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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】ブロック玩具用パーツ
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/10 20060101AFI20220228BHJP
【FI】
A63H33/10 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017082379
(22)【出願日】2017-03-31
(65)【公開番号】P2018171419
(43)【公開日】2018-11-08
【審査請求日】2020-03-19
(73)【特許権者】
【識別番号】517138409
【氏名又は名称】佐治 弘巳
(72)【発明者】
【氏名】佐治 弘巳
【審査官】比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-290072(JP,A)
【文献】特開2013-103115(JP,A)
【文献】特開2016-214701(JP,A)
【文献】実開平06-066797(JP,U)
【文献】実開平01-120900(JP,U)
【文献】米国特許第05895306(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0055234(KR,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2011-0005790(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
G09B 1/00- 9/56
G09B17/00-19/26
G09B23/00-29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面形状をなした折り曲げ可能な基材シートの両面に、当該シートと同じ大きさで同じ形状の自己結合型の面ファースナー部を固着した平板型ブロック玩具用パーツであって、前記面ファースナー部に折り曲げラインとしての切り込みが設けられ、折り曲げによって生じる対向部同士を押着することで平板型が立体へ変化することを特徴とするブロック玩具用パーツ。
【請求項2】
前記面ファースナー部及び前記基材シートの平面形状が正12角形を成し、前記正12角形の面ファースナー部の対角線上に折り曲げラインとしての切り込みが設けられ、折り曲げによって生じる対向部同士を押着することで平板型が立体へ変化することを特徴とするブロック玩具用パーツであって、中心部分に外周の相似形の穴が開いたドーナツ状のパーツであることを特徴とする請求項1記載のブロック玩具用パーツ。
【請求項3】
前記面ファースナー部及び前記基材シートの平面形状が雲型形状を成し、前記雲型形状の面ファースナー部に折り曲げラインとしての切り込みが設けられ、折り曲げによって生じる対向部同士を押着することで平板型が立体へ変化することを特徴とするブロック玩具用パーツであって、この場合の雲形形状とは正方形4個を1列に並べた長方形の周囲に正方形の1辺を直径とした半円10個を接合して出来上がる形状であり、半円の直径上および正方形の対角線上を前記折り曲げラインとしたことを特徴とする請求項1記載のブロック玩具用パーツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面ファースナーを表面素材とする平板状ブロック玩具用パーツを複数結合し立体的形状を組立てるブロック玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
多数のパーツを面ファースナーで結合して組み合わせ、大きな立体物を作って遊ぶ知育玩具であるブロック玩具が種々提案されている。
例えば、特許文献1には面ファースナーで覆われた立体形状のパーツのブロック玩具が特許文献2には面ファースナーで覆われた板状のパーツのブロック玩具が提案されている。
また、株式会社一歩(奈良県御所市)より商品目「フリーマジックブロック」(非特許文献1)およびVelcro USA Inc.(米国ニューハンプシャー州)より商品名「Velcro Blocks」 (非特許文献2)が、自己結合型の面ファースナーで覆われたパーツのブロック玩具として商品化されている。
自己結合型の面ファースナーとは同一面を互いに圧着して結合することができる面ファースナーをいう。
上記の特許文献1、特許文献2、非特許文献1および非特許文献2において使用される自己結合型の面ファースナーとしては、例えば非特許文献3に掲載のクラレファスニング株式会社より販売されている商品名「フリーマジック」あるいは非特許文献4に掲載のYKKファスニングプロダクツ販売株式会社より販売されている商品名「Qメイト」がある。これらは、同一テープ面にフックとループの機能を備えた自己結合型の面ファースナーである。
他に自己結合型の面ファースナーとしては微小なキノコ状の突起を有する形状の面ファースナーが、例えば非特許文献5に掲載の3Mジャパン株式会社(東京都品川区)より販売されている商品名「デュアルロックファスナー」がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3088771号 公報
【文献】実用新案登録第3207594号 公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】株式会社一歩、製品一覧 フリーマジックブロック[online]、[平成29年3月7日検索]、インターネット〈URL:http://www.hajimel.com/product/detail/detailG000000008_37.html#B000000088〉
【文献】Velcro USA Inc.、VELCRO CONSUMER SHOP VELCRO BLOCKS、[online]、[平成29年3月7日検索]、インターネット〈URL:http://www.velcro.com/products/blocks〉
【文献】クラレファスニング株式会社、製品情報 フリーマジック、[online]、[平成29年3月7日検索]、インターネット〈URL:https://www.magic-tape.com/catalog/ecomagic/?startpage=6〉
【文献】YKKファスニングプロダクツ販売株式会社、YKK 商品カテゴリー一覧 面ファースナー “Quicklon”(“クイックロン”)、[online]、[平成29年3月7日検索]、インターネット〈URL:http://www.ykkfastening.com/japan/product/qf/quicklon.html〉
【文献】3Mジャパン株式会社、製品とサービス 両面テープ・ファスナー ファスニングシステム 3M デュアルロック 薄手ファースナー、[online]、[平成29年3月7日検索]、インターネット〈URL:http://www.mmm.co.jp/tape-adh/bonding/fasten/dual/index.html〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のプラスチックス素材等を用いた立体形状のブロック玩具のパーツではそのパーツ形状を変形することができないため、最小の形状はそのパーツ形状そのものであり、それより小さな形状を自由に作ることは不可能であった。
【0006】
このため従来のブロック玩具においては、多様な形状を作るために複数種類の立体形状パーツを使用していた。非特許文献1や非特許文献2の商品のように、複数の種類の形状のパーツを提供し、これらのパーツを組み合わせることにより、より複雑な複合形状を作ることを可能としている。
【0007】
このような従来のブロック玩具の複数種類存在する立体形状パーツを収集することは、体積がかさばり、収納や保管が困難になってしまうという問題があった。
そこで、本発明は平板状のパーツを折り曲げて対向する面を押着することで単一のパーツから数種類の立体形状パーツの作成を可能とし、立体化したパーツ同士を押着して貼り合わせるブロック玩具を提供する。さらに、後片付けの際は立体化したパーツを平板に戻すことが可能であるため、収納や保管がし易い上、持ち運びも容易なブロック玩具を提供することを目的とする。
【0008】
従来のプラスチックス素材等を用いた立体形状のブロック玩具のパーツでは貼り絵やシール遊びのような平面パーツを貼り合わせて遊ぶ遊びを兼ねる事は出来なかった。
本発明は立体形状を作成する玩具でありながら基本形状が面ファースナーを表面素材とした平板状であるため、平面的な遊びも可能であり、幼児の成長年齢に合わせて平面、半立体、立体といった遊びの変化に追従できるブロック玩具を提供することを目的とする。
【0009】
従来のプラスチックス素材等を用いた立体形状のブロック玩具や積み木のパーツは硬い材質であることが多く、幼児がぶつけたり踏んだりすると怪我をする危険性があった。
本発明は軽量で柔軟な素材を採用しているため安全性が高く、幼児が安心して遊ぶことの出来るブロック玩具パーツを提供することを目的とする。
【0010】
製造メーカーから供給されるテープ状の面ファースナーの裏面同士を貼り合わせ形成した帯状のパーツが考えられるが、この場合、曲げることは可能であるが、曲げ角度が大きくなると基材の弾性の反発力が大きくなるため、二つ折りが限度であり形成できる形態が制限された。
そこで、本発明は二つ折り以上に折り畳むことが可能な柔軟性を付加することにより、種々の形態を作成可能な平板状のブロック玩具用パーツを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の発明にあっては、多角形の外形を持つ平板状のブロック玩具用パーツの基材に折り曲げ可能な柔軟性を持つシートを採用し、基材シートの両面に自己結合型の面ファースナーを固着し、さらに多角形の頂点を結ぶ線上に折り曲げラインを施すことを特徴とする。
これによりパーツを折り曲げラインに沿って折り畳んだ際、対向部同士を押着することが可能になり、ひとつのパーツから数種類の立体を形成できるとともに、複数のパーツ同士を押着にて容易に組み合わせることが可能である。
折り曲げ可能とは幼児の手でも容易に折り曲げることができる柔軟性を有することをいう。
【0012】
前記折り曲げラインは平板状のブロック玩具用パーツを立体形状に変形させる際に折り曲げるガイドとして使用するために形成するものである。この場合、折り曲げラインは面ファースナーに切れ目を入れたり面ファースナーの基材を薄くしたりしてもよいし、その他の方法でライン状に折り曲げ強度を低くして折り曲げライン部分を形成してもよい。
【0013】
請求項2記載の発明にあっては、請求項1の発明においてブロック玩具用パーツの外形が正12角形状をなし、中央部に外形の相似形の穴が開いたドーナツ状であることを特徴とする。
ブロック玩具は、基本的形状の立体パーツを種々組み合わせ複雑な立体形状を考えることで、思考力を高める知育玩具である。
このため、平板状のブロック玩具用パーツにおいては、どのような基本的形状の立体パーツが作れるかが問題であった。基本的形状とは、1個のブロック玩具用パーツを折り曲げラインに沿って折り曲げ、面ファースナー部を押着して形成できる単純な形状を意味するものである。
【0014】
12という数は2、3,4,6の共通の倍数である。正12角形状のパーツの折り曲げラインをこれらの数で折り曲げれば、1個のブロック玩具用パーツから六角形、四角形、三角形、半円という基本的形状を簡単に形成することができる。
正12角形状とは、ブロック玩具用パーツが折り曲げラインで分割された12個の等脚台形部あるいは12個の略等脚台形部から形成される形状のことをいい、数学的な正12角形の形状を意味するものではない。
この場合、等脚台形部の外周部分を直線状とすれば、外周が正12角形のブロック玩具用パーツとなる。あるいは、略等脚台形部の外周部分を円弧状として、外周が円のブロック玩具用パーツしてもよい。
【0015】
ドーナツ状の中心部の穴はブロック玩具用パーツを二つ折り以上に折り曲げる際に、面ファースナーと基材の中心部に集中して発生する大きな反発力を緩和するために形成するものである。中心部の穴は径が大きいほど折り曲げやすくなるが、ブロック玩具用パーツとしての取り扱いや形状を考えて適切に選定する。実用的には中心部の穴の径を外径の半分以下の大きさとすることが好ましい。
【0016】
請求項3記載の発明にあっては、請求項1の発明においてブロック玩具用パーツの外形が雲型形状をなしていることを特徴とする。この場合の雲型形状とは、正方形4個を1列に並べた長方形の周囲に正方形の1辺を直径とした半円を10個接合して出来上がる形状を意味する。
雲型を形成する半円の直径上および正方形の対角線上に折り曲げラインを施す。
【0017】
前述の雲型状パーツを折り曲げラインに沿って折り畳むことで、蝶型、三つ葉型、筒型、立方体という基本的形状が形成される。また、このパーツは請求項2記載のドーナツ状パーツと組み合わせることで造形の幅が広がる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によるブロック玩具用パーツは表面材が軽量な自己結合型の面ファースナーからなるため、パーツ同士がどの部位で触れ合っても押着可能であって、単一の平板形状のブロック玩具用パーツを用いて多様な立体形状の作品を簡単に制作することができる。
【0019】
平板形状を折り曲げて立体を作成するという特徴から、幼児の成長に合わせた平面、半立体、立体という組み合わせ遊びが可能である。
また、面ファースナーが押着可能な布等へ貼り付けることも可能であるので、面ファスナーが押着可能な他の玩具と組み合わせて遊ぶこともできる。
【0020】
後片付けの際は立体化したパーツを平板に戻すことが可能であるため、収納や保管がし易い上、軽量なので持ち運びも容易である。
さらに、本発明によるブロック玩具用パーツは柔軟で安全性が高いこともあり、幼児用の知育玩具だけでなく障碍者や高齢者のリハビリテーション用ツール等として広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施例1、ドーナツ状パーツの構造の模式的な図。
図2】実施例1、ドーナツ状パーツの外形の説明の図。
図3】実施例2、ドーナツ状パーツの構造の模式的な図。
図4】実施例2、ドーナツ状パーツの部品と外形の説明の図。
図5】ドーナツ状パーツから作成した基本的形状の図と写真。
図6】ドーナツ状パーツから作成した基本的形状の組み合わせ写真。
図7】実施例3、雲型状パーツの構造の模式的な図。
図8】実施例3、雲型状パーツの外形の説明の図。
図9】実施例4、雲型状パーツの部品と外形の説明の図。
図10】雲型状パーツから作成した基本的形状の図と写真。
図11】雲型状パーツから作成した基本的形状の組み合わせ写真。
図12】ドーナツ状パーツと雲型状パーツの組み合わせ写真。
図13】パーツおよび立体作品であるリスの写真。
図14】立体作品であるクリスマスツリーの写真。
図15】立体作品であるロボットの写真。
図16】立体作品であるニワトリの写真。
図17】立体作品である帽子の写真。
図18】平面作品の写真。
図19】ブロック玩具用パーツの収納方法を説明する写真。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。各図で同一番号のものは同じ内容を示す。なお、本発明の実施の形態は、本実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0023】
図1は、本発明によるブロック玩具用パーツの第1の実施例における、ドーナツ状パーツの構造の模式図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は中央の断面図である。
平面図(a)において、ブロック玩具用パーツの上面は、中央部に円形の穴2が切り抜かれた円形ドーナツ状の面ファースナー部1からなっている。面ファースナー部1には、12本の折り曲げライン3が形成されている。折り曲げライン3は中心から30度の等間隔をなすように放射状に配置された切り込みである。
【0024】
正面図(b)、断面図(c)のように、ブロック玩具用パーツは上面の面ファースナー部1、基材シート4、下面の面ファースナー部5からなる積層した形状である。下面の面ファースナー部5には上面と同位置に下面の折り曲げライン6が形成されている。
【0025】
第1の実施例においては、ドーナツ状ブロック玩具用パーツの外形を内包できる幅の面ファースナーを使用して製作する。面ファースナー素材は長尺のテープ状で提供され、この面ファースナーと同じ幅の形状とした基材シートの両面に面ファースナーを重ね合わせ、接着あるいは縫製等で固定して長尺の三層構造シートとする。
【0026】
図1の平面図(a)における、外形と中央の穴の形状を切り抜くドーナツ状の切断刃と、面ファースナー部の折り曲げラインのみを切り抜くハーフカット刃を持つ図示しない金型を用いて、前記三層構造シートをプレス加工することにより、本発明によるブロック玩具用パーツを効率的に作成することができる。
【0027】
図2は、第1の実施例で作成したブロック玩具用パーツ7の外形の説明の模式図である。製造メーカーから提供される面ファースナーのテープは表面に結合するフックおよびループが長手方向に列状に並んでいる。図2においてハッチング状の破線は、そのフックおよびループの並びを模式的に表したものであり、ブロック玩具用パーツ7の全面に渡って平行に並んで配置される。
【0028】
図2における、外形の寸法は任意の寸法が可能であるが、面ファースナー製造メーカーから供給される面ファースナーテープの種類より、ブロック玩具用パーツの外形直径を内包することが可能な最小の幅のテープを選定することがコスト的に好ましい。
【0029】
本実施例では、面ファースナーとしてクラレファスニング株式会社から提供される100mm巾のフリーマジックテープを用いて、直径約70mmのブロック玩具用パーツを作成した。
また、基材シートは折り曲げラインに沿って容易に折り曲げることができる柔軟性とともに、長期の繰り返しの使用でも切断等の異常が生じない強度、および幼児が口に入れたとしても問題がない安全な素材が選定される。本実施例では、ユポコーポレーション(東京都千代田区)で商品名「ユポトレース」で販売されている合成紙を使用したが、これに限定されることなくゴム、プラスチックス、紙、織物等のシート材料から適切なものであれば、いずれも利用できる。
【実施例2】
【0030】
ブロック玩具用パーツの第2の実施例において、ドーナツ状パーツは12個の等脚台形部を接合した正12角形状の形状をなす。本実施例では面ファースナー素材は比較的狭い幅の長尺のテープ状で提供され、後述する等脚台形の形状に切断される。片面ごとに12個の面ファースナーの等脚台形部を基材シートに重ね合わせ、両面に接着あるいは縫製等で固定することにより、三層構造のブロック玩具用パーツを形成する。
【0031】
図3は、本発明によるブロック玩具用パーツの第2の実施例における、構造の模式図であり、(d)は平面図、(e)は正面図である。
平面図(d)において、ブロック玩具用パーツの上面は、後述する形状に切り抜かれた面ファースナーの等脚台形部12個が、正12角形の外形をなすように配置して形成されている。中央部には正12角形の穴が形成されている。
図に置いて、11は面ファースナー部、12は穴、13は折り曲げラインである。等脚台形部の脚部の接合部が折り曲げラインとなる。
【0032】
正面図(e)において、11は上面の面ファースナー部、13は上面の折り曲げライン、14は基材シート、15は下面の面ファースナー部、16は下面の折り曲げラインである。等脚台形形状の上面の面ファースナー部11と下面の面ファースナー部15は基材シート14を挟んで上下重なるように配置され、上面の面ファースナー部、下面の面ファースナー部と基材シートを重ね合わせて固定された三層構造となっている。本ブロック玩具用パーツにおいては、等脚台形部の脚部の接合部が12本の折り曲げラインとなって形成される。
基材シートはあらかじめブロック玩具用パーツの正12角形状に外形および中央の穴を切り抜いておいて両面に面ファースナー部を固定してもよいし、基材シートの両面に面ファースナー部を固定した後に基材シートを外形および中央の穴の形状に切り抜いてもよい。
【0033】
図4は、本発明によるブロック玩具用パーツの第2の実施例を構成する部品と形状を示す模式的な図である。
(f)は、面ファースナー部分の等脚台形部21の1個の形状である。等脚台形は上辺22、下辺23および2つの脚部24から構成される。上辺22と脚部24とがなす角25は105度、下辺23と脚部24とがなす角26は75度をなす。
12個の等脚台形部を隣り合った各上辺が内側となるように接合してすることにより、正12角形の外形のブロック玩具用パーツが形成される。すなわち、接合後は、上辺22は正12角形の穴を形成し、下辺23は正12角形の外形を形成し、脚部24は折り曲げラインを形成する。12個の等脚台形部を接合することにより1個のブロック玩具用パーツの片面の形状が形成される。
【0034】
(g)は、本発明によるブロック玩具用パーツの第2の実施例における、等脚台形の製作方法の説明の図である。(g)は、面ファースナーテープ31より、1個のブロック玩具用パーツを作成するに要する12個の等脚台形を面ファースナーテープ31より切断作成する際の模式的な図である。
【0035】
面ファースナーテープ31は長尺のテープ状で製造メーカーより提供される。テープをその下端部となす角32および角33が75度となるように切断すると(f)の等脚台形部が形成される。
上部切断辺34と下部切断辺35は、上部切断辺34が正の値である限り、どのような長さであっても、12個接合すれば中心部に穴がある正12角形状とすることができる。一方、面ファースナーテープ31の幅は製造メーカーから供給される製品により限定される。
この分割された等脚台形は、長尺の面ファースナーテープを、切断角度を+75度と-75度と交互に、斜めに切断して連続的に製造される。このようにすることで、製造時に無駄な面ファースナー部分を生じさせることなく、ブロック玩具用パーツを作成することができる。
幾何学的な計算では、1個の等脚台形の上辺の長さ(短い辺)をa、下辺(長い辺)の長さをb、高さをhすなわちテープの幅、とすると
2h÷(b-a)=tan75度≒3.73
の関係式Aであらわされる。
また、作成した正12角形状のブロック玩具用パーツにおいて、外形部の長さaの辺と外接する直径xの円と内周部の長さbの辺と外接する直径yの円では
a/x=b/y=sin15度≒0.259
の関係式Bであらわされる。
上記の関係式より、市販で提供されるテープの幅と実用的なブロック玩具用パーツの大きさおよび製造条件等を考慮して、等脚台形の大きさを適宜決めればよい。
【0036】
本実施例2として、面ファースナーとして幅25mmのフリーマジックテープを用い、上部切断辺の長さ4.6mm、下部切断辺の長さを18mmとなるように切断して、12個の等脚台形部を作成した。これらを12個接合して、直径約70mmのブロック玩具用パーツを形成することができる。
(g)のように切断するには、ナイフやカッターを用いて直線的に手作業で切断することができる。または、2枚刃をハの字型に配置した金型を用いてプレス加工により効率的に切断することができる。
また、本実施例でも基材シートとして、ユポコーポレーション(東京都千代田区)で商品名「ユポトレース」で販売されている合成紙を使用した
【0037】
(g)においてハッチング状の破線は、列状に並んでいる面ファースナーの結合する部分であるフックおよびループを模式的に表したものである。切断して形成された等脚台形部は、いずれも(f)のように上下の辺と平行にフックおよびループが並んでいる。
【0038】
(h)は、本発明によるブロック玩具用パーツの第2の実施例で作成したブロック玩具用パーツ41の外形の説明の模式的な図である。(g)の等脚台形部12個を、図示しない外形が正12角形のドーナツ状基材シート上に重ね合わせ、接着あるいは縫製等で固定し、3層構造のブロック玩具用パーツ41を形成する。
【0039】
パーツ41においてハッチング状の破線は、列状に並んでいる面ファースナーの結合する部分である柔毛状のフックおよびループの並びを模式的に表したものである。これらのフックおよびループは等脚台形部の上辺および下辺と平行に並んでいるため、本実施例で作成したブロック玩具用パーツ41ではフックおよびループが正12角形状に並んだ形状となる。
図2の第1の実施例で作成したブロック玩具用パーツ7と比較して、図41のブロック玩具用パーツ41は略同心円状にフックおよびループが配列しており、意匠的に優れている。
【0040】
図5は、本発明によるドーナツ状のブロック玩具用パーツによって作成された基本的形状の模式的な図および写真である。
(i-1)は本発明によるブロック玩具用パーツのそのままの形状の平面図であり、実物では(i-2)の写真のような外形となる。
(j-1)は本発明によるドーナツ状のブロック玩具用パーツを折り曲げラインに沿って半分に折り曲げた形状の模式的な平面図であり、実物では(j-2)の写真のような外形となる。
(k-1)は本発明によるドーナツ状のブロック玩具用パーツを折り曲げラインに沿って折り曲げて作成する3角錐的な基本的形状の模式的な平面図であり、実物では(k-2)の写真のような外形となる。
(l-1)は本発明によるドーナツ状のブロック玩具用パーツを折り曲げラインに沿って折り曲げて作成する4角錐的な基本的形状の模式的な平面図であり、実物では(l-2)の写真のような外形となる。
(m-1)は本発明によるドーナツ状のブロック玩具用パーツを折り曲げラインに沿って折り曲げて作成する6角錐的な基本的形状の模式的な平面図であり、実物では(m-2)の写真のような外形となる。
【0041】
図6は、ドーナツ状のブロック玩具用パーツから作成した基本的形状(k-2)を8個組み合わせて作成できる球形である。
一般的なプラスチック製のブロック玩具で球状の立体物を作成するには多数のパーツが必要であり、重量が重い大きな形状となってしまう。また、折り紙で作るくす玉は軽量であるがパーツの組み合わせ作業が容易ではない。
しかし、本発明のブロック玩具用パーツを用いれば、図6のように少数のパーツ同士を押し付けるだけで軽量の球形作品を作成することができる。
【0042】
上記のごとく、本発明のドーナツ状のブロック玩具用パーツは正12面体状の平面的な形状であるが、折り曲げラインに沿って曲げて押着することで、立体的な基本的形状を容易に作成することができる。これらの基本形状を多数組み合わせることで、複雑な立体形状を表現することが可能となる。
なお、ドーナツ状のブロック玩具用パーツから作成可能な基本的形状は(i-1)から(m-1)の5種類の形状に限定されるものではなく、折り方を変えることにより他の形状とすることができる。
【実施例3】
【0043】
図7は、本発明によるブロック玩具用パーツの第3の実施例における、雲型状パーツの構造の模式図であり、(n)は平面図、(o)は正面図である。
平面図(n)において、ブロック玩具用パーツの上面は、雲型状の面ファースナー部51からなっている。ここで言う雲型とは正方形4個を1列に並べた長方形の周囲に正方形の1辺を直径とした半円10個を接合して出来上がる形状である。面ファースナー部51には、17本の折り曲げライン52が形成されている。折り曲げライン52は正方形の辺と対角線の位置に配置された切り込みである。
【0044】
正面図(o)のように、ブロック玩具用パーツは上面の面ファースナー部51、基材シート53、下面の面ファースナー部54からなる積層した形状である。下面の面ファースナー部54には上面と同位置に下面の折り曲げライン55が形成されている。
【0045】
第3の実施例においては、ブロック玩具用パーツの外形を内包できる幅の面ファースナーを使用して製作する。面ファースナー素材は長尺のテープ状で提供され、この面ファースナーと同じ幅の形状とした基材シートの両面に面ファースナーを重ね合わせ、接着あるいは縫製等で固定して長尺の三層構造シートとする。
【0046】
図7の平面図(n)における、外形を切り抜く雲型状の切断刃と、面ファースナー部の折り曲げラインのみを切り抜くハーフカット刃を持つ図示しない金型を用いて、前記三層構造シートをプレス加工することにより、本発明によるブロック玩具用パーツを効率的に作成することができる。
【0047】
図8は、第3の実施例で作成したブロック玩具用パーツ61の外形の説明の模式図である。製造メーカーから提供される面ファースナーのテープは表面に結合する柔毛状のフックおよびループが長手方向に列状に並んでいる。図8においてハッチング状の破線は、そのフックおよびループの並びを模式的に表したものであり、ブロック玩具用パーツ61の全面に渡って平行に並んで配置される。
【0048】
図8における、外形の寸法は任意の寸法が可能であるが、面ファースナー製造メーカーから供給される面ファースナーテープの種類より、ブロック玩具用パーツの外形を内包することが可能な最小の幅のテープを選定することがコスト的に好ましい。
【0049】
本実施例では、面ファースナーとしてクラレファスニング株式会社から提供される50mm巾のフリーマジックテープを用いて、巾約36mm長さ約90mmのブロック玩具用パーツを作成した。
また、本実施例でも基材シートとして、ユポコーポレーション(東京都千代田区)で商品名「ユポトレース」で販売されている合成紙を使用した。
【実施例4】
【0050】
ブロック玩具用パーツの第4の実施例において、雲型状パーツは10個の半円部と8個の直角二等辺三角形部を接合した形状をなす。本実施例では面ファースナー素材は比較的狭い幅の長尺のテープ状で提供され、後述する半円形と直角二等辺三角形の形状に切断される。片面ごとに10個の半円部と8個の直角二等辺三角形部の面ファースナーを基材シートに重ね合わせ、両面を接着あるいは縫製等で固定することにより、三層構造のブロック玩具用パーツを形成する。
【0051】
図9は、本発明によるブロック玩具用パーツの第4の実施例を構成する雲型状パーツの部品と形状を示す模式的な図である。
(p)は、面ファースナー部分の半円部71の1個の形状である。半円は円弧72、直径73から構成される。
(q)は、1個のブロック玩具用パーツの片面を作成するに要する10個の半円を面ファースナーテープ81より切断作成する際の模式的な図である。テープ巾82を半径Rとすると切断辺83は半円の直径であるので2Rの長さとなり、テープ巾82を半径とする円弧84のラインでテープをカットし半円部を切り出す。
【0052】
(r)は、面ファースナー部分の直角二等辺三角形部91の1個の形状である。直角二等辺三角形部91は、互いに直角で交わる同じ長さの斜辺92と底辺93から構成される。
(s)は、1個のブロック玩具用パーツの片面を作成するに要する8個の直角二等辺三角形を面ファースナーテープ101より切断作成する際の模式的な図である。テープ巾102を直角二等辺三角形の高さLとすると底辺103は2Lと表される。底辺103と角104の角度45度をなす辺105のラインでテープをカットし直角二等辺三角形部を切り出す。
【0053】
(p)の形状の10個の半円部と(r)の形状の8個の直角二等辺三角形を接合することにより1個の雲型状のブロック玩具用パーツの片面が形成される。この場合、半円(p)の直径73と直角二等辺三角形(r)の斜辺92の長さが等しいことが求められる。
【0054】
面ファースナーテープ81および101は長尺のテープ状で製造メーカーより提供される。
(q)で示す半円を切り出すテープ巾82=半円の半径Rと(s)で示す直角二等辺三角形を切り出すテープ巾102=三角形の高さLの関係式Cは、2R=Lsin45°、となりR=L÷√2で表される。
上記の関係式Cより、市販で提供されるテープの幅および製造条件等を考慮して、実用的なブロック玩具用パーツの大きさを適宜決めればよい。
【0055】
本実施例4として、半円を切り出す面ファースナーに幅20mmのフリーマジックテープを長手方向に2分割して使用し、半径Rが9mmの半円部10個を作成した。また、直角二等辺三角形を切り出す面ファースナーに幅30mmのフリーマジックテープを長手方向に2分割して使用し、高さLが12.7mmの直角二等辺三角形部8個を作成した。これらの18個の部品を接合して、巾36mm、長さ90mmの雲型状のブロック玩具用パーツの片面を形成することができる。
面ファースナーを(q)(s)のように切断するには、ナイフやカッターを用いて直線的に手作業で切断することができる。または、金型を用いてプレス加工により効率的に切断することができる。
また、本実施例でも基材シートとして、ユポコーポレーション(東京都千代田区)で商品名「ユポトレース」で販売されている合成紙を使用した。
【0056】
(q)(s)においてハッチング状の破線は、列状に並んでいる面ファースナーの結合する部分である柔毛状のフックおよびループを模式的に表したものである。切断して形成された部品は、いずれも(p)(r)のように底辺と平行にフックおよびループが並んでいる。
【0057】
(t)は、本発明によるブロック玩具用パーツの第4の実施例で作成したブロック玩具用パーツ111の外形の説明の模式的な図である。(q)(s)のように切り出した部品18個を、図示しない外形が雲型状基材シート上に重ね合わせ、接着あるいは縫製等で固定し、3層構造のブロック玩具用パーツ111を形成する。
【0058】
パーツ111においてハッチング状の破線は、列状に並んでいる面ファースナーの結合する部分である柔毛状のフックおよびループの並びを模式的に表したものである。これらのフックおよびループは半円の直径および直角二等辺三角形の底辺と平行に並んでいるため、本実施例で作成したブロック玩具用パーツ111ではフックおよびループの並びが半円の直径および直角二等辺三角形の底辺に平行に配列される。
図8の第3の実施例で作成したブロック玩具用パーツ61と比較して、(t)のブロック玩具用パーツ111はフックおよびループの配列が変化に富み意匠的に優れている。
【0059】
図10は、本発明による雲型状のブロック玩具用パーツによって作成された基本的形状の模式的な図および写真である。
(u-1)は本発明による雲型状のブロック玩具用パーツのそのままの形状の平面図であり、実物では(u-2)の写真のような外形となる。
(v-1)は本発明による雲型状のブロック玩具用パーツを折り曲げラインに沿って折り曲げた蝶型的な基本的形状の模式的な平面図であり、実物では(v-2)の写真のような外形となる。
(w-1)は本発明による雲型状のブロック玩具用パーツを折り曲げラインに沿って折り曲げて作成する三つ葉的な基本的形状の模式的な平面図であり、実物では(w-2)の写真のような外形となる。
(x-1)は本発明による雲型状のブロック玩具用パーツを折り曲げラインに沿って折り曲げて作成する筒状の基本的形状の模式的な平面図であり、実物では(x-2)の写真のような外形となる。
(y-1)は本発明による雲型状のブロック玩具用パーツを折り曲げラインに沿って折り曲げて作成する立方体的な基本的形状の模式的な平面図であり、実物では(y-2)の写真のような外形となる。
【0060】
図11は、雲型状のブロック玩具用パーツから作成した基本的形状(w-2)を3個組み合わせて作成できる三角錐状の造形である
【0061】
上記のごとく、本発明の雲型状のブロック玩具用パーツは多角形の組み合わせによる平面的な形状であるが、折り曲げラインに沿って曲げて押着することで、立体的な基本的形状を容易に作成することができる。これらの基本形状を多数組み合わせることで、複雑な立体形状を表現することが可能となる。
なお、雲型状のブロック玩具用パーツから作成可能な基本的形状は(u-1)から(y-1)の5種類の形状に限定されるものではなく、折り方を変えることにより他の形状とすることができる。
【0064】
図12は、本発明によるドーナツ状パーツと雲形状パーツの組み合わせ例を示した写真である。図11の作例はドーナツ状パーツ2個、雲形状パーツ3個を使用した円柱状の造形である。
図12のように、雲形状パーツとドーナツ状玩具パーツ同士を接合することでより多様な立体造形が可能になる。
【0065】
本発明におけるブロック玩具用パーツの製作方法は、以上説明した実施例に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において、通常の知識を有する者により可能である。
【0066】
上記までの説明では、1色の面ファースナーでの説明であったが、製造メーカーより種々着色した面ファースナーが標準品として提供されている。例えば、クラレファスニング株式会社より39色のフリーマジックテープが標準として販売されている。
異なった色の面ファースナーを使用したブロック玩具用パーツを組み合わせることで、より多様な作品を作成することが可能となる。
また一個のブロック玩具用パーツの面の一部を異なる色にすることも容易であり、さらに豊かな造形を表現する作品を作成することも可能である。
【実施例5】
【0067】
以下、図5および図10の基本的形状を利用し、様々な色の面ファースナーを組み合わせて制作した具体的な作品の実施例を提示する。
【0068】
図13は、本発明によるドーナツ状ブロック玩具用パーツ、雲型状ブロック玩具用パーツ、立体作品の作例であるリスの写真である。
パーツと作例を見比べると、本発明のブロック玩具の表現力がわかる。本発明は平板のパーツから立体を構築することで豊かな発想力と造形力を鍛える効果を期待できる玩具である。
【0069】
図14は、本発明による基本的形状を組み合わせて製作したクリスマスツリーの写真である。図14のように単純な形状の組み合わせで具象的な造形が簡単に作成できる。
【0070】
図15は、本発明による基本的形状を組み合わせて製作したロボットの作品の写真である。本発明のブロック玩具用パーツは柔軟性に富むので、種々の折り曲げを組み合わせて作品を制作することができる。
これにより、図15のようなリアルな形状のロボットの作品を制作することができ、これは一般的なプラスチック製のブロック玩具では不可能な形状である。
【0071】
図16は、本発明による基本的形状を組み合わせて製作したニワトリの写真である。
本発明のドーナツ状パーツの中央の穴を目に見立て、着色された面ファースナーを用いたパーツで鶏冠やくちばし、羽とするように組み合わせてニワトリとした作品であり、一般的なプラスチック製のブロック玩具では不可能な形状である。色の選択を実際の鶏に近づけることで、よりリアルな作品とすることができる。
【0072】
図17は、本発明による基本的形状を組み合わせて製作した帽子である。本発明のブロック玩具用パーツは柔軟性に富み軽量なため、身につけるコスチュームの製作も可能である。
【0073】
図18は、本発明による基本的形状を組み合わせて平面上で製作した作品の写真である。(z-1)は人の顔、(z-2)は花、(z-3)は犬の顔の作品である。
図18のように、本発明のブロック玩具用パーツは面ファースナーが貼りつく素材のマットを土台にして平面的な作品を作ることができるため、幼児の成長に合わせた遊び方を展開できる。
以上のように、本発明によるブロック玩具用パーツを用いることで、従来にない多様な作品を作成することが可能である。
【0070】
図19は、本発明におけるブロック玩具用パーツの収納方法を説明する写真である。
図19の例では面ファースナーが貼り付く布製のマットを使用し、本発明のパーツをマットに貼り付け、パーツのマットとの接合力を生かしてマットを小さく折りたたんでいる。この方法で収納すれば本棚などの隙間に収納が可能である。これは一般的なプラスチック製のブロック玩具や積み木では形状が立体形のため実現不可能な収納方法である。
さらに、本発明におけるブロック玩具は、軽量であるため、図19のようにまとめれば持ち運びが容易である。携帯が容易であることから、本発明は様々な場所での使用が期待できるブロック玩具である。
【符号の説明】
【0071】
1・・・面ファースナー部
2・・・穴
3・・・折り曲げライン
4・・・基材シート
5・・・面ファースナー部
6・・・折り曲げライン
7・・・実施例1におけるドーナツ状のブロック玩具用パーツ
11・・・面ファースナー部
12・・・穴
13・・・折り曲げライン
14・・・基材シート
15・・・面ファースナー部
16・・・折り曲げライン
21・・・面ファースナー部
22・・・上辺
23・・・下辺
24・・・脚部
25・・・角
26・・・角
31・・・面ファースナーテープ
32・・・角
33・・・角
34・・・上部切断辺
35・・・下部切断辺
41・・・実施例2におけるドーナツ状のブロック玩具用パーツ
51・・・面ファースナー部
52・・・折り曲げライン
53・・・基材シート
54・・・面ファースナー部
55・・・折り曲げライン
61・・・実施例3における雲型状のブロック玩具用パーツ
71・・・面ファースナー部
72・・・円弧
73・・・直径をなす弦
81・・・面ファースナーテープ
82・・・テープ巾
83・・・切断辺
84・・・切断ラインである円弧
91・・・面ファースナー部
92・・・斜辺
93・・・底辺
101・・・面ファースナーテープ
102・・・テープ巾
103・・・切断辺
104・・・角
105・・・切断ラインである斜辺
111・・・実施例4における雲型状のブロック玩具用パーツ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19