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特許7050871コンピュータ、制御方法及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】コンピュータ、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/58 20140101AFI20220401BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20220401BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20220401BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20220401BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20220401BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/79
A63F13/45
A63F13/80 B
A63F13/35
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020155287
(22)【出願日】2020-09-16
(62)【分割の表示】P 2017171576の分割
【原出願日】2011-12-20
(65)【公開番号】P2020203138
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2020-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196829
【弁理士】
【氏名又は名称】中澤 言一
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 佐知
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-115232(JP,A)
【文献】特開2010-088694(JP,A)
【文献】菅原 智行、外1名,「クロヒョウ 龍が如く新章 完全攻略極ノ書」,初版,日本,株式会社エンターブレイン,2010年11月02日,pp.12,13,32,33
【文献】"ファイナルファンタジーXI ジラートの幻影 ファイナルファンタジーXI プロマシアの呪縛",「電撃PlayStation Vol.342」,日本,メディアワークス,2006年02月24日,第12巻,第8号,p.76-79
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理部を有するコンピュータであって、
前記処理部は、
プレイヤから第1バトルゲームの実行が指示された場合、前記プレイヤが前記第1バトルゲームを過去に進行させた回数が所定回数であれば、当選確率に基づいて第2バトルゲームを進行させるか否かを判定し、
前記プレイヤのプレイヤゲーム媒体と敵ゲーム媒体との第1バトルゲームを進行させ、
前記第1バトルゲームにおいて、前記敵ゲーム媒体のパラメータ値に基づいて、前記プレイヤゲーム媒体と前記敵ゲーム媒体との勝敗を判定し、
前記第1バトルゲームにおいて前記プレイヤゲーム媒体が前記敵ゲーム媒体に敗北したと判定され、且つ、前記第2バトルゲームを進行させると判定された場合、
前記敵ゲーム媒体のパラメータ値を、前記敵ゲーム媒体が敗北しない値まで減少させる前記第2バトルゲームを進行させ、
前記プレイヤに、前記第2バトルゲームにおいてパラメータ値が減少した前記敵ゲーム媒体と、前記プレイヤゲーム媒体との前記第1バトルゲームの実行を指示させるための画面を提示する、
ことを特徴とするコンピュータ。
【請求項2】
処理部を有するコンピュータであって、
前記処理部は、
プレイヤから他プレイヤに、第1バトルゲームへの参加を招待するための情報を送信し、
前記プレイヤから前記第1バトルゲームの実行が指示された場合、前記プレイヤからの招待に応じて前記第1バトルゲームに参加した前記他プレイヤの数に応じた当選確率に基づいて第2バトルゲームを進行させるか否かを判定し、
前記プレイヤのプレイヤゲーム媒体及び前記他のプレイヤの他プレイヤゲーム媒体と、敵ゲーム媒体との第1バトルゲームを進行させ、
前記第1バトルゲームにおいて、前記敵ゲーム媒体のパラメータ値に基づいて、前記プレイヤゲーム媒体と前記敵ゲーム媒体との勝敗を判定し、
前記第1バトルゲームにおいて前記プレイヤゲーム媒体が前記敵ゲーム媒体に敗北したと判定され、且つ、前記第2バトルゲームを進行させると判定された場合、前記第2バトルゲームを進行させる、
ことを特徴とするコンピュータ。
【請求項3】
前記処理部は、前記敵ゲーム媒体のパラメータ値に基づいて、前記当選確率を設定する、請求項1又は2に記載のコンピュータ。
【請求項4】
前記処理部は、前記敵ゲーム媒体のパラメータ値が大きいほど前記当選確率が高くなるように、前記当選確率を設定する、請求項3に記載のコンピュータ。
【請求項5】
前記処理部は、前記第2バトルゲームを進行させるか否かの判定を所定回数以上実行しても前記第2バトルゲームを進行させることが判定されない場合に、前記当選確率を変更する、請求項1~4のいずれか一項に記載のコンピュータ
【請求項6】
前記プレイヤゲーム媒体のパラメータ値は前記第1バトルゲームの実行の度に初期化され、前記敵ゲーム媒体のパラメータ値は前回の前記第1バトルゲームの実行後の前記敵ゲーム媒体のパラメータ値を維持する、請求項1~5のいずれか一項に記載のコンピュータ。
【請求項7】
前記第2バトルゲームの進行において、前記敵ゲーム媒体のパラメータ値を半減させる、請求項1~6のいずれか一項に記載のコンピュータ。
【請求項8】
処理部を備えるコンピュータの制御方法であって、
前記処理部は、
プレイヤから第1バトルゲームの実行が指示された場合、前記プレイヤが前記第1バトルゲームを過去に進行させた回数が所定回数であれば、当選確率に基づいて第2バトルゲームを進行させるか否かを判定し、
前記プレイヤのプレイヤゲーム媒体と敵ゲーム媒体との第1バトルゲームを進行させ、
前記第1バトルゲームにおいて、前記敵ゲーム媒体のパラメータ値に基づいて、前記プレイヤゲーム媒体と前記敵ゲーム媒体との勝敗を判定し、
前記第1バトルゲームにおいて前記プレイヤゲーム媒体が前記敵ゲーム媒体に敗北したと判定され、且つ、前記第2バトルゲームを進行させると判定された場合、
前記敵ゲーム媒体のパラメータ値を、前記敵ゲーム媒体が敗北しない値まで減少させる前記第2バトルゲームを進行させ、
前記プレイヤに、前記第2バトルゲームにおいてパラメータ値が減少した前記敵ゲーム媒体と、前記プレイヤゲーム媒体との前記第1バトルゲームの実行を指示させるための画面を提示する、
ことを含む制御方法。
【請求項9】
処理部を有するコンピュータの制御方法であって、
前記処理部は、
プレイヤから他プレイヤに、第1バトルゲームへの参加を招待するための情報を送信し、
前記プレイヤから前記第1バトルゲームの実行が指示された場合、前記プレイヤからの招待に応じて前記第1バトルゲームに参加した前記他プレイヤの数に応じた当選確率に基づいて第2バトルゲームを進行させるか否かを判定し、
前記プレイヤのプレイヤゲーム媒体及び前記他のプレイヤの他プレイヤゲーム媒体と、敵ゲーム媒体との第1バトルゲームを進行させ、
前記第1バトルゲームにおいて、前記敵ゲーム媒体のパラメータ値に基づいて、前記プレイヤゲーム媒体と前記敵ゲーム媒体との勝敗を判定し、
前記第1バトルゲームにおいて前記プレイヤゲーム媒体が前記敵ゲーム媒体に敗北したと判定され、且つ、前記第2バトルゲームを進行させると判定された場合、前記第2バトルゲームを進行させる、
ことを含む制御方法。
【請求項10】
コンピュータの制御プログラムであって、前記コンピュータに、
プレイヤから第1バトルゲームの実行が指示された場合、前記プレイヤが前記第1バトルゲームを過去に進行させた回数が所定回数であれば、当選確率に基づいて第2バトルゲームを進行させるか否かを判定し、
前記プレイヤのプレイヤゲーム媒体と敵ゲーム媒体との第1バトルゲームを進行させ、
前記第1バトルゲームにおいて、前記敵ゲーム媒体のパラメータ値に基づいて、前記プレイヤゲーム媒体と前記敵ゲーム媒体との勝敗を判定し、
前記第1バトルゲームにおいて前記プレイヤゲーム媒体が前記敵ゲーム媒体に敗北したと判定され、且つ、前記第2バトルゲームを進行させると判定された場合、
前記敵ゲーム媒体のパラメータ値を、前記敵ゲーム媒体が敗北しない値まで減少させる第2バトルゲームを進行させ、
前記プレイヤに、前記第2バトルゲームにおいてパラメータ値が減少した前記敵ゲーム媒体と、前記プレイヤゲーム媒体との前記第1バトルゲームの実行を指示させるための画面を提示する、
ことを実行させるための制御プログラム。
【請求項11】
コンピュータの制御プログラムであって、前記コンピュータに、
プレイヤから他プレイヤに、第1バトルゲームへの参加を招待するための情報を送信し、
前記プレイヤから前記第1バトルゲームの実行が指示された場合、前記プレイヤからの招待に応じて前記第1バトルゲームに参加した前記他プレイヤの数に応じた当選確率に基づいて第2バトルゲームを進行させるか否かを判定し、
前記プレイヤのプレイヤゲーム媒体及び前記他のプレイヤの他プレイヤゲーム媒体と、敵ゲーム媒体との第1バトルゲームを進行させ、
前記第1バトルゲームにおいて、前記敵ゲーム媒体のパラメータ値に基づいて、前記プレイヤゲーム媒体と前記敵ゲーム媒体との勝敗を判定し、
前記第1バトルゲームにおいて前記プレイヤゲーム媒体が前記敵ゲーム媒体に敗北したと判定され、且つ、前記第2バトルゲームを進行させると判定された場合、前記第2バトルゲームを進行させる、
ことを実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム用サーバ装置、サーバ制御方法、及びサーバ制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークを介してゲームを提供するサーバ装置が普及している。そのようなサーバ装置により提供されるゲームには、複数のユーザが参加可能なものもあり(所謂「ソーシャルゲーム」)、ユーザ同士が、対戦、協力のみならず、相互にコミュニケーション可能なものも知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
しかしながら、一般にゲームの進行に応じてゲームの難易度が上がる(例えば、ゲームの進行に応じてより強い敵が登場する)ことから、ユーザ同士が相互に協力したとしても、いずれはゲームの進行が困難になり(例えば、ユーザ及び協力ユーザの攻撃力を上回る強さの敵が登場し、勝てなくなる)、ユーザのゲームの継続意欲が低下するおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-034303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような従来の課題を解決すべくなされたものであり、ユーザのゲームの継続意欲の低下を防止することを可能とするサーバ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るサーバ装置は、端末と通信を行いながら、ゲーム対象のパラメータ値を変化させるゲームを進行させるサーバ装置であって、ゲームの進行中に第1のイベントが発生した場合、パラメータ値を第1の所定値だけ減少させると共に、第1のイベントに対応した第1の表示データを作成する第1表示データ作成部と、第1のイベントの発生回数を計数するイベント発生回数計数部と、第1のイベントの発生回数及びパラメータ値に基づいて第2のイベントの発生の当選確率を設定し、当選確率に応じた抽選に基づいて第2のイベントの発生の有無を決定する処理部と、処理部が第2のイベントの発生を決定した場合、パラメータ値を第2の所定値だけ減少させると共に、第2のイベントに対応した第2の表示データを作成する第2表示データ作成部と、第1の表示データ及び第2の表示データを端末に送信する送信部と、を有する。
【0007】
また、本発明に係るサーバ装置において、端末のユーザ以外の、ゲームに参加するユーザ数を計数するユーザ数計数部をさらに有し、処理部は、第1のイベントの発生回数、パラメータ値、及びユーザ数に基づいて第2のイベントの発生の当選確率を設定することが好ましい。
【0008】
また、本発明に係るサーバ制御方法は、端末と通信を行いながら、ゲーム対象のパラメータ値を変化させるゲームを進行させるサーバ装置を制御するサーバ制御方法であって、サーバ装置が、ゲームの進行中に第1のイベントが発生した場合、パラメータ値を第1の所定値だけ減少させると共に、第1のイベントに対応した第1の表示データを作成し、第1のイベントの発生回数を計数し、第1のイベントの発生回数及びパラメータ値に基づいて第2のイベントの発生の当選確率を設定し、且つ当選確率に応じた抽選に基づいて第2のイベントの発生の有無を決定し、第2のイベントの発生が決定された場合、パラメータ値を第2の所定値だけ減少させると共に、第2のイベントに対応した第2の表示データを作成し、第1の表示データ及び第2の表示データを端末に送信する、ことを含む。
【0009】
また、本発明に係るサーバ制御プログラムは、端末と通信を行いながら、ゲーム対象のパラメータ値を変化させるゲームを進行させるサーバ装置を制御するためのサーバ制御プログラムであって、前記サーバ装置に、ゲームの進行中に第1のイベントが発生した場合、パラメータ値を第1の所定値だけ減少させると共に、第1のイベントに対応した第1の表示データを作成し、第1のイベントの発生回数を計数し、第1のイベントの発生回数及びパラメータ値に基づいて第2のイベントの発生の当選確率を設定し、且つ当選確率に応じた抽選に基づいて第2のイベントの発生の有無を決定し、第2のイベントの発生が決定された場合、パラメータ値を第2の所定値だけ減少させると共に、第2のイベントに対応した第2の表示データを作成し、第1の表示データ及び第2の表示データを端末に送信する、ことを実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るサーバ装置は、ゲームの進行状況に対応する第1のイベントの発生回数及びゲーム対象のパラメータ値に基づいて第2のイベントの発生の有無を決定することにより、ユーザのゲームの継続意欲の低下を防止し、ユーザをゲームに惹きつけ続けることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態によるゲーム用システムの概略構成図である。
図2】サーバ装置の処理部の機能ブロック図である。
図3】ゲーム用システムの動作フローチャートである。
図4】ゲーム用システムの動作フローチャートである。
図5】端末の表示画面の一例を示す模式図である。
図6】端末の表示画面の一例を示す模式図である。
図7】第2の実施形態によるサーバ装置の処理部の機能ブロック図である。
図8】ゲーム用システムの動作フローチャートである。
図9】第3の実施形態によるゲーム用端末の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0013】
(第1の実施形態)
本実施形態によるサーバ装置は、端末と通信を行いながらゲームを進行させ、ゲームの進行に係る表示データを端末に送信する。端末は、ユーザからの指示によりサーバ装置にゲームの進行を要求し、サーバ装置からゲームの進行に係る表示データを受信して表示を行う。
【0014】
本実施形態では、サーバ装置が進行させるゲームは、カードデータを用いる所謂カードバトルゲームである。カードバトルゲームでは、ユーザは、ゲームの進行に応じて登場する、ゲームプログラム上で用意された敵(ゲーム対象)と、カードデータを用いてバトル(第1のイベント)を行う。ユーザは、任意の数のカードデータを所持することができる。カードデータは、レベル、攻撃力、防御力、体力等のパラメータを有しており、そのパラメータに応じて敵にダメージを与える。敵もカードデータと同様のパラメータを有するステータスデータを有しており、そのパラメータに応じてカードデータにダメージを与える。相互にダメージを与えた結果、カードデータの体力パラメータが0になるか、敵の体力パラメータが0になった場合、バトルは一旦終了する。
【0015】
サーバ装置によるゲームの進行中、所定のタイミングで敵が出現する。敵が出現した場合、ユーザは、敵の体力パラメータが0になるまで、何回でもバトルを行うことができる。所定回数バトルを行っても敵の体力パラメータが0にならなかった場合、所定の確率にしたがって特別なバトル(第2のイベント。以下「支援バトル」という。)が行われ、敵の体力パラメータが所定量減じられる。このように、バトルの進行状況に応じて所定の確率にしたがって支援バトルを行い、敵の体力パラメータを所定量減じることにより、バトルの進行へのユーザの期待感を高め、もってユーザのゲームの継続意欲の低下を防止することを図る。
【0016】
図1は、ゲーム用システムの概略構成図である。
【0017】
図1に示されるように、このゲーム用システム1は、少なくとも一台の端末2と、サーバ装置3とを有する。端末2とサーバ装置3とは、公衆通信回線、無線通信回線等の通信ネットワークを介して相互に接続され、例えば、基地局4、携帯電話網5、ゲートウェイ6、及びインターネット7を介して相互に接続される。また、端末2上で実行されるプログラム(例えば、閲覧プログラム)と、サーバ装置3上で実行されるプログラム(例えば、ゲームプログラム)とは、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)等の通信プロトコルを用いて通信を行う。
【0018】
端末2は、ユーザによる操作部24(ボタン等)の操作によりサーバ装置3にゲームの進行を要求する。また、端末2は、サーバ装置3からゲームの進行に係る表示データを受信して表示を行う。そのために、端末2は、通信部21と、記憶部22と、処理部23と、操作部24と、表示部25とを有する。
【0019】
通信部21は、携帯通信網5に端末2を接続するための通信インターフェース回路を有する。通信部21は、サーバ装置3からインターネット7及び携帯電話網5を介して受信したデータを処理部23に渡す。また、処理部23から受け取ったデータを、携帯電話網5及びインターネット7を介してサーバ装置3に送信する。
【0020】
記憶部22は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも何れか一つを有する。記憶部22は、端末2を制御するために用いられる各種のプログラム及びデータを記憶する。記憶部22は、例えば、端末2の識別番号(ID)、ユーザの認証データ、サーバ装置3から受信したゲームの進行に係る表示データ、その表示データに基づいて表示を行うためのプログラム等を記憶する。さらに、記憶部22は、所定の処理に係る一時的なデータを、一時的に記憶してもよい。
【0021】
処理部23は、1個または複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。処理部23は、サーバ装置3から受信したゲームの進行に係る表示データに基づいて表示を行う。
【0022】
操作部24は、端末2の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパッド、キーボード等である。表示部25も、ゲーム画面の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。
【0023】
サーバ装置3は、端末2からの要求によりゲームを進行させる。また、ゲームの進行中に敵が出現した場合、バトル及び支援バトルを行う。そのために、サーバ装置3は、通信部31と、記憶部32と、処理部33とを有する。
【0024】
通信部31は、インターネット7にサーバ装置3を接続するための通信インターフェース回路を有する。通信部31は、端末2から携帯電話網5及びインターネット7を介して受信したデータを処理部33に渡す。また、処理部33から受け取ったデータを、インターネット7及び携帯電話網5を介して端末2に送信する。
【0025】
記憶部32は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも何れか一つを有する。記憶部32は、サーバ装置3を制御するために用いられる各種のプログラム及びデータを記憶する。記憶部32は、例えば、ゲームを進行させ、それに係る表示データを出力するためのプログラムを記憶する。また、記憶部32は、ゲームの進行中に敵が出現した場合、バトル及び支援バトルを行うためのプログラムも記憶する。また、記憶部32は、端末2のIDを記憶する。また、記憶部32は、ユーザの名前、ユーザID、認証データ、属性、所持しているカードデータ、バトルの実行中の敵を示す敵ID、その敵のステータスデータ、その敵とのバトルの実行回数を示すバトル実行回数カウンタ、その敵との支援バトルの実行の有無を示す支援バトル実行フラグ等を管理するテーブル(以下「ユーザ管理テーブル」という。)も記憶する。さらに、記憶部32は、所定の処理に係る一時的なデータを、一時的に記憶してもよい。
【0026】
処理部33は、1個または複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。処理部33は、ゲームを進行させ、それに係る表示データを出力する処理を行う。また、ゲームの進行中に敵が出現した場合、バトル及び支援バトルを行う。
【0027】
図2は、サーバ装置3の処理部33の機能ブロック図である。
【0028】
処理部33は、制御部331と、支援バトル実行判定部332と、バトル実行部333と、支援バトル実行部334とを有する。処理部33が有するこれらの各部は、処理部33が有するプロセッサ上で実行されるコンピュータプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、処理部33が有するこれらの各部は、ファームウェアとしてサーバ装置3に実装されてもよい。
【0029】
制御部331は、不図示のユーザ認証部が端末2のユーザを認証した後、端末2からゲームの開始が要求された場合、プログラムにしたがってゲームを進行させる。また、制御部331は、ゲームの進行に応じて敵を出現させる。敵を出現させた場合、制御部331は、ユーザから指示を受け付けるための画面に係る表示データを作成し、その表示データを通信部31を介して端末2に送信し、画面表示を行わせ、ユーザから指示を受け付けさせ、その指示データを制御部331に返信させる。
【0030】
ユーザからの指示がバトルの実行であった場合、制御部331は、記憶部32に記憶されているバトル実行回数カウンタを確認し、その値が所定値(例えば、1回)であった場合、制御部331は、支援バトル実行判定部332に処理の実行を指示する。
【0031】
支援バトル実行判定部332は、所定の確率にしたがって支援バトルを行うか否かを決定する。即ち、バトルの進行状況に基づいて支援バトルの当選確率を設定し、その当選確率に応じた抽選を行うことにより、支援バトルを行うか否かを決定する。
【0032】
当選確率は、バトルの進行状況が悪いほど高くなるように設定する。例えば、記憶部32に記憶されている敵の体力パラメータの残量が多いほど、当選確率が高くなるように設定する。敵の体力パラメータの残量を変数とした場合、当選確率は、例えば、次のような数式により算出できる。
P = (R/T)/10 (式1)
ここで、Pは当選確率、Rは敵の体力パラメータの残量、及びTは敵の体力パラメータの総量を示す。例えば、Rを90、Tを100とした場合、Pは、
P = (90/100)/10 = 0.09
と算出できる。
【0033】
当選確率を設定した後、支援バトル実行判定部332は、その当選確率に応じた抽選を行う。例えば、当選確率に応じた数値範囲を予め定めておき、現在時刻等を種として発生させた擬似乱数がその数値範囲に属するか否かを判定することにより抽選を行う。抽選に当選した場合、支援バトル実行判定部332は、記憶部32に記憶されている支援バトル実行フラグをオンに設定した後、処理を終了する。
【0034】
制御部331は、バトル実行部333に処理の実行を指示する。
【0035】
バトル実行部333は、記憶部32に記憶され、ユーザに関連付けられているカードデータを用いてバトルを行う。例えば、カードデータの攻撃力パラメータに応じて敵にダメージを与える。同様に、敵の攻撃力パラメータに応じてカードデータにダメージが与えられる。なお、カードデータの体力パラメータはバトルの実行の度に初期化(最大値に設定)されるのに対して、敵の体力パラメータは初期化されず、前回のバトルの実行後のものが維持されるものとする。カードデータ及び敵のいずれかの体力パラメータが0になった場合、バトル実行部333は、記憶部32に記憶されているバトル実行回数カウンタに1を加算し、バトルの実行状況を示すための画面に係る表示データを作成し、その表示データを通信部31を介して端末2に送信し、画面表示を行わせた後、処理を終了する。
【0036】
制御部331は、記憶部32に記憶されている敵の体力パラメータの残量を確認し、その残量が0であった場合、敵を倒したと判定し、ゲームの進行を通常の状態(敵が出現していない状態)に復帰させる。一方、その残量が0でなかった(即ち、カードデータの体力パラメータが0であった)場合、制御部331は、敵に敗れたと判定し、記憶部32に記憶されている支援バトル実行フラグを確認する。支援バトル実行フラグがオンであった場合、制御部331は、支援バトル実行部334に処理の実行を指示する。
【0037】
支援バトル実行部334は、支援バトルの実行として、記憶部32に記憶されている敵の体力パラメータを所定量減じる。例えば、敵の体力パラメータの残量に対する一定割合を減じる。また、減じる量を所定の確率にしたがって変更してもよい。なお、減じる量は、ゲーム/バトルの進行を考慮して、敵の体力パラメータの残量よりも少ないことが好ましい。支援バトル実行部334は、支援バトル実行フラグをオフに設定し、支援バトルの実行状況を示すための画面に係る表示データを作成し、その表示データを通信部31を介して端末2に送信し、画面表示を行わせた後、処理を終了する。
【0038】
図3は、ゲーム用システム1の動作フローチャートである。なお、以下に説明する動作フローは、予め記憶部22、32に記憶されているプログラムに基づき、主に処理部23、33により、端末2及びサーバ装置3の各要素と協働して実行される。
【0039】
処理部23は、通信部21を介してサーバ装置3にユーザの認証データを送信する(ステップS301)。
【0040】
端末2からユーザの認証データを受信した場合、処理部33は、不図示のユーザ認証部に処理の実行を指示する(ステップS302)。
【0041】
ユーザ認証部によりユーザが認証された場合、処理部33は、ユーザから指示を受け付けるための画面に係る表示データを作成し、その表示データを通信部31を介して端末2に送信する(ステップS303)。
【0042】
サーバ装置3からユーザから指示を受け付けるための画面に係る表示データを受信した場合、処理部23は、その表示データに基づいて表示部25に画面表示を行い、指示の入力を促す(ステップS304)。
【0043】
図5は、端末2の表示画面の一例を示す模式図である。
【0044】
図5(a)は、ゲームの開始前の表示画面501を示す。表示画面501の下段には4つのボタンが表示されており、「ストーリー」ボタン502の押下により、ゲームの開始がサーバ装置3に要求される。
【0045】
図3に戻り、操作部24を介してゲーム開始の指示がユーザから入力された場合、処理部23は、その指示データを通信部21を介してサーバ装置3に送信する(ステップS305)。
【0046】
端末2からゲーム開始の指示データを受信した場合、制御部331は、ゲームを進行させると共に、ゲームの進行に応じて敵を出現させる(ステップS306)。
【0047】
敵を出現させた場合、制御部331は、記憶部32に記憶されているバトル実行回数カウンタ及び支援バトル実行フラグを初期化する(ステップS307)。即ち、バトル実行回数カウンタを0に、支援バトル実行フラグをオフに設定する。
【0048】
そして、制御部331は、ユーザから指示を受け付けるための画面に係る表示データを作成し、その表示データを通信部31を介して端末2に送信する(ステップS308)。
【0049】
サーバ装置3からユーザから指示を受け付けるための画面に係る表示データを受信した場合、処理部23は、その表示データに基づいて表示部25に画面表示を行い、指示の入力を促す(ステップS309)。
【0050】
図5(b)は、敵が出現したときの表示画面503を示す。表示画面503の上段には出現した敵504が表示されており、同下段には3つのボタンが表示されている。「バトル」ボタン505の押下により、バトルの実行がサーバ装置3に要求され、「逃げる」ボタン507の押下により、バトルの回避がサーバ装置3に要求される。
【0051】
図3に戻り、操作部24を介して指示がユーザから入力された場合、処理部23は、その指示データを通信部21を介してサーバ装置3に送信する(ステップS310)。
【0052】
端末2から受信した指示データの示す指示がバトルの回避であった場合(ステップS311-No)、制御部331は、ゲームの進行を通常の状態に復帰させる処理に入る(ステップS320)。
【0053】
一方、その指示がバトルの実行であった場合(ステップS311-Yes)、制御部331は、記憶部32に記憶されているバトル実行回数カウンタを確認し、その値が所定値でなかった場合(ステップS312-No)、制御部331は、支援バトルの実行は不要と判定し、バトル実行部333に処理の実行を指示する(ステップS314)。
【0054】
一方、その値が所定値であった場合(ステップS312-Yes)、制御部331は、支援バトル実行判定部332に処理の実行を指示する(ステップS313)。
【0055】
図4(a)は、支援バトル実行判定部332の動作フローチャートである。
【0056】
支援バトル実行判定部332は、バトルの進行状況に基づいて支援バトルの当選確率を設定する(ステップS401)。
【0057】
そして、支援バトル実行判定部332は、その当選確率に応じた抽選を行う(ステップS402)。
【0058】
抽選に当選した場合(ステップS403-Yes)、支援バトル実行判定部332は、記憶部32に記憶されている支援バトル実行フラグをオンに設定する(ステップS404)。
【0059】
そして、支援バトル実行判定部332は、処理を終了する。
【0060】
図3に戻り、制御部331は、バトル実行部334に処理の実行を指示する(ステップS314)。
【0061】
図4(b)は、バトル実行部333の動作フローチャートである。
【0062】
バトル実行部333は、記憶部32に記憶され、ユーザに関連付けられているカードデータを用いてバトルを行う(ステップS405)。例えば、カードデータの攻撃力パラメータに応じて記憶部32に記憶されている敵の体力パラメータを所定量減じる。
【0063】
バトルが終了した後、バトル実行部333は、記憶部32に記憶されているバトル実行回数カウンタに1を加算する(ステップS406)。
【0064】
また、バトル実行部333は、バトルの実行状況を示すための画面に係る表示データを作成し、その表示データを通信部31を介して端末2に送信する(ステップS407)。
【0065】
そして、バトル実行部333は、処理を終了する。
【0066】
図3に戻り、サーバ装置3からバトルの実行状況を示すための画面に係る表示データを受信した場合、処理部23は、その表示データに基づいて表示部25に画面表示を行う(ステップS315)。
【0067】
図5(c)は、バトルの実行中の表示画面508を示す。表示画面508の上段中央には敵504が表示されており、その上には敵の体力パラメータ509が表示されている。また、同下段にはユーザに関連付けられているカードデータ512が表示されている。各カードデータ及び敵が交互に攻撃を行い、相互にダメージを与えることにより、バトルが進行していくという演出が表示される。
【0068】
図3に戻り、制御部331は、記憶部32に記憶されている敵の体力パラメータの残量を確認し、その残量が0であった場合(ステップS316-Yes)、敵を倒したと判定し、ゲームの進行を通常の状態に復帰させる処理に入る(ステップS320)。
【0069】
一方、その残量が0でなかった場合(ステップS316-No)、制御部331は、敵に敗れたと判定し、記憶部32に記憶されている支援バトル実行フラグを確認する。支援バトル実行フラグがオフであった場合(ステップS317-No)、制御部331は、支援バトルの実行は不要と判定し、バトル実行回数カウンタ等の初期化後に制御を戻す。
【0070】
一方、支援バトル実行フラグがオンであった場合(ステップS317-Yes)、制御部331は、支援バトル実行部334に処理の実行を指示する。
【0071】
図4(c)は、支援バトル実行部334の動作フローチャートである。
【0072】
支援バトル実行部334は、支援バトルの実行として、記憶部32に記憶されている敵の体力パラメータを所定量減じる(ステップS408)。
【0073】
支援バトルが終了した後、支援バトル実行部334は、支援バトル実行フラグをオフに設定する(ステップS409)。
【0074】
また、支援バトル実行部334は、支援バトルの実行状況を示すための画面に係る表示データを作成し、その表示データを通信部31を介して端末2に送信する(ステップS410)。
【0075】
そして、支援バトル実行部334は、処理を終了する。
【0076】
図3に戻り、サーバ装置3からバトルの実行結果及び支援バトルの実行状況を示すための画面に係る表示データを受信した場合、処理部23は、その表示データに基づいて表示部25に画面表示を行う(ステップS319)。
【0077】
図6(a)は、敵に敗れたときの表示画面601を示し、次いで表示される図6(b)は、支援バトルの実行中の表示画面602を示す。表示画面602の右段には敵504が表示されており、その上には敵504の体力パラメータ509が表示されている。また、同左段には、カードデータ603が形式的に表示されており、カードデータ603が敵に攻撃を行い、ダメージを与えるという演出が表示される。
【0078】
図3に戻り、制御部331は、バトル実行回数カウンタ等の初期化後に制御を戻す。
【0079】
一方、バトルを回避した場合(ステップS311-No)、又は敵を倒した場合(ステップS316-Yes)、制御部331は、ゲームの進行を通常の状態に復帰させる処理に入る。即ち、制御部331は、バトルの実行結果を示すための画面(敵を倒した場合のみ)及びユーザから指示を受け付けるための画面に係る表示データを作成し、その表示データを通信部31を介して端末2に送信する(ステップS320)。
【0080】
サーバ装置3からバトルの実行結果を示すための画面及びユーザから指示を受け付けるための画面に係る表示データを受信した場合、処理部23は、その表示データに基づいて表示部25に画面表示を行う(ステップS321)。
【0081】
図6(c)は、敵を倒したときの表示画面604を示し、次いで表示される図6(d)は、バトルの終了後の表示画面605を示す。表示画面605の下段には2つのボタンが表示されており、「はい」ボタン606の押下により、ゲームの続行がサーバ装置3に要求され、「いいえ」ボタン607の押下により、ゲームの終了がサーバ装置3に要求される。
【0082】
図3に戻り、操作部24を介して指示がユーザから入力された場合、処理部23は、その指示データを通信部21を介してサーバ装置3に送信する(ステップS322)。
【0083】
端末2から受信した指示データの示す指示がゲームの続行であった場合(ステップS323-No)、制御部331は、ゲームの進行を通常の状態に復帰させるべく、ゲーム開始の指示データの受信後に制御を戻す。
【0084】
一方、その指示がゲームの終了であった場合(ステップS323-Yes)、ゲームを終了する。
【0085】
以上説明してきたように、第1のイベント(バトル)の発生回数及びゲーム対象のパラメータ値(敵の体力パラメータ)に基づいて第2のイベント(支援バトル)の発生の当選確率を設定することにより、バトルの進行状況をユーザに有利にすることが可能となる。これにより、ユーザのゲームの継続意欲の低下を防止することが可能となる。
例えば、所定回数バトルを行っても、敵の体力パラメータの残量が多い場合、支援バトルの発生の当選確率を高めることにより、ユーザが敵に敗れそうな状況で支援バトルが発生し易くなり、ユーザが敵を倒せる可能性を向上させることが可能となる。また、支援バトルの発生時に、敵の体力パラメータを所定量減じる(例えば、残量を半減させる)ことにより、ユーザが敵を倒せる可能性をさらに向上させることが可能となる。これにより、ユーザのバトルへの再参加意欲を向上させることが可能となり、ユーザのゲームの継続意欲の低下を防止することが可能となる。
【0086】
なお、変形例によれば、制御部331は、支援バトルの実行の有無の判定に要する実行回数として、任意の回数を用いてもよい。さらに、その回数を一旦超えれば、支援バトルが当選するまで、バトルの実行の度にその有無の判定を行うようにしてもよい。
【0087】
また、支援バトル実行判定部332は、支援バトルの当選確率を、敵の現在の体力パラメータの残量ではなく、将来(バトルの実行後)の体力パラメータの残量に基づいて算出してもよい。本実施形態では、支援バトルは、バトルの実行後に行われるとしたからである。なお、バトルの実行により敵に与えるダメージの量は、カードデータの攻撃力等のパラメータにより一意的に決定されるため、バトルの実行後の体力パラメータの残量は、バトルの実行前に決定することが可能である。
【0088】
また、所定回数抽選を行っても支援バトルが当選しない場合、支援バトル実行判定部332は、支援バトルの当選確率を調節してもよい。あるいは、支援バトル実行部334は、敵の体力パラメータを減じる量を変更してもよい。
【0089】
また、バトル実行部333は、バトルの実行のみを行い、バトルの実行状況を示すための画面に係る表示データの作成は、端末2が行ってもよい。この場合、バトル実行部333は、表示データの作成に要するデータ(例えば、バトルの実行前後の敵の体力パラメータ)を通信部31を介して端末2に送信すればよい。支援バトル実行部334についても同様である。
【0090】
また、制御部331は、バトルの実行回数を制限してもよい。例えば、バトルの実行に係るパラメータを設け、バトルの実行の度にそのパラメータを所定量減じ、その残量が当該所定量を下回れば、バトルの実行を不可とすればよい。
【0091】
また、図3に示される動作フローでは、バトルの実行(S314)及び支援バトルの実行(S318)を別々に行っていた。しかし、バトルの実行が指示された場合、予め抽選を行い、バトル及び支援バトルを合わせた表示データを作成し、端末2に送信するようにしてもよい。
例えば、処理部33は、次のような動作フローにより処理を行ってもよい。
端末2から受信した指示データの示す指示がバトルの実行であった場合、制御部331は、バトル実行部333に処理の実行を指示する。
バトル実行部333は、記憶部32に記憶されているカードデータに応じて、同じく記憶部32に記憶されている敵の体力パラメータを所定量減じる。
また、バトル実行部333は、記憶部32に記憶されているバトル実行回数カウンタに1を加算する。
そして、バトル実行部333は、処理を終了する。
制御部331は、記憶部32に記憶されている敵の体力パラメータの残量を確認し、その残量が0であった場合、バトルの実行結果を示すための画面及びユーザから指示を受け付けるための画面に係る表示データを作成し、その表示データを通信部31を介して端末2に送信する。
一方、その残量が0でなかった場合、制御部331は、記憶部32に記憶されているバトル実行回数カウンタを確認し、その値が所定値でなかった場合、制御部331は、バトルの実行結果を示すための画面に係る表示データを作成し、その表示データを通信部31を介して端末2に送信する。
一方、その値が所定値であった場合、制御部331は、支援バトル実行判定部332に処理の実行を指示する。
支援バトル実行判定部332は、バトルの進行状況に基づいて支援バトルの当選確率を設定する。
また、支援バトル実行判定部332は、その当選確率に応じた抽選を行う。
そして、支援バトル実行判定部332は、その結果を記憶部32に格納した後、処理を終了する。
抽選に当選しなかった場合、制御部331は、バトルの実行結果を示すための画面に係る表示データを作成し、その表示データを通信部31を介して端末2に送信する。
一方、抽選に当選した場合、制御部331は、支援バトル実行部334に処理の実行を指示する。
支援バトル実行部334は、記憶部32に記憶されている敵の体力パラメータを所定量減じる。
また、支援バトル実行部334は、バトル及び支援バトルの実行状況を示すための画面に係る表示データを作成し、その表示データを通信部31を介して端末2に送信する。
そして、支援バトル実行部334は、処理を終了する。
【0092】
(第2の実施形態)
第1の実施形態によるサーバ装置には、他のユーザ(以下「招待ユーザ」という。)を招待する手段を設けることも可能である。図7は、そのようなサーバ装置の処理部の機能ブロック図である。
【0093】
処理部33’は、制御部331’と、支援バトル実行判定部332’と、バトル実行部333’と、支援バトル実行部334と、招待ユーザ登録部335とを有する。
【0094】
制御部331’は、第1の実施形態による処理部33の制御部331に対応する。ただし、端末2からユーザ招待の指示データを受信した場合、招待ユーザ登録部335に処理の実行を指示する点が異なる。
【0095】
支援バトル実行判定部332’は、第1の実施形態による処理部33の支援バトル実行判定部332に対応する。ただし、敵の体力パラメータの残量だけでなく、招待ユーザの数にも基づいて当選確率を設定する点が異なる。例えば、記憶部32に記憶されている敵の体力パラメータの残量が多いほど当選確率が高くなるように設定し、且つ招待ユーザの数が多いほど当選確率が高くなるように設定する。敵の体力パラメータの残量及び招待ユーザの数を変数とした場合、当選確率は、例えば、次のような数式により算出できる。
P = (R/T×100+U)/1000 (式2)
ここで、Pは当選確率、Rは敵の体力パラメータの残量、Tは敵の体力パラメータの総量、及びUは招待ユーザの数を示す。例えば、Rを90、Tを100、Uを10とした場合、Pは、
P = (90/100×100+10)/1000=0.10
と算出できる。
【0096】
バトル実行部333’は、第1の実施形態による処理部33のバトル実行部333に対応する。ただし、ユーザに関連付けられているカードデータだけでなく、招待ユーザに関連付けられているカードデータも用いてバトルを行う点が異なる。図5(c)に示される表示画面508の上段左右には、招待ユーザに関連付けられているカードデータ510、511も表示されている。
【0097】
図7に戻り、支援バトル実行部334は、第1の実施形態による処理部33の支援バトル実行部334と同じものである。
【0098】
招待ユーザ登録部335は、記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルを参照し、ユーザから招待ユーザの指示を受け付けるための画面に係る表示データを作成する。そして、招待ユーザ登録部335は、その表示データを通信部31を介して端末2に送信し、画面表示を行わせ、ユーザから招待ユーザの指示を受け付けさせ、その指示データを招待ユーザ登録部335に返信させる。招待ユーザ登録部335は、その指示データが示す招待ユーザのユーザIDを記憶部32に格納した後、処理を終了する。
【0099】
図8は、ゲーム用システム1’の動作フローチャートである。なお、図8には、図3の動作フローチャートからの差分のみを示す。
【0100】
端末2からゲーム開始の指示データを受信した場合、制御部331’は、ゲームを進行させると共に、ゲームの進行に応じて敵を出現させる(ステップS306)。
【0101】
敵を出現させた場合、制御部331’は、同一の敵とのバトルの実行回数を示すバトル実行回数カウンタと、支援バトルの実行の有無を示す支援バトル実行フラグと、招待ユーザの数を示す招待ユーザ数カウンタとを記憶するための領域を記憶部32に確保すると共に、それらの値を初期化する(ステップS307’)。即ち、バトル実行回数カウンタを0に、支援バトル実行フラグをオフに、招待ユーザ数カウンタを0に設定する。
【0102】
そして、制御部331’は、ユーザから指示を受け付けるための画面に係る表示データを作成し、その表示データを通信部31を介して端末2に送信する(ステップS308’)。
【0103】
サーバ装置3’からユーザから指示を受け付けるための画面に係る表示データを受信した場合、処理部23は、その表示データに基づいて表示部25に画面表示を行い、指示の入力を促す(ステップS309)。
【0104】
操作部24を介して指示がユーザから入力された場合、処理部23は、その指示データを通信部21を介してサーバ装置3’に送信する(ステップS310’)。
【0105】
端末2から受信した指示データの示す指示がバトルの回避であった場合(ステップS311-No、ステップS801-No)、制御部331’は、ゲームの進行を通常の状態に復帰させる処理に入る(ステップS320)。
【0106】
一方、その指示がユーザの招待であった場合(ステップS311-No、ステップS801-Yes)、制御部331’は、招待ユーザ登録部335に処理の実行を指示する(ステップS802)。
【0107】
招待ユーザ登録部335は、記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルを参照し、ユーザから招待ユーザの指示を受け付けるための画面に係る表示データを作成する。そして、招待ユーザ登録部335は、その表示データを通信部31を介して端末2に送信する(ステップS802)。
【0108】
サーバ装置3’からユーザから招待ユーザの指示を受け付けるための画面に係る表示データを受信した場合、処理部23は、その表示データに基づいて表示部25に画面表示を行い、指示の入力を促す(ステップS803)。
【0109】
図5(d)は、ユーザを招待するときの表示画面513を示す。表示画面513の左段にはユーザの画像514及び名前515が表示されており、同右段には「招待する」ボタン516が表示されている。「招待する」ボタンの押下により、対応するユーザの招待がサーバ装置3’に要求される。
【0110】
図8に戻り、操作部24を介して招待ユーザの指示がユーザから入力された場合、処理部23は、その指示データを通信部21を介してサーバ装置3’に送信する(ステップS804)。
【0111】
招待ユーザ登録部335は、端末2から受信した指示データが示す招待ユーザのユーザIDを記憶部32に格納する(ステップS805)。
【0112】
また、招待ユーザ登録部335は、記憶部32に記憶されている招待ユーザ数カウンタに招待ユーザ数を加算する(ステップS806)。
【0113】
そして、招待ユーザ登録部335は、処理を終了する。
【0114】
制御部331’は、バトル実行回数カウンタ等の初期化後に制御を戻す。
【0115】
以上説明してきたように、敵の体力パラメータの残量だけでなく、招待ユーザの数にも基づいて支援バトルの発生の当選確率を設定することにより、ユーザ同士の協力によるバトルの進行へのユーザの期待感を高めることが可能となる。これにより、ユーザのゲームの継続意欲の低下を防止することが可能となる。
【0116】
なお、変形例によれば、招待ユーザ登録部335は、ユーザと交流関係のあるユーザから招待ユーザを選択させてもよい。サーバ装置3’は、例えば、ユーザと電子メールのやり取りをした実績のあるユーザ、ユーザのアドレス帳に登録されているユーザ等のユーザ名を端末2に送信し、画面に表示させ、ユーザからのユーザ名の指示を受け付けさせ、招待ユーザ登録部335に返信させればよい。
【0117】
また、招待ユーザ登録部335は、ユーザ属性(ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)で設定している年齢、性別、住んでいる地域(国)等)を条件として選別したユーザから招待ユーザを選択させてもよい。
【0118】
また、招待ユーザ登録部335は、招待ユーザの識別情報として、ユーザ名以外の識別情報を用いてもよい。そのような識別情報として、例えば、ユーザID、ユーザID及び属性(SNSで設定している年齢、性別、住んでいる地域(国)等)の組み合わせ等がある。
【0119】
また、サーバ装置3’の処理部33’が有する機能のうち、一部の機能を、端末2の処理部23に実現させてもよい。例えば、ゲームの進行上重要な機能(支援バトルの抽選等)のみをサーバ装置3’の処理部33’に実現させ、それ以外の機能を端末2の処理部23に実現させてもよい。
【0120】
(第3の実施形態)
第2の実施形態によるサーバ装置の機能は、スタンドアロン型のゲーム用端末に実現させることも可能である。図9は、そのようなゲーム用端末の概略構成図である。
【0121】
ゲーム用端末8は、通信部81と、記憶部82と、処理部83と、操作部84と、表示部85とを有する。
【0122】
通信部81は、他のゲーム用端末5と通信するための、例えば、IrDA(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の通信規格に準拠した通信インターフェース回路を有する。通信部81は、例えば、他のゲーム用端末5とカードデータを交換するために使用される。
【0123】
記憶部82及び処理部83は、第2の実施形態によるサーバ装置3’の記憶部32及び処理部33’にそれぞれ対応する。ただし、他のゲーム用端末8のユーザを招待ユーザとして扱う点が異なる。
【0124】
操作部84はゲーム用端末8の操作が可能であれば、どのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパッド、キーボード等である。表示部85もゲーム画面の表示が可能であれば、どのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。
【0125】
本実施形態によるゲーム用端末は、第2の実施形態によるサーバ装置と同等の機能を有するものであり、同等の効果を奏させることを可能とする。
【0126】
なお、第1及び2の実施形態によるサーバ装置及び第3の実施形態によるゲーム用端末の処理部が有する各機能をコンピュータに実現させるコンピュータプログラムは、磁気記録媒体または光記録媒体といったコンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録された形で提供されてもよい。
【0127】
なお、本発明は、カードバトルゲーム及びカードデータへの適用に限定されるものではなく、他の同様な仕組みを有するゲーム及びデータにも適用が可能である。
【0128】
なお、当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0129】
1 ゲーム用システム
2 端末
21 通信部
22 記憶部
23 処理部
24 操作部
25 表示部
3 サーバ
31 通信部
32 記憶部
33、33’ 処理部
331、331’ 制御部
332、332’ 支援バトル実行判定部
333、333’ バトル実行部
334 支援バトル実行部
335 招待ユーザ登録部
4 基地局
5 携帯電話網
6 ゲートウェイ
7 インターネット
8 ゲーム用端末
81 通信部
82 記憶部
83 処理部
84 操作部
85 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9