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特許7050968モーダルアンテナを制御するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】モーダルアンテナを制御するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H01Q 3/44 20060101AFI20220401BHJP
   H01Q 19/22 20060101ALI20220401BHJP
   H04L 5/06 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
H01Q3/44
H01Q19/22
H04L5/06
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020572463
(86)(22)【出願日】2019-06-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-13
(86)【国際出願番号】 US2019036346
(87)【国際公開番号】W WO2020005522
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】16/018,787
(32)【優先日】2018-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519006872
【氏名又は名称】エイブイエックス・アンテナ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【弁理士】
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】ロウ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】アンシル,クラウディオ
(72)【発明者】
【氏名】シャー,ジャタン
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0133525(US,A1)
【文献】特開2003-209425(JP,A)
【文献】特開2013-247645(JP,A)
【文献】特表2016-502328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 3/44
H01Q 19/22
H04L 5/06
H04L 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被駆動素子と、前記被駆動素子に近接して配置された寄生素子とを含むモーダルアンテナであって、複数の異なるモードで動作可能であり、各モードは、異なる放射パターンに関連付けられる、モーダルアンテナと、
前記複数の異なるモードで前記モーダルアンテナを動作させるために、前記寄生素子に関連付けられた電気的特性を制御するように構成される同調回路と、
無線周波数回路と、
前記無線周波数回路を前記モーダルアンテナに結合する伝送路と、
備え、
前記無線周波数回路は、振幅シフトキーイング変調を使用して制御信号をRF信号に変調して、前記伝送路を介して前記同調回路に通信するための伝送信号を生成するように構成され
前記同調回路は、前記無線周波数回路が前記制御信号を介して前記モーダルアンテナのモードを調整できるように、前記制御信号を復調するように構成され
前記伝送信号は、第1のクロック周波数に関連付けられ、前記同調回路は、ローカルクロック周波数を前記第1のクロック周波数に同期させるように構成される、アンテナシステム。
【請求項2】
前記振幅シフトキーイング変調は、オンオフキーイング変調を備える、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項3】
前記無線周波数回路は、搬送波信号に関連付けられた振幅を選択的に変化させることによって、前記制御信号を前記RF信号に変調するように構成される、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項4】
前記無線周波数回路は、前記振幅を、約ゼロと非ゼロとの値の間で選択的に変化させるように構成される、請求項3に記載のアンテナシステム。
【請求項5】
前記搬送波信号は、ほぼ一定の周波数を有する正弦波を備える、請求項3に記載のアンテナシステム。
【請求項6】
前記搬送波信号は、繰り返しパターンを備える、請求項3に記載のアンテナシステム。
【請求項7】
前記伝送路は、単一の同軸ケーブルである、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項8】
前記RF信号は、第1の周波数帯域内で規定され得、前記制御信号は、前記第1の周波数帯域とは異なる第2の周波数帯域内で規定され得る、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項9】
前記第1の周波数帯域は、約500MHzから約50GHzの範囲にある、請求項8に記載のアンテナシステム。
【請求項10】
前記第2の周波数帯域は、約10MHzから約1GHzの範囲にある、請求項8に記載のアンテナシステム。
【請求項11】
第1の回路基板と、前記第1の回路基板から物理的に分離された第2の回路基板とをさらに備え、前記無線周波数回路は、前記第1の回路基板上に配置され、前記同調回路または前記モーダルアンテナのうちの少なくとも1つは、前記第2の回路基板上に配置される請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項12】
前記無線周波数回路は、前記RF信号を生成するように構成されたフロントエンドモジュールと、振幅シフトキーイング変調を使用して前記制御信号を前記RF信号に変調して、前記伝送信号を生成するように構成された制御回路とを備える、請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項13】
モーダルアンテナを制御するための方法であって、
無線周波数回路において、第1伝送信号を生成するために、振幅シフトキーイング変調を使用して、制御信号を第1RF信号に変調するステップと、
前記無線周波数回路において、第2伝送信号を生成するために、振幅シフトキーイング変調を使用して、前記制御信号を第2RF信号に変調するステップと、
単一の第1同軸伝送路を介して、前記第1伝送信号を、第1同調回路に通信するステップと、
前記第1同調回路において、前記制御信号を復調するステップと、
第2同軸伝送路を介して、前記第2伝送信号を、第2同調回路に通信するステップと、
前記第2同調回路において、前記制御信号を復調するステップと、
前記無線周波数回路から、前記制御信号および前記第1同調回路を介して、第1モーダルアンテナの寄生素子に関連付けられた電気的特性を制御して、前記第1モーダルアンテナを複数の異なるモードで動作させるステップであって、各モードは、前記モーダルアンテナのための異なる放射パターンに関連付けられる、ステップと
前記無線周波数回路から、前記制御信号および前記第2同調回路を介して、第2モーダルアンテナの寄生素子に関連付けられた電気的特性を制御して、前記第2モーダルアンテナを複数の異なるモードで動作させるステップであって、各モードは、前記第2モーダルアンテナのための異なる放射パターンに関連付けられる、ステップと、を備え、方法。
【請求項14】
前記無線周波数回路において、振幅シフトキーイング変調を使用して、前記制御信号を前記第1RF信号に変調するステップは、オンオフキーイング変調を使用して前記第1RF信号を変調するステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記制御信号を前記第1RF信号に変調するステップは、搬送波信号に関連付けられた振幅を選択的に変化させるステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記搬送波信号に関連付けられた前記振幅を選択的に変化させるステップは、前記振幅を約ゼロと非ゼロとの値の間で変化させるステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記搬送波信号は、ほぼ一定の周波数を有する正弦波、または任意の繰り返しパターンのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
第1被駆動素子と、前記第1被駆動素子に近接して配置された第1寄生素子とを備える第1モーダルアンテナであって、複数の異なるモードで動作可能であり、各モードは、異なる放射パターンに関連付けられる、第1モーダルアンテナと、
第2寄生素子を備える第2モーダルアンテナと、
第1フロントエンドモジュールと、第2フロントエンドモジュールと、制御回路を備える無線周波数回路と、
前記無線周波数回路を前記第1モーダルアンテナに結合する第1伝送路と、
前記無線周波数回路を前記第2モーダルアンテナに結合する第2伝送路と、
復調器と、前記復調器と結合された制御モジュールとを備える同調回路
を備え、
前記第1フロントエンドモジュールは、第1RF信号を生成し、前記第2フロントエンドモジュールは、第2RF信号を生成するように構成され、前記制御回路は、オンオフキーイング変調を使用して制御信号を前記第1RF信号、および前記第2RF信号に変調し、正弦波搬送波信号に関連付けられた振幅を、約ゼロと非ゼロとの値の間で選択的に変化させることによって伝送信号を生成するように構成され、前記正弦波搬送波信号は、ほぼ一定の周波数を有する正弦波を備え、前記復調器は、前記制御信号を復調するように構成され、前記制御モジュールは、前記制御信号に基づいて前記第1モーダルアンテナのモード及び前記第2モーダルアンテナのモードを調整るように構成される、アンテナシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
[0001]この出願は、2018年6月26日に出願され、現在は、米国特許第10,263,817号である米国特許出願第16/018,787号の優先権および利益を主張する。米国特許出願第16/018,787号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本開示の例示的な態様は、一般に、アンテナ制御の分野、たとえば、複数の異なるモードで動作するように構成されたモーダルアンテナの制御に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]モーダルアンテナ(modal antenna)は、たとえばスマートフォンハンドセットにおけるワイヤレス通信においてますます使用されている。そのようなアンテナは一般に、従来のパッシブアンテナよりも信号品質が向上し、フォームファクタ(form factor)がコンパクトになる。1つのモーダルアンテナ構成は、被駆動素子(driven element)に関連付けられた放射パターンを変更するように構成された寄生素子(parasitic element)を含む。そのような構成では、第1の伝送路は、被駆動素子を、被駆動素子を駆動するように構成された回路に接続し得る。別個の伝送路は、モーダルアンテナのモーダル特性を変化させるように構成された回路を、寄生素子に接続し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0004]本開示の実施形態の態様および利点は、以下の説明に部分的に記載されるか、説明から学習され得るか、または実施形態の実施を通じて学習され得る。
[0005]本開示の例示的な態様は、アンテナシステムに関する。アンテナシステムは、被駆動素子と、被駆動素子に近接して配置された寄生素子とを含むモーダルアンテナを含み得る。モーダルアンテナは、複数の異なるモードで動作可能であり得、各モードは、異なる放射パターンに関連付けられ得る。アンテナシステムは、複数の異なるモードでモーダルアンテナを動作させるために、寄生素子に関連付けられた電気的特性を制御するように構成される同調回路を含み得る。アンテナシステムは、無線周波数回路と、無線周波数回路をモーダルアンテナに結合する伝送路とを含み得る。無線周波数回路は、振幅シフトキーイング変調(amplitude-shift keying modulation)を使用して制御信号をRF信号に変調して、伝送路を介して同調回路に通信するための伝送信号を生成するように構成され得る。同調回路は、無線周波数回路が制御信号を介してモーダルアンテナのモードを調整できるように、制御信号を復調するように構成され得る。いくつかの実施形態では、振幅シフトキーイング変調は、オンオフキーイング変調(on-off keying modulation)を含み得る。
【0006】
[0006]様々な実施形態のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照することにより、よりよく理解されるようになるであろう。この明細書に組み込まれ、この明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を例示し、説明とともに、関連する原理を説明するのに役立つ。
【0007】
[0007]当業者を対象とする実施形態の詳細な議論は、以下の添付の図面を参照する本明細書に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】[0008]本開示の例示的な実施形態による、モーダルアンテナ10の実施形態を示す図である。
図1B】[0009]図1Aのモーダルアンテナに関連付けられた2次元アンテナ放射パターンを示す図である。
図1C】[0010]本開示の例示的な実施形態による、図1Aのモーダルアンテナの例示的な周波数プロットを示す図である。
図2】[0011]本開示の例示的な実施形態による、例示的なアンテナシステムの概略図である。
図3】[0012]本開示の例示的な実施形態によるアンテナシステムの例示的な制御回路の概略図である。
図4】[0013]振幅シフトキーイング変調およびオンオフキーイング変調の簡略化された例を表す一連の時間整列チャートである。
図5】[0014]本開示の例示的な実施形態によるアンテナシステムの例示的な同調回路の概略図である。
図6】[0015]本開示の例示的な実施形態によるアンテナシステムの概略図である。
図7】[0016]本開示の例示的な実施形態による例示的な方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0017]本明細書および図面における参照文字の繰り返しの使用は、本発明の同一または類似の特徴または要素を表すことを意図する。
[0018]ここでは、実施形態に対する参照が詳細になされ、その1つまたは複数の例が図面に例示される。各例は、本開示の限定ではなく、実施形態の説明として提供される。実際、本開示の範囲または精神から逸脱することなく、実施形態に対して様々な修正および変形を行うことができることは、当業者に明らかであろう。たとえば、1つの実施形態の一部として図示または説明された特徴が、別の実施形態とともに使用され、さらに別の実施形態が生成される。したがって、本開示の態様は、そのような修正および変形をカバーすることが意図される。
【0010】
[0019]本開示の例示的な態様は、アンテナシステムに関する。アンテナシステムは、被駆動素子と、被駆動素子に近接して配置された寄生素子とを含むモーダルアンテナを含み得る。モーダルアンテナは、複数の異なるモードで動作可能であり得、各モードは、異なる放射パターンに関連付けられ得る。アンテナシステムは、複数の異なるモードでモーダルアンテナを動作させるために、寄生素子に関連付けられた電気的特性を制御するように構成される同調回路を含み得る。アンテナシステムは、無線周波数回路と、無線周波数回路をモーダルアンテナに結合する伝送路とを含み得る。無線周波数回路は、振幅シフトキーイング変調を使用して制御信号をRF信号に変調して、伝送路を介して同調回路に通信するための伝送信号を生成するように構成され得る。同調回路は、無線周波数回路が、制御信号を介してモーダルアンテナのモードを調整できるように、制御信号を復調するように構成され得る。いくつかの実施形態では、振幅シフトキーイング変調は、オンオフキーイング変調を含み得る。
【0011】
[0020]本明細書に記載されるような振幅シフトキーイング変調を適用することは、いくつかの利点を提供し得る。たとえば、RF信号および制御信号は、干渉および/またはノイズが低い単一の伝送路を介して(伝送シングルの構成要素として)伝送され得る。たとえば、振幅シフトキーイングは、制御信号および/またはRF信号に関連付けられた高調波周波数での共振を低減し得る。これにより、制御信号をRF信号に変調し、制御信号を復調することに関連付けられたノイズを低減し得る。結果として生じる制御信号の高い忠実な伝送は、モーダルアンテナの動作に対して正確で効率的な制御を提供し得る。本開示の態様は、マルチインマルチアウト(MIMO)アンテナ構成において特定の用途を見出し得る。
【0012】
[0021]さらに、本開示の態様によれば、クロック同期は、高速かつ効率的な方式で実行され得る。これにより、寄生素子に対して、したがって、アンテナのモーダル動作に対して、低いレイテンシ制御を提供し得る。結果として得られるデータ伝送の忠実度は、モーダルアンテナの動作を正確かつ効率的に制御するのに役立ち得る。
【0013】
[0022]いくつかの実施形態では、無線周波数回路は、搬送波信号に関連付けられた振幅を選択的に変化させることによって、制御信号をRF信号に変調するように構成され得る。いくつかの実施形態では、無線周波数回路は、振幅を、約ゼロと非ゼロとの値の間で選択的に変化させるように構成され得る。
【0014】
[0023]いくつかの実施形態では、搬送波信号は、繰り返しパターンを含み得る。たとえば、搬送波信号は、ほぼ一定の周波数を有する正弦波を含み得る。
[0024]いくつかの実施形態では、伝送路は、単一の同軸ケーブルであり得る。
【0015】
[0025]いくつかの実施形態では、無線信号は、第1の周波数帯域内で規定され得、制御信号は、第1の周波数帯域とは異なる第2の周波数帯域内で規定され得る。たとえば、第1の周波数帯域は、約500MHzから約50GHzの範囲にあり得る。別の例として、第2の周波数帯域は、約10MHzから約1GHzの範囲にあり得る。
【0016】
[0026]いくつかの実施形態では、伝送信号は、第1のクロック周波数に関連付けられ、同調回路は、ローカルクロック周波数を第1の周波数に同期させるように構成される。
[0027]いくつかの実施形態では、アンテナシステムは、第1の回路基板と、第1の回路基板から物理的に分離された第2の回路基板とを含み得る。無線周波数回路は、第1の回路基板上に配置され得、同調回路またはモーダルアンテナのうちの少なくとも1つは、第2の回路基板上に配置され得る。
【0017】
[0028]いくつかの実施形態では、無線周波数回路は、RF信号を生成するように構成されたフロントエンドモジュールと、振幅シフトキーイング変調を使用して制御信号をRF信号に変調して、伝送信号を生成するように構成された制御回路とを含み得る。
【0018】
[0029]いくつかの実施形態では、アンテナシステムは、寄生素子を含む少なくとも1つの追加のモーダルアンテナと、少なくとも1つの追加の同調回路とを含み得る。無線周波数回路は、RF信号を、少なくとも1つの追加のモーダルアンテナの被駆動素子に伝送するように構成された少なくとも1つの追加のフロントエンドモジュールを含み得る。無線周波数回路の制御回路は、少なくとも1つの追加のモーダルアンテナの被駆動素子に伝送されるRF信号に制御信号を変調することによって、少なくとも1つの追加のモーダルアンテナのモードを調整するように構成され得る。
【0019】
[0030]本開示の別の例示的な実施形態は、モーダルアンテナを制御するための方法に関する。この方法は、無線周波数回路において、振幅シフトキーイング変調を使用して制御信号をRF信号に変調することを含み得る。この方法は、単一の同軸伝送路を介してRF信号を同調回路に通信することを含み得る。この方法は、同調回路において、RF信号から制御信号を復調することを含み得る。この方法は、無線周波数回路から、制御信号および同調回路を介して、モーダルアンテナの寄生素子に関連付けられた電気的特性を制御して、モーダルアンテナを複数の異なるモードで動作させることを含み得る。各モードは、モーダルアンテナのための異なる放射パターンに関連付けられ得る。
【0020】
[0031]いくつかの実施形態では、無線周波数回路において、振幅シフトキーイング変調を使用して、制御信号をRF信号に変調することは、オンオフキーイング変調を使用してRF信号を変調することを含み得る。
【0021】
[0032]いくつかの実施形態では、制御信号をRF信号に変調することは、搬送波信号に関連付けられた振幅を選択的に変化させることを備える。いくつかの実施形態では、搬送波信号に関連付けられた振幅を選択的に変化させることは、振幅を約ゼロと非ゼロとの値の間で変化させることを含み得る。
【0022】
[0033]いくつかの実施形態では、搬送波信号は、ほぼ一定の周波数を有する正弦波、または任意の繰り返しパターンのうちの少なくとも1つを含み得る。
[0034]本開示の別の例示的な実施形態は、アンテナシステムに関する。アンテナシステムは、被駆動素子と、被駆動素子に近接して配置された寄生素子とを含むモーダルアンテナを含み得る。モーダルアンテナは、複数の異なるモードで動作可能であり得、各モードは、異なる放射パターンに関連付けられ得る。アンテナシステムはまた、フロントエンドモジュールおよび制御回路を含む無線周波数回路を含み得る。アンテナシステムはまた、無線周波数回路をモーダルアンテナに結合する伝送路を含み得る。アンテナシステムはまた、復調器と、復調器と結合された制御モジュールとを含む同調回路を含み得る。フロントエンドモジュールは、RF信号を生成するように構成され得る。制御回路は、オンオフキーイング変調を使用して制御信号をRF信号に変調し、正弦波搬送波信号に関連付けられた振幅を、約ゼロと非ゼロとの値の間で選択的に変化させることによって伝送信号を生成するように構成され得る。搬送波信号は、ほぼ一定の周波数を有する正弦波を含み得る。復調器は、制御信号を復調するように構成され得、制御モジュールは、制御信号に基づいてモーダルアンテナのモードを調整するように構成され得る。
【0023】
[0035]図1Aは、本開示の態様によるモーダルアンテナ10の実施形態を示す。モーダルアンテナ10は、回路基板12(たとえば、接地面を含む)と、回路基板12上に配置された被駆動アンテナ素子14とを含み得る。アンテナボリューム(antenna volume)は、回路基板(たとえば、および接地面)と被駆動アンテナ素子との間で画定され得る。第1の寄生素子15は、アンテナボリューム内に少なくとも部分的に配置され得る。第1の能動調整素子16は、寄生素子15と結合され得る。第1の能動調整素子16は、受動または能動構成要素(passive or active component)または一連の構成要素であり得、可変リアクタンス、または接地への短絡のいずれかによって第1の寄生素子14のリアクタンスを変更するように構成され得、その結果、アンテナの周波数シフトが生じる。
【0024】
[0036]いくつかの実施形態では、第2の寄生素子18は、回路基板12に近接して配置され得、アンテナボリュームの外側に配置され得る。第2の寄生素子18は、1つまたは複数の能動および/または受動構成要素を個別に含み得る第2の能動調整素子20をさらに含み得る。第2の寄生素子18は、被駆動素子14に隣接して配置され得、アンテナボリュームの外側に配置され得る。
【0025】
[0037]記載された構成は、リアクタンスを変化させることによって、被駆動アンテナ素子の放射パターン特性をシフトする能力を提供し得る。アンテナ放射パターンのシフトは、「ビームステアリング」と称され得る。アンテナ放射パターンがヌルを備える事例では、(たとえば、干渉を低減させるために)ヌルをアンテナの周りの代替位置にシフトすることができるので、同様の動作は「ヌルステアリング」と称され得る。いくつかの実施形態では、第2の能動調整素子20は、「オン」のときに第2の寄生を接地に接続し、「オフ」のときに短絡を終了するためのスイッチを含み得る。しかしながら、たとえば、可変コンデンサまたは他の同調構成要素を使用することによって、第1または第2の寄生素子のいずれかの可変リアクタンスはさらに、アンテナパターンまたは周波数応答の可変シフトをさらに提供し得ることに留意されたい。たとえば、第1の能動調整素子16および/または第2の能動調整素子18は、同調コンデンサ、MEMSデバイス、同調インダクタ、スイッチ、同調移相器、電界効果トランジスタ、またはダイオードのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0026】
[0038]図1Bは、図1Aのモーダルアンテナに関連付けられた2次元アンテナ放射パターンを示す。放射パターンは、モーダルアンテナ10の第1および第2の寄生素子16、18のうちの少なくとも1つに関連付けられた電気的特性を制御することによってシフトされ得る。たとえば、いくつかの実施形態では、放射パターンは、第1のモード22から第2のモード24へ、または第3のモード26へシフトされ得る。
【0027】
[0039]図1Cは、本開示のいくつかの態様による図1Aのモーダルアンテナの例示的な周波数プロットを示す。アンテナの周波数は、モーダルアンテナ10の第1または第2の寄生素子16、18のうちの少なくとも1つに関連付けられた電気的特性を制御することによってシフトされ得る。たとえば、アンテナの第1の周波数(f)は、第1および第2の寄生素子が「オフ」に切り替えられたときに達成され得、周波数(f)および(f)は、第2の寄生が接地に短絡されたきに生成され得、周波数(f;f)は、第1および第2の寄生素子が各々接地に短絡されたときに生成され得る。この開示の範囲内で他の構成が可能であることを理解されたい。たとえば、より多いまたはより少ない寄生素子が適用され得る。寄生素子の配置は、異なる周波数および/または周波数の組合せを示し得る追加のモードを達成するために変更され得る。
【0028】
[0040]図1A図1Cは、例示および議論の目的で、複数のモードを有する一例のモーダルアンテナを示す。本明細書で提供される開示を使用する当業者は、他のモーダルアンテナおよび/またはアンテナ構成が、本開示の範囲から逸脱することなく使用され得ることを理解するであろう。本明細書で使用される場合、「モーダルアンテナ」は、各モードが別個の放射パターンに関連付けられている複数のモードで動作することができるアンテナを称する。
【0029】
[0041]図2は、本開示の例示的な態様によるアンテナシステム100の実施形態の概略図を示す。アンテナシステム100は、モーダルアンテナ102を含み得る。モーダルアンテナ102は、被駆動素子104と、被駆動素子104に近接して配置された寄生素子106とを含み得る。モーダルアンテナ102は、複数の異なるモードで動作可能であり得、各モードは、たとえば、図1Aから図1Cを参照して上記で説明されたように、異なる放射パターンに関連付けられ得る。
【0030】
[0042]同調回路108は、複数の異なるモードでモーダルアンテナ102を動作させるために、寄生素子106に関連付けられた電気的特性を制御するように構成され得る。同調回路108は、伝送信号から制御信号を復調し、たとえば、図4および図5を参照してより詳細に説明されるように、制御信号に関連付けられた制御命令に基づいて寄生素子106の電気的特性を制御するように構成され得る。
【0031】
[0043]同調構成要素110は、寄生素子106と結合され得、同調回路108は、同調構成要素110を制御して、寄生素子106を接地に接続するように電圧または電流ソースまたはシンクとの寄生素子106の電気的接続を変更するように構成され得る。
【0032】
[0044]無線周波数回路112は、RF信号をモーダルアンテナ102の被駆動素子104に伝送するように構成され得る。たとえば、伝送路114は、無線周波数回路110をモーダルアンテナ102に結合し得る。いくつかの実施形態では、伝送路114は、単一の同軸ケーブルであり得る。無線周波数回路112は、RF信号を増幅するか、さもなければ生成するように構成され得、RF信号は(伝送信号の成分として)伝送路114を介して、モーダルアンテナ102の被駆動素子104に伝送される。
【0033】
[0045]いくつかの実施形態では、無線周波数回路112は、フロントエンドモジュール116および/または制御回路118を含み得る。フロントエンドモジュール116は、被駆動素子104に伝送されるRF信号を生成および/または増幅するように構成され得る。制御回路118は、たとえば、図4を参照して以下により詳細に説明されるように、振幅シフトキーイング変調を使用して制御信号をRF信号に変調して、伝送信号を生成するように構成され得る。
【0034】
[0046]伝送路114は、様々な周波数帯域を占める信号の組合せおよび/または分離を支援するように構成された様々な構成要素と(たとえば、バイアスティー回路(Bias Tee circuit)を使用して)結合され得る。たとえば、第1のバイアスティー回路120は、フロントエンドモジュール116および制御回路118を伝送路114と結合し得る。第1のバイアスティー回路120は、伝送路114をフロントエンドモジュール116と結合するコンデンサ122と、制御ユニット118を伝送路114と結合するインダクタ124とを含み得る。第2のバイアスティー回路126は、被駆動素子104および同調回路108を伝送路114と結合し得る。第2のバイアスティー回路126は、伝送路114を被駆動素子104と結合するコンデンサ128と、伝送路114を同調回路108と結合するインダクタ130とを含み得る。
【0035】
[0047]フロントエンドモジュール116は、第1のバイアスティー回路120のコンデンサ122を介してRF信号を伝送し得る。制御回路118は、第1のバイアスティー回路120のインダクタ124を介して制御信号をRF信号に変調して、伝送路114に制御信号を生成し得る。同調回路108は、第2のバイアスティー回路128のインダクタ130を介して伝送信号から制御信号を復調し得る。伝送信号のRF信号成分は、第2のバイアスティー回路128のコンデンサ128を介して、モーダルアンテナ102の被駆動素子104へ伝送され得る。
【0036】
[0048]いくつかの実施形態では、アンテナシステム100は、第1の回路基板129と、第1の回路基板129から物理的に分離された第2の回路基板131とを含み得る。無線周波数回路112は、第1の回路基板129上に配置され得、同調回路108またはモーダルアンテナ102のうちの少なくとも1つは、第2の回路基板131上に配置され得る。これは、無線周波数回路112が、複数の伝送路を適用することなく、またはアンテナシステム100の動作に悪影響を与えることなく、同調回路および/またはモーダルアンテナ102から物理的に分離されることを可能にし得る。
【0037】
[0049]いくつかの実施形態では、RF信号は、第1の周波数帯域内で規定され得、制御信号は、第1の周波数帯域とは異なる第2の周波数帯域内で規定され得る。たとえば、第1の周波数帯域は、約500MHzから約50GHz、いくつかの実施形態では、約1GHzから約25GHz、いくつかの実施形態では、約2GHzから約7GHzの範囲、たとえば約5GHzであり得る。第2の周波数帯域は、約10MHzから約1GHz、いくつかの実施形態では、約20MHzから約800MHz、いくつかの実施形態では、約30MHzから約500MHz、いくつかの実施形態では約50MHzから約250MHzの範囲、たとえば約100MHzであり得る。
【0038】
[0050]図3は、図2に示されるアンテナシステム100の制御回路118の1つの実施形態の概略図を示す。制御回路118は、プロセッサ132を含み得、プロセッサ132は、(図2に示される)モーダルアンテナ102のモードを変えるための、またはさもなければ、モーダルアンテナ102の放射パターンの方位または周波数を調整するための制御命令を生成または受信するように構成され得る。たとえば、プロセッサ132は、別のプロセッサ(図3ではホスト(HOST)で表される)から制御命令を受信し、命令を記述するデータ(図3ではDATAで表される)を含む出力を生成し得る。データは、任意の適切なビット深さを有し得る。たとえば、いくつかの実施形態では、データは、バイナリ形式であり得る。他の実施形態では、データは、16進形式、10進形式などであり得る。
【0039】
[0051]制御回路118はまた、搬送波信号ソース134を含み得る。いくつかの実施形態では、搬送波信号ソース134は、ほぼ一定の周波数を有し得る正弦波を含む搬送波信号を生成するように構成され得る。他の実施形態では、搬送波信号は、任意の適切な信号であり得るか、またはそれを含み得る。たとえば、いくつかの実施形態では、搬送波信号は、任意の適切な繰り返しパターンであるか、またはそれを含み得、正弦波、すなわち、ほぼ一定の周波数を有することに限定されない。
【0040】
[0052]制御回路118はまた、プロセッサの出力を搬送波信号に変調して制御信号(図3ではTX CHで表される)を生成するように構成された変調器136を含み得る。変調器136は、制御命令を記述し得る(図3ではDATAによって表される)データを含む出力を、搬送波信号ソース134からの搬送波信号と組み合わせるように構成されたマルチプレクサ138を含み得る。たとえば、変調器136は、たとえば、図4を参照して以下でより詳細に説明されるように、たとえば、振幅シフトキーイング変調(たとえば、オンオフキーイング変調)を実行することによって、制御信号を生成するために、搬送波信号ソース134からの搬送波信号の振幅をスケーリングするように構成され得る。変調器136はまた、増幅器140およびバイアスティー回路142を含み得る。
【0041】
[0053]図4は、振幅シフトキーイング変調およびオンオフキーイング変調の簡略化された例を表す一連の時間整列チャート400を示す。バイナリ信号401は、バイナリデータセットを記述する方式で、第1の電圧レベル402と第2の電圧レベル404との間を交互にすることができる。バイナリ信号401は、プロセッサ132の出力の簡略化された例に対応し得、プロセッサ132は、たとえば、図3を参照して上記で説明されたように、制御命令を記述するデータを含み得る。振幅シフトキーイング変調は、第1の電圧レベル402を、変化する振幅を有する正弦波信号406として表すことによってバイナリ信号401を表すことを含み得る。たとえば、正弦波信号406は、バイナリ信号401の第1の電圧402を表す第1の振幅408を有し得、バイナリ信号401の第2の電圧レベル404を表す第2の振幅410を有し得る。
【0042】
[0054]オンオフキーイング変調は、一種の振幅シフトキーイング変調である。オンオフキーイング変調では、バイナリ信号401は、振幅が変化する正弦波信号411によって表され得る。正弦波信号411は、バイナリ信号401の第1の電圧レベル402を表す第1の振幅412を有し得る。しかしながら、第2の電圧レベル404は、正弦波信号410の欠如によって表され得る。言い換えれば、正弦波信号410は、バイナリ信号401の第2の電圧404を表すために、約ゼロの振幅を有し得る。
【0043】
[0055]図5は、たとえば、本開示の態様に従って、図3を参照して上記で論じた同調回路108に対応する、同調回路500の1つの実施形態の概略図を示す。同調回路500は、復調器502およびバイアス504を含み得る。復調器502は、バイアス504と結合されたバイアスティー回路506、および(図2に例示される)通信路114と結合されたマルチプレクサ507を含み得る。
【0044】
[0056]同調回路500はまた、少なくとも1つの周波数帯域をフィルタするように構成されたローパスフィルタ508を含み得る。たとえば、ローパスフィルタ508は、搬送波信号周波数の周波数よりも高い、少なくとも1つの周波数帯域をフィルタするように構成され得る。したがって、ローパスフィルタ508は、搬送波信号周波数の強度を分離し得るか、または相対的に増加させ得る。復調器502はまた、ツェナダイオードのようなダイオード510を含み得る。ダイオード510は、制御信号に関連付けられた(たとえば、その中に含まれる)制御命令を解釈するように構成された論理回路512と結合され得る。
【0045】
[0057]論理回路512(たとえば、論理演算を実施するためにコンピュータ可読命令を実行するように構成されたプロセッサ、ASICなど)はまた、制御信号に関連付けられた(たとえば、その中に含まれる)制御命令に基づいて、スイッチ514の動作を制御するように構成され得る。スイッチ514は、接地に接続され得、複数の状態の間で切り替わるように構成され得る。たとえば、スイッチ514は、スイッチ514の出力516を接地に選択的に接続するように、またはさもなければ、出力516の電気的接続を変化させて、(図2に示される)寄生素子106に関連付けられた電気的特性を制御し、モーダルアンテナを、複数の異なるモードで動作させるように構成され得る。たとえば、スイッチ514は、(図2に示される)同調構成要素110の動作を調整して、寄生素子106の、ソースまたはシンク(たとえば、電圧ソース/シンクまたは電流ソース/シンク)との電気的接続を変更するように構成され得る。たとえば、スイッチ514は、寄生素子106を接地に選択的に接続するように構成され得る。
【0046】
[0058]2つのクロック周波数間の相対差である周波数ドリフトは、同調回路108、500に関連付けられたローカルクロック周波数と、制御回路118に関連付けられたクロック周波数(たとえば、マスタクロック周波数)との間に発生し得る。周波数ドリフトを最小化するために、同調回路108、500は、ローカルクロック周波数を、マスタクロック周波数に同期させるように構成され得る。
【0047】
[0059]例として、第1のクロック周波数は、伝送信号に関連付けられ得、同調回路500は、同調回路500に関連付けられたローカルクロック周波数を、第1の周波数に同期させるように構成され得る。第1のクロック周波数は、正弦波ソース134、または制御回路118に関連付けられた別の高調波ソースによって生成される搬送波信号の周波数に対応し得る(たとえば、等しいか、またはその倍数である)。たとえば、第1のクロック周波数は、非ゼロの振幅を有する制御信号の一部に存在し得る。
【0048】
[0060]同調回路500(たとえば、論理回路512)は、同調回路500に関連付けられたローカルクロック周波数を提供するように構成されたローカル同調調和発振器(たとえば、リング発振器)などの同調周波数ソースを含み得る。論理回路512は、論理回路512によって(たとえば、ダイオード510から)受信された信号をサンプリングし、信号に関して周波数探索動作を実行するように構成され得る。周波数探索動作により、適切なサンプリング周波数を決定し得る。たとえば、論理回路512は、予想されるフレーズに対応する期間、制御信号(または、ダイオード510によって出力されるその調整されたバージョン)をサンプルし得る。予想されるフレーズは、制御信号に存在すると予想される信号パターンを含み得る。例として、予想されるフレーズは、1つまたは複数の伝送されたデータ「フレーム」の最初および/または最後に、「プリアンブル(preamble)」または「ポストアンブル(postamble)」として存在し得る。論理回路512は、フレームの最初および/または最後を見つけるために予想されるフレーズを認識または検出するように構成され得る。論理回路512は、その後、予想されるフレーズに基づいて、サンプルに存在すると予想される局部発振器の「クロックエッジ」の数と比較して、サンプルに存在する局部発振器の「クロックエッジ(clock edge)」の数に関して測定される位相誤差を判定し得る。
【0049】
[0061]論理回路512は、その後、周波数探索動作を実行し得る。たとえば、周波数探索動作は、(1)予想されるフレーズの長さに対応する期間をサンプリングすること、(2)サンプルに存在するクロックエッジの数を、予想されるクロックエッジの数と比較することにより、位相誤差を判定すること、および(3)ローカルクロック周波数が、制御回路118に関連付けられたマスタクロック周波数と十分に同期するまで、ローカルクロック周波数(たとえば、局部発振器の周波数)を調整することからなるステップを繰り返すことを含み得る。たとえば、ローカルクロック周波数は、位相誤差がしきい値(たとえば、所定のしきい値)未満であるときに十分に同期されるように決定され得る。
【0050】
[0062]いくつかの実施形態では、同調回路は、同調回路によって受信された信号のデータエッジ遷移をカウントするように構成された数値制御発振器を適用し得る。データエッジ遷移の数が、予想される範囲(たとえば、所定の範囲)外である場合、同調回路は、関連付けられたデータフレームを拒否または無視し得る。データエッジ遷移のカウントが、予想される範囲内にある場合、同調回路は、同調回路の内部発振器に関連付けられた周波数(たとえば、ローカルクロック周波数)を調整し得る。たとえば、同調回路は、内部発振器周波数を増加または減少させて、同調回路の内部発振器周波数の周波数と、RF回路および/または制御回路に関連付けられたクロックまたは発振器周波数との間の、通常動作中に発生し得るドリフトを補償するように構成され得る。
【0051】
[0063]図6は、本開示の態様によるアンテナシステム600の実施形態の別の実施形態の概略図を示す。アンテナシステム600は、一般に、図2を参照して上記で説明されたアンテナシステム100と同様に構成され得る。たとえば、アンテナシステム600は、被駆動素子604および寄生素子606を含むモーダルアンテナ602と、同調回路608と、RF回路612と、伝送路614と、フロントエンドモジュール616と、制御回路618と、コンデンサ622およびインダクタ624を含む第1のバイアスティー回路620と、コンデンサ628およびインダクタ630を含む第2のバイアスティー回路626とを含み得る。
【0052】
[0064]アンテナシステム600はまた、被駆動素子634および寄生素子636を含む第2のモーダルアンテナ632を含み得る。第2の同調回路638は、寄生素子636に関連付けられた電気的特性を制御して、複数の異なるモードでモーダルアンテナ632を動作させるように構成され得る。たとえば、第2の同調構成要素640は、寄生素子636と結合され得、同調回路638は、第2の同調構成要素640を制御して、寄生素子106を接地に接続するように、第2のモーダルアンテナ632の寄生素子636の、電圧または電流ソースまたはシンクとの電気的接続を変更するように構成され得る。
【0053】
[0065]無線周波数回路612は、第2のフロントエンドモジュール642および第2の伝送路644を含み得る。第2のフロントエンドモジュール642は、第2のRF信号を生成および/または増幅するように構成され得る。制御回路618は、第2の制御信号を第2のRF信号に変調して、第2の伝送信号を生成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、制御回路618は、たとえば、図3および図4を参照して上記で説明されるように、振幅シフトキーイング変調を使用して、第2の制御信号を第2のRF信号に変調し得る。
【0054】
[0066]第2の伝送路644は、様々な周波数帯域を占める信号の組合せおよび/または分離を支援するように構成されたバイアスティーを使用して、様々な構成要素と結合され得る。たとえば、第3のバイアスティー回路646は、第2のフロントエンドモジュール642および制御回路618を、第2の伝送路644と結合し得る。第3のバイアスティー回路646は、第2のフロントエンドモジュール642を第2の伝送路644と結合するコンデンサ648と、制御ユニット618を第2の伝送路644と結合するインダクタ650とを含み得る。
【0055】
[0067]第4のバイアスティー回路652は、第2の伝送路644を、第2のモーダルアンテナ632の被駆動素子634および同調回路108と結合し得る。第4のバイアスティー回路652は、第2の伝送路644を第2のモーダルアンテナ632の被駆動素子634と結合するコンデンサ654と、第2の伝送路644を第2の同調回路638と結合するインダクタ656とを含み得る。
【0056】
[0068]第2のフロントエンドモジュール642は、第3のバイアスティー回路648のコンデンサ648を介して第2のRF信号を伝送し得る。制御回路618は、第3のバイアスティー回路646のインダクタ650を介して第2の制御信号を第2のRF信号に変調して、第2の伝送信号を生成し得る。第2の同調回路638は、第4のバイアスティー回路652のインダクタ656を介して、第2の伝送信号からの制御信号を復調し得る。第2の伝送信号のRF信号成分は、第4のバイアスティー回路652のコンデンサ654を介して、第2のモーダルアンテナ632の被駆動素子634に伝送され得る。
【0057】
[0069]この実施形態では、制御回路618は、伝送路614、644の各々に関連付けられた別個の出力を有し得る。制御回路618は、図3を参照して上記で説明された制御回路118と同様に構成され得、さらに、または、第2の伝送路644に別個の出力を提供するように構成された構成要素を含み得る。たとえば、制御回路618は、第2の出力が提供されるように、第2のプロセッサ132、正弦波ソース134、変調器136、マルチプレクサ138、増幅器140、および/またはバイアスティー回路142を含み得る。
【0058】
[0070]いくつかの実施形態では、アンテナシステムは、マルチインマルチアウト(MIMO)構成の複数のアンテナを含み得る。制御回路と同調回路との複数のペアは、複数のモーダルアンテナのみならず、複数のパッシブアンテナを制御するように構成され得る。たとえば、アンテナシステムは、M個のモーダルアンテナおよび(N-M)個のパッシブアンテナの動作を制御するように構成された(各々が、それぞれの制御回路と対をなす)N個の同調回路を含み得、ここで、NおよびMは、各々正の整数であり、NはM以上である。さらに、いくつかの実施形態では、1つの制御回路は、複数の出力を含み、たとえば、図6を参照して説明したように、複数の同調回路と対とされ得る。いずれにせよ、同調回路の数Nは、任意の適切な数までの範囲にあり得る。たとえば、いくつかの実施形態では、Nは2から20、またはそれ以上の範囲にあり得る。Mもまた2から20、またはそれ以上の範囲にあり得る。
【0059】
[0071]この開示の範囲内で多くの変形が可能であることを理解されたい。たとえば、他の実施形態では、別個の制御回路が、各伝送路614、644に関連付けられ得る。さらに、他の実施形態では、単一のフロントエンドモジュールが、それぞれのRF信号を生成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、単一の同調回路は、システムの各モーダルアンテナの寄生素子に関連付けられた電気的特性を制御するように構成され得る。さらに、いくつかの実施形態では、システムは、3つ以上のモーダルアンテナを含み得る。さらに、いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数のモーダルアンテナと、複数のモードで動作するように構成されていない1つまたは複数の非モーダルまたはパッシブアンテナとの組合せを含み得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のモーダルアンテナは、2つ以上の寄生素子を含み得る。単一の制御回路は、寄生素子に関連付けられたそれぞれの同調素子を調整して、寄生素子に関連付けられた電気的特性を制御し、複数の異なるモードでモーダルアンテナを動作させるように構成され得る。他の実施形態では、複数の制御回路を使用して、同調素子をそれぞれ調整し得る。さらに他の変形、修正、組合せなどが、この開示の範囲で可能であることを理解されたい。
【0060】
[0072]図7は、本開示の例示的な実施形態による、電気モータの失速状態を検出するための例示的な方法700のフロー図を示す。図7は、例示および議論の目的で、特定の順序で実行されるステップを示す。本開示に提供される開示を使用する当業者は、本明細書に記載された方法のいずれかの様々なステップが、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な手法で省略、拡張、同時実行、再配置、および/または修正され得ることを理解するであろう。さらに、本開示の範囲から逸脱することなく、様々なステップ(図示せず)を実行することができる。さらに、方法700は、一般に、図2および図6を参照して上記のアンテナシステム200、600を参照して論じられる。しかしながら、本方法700の態様は、モーダルアンテナを含む任意の適切なアンテナシステムでの用途を見出し得ることを理解されたい。
【0061】
[0073]方法700は、(702)で、無線周波数回路において、振幅シフトキーイング変調を使用して、制御信号をRF信号に変調して、伝送信号を生成することを含み得る。たとえば、制御信号は、モーダルアンテナのモードを変えるための、またはそうでなければ、モーダルアンテナの放射パターンの方位または周波数を調整するための制御命令を含み得る。たとえば、無線周波数回路112は、たとえば、図3および図4を参照して上記で説明されたように、振幅シフトキーイング変調を使用して、制御信号をRF信号に変調して、伝送信号を生成するように構成された制御回路118を含み得る。いくつかの実施形態では、無線周波数回路において、振幅シフトキーイング変調を使用して制御信号をRF信号に変調することは、たとえば、図4を参照して上記で説明されたように、オンオフキーイング変調を使用してRF信号を変調することを含み得る。
【0062】
[0074]いくつかの実施形態では、制御信号をRF信号に変調することは、搬送波信号に関連付けられた振幅を選択的に変化させることを含み得る。たとえば、図4に戻って示すように、振幅は、関連付けられたバイナリ信号401の第1の電圧402および第2の電圧404をそれぞれ表す、第1の振幅408と第2の振幅410との間で変化され得る。いくつかの実施形態では、搬送波信号に関連付けられた振幅を選択的に変化させることは、たとえば、オンオフキーイングおよび図4を参照して上記で論じたように、振幅を約ゼロと非ゼロとの値の間で変化させることを含み得る。いくつかの実施形態では、搬送波信号は、正弦波を含み得る。正弦波は、ほぼ一定の周波数を有し得るか、またはいくつかの実施形態では、任意の適切な繰り返しパターンを含み得る。
【0063】
[0075]方法700は、(704)において、単一の同軸伝送路を介して伝送信号を同調回路に通信することを含み得る。たとえば、図4を参照して上記で説明されたように、無線周波数回路112は、RF信号を、第1のバイアスティー120のコンデンサ122を介して、伝送路114を介して、および第2のバイアスティー128のコンデンサ128を介して、モーダルアンテナ102の被駆動素子104へ通信し得るフロントエンドモジュール116を含み得る。制御回路118は、第1のバイアスティー120のインダクタ124を介して、伝送路114を介して、および第2のバイアスティー128のインダクタ130を介して、同調回路108への制御信号をRF信号に変調し得る。
【0064】
[0076]方法700は、(706)において、同調回路において制御信号を復調することを含み得る。たとえば、図2および図5を参照して上記で説明されたように、同調回路108、500は、第2のバイアスティー126のインダクタ130を介して伝送信号から制御信号を復調するように構成され得る。同調回路108、500はまた、制御信号をフィルタおよび/または増幅して、搬送波信号に関連付けられた搬送波信号周波数の強度を分離または比較的増加させるように構成され得る。論理回路512は、制御信号に関連付けられた(たとえば、含まれる)制御命令を解釈するように構成され得る。
【0065】
[0077]方法700は、(708)において、無線周波数回路から、制御信号および同調回路を介して、モーダルアンテナの寄生素子に関連付けられた電気的特性を制御して、モーダルアンテナを複数の異なるモードで動作させることを含み得る。各モードは、モーダルアンテナのための異なる放射パターンに関連付けられ得る。たとえば、同調回路108、500は、スイッチ514を制御して、スイッチ514の出力516を接地に選択的に接続するか、さもなければ、スイッチ514の出力516の電気的接続を変化させて、(図2に示される)寄生素子106に関連付けられた電気的特性を制御し、モーダルアンテナを複数の異なるモードで動作させるように構成され得る。たとえば、スイッチ515は、(図2に示される)同調構成要素110の動作を調整して、寄生素子106を接地と電気的に短絡させるように、寄生素子106の、電圧または電流ソースまたはシンクとの電気的接続を変更するように構成され得る。
【0066】
[0078]本主題は、その特定の例示的な実施形態に関して詳細に説明されたが、当業者は、前述の理解を得ると、そのような実施形態に対する変更、変形、および均等物を容易に生成できることが理解されよう。したがって、本開示の範囲は、限定ではなく例としてであり、主題の開示は、当業者に容易に明らかになるような本主題へのそのような修正、変形および/または追加を含めることを排除するものではない。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7