(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-30
(45)【発行日】2022-04-07
(54)【発明の名称】強力通気を促進するインソール
(51)【国際特許分類】
A43B 13/14 20060101AFI20220331BHJP
A43B 7/08 20220101ALI20220331BHJP
A43B 17/08 20060101ALI20220331BHJP
【FI】
A43B13/14 C
A43B13/14 B
A43B7/08
A43B17/08
(21)【出願番号】P 2020149983
(22)【出願日】2020-09-07
【審査請求日】2020-09-09
(31)【優先権主張番号】202010697597.5
(32)【優先日】2020-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520345379
【氏名又は名称】王金州
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】王金州
(72)【発明者】
【氏名】章勤華
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-037502(JP,A)
【文献】実開昭57-012002(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2005/0283996(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109123897(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 7/08
A43B 13/14
A43B 17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
強力通気を促進するインソールであって、インソール基部を有し、
前記インソール基部上には、踏み込み圧力に基づき気流を産生できる多数の圧迫排気ユニットを設置し、
前記圧迫排気ユニットは、気体を滞留させられるチャンバーを有し、インソール基部上部には、チャンバーと相互に連通する上気孔を設置し、インソール基部下部には、踏み込み圧力に基づき弾性変形及び復位する嚢部を設置し、前記嚢部の弾性変形及び復位に基づき、前記チャンバーの容積を変えることができ
、
前記嚢部の下端には、踏み込み圧力に基づき上下に運動する凸柱を設置し、
前記チャンバーは、上から下へと、上チャンバー部分と下チャンバー部分に区分され、
上チャンバー部分の上端と上気孔とは、相互に連接し、上チャンバー部分の内径は、上から下へと、徐々に拡大し、碗状の収容空間を形成し、
前記収容空間は、凸柱が駆動されて上方へと運動すると、少なくとも凸柱の上端を収容でき、前記嚢部は、環状の弾性薄壁を有し、前記下チャンバー部分は、前記弾性薄壁により取り囲まれ形成され、下チャンバー部分の内径は、上から下へと、徐々に縮小し、下チャンバー部分の下端と前記凸柱とは相互に連接する、
ことを特徴とする、
強力通気を促進するインソール。
【請求項2】
前記インソール基部の下部には、各圧迫排気ユニットの嚢部を収容する多数の第一ピットを設置し、前記第一ピット周囲の側壁と嚢部の間には、嚢部を弾性変形させる間隙を形成する
ことを特徴とする、
請求項1に記載の強力通気を促進するインソール。
【請求項3】
前記第一ピットは、インソール基部下部のリブを取り囲んで形成されるため、前記第一ピットの周囲の側壁は、リブにより提供され、しかも隣り合う第一ピットの間は、同一のリブを側壁として使用し、前記多数の第一ピットの間はグリッド状分布を呈する
ことを特徴とする、
請求項2に記載の強力通気を促進するインソール。
【請求項4】
前記多数の圧迫排気ユニットは、インソール基部の前掌エリアと後踵エリアの間に密集して分布され、圧迫排気ユニットの分布エリアとインソール基部周囲の辺縁の間には、環状の空白エリアが残されており、前記インソール基部の中部両側及び後部の空白エリア箇所は、わずかに上方へと反り上がり、足部の中部両側及び足の後踵側の輪郭と対応できるカバー部を形成する
ことを特徴とする、
請求項3に記載の強力通気を促進するインソール。
【請求項5】
前記インソール基部の、空白エリアに対応する下部位置には、圧迫排気ユニットを配置しない第二ピットを多数設置し、
前記多数の第二ピットは、第一ピットとインソール基部周囲の辺縁の間に分布し、前記第二ピットの形状構造は、第一ピットと同じで、しかも前記リブから取り囲んで形成され、取り囲んで、前記多数の第二ピットを形成するリブの高さは、インソール基部の周囲の辺縁方向へと、徐々に低くなって設置される
ことを特徴とする、
請求項4に記載の強力通気を促進するインソール。
【請求項6】
前記インソール基部の下部には、圧迫排気ユニットを配置しない第三ピットを多数設置し、前記第三ピットの形状構造は、第一ピットと同じで、しかも前記リブから取り囲んで形成され、
前記インソール基部と第三ピットが相互に対応する上部位置には、マッサージ突起を設置し、前記マッサージ突起中には磁石を設置する
ことを特徴とする、
請求項4に記載の強力通気を促進するインソール。
【請求項7】
前記前掌エリアに対応して設置される多数の圧迫排気ユニットの凸柱の高さは、インソール基部の前端方向へと徐々に低くなって分布し、
前記インソール基部の前掌エリアと後踵エリアの間には、中部エリアを有し、前記中部エリアに対応して設置される多数の圧迫排気ユニットの凸柱の高さは、インソール基部の両側方向へと徐々に低くなって分布する
ことを特徴とする、
請求項4に記載の強力通気を促進するインソール。
【請求項8】
前記凸柱の下端には、前記チャンバーと相互に連通する下気孔を設置する
ことを特徴とする、
請求項2~7の任意の一項に記載の強力通気を促進するインソール。
【請求項9】
前記凸柱の下端には、吸着盤を設置し、前記下気孔は前記吸着盤上に設置される
ことを特徴とする、
請求項8に記載の強力通気を促進するインソール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は強力通気を促進するインソールに関する。
【背景技術】
【0002】
インソールはしばしば見られる生活用品である。
インソールは一般に靴の内部に配置され、足裏と接触して対応する。
現在市場で見られるインソールは一般にシリコン、スポンジ等の材質で製造されている。
【0003】
インソール装着時の通気性を高めるため、市販のインソールには通常、インソールの上下を貫通する多数の通気孔が開設されている。
しかし、実際装着時の通気性改善の効果はそれほど顕著ではない。
インソールの通気性を高める他、装着時の快適性を高めるため、インソールの厚みを拡大する方法で、足を踏み込んだ時のクッション性と緩衝性を高めるメーカーもあるが、これにより原材料の使用が増大し、またインソールが大きく、かつ厚くなってしまうという問題もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記先行技術では、通気性を高めるためインソールの上下を貫通する多数の通気孔が開設されているが、実際装着時の効果はそれほど顕著ではなく、また装着時の快適性を高めるため厚みを拡大する方法が採られることがあるが、これにより原材料の使用が増大し、インソールが大きく厚くなるという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は通気性に優れ、通気促進効果が高く、装着時の快適性が非常に高く、上述の従来の技術の不足を解決できる強力通気を促進するインソールに関する。
【0006】
本発明による強力通気を促進するインソールは、インソール基部を有し、インソール基部上には、踏み込み圧力に基づき気流を産生できる多数の圧迫排気ユニットを設置する。
該圧迫排気ユニットは、気体を滞留させられるチャンバーを有し、インソール基部上部には、チャンバーと相互に連通する上気孔を設置し、インソール基部下部には、踏み込み圧力に基づき弾性変形及び復位する嚢部を設置し、該嚢部の弾性変形及び復位に基づき、該チャンバーの容積を変えることができる。
【0007】
本発明の効果は以下の通りである。
足を踏み込んだ時、インソール基部下部の嚢部と靴内部表面は圧迫変形し、こうしてチャンバー中の空気は排気孔から足裏方向へと排出され、産生された気流は直接、足裏に作用し、使用者は直観的に強力通気を促進するインソールの通気効果を感じることができ、嚢部は変形復位後に新たに空気をチャンバー中へと吸入し、次回の排出に備えることができる。
さらに、インソール基部の材質そのものの弾性、嚢部の弾性変形能力、チャンバー内の空気が圧縮されて生まれた反作用力により、強力通気を促進するインソールを装着して歩行時には、一定の通気促進効果を提供でき、使用時の快適性を高めることができる。
【0008】
さらに、該嚢部の下端には、踏み込み圧力に基づき上下に運動する凸柱を設置し、該チャンバーは、上から下へと、上チャンバー部分と下チャンバー部分に区分され、上チャンバー部分の上端と上気孔とは、相互に連接し、上チャンバー部分の内径は、上から下へと、徐々に拡大し、碗状の収容空間を形成し、該収容空間は、凸柱が駆動されて上方へと運動すると、少なくとも凸柱の上端を収容できる。
該嚢部は、環状の弾性薄壁を有し、該下チャンバー部分は、該弾性薄壁により取り囲まれ形成される。
下チャンバー部分の内径は、上から下へと、徐々に縮小し、下チャンバー部分の下端と該凸柱とは相互に連接する。
【0009】
本発明を設置することによる効果は以下の通りである。
凸柱の下端と靴内部表面は接触対応し、凸柱は、足を踏み込む運動に従い上下に運動し、凸柱が上方へと運動すると、嚢部は圧迫変形を生じ、同時に少なくともその上端は上へ向かい、上チャンバー部分の収容空間中に挿入される。
凸柱の運動距離を拡大することで、チャンバー容積の変化を増大させ、こうして排気効果を高めることができる。
また、凸部は嚢部の変形効果を高めることもできる。
【0010】
さらに、該インソール基部の下部には、各圧迫排気ユニットの嚢部を収容する多数の第一ピットを設置し、該第一ピット周囲の側壁と嚢部の間には、嚢部を弾性変形させられる間隙を形成する。
【0011】
本発明を設置することによる効果は以下の通りである。
該圧迫排気ユニットは第一ピット中に配置され、第一ピットの周囲の側壁は、嚢部が、周囲の方向へと変形し突出する時、その進行位置を限定し、その変形程度を制限する。
こうして、嚢部の変形と復位効果を高め、嚢部変形の安定性と耐久性を向上させることができる。
【0012】
さらに、該第一ピットは、インソール基部下部のリブを取り囲んで形成されるため、該第一ピットの周囲の側壁はリブが提供し、しかも隣り合う第一ピットの間は、同一のリブを側壁として使用する。
該多数の第一ピットの間はグリッド状分布を呈する。
【0013】
本発明を設置することによる効果は以下の通りである。
インソール基部下部に設置するリブを採用することで、該第一ピットを取り囲んで形成するため、加工成形に便利で、隣り合う第一ピットは、同一のリブを側壁として使用するため、第一ピットの間の密集程度を高められ、こうして隣り合う圧迫排気ユニットの間はより近づき、インソール基部上により多くの圧迫排気ユニットを設置でき、通気効果を高めることができる。
【0014】
さらに、該多数の圧迫排気ユニットは、インソール基部の前掌エリアと後踵エリアの間に密集して分布され、圧迫排気ユニットの分布エリアとインソール基部周囲の辺縁の間には、環状の空白エリアが残されており、該インソール基部の中部両側及び後部の空白エリア箇所は、わずかに上方へと反り上がり、足部の中部両側及び足の後踵側の輪郭と対応できるカバー部を形成する。
【0015】
本発明を設置することによる効果は以下の通りである。
インソール基部の前掌エリアと後踵エリアの間は、足部とインソールが接触して力を受ける主要なエリアであるが、多数の圧迫排気ユニットをインソール基部の該エリアに密集分布することで、人間工学により合致した設計となり、こうして各圧迫排気ユニットは、対応する排気効果を発揮でき、カバー部の設置により、インソールと足の間、特に足中部両側、足の後踵の間はさらによく密着し、快適性を高めることができる。
【0016】
さらに、該インソール基部の、空白エリアに対応する下部位置には、圧迫排気ユニットを配置しない第二ピットを多数設置する。
該多数の第二ピットは、第一ピットとインソール基部周囲の辺縁の間に分布し、該第二ピットの形状構造は、第一ピットと同じで、しかも該リブから取り囲んで形成され、取り囲んで、該多数の第二ピットを形成するリブの高さは、インソール基部の周囲の辺縁方向へと、徐々に低くなり設置される。
【0017】
本発明を設置することによる効果は以下の通りである。
第二ピットの設置により、インソール基部の美観性を高めることができ、同時にインソール基部と靴内部表面の間の滑り止め効果を高めることもできる。
しかも、多数の第二ピットのリブの高さは、インソール基部の周囲辺縁方向へと、徐々に低くなり設置されるため、インソールの周囲とインソールの間はさらによく密着し、快適性を高めることができる。
【0018】
さらに、該インソール基部の下部には、圧迫排気ユニットを未配置の第三ピットを多数設置し、該第三ピットの形状構造は、第一ピットと同じで、しかも該リブから取り囲んで形成され、該インソール基部と第三ピットが相互に対応する上部位置には、マッサージ突起を設置し、該マッサージ突起中には磁石を設置する。
【0019】
本発明を設置することによる効果は以下の通りである。
マッサージ突起の設置により、足裏のツボに対する刺激とマッサージを実現でき、快適性を高め、またインソールは健康保持機能を備える。
【0020】
さらに、該前掌エリアに対応して設置される多数の圧迫排気ユニットの凸柱の高さは、インソール基部の前端方向へと徐々に低くなって分布し、該インソール基部の前掌エリアと後踵エリアの間には、中部エリアを有し、該中部エリアに対応して設置される多数の圧迫排気ユニットの凸柱の高さは、インソール基部の両側方向へと徐々に低くなって分布する。
【0021】
本発明を設置することによる効果は以下の通りである。
比較的高い凸柱は、足裏とインソールの間の付勢が比較的大きいエリアに分布し、比較的低い凸柱は、付勢が比較的小さいエリアに分布する。
これにより、インソールを踏み込んだ時の厚みの変化はエリアによって異なり、人間工学にさらに合致した設計となるため、装着時の快適性を高めることができる。
【0022】
さらに、該凸柱の下端には、該チャンバーと相互に連通する下気孔を設置する。
【0023】
本発明を設置することによる効果は以下の通りである。
下気孔の設置により、嚢部の圧迫変形時に、下方へといくらかの気体を排出可能で、同時に進気にも用いられ、嚢部の変形復位効果を高めることができる。
【0024】
さらに、該凸柱の下端には、吸着盤を設置し、該下気孔は、吸着盤上に設置される。
【0025】
本発明を設置することによる効果は以下の通りである。
吸着盤の設置により、足を踏み込んだ時に一定の吸力を生じるため、インソールと靴内部表面の間の滑り止め効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図3】本発明実施形態の縦方向の局部断面図である。
【
図4】本発明実施形態の横方向の局部断面図である。
【
図5】本発明実施形態の圧迫排気ユニットの構造模式図である。
【
図7】本発明実施形態のマッサージ突起の構造模式図である。
【
図8】本発明の圧迫排気ユニットの第二種実施方式の構造模式図である。
【
図9】本発明の圧迫排気ユニットの第三種実施方式の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(一実施形態)
図1-7に示す通り、本発明による強力通気を促進するインソールの実施形態は、有機シリコン材質に支えられるインソール基部1を有し、良好な弾性を備える。
インソール基部1上には、踏み込み圧力に基づき気流を産生できる多数の圧迫排気ユニット2を設置する。
【0028】
圧迫排気ユニット2は、気体を滞留させられるチャンバー21を有し、インソール基部1上部には、チャンバー21と相互に連通する上気孔22を設置し、インソール基部1下部には、踏み込み圧力に基づき弾性変形及び復位する嚢部23を設置する。
嚢部23の弾性変形及び復位に基づき、チャンバー21の容積を変えることができ、嚢部23が圧迫されて変形すると、チャンバー21の容積は縮小し、こうしてチャンバー21中に滞留する気体を、上気孔22から、インソール基部1上方へと排出する。
当然、上気孔22は吸気にも用いられ、踏み込み圧力が消失すると、嚢部23はそれ自身の弾性により復位するが、復位時にはチャンバー21の容積は増大し、同時に外部の空気は、上気孔22からチャンバー21中に進入し、次回の排出に備えられる。
【0029】
嚢部23の下端には、踏み込み圧力に基づき上下に運動する凸柱24を設置する。
チャンバー21は、上から下へと、上チャンバー部分21aと下チャンバー部分21bに区分される。
上チャンバー部分21aは、インソール基部1上下表面の間に位置するが、このような設計により、インソールの構造はより緊密となり、よりコンパクトとなる。
上チャンバー部分21aの上端と上気孔22とは、相互に連接し、上チャンバー部分21aの内径は、上から下へと、徐々に拡大し、碗状の収容空間210を形成する。
上チャンバー部分21a側壁断面の輪郭は、
図5に示す通り円弧形に設計されるが、当然、直線形とすることもできる。
収容空間210は、凸柱24が駆動されて上方へと運動すると、少なくとも凸柱24の上端を収容できる(
図6に示す状態)。
こうすることで、凸柱24の運動距離を拡大し、こうして排気効果を高めることができる。
上チャンバー部分21aの内径は、上から下へと徐々に拡大するため、その内壁は凸柱24に対して一定のガイド作用を備え、上チャンバー部分21a中へとさらに容易に挿入され、その運行の安定性を向上させることができる。
嚢部23は、環状の弾性薄壁を有し、下チャンバー部分21bは、弾性薄壁により取り囲まれ形成される。
下チャンバー部分21bの内径は、上から下へと、徐々に縮小し、下チャンバー部分21bの下端と凸柱24とは、相互に連接する。
弾性薄壁の厚みは全体に均一で、その断面の輪郭は、
図5に示す通り直線形であるが、当然、円弧形とすることもできる。
このような構造の弾性薄壁を採用することで、圧迫を受けた時の変形状態はさらに安定し、こうして弾性復位時の作用力の方向も安定を保持され、インソールのクッション力を高め、インソール全体の通気促進効果を高めることができる。
【0030】
インソール基部1の下部には、各圧迫排気ユニット2の嚢部23を収容する多数の第一ピット11を設置する。
第一ピット11周囲の側壁と嚢部23の間には嚢部を周囲へと弾性変形させられる間隙110を形成し、嚢部23が圧迫されて変形すると、第一ピット11の周囲の側壁は、一定のサポートを提供し、その変形範囲を制限する。
これにより、その変形状態はさらに安定し、過度な変形による損壊が起こりにくくなり、使用寿命を延長できる。
【0031】
第一ピット11は、インソール基部1下部のリブ12を取り囲んで形成されるため、リブ12とインソール基部1は製造時に一体成形される。
第一ピット11の周囲の側壁は、リブ12により提供され、しかも隣り合う第一ピット11の間は、同一のリブ12を側壁として使用する。
多数の第一ピット11の間は、グリッド状分布を呈し、これにより多数の第一ピット11の間はより緊密となり、受力はさらに均一となる。
多数の第一ピット11の間はハニカム状を呈し、各第一ピット11はすべて正六辺形で、これにより嚢部32が圧迫を受け変形している時、その周囲の外側とリブ12の間が受ける力はさらに均一となり、しかも美観性を高めることもできる。
当然、その他の実施方式中で、第一ピット11は正方形、菱形、円形等の形状とすることもできる。
【0032】
図1、2に示す通り、インソール基部1はその前後方向に基づき順番に前掌エリア1a、中部エリア1b、後踵エリア1cに区分される。
多数の圧迫排気ユニット2は、インソール基部1の前掌エリア1a、中部エリア1b、後踵エリア1c上に密集して分布している。
圧迫排気ユニット2の分布エリアとインソール基部1周囲の辺縁の間には、環状の空白エリア1dが残されている。
空白エリア1dとは、圧迫排気ユニット2が未分布のエリアを指す。
インソール基部1の中部両側及び後部の空白エリア1d箇所は、わずかに上方へと反り上がり、足部の中部両側及び足の後踵側の輪郭と対応するカバー部13を形成する。
カバー部13の頂部はU型を呈し(
図1参照)、U型の閉口箇所は、足の後踵位置に対応して設置される。
カバー部13の設置により、インソールと足部の間はさらによく密着し、装着の快適性を高めることができ、当然、足部に対して一定の位置限定効果を生じ、足部とインソールの間の位置の正確性を保持できる。
【0033】
図2に示す通り、インソール基部1の、空白エリア1dに対応する下部位置には、圧迫排気ユニット2を配置しない第二ピット14を多数設置する。
多数の第二ピット14は、第一ピット11とインソール基部1周囲の辺縁の間に分布し、第二ピット14の形状構造は、第一ピット11と同じで、しかも同様に、リブ12から取り囲んで形成される。
しかも、隣り合う第二ピット14の間は、同一のリブ12を側壁として使用する。
隣り合う第一ピットと第二ピット14の間も同様に、同一のリブ12を側壁として使用する。
取り囲んで、多数の第二ピット14を形成するリブ12の高さは、インソール基部1の周囲辺縁方向へと、徐々に低くなり設置される。
第二ピット14の設置により、インソールと靴内部表面の間の滑り止め効果を高められ、分布を減らす設計を採用することで、装着の快適性を向上させられる。
【0034】
インソール基部1の下部には、圧迫排気ユニット2を配置しない第三ピット15を多数設置し、第三ピット15の形状構造は、第一ピット11と同じで、しかもリブ12から取り囲んで形成される。
しかも、隣り合う第一ピット11と第三ピット15の間、或いは第二ピット14と第三ピット15の間は、同一のリブ12を側壁として使用する。
第三ピット15は、付勢作用が比較的頻繁なインソール基部1の前掌エリア1a、中部エリア1b、後踵エリア1c上に分布させられるが、当然、環状の空白エリア1d上にも分布させられる。
インソール基部1と第三ピット15が相互に対応する上部位置には、インソール基部1上表面に対応して突出するマッサージ突起3を設置する。
マッサージ突起3は、足裏のツボと相互に対応する位置に設置でき、マッサージ突起3中には磁石31を設置し、磁石31は、インソール基部1上下表面の間に位置する。
マッサージ突起3の下部は、第三ピット15中に設置し、下方へと突出する。
磁石31は、マッサージ突起3上部と下部の保護を受け、インソール基部1上から離脱することはなく、足に対して異物感を生じることもなく、インソールの健康保持性能と快適性を高めることができる。
【0035】
前掌エリア1aに対応して設置される多数の圧迫排気ユニット2の凸柱24の高さは、インソール基部1の前端方向(
図2中矢印a方向参照)へと徐々に低くなって分布し、中部エリア1bに対応して設置される多数の圧迫排気ユニット2の凸柱24の高さは、インソール基部1の両側方向(
図2中矢印b方向参照)へと徐々に低くなって分布し、後踵エリア1cの圧迫排気ユニット2の凸柱24の高さは全体に均一である。
このような設計を採用することで、人間工学にさらに合致した設計となり、異なる位置のインソールのクッション性、排気性、厚みなどは、足が受ける力と相互に対応し、装着時の快適性を高めることができる。
【0036】
凸柱24の下端には、チャンバー21と相互に連通する下気孔241を設置する。
下気孔241は進気に用いられ、排気にも用いられ、下気孔241の設置により、インソールの通気効果を高めることができる。
凸柱24の下端には、吸着盤を設置し、吸着盤包括有凸柱24底部に開設される凹口25を有し、下気孔241は、凹口25中に設置される。
このような設計により、排気する度に、インソールと靴内部表面の間には、一定の吸着効果が形成され、インソールは靴内部表面と分離しにくくなる。
【0037】
インソールの抗菌、保温性能を高めるため、インソール基部1の上部には、抗菌層或いは保温層4を設置し、しかも上気孔22及びマッサージ突起3に対応する位置には、貫通孔41を設置する。
マッサージ突起3上部は、貫通孔41を貫通後に上方へと伸び出す。
【0038】
本発明の圧迫排気ユニットは、
図8に示す構造を採用することもできる。
凸柱24の下端は、周囲へと向かい延伸し、盤体242を形成し、下気孔241は、盤体242の下端に設置される。
盤体242の設置により、靴内部表面とインソールの間の吸着効果をさらに強化でき、これにより強力通気を促進するインソールと靴内部表面の間にはずれが発生しにくくなり、しかも盤体242と靴内部表面の間の密封対応により、上気孔22の排気効果を高めることもできる。
【0039】
本発明の圧迫排気ユニットは
図9に示す構造を採用することもできる。
圧迫排気ユニットの嚢部23は、環状の弾性薄壁を有し、弾性薄壁の外側は波紋状を呈し、その内側は円弧形を呈し、しかも下チャンバー部分21bを取り囲んで形成する。
このような設置により、嚢部23の弾性変形及び復位効果を高めることができ、インソールの通気促進効果を高めることができる。
【0040】
前述した本発明の実施形態は本発明を限定するものではなく、よって、本発明により保護される範囲は後述される特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0041】
1 インソール基部、
1a 前掌エリア、
1b 中部エリア、
1c 後踵エリア、
1d 空白エリア、
11 第一ピット、
110 間隙、
12 リブ、
13 カバー部、
14 第二ピット、
15 第三ピット、
2 圧迫排気ユニット、
21 チャンバー、
21a 上チャンバー部分、
21b 下チャンバー部分、
210 収容空間、
22 上気孔、
23 嚢部、
24 凸柱、
241 下気孔、
242 盤体、
25 凹口、
3 マッサージ突起、
31 磁石、
4 保温層、
41 貫通孔、
a 矢印、
b 矢印。