特許 7049624 カードケース、表示ユニット及び洗濯機

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2022-03-30

(45)【発行日】2022-04-07

(54)【発明の名称】カードケース、表示ユニット及び洗濯機

(51)【国際特許分類】

   D06F 39/12 20060101AFI20220331BHJP

   D06F 39/00 20200101ALI20220331BHJP

【ＦＩ】

D06F39/12 B

D06F39/00 A

【請求項の数】 5

(21)【出願番号】P 2017171945

(22)【出願日】2017-09-07

(65)【公開番号】P2019042427

(43)【公開日】2019-03-22

【審査請求日】2020-08-05

(73)【特許権者】

【識別番号】512128645

【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司

【氏名又は名称原語表記】ＱＩＮＧＤＡＯ ＨＡＩＥＲ ＷＡＳＨＩＮＧ ＭＡＣＨＩＮＥ ＣＯ．，ＬＴＤ．

(73)【特許権者】

【識別番号】307036856

【氏名又は名称】アクア株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100137486

【弁理士】

【氏名又は名称】大西 雅直

(72)【発明者】

【氏名】山本 正和

(72)【発明者】

【氏名】齊藤 淳志

【審査官】大内 康裕

(56)【参考文献】

【文献】特開２０１７－１４０１４１（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１６－００４３８１（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平１１－０５７３００（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｄ０６Ｆ ３９／１２

Ｄ０６Ｆ ３９／００

Ｄ０６Ｆ ９５／００

Ｇ０７Ｆ ９／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

予め定める情報が記載されるカードを保持するための、コインランドリーで用いられるカードケースであって、
前記カードを支持するためのカード支持面と、
前記カードを下方に落下することを禁止するためのカード止め部と、
前記カードを外方へ表示するための通常姿勢及びカードを交換可能な姿勢にて保持するための交換姿勢との間で動作可能に取付対象に対し係り合う係合片とを具備し、
前記係合片は、前記カードを外方へ表示するための通常姿勢及びカードを交換可能な姿勢にて保持するための交換姿勢との間で動作可能であり、
前記係合片が、前記交換姿勢において前記カード支持面を上向き傾斜姿勢で保持されるための傾斜面を有していることを特徴とするカードケース。

【請求項2】

前記カード止め部が前記カード支持面の下端から立設されたものであり、
前記カード止め部の先端に前記カード支持面に支持された前記カードが前記カード支持面から厚み方向に離間することを禁止するための保持突起が設けられる請求項１記載のカードケース。

【請求項3】

前記係合片が厚み方向に変形可能な弾性変形部を有するものであり、
前記弾性変形部を弾性変形させることにより前記取付対象から取り外し可能に構成されている請求項１記載のカードケース。

【請求項4】

請求項１～３の何れかに記載のカードケースと、
洗濯及び／又は乾燥機能を有する洗濯装置の前面に表示され所定の洗濯方法及び／又は乾燥方法を表示するカードと、
前記カードケースの一端側を回動可能に支持する軸受け穴及び他端側を係止するための係止面を有するユニット本体とを具備することを特徴とする洗濯及び／又は乾燥機能を有する洗濯装置の表示ユニット。

【請求項5】

請求項４記載の表示ユニットを具備することを特徴とする洗濯及び／又は乾燥機能を有する洗濯装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は前面側に表示ユニットを備えた洗濯機並びに当該表示ユニットに用いられるカードケースに関する。

【背景技術】

【0002】

従来、コインランドリーなどに設置される洗濯機は、洗濯脱水機能、洗濯脱水乾燥機能を備えるものがある。

【0003】

コインランドリーに設置される洗濯機や洗濯乾燥機は、使用者の用途に応じて、洗濯物の量や乾燥の有無、更には洗濯を除いた乾燥のみ行うといった種々の運転パターンを適宜選択し得るよう、任意の運転パターンである複数のコースの何れか一のコースを選択できるものが通常である。

【0004】

そして洗濯機に設定された複数のコースのそれぞれの概要が、使用者に視認され易いよう洗濯機の前面側に表示されている。当該概要としては、上述した洗濯物の量や乾燥の有無、乾燥のみといった運転パターンの概要のみならず、各コースに要する所要時間も記載されていることが通常である（例えば、特許文献１参照）。

【0005】

そして上述した各コースは、洗濯機の前面の所定位置にシール等にて貼着したり、予め全面に塗装やラッピング等により印字されていたりすることが通常である。

【0006】

ここで現在では、コインランドリーに用いられる洗濯機の場合、季節、店舗の立地、特に周辺の住宅環境により、洗濯機に設定されるコースの概要が、店舗により、場合によっては各洗濯機により異なっていたり、季節により適宜変更されたりするといった態様が採られる傾向にある。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0007】

【文献】特開２０１７－１４０１４１号公報（図３参照）

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0008】

しかしながら、従来のように複数のコースに関する表示を洗濯機の前面に貼付しているという態様では、従来の表示に関するシールを一度剥がしてから、新たなシールを貼るという手間が掛かってしまう。

【0009】

また、洗濯機の前面の表示そのものを液晶やその他の電気的な表示とすることも考えられる。しかしこの場合では、洗濯機の待機電力の増大や機構の複雑化を招来することとなってしまう。

【0010】

本発明は、上述したような課題を解決するためになされたものであり、洗濯に関する工程の変更に対して使用者への表示を簡便且つ確実に対応することができるカードケース及びカードケースを有する表示ユニット、そして表示ユニットを具備する洗濯機を提供することを目的としている。

【課題を解決するための手段】

【0011】

上述したような課題を解決するためになされた本発明に係るカードケースは、予め定める情報が記載されるカードを保持するための、コインランドリーで用いられるカードケースであって、前記カードを支持するためのカード支持面と、前記カードを下方に落下することを禁止するためのカード止め部と、前記カードを外方へ表示するための通常姿勢及びカードを交換可能な姿勢にて保持するための交換姿勢との間で動作可能に取付対象に対し係り合う係合片とを具備し、前記係合片は、前記カードを外方へ表示するための通常姿勢及びカードを交換可能な姿勢にて保持するための交換姿勢との間で動作可能であり、前記係合片が、前記交換姿勢において前記カード支持面を上向き傾斜姿勢で保持されるための傾斜面を有していることを特徴とする。

【0013】

また、本発明に係るカードケースは、前記カード止め部が前記カード支持面の下端から立設されたものであり、前記カード止め部の先端に前記カード支持面に支持された前記カードが前記カード支持面から厚み方向に離間することを禁止するための保持突起が設けられることを特徴とする。

【0014】

また、本発明に係るカードケースは、前記係合片が厚み方向に変形可能な弾性変形部を有するものであり、前記弾性変形部を弾性変形させることにより前記取付対象から取り外し可能に構成されていることを特徴とする。

【0015】

また、上述したカードケースを用いた本発明に係る洗濯及び／又は乾燥機能を有する洗濯装置の表示ユニットは、カードケースと、洗濯及び／又は乾燥機能を有する洗濯装置の前面に表示され所定の洗濯方法及び／又は乾燥方法を表示するカードと、前記カードケースの一端側を回動可能に支持する軸受け穴及び他端側を係止するための係止面を有するユニット本体とを具備することを特徴とする。

【0016】

そして本発明に係る洗濯及び／又は乾燥機能を有する洗濯装置は、上記表示ユニットを具備することを特徴とする。

【発明の効果】

【0017】

本発明に係るカードケースは、予め定める情報が記載されるカードを保持するための、コインランドリーで用いられるカードケースであって、前記カードを支持するためのカード支持面と、前記カードを下方に落下することを禁止するためのカード止め部と、前記カードを外方へ表示するための通常姿勢及びカードを交換可能な姿勢にて保持するための交換姿勢との間で動作可能に取付対象に対し係り合う係合片とを具備し、前記係合片は、前記カードを外方へ表示するための通常姿勢及びカードを交換可能な姿勢にて保持するための交換姿勢との間で動作可能であり、前記係合片が、前記交換姿勢において前記カード支持面を上向き傾斜姿勢で保持されるための傾斜面を有していることを特徴とする。

【0018】

これにより、所定の洗濯方法を表示するカードを安定して保持しつつ、不意な落下を開始しながら円滑に交換することができる。その結果、洗濯方法を適宜変更し得る洗濯機において使用者への表示の変更に対し正確且つ円滑に対応することに寄与することができる。

【0019】

また、係合片が、交換姿勢においてカード支持面を上向き傾斜姿勢で保持されるための傾斜面を有しているので、交換姿勢におけるカードの不意な落下を有効に回避することができる。

【0020】

また、本発明に係るカードケースは、カード支持面に支持されたカードがカード支持面から厚み方向に離間することを禁止するための保持突起を具備しているので、交換姿勢におけるカードの不意な落下をより有効に回避することができる。

【0021】

また、本発明に係るカードケースは、係合片が厚み方向に変形可能な弾性変形部を有するものであり、弾性変形部を弾性変形させることにより取付対象から取り外し可能に構成されているので、カードケースの取付対象に対する交換をも円滑に行うことができる。

【0022】

また、本発明に係る表示ユニットは、カードケースと、洗濯及び／又は乾燥機能を有する洗濯装置の前面に表示され所定の洗濯方法及び／又は乾燥方法を表示するカードと、カードケースの一端側を回動可能に支持する軸受け穴及び他端側を係止するための係止面を有するユニット本体とを具備するものであるので、カードの円滑な交換を図り、所望の表示を容易に実現することができる。

【0023】

そして本発明に係る洗濯及び／又は乾燥機能を有する洗濯装置は、上記表示ユニットを具備するので、動作に関する所望の表示を容易に実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【0024】

【図1】本発明の一実施形態に係る洗濯機１の正面図である。

【図2】洗濯機１の外観を示す図である。

【図3】洗濯機１に取り付けられる表示ユニット４の正面図である。

【図4】表示ユニット４の側面図である。

【図5】表示ユニット４の斜視図である。

【図6】交換姿勢（Ｑ２）における表示ユニット４の斜視図である。

【図7】表示ユニット４の分解斜視図である。

【図8】表示ユニット４の背面側からみた斜視図である。

【図9】交換姿勢（Ｑ２）における示ユニット４を背面側からみた斜視図である。

【図10】表示ユニット４の背面図である。

【図11】図１０に係るＡ－Ａ線断面図である。

【図12】図１１に係る動作説明図である。

【発明を実施するための形態】

【0025】

以下、本発明の一実施形態を図に基づいて詳細に説明する。

【0026】

図１は本発明の一実施形態に係る洗濯機１の正面図であり、図２は洗濯機１の外観を示す図である。

【0027】

本実施形態に係る洗濯機１は、例えばコインランドリーとして店舗に設置されるのに適した態様に構成されたものである。具体的に説明すると、洗濯機１は、本体２において実際に洗濯を行う洗濯槽２１を横向きに配するとともに、洗濯槽２１へのアクセスを前面１ａ側に設定し、ハンドル２３の操作により開閉可能な扉２２を前面１ａ側に配した、ドラム式の洗濯機である。

【0028】

洗濯機１は、洗濯を行う本体２の上側に、使用者に必要な情報を提供し、使用者が操作を行う入力手段が配置される表示領域３を有している。

【0029】

表示領域３は、洗濯機１の運転を使用者の操作に準じて制御し得るように構成されたものであり、複数の洗濯及び／又は乾燥のパターンを洗濯し得る機能と、料金の投入を受け付ける機能、そして場合によっては料金の返却を受け付ける機能とを有している。

【0030】

表示領域３は、管理者によるメンテナンスの際に開閉可能に構成された開閉板３１を主体とするものである。表示領域３は、開閉板３１に設けられた開口３２から露出した露出面３０と、開閉板３１に取り付けられた表示ユニット４とを有している。

【0031】

開閉板３１は、使用者からの洗濯に関する操作並びに動作を受け付ける際にとる状態である通常状態（Ｐ１）と、開閉板３１の背面側にある種々の機構部品を外方へ露出させてメンテナンスに対応し得る保守状態（Ｐ２）との間で動作可能に構成されている。

【0032】

露出面３０は、通常のコインランドリーに設置されている機種に設けられている構成と同様のものである。具体的には、露出面３０は、洗濯や乾燥時間の残り時間を表示するための時間表示部３０ａと、硬貨を投入するための料金投入穴３０ｂと、硬貨の詰まり時に硬貨を返却するために操作する返却レバー３０ｃと、硬貨を使用者に返却するための返却口３０ｄとを有している。

【0033】

図３は洗濯機１に取り付けられる表示ユニット４の正面図であり、図４は表示ユニット４の側面図であり、図５は表示ユニット４の斜視図であり、図６は交換姿勢（Ｑ２）における表示ユニット４の斜視図である。

【0034】

表示ユニット４は、開閉板３１に固定部４ａを介してねじ止めされる複数のユニット本体４０と、ユニット本体４０に開閉動作可能に設けられ、カード６を保持するカードケース５とを有している。本実施形態ではユニット本体４０は、横方向に連続して四つ配される。カード６は表示面６ａを有し、表示面６ａには、使用者が選択し得る洗濯コースの概要が記載されている。

【0035】

図７は表示ユニット４の分解斜視図である。本実施形態に係る表示ユニット４は、カードケース５と、洗濯機１の前面１ａに表示され所定の洗濯方法を表示するカード６と、カードケース５の一端側を回動可能に支持する軸受穴４５及びカードケース５の他端側を係止するための係止面４７を有するユニット本体４０とを具備する。

【0036】

図７は表示ユニット４の分解斜視図であり、図８は表示ユニット４を背面側からみた斜視図であり、図９は交換姿勢（Ｑ２）における示ユニット４を背面側からみた斜視図である。

【0037】

ユニット本体４０は、透過表示面４１と、料金表示面４２と、選択ボタン４３と、コネクタ４４と、軸受穴４５と、当たり面４６と、係止面４７とを有する。

【0038】

透過表示面４１は、カードケース５に保持されたカード６の表示面６ａの内容を外方へ視認させるために透明の樹脂板により構成される。料金表示面４２は、透過表示面４１の下方に位置付けられ、予め設定された料金を点灯表示する。洗濯ボタン４３は、料金表示面４２の下方に設けられる。洗濯ボタン４３は、使用者が直上に表示されたカード６の内容に伴う洗濯コース及び／又は乾燥コースなどを選択し入力するための入力手段である。

【0039】

コネクタ４４は、ユニット本体４０に本体２側から給電する機能及び選択ボタン４３への入力を本体側へ伝達する機能を有する。軸受穴４５は、カードケース５を水平な軸線周りに回動可能に支持する。当たり面４６は、カードケース５に一部に当接してカードケース５を所定の交換姿勢（Ｑ２）にて保持する。係止面４７は、カードケース５を通常使用するときの姿勢である通常姿勢（Ｑ１）にて保持するために形成され、軸受穴４５とは反対側に設けられる。

【0040】

図１０は、カードケース５が通常姿勢（Ｑ１）である表示ユニット４の背面図であり、図１１は図１０に係るＡ－Ａ線断面図、図１２はカードケース５が交換姿勢（Ｑ２）である図１１に係る動作説明図である。なお図１１及び図１２において図示の便宜上カード６の図示を省略している。

【0041】

ここで、本実施形態に係るカードケース５は、カード６を支持するためのカード支持面５０ｂと、カード６を下方に落下することを禁止するためのカード止め部５１と、カード６を外方へ表示するための通常姿勢（Ｑ１）及びカード６を交換可能な姿勢にて保持するための交換姿勢（Ｑ２）との間で動作可能な係合片５３とを具備する。

【0042】

以下、カードケース５及びカード６の具体的な構成について説明する。

【0043】

カードケース５は、ユニット本体４０の透過表示面４１近傍に取り付け得るように構成された樹脂の一体成形からなる部品である。カードケース５は、カード６を裏面側から指示するためのケース本体５０を主体とする。ケース本体５０は、裏面側においてケース本体５０を補強するために縦横に立設された裏面リブ５０ａと、ケース本体５０の表面側において平板状に形成されてなるカード支持面５０ｂとを有している。

【0044】

カードケース５は、カード６がカード支持面５０ｂから下方へ滑落することを禁止するためのカード止め部５１と、ケース本体５０をユニット本体４０側に回転可能及び着脱可能に支持させるための係合片５３と、ケース本体５０を所定の通常姿勢（Ｑ１）に保持するか或いはカード６を交換可能な交換姿勢（Ｑ２）へと姿勢変更させるための操作片５４とを有している。

【0045】

カード止め部５１は、カード支持面５０ｂの下端縁から立設されたリブ状のものであり、立設した先端側の両側二箇所においてオーバーハングするように膨出させた保持突起５２を有している。保持突起５２は、カード支持面５０ｂからカード６が不意に離間することを禁止する役割を担っている。

【0046】

係合片５３は、ケース本体５０の上端縁の両側においてそれぞれ裏面側へ突出させたリブ状をなすものである。係合片５３は、先端付近において外方へ円形状に突出しユニット本体４０の軸受け穴４５に嵌まり込む回動軸５３ａと、係合片５３の上端を斜め形状に切り欠くように成形して設けられた当接傾斜面５３ｂと、係合片５３の基端側において幅方向に延出させた補強リブ５３ｃと、係合片５３の先端側において優先的に弾性変形し得る部分であるたわみ部分５３ｄとを有している。

【0047】

回動軸５３ａは、カードケース５自体をユニット本体４０に対し回動可能に接続している。当接傾斜面５３ｂは、ユニット本体４０の係止面４７に当接することにより表示ユニット４から所定角度傾斜した交換姿勢（Ｑ２）を保持し得るものである。補強リブ５３ｃは、ケース本体５０に一体的に設けることにより、係合片５３自体を補強する。

【0048】

係合片５３は厚み方向に変形可能なたわみ部分５３ｄを幅方向に互いに寄る方向へ弾性変形させることにより取付対象であるユニット本体４０から離間する。回動軸５３ａは、たわみ部分５３ｄが変形するとユニット本体４０の軸受穴４５から抜脱する。

【0049】

操作片５４は、ケース本体５０の下端中央から後方に撓み変形可能に突出させたものである。操作片５４は、先端側において使用者の手指につままれ易いように成形されたつまみ部５４ａと、つまみ部５４ａよりも基端側においてつまみ部に対する操作により弾性変形し得る弾性変形部５４ｂと、弾性変形部５４ｂの弾性変形により表示ユニット４の係止面４７に係り合う通常姿勢（Ｑ１）を解除し得るように接離可能に係り合う係止突起５４ｃとを有している。

【0050】

カード６は、カードケース５のカード支持面５０ｂに支持されることにより表示面６ａをユニット本体４０の透過表示面４１を介して外方に視認可能に表示するものである。カード６は、表示面６ａにおいて、例えば洗濯及び／又は乾燥といった洗濯機１を動作させる機能を表示する機能表示部分６１と、機能表示部分６１の下方において洗濯物の容量を表示する容量表示部分６２と、上部に表示された機能並びに容量に応じた作動時間を表示するための設定時間表示部分６３とを有している。

【0051】

本実施形態ではカード６に記載された洗濯及び／又は乾燥を行うのに必要な料金はユニット本体４０側で表示する態様を適用しているが勿論、料金をカード６に併せて記載する態様を否定するものでは無い。

【0052】

通常の使用時では、カード６の表示面６ａに印字された内容に則って表示ユニット４の選択ボタン４３を押圧し、しかる後、所定の料金を料金投入穴３０ｂへ投入すれば洗濯が開始される。

【0053】

店舗の改装や店舗の方針の変更等により洗濯及び／又は乾燥の有無並びに洗濯物の容量等を変更する場合は、その内容に応じた別異のカード６へと容易に交換することができる。カード６を交換する際には、使用者または店舗の管理者は開閉板３１を図１に示す通常状態（Ｐ１）から図２に示す保守状態Ｐ２）へと動作させる。その後使用者はカードケースを図４、図５、図８、図１０及び図１１に示す通常姿勢（Ｑ１）から操作片５４を操作することにより図２、図６、図９及び図１２に示す交換姿勢（Ｑ２）へと操作する。この様にしてカード６は容易に交換され得る。

【0054】

本実施形態ではカード６の表示内容は洗濯機１の設定に応じたものを適用する態様としているが勿論、カード６の表示内容やカード６に別途タグ等を設ける事により、カード６の交換に応じて洗濯機１の設定を自動的に変更し得るといった態様を否定するものではない。

【0055】

以上のように本実施形態のカードケース５は、洗濯機１の前面１ａに表示され所定の洗濯方法を表示するカード６を保持するためのカードケース５であって、カード６を支持するためのカード支持面５０ｂと、カード支持面５０ｂから立設されたリブ状のものでありカード６を下方に落下することを禁止するためのカード止め部５１と、カード６を外方へ表示するための通常姿勢（Ｑ１）及びカード６を交換可能な姿勢にて保持するための交換姿勢（Ｑ２）との間で動作可能に取付対象に対し係り合う係合片５３とを具備する。

【0056】

これにより、所定の洗濯方法を表示するカード６を安定して保持しつつ、不意な落下を開始しながら円滑に交換することができる。その結果、洗濯方法を適宜変更し得る洗濯機１において使用者への表示の変更に対し正確且つ円滑に対応することに寄与することができる。

【0057】

また、カードケース５は、係合片５３が、交換姿勢（Ｑ２）においてカード支持面５０ｂを上向き傾斜姿勢で保持されるための当接傾斜面５３ｂを有しているので、交換姿勢（Ｑ２）におけるカード６の不意な落下を有効に回避することができる。

【0058】

また、カードケース５は、カード支持面５０ｂに支持されたカード６がカード支持面５０ｂから厚み方向に離間することを禁止するための保持突起５２を具備しているので、交換姿勢（Ｑ２）におけるカード６の不意な落下をより有効に回避することができる。

【0059】

また、カードケース５は、係合片５３が厚み方向に変形可能な弾性変形部たるたわみ部分５３ｄを有するものであり、弾性変形部たるたわみ部分５３ｄを弾性変形させることにより取付対象から取り外し可能に構成されているので、カードケース５の取付対象であるユニット本体４０に対する交換をも円滑に行うことができる。

【0060】

以上、本発明の一実施形態について説明したが、本実施形態の構成は上述したものに限定されず、種々の変形が可能である。

【0061】

例えば、上記実施形態では洗濯機として洗濯槽が水平方向の軸芯を有する態様のものを開示したが勿論、洗濯槽の開口が斜め上方向に面する態様をなすことを妨げない。また例えば、上記実施形態では表示ユニットが四つ設定されている態様をなすように洗濯機の全面が図示されていたが勿論、カードを支持し得る構成の数量に関しては、何ら限定されるものではない。

【0062】

その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。

【符号の説明】

【0063】

１・・・洗濯機
１ａ・・・前面
５・・・カードケース
５０ｂ・・・カード支持面
５１・・・カード止め部
５３・・・係合片
６・・・カード
Ｑ１・・・通常姿勢
Ｑ２・・・交換姿勢

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】