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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】製袋包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/213 20120101AFI20220405BHJP
   B65B 57/00 20060101ALI20220405BHJP
【FI】
B65B9/213
B65B57/00 D
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017240949
(22)【出願日】2017-12-15
(65)【公開番号】P2019108139
(43)【公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-11-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】織田 一輝
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-144811(JP,A)
【文献】特開2015-178375(JP,A)
【文献】特開2015-178376(JP,A)
【文献】特開2008-127093(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/213
B65B 57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
間欠的に搬送されるフィルムを筒状部材の外周に沿って巻き付かせ、前記フィルムの端部同士を前記フィルムの搬送方向に沿って重ねて筒状フィルムを形成し、前記筒状フィルムの重なり部分に縦シールを行い、前記筒状フィルム内に商品を投入して横シールを行う製袋包装機であって、
前記縦シールを行う縦シール部材を制御する制御部を備え、
前記制御部は、一袋分に相当する搬送距離を得るための複数回の間欠的な搬送のうちで最終回の搬送の送り量が予め設定した基準送り量と同じ場合を除き、前記縦シールを行うべき前記重なり部分に対して、前記縦シール部材の動作を待機させる、
製袋包装機。
【請求項2】
2回目の搬送から最終回の一回前の搬送まで、各送り量は一定量である、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項3】
前記制御部は最終回の搬送の送り量を記憶し、
さらに前記制御部は、次の袋の一回目の搬送の送り量を前記一定量から前記最終回の送り量を減じた量に設定する、
請求項2に記載の製袋包装機。
【請求項4】
前記フィルムにはレジマークが所定間隔で印刷され、
前記レジマークを検知するセンサをさらに備え、
前記制御部は、前記レジマークが検知された後、前記フィルムを所定の送り量で搬送させる、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項5】
2回目の搬送から前記レジマーク検知された回の一回前の搬送まで、各送り量は一定量である、
請求項4に記載の製袋包装機。
【請求項6】
前記制御部は最終回の搬送の送り量を記憶し、
さらに前記制御部は、次の袋の一回目の搬送の送り量を前記一定量から前記最終回の送り量を減じた量に設定する、
請求項に記載の製袋包装機。
【請求項7】
前記筒状フィルムの前記重なり部分の同一領域に対する3回の前記縦シールを避ける、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、帯状のフィルムを搬送しつつ筒状に成形して物品を包装する製袋包装機が広く普及している。例えば、特許文献1(特開2015-178376号公報)に開示されている製袋包装機では、各袋について所望の長さの縦シール部を形成するために、一定量で複数回の搬送を行い、搬送の都度、縦シールを行っている。また、各縦シール部は前後の縦シール部それぞれが均一の長さでオーバーラップするように送り量が設定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、複数回の搬送の各送り量が一定で、且つ、前後の縦シール部それぞれが均一の長さでオーバーラップするように設定した場合、最終回の搬送の一回前までは同じ送り量であるが、最終回の送り量は実際の袋長に応じて調整した量となる。
【0004】
そのため、最終回の送り量が少量であった場合、1回シールされた縦シール部分が再びシールされ、その後のオーバーラップ部分でさらにシールされ、最大で3回もシールが行われる箇所が発生する。そして、同一箇所に対して3回もシールが行われた場合、シール状態の劣化、又は溶断を引き起こす虞がある。
【0005】
本発明の課題は、同一箇所に3回の縦シールが行われることを回避することができる製袋包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る製袋包装機は、間欠的に搬送されるフィルムを筒状部材の外周に沿って巻き付かせ、フィルムの端部同士をフィルムの搬送方向に沿って重ねて筒状フィルムを形成し、筒状フィルムの重なり部分に縦シールを行い、筒状フィルム内に商品を投入して横シールを行う製袋包装機であって、縦シールを行う縦シール部材を制御する制御部を備えている。制御部は、一袋分に相当する搬送距離を得るための複数回の間欠的な搬送のうちで最終回の搬送の送り量が一回前の送り量と同じ場合を除き、縦シールを行うべき重なり部分に対して、縦シール部材の動作を待機させる。
【0007】
この製袋包装機では、一袋分に相当する搬送距離を得るための複数回の間欠的な搬送のうちで「最終回の一回前の搬送の送り量」は予め設定されている一定量であるので、「最終回の搬送の送り量」が「一回前の送り量」と同じ場合は、縦シール部材を動作させても同じ箇所を3回も縦シールするような事態は発生しないが、それ以外では、縦シール部材の動作を待機させて、同じ箇所を3回も縦シールするような事態を未然に防止する。
【0008】
本発明の第2観点に係る製袋包装機は、第1観点に係る製袋包装機であって、2回目の搬送から最終回の一回前の搬送まで、各送り量は一定量である。
【0009】
この製袋包装機では、「最終回の搬送の送り量」は同じ箇所を3回も縦シールするような事態を回避するために送り量が調整され、次の「一回目の搬送の送り量」も先の「最終回の搬送の送り量」との関係で調整される。それゆえ、2回目の搬送から「最終回の一回前の搬送」まで、各送り量は一定量であっても問題はない。
【0010】
本発明の第3観点に係る製袋包装機は、第2観点に係る製袋包装機であって、制御部が最終回の搬送の送り量を記憶している。さらに制御部は、次の袋の一回目の搬送の送り量を一定量から最終回の送り量を減じた量に設定する。
【0011】
この製袋包装機では、「最終回の搬送の送り量」が一定量に満たなかった場合には、その不足分に相当する送り量を次の袋の「一回目の搬送の送り量」とすることによって、送り量が一定量になるまで待ってから縦シールを行うことになるので、同じ箇所を3回も縦シールするような事態を未然に防止することができる。
【0012】
本発明の第4観点に係る製袋包装機は、第1観点に係る製袋包装機であって、フィルムにはレジマークが所定間隔で印刷されている。そして、レジマークを検知するセンサをさらに備えている。制御部は、レジマークが検知された後の搬送の送り量を、一回前の搬送の送り量と異ならせる。
【0013】
この製袋包装機では、レジマークは袋の所定箇所に安定して位置している必要がある。それゆえ、レジマークが検知されたということは、レジマークが所定箇所から一定距離手前まで到達したことを意味する。したがって、検知から予め設定された送り量を搬送することによって、レジマークは袋の所定箇所に安定して位置するようになる。
【0014】
本発明の第5観点に係る製袋包装機は、第4観点に係る製袋包装機であって、2回目の搬送からレジマーク検知された回の一回前の搬送まで、各送り量は一定量である。
【0015】
本発明の第6観点に係る製袋包装機は、第観点に係る製袋包装機であって、制御部が最終回の搬送の送り量を記憶している。さらに制御部は、次の袋の一回目の搬送の送り量を一定量から最終回の送り量を減じた量に設定する。
【0016】
この製袋包装機では、「最終回の搬送の送り量」が一定量に満たなかった場合には、その不足分に相当する送り量を次の袋の「一回目の搬送の送り量」とすることによって、送り量が一定量になるまで待ってから縦シールを行うことになるので、同じ箇所を3回も縦シールするような事態を未然に防止することができる。
【0017】
本発明の第7観点に係る製袋包装機は、第1観点から第6観点のいずれか1つに係る製袋包装機であって、筒状フィルムの重なり部分の同一領域に対する3回の縦シールを避ける。
【発明の効果】
【0018】
本発明の第1観点に係る製袋包装機では、一袋分に相当する搬送距離を得るための複数回の間欠的な搬送のうちで「最終回の一回前の搬送の送り量」は予め設定されている一定量であるので、「最終回の搬送の送り量」が「一回前の送り量」と同じ場合は、縦シール部材を動作させても同じ箇所を3回も縦シールするような事態は発生しないが、それ以外では、縦シール部材の動作を待機させて、同じ箇所を3回も縦シールするような事態を未然に防止する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施形態に係る製袋包装機の側面図。
図2】縦シール手段周辺の側面図。
図3】縦シール手段の正面図。
図4】製袋包装機の制御システムのブロック図。
図5A】製袋包装機の制御フローチャート(ステップS1~ステップS10)。
図5B】製袋包装機の制御フローチャート(ステップS11~ステップS14B)。
図6A】1回目の間欠搬送と縦シールの実施を示す概念図。
図6B】2回目の間欠搬送と縦シールの実施を示す概念図。
図6C】3回目の間欠搬送と縦シールの実施を示す概念図。
図6D】4回目の間欠搬送と縦シールの実施を示す概念図。
図6E】5回目の間欠搬送と5回目の縦シールの待機を示す概念図。
図7A】次の袋の1回目の間欠搬送と縦シールの実施を示す概念図。
図7B】次の袋の2回目の間欠搬送と縦シールの実施を示す概念図。
図7C】次の袋の3回目の間欠搬送と縦シールの実施を示す概念図。
図7D】次の袋の4回目の間欠搬送と縦シールの実施を示す概念図。
図7E】次の袋の5回目の間欠搬送と5回目の縦シールの待機を示す概念図。
図8A】袋長分の全シール部分の概略図。
図8B】袋長分の全シール部分の概略図。
図9A】製袋包装機の制御フローチャート(ステップS101~ステップS109)。
図9B】製袋包装機の制御フローチャート(ステップS110~ステップS112)。
図10】本発明の第2実施形態に係る製袋包装機の制御システムのブロック図。
図11A】本発明の第2実施形態に係る製袋包装機の制御フローチャート(ステップS61~ステップS69)。
図11B】本発明の第2実施形態に係る製袋包装機の制御フローチャート(ステップS71~ステップS75B)。
図11C】本発明の第2実施形態に係る製袋包装機の制御フローチャート(ステップS81~ステップS89B)。
図12A】第2実施形態の変形例に係る製袋包装機の制御フローチャート(ステップS161~ステップS169)。
図12B】第2実施形態の変形例に係る製袋包装機の制御フローチャート(ステップS171~ステップS174B)。
図12C】第2実施形態の変形例に係る製袋包装機の制御フローチャート(ステップS181~ステップS188B)。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0021】
<第1実施形態>
(1)製袋包装機100の構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る製袋包装機100の側面図である。図1において製袋包装機100は、フィルム供給部1と、物品投入部2と、包装部3と、操作表示部4と、ハウジング5とを備えている。
【0022】
フィルム供給部1は、フィルムロールFRから帯状フィルムFを供給する。物品投入部2は、上方から投入される物品を受け入れる。包装部3は、フィルム供給部1から供給される帯状フィルムFで物品投入部2から投入される物品を包装する。操作表示部4は、所定の入力操作及び所定の表示を行う。ハウジング5は、これらの構成要素を支持する。
【0023】
以下、説明の便宜上、操作表示部4が配置された場所を製袋包装機100の前部とし、フィルムロールFRが配置された場所を製袋包装機100の後部とし、前部、後部に向かう方向を前方、後方という。
【0024】
(1-1)フィルム供給部1
フィルム供給部1は、フィルムロールFRから繰り出される帯状フィルムFをハウジング5内の包装部3に供給する。フィルムFとしては、単層又は複層のポリエチレンフィルムが使用され、互いに重ね合わされた重なり部分がヒータ手段により熱溶着されるようになっている。
【0025】
(1-2)物品投入部2
物品投入部2は、包装したい物品をハウジング5内に上方から投入するための入口を有する。物品は、物品投入部2から手動で投入されてもよく、物品投入部2の上方に配置した計量装置等から自動的に投入されるようにしてもよい。
【0026】
(1-3)包装部3
包装部3は、フィルム成形手段10と、縦シール手段20と、搬送手段30と、横シール手段40を有している。
【0027】
フィルム成形手段10は、フィルム供給部1から供給された帯状フィルムFを、両側縁部を重ね合わせて筒状体Tuに成形する。縦シール手段20は、筒状体Tuの両側縁部の重なり部分Wを熱溶着する。搬送手段30は、筒状体Tuを下方へ搬送する。横シール手段40は、筒状体Tuを幅方向に熱溶着すると共に該熱溶着部の搬送方向の略中央部において筒状体Tuを切断する。
【0028】
(1-3-1)フィルム成形手段10
フィルム成形手段10は、物品投入管11と、成形プレート12とを有している。物品投入管11は、物品投入部2に接続されて下方へ延びる。成形プレート12は、物品投入管11の外周面に沿って、フィルムロールFRから繰り出された帯状フィルムFをその両側縁部が重なり合うように案内する。帯状フィルムFは、物品投入管11と成形プレート12との間隙を通過することによって、帯状フィルムFの両側縁部が重なり合った筒状体Tuが形成される。
【0029】
(1-3-2)縦シール手段20
図2は、縦シール手段20周辺の側面図である。図2において、縦シール手段20は、ヒータ21と、ヒータ駆動装置22と、耐熱性非粘着シート23と、フィルム押さえ部材24とを有している。
【0030】
ヒータ駆動装置22は、ヒータ21の縦シールを行うシール位置と当該シール位置から退避した待機位置との間を前後に移動させる。耐熱性非粘着シート23は、ヒータ21と重なり部分Wとの間に配置される。フィルム押さえ部材24は、耐熱性非粘着シート23を重なり部分Wに向けて押さえ付ける。
【0031】
(1-3-2-1)ヒータ21
ヒータ21は、実線で示されるシール位置において耐熱性非粘着シート23を介して重なり部分Wに当接し、破線で示される待機位置において耐熱性非粘着シート23および重なり部分Wから退避している。
【0032】
ヒータ21は、制御部50により温度調整がなされ、シール位置に位置するときに耐熱性非粘着シート23を介して重なり部分Wに当接し、該重なり部分Wを縦方向に熱溶着する。
【0033】
(1-3-2-2)ヒータ駆動装置22
ヒータ駆動装置22は、ヒータ21をシール位置と待機位置との間を前後方向に往復移動させる。なお、ヒータ駆動装置22の具体的構成は特に限定されるものではない。
【0034】
(1-3-2-3)耐熱性非粘着シート23
耐熱性非粘着シート23は、フィルムFが熱溶着されるときの温度に耐えうる耐熱性を有すると共に、フィルムF及びヒータ21に対して非粘着性を有するシートであり、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)でコーティングされたシートを使用できる。
【0035】
耐熱性非粘着シート23は、ハウジング5の上部に配設されたシートロールSR(図1参照)から繰り出されて、ヒータ21と重なり部分Wとの間のフィルム加熱領域に垂れ下げられている。
【0036】
また、耐熱性非粘着シート23は、ヒータ21による熱溶着に繰り返し使用されるが、例えば所定回数の熱溶着に使用された後、シートロールSRから新しいシート部が加熱領域に供給される。
【0037】
(1-3-2-4)フィルム押さえ部材24
フィルム押さえ部材24は、重なり部分Wに対向するように設けられたプレート状体であり、上部に前方に向けて屈曲された屈曲部24aが設けられ、当該屈曲部24aにより上方から垂れ下がった耐熱性非粘着シート23を加熱領域に案内する。
【0038】
図3は、縦シール手段の正面図である。図3正面視において、フィルム押さえ部材24は、縦シール手段20に対向する開口部24bを有しており、開口部24bを通してヒータ21がシール位置と待機位置との間を前後方向に移動する。これにより、フィルム押さえ部材24とヒータ21とを共にフィルムFの加熱領域に配置できるので、フィルム搬送方向に関して両者をコンパクトに配置できる。
【0039】
フィルム押さえ部材24の後面、すなわち、耐熱性非粘着シート23に接触する面には、基材の一方の表面に起毛を密に形成した起毛シートからなる弾性部材24c、例えば、面ファスナ部材が取り付けられている。
【0040】
弾性部材24cを介して耐熱性非粘着シート23を押さえ付けることによって、フィルム押さえ部材24と耐熱性非粘着シート23との間の面圧を緩和して、耐熱性非粘着シート23を適切な面圧で均一に重なり部分Wに押さえ付ける。
【0041】
(1-3-3)搬送手段30
搬送手段30は、物品投入管11の前後にそれぞれ配置された、駆動ローラ31と上下一対の従動ローラ32を備えている。筒状体Tuは、駆動ローラ31と従動ローラ32との間で下方に搬送される。駆動ローラ31は、ACモータ又はステッピングモータ(図示せず)によって駆動される。ACモータの場合、その送り量は、ロータリーエンコーダを用いて最少分解能m単位で設定される。ステッピングモータの場合、その送り量は、パルス数で制御される。
【0042】
(1-3-4)横シール手段40
横シール手段40は、一対のシールジョー41、42を備えている。一対のシールジョー41、42は、物品投入管11の下方において、筒状体Tuの前後両側に配置されている。一対のシールジョー41、42は、筒状体Tuの先行袋体部分と後続袋体部分との間を幅方向(横方向)に熱溶着すると共に、該溶着部を搬送方向略中間部で切断する。
【0043】
筒状体Tuは、包装袋Pの底部となる位置が横シール手段40により熱溶着され、先行袋体の上端(後端)と、後続袋体の下端(先端)が熱溶着されて閉鎖されるとともに、該熱溶着シール部が切断されて先行袋体が後続袋体から分離される。
【0044】
その後、後続袋体に、所定量の物品が、物品投入部2から物品投入管11を通して後続袋体内へ投入される。物品が収容された後続袋体の上部は同様にして横シール手段40により幅方向に熱溶着されると共に切断されて、物品が包装された包装袋Pが生成される。
【0045】
包装袋Pは、その後、包装部3の下方に設けられた排出シュート9からベルトコンベア(図示しない)に排出される。
【0046】
(1-4)操作表示部4
操作表示部4には、図示していない入力部と、表示部と、操作部とが設けられている。入力部は、包装袋の諸元の設定及び縦シールの形成条件の設定を含む種々の情報を入力する。表示部は、製袋包装機100の運転情報及び包装する物品の情報を含む種々の情報を表示する。操作部は、起動ボタン、非常停止ボタンを含んでいる。
【0047】
(2)製袋包装機100の制御システム
図4は、製袋包装機100の制御システムのブロック図である。図4において、製袋包装機100の各種動作は制御部50により制御される。制御部50には、記憶部51と、送り量設定部52と、搬送手段制御部53と、縦シール手段制御部54と、横シール手段制御部55とが設けられている。
【0048】
記憶部51は、製袋包装機100の動作に必要な種々の情報を記憶する。送り量設定部52は、搬送手段30による送り量を設定する。搬送手段制御部53は、搬送手段30を制御する。縦シール手段制御部54は、縦シール手段20を制御する。横シール手段制御部55は、横シール手段40を制御する。制御部50の取付位置は限定されるものではないが、本実施形態ではハウジング5(図1参照)に取り付けられる。
【0049】
制御部50には、操作表示部4からの信号が入力される。なお、制御部50に、計量装置からの信号を入力して、計量装置による物品の投入と連動して動作するように制御してもよい。
【0050】
また、制御部50は、記憶部51に記憶された情報、及び/又は、各種入力信号に基づいて、縦シール手段20、搬送手段30、横シール手段40、並びに操作表示部4に制御信号を出力する。
【0051】
(2-1)記憶部51
記憶部51には、例えば、操作表示部4に表示される画面に関する情報、包装する商品に関する情報、操作表示部4での入力により設定された包装袋に関する情報、縦シール手段20、搬送手段30、横シール手段40を駆動するための駆動条件を含む種々の情報が記憶されている。記憶部51に記憶されている各種情報の変更、追加又は削除は、操作表示部4での入力操作により行うことができる。包装袋に関する情報には、包装袋の長さに関する情報が含まれている。
【0052】
(2-2)送り量設定部52
送り量設定部52は、所望の袋長Lの全縦シール部を形成するように、搬送手段30による各送り量を設定する。具体的には、送り量設定部52は、記憶部51に記憶されたヒータ21の搬送方向長さと、操作表示部4に入力された所望の袋長Lとに基づいて、前後の各縦シール部が所定長さ以上でオーバーラップするように、搬送手段30による搬送回数および各送り量が設定される。
【0053】
(2-3)搬送手段制御部53
搬送手段制御部53は、送り量設定部52で設定された搬送回数および各送り量に基づいて、筒状体Tuを順次搬送する。搬送手段制御部53は、ヒータ21がシール位置から待機位置に移動した後、縦シール手段20により形成された熱溶着部を冷却するための所定の冷却時間を経て、筒状体Tuを下方に搬送する。
【0054】
(2-4)縦シール手段制御部54
縦シール手段制御部54は、縦シール手段20を制御して、縦シール部を形成する。具体的には、ヒータ21を制御してシール位置において重なり部分Wを溶融させ、ヒータ駆動装置22を制御してヒータ21をシール位置と待機位置との間を移動させる。
【0055】
(2-5)横シール手段制御部55
横シール手段制御部55は、横シール手段40を制御して、物品が投入された先行袋体の上部と後続する後続袋体の下部となる部分とを幅方向に熱溶着すると共に、両熱溶着部の中間部を切断して、包装袋Pを生成させる。
【0056】
(3)製袋包装機100の動作
図5A及び図5Bは、製袋包装機100の制御フローチャートであり、図5AはステップS1~ステップS9までを示しており、図5BはステップS10~ステップS15までを示している。以下、図5A図5B図6A図6E、及び図7A図7Eを参照しながら製袋包装機100の動作について説明する。
【0057】
ここで、図6A図6Dは1回目~4回目の間欠搬送と縦シールの実施を示す概念図であり、図6Eは5回目の間欠搬送と5回目の縦シールの待機を示す概念図である。また、図7A図7Dは次の袋の1回目~4回目の間欠搬送と縦シールの実施を示す概念図であり、図7Eは、次の袋の5回目の間欠搬送と5回目の縦シールの待機を示す概念図である。
【0058】
(スタート)
制御部50は、製袋包装機100の起動スイッチ(図示せず)のオン、或いは商品投入信号の受信をトリガーとして稼働する。
【0059】
(ステップS1)
ステップS1において、制御部50は、送り量設定部52を介して、所望の袋長分の全縦シール部を形成するための搬送条件を設定する。
【0060】
製袋包装機100は、ヒータ21の搬送方向長さa(図3参照)が製袋包装機100で製造される袋体の長さLに比して短いので、縦シール手段20による一度の縦シール形成では、所望の袋長分の縦シールを形成できない。
【0061】
そこで、製袋包装機100は、所望の袋長の縦シール部を、複数の縦シール部に分割して形成すると共に、各縦シール部を前後(上下)でオーバーラップさせながら、所望の袋長分の全縦シール部を形成する。
【0062】
先ず、送り量設定部52は、オペレータから入力された各種数値に基いて、所望の袋長L、縦シール手段20の長さ(ヒータ21の搬送方向長さ)a、オーバーラップ長r、基準送り量bと、基準送り量bに基づく搬送回数iと、最終回送り量cとを設定する。
【0063】
なお、縦シール手段20の長さa>基準送り量bとの関係があり、オーバーラップ長rは、必然的にr=a-bに設定される。
【0064】
(ステップS2)
次に、ステップS2において、制御部50は、搬送回数をカウントするためにn=0に設定する。
【0065】
(ステップS3)
次に、ステップS3において、制御部50は、記憶部51から先の袋の最終回送り量bpを読み込む。
【0066】
(ステップS4)
次に、ステップS4において、制御部50は、横シール手段40を制御して、横シール部を形成する。
【0067】
(ステップS5)
次に、ステップS5において、制御部50は、先の袋の最終回送り量bpが基準送り量bであるか否かを判定し、bp=bであるときはステップS6Aへ進み、bp=bでないときはステップS6Bへ進む。
【0068】
(ステップS6A)
次に、ステップS6Aにおいて、制御部50は、搬送手段制御部53を介して搬送手段30を制御し、基準送り量bで筒状体Tuを下方に搬送する。このとき、図6Aに示すように、縦シール手段20のヒータ21は待機位置に在る。
【0069】
(ステップS6B)
また、制御部50は、ステップS6Bに進んだ場合、搬送手段制御部53を介して搬送手段30を制御し、送り量b-bpで筒状体Tuを下方に搬送する。
【0070】
(ステップS7)
次に、ステップS7において、制御部50は、縦シール手段20を制御して、縦シール部hiを形成する。
【0071】
具体的には、制御部50がヒータ駆動装置22を制御して、図6A図6Dに示すように、ヒータ21を待機位置からシール位置へ移動させる。そして、制御部50は、ヒータ21により所定時間だけ重なり部分Wを熱溶融させる。このとき、搬送手段30は停止している。
【0072】
また、制御部50は、縦シール後、ヒータ21をシール位置から待機位置へ移動させる(図6B図6E参照)。このときも、搬送手段30は停止している。
【0073】
なお、制御部50は、ヒータ21が待機位置に移動してから所定の冷却時間、溶融状態の縦シール部を冷却させ、縦シール部を形成させる。
【0074】
(ステップS8)
次に、ステップS8において、制御部50は、一回分の搬送が完了したので、搬送回数nを「n+1」に更新する。
【0075】
(ステップS9)
次に、ステップS9において、制御部50は、搬送回数nが設定した回数iよりも1回少ない「i-1」に到達したか否かを判定し、n≧i-1と判定したときはステップS10へ進む。
【0076】
一方、制御部50は、n≧i-1でないと判定したときは、ステップS6Aに戻り基準送り量bでの搬送からステップS8までの動作を繰り返し行わせる。本実施形態では、図6A図6Dに記載の通り、i-1=4である。
【0077】
図8A及び図8Bは、袋長分の全シール部分の概略図である。図8A及び図8Bにおいて、重なり部分Wが、搬送手段30により送り量bで搬送される毎に、縦シール手段20により各縦シール部h1~h4が形成される。
【0078】
図8A及び図8Bに示すように、分割して形成される各縦シール部h1~h4はその前部(上部)と後部(下部)が前後(上下)の縦シール部hn-1、hn+1との間でr(=a-b)だけオーバーラップする。
【0079】
(ステップS10)
次に、ステップS10において、制御部50は、最終回送り量cを算出する。最終回送り量cは、袋長Lから既に搬送した送り量の合計「b×(i-1)-bp」を減じた値に相当する。
【0080】
(ステップS11)
次に、制御部50は、ステップS11において、搬送手段制御部53を介して搬送手段30を制御し、送り量cで筒状体Tuを下方に搬送する。
【0081】
(ステップS12)
次に、次に、ステップS12において、制御部50は、記憶部51を介してステップS11で実施した送り量を最終回送り量bpとして記憶する。
【0082】
(ステップS13)
次に、ステップS13において、制御部50は、最終回送り量cが基準送り量bに等しいか否かを判定し、「c=b」であると判定したときはステップS14Aへ進み、「c=b」ではないと判定したときはステップS14Bへ進む。
【0083】
(ステップS14A)
次に、ステップS14Aにおいて、制御部50は、縦シール手段20を制御して、縦シール部を形成する。
【0084】
(ステップS14B)
一方、制御部50は、ステップS14Bに進んだ場合、縦シール手段20による縦シールの形成を行うことなく、縦シール手段20を待機させる。
【0085】
なぜなら、制御部50は、i回目(ここでは5回目)の搬送における送り量を、図6E及び図8Aに示すように、基準送り量bから残り送り量cへ変更し、筒状体Tuを下方に搬送させており、i回目(ここでは5回目)の送り量は基準送り量bよりも短い送り量cであるので、ここでは縦シールの形成を見送り、次回に送り量「b-c」で搬送することによって、合計の送り量が所定送り量bとするためである。
【0086】
このように、ステップS1~ステップS14Bの処理を繰り返すことによって、前後(上下)の縦シール部同士のオーバーラップ量が常に一定(ここでは、a-bである。)に維持され、同一箇所を3回も縦シールするような事態も未然に防止される。
【0087】
なお、図6A図6E及び図8Aは、1回目の搬送における送り量が基準送り量bであって、最終回(ここでは5回目)の送り量がc(c<b)であることを想定して描かれている。
【0088】
一方、図7A図7E及び図8Bは、1回目の搬送における送り量がb-cであって、最終回(ここでは5回目)の送り量bpがc’(c’<b)であることを想定して描かれている。
【0089】
つまり、図7Aおよび図8Bに示すように、先行の袋の製袋の際に、最終回送り量が基準送り量bよりも短い送り量cであったので、最終回送り後の縦シールの形成を見送った経緯がある。そのため、次の製袋時の1回目の搬送を送り量「b-c」で行うことによって、合計の送り量が基準送り量bとすることができる。
【0090】
これによって、前後(上下)の縦シール部同士のオーバーラップ量が常に一定(ここでは、a-bである。)に維持され、同一箇所を3回も縦シールするような事態も未然に防止される。
【0091】
(4)第1実施形態の変形例
第1実施形態では、原則、縦シールを行った後に横シールを行っているが、ここでは、縦シールと横シールとを同時に行う変形例について説明する。
【0092】
図9A及び図9Bは、製袋包装機100の制御フローチャートであり、図9AはステップS101~ステップS109までを示しており、図9BはステップS110~ステップS112までを示している。以下、図9A及び図9Bを参照しながら製袋包装機100の動作について説明する。
【0093】
(スタート)
制御部50は、製袋包装機100の起動スイッチ(図示せず)のオン、或いは商品投入信号の受信をトリガーとして稼働する。
【0094】
(ステップS101)
ステップS101において、制御部50は、送り量設定部52を介して、所望の袋長分の全縦シール部を形成するための搬送条件を設定する。
【0095】
先ず、送り量設定部52は、オペレータから入力された各種数値に基いて、所望の袋長L、縦シール手段20の長さ(ヒータ21の搬送方向長さ)a、オーバーラップ長r、基準送り量bと、基準送り量bに基づく搬送回数iと、最終回送り量cとを設定する。
【0096】
なお、縦シール手段20の長さa>基準送り量bとの関係があり、オーバーラップ長rは、必然的にr=a-bに設定される。
【0097】
(ステップS102)
次に、ステップS102において、制御部50は、搬送回数をカウントするためにn=0に設定する。
【0098】
(ステップS103)
次に、ステップS103において、制御部50は、記憶部51から先の袋の最終回送り量bpを読み込む。
【0099】
(ステップS104)
次に、ステップS104において、制御部50は、前回の最終回送り量cが基準送り量bに等しいか否かを判定し、「bp=b」であると判定したときはステップS105Aへ進み、「bp=b」でないと判定したときはステップS105Bへ進む。
【0100】
(ステップS105A)
次に、ステップS105Aにおいて、制御部50は、縦シール手段20及び横シール手段40を制御して、縦シール部および横シール部の形成を同時に行う。縦シールと横シールとが同時に行われることによって能力アップを図ることができる。制御部50は、このステップS105Aの処理の後、ステップS106Aへ進む。
【0101】
(ステップS105B)
一方、制御部50がステップS105Bに進んだ場合、制御部50は、縦シール手段20による縦シールの形成を行うことなく、縦シール手段20を待機させ、横シール手段40を制御して横シール部を形成する。
【0102】
ここでは、縦シールの形成を見送り、次に送り量「b-bp」で搬送することによって、合計の送り量を所定送り量bとする。
【0103】
(ステップS106A)
次に、ステップS106Aにおいて、制御部50は、搬送手段制御部53を介して搬送手段30を制御し、基準送り量bで筒状体Tuを下方に搬送する。
【0104】
(ステップS106B)
また、制御部50は、ステップS106Bに進んだ場合、搬送手段制御部53を介して搬送手段30を制御し、送り量b-bpで筒状体Tuを下方に搬送する。
【0105】
(ステップS107)
次に、ステップS107において、制御部50は、縦シール手段20を制御して、縦シール部hiを形成する。
【0106】
具体的には、制御部50がヒータ駆動装置22を制御して、そして、制御部50は、ヒータ21により所定時間だけ重なり部分Wを熱溶融させる。このとき、搬送手段30は停止している。
【0107】
また、制御部50は、縦シール後、ヒータ21をシール位置から待機位置へ移動させる。このときも、搬送手段30は停止している。
【0108】
なお、制御部50は、ヒータ21が待機位置に移動してから所定の冷却時間、溶融状態の縦シール部を冷却させ、縦シール部を形成させる。
【0109】
(ステップS108)
次に、ステップS108において、制御部50は、一回分の搬送が完了したので、搬送回数nを「n+1」に更新する。
【0110】
(ステップS109)
次に、ステップS109において、制御部50は、搬送回数nが設定した回数iよりも1回少ない「i-1」に到達したか否かを判定し、n≧i-1と判定したときはステップS110へ進む。
【0111】
一方、制御部50は、n≧i-1でないと判定したときは、ステップS106Aに戻り基準送り量bでの搬送からステップS108までの動作を繰り返し行わせる。本実施形態では、i-1=4である。
【0112】
(ステップS110)
次に、ステップS110において、制御部50は、最終回送り量cを算出する。最終回送り量cは、袋長Lから既に搬送した送り量の合計「b×(i-1)-bp」を減じた値に相当する。
【0113】
(ステップS111)
次に、制御部50は、ステップS111において、搬送手段制御部53を介して搬送手段30を制御し、送り量cで筒状体Tuを下方に搬送する。
【0114】
(ステップS112)
次に、次に、ステップS112において、制御部50は、記憶部51を介してステップS11で実施した送り量を最終回送り量bpとして記憶する。
【0115】
このように、ステップS101~ステップS112の処理を繰り返すことによって、前後(上下)の縦シール部同士のオーバーラップ量が常に一定(ここでは、a-bである。)に維持され、同一箇所を3回も縦シールするような事態も未然に防止される。
【0116】
(5)第1実施形態の特徴
(5-1)
製袋包装機100では、一袋分に相当する搬送距離を得るための複数回の間欠的な搬送のうちで「最終回の一回前の搬送の送り量」は予め設定されている一定量であるので、「最終回の搬送の送り量」が「一回前の送り量」と同じ場合は、縦シール手段20を動作させても同じ箇所を3回も縦シールするような事態は発生しないが、それ以外では、縦シール部材の動作を待機させて、同じ箇所を3回も縦シールするような事態を未然に防止する。
【0117】
(5-2)
製袋包装機100では、「最終回の搬送の送り量」は同じ箇所を3回も縦シールするような事態を回避するためにその送り量が調整され、次の「一回目の搬送の送り量」も先の「最終回の搬送の送り量」との関係で調整される。それゆえ、2回目の搬送から「最終回の一回前の搬送」まで、各送り量は一定量であっても問題はない。
【0118】
(5-3)
製袋包装機100では、「最終回の搬送の送り量」が一定量に満たなかった場合には、その不足分に相当する送り量を次の袋の「一回目の搬送の送り量」とすることによって、送り量が一定量になるまで待ってから縦シールを行うことになるので、同じ箇所を3回も縦シールするような事態を未然に防止することができる。
【0119】
<第2実施形態>
袋に使用されるフィルムには、所定間隔でレジマークが印刷されているものがあり、レジマーク付きのフィルムを用いて製袋する場合、レジマークは袋の所定位置(例えば、中央)に位置するようにフィルムが搬送制御される。ここでは、第1実施形態の搬送制御と異なる部分について説明する。
【0120】
図10は、本発明の第2実施形態に係る製袋包装機100の制御システムのブロック図である。図10において、制御部50には、レジマーク検知センサ60が接続されている。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0121】
(1)製袋包装機100の動作
先ず、前提として、レジマーク付き袋のフィルムの搬送制御において、制御部50はレジマーク検知センサ60からの信号(以下、レジマーク検知信号という。)を受信した時点からフィルムを所定送り量bpfで搬送して、一袋分の搬送を終了する。
【0122】
図11A図11B及び図11Cは、製袋包装機100の制御フローチャートであり、図11AはステップS61~ステップS69までを示しており、図11BはステップS71~ステップS75Bまでを示している。さらに、図11CはステップS81~ステップS89Bまでを示している。以下、図11A図11B及び図11Cを参照しながら製袋包装機100の動作について説明する。
【0123】
(1-1)図11Aの説明
(スタート)
制御部50は、製袋包装機100の起動スイッチ(図示せず)のオン、或いは商品投入信号の受信をトリガーとして稼働する。
【0124】
(ステップS61)
ステップS61において、制御部50は、送り量設定部52を介して、所望の袋長分の全縦シール部を形成するための搬送条件を設定する。
【0125】
先ず、送り量設定部52は、オペレータから入力された各種数値に基いて、所望の袋長L、縦シール手段20の長さa、オーバーラップ長r、基準送り量bと、レジマーク検知後の所定送り量bpfを設定する。
【0126】
なお、縦シール手段20の長さa>基準送り量bとの関係があり、オーバーラップ長rは、必然的にr=a-bに設定される。
【0127】
(ステップS62)
次に、ステップS62において、制御部50は、記憶部51から先の袋の最終回送り量bpを読み込む。
【0128】
(ステップS63)
次に、ステップS63において、制御部50は、横シール手段40を制御して、横シール部を形成する。
【0129】
(ステップS64)
次に、ステップS64において、制御部50は、先の袋の最終回送り量bpがbであるか否かを判定し、bp=bであるときはステップS65Aへ進み、bp=bでないときはステップS65Bへ進む。
【0130】
(ステップS65A)
次に、ステップS65Aにおいて、制御部50は、搬送手段制御部53を介して搬送手段30を制御し、基準送り量bで筒状体Tuを下方に搬送する。
【0131】
(ステップS65B)
また、制御部50は、ステップS65Bに進んだ場合、搬送手段制御部53を介して搬送手段30を制御し、送り量はb-bpで筒状体Tuを下方に搬送する。
【0132】
例えば、基準送り量b=65mm、最終回送り量bp=60のときは、このステップS65Bにおいて筒状体Tuは送り量「65-50=5」mmで搬送される。
【0133】
(ステップS66)
次に、ステップS66において、制御部50は、レジマーク検知信号の有無を判定する。制御部50は、レジマーク検知信号をレジマーク検知センサ60から受信する。制御部50は、「レジマーク検知信号有り」と判定したときはステップS67へ進み、「レジマーク検知信号有り」と判定しなかったときはステップS68へ進む。
【0134】
(ステップS67)
次に、ステップS67において、制御部50は、一回前の搬送後からレジマーク検知信号を受信するまでの送り量byを記憶する。例えば、1回前の搬送後から10mm搬送したときにレジマーク検知信号を受信したときは、「by=10mm」と記憶される。
【0135】
なお、制御部50は、ステップS67の処理を行った後、ステップS71へ進む。
【0136】
(ステップS68)
一方、制御部50は、ステップS68へ進んだ場合、送りが完了したか否かを判定し、送りが完了しているときは、ステップS69へ進む。
【0137】
(ステップS69)
次に、ステップS69において、制御部50は、縦シール手段20を制御して、縦シール部を形成する。
【0138】
具体的には、制御部50がヒータ駆動装置22を制御して、ヒータ21を待機位置からシール位置へ移動させる。そして、制御部50は、ヒータ21により所定時間だけ重なり部分Wを熱溶融させる。このとき、搬送手段30は停止している。
【0139】
また、制御部50は、縦シール後、ヒータ21をシール位置から待機位置へ移動させる。このときも、搬送手段30は停止している。
【0140】
なお、制御部50は、ヒータ21が待機位置に移動してから所定の冷却時間、溶融状態の縦シール部を冷却させる。
【0141】
制御部50は、ステップS69の処理をした後は、ステップS65Aへ戻る。
【0142】
(1-2)図11Bの説明
(ステップS71)
次に、ステップS71において、制御部50は、一回前の搬送後からレジマーク検知信号を受信するまでの送り量byとレジマーク検知後の所定送り量bpfとの合計である「by+bpf」が基準送り量b以下であるか否かを判定する。
【0143】
制御部50は、「by+bpf≦b」であると判定したときはステップS72へ進み、「by+bpf≦b」ではないと判定したときはステップS81へ進む。
【0144】
例えば、所定送り量bpf=50mmと予め設定されている場合、「by=10mm」と記憶したときは、by+bpf=10+50=60<b=65であるので、ステップS72へ進む。
【0145】
一方、例えば、1つ前の搬送後から20mm搬送したときにレジマーク検知信号を受信したときは、ステップS67で「by=20mm」と記憶されているので、所定送り量bpf=50mmと予め設定されている場合、by+bpf=20+50=70>b=65であるので、ステップS81へ進む。
【0146】
(ステップS72)
次に、ステップS72において、制御部50は、搬送手段制御部53を介して搬送手段30を制御し、所定送り量bpfで筒状体Tuを下方に搬送する。
【0147】
例えば、所定送り量bpf=50mmと予め設定されている場合、筒状体Tuはレジマーク検知後に50mm搬送される。
【0148】
(ステップS73)
次に、ステップS73において、制御部50は、「by+bpf=b」であるか否かを判定し、「by+bpf=b」であると判定したときはステップS74Aへ進み、「by+bpf=b」ではないと判定したときはステップS74Bへ進む。
【0149】
(ステップS74A)
次に、ステップS74Aにおいて、制御部50は、最終回送り量bpをbp=bとして記憶する。
【0150】
例えば、ステップS67において「by=15」と記憶し、さらにステップS72において送り量bpf=50で搬送している場合、記憶部51は「by+bpf=15+50=65=b」となるので、bp=bと記憶する。
【0151】
(ステップS74B)
次に、ステップS74Bにおいて、制御部50は、記憶部51を介して一回前の搬送後からレジマーク検知信号を受信するまでの送り量byとレジマーク検知後の所定送り量bpfとの合計である「by+bpf」を最終回送り量bpとして記憶する。
【0152】
例えば、ステップS67において「by=10」と記憶し、さらにステップS72において送り量bpf=50で搬送している場合、記憶部51は「bp=by+bpf=10+50=60」と記憶する。
【0153】
(ステップS75A)
次に、ステップS75Aにおいて、制御部50は、縦シール手段20を制御して、縦シール部を形成する。
【0154】
つまり、先のステップS73において「by+bpf=b」であると判定したのであるから、基準送り量bで搬送されたことになり、縦シールを行うことができる。
【0155】
(ステップS75B)
一方、制御部50は、ステップS75Bに進んだ場合、縦シール手段20による縦シールの形成を行うことなく、縦シール手段20を待機させる。
【0156】
なぜなら、最終回送り量bpが基準送り量bよりも短い場合は、縦シールの形成を見送り、次回に送り量「b-bp」で搬送することによって、合計の送り量を基準送り量bと同等にするためである。
【0157】
(1-3)図11Cの説明
(ステップS81)
ここからは、制御部50が先のステップS71において、「by+bpf≦b」でないと判定してステップS81へ進んだ場合について説明する。
【0158】
ステップS81において、制御部50は、レジマーク検知後の縦シール回数kをカウントすることに備えて、「k=0」と初期化する。
【0159】
(ステップS82)
次に、ステップS82において、制御部50は、搬送手段制御部53を介して搬送手段30を制御し、送り量b-byで筒状体Tuを下方に搬送する。
【0160】
本来なら、レジマーク検知後の所定送り量bpfで搬送するのであるが、by+bpf>bであるので、筒状体Tuが所定送り量bpfで搬送されると、一回前の搬送後から基準送り量bを超えて搬送されることになり、縦シールされない部分が生じるので、by+bpf>bの場合は、レンジマークが検知された後であっても、筒状体Tuは所定送り量bpfではなく、送り量b-byで搬送される。
【0161】
例えば、1つ前の搬送後から20mm搬送したときにレジマーク検知信号を受信したときは、ステップS67で「by=20mm」と記憶されているので、送り量65-20=45で搬送する。
【0162】
つまり、筒状体Tuは、レジマーク検知信号を受信前に20mm搬送され、レジマーク検知信号を受信後に45mm搬送されるので、合計65mm搬送される。これは、基準送り量b=65mmで送ったことと同等である。
【0163】
(ステップS83)
次に、ステップS83において、制御部50は、縦シール手段20を制御して、縦シール部を形成する。
【0164】
つまり、筒状体Tuは、レジマーク検知信号を受信前に20mm搬送され、レジマーク検知信号を受信後に45mm搬送された結果、基準送り量bと同じ65mmで送りきったことになるので、縦シールを実施したのである。
【0165】
(ステップS84)
次に、ステップS84において、制御部50は、縦シール回数kを「k=k+1」に更新する。これは、先にステップS83において縦シールが一回行われたからである。
【0166】
(ステップS85)
次に、ステップS85において、制御部50は、「by+bpf-k×b≦b」であるか否かを判定する。
【0167】
例えば、基準送り量b=65mm、by=20mm、bpf=50mm、レジマーク検知後にk=1回の縦シールがあった場合には、「20+50-1×65=5<65」となり、ステップS86Aに進む。
【0168】
(ステップS86A)
そして、ステップS86Aにおいて、制御部50は、搬送手段制御部53を介して搬送手段30を制御し、送り量by+bpf-k×bで筒状体Tuを下方に搬送する。
【0169】
例えば、1つ前の搬送後から20mm搬送したときにレジマーク検知信号を受信したときは、ステップS67で「by=20mm」と記憶され、制御部50は送り量by+bpf-b=20+50-65=5で筒状体Tuを搬送する。
【0170】
(ステップS86B)
一方、制御部50がステップS86Bに進んだ場合、そのステップS86Bにおいて、制御部50は基準送り量bで筒状体Tuを下方に搬送する。そして、制御部50は、ステップS83に戻る。
【0171】
(ステップS87)
次に、ステップS87において、制御部50は、「by+bpf-k×b=b」であるか否かを判定し、「by+bpf-k×b=b」であると判定したときはステップS88Aへ進み、「by+bpf-k×b=b」ではないと判定したときはステップS88Bへ進む。
【0172】
(ステップS88A)
次に、ステップS88Aにおいて、制御部50は、最終回送り量bpをbp=bとして記憶する。
【0173】
(ステップS88B)
次に、ステップS88Bにおいて、制御部50は、最終回送り量bpをbp=by+bpf-k×bとして記憶する。
【0174】
(ステップS89A)
次に、ステップS89Aにおいて、制御部50は、縦シール手段20を制御して、縦シール部を形成する。
【0175】
(ステップS89B)
一方、制御部50は、ステップS89Bに進んだ場合、縦シール手段20による縦シールの形成を行うことなく、縦シール手段20を待機させる。
【0176】
このように、ステップS61~ステップS89Bの処理を繰り返すことによって、前後(上下)の縦シール部同士のオーバーラップ量が常に一定(ここでは、a-bである。)に維持され、同一箇所を3回も縦シールするような事態が未然に防止される。
【0177】
(2)第2実施形態の変形例
第2実施形態では、原則、縦シールを行った後に横シールを行っているが、ここでは、縦シールと横シールとを同時に行う変形例について説明する。
【0178】
図12A図12B及び図12Cは、製袋包装機100の制御フローチャートであり、図12AはステップS161~ステップS169までを示しており、図12BはステップS171~ステップS174Bまでを示している。さらに、図12CはステップS181~ステップS188Bまでを示している。以下、図12A図12B及び図12Cを参照しながら製袋包装機100の動作について説明する。
【0179】
(2-1)図12Aの説明
(スタート)
制御部50は、製袋包装機100の起動スイッチ(図示せず)のオン、或いは商品投入信号の受信をトリガーとして稼働する。
【0180】
(ステップS161)
ステップS161において、制御部50は、送り量設定部52を介して、所望の袋長分の全縦シール部を形成するための搬送条件を設定する。
【0181】
先ず、送り量設定部52は、オペレータから入力された各種数値に基いて、所望の袋長L、縦シール手段20の長さa、オーバーラップ長r、基準送り量bと、レジマーク検知後の所定送り量bpfを設定する。
【0182】
なお、縦シール手段20の長さa>基準送り量bとの関係があり、オーバーラップ長rは、必然的にr=a-bに設定される。
【0183】
(ステップS162)
次に、ステップS162において、制御部50は、記憶部51から先の袋の最終回送り量bpを読み込む。
【0184】
(ステップS163)
次に、ステップS163において、制御部50は、前回の最終回送り量bpが基準送り量bに等しいか否かを判定し、「bp=b」であると判定したときはステップS164Aへ進み、「bp=b」でないと判定したときはステップS164Bへ進む。
【0185】
(ステップS164A)
次に、ステップS164Aにおいて、制御部50は、縦シール手段20及び横シール手段40を制御して、縦シール部および横シール部の形成を同時に行う。縦シールと横シールとが同時に行われることによって能力アップを図ることができる。制御部50は、このステップS164Aの処理の後、ステップS165Aへ進む。
【0186】
(ステップS164B)
一方、制御部50がステップS164Bに進んだ場合、制御部50は、縦シール手段20による縦シールの形成を行うことなく、縦シール手段20を待機させ、横シール手段40を制御して横シール部を形成する。
【0187】
ここでは、縦シールの形成を見送り、次に送り量「b-bp」で搬送することによって、合計の送り量を所定送り量bとする。
【0188】
(ステップS165A)
次に、ステップS165Aにおいて、制御部50は、搬送手段制御部53を介して搬送手段30を制御し、基準送り量bで筒状体Tuを下方に搬送する。
【0189】
(ステップS165B)
また、制御部50は、ステップS165Bに進んだ場合、搬送手段制御部53を介して搬送手段30を制御し、送り量b-bpで筒状体Tuを下方に搬送する。
【0190】
(ステップS166)
次に、ステップS166において、制御部50は、レジマーク検知信号の有無を判定する。制御部50は、レジマーク検知信号をレジマーク検知センサ60から受信する。制御部50は、「レジマーク検知信号有り」と判定したときはステップS167へ進み、「レジマーク検知信号有り」と判定しなかったときはステップS168へ進む。
【0191】
(ステップS167)
次に、ステップS167において、制御部50は、一回前の搬送後からレジマーク検知信号を受信するまでの送り量byを記憶する。例えば、1回前の搬送後から10mm搬送したときにレジマーク検知信号を受信したときは、「by=10mm」と記憶される。
【0192】
なお、制御部50は、ステップS167の処理を行った後、ステップS171へ進む。
【0193】
(ステップS168)
一方、制御部50は、ステップS168へ進んだ場合、送りが完了したか否かを判定し、送りが完了しているときは、ステップS169へ進む。
【0194】
(ステップS169)
次に、ステップS169において、制御部50は、縦シール手段20を制御して、縦シール部を形成する。
【0195】
具体的には、制御部50がヒータ駆動装置22を制御して、ヒータ21を待機位置からシール位置へ移動させる。そして、制御部50は、ヒータ21により所定時間だけ重なり部分Wを熱溶融させる。このとき、搬送手段30は停止している。
【0196】
また、制御部50は、縦シール後、ヒータ21をシール位置から待機位置へ移動させる。このときも、搬送手段30は停止している。
【0197】
なお、制御部50は、ヒータ21が待機位置に移動してから所定の冷却時間、溶融状態の縦シール部を冷却させる。
【0198】
制御部50は、ステップS169の処理をした後は、ステップS165Aへ戻る。
【0199】
(2-2)図12Bの説明
(ステップS171)
次に、ステップS171において、制御部50は、一回前の搬送後からレジマーク検知信号を受信するまでの送り量byとレジマーク検知後の所定送り量bpfとの合計である「by+bpf」が基準送り量b以下であるか否かを判定する。
【0200】
制御部50は、「by+bpf≦b」であると判定したときはステップS172へ進み、「by+bpf≦b」ではないと判定したときはステップS181へ進む。
【0201】
例えば、所定送り量bpf=50mmと予め設定されている場合、「by=10mm」と記憶したときは、by+bpf=10+50=60<b=65であるので、ステップS172へ進む。
【0202】
一方、例えば、1つ前の搬送後から20mm搬送したときにレジマーク検知信号を受信したときは、ステップS167で「by=20mm」と記憶されているので、所定送り量bpf=50mmと予め設定されている場合、by+bpf=20+50=70>b=65であるので、ステップS181へ進む。
【0203】
(ステップS172)
次に、ステップS172において、制御部50は、搬送手段制御部53を介して搬送手段30を制御し、所定送り量bpfで筒状体Tuを下方に搬送する。
【0204】
例えば、所定送り量bpf=50mmと予め設定されている場合、筒状体Tuはレジマーク検知後に50mm搬送される。
【0205】
(ステップS173)
次に、ステップS173において、制御部50は、「by+bpf=b」であるか否かを判定し、「by+bpf=b」であると判定したときはステップS174Aへ進み、「by+bpf=b」ではないと判定したときはステップS174Bへ進む。
【0206】
(ステップS174A)
次に、ステップS174Aにおいて、制御部50は、最終回送り量bpをbp=bとして記憶する。
【0207】
例えば、ステップS167において「by=15」と記憶し、さらにステップS172において送り量bpf=50で搬送している場合、記憶部51は「by+bpf=15+50=65=b」となるので、bp=bと記憶する。
【0208】
(ステップS174B)
次に、ステップS174Bにおいて、制御部50は、記憶部51を介して一回前の搬送後からレジマーク検知信号を受信するまでの送り量byとレジマーク検知後の所定送り量bpfとの合計である「by+bpf」を最終回送り量bpとして記憶する。
【0209】
例えば、ステップS167において「by=10」と記憶し、さらにステップS172において送り量bpf=50で搬送している場合、記憶部51は「bp=by+bpf=10+50=60」と記憶する。
【0210】
(2-3)図12Cの説明
(ステップS181)
ここからは、制御部50が先のステップS171において、「by+bpf≦b」でないと判定してステップS181へ進んだ場合について説明する。
【0211】
ステップS181において、制御部50は、レジマーク検知後の縦シール回数kをカウントすることに備えて、「k=0」と初期化する。
【0212】
(ステップS182)
次に、ステップS182において、制御部50は、搬送手段制御部53を介して搬送手段30を制御し、送り量b-byで筒状体Tuを下方に搬送する。
【0213】
本来なら、レジマーク検知後の所定送り量bpfで搬送するのであるが、by+bpf>bであるので、筒状体Tuが所定送り量bpfで搬送されると、一回前の搬送後から基準送り量bを超えて搬送されることになり、縦シールされない部分が生じるので、by+bpf>bの場合は、レンジマークが検知された後であっても、筒状体Tuは所定送り量bpfではなく、送り量b-byで搬送される。
【0214】
例えば、1つ前の搬送後から20mm搬送したときにレジマーク検知信号を受信したときは、ステップS167で「by=20mm」と記憶されているので、送り量65-20=45で搬送する。
【0215】
つまり、筒状体Tuは、レジマーク検知信号を受信前に20mm搬送され、レジマーク検知信号を受信後に45mm搬送されるので、合計65mm搬送される。これは、基準送り量b=65mmで送ったことと同等である。
【0216】
(ステップS183)
次に、ステップS183において、制御部50は、縦シール手段20を制御して、縦シール部を形成する。
【0217】
つまり、筒状体Tuは、レジマーク検知信号を受信前に20mm搬送され、レジマーク検知信号を受信後に45mm搬送された結果、基準送り量bと同じ65mmで送りきったことになるので、縦シールを実施したのである。
【0218】
(ステップS184)
次に、ステップS184において、制御部50は、縦シール回数kを「k=k+1」に更新する。これは、先にステップS183において縦シールが一回行われたからである。
【0219】
(ステップS185)
次に、ステップS185において、制御部50は、「by+bpf-k×b≦b」であるか否かを判定する。制御部50は、「by+bpf-k×b≦b」であると判定したときはステップS186Aへ進み、「by+bpf-k×b≦b」ではないと判定したときはステップS186Bへ進む。
【0220】
例えば、基準送り量b=65mm、by=20mm、bpf=50mm、レジマーク検知後にk=1回の縦シールがあった場合には、「20+50-1×65=5<65」となり、ステップS186Aに進む。
【0221】
(ステップS186A)
そして、ステップS186Aにおいて、制御部50は、搬送手段制御部53を介して搬送手段30を制御し、送り量by+bpf-k×bで筒状体Tuを下方に搬送する。
【0222】
例えば、1つ前の搬送後から20mm搬送したときにレジマーク検知信号を受信したときは、ステップS167で「by=20mm」と記憶され、制御部50は送り量by+bpf-b=20+50-65=5で筒状体Tuを搬送する。
【0223】
(ステップS186B)
一方、制御部50がステップS186Bに進んだ場合、そのステップS186Bにおいて、制御部50は基準送り量bで筒状体Tuを下方に搬送する。そして、制御部50は、ステップS183に戻る。
【0224】
(ステップS187)
次に、ステップS187において、制御部50は、「by+bpf-k×b=b」であるか否かを判定し、「by+bpf-k×b=b」であると判定したときはステップS188Aへ進み、「by+bpf-k×b=b」ではないと判定したときはステップS188Bへ進む。
【0225】
(ステップS188A)
次に、ステップS188Aにおいて、制御部50は、最終回送り量bpをbp=bとして記憶する。
【0226】
(ステップS188B)
次に、ステップS188Bにおいて、制御部50は、最終回送り量bpをbp=by+bpf-k×bとして記憶する。
【0227】
このように、ステップS161~ステップS188Bの処理を繰り返すことによって、前後(上下)の縦シール部同士のオーバーラップ量が常に一定(ここでは、a-bである。)に維持され、同一箇所を3回も縦シールするような事態が未然に防止される。
【0228】
(3)第2実施形態の特徴
(3-1)
製袋包装機100では、レジマークは袋の所定箇所に安定して位置している必要がある。それゆえ、レジマークが検知されたということは、レジマークが所定箇所から一定距離手前まで到達したことを意味する。したがって、検知から予め設定された送り量を搬送することによって、レジマークは袋の所定箇所に安定して位置するようになる。
【0229】
(3-2)
製袋包装機100では、2回目の搬送からレジマーク検知を含む回の一回前の搬送まで、各送り量は一定量である。
【0230】
(3-3)
製袋包装機100では、「最終回の搬送の送り量」が一定量に満たなかった場合には、その不足分に相当する送り量を次の袋の「一回目の搬送の送り量」とすることによって、送り量が一定量になるまで待ってから縦シールを行うことになるので、同じ箇所を3回も縦シールするような事態を未然に防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0231】
製袋包装機は、筒状フィルムの重なり部分の同一領域に対する3回の縦シールを避けるので、間欠搬送による製袋に有用である。
【符号の説明】
【0232】
20 縦シール手段(縦シール部材)
21 ヒータ(縦シール部材)
50 制御部
60 レジマーク検知センサ(センサ)
100 製袋包装機
Tu 筒状体(筒状フィルム)
W 重なり部分
【先行技術文献】
【特許文献】
【0233】
【文献】特開2015-178376号公報
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C