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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-03
(45)【発行日】2022-03-11
(54)【発明の名称】POSシステム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20220304BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
G07G1/12 321K
G07G1/12 321L
G07G1/01 301D
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020183907
(22)【出願日】2020-11-02
(62)【分割の表示】P 2019155733の分割
【原出願日】2013-08-20
(65)【公開番号】P2021012749
(43)【公開日】2021-02-04
【審査請求日】2020-11-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】吉田 光寿
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 文克
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-248659(JP,A)
【文献】特開2005-47558(JP,A)
【文献】特開2012-142029(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録装置と精算装置とを含むPOSシステムであって、
前記登録装置は、
購入される商品に基づく取引情報を取引毎に登録する登録部と、
前記取引情報により定まる前記商品の買上金額よりも額面金額の多い品券を受け付ける品券受付部と、
電子マネーでの精算を受け付ける電子マネー受付部と、
前記精算装置にて現金を投入することを宣言する現金投入宣言操作を受け付ける現金投入宣言部と、
前記現金投入宣言操作の受付有無を前記精算装置において判定するための現金投入宣言操作有無判定用情報と、前記取引情報と、を対応付けて前記精算装置に出力する通信部と、
を有し、
前記精算装置は、
前記取引情報により定まる前記買上金額を表示する表示部と、
前記現金投入宣言操作有無判定用情報に基づいて前記登録装置において前記現金投入宣言操作を受け付けたか否かを判定する判定部と、
現金による決済を実行する現金決済部と、
を有し、
前記表示部は、
前記判定部が前記現金投入宣言操作を受け付けていないと判定した場合、精算を実行させる操作を促す情報を表示し、前記判定部が前記現金投入宣言操作を受け付けたと判定した場合、現金の投入を促す情報を表示し、
前記現金決済部は、
前記判定部が前記現金投入宣言操作を受け付けていないと判定した場合、前記額面金額から前記買上金額を減算した金額を釣銭として払い出し、前記判定部が前記現金投入宣言操作を受け付けたと判定した場合、現金の投入を受け付けて、前記額面金額から前記買上金額を減算した金額に当該受け付けた現金の金額を加算した金額を釣銭として払い出すことを特徴とするPOSシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、POSシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
金券(品券)を含む複数種類の支払いの種別で請求金額に対する会計業務が処理される会計装置(POS(Point Of Sales)システム)が、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3507289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、商品に付されたバーコードを店員が登録装置にスキャンさせることにより、そのバーコード・データに基づく取引情報を記憶装置に登録し、登録された取引情報により定まる商品の買上金額に基づいて精算を実行するPOSシステムがある。このようなPOSシステムは、登録装置では取引情報の登録のみを済ませ、登録装置とは別の精算装置まで客が移動し、その精算装置を客が自ら操作して現金などにより精算することが、主として想定されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたPOSシステムは、客に応じた精算をすることができない、という問題がある。
【0006】
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、客に応じた精算をすることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様であるPOSシステムは、登録装置と精算装置とを含むPOSシステムであって、前記登録装置は、購入される商品に基づく取引情報を取引毎に登録する登録部と、前記取引情報により定まる前記商品の買上金額よりも額面金額の多い品券を受け付ける品券受付部と、前記精算装置にて現金を投入することを宣言する現金投入宣言操作を受け付ける現金投入宣言部と、前記現金投入宣言操作の受付有無を前記精算装置において判定するための現金投入宣言操作有無判定用情報と、前記取引情報と、を対応付けて前記精算装置に出力する通信部と、を有し、前記精算装置は、前記取引情報により定まる前記買上金額を表示する表示部と、前記現金投入宣言操作有無判定用情報に基づいて前記登録装置において前記現金投入宣言操作を受け付けたか否かを判定する判定部と、現金による決済を実行する現金決済部と、を有し、前記表示部は、前記判定部が前記現金投入宣言操作を受け付けていないと判定した場合、精算を実行させる操作を促す情報を表示し、前記判定部が前記現金投入宣言操作を受け付けたと判定した場合、現金の投入を促す情報を表示し、前記現金決済部は、前記判定部が前記現金投入宣言操作を受け付けていないと判定した場合、前記額面金額から前記買上金額を減算した金額を釣銭として払い出し、前記判定部が前記現金投入宣言操作を受け付けたと判定した場合、現金の投入を受け付けて、前記額面金額から前記買上金額を減算した金額に当該受け付けた現金の金額を加算した金額を釣銭として払い出す。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、客に応じた精算をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態における、POSシステムを用いた会計処理の流れを示す概念図である。
図2】本発明の一実施形態における、POSシステムの構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態における、登録装置の構成例を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態における、登録装置に表示される画像の第1例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態における、登録装置に表示される画像の第2例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態における、会計券の例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態における、品券による精算を実行する登録装置の動作手順を示すフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態における、精算装置の構成例を示すブロック図である。
図9】本発明の一実施形態における、精算装置に表示されるガイダンス画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1には、POSシステムを用いた会計処理の流れが、概念図により示されている。POSシステムは、例えば、店舗に備えられる。POSシステムは、登録装置20と、精算装置30とを備える。登録装置20及び精算装置30は、それぞれ複数でもよい。登録装置20は、客が購入する商品に付されたバーコードを、店員の操作によりスキャンする。登録装置20は、バーコード・データに基づいて、商品の取引情報を記憶部に登録する。商品の取引情報には、例えば、取引の識別番号、商品の識別番号、商品の個数を示す情報が含まれていてもよい。
【0011】
客が購入する全ての商品のバーコードについて、商品の取引情報の登録が完了した場合、登録装置20は、商品の取引情報の登録の完了を宣言するための操作入力(例えば、店員による完了キーの押下操作)に基づいて、バーコード又は2次元コードを会計券40(詳細については、図6を用いて後述する)に印刷し、会計券40を客に発行する。
【0012】
会計券40を受け取った客は、精算装置30まで移動し、精算装置30が備えるスキャナ部を用いて、会計券40に印刷されたバーコード又は2次元コードを読み取らせ、その客自身が、精算装置30の操作キーを操作することにより、取引情報により定まる商品の買上金額(購入された商品の合計金額)を精算する。
【0013】
図2には、POSシステムの構成例が、ブロック図により示されている。POSシステムは、ストアコントローラ10(上位管理装置)を更に備えてもよい。POSシステムは、ストアコントローラ10と、N台(Nは、1以上の整数)の登録装置20と、M台(Mは、1以上の整数)の精算装置30とを備える。ストアコントローラ10と、登録装置20と、精算装置30とは、LAN(Local Area Network)11を介して接続されている。
【0014】
ストアコントローラ10は、商品情報(例えば、商品の値段)を、商品マスタデータとして予め記憶する。登録装置20は、読み取ったバーコード・データに基づいて、商品の取引情報をストアコントローラ10に登録してもよい。つまり、ストアコントローラ10は、登録装置20から送信された取引情報などを記憶してもよい。
【0015】
なお、登録装置20には、ストアコントローラ10に接続されていない登録装置20と、LAN11を介してストアコントローラ10に接続されている登録装置20とが存在してもよい。
【0016】
まず、登録装置の詳細について説明する。
図3には、登録装置の構成例が、ブロック図により示されている。登録装置20は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、スキャナ部204と、表示部(店員用)205と、表示部(客用)205aと、操作部206と、通信部207と、ブザー208と、レシート印刷手段209と、ハードディスク210とを備える。これらの各部は、バスを介して、互いに接続されている。
【0017】
スキャナ部204は、商品に付されているバーコード(商品コード)を、光学的に読み取る。
ROM202は、読み出し専用のメモリであり、登録装置20を動作させるためのプログラムを予め記憶する。
【0018】
CPU201は、中央演算処理装置である。CPU201は、ROM202に記憶されているプログラムを読み出して、RAM203に展開する。CPU201は、展開したプログラムの各ステップを実行することによって、登録装置20の各部を制御する。
【0019】
CPU201は、スキャナ部204に読み取られたバーコード・データに基づいて、商品の取引情報を、RAM203又はハードディスク210に登録する。また、CPU101は、スキャナ部204に読み取られたバーコード・データに基づいて、商品の取引情報を、通信部207を介してストアコントローラ10に登録してもよい。
【0020】
CPU201は、客が選択した精算方法(支払方法)を特定する。例えば、CPU201は、操作部206を操作する店員によって入力された、現金、クレジットカード、電子マネー又は品券を示す識別情報に基づいて、客が選択した精算方法を特定する。以下、客が選択した精算方法を示す情報を、「精算方法情報」という。
【0021】
客は、釣銭に追加する現金を精算装置30に投入したい旨を、登録装置20を操作する店員に申し出ることができる。この場合、申し出を受けた店員は、操作部206を操作して、精算方法情報をCPU201に入力する。CPU201は、操作部206を介して操作入力された精算方法情報が「現金追加」を示す場合、現金追加フラグを示す値を「有効」に設定する。ここで、現金追加フラグは、釣銭に追加する現金を精算装置30に投入可能にするか否かを定めるためのフラグである。
【0022】
また、CPU201は、特定した精算方法に応じた様式のレシートを印字して、そのレシートを発行するよう、レシート印刷手段209を制御する。より具体的には、CPU201は、特定された精算方法が現金以外による精算方法、例えば、買上金額と同じ額面金額の品券による精算方法である(釣銭の支払いが不要である)場合、自登録装置で精算の済んだ取引情報により定まる商品の明細情報をレシートに印刷し、そのレシートを発行するよう、レシート印刷手段209を制御する。つまり、操作部206を介して操作入力された精算方法情報が「クレジット宣言」、「電子マネー宣言」、又は、「品券」を示す場合、CPU201は、自登録装置にて精算処理を実行した後の明細情報が印刷されたレシートを発行するよう、レシート印刷手段209に指示する。
【0023】
一方、CPU201は、特定された精算方法が少なくとも現金による精算方法を含む場合、取引情報が印刷された会計券40を発行するよう、レシート印刷手段209を制御する。例えば、CPU201は、特定された精算方法が買上金額よりも額面金額の多い品券による精算方法である(釣銭の支払いが必要である)場合、取引情報などが印刷された会計券40を発行するよう、レシート印刷手段209を制御する。つまり、操作部206を介して操作入力された精算方法情報が「現金」又は「会計券」を示す場合、CPU201は、精算装置30を客が操作して精算するために必要な情報が印刷された会計券40を発行するよう、レシート印刷手段209に指示する。
【0024】
ここで、CPU201は、取引情報を示す識別情報が含められたバーコード又は2次元コードが印刷された会計券40を発行するよう、レシート印刷手段209を制御してもよい。また、CPU201は、現金追加フラグが含められた(付加された)バーコード又は2次元コードが印刷された会計券40を発行するよう、レシート印刷手段209を制御してもよい。
【0025】
RAM203は、種々の情報を記憶する読み出し書き込みメモリである。種々の情報は、例えば、現金追加フラグを示す値である。また、種々の情報は、例えば、買上金額を示す値でもよい。買上金額は、購入された全ての商品の代金の合計金額である。RAM203には、ROM202から読み出されたプログラムが展開される。また、RAM203は、プログラムが実行されることによって生成された各種データを記憶する。
【0026】
表示部(店員用)205は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの表示装置である。表示部(店員用)205は、操作キーなどの各種の画像を表示する。
【0027】
表示部(店員用)205は、透明な接点スイッチであるタッチキー(ソフトキー)が設けられたタッチパネルを有する。つまり、表示部(店員用)205は、操作部206としてのタッチパネルを有する。表示部(店員用)205は、モード切替、設定又は登録などの操作入力を、表示された操作キーを介して受け付ける。この設定は、例えば、現金追加フラグを示す値の設定でもよい。
【0028】
図4には、登録装置に表示される画像の第1例が示されている。表示部(店員用)205は、スキャナ部204に読み取られたバーコード・データに基づく取引情報を、CPU201による制御に応じて表示する。例えば、表示部(店員用)205は、購入された商品の名称と、商品の値段と、内税であることを示す文字列「内」と、買上点数と、小計(金額)と、合計(買上金額)とを、取引情報により定まる商品の明細情報として、表形式で商品毎に表示する。
【0029】
表示部(店員用)205は、各種の操作キーを表示する。各種の操作キーは、例えば、拡張キーと、電子マネー宣言キー500と、クレジット宣言キー510と、中断キーと、発券キーと、会計券キー520と、QR再発行キーと、扱者画面キーと、登録画面キーと、現金追加キー550とである。
【0030】
電子マネー宣言キー500、クレジット宣言キー510、及び、会計券キー520は、取引情報の登録を完了させるための操作キー(完了キー)(宣言手段)である。より具体的には、電子マネー宣言キー500は、電子マネーによる精算処理を実行することを、CPU201に宣言するための操作キーである。クレジット宣言キー510は、クレジットカードによる精算処理を実行することを、CPU201に宣言するための操作キーである。
【0031】
会計券キー520は、会計券をレシート印刷手段209から発行させるための操作キーである。会計券キー520が押下された場合、客は、発行された会計券40を受け取り、精算装置30まで移動し、精算装置30の操作キーを操作することにより、取引情報により定まる買上金額(購入された商品の合計金額)を精算する。
【0032】
現金追加キー550は、釣銭に追加する現金を精算装置30に投入可能にするための操作キー(宣言手段)である。客は、釣銭に追加する現金を精算装置30に投入したい旨を、登録装置20を操作する店員に申し出ることができる。この場合、申し出を受けた店員は、現金追加キー550を押下する。現金追加キー550が押下された場合、現金追加フラグを示す値は、CPU201により、有効を示す値(例えば、値1)に設定される。
【0033】
図5には、登録装置に表示される画像の第2例が示されている。表示部(店員用)205は、精算装置選択キー530と、会計キー540とを表示してもよい。精算装置選択キー530は、店員が精算装置30を選択するための操作キーである。会計キー540は、取引情報の登録を完了させるための操作キーである。CPU201は、精算装置選択キー530のいずれかに続いて会計キー540が押下された場合、選択された精算装置30に対して、通信部207から取引情報を送信させる。客は、選択された精算装置30まで移動し、選択された精算装置30の操作キーを操作することにより、取引情報により定まる買上金額(購入された商品の合計金額)を精算する。
【0034】
図3に戻り、登録装置の構成例の説明を続ける。表示部(客用)205aは、表示デバイスである。表示部(客用)205aは、液晶ディスプレイなどを用いた発光型の表示デバイスでもよい。表示部(客用)205aは、例えば、7セグメント表示又はドット表示(フルドット表示)により、文字列などの画像を表示する。例えば、表示部(客用)205aは、登録された取引情報、購入された商品の買上金額(合計金額)、精算装置30で釣銭の支払いがある旨の情報、又は、精算装置30で不足金額の支払いが必要である旨の情報などを、取引情報の登録を完了した客に対して表示する。
【0035】
操作部206は、登録装置20を動作させるための操作手段を備える。この操作手段(入力デバイス)は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン又はタッチパネルである。操作手段は、例えば、商品登録の完了を宣言するための完了キー(例えば、会計キー、会計券キーでもよい。)、訂正キー、プリセットキー、数字キー、品券キー、クレジット宣言キー、電子マネー宣言キー、現金追加キーでもよい。
【0036】
なお、操作手段は、メカキー(ハードキー)などのボタンとして配置されていてもよいし、表示部(店員用)205の表示面上に設けられたタッチパネルに、操作キーの画像として表示されてもよい。
【0037】
通信部207は、ネットワークを介して、ストアコントローラ10及び精算装置30と通信する。なお、ネットワークは、どのように構成された通信回線(例えば、無線通信回線、有線通信回線)でもよく、LAN11に限らなくてもよい。
ブザー208は、CPU201による制御により、ブザー音を発生させる。
【0038】
レシート印刷手段209は、各種シートに情報を印刷して発行する。各種シートは、例えば、クレジットレシート、電子マネーレシート、品券レシート、又は、会計券である。ここで、クレジットレシートは、クレジット宣言キーが押下されて、登録装置20での精算処理が完了した後に発行されるレシートである。また、電子マネーレシートは、電子マネー宣言キーが押下されて、登録装置20での精算処理が完了した後に発行されるレシートである。また、品券レシートは、品券キーが押下されて、登録装置20での精算処理が完了した後に発行されるレシートである。また、会計券40は、会計券キーが押下された場合に発行される。会計券40には、一取引における買上金額が印字されてもよい。
【0039】
レシート印刷手段209は、サーマルヘッド(不図示)と、プラテンローラ(不図示)とを有する。プラテンローラは、サーマルヘッドに押圧された状態に設置され、ステッピングモータにより駆動される。CPU201からの制御信号に応じてステッピングモータが駆動することにより、シートは、サーマルヘッドとプラテンローラとの隙間を、所定量だけ搬送される。シートは、例えば、クレジットレシート、電子マネーレシート、品券レシート又は会計券として、レシート印刷手段209から発行される。
【0040】
図6には、会計券の例が示されている。図6(a)には、バーコードC2が印刷された会計券40(お会計券)の例が示されている。バーコードC2は、取引情報を示す識別情報を表すコードである。ストアコントローラ10に登録された取引情報は、バーコードC2が表す取引情報を示す識別情報(取引の識別番号)に基づいて、ストアコントローラ10から検索される。一方、図6(b)には、2次元コードC1が印刷された会計券40(お会計券)の例が示されている。2次元コードC1は、客が購入した全ての商品の取引情報により定まる商品の明細情報を表すコードである。この場合、取引情報は、2次元コードC1に全て記録されているので、ストアコントローラ10から検索される必要がない。
【0041】
会計券40には、取引情報の少なくとも一部、例えば、購入された商品の点数及び買上金額が、買上内容として印字されてもよい。また、会計券40には、取引情報の少なくとも一部、例えば、取引日時が印字されてもよい。また、会計券40の一部領域(例えば、下半分の領域)には、クーポン券(不図示)が印刷されてもよい。
【0042】
図3に戻り、登録装置の構成例の説明を続ける。クレジットカード読取部211は、クレジットカード(媒体)を挿入可能な構造を有する。クレジットカード読取部211は、挿入されたクレジットカードに記憶されている顧客情報を、磁気などを用いて読み取り、読み取った情報をCPU201に出力する。
【0043】
電子マネー読取部212は、電子マネーカード(媒体)を挿入可能な構造を有する。電子マネー読取部212は、挿入された電子マネーカードに記憶されている金額情報を無線により読み取り、読み取った金額情報をCPU101に出力する。電子マネー読取部212は、CPU201から入力された買上金額が差し引かれた金額情報を、挿入された電子マネーカードに記憶させる。
【0044】
図7は、品券による精算を実行する登録装置(図3を参照)の動作手順を示すフローチャートである。釣銭として支払われる紙幣又は硬貨の枚数が多くならないようにするために、客は、釣銭に追加する現金を精算装置30に投入したい旨を、登録装置20を操作する店員に申し出ることができる。釣銭に追加する現金を精算装置30に投入したい旨を申し出た客は、登録装置20で支払った品券により発生した釣銭に追加する現金を、精算装置30に投入して、その釣銭の金額を切りのよい金額(例えば、下一桁が値0、又は、下二桁が値00)に調整することができる。
【0045】
(ステップS1)スキャナ部204は、店員による操作により、商品に付されているバーコード(商品コード)を、光学的に読み取る。CPU201は、スキャナ部204に読み取られたバーコード・データに基づいて、商品の取引情報をRAM203に登録する。
【0046】
(ステップS2)CPU201は、操作部206を介した操作入力に基づいて、品券情報(例えば、客が支払った品券の額面金額)を取得する。ここで、客が支払った品券の額面金額から買上金額を減算した金額の釣銭が発生したものとする。
【0047】
例えば、買上金額が801円であり、品券の額面金額が1000円である場合、額面金額から買上金額を減算した金額として、釣銭の金額は199円となる。釣銭の金額が切りのよい金額に調整されなければ、釣銭としての199円は、例えば、100円硬貨1枚、50円硬貨1枚、10円硬貨4枚、5円硬貨1枚、及び、1円硬貨4枚からなる計11枚もの硬貨により、精算装置30から支払われることになる。一方、調整前の釣銭に1円が追加されることで、最終的に支払われる釣銭の金額が調整されれば、調整後の釣銭としての200円は、100円硬貨2枚のみにより、精算装置30から支払われることになる。
【0048】
(ステップS3)釣銭に追加する現金を精算装置30に投入したい旨を客が店員に申し出た場合、登録装置20を操作する店員は、現金追加キー550(図4又は図5を参照)を押下する。CPU201は、操作部206を介した操作入力に基づいて、現金追加キー550が押下されたか否かを判定する。現金追加キー550が押下された場合(ステップS3:Yes)、CPU201は、ステップS4に処理を進める。一方、現金追加キー550が押下されていない場合(ステップS3:No)、CPU201は、ステップS5に処理を進める。
【0049】
(ステップS4)CPU201は、初期値では無効(例えば、値0)に設定されていた現金追加フラグを示す値を「有効(例えば、値1)」に設定し、ステップS5に処理を進める。
(ステップS5)CPU201は、操作部206を介した操作入力に基づいて、会計キー540又は会計券キー520が押下されたか否かを判定する。会計キー540又は会計券キー520が押下された場合(ステップS5:Yes)、CPU201は、ステップS6に処理を進める。一方、会計キー540及び会計券キー520のいずれも押下されていない場合(ステップS5:No)、CPU201は、ステップS9に処理を進める。
【0050】
(ステップS6)CPU201は、現金追加フラグが有効であるか否かを判定する。現金追加フラグが有効である場合(ステップS6:Yes)、CPU201は、ステップS7に処理を進める。一方、現金追加フラグが無効である場合(ステップS6:No)、CPU201は、ステップS8に処理を進める。
【0051】
(ステップS7)CPU201は、現金追加フラグを取引情報に含め(付加し)、取引情報を示す識別情報をバーコード化する。CPU201は、現金追加フラグを取引情報に含め(付加し)、取引情報により定まる商品の明細情報を2次元コード化してもよい。ここで、CPU201は、例えば、取引情報のデータ量が閾値未満である場合に、現金追加フラグを含む取引情報を示す識別情報をバーコード化し、取引情報のデータ量が閾値以上である場合には、現金追加フラグを示す値を含む取引情報により定まる商品の明細情報を、2次元コード化してもよい。
【0052】
(ステップS8)ステップS5において会計券キー520が押下された場合、CPU201は、取引情報を示す識別情報が印字されたバーコード(図6(a)を参照)が印字された会計券40を、レシート印刷手段209から発行させる。通信部207は、ストアコントローラ10に、取引情報を送信して登録する。CPU201は、取引情報の内容を示す2次元コード(図6(b)を参照)が印字された会計券40を、レシート印刷手段209から発行させてもよい。一方、ステップS5において会計キー540が押下された場合、通信部207は、精算装置選択キー530により選択された精算装置30に、取引情報を送信する。この場合、CPU201は、選択された精算装置30に対して、通信部207から取引情報を直接送信させてもよい。また、CPU201は、選択された精算装置30に対して、通信部207からストアコントローラ10(上位装置)を介して取引情報を送信させてもよい。
【0053】
次に、精算装置の詳細について説明する。
図8には、精算装置の構成例がブロック図により示されている。精算装置30は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、スキャナ部304と、読取報知手段304aと、表示部305と、操作部306と、通信部307と、ブザー308と、印刷部309と、印刷報知手段309aと、決済端末310と、決済報知手段310aと、決済端末311と、決済報知手段311aと、決済端末312と、決済報知手段312aと、サインポール313と、人感知センサ314とを備える。精算装置30の各部は、バスを介して互いに接続されている。なお、スキャナ部304は、精算装置30に着脱可能な別体(外付)であってもよい。
【0054】
CPU301は、中央演算処理装置である。CPU301は、ROM302に記憶されているプログラムを読み出して、RAM303に展開する。CPU301は、展開されたプログラムの各ステップを実行することによって、精算装置30の各部を制御する。
【0055】
また、CPU301は、スキャナ部304が読み取ったシートに印刷されたコードの内容を認識する。例えば、CPU301は、登録装置20による登録が完了した取引情報のうち、精算が完了していない取引について発行された会計券40に印字されているバーコード又は2次元コードが示す内容を認識する。
【0056】
より具体的には、CPU301は、スキャナ部304によって読み取られた画像データにOCR(Optical Character Reader)処理を施すことにより、会計券40に印字されているバーコード又は2次元コードが示す内容を認識する。ここで、バーコードが示す内容は、例えば、ストアコントローラ10に登録されている取引情報を示す識別情報である。また、2次元コードが示す内容は、例えば、登録装置20により登録された取引情報により定まる商品の明細情報である。
【0057】
CPU301は、スキャナ部304によってバーコードが読み取られた場合、バーコードが示す内容(取引情報を示す識別情報)に基づいて、取引情報により定まる商品の明細情報をストアコントローラ10から取得し、取引情報により定まる商品の明細情報をRAM303に記憶させる。CPU301は、スキャナ部304によって2次元コードが読み取られた場合、2次元コードが示す内容(取引情報により定まる商品の明細情報)を、RAM303に記憶させる。取引情報には、現金追加フラグを示す値が含まれていてもよい。また、明細情報には、買上金額が含まれていてもよい。CPU301は、取引情報により定まる商品の買上金額を精算する。ここで、CPU301は、精算手順を客に案内するためのガイダンス画像を、表示部305に表示させる。
【0058】
スキャナ部304は、シート(例えば、会計券)に付されているバーコード又は2次元コードを、光学的に読み取る。
ROM302は、読み出し専用のメモリであり、精算装置30を動作させるためのプログラムを予め記憶する。
【0059】
RAM303は、種々の情報を記憶する読み出し書き込みメモリである。種々の情報は、例えば、取引情報により定まる商品の明細情報である。また、RAM303には、ROM302から読み出されたプログラムが展開される。また、RAM303は、プログラムが実行されることによって生成された各種データを記憶する。
【0060】
操作部306は、精算装置30を動作させるための操作手段を備える。この操作手段(入力デバイス)は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン又はタッチパネルである。操作手段は、例えば、精算キーである。精算キーは、精算処理を実行させる指示をCPU301に操作入力する際、客によって操作される操作キーである。
【0061】
なお、操作手段は、メカキー(ハードキー)などのボタンとして配置されていてもよいし、表示部305の表示面上に設けられたタッチパネルに、操作キーの画像として表示されてもよい。
【0062】
表示部305は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどの表示装置である。表示部305は、透明な接点スイッチであるタッチキー(ソフトキー)が設けられたタッチパネルを有する。表示部305は、操作部306としてのタッチパネルを有していてもよい。表示部305は、モード切替、設定又は登録などの操作入力を受け付ける。表示部305は、CPU301によって認識されたバーコード又は2次元コードが示す内容(取引情報)により定まる商品の明細情報(例えば、買上金額)を表示する。
【0063】
図9には、精算装置に表示されるガイダンス画像の例が示されている。会計券40(図6を参照)を使用しないで客が精算する場合、ガイダンス画像は、精算装置選択キー530のいずれかに続いて会計キー540(図5を参照)が押下された段階で、その選択された精算装置30の表示部305に表示される。したがって、選択された精算装置30に客が行くと、その選択された精算装置30は、ガイダンス画像をすでに表示して、精算可能な状態となっている。一方、会計券40を使用して客が精算する場合、ガイダンス画像は、会計券40に印字されているバーコードが精算装置30のスキャナ部304で読み取られることにより取引情報が特定され、その特定された取引情報に基づいて表示される。
【0064】
CPU301は、現金追加フラグを示す値が有効を示す値(例えば、値1)である場合、現金による精算処理を進めるためのガイダンス画像を、表示部305に表示させる。図9では、文字列「追加する現金を投入してください」(現金を投入すべき旨)と、文字列「お買上金額 801円」(合計金額)と、文字列「品券額(品券の額面金額) 1000円」と、文字列「釣銭額 199円」と、文字列「あと1円追加で、200円になります。」とが表示されている。また、ガイダンス画像には、決済端末311の外観及び操作手順を表す動画像が表示されてもよい。
【0065】
釣銭に追加する現金を精算装置30に投入したい旨を、登録装置20を操作する店員に申し出た客は、釣銭に追加する現金を、ガイダンス画像に従って精算装置30の決済端末311に投入して、その釣銭の金額を切りのよい金額に調整することができる。
【0066】
また、ガイダンス画像には、精算装置30に精算処理を開始させるための操作キー「精算」(精算キー)が、表示されている。CPU301は、操作キー「精算」が押下された場合、差額を算出するなどの精算処理を開始するとともに、印刷部309を制御して買上シートを発行させる。また、決済端末311は、CPU301から入力された差額情報に応じた金額の釣銭又は釣札を、現金払出口から払い出す。なお、CPU301は、印刷部309を制御してクーポン券を発行させてもよい。
【0067】
なお、CPU301は、現金追加フラグを示す値が無効を示す値(例えば、値0)であり、かつ、操作部306を介して客が現金による精算を選択した場合、文字列「追加する現金を投入してください」(現金を投入すべき旨)を非表示にして、文字列「お買上金額を確認しお金をいれてください」を、現金による精算処理を進めるためのガイダンス画像として、表示部305に表示させてもよい。これにより、客は、精算装置30から支払われる釣銭額を考慮して、現金を追加することができる。
【0068】
また、CPU301は、現金追加フラグを示す値が無効を示す値(例えば、値0)である場合、2次元コード(図6(b)を参照)又は1次元コード(図6(a)を参照)がスキャナ部204により会計券40から読み取られた際、文字列「追加する現金を投入してください。」の代わりに、文字列「精算キーを押してください。」を表示させてもよい。また、CPU301は、図9では文字列「釣銭額」の近傍に表示されていた文字列「あと1円追加で200円になります。」を、非表示にしてもよい。これにより、客は、精算キーを押下操作すれば精算装置30から釣銭が支払われて精算が完了することが分かるので、迅速に精算を済ませることができる。
【0069】
よって、現金を追加したい旨を登録装置20で店員に宣言した客は、精算装置30で現金を追加することができる。一方、現金を追加したい旨を登録装置20で店員に宣言しなかった客は、これまで通りに精算装置30で単に「精算」キーを押下操作すれば、精算を完了させることができる。したがって、POSシステムは、客に余計な操作を要求することなく、客に応じた精算の仕方を実現することができる。
【0070】
図8に戻り、精算装置の構成例の説明を続ける。ブザー308は、CPU301による制御により、ブザー音を発生させる。
通信部307は、ネットワークを介して、ストアコントローラ10及び登録装置20と通信する。なお、ネットワークは、どのように構成されたネットワーク(例えば、無線通信ネットワーク)でもよく、LAN11に限らなくてもよい。
【0071】
印刷部309は、所定の情報(例えば、精算が完了した取引情報により定まる商品の明細情報)を買上シートに印刷し、その買上シートを発行する。印刷部309は、サーマルヘッド(不図示)と、プラテンローラ(不図示)とを有する。プラテンローラは、サーマルヘッドに押圧された状態に設置され、ステッピングモータにより駆動される。CPU301からの制御信号に応じてステッピングモータが駆動することにより、買上シートは、サーマルヘッドとプラテンローラとの隙間を、所定量だけ搬送される。
【0072】
印刷報知手段309aは、印刷部309の近傍に備えられる。印刷報知手段309aは、例えば、赤色LED(Light Emitting Diode)を有する。印刷報知手段309aは、点滅又は点灯することにより、印刷部309が操作可能である旨と、印刷部309の所在位置とを報知する。
【0073】
決済端末310(釣銭釣札部)は、取引情報により定まる商品の買上金額の精算において、現金による決済を実行し、決済を実行した結果(例えば、決済が成立したか否かを示す情報)を、バスを介してCPU301に出力する。決済端末310は、現金受付部(例えば、紙幣投入口、硬貨投入口)と、釣銭排出口と有する。紙幣投入口は、紙幣の投入及び排出をするための投入口である。硬貨投入口は、硬貨を投入するための投入口である。釣銭排出口は、釣銭又は釣札を排出する(支払う)ための排出口である。
【0074】
決済報知手段310aは、決済端末310の近傍に備えられる。決済報知手段310aは、第1決済報知手段と、第2決済報知手段と、第3決済報知手段とを有する。第1決済報知手段は、紙幣投入口の近傍に備えられる。第1決済報知手段は、例えば、赤色LEDを有し、点滅又は点灯することにより、紙幣投入口が操作可能である旨と、紙幣投入口の所在位置とを報知する。第2決済報知手段は、硬貨投入口の近傍に備えられる。第2決済報知手段は、例えば、赤色LEDを有し、点滅又は点灯することにより、硬貨投入口が操作可能である旨と、硬貨投入口の所在位置とを報知する。第3決済報知手段は、釣銭排出口の近傍に備えられる。第3決済報知手段は、例えば、赤色LEDを有し、点滅又は点灯することにより、釣銭排出口が操作可能である旨と、釣銭排出口の所在位置とを報知する。
【0075】
決済端末311は、取引情報により定まる商品の買上金額の精算において、クレジットにより決済を実行し、決済を実行した結果を、バスを介してCPU301に出力する。
決済報知手段311aは、例えば、赤色LEDを有し、点滅又は点灯することにより、決済端末311が操作可能である旨と、決済端末311の所在位置とを報知する。
【0076】
決済端末312は、取引情報により定まる商品の買上金額の精算において、電子マネーにより決済を実行し、決済を実行した結果を、バスを介してCPU301に出力する。
決済報知手段312aは、例えば、赤色LEDを有し、点滅又は点灯することにより、決済端末312が操作可能である旨と、決済端末312の所在位置とを報知する。決済報知手段312aは、電子マネーカード(媒体)から金額情報などを読み取るための電子マネー読取部(不図示)の近傍に備えられてもよい。
【0077】
サインポール313は、例えば、発光部を有し、点滅又は点灯することにより、精算装置30が操作可能である旨を報知する。
人感知センサ314は、精算装置30に対する所定の位置に客がいることを検知するセンサである。人感知センサ314は、例えば、赤外線を検出することにより、客がいることを検知してもよい。
【0078】
以上のように、POSシステムは、購入される商品に基づく取引情報を取引毎に登録(例えば、RAM203に登録、ストアコントローラ10に登録)するCPU201(登録部)と、取引情報により定まる商品の買上金額よりも額面金額の多い品券を受け付ける品券受付部(例えば、操作部206の品券キーを介して、品券を受け付けるCPU201)と、予め定められた操作入力(例えば、現金追加キー550の押下操作)(精算装置30では品券以外での精算をする旨)を受け付ける操作部206と、を有する登録装置20と、予め定められた操作入力(精算装置30では品券以外での精算をする旨)を取引毎に操作部206が受け付けた場合、現金を受け付け可能にする決済端末310(現金受付部)と、額面金額から買上金額を減算した金額と、決済端末310(現金受付部)が受け付けた現金の金額と、を加算した金額の釣銭を払い出す決済端末310(釣銭釣札部)と、を有する精算装置30と、を備える。
【0079】
この構成により、精算装置30の決済端末310は、額面金額から買上金額を減算した金額と、決済端末310が受け付けた現金の金額と、を加算した金額の釣銭を払い出す。これにより、POSシステムは、客に応じた精算をすることができる。POSシステムは、釣銭として支払われる紙幣又は硬貨の枚数が多くならないようにすることができる(品券のお釣り調整)。また、これまで品券のみで支払うことにより精算を迅速に済ませていた客にとっても、POSシステムは、精算装置を操作して現金で支払っても精算を迅速に済ませることができ、かつ、釣銭として支払われる紙幣又は硬貨の枚数が多くならないようにすることができる。
【0080】
つまり、客は、小銭が増えることを避けることができる。また、予め定められた操作入力を操作部206が受け付けた場合に、精算装置30が現金を受け付けるので、客は、精算処理を実行する精算装置30の操作を誤ることがない。また、POSシステムは、迅速に精算することができる。また、現金を追加したい旨を登録装置20で店員に宣言した客のみが、精算装置30で現金の追加をすることができる。一方、現金を追加したい旨を登録装置20で店員に宣言しなかった客は、これまで通りに精算装置30で単に「精算」キーを押下操作すれば、精算を完了させることができる。したがって、POSシステムは、客に余計な操作を要求することなく、客に応じた精算の仕方を実現することができる。
【0081】
登録装置20は、予め定められた操作入力(例えば、現金追加キー550の押下操作)を受け付けた旨を示す操作入力情報と、取引情報と、を対応付けて出力する通信部207(出力部)を有してもよい。精算装置30は、精算する取引における操作入力情報と、取引情報と、を特定する通信部307(特定部)を有してもよい。精算装置30の決済端末310(現金受付部)は、通信部307(特定部)が操作入力情報を特定した場合、予め定められた操作入力を登録装置20の操作部206が受け付けたと認識し、現金を受け付け可能にしてもよい。
【0082】
登録装置20は、取引情報を媒体(例えば、会計券40)に印刷するレシート印刷手段209(印刷部)を有してもよい。精算装置30は、取引情報を媒体から読み取るスキャナ部304(読取部)を有してもよい。決済端末310(現金受付部)は、媒体(例えば、会計券40)から読み取られた取引情報に、操作入力情報が対応付けられている場合、予め定められた操作入力(例えば、現金追加キー550の押下操作)を操作部206が受け付けたと認識し、現金を受け付け可能としてもよい。
【0083】
登録装置20は、購入される商品に基づく取引情報を登録するCPU201(登録部)と、精算装置30にて現金を受け付け可能とするための操作入力を受け付ける操作部206と、現金を受け付け可能とするための操作入力情報と、取引情報と、を対応付けて出力する出力部(例えば、レシート印刷手段209、通信部207)と、を備える。
【0084】
これにより、登録装置20は、釣銭として支払われる紙幣又は硬貨の枚数が多くならないようにすることができる(品券のお釣り調整)。つまり、品券のみで支払うことによりこれまで精算を迅速に済ませていた客にとっても、登録装置20は、現金で支払っても精算を迅速に済ませることができ、かつ、釣銭として支払われる紙幣又は硬貨の枚数が多くならないようにすることができる。
【0085】
また、現金を追加したい旨を登録装置20で店員に宣言した客のみが、精算装置30で現金の追加をすることができる。一方、現金を追加したい旨を登録装置20で店員に宣言しなかった客は、これまで通りに精算装置30で単に「精算」キーを押下操作すれば、精算を完了させることができる。したがって、POSシステムは、客に余計な操作を要求することなく、客に応じた精算の仕方を実現することができる。しかも、登録装置20で店員がキー操作をすることにより、精算の仕方を切り替えることが可能なので、客は、特別な操作をすることなく、自分の望む精算の仕方にて精算をすることができる。
【0086】
精算装置30は、購入される商品に基づく取引情報に基づいて取引毎に精算する精算部(例えば、CPU301、決済端末310)と、取引にて現金を受け付け可能とするための操作入力を登録装置20が受け付けたか否かを判定する判定部(例えば、CPU301)と、現金を受け付け可能とするための操作入力を登録装置20が受け付けた場合、現金を投入すべき旨を表示する表示部305と、を備える。
【0087】
これにより、精算装置30は、釣銭として支払われる紙幣又は硬貨の枚数が多くならないようにすることができる(品券のお釣り調整)。また、品券のみで支払うことによりこれまで精算を迅速に済ませていた客にとっても、精算装置30は、現金で支払っても精算を迅速に済ませることができ、かつ、釣銭として支払われる紙幣又は硬貨の枚数が多くならないようにすることができる。
【0088】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0089】
例えば、精算装置30のCPU301は、取引情報により定まる商品の明細情報(例えば、商品の名称、商品の値段、買上点数と、小計(金額)、及び、合計(買上金額))を、操作部306を介した操作入力に応じて、表示部305に表示させてもよい。
【0090】
また、例えば、精算装置30のCPU301は、精算処理が完了した際、文字列「お釣りとレシートをお取りください。ありがとうございました。」と、レシートの排出口を示すガイダンス画像と、釣銭の払出口を示すガイダンス画像とを、表示部305に表示させてもよい。
【0091】
なお、上記に説明した登録装置、精算装置、及び、POSシステムを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、実行処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
【0092】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0093】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0094】
10…ストアコントローラ
11…LAN
20…登録装置
30…精算装置
40…会計券
C1…二次元コード
C2…バーコード
201…CPU
202…ROM
203…RAM
204…スキャナ部
205…表示部(店員用)
205a…表示部(客用)
206…操作部
207…通信部
208…ブザー
209…レシート印刷手段
210…ハードディスク
211…クレジットカード読取部
212…電子マネー読取部
301…CPU
302…ROM
303…RAM
304…スキャナ部
304a…読取報知手段
305…表示部
306…操作部
307…通信部
308…ブザー
309…印刷部
309a…印刷報知手段
310…決済端末
310a…決済報知手段
311…決済端末
311a…決済報知手段
312…決済端末
312a…決済報知手段
313…サインポール
314…人感知センサ
500…電子マネー宣言キー
510…クレジット宣言キー
520…会計券キー
530…精算装置選択キー
540…会計キー
550…現金追加キー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9