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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】プリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20220328BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
B41J2/175 503
B41J2/175 501
B41J2/01 451
B41J2/01 401
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019033970
(22)【出願日】2019-02-27
(65)【公開番号】P2020138362
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2020-10-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100189887
【弁理士】
【氏名又は名称】古市 昭博
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100192533
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 如紘
(72)【発明者】
【氏名】澤田 哲平
(72)【発明者】
【氏名】森園 和也
(72)【発明者】
【氏名】安形 和晃
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 優
【審査官】中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-055548(JP,A)
【文献】特開平02-022067(JP,A)
【文献】特開2012-236335(JP,A)
【文献】国際公開第2018/096742(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0267406(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レールに支持され前記レール上を移動可能に設けられたキャリッジと、
このキャリッジに支持され、インクを吐出するインク吐出ユニットと、
前記インク吐出ユニットから吐出される前記インクが充填されているインクカートリッジと、
このインクカートリッジから前記インク吐出ユニットまで接続される送液チューブと、
この送液チューブに設けられ、前記インクカートリッジから前記インク吐出ユニットへ前記インクを送るポンプと、
前記インクの流れる方向を基準として、前記送液チューブの前記ポンプよりも上流側に一端が接続されていると共に、前記送液チューブの前記ポンプよりも下流側に他端が接続され、前記キャリッジの位置に関わらず固定されているバイパス固定部を有するバイパス路と、
前記バイパス固定部上に設けられ、前記バイパス路内における前記インクの圧力が所定の圧力以上となった場合にのみ、前記下流側から前記上流側に向かって前記インクを戻すよう開放されるバルブと、を有し、
前記バイパス路の他端は、前記インク吐出ユニットに接続されていることを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
前記バイパス路及び前記バルブは、前記ポンプに一体的に設けられていることを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
【請求項3】
前記バイパス路は、前記ポンプのポンプハウジングに一体的に形成され、
前記バルブの弁箱は、前記ポンプハウジングによって形成されていることを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
【請求項4】
前記バイパス路は、前記バイパス固定部のみからなることを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
【請求項5】
前記バルブは、開閉に電力を要しない機械式のバルブであることを特徴とする請求項1~請求項いずれか1項記載のプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インク吐出ユニットへかかる負荷を軽減することのできるプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタとして、インクタンクから送液チューブを介してインク吐出ユニットへインクを送り、インク吐出ユニットからメディアへインクを吐出することにより印刷を行うものが知られている。このようなプリンタに関する従来技術として特許文献1に開示される技術がある。
【0003】
特許文献1に示されるような、プリンタは、メディアの搬送方向に対して略垂直に延びるレールと、このレール上を移動可能に設けられたキャリッジと、このキャリッジに支持されメディアへインクを吐出するインク吐出ユニットと、メディアへ吐出されるインクが充填されているインクカートリッジと、このインクカートリッジからインク吐出ユニットまで接続される送液チューブと、この送液チューブ上に設けられインクカートリッジから吐出ユニットへインクを送るポンプと、を備えている。
【0004】
吐出ユニット内には、インクの貯留量が所定の貯留量以下であるか否かを検出するセンサが設けられている。インクの貯留量が所定の量以下となった場合に、ポンプが作動してインクカートリッジから吐出ユニットへインクを送る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-111214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されたセンサは、例えば、吐出ユニット内のインクの貯留量が所定の量以上となったか否かを検出するのに用いることもできる。所定の量を超えたところでポンプを停止させることにより、吐出ユニット内のインクの圧力を所定値以下とすることができる。これにより、インク吐出ユニットへかかる負荷を軽減することができる。
【0007】
ところで、センサを吐出ユニット内へ設けた場合には、センサを内蔵する分、吐出ユニットが大型化すると共に重くなる。吐出ユニットは、キャリッジによって支持されている。このため、大型化し重くなった吐出ユニットを移動させるためのモータ等も大型化する。
【0008】
本発明は、小型・軽量化されたプリンタの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、レールに支持され前記レール上を移動可能に設けられたキャリッジと、
このキャリッジに支持され、前記メディアへインクを吐出するインク吐出ユニットと、
前記メディアへ吐出される前記インクが充填されているインクカートリッジと、
このインクカートリッジから前記インク吐出ユニットまで接続される送液チューブと、
この送液チューブに設けられ、前記インクカートリッジから前記吐出ユニットへ前記インクを送るポンプと、
前記インクの流れる方向を基準として、前記送液チューブの前記ポンプよりも上流側に一端が接続されていると共に、前記送液チューブの前記ポンプよりも下流側に他端が接続され、前記キャリッジの位置に関わらず固定されているバイパス固定部を有するバイパス路と、
前記バイパス固定部上に設けられ、前記バイパス路内における前記インクの圧力が所定の圧力以上となった場合にのみ、前記下流側から前記上流側に向かって前記インクを戻すよう開放されるバルブと、を有することを特徴とするプリンタが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、バイパス路内におけるインクの圧力が所定の圧力以上となった場合にのみ、下流側から上流側に向かってインクを戻すよう開放されるバルブが、バイパス固定部上に設けられている。バルブが開放されることにより、インクの一部は、下流側から上流側に向かって流れる。これにより、インク吐出ユニットに加わる負荷を軽減することができる。バルブは、バイパス固定部上に設けられているため、インク吐出ユニット内に設けられる場合に比べて、吐出ユニットの小型・軽量化を図ることができる。これにより、小型・軽量化されたプリンタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1によるプリンタを模式的に示した図である。
図2図1に示されたプリンタの要部を示した図である。
図3図3(A)は、バイパス路内におけるインクの圧力が所定の圧力よりも小さい場合における作用を説明する図、図3(B)は、バイパス路内におけるインクの圧力が所定の圧力以上の場合における作用を説明する図である。
図4】実施例2によるプリンタを模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図中Frは前、Rrは後、Leは左、Riは右を示している。
<実施例1>
【0013】
[プリンタ10の構成]
【0014】
図1を参照する。プリンタ10は、メディアMeにカラー画像を形成可能なインクジェット式のプリンタである。プリンタ10は、例えば、大型の看板、ポスターの印刷を行うことができる。
【0015】
プリンタ10は、印刷されるメディアMeを前後方向に搬送可能な搬送部11と、この搬送部11から送られたメディアMeを載置可能なベッド12と、このベッド12の上方において左右方向に伸びるレール13と、このレール13に支持されレール13上に移動可能に設けられたキャリッジ14と、このキャリッジ14に支持されメディアMeへインクを吐出するインク吐出ユニット15と、インクが充填されているインクカートリッジ16と、このインクカートリッジ16からインク吐出ユニット15まで接続されている送液チューブ17と、この送液チューブ17に設けられインクカートリッジ16からインク吐出ユニット15へインクを送るためのポンプユニット20と、搬送部11、キャリッジ12、インク吐出ユニット15、ポンプユニット20を制御可能な制御部50と、を有する。
【0016】
プリンタ10は、搬送部11によって前方にメディアMeを送ると共に、キャリッジ14を左右方向に移動させ、インク吐出ユニット15の下方を通過するメディアMeにインクを吐出して印刷を行う。
【0017】
なお、プリンタ10は、メディアMeを切断するカッター装置等任意の装置を搭載することができる。
【0018】
[メディアMeについて]
メディアMeは、例えば、ロールに巻かれたロールメディアであり、メディアの材質としては、普通紙などの紙類であってもよく、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等の樹脂類であってもよく、アルミニウム材、鉄材等の金属類であってもよく、様々な材料で構成可能である。メディアMeは、搬送部11によって後方から前方に向かって送られる。
【0019】
[インク吐出ユニット15について]
インク吐出ユニット15は、それぞれインクを吐出可能な吐出ユニット15C、15M、15Y、15Kを有する。
【0020】
吐出ユニット15C、15M、15Y、15Kは、シアンインクを吐出するシアンユニット15Cと、マゼンダインクを吐出するマゼンダユニット15Mと、イエローインクを吐出するイエローユニット15Yと、ブラックインクを吐出するブラックユニット15Kと、からなる。
【0021】
これらの吐出ユニット15C、15M、15Y、15Kは、それぞれ、インクが充填されるダンパと、ダンパから供給されたインクを吐出するヘッドと、を有している。
【0022】
[インクカートリッジ16について]
図1を参照する。インクカートリッジ16には、メディアMeへ吐出されるインクが充填されている。インクカートリッジ16は、シアンインクが充填されたシアンカートリッジ16Cと、マゼンダインクが充填されたマゼンダカートリッジ16Mと、イエローインクが充填されたイエローカートリッジ16Yと、ブラックインクが充填されたブラックカートリッジ16Kと、からなる。
【0023】
なお、インクカートリッジ16を構成するカートリッジの数や色は任意に選択することができる。インクカートリッジ16に充填されるインクは、メディアへの定着性に優れた、水性レジンインクが好ましい。短時間に多くの印刷を行うためには、速乾性に優れたインクを選択することも好ましい。この他、任意の水性インクや有機溶剤系インクを選択することができる。
【0024】
[送液チューブ17について]
図2を参照する。送液チューブ17は、キャリッジ14の位置に関わらず固定されている(変位しない)送液固定部17aと、キャリッジ14が変位することにより追従して変位する送液変位部17bと、を有している。
【0025】
インクカートリッジ16からポンプユニット20までは、送液固定部17aのみによって構成されている。ポンプユニット20からインク吐出ユニット15までは、送液固定部17aと送液変位部17bとによって構成されている。インクの流れる方向を基準として、送液変位部17bは、ポンプユニット20よりも下流側にのみ位置している。
【0026】
[ポンプユニット20の構成について]
ポンプユニット20は、ダイヤフラム式のポンプ21と、このポンプ21のポンプハウジング21aに形成されポンプ21を避けてインクを流すことができるバイパス路22と、このバイパス路22上に設けられバイパス路22の他端22bにおけるインクの圧力が所定の圧力以上となった場合にのみ開放されるバルブ30と、を有する。
【0027】
ポンプ21は、送液固定部17a上に設けられている。ポンプ21は、制御部50から受ける電気信号により作動し、インクカートリッジ16内のインクをインク吐出ユニット15へ送る。
【0028】
なお、ポンプ21は、ダイヤフラム式以外のポンプであっても採用することができる。
【0029】
[バイパス路22について]
バイパス路22は、ポンプハウジング21aに一体的に形成されている。換言すると、バイパス路22は、ポンプ21に一体的に設けられている、ということができる。バイパス路22は、インクの流れる方向を基準として、ポンプ21よりも上流側に一端22aが接続されていると共に、ポンプ21よりも下流側に他端22bが接続されている。
【0030】
バイパス路22は、キャリッジ14の位置に関わらず固定されている(変位しない)バイパス固定部22cのみからなる。
【0031】
[バルブ30について]
バルブ30は、バイパス路22上に設けられている。つまり、バルブ30は、バイパス固定部22c上に設けられている。このバルブ30の弁箱31及び弁座32は、ポンプハウジング21aによって構成されている。バルブ30の弁体33は、ばね34によって弁座32に向かって付勢されている。バルブ30は、開閉に電力を要しない機械式のバルブである。
【0032】
なお、バルブ30には、モータの力で開閉を行う電気式のバルブを採用することもできる。
【0033】
[制御部50について]
図1を参照する。制御部50は、処理部51、記憶部52及び通信部53を有する。処理部51、記憶部52及び通信部53は、例えばマイクロコンピュータ又はマイクロコントローラで構成される。処理部51、記憶部52及び通信部53は、例えばCPU(あるいはMPU又はMCU)、ROM、RAM、入出力インターフェースを含むことができる。例えば、ROMは、CPUに所定の動作を実行させるプログラムを記憶することができる。RAMは、CPUのワーク領域を形成することができる。なお、処理部51、記憶部52及び通信部53は、ASIC、FPGA等で構成されてもよい。
【0034】
制御部50は、さらに、ユーザが操作可能な操作部としての操作パネル54を有している。操作パネル54は、電源ボタン、設定ボタン等の操作ボタン、操作スイッチ等を有している。
【0035】
[プリンタ10の作用について]
図3(A)を併せて参照する。図3(A)は、バイパス路22の他端22bにおけるインクの圧力P1が所定の圧力P0よりも小さい場合(P1<P0)における作用を説明する図である。バイパス路22の他端22bの圧力がP1であるとき、インク吐出ユニット15内の圧力もP1である。圧力がP1であるときには、インク吐出ユニット15に加わっている負荷が小さい。このため、バルブ30は、閉じている。つまり、バイパス路22には、インクが流れない。
【0036】
図1及び図3(B)を参照する。図3(B)は、バイパス路22の他端22bにおけるインクの圧力P2が所定の圧力P0以上の場合(P2≧P0)における作用を説明する図である。ポンプ21が作動し、インクがインク吐出ユニット15に供給され続けると、インク吐出ユニット15内のインクは、所定の量に達する。これにより、インク吐出ユニット15内の圧力は、上昇し、例えば、P2となる。このとき、バイパス路22の他端22bの圧力もP2となる。圧力がP2であるときには、インク吐出ユニット15に加わっている負荷が大きい。弁体33は、ばね34の付勢力に抗して、バルブ30を開放する。これにより、インクは、バイパス路22の下流から上流に向かって流れる。バイパス路22を流れたインクは、送液チューブ17のうちポンプ21よりも上流側の部位に戻される。一部のインクをバイパス路22に流すことにより、圧を逃がすことができる。これにより、インク吐出ユニット15に加わる負荷を軽減することができる。
【0037】
以上に説明したプリンタ10は、以下のように言うことができる。
【0038】
プリンタ10は、
レール13に支持されレール13上を移動可能に設けられたキャリッジ14と、
このキャリッジ14に支持され、メディアMeへインクを吐出するインク吐出ユニット15と、
メディアMeへ吐出されるインクが充填されているインクカートリッジ16と、
このインクカートリッジ16からインク吐出ユニット15まで接続される送液チューブ17と、
この送液チューブ17に設けられ、インクカートリッジ16からインク吐出ユニット15へインクを送るポンプ21と、
インクの流れる方向を基準として、送液チューブ17のポンプ21よりも上流側に一端22aが接続されていると共に、送液チューブ17のポンプ21よりも下流側に他端22bが接続され、キャリッジ14の位置に関わらず固定されているバイパス固定部22cを有するバイパス路22と、
バイパス固定部22c上に設けられ、バイパス路22内におけるインクの圧力が所定の圧力以上となった場合にのみ、下流側から上流側に向かってインクを戻すよう開放されるバルブ30と、を有する。
【0039】
バイパス路22内におけるインクの圧力が所定の圧力以上となった場合にのみ、下流側から上流側に向かってインクを戻すよう開放されるバルブ30が、バイパス固定部22c上に設けられている。バルブ30が開放されることにより、インクの一部は、下流側から上流側に向かって流れる。これにより、インク吐出ユニット15に加わる負荷を軽減することができる。バルブ30は、バイパス固定部22c上に設けられているため、インク吐出ユニット15内に設けられる場合に比べて、インク吐出ユニット15の小型・軽量化を図ることができる。これにより、小型・軽量化されたプリンタ10を提供することができる。
【0040】
バイパス路22及びバルブ30は、ポンプ21に一体的に設けられている。
【0041】
バイパス路22及びバルブ30を別々に配置した場合に比べて、コンパクトに配置することができる。
【0042】
バイパス路22は、ポンプ21のポンプハウジング21aに一体的に形成され、
バルブ30の弁箱は、ポンプハウジング21aによって形成されている。
【0043】
ポンプハウジング21aの一部を弁箱とすることにより、部品点数を削減することができると共に、バイパス路22及びバルブ30をコンパクトに配置することができる。
【0044】
バイパス路22は、バイパス固定部22cのみからなる。
【0045】
変位する部位が無いため、変位する部位がある場合に比べて、構造を簡便にすることができる。
【0046】
バルブ30は、開閉に電力を要しない機械式のバルブである。
【0047】
電気系統の故障が生じた場合であっても作動するため、インク吐出ユニット15の負荷の軽減をより確実に図ることができる。
【0048】
<実施例2>
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。
【0049】
図7には、実施例2によるプリンタ10Aが示されている。実施例2によるプリンタ10Aのバイパス路22Aは、実施例1によるプリンタ10(図2参照)のバイパス路22(図2参照)と異なる。その他の基本的な構成については、実施例1によるプリンタと共通する。実施例1と共通する部分については、符号を流用すると共に、詳細な説明を省略する。
【0050】
例えば、実施例2によるプリンタ10Aは、メタリックインクやホワイトインク等の金属を含むインクを用いるのに適している。理由は後述する。
【0051】
バイパス路22Aは、キャリッジ14の位置に関わらず固定されているバイパス固定部22cAと、キャリッジ14が移動することにより変位するバイパス変位部22dAと、を有する。
【0052】
バイパス路22Aの他端22bAは、バイパス変位部22dA上に位置し、インク吐出ユニット15に接続されている。
【0053】
以上に説明したプリンタ10Aも、本発明所定の効果を奏する。
【0054】
加えて、バイパス路22Aの他端22bAは、インク吐出ユニット15に接続されている。
【0055】
インク吐出ユニット15(ダンパ)まで循環させることにより、インクに含まれる成分(例えば、金属)の沈殿を抑制し、印刷される色が安定する。
【0056】
尚、本発明によるプリンタは、複数のインクカートリッジが搭載される場合には、インクカートリッジごとに、実施例1に示したバイパス路と、実施例2に示したバイパス路と、を選択することができる。つまり、各実施例を組み合わせることもできる。
【0057】
バルブは、ばね34によって弁体33が閉じ方向に付勢されるものの他、自重によって閉じるものも採用することができる。さらには、これら以外の構成であっても採用することができる。
【0058】
本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明のプリンタは、インクジェット式のプリンタに好適である。
【符号の説明】
【0060】
10、10A…プリンタ
11…搬送部
13…レール
14…キャリッジ
15…インク吐出ユニット
16…インクカートリッジ
17…送液チューブ
21…ポンプ
22、22A…バイパス路
22a、22aA…一端
22b、22bA…他端
22c、22cA…バイパス固定部
Me…メディア
図1
図2
図3
図4