IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スタインバーグ,ステファン イーの特許一覧 ▶ コルベット,スコット サザーランド,サードの特許一覧

特許7032751内視鏡のための方向操作可能な超音波アタッチメント
<>
  • 特許-内視鏡のための方向操作可能な超音波アタッチメント 図1
  • 特許-内視鏡のための方向操作可能な超音波アタッチメント 図2
  • 特許-内視鏡のための方向操作可能な超音波アタッチメント 図3
  • 特許-内視鏡のための方向操作可能な超音波アタッチメント 図4
  • 特許-内視鏡のための方向操作可能な超音波アタッチメント 図5
  • 特許-内視鏡のための方向操作可能な超音波アタッチメント 図6
  • 特許-内視鏡のための方向操作可能な超音波アタッチメント 図7
  • 特許-内視鏡のための方向操作可能な超音波アタッチメント 図8
  • 特許-内視鏡のための方向操作可能な超音波アタッチメント 図9
  • 特許-内視鏡のための方向操作可能な超音波アタッチメント 図10
  • 特許-内視鏡のための方向操作可能な超音波アタッチメント 図11
  • 特許-内視鏡のための方向操作可能な超音波アタッチメント 図12
  • 特許-内視鏡のための方向操作可能な超音波アタッチメント 図13
  • 特許-内視鏡のための方向操作可能な超音波アタッチメント 図14
  • 特許-内視鏡のための方向操作可能な超音波アタッチメント 図15
  • 特許-内視鏡のための方向操作可能な超音波アタッチメント 図16
  • 特許-内視鏡のための方向操作可能な超音波アタッチメント 図17
  • 特許-内視鏡のための方向操作可能な超音波アタッチメント 図18
  • 特許-内視鏡のための方向操作可能な超音波アタッチメント 図19
  • 特許-内視鏡のための方向操作可能な超音波アタッチメント 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-01
(45)【発行日】2022-03-09
(54)【発明の名称】内視鏡のための方向操作可能な超音波アタッチメント
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20220302BHJP
【FI】
A61B8/12
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021505626
(86)(22)【出願日】2019-04-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-05
(86)【国際出願番号】 US2019027331
(87)【国際公開番号】W WO2019200324
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】15/951,347
(32)【優先日】2018-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520394300
【氏名又は名称】スタインバーグ,ステファン イー
【氏名又は名称原語表記】STEINBERG, Stephen E.
【住所又は居所原語表記】2600 S. Ocean Blvd. PH-F Boca Raton, FL 33432 (US)
(73)【特許権者】
【識別番号】520394311
【氏名又は名称】コルベット,スコット サザーランド,サード
【氏名又は名称原語表記】CORBETT, Scott Sutherland, III
【住所又は居所原語表記】11720 SW 28th Pl Portland, OR 97219 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】スタインバーグ,ステファン イー
(72)【発明者】
【氏名】コルベット,スコット サザーランド,サード
(72)【発明者】
【氏名】マクドノフ,ウィリアム ジェイ
【審査官】冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-516291(JP,A)
【文献】米国特許第06171249(US,B1)
【文献】特開平08-038476(JP,A)
【文献】国際公開第2014/017205(WO,A1)
【文献】米国特許第06461304(US,B1)
【文献】国際公開第2018/029103(WO,A1)
【文献】特表2009-526554(JP,A)
【文献】特開平07-008493(JP,A)
【文献】特開平11-347037(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15
A61B 1/00 ー 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波能力を有する内視鏡を作成するために、内視鏡に要素を追加する方法であって、(a)1つまたは複数のルーメンを規定する細長い本体と遠位端を有する内視鏡を提供するステップ、
(b)
(1)複数の信号経路コネクタ、
(2)近位端および遠位端を有する変形可能なネック、
(3)前記ネックの前記遠位端によって支持され、かつ、超音波トランスデューサを含む超音波トランスデューサヘッド、及び
(4)前記超音波トランスデューサヘッドに接続され、かつ、前記内視鏡の前記近位端に延びる張力部材、及び、
(5)前記超音波トランスデューサから前記複数の信号経路コネクタに延在する一組の信号経路
を提供するステップ、および、
(c)前記内視鏡の前記細長い本体に沿って延在し、前記超音波トランスデューサヘッドが前記内視鏡の前記遠位端から遠位の位置で前記ネックによって保持されるように、前記超音波アセンブリを前記内視鏡に取り付け、前記テンション部材が前記内視鏡の近位点から前記トランスデューサヘッドに延在するように、前記テンション部材を配置するステップを有し、
(d)これにより、前記超音波トランスデューサヘッドは前記内視鏡を用いて患者の体腔内に導入することができ、前記張力部材を引っ張って前記ネックを曲げることによって前記張力部材によって角度調節し、それによって前記超音波トランスデューサヘッドの位置を調節することができ、前記信号経路によって撮像ステーションと通信することができ、それによって、ユーザが撮像ヘッドを関心部位により正確に向けることを可能にし、
(e)さらに、前記ネックが開口を規定し、それにより、前記張力部材によって曲げられたときに前記内視鏡のルーメンから前記開口を通して針を延ばして医学的処置を実行することを可能にする方法。
【請求項2】
前記信号経路が導電体である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記導電体が同軸ケーブルである請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記導電体がフレックス回路トレースである請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記超音波アセンブリは取り付け要素をさらに含み、前記取り付け要素を前記内視鏡の前記遠位端に取り付けることによって少なくとも部分的に前記超音波アセンブリが前記内視鏡に取り付けられる請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記取り付け要素が、前記内視鏡の前記遠位端に係合する大きさおよび形状のクリップである請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ネックが弾性的に変形可能で請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記開口が細長い楕円形であり、前記ネックが広範囲の曲げ度合いから選択された任意の度合いで曲げられたときに、前記針が前記開口を通過することができる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ネックが前記引張部材によって曲げられ、前記針が前記開口を通過するとき、前記針は前記超音波トランスデューサの視野内で視認可能であり、それによって、ユーザが前記針をより正確に案内することが可能になる請求項1に記載の方法。
【請求項10】
(a)1つまたは複数のルーメンを規定する内視鏡と、生検標本を収集するために前記ルーメンから前方に押し出すことができる針と、
(b)前記内視鏡に取り付けられ、
1)遠位端を有する一組の導体を含む通信ケーブル及び
2)前記ケーブルの前記遠位端に接続された超音波撮像ヘッド
を有する超音波サブアセンブリと、
(c)前記内視鏡に取り外し可能に接続された導管を含む撮像ヘッド移動サブアセンブリであって、前記導管は前記超音波撮像ヘッドに取り外し可能に接続された張力部材を含む、撮像ヘッド移動サブアセンブリ
を有し、
(d)それによって、前記撮像ヘッド移動サブアセンブリを前記内視鏡および前記撮像ヘッドから取り外して使用後に廃棄可能である超音波内視鏡アセンブリ。
【請求項11】
前記内視鏡が十二指腸内視鏡であり、
検体を収集するために針を前記ルーメンから前進させる角度を調節するために制御可能に使用され得る針案内ヘッドをさらに含む、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記針案内ヘッドが取り外し可能である請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記超音波サブアセンブリは、前記内視鏡から取り外し可能である請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記通信ケーブルの前記遠位端は、前記撮像ヘッド移動サブアセンブリが前記撮像ヘッドを引っ張るために使用されるときに曲がるネックを形成する、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記ネックは、前記針を前記ネックに通すための開口を規定する、請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記内視鏡は、前記開口部を通過するように前記スコープから外に針を導くために使用され得る針ガイドを含む請求項15に記載のアセンブリ。
【請求項17】
使用の間に複数の内視鏡アセンブリを処理する方法であって、
各内視鏡アセンブリが内視鏡と、超音波撮像ヘッドに接続された通信ケーブルを含む超音波サブアセンブリと、撮像ヘッド移動サブアセンブリを含み、
前記方法は、
(a)外科的使用の後に、前記撮像ヘッド移動サブアセンブリを取り外して廃棄し、前記超音波サブアセンブリを取り外して洗浄し、前記内視鏡を洗浄し、それにより洗浄された内視鏡を生成するステップと、
(b)使用前に、洗浄された前記超音波サブアセンブリを前記洗浄された内視鏡に取り付けるステップと、
(c)未使用の撮像ヘッド移動サブアセンブリを含む清潔なパッケージを開封してこれを前記内視鏡及び超音波サブアセンブリに取り付け、それにより、前記内視鏡、超音波サブアセンブリ及び撮像ヘッド移動サブアセンブリを結合させるステップ
を含む方法。
【請求項18】
前記内視鏡を洗浄するステップは、前記内視鏡の一部を廃棄してそれ以外の部分を洗浄するステップを含む、請求項17の方法。
【請求項19】
洗浄の前記各ステップは殺菌することを含む請求項17の方法。
【請求項20】
標的内視鏡に取り付けられるように適合された内視鏡アドオンアセンブリであって、
(a)超音波撮像ヘッドに接続された通信ケーブルを含む超音波撮像サブアセンブリと、
(b)前記超音波撮像ヘッドに取り付けられた張力部材を保持する導管を含む撮像ヘッド移動サブアセンブリと、
(c)前記内視鏡アドオンアセンブリの前記標的内視鏡への取り付けを可能にするように適合された接続要素を有し、
(d)前記撮像ヘッド移動サブアセンブリは前記超音波撮像サブアセンブリから取り外し可能であり、それによって、使用後に、前記撮像ヘッド移動サブアセンブリとは別個に前記超音波撮像サブアセンブリを処理することを可能にする。
【請求項21】
前記標的内視鏡が上部内視鏡である請求項20に記載のアセンブリ。
【請求項22】
前記標的内視鏡が十二指腸内視鏡である請求項20に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡用の超音波イメージングアドオン装置の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波内視鏡(エンドスコープ)は急速な発展を遂げ、現在では多種多様な医学的問題の診断と治療に用いられている。内視鏡は任意の皮膚表面よりも近い腸管内の位置に到達することができるので、生検針を使用して、より近い位置から画像化し、組織サンプルを取得し、様々な治療を実施する機会がある。しかし、完全なシステムに対して20万ドルを超える費用のために、内視鏡超音波システムは一般に、主要な病院に限定される。しかし、内視鏡は、医師のオフィス、ほとんどの外来外科センターおよび事実上すべての病院で使用されている。
【0003】
内視鏡の1つのタイプは上部内視鏡であり、上部G1管から組織標本を撮像し、取り込むために使用される。このタイプの内視鏡では検体を収集するために針が使用される場合、針は典型的には遠位方向に内視鏡ルーメンから真っ直ぐに前進させられる。その他のタイプの内視鏡には、肺の気道を観察するための気管支鏡と結腸を観察するための大腸内視鏡がある。
【0004】
さらに別のタイプの内視鏡は、十二指腸(小腸の上部)に導入するように設計された十二指腸鏡で、膵臓を画像化する内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)を行うのに典型的に用いられる。十二指腸鏡は、胆管を含む十二指腸の部位から組織生検を採取するためにも使われる。デュオノースコープは、典型的にはオペレータが針が進む角度を制御するために傾けることができるライト、ビデオカメラ、針及び針ガイドを収容するチップを有する。ビデオカメラおよび光は外科医が針を良好な生検部位に案内するのを助けることができる画像を生成することができるが、超音波画像は利用可能な場合、貴重な追加の情報源であることを証明することができる。内視鏡用の超音波アドオンが記載されているが、その能力は撮像ヘッドの視野角を調整することができないという点で制限される。
【0005】
内視鏡分野の医師が直面する問題は、内視鏡の徹底的な消毒、使用の間である。多くの内視鏡、特に十二指腸鏡はある程度の機械的複雑さを有し、これらの機構によって規定される小さな空間に滅菌材料を導入するため、大きな課題が生じる。
【0006】
最近、取り外し可能で使い捨て可能な針角度調整機構を有する内視鏡機構が導入され、これらの問題の多くに対処している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
例示的な実施形態は、参照された図面に示されている。本明細書に開示される実施形態および図面は、限定的ではなく例示的であると考えられるべきであることが意図される。
図1は、本発明の好ましい実施形態による、内視鏡およびアドオンされた(又は、追加で取り付けされた)超音波撮像アセンブリ撮像アセンブリの等角図である。
図2は、図1のアセンブリの遠位端の等角図である。
図3は、第1の位置にある、図1のアセンブリの遠位端の側面図である。
図4は、第2の位置にある、図1のアセンブリの遠位端の側面図である。
図5は、撮像アセンブリの代替実施形態の遠位端の側面図である。
図6は、撮像アセンブリの別の代替実施形態の側面図である。
図7は、取り外し可能な超音波ヘッド移動アセンブリを含み、3つの代替針ガイドを示す超音波撮像サブアセンブリを有する、撮像アセンブリの代替実施形態である。
図8は、展開状態の針ガイドを示す、図7のアセンブリのaの断面図である。
図9は、図7のアセンブリの一部の詳細図であり、互いに分解された2つの部品を示す。
図10は、図9の詳細図であるが、接合された2つの部品を示す。
図11は、図10の線11-11に沿った断面図である。
図12は、図10の線12-12に沿った断面図である。
図13は、図7のアセンブリの先端の断面図であり、針をガイドするために使用される針ガイドを示す。
図14は、異なるスタイルの針ガイドを有する7のアセンブリの部分断面図である。
図15は、使用中の針ガイドを示す、請求項14のアセンブリの図である。
図16は、超音波撮像サブアセンブリを有するデュオデノスコープアセンブリの等角図である。
図17は、分解された状態における図16のアセンブリの等角図である。
図18は、アセンブリの一部についての異なる位置を破線で示す、図16のアセンブリの断面図である。
図19は、十二指腸鏡アセンブリの代替実施形態の等角図である。
図20は、分解された状態における図19のアセンブリの等角形である。
【発明の概要】
【0008】
第1の別個の態様では、本発明が超音波対応内視鏡を作成するために、内視鏡に要素を追加する方法の形態をとることができる。この方法は、多重信号導体電気コネクタ(又は、複数の導体電気コネクタ)と、近位端および遠位端を有する変形可能なネックとを含む超音波アセンブリを利用する。超音波トランスデューサヘッドは、ネックの遠位端によって支持され、超音波トランスデューサを含む。また、張力部材は、超音波トランスデューサヘッドに接続され、内視鏡の近位端まで延在する。最後に、一組の信号経路が、超音波トランスデューサから多導体電気コネクタまで延在する。この方法では、超音波アセンブリが内視鏡に取り付けられ、超音波アセンブリが内視鏡の細長い本体に沿って延在し、超音波トランスデューサヘッドが内視鏡の遠位端から遠位の位置でネックによって保持されるようにし、張力部材が内視鏡の近位点からトランスデューサヘッドまで延在するように配置される。要素が内視鏡に追加された後、超音波トランスデューサヘッドは内視鏡を用いて患者の体腔内に導入することができ、張力部材を引っ張ってネックを曲げ、それによって超音波トランスデューサヘッドの位置を調整することによって、張力部材によって角調整することができ、信号経路によって撮像ステーションと通信することができ、それによって、ユーザが、撮像ヘッドを関心部位により正確に向けることを可能にする。最後に、ネックはネックが張力部材によって屈曲されるときに、医療処置を実行するために、針が内視鏡のルーメンから開口を通って延ばされることを可能にする開口を規定する。
【0009】
第2の別個の態様では、本発明が生検標本を収集するために、1つまたは複数のルーメンを規定する内視鏡と、ルーメンから前方に押し出すことができる針とを有する超音波内視鏡アセンブリの形態をとることができる。超音波サブアセンブリは内視鏡に取り付けられ、一組の信号経路を含み、遠位端と、ケーブルの遠位端に接続された超音波撮像ヘッドとを有する通信ケーブルを含む。また、内視鏡に取り外し可能に接続された導管を含む撮像ヘッド移動サブアセンブリも含まれる。導管は、撮像ヘッドに取り外し可能に接続された張力部材を含む。したがって、撮像ヘッド移動サブアセンブリは使用後に、内視鏡および撮像ヘッドから取り外され、廃棄されることができる。
【0010】
第3の別個の態様では、本発明は、使用の間に内視鏡アセンブリを処理する方法の形態をとることができ、各内視鏡アセンブリは内視鏡と、超音波撮像ヘッドに接続された通信ケーブルを含む超音波サブアセンブリと、撮像ヘッド移動サブアセンブリとを含む。外科的使用後、撮像ヘッド移動サブアセンブリを取り外して廃棄し、超音波サブアセンブリを取り外して洗浄し、内視鏡を洗浄し、それによって洗浄された内視鏡を作り出す。使用前に、洗浄された超音波サブアセンブリを取り出し、洗浄された内視鏡上に配置する。また、未使用の撮像ヘッド移動サブアセンブリを含む清潔なパッケージを開き、それを内視鏡および超音波サブアセンブリに取り付け、それによって、内視鏡、超音波サブアセンブリ、および撮像ヘッド移動サブアセンブリを一緒に結合する。
【0011】
第4の別個の態様では、本発明は、標的内視鏡に取り付けられるように適合された内視鏡アドオンアセンブリの形態をとることができる。このアセンブリは、超音波撮像ヘッドに接続された通信ケーブルと、超音波撮像ヘッドに取り付けられた張力部材を保持する導管を含む撮像ヘッド移動サブアセンブリとを含む超音波撮像サブアセンブリを含む。さらに、内視鏡アドオンアセンブリが標的内視鏡に取り付けられることを可能にするように適合された接続要素が含まれる。最後に、撮像ヘッド移動サブアセンブリは超音波撮像サブアセンブリから取り外し可能であり、それによって、使用後に、撮像ヘッド移動サブアセンブリを超音波撮像サブアセンブリとは別個に処理することができる。
【0012】
第5の別個の態様では、本発明は、内視鏡と追加の超音波撮像アレイとを有する撮像アセンブリの視野角を調整する方法の形態をとることができる。アレイは多重信号経路コネクタ(又は、複数の信号経路コネクタ)と、遠位端を有する多重信号経路ケーブルと、多重信号経路ケーブルに取り付けられ、内視鏡の遠位端にも取り付けられた内視鏡取り付け要素と、多重信号経路ケーブルの遠位端に接続され、遠位端から遠位に延在し、弾力的に変形可能であるネックと、ネックの遠位端によって支持される保護カバーを含む超音波トランスデューサヘッドと、保護カバーの内側にあり、多重信号経路ケーブルの遠位端に電気的に接続される超音波トランスデューサと、超音波トランスデューサヘッドに接続され、内視鏡の近位端に延在し、張力部材の自由端が人間のオペレータにアクセス可能であるようにする張力部材を含む超音波アセンブリの一部である。この方法は一旦、複数の信号経路コネクタが超音波撮像ステーションに接続され、超音波トランスデューサヘッドが患者の空洞内に導入されると、内視鏡を用いて開始し、この方法は自由端を引っ張って、超音波トランスデューサヘッドを、内視鏡の遠位端に整列された位置から、内視鏡の遠位端に対して鈍角に曲げられた位置に移動させ、自由端がルーメンに向かって後退することを可能にし、それによって、超音波トランスデューサヘッドが内視鏡の遠位端に整列された位置に向かって後退することを可能にし、それによって、患者の内部器官の一部をスキャンすることを含む。
【発明を実施するための形態】
【0013】
定義
本出願で使用される「内視鏡」という用語は身体の奥深くを見るために使用され、「内視鏡」と呼ばれる手技で使用される照明付き光学器具、典型的には細長く管状の器具を指し、この用語は上側内視鏡、十二指腸鏡、結腸鏡、および気管支鏡、ならびに単に「内視鏡」と呼ばれるデバイスを包含するが、これらに限定されない。
【0014】
第1の好ましい実施形態では、撮像アセンブリ10が上部内視鏡12と、超音波アセンブリ14と一体の保持要素18によって内視鏡12に取り付けられた超音波アセンブリ14とを含む。
また、アセンブリ14は、トレースとすることができる一組の並列電気リード線を含むフレックス回路50(信号経路ケーブルの形態でもある)によって複数の信号経路ケーブル22に電気的に接続された超音波イメージング(「トランスデューサ」とも呼ばれる)ヘッド20を含む。ケーブル22(そこを通って延びる複数の信号経路を有する)は、撮像ステーションに接続するように適合されたコネクタ24で終端する。ゴムバンド、または弾性バンドまたはクリップの他の形態であってもよい要素16は、ケーブル22を内視鏡12の側部に保持するのに役立つ。ワイヤ(ある程度の圧縮強度を有していてもよい)のような張力部材30が、超音波撮像ヘッド20上の突起32に取り付けられ、ルーメン34(図2)を通って延びて、操作されるべき内視鏡12の近位端上のポート36の外側に出る。実施例では張力部材30がルーメン34を通って延在せず、内視鏡12の側面に沿って延在し、実施例では張力部材30の案内経路を形成するために、アイレットを含むように図1に示す単純な形状から変更された要素16によって保持される。一実施形態では、張力部材30が操作を容易にするために、内視鏡12の近位端上の制御部に接続される。いくつかの実施形態では、これらの制御装置が容易に出し入れすることができるスプールの形態をとることができる。
内視鏡12はまた、関心のある部位への導入を容易にするために、挿入チューブの先端を偏向させるための固有の制御装置を備える。
【0015】
代替の実施形態では、張力部材30が内視鏡の端部上の固定点まで内視鏡の外部に沿って延在する張力部材によって置き換えられる。医師は弾性的に可撓性のネック38(図2)によって許容されるように、超音波撮像ヘッド20を保持要素18に向かって曲げ戻させるために、様々な方法のうちの任意の1つで張力部材30に牽引力を及ぼすことができる。1つの方法では、回転可能な要素を使用して引張部材30を引っ張る。
【0016】
好ましい実施形態では、内視鏡12がその遠位端に、保持要素18の整列を案内するための要素を含む。例えば、内視鏡12(の多く)は、その遠位端に溝を含むことができ当該溝に保持要素18上のキー要素が係合する。別の実施形態では、案内ガイドがルーメン34内に嵌合し、保持要素18の正しい配向を案内するために使用されるペグを含む。一実施形態では、アセンブリ14が1回の使用後に、意図された廃棄のために作製され、このように使用される。別の実施形態では、アセンブリ14が再使用のために、使用後に、適切に準備され、かつ/または洗浄され、次いで再使用されるように構成される。最近まで、一般的に消毒手順が適切とみなされていたが、内視鏡を介した感染拡大の事例の検出は内視鏡のための高末端消毒技術の使用を生じさせてきた。これらの消毒技術は、使用後にスコープ上に残された病原体を死滅させるために化学物質を使用する。UV光および/またはオゾンなどのガスを使用する処理を含む、他の消毒または滅菌技術を使用してもよい。本出願の文脈において、用語「洗浄」は、全ての消毒および滅菌技術を包含する。一般に、内視鏡に使用される材料は、内視鏡をオートクレーブ処理すること、または内視鏡に取り付けることができないようなものである。
【0017】
図3および図4を参照すると、可撓性ネック38を通過するフレックス回路(又は、可撓性回路)50が、撮像ヘッド20をケーブル22に電気的に接続する。フレックス回路50は超音波素子アレイ52を駆動し、そこからの信号を中継するために、超音波撮像ヘッド20内に常駐する超音波素子アレイ52内の各トランスデューサ素子のための電気リードを有する。アレイ52は保護コーティング53で覆われている。代替の好ましい実施形態では、フレックス回路50が撮像ヘッド20から(またはコネクタ24を通って)延び、複数の同軸ケーブルを規定することができ、超音波アレイ52の素子に直接接触することができる。別の代替実施形態では、ケーブル22がポリマーなどの接着性保護物質で互いに結合された一組の同軸ケーブルを含み、コネクタ24から撮像ヘッド20まで延在する。さらに別の実施形態では、光ファイバケーブルがケーブル22の代わりに使用され、光から電気への変換器がその遠位端にある。これらの構成要素22および50のいずれか1つは、別々に、または組み合わせて、多重信号経路ケーブルと呼ぶことができる。
【0018】
好ましい実施形態では、生検針60(図5および図6)が長い可撓性の中空コアワイヤの鋭利な遠位部分を形成する。このワイヤはルーメン34を通って延び、内視鏡12が針60によって損傷されないように保護するのに十分に薄い可撓性導管(図示せず)内に被覆される。導管が内視鏡12の遠位端に到達すると、導管は、内腔34から延びるように押し出され、内視鏡12の端部から遠位の点で導管から押し出される針60のためのさらなる案内を提供することができる。あるいは導管がルーメン34の端部まで大まかに押されることができ、針はそこで導管から押し出される。図5を参照すると、別の好ましい実施例では、張力部材30は保持要素18の溝33を通って突起32に達する。この図はまた、内視鏡12のルーメンを通って押され、ルーメンの遠位端から出ている針60を示す。開口40は、開口40と整列されたフレックス回路50の開口に対応してネック38内に規定される。図6図5の実施例と同様であるが、代わりに、保持要素18上に支持された一対のアイレット35を通って延在する張力部材30を有する実施例を示す。わずかに異なる実施形態を示すのと同様に、図6はまた、生検を行うために、後退した(又は、収縮した/折りたたまれた)撮像ヘッド20と、開口40を通って延びる針60とを示す。特に、この位置では、針は超音波アレイ52の視野内にある。いくつかの実施形態では、張力部材30がヘッド20を内視鏡12の遠位端に対して鈍角に引っ張ることができる。一般に、開口40は長い楕円形の形状であり、その結果、針60は、ネック38の広範囲の曲がりの程度にわたってそれを通過することができる。別の好ましい実施形態では、可撓性導管がルーメン34から遠位方向に、可撓性ネック38の表面上のV字形窪み(図示せず)内に延在し、針60が開口40を通過するように整列されるように導管を整列させる。
【0019】
撮像アセンブリ10を使用するために、超音波アセンブリ14は、保持要素18によって内視鏡12に取り付けられる。別の実施例では、ゴムバンド又はクリップ16がケーブル22を内視鏡12の側部に保持する。次いで、撮像ヘッド20は、通常の内視鏡導入技術によって、関心領域に送達される。次いで、撮像ヘッド20は、超音波撮像ヘッド20の偏向を制御する専用制御によって、関心領域の画像を取得するように移動されてもよい。サンプリングされるべき所見があると思われる場合、針60は内視鏡ルーメンおよび開口40を通して導入されることができ、そして生検を行うために、薬物を注射するために、または他の方法で医療処置を行うために使用され得る。最後に、針60を内視鏡12のルーメンを通して後退させ、内視鏡を患者の身体から回収する。他の実施形態では針60は含まれず、撮像アセンブリ10と同様であるが、針60および関連する要素を有さないアセンブリが撮像のみのために使用される。
【0020】
図7図13はアセンブリ10の代替実施形態70を示し、使い捨てヘッド移動サブアセンブリ72のさらなる革新により、ヘッドクリップ74、移動ケーブル76、ケーブルクリップ78、および移動ケーブル76の主要部分を保持する導管80を含む。クリップホールド84は、撮像ヘッド20’の背面に規定される。図9~12は、ヘッドクリップ74のクリップ保持部84への係合を示す。図9はヘッドクリップ74がクリップホールド84の遠位側にあり、クリップホールド84に引き戻されている様子を示しており、図10はヘッドクリップ74がクリップホールド84に係合している様子を示しており、図11および12は、相互に係合したヘッドクリップ74とクリップホールド84の異なる断面図を示している。
【0021】
アセンブリ70とアセンブリ10との別の違いは、針ガイド90の存在である。図7は、2つの追加の変形例の針ガイド90’および90’’を示す。アセンブリ10では、内視鏡12のルーメンから押し出された針60がネック38の開口40を外れ、ネック38によってさらなる前進が阻止される可能性がある。これは、ネック38が十分に引き戻されていないときに使用者が針60を押し込んで、開口40を針60が通過する正しい位置にしようとした場合に起こり得る。その結果、針60によって撮像ヘッド20’に損傷が生じる可能性がある。針ガイド90は開口40と係合し、その結果、針60は確実に開口40に案内され、開口40を針60の経路と整列させるようにヘッド20’が正しく位置決めされていないときはガイド90によってブロックされる。図13は、ヘッド20’が完全に後方に引っ張られて、針60がガイド90の補助を受けて開口40を通って前方に進むときの、使用中の針ガイド90を示す。アセンブリ70(およびアセンブリ10)のさらなる利点はヘッド20’が図13に示されるような前向きの位置に移動され得、これはいくつかのタイプの処置のために外科医に有用であることである。図14および図15を参照すると、アセンブリ70に対する変形例70’において、針60がその上に重なって進むワイヤの形態の針ガイド92が設けられている。使用しないときは、針ガイド92が針ガイドノッチ94(図15)内に保持される。
【0022】
次に、図16~18を参照すると、十二指腸内視鏡(又は、デュオデノスコープ)アセンブリ110はシングルユース針ガイドヘッド112(図18において最も明確に示される)を有するデュオデノスコープ111を含み、第1の横方向Lと遠位方向Pとの間の角度で外方に延在する針ガイド114を有する。ガイドヘッド112は、張力部材および可変ガイド部材(図示せず)を介した変化するユーザ入力に応じて、針ガイド114の方向を変化させることができる。図16を参照すると、ケーブル/ヘッドサブアセンブリ120は超音波画像ヘッド122、スコープクリップ124、画像ヘッド122に信号を送り、画像ヘッド122から信号を中継する複数の信号経路ケーブル126を含む。ケーブル126の信号経路は導電体であってもよく、より具体的にはそれぞれが同軸ケーブルまたはフレックス回路上のトレースであってもよい。他の形態の信号経路も可能である。撮像ヘッド122は第1の横方向Lに面する信号放出面を有するように示されており、クリップホールド128(図17)は前記第1の横方向Lとは反対の第2の横方向に前記信号放出面から変位した側でヘッド122上に存在する。撮像ヘッド移動サブアセンブリ140は、クリップホールド128に係合するように形成されたヘッドクリップ142と、移動ケーブル144と、ケーブルクリップ146と、移動ケーブル144の主要部分を保持する導管148とを含む。図11を参照すると、ケーブル144が引っ張られると、点線で示されるように撮像ヘッド122を引き戻す。いくつかの実施形態では、サブアセンブリ140がさらに、近位端部にアクチュエータ(図示せず)を含み、オペレータがケーブル144を引き込むことができ、それによって、撮像ヘッド122を引っ張るか、またはケーブル144を引き出すことができ、撮像ヘッド122を押し上げるか、またはケーブル126の材料の弾力性によって、ヘッド122をその遠位端部において、デュオノースコープ111の長手方向寸法とより整列した位置に配置することができる。ケーブル144のアクチュエータは、ホイール、レバー、またはユーザにとって便利な他の任意の構成の形態をとることができる。
【0023】
消毒技術は典型的には液体形態の化学薬品の適用を必要とするので、液体が容易に流入しないかもしれない薄い隙間は一般に望ましくない。したがって、クリップホールド128は、撮像ヘッド122との間に薄い隙間を規定しないように設計される。代替の好ましい実施形態では、クリップホールド128がノブと同様の形状を有することで狭い隙間を規定することをさらに回避してもよい。
【0024】
背景技術で述べたように、アセンブリ110のような装置の消毒は、十二指腸内視鏡の再使用によって、複数の抗生物質に耐性の細菌株が広がる場合があるので、大きな懸念事項である。ケーブル144が導管148内に引き戻されるにつれて、撮像ヘッド122が後方に移動されるにつれて、移動ケーブル144が体液を導管148内に導入する傾向があるので、滅菌が特に困難であることが判明し得る1つの領域は、導管148である。この問題に対処するために、ヘッド移動サブアセンブリはアセンブリ110の残部から取り外し可能であり、一度使用して次いで廃棄されるのに十分安価に作られる。これにより、サブアセンブリ140によって、感染が患者から患者へ広がる可能性が排除される。ケーブル/ヘッドサブアセンブリ120は到達困難な場所を生じさせ、消毒を困難にし、多数の細いワイヤまたは他の形態の信号経路を含まなければならないことでより高価になる傾向がある同様の構造を有していない。従って、ケーブル/ヘッドサブアセンブリ120は、洗浄され再利用されるように設計される。
【0025】
内視鏡(十二指腸内視鏡)手術を行う前に、外科医は、未使用の頭部移動サブアセンブリ140を得て、それをアセンブリ110の残りの部分に取り付ける。使用後、使用者はサブアセンブリ140を取り外し、廃棄する。
【0026】
図16を参照すると、移動ケーブル144を引き戻して、ヘッド122をより遠位の対向方向に向かわせることができる。ケーブル144を前方に押すことにより、一実施形態ではヘッド122はネック150の弾性に起因して図示のように横方向の視角を採用するが、別の実施形態ではケーブル144の剛性および圧縮強度に起因する。
【0027】
図19および図20を参照すると、十二指腸内視鏡アセンブリ210の代替の好ましい実施形態では、ホルダ224が十二指腸内視鏡211、ケーブル/ヘッドサブアセンブリ220、および撮像ヘッド移動サブアセンブリ240の両方を一緒に取り囲む。クリップ225はまた、要素を一緒に保持するのに役立つ。
【0028】
産業上の利用可能性
本発明は、内視鏡用アドオン装置を製造する分野において産業上の適用性を有する。
【0029】
いくつかの例示的な態様および実施形態が上述されてきたが、当業者はそれらの特定の修正、置換、追加、およびサブコンビネーションを認識するのであろう。したがって、添付の特許請求の範囲、および今後導入される特許請求の範囲は、すべてのそのような変形形態、置換形態、追加形態、および部分結合形態をそれらの真の精神および範囲にあるとして含むと解釈されるものである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20