(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】遊技場情報表示装置および情報表示システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220330BHJP
【FI】
A63F7/02 350Z
(21)【出願番号】P 2017193963
(22)【出願日】2017-10-04
【審査請求日】2020-08-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年4月14日に大都販売株式会社および株式会社マースエンジニアリングに遊技場情報表示装置を卸した(その他13)
(73)【特許権者】
【識別番号】000101204
【氏名又は名称】株式会社oneA
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】淺野 利昭
(72)【発明者】
【氏名】川元 敬太
【審査官】佐藤 嘉純
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-094231(JP,A)
【文献】特開平07-313694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場において遊技機とは別に設置され、接続された遊技機の遊技情報を表示する表示画面を有
する遊技場情報表示装置であって、
外部から、少なくとも1つの静止画像素材、時間の経過に応じて表示対象素材をどのように動かすかを示す動き情報、および、前記静止画像素材の中から前記表示対象素材を抽出し前記動き情報を組み合わせて動作させるための組み合わせ情報
を取得する情報取得部と、
前記情報取得部で取得された前記静止画像素材、前記動き情報、および、前記組み合わせ情報が格納され
る記憶部と、
所定の起動条件が成立した場合に前記組み合わせ情報に基づいて前記表示画面
に表示される動画表示を制御する表示制御部とを備えている
ことを特徴とする遊技場情報表示装置。
【請求項2】
請求項
1記載の遊技場情報表示装置において、
前記情報取得部は、遊技場に設置され前記遊技場情報表示装置に接続された管理装置と通信を行う第1通信部、携帯型記憶媒体と通信を行う第2通信部、リモートコントローラと通信を行う第3通信部のうちの少なくとも1つを介して外部からの情報を取得する
ことを特徴とする遊技場情報表示装置。
【請求項3】
請求項1
又は2記載の遊技場情報表示装置において、
前記記憶部には、少なくとも1つの背景画像素材が格納されており、
前記組み合わせ情報には、前記表示制御部が前記表示画面の表示制御において使用する背景画像素材を特定するための背景識別情報が含まれている
ことを特徴とする遊技場情報表示装置。
【請求項4】
請求項1から
3のうちのいずれか1項に記載の遊技場情報表示装置において、
前記動き情報には、前記表示対象素材の位置の変動を示す位置変動情報、角度の変動を示す角度変動情報およびサイズの変動を示すサイズ変動情報が含まれている
ことを特徴とする遊技場情報表示装置。
【請求項5】
請求項1記載の遊技場情報表示装置において、
前記動き情報には、前記表示対象素材の少なくとも一部が前記表示画面の外側にはみ出すような動きが含まれている
ことを特徴とする遊技場情報表示装置。
【請求項6】
請求項1記載の遊技場情報表示装置において、
前記動き情報には、前記表示対象素材が複数である場合において、該複数の表示対象素材の少なくとも一部が互いに重なるときに、前記複数の表示対象素材のうちのどの表示対象素材を前側に配置するかを示す重なり情報が含まれている
ことを特徴とする遊技場情報表示装置。
【請求項7】
複数の請求項1記載の遊技場情報表示装置と、前記複数の遊技場情報表示装置に接続された管理装置とを含む情報表示システムであって、
前記管理装置は、前記複数の遊技場情報表示装置のそれぞれに前記組み合わせ情報を送信し、
前記各遊技場情報表示装置は、所定の起動条件が成立した場合に、前記管理装置から受けた組み合わせ情報に基づいて前記表示画面の表示を制御する
ことを特徴とする情報表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場に設置される情報表示装置および情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場情報表示装置として、動画像の表示が可能に構成された表示部(例えば、液晶モニタ)を搭載するものがある(例えば、特許文献1、特許文献2)。さらに、画像等を見やすくしたり、演出効果を高めたりすることを目的として、表示部の大型化や表示画像の高画質化が進んでいる。また、近年では、遊技機に関連した画像を情報表示装置に表示させることができるようになっており、エンターテイメント性を高めたり、遊技者の昂揚感を高められるようになっている。
【0003】
一般的に、遊技場情報表示装置では、ROM等に記憶された表示用画像データを読み込んで表示画面に表示させるように構成されている。そして、遊技機の機種変更等の理由により遊技機に対応した表示用画像データに更新する際には、遊技場の開店前等に情報表示装置の管理コンピュータ等から新しい表示用画像データが各情報表示装置に転送することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-94231号公報
【文献】特開2012-228317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術は、表示部の大型化や表示画像の高画質化、コンテンツの多様化が進む一方で、表示用画像データのファイルサイズが大きいという問題がある。特に、動画像データは、ファイルサイズが大きいため、管理コンピュータから情報表示装置へのデータ転送に多大な時間がかかる。さらに、従来は、機種が変わるごとに、その機種のキャラクターに応じた動画像を用意する必要があり、動画の製作に時間とコストがかかるという問題があった。
【0006】
上記の点に鑑み、本発明は、上記問題を解決しつつ表示態様の多様化を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係る遊技場情報表示装置は、遊技場において遊技機とは別に設置され、接続された遊技機の遊技情報を表示する表示画面を有する遊技場情報表示装置であって、外部から、少なくとも1つの静止画像素材、時間の経過に応じて表示対象素材をどのように動かすかを示す動き情報、および、前記静止画像素材の中から前記表示対象素材を抽出し前記動き情報を組み合わせて動作させるための組み合わせ情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部で取得された前記静止画像素材、前記動き情報、および、前記組み合わせ情報が格納される記憶部と、所定の起動条件が成立した場合に前記組み合わせ情報に基づいて前記表示画面に表示される動画表示を制御する表示制御部とを備えている。
【0008】
ここで、「所定の起動条件」には、例えば、時刻に関する条件、管理装置(例えば、管理コンピュータ)からの起動情報の受信、接続された遊技機からの有利遊技情報の受信、接続された遊技機から受信された遊技情報(有利遊技情報を含む)を用いた計数結果や演算結果が所定の条件を満たした場合、および、所定の事象(例えば、遊技場の開店)が発生してからの経過時間等の時間に関する条件が含まれる。
【0009】
また、「有利遊技状態」には、例えば、大当り、小当り、確率変動、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、AT(アシストタイム)、ART(アシストリプレイタイム)が含まれる。また、上記に加えて、例えば、「有利遊技状態」には、遊技者が遊技をする上で有利な状態が含まれる。
【0010】
また、「動き情報」には、例えば、表示対象素材の位置の変動を示す位置変動情報、角度の変動を示す角度変動情報およびサイズの変動を示すサイズ変動情報が含まれる。また、「動き情報」には、表示対象素材が複数である場合において、複数の表示対象素材の少なくとも一部が互いに重なるときに、複数の表示対象素材のうちのどの表示対象素材を前側に配置するかを示す重なり情報が含まれていてもよい。
【0011】
第1態様では、静止画像素材の中から抽出された表示対象素材を動き情報に基づいて動かすことにより動画の再生を実現している。これにより、大容量の動画転送をすることなく、多様性のある動画を再生することができる。例えば、遊技機の入れ替え等でコンテンツを差し替えたい場合に、素材(例えば、キャラクター)の異なる動画を容易に表示させることができる。これにより、接続される遊技機、遊技場のイベント等に合わせて多様な動画を大容量の動画転送をすることなく再生でき、多彩な演出が可能になる。また、遊技場の営業時間中等においても再生する動画を容易に追加したり、差し替えたりすることができるようになる。なお、本開示では、動画はその時々において情報表示装置で作成されるものであるが、その作成された動画を流すことについて「再生」という用語を使用するものとする。
【0012】
遊技場情報表示装置は、情報取得部が、遊技場に設置され遊技場情報表示装置に接続された管理装置と通信を行う第1通信部、携帯型記憶媒体(例えば、USBメモリやSDカード)と通信を行う第2通信部、リモートコントローラと無線通信を行う第3通信部のうちの少なくとも1つを介して外部からの情報を取得するようにしてもよい。
【0013】
この態様によると、情報取得部で取得された情報に基づいて表示対象素材が特定されるので、遊技場管理者等の利便性を高めることができる。
【0014】
前記記憶部には、複数の前記動き情報が格納されており、前記組み合わせ情報は、前記複数の動き情報の中から前記表示制御部が使用する動き情報を含む。
【0015】
この態様によると、表示対象素材の抽出対象となる静止画像素材のバリエーションと、動き情報のバリエーションとの掛け算に基づいた数の動画を再生することができ、再生動画のバリエーションを大幅に増やすことができる。これにより、前記態様に加えてさらに多様な動画を再生でき、より多彩な演出が可能になる。
【0016】
前記記憶部には、少なくとも1つの背景画像素材が格納されており、前記組み合わせ情報には、前記表示制御部が前記表示画面の表示制御において使用する背景画像素材を特定するための背景識別情報が含まれていてもよい。
【0017】
この態様では、背景画像と再生動画の組み合わせのバリエーションが増加できるようになっている。さらに、背景識別情報に基づいて表示させる背景画像素材を変更できるようにしているので、大容量の動画転送をすることなく、背景画像素材の差し替え等を行うことができる。
【0018】
前記動き情報は、前記表示対象素材の少なくとも一部が表示部の外側にはみ出すような動きを含んでいてもよい。
【0019】
これにより、迫力のある動画の再生が可能になる。
【0020】
本発明に係る情報表示システムは、複数の第1態様記載の情報表示装置と、前記複数の情報表示装置に接続された管理装置とを含む。そして、管理装置から前記複数の遊技場情報表示装置のそれぞれに前記静止画像素材、前記動き情報、前記組み合わせ情報を送信し、前記各遊技場情報表示装置は、所定の起動条件が成立した場合に、前記管理装置から受けた組み合わせ情報に基づいて前記表示画面の表示を制御することを特徴とする。
【0021】
本態様によると、遊技機と一体性のある演出を行ったり、隣接する遊技情報表示装置同士で同じ演出を行ったり互いに異なる演出を行ったりする等、多様性のある演出を実現することができるようになる。また、管理装置からの指令で個別または複数の情報表示装置での動画再生が可能になる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、表示態様の多様化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】遊技情報表示システムを含む全体構成のイメージ図である。
【
図2】管理コンピュータおよび遊技情報表示装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】遊技情報表示装置の一例を示す正面図である。
【
図4】遊技情報表示システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図6】遊技情報表示システムの動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図7A】遊技情報表示装置の表示画面の一例を示す図である。
【
図7B】遊技情報表示装置の表示画面の一例を示す図である。
【
図7C】遊技情報表示装置の表示画面の一例を示す図である。
【
図7D】遊技情報表示装置の表示画面の一例を示す図である。
【
図7E】遊技情報表示装置の表示画面の一例を示す図である。
【
図7F】遊技情報表示装置の表示画面の一例を示す図である。
【
図8】遊技情報表示装置のはみ出し表示の処理の一例を説明するための図である。
【
図9】遊技情報表示システムの動作の他の例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用範囲あるいはその用途を制限することを意図するものではない。
【0025】
<遊技情報表示システムの構成>
図1は実施形態に係る情報表示システムとしての遊技情報表示システムを含む全体構成
のイメージ図である。パチンコホール等の遊技場には、遊技場の管理を行うための管理コンピュータ1と、管理コンピュータ1と双方向通信可能に接続された中継ユニット2と、中継ユニット2を介して管理コンピュータ1と双方向通信可能に接続された島管理ユニット31,31,…と、島管理ユニット31,31,…にそれぞれ対応して設けられた遊技島G1,G2,…とが設けられている。中継ユニット2は、例えば、単一のハブで構成されたり、複数のハブを階層的に接続した構成になっている。なお、遊技情報表示システムにおいて、島管理ユニット31,31,…をなくして、入出力ボックス5を中継ユニット2に直接接続するようにしてもよい。
【0026】
遊技島G1,G2,…(以下、単に島ともいう)は、それぞれ、複数の遊技機ユニット4を備えており、該複数の遊技機ユニット4が一対ごとに背中あわせに配置されるとともに、複数対の遊技機ユニット4が横並びに配置されることによって構成されている。
【0027】
遊技機ユニット4は、遊技機7(例えば、パチンコ機、パチスロ機)と、該遊技機7の遊技情報や該遊技機7に対応したキャラクター画像等を表示する情報表示装置としての遊技情報表示装置6と、遊技機7および遊技情報表示装置6と島管理ユニット31との間に設けられた入出力ボックス(入出力装置)5とを備えている。遊技機7から出力された有利遊技情報等を含む遊技情報は、入出力ボックス5を経由して遊技情報表示装置6に入力されるように構成されている。但し、入出力ボックス5は遊技情報表示装置6に内蔵されていてもかまわない。
【0028】
図2に示すように、管理装置としての管理コンピュータ1は、第1通信部11と、記憶部12と、制御部13と、表示部14と、操作入力部15と、第2通信部16とを備えている。
【0029】
遊技情報表示装置6は、第1通信部61と、記憶部62と、制御部63と、表示部64と、操作入力部65と、第2通信部66と、第3通信部69とを備えている。さらに、
図3に示すように、遊技情報表示装置6は、正面視で右下端部に設けられ、表示部64の表示画面の表示内容を切り替えるためのデータボタン65aと、正面視で左下端部に設けられ、遊技場のスタッフを呼び出すための呼出ボタン65bと、遊技状態の情報を遊技者や遊技場の店員に光で報知するための発光部67とを備えている。操作入力部65は、データボタン65aおよび呼出ボタン65bを含んでいる。
【0030】
管理コンピュータ1と遊技情報表示装置6とは、互いの第1通信部11,61を介してデータ通信ができるように構成されている。なお、
図1および
図2では、第1通信部11,61同士が有線で通信する例を示しているが、無線でデータ通信等するようにしてもよい。
【0031】
以下において、管理コンピュータ1および遊技情報表示装置6の構成について、より具体的に説明する。
【0032】
-遊技情報表示装置の構成-
まず、遊技情報表示装置6について説明する。
【0033】
第1通信部61は、入出力ボックス5等を介して管理コンピュータ1との間で情報通信する機能を有する。具体的に、第1通信部61は、管理コンピュータ1もしくは島管理ユニット31からの指示を受けまたは自機内での処理に基づいて管理コンピュータ1や島管理ユニット31に遊技情報や呼出情報を送信したり、管理コンピュータ1から後述する、画像素材Q、動き情報62b、組み合わせ情報62c等を受信したりする機能を有する。第1通信部61に受信された情報は、制御部63を介して記憶部62に格納される。
【0034】
記憶部62には、文字素材P1およびオブジェクト素材P2を含む静止画像素材Pおよび背景画像素材Bが登録された素材データベース62a、表示部64の表示画面上において静止画像素材Pを時間の経過に応じてどのように動かすかを示す動き情報62b、および、静止画像素材Pの中から表示対象素材を抽出し動き情報に組み合せて動作させるため組み合わせ情報62cが格納されている。以下の説明において、静止画像素材Pと背景画像素材Bとを総称して、単に画像素材Qということがある。組み合わせ情報には、例えば、後述する表示素材識別情報、背景識別情報、動き識別情報が含まれ得る。
【0035】
なお、素材データベース62aに格納されている画像素材Qや、動き情報62bや、組み合わせ情報62cは、遊技情報表示装置6の製造過程等において記憶部62にあらかじめ登録されているものを用いてもよいし、遊技情報表示装置6が遊技場に設定された後に、第1通信部61や、第2通信部66や、第3通信部69を介して外部(例えば、管理コンピュータ1もしくは情報記憶媒体8)から受け取って記憶部62に格納されたものを用いるようにしてもよい。
【0036】
静止画像素材Pは、個々に異なる表示素材識別情報によって識別できるようになっている。換言すると、表示素材識別情報は、複数の静止画像素材Pの中から表示部に表示させる表示対象素材を識別するための情報である。同様に、背景画像素材Bおよび動き情報62bは、それぞれ、個々に異なる背景識別情報および動き識別情報によって識別できるようになっている。これらの識別情報には、例えば、識別番号や識別記号等の識別子、名称および種別情報等が含まれ得る。ただし、これらの識別情報の形態は上記に限定されず、各静止画像素材P、背景画像素材Bおよび動き情報62bが他の素材と識別できるようになっていればよい。
【0037】
文字素材P1には、例えば、遊技情報を示す数値データを示す数字素材やテキスト素材が含まれる。テキスト素材は、例えば、数字素材の数値が示す遊技情報の内容を示すために用いられたり、有利遊技状態の種別を示すために用いられる素材である。例えば、
図3および
図5のP11,P12は、有利遊技状態としてのボーナスの種別を示す文字素材P1の一例を示している。なお、文字素材P1は、数字やテキスト自体を画像素材としてもよいし、数字やテキストの周囲を所定形状(例えば、矩形状)のフレームで囲み、フレームとテキストとを合成して単一の画像素材としてもよい。また、数字やテキストの色、フォント、透過率等が設定等により変更可能に構成されていてもよい。また、
図5のP13a~P13eのように、各文字単体を文字素材P1としつつ、それらをまとめてグループP13として登録し、文字単体およびグループのどちらでも使用できるようにしてもよい。
【0038】
オブジェクト素材P2とは、様々なオブジェクトの形を表現した素材である。オブジェクト素材P2には、接続先の遊技機に登場するキャラクターや、季節等に応じた服装をしたキャラクター、遊技場運営者が使用しているイメージキャラクター等のキャラクター素材が含まれ得る。このようなキャラクター素材を用いることにより、エンターテイメント性を高めたり、遊技者の高揚感を高める演出をすることができる。
図3および
図5のP21は、オブジェクト素材P2のうちのキャラクター素材の一例を示している。
【0039】
なお、以下の説明では、静止画像素材Pとして、文字素材P1およびキャラクター素材P2を例に挙げて説明しているが、これに限定されるものではなく、静止画像素材Pが文字やキャラクター以外の画像素材であってもよい。
【0040】
背景画像素材Bは、表示制御部62が静止画像素材Pを動き情報62bにしたがって表示部64の表示画面W(以下、単に表示画面Wともいう)上で動かす際に、背景として表
示させるための画像素材である。背景画像素材Bは、背景として表示可能な素材であればよく、特に限定されない。例えば、背景画像素材Bは、静止画像素材であってもよいし、動画像素材であってもよい。また、背景画像素材Bとして、有利遊技状態や呼出し等が発生していない通常動作画面に用いられる背景画像素材Bを継続して使用するようにしてもよい。また、背景画像素材Bとして、あらかじめ記憶部62内に用意された背景画像素材を使用してもよいし、遊技場の営業時間外などに管理コンピュータ1から送信された背景画像素材を使用するようにしてもよい。
【0041】
動き情報62bは、時間の経過に応じて表示部64に表示させる静止画像素材Pをどのように動かすかを示す情報である。以下の説明では、説明の理解を容易にするために、表示部に表示させる静止画像素材Pを「表示対象素材P」と呼ぶものとする。動き情報62bは、例えば、プログラム形式で記述されたり、表示部64の表示画面W上での座標を変化を示すテーブル形式で記述されている。ただし、動き情報62bの形式はこれに限定されない。
【0042】
動き情報には、例えば、表示対象素材Pの位置の変動を示す位置変動情報、角度の変動を示す角度変動情報およびサイズの変動を示すサイズ変動情報が含まれる。位置変動情報は、位置の変化量で示されていてもよいし、変化後の位置の座標で示されていてもよい。角度変動情報、サイズ変動情報についても同様である。また、動き情報には、表示対象素材Pが複数である場合において、複数の表示対象素材Pの少なくとも一部が互いに重なるときに、複数の表示対象素材Pのうちのどの表示対象素材Pを前側に配置するかを示す重なり情報が含まれていてもよい。さらに、動き情報、すなわち、表示対象素材をどのように動かすかについて、表示対象素材Pを動かす過程において、表示対象素材Pに対して施す処理が含まれていてもよい。例えば、透過度であったり、色彩の変更等である。また、動き情報(表示対象素材をどのように動かすか)に、表示対象素材Pの数の増加、減少等その他の表示情報が紐付けされていてもよく、これらも本開示に係る「動き情報」に含まれるものである。
【0043】
なお、以下において、動き情報に基づいて表示対象素材Pを動かすことにより作成された動画を装置内作成動画というものとする。
【0044】
制御部63は、例えば、マイクロコンピュータで構成され、遊技情報表示装置6全体の動作制御を行う。制御部63は、表示部64の表示を制御する表示制御部としての機能を包含している。具体的に、例えば、有利遊技状態や呼出し等が発生していない通常遊技状態では、制御部63は、
図3に示すように表示画面Wに対して遊技情報等を表示させる制御を行う。同様に、データボタン65aや呼出ボタン65b、表示部64のタッチパネル部65c等が操作された場合には、その操作に応じた表示を表示画面Wに表示させる。
【0045】
表示部64は、例えば、一部または全部がタッチパネルに対応した表示画面Wを有する。表示画面Wには、制御部63の制御を受けて、遊技情報、有利遊技状態(例えば、大当りやボーナス等)が発生した際の装置内作成動画および店舗情報等が表示される。表示画面Wの表示動作については、後ほど詳細に説明する。
【0046】
第2通信部66は、USBメモリ、SDカード等の情報記憶媒体8が差し込めるように構成されている。そして、情報記憶媒体8が第2通信部66に差し込まれている状態で、管理コンピュータ1やリモートコントローラ9等から受けた読出し指令に基づいて、制御部63が情報記憶媒体8にアクセスし、情報記憶媒体8からの情報の読み出しや情報記憶媒体8への情報の書き込みができるように構成されている。
【0047】
第3通信部69は、リモートコントローラ9との間で無線通信ができるように構成され
ている。具体的には、遊技場の管理者や従業員等(以下、管理ユーザーという)によって、遊技情報表示装置6の各種設定の追加や変更等ができるようになっている。
【0048】
-管理コンピュータの構成-
次に、管理コンピュータ1の構成について説明する。
【0049】
第1通信部11は、制御部13の制御を受け、各遊技情報表示装置6との間で情報通信する機能を有する。具体的に、第1通信部11は、遊技情報表示装置6から遊技情報や呼出情報を受信したり、遊技情報表示装置6に対して後述する表示素材識別情報や記憶部12に格納された画像情報等を送信したりする機能を有する。
【0050】
記憶部12には、遊技情報表示装置6の記憶部62と同様に、画像素材Qが登録された素材データベース12aと、動き情報12bと、組み合わせ情報12cとが格納されている。記憶部12の素材データベース12aに登録された画像素材Qと、遊技情報表示装置6の記憶部62の素材データベース62aに登録された画像素材Qとは、対応する素材同士が共通の表示素材識別情報および背景識別情報で紐付けされている。これにより、管理ユーザーが、管理コンピュータ1の表示部14上で表示させかつ選択した画像素材Qに基づいて、遊技情報表示装置6にその画像素材Qを表示させることができるようになる。具体的な表示動作については、後述する「遊技情報表示システムの動作」において詳細に説明する。
【0051】
制御部13は、第1通信部11、記憶部12、表示部14等、管理コンピュータ1の各構成要素を制御する。また、表示画面設定ソフトウェアおよび台管理ソフトウェアのプロクラムを起動して、該ソフトウェアの操作画面を表示部14に表示させる。また、キーボード、マウス、タッチパネル等で構成された操作入力部15からの操作入力に応じた処理を実行する。表示部14には、上記各ソフトウェアに係る操作画面および編集画面等の各種表示が行われる。
【0052】
第2通信部16は、遊技情報表示装置6の第2通信部66と同様に、USBメモリ、SDカード等の情報記憶媒体8が差し込めるように構成されている。そして、情報記憶媒体8が第2通信部16に差し込まれた場合に、制御部13が、情報記憶媒体8にアクセスして情報の書き込みや読み出しができるように構成されている。
【0053】
なお、管理コンピュータ1および遊技情報表示装置6の素材データベース12a,62aに登録された静止画像素材Pおよび背景画像素材Bは、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0054】
また、管理コンピュータ1および遊技情報表示装置6の素材データベース12a,62aは、画像素材Q(静止画像素材P/背景画像素材B)の追加、修正又は削除等の更新作業ができるように構成されていてもよい。例えば、管理コンピュータ1の素材データベース12aに登録された画像素材Qのうち遊技情報表示装置6の素材データベース62aに登録されていない未登録素材(図示省略)がある場合、管理側ユーザーは、遊技情報表示装置6の素材データベース62aに未登録素材を登録することができる。この場合、例えば、遊技場の営業時間外に管理ユーザーが管理コンピュータ1から遊技情報表示装置6に未登録素材を送信させてもよいし、管理ユーザーが情報記憶媒体8に記憶された未画像素材を遊技情報表示装置6に直接読み込ませるようにしてもよい。また、例えば、管理コンピュータ1において、管理ユーザーが作成したオリジナル画像を第2通信部16から取得して素材データベース12aに追加したり、素材データベース12aに登録された画像素材Qを管理コンピュータ1上で編集して素材データベース12aに再登録したりすることができる。そして、そのようにして素材データベース12aに登録された画像素材Qを上
記と同様にして遊技情報表示装置6に送信するようにしてもよい。
【0055】
<遊技情報表示システムの動作>
次に、遊技情報表示システムの動作について、詳細に説明する。
【0056】
-表示画面の設定-
まず、管理ユーザーが管理コンピュータ1を用いて遊技情報表示装置6の表示部64の表示画面Wを設定する際の管理コンピュータ1の動作について説明する。なお、特に明記する場合を除いて、管理コンピュータ1における制御の主体は、制御部13が行うものとする。なお、制御部13以外が主体となってもかまわない。
【0057】
まず、
図4のステップS11において、管理ユーザーは、管理コンピュータ1の表示画面設定ソフトウェアを起動する。その後、ステップS12において、各遊技情報表示装置6で表示させる装置内作成動画に適用する静止画像素材P、背景画像素材Bおよび動き情報62bを選択する。
【0058】
以下、ステップS12について具体的に説明する。
【0059】
まず、管理ユーザーは、これから選択する画像素材Qと動き情報62bの適用対象となる遊技情報表示装置6を選択する。例えば、管理ユーザーは、
図5に示すように、管理コンピュータ1に登録されている遊技場に設置されたすべての遊技情報表示装置6を示すリストの中から、この後のフローにおいて設定する装置内作成動画を再生させる遊技情報表示装置6を選択する。ここでは、
図5において太枠線で囲まれて下線が引かれた遊技情報表示装置6(No101-200,202)が管理ユーザーによって選択されたものとする。このように、管理ユーザーが一度に複数の遊技情報表示装置6を選択できるようにしてもよいし、遊技島G1,G2,…単位で選択できるようにしてもよい。
【0060】
次に、管理ユーザーは、選択された遊技情報表示装置6に適用する背景画像素材B、表示対象素材Pおよび動き情報62bを選択する。管理ユーザーは、
図5に示すように、画像素材Q(背景画像素材B、表示対象素材P)および動き情報62bの選択肢が表示されたリストや素材サンプルの中から装置内作成動画に用いる画像素材Qや動き情報62bを選択する。ここでは、
図5において太枠線で囲まれて下線が引かれた背景画像素材B31、静止画像素材P12、P21および動き情報62bのパターンY2(以下、動き情報Y2という)が選択されたものとする。なお、表示画面設定ソフトウェアは、この選択の終了後に、記憶部12の素材データベース12aに格納された背景画像素材Bや静止画像素材Pを使ってサンプル動画を作成し、表示部14に表示させるように構成されてもよい。
【0061】
同様にして、管理ユーザーは、管理コンピュータを用いて、遊技場内で設定を行いたいすべての遊技情報表示装置6に対する上記の装置内作成動画の設定を実施する。
【0062】
設定終了後、ステップS13では、管理コンピュータ1から電源投入後の各遊技情報表示装置6に対して、ステップS12で設定された背景画像素材B、静止画像素材Pおよび動き情報Y2に対応する表示素材識別情報、背景識別情報および動き識別情報を含む組み合わせ情報62cが送信される。このように、組み合わせ情報62cのみを送信するようにしているので、遊技情報表示装置6の表示画面Wに新しい動画を再生させるために必要な送信データ量を大幅に削減することができる。なお、このステップS13において、管理コンピュータ1から遊技情報表示装置6に追加の画像素材Qや追加の動き情報62bを送信するようにしてもよい。この場合においても、遊技情報表示装置6の外部で製作された動画像を直接送信する場合と比較して、送信データ量を大幅に削減することができる。
【0063】
-遊技情報表示装置の表示動作-
次に、遊技情報表示装置6の表示画面の設定動作および表示動作について、詳細に説明する。
【0064】
まず、遊技情報表示装置6では、電源がONされると、表示部64の表示画面Wに通常動作画面(デフォルト画面)が表示される(S21)。
【0065】
ステップS22において、遊技情報表示装置6は、上記「表示画面の設定」のステップS13の動作で管理コンピュータ1から送信された組み合わせ情報62cを受信する。第1通信部61を介して受信された組み合わせ情報62cは、制御部63に送られ、記憶部62または制御部63の一時メモリ(図示省略)等に保存される。本開示における記憶部は、制御部63の一時メモリのような一時的にデータを記憶するものを含む概念である。
【0066】
なお、ステップS13の処理、および、ステップS22の処理は、一般的には、遊技場の営業時間外に実施される。なお、本開示の技術は、ステップS13で送信する情報の情報量(必要容量)が、動画を送信する場合と比較して大幅に少なくてすむようになっているので、仮に、これらの処理を営業時間内に実施しても、遊技場の営業(例えば、営業中の遊技情報や呼び出し情報の送受信等)を妨げることがない。
【0067】
遊技機7の電源がONされ遊技場が開店されると、遊技者の遊技開始にしたがって遊技機7が通常動作を開始し(S31)、遊技機7から遊技情報表示装置6に対して遊技情報が送信される。遊技情報表示装置6では、遊技機7からの遊技情報を受信すると、その都度表示画面Wの表示が更新される(S25)。遊技機7から遊技情報表示装置6への遊技情報伝達動作および遊技情報表示装置6での遊技情報の表示や更新の動作は、従来技術と同様であり、ここではその詳細な説明を省略する。
【0068】
その後、遊技機7で有利遊技状態が発生すると、ステップS32に示すように、発生した有利遊技状態に応じた有利遊技情報が遊技機7から遊技情報表示装置6に通知される。例えば、遊技機7で有利遊技状態として大当りや各種ボーナスが発生した場合には、有利遊技情報としてその発生した有利遊技状態を識別できるような信号が送信される。
【0069】
遊技情報表示装置6では、有利遊技情報を受信すると、背景画像素材Bを用いた動作再生を含む有利遊技状態に係る表示処理(以下、有利遊技表示処理という)が実行される(S26)。
【0070】
(有利遊技表示処理)
以下において、有利遊技表示処理について、
図4および
図6を参照しながら、具体的に説明する。
【0071】
まず、制御部63は、記憶部62に格納された組み合わせ情報62cを参照し、記憶部62から組み合わせ情報62cが示す素材や情報を抽出する。具体的に、制御部63は、表示素材識別情報および背景識別情報を参照し、各識別情報が示す表示対象素材Pおよび背景画像素材Bを記憶部62に格納された素材データベース62aから取り出す。同様に、制御部63は、動き識別情報が示す動き情報62bを記憶部62から取り出す。ここでは、前述の「表示画面の設定」で記載したとおり、組み合わせ情報62cが、背景画像素材B31、文字素材P12、キャラクター素材P21および動き情報Y2を示しているので、これらの情報が記憶部62から制御部63に取り出される。
【0072】
次に、制御部63は、表示画面を通常動作画面からあらかじめ定められた特定の表示(以下、特定表示という)に切り替える。また、動画再生時間枠と作成動画MY2の再生時間とを比較する。動画再生時間枠とは、装置内作成動画を再生するために割り当てられた時間枠である。作成動画MY2とは、動き情報Y2に基づいて作成される装置内作成動画である。そして、制御部63は、動画再生時間枠の終了時間にあわせて作成動画MY2の再生が終わるように、その動画の開始時刻SY2を決定する。なお、制御部63が、本ステップS26に代えてステップS22において、あらかじめ開始時刻SY2を計算するようにしてもよい。
【0073】
そして、制御部63は、有利遊技情報を受信してから開始時刻SY2までの間、特定表示を実行した後、装置内作成動画の再生を開始させる(
図6参照)、すなわち、文字素材P12およびキャラクター素材P21を所定の表示開始位置(起点位置)にフェードインさせる。その後、制御部63は、文字素材P12およびキャラクター素材P21を起点位置から動き情報Y2に基づいて動かす。具体的な作成動画MY2の再生例については、後ほど詳細に説明する。
【0074】
ここで、上記特定表示の内容は、特に限定されないが、例えば、通常遊技状態の表示画面である通常動作画面の表示を継続してもよいし、背景画像素材B31を表示して待機するようにしてもよい。このように、動画再生時間枠を設けて、装置内作成動画(作成動画MY2)の前に特定表示の期間(マージン期間)を設けることにより、装置内作成動画(作成動画MY2)の再生時間、すなわち、動き情報62b(動き情報Y2)で静止画像を動かす時間を多少前後させることができるようになる。これにより、装置内作成動画の作成、すなわち、動き情報62bの作成に関する自由度が増すというメリットが得られる。
【0075】
作成動画MY2の再生が終了する、すなわち、動画再生時間枠が終了すると、制御部63は、有利遊技状態中の出玉情報等を示す有利遊技状態時用の遊技情報を表示する。なお、有利遊技状態時用の遊技情報は、従来技術における有利遊技状態時の遊技情報表示と同様であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0076】
遊技機7の有利遊技状態が終了すると、ステップS33に示すように、遊技機7は通常遊技状態(通常遊技動作)に移行する。このとき、遊技機7から有利遊技状態の終了通知が送信される。
【0077】
制御部63は、有利遊技状態が終了したと判断すると、表示画面Wが通常動作画面に戻す処理を行う(S27)。なお、制御部63は、遊技機7からの有利遊技状態の終了通知を受信しない場合においても、遊技情報表示装置6は、遊技機7から受けた遊技情報に基づいて有利遊技状態の終了を判断し、その結果に基づいて表示画面Wを通常動作画面に戻す。有利遊技状態の終了通知を受信しない場合の動作に関しては、後述する「その他の実施形態」において
図9を参照しつつ具体的に説明する。
【0078】
-装置内作成動画例-
以下において、装置内作成動画について具体的に説明する。
図7Aから
図7Fは、装置内作成動画の説明のために、装置内作成動画の一部を取り出して静止画像として図示したものである。
【0079】
まず、ボーナス開始直後から1秒後にかけて通常表示画面から背景画像素材B31への差し替えが行われ、さらにその1秒後に表示対象素材Pである文字素材P12およびキャラクター素材P21が所定の表示開始位置としての画面中央にフェードインされる。すなわち、この例では、ボーナス開始直後から2秒間が特定表示期間に相当する。
【0080】
次に、
図7Aおよび
図7Bに示すように、文字素材P12およびキャラクター素材P21を徐々に拡大させながら、一方を右斜め上がりに移動させて他方を左斜め下がりに移動させる動きと、一方を左斜め下がりに移動させて他方を右斜め上がりに移動させる動きとの往復移動を、移動幅を拡大させながら複数回反復させる。このとき、左斜め下がりに移動させる素材と、右斜め上がりに移動させる素材とが重なる場合には、所定の方向に移動させる素材(例えば、左斜め下がりに移動させる素材)が前側に重なるようにして移動させる。これにより、図面左右方向の中心を上下方向に延びる回転軸の周りを図面斜め方向に向かって渦を巻くように旋回しながら徐々に迫ってくるような動画を実現することができる。
図7Bに示すような再生状態まで進んだ後は、文字素材P12およびキャラクター素材P21の一部が表示画面Wの外側にはみ出すように移動させる。表示画面の外側にはみ出す動きは、例えば、
図8に示すように、表示画面Wよりも広い素材の動作領域LAを設けて、その動作領域LA内で文字素材P12およびキャラクター素材P21を動かすようにするとよい。なお、
図8は、
図7Eの画像と対応した図面である。このように、文字素材P12およびキャラクター素材P21の一部を表示画面Wの外側にはみ出させるような動きをすることにより、迫力のある動画を実現することができる。
【0081】
次に、
図7Cおよび
図7Dに示すように、文字素材P12およびキャラクター素材P21を、それぞれ回転させつつ、さらに拡大させるとともに、互いの位置が入れ替わるように移動させる。上記の回転、拡大および移動は、すべて同時に行われる。このとき、
図7Cでは、キャラクター素材P21の回転方向の後側に、キャラクター素材P21と同じものを追加で新たに表示させ、しばらくしてそれを消す動きを挟むようにしている。また、
図7Dでは、透過度が高いキャラクター素材P21(残像素材P21)をキャラクター素材P21の手前側に位置をずらして重ね、キャラクター素材P21および残像素材P21を上下左右方向に振動させる動きをさせている。その後、残像素材P21を拡大させながらフェードアウトさせている。このように、移動方向の前後にキャラクター素材P21の追加や消去をする動きをしたり、透過度の異なる素材を重ねあわせたり、それを振動させたりすることにより、キャラクター素材P21が残像を残しながら移動するような動画を実現することができる。
【0082】
最後に、
図7Eおよび
図7Fに示すように、キャラクター素材P21を元の傾きに戻るように回転させつつ、同時に縮小させながらその全体が見えるようにして左下に移動させる。同様に、文字素材P12を元の傾きに戻るように回転させつつ、同時に縮小させながらその全体が見えるようにして右上に移動させる。
【0083】
以上のように、本実施形態によると、遊技情報表示装置6内にあらかじめ格納された静止画像素材Pを、管理コンピュータ1から受けた動き情報62bに基づいて動かすことにより、動画再生を実現している。これにより、大容量の動画転送をする必要がない。また、静止画像素材Pの数と動き情報62bの数とを乗算した数の動画を作成することができる。すなわち、動画の作成コストを大幅に削減しつつ、多様性のある動画を再生することができる。
【0084】
-その他の実施形態-
なお、本開示における技術は、上記実施形態での説明した構成に限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用が可能である。また、上記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
【0085】
例えば、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0086】
上記実施形態では、制御部63は、有利遊技表示処理において、動画の開始時刻SY2を決定し、その動画開始時刻SY2まで特定表示を実行するものとしたが、これに限定されない。例えば、動画の開始時刻SY2を設定せずに、動画再生時間枠に合うように作成動画MY2の再生時間を調整するようにしてもよい。具体的な方法は特に限定されないが
、例えば、動き情報Y2に可変部分を作って、作成動画MY2の再生時間を調整することで実現できる。より具体的には、
図7A~
図7Fの動きをさせる動き情報Y2があった場合に、
図7Aや
図7Bの文字素材P12およびキャラクター素材P21の往復移動回数(上記可変部分に相当)を調整し、動画再生時間枠の終了が迫ったころに
図7Fに至るようにすることができる。
【0087】
例えば、上記実施形態では、情報表示装置として、遊技情報表示装置の例を挙げて説明したが、本開示に係る技術は、遊技情報表示装置以外の情報表示装置にも適用が可能である。例えば、遊技島G1,G2,…の通路側端部(例えば、
図1の左右方向の端部)の上方部や各遊技機ユニットの上方部等に設置される情報表示装置としてのPOP(Point of
purchase advertising)や情報表示板等に表示画面を設け、その表示画面で本開示に係
る動画を再生させるようにしてもよい。また、各遊技機7の側方に取り付けられ、遊技者に対して各種情報を提供する情報表示装置(図示省略)に本開示の技術を適用してもよい。この場合において、これらの情報表示装置を管理コンピュータで管理できるようにしてもよいし、各情報表示装置がリモートコントローラや、情報表示装置に設けられた操作入力部からの操作に応じて動画設定等ができるようにしてもよい。
【0088】
また、本開示の技術は、互いに異なる有利遊技状態が連続して発生する場合についても適用することができ、同様の効果を得ることができる。
図9では、遊技機7に2つの有利遊技状態(第1有利遊技状態と第2有利遊技状態)が連続して発生した例を示している。ここで、第1有利遊技状態では、遊技機7から遊技情報表示装置6に有利遊技状態の終了通知が送信されるものとし、第2有利遊技状態では、遊技機7から遊技情報表示装置6に対する有利遊技状態の発生通知および終了通知が送信されないものとする。この場合、遊技情報表示装置6では、所定期間の遊技情報に基づいて有利遊技状態の発生および終了を判定し、その判定結果に基づく表示動作を行う。なお、装置内作成動画の表示態様は特に限定されない。例えば、
図9に示すように、特定表示と装置内作成動画の再生順序が上記実施形態で説明した順序と反対になってもかまわない。また、例えば、装置内作成動画を特定表示を挟んで複数回繰り返して再生するようにしてもよいし、装置内作成動画の再生と有利遊技状態時の遊技情報表示とを所定の時間毎に交互に表示するようにしてもよい。なお、
図9における遊技情報表示装置6の装置内作成動画の再生動作は、上記実施形態と同様であり、ここではその詳細な説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、遊技情報表示装置の表示部の表示画面に静止画像素材を用いて動画像を表示することができるので、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0090】
1 管理コンピュータ
6 遊技情報表示装置(情報表示装置)
61 第1通信部
62 記憶部
62a 素材データベース
62b 動き情報
63 制御部(表示制御部)
65 操作入力部
66 第2通信部
69 第3通信部