格子幅が違っても取り付け可能である。
【0033】
請求項記載のアンテナ取付装置は、長手方向と直交する方向にスライド可能に、格子状構造物に取り付けることが可能なため、仮に、これと直交する方向にスライド可能に取り付ける必要がある場合には、アンテナ取付装置自体を90度向きを変えて取付ければ良い。この場合にも、2軸の角度調整をすることはないので、通信可能領域の調整を短時間で容易にできる。すなわち、アンテナ装置は、前記アンテナ取付装置によって、位置調整のために取付けの向きと、一方向にスライド移動するのみで、前記アンテナ装置の電波放射パターンの方向を変えない為、隣接する他の無線ネットワークシステムに電波障害を与えにくく、工事現場での正確な作業が短時間で達成できる。
更に、請求項9に記載のアンテナ取付装置によれば、スライド取付手段が、前記側面部、折返し部及びシステム天井に固定するための固定金具によって構成されているため、大掛かりな構成を必要とせずに、安価で製造容易な構成とすることができる。
【0035】
請求項10のアンテナ取付装置によれば、アンテナ取付架台の両側面部間の外幅が、格子状構造物の内幅よりわずかに小さいので、アンテナ取付架台を、無理なくシステム天井の格子状構造物の内幅に容易に無理なく収めることができる。
【0036】
請求項11に記載のアンテナ取付装置によれば、固定金具が、アンテナ取付架台に固定される固定片と、格子状構造物に弾性的に係止する係止片とを有しているので、簡単な構造で、アンテナ取付装置をシステム天井に固定でき、地震などの際にがたつくことを防止できる。
【0037】
請求項12記載のアンテナ取付装置によれば、請求項記載のアンテナ取付装置同様、アンテナ取付装置の重量を支えている天井板が落下した場合にも、固定金具が格子状構造物の上部をまたぐことができるように外側に延びているため、固定金具がアンテナ取付装置の重量を支えることができる。
【0038】
請求項13に記載のアンテナ取付装置によれば、固定金具及び前記アンテナ取付架台に、相互に緊締するための孔がそれぞれ形成され、前記孔の少なくとも一方が、前記第一直線方向に長孔となっているので、システム天井の格子状構造物の水平方向の厚みあるいは幅が多少変わっても、長孔の長さの分だけ取付位置を変更できる。すなわち、厚みまたは幅の違う格子状構造物に対応できる。
【0039】
請求項14に記載のアンテナ取付装置によれば、アンテナ取付架台の本体部が、長手方向に伸縮可能なので、システム天井の格子幅が違っても取り付け可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の第一の実施形態を示す分解斜視図
図2】本発明の第一の実施形態を示す斜視図
図3(a)】本発明の第一の実施形態を取付けた状態の天井部を示す縦断面図
図3(b)】図3(a)の○で囲んだ部分の拡大分解斜視図
図4】本発明の第一の実施形態における固定金具の斜視図
図5】本発明の第一の実施形態における通信可能範囲をスライド調整する説明図
図6】本発明の第一の実施形態における調整前の通信可能範囲を示す平面図
図7】本発明の第一の実施形態における調整後の通信可能範囲を示す平面図
図8】本発明の第二の実施形態を示す分解斜視図
図9】本発明の第三の実施形態を示す分解斜視図
図10】本発明の第三の実施形態を示す斜視図
図11】本発明の第四の実施形態を示す分解斜視図
図12(a)】本発明の第三の実施形態の調整前の通信可能範囲を示す説明図
図12(b)】本発明の第三の実施形態の調整後の通信可能範囲を示す説明図
図13(a)】本発明の第三の実施形態の調整前の通信可能範囲を示す説明図
図13(b)】本発明の第三の実施形態の調整後の通信可能範囲を示す説明図
図14】本発明が適用されるオフィスビルのネットワーク構成を示す概要図
図15】従来のアンテナ取付装置を用いた通信可能範囲の調整方法に関する説明図
図16】従来のアンテナ取付装置を用いた通信可能範囲の調整と電波障害の説明図
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の実施形態として、第一の実施形態、第二の実施形態、第三の実施形態、第四の実施形態を図1から図14を参照しながら詳細に説明する。
【0042】
本発明のアンテナ取付装置のこれら複数の実施形態のいずれもが適用されるオフィスビルの無線ネットワークシステム構成の一例について、図14を参照しながら説明する。
【0043】
オフィス内は、アンテナユニット(本発明のアンテナ取付装置と、これに実装されたアンテナ装置とを総称してアンテナユニットという)の通信可能範囲や通信容量、通信対象端末数などの関係から、複数のブロックに分けられている。ここでは、二つに分けられたネットワークシステム構成となっている。すなわちオフィス内には、アンテナユニット33aと無線通信可能なセンサーやPCなどの複数の端末33aaとアンテナユニット33bと無線通信可能なセンサーやPCなどの複数の端末33bbの2つの群に分けられて設置されて、各々の群に、アンテナユニット33aによる通信可能範囲33arと、アンテナユニット33bによる通信可能範囲33brと、が設定されている。アンテナユニット33aとアンテナユニット33bは、電波の相互干渉が発生しないように設置されている。
【0044】
アンテナユニット33aとアンテナユニット33bは、天井内に設置されており、高周波同軸ケーブルで増幅装置・送受信装置32と接続されている。オフィス内の対象のセンサーやPC等の複数の端末33aa及び33bbの送受信信号は、アンテナユニット33aとアンテナユニット33b、高周波同軸ケーブル31、増幅装置・送受信装置32、更に無線信号に変換後、アンテナユニット33c、データ管理室内の送受信装置アンテナ37を経由して、送受信装置38にて、デジタル信号に変換後、勤務状況データ、業務情報データ等を、コンピュータ・データ管理装置39でデータ処理、データ記憶・蓄積等の管理をおこなう。
【0045】
また、センサーやPC等の複数の端末33aa及び33bbのデータ取得等指示は、コンピュータ・データ管理装置39より指示信号として出力され、前記の逆コースを通って、センサーやPC等の複数の端末33aa及び、33bbに伝達される。
【0046】
上記のようなネットワークシステムに使われる本発明のアンテナ取付装置1の第一の実施形態について、図1図7を参照して、詳細に説明する。第一の実施形態のアンテナ取付装置1は、第一直線方向1M及びこの方向と直交する第二直線方向2Mにそれぞれスライド可能なことを特徴としている。詳細は後述する。
【0047】
図1はアンテナ装置6とアンテナ取付装置1を分解した斜視図である。図1内の白抜き矢印は、アンテナ装置6をアンテナ取付装置1に取付ける方向を示している。
【0048】
アンテナ取付装置1とアンテナ装置6とは天井内に設置される。この際、アンテナ装置6はオフィス内の対象のセンサーやPC等の端末と無線通信を行うために、正面である素子面9が下(オフィス内)に向けられた状態で、アンテナ取付装置1に取付けられる。アンテナ装置の背面にはアンテナ取付装置1に取付けられるようにするためのアンテナ装置用ボルト8が取り付けられており、また、高周波コネクタプラグ13及び高周波同軸ケーブル14を接続するための高周波コネクタジャック7が取付けられている。
【0049】
アンテナ取付装置1がアンテナ装置6を支持した状態で、アンテナ装置6を第一直線方向1Mにスライドできるようにするために、アンテナ取付架台本体部1aには、アンテナ装置用ボルト8が貫通できる長孔2と、高周波コネクタジャック7が貫通できる長孔3が設けられている。なお図2及び図3に開示するようにアンテナ装置用ボルト8が長孔2を貫通した後、アンテナ装置用ボルト8にボルトを係止するナット12をねじ付けることで、アンテナ装置6がアンテナ取付装置1に支持される。
【0050】
アンテナ取付装置1が第一直線方向1Mと直交する第二直線方向2Mにスライドできるようにするために、アンテナ取付架台本体部1aには側面部4と折返し部5が連接されている。
【0051】
アンテナ取付装置1には、アンテナ取付装置1をシステム天井の格子状構造物に載置するための固定金具11が取付けられる。固定金具11をアンテナ取付装置1に取付けるには、アンテナ取付架台本体部1aの固定金具取付孔10を利用する。すなわち、固定金具取付孔10と、図4に示す固定金具11に設けられた長孔11cとを位置調整して、両者の間を貫通する固定金具を係止するネジ11tと固定金具を係止するナット11nで締め付け固定する。また、この締め付け固定は、市販の適切なボルトとナットを使うことも可能である。このとき、長孔11cを利用してアンテナ取付架台本体部1aに対する固定金具11の取付位置を調整することで、長手方向に位置調整が可能である。
【0052】
図2は、本発明の第一の実施形態のアンテナ取付装置1にアンテナ装置6を実装した状態の斜視図である。第一の実施形態のアンテナ取付装置1は、アンテナ装置用ボルト8とボルトを係止するナット12を緩めてアンテナ装置用ボルト8を緊締長孔2に沿ってずらすことにより、アンテナ装置6を、支持した状態で、アンテナ取付架台本体部1aの長手方向、即ち、第一直線方向1Mにスライドさせることが可能である。詳細は後述する。
【0053】
また、アンテナ取付装置1自体も、格子状構造物15に支持された状態で、第一直線方向1Mと直交する第二直線方向2Mに格子状構造物15の内側をスライド移動することが可能である。これについても後述する。
【0054】
図3(a)は、本発明の第一の実施形態であるアンテナ取付装置1がアンテナ装置6を支持した状態で、オフィスビル等のシステム天井の格子状構造物内に設置された天井部の縦断面を示している。図3の○で囲んだ部分を拡大したのが図3(b)である。
【0055】
格子状構造物15は、その名の通り、格子状に組まれた構造物であるが、この格子状構造物15の開口部をふさいで天井を形成するように、ロックウール(岩綿)等を使用した断熱性を有する吸音板16が敷きつめられている。格子状構造物15の縦断面は、下部に鍔部15a、上部に後述する頭部15bを有する概ね逆T字状に形成されていて、吸音板16がこの略逆T字の鍔部15aに載置されている。アンテナ取付架台本体部1aの外幅、すなわちアンテナ取付装置1の両側のアンテナ取付架台側面部4間の長さが、格子状構造物15の頭部15b間の内幅よりわずか小さくしてあるので、格子状構造物15内に容易に設置可能となる。アンテナ取付架台折返し部5は、吸音板16の上面である天井裏面に載置された状態となる。アンテナ取付架台折返し部5が吸音板16に載置されるようにするためには、アンテナ装置6の厚みが、アンテナ取付架台側面部4の高さと同じか小さい必要がある。
【0056】
アンテナ装置6のアンテナ装置用ボルト8は、アンテナ取付装置1の緊締長孔2を貫通し、ボルトを係止するナット12で固定されている。高周波コネクタジャック7はアンテナ取付架台本体部1aの長孔を貫通し、そこに高周波同軸ケーブル14に接続された高周波コネクタプラグ13が接続されている。
【0057】
アンテナ装置6をアンテナ取付装置1内で第一直線方向1Mに沿ってスライドさせる最適位置で固定したい場合は、先ず、アンテナ取付架台本体部1aのボルトを係止するナット12を若干緩める。次に、アンテナ装置6を第一直線方向1Mに沿ってスライドさせて、最適位置で、ボルトを係止するナット12を締めて固定する。更に、アンテナ取付装置1を第二直線方向2Mに沿ってスライドさせたい場合は、アンテナ取付架台側面部4及びアンテナ取付架台折返し部5が、格子状構造物15及び吸音板16に沿ってスライドさせ、最適位置に設置する。
【0058】
アンテナ取付装置1を最適位置からずれないように固定するために、固定金具11が用いられる。図4は、本発明の第一の実施形態におけるアンテナ取付装置1の固定金具11の斜視図である。固定金具11は、アンテナ取付架台本体部1aに固定される固定片11aと、この固定片11aに連設されたV字状の係止片11bとを有している。係止片11bは、固定片11aに連設された係止元片11b1と、係止元片11b1にV字状に連設された係止舌片11b2とで構成されている。V字状の係止元片11b1と係止舌片11b2は、その角度が弾性的に変化できる。すなわち、両外側から力を加えるとV字状の角度が小さくなり、力を外すと元の角度に戻るような弾性を有している。固定片11aには長孔11cが形成され、この長孔11cと固定金具取付孔10に固定金具を係止するネジ11tと固定金具を係止するナット11nを適用して固定片11aがアンテナ架台取付本体部1aに固定されている。また、この締め付け固定は、市販の適切なボルトとナットを使うことも可能である。固定片11aは、格子状構造物15の頭部15bを跨いで外側にまで延びており、そこから90度に折り曲げられた係止元片11b1が図面上、下方に延び、そこからV字状に折り曲げられた係止舌片11b2の先端が格子状構造物15の外側面に弾性的に当接して係止している。格子状構造物15の内幅や頭部15bの幅(厚み)の寸法にあわせて、固定片11aの長孔11cと固定金具取付孔10の位置を調整して、固定片11aの位置を調整することができる。すなわち、第一直線方向1Mにおける取付金具11を含めたアンテナ取付装置1全体の長さの調整を、固定金具11の長孔11cを活用して行うことができる。また、固定片11aが格子状構造物15の頭部15aを跨ぐことで、仮に、地震などにより吸音板16が落下することになっても、アンテナ取付装置は、固定片11が格子状構造物15に引っかかり、落下するリスクを減らすことができる。
【0059】
係止片11bは弾性特性を持つことが重要である。何故なら、アンテナ取付装置1をシステム天井の格子状構造物15に取付ける際、アンテナ取付装置1の両側に固定金具11を取付けた状態で図3(a)の紙面上方から降ろしてはめ込む。その際、格子状構造物15の頭部15bを係止舌片11b2が乗り越えるために、一旦、係止元片11b1と係止舌片11b2のなすV字状の角度が狭まり、係止舌片11b2が頭部15aを乗り越えた後は、V字状の角度が弾性的に広がるように戻って、係止舌片11b2の先端が、格子状構造物15の側面に当接することになる。このため、アンテナ取付装置1を格子状構造物に取付けるのは、極めて容易になる。さらに係止舌片11b2が頭部15bにひっかかるため、アンテナ取付装置は格子状構造物から容易に抜け落ちない効果を有している。この係止片11bの弾性率は状況に応じて設計して良く、システム天井の格子状構造物の水平方向の厚みあるいは幅が多少変わっても、容易に係止可能である。
【0060】
固定金具11は、図1図2図3では、アンテナ取付架台本体部1aの両端に各々1箇所ずつ使用されているが、複数ずつ使用しても良く、複数の方が、固定強度が高まり、耐震強度が高まる。また、上記固定金具11は、本発明の第二の実施形態、第三の実施形態及び第四の実施形態のアンテナ取付装置にも適用可能である。
【0061】
次に、本発明の第一の実施形態におけるアンテナ取付装置1を、天井の格子状構造物15内に設置し、スライドさせて、アンテナ装置6の通信可能範囲内に収納する方法について、図5図6及び図7を参照して説明する。
【0062】
本発明の第一の実施形態におけるアンテナ取付装置1の特徴の一つは、従来の様に水平方向及び垂直方向の2軸回動方向を変えずに、システム天井の格子状構造物内で第一直線方向1M及び、または第二直線方向2Mにスライド17Mする(図5参照)ことで、短時間で正確に、対象のセンサーとPC等の端末を通信可能範囲に収納することが出来て、且つ、隣接の無線ネットワークシステムに電波障害を発生させないか、少ないことである。本発明の第一の実施形態におけるアンテナ取付装置1と、これに実装されたアンテナ装置6とを総称してアンテナユニット17という。第二の実施形態、第三の実施形態及び、第四の実施形態においても、同様にアンテナユニットという。
【0063】
本発明の第一の実施形態におけるアンテナユニット17を、システム天井の格子状構造物15内に最初の設置場所24に設置した際には、図6に示す様に、アンテナユニット17の通信可能範囲外のセンサーやPC等の端末23が存在する場合がある。これは、図5のアンテナユニット17対象の通信可能なセンサーやPC等の端末が、図6に示す様に、アンテナユニット17を中心に放射状に配置されている場合の実施例である。
【0064】
本発明の第一の実施形態は、アンテナユニット17を中心に、対象の通信可能なセンサーやPC等の端末が放射状に設置させている場合は、アンテナ取付装置1に支持されたアンテナ装置6を最初の位置より、第一直線方向1Mに沿ってスライドさせ、また、アンテナ取付装置1を格子状構造物内で第二直線方向2Mに沿ってスライドすることで、全ての対象のセンサーとPC等の端末を通信可能範囲に収納することが出来る(図7参照)。
【0065】
本発明の第一の実施形態は、第一直線方向1M及び第二直線方向2Mに沿ってスライド調整するだけで、対象のセンサーやPC等の端末を通信可能範囲内に容易に収納でき、現場での調整時間を短縮でき、隣接する無線通信システム等に電波障害の発生をなくし、或いは小さくでき、施工品質を高めることが出来る。
【0066】
本発明のアンテナ取付装置の第二の実施形態の分解斜視図を図8に示している。本発明の第二の実施形態は、第一の実施形態の発展形で、システム天井の水平方向の格子幅が違っても取付を可能にする実施形態である。
【0067】
図8を参照に説明する。アンテナ取付架台本体部1aは、第一直線方向1Mに沿って伸縮可能に構成さている。すなわち、アンテナ取付架台本体部1aの折返し部5と側面部4とが残部であるアンテナ取付架台本体平面部1bより着脱可能に分離されている。折返し部5と側面部4とは、伸縮部26の一部を形成しており、側面部4に伸縮平面部26aが連接されて、全体として一体化したコの字形の断面を有する伸縮部26を構成している。アンテナ取付架台本体平面部1bと伸縮平面部26aとでアンテナ取付架台本体部1aを形成している。アンテナ取付架台本体平面部1bには、伸縮部26をアンテナ取付架台本体平面部1bに緊締するための孔28が形成されている。伸縮平面部26aには孔28に対応して長孔27が設けられている。この長孔27は、格子幅にあわせて伸縮部26が第一直線方向1Mに沿って移動調整可能となるように、第一直線方向1Mに長い。
【0068】
アンテナ取付架台本体平面部1bに伸縮部26を緊締するにあたっては、伸縮平面部26aをアンテナ取付架台本体平面部1bにのせ、重ね合わせるとともに、長孔27を孔28に重ねる。さらに、格子幅に合わせて伸縮調整をして両者を緊締する。本実施形態では、伸縮部26をアンテナ取付架台本体平面部1bに緊締するためにネジ27tとナット27nが使われている。また、伸縮平面部26aには、固定金具取付孔10が形成されており、第一実施形態同様に、固定金具11が取り付けられる。
【0069】
伸縮部26を取付けたアンテナ取付装置1を、第一直線方向1Mに伸縮可能にし、システム天井の格子状構造物の内幅が変化しても対応可能とさせる形態が、本発明の第二の実施形態である。また、本発明の第二の実施形態アンテナ取付装置1を格子状楮物15内に設置し、現場で施工調整する際は、第一の実施形態のアンテナ取付装置と同様に、調整することが可能である。
【0070】
次に、本発明の第三の実施形態について、図9図10図12図13を参照して詳細に説明する。第三の実施形態は、第一の実施形態の応用形である。即ち、これまで述べた第一、第二の実施形態のアンテナ取付装置は、第一直線方向1M、第二直線方向2Mに調整可能であったが、端末の配置状況、オフィスの状況によっては、第一直線方向1Mの調整が不要となり、第二直線方向2Mのみを調整すればよい場合がある。第三の実施形態のアンテナ取付装置1Sは、このような場合に適用するものである。
【0071】
第三の実施形態は、第二直線方向2Mに沿ってスライド可能なアンテナ取付装置1Sで、アンテナ装置とアンテナ取付装置を分解した状況を示したのが図9である。図9内の白抜き矢印は、アンテナ装置6をアンテナ取付装置1Sに取付ける方向を示している。
【0072】
アンテナ取付装置1とアンテナ装置6とは天井内に設置される。この際、アンテナ装置6はオフィス内の対象のセンサーやPC等の端末と無線通信を行うために、正面である素子面9が下(オフィス内)に向けられた状態で、アンテナ取付装置1Sに取付けられる。アンテナ装置の背面にはアンテナ取付装置1に取付けられるようにするためのアンテナ装置用ボルト8が取り付けられており、また、高周波コネクタプラグ13及び高周波同軸ケーブル14を接続するための高周波コネクタジャック7が取付けられている。
【0073】
第三の実施形態は、アンテナ取付装置1Sは、第二直線方向2Mに沿ってスライド可能であるが、アンテナ装置6は、第一直線方向1Mに沿ってスライドしない構造である。すなわち、アンテナ取付架台本体部1Saに設けられたアンテナ装置用ボルト8の為の孔2Sと、高周波コネクタの為の孔3Sは、長孔ではない。
【0074】
アンテナ取付装置1Sがアンテナ装置6を支持した状態で、第二直線方向2Mに沿ってスライドする場合は、第一の実施形態と同様、アンテナ取付架台本体部1Saに連設された側面部4と折返し部5を利用して行う。アンテナ取付装置1Sをシステム天井の格子状構造物15に設置し固定金具11で固定する。固定金具11をアンテナ取付架台本体部1Saに取付けるには、アンテナ取付架台本体部1Saの固定金具取付孔10を利用する。取付金具11は、図4に示す11cの長孔を利用することで、長手方向に位置調整が可能である。
【0075】
本発明の第三の実施形態のアンテナ取付装置1Sにアンテナ装置6を実装した状態の斜視図が、図10である。第三の実施形態は、アンテナ取付装置1Sにアンテナ装置6を支持した状態で、アンテナ取付装置を第二直線方向2Mにスライドさせることが可能である。
【0076】
次に、本発明の第三の実施形態におけるアンテナ取付装置1Sを、天井の格子状構造物15内に設置し、スライドさせて、アンテナ装置6の通信可能範囲内に収納する方法について、図12図13を参照して説明する。本発明の第三の実施形態におけるアンテナ取付装置1Sと、これに実装されたアンテナ装置6とを総称してアンテナユニット20という。
【0077】
先ず、図12を参照して、アンテナユニット20を中心に、対象の通信可能なセンサーやPC等の端末が第二直線方向2Mに沿って直線状に設置させている場合の実施例について説明する。
【0078】
本発明の第三の実施形態におけるアンテナユニット20を、システム天井の格子状構造物15内に最初に設置した際には、図12(a)に示す様に、アンテナユニット20の通信可能範囲外のセンサーやPC等の端末23Saが存在する場合がある。アンテナユニット20を中心に、対象の通信可能なセンサーやPC等の端末が第二直線方向2Mに直線状に設置させている場合は、アンテナユニット20を最初の位置より、格子状構造物内で第二直線方向2Mに沿ってスライドすることで、全ての対象のセンサーとPC等の端末を通信可能範囲内に収納することが出来る。[図12](b)を参照。
【0079】
次に、図13を参照して、第三の実施形態におけるアンテナユイット20を中心に、対象の通信可能なセンサーやPC等の端末が、第一直線方向1Mに直線状に設置させている場合の実施例について説明する。
【0080】
本発明の第三の実施形態におけるアンテナユニット20を、システム天井の格子状構造物15内に最初に設置した際には、図13(a)に示す様に、アンテナユニット20の通信可能範囲外のセンサーやPC等の端末23Sbが存在する場合がある。
【0081】
アンテナユニット20を中心に、対象の通信可能なセンサーやPC等が第一直線方向1Mに沿って直線状に設置させている場合は、先ず、アンテナユニット20を格子状構造物内で90度回転させる(図13の59を参照)。これにより、対象の通信可能なセンサーやPC等の端末が第二直線方向2Mに沿直線状に設置された状態になる。次に、アンテナユニット20を格子状構造物内で第二直線方向2Mに沿ってスライド(図13の59を参照)させる。この手順により、全ての対象のセンサーとPC等の端末を通信可能範囲内に収納することが出来る。この結果、隣接の無線通信システムに電波障害を発生させないようにすることができる。
【0082】
本発明のアンテナ取付装置の第四の実施形態の分解斜視図を図11に示している。本発明の第四の実施形態は、第三の実施形態の発展形で、システム天井の水平方向の格子幅が違っても取付を可能にする実施形態である。
【0083】
図11を参照に説明する。アンテナ取付架台本体部1Saは、第一直線方向1Mに沿って伸縮可能に構成されている。すなわち、アンテナ取付架台本体部1Saの折返し部5と側面部4とが、残部であるアンテナ取付架台本体平面部1Sbより着脱可能に分離されている。折返し部5と側面部4とは、伸縮部26の一部を形成しており、側面部4に伸縮平面部26aが連接されて一体化したコの字形の断面を有する伸縮部26を構成している。アンテナ取付架台本体平面部1Sbと伸縮平面部26aとでアンテナ取付架台本体部1Saを形成している。アンテナ取付架台本体平面部1Sbには、伸縮部26をアンテナ取付架台本体平面部1Sbに緊締するための孔28が形成されている。伸縮平面部26aには孔28に対応して長孔27が設けられている。この長孔27は、格子幅にあわせて伸縮部26が第一直線方向1Mに沿って調整可能となるように、第一直線方向1Mに長い。
【0084】
アンテナ取付架台本体平面部1Sbに伸縮部26を緊締するにあたっては、伸縮平面部26aをアンテナ取付架台本体平面部1Sbにのせ、重ね合わせるとともに、長孔27を孔28に重ねる。さらに、格子幅に合わせて伸縮調整をして両者を緊締する。本実施形態では、伸縮部26をアンテナ取付架台本体平面部1Sbに緊締するためにネジ27tとナット27nが使われている。また、伸縮平面部26aには、固定金具取付孔10が形成されており、第三実施形態同様に、固定金具11が取り付けられる。
【0085】
伸縮部26を取付けた上記第四の実施形態のアンテナ取付装置1Sは、第一直線方向1Mに伸縮可能であり、システム天井の格子状構造物の内幅が変化しても対応可能である。また、本発明の第四の実施形態アンテナ取付装置1Sを格子状構造物15内に設置し、現場で調整する際は、第三の実施形態のアンテナ取付装置1Sについて、図12図13で参照して説明したのと同様に調整することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明のアンテナ取付装置は、オフィスビル情報管理のネットワークシステム、製造業の生産ラインのデータ管理システム、流通・配送のコントロールセンターなどの無線制御システム等に利用可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 アンテナ取付装置
1a アンテナ取付架台本体部
1b アンテナ取付架台本体平面部
1S アンテナ取付装置
1Sa アンテナ取付架台本体部
1Sb アンテナ取付架台本体平面部
1M 第一直線方向
2 緊締長孔
2M 第二直線方向
2S 緊締孔
3 高周波コネクタ長孔
3S 高周波コネクタ孔
4 アンテナ取付架台側面部
5 アンテナ取付架台折返し部
6 アンテナ装置
7 高周波コネクタジャック
8 アンテナ装置用ボルト
9 アンテナ装置素子面
10 固定金具取付孔
11 固定金具
11a 固定片
11b 係止片
11b1 係止元片
11b2 係止舌片
11c 長孔
11t 固定金具を係止するネジ
11n 固定金具を係止するナット
12 ボルトを係止するナット
13 高周波コネクタプラグ
14 高周波同軸ケーブル
15 格子状構造物
15a 鍔部
15b 頭部
16 吸音板
17 アンテナユニット
17M アンテナユニットの調整のためのスライド(移動)方向
18 アンテナユニットの通信可能範囲
19 アンテナユニットの通信可能な端末
20 アンテナユニット
21 アンテナユニットの通信可能範囲
22 アンテナユニットの通信可能な端末
23 通信可能範囲外の端末
23Sa 通信可能範囲外の端末
23Sb 通信可能範囲外の端末
24 アンテナユニットの最初の設置場所
26 伸縮部
26a 伸縮平面部
27 伸縮部を本体部に緊締するための長孔
27t 伸縮部を緊締するためのネジ
27n 伸縮部を緊締するためのナット
28 伸縮部を本体部に緊締するための孔
29 オフィスビル
30 オフィスビル天井内
31 高周波同軸ユニット(高周波コネクタと高周波同軸ケーブルを接続)
32 増幅装置・送受信装置
33a アンテナユニット
33b アンテナユニット
33c アンテナユニット
33aa 33aと無線通信可能な複数の端末
33bb 33bと無線通信可能な複数の端末
33ar 33aの通信可能範囲
33br 33bの通信可能範囲
34 オフィス内
35 データ管理室内
36 データ管理室内の送受信電波
37 データ管理室内送受信装置用アンテナ
38 送受信装置
39 コンピュータ・データ管理装置
40 アンカー
41 アンテナ取付吊りボルト(全ネジ)
42 振れ止め吊りボルト(全ネジ)
43 振れ止め金具
44 取付平板
45 アンテナ取付金物
46 アンテナ装置
47 高周波同軸ケーブル
50 アンテナ装置の電波放射パターン調整方向
51 アンテナ装置PA(従来技術アンテナ取付装置使用)
51a 角度調整後のアンテナ装置PA
52 アンテナ装置PAが、PA群を収納する為に角度の調整方向
53 アンテナ装置PAの通信可能範囲
54 アンテナ装置PA対象の無線通信可能な端末群:PA群
55 アンテナ装置PB(従来技術アンテナ取付装置使用)
56 51aがPB群に電波障害を与える(電波の放射領域が変化する)
57 アンテナ装置PBの通信可能範囲
58 アンテナ装置PB対象の無線通信可能な端末群:PB群
59 90度回転と第二直線方向2Mに沿ってスライド(移動)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16