(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-07
(45)【発行日】2022-04-15
(54)【発明の名称】貼付装置、包装装置
(51)【国際特許分類】
B65C 9/40 20060101AFI20220408BHJP
B65C 9/46 20060101ALI20220408BHJP
【FI】
B65C9/40
B65C9/46
(21)【出願番号】P 2018056605
(22)【出願日】2018-03-23
【審査請求日】2021-03-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人英知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石上 敬二
(72)【発明者】
【氏名】上野 哲
(72)【発明者】
【氏名】山下 耕作
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀直
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-209997(JP,A)
【文献】特開2014-151956(JP,A)
【文献】特開2017-95143(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C 1/00-11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する物品搬送手段と、
前記物品の商品情報に応じたラベルを発行する発行手段と、
前記発行手段により発行されたラベルを前記物品に貼付する貼付手段と、
前記発行手段により発行されるラベルが、予め設定されたラベル長を超えるか否かを判定する判定手段と、
前記発行手段により発行されるラベルのラベル長が設定長を超える場合、前記物品搬送手段による搬送を停止する制御手段と、
を有することを特徴とする貼付装置。
【請求項2】
前記判定手段により、前記発行手段で発行されるラベルのラベル長が前記設定長を超えると判定した場合、その旨を報知する報知手段を有することを特徴とする請求項1に記載の貼付装置。
【請求項3】
前記貼付手段は、前記物品の底面にラベルを貼付し、
前記設定長は、前記発行手段から前記物品の搬送面までの長さに基づいて設定され、
前記制御手段は、前記物品搬送手段による搬送を停止した場合、前記発行手段により発行されたラベルの先端が前記搬送面よりも上方に突出する位置に待機させることを特徴とする請求項1または2に記載の貼付装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の貼付装置を備える包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貼付装置、包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
台紙レスラベル発行装置は、台紙なしラベル用紙がロール状に形成されたロール状体を着脱自在に保持し、ロール状体から引き出されたラベル用紙に印字部により印字内容を印字し、印字量に応じたラベル長で切断して、台紙レスラベル(ライナレスラベル)を発行する。この台紙レスラベルは、印字量に応じた可変長のラベルである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
被貼付物を搬送しながら、ラベルを自動で貼付するラベル貼付装置では、所定のラベル長を超えるラベルの場合、貼付不良を生じる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の貼付装置は、少なくとも、以下の構成を具備するものである。
貼付装置は、物品を搬送する物品搬送手段と、
前記物品の商品情報に応じたラベルを発行する発行手段と、
前記発行手段により発行されたラベルを前記物品に貼付する貼付手段と、
前記発行手段により発行されるラベルが、予め設定されたラベル長を超えるか否かを判定する判定手段と、
前記発行手段により発行されるラベルのラベル長が設定長を超える場合、前記物品搬送手段による搬送を停止する制御手段と、
を有することを特徴とする。
【0006】
また、本発明の包装装置は、上記本発明に係る貼付装置を備え、前記包装装置により包装された物品に対してラベルを貼付可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の貼付装置は、可変長の台紙レスラベルを被貼付物に貼付する貼付装置において、台紙レスラベルのラベル長が所定長を超える場合、貼付不良を防止することができる。また、台紙レスラベルのラベル長が所定長を超える場合、その旨を操作者に報知し、ラベルの手貼りを促すことができる貼付装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る貼付装置を備えた包装装置の一例を示す斜視図。
【
図2】本発明の実施形態に係る貼付装置を備えた包装装置の概念図。
【
図4】下貼用ラベル貼付部及び下貼用ラベルを備える貼付装置の一例を示す概念図。
【
図5】下貼用台紙レスラベルが設定長を超えるラベル長の場合の貼付装置の動作の一例を説明するための図。
【
図6】本発明の実施形態に係る貼付装置を備えた包装装置の機能ブロックの一例を示す図。
【
図7】本発明の実施形態に係る貼付装置を備えた包装装置で用いられる包装や貼付に係る情報の(a)は商品ファイル、(b)はラベルフォーマットファイル、(c)はトレイファイルの一例を示す図。
【
図9】本発明の実施形態に係る貼付装置を備えた包装装置の動作の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る貼付装置は、物品を搬送する物品搬送手段と、物品の商品情報に応じたラベルを発行する発行手段と、発行手段により発行されたラベルを物品に貼付する貼付手段と、発行手段により発行されるラベルが、予め設定されたラベル長を超えるか否かを判定する判定手段と、発行手段により発行されるラベルのラベル長が設定長を超える場合、物品搬送手段による搬送を停止する制御手段とを有する。
包装装置はその貼付装置を備える。包装装置の包装部がフィルムにより物品を包み、貼付装置の発行手段により発行されるラベルをその物品に貼付する。包装装置は、発行手段により発行されるラベルのラベル長が設定長を超える場合、物品搬送手段による搬送を停止して、自動貼付モードから手貼りモードに移行して、操作者(作業者)によりそのラベルが物品に手貼りされる。
【0010】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。尚、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
【0011】
尚、本実施形態では、包装装置に備えられた上貼用ラベル発行部、下貼用ラベル発行部は、可変長の台紙レスラベル(ライナレスラベル)を発行し、被貼付物にラベルを貼付する。また、本実施形態では、包装装置の包装部により包装された被貼付物としての物品に、貼付装置がラベルを貼付するが、この実施形態に限られるものではない。例えば、搬送路に次々と流れてくる被貼付物に対して、貼付装置が台紙レスラベルを貼付する実施形態であってもよい。
【0012】
図1は本発明の実施形態に係る貼付装置を備えた包装装置の一例を示す斜視図である。
図2は本発明の実施形態に係る貼付装置を備えた包装装置の概念図である。
図3は上貼用ラベル発行部の一例を示す概念図である。
【0013】
本発明の実施形態に係る貼付装置を備える包装装置は、食品等の商品を収容したトレイ等の被包装物(以下、「トレイT」と称呼する場合もある)をストレッチフィルム等(以下、「フィルムF」という)により包装するものであり、包装された被包装物(被貼付物)に対して、用紙に商品の情報(印字データ)を印字したラベル等の貼付媒体を貼付する。
【0014】
フィルム包装装置A(包装装置)は、機体aの前方に配置され、操作者によりトレイTを載置する商品載置部bと、トレイTに対してフィルムFを被覆して包装するフィルム包装手段cと、商品載置部bに載置されたトレイTをフィルム包装手段cに搬送する搬入搬送部dと、フィルムFにより包装されたトレイTを排出する商品排出部eと、商品排出部eにトレイTを搬送する排出手段4(プッシャ)と、商品排出部eに排出されたトレイTの上面に上貼り用ラベルLを貼付する上貼用貼付装置Pと、トレイTの下面に下貼り用ラベルLを貼付する貼付装置100(下貼り用貼付装置)を有する。フィルム包装装置Aの機体aの前方には操作者(ユーザなど)によりフィルム包装装置Aを制御するための情報を入力したり、フィルム包装装置Aの状態を監視するためのタッチパネル等の表示操作部hが配置されている。
【0015】
上記フィルム包装装置Aにおいて、操作者(作業者)が、表示操作部hによりトレイT等の情報を入力し、商品載置部bにトレイTを載置することにより、トレイTは搬入搬送部dによりフィルム包装手段cに搬送され、フィルム包装手段cにより包装された後、排出手段4(プッシャ)により商品排出部eに排出されながら上貼用貼付装置Pにより、トレイTを包装するフィルムFの上面に用紙が貼付される。
【0016】
図1に示す包装装置(ストレッチフィルム包装装置)は、機体aの前方に被包装物を載置する商品載置部b(計量部baを含む)を有し、商品載置部bに載せた被包装物(トレイT)を、搬入搬送部dにより機体a内部に設けられたエレベータ14に搬送する。つまり、搬入搬送部dは、物品を投入する際に利用される搬送部である。操作者が手で物品を搬入搬送部dの商品載置部b(計量部付き)へ載置し、物品の計量が終了した場合、搬入搬送部dは物品の搬入を始め、物品をエレベータ14へ移動させる。本実施形態では、搬入搬送部dによる物品の搬送方向は、包装装置正面視で前方から後方向である。
【0017】
エレベータ14の上方にはフィルム包装手段c(包装部)が設けられ、そのフィルム包装手段c(包装部)の近傍にフィルムロール配置部とその配置部にセットされたフィルムロール17から繰り出されるフィルムFの先端部を保持するフィルム保持手段5が設けられ、そのフィルム保持手段5で保持されているフィルム先端を挟持して引き出し、フィルム包装手段c(包装部)まで移送するフィルム包装手段c(包装部)に設けられたクランプ手段がフィルム保持手段の先端に接近させて配置されている。
【0018】
また、フィルム保持手段とクランプ手段との間には該クランプ手段で挟持され引き出されたフィルムFを所定長さにカットするカッタ(不図示)が配置されている。
また、フィルム包装手段c(包装部)に設けられたクランプ手段の上方には左右折り込み板7,7’と後折り込み板6、及び後折り込み板6の上方に位置させた排出手段4(排出プッシャ)が配設されている。
【0019】
エレベータ14上に載せられた被包装物(トレイT)は、エレベータの上昇によりフィルム包装手段c(包装部)に展張されたフィルムFに対して突き上げられ、引き伸ばされた状態のフィルムの端部を、左右折り込み板7,7’と後折り込み板6とにより被包装物(トレイT)の底部に折り込んだ後、排出手段4(排出プッシャ)により被包装物(トレイT)を機体a前側の商品排出部e(ヒータ10)へ向けて水平に押動しながら、フィルムFの前側端部を前折り込みローラ9で被包装物の底部に折り込んでフィルムによる包装が完了される。そして、排出手段4(排出プッシャ)により被包装物(物品)が押し出される。物品は排出搬送部71により移送中に上貼用貼付装置Pのアーム部2及び貼付部3が、上貼り用発行装置Q(ラベル発行装置)により発行された用紙を商品(包装されたトレイ)の上面に貼付する。なお、排出搬送部71は、包装処理を終えた物品を包装装置内から装置外(仕分け搬送部k)へ向けて排出させるための搬送手段である。本実施形態では、排出搬送部71による物品の搬送方向は、装置正面視で後方から前方向である。
【0020】
トレイTを包装した商品(被貼付物である物品)は、包装装置Aの機体aの前面側に設けられた仕分け搬送部kによりラベル下貼り装置としての貼付装置100に搬送される。仕分け搬送部kは、本発明に係る貼付装置の停止制御が実行される搬送部であってもよい。なお、仕分け搬送部は、ラベルを自動貼付する場合に、仕分け搬送部が物品を下貼り搬送部へ向けて搬送し、ラベルを自動貼付する場合に、仕分け搬送部kで物品の搬送が停止するため、いわゆる仕分け機能を有しているためである。本実施形態では、仕分け搬送部kによる物品の搬送方向は、正面視で左右方向である。
本実施形態では、貼付装置100は、包装装置Aの機体aの前面側に配置され、被貼付物の下面にラベルLを貼付する。詳細には、貼付装置100は、被貼付物としての物品(商品)を所定の搬送方向へ搬送する下貼り搬送部101を有する。下貼り搬送部101は、物品(商品)の搬送方向の途中のラベル貼付位置に開口部101aを有する。開口部101aの下方には、下貼り用ラベルを発行する印刷装置、印刷装置から発行された下貼り用ラベルを開口部101a付近のラベル貼付位置まで搬送するラベル搬送部などが設けられている。下貼り搬送部101は、ラベル貼付の際に物品を搬送する搬送部である。下貼り搬送部101は、基本的に、ラベル自動貼付動作のときにのみ、物品を搬送する。ラベル手動貼付の場合、物品は仕分け搬送部kで止まっているため、この下貼り搬送部101は駆動しない。本実施形態では、下貼り搬送部101による物品の搬送方向は、装置正面視で左右方向に規定されている。下貼り装置としての貼付装置100の構成の詳細を後述する。
【0021】
図3に示したように、上貼用ラベル発行部40(プリンタ)は、ラベル用紙として一方面が印字面で他方面が粘着層を有する貼付面である長尺帯状のラベル用紙21’がロール巻きされた台紙レスラベルロール21を用いる台紙レスラベル発行部である。
【0022】
上貼用ラベル発行部40は、ケース40a内にロール装填部23が設けられ、そのロール装填部23にセットされる台紙レスラベルロール21のラベル用紙の繰り出し方向前方位置に、印字部25と、印字された台紙レスラベル用紙を所定長さに切断する切断手段26と、が配置されている。台紙レスラベルロール21は、ロール装填部23に回転可能に支持される。
切断手段26は、印字部25で商品などの情報が印字され、ラベル送出口に向けて送出されるラベル用紙21’を所定長さの枚葉状に切断する。切断手段26は、ラベル送出口より水平状に送出されるラベル用紙21’を挟むように配置した上下一対の可動刃26aと固定刃26bとを有する。
【0023】
印字部25は、ラベル用紙21’の下方(貼付面側)に位置するプラテンローラ25aと、ラベル用紙21’の上方(印字面側)に位置するサーマルヘッド25bとを有する。プラテンローラ25aはステッピングモータ(不図示)によって駆動回転するように構成されている。
ラベル用紙21’の上方に位置するサーマルヘッド25bは、ラベル用紙21’を下側のローラ(プラテンローラ25a)とで挾着するように下方に付勢され、それによりラベル用紙21’を安定して送出し得るように構成されている。
【0024】
また、印字部25のプラテンローラ25aは、それぞれの表面に剥離剤がコーティングされており、ラベル用紙21’の印字面とは反対側面に塗着されている粘着剤が付着しないように構成され、それによってラベル用紙21’の送出が円滑に行われるようになっている。尚、ラベル用紙21’の粘着層が上記ローラに付着しにくくする構成は上記構成に限らず、上記ローラ自体又はローラの最外周部分を易剥離性の部材で構成してもよい。
【0025】
切断手段26により切断された台紙レスラベルは、ラベル発行口付近に設けられたラベル保持手段261により保持される。このラベル保持手段261の大きさに応じて設定長(第1設定長)が規定されている。設定長(第1設定長)よりも長いラベル長の台紙レスラベルが発行される場合、上貼用ラベル貼付部により良好に貼付できなくなるので、その長いラベルをラベル保持手段261により保持して、手貼りモードに移行する。
【0026】
図4は下貼用ラベル貼付部及び下貼用ラベルを備える貼付装置の一例を示す概念図である。
図5は下貼用台紙レスラベルが設定長を超えるラベル長の場合の貼付装置の動作の一例を説明するための図である。
【0027】
下貼り搬送部101は、被貼付物(物品)の搬送方向に複数のローラ101rを配置した構造を有する。ローラ101rは、下貼り搬送部101のモータなどによりベルト101bを介して回転駆動可能に構成されている。被貼付物の搬送路の途中のラベル貼付位置には、開口部101aが設けられている。
その開口部101aの下方には、下貼り用ラベルを発行する印刷装置400、印刷装置400から発行された下貼り用ラベルを開口部101a付近のラベル貼付位置LPまで搬送するラベル搬送部521などが設けられている。つまり、ラベル搬送部521の上端部付近には、ラベルを物品に貼付するラベル貼付部524が設けられている。
【0028】
印刷装置400は、下貼用ラベル発行部40Uを有する。下貼用ラベル発行部40Uは、送りローラ24、印字部25、カッタなどの切断部26U(切断手段)を有する。印刷装置400は、用紙連続体であるから繰出される用紙21aの搬送路の近傍に、用紙21aを搬送路に沿って導くためのガイド部材27c、27dを所定の位置に備えている。また、下貼用ラベル発行部40Uには、下部紙送りボタン29が設けられている。
【0029】
送りローラ24は、ローラ22の下流側に配置された2つのローラ24a、24bを有し、ラベルロール21から繰出された用紙21aを所定方向に搬送する。詳細には、送りローラ24は、通常搬送時に、用紙21aを搬送方向(繰出し方向)に導き、用紙21aのバックフィード時に、ローラ24a、24bにより挟持された用紙21aを繰出し方向(搬送方向)に対して反対方向に搬送するように構成されている。
【0030】
印字部25Uは、送りローラ24の下流側に配置されたプラテンローラ25Ua、サーマルヘッド25Ubを有する。プラテンローラ25Uaとサーマルヘッド25Ubにより挟持された用紙21aに、サーマルヘッド25Ubが印字し、プラテンローラ25Uaの回転により用紙21aが所定方向に搬送される。
【0031】
カッタなどの切断部26U(切断手段)は固定刃26Ua及び可動刃26Ubを有し、制御部の制御により、所定のタイミングで用紙21aを例えば粘着面から切断して枚葉状のラベルを生成する。
【0032】
本実施形態では、下貼用ラベル発行部40Uは、金属製の筐体内に下貼用ラベル発行部40Uの各構成要素を備え、その筐体に発行口28としての開口部を有する。詳細には、カッタなどの切断部26U(切断手段)の下流側に、ラベルの発行口28が設けられている。
【0033】
ラベルの発行口28から排紙されたラベルは、ラベル搬送部521によりラベル貼付位置へ搬送される。
ラベル搬送部521は、所定距離だけ離れて設けた複数のローラ521rに無端ベルト522などを配置し、モータなどのラベル搬送駆動部によりローラ521rを回転駆動することにより、無端ベルト522を回転させてラベルを搬送可能に構成されている。
【0034】
本実施形態では、ラベル搬送部521は、傾斜したラベル載置面を有し、そのラベル載置面の下方に、吸気ファン525を配置し、搬送中のラベルに対して負圧により無端ベルト側に圧力を加えた状態で、ラベルを無端ベルトで上方に移動可能に構成されている。
詳細には、ラベル搬送部521は、上下のローラ521rの間に板部材を有し、その板部材に複数の通気孔部が形成されている。このため、吸気ファン525の動作時、吸気ファン525は、通気孔部を介して、ラベル載置面上のラベルLに負圧を容易に作用させることができる。
尚、本実施形態では、ラベル搬送部521において、ラベル搬送部521により搬送されるラベルがベルトの裏側から吸気ファン525による負圧で保持した形態を説明したが、この形態に限られるものではない。例えば、ラベル搬送部521で搬送されているラベルに、ファンにより空気を吹付けて生じる押圧で、ラベルを保持する形態でもよいし、ラベルを保持しながら搬送出来れば、任意の方法であってもよい。
【0035】
滞留部523としてのラベル搬送部521は、ラベル発行部40Uで発行されたラベルを搬送しながら一時的に滞留させる。滞留部523の滞留領域は、ラベル搬送面の下方から上方のラベル貼付位置までに対応する。
【0036】
吸気ファン525による吸引力は、ラベル搬送部521の下部付近において、下部のローラ521rの存在により、比較的弱くなる箇所が存在する。また、切断部26(切断手段)によるラベル切断時に、ラベル発行口28(ラベル排出口)から排紙されるラベルLが跳ね上がり、ラベル搬送方向に対して斜めに傾いた状態でラベル搬送部のラベル載置面に押圧されながら上方のラベル貼付位置まで搬送され、被貼付物の下面に斜めに貼付される虞がある。
【0037】
本発明の実施形態に係る貼付装置100は、ラベル搬送部521の下部付近において、ラベル載置面側の上方位置に、加圧ファン526を備える。加圧ファン526は、ラベル発行口28から配置された用紙(ラベル)に対して送風することにより、ラベルをラベル搬送部521のラベル載置面側に加圧するように構成されている。この加圧ファン526により、ラベルの跳ね上がりを防止することができる。
【0038】
また、本発明の実施形態に係る貼付装置100は、ラベル発行口28の下流側位置に、ラベルの跳ね上がり防止部材527を有し、ラベルの跳ね上がりを容易に低減可能に構成されている。詳細には、跳ね上がり防止部材527は、加圧ファン526と、ラベル搬送部521の間に設けられている。
【0039】
本実施形態では、跳ね上がり防止部材527において、一方の端部が加圧ファン526の本体部に固定され、他方の端部がラベル載置面側に延設されている。跳ね上がり防止部材527の他方の端部(ラベル載置面側の端部)とラベル載置面の間の隙間は、上流側端部527a(ラベル発行口側端部)側よりも下流側端部(ラベル貼付位置側端部)側のほうが狭くなるように構成されている。詳細には、上流側端部527a(ラベル発行口側端部)は、ラベル発行口28の上端部と同じ高さ又はそれよりも上方に位置するように構成されている。
【0040】
このため、跳ね上がり防止部材527により、ラベル発行口28から排紙されたラベルの上方への跳ね上がりを防止することができ、且つ、被貼付物に対してラベルを斜めに貼付することを防止することができる。この加圧ファン526や跳ね上がり防止部材527を設けることによる効果は、特に、比較的短いラベルを発行する場合に特に有効である。
【0041】
また、ラベル搬送部521は、上部のラベル貼付位置付近に検出部54を備え、その位置でのラベルの有無を検出可能に構成されている。
また、ラベル搬送部521は、下部のラベル発行口28付近に、検出部53を備え、その位置で用紙(ラベル)の有無を検出可能に構成されている。物品搬送部の搬送路の比較的上流位置の近傍には、検出部54が設けられており、搬送されてくる被貼付物の位置を検出し、検出信号を制御部に出力する。
【0042】
また、
図5に示したように、発行手段(下貼用ラベル発行部)から物品の搬送面までの長さに基づいて設定長が規定されている。制御部は、下貼り搬送部101による搬送を停止した場合、発行手段(下貼用ラベル発行部)により発行された台紙レスラベルの先端が、物品の搬送面よりも上方に突出する位置に待機させるように、制御部31の駆動制御部312が制御を行う。
【0043】
図6は本発明の実施形態に係る貼付装置を備えた包装装置の機能ブロックの一例を示す図である。
図6に示したように貼付装置を有する包装装置は、ラベル発行貼付部40Eと包装機構制御部102Eとを有する。
ラベル発行貼付部40Eは、ラベル下貼り装置を制御する下貼り用制御部とラベル上貼り装置上貼り用制御部を有する。尚、以下、下貼り用制御部について説明し、上貼り用制御部に関して説明を省略する。下貼り用制御部は、下貼り用印刷装置(印刷装置)と下貼り用貼付装置(貼付装置)などの制御を行うものであり、制御部(CPU)31によって制御する。
包装機構制御部102Eは、主としてストレッチ包装装置の機構部の制御を行うもので、CPU61によって制御される。
本実施形態では、制御部31とCPU61の協働により、本発明に係る包装装置(コンピュータ)の機能が実現される。
【0044】
<包装機構制御部102E>
次に、包装機構制御部102Eについて説明する。
包装機構制御部102Eは、CPU61、通信用インタフェース回路65(INF)、ROM62、RAM63、操作部64、及び、機構駆動部66を有する。各構成要素はバス(データ通信線など)61aを介して接続されている。
【0045】
通信用インタフェース回路65(INF)は、ラベル発行貼付部40Eと各種データ、指令の通信を行なうための回路である。
【0046】
ROM62は、CPU61が実行する制御プログラムを記憶している。
RAM63は、CPU61がROM62の制御プログラム(PRG)を実行する場合に用いる各種レジスタ及びフラグのエリアの他に、商品の形状データ(縦、横、高さ)に基づいて制御データを決定するための各種テーブル等が記憶されている。
操作部64は、装置の起動、停止等のためのスイッチである。
【0047】
機構駆動部66は、包装を実行する場合に包装装置の各機構部を駆動するための回路で、具体的にはエレベータを駆動するエレベータモータ67、被包装物を搬入する搬入コンベアの搬入モータ68、フィルムフィード機構のフィルム移送モータ69、排出手段4(プッシャ)等がある。尚、包装装置の詳細については説明を省略する。
また、機構駆動部66には、被包装物の横幅を検出する商品の幅検出センサ15aと、被包装物の高さを検出する高さ検出センサ15b、商品の奥行きを検出する奥行き検出センサが接続されており、検出データをCPU61へ供給するようになっている。本実施形態では、高さ検出センサ15bが奥行き検出センサを兼ねており、商品(物品)が高さ検出センサ15bを搬送方向に沿って通過する速度、及び時間に基づいて、CPUが商品(物品)の奥行きを得るように構成されている。
【0048】
ラベル発行貼付部40Eから包装機構制御部102Eへ、商品載置部上に載置された被包装物の計量の安定を報知する信号が送信される。また、包装機構制御部102Eからラベル発行貼付部40Eへ、ラベル貼付位置決定のためのデータとして、幅検出センサ15aで検出された一方の長さデータ(商品の中央から幅方向端部までの長さデータ)と、検出センサ15bにより検出された高さデータと、長さ(奥行き)データとなどが送信される。
【0049】
<ラベル発行貼付部40E>
ラベル発行貼付部40Eは、制御部31(CPU)、記憶部32、表示操作部h(コンソール部)、計量部ba、通信用のインタフェース回路(INF)46、上貼用ラベル発行部40(Q)、排出搬送部71、下貼用ラベル発行部40U、下貼用物品搬送部51、ファン駆動部(吸気ファン525、加圧ファン526)、下貼用ラベル搬送部52、各種検出部53,54などを有する。各構成要素は、バス(データ通信線)などを介して接続されている。
【0050】
下貼用ラベル発行部40Uは、サーマルヘッド25Ub(印字手段)、プラテンローラ25Uaを駆動するステッピングモータ(不図示)、サーマルヘッド25Ubで印字した用紙を切断するカッタなどの切断部26U(切断手段)などを有する。サーマルヘッド(印字部)25Ub、ステッピングモータ、切断部26U(切断手段)としてのカッタなどは、インタフェースを介して、制御部31に接続されている。
【0051】
記憶部32は、台紙レスラベルのラベル長などを記憶する。記憶部32は、ROM33、RAM34などの記憶装置を有する。記憶部32には、物品のサイズ、ラベルのサイズ、印字項目などが記憶される。
詳細には、ROM33には、制御部31が実行する各種制御プログラムが記憶されている。
RAM34は、制御部31によりROM33の制御プログラムを実行する場合に用いる各種レジスタ、フラグ等のエリアと、商品毎に予め各種データが記憶されたプリセットデータエリアとを備えている。
プリセットデータエリアには、被包装物(商品番号)に対応して、値段計算及びラベル印字用のデータである「品名」、「単価」、「バーコード」等の各種商品データが記憶された商品ファイル、ラベル印字のフォーマットが定義されたラベルフォーマットファイル、トレイファイル、などが記憶されている(
図7(a)、
図7(b)、
図7(c)参照)。
【0052】
表示操作部h(コンソール部)は、キーボードやタッチパネルなどからなる操作入力部38と、液晶表示装置などで構成された表示部39と、を有する。表示操作部hは、各種データ及び指令の入力、或いは制御部31の指令に基づいて入力データの表示、プリセットデータの表示、各種メッセージの表示を行う。
台紙レスラベルの貼付に関する各種データの入力等は、この表示操作部hの操作部または操作入力部38を操作することで行うことができる。
計量部baは、商品載置部に載置された被包装物の計量信号を制御部31へ供給するものである。
【0053】
通信用のインタフェース回路46(INF)は、包装機構制御部102Eと各種データ、指令の通信を行う。
【0054】
下貼用ラベル発行部40Uは、サーマルヘッド、ステッピングモータ、切断部としてのカッタ等を有し、制御部31の指令に基づいてロール状連続体から繰り出された用紙(台紙レスラベル用紙)に印字データとして品名、値段、単価、バーコード等の印字を行い、印字された用紙を切断部26としてのカッタで枚葉状に切断して、ラベルL(台紙レスラベル)を発行する。
【0055】
下貼用物品搬送部51は、物品などの被貼付物を搬送するローラ等の物品搬送部を駆動するモータなどであり、制御部31により制御される。
【0056】
下貼用ラベル搬送部52は、ラベルをラベル貼付位置まで搬送するラベル搬送部を駆動するモータなどであり、制御部31により制御される。
【0057】
ファン駆動部(吸気ファン525、加圧ファン526)は、下貼用台紙レスラベルを、下貼用ラベル搬送部52のラベル搬送面に押圧するように、制御部31により制御される。
【0058】
各種検出部53,54は、例えば、印刷装置の発行口の下流側に配置され、発行口から排紙された用紙やラベルを検出する検出部や、ラベル貼付位置付近に配置され、ラベルの有無を検出する検出部、被貼付物を搬送する物品搬送部の搬送路の近傍に設けられ、搬送されてくる被貼付物を検出する検出部などを有し、検出信号を制御部31へ出力する。
【0059】
制御部31(CPU)は、装置の各構成要素を統括的に制御する。また、制御部31(CPU)は、例えば、記憶部32に記憶されている制御プログラムを実行することにより、本発明に係る機能を実現する。包装装置の制御部31の詳細な動作については後述する。
【0060】
制御部31(CPU)は、判定部311、駆動制御部312、報知処理部313などを有する。
判定部311は、発行手段により発行されるラベルが、予め設定されたラベル長を超えるか否かを判定する。
駆動制御部312は、発行手段により発行されるラベルのラベル長が設定長を超える場合、物品搬送手段による搬送を停止する制御を行う。
報知処理部313は、判定手段(判定部311)により、発行手段で発行されるラベルのラベル長が設定長を超えると判定した場合、その旨を報知する。報知手段としては、例えば、表示部による表示、発音部(不図示)による発音、発光部による発光などを挙げることができる。
【0061】
図8は可変長の台紙レスラベルの一例を示す図である。台紙レスラベルは、幅X1がロール状連続体の幅に対応し、ラベル搬送方向に沿った長さ(印字発行方向に沿った長さ)、つまりラベル長Y1は、印字量に応じて、印字量が多いほどラベル長Y1が長い。
図8に示した台紙レスラベルは、上貼用台紙レスラベルであってもよいし、下貼用台紙レスラベルであってもよい。
【0062】
詳細には、
図8に示した台紙レスラベルには、商品名、商品コード等を示すバーコード、値段、消費期限、製造日、原材料の名称、添加物の名称、製造者名(店舗名)、製造者(店舗)の住所、連絡先電話番号などの印字項目が印字されている。
【0063】
また、台紙レスラベルには、栄養成分表示、詳細には、商品1個当たり又は単位質量当たりの熱量、タンパク質の量、脂質の量、炭水化物の量、食塩相当量などが印字されてもよい。また、台紙レスラベルには、商品1個当たり又は単位質量当たりの糖質の量が印字されていてもよい。
【0064】
なお、上貼用台紙レスラベルに商品名、バーコード、値段、消費期限が記載され、それ以外の印字項目は、下貼用台紙レスラベルに印字されてもよい。
【0065】
次に、本発明の実施形態に係る貼付装置を備えた包装装置の動作の一例を、
図9等を参照しながら説明する。なお、包装装置は、上述したように、上貼用ラベル発行部、下貼用ラベル発行部を有し、台紙なしラベル用紙がロール状に形成されたロール状体を着脱自在に保持し、ロール状体から引き出されたラベル用紙に印字部により印字内容を印字し、印字量に応じたラベル長で切断して、台紙レスラベル(ライナレスラベル)を発行する。この台紙レスラベルは、印字量に応じた可変長のラベルである。台紙レスラベルは、ラベル保持部により保持され、待機位置で待機される。
以下、包装装置の各種動作の一例を詳細に説明する。なお、初期状態では、包装装置、上貼用ラベル貼付部、下貼用ラベル貼付部は、自動ラベル貼付モードに設定されている。
【0066】
先ず、操作者(オペレータ)は、包装装置の表示操作部hの操作入力部38等を操作し、包装対象の商品(物品)に関する情報(商品情報等)を記憶部32等から呼び出し、設定を行う。つまり、制御部31は、表示操作部hからの操作信号に応じて、記憶部から包装対象の商品(物品)に関する情報(商品情報等)を読み出す処理を行う。商品情報には、ラベルに印刷すべき情報や、包装処理時に利用される包装条件等が記憶されている。
そして、操作者(オペレータ)は、包装対象となる商品(物品)を投入部(商品載置部b)に載置する。
【0067】
ステップST11において、商品載置部b(載置部)に載置された物品の質量が計量部baにより計量され、計量部baから計量結果を示す信号が制御部31へ出力される。制御部31は商品載置部bに載置された物品の質量を示す質量情報(重量情報)を得る。
【0068】
ステップST12において、商品幅検出センサにより検出された物品(商品)の幅情報、高さ検出センサにより検出された物品(商品)の高さ情報が、制御部31に出力され、制御部は物品の幅情報、高さ情報を取得する。
また、高さ検出センサは、奥行き検出センサを兼ねており、物品が載置部からエレベータまで移動する間に設けられ、制御部31は、物品を搬送方向に搬送させる搬送速度、及び高さ検出センサを通過する時間に基づいて、物品の奥行き情報を取得する。
【0069】
ステップST13において、制御部31は、載置部に載置されている物品(商品)に関する商品情報等を記憶部32から読み出して取得する。商品情報は、商品名、値段、バーコード、添加物、消費期限、製造日、原材料情報、添加物情報、店舗、場所、連絡先等の情報である。なお、制御部31は、通信手段(不図示)により通信ネットワークなどの通信路を介して管理コンピュータ(ホストコンピュータ)等と通信を行い、管理コンピュータから商品情報を取得してもよい。
制御部31は、計量が完了した商品(物品)を、搬入搬送部dにより包装部へ搬送する処理を行う。
【0070】
ステップST14において、制御部31は、包装部(フィルム包装手段c)により商品(物品)を包装する処理を行う。包装処理としては、例えば、張架されたフィルムに対して下から上へ、エレベータに載置された物品を押上げた後、左右折込板にてフィルムの左右端部を物品の下部へ折り込み、前後折込部やプッシャ等により、フィルムの前後端部を物品の下部へ折り込む。制御部31は、包装された物品(商品)を排出搬送部71により排出する処理を行う。
【0071】
ステップST15において、制御部31は、商品情報等に基づいて上貼用の台紙レスラベルのラベルイメージを生成する処理を行う。上貼用の台紙レスラベルのラベル長(ラベル搬送方向の長さ)は、印字項目の印字量に応じて規定され、上貼用ラベルイメージを作成して算出される。
【0072】
ステップST16において、制御部31は、上貼用ラベル発行部40(Q)により、上貼用の台紙レスラベルを発行する処理を行う。
【0073】
ステップST17において、制御部31は、ラベルを待機する処理を行う。
【0074】
ステップST18において、制御部31は、上貼用ラベルのラベル搬送方向の長さ(ラベル長)が第1設定長以上か否かを判別し、第1設定長以上であると判別した場合にステップST21の処理に進み、それ以外の場合にステップST19の処理に進む。
【0075】
ステップST19において、制御部31は、包装された物品を、貼付位置に搬送する処理を行う。
【0076】
ステップST20において、制御部31は、排出搬送中の物品(商品)へ、上貼用ラベル貼付部3により、上貼付用ラベルを貼付する処理を行い、ステップST31の処理に進む。
【0077】
ステップST21において、制御部31は、手貼りモードに移行し、上部物品搬送部を停止する処理を行う。
ステップST22において、制御部31は、報知処理を行う。詳細には、制御部31の報知処理部313は、判定手段(判定部311)により、発行手段としての上貼用ラベル発行部で発行されるラベルのラベル長が第1設定長を超えると判定した場合、その旨を報知する処理を行う。報知処理としては、例えば、表示部39にその旨を表示する処理、スピーカや音声処理回路等の発音部(不図示)によりその旨を報知する処理、その旨を示す発光部を発光させる処理などを挙げることができる。制御部31の報知処理部313は、物品に台紙レスラベルを手貼りするように促す報知処理を行ってもよい。
【0078】
ステップST23において、制御部31は手貼り処理を行う。詳細には、操作者(作業者)は、待機している長い上貼用台紙レスラベルを物品に手貼りする。そして、制御部31は、上貼用台紙レスラベルがラベル待機部から取り外され、その台紙レスラベルが貼付された物品が取り除かれたことを検知部により検知された場合、手貼りモードを解除して自動ラベル貼付モードに移行し、ステップST31の処理に進む。
【0079】
ステップST31において、制御部31は、商品情報等に基づいて、下貼用台紙レスラベルのラベルイメージを生成する処理を行う。下貼用の台紙レスラベルのラベル長(ラベル搬送方向の長さ)は、印字項目の印字量に応じて規定され、下貼用ラベルイメージを作成して算出される。
【0080】
ステップST32において、制御部31は、下貼用ラベル発行部により、下貼用の台紙レスラベルを発行する処理を行う。
【0081】
ステップST33において、制御部31は、下貼用台紙レスラベルのラベル搬送方向の長さ(ラベル長)が第2設定値以上か否かを判別し、第2設定値以上の場合にステップST37の処理に進み、それ以外の場合にステップST34の処理に進む。
【0082】
ステップST34において、制御部31は、下貼用ラベルを通常の待機位置に待機させる。本実施形態では、この通常の待機位置は、下貼用ラベル搬送部に載置された下貼用の台紙レスラベルの上端(先端部)が、下貼用物品搬送部の搬送面よりも僅かに低い位置に規定されている。
【0083】
ステップST35において、制御部31は、下貼用の物品搬送部により物品を物品搬送方向へ搬送する。
【0084】
ステップST36において、制御部31は、下貼用の台紙レスラベルの上端(先端部)を、下貼用物品搬送部の搬送面よりも高い位置となるように、その台紙レスラベルを下貼用ラベル搬送部により搬送するとともに、下貼用の物品搬送部により物品を物品搬送方向へ搬送することで、物品の底部に下貼用台紙レスラベルが貼付される。そして、制御部31は、次の物品に対する包装処理、及びラベル貼付処理を行うために、ステップST11の処理に進む。
【0085】
ステップST37において、制御部31は、手貼りモードに移行し、下貼用ラベルの上端部を物品搬送面よりも上方に突出する位置に待機させるように、下貼用ラベル搬送部を駆動制御する。
【0086】
ステップST38において、制御部31は、下貼用の物品搬送部を停止させる駆動制御を行う。
【0087】
ステップST39において、制御部31は、報知処理を行う。詳細には、制御部31の報知処理部313は、判定手段(判定部311)により、発行手段としての下貼用ラベル発行部で発行されるラベルのラベル長が第2設定長を超えると判定した場合、その旨を報知する処理を行う。報知処理としては、例えば、表示部39にその旨を表示する処理、スピーカや音声処理回路等の発音部(不図示)によりその旨を報知する処理、その旨を示す発光部を発光させる処理などを挙げることができる。制御部31の報知処理部313は、物品に台紙レスラベルを手貼りするように促す報知処理を行ってもよい。
【0088】
ステップST40において、制御部31は手貼り処理を行う。詳細には、操作者(作業者)は、待機している長い下貼用台紙レスラベルを物品に手貼りする。そして、制御部31は、下貼用台紙レスラベルがラベル待機部から取り外され、その台紙レスラベルが貼付された物品が取り除かれたことを検知部により検知された場合、手貼りモードを解除して自動ラベル貼付モードに移行し、ステップST11の処理に進む。
【0089】
なお、上述した実施形態では、ステップST18、ST21、ST22、ST23、ST33、ST37、ST38、ST40等で、比較的長いラベルを貼付する場合に、物品の搬送を停止して、その旨を報知する処理を行い、手貼り処理を行ったが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、包装装置は、ST11以前において、操作者(オペレータ)が、包装装置の表示操作部hの操作入力部38等を操作し、包装対象の商品(物品)に関する情報(商品情報等)を記憶部32等から呼び出し、設定を行う際に、制御部が、比較的長いラベルになることが判別できた時点で、手貼り処理モードを選択可能に報知し、手貼りモードを選択することもできる。
ラベル長が一定長さを超えているか否かは、商品情報を呼び出した時点で判断できる(物品を投入する間に分かる)ので、商品情報を呼び出した際に「本商品は下貼りラベルが長いので、自動貼付は行いません。」や「下貼りラベルが長いので、手貼りをしてください。」などの報知を、制御部31が表示操作部hの表示部39にさせることもできる。
その報知例としては、例えば、表示操作部hの表示部39に、「本商品は下貼りラベルが長いので、自動貼付は行いません」、「本商品は下貼りラベルが長いので、手貼りをしてください」、「本商品は上貼りラベルが長いので、自動貼付は行いません」、「本商品は上貼りラベルが長いので、手貼りをしてください」、などの上貼りラベルや下貼りラベルの長さに応じて適宜適切な報知(ポップアップ表示等)を行う。
【0090】
なお、上述した実施形態では、包装装置が、包装部により包装された物品に、上貼用台紙レスラベル、及び下貼用台紙レスラベルを貼付したが、この実施形態に限られるものではない。例えば、包装装置は、上貼用台紙レスラベル、下貼用台紙レスラベルのいずれか一方を物品に貼付してもよい。また、貼付装置は、包装されている物品、又は包装されていない物品に、上貼用台紙レスラベル、又は下貼用台紙レスラベルを貼付する実施形態であってもよい。包装装置、又は貼付装置は、設定長よりも長い台紙レスラベルを発行する場合、搬送手段による物品の搬送を停止して、手貼りモードに移行すればよい。
【0091】
また、包装装置の制御部は、発行されたラベルが、所定の物品に貼付されずにラベル貼付位置等に残っている場合、やエラー等によりラベルがラベル貼付位置等に残っている場合、ラベル検出センサ(不図示)によりそのラベルを検出し、制御部が、「ラベルが残っています。全てのラベラー(上貼用ラベル発行部40(Q)、下貼用ラベル発行部40U)を確認し、ラベルを取り除いてください。」などの報知を、表示操作部hの表示部39に行う。
【0092】
また、包装装置の制御部は、各検出部でラベルが取り除かれている部位を特定できた場合、例えば、「下貼り部のラベルが残っています。」などのような報知処理をしてもよい。当該報知処理は、ラベルが取り除かれるまで表示されていることが好ましい。ラベルが取り除かれたことを検出した場合、その報知は自動で消去される。その報知が消去された後は、通常状態となり、投入部(商品載置部)に商品が投入されると、投入コンベア(搬入搬送部)が包装部への搬送を開始する。
【0093】
<上貼り用ラベル、下貼り用ラベルのいずれか一方が長くても止まる制御>
また、上述した実施形態では、包装装置の制御部は、下貼りラベルの長さに応じてコンベア搬送を止める制御を行ったが、下貼りラベルに限定されず、例えば、制御部は、上貼りラベルの長さが一定長さを超えたときにコンベア搬送を止める制御を行ってもよい。詳細には、ラベルの長さが一定量を超えると、ラベルを吸引し物品まで運ぶラベル貼付装置(ロボットアーム、マニピュレーター等)が当該ラベルをうまく運ぶことができなくなるが、このような場合、制御部は、手貼りを促すために、仕分け搬送部kにて停止制御を行う。また、制御部は、上貼りラベル、下貼りラベルのどちらの理由で停止されたのか分かるように、表示操作部hの表示部39に表示させることで、操作者は表示部の報知に基づき手貼りすべきラベルを容易に確認することができる。
【0094】
また、包装装置は、上貼りラベル=手動(手貼り)、下貼りラベル=自動(貼付装置によるラベル貼付)の条件の場合、上貼りラベルを手で貼付すると、下貼りラベルを自動貼付できるよう、仕分け搬送部kの停止制御を解除し、下貼り搬送部101へ物品を自動搬送させてもよい。
制御部による、上貼りラベルが貼付されたか否かの判断は、上貼りラベル用プリンタのラベル排出口に設けられたセンサの検出結果に基づいて行うことができる。ラベル取り去り検出から一定時間後には手によるラベル貼付が完了していると見積もることができため、仕分け搬送部kの搬送を再開させ、下貼りラベルを自動で貼付することができる。
【0095】
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る貼付装置100は、物品を搬送する物品搬送手段(排出搬送部71、下貼用物品搬送部51)と、物品の商品情報に応じたラベルを発行する発行手段(上貼用ラベル発行部40(Q)、下貼用ラベル発行部40U)と、発行手段により発行されたラベルを前記物品に貼付する貼付手段(上貼用貼付装置P(上貼用ラベル貼付部)、下貼用ラベル搬送部52及び下貼用物品搬送部51)と、発行手段により発行されるラベルが、予め設定されたラベル長を超えるか否かを判定する判定手段(判定部311)と、発行手段により発行されるラベルのラベル長が設定長を超える場合、物品搬送手段(排出搬送部、下貼用物品搬送部)による搬送を停止する制御手段(駆動制御部312)とを有する。
すなわち、可変長の台紙レスラベルを被貼付物に貼付する貼付装置において、台紙レスラベルのラベル長が所定長を超える場合、貼付不良を防止することができる。
また、所定長を超えた長さの台紙レスラベルの場合、操作者(作業者)が長尺の台紙レスラベルを手貼りにより物品(被貼付物)に貼付することができる。
【0096】
また、本発明の実施形態に係る貼付装置は、判定手段(判定部311)により、発行手段(上貼用ラベル発行部、下貼用ラベル発行部)で発行される台紙レスラベルのラベル長が設定長を超えると判定した場合、その旨を報知する報知手段(報知処理部313、表示部等)を有する。
すなわち、報知手段(報知処理部313、表示部等)により、台紙レスラベルのラベル長が設定長を超えると報知された場合、操作者(作業者)に確実に認識させることができ、操作者(作業者)は、手貼りにより台紙レスラベルを物品(被貼付物)へ貼付することができる。
【0097】
また、本発明の実施形態に係る貼付装置では、貼付手段である下貼用ラベル搬送部52が下貼用物品搬送部51により搬送される物品の底面にラベルを貼付する。
設定長は、発行手段から前記物品の搬送面までの長さに基づいて設定される。詳細には、下貼用ラベル発行部から、下貼り用ラベル搬送部により下貼用ラベル搬送駆動部の物品の搬送面までの長さである。
制御手段(駆動制御部)は、物品搬送手段(下貼用物品搬送部)による搬送を停止した場合、発行手段(下貼用ラベル発行部)により発行された下貼用台紙レスラベルの先端が、搬送面よりも上方に突出する位置に待機させる。
すなわち、下貼用台紙レスラベルのラベル長が所定長を超える場合、下貼用台紙レスラベルの先端が、搬送面よりも上方に突出する位置に待機させることで、長い台紙レスラベルを手貼りにより貼付することで、貼付不良を防止することができる。
【0098】
また、本発明の実施形態に係る包装装置は、包装装置の包装部により包装された物品に、その物品に応じた可変長の台紙レスラベルを貼付する上記貼付装置を備えるので、包装された物品への可変長の台紙レスラベルの貼付不良を防止することができる。
【0099】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0100】
4…排出手段(プッシャ)
5…フィルム保持手段
25…印字部
25U…印字部
31…制御部(CPU)
39…表示部
40(Q)…上貼用ラベル発行部
40U…下貼用ラベル発行部
51…下貼用物品搬送部
52…下貼用ラベル搬送部
71…排出搬送部
100…貼付装置
101…下貼り搬送部
311…判定部(判定手段)
312…駆動制御部(制御手段)
313…報知処理部(報知手段)
A…包装装置
d…搬入搬送部
k…仕分け搬送部
L…ラベル(可変長の台紙レスラベル)
P…上貼用貼付装置(上貼用ラベル貼付部)