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特許7028734健康状態判定装置、健康状態判定システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】健康状態判定装置、健康状態判定システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A01K 29/00 20060101AFI20220222BHJP
【FI】
A01K29/00 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018129508
(22)【出願日】2018-07-06
(65)【公開番号】P2020005556
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-06-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126882
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 光永
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】笹野 廉紘
(72)【発明者】
【氏名】大川 文乃
(72)【発明者】
【氏名】金子 真也
(72)【発明者】
【氏名】福井 晃太郎
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-042670(JP,A)
【文献】特開2011-044787(JP,A)
【文献】特開2014-223060(JP,A)
【文献】特開2017-112929(JP,A)
【文献】特開2018-005512(JP,A)
【文献】特開2010-229648(JP,A)
【文献】特開2002-065093(JP,A)
【文献】特開2008-131862(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0299731(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 1/00 - 1/12
A01K 5/00 - 9/00
A01K 23/00
A01K 29/00
A01K 39/00 - 39/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物を測定可能な測定装置によって得られた動物の排泄に関する動作のタイミングである排泄タイミングを含む動物状態情報と、前記動物が飲食物を摂取したタイミングである摂取タイミングを含む飲食物情報と、を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記動物状態情報の示す排泄タイミング及び前記飲食物情報の示す摂取タイミングに基づいて動物の健康状態を判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に基づく情報を、出力する出力部と、
を備えた健康状態判定装置。
【請求項2】
前記動物状態情報は、動物の排泄量を示す排泄情報を含み、
前記飲食物情報は、前記動物が摂取した飲食物の量である摂取量を含む請求項1に記載の健康状態判定装置。
【請求項3】
前記動物状態情報は、動物の排泄回数を示す排泄情報を含み、
前記飲食物情報は、前記動物が飲食物を摂取した回数である摂取回数を含む請求項1に記載の健康状態判定装置。
【請求項4】
前記動物状態情報は、動物の体重を示す体重情報を含み、
前記飲食物情報は、前記動物が摂取した飲食物の量である摂取量を含む請求項1に記載の健康状態判定装置。
【請求項5】
前記動物状態情報は、動物の排泄のタイミングである排泄タイミングを示す排泄情報を含み、
前記飲食物情報は、前記動物が飲食物を摂取したタイミングである摂取タイミングを含む請求項1に記載の健康状態判定装置。
【請求項6】
前記取得部により取得した前記動物状態情報および前記飲食物情報の少なくとも一方の情報に基づいて、他方の情報を予測する予測部をさらに有し、
前記出力部は、前記予測部で予測された結果を出力することを特徴とする請求項1に記載の健康状態判定装置。
【請求項7】
動物用トイレに取り付けられたセンサにより取得される、前記動物用トイレを使用した動物の排泄に関する動作のタイミングである排泄タイミングを含む測定情報と、前記動物が飲食物を摂取したタイミングである摂取タイミングを含む飲食物情報と、を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記測定情報の示す排泄タイミング及び前記飲食物情報の示す摂取タイミングに基づいて動物の健康状態を判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に基づく情報を出力する出力部と、
を備えた健康状態判定システム。
【請求項8】
前記センサの測定対象は、温度、湿度、重量、長さ、面積、体積、光学的な変化、化学的な変化、または、音響的な変化のいずれか、もしくはそれらの組み合わせである請求項7に記載の健康状態判定システム。
【請求項9】
コンピュータに、
動物を測定可能な測定装置によって得られた動物の排泄に関する動作のタイミングである排泄タイミングを含む動物状態情報と、前記動物が飲食物を摂取したタイミングである摂取タイミングを含む飲食物情報と、を取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって取得された前記動物状態情報の示す排泄タイミング及び前記飲食物情報の示す摂取タイミングに基づいて動物の健康状態を判定する判定ステップと、
前記判定ステップによる判定結果に基づく情報を、出力する出力ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康状態判定装置、健康状態判定システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、排泄物の量を計測することが可能な動物用トイレが提供されている(例えば特許文献1参照)。このような動物用トイレを用いることによって、ユーザは飼育している動物の排泄物に関する情報を容易に取得することが可能となった。そのため、ユーザは、排泄物の量の測定結果に基づいて、自身が飼育している動物の健康状態についても判断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-112929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、動物の健康状態についての判断の精度について要求は日に日に高まっている。そのため、さらに高い精度で動物の健康状態を判断する技術が要求されている。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、より高い精度で動物の健康状態を判断することが可能となる健康状態判定装置、健康状態判定システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、動物を測定可能な測定装置によって得られた動物の排泄に関する動作のタイミングである排泄タイミングを含む動物状態情報と、前記動物が飲食物を摂取したタイミングである摂取タイミングを含む飲食物情報と、を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記動物状態情報の示す排泄タイミング及び前記飲食物情報の示す摂取タイミングに基づいて動物の健康状態を判定する判定部と、前記判定部による判定結果に基づく情報を、出力する出力部と、を備えた健康状態判定装置である。
【0007】
本発明の一態様は、上記の健康状態判定装置であって、前記動物状態情報は、動物の排泄量を示す排泄情報を含み、前記飲食物情報は、前記動物が摂取した飲食物の量である摂取量を含む
【0008】
本発明の一態様は、上記の健康状態判定装置であって、前記動物状態情報は、動物の排泄回数を示す排泄情報を含み、前記飲食物情報は、前記動物が飲食物を摂取した回数である摂取回数を含む
【0009】
本発明の一態様は、上記の健康状態判定装置であって、前記動物状態情報は、動物の体重を示す体重情報を含み、前記飲食物情報は、前記動物が摂取した飲食物の量である摂取量を含む
【0010】
本発明の一態様は、上記の健康状態判定装置であって、前記動物状態情報は、動物の排泄のタイミングである排泄タイミングを示す排泄情報を含み、前記飲食物情報は、前記動物が飲食物を摂取したタイミングである摂取タイミングを含む
【0011】
本発明の一態様は、上記の健康状態判定装置であって、前記取得部により取得した前記動物状態情報および前記飲食物情報の少なくとも一方の情報に基づいて、他方の情報を予測する予測部をさらに有し、前記出力部は、前記予測部で予測された結果を出力することを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様は、動物用トイレに取り付けられたセンサにより取得される、前記動物用トイレを使用した動物の排泄に関する動作のタイミングである排泄タイミングを含む測定情報と、前記動物が飲食物を摂取したタイミングである摂取タイミングを含む飲食物情報と、を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記測定情報の示す排泄タイミング及び前記飲食物情報の示す摂取タイミングと、動物の健康状態に関する条件を示す判定条件と、に基づいて動物の健康状態を判定する判定部と、前記判定部による判定結果に基づく情報を出力する出力部と、を備えた健康状態判定システムである。
【0013】
本発明の一態様は、上記の健康状態判定システムであって、前記センサの測定対象は、温度、湿度、重量、長さ、面積、体積、光学的な変化、化学的な変化、または、音響的な変化のいずれか、もしくはそれらの組み合わせである。
【0014】
本発明の一態様は、上記の健康状態判定装置であって、コンピュータに、動物を測定可能な測定装置によって得られた動物の排泄に関する動作のタイミングである排泄タイミングを含む動物状態情報と、前記動物が飲食物を摂取したタイミングである摂取タイミングを含む飲食物情報と、を取得する取得ステップと、前記取得ステップによって取得された前記動物状態情報の示す排泄タイミング及び前記飲食物情報の示す摂取タイミングに基づいて動物の健康状態を判定する判定ステップと、前記判定ステップによる判定結果に基づく情報を、出力する出力ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、この発明によれば、より高い精度で動物の健康状態を判断することが可能となる技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る健康状態判定装置を含む健康状態判定システム100の概略構成を示す図である。
図2】ネコの飼い主宅におけるネットワーク構成を示す図である。
図3】動物用トイレ20の構成を示すブロック図である。
図4】ネコが動物用トイレ20に進入し、尿と便を排泄してから退出するまでの排泄動作測定値及び排泄測定値の変化を示す図である。
図5】ネコが動物用トイレ20に進入し、尿と便を排泄してから退出するまでの排泄動作測定値及び排泄測定値の変化を示す図である。
図6】給餌装置22の構成を示すブロック図である。
図7】携帯端末21の構成を示すブロック図である。
図8】携帯端末21の記憶装置に記憶されるデータベース、及び判定情報を示す図である。
図9】基準パターン及び実測パターンの具体例を示す図である。
図10】状態情報テーブルの具体例を示すデータテーブルである。
図11】サーバ10の構成を示すブロック図である。
図12】サーバ10の記憶装置に記憶されるデータベースを示す図である。
図13】サーバ10の記憶装置に記憶される判定情報を示す図である。
図14】異常と判断された場合の携帯端末21の表示例を示す図である。
図15】他の表示例を示す図である。
図16】サーバ10から携帯端末21に対して異常が通知された場合の表示例を示す図である。
図17】ネコの排泄情報の表示例を示す図である。
図18】健康状態を判定する処理内容を示すフローチャートである。
図19】健康状態判定装置の処理を示すシーケンス図である。
図20】健康状態判定装置の処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。以下の説明では、本発明の動物状態判定装置を、動物用トイレ、サーバ及び携帯端末に適用した実施形態について説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る健康状態判定装置を含む健康状態判定システム100の概略構成を示す図である。健康状態判定システム100は、サーバ10、ネットワーク30、及び動物用トイレ20-1、20-2、20-N、携帯端末21-1、21-2、21-N、給餌装置22-1、22-2、22-Nを含む。なお、“N”は1以上の整数である。以下、動物用トイレ20-1、20-2、20-Nのそれぞれを特に区別しない場合には任意の1台を動物用トイレ20と称する。携帯端末21-1、21-2、21-Nのそれぞれを特に区別しない場合には任意の1台を携帯端末21と称する。給餌装置22-1、22-2、22-Nのそれぞれを特に区別しない場合には任意の1台を給餌装置22と称する。
【0019】
動物用トイレ20、及び給餌装置22は、ネコの飼い主宅に設けられている。携帯端末21は、飼い主の携帯端末である。動物用トイレ20は、携帯端末21と通信可能である。携帯端末21は、ネットワーク30を介してサーバ10と通信可能である。給餌装置22は、ネットワーク30を介してサーバ10と通信可能である。飼い主は、飼い主宅以外からも種々の通信装置を用いてサーバ10と通信可能である。例えば、図1に示されるように、飼い主は、携帯端末40及びPC(Personal Computer)41等の通信装置によって、飼い主宅以外からもサーバ10と通信可能である。ネットワーク30は、インターネットや一般電話回線等で構成される。
【0020】
図2は、ネコの飼い主宅におけるネットワーク構成を示す図である。飼い主宅には、ネットワーク30と接続するルータ50が設けられている。携帯端末21とルータ50は、有線通信又は無線通信によって通信可能に接続される。携帯端末21とルータ50とは、例えば無線LANにより接続される。動物用トイレ20と携帯端末21は、有線通信又は無線通信によって通信可能に接続される。動物用トイレ20と携帯端末21とは、例えばBluetooth(登録商標) Low Energy(以下、「BLE」という)により接続される。給餌装置22と携帯端末21は、有線通信又は無線通信によって通信可能に接続される。給餌装置22と携帯端末21とは、例えばBLEにより接続される。
【0021】
次に、動物用トイレ20、携帯端末21、給餌装置22、及びサーバ10の構成について説明する。図3は、動物用トイレ20の構成を示すブロック図である。動物用トイレ20は、排泄検出部301、排泄動作検出部302、ネコID取得部303、状態情報管理部305、及び状態情報出力部306で構成される。動物用トイレ20には、ネコの排泄物を受けるシートとして吸収シートが設置される。吸収シートは、例えば水分を吸収する素材を用いて構成される。そのため、吸収シートは、ネコが排泄した尿を吸収することができる。動物用トイレ20には、ネコの便を受ける物体としてネコ砂が設置される。ネコ砂は、例えば便の表面に吸着して便の周囲を取り囲むような素材を用いて構成される。
【0022】
また、動物用トイレ20は、演算装置(例えばCPU(Central Processing Unit))、記憶装置(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory))、RTC(Real Time Clock)、通信デバイス等を備える。動物用トイレ20が実行する処理は演算装置により実行される。記憶装置には、動物用トイレ20を制御するプログラムや、各種情報等が記憶される。
【0023】
排泄検出部301は、動物用トイレ20に進入したネコの排泄の有無や、排泄の開始および終了を検出する。排泄検出部301によって検出された情報を、以下の説明では排泄検知情報と表現することがある。排泄検出部301は、例えば、動物用トイレ20に配置された液体センサやタッチセンサ、温度センサなどのセンシング装置や、動物用トイレ20内で排泄する動物や、動物の排泄物を撮影することで得られた画像を解析することにより排泄を検出する。排泄検出部301で検出された排泄検知情報は、ネコに一意に割り当てられたネコを識別するためのID(以下、「ネコID」という)と、RTCから取得された時刻情報とともに、状態情報管理部305に出力される。状態情報管理部305は、排泄検知情報、ネコID、及び時刻情報を紐付けて記憶装置に記憶する。なお、動物用トイレ20はカメラを備える構成であってもよい。
【0024】
排泄動作検出部302は、ネコが動物用トイレ20に進入および退出したこと、または、ネコが動物用トイレ20に進入可能な個所を通過したか否かにより入退出を検出する。また、排泄動作検出部302は、ネコの動物用トイレ20内における排泄動作を検出する。排泄動作検出部302によって検出された情報を、以下の説明では排泄動作情報と表現することがある。排泄動作検出部302は、例えば、動物用トイレ20において動物が進入可能な個所や、動物用トイレ20内に取り付けられた赤外線センサ、タッチセンサ、光学センサ、温度センサなどのセンシング装置や、カメラで動物が進入可能な個所や動物用トイレ20内を撮影することで得られた画像を解析することにより、入退出や排泄動作を検出する。排泄動作検出部302で検出された排泄動作情報は、ネコIDと、RTCから取得された時刻情報とともに、状態情報管理部305に出力される。状態情報管理部305は、排泄動作情報、ネコID、及び時刻情報を紐付けて記憶装置に記憶する。
【0025】
ネコID取得部303は、動物用トイレ20に接近したネコや、動物用トイレ20内に進入したネコからネコIDを取得する。ネコID取得部303は、例えばネコに予め取り付けられたネコ用デバイスから、ネコIDを取得する。または、ネコID取得部303は、動物用トイレ20に進入するネコをカメラで撮影することで得られる画像を解析することで進入したネコを特定し、特定されたネコのネコIDを取得してもよい。取得されたネコIDは、排泄検出部301及び排泄動作検出部302に出力される。
【0026】
状態情報管理部305は、排泄検出部301及び排泄動作検出部302により出力された情報に基づき、ネコの動物用トイレ20への進入日時、動物用トイレ20からの退出日時、進入時排泄予備動作回数、排泄開始日時、排泄終了日時を判定する。そして、状態情報管理部305は、これらの判定結果を、ネコIDに紐付けて記憶装置に記憶する。以下の説明では、ネコの動物用トイレ20への進入日時、動物用トイレ20からの退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、尿量、及び便量などの排泄に関する情報を「排泄情報」という。排泄情報を含む情報を動物状態情報という。
【0027】
状態情報管理部305は、取得部、判定部として機能する。状態情報管理部305は、ネコの排泄時間に関する排泄時間情報を算出するため、行動情報を取得する。排泄時間情報とは、排泄における時間に関する情報である。行動情報とは、ネコの動物用トイレ20内での行動に関する情報である。例えば、行動情報は、進入、排泄前の徘徊、排泄直前の停止(以下「排泄予備動作」という。)、排泄開始、排泄終了及び退出などの行動を示す。
【0028】
状態情報管理部305は、排泄時間情報及び判定情報に基づいて、ネコの健康状態を判定する。例えば、状態情報管理部305は、行動情報と、排泄検出部301で検出された排泄検知情報と、排泄動作検出部302で検出された排泄動作情報と、に基づき、排泄時間情報を算出する。排泄時間情報は、進入の時刻、排泄前の徘徊時間、排泄予備動作の時間、排泄開始の時刻、排泄終了の時刻及び退出の時刻である。状態情報管理部305は、排泄開始の時刻及び排泄終了の時刻に基づいて、排泄時間を算出する。状態情報管理部305は、排泄時間情報及び判定情報に基づいて、ネコの健康状態を判定する。
【0029】
状態情報管理部305は、判定情報に基づいて、排泄に要する所定の時間を判定に用いる閾値として算出する。状態情報管理部305は、排泄時間情報及び閾値に基づいて、現在のネコの健康状態を判定する。排泄時間情報の中で、排泄に要する時間(排泄前の徘徊時間、排泄直前の停止状態である時間、排泄時間)が閾値を超過する場合、状態情報管理部305は、ネコが健康でない可能性が高い(尿路結石や腎不全などの病気である可能性が高い)と判定する。排泄時間情報の中で、排泄に要する時間(排泄前の徘徊時間、排泄直前の停止状態である時間、排泄時間)が閾値以内である場合、状態情報管理部305は、ネコが健康である可能性が高いと判定する。以下では、状態情報管理部305が行う判定方法の具体例を図4及び図5を用いて説明する。
【0030】
上記進入日時などの判定方法について説明する。図4は、ネコが動物用トイレ20に進入し、尿と便を排泄してから退出するまでの排泄行動情報及び排泄検知情報の変化を示す図である。図4のグラフの縦軸は、排泄動作検知装置によるネコの排泄行動の測定値(以下「排泄行動測定値」という。)および排泄情報検知装置によるネコの排泄の測定値(以下「排泄測定値」という。)である。図4のグラフの横軸は、時間を示している。また、図4のグラフでは、ネコの進入前の排泄行動測定値及び排泄測定値を零基準としている。本実施形態の排泄測定値は、排泄の有無を示すフラグとして検出されるが、これに限定されず、排泄の有無が判定できれば他の測定方法であってもよい。
【0031】
ネコが動物用トイレ20に進入したタイミングT1で、排泄行動測定値が増加する。状態情報管理部305は、排泄行動測定値が増加したタイミングT1をネコの動物用トイレ20への進入日時として記憶する。その後、タイミングT2まで排泄行動測定値は増加するが、タイミングT2からタイミングT3まで排泄行動測定値が増減する。この状態は、ネコが筐体内で所望の位置に移動している状態である。タイミングT3からタイミングT4では、排泄行動測定値はほぼ変化しない。この状態は、ネコは排泄を開始するために体を動かしていない停止状態である。状態情報管理部305は、排泄行動測定値がほぼ変化しない状態となったタイミングT3を停止開始日時として記憶する。
【0032】
タイミングT4にて、排泄測定値が「無」から「有」に変化する。状態情報管理部305は、排泄測定値が「有」に変化したタイミングT4を排泄開始日時として記憶する。また、状態情報管理部305は、排泄開始日時または停止状態が終了したタイミングを停止終了日時として記憶する。タイミングT5から、排泄測定値は「無」に戻り、また排泄行動測定値が減少していく。タイミングT6にて、排泄行動測定値は下げ止まる。状態情報管理部305は、このタイミングT6を退出日時として記憶する。図4の場合、状態情報管理部305は、排泄時間情報及び判定情報に基づいて、ネコが健康である可能性が高いと判定する。
【0033】
状態情報管理部305は、侵入日時から退出日時の間で、排泄測定値が変動しなかった場合には、排尿していないと判定する。また、排泄予備動作が検出されたにもかかわらず、排泄測定値に変動がなかった場合、排泄がなかったと判定する。
【0034】
状態情報出力部306は、状態情報記憶部205により記憶された進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時排泄予備動作回数を携帯端末21に出力する。携帯端末21に出力された進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時の排泄予備動作の回数は、記憶装置から削除されてもよい。
【0035】
動物用トイレ20が携帯端末21と通信可能な場合、進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時排泄予備動作回数は、リアルタイムで出力される。一方、動物用トイレ20が携帯端末21と通信不可能な場合、進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時排泄予備動作回数は、記憶装置にバッファリングされる。その後、携帯端末21と通信可能となったときに、バッファリングされていた進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時排泄予備動作回数が出力されてもよい。
【0036】
図5は、ネコが動物用トイレ20に進入し、尿と便を排泄してから退出するまでの排泄行動測定値及び排泄検知情報の変化を示す図である。図5のグラフの縦軸は、排泄行動測定値および排泄測定値である。図5のグラフの横軸は、時間を示している。また、図5のグラフでは、ネコの進入前の排泄行動測定値及び排泄測定値を零基準としている。
【0037】
ネコが動物用トイレ20に進入したタイミングT1で、排泄行動測定値が増加する。状態情報管理部305は、排泄行動測定値が増加したタイミングT1をネコの動物用トイレ20への進入日時として記憶する。その後、タイミングT2まで排泄行動測定値は増加するが、タイミングT2からタイミングT3まで排泄行動測定値が増減する。この状態は、ネコが筐体内で所望の位置に移動している状態である。タイミングT3からタイミングT4では、排泄行動測定値はほぼ変化しない。この状態は、ネコは排泄を開始するために体を動かしていない停止状態である。状態情報管理部305は、排泄行動測定値がほぼ変化しない状態となったタイミングT3を停止開始日時として記憶する。
【0038】
タイミングT4にて、排泄測定値が「無」から「有」に変化する。状態情報管理部305は、排泄測定値が「有」に変化したタイミングT4を排泄開始日時として記憶する。また、状態情報管理部305は、排泄開始日時または停止状態が終了したタイミングを停止終了日時として記憶する。図5では、ネコは、タイミングT5からタイミングT6までの間と、タイミングT8からタイミングT9までの間と、において、再度停止状態になる。状態情報管理部305は、排泄時間情報及び判定情報に基づいて、ネコが健康でない可能性が高い(尿路結石や腎不全などの病気である可能性が高い)と判定する。
【0039】
ネコは、タイミングT6からタイミングT8までの間は、排泄行動を行っているが、排泄測定値はタイミングT6からタイミングT7までの間しか「有」に変化していない。このため、状態情報管理部305は、排泄行動測定値及び排泄測定値に基づいて、ネコが健康でない可能性が高いと判定する。すなわち、状態情報管理部305は、ネコが排泄をしたいのにもかかわらず実際は尿が排泄されていない、と判断する。また、状態情報管理部305は、排泄開始日時または停止状態が終了したタイミングを停止終了日時として記憶する。タイミングT10から、排泄測定値は「無」となり、また排泄行動測定値が減少していく。タイミングT12にて、排泄行動測定値は下げ止まる。状態情報管理部305は、このタイミングT12を退出日時として記憶する。
【0040】
状態情報出力部306は、状態情報記憶部205により記憶された進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時排泄予備動作回数を携帯端末21に出力する。携帯端末21に出力された進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時の排泄予備動作の回数は、記憶装置から削除されてもよい。
【0041】
動物用トイレ20が携帯端末21と通信可能な場合、進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時の排泄予備動作の回数は、リアルタイムで出力される。一方、動物用トイレ20が携帯端末21と通信不可能な場合、進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時の排泄予備動作の回数は、記憶装置にバッファリングされ、携帯端末21と通信可能となったときにバッファリングされた進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時の排泄予備動作の回数が出力される。
【0042】
以上のように、状態情報管理部305は、行動情報に基づいて、排泄前の徘徊時間、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時の排泄予備動作の回数を、を算出する。状態情報管理部305は、停止開始日時から停止終了日時の時間(停止状態の時間)と、排泄開始日時から排泄終了日時(排泄時間)と、排泄前の徘徊時間と、の少なくとも1つ以上に基づいて、ネコの健康状態を判定する。なお、本実施形態では、一例として状態情報管理部305が健康状態の判定をすると説明したが、状態情報管理部305と、サーバ10の全体ネコ情報管理部345と、携帯端末21の比較部325と、の内少なくとも1つの機能部が同様の判定を行ってもよい。
【0043】
図6は、給餌装置22の構成を示すブロック図である。給餌装置22は、フード重量検出部312、水重量検出部313、ネコID取得部314、給餌情報管理部316、及び給餌情報出力部317で構成される。
【0044】
また、給餌装置22は、演算装置(例えばCPU)、記憶装置(例えば、ROM、RAM)、RTC、通信デバイス等を備える。給餌装置22が実行する処理は演算装置により実行される。記憶装置には、給餌装置22を制御するプログラムや、各種情報等が記憶される。
【0045】
ネコID取得部314は、給餌装置22に接近したネコからネコIDを取得する。このように構成されることによって、ネコID取得部314は、自装置において提供されるキャットフード又は水を飲食したネコのネコIDを取得する。取得されたネコIDは、フード重量検出部312及び水重量検出部313に出力される。フード重量検出部312は、自装置に蓄えられているキャットフードの重量を所定周期(例えば、100ミリ秒周期等)で検出する。自装置に蓄えられているキャットフードは、給餌装置22に接近したネコが摂食可能な状態となるようにネコに対して提供される。キャットフードの提供技術は、既知の技術を用いて実現可能である。フード重量は、ネコによってキャットフードが摂食されることによって減少する。フード重量検出部312によって検出された重量を、以下の説明ではフード重量と表現することがある。検出されたフード重量は、ネコIDと、RTCから取得された時刻情報とともに、給餌情報管理部316に出力される。給餌情報管理部316は、フード重量、ネコID、及び時刻情報を紐付けて記憶装置に記憶する。
【0046】
水重量検出部313は、水の重量を所定周期(例えば、100ミリ秒周期等)で検出する。自装置に蓄えられている水は、給餌装置22に接近したネコが摂取可能な状態となるようにネコに対して提供される。水の提供技術は、既知の技術を用いて実現可能である。水の重量は、ネコによって水が摂取されることによって減少する。水重量検出部313によって検出された重量を、以下の説明では水重量と表現することがある。検出された水重量は、ネコIDと、RTCから取得された時刻情報とともに、状態情報管理部305に出力される。給餌情報管理部316は、水重量、ネコID、及び時刻情報を紐付けて記憶装置に記憶する。
【0047】
給餌情報管理部316は、フード重量が変化したときに、変化前のフード重量と変化後のフード重量の差分をフード摂取量として記憶する。給餌情報管理部316は、水重量が変化したときに、変化前の水重量と変化後の水重量の差分を水摂取量として記憶する。また、給餌情報管理部316は、フード重量が変化したとき、または水重量が変化したときの日時を給餌日時として記憶する。給餌情報管理部316は、フード摂取量又は水摂取量と給餌日時とを対応付けて記憶する。以下の説明では、フード摂取量、水摂取量、給餌日時などの給餌(動物の飲食物)に関する情報を「飲食物情報」という。
【0048】
給餌情報出力部317は、給餌情報管理部316により記憶されたフード摂取量、及び水摂取量を携帯端末21に出力する。出力されるフード摂取量、及び水摂取量は、ネコIDと時刻情報とともに携帯端末21に出力される。携帯端末21に出力されたフード摂取量、及び水摂取量は、紐付けられているネコIDや時刻情報とともに、給餌情報管理部316から削除されてもよい。
【0049】
図7は、携帯端末21の構成を示すブロック図である。携帯端末21は、状態情報受信部321、給餌情報受信部322、判定情報取得部323、個別ネコ情報管理部324、比較部325、比較結果出力部326、ネコ情報出力部327、ユーザ情報登録部328、ユーザ情報出力部329、ネコ属性情報登録部330、ネコ属性情報出力部331、トイレ情報登録部332、及びトイレ情報出力部333で構成される。
【0050】
また、携帯端末21は、演算装置(例えばCPU)、記憶装置(例えば、ROM、RAM)、RTC、通信デバイス、表示デバイス、入力デバイス等を備える。携帯端末21が実行する処理は演算装置により実行される。記憶装置は、携帯端末21を制御するプログラムや、各種情報等が記憶される。
【0051】
状態情報受信部321は、動物用トイレ20から進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄測定値、生体情報測定値、および排泄行動測定を受信し、個別ネコ情報管理部324に出力する。給餌情報受信部322は、給餌装置22からフード摂取量と水摂取量と、それらに紐付けられたネコIDと時刻情報とを受信し、個別ネコ情報管理部324に出力する。生体情報測定値とは、例えば、ネコの排泄中の撮影画像やネコの体長の推定値等、ネコの体に関する測定情報を表す。排泄行動測定値とは、例えば、ネコの入退出の検出値や、ネコのトイレ内における行動の光学的測定値や力学的測定値、温度測定値などの測定値であり、ネコの行動に関する測定情報を表す。排泄測定値とは、ネコの便の色やネコの尿の有無、ネコの尿の勢い、便か尿かを示す排泄種別などの、ネコの排泄に関する測定情報を表す。
【0052】
図8は、携帯端末21の記憶装置に記憶されるデータベース(以下、「DB」という)、及び判定情報を示す図である。図8(A)は、排泄DBを示す図である。排泄DBは、上述した進入日時、退出日時、停止開始日時、排泄開始日時、排泄終了日時排泄測定値、生体情報測定値、および排泄行動測定値で構成される。このうち、排泄種別は、排泄物が尿か便を示す。排泄物が便の場合、排泄開始日時及び排泄終了日にはNULLがセットされる。また、排泄量における単位は、尿の場合にはml(ミリリットル)、便の場合にはg(グラム)を示す。
【0053】
図8(B)は、給餌DBを示す図である。給餌DBは、給餌日時、給餌種別、及び給餌量で構成される。このうち、給餌種別は、飲食物がキャットフードか水を示す。また、給餌量における単位は、水の場合にはml(ミリリットル)、キャットフードの場合にはg(グラム)を示す。
【0054】
また、個別ネコ情報管理部324は、上記排泄DB及び給餌DBを用いて、動物の健康状態を判定するための判定情報(個別排泄、個別給餌)を生成する。図8(C)は、判定情報(個別排泄)を示し、図8(D)は、判定情報(個別給餌)を示す。図8(C)、図8(D)に示される判定情報は、排泄DB及び給餌DBに示されるパラメータの平均値であり、集計期間は、例えば3か月などが挙げられる。
【0055】
判定情報(個別排泄)における各パラメータについて説明する。平均滞在時間は、集計期間における進入日時から退出日時までの平均時間を示す。平均停止時間は、集計期間における停止開始日時から停止終了日時までの平均時間を示す。平均排泄時間は、集計期間における排泄開始日時から排泄終了日時までの平均時間を示す。平均排泄回数は、集計期間における1日の排泄回数の平均値を示す。平均排泄行動測定値は、排泄回数および排泄時間とは異なる排泄行動測定値の各項目の集計期間における平均値を示す。平均排泄測定値は、排泄測定値の集計期間における平均値を示す。平均生体情報測定値は、集計期間における生体情報測定値の各項目の平均値を示す。
【0056】
判定情報(個別給餌)は、ネコIDをキーにして、平均給餌量から平均給餌回数まで、4つのパラメータで構成されるが、1番目の平均給餌量と2番目の平均給餌回数は、飲食物がキャットフードの場合の判定情報であり、3番目の平均給餌量と4番目の平均給餌回数は、飲食物が水の場合の判定情報である。
【0057】
判定情報(個別給餌)における各パラメータについて説明する。平均給餌量は、集計期間における1日の給餌量の平均値を示す。平均給餌回数は、集計期間における1日の給餌回数の平均値を示す。以上説明した判定情報(個別排泄)及び判定情報(個別給餌)をまとめて判定情報(個別)と表現する。
【0058】
図7の説明に戻り、ネコ情報出力部327は、個別ネコ情報管理部324が記憶した、排泄DB及び給餌DBに示される各情報をサーバ10に出力する。判定情報取得部323は、サーバ10から判定情報(同種排泄)、判定情報(同種給餌)を取得し、個別ネコ情報管理部324から判定情報(個別)を取得する。判定情報(同種排泄)、判定情報(同種給餌)とは、他のネコの状態情報等に基づく判定情報である。判定情報(同種排泄)及び判定情報(同種給餌)をまとめて判定情報(同種)と表現する。判定情報(同種)についての詳細は後述する。
【0059】
比較部325は、判定部として機能することによって、種々の判定を行う。比較部325は、例えば動物状態情報及び飲食物情報と、動物の健康状態に関する条件を示す判定条件と、に基づいて動物の健康状態を判定する。比較部325は、例えば状態情報と判定情報とを比較し、比較結果を比較結果出力部326に出力する。比較結果出力部326は、比較部325が出力した比較結果を表示デバイスや他の装置に出力する。以下、比較部325の動作の具体例の詳細について説明する。
【0060】
比較部325は、例えば飲食物情報によって示される所定期間のフード摂取量の合計値(以下「フード累積値」という。)と、動物状態情報によって示される上記所定期間の便量の合計値(以下「便累積値」という。)との差分と閾値との関係に基づいて、健康状態を判定してもよい。例えば、フード累積値と便累積値との差分が所定の閾値(便秘判定の閾値)を超えている場合には、便秘であると判定されてもよい。例えば、フード累積値と便累積値との差分が所定の閾値(下痢判定の閾値)未満である場合には、下痢であると判定されてもよい。これらの閾値は、絶対値で表されてもよいし、フード累積値と便累積値との比で表されてもよい。
【0061】
比較部325は、例えば飲食物情報によって示される所定期間の水摂取量の合計値(以下「水累積値」という。)と、動物状態情報によって示される上記所定期間の尿量の合計値(以下「尿累積値」という。)との差分と閾値との関係に基づいて、健康状態を判定してもよい。例えば、水累積値と尿累積値との差分が所定の閾値(腎不全判定の閾値)を超えている場合には、腎不全の可能性があると判定されてもよい。例えば、水累積値と尿累積値との差分が所定の閾値(脱水判定の閾値)未満である場合には、脱水状態であると判定されてもよい。これらの閾値は、絶対値で表されてもよいし、水累積値と尿累積値との比で表されてもよい。例えば、水累積値の半分~2/3の量よりも大幅に多い又は大幅に少ない量が尿累積値として得られた場合には、不健康であると判定されてもよい。大幅に多い又は大幅に少ないという判定基準は、上述した閾値を用いて定められてもよい。
【0062】
比較部325は、例えば飲食物情報に基づいて得られる所定期間のフード摂取の回数(以下「フード摂取回数」という。)と、動物状態情報に基づいて得られる上記所定期間の便の回数(以下「便回数」という。)との関係に基づいて、健康状態を判定してもよい。例えば、フード摂取回数の方が大きい値であって、且つ、フード摂取回数と便回数との差が所定の閾値以上である場合には、便秘であると判定されてもよい。例えば、便回数の方が大きい値であって、且つ、フード摂取回数と便回数との差が所定の閾値以上である場合には、下痢であると判定されてもよい。
【0063】
比較部325は、例えば飲食物情報に基づいて得られる所定期間の水摂取の回数(以下「水摂取回数」という。)と、動物状態情報に基づいて得られる上記所定期間の尿の回数(以下「尿回数」という。)との関係に基づいて、健康状態を判定してもよい。例えば、水摂取回数の方が大きい値であって、且つ、水摂取回数と尿回数との差が所定の閾値以上である場合には、腎不全であると判定されてもよい。例えば、尿回数の方が大きい値であって、且つ、水摂取回数と尿回数との差が所定の閾値以上である場合には、脱水であると判定されてもよい。
【0064】
比較部325は、例えば飲食物情報によって示されるフード累積値又は水累積値と、動物状態情報によって示される上記所定期間におけるネコの体重の変化を示す情報(例えば所定期間における体重の変動値、所定期間における最大値と最小値との差)との関係に基づいて、健康状態を判定してもよい。例えば、フード累積値又は水累積値が所定の閾値以上であるにも関わらず所定期間において体重が閾値以上減少している場合には、下痢又は脱水による不健康な状態であると判定されてもよい。これらの閾値は、絶対値で表されてもよいし、各値の比で表されてもよい。例えば、水の摂取量が体重1kgに対して50mlよりも大幅に異なる場合には、不健康であると判定されてもよい。
【0065】
比較部325は、例えば飲食物情報によって示される給餌日時と、動物状態情報に基づいて得られる上記所定期間における排泄日時との関係に基づいて、健康状態を判定してもよい。また、比較部325は、例えば飲食物情報によって示されるフード摂取量及び/又は水摂取量と給餌日時の組み合わせと、動物状態情報に基づいて得られる上記所定期間における便量及び/又は尿量と排泄日時との組み合わせと、の関係に基づいて、健康状態を判定してもよい。例えば、判定条件として予め定められた給餌日時と排泄日時とのタイミングと各タイミングにおける摂取量及び排泄量とのパターン(以下「基準パターン」という。)と、ネコの実測値としての給餌日時及び排泄日時とのタイミングと各タイミングにおける摂取量及び排泄量とのパターン(以下「実測パターン」という。)との類似度が所定の閾値以上である場合(すなわち似ている場合)には、健康であると判定されてもよい。一方、上記各パターンの類似度が所定の閾値未満である場合(すなわち似ていない場合)には、不健康であると判定されてもよい。なお、基準パターン及び実測パターンは、所定の基準の時間における各行動のタイミングを示すパターンである。所定の基準の時間とは、例えば0時から24時までの一日間におけるパターンであってもよいし、ネコが起床してから就寝するまでの間におけるパターンであってもよいし、他のパターンであってもよい。
【0066】
図9は、基準パターン及び実測パターンの具体例を示す図である。図9(A)は、基準パターンの具体例を示す。図9(B)及び図9(C)は実測パターンの具体例を示す。図9には、排尿及び給水(水の摂取)に関する基準パターン及び実測パターンの具体例が示されている。基準パターンは、健康なネコから得られるパターンであり、理想的なパターンとして定義されることが望ましい。図9(A)に近いパターンとして実測パターンが得られた場合には、比較部325はネコに異常が生じていない(健康である)と判定する。図9(B)の実測パターンは、給水の回数に対して排尿の回数が多いパターンである。図9(C)の実測パターンは、給水の回数に対して排尿の回数が少ないパターンである。図9(B)又は図9(C)に近いパターンとして実測パターンが得られた場合には、比較部325はネコに異常が生じている(健康ではない可能性がある)と判定する。
【0067】
上述した判定条件は、過去に同一のネコに関して収集された飲食物情報及び動物状態情報の統計値に基づいて定められてもよい。上述した判定条件は、過去に同種の複数のネコに関して収集された飲食物情報及び動物状態情報の統計値に基づいて定められてもよい。このように構成されることによって、例えば単位時間当たりの給餌及び排泄のタイミングが過去と異なることに基づいて不健康であると判定され、アラームが出される。
【0068】
上述した判定条件は、過去に同一のネコに関して収集された飲食物情報及び動物状態情報と実際のネコの健康状態を示す情報との組み合わせである教師データを用いて機械学習を行うことによって得られる学習結果に基づいて定められてもよい。上述した判定条件は、過去に同種の複数のネコに関して収集された飲食物情報及び動物状態情報と実際のネコの健康状態を示す情報との組み合わせである教師データを用いて機械学習を行うことによって得られる学習結果に基づいて定められてもよい。
【0069】
比較部325は、飲食物情報と動物状態情報とのいずれか一方の情報に基づいて、他方の情報を予測してもよい。このような予測は、過去に同一のネコに関して収集された飲食物情報及び動物状態情報との組み合わせである教師データを用いて機械学習を行うことによって得られる学習結果を用いて行われてもよい。また、このような予測は、過去に同種の複数のネコに関して収集された飲食物情報及び動物状態情報との組み合わせである教師データを用いて機械学習を行うことによって得られる学習結果を用いて行われてもよい。
なお、上述した比較部325は、必ずしも携帯端末21に実装される必要は無い。例えば、上述した比較部325は、サーバ10に実装されてもよい。
【0070】
ユーザ情報登録部328は、ユーザにより入力されたネコの飼い主の国籍、性別、生年月日、及び姓名を取得する。ユーザ情報出力部329は、ユーザ情報登録部328によって取得された各情報をサーバ10に出力する。ネコ属性情報登録部330は、ユーザにより入力されたネコの品種、性別、生年月日、及び名を取得する。品種IDは、ネコの品種に一意に割り当てられた品種を識別するためのIDである。性別は、ネコの性別を示す。生年月日は、ネコの生年月日を示す。名は、ネコの名を示す。
【0071】
ネコ属性情報出力部331は、ネコ属性情報登録部330によって取得された各情報をサーバ10に出力する。トイレ情報登録部332は、ユーザにより入力されたトイレID、動物用トイレ20の使用開始日、及びシートの交換日時を取得する。トイレIDは、トイレに一意に割り当てられた識別情報である。交換日時は、トイレIDに示されるトイレでシートが交換された日時を示す。トイレ情報出力部333は、トイレ情報登録部332によって取得された各情報をサーバ10に出力する。シートの交換日時は、シートを交換するたびにユーザにより入力される。
【0072】
図10は、状態情報テーブルの具体例を示すデータテーブルである。状態情報テーブルとは、状態情報管理部305によって格納される、ネコID、排泄動作情報、排泄検知情報及び時刻情報を含むデータテーブルである。ネコID、排泄予備動作回数、排泄動作情報(入室日時、退室日時、排泄開始日時、排泄終了日時)、排泄検知情報(排泄有無)の各データ項目に関しては、図2で説明したため、説明を省略する。なお、状態情報テーブルは、上記以外のデータ項目を格納してもよい。
【0073】
図11は、サーバ10の構成を示すブロック図である。サーバ10は、ネコ情報受信部341、ユーザ情報受信部342、ネコ属性情報受信部343、トイレ情報受信部344、全体ネコ情報管理部345、登録情報管理部346、判定情報提供部347、及びネコ情報提供部348で構成される。なお、サーバ10は、各飼い主の携帯端末21と通信するため、各飼主が飼っているネコの情報を受信する。
【0074】
また、サーバ10は、演算装置(例えばCPU)、記憶装置(例えば、ROM、RAM、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive))、RTC、通信デバイス、表示デバイス、入力デバイス等を備える。サーバ10が実行する処理は演算装置により実行される。記憶装置は、サーバ10を制御するプログラムや、各種情報等が記憶される。
【0075】
ネコ情報受信部341は、携帯端末21のネコ情報出力部327により出力された情報を受信し、全体ネコ情報管理部345に出力する。なお、ネコ情報出力部327により出力された情報は、図7に示される排泄DB及び給餌DBに示される情報である。
【0076】
全体ネコ情報管理部345は、ネコ情報受信部341に出力された情報を、記憶装置に記憶する。従って、図7で示した排泄DB、及び給餌DBは、サーバ10にも記憶される。全体ネコ情報管理部345は、上記排泄DB及び給餌DBを用いて、動物の健康状態を判定するための判定情報(同種排泄、同種給餌)を生成する。判定情報(同種排泄)及び判定情報(同種給餌)をまとめて判定情報(同種)と表現する。判定情報(同種)についての詳細は後述する。
【0077】
ユーザ情報受信部342は、携帯端末21のユーザ情報出力部329により出力された情報を受信し、登録情報管理部346に出力する。ネコ属性情報受信部343は、携帯端末21のネコ属性情報出力部331により出力された情報を受信し、登録情報管理部346に出力する。トイレ情報受信部344は、携帯端末21のトイレ情報出力部333により出力された情報を受信し、登録情報管理部346に出力する。登録情報管理部346は、ユーザ情報受信部342、ネコ属性情報受信部343、及びトイレ情報受信部344が出力した情報を記憶装置に記憶する。
【0078】
判定情報提供部347は、判定情報(同種)を携帯端末21、40、PC41等に提供する。ネコ情報提供部348は、サーバ10に記憶された排泄DB、及び給餌DBに示される情報を、携帯端末21、40、PC41等に提供する。
【0079】
図12は、サーバ10の記憶装置に記憶されるデータベースを示す図である。図12(A)は、排泄DBを示す図である。図12(B)は、給餌DBを示す図である。排泄DB及び給餌DBは、図7の排泄DB及び給餌DBと同じ構成のため、説明を省略する。図12(C)は、ユーザDBを示す図である。ユーザDBは、ユーザに関する各種情報を記録するためのDBである。ユーザDBは、ユーザID、国籍、性別、生年月日、及び姓名で構成される。ユーザIDは、ユーザ登録時に、ユーザに一意に割り当てられたユーザを識別するためのIDである。
【0080】
図12(D)は、品種DBを示す図である。品種DBは、品種ID、及び品種名で構成される。品種IDは、品種名(雑種も含む)に一意に割り当てられた品種名を識別するためのIDである。図12(E)は、ネコDBを示す図である。ネコDBは、ネコID、ユーザID、品種ID、性別、生年月日、及び名で構成される。ネコDBに示されるユーザIDは、ネコIDに対応するネコの飼い主のユーザIDである。
【0081】
図12(F)は、トイレDBを示す図である。トイレDBは、トイレID、及びユーザIDで構成される。トイレIDに示されるユーザIDは、トイレIDに対応するトイレの所有者のユーザIDである。図12(G)は、シートDBを示す図である。シートDBは、トイレID、及び交換日時で構成される。
【0082】
全体ネコ情報管理部345は、上記排泄DB及び給餌DBを用いて、動物の健康状態を判定するための判定情報(同種)を生成する。図13は、サーバ10の記憶装置に記憶される判定情報を示す図である。図13(A)は、判定情報(同種排泄)を示し、図13(B)は、判定情報(同種給餌)を示す。図13(A)、図13(B)に示される判定情報は、排泄DB及び給餌DBに示されるパラメータの平均値であり、集計期間は、例えば3か月などが挙げられる。
【0083】
判定情報(同種排泄)は、品種IDをキーにして、生年ごとに設けられる。従って、判定情報(同種排泄)は、各品種の生年ごとの判定情報である。
【0084】
判定情報(個別排泄)における各パラメータについて説明する。平均滞在時間は、集計期間における進入日時から退出日時までの平均時間を示す。平均停止時間は、集計期間における停止開始日時から停止終了日時までの平均時間を示す。平均排泄時間は、集計期間における排泄開始日時から排泄終了日時までの平均時間を示す。平均排泄回数は、集計期間における1日の排泄回数の平均値を示す。平均排泄行動測定値は、停止時間、排泄回数および排泄時間とは異なる排泄行動測定値の各項目の集計期間における平均値を示す。平均排泄測定値は、集計期間における排泄測定値の各項目の平均値を示す。平均生体情報測定値は、集計期間における生体情報測定値の各項目の平均値を示す。
【0085】
判定情報(同種給餌)は、品種IDをキーにして、生年ごとに設けられる。従って、判定情報(同種給餌)は、各品種の生年ごとの判定情報である。
【0086】
判定情報(同種給餌)は、平均給餌量から平均給餌回数まで、4つのパラメータが含まれるが、1番目の平均給餌量と2番目の平均給餌回数は、飲食物がキャットフードの場合の判定情報であり、3番目の平均給餌量と4番目の平均給餌回数は、飲食物が水の場合の判定情報である。
【0087】
判定情報(個別給餌)における各パラメータについて説明する。平均給餌量は、集計期間における1日の給餌量の平均値を示す。平均給餌回数は、集計期間における1日の給餌回数の平均値を示す。
【0088】
次に、携帯端末21における画面の表示例について説明する。携帯端末21は受信した健康状態情報を表示する。図14は、異常と判断された場合の携帯端末21の表示例を示す図である。図14aの表示例は、動物用トイレ20を利用しているネコが進入から排泄(例えば排尿)するまでの時間と、他の動物用トイレ20を利用している他のネコの進入から排泄(例えば排尿)するまでの時間の平均時間と、を比べて、閾値以上の差がある場合に表示される画面である。図14aでは、例えば、たま(ネコの名前)が動物用トイレ20においてユーザ自身のペット(たま)が排泄までに要した時間と同種の他のネコが排泄までに要した時間の統計値(例えば平均値)と、ペットのネコの健康状態の判定結果とが表示される。このため、図14aの表示例のような画面を表示することにより、ユーザ(例えば、ネコの飼い主)は、ネコの健康状態に加え、ネコが排尿をしようとしても尿が出ていない可能性があることを認知することができる。
【0089】
図14bの表示例は、動物用トイレ20及び給餌装置22を利用しているネコの水摂取量に関する情報と排尿回数に関する情報とが表示される。具体的には、水摂取量に関する情報として、平常時の水摂取量と、本日の水摂取量が表示されてもよい。平常時の水摂取量として、例えば所定期間(例えば1週間)の水摂取量の平均値が表示されてもよい。排尿回数に関する情報として、平常時の排尿回数と、本日の排尿回数とが表示されてもよい。平常時の排尿回数として、例えば所定期間(例えば1週間)の排尿回数の平均値が表示されてもよい。さらに、比較部325による判定結果が表示されてもよい。例えば、水分を摂取しているにもかかわらず排尿回数が少ない傾向があることを示す文字列や画像が表示されてもよい。このため、図14bの表示例のような画面を表示することにより、ユーザ(例えば、ネコの飼い主)は、ネコの健康状態に加え、ネコが排尿できていない可能性があることを認知することができる。
【0090】
図15は、他の表示例を示す図である。図15の表示例は、動物用トイレ20及び給餌装置22を利用しているネコのフード摂取量に関する情報、水摂取量に関する情報、排便回数に関する情報、排尿回数に関する情報、が表示される。具体的には、フード摂取量に関する情報として、本日のフード摂取量が基準値に比べて多い・ふつう・少ない、のいずれかを示す表示がなされてもよい。基準値は、例えば過去のそのネコのフード摂取量の統計値(例えば平均値、最頻値など)として定義されてもよいし、同種の他のネコのフード摂取量の統計値(例えば平均値、最頻値など)として定義されてもよいし、動物用トイレ20及び給餌装置22を利用している他のネコのフード摂取量の統計値(例えば平均値、最頻値など)として定義されてもよい。水摂取量、排便回数及び尿回数についても同様である。比較部325は、これらの値に基づいて判定を行う。その判定結果も携帯端末21の画面に表示されてもよい。
【0091】
例えば、図15aの表示例では、フード摂取量(ごはんの量)、水摂取量(水の量)はいずれもふつうであり、排尿回数(おしっこ)、排便回数(うんち)にはいずれも基準値と同程度の値であることを示す丸印が表示されている。その結果、比較部325はネコ(たま)の健康状態が良好であると判定している。その判定結果も表示されている。例えば、図15bの表示例では、フード摂取量(ごはんの量)、水摂取量(水の量)はいずれもふつうであるものの、排尿回数(おしっこ)は基準値よりも低い回数となっていることを示すバツ印が表示されている。その結果、比較部325はネコ(たま)の健康状態について異常が生じていると判定している。より具体的には、排尿したいにもかかわらず排尿できていないことを示す文字列や画像が表示される。さらに、“詳細はこちら”という文字列も表示される。“詳細はこちら”の文字列に対して操作(例えばタップ)がなされると、たまの健康状態についてさらに詳細な情報が示される画面が表示される。詳細な情報が示される画面には、例えば異常が生じていると判定された事項(例えば排尿)に関するより詳細な情報が表示されてもよい。
【0092】
また、サーバ10が動物用トイレ20から各種の情報を受信し、ネコの健康状態を判定するシステムであった場合、ネコの健康状態が異常と判定されたときにサーバ10から携帯端末21に対して通知を送信することが考えられる。図16は、サーバ10から携帯端末21に対して異常が通知された場合の表示例を示す図である。aの表示例は、携帯端末21がサーバ10から通知を受信した場合、携帯端末21にインストールされたアプリケーションが通知をアイコンで表示した例である。bの表示例は、携帯端末21が、アプリケーションの実行指示(アプリケーションのアイコンの選択など)を受け付けた場合、アプリケーションが起動し、通知内容(ネコの健康状態が異常と判定された結果)を表示した例である。図16では、例えば、たま(ネコの名前)が動物用トイレ20に入室した時間と、排泄までにかかった時間と、同じ猫種の排泄までにかかる平均時間と、健康状態の判定結果とが表示される。
【0093】
また、動物用トイレ20を利用するネコの排泄情報を携帯端末21に表示させるようにしてもよい。図17は、ネコの排泄情報の表示例を示す図である。例えば、aの表示例は、動物用トイレ20を利用するネコの平均排泄回数(1日当たりのトイレへの進入回数や排泄の検出回数等)や、ネコの平均の動物用トイレ20の滞在時間(進入から退室までの平均時間)、他のネコや一般的なネコと動物用トイレ20を利用するネコとの排尿時間の比較結果、排尿できなかった回数などを提示した例である。図17では、例えば、たま(ネコの名前)が1日当たりの動物用トイレ20に入室した回数の平均と、動物用トイレ20に滞在した時間の平均と、同じ猫種の排泄までにかかる平均時間と比較した排尿時間が長いか否かの比較結果と、排尿できなかった回数と、健康状態の判定結果とが表示される。bの表示例は、比較結果に異常がみられる場合、結果に排泄の傾向(「排尿が長い傾向があります。」や「排尿できなかった回数が多いです。」などの出力)や、対処方法の提案(病院への通院を促す出力)をaの表示例と合わせて提示した例である。なお、携帯端末21による情報の提示は、ディスプレイの表示だけでなくスピーカーによる音声や振動といったものであってもよい。
【0094】
このように、携帯端末21が、ネコの動物用トイレ20における排泄行動に関する情報の提示を行うことで、ユーザ(動物の飼い主)は、動物が普段の状態と異なることや、他の動物、あるいは一般的な基準等と比較して異なる状態にあるかをより詳細に認知することができる。
【0095】
図18は、健康状態を判定する処理内容を示すフローチャートである。
まず、状態情報管理部305は、排泄情報を取得する(ステップS101)。給餌情報管理部316は、飲食物情報を取得する(ステップS102)。比較部325は基準値を取得する(ステップS103)。比較部325は、所定の基準にしたがってネコの健康状態を判定する(ステップS104)。異常がなかった場合(ステップS104-NO)、比較結果出力部326は、正常であることを示すメッセージを画面に表示する(ステップS105)。一方、異常があった場合(ステップ104-YES)、比較部325はネコの以上の内容を特定する。ステップS104とS106の処理とは同時に行われてもよい。異常の内容とは、例えば下痢であるという判定結果や、脱水状態であるという判定結果などを示す。この場合、比較結果出力部326は、異常内容に応じたメッセージを画面に表示する(ステップS107)。
【0096】
図19は、健康状態判定装置の処理を示すシーケンス図である。なお、図19に示されるシーケンス図では、比較部325はサーバ10に実装される。動物用トイレ20は、排泄測定値及び排泄行動測定値のデータを測定する(ステップS201)。次に動物用トイレ20は、測定したデータを携帯端末21に送る(ステップS202)。給餌装置22は、飲食物情報のデータを測定する(ステップS203)。次に給餌装置22は、測定したデータを携帯端末21に送る(ステップS204)。携帯端末21は、取得したデータを記憶する(ステップS205)。携帯端末21は、測定データをサーバ10に送る(ステップS206)。サーバ10は、受け取ったデータを記憶する。そして、サーバ10は、受け取ったデータを解析する(ステップS207)。サーバ10は、データを解析した結果を記憶する(ステップS208)。サーバ10は、解析結果に対応付けられた提示情報を特定する(ステップS209)。なお、データの解析は、携帯端末21で行われてもよい。携帯端末21でデータを解析することにより、解析のために通信を都度行う必要がなくなるため、オフラインでの利用も可能となる。サーバ10は、解析結果及び提示情報を携帯端末21に送る(ステップS210)。携帯端末21は、ユーザに解析結果及び提示情報の少なくとも一方を表示する(ステップS211)。
【0097】
携帯端末21は、ユーザによる操作に応じて情報表示指示を受けた場合(ステップS212)、表示リクエスト通知をサーバ10に送る(ステップS213)。サーバ10は、表示リクエストを受信すると、表示リクエストに対応付けられた提示情報を特定する(ステップS214)。サーバ10は、特定した提示情報を表示データとして携帯端末21に送る(ステップS215)。携帯端末21は受信した表示データをユーザに表示する(ステップS216)。
【0098】
図20は、健康状態判定装置の処理を示すシーケンス図である。なお、図19で説明した処理に関しては、説明を省略する。
動物用トイレ20は、ステップS201を行う。次に動物用トイレ20は、測定データをサーバ10に送る(ステップS301)。給餌装置22は、ステップs203を行う。次に給餌装置22は、測定したデータをサーバ10に送る(ステップS302)。サーバ10は、受信した測定データを記憶する(ステップS303)。携帯端末21は、サーバ10に測定データの解析リクエストを通知する(ステップS304)。その後ステップS207~ステップS216の処理を行う。なお、測定データの解析は、解析リクエストを受信する前に行われてもよい。これにより、サーバ10のみが測定データを記憶するため、携帯端末21の処理負担が軽減する。
【0099】
このように構成された健康状態判定装置によれば、状態情報管理部305を備えることで、行動情報と、排泄検出部301で検出される排泄検知情報と、排泄動作検出部302で検出される排泄行動測定値とを取得する。また、判定情報取得部323を備えることで判定情報を取得する。状態情報管理部305は、行動情報と、排泄検知情報と、排泄行動情報とに基づき、排泄時間情報を算出する。また、状態情報管理部305は、判定情報に基づいて、過去の動物の排泄に要する時間を算出する。したがって、状態情報管理部305は、例えば、排泄時間情報に含まれる動物が排泄を開始するために体を動かしていない停止状態を表す時間が過去の動物の排泄に要する時間以内である場合、動物が健康である可能性が高いと判定することができる。状態情報管理部305は、例えば、排泄時間情報に含まれる動物が排泄を開始するために体を動かしていない停止状態を表す時間が過去の動物の排泄に要する時間を超過する場合、動物が健康でない可能性が高いと判定することができる。これらの判定結果を確認することで、ユーザは、動物の健康状態を知ることができる。
【0100】
[変形例]
状態情報管理部305は、排泄行動情報の増減の変化を偏微分することで、進入の時間、排泄前の徘徊時間、排泄直前の停止状態の時間、排泄開始の時間、排泄終了の時間及び退出の時間の閾値を算出してもよい。
状態情報管理部305は、行動情報及び排泄時間情報の少なくとも一方を記憶してもよい。
状態情報管理部305は、排泄動作検出部302から取得した排泄行動測定値の情報が所定の閾値を超える異常な値である場合、排泄時間情報の算出時に異常な値を排除してもよい。
【0101】
動物用トイレ20が、サーバ10と通信可能な場合、動物用トイレ20は、バッファリングされた進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時排泄予備動作回数をサーバ10に直接出力してもよい。また、動物用トイレ20は、携帯端末21と通信不可能な場合のみサーバ10に上述のバッファリングされた情報を出力してもよい。また、動物用トイレ20は、動物用トイレのバッファリングした情報のデータ量が所定の値(例えばバッファリング可能なデータ容量の数十パーセント等)となった場合、サーバ10または携帯端末21に上述のバッファリングされた情報を出力してもよい。
【0102】
上述した実施形態における健康状態判定装置の処理をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
また、上述した実施形態において、携帯端末21の有する各機能は、サーバ10が有する構成としてもよい。例えば、携帯端末21がブラウザによりサーバ10の提供するwebサイトを表示する場合は、携帯端末21は、サーバ10と情報を送受信する送受信部、およびサーバ10から受信した情報を携帯端末21のディスプレイやスピーカーから出力する出力部、およびユーザからの入力や操作を受け付ける受付部を有し、排泄情報に基づく健康状態の判定や比較といった図7に記載の各機能はサーバ10が有する構成としてもよい。このような構成とすることで、携帯端末21側に特別なアプリケーションをインストールせずに上述のシステムと同様の効果を実現するシステムを提供することができる。
【0103】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0104】
10 サーバ
20 動物用トイレ
21、40 携帯端末
22 給餌装置
30 ネットワーク
41 PC
100 健康状態判定システム
301 排泄検出部
302 排泄動作検出部
303 ネコID取得部
305 状態情報管理部
306 状態情報出力部
312 フード重量検出部
313 水重量検出部
314 ネコID取得部
316 給餌情報管理部
317 給餌情報出力部
321 状態情報受信部
322 給餌情報受信部
323 判定情報取得部
324 個別ネコ情報管理部
325 比較部
326 比較結果出力部
327 ネコ情報出力部
328 ユーザ情報登録部
329 ユーザ情報出力部
330 ネコ属性情報登録部
331 ネコ属性情報出力部
332 トイレ情報登録部
333 トイレ情報出力部
341 ネコ情報受信部
342 ユーザ情報受信部
343 ネコ属性情報受信部
344 トイレ情報受信部
345 全体ネコ情報管理部
346 登録情報管理部
347 判定情報提供部
348 ネコ情報提供部
図1
図2
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図5
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