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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-30
(45)【発行日】2022-04-07
(54)【発明の名称】冷却装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/473 20060101AFI20220331BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018023071
(22)【出願日】2018-02-13
(65)【公開番号】P2019140276
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2020-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000002004
【氏名又は名称】昭和電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109911
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義仁
(74)【代理人】
【識別番号】100071168
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 久義
(74)【代理人】
【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市
(74)【代理人】
【識別番号】100194467
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 健文
(72)【発明者】
【氏名】松島 誠二
【審査官】綿引 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-018877(JP,A)
【文献】国際公開第2006/051782(WO,A1)
【文献】特開2017-007172(JP,A)
【文献】特開2012-227365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/34 - 23/473
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頂壁および底壁を有しかつ内部に冷却液通路が設けられたケーシングと、ケーシングに設けられた放熱器とを備えた冷却装置であって、
放熱器が、冷却液通路内に配置され、かつケーシングの頂壁外面および底壁外面のうちの少なくともいずれか一方の外面に取り付けられた発熱体から発せられる熱を受けて冷却液通路内を流れる冷却液に放熱する複数の金属製フィンと、冷却液通路内に配置され、かつフィンが貫通させられた複数の熱拡散板とを備えており、フィンと熱拡散板とが熱的に接触させられ、熱拡散板の面方向の熱伝導率がAlの熱伝導率よりも大きくなっている冷却装置。
【請求項2】
放熱器の熱拡散板の面方向の熱伝導率が、厚み方向の熱伝導率よりも大きくなっている請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
ケーシングの頂壁および底壁と、放熱器の熱拡散板とが平行になっている請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項4】
熱拡散板が、アルミニウムと炭素粒子とが複合化されている複合材を含む板状の複合体によって形成されている請求項1~3のうちのいずれかに記載の冷却装置。
【請求項5】
前記炭素粒子が、カーボンナノチューブ、グラフェン、黒鉛粒子および炭素繊維からなる群より選択される少なくとも1種類からなる請求項4に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記複合体の複合材が、アルミニウムマトリックスおよびアルミニウムマトリックス中に分散した炭素粒子からなる請求項4または5に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記複合体の複合材が、前記アルミニウムマトリックスを構成するアルミニウム材料中に前記炭素粒子が面方向に分散した複数の炭素粒子分散層と、前記アルミニウムマトリックスを構成するアルミニウム材料で形成された複数のアルミニウム層とを有し、前記炭素粒子分散層と前記アルミニウム層とが、前記複合体の厚さ方向に交互に積層状に配列されている請求項6に記載の冷却装置。
【請求項8】
熱拡散板に、熱拡散板を厚み方向に貫通した複数のフィン挿通穴が形成され、フィン挿通穴にフィンが通されている請求項1~7のうちのいずれかに記載の冷却装置。
【請求項9】
ケーシングの頂壁および底壁のうちいずれか一方が、外面に発熱体が取り付けられる発熱体取付壁であり、放熱器のフィンが当該発熱体取付壁に固定化されている請求項1~8のうちいずれかに記載の冷却装置。
【請求項10】
放熱器が、ケーシングの発熱体取付壁を構成する基板を有しており、放熱器のフィンが基板におけるケーシング内側を向いた面に一体に設けられている請求項9に記載の冷却装置。
【請求項11】
放熱器が、ケーシングの頂壁および底壁と離隔して配置された基板を有しており、放熱器のフィンが基板の両面に一体に設けられ、基板における発熱体取付壁側を向いた面に設けられたフィンの先端が当該発熱体取付壁に接合されている請求項9記載の冷却装置。
【請求項12】
各熱拡散板の板厚が0.2mm以上であるとともに、全熱拡散板の合計厚さがケーシングの冷却液通路の全高の80%以下である請求項1~11のうちのいずれかに記載の冷却装置。
【請求項13】
放熱器が、ケーシングの発熱体取付壁を構成する基板を有しており、ケーシングの頂壁または底壁が前記基板からなる請求項9に記載の冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば半導体素子などの電子部品からなる発熱体を冷却する冷却装置に関する。
【0002】
この明細書において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとし、元素記号のAlは純アルミニウムを表すものとする。
【背景技術】
【0003】
たとえば、電気自動車、ハイブリッド自動車、電車などに搭載される電力変換装置に用いられるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのパワーデバイス(半導体素子)を冷却する冷却装置として、本出願人は、先に、頂壁および底壁を有しかつ内部に冷却液通路が設けられたケーシングと、ケーシング内の冷却液通路に配置された放熱器とを備えており、放熱器が、1枚のアルミニウム製基板と、基板に固定された複数のアルミニウム製ピン状フィンとを備えており、放熱器の基板が、ケーシングの頂壁および底壁と離隔するように冷却液通路に配置され、基板に複数のフィン挿通穴が形成され、フィンがフィン挿通穴に通された状態で基板に固定され、ピン状フィンの上下両端がケーシングの頂壁および底壁に接合された冷却装置を提案した(特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、近年の半導体素子の高出力化に伴い、半導体素子の発熱量が増加し、冷却装置のさらなる高性能化が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-239675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の目的は、上記要求に応じ、冷却性能をさらに向上しうる冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【0008】
1)頂壁および底壁を有しかつ内部に冷却液通路が設けられたケーシングと、ケーシングに設けられた放熱器とを備えた冷却装置であって、
放熱器が、冷却液通路内に配置され、かつケーシングの頂壁外面および底壁外面のうちの少なくともいずれか一方の外面に取り付けられた発熱体から発せられる熱を受けて冷却液通路内を流れる冷却液に放熱する複数の金属製フィンと、冷却液通路内に配置され、かつフィンが貫通させられた少なくとも1つの熱拡散板とを備えており、フィンと熱拡散板とが熱的に接触させられ、熱拡散板の面方向の熱伝導率がAlの熱伝導率よりも大きくなっている冷却装置。
【0009】
2)放熱器の熱拡散板の面方向の熱伝導率が、厚み方向の熱伝導率よりも大きくなっている上記1)に記載の冷却装置。
【0010】
3)ケーシングの頂壁および底壁と、放熱器の熱拡散板とが平行になっている上記1)または2)に記載の冷却装置。
【0011】
4)熱拡散板が、アルミニウムと炭素粒子とが複合化されている複合材を含む板状の複合体によって形成されている上記1)~3)のうちのいずれかに記載の冷却装置。
【0012】
5)前記炭素粒子が、カーボンナノチューブ、グラフェン、黒鉛粒子および炭素繊維からなる群より選択される少なくとも1種類からなる上記4)に記載の冷却装置。
【0013】
6)前記複合体の複合材が、アルミニウムマトリックスおよびアルミニウムマトリックス中に分散した炭素粒子からなる上記4)または5)に記載の冷却装置。
【0014】
7)前記複合体の複合材が、前記アルミニウムマトリックスを構成するアルミニウム材料中に前記炭素粒子が面方向に分散した複数の炭素粒子分散層と、前記アルミニウムマトリックスを構成するアルミニウム材料で形成された複数のアルミニウム層とを有し、前記炭素粒子分散層と前記アルミニウム層とが、前記複合体の厚さ方向に交互に積層状に配列されている上記6)に記載の冷却装置。
【0015】
8)熱拡散板に、熱拡散板を厚み方向に貫通した複数のフィン挿通穴が形成され、フィン挿通穴にフィンが通されている上記1)~7)のうちのいずれかに記載の冷却装置。
【0016】
9)ケーシングの頂壁および底壁のうちいずれか一方が、外面に発熱体が取り付けられる発熱体取付壁であり、放熱器のフィンが当該発熱体取付壁に固定化されている上記1)~8)のうちいずれかに記載の冷却装置。
【0017】
10)放熱器が、ケーシングの発熱体取付壁を構成する基板を有しており、放熱器のフィンが基板におけるケーシング内側を向いた面に一体に設けられている上記9)に記載の冷却装置。
【0018】
11)放熱器が、ケーシングの頂壁および底壁と離隔して配置された基板を有しており、放熱器のフィンが基板の両面に一体に設けられ、基板における発熱体取付壁側を向いた面に設けられたフィンの先端が当該発熱体取付壁に接合されている上記9)記載の冷却装置。
【0019】
12)各熱拡散板の板厚が0.2mm以上であるとともに、全熱拡散板の合計厚さがケーシングの冷却液通路の全高の80%以下である上記1)~11)のうちのいずれかに記載の冷却装置。
【発明の効果】
【0020】
上記1)~12)の冷却装置によれば、放熱器が、冷却液通路内に配置され、かつケーシングの頂壁外面および底壁外面のうちの少なくともいずれか一方の外面に取り付けられた発熱体から発せられる熱を受けて冷却液通路内を流れる冷却液に放熱する複数の金属製フィンと、冷却液通路内に配置され、かつフィンが貫通させられた熱拡散板とを備えており、フィンと熱拡散板とが熱的に接触させられているので、発熱体から発せられた熱はフィンに伝わり、フィンから冷却液通路内を流れる冷却液に直接放熱される。また、フィンに伝わった熱は熱拡散板に伝わって熱拡散板の面方向に広がり、熱拡散板の全体から冷却液通路内を流れる冷却液に放熱される。こうして発熱体が冷却される。そして、熱拡散板の面方向の熱伝導率がAlの熱伝導率よりも大きくなっているので、特許文献1記載の冷却装置に比較して、ケーシングの冷却液通路内を流れる冷却流体への放熱効率が向上し、優れた冷却性能が得られる。
【0021】
また、熱拡散板にフィンを貫通させることによって熱拡散板の両側に冷却液通路が形成され、熱拡散板の両面を冷却液に接触させることで優れた冷却性能が得られる。
【0022】
上記2)の冷却装置によれば、ケーシングの冷却液通路内を流れる冷却流体への放熱効率が効果的に向上し、優れた冷却性能が得られる。
【0023】
上記3)の冷却装置によれば、冷却液流路断面内での流速のバラつきが抑えられる。
【0024】
上記4)の冷却装置によれば、熱拡散板をフィンにろう付することが可能になり、フィンから熱拡散板への熱伝導性が向上する。
【0025】
上記5)の冷却装置によれば、複合体の熱伝導率を向上させることができる。また、複合体の複合材におけるアルミニウムと炭素粒子との複合化を確実に行うことができる。
【0026】
上記6)の冷却装置によれば、複合体の複合材におけるアルミニウムマトリックス中での炭素粒子の偏りが少なくなり、複合体の熱伝導性が全体に均一となる。
【0027】
上記7)の冷却装置によれば、複合材の炭素粒子分散層と前記アルミニウム層とが、板状複合体の厚さ方向の全体にわたって交互に積層状に配列されているので、炭素粒子分散層の厚みをなるべく薄くしつつ、炭素粒子分散層の数を多くすることが可能になり、複合体の熱伝導率を効果的に高めることができる
上記8)の冷却装置によれば、熱拡散板の両面に冷却液流路を有する構造を容易に組み立てることができる。
【0028】
上記9)の冷却装置によれば、ケーシングの頂壁または底壁を発熱体取付壁とすることにより、発熱体と冷却液との間に介在する部材を最小限にとどめて優れた放熱性能を得ることができる。
【0029】
上記10)の冷却装置によれば、放熱器の基板をケーシングの頂壁または底壁として利用し、その頂壁または底壁を発熱体取付壁にすることによってケーシングの壁分の熱抵抗が減少するので放熱性能を向上させることができる。また、冷却装置の部品点数を削減することができる。
【0030】
上記11)の冷却装置によれば、基板の両面に形成したフィンの先端をケーシング(2)の内面に当接させるのに要するフィン高さは片面のみに形成したフィンを当接させる場合よりも低い。このため、フィンの加工コストを低減できる。また、基板の両面に冷却液通路が形成されるので放熱性能が向上する。
【0031】
上記12)の冷却装置によれば、冷却液の流れによる熱拡散板の変形を確実に防止するとともに、流体の流れる流路面積を十分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】この発明の冷却装置の全体構成を示す斜視図である。
図2図1のA-A線断面図である。
図3図2の部分拡大図である。
図4図1および図2の冷却装置に用いられる放熱器を下方から見た斜視図である。
図5図1および図2の冷却装置の放熱器に用いられる熱拡散板の一部分を示す拡大断面図である。
図6図1の冷却装置に用いられる放熱器の第1の変形例を示す下方から見た斜視図である。
図7図1の冷却装置に用いられる放熱器の第2の変形例を示す下方から見た斜視図である。
図8図1の冷却装置に用いられる放熱器の第3の変形例を示す図3相当の図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0034】
以下の説明において、図2の左右を左右、図2の上下を上下というものとする。
というものとする。
【0035】
さらに、全図面を通じて同一物および同一部分には同一符号を付す。
【0036】
図1および図2はこの発明による冷却装置の全体構成を示し、図3はその要部の構成を示す。また、図4図1および図2の冷却装置に用いられる放熱器を示す。さらに、図5図1および図2の冷却装置の放熱器に用いられる熱拡散板の構成を示す。
【0037】
図1および図2において、冷却装置(1)は、頂壁(2a)、底壁(2b)、および底壁(2b)と一体化された周壁(2c)を有しかつ内部に冷却液通路(3)が設けられた中空状のケーシング(2)と、ケーシング(2)に固定された放熱器(4)とを備えており、ケーシング(2)の頂壁(2a)および底壁(2b)うち少なくともいずれか一方の壁、ここでは頂壁(2a)が、外面に発熱体(P)が取り付けられる発熱体取付壁(5)となっている。
【0038】
ケーシング(2)は、底壁(2b)および周壁(2c)を構成する上方に開口した箱状のアルミニウム製下構成部材(6)と、下構成部材(6)の周壁(2c)を構成する部分の上端部にろう材により接合され(以下、ろう付という)、かつ頂壁 (2a)を構成する板状のアルミニウム製上構成部材(7)とよりなる。
【0039】
ケーシング(2)の一端寄り、ここでは右端寄りの部分に、冷却液が外部から流入する入口ヘッダ(8)が設けられるとともに、ケーシング(2)の長手方向の他端寄り、ここでは左端寄りの部分に、冷却液が外部に流出する出口ヘッダ(9)が設けられており、冷却液通路(3)は入口ヘッダ(8)内に流入した冷却液を出口ヘッダ(9)に流すようになっている。ケーシング(2)の頂壁(2a)には、ケーシング(2)の入口ヘッダ(8)内に冷却液を供給するアルミニウム製入口パイプ(11)と、ケーシング(2)の出口ヘッダ(9)内から冷却液を排出させるアルミニウム製出口パイプ(12)とが接続されている。
【0040】
IGBTなどのパワーデバイスや、IGBTが制御回路と一体化されて同一パッケージに収納されたIGBTモジュールや、IGBTモジュールにさらに保護回路が一体化されて同一パッケージに収納されたインテリジェントパワーモジュールなどからなる発熱体(P)は、発熱体取付壁(5)である頂壁(2a)外面に取り付けられるようになっている。
【0041】
図2図4に示すように、放熱器(4)は、発熱体取付壁(5)であるケーシング(2)の頂壁(2a)を構成するアルミニウム製基板(13)と、基板(13)の下面に下方突出状にかつ千鳥配置状に一体に設けられてケーシング(2)の冷却液通路(3)内の全体に点在する横断面円形の複数のピン状フィン(14)と、冷却液通路(3)内に上下方向に間隔をおくとともに頂壁(2a)および底壁(2b)と平行になるように配置され、かつフィン(14)が貫通させられた複数、ここでは2つの熱拡散板(15)とからなる。なお、フィン(14)の横断面形状は、円形に限定されるものではなく、楕円形、方形、菱形など適宜変更可能である。
【0042】
フィン(14)の下端はケーシング(2)の底壁(2b)に当接している。フィン(14)の下端はケーシング(2)の底壁(2b)にろう付されていることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0043】
熱拡散板(15)には、熱拡散板(15)を厚み方向に貫通した複数のフィン挿通穴(16)が形成されるとともに、フィン挿通穴(16)にフィン(14)が通されており、フィン(14)と熱拡散板(15)とが熱的に接触させられている。フィン(14)と熱拡散板(15)とはろう付されていることが好ましく、フィンから熱拡散板への熱伝導性を向上させることができる。熱拡散板(15)の面方向の熱伝導率はAlの熱伝導率よりも大きくなっている。熱拡散板(15)の面方向の熱伝導率は、厚み方向の熱伝導率よりも大きくなっていることが好ましい。これにより、ケーシング(2)の冷却液通路(3)内を流れる冷却流体への放熱効率が効果的に向上し、優れた冷却性能が得られる。さらに、各熱拡散板(15)の板厚は0.2mm以上であるとともに、全熱拡散板(15)の合計厚さがケーシング(2)の冷却液通路(3)の全高の80%以下であることが好ましい。前記熱拡散板(15)の板厚および合計厚さを上記の範囲に設定することにより、冷却液の流れによる熱拡散板の変形を確実に防止するとともに、流体の流れる流路面積を十分に確保することができる。
【0044】
熱拡散板(15)は、たとえばアルミニウムと炭素粒子とが複合化されている複合材(21)を含む板状の複合体(20)によって形成される。図5に示すように、熱拡散板(15)を形成する複合体(20)は、アルミニウムマトリックス(22)、およびアルミニウムマトリックス(22)中に分散した炭素粒子(23)を含む板状の複合材(21)と、複合材(21)の互いに反対側を向いた2つの主面(21a)を覆うアルミニウム製の主面表皮層(24)からなる。複合材(21)は、アルミニウムと炭素粒子(23)とが複合化されることにより形成されている。
【0045】
複合材(21)は、アルミニウムマトリックス(22)を構成するアルミニウム材料中に炭素粒子(23)が平面方向に分散した複数の炭素粒子分散層(25)と、アルミニウムマトリックス(22)を構成するアルミニウム材料で形成された複数のアルミニウム層(26)とを積層状に備えている。
【0046】
炭素粒子分散層(25)とアルミニウム層(26)は、複合材(21)の厚さ方向の全体に亘って交互に積層された状態に配列されており、上下両端のうちの下端にアルミニウム層(26)が存在し、同上端に炭素粒子分散層(25)が存在するように配列されている。各炭素粒子分散層(25)において、炭素粒子(23)はアルミニウムマトリックス(22)中において複合材(21)の面方向に分散しており、複合材(21)の厚さ方向には殆ど分散していない。各アルミニウム層(26)中には炭素粒子(23)は実質的に存在していない。そして、複数の炭素粒子分散層(25)と複数のアルミニウム層(26)とが、たとえば焼結複合化により接合一体化されている。炭素粒子分散層(25)の厚さは、限定されるものではないが、1~100μmであることが好ましい。アルミニウム層(26)の厚さは限定されるものではないが、5~200μmであることが好ましい。
【0047】
複合体(20)の主面表皮層(24)は、複合材(21)とは別個に形成されかつ複合材(21)に、たとえば焼結により接合一体化されたアルミニウム板(27)からなる。すなわち、図5の上側の主面表皮層(24)は同図上端の炭素粒子分散層(25)と接合一体化され、同図の下側の主面表皮層(24)は同図下端のアルミニウム層(26)と接合一体化されている。なお、下側の主面表皮層(24)は必ずしも必要としない。
【0048】
複合材(21)に用いられる炭素粒子の種類は限定されるものではないが、なるべく高い熱伝導率を有するもの、即ち高熱伝導性のものを用いることが望ましい。特に、炭素粒子としては、天然黒鉛粒子および人造黒鉛粒子が用いられることが好ましい。天然黒鉛粒子としては、鱗片状黒鉛粒子等が用いられる。人造黒鉛粒子としては、等方性黒鉛粒子、異方性黒鉛粒子、熱分解黒鉛粒子等が用いられる。炭素粒子が天然黒鉛粒子および人造黒鉛粒子である場合、平均粒子径が10μm以上3mm以下の天然黒鉛粒子および人造黒鉛粒子が好適に用いられる。
【0049】
また、複合材(21)の炭素粒子としては、炭素繊維、カーボンナノチューブおよびグラフェンからなる群より選択される少なくとも一種が用いられることもある。炭素繊維としては、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維などが用いられる。カーボンナノチューブとしては、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維(VGCF(登録商標))等が用いられる。炭素粒子が炭素繊維である場合、平均繊維長が10μm以上2mm以下の短炭素繊維が特に好適に用いられる。炭素粒子がカーボンナノチューブである場合、平均長さが1μm以上10μm以下のカーボンナノチューブが特に好適に用いられる。
【0050】
図示は省略したが、複合体(20)の製造方法は、アルミニウムマトリックス(22)を構成する材料からなるアルミニウム箔の片面に塗工液を塗布して炭素粒子層が形成された塗工箔を得る工程と、複数の塗工箔を炭素粒子層が同方向を向くように積層した状態の積層体を形成する工程と、当該積層体の積層方向の一端に位置しかつアルミニウム箔における炭素粒子層が外側を向いた塗工箔の炭素粒子層の上に、一方の主面表皮層(24)となるアルミニウム板(27)を積層するとともに、前記積層体の積層方向の他端に位置しかつアルミニウム箔における炭素粒子層が設けられていない側の面に他方の主面表皮層(24)となるアルミニウム板(27)を積層する工程と、前記積層体および主面表皮層(24)となるアルミニウム板(27)を、加圧加熱焼結装置などによって所定の焼結雰囲気(例:非酸化雰囲気)中にて加熱することにより焼結し、これにより複数の塗工箔を一括して焼結一体化するとともに、両アルミニウム板(27)と塗工箔とを焼結一体化する工程とを含む。
【0051】
塗工液は、炭素粒子(23)とバインダとバインダ用溶剤とを混合状態に含有するものであり、たとえば炭素粒子(23)とバインダと溶剤とを混合容器内に入れて撹拌混合器により撹拌混合することにより得られる。なお必要に応じて、塗工液には分散剤、表面調整剤などが添加される。
【0052】
バインダは、炭素粒子(23)にアルミニウム箔の片面への付着力を付与して炭素粒子(23)がアルミニウム箔から脱落するのを抑制するためのものである。バインダは通常、有機樹脂等の樹脂からなる。具体的には、バインダとして、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、アクリル系樹脂などを使用できる。
【0053】
溶剤はバインダを溶解するものである。具体的には、溶剤として、親水性溶剤(例:イソプロピルアルコール、水)、有機溶剤などを使用できる。
【0054】
撹拌混合器としては、ディスパー、プラネタリーミキサー、ビーズミルなどを使用できる。
【0055】
前記積層体および両アルミニウム板(27)の焼結方法は、真空ホットプレス法、放電プラズマ焼結法(SPS法)、熱間静水圧焼結法(HIP法)、押出法、圧延法などから選択される。なお、放電プラズマ焼結法はパルス通電焼結法とも呼ばれている。
【0056】
積層体中に存在するバインダは、この工程において積層体の温度が略室温から積層体の焼結温度まで上昇するように積層体を加熱する途中で昇華または分散等により消失して積層体から除去される。
【0057】
積層体および両アルミニウム板(27)を焼結する工程では、積層体が上述のように加熱されることにより、アルミニウム箔の金属材料の一部が炭素粒子層内に浸透して炭素粒子層内に存在する微細な空隙(例:炭素粒子層中の炭素粒子(23)間の隙間)に充填されて、当該空隙が略消滅する。これにより、複合材(21)の密度が上昇するとともに複合材(21)の強度が向上する。
【0058】
また、アルミニウム箔を構成する材料の一部が炭素粒子層内に浸透することによって、炭素粒子層中の炭素粒子(23)が、得られた複合体(20)の複合材(21)のアルミニウムマトリックス(22)中において平面方向に分散した状態になり、炭素粒子層が複合材(21)の炭素粒子分散層(25)になり、アルミニウム箔が複合材(21)のアルミニウム層(26)になる。さらに、アルミニウム板(27)が主面表皮層(24)になる。
【0059】
したがって、複合材(21)においては、炭素粒子分散層(25)とアルミニウム層(26)は、上述したように複合材(21)の厚さ方向の全体に亘って交互に積層された状態に配列する。こうして、複合体(20)が作られる。
【0060】
上述したとおり、前記熱拡散板(15)はアルミニウムとAlよりも熱伝導率の大きい炭素粒子とを複合化した複合材(21)を用いることによって、面方向の熱伝導率がアルミニウムの熱伝導率よりも大きくなるようにしている。このように、Alの熱伝導率よりも大きいという条件を満たすには、熱拡散板全体をAlよりも熱伝導率の大きい材料で構成する他、熱拡散板をアルミニウムとAlよりも熱伝導率の大きい材料の複合材で構成することによって実現できる。Alよりも熱伝導率の大きい材料としては、炭素、銅、金を挙げることができる。
【0061】
また、熱拡散板の面方向の熱伝導率を厚み方向の熱伝導率よりも大きくするには、マトリックス中にマトリックスよりも熱伝導率が大きくかつアスペクト比の大きい粒子を、その粒子の長手方向が熱拡散板の面方向に沿うように配向させることによって実現できる。前記熱拡散板(15)においては、炭素粒子として炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェンといったアスペクト比の大きい炭素粒子をアルミニウムマトリックスに分散させることによって面方向の熱伝導率を大きくしている。
【0062】
上述した冷却装置(1)において、入口パイプ(11)を通してケーシング(2)の入口ヘッダ(8)内に流入した冷却液は冷却液通路(3)内に入り、頂壁(2a)と上端の熱拡散板(15)との間、隣り合う熱拡散板(15)どうしの間、および底壁(2b)と下端の熱拡散板(15)との間を流れて出口ヘッダ(9)内に入り、出口ヘッダ(9)から出口パイプ(12)を通して排出される。前記熱拡散板(15)はケーシング(2)の頂壁(2a)および底壁(2b)と平行に設置されているので、冷却液流路(3)断面内での流速のバラつきが抑えられる。
【0063】
ケーシング(2)の頂壁(2a)外面に取り付けられた発熱体(P)から発せられる熱は、頂壁(2a)を構成する放熱器(4)の基板(13)に伝わった後フィン(14)に伝わり、フィン(14)から冷却液通路(3)内を流れる冷却液に直接放熱される。また、フィン(14)に伝わった熱は熱拡散板(15)に伝わって熱拡散板(15)の面方向に広がり、熱拡散板(15)の全体から冷却液通路(3)内を流れる冷却液に放熱される。こうして発熱体(P)が冷却される。前記放熱器(4)はフィン(14)が熱拡散板(15)を貫通しフィン(14)の高さ方向の中間部に熱拡散板(15)取り付けられているので、熱拡散板(15)の両側に冷却液通路(3)が形成される。そして、前記熱拡散板(15)は両面が冷却液に接触するので優れた放熱性能が得られる。また、このような形態の放熱器(4)は熱拡散板(15)にフィン挿通孔(16)を形成してフィン(14)を通すことによって容易に組み立てることができる。
【0064】
上述した実施形態においては、ケーシング(2)の頂壁(2a)が、外面に発熱体(P)が取り付けられる発熱体取付壁(5)となっているが、これに限定されるものではなく、頂壁(2a)に加えて、あるいは頂壁(2a)に代えて、底壁(2b)が、外面に発熱体(P)が取り付けられる発熱体取付壁(5)となる場合がある。頂壁(2a)に加えて、底壁(2b)が、外面に発熱体(P)が取り付けられる発熱体取付壁(5)となる場合には、放熱器(4)の基板(13)は頂壁(2a)および底壁(2b)のうちのいずれか一方を構成し、頂壁(2a)に代えて、底壁(2b)が、外面に発熱体(P)が取り付けられる発熱体取付壁(5)となる場合には、放熱器(4)の基板(13)は底壁(2b)を構成する。
【0065】
ケーシング(2)の頂壁(2a)および/または底壁(2b)を発熱体取付壁(5)にすることにより、発熱体(P)と冷却液との間に介在する部材を最小限にとどめて優れた放熱性能を得ることができる。
【0066】
また、放熱器の基板をケーシングの頂壁または底壁として利用し、その頂壁または底壁を発熱体取付壁にすることによってケーシングの壁分の熱抵抗が減少するので放熱性能を向上させることができる。また、冷却装置の部品点数を削減することができる。
【0067】
図6図8はこの発明の冷却装置に用いられる放熱器の変形例を示す。
【0068】
図6に示す放熱器(30)は、冷却液が、冷却液通路(3)を矢印Xで示す方向に流れるようになっているケーシング(2)に固定されるものであり、発熱体取付壁(5)であるケーシング(2)の頂壁(2a)を構成するアルミニウム製基板(13)と、冷却液通路(3)における冷却液の流れ方向上流側端部において基板(13)の下面に下方突出状に一体に設けられた複数のピン状の第1フィン(31)と、冷却液通路(3)における冷却液の流れ方向上流端部を除いた部分において基板(13)の下面に下方突出状に一体に設けられた複数のピン状第2フィン(32)と、冷却液通路(3)内に頂壁(2a)および底壁(2b)と平行になるように配置され、かつ両フィン(31)(32)が貫通させられた熱拡散板(15)とからなる。
【0069】
放熱器(30)の第1および第2フィン(31)(32)は、冷却液通路(3)における冷却液流れ方向下流側に向かって一方に傾斜した複数の第1直線上、および同じく冷却液流れ方向下流側に向かって他方に傾斜した複数の第2直線上に並んで設けられており、全体として千鳥配置状となっている。第1フィン(31)の横断面形状は五角形であって平坦面が冷却液流れ方向上流側を向いている。第2フィン(32)の横断面形状は菱形であり、かつ当該菱形の1つの鋭角部が冷却液通路(3)における冷却液流れ方向上流側を向くとともに、当該鋭角部と対角線上に位置する鋭角部が同じく冷却液流れ方向下流側を向いている。なお、第1フィン(31)の横断面形状は三角形であって平坦面が冷却液流れ方向上流側を向いていてもよい。熱拡散板(15)には、第1および第2フィン(31)(32)の横断面形状に合致した形状のフィン挿通穴(33)(34)が形成されるとともに、フィン挿通穴(33)(34)に第1および第2フィン(31)(32)が通されて両フィン(31)(32)と熱拡散板(15)とが熱的に接触させられている。両フィン(31)(32)と熱拡散板(15)とはろう付されていることが好ましい。
【0070】
図7に示す放熱器(40)は、冷却液が、冷却液通路(3)を矢印Xで示す方向に流れるようになっているケーシング(2)に固定されるものであり、発熱体取付壁(5)であるケーシング(2)の頂壁(2a)を構成するアルミニウム製基板(13)と、基板(13)の下面に下方突出状に一体に設けられた複数の板状フィン(41)と、冷却液通路(3)内に上下方向に間隔をおくとともに頂壁(2a)および底壁(2b)と平行になるように配置され、かつフィン(41)が貫通させられた複数、ここでは2つの熱拡散板(15)とからなる。
【0071】
放熱器(40)のフィン(41)は、長手方向を冷却液通路(3)における冷却液流れ方向に向けるとともに幅方向を上下方向に向けた長方形である。熱拡散板(15)には、フィン(41)の横断面形状に合致した形状のフィン挿通穴(42)が形成されるとともに、フィン挿通穴(42)にフィン(41)が通されてフィン(41)と熱拡散板(15)とが熱的に接触させられている。フィン(41)と熱拡散板(15)とはろう付されていることが好ましい。
【0072】
図6および図7に示す放熱器(30)(40)も、ケーシング(2)の頂壁(2a)が、外面に発熱体(P)が取り付けられる発熱体取付壁(5)となっている場合に限らず、頂壁(2a)に加えて、あるいは頂壁(2a)に代えて、底壁(2b)が、外面に発熱体(P)が取り付けられる発熱体取付壁(5)となっている場合にも用いられることがある。頂壁(2a)に加えて、底壁(2b)が、外面に発熱体(P)が取り付けられる発熱体取付壁(5)となる場合には、放熱器(30)(40)の基板(13)は頂壁(2a)および底壁(2b)のうちのいずれか一方を構成し、頂壁(2a)に代えて、底壁(2b)が、外面に発熱体(P)が取り付けられる発熱体取付壁(5)となる場合には、放熱器(4)の基板(13)は底壁(2b)を構成する。
【0073】
図8に示す放熱器(50)の基板(51)は、発熱体取付壁(5)であるケーシング(2)の頂壁(2a)を構成していない。したがって、ケーシング(2)の頂壁(2a)を構成する板状のアルミニウム製上構成部材(7)は、放熱器(50)の基板(51)とは別個に用意されたものである。
【0074】
放熱器(50)は、ケーシング(2)の頂壁(2a)および底壁(2b)と離隔するとともに頂壁(2a)および底壁(2b)と平行になるように冷却液通路(3)に配置された基板(51)と、基板(51)の上面に上方突出状にかつ千鳥配置状に一体に設けられてケーシング(2)の冷却液通路(3)内の全体に点在する複数の横断面円形のピン状上側フィン(52)と、基板(51)の下面に下方突出状にかつ千鳥配置状に一体に設けられてケーシング(2)の冷却液通路(3)内の全体に点在する複数の横断面円形のピン状下側フィン(53)と、冷却液通路(3)内に頂壁(2a)および基板(51)と離隔するように配置され、かつ上側フィン(52)が貫通させられた上側の熱拡散板(15)と、冷却液通路(3)内に底壁(2b)および基板(51)と離隔するように配置され、かつ下側フィン(53)が貫通させられた下側の熱拡散板(15)とからなる。上側フィン(52)は上側熱拡散板(15)に形成されたフィン挿通穴(16)に通されて上側熱拡散板(15)に熱的に接触させられ、下側フィン(53)は下側熱拡散板(15)に形成されたフィン挿通穴(16)に通されて下側熱拡散板(15)に熱的に接触させられている。両フィン(52)(53)と両熱拡散板(15)とはろう付されていることが好ましい。
【0075】
上側フィン(52)の上端はケーシング(2)の頂壁(2a)に当接してろう付されている。下側フィン(53)の下端はケーシング(2)の底壁(2b)に当接してろう付されていることが好ましいが、下側フィン(53)の下端は底壁(23b)に必ずしもろう付されていなくてもよい。
【0076】
なお、上側フィン(52)および下側フィン(53)の横断面形状は、円形に限定されるものではなく、楕円形、方形、菱形など適宜変更可能である。また、放熱器(50)は、図6に示す放熱器(30)と同様な横断面形状の2種類の上側フィンおよび下側フィンを備えていてもよく、あるいは図7に示す放熱器(40)と同様な形状の板状の上側フィンおよび下側フィンを備えていてもよい。
【0077】
図8の放熱器(50)は基板(51)の両面にフィン(52)(53)が突出した形状であり、フィン(52)(53)の先端をケーシング(2)の内面に当接させるのに要するフィン高さは片面のみに形成したフィンを当接させる場合よりも低い。このため、フィンの加工コストを低減できる。また、基板(51)の両面に冷却液通路(3)が形成されるので放熱性能が向上する。
【0078】
図8に示す放熱器(50)も、ケーシング(2)の頂壁(2a)が、外面に発熱体(P)が取り付けられる発熱体取付壁(5)となっている場合に限らず、頂壁(2a)に加えて、あるいは頂壁(2a)に代えて、底壁(2b)が、外面に発熱体(P)が取り付けられる発熱体取付壁(5)となっている場合にも用いられることがある。
【産業上の利用可能性】
【0079】
この発明による冷却装置は、電気自動車、ハイブリッド自動車、電車などに搭載される電力変換装置などのパワーモジュールにおいて、IGBTなどのパワーデバイスを冷却するのに好適に用いられる。
【符号の説明】
【0080】
(1):冷却装置
(2):ケーシング
(2a):頂壁
(2b):底壁
(3):冷却液通路
(4)(30)(40)(50):放熱器
(5):発熱体取付壁
(13)(51):基板
(14)(31)(32)(41)(52)(53):フィン
(15):熱拡散板
(16)(33)(34)(42):フィン挿通穴
(20):複合体
(21):複合材
(22):アルミニウムマトリックス
(23):炭素粒子
(25):炭素粒子分散層
(26):アルミニウム層
(P):発熱体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8