(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】ピリジンチオン、その医薬組成物、及び増殖性疾患、炎症性疾患、神経変性疾患、又は免疫介在性疾患を治療するためのそれらの治療的使用
(51)【国際特許分類】
C07D 213/70 20060101AFI20220323BHJP
A61K 31/44 20060101ALI20220323BHJP
A61K 31/4418 20060101ALI20220323BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20220323BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20220323BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20220323BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20220323BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20220323BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220323BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20220323BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20220323BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
C07D213/70 CSP
A61K31/44
A61K31/4418
A61P9/00
A61P9/10
A61P25/00
A61P25/28
A61P29/00
A61P35/00
A61P35/02
A61P37/02
A61P37/06
(21)【出願番号】P 2018560167
(86)(22)【出願日】2017-05-15
(86)【国際出願番号】 US2017032599
(87)【国際公開番号】W WO2017200902
(87)【国際公開日】2017-11-23
【審査請求日】2020-05-12
(32)【優先日】2016-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512310169
【氏名又は名称】ビオトヘルイク, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】リーフ ファング
(72)【発明者】
【氏名】ロバート サリバン
(72)【発明者】
【氏名】カイル ダブリュー.エイチ. チャン
(72)【発明者】
【氏名】フランク メルクリオ
(72)【発明者】
【氏名】アーメン マノウキアン
(72)【発明者】
【氏名】サム スキャンガ
(72)【発明者】
【氏名】ファブリジオ マストロナルディ
【審査官】神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】特開昭50-044246(JP,A)
【文献】国際公開第03/078397(WO,A2)
【文献】特表2013-525367(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0368202(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、
若しくは水和物
:
【化1】
(式中:
R
1は、水素又は重水素であり;
R
3及びR
5は、それぞれ独立に
、水素
又は重水素
であり;
R
4は
、ハロにより任意に置換されているC
1-6アルキル
であり;且つ
R
6は、
各々ハロにより任意に置換されているC
1-10アルキル
又はC
3-10シクロアルキル
であり;
但し、該化合物が、4,6-ジメチルピリジン-2(1H)-チオン、6-メチル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン、4,6-ジ(トリフルオロメチル)-ピリジン-2(1H)-チオン、6-イソプロピル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン、6-ブチル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン、6-イソブチル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン、
及び6-シクロプロピル-4-(トリフルオロメチル)-ピリジン-2(1H)-チオン
のいずれか1つでないことを条件と
する)。
【請求項2】
R
6が、
ハロにより任意に置換されているC
3-10シクロアルキルである、請求項
1記載の化合物。
【請求項3】
R
6が、
ハロにより任意に置換されている単環式C
3-10シクロアルキルである、請求項
2記載の化合物。
【請求項4】
R
6が、
ハロにより任意に置換されているC
4-10シクロアルキルである、請求項
1記載の化合物。
【請求項5】
R
6が、
ハロにより任意に置換されている単環式C
4-10シクロアルキルである、請求項
4記載の化合物。
【請求項6】
R
6が、
ハロにより任意に置換されているシクロヘキシルである、請求項1~
5のいずれか一項記載の化合物。
【請求項7】
R
6が、
ハロにより任意に置換されているC
1-10アルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
R
6が、
ハロにより任意に置換されているC
5-10アルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
R
6が、
ハロにより任意に置換されているペンチルである、請求項
7又は8記載の化合物。
【請求項10】
R
6がトリメチルペンチルである、請求項
9記載の化合物。
【請求項11】
R
6が2,4,4-トリメチルペンチルである、請求項
9記載の化合物。
【請求項12】
R
4が、メチル又はトリフルオロメチルである、
請求項1~11のいずれか一項記載の化合物。
【請求項13】
R
1が水素である、請求項1~
12のいずれか一項記載の化合物。
【請求項14】
R
1が重水素である、請求項1~
12のいずれか一項記載の化合物。
【請求項15】
R
3が、水素
である、請求項1~
14のいずれか一項記載の化合物。
【請求項16】
R
3
が、重水素である、請求項1~14のいずれか一項記載の化合物。
【請求項17】
R
5が、水素
である、請求項1~
16のいずれか一項記載の化合物。
【請求項18】
R
5
が、重水素である、請求項1~16のいずれか一項記載の化合物。
【請求項19】
前記化合物が、
6-シクロヘキシル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオン;
6-シクロヘキシル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン;
4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)ピリジン-2(1H)-チオン;
6-イソプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンA5;
4-イソプロピル-6-メチルピリジン-2(1H)-チオンA6;及び
6-シクロプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンA7;
並びにそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、及び同位体変種;並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、
及び水和物
から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項20】
請求項1~
19のいずれか一項記載の化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、
若しくは水和物
を含む医薬組成物。
【請求項21】
単一剤形である、請求項
20記載の医薬組成物。
【請求項22】
経口剤形、非経口剤形、又は静脈内剤形である、請求項
20又は21記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記経口剤形が、錠剤、カプセル剤、又は液剤である、請求項
22記載の医薬組成物。
【請求項24】
第2の治療剤をさらに含む、請求項
20~23のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項25】
対象の増殖性疾患、炎症性疾患、神経変性疾患、又は免疫介在性疾患の1つ以上の症状を治療、予防、又は改善するための、請求項
20~24のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記疾患が免疫介在性疾患である、請求項
25記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記疾患が自己免疫疾患である、請求項
25記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記疾患が多発性硬化症である、請求項
25~27のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記疾患が、再発寛解型MS(RR-MS)、一次性進行型MS(PP-MS)、進行再発型MS(PR-MS)、又は二次性進行型MS(SP-MS)である、請求項
28記載の医薬組成物。
【請求項30】
式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、
若しくは水和物
を含む医薬組成物:
【化2】
(式中:
R
1は、水素又は重水素であり;
R
3及びR
5は、それぞれ独立に
、水素
又は重水素
であり;
R
4は
、ハロにより任意に置換されているC
1-6アルキル
であり;
且つ
R
6は、
各々ハロにより任意に置換されているC
1-10アルキル
又はC
3-10シクロアルキル
である)。
【請求項31】
前記化合物が、6-シクロヘキシル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオン;6-シクロヘキシル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン;6-メチル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン;4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)ピリジン-2(1H)-チオン、6-イソプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオン、4-イソプロピル-6-メチルピリジン-2(1H)-チオン、
若しくは6-シクロプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオン、
又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは水和物である、請求項
30記載の医薬組成物。
【請求項32】
単一剤形である、請求項
30又は31記載の医薬組成物。
【請求項33】
経口剤形、非経口剤形、又は静脈内剤形である、請求項
30~32のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項34】
前記経口剤形が、錠剤、カプセル剤、又は液剤である、請求項
33記載の医薬組成物。
【請求項35】
第2の治療剤をさらに含む、請求項
30~34のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項36】
対象の増殖性疾患、炎症性疾患、神経変性疾患、又は免疫介在性疾患の1つ以上の症状を治療、予防、又は改善するための、請求項
30~35のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項37】
前記疾患が免疫介在性疾患である、請求項
36記載の医薬組成物。
【請求項38】
前記疾患が自己免疫疾患である、請求項
36記載の医薬組成物。
【請求項39】
前記疾患が多発性硬化症である、請求項
36~38のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項40】
前記疾患が、再発寛解型MS(RR-MS)、一次性進行型MS(PP-MS)、進行再発型MS(PR-MS)、又は二次性進行型MS(SP-MS)である、請求項
39記載の医薬組成物。
【請求項41】
前記疾患が視神経脊髄炎である、請求項
36記載の医薬組成物。
【請求項42】
前記疾患が脳性麻痺である、請求項
36記載の医薬組成物。
【請求項43】
前記疾患が、代謝性コバラミン欠乏の結果としての脊髄変性である、請求項
36記載の医薬組成物。
【請求項44】
前記疾患が非炎症性脱髄疾患である、請求項
36記載の医薬組成物。
【請求項45】
前記疾患が多発性硬化症である、請求項
44記載の医薬組成物。
【請求項46】
前記疾患が、再発寛解型MS(RR-MS)、一次性進行型MS(PP-MS)、進行再発型MS(PR-MS)、又は二次性進行型MS(SP-MS)である、請求項
45記載の医薬組成物。
【請求項47】
前記疾患が、脳への虚血傷害である、請求項
36記載の医薬組成物。
【請求項48】
前記疾患が脳卒中又は震盪性損傷である、請求項
47記載の医薬組成物。
【請求項49】
前記対象に、リンパ球遊出を予防する治療剤がさらに投与されるように用いられることを特徴とする、請求項
36記載の医薬組成物。
【請求項50】
前記対象に、メチル化を増強する治療剤がさらに投与されるように用いられることを特徴とする、請求項
36記載の
医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2016年5月16日に出願された米国仮特許出願第62/337,256号の優先権の利益を主張し、その開示は引用により本明細書に全体として組み込まれている。
【0002】
(分野)
ピリジンチオン及びその医薬組成物が本明細書に提供される。増殖性疾患、炎症性疾患、神経変性疾患、又は免疫介在性疾患(例えば、多発性硬化症)の1つ以上の症状を治療、予防、又は改善する方法も本明細書に提供される。
【背景技術】
【0003】
(背景)
多発性硬化症(MS)、別名散在性硬化症又は散在性脳脊髄炎は、中枢神経系(CNS)中の神経細胞の絶縁カバーが傷つけられる、慢性で多くの場合身体障害を起こす疾患である。 Noseworthyらの文献(N. Engl. J. Med. 2000, 343, 938-952);Ebersの文献(Lancet Neurol. 2008, 7, 268-277);Luessiらの文献(Expert. Rev. Neurother. 2012, 12, 1061-1076)。この損傷が神経系の一部の伝達能力を麻痺させ、身体的問題、精神的問題、及び場合によって精神科的問題を含む広範囲の徴候及び症状をもたらす。Compstonらの文献(Lancet 2008, 372, 1502-1517)。MSの最もよく見られる臨床徴候及び症状には、四肢の感覚障害(~30%)、部分的又は完全な失明(~15%)、四肢の急性及び亜急性運動機能障害(~13%)、複視(7%)、並びに歩行障害(5%)がある。残念なことに、MS患者の50パーセントは、該疾患の発症後15年以内に歩行に介助が必要となる。Noseworthyらの文献(N. Engl. J. Med. 2000, 343, 938-952)。
【0004】
MSの根源的な機構は、ミエリン産生細胞の免疫系による破壊か機能不全のいずれかであると考えられている。Nakaharaらの文献(Clin. Rev. Allergy Immunol. 2012, 42, 26-34)。そのため、MSは免疫介在性疾患とも考えられている。MSは、感染などの環境面の因子により、遺伝的に感受性の高い個体に引き起こされると考えられている。Ascherioらの文献(Ann. Neurol. 2007, 61, 288-299);Ascherioらの文献(Ann. Neurol. 2007, 61, 504-513);Compstonらの文献(Lancet 2008, 372, 1502-1517)。
【0005】
MSの世界的な罹患率は、110万~250万のMSの症例と推定される。Pugliattiらの文献(Clin Neurol. Neurosurg. 2002, 104, 182-191)。他の多くの免疫介在性疾病と同様に、MSは、男性よりも、女性、特に出産可能年齢の女性に多くみられる。Ortonらの文献(Lancet Neurol. 2006, 5, 932-936);Alonsoらの文献(Neurology, 2008, 71, 129-135); Debouverieの文献(J. Neurol. Sci. 2009, 286, 14-17);Ramagopalan らの文献(Neurology 2009, 73, 602-605)。
【0006】
MSの4つの主な臨床表現型が認められている:再発寛解型MS(RR-MS);一次性進行型MS(PP-MS);進行再発型MS(PR-MS);及び二次性進行型MS(SP-MS)。Minagarの文献(Scientifica 2013, Article ID 249101, 1-11)。RR-MSは、該疾患の最も多い形態であり、最大の男女間の不均衡を有する型でもあり、神経機能悪化の明確に定義された発作と、それに続く部分的又は完全な回復期間(寛解)を特徴とする。同上。
【0007】
現在の治療戦略には、疾患過程の修飾、再燃(発作、再発、又は急激な増悪とも称される)の治療、症状の管理、機能及び安全性の改善、並びに感情面の支援の提供がある。今日現在、MSは依然として不治の病気であり、そのため、MS患者には終生の治療が必要なことが多い。Gawronskiらの文献(Pharmacotherapy 2010, 30, 916-927;Kriegerの文献(Mt. Sinai J. Med. 2011, 78, 192-206);Minagarの文献(Scientifica 2013, Article ID 249101, 1-11)。したがって、増殖性疾患、炎症性疾患、神経変性疾患、又は免疫介在性疾患、例えば、MSを治療するための有効な療法を開発する、明らかで満たされていない必要性がある。
【発明の概要】
【0008】
(開示の概要)
式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグが本明細書に提供される:
【化1】
(式中:
R
1は、水素又は重水素であり;
R
3及びR
5は、それぞれ独立に、(a)水素、重水素、シアノ、ハロ、若しくはニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル;又は(c)-C(O)R
1a、-C(O)OR
1a、-C(O)NR
1bR
1c、-C(O)SR
1a、-C(NR
1a)NR
1bR
1c、-C(S)R
1a、-C(S)OR
1a、-C(S)NR
1bR
1c、-OR
1a、-OC(O)R
1a、-OC(O)OR
1a、-OC(O)NR
1bR
1c、-OC(O)SR
1a、-OC(=NR
1a)NR
1bR
1c、-OC(S)R
1a、-OC(S)OR
1a、-OC(S)NR
1bR
1c、-OS(O)R
1a、-OS(O)
2R
1a、-OS(O)NR
1bR
1c、-OS(O)
2NR
1bR
1c、-NR
1bR
1c、-NR
1aC(O)R
1d、-NR
1aC(O)OR
1d、-NR
1aC(O)NR
1bR
1c、-NR
1aC(O)SR
1d、-NR
1aC(=NR
1d)NR
1bR
1c、-NR
1aC(S)R
1d、-NR
1aC(S)OR
1d、-NR
1aC(S)NR
1bR
1c、-NR
1aS(O)R
1d、-NR
1aS(O)
2R
1d、-NR
1aS(O)NR
1bR
1c、-NR
1aS(O)
2NR
1bR
1c、-SR
1a、-S(O)R
1a、-S(O)
2R
1a、-S(O)NR
1bR
1c、若しくは-S(O)
2NR
1bR
1cであり;
R
4は、(i)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル;又は(ii)-C(O)R
1a、-C(O)OR
1a、-C(O)NR
1bR
1c、-C(O)SR
1a、-C(NR
1a)NR
1bR
1c、-C(S)R
1a、-C(S)OR
1a、若しくは-C(S)NR
1bR
1cであり;
R
6は、C
1-10アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;且つ
各R
1a、R
1b、R
1c、及びR
1dは、独立に、水素、重水素、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;或いは、或いは、R
1aとR
1cは、それらが結合するC及びN原子と共にヘテロシクリルを形成するか;或いは、R
1bとR
1cは、それらが結合するN原子と共にヘテロシクリルを形成し;
ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Qにより任意に置換されており、ここで、各Qは、(a)重水素、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aによりさらに任意に置換されている);並びに(c)-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-C(O)SR
a、-C(NR
a)NR
bR
c、-C(S)R
a、-C(S)OR
a、-C(S)NR
bR
c、-OR
a、-OC(O)R
a、-OC(O)OR
a、-OC(O)NR
bR
c、-OC(O)SR
a、-OC(=NR
a)NR
bR
c、-OC(S)R
a、-OC(S)OR
a、-OC(S)NR
bR
c、-OS(O)R
a、-OS(O)
2R
a、-OS(O)NR
bR
c、-OS(O)
2NR
bR
c、-NR
bR
c、-NR
aC(O)R
d、-NR
aC(O)OR
d、-NR
aC(O)NR
bR
c、-NR
aC(O)SR
d、-NR
aC(=NR
d)NR
bR
c、-NR
aC(S)R
d、-NR
aC(S)OR
d、-NR
aC(S)NR
bR
c、-NR
aS(O)R
d、-NR
aS(O)
2R
d、-NR
aS(O)NR
bR
c、-NR
aS(O)
2NR
bR
c、-SR
a、-S(O)R
a、-S(O)
2R
a、-S(O)NR
bR
c、及び-S(O)
2NR
bR
cから独立に選択され、ここで、各R
a、R
b、R
c、及びR
dは、独立に、(i)水素又は重水素;(ii)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aにより任意に置換されている)であるか;或いは、(iii)R
bとR
cは、それらが結合するN原子と共に、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aにより任意に置換されているヘテロシクリルを形成し;
ここで、各Q
aは、(a)重水素、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに(c)-C(O)R
e、-C(O)OR
e、-C(O)NR
fR
g、-C(O)SR
e、-C(NR
e)NR
fR
g、-C(S)R
e、-C(S)OR
e、-C(S)NR
fR
g、-OR
e、-OC(O)R
e、-OC(O)OR
e、-OC(O)NR
fR
g、-OC(O)SR
e、-OC(=NR
e)NR
fR
g、-OC(S)R
e、-OC(S)OR
e、-OC(S)NR
fR
g、-OS(O)R
e、-OS(O)
2R
e、-OS(O)NR
fR
g、-OS(O)
2NR
fR
g、-NR
fR
g、-NR
eC(O)R
h、-NR
eC(O)OR
f、-NR
eC(O)NR
fR
g、-NR
eC(O)SR
f、-NR
eC(=NR
h)NR
fR
g、-NR
eC(S)R
h、-NR
eC(S)OR
f、-NR
eC(S)NR
fR
g、-NR
eS(O)R
h、-NR
eS(O)
2R
h、-NR
eS(O)NR
fR
g、-NR
eS(O)
2NR
fR
g、-SR
e、-S(O)R
e、-S(O)
2R
e、-S(O)NR
fR
g、及び-S(O)
2NR
fR
gから独立に選択され;ここで、各R
e、R
f、R
g、及びR
hは、独立に、(i)水素又は重水素;(ii)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;或いは、(iii)R
fとR
gは、それらが結合するN原子と共にヘテロシクリルを形成する)。
【0009】
一実施態様において、式Iの化合物は、4,6-ジメチルピリジン-2(1H)-チオン、6-メチル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン、4,6-ジ(トリフルオロメチル)ピリジン-2(1H)-チオン、6-イソプロピル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン、6-ブチル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン、6-イソブチル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン、6-シクロプロピル-4-(トリフルオロメチル)-ピリジン-2(1H)-チオン、6-シクロプロピル-4-(ジフルオロメチル)-2-チオキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボニトリル、及び6-シクロプロピル-4-(トルフルオロメチル(trfluoromethyl))-2-チオキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボニトリルのいずれか1つでない。
【0010】
式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグ;及び医薬として許容し得る賦形剤を含む医薬組成物も本明細書に提供される。
【0011】
さらに、対象の増殖性疾患、炎症性疾患、神経変性疾患、又は免疫介在性疾患、一実施態様において、多発性硬化症の1つ以上の症状を治療する方法であって、該対象に、治療有効量の式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを投与することを含む方法も本明細書に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
(図面の簡単な説明)
【
図1】
図1は、クプリゾン毒性に対する、化合物A1~A3によるヒトのオリゴデンドロサイト(MO3-13)の保護を示す。
【0013】
【
図2】
図2は、クプリゾンの存在下又は非存在下での、ヒトのオリゴデンドロサイト(MO3-13)上での化合物A1及びA3によるミエリン塩基性タンパク(MBP)産生の誘導を示す。
【0014】
【
図3】
図3は、クプリゾンの存在下又は非存在下での、ヒトのオリゴデンドロサイト(MO3-13)上での化合物A2によるミエリン塩基性タンパク(MBP)産生の誘導を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(詳細な説明)
本明細書に記した開示の理解を促進するために、いくつかの用語を以下に定義する。
【0016】
一般に、本明細書に使用される命名法並びに本明細書に記載の有機化学、薬化学、生化学、生物学、及び薬理学における実験手法は、当該技術分野において周知であり、一般に使用されるものである。別に定義しない限りは、本明細書において使用される技術用語及び科学用語は全て、概して本開示が属する技術分野の当業者に通常理解される意味と同じ意味を有する。
【0017】
用語「対象」とは、霊長類(例えばヒト)、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、又はマウスを含むが、これらに限定されない動物をいう。用語「対象」と「患者」は、本明細書において、例えばヒト対象などの哺乳動物の対象に関して互換的に使用される。一実施態様において、対象はヒトである。
【0018】
用語「治療する」、「治療すること」及び「治療」は、障害、疾患、若しくは状態を、又は障害、疾患、若しくは状態に関連した1つ以上の症状を軽減するか若しくは抑止すること;或いは、障害、疾患、若しくは状態の原因を軽減するか若しくは根絶することを含むものとする。
【0019】
用語「予防する」、「予防すること」及び「予防」は、障害、疾患、若しくは状態、及び/又はその随伴症状の開始を遅延及び/又は排除する方法;対象が障害、疾患、若しくは状態を獲得することを妨害する方法;或いは、障害、疾患、又は状態を獲得する対象のリスクを減らす方法を含むものとする。
【0020】
用語「治療有効量」は、化合物が投与された場合に、治療されている障害、疾患、又は状態の1つ以上の症状の発症を予防するか、又はある程度軽減するのに充分である化合物の量を含むものとする。用語「治療有効量」とはまた、研究者、獣医師、医師、又は臨床医により探求されている、生物学的分子(例えば、タンパク質、酵素、RNA、又はDNA)、細胞、組織、体系、動物、又はヒトの生物学的又は医学的反応を誘起するのに充分である化合物の量もいう。
【0021】
用語「医薬として許容し得る担体」、「医薬として許容し得る賦形剤」、「生理的に許容し得る担体」、又は「生理的に許容し得る賦形剤」とは、液体又は固体の充填剤、希釈剤、溶媒、又は封入材料などの医薬として許容し得る物質、組成物、又は媒体をいう。一実施態様において、各成分は、医薬製剤の他の成分と適合性があり、且つ妥当なベネフィット/リスク比に釣り合った、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性、若しくは他の問題点も合併症も伴わずに、対象(例えば、ヒト又は動物)の組織又は臓器と接触して使用するのに適しているという意味で、「医薬として許容し得る」。「レミントン:調剤の科学と実践(Remington:The Science and Practice of Pharmacy)」、第22版;Allen編集: フィラデルフィア, PA, 2012年;「医薬品賦形剤ハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Excipients)」, 第7版;Roweら編集;The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association: 2012年;「医薬品添加剤ハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Additives)」, 第3版;Ash 及びAsh編集;Gower Publishing Company: 2007年;「医薬の予備製剤及び製剤(Pharmaceutical Preformulation and Formulation)」, 第2版;Gibson編集;CRC Press LLC: ボカラトン, FL, 2009年を参照されたい。
【0022】
用語「約」又は「およそ」は、当業者により決定される特定の値に関する許容誤差を意味し、これはある程度は値の測定される又は決定される方式によって左右される。いくつかの実施態様において、用語「約」又は「およそ」は、1、2、3、又は4標準偏差内を意味する。いくつかの実施態様において、用語「約」又は「およそ」は、所与の値又は範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.05%以内を意味する。
【0023】
用語「有効成分」及び「活性物質」とは、疾患、疾病、又は病態の1つ以上の症状を治療、予防、又は改善するために、単独又は1種以上の医薬として許容し得る賦形剤と組合せて、対象へ投与される化合物をいう。本明細書で使用される通り、「有効成分」及び「活性物質」は、本明細書に記載の化合物の光学活性のある異性体であってよい。
【0024】
用語「薬物」、「治療剤」、及び「化学療法剤」とは、疾患、疾病、又は病態の1つ以上の症状を治療、予防、又は改善するために対象に投与される、化合物又はそれらの医薬組成物をいう。
【0025】
用語「アルキル」とは、直鎖又は分岐鎖の飽和された一価の炭化水素ラジカルをいい、ここでアルキルは本明細書に記載のように1個以上の置換基Qにより任意に置換されている。例えば、C1-6アルキルとは、炭素原子1~6個の直鎖の飽和された一価の炭化水素ラジカル又は炭素原子3~6個の分岐鎖の飽和された一価の炭化水素ラジカルをいう。いくつかの実施態様において、アルキルは、炭素原子1~20個(C1-20)、1~15個(C1-15)、1~10個(C1-10)、若しくは1~6個(C1-6)を有する直鎖の飽和された一価の炭化水素ラジカル、又は炭素原子3~20個(C3-20)、3~15個(C3-15)、3~10個(C3-10)、若しくは3~6個(C3-6)を有する分岐鎖の飽和された一価の炭化水素ラジカルである。本明細書で使用される通り、直鎖C1-6及び分岐鎖のC3-6アルキル基は、「低級アルキル」とも称される。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル(全ての異性体型を含む)、n-プロピル、イソプロピル、ブチル(全ての異性体型を含む)、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル(全ての異性体型を含む)、及びヘキシル(全ての異性体型を含む)を含むが、これらに限定されない。
【0026】
用語「アルケニル」とは、1個以上の、一実施態様においては1、2、3、4、又は5個の、別の実施態様においては1個の炭素-炭素二重結合を含む、直鎖又は分岐鎖の一価の炭化水素ラジカルをいう。アルケニルは、本明細書に記載のように1個以上の置換基Qにより任意に置換されている。用語「アルケニル」は、当業者に明らかであるように、「シス」又は「トランス」立体配置又はそれらの混合物、或いは「Z」又は「E」立体配置又はそれらの混合物を有するラジカルを包含している。例えば、C2-6アルケニルとは、炭素原子2~6個の直鎖の不飽和の一価の炭化水素ラジカル、又は炭素原子3~6個の分岐鎖の不飽和の一価の炭化水素ラジカルをいう。いくつかの実施態様において、アルケニルは、炭素原子2~20個(C2-20)、2~15個(C2-15)、2~10個(C2-10)、若しくは2~6個(C2-6)の直鎖の一価の炭化水素ラジカル、又は炭素原子3~20個(C3-20)、3~15個(C3-15)、3~10個(C3-10)、若しくは3~6個(C3-6)の分岐鎖の一価の炭化水素ラジカルである。アルケニル基の例は、エテニル、プロペン-1-イル、プロペン-2-イル、アリル、ブテニル、及び4-メチルブテニルを含むが、これらに限定されない。
【0027】
用語「アルキニル」とは、1個以上の、一実施態様においては1、2、3、4、又は5個の、別の実施態様においては1個の炭素-炭素三重結合を含む、直鎖又は分岐鎖の一価の炭化水素ラジカルをいう。アルキニルは、本明細書に記載のように1個以上の置換基Qにより任意に置換されている。例えば、C2-6アルキニルとは、炭素原子2~6個の直鎖の不飽和の一価の炭化水素ラジカル、又は炭素原子4~6個の分岐鎖の不飽和の一価の炭化水素ラジカルをいう。いくつかの実施態様において、アルキニルは、炭素原子2~20個(C2-20)、2~15個(C2-15)、2~10個(C2-10)、若しくは2~6個(C2-6)の直鎖の一価の炭化水素ラジカル、又は炭素原子4~20個(C4-20)、4~15個(C4-15)、4~10個(C4-10)、若しくは4~6個(C4-6)の分岐鎖の一価の炭化水素ラジカルである。アルキニル基の例は、エチニル(-C≡CH)、プロピニル(全ての異性体型を含む、例えば1-プロピニル(-C≡CCH3)及びプロパルギル(-CH2C≡CH))、ブチニル(全ての異性体型を含む、例えば1-ブチン-1-イル及び2-ブチン-1-イル)、ペンチニル(全ての異性体型を含む、例えば1-ペンチン-1-イル及び1-メチル-2-ブチン-1-イル)、並びにヘキシニル(全ての異性体型を含む、例えば1-ヘキシン-1-イル)を含むが、これらに限定されない。
【0028】
用語「シクロアルキル」とは、本明細書に記載のように1個以上の置換基Qにより任意に置換されている、環状の一価炭化水素ラジカルをいう。一実施態様において、シクロアルキルは、飽和又は不飽和だが非芳香族の、且つ/又は架橋若しくは非架橋の、且つ/又は縮合した二環式基である。いくつかの実施態様において、シクロアルキルは、炭素原子3~20個(C3-20)、3~15個(C3-15)、3~10個(C3-10)、又は3~7個(C3-7)を有する。一実施態様において、シクロアルキルは単環式である。別の実施態様において、シクロアルキルは二環式である。さらに別の実施態様において、シクロアルキルは多環式である。シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、デカリニル、及びアダマンチルを含むが、これらに限定されない。
【0029】
用語「アリール」とは、少なくとも1個の芳香族炭素環を含む、一価の単環式芳香族炭化水素ラジカル及び/又は一価の多環式芳香族炭化水素ラジカルをいう。いくつかの実施態様において、アリールは、環炭素原子6~20個(C6-20)、6~15個(C6-15)、又は6~10個(C6-10)を有する。アリール基の例は、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アズレニル、アントリル、フェナントリル、ピレニル、ビフェニル、及びテルフェニルを含むが、これらに限定されない。アリールはまた、二環式又は三環式炭素環をいい、ここで環の1つは芳香族であり、且つ他の環は、飽和、部分的に不飽和、又は芳香族であってよく、例えば、ジヒドロナフチル、インデニル、インダニル、又はテトラヒドロナフチル(テトラリニル)であってよい。一実施態様において、アリールは単環式である。別の実施態様において、アリールは多環式である。さらに別の実施態様において、アリールは二環式である。さらに別の実施態様において、アリールは三環式である。いくつかの実施態様において、アリールは、本明細書に記載のように1個以上の置換基Qにより任意に置換されている。
【0030】
用語「アラルキル」又は「アリールアルキル」とは、1個以上のアリール基により置換された一価のアルキル基をいう。いくつかの実施態様において、アラルキルは、7~30個(C7-30)、7~20個(C7-20)、又は7~16個(C7-16)の炭素原子を有する。アラルキル基の例は、ベンジル、2-フェニルエチル、及び3-フェニルプロピルを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、アラルキルは、本明細書に記載のように1個以上の置換基Qにより任意に置換されている。
【0031】
用語「ヘテロアリール」とは、少なくとも1個の芳香環を含み、少なくとも1個の芳香環が、該環内にO、S、及びNからそれぞれ独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含む、一価の単環式芳香族基又は一価の多環式芳香族基をいう。ヘテロアリールは、芳香環を介して、残りの分子に結合されている。ヘテロアリール基の各環は、1若しくは2個のO原子、1若しくは2個のS原子、及び/又は1~4個のN原子を含むことができ;但し、各環のヘテロ原子の総数が4個以下であり、且つ各環が少なくとも1個の炭素原子を含むことを条件とする。いくつかの実施態様において、ヘテロアリールは、環原子5~20個、5~15個、又は5~10個を有する。一実施態様において、ヘテロアリールは単環式である。単環式ヘテロアリール基の例は、フラニル、イミダゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、テトラゾリル、トリアジニル、及びトリアゾリルを含むが、これらに限定されない。別の実施態様において、ヘテロアリールは二環式である。二環式ヘテロアリール基の例は、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フロピリジル、イミダゾピリジニル、イミダゾチアゾリル、インドリジニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソベンゾチエニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、ナフチリジニル、オキサゾロピリジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピリドピリジル、ピロロピリジル、キノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、チアジアゾロピリミジル、及びチエノピリジルを含むが、これらに限定されない。さらに別の実施態様において、ヘテロアリールは三環式である。三環式ヘテロアリール基の例は、アクリジニル、ベンズインドリル、カルバゾリル、ジベンゾフラニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナントリジニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、及びキサンテニルを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、ヘテロアリールは、本明細書に記載のように1個以上の置換基Qにより任意に置換されている。
【0032】
用語「ヘテロシクリル」又は「複素環式」とは、少なくとも1個の非芳香環を含み、ここで該非芳香環原子の1個以上が、O、S、及びNからそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子であり;且つ、残りの環原子が炭素原子である、一価の単環式非芳香環系又は一価の多環式環系をいう。いくつかの実施態様において、ヘテロシクリル基又は複素環基は、環原子3~20個、3~15個、3~10個、3~8個、4~7個、又は5~6個を有する。ヘテロシクリルは、非芳香環を介して、分子の残りに結合されている。いくつかの実施態様において、ヘテロシクリルは、単環式、二環式、三環式、又は四環式環系であり、該系は、縮合又は架橋されてよく、且つ、該系において、窒素原子又は硫黄原子は任意に酸化されてよく、窒素原子は任意に四級化されてよく、且つ一部の環は部分的若しくは完全に飽和されてよく又は芳香族であってよい。ヘテロシクリルは、任意のヘテロ原子又は炭素原子で主構造へ結合され、結果的に安定した化合物を形成することができる。ヘテロシクリル及び複素環基の例は、アゼピニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラノニル、ベンゾピラノニル、ベンゾピラニル、ベンゾテトラヒドロフラニル、ベンゾテトラヒドロチエニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾオキサジニル、β-カルボリニル、クロマニル、クロモニル、シンノリニル、クマリニル、デカヒドロイソキノリニル、ジヒドロベンズイソチアジニル、ジヒドロベンズイソオキサジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジオキソラニル、1,4-ジチアニル、フラノニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、インドリニル、イソベンゾテトラヒドロフラニル、イソベンゾテトラヒドロチエニル、イソクロマニル、イソクマリニル、イソインドリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、オキサゾリジノニル、オキサゾリジニル、オキシラニル、ピペラジニル、ピペリジニル、4-ピペリドニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジニル、ピロリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、チアモルホリニル、チアゾリジニル、テトラヒドロキノリニル、及び1,3,5-トリチアニルを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、ヘテロシクリルは、本明細書に記載のように1個以上の置換基Qにより任意に置換されている。
【0033】
用語「ハロゲン」、「ハライド」、又は「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、及び/又はヨウ素をいう。
【0034】
用語「任意に置換されている」は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリル基などの基又は置換基が、例えば、(a)重水素(-D)、シアノ(-CN)、ハロ、及びニトロ(-NO2);(b)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル(そのそれぞれが、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Qaによりさらに任意に置換されている);並びに(c)-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、-C(O)SRa、-C(NRa)NRbRc、-C(S)Ra、-C(S)ORa、-C(S)NRbRc、-ORa、-OC(O)Ra、-OC(O)ORa、-OC(O)NRbRc、-OC(O)SRa、-OC(=NRa)NRbRc、-OC(S)Ra、-OC(S)ORa、-OC(S)NRbRc、-OS(O)Ra、-OS(O)2Ra、-OS(O)NRbRc、-OS(O)2NRbRc、-NRbRc、-NRaC(O)Rd、-NRaC(O)ORd、-NRaC(O)NRbRc、-NRaC(O)SRd、-NRaC(=NRd)NRbRc、-NRaC(S)Rd、-NRaC(S)ORd、-NRaC(S)NRbRc、-NRaS(O)Rd、-NRaS(O)2Rd、-NRaS(O)NRbRc、-NRaS(O)2NRbRc、-SRa、-S(O)Ra、-S(O)2Ra、-S(O)NRbRc、及び-S(O)2NRbRc(ここで、各Ra、Rb、Rc、及びRdは、独立に、(i)水素又は重水素;(ii)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Qaにより任意に置換されている)であるか;或いは、(iii)RbとRcは、それらが結合するN原子と共に1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Qaにより任意に置換されているヘテロシクリルを形成する)からそれぞれが独立に選択される1つ以上の、1、2、3、又は4つの置換基Qにより置換されていてよいことを意味するものとする。本明細書で使用される通り、置換され得る全基は、特記されない限り、「任意に置換されている」。
【0035】
一実施態様において、各Qaは、(a)重水素、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに(c)-C(O)Re、-C(O)ORe、-C(O)NRfRg、-C(O)SRe、-C(NRe)NRfRg、-C(S)Re、-C(S)ORe、-C(S)NRfRg、-ORe、-OC(O)Re、-OC(O)ORe、-OC(O)NRfRg、-OC(O)SRe、-OC(=NRe)NRfRg、-OC(S)Re、-OC(S)ORe、-OC(S)NRfRg、-OS(O)Re、-OS(O)2Re、-OS(O)NRfRg、-OS(O)2NRfRg、-NRfRg、-NReC(O)Rh、-NReC(O)ORf、-NReC(O)NRfRg、-NReC(O)SRf、-NReC(=NRh)NRfRg、-NReC(S)Rh、-NReC(S)ORf、-NReC(S)NRfRg、-NReS(O)Rh、-NReS(O)2Rh、-NReS(O)NRfRg、-NReS(O)2NRfRg、-SRe、-S(O)Re、-S(O)2Re、-S(O)NRfRg、及び-S(O)2NRfRgから独立に選択され;ここで、各Re、Rf、Rg、及びRhは、独立に、(i)水素又は重水素;(ii)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;或いは、(iii)RfとRgは、それらが結合するN原子と共にヘテロシクリルを形成する。
【0036】
いくつかの実施態様において、「光学活性な」及び「鏡像異性的に活性な」とは、鏡像体過剰率が約50%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約91%以上、約92%以上、約93%以上、約94%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、約99.5%以上、又は約99.8%以上の分子の集合をいう。いくつかの実施態様において、光学活性な化合物は、問題の鏡像異性混合物の総重量に対して一方のエナンチオマーを約95%以上及びもう一方のエナンチオマーを約5%未満含む。
【0037】
光学活性な化合物を説明する際に、接頭語R及びSは、そのキラル中心の周りの化合物の絶対配置を指すように使用される。(+)及び(-)は、化合物の旋光、すなわち偏光面が光学活性化合物により回転される方向を意味するように使用される。接頭語(-)は、化合物が左旋性である、すなわち化合物が左側へ又は反時計回りに偏光面を回転させることを意味する。接頭語(+)は、化合物が右旋性である、すなわち化合物が右側へ又は時計回りに偏光面を回転させることを意味する。しかし、旋光度の記号(+)及び(-)は、化合物の絶対配置R及びSとは無関係である。
【0038】
用語「同位体濃縮された」とは、化合物を構成する1つ以上の原子で天然でない割合の同位体を含むそのような化合物をいう。いくつかの実施態様において、同位体濃縮された化合物は、非限定的に、水素(1H)、重水素(2H)、トリチウム(3H)、炭素-11(11C)、炭素-12(12C)、炭素-13(13C)、炭素-14(14C)、窒素-13(13N)、窒素-14(14N)、窒素-15(15N)、酸素-14(14O)、酸素-15(15O)、酸素-16(16O)、酸素-17(17O)、酸素-18(18O)、フッ素-17(17F)、フッ素-18(18F)、リン-31(31P)、リン-32(32P)、リン-33(33P)、硫黄-32(32S)、硫黄-33(33S)、硫黄-34(34S)、硫黄-35(35S)、硫黄-36(36S)、塩素-35(35Cl)、塩素-36(36Cl)、塩素-37(37Cl)、臭素-79(79Br)、臭素-81(81Br)、ヨウ素-123(123I)、ヨウ素-125(125I)、ヨウ素-127(127I)、ヨウ素-129(129I)、及びヨウ素-131(131I)を含む、天然でない割合の1種以上の同位体を含む。いくつかの実施態様において、同位体濃縮された化合物は、安定した形、すなわち、非放射性である。いくつかの実施態様において、同位体濃縮された化合物は、非限定的に、水素(1H)、重水素(2H)、炭素-12(12C)、炭素-13(13C)、窒素-14(14N)、窒素-15(15N)、酸素-16(16O)、酸素-17(17O)、酸素-18(18O)、フッ素-17(17F)、リン-31(31P)、硫黄-32(32S)、硫黄-33(33S)、硫黄-34(34S)、硫黄-36(36S)、塩素-35(35Cl)、塩素-37(37Cl)、臭素-79(79Br)、臭素-81(81Br)、及びヨウ素-127(127I)を含む、天然でない割合の1種以上の同位体を含む。いくつかの実施態様において、同位体濃縮された化合物は、不安定な形、すなわち放射性である。いくつかの実施態様において、同位体濃縮された化合物は、非限定的に、トリチウム(3H)、炭素-11(11C)、炭素-14(14C)、窒素-13(13N)、酸素-14(14O)、酸素-15(15O)、フッ素-18(18F)、リン-32(32P)、リン-33(33P)、硫黄-35(35S)、塩素-36(36Cl)、ヨウ素-123(123I)、ヨウ素-125(125I)、ヨウ素-129(129I)、及びヨウ素-131(131I)を含む、天然でない割合の1種以上の同位体を含む。本明細書に提供される化合物において、当業者の判断に従い実行可能であるならば、任意の水素は例として2Hであることができ、又は任意の炭素は例として13Cであることができ、又は任意の窒素は例として15Nであることができ、又は任意の酸素は例として18Oであることができることは理解されるであろう。
【0039】
用語「同位体濃縮」とは、元素のより一般的な同位体(例えば、プロチウム又は水素-1について1H)の代わりに、分子内の所定の位置での元素の余り一般的でない同位体(例えば、重水素又は水素-2についてD)の取込み率をいう。本明細書において使用されるように、分子内の特定の位置での原子が特定のより一般的でない同位体として指定される場合、その位置でのその同位体の存在量は、その天然の存在量よりも著しく高いことが理解される。
【0040】
用語「同位体濃縮係数」とは、同位体濃縮された化合物における同位体の存在量と、特定の同位体の天然の存在量の間の比をいう。
【0041】
用語「水素」又は記号「H」とは、プロチウム(1H)、重水素(2H又はD)、及びトリチウム(3H)をそれらの天然の存在量で含む、天然に生じる水素同位体の組成をいう。プロチウムは、天然の存在量が99.98%よりも高い、最も一般的な水素同位体である。重水素は、天然の存在量が約0.0156%である、余り一般的でない水素同位体である。
【0042】
用語「重水素濃縮」とは、水素の代わりに、分子内の所定の位置での重水素の取込み率をいう。例えば、所定の位置での1%の重水素濃縮とは、所定の試料中の分子の1%が、特定の位置に重水素を含むことを意味する。重水素の天然の分布は、平均約0.0156%であるので、濃縮されない出発材料を使用し合成された化合物の任意の位置での重水素濃縮は、平均約0.0156%である。本明細書において使用されるように、同位体濃縮された化合物内の特定の位置が重水素を有すると指定される場合、化合物内のその位置での重水素の存在量は、その天然の存在量(0.0156%)よりも著しく高いことが理解される。
【0043】
用語「炭素」又は記号「C」とは、炭素-12(12C)及び炭素-13(13C)をそれらの天然の存在量で含む、天然に生じる炭素同位体の組成をいう。炭素-12は、天然の存在量が98.89%よりも高い、最も一般的な炭素同位体である。炭素-13は、天然の存在量が約1.11%である、余り一般的でない水素同位体(hydrogen isotope)である。
【0044】
用語「炭素-13濃縮」又は「13C濃縮」とは、炭素の代わりに、分子内の所定の位置での炭素-13の取込み率をいう。例えば、所定の位置での10%の炭素-13濃縮とは、所定の試料中の分子の10%が、特定の位置に炭素-13を含むことを意味する。炭素-13の天然の分布は、平均約1.11%であるので、濃縮されない出発材料を使用し合成された化合物の任意の位置での炭素-13濃縮は、平均約1.11%である。本明細書において使用されるように、同位体濃縮された化合物内の特定の位置が炭素-13を有すると指定される場合、化合物内のその位置での炭素-13の存在量は、その天然の存在量(1.11%)よりも著しく高いことが理解される。
【0045】
用語「実質的に純粋」及び「実質的に均質」とは、非限定的に、薄層クロマトグラフィー(TLC)、ゲル電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ガスクロマトグラフィー(GC)、核磁気共鳴(NMR)、及び質量分析(MS)を含む、当業者により使用される標準の分析方法により決定される容易に検出可能な不純物を含まないように見えるのに充分に均質であるか;又は更なる精製が、物質の、酵素活性及び生物学的活性などの物理的、化学的、生物学的、及び/又は薬学的特性を検出可能に変更しないほど充分に純粋であることを意味する。いくつかの実施態様において、「実質的に純粋」又は「実質的に均質」とは、標準の分析方法により決定される場合、分子の少なくとも約50%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5重量%が、それらの単一のエナンチオマー、ラセミ混合物、又はエナンチオマーの混合物を含む、単一の化合物であるような分子の集合をいう。本明細書において使用されるように、同位体濃縮された分子内の特定の位置で原子が特定の余り一般的でない同位体として指定されている場合、特定の位置に指定された同位体以外を含む分子は、同位体濃縮された化合物に関して不純物である。従って、特定の位置に重水素と指定された原子を有する重水素化された化合物に関して、同じ位置にプロチウムを含む化合物は、不純物である。
【0046】
用語「溶媒和物」とは、溶質、例えば本明細書に提供される化合物の1個以上の分子と、化学量論的量又は非化学量論的量で存在する溶媒の1個以上の分子により形成された錯体又は凝集体をいう。好適な溶媒は、水、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、及び酢酸を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、溶媒は医薬として許容し得る。一実施態様において、錯体又は凝集体は、結晶型である。別の実施態様において、錯体又は凝集体は、非結晶型である。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物である。水和物の例は、半水化物、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物、及び五水和物を含むが、これらに限定されない。
【0047】
語句「それらのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグ」とは、語句「(i)そこで言及された化合物のエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又は(ii)そこで言及された化合物の医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグ、又は(iii)そこで言及された化合物のエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種の医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグ」と同じ意味を有する。
【0048】
(化合物)
一実施態様において、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグが本明細書に提供される:
【化2】
(式中:
R
1は、水素又は重水素であり;
R
3及びR
5は、それぞれ独立に、(a)水素、重水素、シアノ、ハロ、若しくはニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル;又は(c)-C(O)R
1a、-C(O)OR
1a、-C(O)NR
1bR
1c、-C(O)SR
1a、-C(NR
1a)NR
1bR
1c、-C(S)R
1a、-C(S)OR
1a、-C(S)NR
1bR
1c、-OR
1a、-OC(O)R
1a、-OC(O)OR
1a、-OC(O)NR
1bR
1c、-OC(O)SR
1a、-OC(=NR
1a)NR
1bR
1c、-OC(S)R
1a、-OC(S)OR
1a、-OC(S)NR
1bR
1c、-OS(O)R
1a、-OS(O)
2R
1a、-OS(O)NR
1bR
1c、-OS(O)
2NR
1bR
1c、-NR
1bR
1c、-NR
1aC(O)R
1d、-NR
1aC(O)OR
1d、-NR
1aC(O)NR
1bR
1c、-NR
1aC(O)SR
1d、-NR
1aC(=NR
1d)NR
1bR
1c、-NR
1aC(S)R
1d、-NR
1aC(S)OR
1d、-NR
1aC(S)NR
1bR
1c、-NR
1aS(O)R
1d、-NR
1aS(O)
2R
1d、-NR
1aS(O)NR
1bR
1c、-NR
1aS(O)
2NR
1bR
1c、-SR
1a、-S(O)R
1a、-S(O)
2R
1a、-S(O)NR
1bR
1c、若しくは-S(O)
2NR
1bR
1cであり;
R
4は、(i)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル;又は(ii)-C(O)R
1a、-C(O)OR
1a、-C(O)NR
1bR
1c、-C(O)SR
1a、-C(NR
1a)NR
1bR
1c、-C(S)R
1a、-C(S)OR
1a、若しくは-C(S)NR
1bR
1cであり;
R
6は、C
1-10アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;且つ
各R
1a、R
1b、R
1c、及びR
1dは、独立に、水素、重水素、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;或いは、R
1aとR
1cは、それらが結合するC及びN原子と共にヘテロシクリルを形成するか;或いは、R
1bとR
1cは、それらが結合するN原子と共にヘテロシクリルを形成し;
ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Qにより任意に置換されており、ここで、各Qは、(a)重水素、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aによりさらに任意に置換されている);並びに(c)-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-C(O)SR
a、-C(NR
a)NR
bR
c、-C(S)R
a、-C(S)OR
a、-C(S)NR
bR
c、-OR
a、-OC(O)R
a、-OC(O)OR
a、-OC(O)NR
bR
c、-OC(O)SR
a、-OC(=NR
a)NR
bR
c、-OC(S)R
a、-OC(S)OR
a、-OC(S)NR
bR
c、-OS(O)R
a、-OS(O)
2R
a、-OS(O)NR
bR
c、-OS(O)
2NR
bR
c、-NR
bR
c、-NR
aC(O)R
d、-NR
aC(O)OR
d、-NR
aC(O)NR
bR
c、-NR
aC(O)SR
d、-NR
aC(=NR
d)NR
bR
c、-NR
aC(S)R
d、-NR
aC(S)OR
d、-NR
aC(S)NR
bR
c、-NR
aS(O)R
d、-NR
aS(O)
2R
d、-NR
aS(O)NR
bR
c、-NR
aS(O)
2NR
bR
c、-SR
a、-S(O)R
a、-S(O)
2R
a、-S(O)NR
bR
c、及び-S(O)
2NR
bR
cから独立に選択され、ここで、各R
a、R
b、R
c、及びR
dは、独立に、(i)水素又は重水素;(ii)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aにより任意に置換されている)であるか;或いは、(iii)R
bとR
cは、それらが結合するN原子と共に、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aにより任意に置換されているヘテロシクリルを形成し;
ここで、各Q
aは、(a)重水素、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに(c)-C(O)R
e、-C(O)OR
e、-C(O)NR
fR
g、-C(O)SR
e、-C(NR
e)NR
fR
g、-C(S)R
e、-C(S)OR
e、-C(S)NR
fR
g、-OR
e、-OC(O)R
e、-OC(O)OR
e、-OC(O)NR
fR
g、-OC(O)SR
e、-OC(=NR
e)NR
fR
g、-OC(S)R
e、-OC(S)OR
e、-OC(S)NR
fR
g、-OS(O)R
e、-OS(O)
2R
e、-OS(O)NR
fR
g、-OS(O)
2NR
fR
g、-NR
fR
g、-NR
eC(O)R
h、-NR
eC(O)OR
f、-NR
eC(O)NR
fR
g、-NR
eC(O)SR
f、-NR
eC(=NR
h)NR
fR
g、-NR
eC(S)R
h、-NR
eC(S)OR
f、-NR
eC(S)NR
fR
g、-NR
eS(O)R
h、-NR
eS(O)
2R
h、-NR
eS(O)NR
fR
g、-NR
eS(O)
2NR
fR
g、-SR
e、-S(O)R
e、-S(O)
2R
e、-S(O)NR
fR
g、及び-S(O)
2NR
fR
gから独立に選択され;ここで、各R
e、R
f、R
g、及びR
hは、独立に、(i)水素又は重水素;(ii)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;或いは、(iii)R
fとR
gは、それらが結合するN原子と共にヘテロシクリルを形成する)。
【0049】
別の実施態様において、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグが本明細書に提供される:
【化3】
(式中:
R
1は、水素又は重水素であり;
R
3及びR
5は、それぞれ独立に、(a)水素、重水素、シアノ、ハロ、若しくはニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル;又は(c)-C(O)R
1a、-C(O)OR
1a、-C(O)NR
1bR
1c、-C(O)SR
1a、-C(NR
1a)NR
1bR
1c、-C(S)R
1a、-C(S)OR
1a、-C(S)NR
1bR
1c、-OR
1a、-OC(O)R
1a、-OC(O)OR
1a、-OC(O)NR
1bR
1c、-OC(O)SR
1a、-OC(=NR
1a)NR
1bR
1c、-OC(S)R
1a、-OC(S)OR
1a、-OC(S)NR
1bR
1c、-OS(O)R
1a、-OS(O)
2R
1a、-OS(O)NR
1bR
1c、-OS(O)
2NR
1bR
1c、-NR
1bR
1c、-NR
1aC(O)R
1d、-NR
1aC(O)OR
1d、-NR
1aC(O)NR
1bR
1c、-NR
1aC(O)SR
1d、-NR
1aC(=NR
1d)NR
1bR
1c、-NR
1aC(S)R
1d、-NR
1aC(S)OR
1d、-NR
1aC(S)NR
1bR
1c、-NR
1aS(O)R
1d、-NR
1aS(O)
2R
1d、-NR
1aS(O)NR
1bR
1c、-NR
1aS(O)
2NR
1bR
1c、-SR
1a、-S(O)R
1a、-S(O)
2R
1a、-S(O)NR
1bR
1c、若しくは-S(O)
2NR
1bR
1cであり;
R
4は、(i)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル;又は(ii)-C(O)R
1a、-C(O)OR
1a、-C(O)NR
1bR
1c、-C(O)SR
1a、-C(NR
1a)NR
1bR
1c、-C(S)R
1a、-C(S)OR
1a、若しくは-C(S)NR
1bR
1cであり;
R
6は、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;且つ
各R
1a、R
1b、R
1c、及びR
1dは、独立に、水素、重水素、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;或いは、R
1aとR
1cは、それらが結合するC及びN原子と共にヘテロシクリルを形成するか;或いは、R
1bとR
1cは、それらが結合するN原子と共にヘテロシクリルを形成し;
但し、該化合物が、6-シクロプロピル-4-(トリフルオロメチル)-ピリジン-2(1H)-チオン、6-シクロプロピル-4-(ジフルオロメチル)-2-チオキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボニトリル、及び6-シクロプロピル-4-(トルフルオロメチル)-2-チオキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボニトリルのいずれか1つでないことを条件とし;
ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Qにより任意に置換されており、ここで、各Qは、(a)重水素、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aによりさらに任意に置換されている);並びに(c)-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-C(O)SR
a、-C(NR
a)NR
bR
c、-C(S)R
a、-C(S)OR
a、-C(S)NR
bR
c、-OR
a、-OC(O)R
a、-OC(O)OR
a、-OC(O)NR
bR
c、-OC(O)SR
a、-OC(=NR
a)NR
bR
c、-OC(S)R
a、-OC(S)OR
a、-OC(S)NR
bR
c、-OS(O)R
a、-OS(O)
2R
a、-OS(O)NR
bR
c、-OS(O)
2NR
bR
c、-NR
bR
c、-NR
aC(O)R
d、-NR
aC(O)OR
d、-NR
aC(O)NR
bR
c、-NR
aC(O)SR
d、-NR
aC(=NR
d)NR
bR
c、-NR
aC(S)R
d、-NR
aC(S)OR
d、-NR
aC(S)NR
bR
c、-NR
aS(O)R
d、-NR
aS(O)
2R
d、-NR
aS(O)NR
bR
c、-NR
aS(O)
2NR
bR
c、-SR
a、-S(O)R
a、-S(O)
2R
a、-S(O)NR
bR
c、及び-S(O)
2NR
bR
cから独立に選択され、ここで、各R
a、R
b、R
c、及びR
dは、独立に、(i)水素又は重水素;(ii)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aにより任意に置換されている)であるか;或いは、(iii)R
bとR
cは、それらが結合するN原子と共に、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aにより任意に置換されているヘテロシクリルを形成し;
ここで、各Q
aは、(a)重水素、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに(c)-C(O)R
e、-C(O)OR
e、-C(O)NR
fR
g、-C(O)SR
e、-C(NR
e)NR
fR
g、-C(S)R
e、-C(S)OR
e、-C(S)NR
fR
g、-OR
e、-OC(O)R
e、-OC(O)OR
e、-OC(O)NR
fR
g、-OC(O)SR
e、-OC(=NR
e)NR
fR
g、-OC(S)R
e、-OC(S)OR
e、-OC(S)NR
fR
g、-OS(O)R
e、-OS(O)
2R
e、-OS(O)NR
fR
g、-OS(O)
2NR
fR
g、-NR
fR
g、-NR
eC(O)R
h、-NR
eC(O)OR
f、-NR
eC(O)NR
fR
g、-NR
eC(O)SR
f、-NR
eC(=NR
h)NR
fR
g、-NR
eC(S)R
h、-NR
eC(S)OR
f、-NR
eC(S)NR
fR
g、-NR
eS(O)R
h、-NR
eS(O)
2R
h、-NR
eS(O)NR
fR
g、-NR
eS(O)
2NR
fR
g、-SR
e、-S(O)R
e、-S(O)
2R
e、-S(O)NR
fR
g、及び-S(O)
2NR
fR
gから独立に選択され;ここで、各R
e、R
f、R
g、及びR
hは、独立に、(i)水素又は重水素;(ii)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;或いは、(iii)R
fとR
gは、それらが結合するN原子と共にヘテロシクリルを形成する)。
【0050】
さらに別の実施態様において、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグが本明細書に提供される:
【化4】
(式中:
R
1は、水素又は重水素であり;
R
3及びR
5は、それぞれ独立に、(a)水素、重水素、シアノ、ハロ、若しくはニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル;又は(c)-C(O)R
1a、-C(O)OR
1a、-C(O)NR
1bR
1c、-C(O)SR
1a、-C(NR
1a)NR
1bR
1c、-C(S)R
1a、-C(S)OR
1a、-C(S)NR
1bR
1c、-OR
1a、-OC(O)R
1a、-OC(O)OR
1a、-OC(O)NR
1bR
1c、-OC(O)SR
1a、-OC(=NR
1a)NR
1bR
1c、-OC(S)R
1a、-OC(S)OR
1a、-OC(S)NR
1bR
1c、-OS(O)R
1a、-OS(O)
2R
1a、-OS(O)NR
1bR
1c、-OS(O)
2NR
1bR
1c、-NR
1bR
1c、-NR
1aC(O)R
1d、-NR
1aC(O)OR
1d、-NR
1aC(O)NR
1bR
1c、-NR
1aC(O)SR
1d、-NR
1aC(=NR
1d)NR
1bR
1c、-NR
1aC(S)R
1d、-NR
1aC(S)OR
1d、-NR
1aC(S)NR
1bR
1c、-NR
1aS(O)R
1d、-NR
1aS(O)
2R
1d、-NR
1aS(O)NR
1bR
1c、-NR
1aS(O)
2NR
1bR
1c、-SR
1a、-S(O)R
1a、-S(O)
2R
1a、-S(O)NR
1bR
1c、若しくは-S(O)
2NR
1bR
1cであり;
R
4は、(i)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル;又は(ii)-C(O)R
1a、-C(O)OR
1a、-C(O)NR
1bR
1c、-C(O)SR
1a、-C(NR
1a)NR
1bR
1c、-C(S)R
1a、-C(S)OR
1a、若しくは-C(S)NR
1bR
1cであり;
R
6は、C
4-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;且つ
各R
1a、R
1b、R
1c、及びR
1dは、独立に、水素、重水素、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;或いは、R
1aとR
1cは、それらが結合するC及びN原子と共にヘテロシクリルを形成するか;或いは、R
1bとR
1cは、それらが結合するN原子と共にヘテロシクリルを形成し;
ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Qにより任意に置換されており、ここで、各Qは、(a)重水素、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aによりさらに任意に置換されている);並びに(c)-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-C(O)SR
a、-C(NR
a)NR
bR
c、-C(S)R
a、-C(S)OR
a、-C(S)NR
bR
c、-OR
a、-OC(O)R
a、-OC(O)OR
a、-OC(O)NR
bR
c、-OC(O)SR
a、-OC(=NR
a)NR
bR
c、-OC(S)R
a、-OC(S)OR
a、-OC(S)NR
bR
c、-OS(O)R
a、-OS(O)
2R
a、-OS(O)NR
bR
c、-OS(O)
2NR
bR
c、-NR
bR
c、-NR
aC(O)R
d、-NR
aC(O)OR
d、-NR
aC(O)NR
bR
c、-NR
aC(O)SR
d、-NR
aC(=NR
d)NR
bR
c、-NR
aC(S)R
d、-NR
aC(S)OR
d、-NR
aC(S)NR
bR
c、-NR
aS(O)R
d、-NR
aS(O)
2R
d、-NR
aS(O)NR
bR
c、-NR
aS(O)
2NR
bR
c、-SR
a、-S(O)R
a、-S(O)
2R
a、-S(O)NR
bR
c、及び-S(O)
2NR
bR
cから独立に選択され、ここで、各R
a、R
b、R
c、及びR
dは、独立に、(i)水素又は重水素;(ii)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aにより任意に置換されている)であるか;或いは、(iii)R
bとR
cは、それらが結合するN原子と共に、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aにより任意に置換されているヘテロシクリルを形成し;
ここで、各Q
aは、(a)重水素、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに(c)-C(O)R
e、-C(O)OR
e、-C(O)NR
fR
g、-C(O)SR
e、-C(NR
e)NR
fR
g、-C(S)R
e、-C(S)OR
e、-C(S)NR
fR
g、-OR
e、-OC(O)R
e、-OC(O)OR
e、-OC(O)NR
fR
g、-OC(O)SR
e、-OC(=NR
e)NR
fR
g、-OC(S)R
e、-OC(S)OR
e、-OC(S)NR
fR
g、-OS(O)R
e、-OS(O)
2R
e、-OS(O)NR
fR
g、-OS(O)
2NR
fR
g、-NR
fR
g、-NR
eC(O)R
h、-NR
eC(O)OR
f、-NR
eC(O)NR
fR
g、-NR
eC(O)SR
f、-NR
eC(=NR
h)NR
fR
g、-NR
eC(S)R
h、-NR
eC(S)OR
f、-NR
eC(S)NR
fR
g、-NR
eS(O)R
h、-NR
eS(O)
2R
h、-NR
eS(O)NR
fR
g、-NR
eS(O)
2NR
fR
g、-SR
e、-S(O)R
e、-S(O)
2R
e、-S(O)NR
fR
g、及び-S(O)
2NR
fR
gから独立に選択され;ここで、各R
e、R
f、R
g、及びR
hは、独立に、(i)水素又は重水素;(ii)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;或いは、(iii)R
fとR
gは、それらが結合するN原子と共にヘテロシクリルを形成する)。
【0051】
さらに別の実施態様において、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグが本明細書に提供される:
【化5】
(式中:
R
1は、水素又は重水素であり;
R
3及びR
5は、それぞれ独立に、(a)水素、重水素、シアノ、ハロ、若しくはニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル;又は(c)-C(O)R
1a、-C(O)OR
1a、-C(O)NR
1bR
1c、-C(O)SR
1a、-C(NR
1a)NR
1bR
1c、-C(S)R
1a、-C(S)OR
1a、-C(S)NR
1bR
1c、-OR
1a、-OC(O)R
1a、-OC(O)OR
1a、-OC(O)NR
1bR
1c、-OC(O)SR
1a、-OC(=NR
1a)NR
1bR
1c、-OC(S)R
1a、-OC(S)OR
1a、-OC(S)NR
1bR
1c、-OS(O)R
1a、-OS(O)
2R
1a、-OS(O)NR
1bR
1c、-OS(O)
2NR
1bR
1c、-NR
1bR
1c、-NR
1aC(O)R
1d、-NR
1aC(O)OR
1d、-NR
1aC(O)NR
1bR
1c、-NR
1aC(O)SR
1d、-NR
1aC(=NR
1d)NR
1bR
1c、-NR
1aC(S)R
1d、-NR
1aC(S)OR
1d、-NR
1aC(S)NR
1bR
1c、-NR
1aS(O)R
1d、-NR
1aS(O)
2R
1d、-NR
1aS(O)NR
1bR
1c、-NR
1aS(O)
2NR
1bR
1c、-SR
1a、-S(O)R
1a、-S(O)
2R
1a、-S(O)NR
1bR
1c、若しくは-S(O)
2NR
1bR
1cであり;
R
4は、(i)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル;又は(ii)-C(O)R
1a、-C(O)OR
1a、-C(O)NR
1bR
1c、-C(O)SR
1a、-C(NR
1a)NR
1bR
1c、-C(S)R
1a、-C(S)OR
1a、若しくは-C(S)NR
1bR
1cであり;
R
6は、C
1-10アルキル、C
2-6アルケニル、又はC
2-6アルキニルであり;且つ
各R
1a、R
1b、R
1c、及びR
1dは、独立に、水素、重水素、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;或いは、R
1aとR
1cは、それらが結合するC及びN原子と共にヘテロシクリルを形成するか;或いは、R
1bとR
1cは、それらが結合するN原子と共にヘテロシクリルを形成し;
但し、該式Iの化合物が、4,6-ジメチルピリジン-2(1H)-チオン、6-メチル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン、4,6-ジ(トリフルオロメチル)ピリジン-2(1H)-チオン、6-イソプロピル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン、6-ブチル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン、及び6-イソブチル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオンのいずれか1つでないことを条件とし;
ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Qにより任意に置換されており、ここで、各Qは、(a)重水素、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aによりさらに任意に置換されている);並びに(c)-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-C(O)SR
a、-C(NR
a)NR
bR
c、-C(S)R
a、-C(S)OR
a、-C(S)NR
bR
c、-OR
a、-OC(O)R
a、-OC(O)OR
a、-OC(O)NR
bR
c、-OC(O)SR
a、-OC(=NR
a)NR
bR
c、-OC(S)R
a、-OC(S)OR
a、-OC(S)NR
bR
c、-OS(O)R
a、-OS(O)
2R
a、-OS(O)NR
bR
c、-OS(O)
2NR
bR
c、-NR
bR
c、-NR
aC(O)R
d、-NR
aC(O)OR
d、-NR
aC(O)NR
bR
c、-NR
aC(O)SR
d、-NR
aC(=NR
d)NR
bR
c、-NR
aC(S)R
d、-NR
aC(S)OR
d、-NR
aC(S)NR
bR
c、-NR
aS(O)R
d、-NR
aS(O)
2R
d、-NR
aS(O)NR
bR
c、-NR
aS(O)
2NR
bR
c、-SR
a、-S(O)R
a、-S(O)
2R
a、-S(O)NR
bR
c、及び-S(O)
2NR
bR
cから独立に選択され、ここで、各R
a、R
b、R
c、及びR
dは、独立に、(i)水素又は重水素;(ii)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aにより任意に置換されている)であるか;或いは、(iii)R
bとR
cは、それらが結合するN原子と共に、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aにより任意に置換されているヘテロシクリルを形成し;
ここで、各Q
aは、(a)重水素、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに(c)-C(O)R
e、-C(O)OR
e、-C(O)NR
fR
g、-C(O)SR
e、-C(NR
e)NR
fR
g、-C(S)R
e、-C(S)OR
e、-C(S)NR
fR
g、-OR
e、-OC(O)R
e、-OC(O)OR
e、-OC(O)NR
fR
g、-OC(O)SR
e、-OC(=NR
e)NR
fR
g、-OC(S)R
e、-OC(S)OR
e、-OC(S)NR
fR
g、-OS(O)R
e、-OS(O)
2R
e、-OS(O)NR
fR
g、-OS(O)
2NR
fR
g、-NR
fR
g、-NR
eC(O)R
h、-NR
eC(O)OR
f、-NR
eC(O)NR
fR
g、-NR
eC(O)SR
f、-NR
eC(=NR
h)NR
fR
g、-NR
eC(S)R
h、-NR
eC(S)OR
f、-NR
eC(S)NR
fR
g、-NR
eS(O)R
h、-NR
eS(O)
2R
h、-NR
eS(O)NR
fR
g、-NR
eS(O)
2NR
fR
g、-SR
e、-S(O)R
e、-S(O)
2R
e、-S(O)NR
fR
g、及び-S(O)
2NR
fR
gから独立に選択され;ここで、各R
e、R
f、R
g、及びR
hは、独立に、(i)水素又は重水素;(ii)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;或いは、(iii)R
fとR
gは、それらが結合するN原子と共にヘテロシクリルを形成する)。
【0052】
さらに別の実施態様において、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグが本明細書に提供される:
【化6】
(式中:
R
1は、水素又は重水素であり;
R
3及びR
5は、それぞれ独立に、(a)水素、重水素、シアノ、ハロ、若しくはニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル;又は(c)-C(O)R
1a、-C(O)OR
1a、-C(O)NR
1bR
1c、-C(O)SR
1a、-C(NR
1a)NR
1bR
1c、-C(S)R
1a、-C(S)OR
1a、-C(S)NR
1bR
1c、-OR
1a、-OC(O)R
1a、-OC(O)OR
1a、-OC(O)NR
1bR
1c、-OC(O)SR
1a、-OC(=NR
1a)NR
1bR
1c、-OC(S)R
1a、-OC(S)OR
1a、-OC(S)NR
1bR
1c、-OS(O)R
1a、-OS(O)
2R
1a、-OS(O)NR
1bR
1c、-OS(O)
2NR
1bR
1c、-NR
1bR
1c、-NR
1aC(O)R
1d、-NR
1aC(O)OR
1d、-NR
1aC(O)NR
1bR
1c、-NR
1aC(O)SR
1d、-NR
1aC(=NR
1d)NR
1bR
1c、-NR
1aC(S)R
1d、-NR
1aC(S)OR
1d、-NR
1aC(S)NR
1bR
1c、-NR
1aS(O)R
1d、-NR
1aS(O)
2R
1d、-NR
1aS(O)NR
1bR
1c、-NR
1aS(O)
2NR
1bR
1c、-SR
1a、-S(O)R
1a、-S(O)
2R
1a、-S(O)NR
1bR
1c、若しくは-S(O)
2NR
1bR
1cであり;
R
4は、(i)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル;又は(ii)-C(O)R
1a、-C(O)OR
1a、-C(O)NR
1bR
1c、-C(O)SR
1a、-C(NR
1a)NR
1bR
1c、-C(S)R
1a、-C(S)OR
1a、若しくは-C(S)NR
1bR
1cであり;
R
6は、C
5-10アルキル、C
2-6アルケニル、又はC
2-6アルキニルであり;且つ
各R
1a、R
1b、R
1c、及びR
1dは、独立に、水素、重水素、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;或いは、R
1aとR
1cは、それらが結合するC及びN原子と共にヘテロシクリルを形成するか;或いは、R
1bとR
1cは、それらが結合するN原子と共にヘテロシクリルを形成し;
ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Qにより任意に置換されており、ここで、各Qは、(a)重水素、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aによりさらに任意に置換されている);並びに(c)-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-C(O)SR
a、-C(NR
a)NR
bR
c、-C(S)R
a、-C(S)OR
a、-C(S)NR
bR
c、-OR
a、-OC(O)R
a、-OC(O)OR
a、-OC(O)NR
bR
c、-OC(O)SR
a、-OC(=NR
a)NR
bR
c、-OC(S)R
a、-OC(S)OR
a、-OC(S)NR
bR
c、-OS(O)R
a、-OS(O)
2R
a、-OS(O)NR
bR
c、-OS(O)
2NR
bR
c、-NR
bR
c、-NR
aC(O)R
d、-NR
aC(O)OR
d、-NR
aC(O)NR
bR
c、-NR
aC(O)SR
d、-NR
aC(=NR
d)NR
bR
c、-NR
aC(S)R
d、-NR
aC(S)OR
d、-NR
aC(S)NR
bR
c、-NR
aS(O)R
d、-NR
aS(O)
2R
d、-NR
aS(O)NR
bR
c、-NR
aS(O)
2NR
bR
c、-SR
a、-S(O)R
a、-S(O)
2R
a、-S(O)NR
bR
c、及び-S(O)
2NR
bR
cから独立に選択され、ここで、各R
a、R
b、R
c、及びR
dは、独立に、(i)水素又は重水素;(ii)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aにより任意に置換されている)であるか;或いは、(iii)R
bとR
cは、それらが結合するN原子と共に、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aにより任意に置換されているヘテロシクリルを形成し;
ここで、各Q
aは、(a)重水素、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに(c)-C(O)R
e、-C(O)OR
e、-C(O)NR
fR
g、-C(O)SR
e、-C(NR
e)NR
fR
g、-C(S)R
e、-C(S)OR
e、-C(S)NR
fR
g、-OR
e、-OC(O)R
e、-OC(O)OR
e、-OC(O)NR
fR
g、-OC(O)SR
e、-OC(=NR
e)NR
fR
g、-OC(S)R
e、-OC(S)OR
e、-OC(S)NR
fR
g、-OS(O)R
e、-OS(O)
2R
e、-OS(O)NR
fR
g、-OS(O)
2NR
fR
g、-NR
fR
g、-NR
eC(O)R
h、-NR
eC(O)OR
f、-NR
eC(O)NR
fR
g、-NR
eC(O)SR
f、-NR
eC(=NR
h)NR
fR
g、-NR
eC(S)R
h、-NR
eC(S)OR
f、-NR
eC(S)NR
fR
g、-NR
eS(O)R
h、-NR
eS(O)
2R
h、-NR
eS(O)NR
fR
g、-NR
eS(O)
2NR
fR
g、-SR
e、-S(O)R
e、-S(O)
2R
e、-S(O)NR
fR
g、及び-S(O)
2NR
fR
gから独立に選択され;ここで、各R
e、R
f、R
g、及びR
hは、独立に、(i)水素又は重水素;(ii)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;或いは、(iii)R
fとR
gは、それらが結合するN原子と共にヘテロシクリルを形成する)。
【0053】
一実施態様において、式Iの化合物は、4,6-ジメチルピリジン-2(1H)-チオン、6-メチル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン、4,6-ジ(トリフルオロメチル)ピリジン-2(1H)-チオン、6-イソプロピル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン、6-ブチル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン、及び6-イソブチル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオンのいずれか1つでない。別の実施態様において、式Iの化合物は6-フェノキシメチル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンでない。さらに別の実施態様において、式Iの化合物は、6-シクロプロピル-4-(トリフルオロメチル)-ピリジン-2(1H)-チオン、6-シクロプロピル-4-(ジフルオロメチル)-2-チオキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボニトリル、及び6-シクロプロピル-4-(トルフルオロメチル)-2-チオキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボニトリルのいずれか1つでない。
【0054】
一実施態様において、R4とR6の少なくとも一方はメチルでない。
【0055】
一実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、(a)水素、重水素、シアノ、ハロ、若しくはニトロ;(b)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている);又は(c)-C(O)R1a、-C(O)OR1a、-C(O)NR1bR1c、-C(O)SR1a、-C(NR1a)NR1bR1c、-C(S)R1a、-C(S)OR1a、-C(S)NR1bR1c、-OR1a、-OC(O)R1a、-OC(O)OR1a、-OC(O)NR1bR1c、-OC(O)SR1a、-OC(=NR1a)NR1bR1c、-OC(S)R1a、-OC(S)OR1a、-OC(S)NR1bR1c、-OS(O)R1a、-OS(O)2R1a、-OS(O)NR1bR1c、-OS(O)2NR1bR1c、-NR1bR1c、-NR1aC(O)R1d、-NR1aC(O)OR1d、-NR1aC(O)NR1bR1c、-NR1aC(O)SR1d、-NR1aC(=NR1d)NR1bR1c、-NR1aC(S)R1d、-NR1aC(S)OR1d、-NR1aC(S)NR1bR1c、-NR1aS(O)R1d、-NR1aS(O)2R1d、-NR1aS(O)NR1bR1c、-NR1aS(O)2NR1bR1c、-SR1a、-S(O)R1a、-S(O)2R1a、-S(O)NR1bR1c、若しくは-S(O)2NR1bR1cであり、ここで、各R1a、R1b、R1c、及びR1dは本明細書に定義される通りであり;
R4は、アルキルが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキルであり;且つ
R6は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC5-10アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C4-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルである。
【0056】
別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、アルキルが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキルであり;且つ
R6は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC5-10アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C4-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルである。
【0057】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、アルキルが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキルであり;且つ
R6は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC5-10アルキル又はC4-10シクロアルキルである。
【0058】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、アルキルが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキルであり;且つ
R6は、それぞれ1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているペンチル又はシクロヘキシルである。
【0059】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、メチル又はトリフルオロメチルであり;且つ
R6は、それぞれ1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているペンチル又はシクロヘキシルである。
【0060】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4はメチルであり;且つ
R6は、それぞれ1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているペンチル又はシクロヘキシルである。
【0061】
一実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、(a)水素、重水素、シアノ、ハロ、若しくはニトロ;(b)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている);又は(c)-C(O)R1a、-C(O)OR1a、-C(O)NR1bR1c、-C(O)SR1a、-C(NR1a)NR1bR1c、-C(S)R1a、-C(S)OR1a、-C(S)NR1bR1c、-OR1a、-OC(O)R1a、-OC(O)OR1a、-OC(O)NR1bR1c、-OC(O)SR1a、-OC(=NR1a)NR1bR1c、-OC(S)R1a、-OC(S)OR1a、-OC(S)NR1bR1c、-OS(O)R1a、-OS(O)2R1a、-OS(O)NR1bR1c、-OS(O)2NR1bR1c、-NR1bR1c、-NR1aC(O)R1d、-NR1aC(O)OR1d、-NR1aC(O)NR1bR1c、-NR1aC(O)SR1d、-NR1aC(=NR1d)NR1bR1c、-NR1aC(S)R1d、-NR1aC(S)OR1d、-NR1aC(S)NR1bR1c、-NR1aS(O)R1d、-NR1aS(O)2R1d、-NR1aS(O)NR1bR1c、-NR1aS(O)2NR1bR1c、-SR1a、-S(O)R1a、-S(O)2R1a、-S(O)NR1bR1c、若しくは-S(O)2NR1bR1cであり、ここで、各R1a、R1b、R1c、及びR1dは本明細書に定義される通りであり;
R4は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC4-10シクロアルキルである。
【0062】
別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、(a)水素、重水素、シアノ、ハロ、若しくはニトロ;(b)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている);又は(c)-C(O)R1a、-C(O)OR1a、-C(O)NR1bR1c、-C(O)SR1a、-C(NR1a)NR1bR1c、-C(S)R1a、-C(S)OR1a、-C(S)NR1bR1c、-OR1a、-OC(O)R1a、-OC(O)OR1a、-OC(O)NR1bR1c、-OC(O)SR1a、-OC(=NR1a)NR1bR1c、-OC(S)R1a、-OC(S)OR1a、-OC(S)NR1bR1c、-OS(O)R1a、-OS(O)2R1a、-OS(O)NR1bR1c、-OS(O)2NR1bR1c、-NR1bR1c、-NR1aC(O)R1d、-NR1aC(O)OR1d、-NR1aC(O)NR1bR1c、-NR1aC(O)SR1d、-NR1aC(=NR1d)NR1bR1c、-NR1aC(S)R1d、-NR1aC(S)OR1d、-NR1aC(S)NR1bR1c、-NR1aS(O)R1d、-NR1aS(O)2R1d、-NR1aS(O)NR1bR1c、-NR1aS(O)2NR1bR1c、-SR1a、-S(O)R1a、-S(O)2R1a、-S(O)NR1bR1c、若しくは-S(O)2NR1bR1cであり、ここで、各R1a、R1b、R1c、及びR1dは本明細書に定義される通りであり;
R4は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC4-10シクロアルキルである。
【0063】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC4-10シクロアルキルである。
【0064】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキル又はC6-14アリールであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC4-10シクロアルキルである。
【0065】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC4-10シクロアルキルである。
【0066】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、メチル又はトリフルオロメチルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC4-10シクロアルキルである。
【0067】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4はメチルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC4-10シクロアルキルである。
【0068】
一実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、(a)水素、重水素、シアノ、ハロ、若しくはニトロ;(b)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている);又は(c)-C(O)R1a、-C(O)OR1a、-C(O)NR1bR1c、-C(O)SR1a、-C(NR1a)NR1bR1c、-C(S)R1a、-C(S)OR1a、-C(S)NR1bR1c、-OR1a、-OC(O)R1a、-OC(O)OR1a、-OC(O)NR1bR1c、-OC(O)SR1a、-OC(=NR1a)NR1bR1c、-OC(S)R1a、-OC(S)OR1a、-OC(S)NR1bR1c、-OS(O)R1a、-OS(O)2R1a、-OS(O)NR1bR1c、-OS(O)2NR1bR1c、-NR1bR1c、-NR1aC(O)R1d、-NR1aC(O)OR1d、-NR1aC(O)NR1bR1c、-NR1aC(O)SR1d、-NR1aC(=NR1d)NR1bR1c、-NR1aC(S)R1d、-NR1aC(S)OR1d、-NR1aC(S)NR1bR1c、-NR1aS(O)R1d、-NR1aS(O)2R1d、-NR1aS(O)NR1bR1c、-NR1aS(O)2NR1bR1c、-SR1a、-S(O)R1a、-S(O)2R1a、-S(O)NR1bR1c、若しくは-S(O)2NR1bR1cであり、ここで、各R1a、R1b、R1c、及びR1dは本明細書に定義される通りであり;
R4は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているシクロヘキシルである。
【0069】
別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているシクロヘキシルである。
【0070】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキル又はC6-14アリールであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているシクロヘキシルである。
【0071】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているシクロヘキシルである。
【0072】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、メチル又はトリフルオロメチルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているシクロヘキシルである。
【0073】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4はメチルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているシクロヘキシルである。
【0074】
一実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、(a)水素、重水素、シアノ、ハロ、若しくはニトロ;(b)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている);又は(c)-C(O)R1a、-C(O)OR1a、-C(O)NR1bR1c、-C(O)SR1a、-C(NR1a)NR1bR1c、-C(S)R1a、-C(S)OR1a、-C(S)NR1bR1c、-OR1a、-OC(O)R1a、-OC(O)OR1a、-OC(O)NR1bR1c、-OC(O)SR1a、-OC(=NR1a)NR1bR1c、-OC(S)R1a、-OC(S)OR1a、-OC(S)NR1bR1c、-OS(O)R1a、-OS(O)2R1a、-OS(O)NR1bR1c、-OS(O)2NR1bR1c、-NR1bR1c、-NR1aC(O)R1d、-NR1aC(O)OR1d、-NR1aC(O)NR1bR1c、-NR1aC(O)SR1d、-NR1aC(=NR1d)NR1bR1c、-NR1aC(S)R1d、-NR1aC(S)OR1d、-NR1aC(S)NR1bR1c、-NR1aS(O)R1d、-NR1aS(O)2R1d、-NR1aS(O)NR1bR1c、-NR1aS(O)2NR1bR1c、-SR1a、-S(O)R1a、-S(O)2R1a、-S(O)NR1bR1c、若しくは-S(O)2NR1bR1cであり、ここで、各R1a、R1b、R1c、及びR1dは本明細書に定義される通りであり;
R4は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC5-10アルキルである。
【0075】
別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC5-10アルキルである。
【0076】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキル又はC6-14アリールであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC5-10アルキルである。
【0077】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC5-10アルキルである。
【0078】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、メチル又はトリフルオロメチルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC5-10アルキルである。
【0079】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4はメチルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC5-10アルキルである。
【0080】
一実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、(a)水素、重水素、シアノ、ハロ、若しくはニトロ;(b)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている);又は(c)-C(O)R1a、-C(O)OR1a、-C(O)NR1bR1c、-C(O)SR1a、-C(NR1a)NR1bR1c、-C(S)R1a、-C(S)OR1a、-C(S)NR1bR1c、-OR1a、-OC(O)R1a、-OC(O)OR1a、-OC(O)NR1bR1c、-OC(O)SR1a、-OC(=NR1a)NR1bR1c、-OC(S)R1a、-OC(S)OR1a、-OC(S)NR1bR1c、-OS(O)R1a、-OS(O)2R1a、-OS(O)NR1bR1c、-OS(O)2NR1bR1c、-NR1bR1c、-NR1aC(O)R1d、-NR1aC(O)OR1d、-NR1aC(O)NR1bR1c、-NR1aC(O)SR1d、-NR1aC(=NR1d)NR1bR1c、-NR1aC(S)R1d、-NR1aC(S)OR1d、-NR1aC(S)NR1bR1c、-NR1aS(O)R1d、-NR1aS(O)2R1d、-NR1aS(O)NR1bR1c、-NR1aS(O)2NR1bR1c、-SR1a、-S(O)R1a、-S(O)2R1a、-S(O)NR1bR1c、若しくは-S(O)2NR1bR1cであり、ここで、各R1a、R1b、R1c、及びR1dは本明細書に定義される通りであり;
R4は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているペンチルである。
【0081】
別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているペンチルである。
【0082】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキル又はC6-14アリールであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているペンチルである。
【0083】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているペンチルである。
【0084】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、メチル又はトリフルオロメチルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているペンチルである。
【0085】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4はメチルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているペンチルである。
【0086】
一実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、(a)水素、重水素、シアノ、ハロ、若しくはニトロ;(b)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている);又は(c)-C(O)R1a、-C(O)OR1a、-C(O)NR1bR1c、-C(O)SR1a、-C(NR1a)NR1bR1c、-C(S)R1a、-C(S)OR1a、-C(S)NR1bR1c、-OR1a、-OC(O)R1a、-OC(O)OR1a、-OC(O)NR1bR1c、-OC(O)SR1a、-OC(=NR1a)NR1bR1c、-OC(S)R1a、-OC(S)OR1a、-OC(S)NR1bR1c、-OS(O)R1a、-OS(O)2R1a、-OS(O)NR1bR1c、-OS(O)2NR1bR1c、-NR1bR1c、-NR1aC(O)R1d、-NR1aC(O)OR1d、-NR1aC(O)NR1bR1c、-NR1aC(O)SR1d、-NR1aC(=NR1d)NR1bR1c、-NR1aC(S)R1d、-NR1aC(S)OR1d、-NR1aC(S)NR1bR1c、-NR1aS(O)R1d、-NR1aS(O)2R1d、-NR1aS(O)NR1bR1c、-NR1aS(O)2NR1bR1c、-SR1a、-S(O)R1a、-S(O)2R1a、-S(O)NR1bR1c、若しくは-S(O)2NR1bR1cであり、ここで、各R1a、R1b、R1c、及びR1dは本明細書に定義される通りであり;
R4は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているトリメチルペンチルである。
【0087】
別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているトリメチルペンチルである。
【0088】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキル又はC6-14アリールであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているトリメチルペンチルである。
【0089】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているトリメチルペンチルである。
【0090】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、メチル又はトリフルオロメチルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているトリメチルペンチルである。
【0091】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4はメチルであり;且つ
R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているトリメチルペンチルである。
【0092】
一実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、(a)水素、重水素、シアノ、ハロ、若しくはニトロ;(b)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている);又は(c)-C(O)R1a、-C(O)OR1a、-C(O)NR1bR1c、-C(O)SR1a、-C(NR1a)NR1bR1c、-C(S)R1a、-C(S)OR1a、-C(S)NR1bR1c、-OR1a、-OC(O)R1a、-OC(O)OR1a、-OC(O)NR1bR1c、-OC(O)SR1a、-OC(=NR1a)NR1bR1c、-OC(S)R1a、-OC(S)OR1a、-OC(S)NR1bR1c、-OS(O)R1a、-OS(O)2R1a、-OS(O)NR1bR1c、-OS(O)2NR1bR1c、-NR1bR1c、-NR1aC(O)R1d、-NR1aC(O)OR1d、-NR1aC(O)NR1bR1c、-NR1aC(O)SR1d、-NR1aC(=NR1d)NR1bR1c、-NR1aC(S)R1d、-NR1aC(S)OR1d、-NR1aC(S)NR1bR1c、-NR1aS(O)R1d、-NR1aS(O)2R1d、-NR1aS(O)NR1bR1c、-NR1aS(O)2NR1bR1c、-SR1a、-S(O)R1a、-S(O)2R1a、-S(O)NR1bR1c、若しくは-S(O)2NR1bR1cであり、ここで、各R1a、R1b、R1c、及びR1dは本明細書に定義される通りであり;
R4は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;且つ
R6は、2,4,4-トリメチルペンチルである。
【0093】
別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;且つ
R6は、2,4,4-トリメチルペンチルである。
【0094】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキル又はC6-14アリールであり;且つ
R6は、2,4,4-トリメチルペンチルである。
【0095】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキルであり;且つ
R6は、2,4,4-トリメチルペンチルである。
【0096】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、メチル又はトリフルオロメチルであり;且つ
R6は、2,4,4-トリメチルペンチルである。
【0097】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4はメチルであり;且つ
R6は、2,4,4-トリメチルペンチルである。
【0098】
一実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、(a)水素、重水素、シアノ、ハロ、若しくはニトロ;(b)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている);又は(c)-C(O)R1a、-C(O)OR1a、-C(O)NR1bR1c、-C(O)SR1a、-C(NR1a)NR1bR1c、-C(S)R1a、-C(S)OR1a、-C(S)NR1bR1c、-OR1a、-OC(O)R1a、-OC(O)OR1a、-OC(O)NR1bR1c、-OC(O)SR1a、-OC(=NR1a)NR1bR1c、-OC(S)R1a、-OC(S)OR1a、-OC(S)NR1bR1c、-OS(O)R1a、-OS(O)2R1a、-OS(O)NR1bR1c、-OS(O)2NR1bR1c、-NR1bR1c、-NR1aC(O)R1d、-NR1aC(O)OR1d、-NR1aC(O)NR1bR1c、-NR1aC(O)SR1d、-NR1aC(=NR1d)NR1bR1c、-NR1aC(S)R1d、-NR1aC(S)OR1d、-NR1aC(S)NR1bR1c、-NR1aS(O)R1d、-NR1aS(O)2R1d、-NR1aS(O)NR1bR1c、-NR1aS(O)2NR1bR1c、-SR1a、-S(O)R1a、-S(O)2R1a、-S(O)NR1bR1c、若しくは-S(O)2NR1bR1cであり、ここで、各R1a、R1b、R1c、及びR1dは本明細書に定義される通りであり;
R4は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;且つ
R6は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキル又はC3-10シクロアルキルである。
【0099】
別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキルであり;且つ
R6は、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキル又はC3-10シクロアルキルである。
【0100】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキルであり;且つ
R6は、メチル、プロピル、シクロプロピル、シクロヘキシル、又はトリメチルペンチルである。
【0101】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、メチル又はプロピルであり;且つ
R6は、メチル、プロピル、シクロプロピル、シクロヘキシル、又はトリメチルペンチルである。
【0102】
さらに別の実施態様において、式Iにおいて、
R1は、水素又は重水素であり;
R3及びR5は、それぞれ独立に、水素又は重水素であり;
R4は、メチル又はイソプロピルであり;且つ
R6は、メチル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロヘキシル、又は2,4,4-トリメチルペンチルである。
【0103】
式I中の基R1、R3、R4、R5、及びR6は、本明細書に記載される実施態様でさらに定義される。本明細書に提供されるそのような基の実施態様の組み合わせは全て本開示の範囲内にある。
【0104】
いくつかの実施態様において、R1は水素である。いくつかの実施態様において、R1は重水素である。
【0105】
いくつかの実施態様において、R3は水素である。いくつかの実施態様において、R3は重水素である。いくつかの実施態様において、R3はシアノである。いくつかの実施態様において、R3はハロである。いくつかの実施態様において、R3はフルオロである。いくつかの実施態様において、R3はクロロである。いくつかの実施態様において、R3はニトロである。いくつかの実施態様において、R3は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキルである。いくつかの実施態様において、R3は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC2-6アルケニルである。いくつかの実施態様において、R3は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC2-6アルキニルである。いくつかの実施態様において、R3は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC3-10シクロアルキルである。いくつかの実施態様において、R3は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC6-14アリールである。いくつかの実施態様において、R3は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC7-15アラルキルである。いくつかの実施態様において、R3は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているヘテロアリールである。いくつかの実施態様において、R3は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているヘテロシクリルである。
【0106】
いくつかの実施態様において、R3は、R1aが本明細書に定義されている通りである-C(O)R1aである。いくつかの実施態様において、R3は、R1aが本明細書に定義される通りである-C(O)OR1aである。いくつかの実施態様において、R3は、R1b及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-C(O)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R3は、R1aが本明細書に定義される通りである-C(O)SR1aである。いくつかの実施態様において、R3は、R1a、R1b、及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-C(NR1a)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R3は、R1aが本明細書に定義される通りである-C(S)R1aである。いくつかの実施態様において、R3は、R1aが本明細書に定義される通りである-C(S)OR1aである。いくつかの実施態様において、R3は、R1b及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-C(S)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R3は、R1aが本明細書に定義される通りである-OR1aである。いくつかの実施態様において、R3は、R1aが本明細書に定義される通りである-OC(O)R1aである。いくつかの実施態様において、R3は、R1aが本明細書に定義される通りである-OC(O)OR1aである。いくつかの実施態様において、R3は、R1b及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-OC(O)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R3は、R1aが本明細書に定義される通りである-OC(O)SR1aである。いくつかの実施態様において、R3は、R1a、R1b、及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-OC(=NR1a)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R3は、R1aが本明細書に定義される通りである-OC(S)R1aである。いくつかの実施態様において、R3は、R1aが本明細書に定義される通りである-OC(S)OR1aである。いくつかの実施態様において、R3は、R1b及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-OC(S)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R3は、R1aが本明細書に定義される通りである-OS(O)R1aである。いくつかの実施態様において、R3は、R1aが本明細書に定義される通りである-OS(O)2R1aである。いくつかの実施態様において、R3は、R1b及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-OS(O)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R3は、R1b及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-OS(O)2NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R3は、R1b及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R3は、R1a及びR1dがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aC(O)R1dである。いくつかの実施態様において、R3は、R1a及びR1dがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aC(O)OR1dである。いくつかの実施態様において、R3は、R1a、R1b、及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aC(O)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R3は、R1a及びR1dがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aC(O)SR1dである。いくつかの実施態様において、R3は、R1a、R1b、R1c、及びR1dがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aC(=NR1d)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R3は、R1a及びR1dがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aC(S)R1dである。いくつかの実施態様において、R3は、R1a及びR1dがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aC(S)OR1dである。いくつかの実施態様において、R3は、R1a、R1b、及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aC(S)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R3は、R1a及びR1dがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aS(O)R1dである。いくつかの実施態様において、R3は、R1a及びR1dがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aS(O)2R1dである。いくつかの実施態様において、R3は、R1a、R1b、及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aS(O)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R3は、R1a、R1b、及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aS(O)2NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R3は、R1aが本明細書に定義される通りである-SR1aである。いくつかの実施態様において、R3は、R1aが本明細書に定義される通りである-S(O)R1aである。いくつかの実施態様において、R3は、R1aが本明細書に定義される通りである-S(O)2R1aである。いくつかの実施態様において、R3は、R1b及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-S(O)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R3は、R1b及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-S(O)2NR1bR1cである。
【0107】
いくつかの実施態様において、R4は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキルである。いくつかの実施態様において、R4は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているメチルである。いくつかの実施態様において、R4はメチルである。いくつかの実施態様において、R4は、メチル又はプロピルである。いくつかの実施態様において、R4は、メチル又はイソプロピルである。いくつかの実施態様において、R4は、1、2、又は3つの重水素、フルオロ、又はヒドロキシルにより任意に置換されているメチルである。いくつかの実施態様において、R4は、-CH2D、-CHD2、又は-CD3である。いくつかの実施態様において、R4は、-CH2F(フルオロメチル又はモノフルオロメチル)、-CHF2(ジフルオロメチル)、又は-CF3(トリフルオロメチル)である。いくつかの実施態様において、R4は、-CH2OH、-CH(OH)2(すなわちCHO)、又は-C(OH)3(すなわちCOOH)である。いくつかの実施態様において、R4は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC2-6アルキルである。いくつかの実施態様において、R4は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC2-6アルケニルである。いくつかの実施態様において、R4は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC2-6アルキニルである。いくつかの実施態様において、R4は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC3-10シクロアルキルである。いくつかの実施態様において、R4は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC6-14アリールである。いくつかの実施態様において、R4は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている単環式C6-14アリールである。いくつかの実施態様において、R4は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているフェニルである。いくつかの実施態様において、R4はフェニルである。いくつかの実施態様において、R4は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC7-15アラルキルである。いくつかの実施態様において、R4は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているヘテロアリールである。いくつかの実施態様において、R4は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているヘテロシクリルである。
【0108】
いくつかの実施態様において、R4は、R1aが本明細書に定義されている通りである-C(O)R1aである。いくつかの実施態様において、R4は、R1aが本明細書に定義される通りである-C(O)OR1aである。いくつかの実施態様において、R4は、R1b及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-C(O)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R4は、R1cが本明細書に定義される通りである-C(O)NHR1cである。いくつかの実施態様において、R4は-C(O)NH-ブチルである。いくつかの実施態様において、R4は、R1aが本明細書に定義される通りである-C(O)SR1aである。いくつかの実施態様において、R4は、R1a、R1b、及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-C(NR1a)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R4は、R1aが本明細書に定義される通りである-C(S)R1aである。いくつかの実施態様において、R4は、R1aが本明細書に定義される通りである-C(S)OR1aである。いくつかの実施態様において、R4は、R1b及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-C(S)NR1bR1cである。
【0109】
いくつかの実施態様において、R5は水素である。いくつかの実施態様において、R5は重水素である。いくつかの実施態様において、R5はシアノである。いくつかの実施態様において、R5はハロである。いくつかの実施態様において、R5はフルオロである。いくつかの実施態様において、R5はクロロである。いくつかの実施態様において、R5はニトロである。いくつかの実施態様において、R5は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-6アルキルである。いくつかの実施態様において、R5は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC2-6アルケニルである。いくつかの実施態様において、R5は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC2-6アルキニルである。いくつかの実施態様において、R5は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC3-10シクロアルキルである。いくつかの実施態様において、R5は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC6-14アリールである。いくつかの実施態様において、R5は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC7-15アラルキルである。いくつかの実施態様において、R5は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているヘテロアリールである。いくつかの実施態様において、R5は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているヘテロシクリルである。
【0110】
いくつかの実施態様において、R5は、R1aが本明細書に定義されている通りである-C(O)R1aである。いくつかの実施態様において、R5は、R1aが本明細書に定義される通りである-C(O)OR1aである。いくつかの実施態様において、R5は、R1b及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-C(O)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R5は、R1aが本明細書に定義される通りである-C(O)SR1aである。いくつかの実施態様において、R5は、R1a、R1b、及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-C(NR1a)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R5は、R1aが本明細書に定義される通りである-C(S)R1aである。いくつかの実施態様において、R5は、R1aが本明細書に定義される通りである-C(S)OR1aである。いくつかの実施態様において、R5は、R1b及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-C(S)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R5は、R1aが本明細書に定義される通りである-OR1aである。いくつかの実施態様において、R5は、R1aが本明細書に定義される通りである-OC(O)R1aである。いくつかの実施態様において、R5は、R1aが本明細書に定義される通りである-OC(O)OR1aである。いくつかの実施態様において、R5は、R1b及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-OC(O)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R5は、R1aが本明細書に定義される通りである-OC(O)SR1aである。いくつかの実施態様において、R5は、R1a、R1b、及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-OC(=NR1a)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R5は、R1aが本明細書に定義される通りである-OC(S)R1aである。いくつかの実施態様において、R5は、R1aが本明細書に定義される通りである-OC(S)OR1aである。いくつかの実施態様において、R5は、R1b及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-OC(S)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R5は、R1aが本明細書に定義される通りである-OS(O)R1aである。いくつかの実施態様において、R5は、R1aが本明細書に定義される通りである-OS(O)2R1aである。いくつかの実施態様において、R5は、R1b及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-OS(O)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R5は、R1b及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-OS(O)2NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R5は、R1b及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R5は、R1a及びR1dがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aC(O)R1dである。いくつかの実施態様において、R5は、R1a及びR1dがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aC(O)OR1dである。いくつかの実施態様において、R5は、R1a、R1b、及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aC(O)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R5は、R1a及びR1dがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aC(O)SR1dである。いくつかの実施態様において、R5は、R1a、R1b、R1c、及びR1dがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aC(=NR1d)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R5は、R1a及びR1dがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aC(S)R1dである。いくつかの実施態様において、R5は、R1a及びR1dがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aC(S)OR1dである。いくつかの実施態様において、R5は、R1a、R1b、及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aC(S)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R5は、R1a及びR1dがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aS(O)R1dである。いくつかの実施態様において、R5は、R1a及びR1dがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aS(O)2R1dである。いくつかの実施態様において、R5は、R1a、R1b、及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aS(O)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R5は、R1a、R1b、及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-NR1aS(O)2NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R5は、R1aが本明細書に定義される通りである-SR1aである。いくつかの実施態様において、R5は、R1aが本明細書に定義される通りである-S(O)R1aである。いくつかの実施態様において、R5は、R1aが本明細書に定義される通りである-S(O)2R1aである。いくつかの実施態様において、R5は、R1b及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-S(O)NR1bR1cである。いくつかの実施態様において、R5は、R1b及びR1cがそれぞれ本明細書に定義される通りである-S(O)2NR1bR1cである。
【0111】
いくつかの実施態様において、R3及びR5は水素である。
【0112】
いくつかの実施態様において、R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC1-10アルキルである。いくつかの実施態様において、R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC2-10アルキルである。いくつかの実施態様において、R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているペンチルである。いくつかの実施態様において、R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているペンチルである。いくつかの実施態様において、R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているトリメチルペンチルである。いくつかの実施態様において、R6は、2,4,4-トリメチルペンチルである。いくつかの実施態様において、R6は、メチル又はプロピルである。いくつかの実施態様において、R6は、メチル又はイソプロピルである。いくつかの実施態様において、R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC2-6アルキニルである。いくつかの実施態様において、R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC3-10シクロアルキルである。いくつかの実施態様において、R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC4-10シクロアルキルである。いくつかの実施態様において、R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている単環式C3-10シクロアルキルである。いくつかの実施態様において、R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている単環式C4-10シクロアルキルである。いくつかの実施態様において、R6は、それぞれ1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はシクロヘプチルである。いくつかの実施態様において、R6は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はシクロヘプチルである。いくつかの実施態様において、R6は、それぞれ1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているシクロペンチル、シクロヘキシル、又はシクロヘプチルである。いくつかの実施態様において、R6はシクロヘキシルである。いくつかの実施態様において、R6はシクロプロピルである。いくつかの実施態様において、R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC6-14アリールである。いくつかの実施態様において、R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている単環式C6-14アリールである。いくつかの実施態様において、R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているフェニルである。いくつかの実施態様において、R6はフェニルである。いくつかの実施態様において、R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC7-15アラルキルである。いくつかの実施態様において、R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているヘテロアリールである。いくつかの実施態様において、R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている単環式ヘテロアリールである。いくつかの実施態様において、R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている5員又は6員ヘテロアリールである。いくつかの実施態様において、R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているヘテロシクリルである。いくつかの実施態様において、R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている単環式ヘテロシクリルである。いくつかの実施態様において、R6は、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている5員又は6員ヘテロシクリルである。
【0113】
一実施態様において、
6-シクロヘキシル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンA1;
4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)ピリジン-2(1H)-チオンA2;及び
6-シクロヘキシル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオンA4;
並びにそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、及び同位体変種;並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及びプロドラッグから選択される化合物が本明細書に提供される。
【0114】
別の実施態様において、
6-シクロヘキシル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンA1;
4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)ピリジン-2(1H)-チオンA2;
6-シクロヘキシル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオンA4;
6-イソプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンA5;
4-イソプロピル-6-メチルピリジン-2(1H)-チオンA6;及び
6-シクロプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンA7;
並びにそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、及び同位体変種;並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及びプロドラッグから選択される化合物が本明細書に提供される。
【0115】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される化合物は、重水素濃縮されている。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される化合物は、炭素-13濃縮されている。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される化合物は、炭素-14濃縮されている。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される化合物は、窒素について15N;酸素について17O又は18O、及び硫黄について33S、34S、又は36Sを含むがこれらに限定されない、他の元素について1つ以上の一般的ではない同位体を含む。
【0116】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される化合物は、約5以上、約10以上、約20以上、約30以上、約40以上、約50以上、約60以上、約70以上、約80以上、約90以上、約100以上、約200以上、約500以上、約1,000以上、約2,000以上、約5,000以上、又は約10,000以上の同位体濃縮係数を有する。しかし、いずれにしても、特定された同位体の同位体濃縮係数は、化合物が所定の位置で特定の同位体により100%濃縮された場合の同位体濃縮係数である特定された同位体の最大同位体濃縮係数を超えることはない。従って、異なる同位体について、最大同位体濃縮係数は異なる。最大同位体濃縮係数は、重水素について6410であり、炭素-13について90である。
【0117】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される化合物は、約64以上(約1%重水素濃縮)、約130以上(約2%重水素濃縮)、約320以上(約5%重水素濃縮)、約640以上(約10%重水素濃縮)、約1,300以上(約20%重水素濃縮)、約3,200以上(約50%重水素濃縮)、約4,800以上(約75%重水素濃縮)、約5,130以上(約80%重水素濃縮)、約5,450以上(約85%重水素濃縮)、約5,770以上(約90%重水素濃縮)、約6,090以上(約95%重水素濃縮)、約6,220以上(約97%重水素濃縮)、約6,280以上(約98%重水素濃縮)、約6,350以上(約99%重水素濃縮)、又は約6,380以上(約99.5%重水素濃縮)の重水素濃縮係数を有する。重水素濃縮は、質量分析及び核磁気共鳴分光法を含む、当業者に公知の常用の分析法を使用し決定することができる。
【0118】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される化合物は、約1.8以上(約2%炭素-13濃縮)、約4.5以上(約5%炭素-13濃縮)、約9以上(約10%炭素-13濃縮)、約18以上(約20%炭素-13濃縮)、約45以上(約50%炭素-13濃縮)、約68以上(約75%炭素-13濃縮)、約72以上(約80%炭素-13濃縮)、約77以上(約85%炭素-13濃縮)、約81以上(約90%炭素-13濃縮)、約86以上(約95%炭素-13濃縮)、約87以上(約97%炭素-13濃縮)、約88以上(約98%炭素-13濃縮)、約89以上(約99%炭素-13濃縮)、又は約90以上(約99.5%炭素-13濃縮)の炭素-13濃縮係数を有する。炭素-13濃縮は、質量分析及び核磁気共鳴分光法を含む、当業者に公知の常用の分析法を使用し決定することができる。
【0119】
いくつかの実施態様において、同位体濃縮されたとして特定される本明細書に提供される化合物の少なくとも1つの原子は、約1%以上、約2%以上、約5%以上、約10%以上、約20%以上、約50%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、又は約98%以上の同位体濃縮を有する。いくつかの実施態様において、同位体濃縮されたとして特定される本明細書に提供される化合物の原子は、約1%以上、約2%以上、約5%以上、約10%以上、約20%以上、約50%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、又は約98%以上の同位体濃縮を有する。いずれにしても、本明細書に提供される化合物の同位体濃縮された原子の同位体濃縮は、特定された同位体の天然の存在量よりも高い。
【0120】
いくつかの実施態様において、重水素濃縮されたとして特定される本明細書に提供される化合物の少なくとも1つの原子は、約1%以上、約2%以上、約5%以上、約10%以上、約20%以上、約50%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、又は約98%以上の重水素濃縮を有する。いくつかの実施態様において、重水素濃縮されたとして特定される本明細書に提供される化合物の原子は、約1%以上、約2%以上、約5%以上、約10%以上、約20%以上、約50%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、又は約98%以上の重水素濃縮を有する。
【0121】
いくつかの実施態様において、13C-濃縮されたとして特定される本明細書に提供される化合物の少なくとも1つの原子は、約2%以上、約5%以上、約10%以上、約20%以上、約50%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、又は約98%以上の炭素-13濃縮を有する。いくつかの実施態様において、13C-濃縮されたとして特定される本明細書に提供される化合物の原子は、約1%以上、約2%以上、約5%以上、約10%以上、約20%以上、約50%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、又は約98%以上の炭素-13濃縮を有する。
【0122】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される化合物は、単離されるか又は精製されている。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される化合物は、少なくとも約50%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5重量%の純度を有する。
【0123】
本明細書に提供される化合物は、特定の立体化学が指定されない限りは、全ての可能性のある立体異性体を包含することが意図されている。本明細書に提供される化合物がアルケニル基を含む場合、この化合物は、シス/トランス(又はZ/E)幾何異性体の一つ又は混合物として存在することができる。構造異性体が相互交換可能である場合、この化合物は、単一の互変異性体又は互変異性体の混合物として存在することができる。これは、例えばイミノ基、ケト基、若しくはオキシム基を含む化合物においてプロトン互変異性の形をとるか;又は芳香部分を含む化合物においていわゆる原子価互変異性の形をとることができる。単一の化合物が2種以上の異性現象を示し得るということである。例えば、式Iの化合物は、以下に示される通り少なくとも以下の互変異性体形態を有し得る。
【化7】
【0124】
本明細書に提供される化合物は、単一のエナンチオマー又は単一のジアステレオマーのように、鏡像異性的に純粋であるか、或いは、例えば2つのエナンチオマーのラセミ混合物などのエナンチオマーの混合物;又は2種以上のジアステレオマーの混合物のように、立体異性体混合物であることができる。従って当業者は、インビボにおいてエピマー化を受ける化合物に関して、化合物のその(R)型での投与がその(S)型の化合物の投与と同等であることを認めるであろう。個別のエナンチオマーの調製/単離に関する常用の技術は、適切な光学的に純粋な前駆体からの合成、アキラル出発材料からの不斉合成、又はエナンチオマー混合物の分割、例えばキラルクロマトグラフィー、再結晶、分割、ジアステレオマー塩の形成、若しくはジアステレオマー付加物への誘導体化、それに続く分離などを含む。
【0125】
本明細書に提供される化合物が、酸性部分又は塩基性部分を含む場合、これは医薬として許容し得る塩としても提供され得る(Bergeらの文献(J. Pharm. Sci., 1977, 66, 1-19);及び「医薬塩のハンドブック、特性、及び使用(Handbook of Pharmaceutical Salts, Properties, and Use)」、Stahl及びWermuth編集;Wiley-VCH and VHCA、チューリッヒ、2011年を参照されたい)。
【0126】
医薬として許容し得る塩の調製における使用に好適な酸には、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L-アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、ホウ酸、(+)-ショウノウ酸、カンファースルホン酸、(+)-(1S)-カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、D-グルコン酸、D-グルクロン酸、L-グルタミン酸、α-オキソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩化水素酸、ヨウ化水素酸、(+)-L-乳酸、(±)-DL-乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、(-)-L-リンゴ酸、マロン酸、(±)-DL-マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、過塩素酸、リン酸、L-ピログルタミン酸、糖酸、サリチル酸、4-アミノ-サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)-L-酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸、及び吉草酸があるが、これらに限定されない。
【0127】
医薬として許容し得る塩の調製における使用に適した塩基には、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化亜鉛、又は水酸化ナトリウムなどの無機塩基;並びにL-アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、2-(ジエチルアミノ)-エタノール、エタノールアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、イソプロピルアミン、N-メチル-グルカミン、ヒドラバミン、1H-イミダゾール、L-リシン、モルホリン、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリン、メチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、プロピルアミン、ピロリジン、1-(2-ヒドロキシエチル)-ピロリジン、ピリジン、キヌクリジン、キノリン、イソキノリン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチル-D-グルカミン、2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール及び、トロメタミンを含む、第一級、第二級、第三級及び第四級脂肪族及び芳香族アミンなどの有機塩基があるが、これらに限定されない。
【0128】
本明細書に提供される化合物は、例えば式Iの化合物の官能性誘導体であり、且つインビボにおいて親化合物へ容易に変換され得るプロドラッグとしても提供されてよい。状況によっては、プロドラッグは親化合物よりもより容易に投与することができるので、プロドラッグは有用であることが多い。例えばプロドラッグは、経口投与により生体利用性であるのに対し、親化合物はそうではないことがある。プロドラッグは、親化合物を上回る医薬組成物中の増強された溶解度を有することもある。プロドラッグは、酵素的処理及び代謝的加水分解を含む様々な機構により、親薬物へ変換され得る。Harperの文献(Progress in Drug Research 1962, 4, 221-294);「プロドラッグ及びアナログによるバイオ医薬品性質の設計(Design of Biopharmaceutical Properties through Prodrugs and Analogs」, Roche編集, APHA Acad. Pharm. Sci. 1977年中のMorozowichらの文献;「薬物設計における薬物中の生体可逆性担体、理論及び応用(Bioreversible Carriers in Drug in Drug Design, Theory and Application)」,Roche編集, APHA Acad. Pharm. Sci. 1987年; 「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」, Bundgaard, Elsevier, 1985年; Wangらの文献(Curr. Pharm. Design 1999, 5, 265-287);Paulettiらの文献(Adv. Drug. Delivery Rev. 1997, 27, 235-256);Mizenらの文献(Pharm. Biotech. 1998, 11, 345-365);Gaignaultらの文献(Pract. Med. Chem. 1996, 671-696);「医薬系における輸送プロセス(Transport Processes in Pharmaceutical Systems)」, Amidonら編集, Marcell Dekker, 185-218, 2000年中のAsgharnejadの文献; Balantらの文献(Eur. J. Drug Metab. Pharmacokinet. 1990, 15, 143-53);Balimane及びSinkoの文献(Adv. Drug Delivery Rev. 1999, 39, 183-209);Browneの文献(Clin. Neuropharmacol. 1997, 20, 1-12);Bundgaardの文献(Arch. Pharm. Chem. 1979, 86, 1-39);Bundgaardの文献(Controlled Drug Delivery 1987, 17, 179-96);Bundgaardの文献(Adv. Drug Delivery Rev. 1992, 8, 1-38);Fleisherらの文献(Adv. Drug Delivery Rev. 1996, 19, 115-130);Fleisherらの文献(Methods Enzymol. 1985, 112, 360-381);Farquharらの文献(J. Pharm. Sci. 1983, 72, 324-325);Freemanらの文献(J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1991, 875-877);Friis及びBundgaardの文献(Eur. J. Pharm. Sci. 1996, 4, 49-59);Gangwarらの文献(Des. Biopharm. Prop. Prodrugs Analogs, 1977, 409-421);Nathwani及びWoodの文献(Drugs 1993, 45, 866-94);Sinhababu及びThakkerの文献(Adv. Drug Delivery Rev. 1996, 19, 241-273);Stellaらの文献(Drugs 1985, 29, 455-73);Tanらの文献(Adv. Drug Delivery Rev. 1999, 39, 117-151);Taylorの文献(Adv. Drug Delivery Rev. 1996, 19, 131-148);Valentino及びBorchardtの文献(Drug Discovery Today 1997, 2, 148-155);Wiebe及びKnausの文献(Adv. Drug Delivery Rev. 1999, 39, 63-80);並びにWallerらの文献(Br. J. Clin. Pharmac. 1989, 28, 497-507)を参照されたい。
【0129】
(合成の方法)
本明細書に提供される化合物は、当業者に公知である任意の方法により調製、単離、又は得ることができる。いくつかの実施態様において、式Iの化合物は、スキームIに示される合成手順に従って合成される。化合物1は硫化試薬により処理されて、式Iの化合物が形成する。
スキームI
【化8】
【0130】
いくつかの実施態様において、式Iの化合物は、スキームIIに示される合成手順に従って合成される。化合物2又はその塩は硫化試薬により処理されて、式Iの化合物が形成される。
スキームII
【化9】
【0131】
いくつかの実施態様において、硫化試薬は、P2S5、ローソン試薬、カーフェイ(Curphey)試薬(P4S10/ヘキサメチルジシロキサン)、カウシク(Kaushik)試薬(P4S10/Al2O3)、ベルントゼン(Bernthsen)試薬(S8/I2)、ビス(トリメチルシリル)スルフィド(HMDST)、ハイムガートナー(Heimgartner)試薬、又はデービー試薬である。追加の好適な硫化試薬には、Polshettiwarらの文献(J. Sulfur Chem. 2006, 27, 353-386)に記載されているものがある。
【0132】
(医薬組成物)
一実施態様において、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグ;及び医薬として許容し得る賦形剤を含む医薬組成物が本明細書に提供される:
【化10】
(式中:
R
1は、水素又は重水素であり;
R
3及びR
5は、それぞれ独立に、(a)水素、重水素、シアノ、ハロ、若しくはニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル;又は(c)-C(O)R
1a、-C(O)OR
1a、-C(O)NR
1bR
1c、-C(O)SR
1a、-C(NR
1a)NR
1bR
1c、-C(S)R
1a、-C(S)OR
1a、-C(S)NR
1bR
1c、-OR
1a、-OC(O)R
1a、-OC(O)OR
1a、-OC(O)NR
1bR
1c、-OC(O)SR
1a、-OC(=NR
1a)NR
1bR
1c、-OC(S)R
1a、-OC(S)OR
1a、-OC(S)NR
1bR
1c、-OS(O)R
1a、-OS(O)
2R
1a、-OS(O)NR
1bR
1c、-OS(O)
2NR
1bR
1c、-NR
1bR
1c、-NR
1aC(O)R
1d、-NR
1aC(O)OR
1d、-NR
1aC(O)NR
1bR
1c、-NR
1aC(O)SR
1d、-NR
1aC(=NR
1d)NR
1bR
1c、-NR
1aC(S)R
1d、-NR
1aC(S)OR
1d、-NR
1aC(S)NR
1bR
1c、-NR
1aS(O)R
1d、-NR
1aS(O)
2R
1d、-NR
1aS(O)NR
1bR
1c、-NR
1aS(O)
2NR
1bR
1c、-SR
1a、-S(O)R
1a、-S(O)
2R
1a、-S(O)NR
1bR
1c、若しくは-S(O)
2NR
1bR
1cであり;
R
4は、(i)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル;又は(ii)-C(O)R
1a、-C(O)OR
1a、-C(O)NR
1bR
1c、-C(O)SR
1a、-C(NR
1a)NR
1bR
1c、-C(S)R
1a、-C(S)OR
1a、若しくは-C(S)NR
1bR
1cであり、
R
6は、C
1-10アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;且つ
各R
1a、R
1b、R
1c、及びR
1dは、独立に、水素、重水素、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;或いは、R
1aとR
1cは、それらが結合するC及びN原子と共にヘテロシクリルを形成するか;或いは、R
1bとR
1cは、それらが結合するN原子と共にヘテロシクリルを形成し;
ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Qにより任意に置換されており、ここで、各Qは、(a)重水素、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aによりさらに任意に置換されている);並びに(c)-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-C(O)SR
a、-C(NR
a)NR
bR
c、-C(S)R
a、-C(S)OR
a、-C(S)NR
bR
c、-OR
a、-OC(O)R
a、-OC(O)OR
a、-OC(O)NR
bR
c、-OC(O)SR
a、-OC(=NR
a)NR
bR
c、-OC(S)R
a、-OC(S)OR
a、-OC(S)NR
bR
c、-OS(O)R
a、-OS(O)
2R
a、-OS(O)NR
bR
c、-OS(O)
2NR
bR
c、-NR
bR
c、-NR
aC(O)R
d、-NR
aC(O)OR
d、-NR
aC(O)NR
bR
c、-NR
aC(O)SR
d、-NR
aC(=NR
d)NR
bR
c、-NR
aC(S)R
d、-NR
aC(S)OR
d、-NR
aC(S)NR
bR
c、-NR
aS(O)R
d、-NR
aS(O)
2R
d、-NR
aS(O)NR
bR
c、-NR
aS(O)
2NR
bR
c、-SR
a、-S(O)R
a、-S(O)
2R
a、-S(O)NR
bR
c、及び-S(O)
2NR
bR
cから独立に選択され、ここで、各R
a、R
b、R
c、及びR
dは、独立に、(i)水素又は重水素;(ii)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aにより任意に置換されている)であるか;或いは、(iii)R
bとR
cは、それらが結合するN原子と共に、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aにより任意に置換されているヘテロシクリルを形成し;
ここで、各Q
aは、(a)重水素、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに(c)-C(O)R
e、-C(O)OR
e、-C(O)NR
fR
g、-C(O)SR
e、-C(NR
e)NR
fR
g、-C(S)R
e、-C(S)OR
e、-C(S)NR
fR
g、-OR
e、-OC(O)R
e、-OC(O)OR
e、-OC(O)NR
fR
g、-OC(O)SR
e、-OC(=NR
e)NR
fR
g、-OC(S)R
e、-OC(S)OR
e、-OC(S)NR
fR
g、-OS(O)R
e、-OS(O)
2R
e、-OS(O)NR
fR
g、-OS(O)
2NR
fR
g、-NR
fR
g、-NR
eC(O)R
h、-NR
eC(O)OR
f、-NR
eC(O)NR
fR
g、-NR
eC(O)SR
f、-NR
eC(=NR
h)NR
fR
g、-NR
eC(S)R
h、-NR
eC(S)OR
f、-NR
eC(S)NR
fR
g、-NR
eS(O)R
h、-NR
eS(O)
2R
h、-NR
eS(O)NR
fR
g、-NR
eS(O)
2NR
fR
g、-SR
e、-S(O)R
e、-S(O)
2R
e、-S(O)NR
fR
g、及び-S(O)
2NR
fR
gから独立に選択され;ここで、各R
e、R
f、R
g、及びR
hは、独立に、(i)水素又は重水素;(ii)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;或いは、(iii)R
fとR
gは、それらが結合するN原子と共にヘテロシクリルを形成する)。
【0133】
別の実施態様において、
6-シクロヘキシル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンA1;
4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)ピリジン-2(1H)-チオンA2;
6-メチル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオンA3;及び
6-シクロヘキシル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオンA4;
並びにそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、及び同位体変種;並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及びプロドラッグから選択される化合物;並びに医薬として許容し得る賦形剤を含む医薬組成物が本明細書に提供される。
【0134】
さらに別の実施態様において、
6-シクロヘキシル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンA1;
4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)ピリジン-2(1H)-チオンA2;
6-メチル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオンA3;
6-シクロヘキシル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオンA4;
6-イソプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンA5;
4-イソプロピル-6-メチルピリジン-2(1H)-チオンA6;及び
6-シクロプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンA7;
並びにそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、及び同位体変種;並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及びプロドラッグから選択される化合物;並びに医薬として許容し得る賦形剤を含む医薬組成物が本明細書に提供される。
【0135】
本明細書に提供される化合物は、単独で、又は1種以上の本明細書に提供される他の化合物と組合せて投与することができる。本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物を含有する医薬組成物は、経口、非経口、及び局所投与のために、様々な剤形で製剤することができる。医薬組成物は、遅延放出、拡大放出、延長放出、持続放出、パルス放出、制御された放出、促進放出、高速放出、標的指向放出、プログラムされた放出の剤形、及び胃滞留剤形を含む、改変された放出剤形として製剤することもできる。これらの剤形は、当業者に公知の従来の方法及び技術に従い調製することができる(「レミントン:調剤の科学と実践(Remington: The Science and Practice of Pharmacy)」、前掲;「改変された放出の薬物送達技術(Modified-Release Drug Delivery Technology)」、第2版、Rathboneら編集、Marcel Dekker, Inc.:ニューヨーク、NY、2008年を参照されたい)。
【0136】
一実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むもの;及び医薬として許容し得る賦形剤を含む、経口投与用の剤形に製剤される。
【0137】
別の実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むもの;及び医薬として許容し得る賦形剤を含む経口投与用の懸濁剤として製剤される。一実施態様において、本明細書に提供される懸濁剤は、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むもの;並びに水、グリセリン、ソルビトール、サッカリンナトリウム、キサンタンガム、香味料、クエン酸、クエン酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、及びソルビン酸カリウムから選択される1種以上の医薬として許容し得る賦形剤を含む。別の実施態様において、本明細書に提供される懸濁剤は、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むもの;並びに水、グリセリン、ソルビトール、サッカリンナトリウム、キサンタンガム、香味料、クエン酸、クエン酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、及びソルビン酸カリウムを含む。
【0138】
さらに別の実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むもの;並びに医薬として許容し得る賦形剤を含有する、非経口投与のための剤形で製剤される。一実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、静脈内投与のための剤形で製剤される。別の実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、筋肉内投与のための剤形で製剤される。さらに別の実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、皮下投与のための剤形で製剤される。
【0139】
さらに別の実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むもの;並びに医薬として許容し得る賦形剤を含有する、局所投与のための剤形で製剤される。
【0140】
一実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むもの;並びに1種以上の医薬として許容し得る賦形剤を含有する、局所投与のためのクリーム剤として製剤される。一実施態様において、本明細書に提供されるクリーム剤は、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むもの;並びに水、オクチルドデカノール、鉱油、ステアリルアルコール、コカミドDEA、ポリソルベート60、ミリスチルアルコール、ソルビタンモノステアレート、乳酸、及びベンジルアルコールからなる群から選択される1種以上の賦形剤を含有する。別の実施態様において、本明細書に提供されるクリーム剤は、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むもの;並びに水、オクチルドデカノール、鉱油、ステアリルアルコール、コカミドDEA、ポリソルベート60、ミリスチルアルコール、ソルビタンモノステアレート、乳酸、及びベンジルアルコールを含有する。
【0141】
別の実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むもの;並びに医薬として許容し得る賦形剤を含有する、局所投与のためのゲル剤として製剤される。一実施態様において、本明細書に提供されるゲル剤は、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むもの;並びに水、イソプロピルアルコール、オクチルドデカノール、ジメチコーンコポリオール190、カルボマー980、水酸化ナトリウム、及びドクサートナトリウムからなる群から選択される1種以上の賦形剤を含有する。別の実施態様において、本明細書に提供されるゲル剤は、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むもの;並びに水、イソプロピルアルコール、オクチルドデカノール、ジメチコーンコポリオール190、カルボマー980、水酸化ナトリウム、及びドクサートナトリウムを含有する。
【0142】
さらに別の実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むもの;並びに医薬として許容し得る賦形剤を含有する、局所投与のためのシャンプーとして製剤される。一実施態様において、本明細書に提供されるシャンプーは、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むもの;並びに水、ラウレス硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウレス二ナトリウム、塩化ナトリウム、及びラウレス-2からなる群から選択される1種以上の賦形剤を含有する。別の実施態様において、本明細書に提供されるシャンプーは、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むもの;並びに水、ラウレス硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウレス二ナトリウム、塩化ナトリウム、及びラウレス-2を含有する。
【0143】
さらに別の実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むもの;並びに医薬として許容し得る賦形剤を含有する、局所投与のためのラッカー(lacquer)として製剤される。一実施態様において、本明細書に提供されるラッカーは、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むもの;並びに酢酸エチル、イソプロピルアルコール、及びイソプロピルアルコールを溶媒とするポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)のブチルモノエステルから選択される1種以上の賦形剤を含有する。別の実施態様において、本明細書に提供されるラッカーは、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むもの;並びに酢酸エチル、イソプロピルアルコール、及びイソプロピルアルコールを溶媒とするポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)のブチルモノエステルを含有する。
【0144】
本明細書に提供される医薬組成物は、単位剤形又は複数剤形で提供され得る。本明細書において使用される単位剤形とは、ヒト及び動物対象への投与に適し、且つ当該技術分野において公知のように個別に包装された、物理的に個別の単位をいう。各単位投与量は、必要とされる医薬担体又は賦形剤と会合して、望ましい治療作用を生じるのに充分である所定量の有効成分を含有する。単位剤形の例は、アンプル、注射器、並びに個別に包装された錠剤及びカプセル剤を含む。単位剤形は、それらの分数又は倍数で投与されてよい。複数剤形は、隔てられた単位剤形で投与される単一の容器内に包装された複数の同一の単位剤形である。複数剤形の例は、バイアル、錠剤若しくはカプセル剤の瓶、又はパイント瓶若しくはガロン瓶を含む。
【0145】
本明細書に提供される医薬組成物は、1回又は時間間隔をおいて複数回投与され得る。正確な用量及び治療期間は、治療される患者の年齢、体重及び状態により変動することができ、且つ公知の試験プロトコールを用い経験的に、又はインビボ若しくはインビトロ試験又は診断データからの外挿により決定され得ることが理解される。任意の特定の個人に関して、具体的投薬計画は、その個人の必要性及び製剤を投与するか又は投与を監督する人物の専門的判断に従いある期間にわたり調節されなければならないこともさらに理解される。
【0146】
(A. 経口投与)
経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、経口投与のための固体、半固体、又は液体の剤形で提供されることができる。本明細書において使用されるように、経口投与は、頬側、舌側、及び舌下投与も含む。好適な経口剤形は、錠剤、ファストメルト(fastmelts)、チュアブル錠、カプセル剤、丸剤、ストリップ、トローチ剤、舐剤、香錠、カシェ剤、ペレット、薬用チューインガム、原末、発泡性若しくは非発泡性散剤若しくは顆粒剤、オーラルミスト、液剤、乳剤、懸濁剤、ウェファー、スプリンクル(sprinkles)、エリキシル剤、及びシロップ剤を含むが、これらに限定されない。本医薬組成物は、有効成分に加えて、非限定的に、結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤、流動促進剤、着色剤、色移り防止剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁化剤及び分散剤、保存剤、溶媒、非水性液体、有機酸、並びに二酸化炭素給源を含む、1種以上の医薬として許容し得る担体又は賦形剤を含有することができる。
【0147】
結合剤又は造粒剤は、錠剤に凝集性を付与し、圧縮後錠剤が無傷であり続けることを確実にする。好適な結合剤又は造粒剤は、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、及びα化デンプン(例えばSTARCH 1500)などのデンプン;ゼラチン;ショ糖、グルコース、デキストロース、糖蜜、及び乳糖などの糖類;アカシアゴム、アルギン酸、アルギン酸塩、トチャカ抽出物、パンワールガム、ガッティガム、イサゴール殻皮粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビーガム、カラマツアラボガラクタン、トラガカント末、及びグアーガムなどの天然及び合成ゴム;エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロース;AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC社、マーカスフック、PA)などの微結晶性セルロース;並びにそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。好適な充填剤は、タルク、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末化セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、α化デンプン、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。本明細書に提供される医薬組成物中の結合剤又は充填剤の量は、製剤の種類に応じて変動し、且つ当業者は容易に識別可能である。結合剤又は充填剤は、本明細書に提供される医薬組成物中約50~約99重量%で存在することができる。
【0148】
好適な希釈剤は、リン酸水素カルシウム、硫酸カルシウム、乳糖、ソルビトール、ショ糖、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、及び粉糖を含むが、これらに限定されない。マンニトール、乳糖、ソルビトール、ショ糖、及びイノシトールなどのいくつかの希釈剤は、充分な量で存在する場合、咀嚼による口内での崩壊を可能にする特性を一部の圧縮錠剤に与えることができる。そのような圧縮錠剤は、チュアブル錠として使用することができる。本明細書に提供される医薬組成物中の希釈剤の量は、製剤の種類に応じて変動し、且つ当業者は容易に識別可能である。
【0149】
好適な崩壊剤は、寒天;ベントナイト;メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースなどのセルロース;木材製品;天然海綿;カチオン交換樹脂;アルギン酸;グアーガム及びビーガムHVなどのゴム;柑橘類パルプ;クロスカルメロースなどの架橋セルロース;クロスポビドンなどの架橋ポリマー;架橋デンプン;炭酸カルシウム;デンプングリコール酸ナトリウムなどの微結晶性セルロース;ポラクリリンカリウム;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、及びα化デンプンなどのデンプン;クレイ;アルギン(aligns);及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。本明細書に提供される医薬組成物中の崩壊剤の量は、製剤の種類に応じて変動し、且つ当業者は容易に識別可能である。本明細書に提供される医薬組成物は、崩壊剤を約0.5~約15重量%、又は約1~約5重量%含有してよい。
【0150】
好適な滑沢剤は、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽質鉱油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;ベヘン酸グリセロール及びポリエチレングリコール(PEG)などのグリコール;ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及びダイズ油を含む硬化植物油;ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ラウリン酸エチル;寒天;デンプン;リコポジウム;AEROSIL(登録商標)200(W.R. Grace社、ボルチモア、MD)及びCAB-O-SIL(登録商標)(Cabot社、ボストン、MA)などのシリカ又はシリカゲル;並びにそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。本明細書に提供される医薬組成物は、滑沢剤を約0.1~約5重量%含有してよい。
【0151】
好適な流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素、CAB-O-SIL(登録商標)(Cabot社、ボストン、MA)、及びアスベスト非含有タルクを含むが、これらに限定されない。好適な着色剤は、任意の承認された認証水溶性FD&C色素、及びアルミナ水和物上に懸架された非水溶性FD&C色素、及びレーキ顔料、並びにそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。レーキ顔料は、水溶性色素の重金属の水和酸化物への吸着による組合せであり、この色素は不溶型となる。好適な香味剤は、果実などの植物から抽出された天然香料、並びにペパーミント及びサリチル酸メチルなどの好ましい味覚を生じる化合物の合成配合物を含むが、これらに限定されない。好適な甘味剤は、ショ糖、乳糖、マンニトール、シロップ、グリセリン、並びにサッカリン及びアスパルテームなどの人工甘味料を含むが、これらに限定されない。好適な乳化剤は、ゼラチン、アカシアゴム、トラガカント、ベントナイト、並びにポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(例えばTWEEN(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80(例えばTWEEN(登録商標)80)、及びオレイン酸トリエタノールアミンなどの界面活性剤を含むが、これらに限定されない。好適な懸濁化剤及び分散剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、ビーガム、アカシアゴム、カルボメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンを含むが、これらに限定されない。好適な保存剤は、グリセリン、メチル及びプロピルパラベン、安息香酸(benzoic add)、安息香酸ナトリウム及びアルコールを含むが、これらに限定されない。好適な湿潤剤は、モノステアリン酸プロピレングリコール、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレート、及びポリオキシエチレンラウリルエーテルを含むが、これらに限定されない。好適な溶媒は、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、及びシロップを含むが、これらに限定されない。乳剤中で利用される好適な非水性液体の例は、鉱油及び綿実油を含むが、これらに限定されない。好適な有機酸は、クエン酸及び酒石酸を含むが、これらに限定されない。好適な二酸化炭素給源は、炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウムを含むが、これらに限定されない。
【0152】
多くの担体及び賦形剤が、例え同じ製剤内であっても、いくつかの機能を果たし得ることは理解されなければならない。
【0153】
経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、圧縮錠剤、湿製錠剤、咀嚼舐剤、即時溶解錠剤、多層圧縮錠剤、又は腸溶性コーティング錠、糖衣錠、又はフィルムコーティング錠として提供することができる。腸溶性コーティング錠は、胃酸の作用に抵抗するが、腸において溶解するか若しくは崩壊し、結果胃の酸性環境から有効成分を保護する物質により被覆された圧縮錠剤である。腸溶性コーティングは、脂肪酸、脂肪、サリチル酸フェニル、ワックス、シェラック、アンモニア化シェラック、及び酢酸フタル酸セルロースを含むが、これらに限定されない。糖衣錠は、好ましくない味覚又は臭気を遮蔽し、且つ錠剤を酸化から保護する点で有益であり得る、糖衣により取り囲まれた圧縮錠剤である。フィルムコーティング錠は、水溶性物質の薄層又はフィルムにより被覆された圧縮錠剤である。フィルムコーティングは、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、及び酢酸フタル酸セルロースを含むが、これらに限定されない。フィルムコーティングは、糖衣と同じ一般的特徴をもたらす。多層圧縮錠剤は、層状錠剤、及びプレスコーティング錠又は乾燥コーティング錠を含む、2回以上の圧縮サイクルにより製造された圧縮錠剤である。
【0154】
本錠剤剤形は、粉末形状、結晶形状、又は顆粒形状の有効成分から、単独で、又は結合剤、崩壊剤、放出制御ポリマー、滑沢剤、希釈剤、及び/若しくは着色剤を含む本明細書記載の1種以上の担体若しくは賦形剤と組合せて、調製することができる。香味剤及び甘味剤は、チュアブル錠及び舐剤の製造において特に有用である。
【0155】
経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、ゼラチン、メチルセルロース、デンプン、又はアルギン酸カルシウムから製造することができる軟又は硬カプセル剤として提供することができる。乾燥充填カプセル剤(DFC)としても公知である、硬ゼラチンカプセル剤は、2つの部分からなり、一方が他方の上に滑り込み、従って有効成分を完全に閉じ込めている。軟弾性カプセル剤(SEC)は、グリセリン、ソルビトール、又は同様のポリオールの添加によって可塑化される、ゼラチンシェルなど、軟質で球状のシェルである。軟ゼラチンシェルは、微生物の増殖を防止するために保存剤を含んでもよい。好適な保存剤は本明細書に記載されているものであり、メチルパラベン及びプロピルパラベン、並びにソルビン酸を含む。本明細書に提供される液体、半固体、及び固体の剤形はカプセルに封入されてもよい。適切な液体及び半固体の剤形には、炭酸プロピレン、植物油、又はトリグリセリド中の溶液及び懸濁液を含む。このような溶液を含むカプセル剤は、米国特許第4,328,245号;同第4,409,239号;及び同第4,410,545号に説明されているよう調製することができる。また、カプセル剤は、有効成分の溶解を改変するか又は持続させるために、当業者に公知のようにコーティングされてもよい。
【0156】
経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、乳剤、液剤、懸濁剤、エリキシル剤、及びシロップ剤を含む液体及び半固体の剤形で提供することができる。乳剤は2相の系であり、そのうち一方の液体は別の液体の全体に小球の形態で分散しており、水中油型にも、油中水型にもなり得る。乳剤は、医薬として許容し得る非水性の液体又は溶媒、乳化剤、及び保存剤を含んでもよい。懸濁剤は、医薬として許容し得る懸濁化剤及び保存剤を含んでもよい。水性アルコール液剤には、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール、例えばアセトアルデヒドジエチルアセタールなどの医薬として許容し得るアセタール;並びにプロピレングリコール及びエタノールなど、1つ以上のヒドロキシル基を有する水混和性溶媒を含んでもよい。エリキシル剤は、透明で、甘味のある水性アルコール溶液である。シロップ剤は、糖、例えばショ糖の濃縮された水溶液であり、また、保存剤を含んでもよい。液体剤形のために、例えばポリエチレングリコールを溶媒とする溶液は、投与のために簡便に量られるように、充分な量の医薬として許容し得る液体担体、例えば水で希釈してもよい。
【0157】
他の有用な液体及び半固体の剤形は、本明細書に提供される有効成分、並びに1,2-ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール-350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-550-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-750-ジメチルエーテル(ここで、350、550、及び750とは、ポリエチレングリコールのおよその平均分子量を指す)を含むジアルキル化されたモノ-又はポリ-アルキレングリコールを含むものを含むが、これらに限定されない。これらの製剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、セファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸及びそのエステル、並びにジチオカルバメートなどの1種以上の抗酸化剤をさらに含むことができる。
【0158】
経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物はまた、リポソーム、ミセル、ミクロスフェア、又はナノシステムの形状で提供することもできる。ミセル剤形は、米国特許第6,350,458号に説明されたように調製することができる。
【0159】
経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、液体剤形へ再構成するために、非発泡性又は発泡性の顆粒剤及び散剤として提供することができる。非発泡性顆粒剤又は散剤において使用される医薬として許容し得る担体及び賦形剤は、希釈剤、甘味料、及び湿潤剤を含んでもよい。発泡性顆粒剤又は散剤において使用される医薬として許容し得る担体及び賦形剤は、有機酸及び二酸化炭素源を含んでもよい。
【0160】
着色料及び香味剤は、前記剤形全てにおいて使用することができる。
【0161】
経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向放出、及びプログラムされた放出の形態を含む即時放出又は改変された放出の剤形として製剤してもよい。
【0162】
(B. 非経口投与)
本明細書に提供される医薬組成物は、局所投与又は全身投与のために、注射、注入、又は埋め込みによって非経口的に投与することができる。本明細書において使用される非経口投与は、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、髄腔内投与、脳室内投与、尿管内投与、胸骨内投与、頭蓋内投与、筋肉内投与、滑液嚢内投与、膀胱内投与及び皮下投与を含む。
【0163】
非経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、溶液、懸濁液、エマルション、ミセル、リポソーム、ミクロスフェア、ナノシステムを含む非経口投与に適した任意の剤形で、及び注射前に液体中の溶液又は懸濁液に適した固体形状で製剤することができる。このような剤形は、薬科学分野の当業者に公知の従来の方法に従って調製することができる(例えば、「レミントン:調剤の科学と実践(Remington: The Science and Practice of Pharmacy)」前掲、参照)。
【0164】
非経口投与が意図された医薬組成物は、水性媒体、水混和性媒体、非水性媒体、微生物の増殖を防ぐ抗菌剤又は保存剤、安定化剤、溶解度増強剤、等張化剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁化剤及び分散剤、湿潤剤又は乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤又はキレート剤、凍結保護剤、リオプロテクタント(lyoprotectant)、増粘剤、pH調整剤、及び不活性ガスを含むがこれらに限定されない1種以上の医薬として許容し得る担体及び賦形剤を含むことができる。
【0165】
好適な水性媒体は、水、食塩水、生理食塩水又はリン酸緩衝食塩水(PBS)、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、等張性デキストロース注射液、滅菌水注射液、デキストロース及び乳酸加リンゲル注射液を含むが、これらに限定されない。好適な非水性媒体は、植物起源の不揮発性油、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、ピーナッツ油、ペパーミント油、ベニバナ油、ゴマ油、ダイズ油、硬化植物油、硬化大豆油、及びココナツ油の中鎖トリグリセリド、及びヤシ種子油を含むが、これらに限定されない。好適な水混和性媒体は、エタノール、1,3-ブタンジオール、液体ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール300及びポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、及びジメチルスルホキシドを含むが、これらに限定されない。
【0166】
好適な抗菌剤又は保存剤は、フェノール、クレゾール、水銀、ベンジルアルコール、クロロブタノール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル及びプロピル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム(例えば、塩化ベンゼトニウム)、メチル-及びプロピル-パラベン、並びにソルビン酸を含むが、これらに限定されない。好適な等張化剤は、塩化ナトリウム、グリセリン、及びデキストロースを含むが、これらに限定されない。好適な緩衝剤は、リン酸塩及びクエン酸塩を含むが、これらに限定されない。好適な抗酸化剤は、重亜硫酸塩及びメタ重亜硫酸ナトリウムを含む、本明細書に記載されたものである。好適な局所麻酔薬は、塩酸プロカインを含むが、これに限定されない。好適な懸濁化剤及び分散剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンを含む、本明細書に記載されたものである。好適な乳化剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80、及びトリエタノールアミンオレアートを含む、本明細書に記載されたものである。好適な金属イオン封鎖剤又はキレート剤はEDTAを含むが、これに限定されない。好適なpH調整剤は、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、及び乳酸を含むが、これらに限定されない。好適な錯化剤は、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、及びスルホブチルエーテル7-β-シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標)、CyDex社、レネクサ、KS)を含むシクロデキストリンを含むが、これらに限定されない。
【0167】
本明細書に提供される医薬組成物が反復用量の投与のために製剤される場合、反復用量の非経口製剤は、静菌濃度又は静真菌濃度で抗菌剤を含まなければならない。全ての非経口製剤は、当技術分野で公知であり且つ実践されるように、無菌でなければならない。
【0168】
一実施態様において、非経口投与のための医薬組成物は、そのまま使用することができる滅菌溶液として提供される。別の実施態様において、本医薬組成物は、使用前に媒体により再構成されるべき凍結乾燥した散剤及び皮下錠剤を含む滅菌済み乾燥可溶性製品として提供される。さらに別の実施態様において、本医薬組成物は、そのまま使用することができる滅菌済み懸濁液として提供される。さらに別の実施態様において、本医薬組成物は、使用前に媒体により再構成されるべき滅菌済み乾燥不溶性製品として提供される。さらに別の実施態様において、本医薬組成物は、そのまま使用することができる滅菌済みエマルションとして提供される。
【0169】
非経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向放出、及びプログラムされた放出の形態を含む即時的な又は改変された放出の剤形として製剤することができる。
【0170】
非経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、埋め込み型デポ剤としての投与のために、懸濁液、固体、半固体、又はチキソトロープ液体として製剤することができる。一実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、体液には不溶性だがそれを通じ医薬組成物中の有効成分を拡散することのできる外側ポリマーメンブレンによって取り囲まれている固体内側マトリックス中に分散している。
【0171】
好適な内側マトリックスは、ポリメチルメタクリレート、ポリブチル-メタクリレート、可塑化された又は非可塑化のポリ塩化ビニル、可塑化されたナイロン、可塑化されたポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルのヒドロゲルなどの親水性ポリマー、コラーゲン、架橋されたポリビニルアルコール、並びに架橋され部分的に加水分解された酢酸ポリビニルを含むが、これらに限定されない。
【0172】
好適な外側ポリマーメンブレンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレンとの塩化ビニルコポリマー、イオノマーポリエチレンテレフタラート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、並びにエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーを含むが、これらに限定されない。
【0173】
(C. 局所投与)
本明細書に提供される医薬組成物は、皮膚、開口部、又は粘膜へ局所的に投与することができる。本明細書に使用される局所投与は、皮膚(内)、結膜、角膜内、眼球内、眼内、耳内、経真皮、鼻腔、膣、尿道、呼吸器、及び直腸の投与を含む。
【0174】
本明細書に提供される医薬組成物は、乳剤、液剤、懸濁剤、クリーム剤、ゲル剤、ヒドロゲル、軟膏、散粉剤、包帯、エリキシル剤、ローション剤、懸濁液、チンキ剤、泥膏、泡剤、フィルム、エアゾール、潅注、スプレー、坐薬、絆創膏、及び皮膚貼付剤を含む、局所作用又は全身作用のための局所投与に適している任意の剤形で製剤することができる。本明細書に提供される医薬組成物の局所製剤は、リポソーム、ミセル、ミクロスフェア、ナノシステム、及びそれらの混合物も含むことができる。
【0175】
本明細書に提供される局所製剤における使用に適した医薬として許容し得る担体及び賦形剤は、水性媒体、水混和性媒体、非水性媒体、微生物の増殖を防ぐ抗菌剤又は保存剤、安定化剤、溶解度増強剤、等張化剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁化剤及び分散剤、湿潤剤又は乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤又はキレート剤、浸透増強剤、凍結保護剤、リオプロテクタント、増粘剤、及び不活性ガスを含むが、これらに限定されない。
【0176】
本医薬組成物は、電気穿孔、イオントフォレーシス、フォノフォレーシス、ソノフォレーシス、又はPOWDERJECT(商標)(Chiron社、エメリービル、CA)、及びBIOJECT(商標)(Bioject Medical Technologies社、テュアラティン、OR)などの極微針若しくは無針注射により局所投与することもできる。
【0177】
本明細書に提供される医薬組成物は、軟膏、クリーム剤、及びゲル剤の形状で提供することができる。好適な軟膏媒体は、豚脂、安息香豚脂、オリーブ油、綿実油、及び他の油分、白色ワセリンを含む、油性媒体又は炭化水素媒体;親水ワセリン、硫酸ヒドロキシステアリン、及び脱水ラノリンなどの乳化媒体又は吸収媒体;親水軟膏などの水分除去性媒体;様々な分子量のポリエチレングリコールを含む水溶性軟膏媒体;セチルアルコール、グリセリルモノステアラート、ラノリン、及びステアリン酸を含む、油中水型(W/O)エマルジョン又は水中油型(O/W)エマルジョンのいずれかのエマルジョン媒体を含む。(「レミントン:調剤の科学と実践(Remington: The Science and Practice of Pharmacy)」、前掲を参照されたい)。これらの媒体は、皮膚軟化剤であるが、一般に抗酸化剤及び保存剤の添加を必要とする。
【0178】
好適なクリーム基剤は、水中油型でも、油中水型であり得る。好適なクリーム媒体は、水で洗浄可能であってよく、且つ油相、乳化剤、及び水相を含む。油相は、「内」相とも称され、これは一般にワセリンと、セチルアルコール又はステアリルアルコールなどの脂肪族アルコールで構成される。水相は必ずしもではないが、通常体積が油相よりも大きく、且つ一般に保湿剤を含む。クリーム製剤中の乳化剤は、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、又は両性界面活性剤であってよい。
【0179】
ゲル剤は、半固体の懸濁液型システムである。単相ゲル剤は、液体担体全体に実質的に均一に分散された有機高分子を含む。好適なゲル化剤は、カルボマー、カルボキシポリアルキレン、及びCARBOPOL(登録商標)などの架橋したアクリル酸ポリマー;ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー、及びポリビニルアルコールなどの親水性ポリマー;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、及びメチルセルロースなどのセルロース系ポリマー;トラガカントガム及びキサンタンガムなどのガム;アルギン酸ナトリウム;及び、ゼラチンを含むが、これらに限定されない。均一なゲル剤を調製するために、アルコール又はグリセリンなどの分散剤を添加するか、或いは摩砕、機械的混合、及び/又は攪拌により、ゲル化剤を分散することができる。
【0180】
本明細書に提供される医薬組成物は、坐薬、ペッサリー、ブジー、湿布剤又はパップ剤、泥膏、散剤、包帯、クリーム剤、硬膏、避妊薬、軟膏、液剤、乳剤、懸濁剤、タンポン、ゲル剤、泡剤、スプレー、又は浣腸の形態で、直腸、尿道、膣、又は膣周辺に投与することができる。これらの剤形は、例えば、「レミントン:調剤の科学と実践(Remington: The Science and Practice of Pharmacy)」(前掲)に説明されたような従来の方法を用いて製造することができる。
【0181】
直腸、尿道、及び膣用の坐薬とは、常温では固体であるが、体温で溶融又は軟化し、開口部に有効成分を放出する、体の開口部に挿入するための固体本体である。直腸及び膣用の坐薬において利用される医薬として許容し得る担体は、本明細書に提供される医薬組成物と共に製剤された場合に、体温付近に融点を生じる硬化剤などの基剤又は媒体;並びに重亜硫酸塩及びメタ重亜硫酸ナトリウムを含む本明細書に記載された抗酸化剤を含む。好適な媒体は、カカオバター(カカオ脂)、グリセリン-ゼラチン、カルボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、鯨ろう、パラフィン、白色ワックス及び黄色ワックス、並びに脂肪酸のモノ-、ジ-及びトリグリセリドの適切な混合物、並びにポリビニルアルコール、メタクリル酸ヒドロキシエチル、ポリアクリル酸などのヒドロゲルを含むが、これらに限定されない。様々な媒体の組合せも使用することができる。直腸及び膣用坐薬は、圧縮又は成形により調製することができる。直腸及び膣用坐薬の典型的重量は、約2~約3gである。
【0182】
本明細書に提供される医薬組成物は、液剤、懸濁剤、軟膏、乳剤、ゲル形成溶液、溶液のための散剤、ゲル剤、眼球挿入物、及びインプラントの形状で眼科的に投与することができる。
【0183】
本明細書に提供される医薬組成物は、鼻腔内、又は気道への吸入により投与することができる。本医薬組成物は、単独で、又は1,1,1,2-テトラフルオロエタン若しくは1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパンなどの好適な噴射剤と組合せて、加圧容器、ポンプ、スプレー、電気流体力学を利用して細かい霧を発生させるアトマイザーなどのアトマイザー、又はネブライザーを使用する送達のためにエアゾール又は溶液の形態で提供することができる。本医薬組成物は、単独で、又は乳糖若しくはリン脂質などの不活性担体と組合せて吹送のための乾燥散剤として;並びに点鼻薬として提供することもできる。鼻腔内使用のためには、散剤は、キトサン又はシクロデキストリンを含む生体接着剤を含有することができる。
【0184】
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、又はネブライザーにおいて使用するための液剤又は懸濁剤は、エタノール、水性エタノール、又は本明細書に提供される有効成分を分散し、溶解し、又は放出を延長するのに適した代替作用物質;溶媒としての噴射剤;並びに/又はソルビタントリオレエート、オレイン酸、又はオリゴ乳酸などの界面活性剤を含むように製剤することができる。
【0185】
本明細書に提供される医薬組成物は、約50μm以下、又は約10μm以下など、吸入による送達に適したサイズにまで微細化することができる。そのようなサイズの粒子は、螺旋式ジェットミル、流動床式ジェットミル、ナノ粒子を形成するための超臨界流動法、高圧均質化、又は噴霧乾燥などの、当業者に公知の粉砕方法を用いて調製することができる。
【0186】
吸入器又は吹送器において使用するためのカプセル、ブリスター及びカートリッジは、本明細書に提供される医薬組成物の粉末混合物;乳糖又はデンプンなどの好適な粉末基剤;並びにL-ロイシン、マンニトール、又はステアリン酸マグネシウムなどの性能調節剤を含むように製剤することができる。乳糖は、無水物又は一水和物の形状であってよい。他の好適な賦形剤又は担体は、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、ショ糖、及びトレハロースを含むが、これらに限定されない。吸入/鼻腔内投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、メントール及びレボメントールなどの好適な香料;並びに/又はサッカリン若しくはサッカリンナトリウムなどの甘味料をさらに含有することができる。
【0187】
局所投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、即時放出、又は遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向放出、及びプログラムされた放出を含む改変された放出であるよう製剤することができる。
【0188】
(D. 改変された放出)
本明細書に提供される医薬組成物は、改変された放出剤形として製剤することができる。本明細書において使用される用語「改変された放出」とは、有効成分の放出の速度又は場所が、同じ経路で投与された場合に、即時型剤形のものとは異なる剤形をいう。改変された放出剤形は、遅延放出、拡大放出、延長放出、持続放出、パルス放出、制御放出、加速放出及び迅速放出、標的指向放出、及びプログラムされた放出、並びに胃内滞留剤形を含むが、これらに限定されない。改変された放出剤形である医薬組成物は、マトリックス制御放出装置、浸透圧制御放出装置、多粒子制御放出装置、イオン交換樹脂、腸溶性コーティング、多層コーティング、ミクロスフェア、リポソーム、及びそれらの組合せを含むが、これらに限定されない当業者に公知の様々な改変された放出の装置及び方法を用いて調製することができる。有効成分の放出速度は、有効成分の粒子サイズ及び多形性を変えても改変することもできる。
【0189】
改変された放出の例は、米国特許第3,845,770号;同第3,916,899号;同第3,536,809号;同第3,598,123号;同第4,008,719号;同第5,674,533号;同第5,059,595号;同第5,591,767号;同第5,120,548号;同第5,073,543号;同第5,639,476号;同第5,354,556号;同第5,639,480号;同第5,733,566号;同第5,739,108号;同第5,891,474号;同第5,922,356号;同第5,972,891号;同第5,980,945号;同第5,993,855号;同第6,045,830号;同第6,087,324号;同第6,113,943号;同第6,197,350号;同第6,248,363号;同第6,264,970号;同第6,267,981号;同第6,376,461号;同第6,419,961号;同第6,589,548号;同第6,613,358号;及び同第6,699,500号に説明されたものを含むが、これらに限定されない:
【0190】
(1. マトリックス制御放出装置)
改変された放出剤形で本明細書に提供される医薬組成物は、当業者に公知のマトリックス制御放出装置を用いて製造することができる(Takadaらの文献、「制御された薬物送達のエンサイクロペディア(Encyclopedia of Controlled Drug Delivery)」、第2巻、Mathiowitz編集、Wiley社、1999年を参照されたい)。
【0191】
いくつかの実施態様において、改変された放出剤形で本明細書に提供される医薬組成物は、非限定的に、合成ポリマー、並びに多糖及びタンパク質などの天然ポリマー及び誘導体を含む、水膨潤性、易侵食性、又は可溶性ポリマーである、易侵食性マトリックス装置を用いて製剤される。
【0192】
易侵食性マトリックスの形成において有用な材料は、キチン、キトサン、デキストラン、及びプルラン;アガーガム、アラビアゴム、カラヤガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、カラゲナン、ガッティガム、グアーガム、キサンタンガム、及びスクレログルカン;デキストリン及びマルトデキストリンなどのデンプン;ペクチンなどの親水コロイド;レシチンなどのホスファチド;アルギン酸塩;アルギン酸プロピレングリコールエステル;ゼラチン;コラーゲン;エチルセルロース(EC)、メチルエチルセルロース(MEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMEC、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、酢酸セルロース(CA)、プロピオン酸セルロース(CP)、酪酸セルロース(CB)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、CAP、CAT、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、HPMCP、HPMCAS、酢酸トリメリト酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAT)、及びエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)などのセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール;ポリ酢酸ビニル;グリセロール脂肪酸エステル;ポリアクリルアミド;ポリアクリル酸;エタクリル酸又はメタクリル酸のコポリマー(EUDRAGIT(登録商標)、Rohm America社、ピスカタウェイ、NJ);ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート);ポリラクチド;L-グルタミン酸とL-グルタミン酸エチルのコポリマー;分解性乳酸-グリコール酸コポリマー;ポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸;並びにメタクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸(2-ジメチルアミノエチル)、及びメタクリル酸(トリメチルアミノエチル)クロリドのホモポリマー及びコポリマーなどのその他のアクリル酸誘導体を含むが、これらに限定されない。
【0193】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、非侵食性マトリックス装置により製剤される。有効成分は、不活性マトリックス中に溶解又は分散され、且つ投与されると不活性マトリックスを通じた拡散により主に放出される。非侵食性マトリックス装置としての使用に適した材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル酸メチル-メタクリル酸メチルコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、酢酸ビニルとの塩化ビニルコポリマー、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、エチレン/ビニルオキシエタノールコポリマー、ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、及び炭酸シリコーン(silicone carbonate)コポリマーなどの不溶性プラスチック;エチルセルロース、酢酸セルロース、クロスポビドン、及び架橋され部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニルなどの親水性ポリマー;並びにカルナバワックス、微晶質ワックス、及びトリグリセリドなどの脂肪化合物を含むが、これらに限定されない。
【0194】
マトリックス制御放出システムにおいて、望ましい放出速度論は、例えば、使用されるポリマーの種類、ポリマーの粘度、ポリマー及び/又は有効成分の粒子サイズ、有効成分対ポリマーの比、並びに組成物内の他の賦形剤又は担体により制御することができる。
【0195】
改変された放出剤形において本明細書に提供される医薬組成物は、直接圧縮、乾式又は湿式造粒とそれに続く圧縮、及び溶融造粒とそれに続く圧縮を含む、当業者に公知の方法により調製することができる。
【0196】
(2. 浸透圧制御放出装置)
改変された放出剤形において本明細書に提供される医薬組成物は、1-チャンバーシステム、2-チャンバーシステム、非対称メンブレン技術(AMT)、及び押出コアシステム(ECS)を含むがこれらに限定されない浸透圧制御放出装置を使用して製造することができる。概して、そのような装置は、少なくとも2つの構成要素を有する:(a)有効成分を含むコア;及び、(b)該コアを封入している少なくとも1つの送達ポートを有する半透膜。半透膜は、送達ポートを通る押出により薬物放出を引き起こすように、使用する水性環境からコアへの水の流入を制御する。
【0197】
浸透圧装置のコアは、有効成分に加えて、使用環境から装置のコアへの水の輸送の駆動力を作出する浸透物質を任意に含む。浸透物質の一つのクラスは、水膨潤性親水性ポリマーであり、これは「オスモポリマー」及び「ヒドロゲル」とも称される。浸透物質として適した水膨潤性親水性ポリマーは、親水性ビニル及びアクリル系ポリマー、アルギン酸カルシウムなどの多糖、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリ(メタクリル酸2-ヒドロキシエチル)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋したPVP、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA/PVPコポリマー、メタクリル酸メチル及び酢酸ビニルなどの疎水性モノマーとのPVA/PVPコポリマー、大型PEOブロックを含む親水性ポリウレタン、クロスカルメロースナトリウム、カラゲナン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びカルボキシエチルセルロース(CEC)、アルギン酸ナトリウム、ポリカルボフィル、ゼラチン、キサンタンガム、及びデンプングリコール酸ナトリウムを含むが、これらに限定されない。
【0198】
他の浸透物質のクラスはオスモゲンであり、これは取り囲んでいるコーティングの障壁を越えて浸透圧勾配に影響を及ぼすように水を吸水膨潤することが可能である。好適なオスモゲンは、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウム、及び硫酸ナトリウムなどの無機塩;デキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、乳糖、マルトース、マンニトール、ラフィノース、ソルビトール、ショ糖、トレハロース、及びキシリトールなどの糖類;アスコルビン酸、安息香酸、フマル酸、クエン酸、マレイン酸、セバシン酸、ソルビン酸、アジピン酸、エデト酸、グルタミン酸、p-トルエンスルホン酸、コハク酸、及び酒石酸などの有機酸;尿素;及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0199】
溶解速度が異なる浸透物質を使用し、有効成分がどれくらい迅速に剤形から最初に送達されるかに影響を及ぼすことができる。例えばMANNOGEM(商標)EZ(SPI Pharma社、ルイス、DE)などの非晶質糖を使用し、所望の治療作用を即座にもたらすために、最初の数時間の間により速い送達を提供し、所望のレベルの治療作用又は予防作用を長期間にわたって維持するために、残りの量を徐々に且つ連続的に放出することができる。この場合、有効成分は、代謝され排出される有効成分の量に取って代わるような速度で放出される。
【0200】
またコアは、剤形の性能を増強するため、又は安定性若しくは処理を促進するために、本明細書に記載の多種多様な他の賦形剤及び担体を含有することもできる。
【0201】
半透膜の形成に有用な材料は、生理的に妥当なpHで水透過性且つ水不溶性であるか、又は架橋などの化学的変化により水不溶性となり易い、様々な等級のアクリル酸、ビニル、エーテル、ポリアミド、ポリエステル、及びセルロース誘導体を含む。コーティングの形成に有用な好適なポリマーの例は、可塑化された、可塑化されない、及び強化された酢酸セルロース(CA)、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、硝酸セルロース、酢酸酪酸セルロース(CAB)、酢酸エチルカルバミン酸セルロース、CAP、酢酸メチルカルバミン酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸トリメリト酸セルロース(CAT)、酢酸ジメチルアミノ酢酸セルロース、酢酸エチル炭酸セルロース、酢酸クロロ酢酸セルロース、酢酸エチルシュウ酸セルロース、酢酸メチルスルホン酸セルロース、酢酸ブチルスルホン酸セルロース、酢酸p-トルエンスルホン酸セルロース、酢酸アガー、三酢酸アミロース、酢酸βグルカン、三酢酸βグルカン、ジメチル酢酸アセトアルデヒド、ローカストビーンガムの三酢酸エステル、水酸化エチレン-酢酸ビニル、EC、PEG、PPG、PEG/PPGコポリマー、PVP、HEC、HPC、CMC、CMEC、HPMC、HPMCP、HPMCAS、HPMCAT、ポリ(アクリル)酸及びエステル及びポリ(メタクリル)酸及びエステル並びにそれらのコポリマー、デンプン、デキストラン、デキストリン、キトサン、コラーゲン、ゼラチン、ポリアルケン、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリビニルハライド、ポリビニルエステル及びエーテル、天然ワックス及び合成ワックスを含む。
【0202】
半透膜はまた、米国特許第5,798,119号に開示されたような、細孔が気体により実質的に充填されており、且つ水性媒体により湿潤されていないが、水蒸気を透過可能である、疎水性微小多孔膜でもあることができる。そのような疎水性であるが水蒸気透過性膜は典型的には、ポリアルケン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸誘導体、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリビニルハライド、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルエステル及びエーテル、天然ワックス、及び合成ワックスなどの疎水性ポリマーで構成される。
【0203】
半透膜上の送達ポートは、機械又はレーザーによる孔開けによりコーティング後に形成することができる。送達ポートはまた、水溶性物質のプラグの浸食によるか又はコアの窪み上の膜の比較的薄い部分の破壊により、インサイチュで形成することができる。加えて、送達ポートは、米国特許第5,612,059号及び同第5,698,220号に開示された種類の非対称メンブレンコーティングの場合のように、コーティングプロセス時に形成することができる。
【0204】
放出される有効成分の総量及び放出速度は、半透膜の厚さ及び多孔度、コアの組成、並びに送達ポートの数、サイズ及び位置により、実質的に改変することができる。
【0205】
浸透圧制御された放出剤形の医薬組成物は、製剤の性能又は処理を促進するために、本明細書に記載のような追加の従来の賦形剤又は担体をさらに含有することができる。
【0206】
浸透圧制御された放出剤形は、当業者に公知の従来の方法及び技術に従い調製することができる(「レミントン:調剤の科学と実践(Remington: The Science and Practice of Pharmacy)」、前掲;Santus及びBakerの文献(J. Controlled Release, 1995, 35, 1-21);Vermaらの文献(Drug Development and Industrial Pharmacy, 2000, 26, 695-708);Vermaらの文献(J. Controlled Release, 2002, 79, 7-27)参照)。
【0207】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、有効成分及び他の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含有するコアを被覆する非対称浸透膜を備える、AMT制御された放出剤形として製剤される。米国特許第5,612,059号及び国際公開公報第2002/17918号を参照されたい。AMT制御された放出剤形は、直接圧縮、乾式造粒、湿式造粒、及び浸漬-コーティング法を含む、当業者に公知の従来の方法及び技術に従い調製することができる。
【0208】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、有効成分、ヒドロキシルエチルセルロース、及び他の医薬として許容し得る賦形剤又は担体を含有するコアを被覆する浸透膜を備える、ESC制御された放出剤形として製剤される。
【0209】
(3. 多粒子制御放出装置)
改変された放出剤形中の本明細書に提供される医薬組成物は、直径が約10μm~約3mm、約50μm~約2.5mm、又は約100μm~約1mmの範囲である、多数の粒子、顆粒、又はペレットを含有する、多粒子制御放出装置として作製することができる。そのような多粒子は、湿式-及び乾式-造粒、押出/球形化、ローラー圧縮、溶融-凝固、及びシードコアのスプレー-コーティングを含む、当業者に公知のプロセスにより製造することができる。例えば、「多粒子経口薬物送達(Multiparticulate Oral Drug Delivery);Marcel Dekker:1994年;及び、「医薬品ペレット化技術(Pharmaceutical Pelletization Technology)」;Marcel Dekker:1989年を参照されたい。
【0210】
本明細書に記載のような他の賦形剤又は担体は、多粒子の処理及び形成を補助するために、医薬組成物と配合することができる。得られる粒子は、それら自身多粒子装置を構成するか、又は腸溶性ポリマー、水膨潤性ポリマー、及び水溶性ポリマーなどの様々なフィルム形成材料により被覆することができる。多粒子は、カプセル剤又は錠剤としてさらに処理することができる。
【0211】
(4. 標的指向送達)
本明細書に提供される医薬組成物はまた、リポソーム系、再封入赤血球系、及び抗体系の送達システムを含む、治療される対象の体の特定の組織、受容体、又は他の領域を標的指向するように製剤することもできる。例としては、米国特許第6,316,652号;同第6,274,552号;同第6,271,359号;同第6,253,872号;同第6,139,865号;同第6,131,570号;同第6,120,751号;同第6,071,495号;同第6,060,082号;同第6,048,736号;同第6,039,975号;同第6,004,534号;同第5,985,307号;同第5,972,366号;同第5,900,252号;同第5,840,674号;同第5,759,542号;及び同第5,709,874号に開示されたものを含むが、これらに限定されない。
【0212】
(使用方法)
一実施態様において、対象の増殖性疾患、炎症性疾患、神経変性疾患、又は免疫介在性疾患、一実施態様において、多発性硬化症の1つ以上の症状を治療する方法であって、式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを該対象に投与することを含む方法が本明細書に提供される:
【化11】
(式中:
R
1は、水素又は重水素であり;
R
3及びR
5は、それぞれ独立に、(a)水素、重水素、シアノ、ハロ、若しくはニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル;又は(c)-C(O)R
1a、-C(O)OR
1a、-C(O)NR
1bR
1c、-C(O)SR
1a、-C(NR
1a)NR
1bR
1c、-C(S)R
1a、-C(S)OR
1a、-C(S)NR
1bR
1c、-OR
1a、-OC(O)R
1a、-OC(O)OR
1a、-OC(O)NR
1bR
1c、-OC(O)SR
1a、-OC(=NR
1a)NR
1bR
1c、-OC(S)R
1a、-OC(S)OR
1a、-OC(S)NR
1bR
1c、-OS(O)R
1a、-OS(O)
2R
1a、-OS(O)NR
1bR
1c、-OS(O)
2NR
1bR
1c、-NR
1bR
1c、-NR
1aC(O)R
1d、-NR
1aC(O)OR
1d、-NR
1aC(O)NR
1bR
1c、-NR
1aC(O)SR
1d、-NR
1aC(=NR
1d)NR
1bR
1c、-NR
1aC(S)R
1d、-NR
1aC(S)OR
1d、-NR
1aC(S)NR
1bR
1c、-NR
1aS(O)R
1d、-NR
1aS(O)
2R
1d、-NR
1aS(O)NR
1bR
1c、-NR
1aS(O)
2NR
1bR
1c、-SR
1a、-S(O)R
1a、-S(O)
2R
1a、-S(O)NR
1bR
1c、若しくは-S(O)
2NR
1bR
1cであり;
R
4は、(i)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル;又は(ii)-C(O)R
1a、-C(O)OR
1a、-C(O)NR
1bR
1c、-C(O)SR
1a、-C(NR
1a)NR
1bR
1c、-C(S)R
1a、-C(S)OR
1a、若しくは-C(S)NR
1bR
1cであり、
R
6は、C
1-10アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;且つ
各R
1a、R
1b、R
1c、及びR
1dは、独立に、水素、重水素、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;或いは、R
1aとR
1cは、それらが結合するC及びN原子と共にヘテロシクリルを形成するか;或いは、R
1bとR
1cは、それらが結合するN原子と共にヘテロシクリルを形成し;
ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Qにより任意に置換されており、ここで、各Qは、(a)重水素、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aによりさらに任意に置換されている);並びに(c)-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-C(O)SR
a、-C(NR
a)NR
bR
c、-C(S)R
a、-C(S)OR
a、-C(S)NR
bR
c、-OR
a、-OC(O)R
a、-OC(O)OR
a、-OC(O)NR
bR
c、-OC(O)SR
a、-OC(=NR
a)NR
bR
c、-OC(S)R
a、-OC(S)OR
a、-OC(S)NR
bR
c、-OS(O)R
a、-OS(O)
2R
a、-OS(O)NR
bR
c、-OS(O)
2NR
bR
c、-NR
bR
c、-NR
aC(O)R
d、-NR
aC(O)OR
d、-NR
aC(O)NR
bR
c、-NR
aC(O)SR
d、-NR
aC(=NR
d)NR
bR
c、-NR
aC(S)R
d、-NR
aC(S)OR
d、-NR
aC(S)NR
bR
c、-NR
aS(O)R
d、-NR
aS(O)
2R
d、-NR
aS(O)NR
bR
c、-NR
aS(O)
2NR
bR
c、-SR
a、-S(O)R
a、-S(O)
2R
a、-S(O)NR
bR
c、及び-S(O)
2NR
bR
cから独立に選択され、ここで、各R
a、R
b、R
c、及びR
dは、独立に、(i)水素又は重水素;(ii)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aにより任意に置換されている)であるか;或いは、(iii)R
bとR
cは、それらが結合するN原子と共に、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
aにより任意に置換されているヘテロシクリルを形成し;
ここで、各Q
aは、(a)重水素、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに(c)-C(O)R
e、-C(O)OR
e、-C(O)NR
fR
g、-C(O)SR
e、-C(NR
e)NR
fR
g、-C(S)R
e、-C(S)OR
e、-C(S)NR
fR
g、-OR
e、-OC(O)R
e、-OC(O)OR
e、-OC(O)NR
fR
g、-OC(O)SR
e、-OC(=NR
e)NR
fR
g、-OC(S)R
e、-OC(S)OR
e、-OC(S)NR
fR
g、-OS(O)R
e、-OS(O)
2R
e、-OS(O)NR
fR
g、-OS(O)
2NR
fR
g、-NR
fR
g、-NR
eC(O)R
h、-NR
eC(O)OR
f、-NR
eC(O)NR
fR
g、-NR
eC(O)SR
f、-NR
eC(=NR
h)NR
fR
g、-NR
eC(S)R
h、-NR
eC(S)OR
f、-NR
eC(S)NR
fR
g、-NR
eS(O)R
h、-NR
eS(O)
2R
h、-NR
eS(O)NR
fR
g、-NR
eS(O)
2NR
fR
g、-SR
e、-S(O)R
e、-S(O)
2R
e、-S(O)NR
fR
g、及び-S(O)
2NR
fR
gから独立に選択され;ここで、各R
e、R
f、R
g、及びR
hは、独立に、(i)水素又は重水素;(ii)C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-10シクロアルキル、C
6-14アリール、C
7-15アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;或いは、(iii)R
fとR
gは、それらが結合するN原子と共にヘテロシクリルを形成する)。
【0213】
別の実施態様において、対象の増殖性疾患、炎症性疾患、神経変性疾患、又は免疫介在性疾患、一実施態様において、多発性硬化症の1つ以上の症状を治療する方法であって、該対象に、
6-シクロヘキシル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンA1;
4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)ピリジン-2(1H)-チオンA2;
6-メチル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオンA3;及び
6-シクロヘキシル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオンA4;
並びにそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、及び同位体変種;並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及びプロドラッグから選択される化合物を投与することを含む方法が本明細書に提供される。
【0214】
さらに別の実施態様において、対象の増殖性疾患、炎症性疾患、神経変性疾患、又は免疫介在性疾患、一実施態様において、多発性硬化症の1つ以上の症状を治療する方法であって、該対象に、
6-シクロヘキシル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンA1;
4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)ピリジン-2(1H)-チオンA2;
6-メチル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオンA3;
6-シクロヘキシル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオンA4;
6-イソプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンA5;
4-イソプロピル-6-メチルピリジン-2(1H)-チオンA6;及び
6-シクロプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンA7;
並びにそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、及び同位体変種;並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及びプロドラッグから選択される化合物を投与することを含む方法が本明細書に提供される。
【0215】
一実施態様において、対象の増殖性疾患を治療する方法であって、該対象に、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものを治療有効量投与することを含む方法が本明細書に提供される。
【0216】
別の実施態様において、対象の炎症性疾患を治療する方法であって、該対象に、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものを治療有効量投与することを含む方法が本明細書に提供される。
【0217】
さらに別の実施態様において、対象の神経変性疾患を治療する方法であって、該対象に、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものを治療有効量投与することを含む方法が本明細書に提供される。
【0218】
さらに別の実施態様において、対象の免疫介在性疾患を治療する方法であって、該対象に、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものを治療有効量投与することを含む方法が本明細書に提供される。
【0219】
いくつかの実施態様において、この治療有効量は、約0.1~約100mg/kg/日、約0.1~約50mg/kg/日、約0.1~約40mg/kg/日、約0.1~約30mg/kg/日、約0.1~約25mg/kg/日、約0.1~約20mg/kg/日、約0.1~約15mg/kg/日、約0.1~約10mg/kg/日、又は約0.1~約5mg/kg/日の範囲である。一実施態様において、治療有効量は、約0.1~約100mg/kg/日の範囲である。別の実施態様において、治療有効量は、約0.1~約50mg/kg/日の範囲である。さらに別の実施態様において、治療有効量は、約0.1~約40mg/kg/日の範囲である。さらに別の実施態様において、治療有効量は、約0.1~約30mg/kg/日の範囲である。さらに別の実施態様において、治療有効量は、約0.1~約25mg/kg/日の範囲である。さらに別の実施態様において、治療有効量は、約0.1~約20mg/kg/日の範囲である。さらに別の実施態様において、治療有効量は、約0.1~約15mg/kg/日の範囲である。さらに別の実施態様において、治療有効量は、約0.1~約10mg/kg/日の範囲である。さらに別の実施態様において、治療有効量は、約0.1~約5mg/kg/日の範囲である。
【0220】
投与される投与量がmg/kg/日以外の単位でも表現できることは理解される。例えば、非経口投与のための投与量は、mg/m2/日として表現することができる。当業者は、対象の所与の身長又は体重のいずれか又は両方に対し投与量をmg/kg/日からmg/m2/日へ変換する方法を容易に知るであろう。例えば、ヒト65kgに対する投与量1mg/m2/日は、38mg/kg/日とほぼ等しい。
【0221】
いくつかの実施態様において、対象は哺乳動物である。いくつかの実施態様において、対象はヒトである。
【0222】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法により治療可能である疾病には、慢性活動性肝炎(CAH)、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、セリアック病、悪性貧血、及び炎症性腸疾患があるが、これらに限定されない。
【0223】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法により治療可能である疾病には、慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー(CIDP)、急性炎症性脱髄性多発神経炎(AIDP)、ランバート・イートン筋無力症候群(LEMS)、重症筋無力症、ミューロミオトニア(meuromyotonia)(アイザックス症候群)、スティッフマン症候群又はメルシュ-ヴォルトマン症候群、多発性硬化症(MS)、グラン・バレー(Gullain-Barre)症候群、伝導ブロックを伴う多巣性運動ニューロパチー(MMN)、単クローン性免疫グロブリン血症、偽腫瘍性神経疾患(PND)、オプソクローヌス(Oppsoclonus)・ミオクローヌス症候群(OMS)、脳脊髄炎、及び自己免疫性網膜症(AR)(リカバリン関連網膜症(RAR))があるが、これらに限定されない。
【0224】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法により治療可能である疾病には、全身性壊死性血管炎(vascolitides)、結節性多発動脈炎(PAN)、リウマチ性多発筋痛症、チャーグ・ストラウス症候群(CSS)、アレルギー性肉芽腫症血管炎、過敏性血管炎、ウェゲナー肉芽腫症、側頭動脈炎、巨細胞性動脈炎(GCV)、高安動脈炎(TAK)、川崎病(KD)、中枢神経系の限局性血管炎、CNS血管炎、閉塞性血栓性血管炎、バージャー病、サルコイドーシス、移植片対宿主病(GVHD)、寒冷グロブリン血症、及び寒冷症があるが、これらに限定されない。
【0225】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法により治療可能である疾病には、メニエール病、レイノー現象、抗リン脂質症候群(APS)、自己免疫性リンパ増殖症候群(ALPS)、自己免疫性内耳疾患(AIED)、及びコーガン症候群があるが、これらに限定されない。
【0226】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法により治療可能である疾病には、円形脱毛症、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、脳性麻痺、皮膚筋炎、糖尿病(1型)、特定の若年性特発性関節炎、糸球体腎炎、グレーブス病、ギラン・バレー(Guilain-Barre)症候群、特発性血小板減少性紫斑病、重症筋無力症、特定の心筋炎、多発性硬化症、天疱瘡/類天疱瘡、悪性貧血、結節性多発動脈炎、多発筋炎、原発性胆汁性肝硬変、乾癬性関節炎、乾癬、関節リウマチ、強皮症(schleroderma)/全身性強皮症、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、特定の甲状腺炎、特定のぶどう膜炎、白斑、及び多発血管炎性肉芽腫症(ウェゲナー)があるが、これらに限定されない。
【0227】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法により治療可能である疾病には、代謝性コバラミン欠乏の結果としての脊髄変性、脱髄疾患、炎症性脱髄疾患、非炎症性脱髄疾患、脳への虚血傷害、脳卒中、又は震盪性損傷(concussive injury)があるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、非炎症性脱髄疾患は多発性硬化症である。いくつかの実施態様において、非炎症性脱髄疾患は、再発寛解型MS(RR-MS)、一次性進行型MS(PP-MS)、進行再発型MS(PR-MS)、又は二次性進行型MS(SP-MS)である。
【0228】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法により治療可能である疾患は増殖性疾患である。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法により治療可能である疾患は炎症性疾患である。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法により治療可能である疾患は神経変性疾患である。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法により治療可能である疾患は免疫介在性疾患である。
【0229】
いくつかの実施態様において、免疫介在性疾患は、自己免疫疾患、組織移植片拒絶、移植片対宿主病、創傷治癒、腎臓病、多発性硬化症、甲状腺炎、1型糖尿病、サルコイドーシス、アレルギー性鼻炎、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎(UC)を含む)、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節炎、変形性関節症、関節リウマチ、骨粗鬆症、喘息、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)を含むがこれらに限定されない、免疫機能不全、免疫不全、又は免疫調節に関連する炎症性の疾患又は障害である。
【0230】
いくつかの実施態様において、免疫介在性疾患は自己免疫疾患である。いくつかの実施態様において、自己免疫はB細胞介在性自己免疫疾患である。いくつかの実施態様において、 自己免疫疾患は抗体介在性自己免疫疾患である。いくつかの実施態様において、自己免疫疾患はT細胞介在性自己免疫疾患である。
【0231】
いくつかの実施態様において、自己免疫疾患は、円形脱毛症、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、皮膚筋炎、糖尿病(1型)、特定の若年性特発性関節炎、糸球体腎炎、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、特発性血小板減少性紫斑病、重症筋無力症、特定の心筋炎、多発性硬化症、天疱瘡/類天疱瘡、悪性貧血、結節性多発動脈炎、多発筋炎、原発性胆汁性肝硬変、乾癬性関節炎、乾癬、関節リウマチ、強皮症/全身性強皮症、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、特定の甲状腺炎、特定のぶどう膜炎、白斑、又は多発血管炎性肉芽腫症(ウェゲナー)である。
【0232】
いくつかの実施態様において、自己免疫疾患は多発性硬化症(MS)である。いくつかの実施態様において、自己免疫疾患は再発寛解型MS(RR-MS)である。いくつかの実施態様において、自己免疫疾患は一次性進行型MS(PP-MS)である。いくつかの実施態様において、自己免疫疾患は進行再発型MS(PR-MS)である。いくつかの実施態様において、自己免疫疾患は二次性進行型MS(SP-MS)である。
【0233】
いくつかの実施態様において、自己免疫疾患は、視神経脊髄炎(NMO)、NMO関連疾患(NMOSD)、又はデビック病である。
【0234】
いくつかの実施態様において、増殖性疾患は、Kit-媒介性癌腫、腺癌、扁平上皮癌、腺扁平上皮癌、奇形癌、頭頸部癌、脳腫瘍、頭蓋内癌腫、膠芽細胞腫(PDGFR-媒介性膠芽細胞腫を含む)、多形性膠芽腫(PDGFR-媒介性多形性膠芽腫を含む)、神経芽細胞腫、喉頭癌、多発性内分泌腺腫2A及び2B(MENS 2A及びMENS 2B)(RET-媒介性MENSを含む)、甲状腺癌(散発性及び家族性甲状腺髄様癌を含む)、甲状腺乳頭癌、副甲状腺癌(あらゆるRET-媒介性甲状腺癌を含む)、濾胞性甲状腺癌、未分化甲状腺癌、気管支カルチノイド、燕麦細胞癌、肺癌、小細胞肺癌(FLT3及び/又はKit-媒介性小細胞肺癌を含む)、胃癌(stomach/gastric cancer)、消化管癌、消化管間質腫瘍(GIST)(Kit-媒介性GIST及びPDGFRα-媒介性GISTを含む)、結腸癌、結腸直腸癌、膵臓癌、島細胞癌、肝臓癌(hepatic/liver cancer)、肝臓への転移、膀胱癌、腎細胞癌(PDGFR-媒介性腎細胞癌を含む)、尿生殖器癌、卵巣癌(Kit-媒介性及び/又はPDGFR-媒介性卵巣癌を含む)、子宮内膜癌(CSF-1R-媒介性子宮内膜癌を含む)、子宮頸癌、乳癌(FLT3-媒介性及び/又はPDGFR-媒介性乳癌を含む)、前立腺癌(Kit-媒介性前立腺癌を含む)、胚細胞腫瘍(Kit-媒介性胚細胞腫瘍を含む)、精上皮腫(Kit-媒介性精上皮腫を含む)、未分化胚細胞腫(Kit-媒介性未分化胚細胞腫を含む)、メラノーマ(PDGFR-媒介性メラノーマを含む)、骨への転移(CSF-1R-媒介性骨転移を含む)、転移性腫瘍(VEGFR-媒介性腫瘍を含む)、間質性腫瘍、神経内分泌腫瘍、腫瘍血管新生(VEGFR-媒介性腫瘍血管新生を含む)、及び混合型中胚葉性腫瘍を含むがこれらに限定されない癌腫である。
【0235】
いくつかの実施態様において、増殖性疾患は、PDGFR-媒介性肉腫、骨肉腫、骨原性肉腫、骨癌、神経膠腫(PDGFR-媒介性及び/又はCSF-1R-媒介性神経膠腫を含む)、星状細胞腫、血管腫瘍(VEGFR-媒介性血管腫瘍を含む)、カポジ肉腫、癌肉腫、血管肉腫(VEGFR3-媒介性血管肉腫を含む)、及びリンパ管肉腫(VEGFR3-媒介性リンパ管肉腫を含む)を含むがこれらに限定されない肉腫である。
【0236】
いくつかの実施態様において、増殖性疾患は、血液悪性疾患である。いくつかの実施態様において、増殖性疾患は、再発した血液悪性疾患である。いくつかの実施態様において、増殖性疾患は、難治性血液悪性疾患である。いくつかの実施態様において、増殖性疾患は、薬物抵抗性血液悪性疾患である。いくつかの実施態様において、増殖性疾患は、多剤抵抗性血液悪性疾患である。いくつかの実施態様において、増殖性疾患は、Bcr-Ablキナーゼ阻害薬-抵抗性血液悪性疾患である。いくつかの実施態様において、増殖性疾患は、イマチニブ-抵抗性血液悪性疾患である。いくつかの実施態様において、増殖性疾患は、ダサチニブ-抵抗性血液悪性疾患である。いくつかの実施態様において、増殖性疾患は、ニラチニブ(nilatinib)-抵抗性血液悪性疾患である。いくつかの実施態様において、増殖性疾患は、ボスチニブ-抵抗性血液悪性疾患である。いくつかの実施態様において、増殖性疾患は、シタラビン-抵抗性血液悪性疾患である。
【0237】
いくつかの実施態様において、血液悪性疾患は、骨髄腫、白血病、骨髄増殖性疾患、急性骨髄性白血病(AML)(FLT3媒介性及び/又はKIT-媒介性及び/又はCSF1R-媒介性急性骨髄性白血病を含む)、慢性骨髄性白血病(CML)(FLT3-媒介性及び/又はPDGFR-媒介性慢性骨髄性白血病を含む)、骨髄異形成白血病(FLT3-媒介性骨髄異形成白血病を含む)、骨髄異形成症候群(FLT3媒介性及び/又はKit-媒介性骨髄異形成症候群を含む)、特発性好酸球増加症候群(HES)(PDGFR-媒介性HESを含む)、慢性好酸球性白血病(CEL)(PDGFR-媒介性CELを含む)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、マスト細胞白血病(Kit-媒介性マスト細胞白血病を含む)、又は全身性マスト細胞症(Kit-媒介性全身性マスト細胞症を含む)である。
【0238】
いくつかの実施態様において、血液悪性疾患は、リンパ腫、リンパ増殖性疾患、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、B細胞急性リンパ芽球性白血病、T細胞急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)、ナチュラルキラー(NK)細胞白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、又はナチュラルキラー(NK)細胞リンパ腫である。
【0239】
いくつかの実施態様において、血液悪性疾患は、ランゲルハンス細胞組織球増加症(CSF-1R-媒介性及び/又はFLT3-媒介性ランゲルハンス細胞組織球増加症を含む)、マスト細胞腫瘍、又はマスト細胞症である。
【0240】
いくつかの実施態様において、血液悪性疾患は、白血病である。いくつかの実施態様において、血液悪性疾患は、再発した白血病である。いくつかの実施態様において、血液悪性疾患は、難治性白血病である。いくつかの実施態様において、血液悪性疾患は、薬物抵抗性白血病である。いくつかの実施態様において、血液悪性疾患は、多剤抵抗性白血病である。いくつかの実施態様において、血液悪性疾患は、Bcr-Ablキナーゼ阻害薬抵抗性白血病である。いくつかの実施態様において、血液悪性疾患は、イマチニブ-抵抗性白血病である。いくつかの実施態様において、血液悪性疾患は、ダサチニブ-抵抗性白血病である。いくつかの実施態様において、血液悪性疾患は、ニラチニブ-抵抗性白血病である。いくつかの実施態様において、血液悪性疾患は、ボスチニブ-抵抗性白血病である。いくつかの実施態様において、血液悪性疾患は、シタラビン-抵抗性白血病である。
【0241】
いくつかの実施態様において、白血病は急性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病は再発した急性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病は難治性急性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病は薬物抵抗性急性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病は多剤抵抗性急性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病はBcr-Ablキナーゼ阻害薬抵抗性急性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病はイマチニブ-抵抗性急性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病はダサチニブ-抵抗性急性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病はニラチニブ-抵抗性急性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病はボスチニブ-抵抗性急性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病はシタラビン-抵抗性急性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病は遺伝性白血病である。いくつかの実施態様において、遺伝性白血病は重症先天性好中球減少症(SCN)である。いくつかの実施態様において、遺伝性白血病は急性骨髄性白血病を随伴する家族性血小板異常症(FDP/AML)である。いくつかの実施態様において、白血病はLEF1により引き起こされる。いくつかの実施態様において、白血病はLEF1により媒介される。いくつかの実施態様において、白血病はGSK3により引き起こされる。
【0242】
いくつかの実施態様において、白血病はALLである。いくつかの実施態様において、白血病は再発したALLである。いくつかの実施態様において、白血病は難治性ALLである。いくつかの実施態様において、白血病は薬物抵抗性ALLである。いくつかの実施態様において、白血病は多剤抵抗性ALLである。いくつかの実施態様において、白血病はBcr-Ablキナーゼ阻害薬抵抗性ALLである。いくつかの実施態様において、白血病はイマチニブ-抵抗性ALLである。いくつかの実施態様において、白血病はダサチニブ-抵抗性ALLである。いくつかの実施態様において、白血病はニラチニブ-抵抗性ALLである。いくつかの実施態様において、白血病はボスチニブ-抵抗性ALLである。いくつかの実施態様において、白血病はシタラビン-抵抗性ALLである。
【0243】
一実施態様において、ALLは、骨髄(B細胞)、胸腺(T細胞)、又はリンパ節の芽細胞に起因する白血病である。ALLは、仏国-米国-英国(FAB)形態学的分類スキームに従い、L1-成熟型で出現するリンパ芽球(T細胞又は前駆B細胞)、L2-未熟及び多形性(様々な形状の)リンパ芽球(T細胞又は前駆B細胞)、並びにL3-リンパ芽球(B細胞;バーキット細胞)に分類される。別の実施態様において、ALLは、骨髄(B細胞)の芽細胞に起源を有する。さらに別の実施態様において、ALLは、胸腺(T細胞)に起源を有する。さらに別の実施態様において、ALLは、リンパ節に起源を有する。さらに別の実施態様において、ALLは、成熟型で出現するリンパ芽球(T細胞又は前駆B細胞)により特徴付けられるL1型である。さらに別の実施態様において、ALLは、未熟及び多形性(様々な形状の)リンパ芽球(T細胞又は前駆B細胞)により特徴付けられるL2型である。さらに別の実施態様において、ALLは、リンパ芽球(B細胞;バーキット細胞)により特徴付けられるL3型である。
【0244】
いくつかの実施態様において、白血病はAMLである。いくつかの実施態様において、白血病は再発したAMLである。いくつかの実施態様において、白血病は難治性AMLである。いくつかの実施態様において、白血病は薬物抵抗性AMLである。いくつかの実施態様において、白血病は多剤抵抗性AMLである。いくつかの実施態様において、白血病はBcr-Ablキナーゼ阻害薬抵抗性AMLである。いくつかの実施態様において、白血病はイマチニブ-抵抗性AMLである。いくつかの実施態様において、白血病はダサチニブ-抵抗性AMLである。いくつかの実施態様において、白血病はニラチニブ-抵抗性AMLである。いくつかの実施態様において、白血病はボスチニブ-抵抗性AMLである。いくつかの実施態様において、白血病はシタラビン-抵抗性AMLである。いくつかの実施態様において、AMLは、RAS変異を有する。いくつかの実施態様において、RAS変異は、NRAS、KRAS、又はHRASである。いくつかの実施態様において、RAS変異は、NRASである。いくつかの実施態様において、RAS変異は、KRASである。いくつかの実施態様において、RAS変異は、HRASである。
【0245】
いくつかの実施態様において、AMLは、未分化型AML(M0)、骨髄芽球性白血病(M1)、骨髄芽球性白血病(M2)、前骨髄球性白血病(M3又はM3変種[M3V])、骨髄単球性白血病(M4又は好酸球増加症を伴うM4変種[M4E])、単球性白血病(M5)、赤白血病(M6)、又は巨核芽球性白血病(M7)である。一実施態様において、AMLは、未分化型AML(M0)である。別の実施態様において、AMLは、骨髄芽球性白血病(M1)である。さらに別の実施態様において、AMLは、骨髄芽球性白血病(M2)である。さらに別の実施態様において、AMLは、前骨髄球性白血病(M3又はM3変種[M3V])である。さらに別の実施態様において、AMLは、骨髄単球性白血病(M4又は好酸球増加症を伴うM4変種[M4E])である。さらに別の実施態様において、AMLは、単球性白血病(M5)である。さらに別の実施態様において、AMLは、赤白血病(M6)である。また別の実施態様において、AMLは、巨核芽球性白血病(M7)である。
【0246】
いくつかの実施態様において、白血病は慢性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病は再発した慢性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病は難治性慢性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病は薬物抵抗性慢性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病は多剤抵抗性慢性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病はBcr-Ablキナーゼ阻害薬抵抗性慢性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病はイマチニブ-抵抗性慢性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病はダサチニブ-抵抗性慢性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病はニラチニブ-抵抗性慢性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病はボスチニブ-抵抗性慢性白血病である。いくつかの実施態様において、白血病はシタラビン-抵抗性慢性白血病である。
【0247】
いくつかの実施態様において、白血病はCLLである。いくつかの実施態様において、白血病は再発したCLLである。いくつかの実施態様において、白血病は難治性CLLである。いくつかの実施態様において、白血病は薬物抵抗性CLLである。いくつかの実施態様において、白血病は多剤抵抗性CLLである。いくつかの実施態様において、白血病はBcr-Ablキナーゼ阻害薬抵抗性CLLである。いくつかの実施態様において、白血病はイマチニブ-抵抗性CLLである。いくつかの実施態様において、白血病はダサチニブ-抵抗性CLLである。いくつかの実施態様において、白血病はニラチニブ-抵抗性CLLである。いくつかの実施態様において、白血病はボスチニブ-抵抗性CLLである。いくつかの実施態様において、白血病はシタラビン-抵抗性CLLである。
【0248】
いくつかの実施態様において、白血病はCMLである。いくつかの実施態様において、白血病は再発したCMLである。いくつかの実施態様において、白血病は難治性CMLである。いくつかの実施態様において、白血病は薬物抵抗性CMLである。いくつかの実施態様において、白血病は多剤抵抗性CMLである。いくつかの実施態様において、白血病はBcr-Ablキナーゼ阻害薬抵抗性CMLである。いくつかの実施態様において、白血病はイマチニブ-抵抗性CMLである。いくつかの実施態様において、白血病はダサチニブ-抵抗性CMLである。いくつかの実施態様において、白血病はニラチニブ-抵抗性CMLである。いくつかの実施態様において、白血病はボスチニブ-抵抗性CMLである。いくつかの実施態様において、白血病はシタラビン-抵抗性CMLである。いくつかの実施態様において、白血病は若年性CMLである。いくつかの実施態様において、白血病は、1つ以上のNF-1変異を伴う若年性CMLである。
【0249】
いくつかの実施態様において、白血病はT細胞白血病である。一実施態様において、T細胞白血病は、末梢T細胞白血病、T細胞リンパ芽球性白血病、皮膚T細胞白血病、及び成人T細胞白血病である。別の実施態様において、T細胞白血病は末梢T細胞白血病である。さらに別の実施態様において、T細胞白血病はT細胞リンパ芽球性白血病である。さらに別の実施態様において、T細胞白血病は皮膚T細胞白血病である。また別の実施態様において、T細胞白血病は成人T細胞白血病である。
【0250】
いくつかの実施態様において、白血病は、フィラデルフィア陽性である。一実施態様において、フィラデルフィア陽性白血病は、未分化型AML(M0)、骨髄芽球性白血病(M1)、骨髄芽球性白血病(M2)、前骨髄球性白血病(M3又はM3変種[M3V])、骨髄単球性白血病(M4又は好酸球増加症を伴うM4変種[M4E])、単球性白血病(M5)、赤白血病(M6)、又は巨核芽球性白血病(M7)を含むがこれらに限定されないフィラデルフィア陽性AMLである。別の実施態様において、フィラデルフィア陽性白血病は、フィラデルフィア陽性ALLである。
【0251】
いくつかの実施態様において、増殖性疾患は、頭頸部癌(口唇、口腔、口腔咽頭部、下咽頭、喉頭、鼻咽頭、鼻腔、副鼻腔、又は唾液腺を起源とする)、肺癌(小細胞肺癌及び非小細胞肺癌を含む)、消化管癌(食道癌を含む)、胃癌、結腸直腸癌、肛門癌、膵臓癌、肝臓癌、胆嚢癌、肝外胆管癌、ファーター膨大部癌、乳癌、婦人科癌(子宮頸癌を含む)、子宮体癌、膣癌、外陰癌、卵巣癌、妊娠性絨毛性癌性新生物形成、睾丸癌、尿路癌(腎臓癌を含む)、膀胱癌、前立腺癌、陰茎癌、尿道癌、神経性腫瘍、内分泌腺新生物(カルチノイド及び島細胞腫を含む)、クロム親和細胞腫、副腎皮質癌、副甲状腺癌及び内分泌腺への転移を含むがこれらに限定されない癌である。
【0252】
癌の更なる例は、基底細胞癌、扁平上皮癌、軟骨肉腫(軟骨細胞から生じる癌)、間葉性軟骨肉腫、軟部組織肉腫(中胚葉組織(筋肉、腱、血液又はリンパ液を運搬する管、関節及び脂肪)のいずれかから生じ得る悪性腫瘍を含む)、軟部組織肉腫(肺胞軟部肉腫を含む)、血管肉腫、線維肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、悪性線維性組織球腫、血管周囲細胞腫、間葉腫、神経鞘腫、末梢性神経外胚葉性腫瘍、横紋筋肉腫、滑膜肉腫、妊娠性絨毛腫瘍(受胎後子宮で形成された組織が癌性となる悪性腫瘍)、ホジキンリンパ腫、及び喉頭癌である。
【0253】
いくつかの実施態様において、増殖性疾患は、アテローム性動脈硬化症(PDGFR-媒介性アテローム性動脈硬化症を含む)、血管形成術後の再狭窄(PDGFR-媒介性再狭窄を含む)、及び線維増殖性障害(閉塞性細気管支炎及び特発性骨髄線維症を含む)を含むがこれらに限定されない非悪性増殖疾患である。
【0254】
いくつかの実施態様において、増殖性疾患は、自己免疫疾患、組織移植拒絶反応、移植片対宿主疾患、創傷治癒、腎疾患、多発性硬化症、甲状腺炎、1型糖尿病、サルコイドーシス、アレルギー性鼻炎、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎(UC)を含む)、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節炎、変形性関節炎、関節リウマチ、骨粗鬆症、喘息、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)を含むがこれらに限定されない免疫機能障害、免疫不全、若しくは免疫変調に関連した炎症疾患又は障害である。
【0255】
いくつかの実施態様において、増殖性疾患は感染症である。いくつかの実施態様において、感染症は真菌感染症である。いくつかの実施態様において、感染症は表在性真菌症(例えば癜風)である。いくつかの実施態様において、感染症は皮膚真菌症(例えば表皮症)である。いくつかの実施態様において、感染症は皮下真菌症である。いくつかの実施態様において、感染症は全身の真菌症である。
【0256】
いくつかの実施態様において、増殖性疾患は、白血病、成人T細胞白血病、前骨髄球性白血病、前駆B細胞白血病、リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、乳癌、膵臓癌、前立腺癌、頭頸部癌、卵巣癌、メラノーマ、神経膠腫、肝臓癌、腎臓癌、結腸直腸癌、横紋筋肉腫、舌癌、胃癌、多発性骨髄腫、膀胱癌、甲状腺癌、類表皮癌、肺癌、NSC肺癌、及び大細胞肺癌である。
【0257】
いくつかの実施態様において、増殖性疾患は、成人T細胞白血病、前骨髄球性白血病、前駆B細胞白血病、リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、膵臓癌、前立腺癌、頭頸部癌、卵巣癌、メラノーマ、神経膠腫、肝臓癌、腎臓癌、結腸直腸癌、横紋筋肉腫、舌癌、胃癌、多発性骨髄腫、膀胱癌、甲状腺癌、類表皮癌、NSC肺癌、及び大細胞肺癌である。
【0258】
いくつかの実施態様において、増殖性疾患は、白血病、成人T細胞白血病、前骨髄球性白血病、前駆B細胞白血病、リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、乳癌、頭頸部癌、卵巣癌、結腸直腸癌、舌癌、多発性骨髄腫、又は大細胞肺癌である。
【0259】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法の一つにより治療すべき対象は、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むもの;の投与前に、治療されるべき増殖性疾患に関して抗癌療法により治療されていない。
【0260】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法の一つにより治療すべき対象は、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むもの;の投与前に、治療されるべき増殖性疾患に関して抗癌療法により治療されている。
【0261】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法の一つにより治療すべき対象は、抗癌療法に対する薬物抵抗性を発生している。
【0262】
いくつかの実施態様において、問題の疾患又は状態の治療を試みて手術を受けた対象に加え、手術を受けなかった対象を治療する方法が、さらに本明細書において提供される。癌を有する対象は、均一でない臨床症状発現及び様々な臨床転帰を有するので、特定の対象に施される治療は、その対象の予後に応じて変動し得る。熟練した臨床医は、過度な実験を行うことなく、癌を有する個々の対象を治療するために効果的に使用することができる具体的な二次的薬剤、手術の種類、及び薬物をベースにしない標準療法の種類を、容易に決定することができるであろう。
【0263】
いくつかの疾病又は疾患は特定の年齢群においてより多く見られるが、本明細書に提供される方法は患者の年齢にかかわらず対象を治療することを包含する。
【0264】
治療される疾患及び対象の状態に応じて、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものは、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、嚢内の注射又は注入、皮下注射、又は埋め込み)、吸入、経鼻、経膣、経直腸、舌下、又は局所(例えば、経真皮若しくは局部)の投与経路により投与することができる。本明細書に提供される化合物、例えば、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグは、各投与経路に好適に、単独で、又は医薬として許容し得る賦形剤、担体、補助剤及び媒体と一緒に好適な用量単位で製剤することができる。
【0265】
一実施態様において、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものは経口投与される。別の実施態様において、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものは非経口投与される。さらに別の実施態様において、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものは静脈内投与される。さらに別の実施態様において、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものは筋肉内投与される。さらに別の実施態様において、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものは皮下投与される。さらに別の実施態様において、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものは局所投与される。
【0266】
本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものは、例えば、単回ボーラス注射、又は経口錠剤若しくは丸剤などの単回投与量として;或いは、例えば、時間をかけた連続注入又は時間をかけた分割ボーラス投与量など、時間をかけて送達することができる。本明細書に提供される化合物は、例えば、患者が安定疾患若しくは退縮を経験するまで、又は患者が疾患進行若しくは許容し難い毒性を経験するまで、必要ならば反復して投与することができる。安定疾患又はそれの欠如は、患者症状の評価、身体診察、X線、CAT、PET、又はMRI走査を使用し画像化された腫瘍の可視化、及びその他の通常許容される評価モダリティなどの当該技術分野において公知の方法により決定される。
【0267】
本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものは、1日1回(QD)、又は1日2回(BID)及び1日3回(TID)などの反復1日量に分割して投与することができる。加えて、投与は、連続して、すなわち毎日、又は間欠的であることができる。本明細書において使用される用語「間欠」又は「間欠的に」とは、規則的間隔又は不規則的間隔のいずれかでの停止及び開始を意味することを意図している。例えば、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものの間欠投与は、1週につき1~6日間の投与、サイクル投与(例えば、連続2~8週間毎日投与し、その後最大1週間は投与しない休薬期間)、又は隔日投与である。
【0268】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものは、患者へサイクル投与される。サイクル療法は、ある期間の活性物質の投与、それに続くある期間の休薬、及びこの逐次投与の繰り返しを含む。サイクル療法は、1つ以上の療法に対する抵抗性の発生を減少し、その療法のひとつの副作用を回避若しくは軽減し、且つ/又はその治療の有効性を向上することができる。
【0269】
一実施態様において、細胞中のミエリン塩基性タンパクの産生を誘導する方法であって、該細胞を、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものと接触させることを含む方法が本明細書に提供される。
【0270】
別の実施態様において、細胞中の炎症性サイトカインを阻害する方法であって、該細胞を、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものと接触させることを含む方法が本明細書に提供される。
【0271】
さらに別の実施態様において、対象に神経保護を与える方法であって、該対象に、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものを投与することを方法が本明細書に提供される。
【0272】
本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものは、本明細書に説明される疾患の治療及び/又は予防に有用な他の治療剤と合わせても、組合せて使用することもできる。いくつかの実施態様において、該他の治療剤は、リンパ球遊出を予防するものである。いくつかの実施態様において、該他の治療剤は、メチル化を増強するものである。
【0273】
本明細書において使用される用語「組合せ」とは、2つ以上の療法(例えば、1つ以上の予防剤及び/又は治療剤)の使用を含む。しかし、用語「組合せ」の使用は、療法(例えば予防剤及び/又は治療剤)が、疾患又は障害を持つ対象に投与される順番を制限しない。第一の療法(例えば、本明細書に提供される化合物などの予防剤又は治療剤)は、第二の療法(例えば予防剤又は治療剤)の対象への投与の前に(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間前に)、投与と同時に、又は投与に続けて(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間後に)投与することができる。三重療法も、本明細書において企図される。
【0274】
本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、若しくはジアステレオマーの混合物;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグを含むものの投与経路は、第二の療法の投与の経路とは無関係である。一実施態様において、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、若しくはジアステレオマーの混合物;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグを含むものは、経口的に投与される。別の実施態様において、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、若しくはジアステレオマーの混合物;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグを含むものは、静脈内に投与される。従ってこれらの実施態様に従い、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、若しくはジアステレオマーの混合物;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグを含むものは、経口又は静脈内投与され、且つ第二の療法は、経口、非経口、腹腔内、静脈内、動脈内、経真皮、舌下、筋肉内、経直腸、経口腔、鼻腔内、リポソームにより、吸入により、経膣、眼内、カテーテル又はステントによる局部送達により、皮下、脂肪内、関節内、髄腔内によるか、又は緩徐放出剤形で投与することができる。一実施態様において、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、若しくはジアステレオマーの混合物;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグを含むもの、並びに第二の療法は、経口又はIVにより、同じ投与様式により投与される。別の実施態様において、本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、若しくはジアステレオマーの混合物;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグを含むものは、1つの投与様式により、例えばIVにより投与されるのに対し、第二の薬剤(抗癌剤)は、別の投与様式により、例えば経口的に投与される。
【0275】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される各方法は、独立に、第二の治療剤を投与する工程をさらに含み得る。
【0276】
本明細書に提供される化合物は、当業者に周知の包装材料を用いて製品として提供することもできる。例えば米国特許第5,323,907号;同第5,052,558号;及び同第5,033,252号を参照されたい。医薬包装材料の例は、ブリスターパック、瓶、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、注射器、並びに選択された製剤及びに意図された投与と治療の様式に適している任意の包装材料を含むが、これらに限定されない。
【0277】
いくつかの実施態様においてまた、医療従事者により使用される場合に、対象への適量の有効成分の投与を簡便にすることができるキットも、本明細書に提供される。いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるキットは、容器、並びに本明細書に提供される化合物であって、それらの単一のエナンチオマー、若しくはジアステレオマーの混合物;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグを含むものの剤形を含む。
【0278】
いくつかの実施態様において、キットは、本明細書に記載の1種以上の他の治療剤を収容する容器内の、本明細書に提供される化合物であって、それらの単一のエナンチオマー、若しくはジアステレオマーの混合物;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグを含むものの剤形の入った容器を含む。
【0279】
本明細書に提供されるキットはさらに、有効成分の投与に使用される装置を含む。そのような装置の例には、注射器、無針注入器、ドリップバッグ、パッチ、及び吸入器を含むが、これらに限定されない。本明細書に提供されるキットは、有効成分の投与のためのコンドームも含むことができる。
【0280】
本明細書に提供されるキットはさらに、1種以上の有効成分の投与に使用することができる医薬として許容し得る媒体を含むことができる。例えば、有効成分を、非経口投与のために再構成されなければならない固体形態で提供する場合、キットは、非経口投与に適した粒子を含まない滅菌溶液が形成されるように、有効成分を溶解することができる適切な媒体の密閉容器を含むことができる。医薬として許容し得る媒体の例は、注射用水(米薬局方)、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロース及び塩化ナトリウム注射液、乳酸加リンゲル注射液などであるがこれらに限定されない水性媒体;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなどがあるがこれらに限定されない水混和性媒体;並びにトウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルなどがあるがこれらに限定されない非水性媒体を含むが、これらに限定されない。
【0281】
いくつかの実施態様において、細胞中の炎症性サイトカインの分泌を減少させる方法であって、該細胞を、有効量の本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものと接触させる工程を含む方法が本明細書に提供される。いくつかの実施態様において、該炎症性サイトカインは腫瘍壊死因子-アルファ(TNF-α)である。いくつかの実施態様において、該細胞はヒト細胞である。
【0282】
いくつかの実施態様において、炎症性サイトカインにより誘導されたアポトーシスに対してオリゴデンドロサイトを保護する方法であって、該オリゴデンドロサイトを、有効量の本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものと接触させる工程を含む方法が本明細書に提供される。いくつかの実施態様において、該炎症性サイトカインは腫瘍壊死因子-アルファ(TNF-α)である。いくつかの実施態様において、該オリゴデンドロサイトはヒトオリゴデンドロサイトである。
【0283】
いくつかの実施態様において、細胞中のミエリン塩基性タンパクの産生を誘導する方法であって、該細胞を、有効量の本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものと接触させる工程を含む方法が本明細書に提供される。いくつかの実施態様において、該細胞はヒト細胞である。
【0284】
いくつかの実施態様において、細胞の成長を阻害する方法であって、該細胞を、有効量の本明細書に提供される化合物、例えば式Iの化合物であり、そのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含むものと接触させる工程を含む方法が本明細書に提供される。
【0285】
いくつかの実施態様において、該細胞は腫瘍細胞である。いくつかの実施態様において、該細胞は哺乳類の腫瘍細胞である。いくつかの実施態様において、該細胞はヒト腫瘍細胞である。いくつかの実施態様において、該細胞は癌細胞である。いくつかの実施態様において、該細胞は哺乳類の癌細胞である。いくつかの実施態様において、該細胞はヒト癌細胞である。いくつかの実施態様において、該癌細胞は転移性の癌細胞である。いくつかの実施態様において、該癌細胞は転移性の微生物細胞である。いくつかの実施態様において、該癌細胞は転移性の細菌細胞である。いくつかの実施態様において、該癌細胞は転移性の真菌細胞である。
【0286】
いくつかの実施態様において、細胞は血液悪性疾患細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は再発した白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は難治性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は薬物抵抗性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は多剤抵抗性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はBcr-Ablキナーゼ阻害薬抵抗性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はイマチニブ-抵抗性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はダサチニブ-抵抗性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はニラチニブ-抵抗性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はボスチニブ-抵抗性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はシタラビン-抵抗性白血病細胞である。
【0287】
いくつかの実施態様において、細胞は白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は再発した白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は難治性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は薬物抵抗性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は多剤抵抗性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はBcr-Ablキナーゼ阻害薬抵抗性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はイマチニブ-抵抗性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はダサチニブ-抵抗性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はニラチニブ-抵抗性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はボスチニブ-抵抗性白血病幹細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はシタラビン-抵抗性白血病幹細胞である。
【0288】
いくつかの実施態様において、細胞は急性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は再発した急性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は難治性急性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は薬物抵抗性急性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は多剤抵抗性急性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はBcr-Ablキナーゼ阻害薬抵抗性急性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はイマチニブ-抵抗性急性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はダサチニブ-抵抗性急性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はニラチニブ-抵抗性急性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はボスチニブ-抵抗性急性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はシタラビン-抵抗性急性白血病細胞である。
【0289】
いくつかの実施態様において、細胞はALL細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は再発したALL細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は難治性ALL細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は薬物抵抗性ALL細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は多剤抵抗性ALL細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はBcr-Ablキナーゼ阻害薬抵抗性ALL細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はイマチニブ-抵抗性ALL細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はダサチニブ-抵抗性ALL細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はニラチニブ-抵抗性ALL細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はボスチニブ-抵抗性ALL細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はシタラビン-抵抗性ALL細胞である。
【0290】
いくつかの実施態様において、細胞はAML細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は再発したAML細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は難治性AML細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は薬物抵抗性AML細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は多剤抵抗性AML細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はBcr-Ablキナーゼ阻害薬抵抗性AML細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はイマチニブ-抵抗性AML細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はダサチニブ-抵抗性AML細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はニラチニブ-抵抗性AML細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はボスチニブ-抵抗性AML細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はシタラビン-抵抗性AML細胞である。
【0291】
いくつかの実施態様において、細胞は慢性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は再発した慢性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は難治性慢性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は薬物抵抗性慢性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は多剤抵抗性慢性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はBcr-Ablキナーゼ阻害薬抵抗性慢性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はイマチニブ-抵抗性慢性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はダサチニブ-抵抗性慢性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はニラチニブ-抵抗性慢性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はボスチニブ-抵抗性慢性白血病細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はシタラビン-抵抗性慢性白血病細胞である。
【0292】
いくつかの実施態様において、細胞はCLL細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は再発したCLL細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は難治性CLL細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は薬物抵抗性CLL細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は多剤抵抗性CLL細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はBcr-Ablキナーゼ阻害薬抵抗性CLL細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はイマチニブ-抵抗性CLL細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はダサチニブ-抵抗性CLL細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はニラチニブ-抵抗性CLL細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はボスチニブ-抵抗性CLL細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はシタラビン-抵抗性CLL細胞である。
【0293】
いくつかの実施態様において、細胞はCML細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は再発したCML細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は難治性CML細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は薬物抵抗性CML細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は多剤抵抗性CML細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はBcr-Ablキナーゼ阻害薬抵抗性CML細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はイマチニブ-抵抗性CML細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はダサチニブ-抵抗性CML細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はニラチニブ-抵抗性CML細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はボスチニブ-抵抗性CML細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はシタラビン-抵抗性CML細胞である。
【0294】
いくつかの実施態様において、細胞はフィラデルフィア陽性白血病細胞である。一実施態様において、細胞はフィラデルフィア陽性ALL細胞である。別の実施態様において、細胞はフィラデルフィア陽性AML細胞である。さらに別の実施態様において、細胞はフィラデルフィア陽性CLL細胞である。また別の実施態様において、細胞はフィラデルフィア陽性CML細胞である。
【0295】
細胞増殖の阻害は、関心対象の化合物と接触させた細胞数の計数、化合物と接触させていないそれ以外は同一の細胞との細胞増殖の比較、又はその細胞を含んでいる腫瘍のサイズの測定により評価することができる。細胞のサイズに加え、細胞の数は、当該技術分野において公知の任意の方法(例えば、トリパンブルーサイズ排除及び細胞計数、細胞内の発生期DNAへの3H-チミジン取込みの測定)を使用し、容易に評価することができる。
【0296】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される化合物の有効量は、約1pM~約1mM、約10pM~約10μM、約100pM~約2μM、又は約1nM~約1μMの範囲である。
【0297】
本開示は、以下の非限定的実施例によりさらに理解されるであろう。
【実施例】
【0298】
本明細書において使用される通り、これらのプロセス、スキーム及び実施例において使用される記号及び規約は、特定の略語が具体的に定義されるかどうかに関わらず、例えばthe Journal of the American Chemical Society、the Journal of Medicinal Chemistry、又はthe Journal of Biological Chemistryなどの現代の科学文献において使用されるものと一致している。具体的には、しかし非限定的に、下記の略語を、実施例において及び本明細書を通じて使用することができる:g(グラム);mg(ミリグラム);mL(ミリリットル);μL(マイクロリットル);mM(ミリモル);μM(マイクロモル);Hz(ヘルツ);MHz(メガヘルツ);mmol(ミリモル);hr又はhrs(時間);min(分);MS(質量分析);ESI(エレクトロスプレーイオン化);TLC(薄層クロマトグラフィー);HPLC(高速液体クロマトグラフィー);及びCDCl3(重水素化クロロホルム)。
【0299】
下記実施例の全てに関して、当業者に公知の標準の後処理及び精製の方法を利用することができる。別に指定しない限りは、全ての温度は℃(摂氏度)で表されている。全ての反応は、別に注記しない限りは、室温で実行される。本明細書に例示された合成方法は、具体的実施例の使用を通じて適用可能な化学を例示することを意図しているが、本開示の範囲を指示するものではない。
【0300】
(実施例C1)
(6-シクロヘキシル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンA1の調製)
【化12】
100mL丸底フラスコに、6-シクロヘキシル-4-メチル-1H-ピリジン-2-オン(0.330グラム、1.73mmol)及び2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3,2,4-ジチアジホスフェタン-2,4-ジスルフィド(ローソン試薬、1.00グラム、2.48mmol)を入れた。乾燥ベンゼン(20mL)を該フラスコに加え、該反応混合物を80℃で1日撹拌した。次いで、該混合物を室温に冷却し、真空下で濃縮した。該粗生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(4:1)を使用してシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、それに続いてヘキサンにより、次いでエーテルによりトリチュレートすると、化合物A1を与えた(0.183g、収率51%)。MS (M+1): 208;
【化13】
【0301】
(実施例C2)
(4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)ピリジン-2(1H)-チオンA2の調製)
【化14】
100mL丸底フラスコに、ピロクトンオラミン(1.00グラム、3.35mmol)及び2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3,2,4-ジチアジホスフェタン-2,4-ジスルフィド(ローソン試薬、1.76グラム、4.36mmol)を入れた。乾燥ベンゼン(30mL)を該フラスコに加え、該反応混合物を80℃で1日撹拌した。次いで、該混合物を室温に冷却し、真空下で濃縮した。該粗生成物をヘキサン/エーテル(1:1)によりトリチュレートし、次いで、ヘキサン/酢酸エチル(4:1)を使用してシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、化合物A2(0.165g、収率21%)を与えた。MS (M+1): 238。
【化15】
【0302】
(実施例C3)
(6-イソプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンA5の調製)
【化16】
6-イソプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンA5の合成はスキーム1に示されている。
スキーム1
【化17】
【0303】
ジエチルアミン(160mg、2.2mmol)の-78℃のテトラヒドロフラン(4mL)溶液に、n-ブチルリチウム(4.4mL、10.98mmol、ヘキサン中2.5M)を窒素下で加えた。該溶液を0℃で30分間撹拌した後、テトラヒドロフラン(4mL)中の3-メチルブタ-2-エン酸(500mg、4.99mmol)を-78℃で加えた。該混合物を0℃で30分間撹拌し、それに続いて-78℃のテトラヒドロフラン(4mL)中のイソブチロニトリル(344.3mg、4.99mmol)を加えた。徐々に室温に温めた後に、該反応混合物を24時間撹拌した。TLC(EtOAc、UV)は、3-メチルブタ-2-エン酸の一部が残っており、新たなスポットが存在することを示した。該反応物を水(10mL)に注ぎ、ジクロロメタン(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層を、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮すると粗生成物を与え、それを酢酸エチル(3mL)によりトリチュレートすると、6-イソプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-オン(11)(96mg)を与えた。該ろ液を濃縮し、分取TLC(EtOAc)により精製すると、追加の53mgの6-イソプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-オン(11)を与えた。
【化18】
【0304】
6-イソプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-オン(11)(96mg、0.635mmol)の室温のトルエン(15mL)溶液に、ローソン試薬(383.9mg、0.952mmol)を加えた。懸濁液を80℃で16時間加熱した。TLC(EtOAc、UV)は、6-イソプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-オン(11)のほとんどが消費され、いくつかのスポットが存在することを示した。溶媒を除去し、残渣を、石油エーテル/5%から18%の酢酸エチルにより溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製すると粗生成物を与え、それを酢酸エチル(5mL)によりトリチュレートすると、6-イソプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオン(A5)(67mg、収率: 63.2%)を与えた。MS (ESI) m/z: 168.0 [M+H]
+;
【化19】
【0305】
(実施例C4)
(4-イソプロピル-6-メチルピリジン-2(1H)-チオンA6の調製)
【化20】
4-イソプロピル-6-メチルピリジン-2(1H)-チオンA6の合成はスキーム2に示される。
スキーム2
【化21】
【0306】
テトラヒドロフラン(20mL)に、5M水酸化ナトリウム(10.5mL、52.5mmol)を5℃で加えた。該溶液を5℃で15分間撹拌した後、テトラヒドロフラン(15mL)中のイソブチルアルデヒド(3.6g、50mmol)を5℃で滴加した。該反応混合物を5℃で1時間撹拌した。該反応混合物をtert-ブチルメチルエーテル(150mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮すると、(E)-5-メチルヘキサ-3-エン-2-オン(12)(4.7g、収率: 85%)を与えた。MS (ESI) m/z: 113.2 [M+H]
+;
【化22】
【0307】
2-シアノアセトアミド(1.00g、12mmol)のジメチルスホキシド(sufoxide)(20mL)溶液に、カリウムtert-ブトキシド(1.12g、10mmol)を少量ずつ、15℃で窒素下で加えた。該反応混合物を10分間撹拌した後、(E)-5-メチルヘキサ-3-エン-2-オン(12)(1.12g、10mmol)を5分かけて滴加した。該反応混合物を15℃で30分間撹拌した。反応温度を30℃未満に保ちながら、追加のカリウムtert-ブトキシド(3.36g、30mmol)を少量ずつ加えた。15℃で酸素雰囲気下で一晩撹拌した後、該反応混合物を氷冷水(100mL)に撹拌しながら注ぎ、4N塩酸塩酸(hydrochloride acid)によりpH=3に酸性化し、濾過し、冷水(10mL×3)で洗浄した。固体を真空下で乾燥させると、4-イソプロピル-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボニトリル(13)(560mg、収率:32%)を与えた。MS (ESI) m/z: 177.1 [M+H]
+;
【化23】
【0308】
75%硫酸(10mL)中の4-イソプロピル-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボニトリル(13)(468mg、2.7mmol)の混合物を、140℃で6時間撹拌した。次いで、該反応混合物を0℃に冷却し、50%水酸化ナトリウムでpH=3に中和し、ジクロロメタン/メタノール(10:1;100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラム(ジクロロメタンからジクロロメタン/メタノール(15:1))により精製すると、4-イソプロピル-6-メチルピリジン-2(1H)-オン(14)(339mg、88%)を与えた。MS (ESI) m/z: 152.1 [M+H]
+;
【化24】
【0309】
4-イソプロピル-6-メチルピリジン-2(1H)-オン(14)(375mg、2.5mmol)のトルエン(18mL)溶液に、ローソン試薬(2.1g、5mmol)を室温で加えた。該懸濁液を90℃で2時間加熱した。溶媒を除去し、残渣を、シリカゲルカラム(ジクロロメタンからジクロロメタン/酢酸エチル(3:1))により精製すると粗生成物を与え、それを分取TLC(ジクロロメタン/メタノール(25:1))により精製すると、4-イソプロピル-6-メチルピリジン-2(1H)-チオン(A6)(290mg、70%)を与えた。MS (ESI) m/z: 168.0 [M+H]
+;
【化25】
【0310】
(実施例C5)
(6-シクロプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンA7の調製)
【化26】
6-シクロプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンA7の合成はスキーム3に示されている。
スキーム3
【化27】
【0311】
ジエチルアミン(321mg、4.4mmol)の-78℃のテトラヒドロフラン(8mL)溶液に、n-ブチルリチウム(8.8mL、22mmol、ヘキサン中2.5M)を窒素下で加えた。該溶液を0℃で30分間撹拌した後、テトラヒドロフラン(8mL)中の3-メチルブタ-2-エン酸(1.0g、10mmol)を-78℃で加えた。該混合物を0℃で30分間撹拌し、それに続いて-78℃のテトラヒドロフラン(8mL)中のシクロプロパンカルボニトリル(602mg、10mmol)を加えた。徐々に室温に温めた後、該反応混合物を24時間撹拌した。TLC(EtOAc、UV)は、3-メチルブタ-2-エン酸の一部が残っており、新たなスポットが存在することを示した。該反応混合物を水(20mL)に注ぎ、ジクロロメタン(40mL×2)で抽出した。合わせた有機層を、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮すると粗生成物を与え、それを酢酸エチル(3mL)によりトリチュレートすると、6-シクロプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-オン(15)(316mg、収率:21.2%)を与えた。
MS(ESI)m/z: 150.1 [M+H]+。
【0312】
6-シクロプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-オン(15)(182mg、1.21mmol)の室温のトルエン(40mL)溶液に、ローソン試薬(975mg、2.42mmol)を加えた。該懸濁液を80℃で16時間加熱した。TLC(EtOAc、UV)は、6-シクロプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-オン(15)のほとんどが消費され、いくつかのスポットが存在することを示した。溶媒を除去し、残渣を、石油エーテル/10~20%の酢酸エチルにより溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製すると粗生成物を与え、それを酢酸エチル(5mL)によりトリチュレートすると、6-シクロプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオン(A7)(43.4mg、収率: 21.7%)を与えた。MS (ESI) m/z: 166.1[M+H]
+;
【化28】
【0313】
(実施例B1)
(クプリゾン脱髄からのオリゴデンドロサイトの保護)
MO3-13細胞を6cm細胞培養皿上に播種し、5% FBSを含むDMEM中で成長させた。細胞を75%コンフルエンスまで成長させ、次いで血清含有DMEM培地を、FBS不含DMEMに代えた。細胞を血清のない条件下で48時間成長させた。クプリゾン(CPZ)(100%エタノール中50μMの最終濃度)を、試験物を含む又は含まない選択された皿に加え(対照化合物及び化合物A1~A3はそれぞれDMSO中5μMであった)、48時間インキュベートした。位相差光学部品を備えたZeiss倒立顕微鏡を使用して分析を実施した。画像をVolocityソフトウェアを使用して取り込んだ。結果を
図1に示す。
【0314】
(実施例B2)
(ミエリン塩基性タンパク(MBP)産生の誘導及びクプリゾン脱髄からのオリゴデンドロサイトの保護)
MO3-13細胞の全細胞抽出物を6M尿素を使用して調製した。100μLのアリコートを除き、等体積の6M尿素で希釈した。5μLアリコートを除き、タンパク質レベルに関して計った。総タンパク濃度を、BioRadプロテインアッセイ法を利用して595nmで決定した。全細胞抽出物中の総タンパクを決定し、回収されたタンパク質の比を利用して、全細胞抽出物中のMBPの相対量を計算した。全細胞抽出物を0.1mg/mLに希釈した。2.5μgのタンパク質を含む抽出物を、真空法を利用してスロットブロッター中のニトロセルロースメンブレン上に適用して、試料をメンブレン上に引き込んだ。メンブレン上の非タンパク質サイトを、PBS-Tween20に希釈した2% ECLブロッキング試薬でブロックした。一次抗ウシMBP(primary anti-bovine MBP)を同じブロック溶液で300倍に希釈した。該一次抗体を、室温で1時間穏やかに振盪しながらインキュベートした。増強ECL(GE Healthcare社)法を利用してブロットを発生させた。結合した抗体の画像を、Bio-Rad ChemiDoc XRS+イメージキャプチャシステムをドライブするImage Labソフトウェアを使用して取り込んだ。Graph Pad Prismソフトウェアを利用してデータを図示した。データは、クプリゾンによるMO3-13細胞の処理が、非処理DMSOビヒクル細胞と比べて抗MBP抗体結合を減少させたことを明らかにした。クプリゾンあり又はなしで化合物A1又はA3により処理された細胞は、相対的MBP結合の上昇を明らかにした。これは、ビヒクル対照よりも有意に増加した、p<0.0001(
****)。結果を
図2に示す。同様に、クプリゾンあり又はなしで化合物A2により処理された細胞は、相対的MBP結合の上昇を明らかにした。
【0315】
(実施例B3)
(クプリゾン脱髄から動物の保護)
化合物A1が脱髄プロセスを引き起こす能力を、マウスにおける脱髄のクプリゾンモデルで評価した。7~8週齢の36匹の雄性C57/B6マウスを、試験開始前の1週間順化させ、1ケージあたり2匹のマウスを収容した。マウスを、表1に示される通り4群に分けた。第1群のマウスにはクプリゾンのない対照飼料を与え、他の全マウスには、0.2%クプリゾンを含むマウスの食料を5週間与えた。食料を1日おきに替え、体重及び食料の重量を毎日得た。クプリゾン及び対照の食料は全て真空容器に保存し、使用まで冷凍保存した。
表1
【表1】
【0316】
投薬溶液を、投薬のそれぞれの日に新たに調製した。化合物A1を最初にDMSOに、最終体積の10%の体積で溶解させ、それに続いてソルトールHS-15を最終体積の10%の体積で加え、10%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン溶液を最終体積の80%の体積で加えた。特記されない限り、全ての試験物品は0.1mL/10g体重の体積で投与した。
【0317】
このプロセスの間、マウスは、ビヒクル又は50mg/kg若しくは100mg/kgの化合物A1を腹腔内注射により毎日受け取った。5週の最後に、マウスを犠死させ、各群の脳組織構造を、クプリゾンを受け取らなかった対照と比較した。治療群の間の統計的な差異を、0.05の臨界値でマン・ホイットニーの順位和検定又はANOVA検定を利用して決定した。
【0318】
治療から生じる可能性のある毒性の現れとしての治療群の間の動物の体重の差異を評価するために、全動物の体重を毎日量った。出発体重の20%を超える体重減少のある動物を安楽死させた。出発体重の15%を超える体重減少のあるマウスは、体重減少がその出発体重の5%未満に戻るまで、再び治療しなかった。20日と24日の間で、化合物A1(100mg/kg)治療群の10匹のマウスのうち9匹は体重が突然減少し始め、化合物A1投薬の中止にもかかわらず死亡した。クプリゾン/ビヒクル群の1匹の動物も、状態不良及び体重減少のために20日に安楽死させた。残りのマウスは全て試験の最後まで生存した。
【0319】
対照群(クプリゾンなし)は、試験の間、平均で出発体重の11.3%を得た。ビヒクル対照群(クプリゾンの食料を受け取る)は、試験の間、平均で出発体重の9.3%を失った。同様に、クプリゾンの食料及び50mg/kgの化合物A1を受け取った群は、試験の間、平均で出発体重の10.6%を失った。両群で、体重減少の大部分は試験の最初の週に起こり、7日から35日には体重は比較的安定であった。クプリゾンの食料及び100mg/kgの化合物A1を受け取った群は、20日まで類似のパターンを示したが、体重減少の期間(及び動物の死亡)があった。この群の唯一の生存した動物は、化合物A1による治療が20日に中止されたとき15.7%の体重減少を示し、35日に13.1%の減少(出発体重の)を示す(クプリゾンの食料は35日まで続いた)。
【0320】
観察された体重変化の追加の分析を、各マウスの曲線下面積(AUC)を計算し、一元配置ANOVA検定を利用して異なる治療群のAUC値を比較することにより実施した。この検定の結果は、対照(クプリゾンなし)群とクプリゾン含有食料を受け取った群の間には統計的に有意な差異があったが(全ての場合でp<0.001)、異なる治療群の間には統計的に有意な差異が見られなかったことを示した。
【0321】
脳のミエリン含量の評価を、3つの部分-脳梁吻部(rostral corpus callosum)、脳梁背部(dorsal corpus callosum)、及び小脳に集中させた。両矢状断面の脱髄の程度を、動物治療を知らされていない専門医師会認定の獣医学病理学者により決定した。脱髄のパーセントを以下の通りスコア付けした:全解剖学的構造の0~10%の脱髄を0とスコア付けした;全解剖学的構造の11~30%の脱髄を1とスコア付けした;全解剖学的構造の31~60%の脱髄を2とスコア付けした;全解剖学的構造の61~90%の脱髄を3とスコア付けした;全解剖学的構造の91~100%の脱髄を4とスコア付けした。MBP染色強度の程度は1~4のスケールに基づいており、4は見られた最高レベルの染色であった(100%)。
【0322】
対照群の平均脳梁吻部ミエリン形成スコアは3.7であった。クプリゾンの飼料を受け取ったビヒクル処置群では、平均脳梁吻部ミエリン形成スコアは1.8であった。クプリゾンの飼料及び50mg/kgの化合物A1を受け取った群では、平均脳梁吻部ミエリン形成スコアは2.1であった。脳梁吻部ミエリン形成スコアの追加分析を、ANOVA検定を利用して実施した。この検定の結果は、対照(クプリゾンなし)群とクプリゾン含有食料を受け取った群との間には統計的に有意な差異があったが(ビヒクル群でp=0.0008、化合物A1、50mg/kg群でp<0.0001)、異なる治療群の間に統計的に有意な差異が見られなかったことを示した。
【0323】
対照群の平均脳梁尾部(caudal corpus callosum)ミエリン形成スコアは3.7であった。クプリゾンの飼料を受け取ったビヒクル処置群では、平均脳梁尾部ミエリン形成スコアは1.2であった。クプリゾンの飼料及び50mg/kgの化合物A1を受け取った群では、平均脳梁尾部ミエリン形成スコアは2.1であった。脳梁尾部ミエリン形成スコアの追加分析を、ANOVA検定を利用して実施した。この検定の結果は、対照(クプリゾンなし)群とクプリゾン含有食料を受け取った群との間には統計的に有意な差異があり(ビヒクル群でp<0.0001、化合物A1、50mg/kg群でp=0.0003)、ビヒクル対照群と50mg/kgの化合物A1により治療された群との間に統計的に有意な差異が見られた(p=0.0012)ことを示した。
【0324】
対照群の平均小脳ミエリン形成スコアは4であった。クプリゾンの飼料を受け取ったビヒクル処置群では、平均小脳ミエリン形成スコアは3であった。クプリゾンの飼料及び50mg/kgの化合物A1を受け取った群では、平均脳梁吻部ミエリン形成スコアは3.2であった。小脳ミエリン形成スコアの追加分析を、ANOVA検定を利用して実施した。この検定の結果は、対照(クプリゾンなし)群とクプリゾン含有食料を受け取った群の間にも、異なるクプリゾン曝露治療群の間にも統計的に有意な差異が無かったことを示した。
【0325】
さらに、免疫組織染色をミエリン塩基性タンパク(MBP)に関して実施して、スライドを同じ領域中のMBP染色の強度に関して分析した。対照群の平均脳梁吻部MBP染色スコアは4であった。クプリゾンの飼料を受け取ったビヒクル処置群では、平均脳梁吻部m MBP染色スコアは2.9であった。クプリゾンの飼料及び50mg/kgの化合物A1を受け取った群では、平均脳梁吻部MBP染色スコアは3.2であった。脳梁吻部MBP染色の追加分析を、ANOVA検定を利用して実施した。この検定の結果は、対照(クプリゾンなし)群とクプリゾン含有食料を受け取った群との間には統計的に有意な差異があるが(ビヒクル群でp=0.0125、化合物A1 50mg/kg群でp=0.0004)、異なる治療群の間に統計的に有意な差異が見られなかったことを示した。
【0326】
対照群の平均脳梁尾部MBP染色スコアは4であった。クプリゾンの飼料を受け取ったビヒクル処置群では、平均脳梁尾部m MBP染色スコアは2.3であった。クプリゾンの飼料及び50mg/kgの化合物A1を受け取った群では、平均脳梁尾部MBP染色スコアは3.1であった。脳梁尾部MBP染色の追加分析を、ANOVA検定を利用して実施した。この検定の結果は、対照(クプリゾンなし)群とクプリゾン含有食料を受け取った群との間に統計的に有意な差異があり(ビヒクル群でp<0.0001、化合物A1 50mg/kg群でp=0.0018)、ビヒクル対照群と及び50mg/kgの化合物A1により治療された群の間で統計的に有意な差異が見られた(p=0.0064)ことを示した。
【0327】
対照群の平均小脳MBP染色スコアは4であった。クプリゾンの飼料を受け取ったビヒクル処置群では、平均小脳m MBP染色スコアは3.5であった。クプリゾンの飼料及び50mg/kgの化合物A1を受け取った群では、平均小脳MBP染色スコアは3.8であった。小脳MBP染色の追加分析を、ANOVA検定を利用して実施した。この検定の結果は、異なる群の間に統計的に有意な差異が見られなかったことを示した。
【0328】
まとめると、50mg/kgの化合物A1により毎日治療された群は、クプリゾン処置と関連するビヒクル群に見られたものを超える毒性の証拠を示さなかった。統計的に有意な脱髄が、未処置の動物に対してクプリゾンにより処置された動物では、脳梁吻部及び尾部において見られたが、小脳では見られなかった。ビヒクル処置群と化合物A1治療群で見られた脱髄の間に、脳梁吻部では統計的に有意な差異がなかったが、化合物A1を受け取ったマウスの脳梁背部は、ビヒクルを受け取ったマウスよりも有意に少ない脱髄を示した(p=0.0012)。MBP発現の統計的に有意な差異は、未処置の動物に対してクプリゾンにより処置された動物では、脳梁吻部及び尾部では見られたが、小脳では見られなかった。ビヒクル処置群と化合物A1治療群に見られたMBP発現の間に、脳梁吻部では統計的に有意な差異はなかったが、化合物A1を受け取ったマウスの脳梁背部は、ビヒクルを受け取ったマウスよりも有意に少ない脱髄を示した(p=0.0064)。
【0329】
前述の実施例は、請求される実施態様をどのように作製し且つ使用するかの完全な開示及び説明を当業者に与えるために提供されており、本明細書に開示されたものの範囲を限定することを意図するものではない。当業者に明らかな変更は、以下の請求項の範囲内であることが意図されている。本明細書に引用された全ての刊行物、特許、及び特許出願は、そのような刊行物、特許、及び特許出願の各々が引用により本明細書中に組み込まれていることが具体的且つ個別に示されているように、引用により本明細書中に組み込まれている。
本件出願は、以下の態様の発明を提供する。
(態様1)
式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグ:
(化1)
(式中:
R
1
は、水素又は重水素であり;
R
3
及びR
5
は、それぞれ独立に、(a)水素、重水素、シアノ、ハロ、若しくはニトロ;(b)C
1-6
アルキル、C
2-6
アルケニル、C
2-6
アルキニル、C
3-10
シクロアルキル、C
6-14
アリール、C
7-15
アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル;又は(c)-C(O)R
1a
、-C(O)OR
1a
、-C(O)NR
1b
R
1c
、-C(O)SR
1a
、-C(NR
1a
)NR
1b
R
1c
、-C(S)R
1a
、-C(S)OR
1a
、-C(S)NR
1b
R
1c
、-OR
1a
、-OC(O)R
1a
、-OC(O)OR
1a
、-OC(O)NR
1b
R
1c
、-OC(O)SR
1a
、-OC(=NR
1a
)NR
1b
R
1c
、-OC(S)R
1a
、-OC(S)OR
1a
、-OC(S)NR
1b
R
1c
、-OS(O)R
1a
、-OS(O)
2
R
1a
、-OS(O)NR
1b
R
1c
、-OS(O)
2
NR
1b
R
1c
、-NR
1b
R
1c
、-NR
1a
C(O)R
1d
、-NR
1a
C(O)OR
1d
、-NR
1a
C(O)NR
1b
R
1c
、-NR
1a
C(O)SR
1d
、-NR
1a
C(=NR
1d
)NR
1b
R
1c
、-NR
1a
C(S)R
1d
、-NR
1a
C(S)OR
1d
、-NR
1a
C(S)NR
1b
R
1c
、-NR
1a
S(O)R
1d
、-NR
1a
S(O)
2
R
1d
、-NR
1a
S(O)NR
1b
R
1c
、-NR
1a
S(O)
2
NR
1b
R
1c
、-SR
1a
、-S(O)R
1a
、-S(O)
2
R
1a
、-S(O)NR
1b
R
1c
、若しくは-S(O)
2
NR
1b
R
1c
であり;
R
4
は、(i)C
1-6
アルキル、C
2-6
アルケニル、C
2-6
アルキニル、C
3-10
シクロアルキル、C
6-14
アリール、C
7-15
アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル;又は(ii)-C(O)R
1a
、-C(O)OR
1a
、-C(O)NR
1b
R
1c
、-C(O)SR
1a
、-C(NR
1a
)NR
1b
R
1c
、-C(S)R
1a
、-C(S)OR
1a
、若しくは-C(S)NR
1b
R
1c
であり;
R
6
は、C
1-10
アルキル、C
2-6
アルケニル、C
2-6
アルキニル、C
3-10
シクロアルキル、C
6-14
アリール、C
7-15
アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;且つ
各R
1a
、R
1b
、R
1c
、及びR
1d
は、独立に、水素、重水素、C
1-6
アルキル、C
2-6
アルケニル、C
2-6
アルキニル、C
3-10
シクロアルキル、C
6-14
アリール、C
7-15
アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;或いは、R
1a
とR
1c
は、それらが結合するC及びN原子と共にヘテロシクリルを形成するか;或いは、R
1b
とR
1c
は、それらが結合するN原子と共にヘテロシクリルを形成し;
但し、該化合物が、4,6-ジメチルピリジン-2(1H)-チオン、6-メチル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン、4,6-ジ(トリフルオロメチル)-ピリジン-2(1H)-チオン、6-イソプロピル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン、6-ブチル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン、6-イソブチル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン、6-シクロプロピル-4-(トリフルオロメチル)-ピリジン-2(1H)-チオン、6-シクロプロピル-4-(ジフルオロメチル)-2-チオキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボニトリル、及び6-シクロプロピル-4-(トルフルオロメチル)-2-チオキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-カルボニトリルのいずれか1つでないことを条件とし;
ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Qにより任意に置換されており、ここで、各Qは、(a)重水素、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C
1-6
アルキル、C
2-6
アルケニル、C
2-6
アルキニル、C
3-10
シクロアルキル、C
6-14
アリール、C
7-15
アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
a
によりさらに任意に置換されている);並びに(c)-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、-C(O)SR
a
、-C(NR
a
)NR
b
R
c
、-C(S)R
a
、-C(S)OR
a
、-C(S)NR
b
R
c
、-OR
a
、-OC(O)R
a
、-OC(O)OR
a
、-OC(O)NR
b
R
c
、-OC(O)SR
a
、-OC(=NR
a
)NR
b
R
c
、-OC(S)R
a
、-OC(S)OR
a
、-OC(S)NR
b
R
c
、-OS(O)R
a
、-OS(O)
2
R
a
、-OS(O)NR
b
R
c
、-OS(O)
2
NR
b
R
c
、-NR
b
R
c
、-NR
a
C(O)R
d
、-NR
a
C(O)OR
d
、-NR
a
C(O)NR
b
R
c
、-NR
a
C(O)SR
d
、-NR
a
C(=NR
d
)NR
b
R
c
、-NR
a
C(S)R
d
、-NR
a
C(S)OR
d
、-NR
a
C(S)NR
b
R
c
、-NR
a
S(O)R
d
、-NR
a
S(O)
2
R
d
、-NR
a
S(O)NR
b
R
c
、-NR
a
S(O)
2
NR
b
R
c
、-SR
a
、-S(O)R
a
、-S(O)
2
R
a
、-S(O)NR
b
R
c
、及び-S(O)
2
NR
b
R
c
から独立に選択され、ここで、各R
a
、R
b
、R
c
、及びR
d
は、独立に、(i)水素又は重水素;(ii)C
1-6
アルキル、C
2-6
アルケニル、C
2-6
アルキニル、C
3-10
シクロアルキル、C
6-14
アリール、C
7-15
アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
a
により任意に置換されている)であるか;或いは、(iii)R
b
とR
c
は、それらが結合するN原子と共に、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
a
により任意に置換されているヘテロシクリルを形成し;
ここで、各Q
a
は、(a)重水素、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C
1-6
アルキル、C
2-6
アルケニル、C
2-6
アルキニル、C
3-10
シクロアルキル、C
6-14
アリール、C
7-15
アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに(c)-C(O)R
e
、-C(O)OR
e
、-C(O)NR
f
R
g
、-C(O)SR
e
、-C(NR
e
)NR
f
R
g
、-C(S)R
e
、-C(S)OR
e
、-C(S)NR
f
R
g
、-OR
e
、-OC(O)R
e
、-OC(O)OR
e
、-OC(O)NR
f
R
g
、-OC(O)SR
e
、-OC(=NR
e
)NR
f
R
g
、-OC(S)R
e
、-OC(S)OR
e
、-OC(S)NR
f
R
g
、-OS(O)R
e
、-OS(O)
2
R
e
、-OS(O)NR
f
R
g
、-OS(O)
2
NR
f
R
g
、-NR
f
R
g
、-NR
e
C(O)R
h
、-NR
e
C(O)OR
f
、-NR
e
C(O)NR
f
R
g
、-NR
e
C(O)SR
f
、-NR
e
C(=NR
h
)NR
f
R
g
、-NR
e
C(S)R
h
、-NR
e
C(S)OR
f
、-NR
e
C(S)NR
f
R
g
、-NR
e
S(O)R
h
、-NR
e
S(O)
2
R
h
、-NR
e
S(O)NR
f
R
g
、-NR
e
S(O)
2
NR
f
R
g
、-SR
e
、-S(O)R
e
、-S(O)
2
R
e
、-S(O)NR
f
R
g
、及び-S(O)
2
NR
f
R
g
から独立に選択され;ここで、各R
e
、R
f
、R
g
、及びR
h
は、独立に、(i)水素又は重水素;(ii)C
1-6
アルキル、C
2-6
アルケニル、C
2-6
アルキニル、C
3-10
シクロアルキル、C
6-14
アリール、C
7-15
アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;或いは、(iii)R
f
とR
g
は、それらが結合するN原子と共にヘテロシクリルを形成する)。
(態様2)
R
6
が、それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC
3-10
シクロアルキル、C
6-14
アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクロリル(heterocyclolyl)である、態様1記載の化合物。
(態様3)
R
6
が、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC
3-10
シクロアルキルである、態様1又は2記載の化合物。
(態様4)
R
6
が、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている単環式C
3-10
シクロアルキルである、態様3記載の化合物。
(態様5)
R
6
が、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC
4-10
シクロアルキルである、態様1又は2記載の化合物。
(態様6)
R
6
が、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている単環式C
4-10
シクロアルキルである、態様5記載の化合物。
(態様7)
R
6
が、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているシクロヘキシルである、態様1~6のいずれか一項記載の化合物。
(態様8)
R
6
が、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC
6-14
アリールである、態様1又は2記載の化合物。
(態様9)
R
6
が、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている単環式C
6-14
アリールである、態様8記載の化合物。
(態様10)
R
6
が、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているフェニルである、態様8記載の化合物。
(態様11)
R
6
が、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている単環式ヘテロアリールである、態様1又は2記載の化合物。
(態様12)
R
6
が、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている5員又は6員ヘテロアリールである、態様11記載の化合物。
(態様13)
R
6
が、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている単環式ヘテロシクリルである、態様1又は2記載の化合物。
(態様14)
R
6
が、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている5員又は6員ヘテロシクリルである、態様13記載の化合物。
(態様15)
R
6
が、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC
1-10
アルキルである、態様1記載の化合物。
(態様16)
R
6
が、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC
5-10
アルキルである、態様1記載の化合物。
(態様17)
R
6
が、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているペンチルである、態様15又は16記載の化合物。
(態様18)
R
6
がトリメチルペンチルである、態様17記載の化合物。
(態様19)
R
6
が2,4,4-トリメチルペンチルである、態様17記載の化合物。
(態様20)
R
4
が、(i)それぞれが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC
1-6
アルキル、C
3-10
シクロアルキル、若しくはC
6-14
アリール;又は(ii)-C(O)NR
1b
R
1c
である、態様1~19のいずれか一項記載の化合物。
(態様21)
R
4
が、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC
1-6
アルキルである、態様20記載の化合物。
(態様22)
R
4
が、メチル又はトリフルオロメチルである、態様21記載の化合物。
(態様23)
R
4
が、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC
6-14
アリールである、態様20記載の化合物。
(態様24)
R
4
が、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている単環式C
6-14
アリールである、態様23記載の化合物。
(態様25)
R
4
が、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているフェニルである、態様23記載の化合物。
(態様26)
R
4
が、1つ以上の置換基Qにより任意に置換されているC
3-10
シクロアルキルである、態様20記載の化合物。
(態様27)
R
4
が-C(O)NR
1b
R
1c
である、態様20記載の化合物。
(態様28)
R
4
が-C(O)NHR
1c
である、態様27記載の化合物。
(態様29)
R
4
が、アルキルが1つ以上の置換基Qにより任意に置換されている-C(O)NH-C
1-6
アルキルである、態様27記載の化合物。
(態様30)
R
1
が水素である、態様1~29のいずれか一項記載の化合物。
(態様31)
R
1
が重水素である、態様1~29のいずれか一項記載の化合物。
(態様32)
R
3
が、水素又は重水素である、態様1~31のいずれか一項記載の化合物。
(態様33)
R
5
が、水素又は重水素である、態様1~32のいずれか一項記載の化合物。
(態様34)
前記化合物が、
6-シクロヘキシル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオン;
6-シクロヘキシル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン;
4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)ピリジン-2(1H)-チオン;
6-イソプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンA5;
4-イソプロピル-6-メチルピリジン-2(1H)-チオンA6;及び
6-シクロプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンA7;
並びにそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、及び同位体変種;並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、及びプロドラッグから選択される、態様1記載の化合物。
(態様35)
態様1~34のいずれか一項記載の化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグ;及び医薬として許容し得る賦形剤を含む医薬組成物。
(態様36)
単一剤形である、態様35記載の医薬組成物。
(態様37)
経口剤形、非経口剤形、又は静脈内剤形である、態様35又は36記載の医薬組成物。
(態様38)
前記経口剤形が、錠剤、カプセル剤、又は液剤である、態様37記載の医薬組成物。
(態様39)
第2の治療剤をさらに含む、態様35~38のいずれか一項記載の医薬組成物。
(態様40)
対象の増殖性疾患、炎症性疾患、神経変性疾患、又は免疫介在性疾患の1つ以上の症状を治療、予防、又は改善するための方法であって、該対象に、態様1~34のいずれか一項記載の化合物又は態様35~39のいずれか一項記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
(態様41)
前記疾患が免疫介在性疾患である、態様40記載の方法。
(態様42)
前記疾患が自己免疫疾患である、態様40記載の方法。
(態様43)
前記疾患が多発性硬化症である、態様40~42のいずれか一項記載の方法。
(態様44)
前記疾患が、再発寛解型MS(RR-MS)、一次性進行型MS(PP-MS)、進行再発型MS(PR-MS)、又は二次性進行型MS(SP-MS)である、態様43記載の方法。
(態様45)
式Iの化合物、又はそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、2種以上のジアステレオマーの混合物、互変異性体、2種以上の互変異性体の混合物、若しくは同位体変種;又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、若しくはプロドラッグを含む医薬組成物:
(化2)
(式中:
R
1
は、水素又は重水素であり;
R
3
及びR
5
は、それぞれ独立に、(a)水素、重水素、シアノ、ハロ、若しくはニトロ;(b)C
1-6
アルキル、C
2-6
アルケニル、C
2-6
アルキニル、C
3-10
シクロアルキル、C
6-14
アリール、C
7-15
アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル;又は(c)-C(O)R
1a
、-C(O)OR
1a
、-C(O)NR
1b
R
1c
、-C(O)SR
1a
、-C(NR
1a
)NR
1b
R
1c
、-C(S)R
1a
、-C(S)OR
1a
、-C(S)NR
1b
R
1c
、-OR
1a
、-OC(O)R
1a
、-OC(O)OR
1a
、-OC(O)NR
1b
R
1c
、-OC(O)SR
1a
、-OC(=NR
1a
)NR
1b
R
1c
、-OC(S)R
1a
、-OC(S)OR
1a
、-OC(S)NR
1b
R
1c
、-OS(O)R
1a
、-OS(O)
2
R
1a
、-OS(O)NR
1b
R
1c
、-OS(O)
2
NR
1b
R
1c
、-NR
1b
R
1c
、-NR
1a
C(O)R
1d
、-NR
1a
C(O)OR
1d
、-NR
1a
C(O)NR
1b
R
1c
、-NR
1a
C(O)SR
1d
、-NR
1a
C(=NR
1d
)NR
1b
R
1c
、-NR
1a
C(S)R
1d
、-NR
1a
C(S)OR
1d
、-NR
1a
C(S)NR
1b
R
1c
、-NR
1a
S(O)R
1d
、-NR
1a
S(O)
2
R
1d
、-NR
1a
S(O)NR
1b
R
1c
、-NR
1a
S(O)
2
NR
1b
R
1c
、-SR
1a
、-S(O)R
1a
、-S(O)
2
R
1a
、-S(O)NR
1b
R
1c
、若しくは-S(O)
2
NR
1b
R
1c
であり;
R
4
は、(i)C
1-6
アルキル、C
2-6
アルケニル、C
2-6
アルキニル、C
3-10
シクロアルキル、C
6-14
アリール、C
7-15
アラルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロシクリル;又は(ii)-C(O)R
1a
、-C(O)OR
1a
、-C(O)NR
1b
R
1c
、-C(O)SR
1a
、-C(NR
1a
)NR
1b
R
1c
、-C(S)R
1a
、-C(S)OR
1a
、若しくは-C(S)NR
1b
R
1c
であり;
R
6
は、C
1-10
アルキル、C
2-6
アルケニル、C
2-6
アルキニル、C
3-10
シクロアルキル、C
6-14
アリール、C
7-15
アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであり;且つ
各R
1a
、R
1b
、R
1c
、及びR
1d
は、独立に、水素、重水素、C
1-6
アルキル、C
2-6
アルケニル、C
2-6
アルキニル、C
3-10
シクロアルキル、C
6-14
アリール、C
7-15
アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;或いは、R
1a
とR
1c
は、それらが結合するC及びN原子と共にヘテロシクリルを形成するか;或いは、R
1b
とR
1c
は、それらが結合するN原子と共にヘテロシクリルを形成し;
ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Qにより任意に置換されており、ここで、各Qは、(a)重水素、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C
1-6
アルキル、C
2-6
アルケニル、C
2-6
アルキニル、C
3-10
シクロアルキル、C
6-14
アリール、C
7-15
アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
a
によりさらに任意に置換されている);並びに(c)-C(O)R
a
、-C(O)OR
a
、-C(O)NR
b
R
c
、-C(O)SR
a
、-C(NR
a
)NR
b
R
c
、-C(S)R
a
、-C(S)OR
a
、-C(S)NR
b
R
c
、-OR
a
、-OC(O)R
a
、-OC(O)OR
a
、-OC(O)NR
b
R
c
、-OC(O)SR
a
、-OC(=NR
a
)NR
b
R
c
、-OC(S)R
a
、-OC(S)OR
a
、-OC(S)NR
b
R
c
、-OS(O)R
a
、-OS(O)
2
R
a
、-OS(O)NR
b
R
c
、-OS(O)
2
NR
b
R
c
、-NR
b
R
c
、-NR
a
C(O)R
d
、-NR
a
C(O)OR
d
、-NR
a
C(O)NR
b
R
c
、-NR
a
C(O)SR
d
、-NR
a
C(=NR
d
)NR
b
R
c
、-NR
a
C(S)R
d
、-NR
a
C(S)OR
d
、-NR
a
C(S)NR
b
R
c
、-NR
a
S(O)R
d
、-NR
a
S(O)
2
R
d
、-NR
a
S(O)NR
b
R
c
、-NR
a
S(O)
2
NR
b
R
c
、-SR
a
、-S(O)R
a
、-S(O)
2
R
a
、-S(O)NR
b
R
c
、及び-S(O)
2
NR
b
R
c
から独立に選択され、ここで、各R
a
、R
b
、R
c
、及びR
d
は、独立に、(i)水素又は重水素;(ii)C
1-6
アルキル、C
2-6
アルケニル、C
2-6
アルキニル、C
3-10
シクロアルキル、C
6-14
アリール、C
7-15
アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリル(そのそれぞれは、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
a
により任意に置換されている)であるか;或いは、(iii)R
b
とR
c
は、それらが結合するN原子と共に、1つ以上、一実施態様において、1、2、3、又は4つの置換基Q
a
により任意に置換されているヘテロシクリルを形成し;
ここで、各Q
a
は、(a)重水素、シアノ、ハロ、及びニトロ;(b)C
1-6
アルキル、C
2-6
アルケニル、C
2-6
アルキニル、C
3-10
シクロアルキル、C
6-14
アリール、C
7-15
アラルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル;並びに(c)-C(O)R
e
、-C(O)OR
e
、-C(O)NR
f
R
g
、-C(O)SR
e
、-C(NR
e
)NR
f
R
g
、-C(S)R
e
、-C(S)OR
e
、-C(S)NR
f
R
g
、-OR
e
、-OC(O)R
e
、-OC(O)OR
e
、-OC(O)NR
f
R
g
、-OC(O)SR
e
、-OC(=NR
e
)NR
f
R
g
、-OC(S)R
e
、-OC(S)OR
e
、-OC(S)NR
f
R
g
、-OS(O)R
e
、-OS(O)
2
R
e
、-OS(O)NR
f
R
g
、-OS(O)
2
NR
f
R
g
、-NR
f
R
g
、-NR
e
C(O)R
h
、-NR
e
C(O)OR
f
、-NR
e
C(O)NR
f
R
g
、-NR
e
C(O)SR
f
、-NR
e
C(=NR
h
)NR
f
R
g
、-NR
e
C(S)R
h
、-NR
e
C(S)OR
f
、-NR
e
C(S)NR
f
R
g
、-NR
e
S(O)R
h
、-NR
e
S(O)
2
R
h
、-NR
e
S(O)NR
f
R
g
、-NR
e
S(O)
2
NR
f
R
g
、-SR
e
、-S(O)R
e
、-S(O)
2
R
e
、-S(O)NR
f
R
g
、及び-S(O)
2
NR
f
R
g
から独立に選択され;ここで、各R
e
、R
f
、R
g
、及びR
h
は、独立に、(i)水素又は重水素;(ii)C
1-6
アルキル、C
2-6
アルケニル、C
2-6
アルキニル、C
3-10
シクロアルキル、C
6-14
アリール、C
7-15
アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであるか;或いは、(iii)R
f
とR
g
は、それらが結合するN原子と共にヘテロシクリルを形成する)。
(態様46)
前記化合物が、6-シクロヘキシル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオン;6-シクロヘキシル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン;6-メチル-4-トリフルオロメチルピリジン-2(1H)-チオン;4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)ピリジン-2(1H)-チオン、6-イソプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオン、4-イソプロピル-6-メチルピリジン-2(1H)-チオン、又は6-シクロプロピル-4-メチルピリジン-2(1H)-チオンである、態様45記載の医薬組成物。
(態様47)
単一剤形である、態様45又は46記載の医薬組成物。
(態様48)
経口剤形、非経口剤形、又は静脈内剤形である、態様45~47のいずれか一項記載の医薬組成物。
(態様49)
前記経口剤形が、錠剤、カプセル剤、又は液剤である、態様48記載の医薬組成物。
(態様50)
第2の治療剤をさらに含む、態様45~49のいずれか一項記載の医薬組成物。
(態様51)
対象の増殖性疾患、炎症性疾患、神経変性疾患、又は免疫介在性疾患の1つ以上の症状を治療、予防、又は改善するための方法であって、該対象に、態様45~50のいずれか一項記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
(態様52)
前記疾患が免疫介在性疾患である、態様51記載の方法。
(態様53)
前記疾患が自己免疫疾患である、態様51記載の方法。
(態様54)
前記疾患が多発性硬化症である、態様51~53のいずれか一項記載の方法。
(態様55)
前記疾患が、再発寛解型MS(RR-MS)、一次性進行型MS(PP-MS)、進行再発型MS(PR-MS)、又は二次性進行型MS(SP-MS)である、態様54記載の方法。
(態様56)
前記疾患が視神経脊髄炎である、態様51記載の方法。
(態様57)
前記疾患が脳性麻痺である、態様51記載の方法。
(態様58)
前記疾患が、代謝性コバラミン欠乏の結果としての脊髄変性である、態様51記載の方法。
(態様59)
前記疾患が非炎症性脱髄疾患である、態様51記載の方法。
(態様60)
前記疾患が多発性硬化症である、態様59記載の方法。
(態様61)
前記疾患が、再発寛解型MS(RR-MS)、一次性進行型MS(PP-MS)、進行再発型MS(PR-MS)、又は二次性進行型MS(SP-MS)である、態様60記載の方法。
(態様62)
前記疾患が、脳への虚血傷害である、態様51記載の方法。
(態様63)
前記疾患が脳卒中又は震盪性損傷である、態様62記載の方法。
(態様64)
前記対象に、リンパ球遊出を予防する治療剤を投与することをさらに含む、態様51記載の方法。
(態様65)
前記対象に、メチル化を増強する治療剤を投与することをさらに含む、態様51記載の方法。