(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
F24C 3/12 20060101AFI20220404BHJP
【FI】
F24C3/12 X
F24C3/12 K
(21)【出願番号】P 2017248492
(22)【出願日】2017-12-25
【審査請求日】2020-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒木 良多
(72)【発明者】
【氏名】小松 隆之
【審査官】石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-263903(JP,A)
【文献】特開2012-117687(JP,A)
【文献】実開平05-054911(JP,U)
【文献】特開2006-023058(JP,A)
【文献】特開2006-242405(JP,A)
【文献】実開昭51-161630(JP,U)
【文献】特開昭57-134888(JP,A)
【文献】特開2021-103049(JP,A)
【文献】特開2021-103070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/00- 3/14
F24C 7/00- 7/10
F24C 15/00-15/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に設けられた加熱部と、
前記筐体の前面に設けられた開口と、
前記筐体内に設けられ、前記開口に連通する収容スペースと、
前記開口を開閉可能な前面パネルと、を備え、
前記収容スペースには、前記筐体の揺れを検知する感震器を取り付けるための取付部が設けられ
、
前記加熱部を操作するための操作パネルを含む操作体を、さらに備え、
前記操作体は、前記収容スペースに出し入れ可能に設けられていることを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記取付部は、前記感震器に対して電気的に接続可能なコネクタを有することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記収容スペースを形成するフレームと、
前記フレームを前記筐体に固定する固定具と、をさらに備え、
前記固定具は、前記感震器を前記取付部に取り付ける手段を兼ねることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記固定具は、ねじであり、
前記取付部は、前記固定具で前記感震器を取り付けるときに前記感震器が供回りすることを防ぐストッパーを有することを特徴とする請求項3に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記ストッパーは、前記取付部から前方に突出したピンで構成され、
前記ピンは、前記感震器に設けられた嵌め込み孔に嵌め込まれるように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記操作体は、前記操作パネルが上面に設けられた上板部と、前記上板部の側端部から下方に延びた一対の側板部と、を含み、
前記操作体が前記収容スペースに収容された状態において、前記上板部と前記一対の側板部とで囲まれるスペースに、前記取付部が位置することを特徴とする請求項
1から5のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記収容スペースには、前記感震器を上方から覆う庇部が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器に関し、詳しくは、感震器が取り付けられる加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、台所のカウンターに設けられた開口に落とし込んで設置されるドロップインこんろであって、箱状のこんろ本体の底板の後部上に、感震器を取り付けたガスこんろが記載されている。
【0003】
このガスこんろでは、地震が生じた際に、感震器で振動を検知して、ガスの供給を止めてバーナーの燃焼を停止させることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、利用者によっては、感震器付きではないガスこんろが望まれる場合もある。
【0006】
特許文献1に記載のガスこんろは、感震器の着脱を想定した設計ではないため、感震器の取り外しや後付けが容易ではない。
【0007】
上記事情に鑑みて、本発明は、感震器の着脱の自由度が高い加熱調理器を提案することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る一態様の加熱調理器は、筐体と、前記筐体に設けられた加熱部と、前記筐体の前面に設けられた開口と、前記筐体内に設けられ、前記開口に連通する収容スペースと、前記開口を開閉可能な前面パネルと、を備える。
【0009】
前記収容スペースには、前記筐体の揺れを検知する感震器を取り付けるための取付部が設けられている。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、感震器の着脱の自由度が高い加熱調理器を提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明に係る一実施形態の加熱調理器を示す斜視図であり、一方の前面パネルを開いた状態の図である。
【
図2】
図2は、同上の加熱調理器をキッチンキャビネットに設置する様子を示す側面図である。
【
図3】
図3は、同上の加熱調理器の操作体を示す斜視図であり、操作体を収容スペースから出した状態の図である。
【
図4】
図4は、同上の加熱調理器の収容スペースと操作体と感震器とを示す斜視図であり、前面パネルを取り外した状態の図である。
【
図5】
図5は、同上の収納スペースと操作体とを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[一実施形態]
(1)概要
図1には、一実施形態の加熱調理器1の全体を示している。
図1、
図2に示すように、加熱調理器1は、ビルドイン式のグリル付きガスこんろである。加熱調理器1は、キッチンキャビネット2の天板20に設けられた開口21に落とし込んで設置される。キッチンキャビネット2の前面の上部(天板20の下方に隣接する部分)には開口22が設けられている。加熱調理器1の前端部分は開口22に配され、加熱調理器1の前面は、前方に露出する。
【0013】
図1に示すように、加熱調理器1は、筐体3と、筐体3に設けられた加熱部4と、筐体3の前面に設けられた開口30と、筐体3内に設けられ、開口30に連通する収容スペースS1と、開口30を開閉可能な前面パネル5と、を備える。
【0014】
加熱調理器1はさらに、
図1、
図3、
図4に示すように、収容スペースS1を形成するフレーム6と、フレーム6を筐体3に固定する固定具7と、加熱部4を操作するための操作パネル80を含む操作体8と、を備える。収容スペースS1には、筐体3の揺れを検知する感震器9を取り付けるための取付部10が設けられている。
【0015】
本文中では、加熱調理器1に対して、これを利用するユーザーが位置する方向を前方とし、その反対方向を後方と定義する。左右方向については、加熱調理器1を利用するときのユーザーの視点を基準として、左方と右方を定義する。以下、加熱調理器1の各構成について詳しく説明する。
【0016】
(2)各構成についての説明
(2-1)筐体
図1に示すように、筐体3は、上方に開口した平面視矩形状のボックス31と、ボックス31の上端開口を塞ぐトッププレート32とを備える。
【0017】
ボックス31の前面には、開口30が左右一対に設けられ、ボックス31の前面のうち、左右一対の開口30の間には、グリル開口33が設けられている。グリル開口33は、ボックス31内に設置されるグリル庫34に連通する開口である。グリル開口33は、グリル扉35によって開閉される。
【0018】
(2-2)加熱部
加熱部4は、トッププレート32を貫通するように設けられる複数(3つ)のバーナー40と、グリル庫34に設けられるグリルバーナー(図示せず)とを含む。
【0019】
複数のバーナー40のそれぞれは、筐体3の前面に設けられた操作ボタン41によって、点火、消火、及び火力の調整が可能である。グリルバーナーは、筐体3の前面に設けられた操作ボタン42によって、点火及び消火が可能である。複数のバーナー40のそれぞれとグリルバーナーは、操作パネル80(
図3参照)によって、温度や加熱時間の調整が可能である。
【0020】
(2-3)収容スペース
図4には、左右一対の収容スペースS1のうち、右側の収容スペースS1が示されている。収容スペースS1は、フレーム6によって囲んで形成されるスペースである。フレーム6は、左右一対の側壁60と、左右一対の側壁60の下端部間に介在する底壁61と、左右一対の側壁60の上端部間に介在する上壁(図示せず)とを含む。
【0021】
取付部10は、底壁61と一体に設けられており、底壁61から上方に突出している。底壁61の前端部には、左右一対の支持軸610が設けられている。フレーム6と取付部10は、樹脂成型品である。取付部10に挿入した固定具7によって、フレーム6は筐体3に固定される。固定具7は、本実施形態では、ねじである。
【0022】
収容スペースS1には、取付部10に取り付けられた感震器9と、操作体8が収容される。操作体8は、収容スペースS1に出し入れ可能に設けられている。収容スペースS1には、感震器9を上方から覆う庇部11が設けられている。
【0023】
左側の収容スペースS1には、操作体8と点火用の電池が収容される。左側の収容スペースS1には、操作体8が出し入れ可能に設けられる。
【0024】
(2-4)取付部
取付部10は、感震器9を取り付けるための部分である。
図4、
図5に示すように、取付部10は、感震器9に対して電気的に接続可能なコネクタ12と、固定具7で感震器9を取り付けるときに感震器9が供回りすることを防ぐストッパー13とを有する。
【0025】
取付部10は、左右一対の側壁14と、後壁15と、上壁16とを含む。取付部10は、前方に開口した箱状である。左右一対の側壁14と後壁15は、フレーム6の底壁61から上方に突出している。左右一対の側壁14の後端部と、後壁15の左右の端部とは連続しており、左右一対の側壁14の上端部と、上壁16の左右の端部とは連続している。後壁15の上端部と上壁16の後端部とは、連続している。
【0026】
取付部10はさらに、上壁16の前端部から上方に突出した起立片17を含む。起立片17には、前面パネル5の係止に用いられるラッチ受け18が取り付けられている。
【0027】
後壁15には、固定具7が挿通される挿通孔150が設けられている。後壁15には、コネクタ12が取り付けられている。コネクタ12は、後壁15を前後方向に貫通している。
【0028】
後壁15にはさらに、前方に突出したピン19が設けられている。本実施形態では、ピン19が、ストッパー13を構成している。
【0029】
上壁16は、上下逆のV字状に設けられている。本実施形態では、上壁16が、感震器9を上方から覆う庇部11を構成している。上壁16の上面で受けた液体は、左右一対の側壁14の左右方向外側の面を伝って落下する。
【0030】
(2-5)操作体
操作体8は、収容スペースS1に対して出し入れ可能となるように、フレーム6に回転可能に取り付けられている。操作体8は、収容スペースS1から前方に突出し、操作パネル80が露出する操作位置(
図3参照)と、収容スペースS1内に位置する収容位置(
図4等参照)との間で、移動可能である。以下では、収容位置にあるときを基準として、操作体8について説明する。
【0031】
操作体8は、操作パネル80が上面に設けられた上板部81と、上板部81の左右の側端部から下方に延びた一対の側板部82とを含む。一対の側板部82のそれぞれの下端部には、フレーム6の対応する支持軸610に回転可能に取り付けられる軸受け820が設けられている。軸受け820は、側面視C字状であり、支持軸610に対して着脱可能である。
【0032】
操作体8は、左右一対の支持軸610周りに回転することで、収容位置と操作位置との間で、移動可能である。操作体8が操作位置にあるとき、操作パネル80は、その上面が前斜め上方を向き、操作体8が収容位置にあるとき、操作パネル80は、その上面が上方を向く。
【0033】
操作体8が収容スペースS1に収容された状態において、上板部81と一対の側板部82とで囲まれるスペースS2に、取付部10が位置する。つまり、感震器9は、収容位置にあるときの操作体8の内側のスペースS2に収容される。
【0034】
操作体8には、前面パネル5が着脱可能に取り付けられる。前面パネル5は、操作体8と一体に移動する。操作体8が収容位置にあるとき、前面パネル5は、開口30を塞ぐ位置に配される。
【0035】
(2-6)前面パネル
前面パネル5は、筐体3の開口30を開閉するパネルである。
図1、
図3に示すように、前面パネル5は、最も表側(前側)に位置する金属製の化粧パネル50と、化粧パネル50の裏側に重なった樹脂製の下地パネル51と、を含む。
【0036】
下地パネル51の下端部には、フレーム6の左右一対の支持軸610に回転可能に取り付けられる左右一対の軸受け(図示せず)が設けられ、下地パネル51の左右の端部には、操作体8の一対の側板部82に係止可能な引っ掛け部52が設けられている。化粧パネル50は、下地パネル51に取り付けられており、下地パネル51と一体に動く。
【0037】
前面パネル5は、フレーム6の左右一対の支持軸610周りに回転することで、筐体3の開口30を開閉する。前面パネル5は、引っ掛け部52を介して操作体8に取り付け可能であり、操作体8と一体に回転可能である。前面パネル5は、引っ掛け部52による係止を解除することで、操作体8の内側のスペースS2を開放することができる。
【0038】
本実施形態では、前面パネル5はさらに、下地パネル51の裏側に位置し、操作体8内のスペースS2を開閉する内蓋パネル53を備える。内蓋パネル53は、その下端部にフレーム6の左右一対の支持軸610に回転可能に取り付けられる左右一対の軸受け(図示せず)が設けられている。内蓋パネル53にはさらに、ラッチ受け18に係止されるストライク(図示せず)が設けられている。内蓋パネル53は、下地パネル51とは別部材であり、下地パネル51の開閉とは別の動きで、開閉可能である。
【0039】
操作体8内のスペースS2は、下地パネル51及び化粧パネル50と、内蓋パネル53を開くことによって、前方に向けて開放される。
【0040】
(2-7)感震器
感震器9は、筐体3の揺れを検知するための装置である。感震器9は、加熱部4を制御する制御部(図示せず)に検知結果を送信する。
【0041】
図6に示すように、感震器9は、揺れを検知する感震部90と、基板91と、基板91に固定されたコネクタ92と、基板91が固定された取付台93とを有する。
【0042】
取付台93は、底板930と、底板930の左右方向の一端部(本実施形態では左端部)から上方に突出した固定片931と、底板930の左右方向の他端部(本実施形態では右端部)から上方に突出した引っ掛け片932と、を備える。固定片931には、固定具7が挿通される固定孔931aが設けられている。引っ掛け片932には、ピン19が嵌め込まれる嵌め込み孔932aが設けられている。
【0043】
取付台93はさらに、底板930から上方に突出した前後一対の取付片933を備える。前後一対の取付片933のそれぞれは、基板91を受ける板状の受け部934を有し、受け部934には、ねじ孔934aが設けられている。基板91は、一対のねじ94によって、取付台93の一対の受け部934上に固定される。一対のねじ94は、一対のねじ孔934aに固定される。取付台93は、例えば金属板を折り曲げ加工等して形成される。
【0044】
図4に示すように、感震器9は、固定具7によって取付部10に取り付けられる。感震器9のコネクタ92と、取付部10のコネクタ12とをケーブルで接続することで、感震器9は、駆動用の電力が得られる。
【0045】
感震器9は、取付部10に取り付けられた状態で、庇部11(取付部10の上壁16)によって上方から覆われる。感震器9は、取付部10の上壁16と左右の側壁14によって囲まれる領域に、配される。
【0046】
(2-8)その他
加熱調理器1は、加熱部4の制御を行う制御部(図示せず)をさらに備える。制御部は、取付部10のコネクタ12に電気的に接続されている。そのため、感震器9のコネクタ92と、取付部10のコネクタ12とをケーブルで接続することで、感震器9は制御部に電気的に接続される。
【0047】
制御部は、感震器9が電気的に接続されたときに選択する第一制御モードと、感震器9が非接続のときに選択する第二制御モードとを有する。感震器9のコネクタ92と、取付部10のコネクタ12とをケーブルで接続することで、制御部の制御モードは、第二制御モードから第一制御モードへと自動的に切り替わる。
【0048】
第一制御モードにあるときの制御部は、感震器9が例えば震度4以上の揺れを検知したときに、加熱部4へのガス供給を停止する制御を行う。
【0049】
加熱調理器1は、ガス配管を介してガスメーターに接続されている。ガスメーターは、震度5以上の揺れを検知したときに、加熱調理器1へのガス供給を停止する機能を有する。そのため、加熱調理器1は、感震器9を取り付けない場合でも、地震時における一定の安全性が確保される。
【0050】
(3)加熱調理器の設置方法
続いて、加熱調理器1の設置方法の一例について説明する。
【0051】
まず、加熱調理器1を、
図2に示すように、キッチンキャビネット2の天板20に設けられた開口21に落とし込んで設置する。加熱調理器1の前面部分は、キッチンキャビネット2の前側の開口22から前方に露出する。
【0052】
次いで、加熱調理器1の前面の前面パネル5を開いて、
図5に示すように、開口30及び収容スペースS1を前方に向けて開放し、取付部10を露出させる。このとき、収容スペースS1内に位置する操作体8の内側のスペースS2が前方に向けて開放され、取付部10が露出する。
【0053】
次いで、取付部10を筐体3に固定する固定具7を取り外す。次いで、取付部10に感震器9を合わせる。詳しくは、感震器9の固定片931の固定孔931aと、取付部10の挿通孔150とが前後に並んで位置し、感震器9の引っ掛け片932の嵌め込み孔932aに、取付部10のピン19が嵌め込まれるように、取付部10に感震器9を位置合わせする。
【0054】
次いで、
図4に示すように、固定片931の固定孔931aと取付部10の挿通孔150に、前方から固定具7をねじ込む。このとき、ピン19が引っ掛け片932の嵌め込み孔932aに嵌め込まれていることで、感震器9が供回りすることが防がれる。
【0055】
次いで、感震器9のコネクタ92と、取付部10のコネクタ12とを、ケーブルで接続する。これにより、感震器9と加熱部4の制御部とが電気的に接続され、制御部は、感震器9の検知結果に基づいた制御を行う第一制御モードとなる。
【0056】
次いで、前面パネル5を閉じて、加熱調理器1の前面の開口30を塞ぎ、収容スペースS1を閉じる。
【0057】
以上のようにすることで、加熱調理器1は、キッチンキャビネット2に設置した後で、感震器9を後付けすることが可能である。なお、感震器9は、点検や補修等のために、加熱調理器1から取り外すことも可能である。
【0058】
(4)変形例
続いて、上述した実施形態の加熱調理器1の変形例について説明する。
【0059】
加熱調理器1は、ビルドイン式のグリル付きガスこんろに限らず、据置式のグリル付きガスこんろであってもよい。また、加熱調理器1は、ビルドイン式または据置式の、グリル付き電磁加熱調理器であってもよい。また、加熱調理器1は、ビルドイン式または据置式の、グリル無しの電磁加熱調理器であってもよく、この場合、感震器9で揺れを検知したときに、加熱部4への電力供給が停止されるように設けられればよい。
【0060】
加熱調理器1は、感震器9を取り付けない仕様で用いられてもよい。
【0061】
加熱調理器1は、取付部10にコネクタ12を備えなくてもよく、取付部10とは別の箇所にコネクタ12を備えてもよい。
【0062】
感震器9を取付部10に取り付ける手段は、フレーム6を筐体3に固定する固定具7とは別の固定具であってもよい。
【0063】
取付部10と感震器9とは、互いに係止し合うことで、感震器9の供回りを防ぐ係止構造を有していればよく、この係止構造は、ピン19と嵌め込み孔932aの組み合わせに限定されない。
【0064】
取付部10は、固定具7がねじである場合に、感震器9の供回りを防ぐストッパー13を備えればよく、固定具7がねじ以外の取り付け手段である場合、取付部10は、ストッパー13を備えなくてもよい。
【0065】
操作体8は、収容スペースS1に出し入れ可能に設けられればよく、下端部を中心に回転する所謂カンガルーポケットタイプに限らず、前後にスライドする構造であってもよい。
【0066】
収容スペースS1には、操作体8が出し入れ可能に設けられなくてもよく、操作パネル80は、トッププレート32の上面等に設けられてもよい。
【0067】
操作体8は、上板部81と、一対の側板部82とを含む構造に限らず、その他の構造であってもよい。
【0068】
取付部10は、右側の収容スペースS1に限らず、左側の収容スペースS1に設けられてもよい。その場合、右側の収容スペースS1に、操作体8と電池が収容される。
【0069】
庇部11は、取付部10の上壁16で構成されるのではなく、取付部10とは別の部材で構成されてもよい。また、収容スペースS1には、庇部11が設けられなくてもよい。
【0070】
前面パネル5は、下端部を中心に回転することで、開口30を開閉するものに限らず、開口30に対して着脱することで開口30を開閉するものであってもよい。
【0071】
[まとめ]
上述した実施形態及びその変形例の加熱調理器1のように、本発明に係る第一態様の加熱調理器1は、下記の特徴を備える。
【0072】
すなわち、第一態様の加熱調理器1は、筐体3と、筐体3に設けられた加熱部4と、筐体3の前面に設けられた開口30と、筐体3内に設けられ、開口30に連通する収容スペースS1と、開口30を開閉可能な前面パネル5と、を備える。
【0073】
収容スペースS1には、筐体3の揺れを検知する感震器9を取り付けるための取付部10が設けられている。
【0074】
上記特徴を備えることで、第一態様の加熱調理器1では、前面パネル5を開いて、開口30及びこれに連通する収容スペースS1を前方に向けて開放することができ、収容スペースS1にある取付部10に対して、感震器9を付け外しすることができる。
【0075】
したがって、第一態様の加熱調理器1では、感震器9の後付けや取り外しが簡単に行え、感震器9の着脱の自由度が高い。
【0076】
また、本発明に係る第二態様の加熱調理器1は、第一態様の加熱調理器1が備える特徴に加えて、下記の特徴を備える。
【0077】
すなわち、第二態様の加熱調理器1では、取付部10は、感震器9に対して電気的に接続可能なコネクタ12を有する。
【0078】
上記特徴を備えることで、第二態様の加熱調理器1では、取付部10に感震器9を取り付けた後、コネクタ12を利用して、感震器9を加熱調理器1の制御部等に対して簡単に電気的に接続することができる。
【0079】
また、本発明に係る第三態様の加熱調理器1は、第一または第二態様の加熱調理器1が備える特徴に加えて、下記の特徴を備える。
【0080】
すなわち、第三態様の加熱調理器1は、収容スペースS1を形成するフレーム6と、フレーム6を筐体3に固定する固定具7と、をさらに備える。固定具7は、感震器9を取付部10に取り付ける手段を兼ねる。
【0081】
上記特徴を備えることで、第三態様の加熱調理器1では、感震器9を取付部10に取り付けるための専用の手段が必要とならず、部品数を抑えることができる。
【0082】
また、本発明に係る第四態様の加熱調理器1は、第三態様の加熱調理器1が備える特徴に加えて、下記の特徴を備える。
【0083】
すなわち、第四態様の加熱調理器1は、固定具7は、ねじであり、取付部10は、固定具7で感震器9を取り付けるときに感震器9が供回りすることを防ぐストッパー13を有する。
【0084】
上記特徴を備えることで、第四態様の加熱調理器1では、固定具7をねじ締めして感震器9を取付部10に取り付けるときに、感震器9が供回りすることを防ぐことができ、感震器9を所望の姿勢で(例えば水平な姿勢で)設置しやすく、感震器9の検知精度の低下を抑えることができる。
【0085】
また、本発明に係る第五態様の加熱調理器1は、第一から第四態様のいずれかの加熱調理器1が備える特徴に加えて、下記の特徴を備える。
【0086】
すなわち、第五態様の加熱調理器1は、加熱部4を操作するための操作パネル80を含む操作体8を、さらに備える。操作体8は、収容スペースS1に出し入れ可能に設けられている。
【0087】
上記特徴を備えることで、第五態様の加熱調理器1では、収容スペースS1に、感震器9だけでなく、操作体8も収容することができる。
【0088】
また、本発明に係る第六態様の加熱調理器1は、第五態様の加熱調理器1が備える特徴に加えて、下記の特徴を備える。
【0089】
すなわち、第六態様の加熱調理器1では、操作体8は、操作パネル80が上面に設けられた上板部81と、上板部81の側端部から下方に延びた一対の側板部82と、を含む。操作体8が収容スペースS1に収容された状態において、上板部81と一対の側板部82とで囲まれるスペースS2に、取付部10が位置する。
【0090】
上記特徴を備えることで、第六態様の加熱調理器1では、操作体8の内側のスペースS2に、感震器9を設置することができ、操作体8の内側のスペースS2を有効に利用することができる。
【0091】
また、本発明に係る第七態様の加熱調理器1は、第一から第六態様のいずれかの加熱調理器1が備える特徴に加えて、下記の特徴を備える。
【0092】
すなわち、第七態様の加熱調理器1では、収容スペースS1には、感震器9を上方から覆う庇部11が設けられている。
【0093】
上記特徴を備えることで、第七態様の加熱調理器1では、収容スペースS1に浸入した液体が、感震器9にかかることを庇部11で防いで、感震器9に不具合が生じることを抑えることができる。例えば、収容スペースS1への操作体8の出し入れのときに、操作パネル80上の液体が感震器9に流れ落ちることを、庇部11で防ぐことができる。
【0094】
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0095】
1 加熱調理器
3 筐体
30 開口
4 加熱部
5 前面パネル
6 フレーム
7 固定具
8 操作体
80 操作パネル
81 上板部
82 側板部
9 感震器
10 取付部
11 庇部
12 コネクタ
13 ストッパー
S1 収容スペース
S2 スペース